JP3158128B2 - コハク酸イミド誘導体 - Google Patents

コハク酸イミド誘導体

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JP3158128B2
JP3158128B2 JP35894192A JP35894192A JP3158128B2 JP 3158128 B2 JP3158128 B2 JP 3158128B2 JP 35894192 A JP35894192 A JP 35894192A JP 35894192 A JP35894192 A JP 35894192A JP 3158128 B2 JP3158128 B2 JP 3158128B2
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利行 根来
誠 村田
昇三 上田
武一 藤谷
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Sumitomo Pharma Co Ltd
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強力なアルドース還元
酵素(アルドースリダクターゼ)阻害作用を有する、新
規テトラヒドロピロロ〔1,2−a〕ピラジン−4−ス
ピロ−3′−ピロリジン誘導体の中間体として有用なコ
ハク酸イミド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】糖尿病
の治療は、インスリンや経口血糖降下剤の投与により対
症的に行われているものの、完全治癒は難しく、罹病期
間が長くなると、多彩な合併症(白内障,網膜症,角膜
症,神経障害,腎症など)が惹起されてくる。したがっ
て、今日的な糖尿病の治療の最大の目的は糖尿病性合併
症の発症や進展をいかに阻止するかにある。
【0003】糖尿病性合併症発症の機序の一つとして、
ポリオール代謝(ソルビトール代謝)の異常が考えられ
ている。アルドースリダクターゼは、ポリオール代謝経
路の主要酵素で、グルコースをソルビトールに変換する
酵素である。糖尿病患者では、血液中グルコース濃度の
上昇に伴い、血管,末梢神経,レンズ,網膜,腎などの
組織へのグルコースの取り込みが健常人に比べて増加す
る。そのために、アルドースリダクターゼによるポリオ
ール代謝が活発となり、ソルビトール産生量が増加し、
ソルビトールの組織内蓄積が進行する。その結果、組織
内浸透圧が上昇し、水分貯留を惹起するため、細胞機能
の障害が生じ、糖尿病性合併症の発症を来すと言われて
いる〔例えばP.F.ケーダーら, Ann. Rev. Pharmacol. T
oxicol.,25, 691 〜714 (1985)参照〕。
【0004】したがって、アルドースリダクターゼ阻害
作用を有する化合物が糖尿病性合併症の予防,治療に有
効であると考えられ、世界中で各種タイプの化合物の研
究開発が行われている。現在、わずかに2種のアルドー
スリダクターゼ阻害剤、即ちN−〔〔6−メトキシ−5
−(トリフルオロメチル)−1−ナフタレニル〕チオキ
ソメチル〕−N−メチルグリシン〔一般名:トルレスタ
ット(Tolrestat);例えば Merck Index,第11版,9451
(1989)参照〕と(E,E)−5−(2−メチル−3−
フェニル−2−プロペニリデン)−4−オキソ−2−チ
オキソ−3−チアゾリジン酢酸〔一般名:エパルレスタ
ット(Epalrestat);例えば Merck Index,第11版,35
56 (1989)参照〕が一部の国で市販されている。しかし
ながら、これらの効力はかならずしも十分なものではな
く〔後記試験例及びN.シマード−ジュクェスンら,Meta
b. Clin. Exp., 34, 885 〜892 (1985)参照〕、より強
力なアルドースリダクターゼ阻害作用を有し、かつ毒性
の低い新規化合物の開発が望まれている。
【0005】本発明者らは、強力なアルドースリダクタ
ーゼ阻害作用を有し、かつ毒性の低い化合物を得るべく
鋭意研究を重ねた結果、下記化2で表されるテトラヒド
ロピロロ〔1,2−a〕ピラジン−4−スピロ−3′−
ピロリジン誘導体が極めて優れた特性を有することを見
出した。これらの化合物は、特開平2−164880号
公報に記載されているスピロイソキノリンピロリジンテ
トラオン系化合物及びその類似化合物とは、基本骨格の
点で明らかに異なっている。
【0006】
【化2】 (式中、R2 は水素原子又はハロゲン原子を意味し、R
3 はハロゲン原子を意味する。)
【0007】化2の化合物は1個の不斉炭素原子(ピロ
リジン環3′位のスピロ炭素原子)を有するので2種の
エナンチオマーが存在するが、一方のエナンチオマー
は、他方のエナンチオマーよりもアルドースリダクター
ゼ阻害作用が強い。したがって、アルドースリダクター
ゼ阻害作用のより強いエナンチオマーの工業的規模での
製造に適した製法の開発が望まれる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記化
2の化合物、特にアルドースリダクターゼ阻害作用のよ
り強いエナンチオマーの工業的規模での製造に適した製
法における中間体、即ち下記一般式(I)で表されるコ
ハク酸イミド誘導体及びその塩類が提供される。
【0009】
【化3】 (式中、Rは加水素分解により脱離しうる基で保護され
たアミノ基,tert−ブトキシカルボニルアミノ基又はピ
ロール−1−イル基を意味し、R1 はカルボキシル基の
保護基を意味する。)
【0010】式(I)の化合物の塩類の具体例として
は、シンコニジン,ブルシン,キニーネ,ストリキニー
ネ,キニジン,シンコニン,デヒドロアビエチルアミ
ン,(R)−(−)−又は(S)−(+)−1,2−ジ
フェニルエチルアミン等の光学活性アミンとの塩類が挙
げられる。
【0011】式(I)の化合物は、1個の不斉炭素原子
を有するので、2種のエナンチオマーが存在する。これ
らのエナンチオマー及びラセミ体は本発明の化合物に包
含される。
【0012】式(I)においてRで表される「加水素分
解により脱離しうる基で保護されたアミノ基」とは、ペ
プチド合成の分野で常用される加水素分解により脱離し
うる保護基で保護されたアミノ基を意味し、例えばベン
ジルオキシカルボニルアミノ,4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアミノ,4−クロロベンジルオキシカルボ
ニルアミノ等が挙げられる。R1 で表される「カルボキ
