WO2012093723A1 - 光ディスク装置、光ディスクおよび光ディスク検査方法 - Google Patents

光ディスク装置、光ディスクおよび光ディスク検査方法 Download PDF

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Abstract

 光ディスク装置は、超解像再生が可能な光ディスク(6)を用いるものであり、半導体レーザ(1)と、半導体レーザ(1)に駆動電流を供給するレーザ駆動回路(21)と、光ディスク(6)からの戻り光を検出して記録データの再生信号を得る受光素子(8)と、光ディスク6の情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度を、超解像効果が得られるピーク強度以上に保つよう、レーザ駆動回路(21)による半導体レーザ(1)の発光光量を制御する発光光量制御手段(22)とを備える。発光光量制御手段(22)は、想定されるディスクチルト角と、光ディスク(1)の光透過層の厚みに応じたコマ収差とから求められる、光ディスク(1)の情報記録層における集光スポットのピーク強度の低下率Dと、所定の再生性能が得られる発光光量の下限値(Pld_L)とに基づいて、レーザ駆動回路(21)による半導体レーザ(1)の発光光量を制御する。

Description

光ディスク装置、光ディスクおよび光ディスク検査方法
 本発明は、超解像再生が可能な光ディスク、光ディスクを用いる光ディスク装置、および光ディスクの検査方法に関する。
 CD(Compact Disc)やDVD(Digtal Versatile Disc:デジタル多用途ディスク)やBD(Blu-ray Disc:ブルーレイディスク:登録商標)といった光ディスクは、レーザ光の照射により映像データや音楽データなどの情報を記録し、記録された情報を再生する情報記録媒体である。
 光ディスクは、世代を重ねるにつれて大容量化を続けている。例えば、CDでは、ディスク基板(光透過層)の厚みが約1.2mm、レーザ光の波長が約780nm、対物レンズの開口数(NA:Numerical Aperture)が0.45であり、650MBの容量を有していた。これに対し、CDよりも後の世代のDVDでは、厚みが約0.6mmのディスク基板(光透過層)を2枚貼り合わせ、レーザ光の波長を約650nmとし、対物レンズのNAを0.6とすることで、4.7GBの容量を実現している。さらに高記録密度を有するBDでは、情報記録面を被覆する保護層(光透過層)の厚みを約0.1mmとし、レーザ光の波長を約405nmとし、対物レンズのNAを0.85とすることで、単層ディスクの場合には25GB、2層ディスクの場合には50GBの大容量を実現しており、高精細なハイビジョン映像を長時間記録することができる。
 今後も、ハイビジョン映像を超える次世代高精細映像や立体映像など、ユーザが扱うデータ量は増大することが予想されており、BDの容量を超える大容量のデータを蓄積可能な大容量光ディスクの開発が求められている。
 光ディスクの大容量化は、レーザ光の波長の短波長化と対物レンズの高NA化とにより、対物レンズの焦点面における集光スポットサイズを微小化し、情報記録層のトラック上の記録マークのサイズを微小化することで達成されてきた。しかしながら、集光スポットサイズの微小化には、対物レンズの光学性能とレーザ光の波長とにより定まる物理的限界が存在する。具体的には、レーザ光波長λと対物レンズのNAとで決まる回折限界λ/(4NA)が、再生可能な記録マークのサイズの限界といわれている。
 近年、その物理的限界を超えて高密度記録再生を実現するものとして、レーザ光強度に応じて光学特性(光吸収特性や光透過特性など)が非線形に変化する超解像層を有する光ディスク(以下、超解像光ディスクと呼ぶ。)が注目されている。この超解像層にレーザ光が照射されると、その照射領域のうち局所的に光強度の強いあるいは温度の高い部分で屈折率などの光学特性が変化し、その部分で発生した局在光(近接場光や局在プラズモン光など)が、情報記録層の記録マークと相互作用することで伝搬光に変換される。これにより、BD用の光ヘッドを用いて、回折限界λ/(4NA)よりも小さい微小な記録マークから情報を再生することが可能となる。すなわち、波長405nmのレーザ光とNA=0.85の対物レンズとを用いながら、より高い記録密度を実現することができる。このような超解像光ディスクの構造は、例えば、下記の非特許文献1に開示されている。
特許第3519102号公報(段落0014~0016及び図4参照) 国際公開第2009-050994号公報(段落0031~0053及び図3参照) Hiroshi Fuji et al.,"Bit-By-Bit Detection on Super-Resolution Near-Field Structure Disk with Platinum Oxide Layer",Jpn.J.Appl.Phys.Vol.42(2003) pp.L589-L591
 超解像光ディスクでは、上述したように集光スポットの照射領域のうち局所的に強度の高いあるいは温度の高い部分で光学特性が変化するため、集光スポットの強度がある閾値以上の部分で超解像効果が発現するという特徴がある。通常、集光スポットのピーク強度付近の領域が、上述した局所的に強度の高いあるいは温度の高い部分(すなわち、超解像効果が発現する部分)となるため、集光スポットのピーク強度が閾値以下に低下すると、超解像効果は急激に低下し、再生性能が低下する。
 一方、光ディスク装置では、ディスク回転モータの軸倒れや光ディスクの反りなどの要因により、光ディスク装置の対物レンズの光軸に対してディスクチルトが発生する場合がある。ディスクチルトが発生すると、コマ収差が発生して、集光スポットのピーク強度が低下する。ピーク強度が低下すると、上記のとおり再生性能の低下を招くため、ディスクチルトの抑制は、超解像光ディスクを用いる光ディスク装置における課題となっている。
 そこで、特許文献1では、超解像層に用いられる非線形材料の反射率が温度上昇によって増加することを利用して、超解像光ディスクからの反射光(戻り光)を検出する受光素子の出力値(総光量)と、光源である半導体レーザからの出射光を検出する受光素子の出力値とから、両出力値の比率が一定となるように制御する制御ループ回路を設けて、ピーク強度の低下を抑制している。具体的には、半導体レーザの発光光量に対する、光ディスクからの反射総光量(受光素子が受光する総光量)の比率がある一定値になるように、半導体レーザの駆動電流を制御している。
 一方、ディスクチルトによりコマ収差が発生した場合には、集光スポットの中央部のピーク強度が低下するが、中央部に集光しなかった光は、周辺部に1次リング光(フレア光)を形成する。コマ収差が極端に大きい場合には、戻り光の一部が対物レンズの往路瞳に取り込まれなくなり、光ディスクからの反射総光量が低下するが、比較的コマ収差が小さい場合には1次リング光(フレア光)のほとんどは対物レンズの往路瞳に取り込まれて、戻り光の一部となる。従って、集光スポットの中央部でピーク強度が低下していても、反射総光量はほとんど変化しないことになる。
 また、対物レンズ中心の光強度に対する対物レンズの瞳の外周での光強度比が1に近い場合(つまり、半導体レーザの放射広がりが大きい場合)には、上述したディスクチルト時の戻り光の対物レンズ往路瞳への取り込み光量の変化はさらに小さくなる。すなわち、集光スポットの中央でのピーク強度の低下が、反射総光量の変化には表れにくくなる。以上のように、反射総光量に基づいて集光スポットのピーク強度の低下を抑制することは難しく