シル基の保護基」とは、ペプチド合成の分野で常用され
る加水分解あるいは加水素分解により脱離しうる保護基
を意味し、前者の例としてはメチル,エチル,プロピル
のような低級アルキル基が、後者の例としてはベンジ
ル,4−ニトロベンジル,4−クロロベンジル等が挙げ
られる。
【0013】本発明の化合物のうちで好適なものは、式
(I)においてRが加水素分解により脱離しうる基で保
護されたアミノ基であり、R1 が炭素原子数1〜3のア
ルキル基である化合物及びその塩類である。
【0014】好適な化合物の具体例として次の化合物及
びその(−)−エナンチオマーが挙げられる。2−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニル
コハク酸イミド及び2−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−2−メトキシカルボニルコハク酸イミド。
【0015】式(I)で表される本発明の化合物は、例
えば以下の方法により製造することができる。
【0016】製法(a)―― 式(I)においてRが加水素分解により脱離しうる基で
保護されたアミノ基又はtert−ブトキシカルボニルアミ
ノ基である化合物〔以下、化合物(Ia)という〕は、
下記化4の工程1〜工程4を実施することにより製造す
ることができる。次いで、化合物(Ia)を工程5に付
し、続いて生成物(VII)を工程6に付すことにより、式
(I)においてRがピロール−1−イル基である化合物
〔以下、化合物(Ib)という〕を製造することができ
る。
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R1 は前掲に同じものを意味し、
4 は加水素分解により脱離しうる基又はtert−ブトキ
シカルボニル基を意味し、R5 はtert−ブチル基又は加
水分解若しくは加水素分解により脱離しうる基を意味
し、Yはハロゲン原子を意味する。ただし、(i) R1
加水分解により脱離しうる基で、R4 が加水素分解によ
り脱離しうる基であるとき、R5 はtert−ブチル基を意
味し、(ii)R1 が加水分解により脱離しうる基で、R4
がtert−ブトキシカルボニル基であるとき、R5 は加水
素分解により脱離しうる基を意味し、(iii) R1 が加水
素分解により脱離しうる基であるとき、R4 はtert−ブ
トキシカルボニル基、R5 は加水分解により脱離しうる
基を意味する。)
【0019】前記化4の各工程について以下に説明す
る。 (工程1)―― 式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応は通常、
塩基の存在下、適当な溶媒中で行われる。溶媒の具体例
としては、シクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,キシ
レン,テトラヒドロフラン,ジオキサン,アセトン,メ
タノール,エタノール,イソプロピルアルコール,ピリ
ジン,ジメチルホルムアミド等が挙げられる。塩基の具
体例としては、リチウム,ナトリウム,カリウム,水素
化ナトリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭
酸ナトリウム,炭酸カリウム,重炭酸ナトリウム,重炭
酸カリウム,ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキ
シド,カリウムtert−ブトキシド等が挙げられる。反応
温度は通常、約−10℃ないし約150 ℃である。
【0020】(工程2)―― 式(IV)においてR5 で表される「加水分解若しくは加
水素分解により脱離しうる基」のうち前者の具体例とし
ては、メチル,エチル,プロピルのような低級アルキル
基が、後者の具体例としてはベンジル,4−ニトロベン
ジル,4−クロロベンジル等が挙げられる。
【0021】式(IV)の化合物のR5 がtert−ブチル基
であるときは、無溶媒下、あるいはジクロロメタン,ク
ロロホルムのような適当な溶媒中、トリフルオロ酢酸で
処理することにより式(V)の化合物を得ることができ
る。反応温度は通常、約0℃ないし約50℃である。
【0022】式(IV)の化合物のR5 が加水分解により
脱離しうる基であるときは、通常、メタノール,エタノ
ール,テトラヒドロフラン,ジオキサンと水との混液
中、重炭酸ナトリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム
等の塩基で処理することにより式(V)の化合物を得る
ことができる。反応温度は通常、約25℃ないし約100 ℃
である。
【0023】式(IV)の化合物のR5 が加水素分解によ
り脱離しうる基であるときは、適当な溶媒中でラネーニ
ッケル,パラジウム−炭素等の触媒の存在下、水素と反
応させるか、あるいはパラジウム−炭素等の触媒の存在
下、水素供与体(例えばギ酸アンモニウム,シクロヘキ
セン)と反応させることにより式(V)の化合物を得る
ことができる。使用する溶媒の具体例としては、水,メ
タノール,エタノール,酢酸,ジオキサン,テトラヒド
ロフラン等が挙げられる。反応温度は通常、約25℃ない
し約80℃であり、常圧又は加圧下に行われる。
【0024】(工程3)―― 式(V)の化合物又はそのカルボキシル基における反応
性誘導体とアンモニアとを、通常のアミド化反応条件下
に反応させることにより式(VI)の化合物を得ることが
できる。
【0025】式(V)の化合物のカルボキシル基におけ
る反応性誘導体としては、酸クロリド,活性エステル
(例えばN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル,N−
ヒドロキシフタルイミドエステル)等が挙げられる。式
(V)の化合物自体を用いる場合には、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド,1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩,N,N′−カル
ボニルジイミダゾールのような縮合剤の存在下に反応さ
せることができる。本反応は通常、適当な溶媒中で行わ
れ、溶媒の具体例としては、ベンゼン,トルエン,ジク
ロロメタン,クロロホルム,テトラヒドロフラン,ジオ
キサン,アセトニトリル,ジメチルホルムアミド等が挙
げられる。反応温度は通常、約0℃ないし約150 ℃であ
る。
【0026】(工程4)―― 工程3で得られた式(VI)の化合物を塩基の存在下に閉
環させることにより化合物(Ia)を得ることができ
る。本反応は通常、適当な溶媒中で行われる。溶媒の具
体例としては、ベンゼン,トルエン,ジエチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサン,メタノール,エ
タノール,ジメチルホルムアミド等が挙げられる。塩基
の具体例としては、工程1のところで記載した塩基をそ
のまま挙げることができる。反応温度は通常、約−20℃
ないし約60℃である。
【0027】(工程5)―― 化合物(Ia)から式(VII)の化合物への変換は、工程
2におけるtert−ブチル基の脱離及び加水素分解により
脱離しうる基の脱離と同様にして行うことができる。
【0028】(工程6)―― 式(VII)の化合物から化合物(Ib)への変換は、例え
ば J. Med. Chem., 21, 962 〜964 (1978)に記載の方法
と同様にして行われる。
【0029】化合物(Ia)はまた、上記製法の変法で
ある下記化5で示される方法によっても製造することが
できる。
【0030】
【化5】 (式中、R1 ,R4 及びYは前掲に同じものを意味す
る。ただし、R1 が加水素分解により脱離しうる基であ
るとき、R4 は加水素分解により脱離しうる基ではな
い。)
【0031】前記化5の各工程について以下に説明す
る。 (工程1)―― 式(II)の化合物と式(VIII)の化合物との反応は、前
記化4における工程1と同様にして行うことができる。
【0032】(工程2)―― 式(IX)の化合物から化合物(Ia)への変換は通常、
塩基及び過酸化水素の存在下、適当な溶媒中で行われ
る。溶媒の具体例としては、アセトン,メタノール,エ
タノール,ジメチルスルホキシド又は水とこれらの混合
物等が挙げられる。塩基の具体例としては、水酸化ナト
リウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウ
ム,重炭酸ナトリウム,重炭酸カリウム等が挙げられ
る。反応温度は通常、約−10℃ないし約50℃、好ましく
は約10℃ないし約30℃である。
【0033】前記化5の工程1において、式(VIII)の
化合物の代わりに、ハロゲノ酢酸アミドを反応させるこ
とにより、直ちに化合物(Ia)を得ることができる。
【0034】製法(b)―― 化合物(Ia)はまた、下記化6で示される方法によっ
ても製造することができる。
【化6】
【0035】(式中、R1 ,R4 及びYは前掲に同じも
のを意味し、R6 はカルボキシル基の保護基を意味す
る。ただし、R4 が加水素分解により脱離しうる基であ
るとき、R1 は加水分解により脱離しうる基である。)
【0036】前記化6の各工程について以下に説明す
る。
【0037】(工程1)―― 式(X)の化合物は、Chem. Ind. (London), 1980, 541
〜542 に記載の方法に従って製造される2−アミノ−
2−シアノ酢酸エステルのアミノ基を常法に従って保護
することにより得ることができる。
【0038】式(X)の化合物と式(XI)の化合物との
反応は、前記化4における工程1と同様にして行うこと
ができる。
【0039】(工程2)―― 式(XII)の化合物から化合物(Ia)への変換は、ニト
リルをアミドに加水分解する自体公知の方法、例えば S
ynthesis, 1980, 243 〜244 に記載の方法と同様にし
て、又は前記化5における工程2と同様にして行うこと
ができる。
【0040】上記各製法により生成する化合物(Ia)
はラセミ体であるが、例えば光学活性アミンを用い常法
に従ってジアステレオマー塩を形成させた後、分別結晶
により2種のジアステレオマー塩に分離し、次いでこの
塩を分解することにより2種のエナンチオマーに分割す
ることができる。光学活性アミンとしては、シンコニジ
ン,ブルシン,キニーネ,ストリキニーネ,キニジン,
シンコニン,デヒドロアビエチルアミン,(R)−
(−)−又は(S)−(+)−1,2−ジフェニルエチ
ルアミン等が挙げられるが、シンコニジン,ブルシンが
好ましい。
【0041】ジアステレオマー塩の形成は適当な溶媒中
で行われる。溶媒としては、アセトン,メチルエチルケ
トン,メタノール,エタノール,イソプロピルアルコー
ル又はこれらの混液等を用いることができるが、メタノ
ール,エタノール,イソプロピルアルコールが好まし
い。
【0042】本反応は通常、光学活性アミン又はその溶
液をラセミ体の化合物(Ia)の溶液に加えて均一な溶
液とするか、あるいは両化合物を溶媒中で加熱して溶解
させることにより行われる。光学活性アミンとしてシン
コニジン,ブルシンを用いる場合には、化合物(Ia)
の(−)−エナンチオマーが相対的に難溶性のジアステ
レオマー塩として析出してくる。
【0043】ジアステレオマー塩の分解は、塩酸,硫
酸,リン酸のような鉱酸の水溶液を作用させることによ
り行われる。
【0044】光学活性な化合物(Ia)を前記化4の工
程5に付し、次いで生成物(VII)を工程6に付すことに
より、同じ立体配置を有する光学活性な化合物(Ib)
を製造することができる。ラセミ体の化合物(Ia)か
らラセミ体の化合物(Ib)が得られた場合には、化合
物(Ia)の場合と同様に光学活性アミンを用いて2種
のエナンチオマーに分割することができる。
【0045】化合物(Ib)を下記化7の工程1に付
し、次いで生成物(XIII)を工程2に付すことにより、
強力なアルドースリダクターゼ阻害作用を有するテトラ
ヒドロピロロ〔1,2−a〕ピラジン−4−スピロ−
3′−ピロリジン誘導体(化2の化合物)に導くことが
できる。
【0046】
【化7】 (式中、R1 ,R2 及びR3 は前掲に同じものを意味
し、Xはハロゲン原子を意味する。)
【0047】前記7の各工程について以下に説明する。 (工程1)―― 化合物(Ib)と、式:CX3COZ(ここに、Xは前
掲に同じものを意味し、Zは塩素,臭素のようなハロゲ
ン原子を意味する)で表されるトリハロゲノ酢酸ハライ
ド又は式:(CX3CO)2O(ここに、Xは前掲に同じ
ものを意味する)で表されるトリハロゲノ酢酸無水物と
を、無溶媒下又は溶媒中で反応させることにより、式
(XIII)の化合物を得ることができる。溶媒としては、
例えばジクロロメタン,クロロホルム,ジエチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等が挙げられる。
本反応は、塩基の存在下に行ってもよく、塩基の具体例
としては、トリエチルアミン,ピリジン,N,N−ジメ
チルアニリンのような有機塩基、炭酸ナトリウム,炭酸
カリウム,重炭酸ナトリウム,重炭酸カリウムのような
無機塩基が挙げられる。反応温度は通常、約25℃ないし
約150 ℃である。
【0048】(工程2)―― 式(XIII)の化合物と式(XIV)の化合物との反応は通
常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。溶媒
の具体例としては、ベンゼン,トルエン,ジクロロメタ
ン,クロロホルム,テトラヒドロフラン,ジオキサン,
ジメチルホルムアミド等が挙げられる。塩基の具体例と
しては、トリエチルアミン,トリブチルアミン,ジイソ
プロピルエチルアミン,N−メチルモルホリン,ピリジ
ン,N,N−ジメチルアニリン,炭酸ナトリウム,炭酸
カリウム,重炭酸ナトリウム,重炭酸カリウム等が挙げ
られるが、式(XIV)の化合物の過剰量で兼ねることもで
きる。反応温度は通常約−50℃ないし約80℃、好ましく
は約−20℃ないし約50℃である。また、式(XIV)の化合
物は酸付加塩の形で使用し、反応系中で遊離塩基を生成
させてもよい。
【0049】前記化2で表される化合物は、優れたアル
ドースリダクターゼ阻害作用を有し、毒性も低いので、
糖尿病性合併症治療薬として、各種の糖尿病性合併症
(白内障,網膜症,角膜症,神経障害,腎症など)の治
療及び予防に使用することができる。
【0050】特に好適な化2の化合物としては、次の化
合物及びそのエナンチオマーで、他方のエナンチオマー
よりも強いアルドースリダクターゼ阻害作用を有するも
のが挙げられる。
【0051】2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジ
ル)−〔1,2,3,4−テトラヒドロピロロ〔1,2
−a〕ピラジン−4−スピロ−3′−ピロリジン〕−
1,2′,3,5′−テトラオン,
【0052】2−(3,4−ジクロロベンジル)−
〔1,2,3,4−テトラヒドロピロロ〔1,2−a〕
ピラジン−4−スピロ−3′−ピロリジン〕−1,
2′,3,5′−テトラオン,
【0053】2−(4−ブロモベンジル)−〔1,2,
3,4−テトラヒドロピロロ〔1,2−a〕ピラジン−
4−スピロ−3′−ピロリジン〕−1,2′,3,5′
−テトラオン,及び
【0054】2−(4−クロロ−2−フルオロベンジ
ル)−〔1,2,3,4−テトラヒドロピロロ〔1,2
−a〕ピラジン−4−スピロ−3′−ピロリジン〕−
1,2′,3,5′−テトラオン。
【0055】
【実施例】以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。なお、化合物の同定は元素分析値,
マス・スペクトル,IRスペクトル,NMRスペクトル
等により行った。また、光学的純度は高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)で測定した。
【0056】参考例1―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(tert−ブ
トキシカルボニルメチル)マロン酸ジエチルエステルの
製造:−
【0057】2−ベンジルオキシカルボニルアミノマロ
ン酸ジエチルエステル50g,炭酸カリウム24.6g及びブ
ロモ酢酸tert−ブチルエステル34.7gのアセトン250 ml
懸濁液を7時間加熱還流した。冷後、反応液を濾過し、
濾液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水
洗、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥
した。溶媒を減圧留去し、残渣をn-ヘキサンから再結晶
して目的物63.0g(収率92.0%)を無色結晶として得
た。融点50〜51℃
【0058】参考例2―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−カルボキシ
メチルマロン酸ジエチルエステルの製造:−
【0059】2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−(tert−ブトキシカルボニルメチル)マロン酸ジエチ
ルエステル43gのクロロホルム43ml溶液にトリフルオロ
酢酸58g(39ml)を加え、50℃で2時間攪拌した。反応
液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル−n-ヘキサンから再
結晶して目的物32.1g(収率90.2%)を無色結晶として
得た。融点96.5〜97.5℃
【0060】参考例3―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−カルバモイ
ルメチルマロン酸ジエチルエステルの製造:−
【0061】2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−カルボキシメチルマロン酸ジエチルエステル132 gの
クロロホルム500 ml溶液にジメチルホルムアミド0.3 ml
及び塩化チオニル43ml(68.5g)を加え、3時間加熱還
流した。反応液を減圧濃縮し残渣をクロロホルム140 ml
に溶解し、25%アンモニア水44mlとクロロホルム44mlの
氷冷攪拌溶液に滴下した。同温度で20分攪拌後、濃塩酸
で酸性とした後、クロロホルム層を分取した。この溶液
を水洗、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル−n-ヘ
キサンから再結晶して目的物128.6 g(収率97.7%)を
無色結晶として得た。融点114 〜115 ℃
【0062】実施例1―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカ
ルボニルコハク酸イミドの製造:−
【0063】氷冷攪拌下、2−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ−2−カルバモイルメチルマロン酸ジエチルエ
ステル128 gの無水エタノール1000ml溶液に、ナトリウ
ムエトキシド26.4gを加え、同温度で1時間攪拌したの
ち溶媒を減圧留去した。残渣を冷10%塩酸中に注ぎ、酢
酸エチルで抽出した。抽出液を水洗、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去
し残渣を酢酸エチル−n-ヘキサンから再結晶して目的物
93.2g(収率82.8%)を無色結晶として得た。融点105
〜106 ℃
【0064】参考例4―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−シアノメチ
ルマロン酸ジエチルエステルの製造:−
【0065】2−ベンジルオキシカルボニルアミノマロ
ン酸ジエチルエステル50gの無水ジメチルホルムアミド
溶液300 mlに、氷冷攪拌下、水素化ナトリウム(60%)
6.47gを徐々に加えた後、室温で30分間攪拌し、次いで
ブロモアセトニトリル22.6gを加え一夜攪拌した。反応
液を希塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキサン−
酢酸エチル(5:1)で溶出・精製して目的物46.7g
(収率82.9%)を無色油状物として得た。
【0066】実施例2―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカ
ルボニルコハク酸イミド(実施例1の化合物と同一)の
製造:−
【0067】炭酸ナトリウム38.4gの水溶液50mlに、氷
冷攪拌下、30%過酸化水素水55.3mlを加えた後、室温で
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−シアノメチ
ルマロン酸ジエチルエステル37.5gのアセトン溶液450
mlを加え、同温度で80分間攪拌した。反応液を氷冷下濃
塩酸で酸性化し、アセトンを減圧留去した後、酢酸エチ
ルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を
減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、n-ヘキサン−酢酸エチル(4:1)で溶出・
精製した後、酢酸エチル−n-ヘキサンから再結晶して目
的物20.3g(収率58.8%)を無色結晶として得た。融点
105 〜106 ℃
【0068】実施例3―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカ
ルボニルコハク酸イミド(実施例1の化合物と同一)の
製造:−
【0069】2−ベンジルオキシカルボニルアミノマロ
ン酸ジエチルエステル1.0 gの無水ジメチルホルムアミ
ド溶液20mlに、氷冷攪拌下、水素化ナトリウム(60%)
0.29gを徐々に加えた後、室温で1時間攪拌し、次いで
ブロモ酢酸アミド0.54gを加え一夜攪拌した。反応液を
希塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリ
ウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキサン−酢酸
エチル(4:1)で溶出・精製した後、酢酸エチル−n-
ヘキサンから再結晶して目的物0.38g(収率36.5%)を
無色結晶として得た。融点105 〜106 ℃
【0070】参考例5―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−シアノ酢酸
エチルエステルの製造:−
【0071】2−アミノ−2−シアノ酢酸エチルエステ
ル19.7g,ピリジン12.2g及び水123 mlの混合物に、氷
冷攪拌下、塩化ベンジルオキシカルボニル27.9gを徐々
に加えた後、同温度で1時間攪拌した。析出結晶を濾取
し、十分に水洗した後エタノールから再結晶して目的物
24.2g(収率60.2%)を無色結晶として得た。融点11
1〜112℃
【0072】参考例6―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−シアノコハ
ク酸ジエチルエステルの製造:−
【0073】ナトリウム2.11gをエタノール400 mlに加
えて調製したナトリウムエトキシド溶液に、2−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−2−シアノ酢酸エチルエス
テル24.0gを加えた。この溶液にブロモ酢酸エチル15.3
gを加え、室温で3時間攪拌したのち減圧濃縮し、残渣
に水を加え、クロロホルムで抽出した。抽出液を水洗
し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減圧濃縮して
目的物31.6g(収率99%)を無色油状物として得た。
【0074】実施例4―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカ
ルボニルコハク酸イミド(実施例1の化合物と同一)の
製造:−
【0075】2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−シアノコハク酸ジエチルエステル15.4gのジクロロメ
タン50ml溶液に、氷冷下、30%過酸化水素水21ml,テト
ラブチルアンモニウム硫酸水素塩3.0 g及び20%水酸化
ナトリウム水溶液16.6mlを順次加えた。氷冷下30分攪拌
した後、室温で更に1時間攪拌を続けた。有機層を分取
し、水洗、無水硫酸ナトリウム上で乾燥したのち減圧濃
縮した。残渣を減圧下80℃で1.5 時間乾燥して目的物1
1.5g(収率81.2%)を得た。これを酢酸エチル−n-ヘ
キサンから再結晶して純品を得た。融点105〜106
【0076】実施例5―― 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカ
ルボニルコハク酸イミド(実施例1の化合物と同一)の
製造:−
【0077】炭酸ナトリウム128.0 gの水2840ml溶液
に、氷冷下、30%過酸化水素水184.3mlを加えた後、氷
浴を取り去り10分間攪拌を続けた。この溶液に、2−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ−2−シアノコハク酸ジ
エチルエステル125.0 gのアセトン1250ml溶液を15分間
にわたって滴下し、更に1時間攪拌した。氷冷下、反応
液に濃塩酸を加えて酸性とし、析出結晶を濾取、水洗し
て目的物77.0g(収率67.0%)を得た。
【0078】実施例6―― (−)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エ
トキシカルボニルコハク酸イミド シンコニジン塩〔実
施例1の化合物の(−)−エナンチオマーのシンコニジ
ン塩〕の製造:−
【0079】2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−エトキシカルボニルコハク酸イミド73.6gのエタノー
ル300 ml溶液にシンコニジン67.6gを加え、完全に溶解
させた後、室温で一夜放置した。析出結晶を濾取し、こ
の粗結晶をエタノールから3回再結晶して純品の目的物
35.2g(収率25.0%)を無色結晶として得た。融点160
〜161 ℃。[α]D 26=−75.7°(c=1.03, エタノール)
(純度>99.8% e.e.)〔CHIRALPAK AS(ダイセル化
工),4.6φ×250 mm〕
【0080】実施例7―― (−)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エ
トキシカルボニルコハク酸イミド〔実施例1の化合物の
(−)−エナンチオマー〕の製造:−
【0081】(−)−2−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミド シンコ
ニジン塩35.2gの酢酸エチル200 ml懸濁液に冷5%塩酸
50mlを加えた。有機層を分取し、水洗次いで飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減
圧留去後、残渣を酢酸エチル−n-ヘキサンから再結晶し
て、目的物16.2g(収率88.5%)を無色結晶として得
た。融点117 〜118 ℃。[α]D 27=−31.8°(c=1.0,
メタノール)(純度>99.9% e.e.)〔CHIRALPAKAS,4.6
φ×250 mm〕
【0082】参考例7―― (−)−2−アミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸
イミドの製造:−
【0083】(−)−2−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミド15.7gの
エタノール100 ml溶液に10%パラジウム−炭素1gを加
え、室温で接触水素化した。触媒を濾去した後、濾液を
減圧濃縮した。残渣をイソプロピルアルコールから再結
晶して、目的物8.5 g(収率93.4%)を無色結晶として
得た。融点125 〜126 ℃。[α]D 27=−32.5°(c=1.
0,メタノール)(純度>99.9% e.e.) 〔CROWNPAK CR
(+)(ダイセル化工),4φ×150 mm〕
【0084】参考例8―― 2−アミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミドの
製造:−
【0085】2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2
−エトキシカルボニルコハク酸イミド60.0gの酢酸350
ml溶液に10%パラジウム−炭素6gを加え、室温で接触
水素化した。触媒を濾去した後、濾液を減圧濃縮した。
残渣に水を加えて溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液
でpH約7に調整し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無
水硫酸ナトリウム上で乾燥後、減圧濃縮し、残渣をエタ
ノールから再結晶して目的物12.8g(収率37%)を無色
結晶として得た。融点107〜108℃
【0086】実施例8―― (−)−2−エトキシカルボニル−2−(ピロール−1
−イル)コハク酸イミドの製造:−
【0087】(−)−2−アミノ−2−エトキシカルボ
ニルコハク酸イミド20gの酢酸60ml溶液に2,5−ジメ
トキシテトラヒドロフラン14.2gを加え、70℃で2時間
攪拌した。酢酸を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解
し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順
次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒
を減圧留去して目的物23.0g(収率90.6%)を無色油状
物として得た。[α]D 26=−59.5°(c=1.0,メタノー
ル)〔ULTRON ES-OVM(信和化工),6φ×150 mm〕
【0088】実施例9―― 2−エトキシカルボニル−2−(ピロール−1−イル)
コハク酸イミド(実施例8の化合物のラセミ体)の製
造:−
【0089】2−アミノ−2−エトキシカルボニルコハ
ク酸イミド7.0 gの酢酸35ml溶液に2,5−ジメトキシ
テトラヒドロフラン5.0 gを加えたのち50分間加熱還流
した。酢酸を減圧留去し、残渣に酢酸エチルを加え、重
炭酸ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキサン−
酢酸エチル(2:1)で溶出・精製して目的物8.0 g
(収率90%)を無色油状物として得た。
【0090】実施例10―― (−)−2−エトキシカルボニル−2−(ピロール−1
−イル)コハク酸イミド シンコニジン塩(実施例8の
化合物のシンコニジン塩)の製造:−
【0091】2−エトキシカルボニル−2−(ピロール
−1−イル)コハク酸イミド12.3gのエタノール130 ml
溶液にシンコニジン15.6gを加え完全に溶解したのち、
室温で一夜放置した。析出結晶を濾取し、この粗結晶を
エタノールから3回再結晶し、純品の目的物1.7 g(収
率6.2 %)を無色結晶として得た。融点157 〜159 ℃。
[α]D 27=−104.2°(c=1.05, エタノール) (純度>
99.8% e.e.)(ULTRONES-OVM ,6φ×150 mm)
【0092】実施例11―― (−)−2−エトキシカルボニル−2−(ピロール−1
−イル)コハク酸イミド(実施例8の化合物と同一)の
製造:−
【0093】(−)−2−エトキシカルボニル−2−
(ピロール−1−イル)コハク酸イミド シンコニジン
塩1.7 gの酢酸エチル70ml懸濁液に冷2.5 %塩酸10mlを
加えた。有機層を分取し、水洗次いで飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去
して目的物0.7 g(収率92.1%)を無色油状物として得
た。[α]D 26=−59.5°(c=1.0,メタノール)(純度
>99.8% e.e.)
【0094】参考例9―― (−)−2−エトキシカルボニル−2−(2−トリクロ
ロアセチルピロール−1−イル)コハク酸イミドの製
造:−
【0095】(−)−2−エトキシカルボニル−2−
(ピロール−1−イル)コハク酸イミド7.0 g及びトリ
クロロアセチルクロリド27.0gのクロロホルム50ml溶液
を24時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキサン−
酢酸エチル(3:1)で溶出・精製し、目的物10.4g
(収率91.9%)を無色油状物として得た。[α]D 27=−4
26.4°(c=1.0,メタノール)(純度>99.8% e.e.)
(ULTRON ES-OVM,6φ×150 mm)
【0096】参考例10―― 2−エトキシカルボニル−2−(2−トリクロロアセチ
ルピロール−1−イル)コハク酸イミド・1/2ジメチ
ルホルムアミドの製造:−
【0097】2−エトキシカルボニル−2−(ピロール
−1−イル)コハク酸イミド18.0gのクロロホルム40ml
溶液にトリクロロアセチルクロリド42.0gを加え、67時
間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、得られる暗褐色
油状物を酢酸エチルに溶解した。この溶液を10%炭酸ナ
トリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキ
サン−酢酸エチル(4:1)で溶出・精製して無色油状
物を得た。この粗製物にジメチルホルムアミド5mlを加
えて結晶化し、次いでこれを酢酸エチル−n-ヘキサンか
ら再結晶して目的物28.5g(収率89.3%)を無色結晶と
して得た。融点94〜97℃
【0098】参考例11―― 2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−〔1,
2, 3, 4−テトラヒドロピロロ〔1, 2−a〕ピラジ
ン−4−スピロ−3′−ピロリジン〕−1, 2′,3,
5′−テトラオンの製造:−
【0099】4−ブロモ−2−フルオロベンジルアミン
塩酸塩10.2gの無水ジメチルホルムアミド100 ml懸濁液
に、室温でトリエチルアミン9.0 g(12.3ml )を加え、
同温度で10分間攪拌した。次いで、この反応液に氷冷攪
拌下、2−エトキシカルボニル−2−(2−トリクロロ
アセチルピロール−1−イル)コハク酸イミド14.8gの
無水ジメチルホルムアミド50ml溶液を加え同温度で2時
間攪拌したのち室温で40時間撹拌した。反応液を5%塩
酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム
上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル−
n-ヘキサンから再結晶して目的物8.7 g(収率58.4%)
を無色結晶として得た。融点192〜193℃
【0100】NMRスペクトル(DMSO−d6 ,200M
Hz):δ3.56(s,2H,−C2 CO−),5.00(d
d,2H,J=21.0Hz,15.0Hz,−C2 −Ar),6.52
(dd,1H,J=4.0 Hz,2.8 Hz,ピロール−),7.
12(dd,1H,J=3.8 Hz,1.4 Hz,ピロール−),
7.14(t,1H,J=8.2 Hz,Ar−),7.36(dd,
1H,J=8.4 Hz,2.0 Hz,Ar−),7.54(dd,1
H,J=9.8 Hz,2.0Hz,Ar−),7.72(dd,1
H,J=2.6 Hz,1.6 Hz,ピロール−),12.18 (s
,1H,N)。
【0101】IRスペクトル(KBr,cm-1):3230,
3120,1785,1720,1700,1650,1330,1320。
【0102】参考例12―― 2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−〔1,
2,3,4−テトラヒドロピロロ〔1,2−a〕ピラジ
ン−4−スピロ−3′−ピロリジン〕−1,2′,3,
5′−テトラオンのエナンチオマーの製造:−
【0103】4−ブロモ−2−フルオロベンジルアミン
塩酸塩3.2 gの無水ジメチルホルムアミド50ml懸濁液
に、室温でトリエチルアミン1.3 g(1.8ml)を加え、同
温度で10分間攪拌した。次いで、この反応液に氷冷攪拌
下、(−)−2−エトキシカルボニル−2−(2−トリ
クロロアセチルピロール−1−イル)コハク酸イミド5.
1 gの無水ジメチルホルムアミド10ml溶液を加え同温度
で2時間攪拌したのち室温で40時間攪拌した。反応液を
5%塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナト
リウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エ
チル−n-ヘキサンから再結晶して目的物3.4 g(収率6
0.7%)を無色結晶として得た。融点187 〜189 ℃(純
度>99% e.e.)(ULTRON ES-OVM,6φ×150 mm)
【0104】[α]D 27.5=+1.96°(c=1.02,酢酸エ
チル),[α]D 28=−7.6°(c=1.02,メタノール),
[α]405 28=−33.0°(c=1.02,メタノール)。
【0105】薬理試験例 ―― 以下に、代表的な化2の化合物である参考例11及び1
2の化合物並びに公知のアルドースリダクターゼ阻害剤
についての試験結果を示す。
【0106】対照化合物として次の化合物を使用した。
【0107】化合物A:エパルレスタット(日本で市販
されているアルドースリダクターゼ阻害剤)
【0108】化合物B:(±)−ソルビニール(化学名
が6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ〔4H−1−
ベンゾピラン−4,4′−イミダゾリジン〕−2′,
5′−ジオンであるアルドースリダクターゼ阻害剤)
〔例えばMerck Index, 第11版,8679 (1989) 参照〕
【0109】試験例1 ―― アルドースリダクターゼ阻
害作用(in vitro)―― 本試験は、S.ハイマン及びJ.H.キノシタの方法〔J. Bio
l. Chem., 240, 877〜882 (1965)〕に準拠した。
【0110】(粗酵素液の調製)―― ブタ眼球(東京芝浦臓器株式会社より購入)より摘出し
た水晶体を5mMリン酸緩衝液(pH 7.4、2mMメルカプト
エタノール含有)でホモジナイズした後、10,200×gで
10分間遠心分離した。次いで、その上清に固形硫安を加
えて塩析して40%〜60%飽和硫安分画を分離し、この分
画を10mMリン酸緩衝液(pH 7.4、1mMメルカプトエタノ
ール含有)に溶解して粗酵素液とした。なお、下記酵素
活性測定系において1分間あたり1μmoleのNADPH
(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン
酸)を酸化する酵素活性を1単位(U)とした。
【0111】(酵素活性測定法)―― 100 mMリン酸緩衝液(pH 6.5),0.20mM NADPH,
1.5 mM D,L−グリセルアルデヒド,0.4 M硫酸リチウ
ム,諸種濃度の試験化合物及び7.0 mU/ml の粗酵素液か
ら成る反応液(いずれも反応液中の最終濃度)を37℃で
インキュベートして、その340 nmにおける吸光度を分光
光度計(日立150-20)で測定し、インキュベーション開
始1分後から1分間の吸光度の減少から酵素活性を求め
た。50%阻害濃度(IC50)で表した試験化合物のアル
ドースリダクターゼ阻害作用を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】表1から明らかなように、参考例11及び
12の化合物は、(±)−ソルビニール(化合物B)よ
りも著しく強いアルドースリダクターゼ阻害作用を示
し、またエパルレスタット(化合物A)よりも強いアル
ドースリダクターゼ阻害作用を示した。
【0114】試験例2 ―― ソルビトール蓄積抑制作用
in vivo)―― 1群4匹のウイスター系雄性ラット(体重200 〜250
g)の尾静脈に、生理的食塩液に溶解したストレプトゾ
トシン(40mg/kg)を投与して糖尿病を誘発した。
【0115】1週間後より1日1回5日間にわたり、0.
5 %トラガント溶液に懸濁した所定用量の試験化合物を
経口投与した。最終投与4時間後に座骨神経を摘出し、
そのソルビトール含量を、ヒツジ肝臓ソルビトールデヒ
ドロゲナーゼ及びNAD(ニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド)を用いるR.S.クレメンツらの酵素蛍光法
〔Science, 166, 1007〜1008 (1969)〕で測定した。試
験化合物の糖尿病ラットにおけるソルビトール蓄積抑制
作用を表2に示す。なお、ソルビトール蓄積抑制作用は
下記数1により算出した。
【0116】
【数1】抑制率(%)=(S−T)/(S−N)×100
【0117】S:ストレプトゾトシン糖尿病ラット対照
群の座骨神経中ソルビトール含量、 T:試験化合物投与ストレプトゾトシン糖尿病ラットの
座骨神経中ソルビトール含量、 N:正常ラット(ストレプトゾトシン無処置で試験化合
物非投与ラット)の座骨神経中ソルビトール含量。
【0118】
【表2】
【0119】表2から明らかなように、参考例11及び
12の化合物は、エパルレスタット(化合物A)及び
(±)−ソルビニール(化合物B)よりも著しく強いソ
ルビトール蓄積抑制作用を示した。更に、その効果は持
続的であった。
【0120】試験例3 ―― 急性毒性 ―― 体重18〜25gのddY 系雄性マウス5匹に、0.5 %トラガ
ント溶液に懸濁した参考例11及び12の化合物1g/
kgを経口投与し、投与後7日間にわたり死亡の有無を観
察した。その結果、7日後も全例生存していた。
【0121】
【発明の効果】式(I)で表される本発明の化合物は、
強力なアルドースリダクターゼ阻害作用を有するテトラ
ヒドロピロロ〔1,2−a〕ピラジン−4−スピロ−
3′−ピロリジン誘導体(化2の化合物)、特に活性の
より強いエナンチオマーの工業的規模での製造に適した
製法における中間体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤谷 武一 大阪府堺市三原台3丁13番20号 (72)発明者 小野 善幸 京都府京都市西京区樫原石畑町14番地の 10 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 207/416 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表されるコハク酸イミド誘導
    体及びその塩類。 【化1】 (式中、Rは加水素分解により脱離しうる基で保護され
    たアミノ基,tert−ブトキシカルボニルアミノ基又はピ
    ロール−1−イル基を意味し、R1 はカルボキシル基の
    保護基を意味する。)
  2. 【請求項2】 2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−
    2−エトキシカルボニルコハク酸イミド又は2−ベンジ
    ルオキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニルコ
    ハク酸イミド及びそれらの(−)−エナンチオマー。
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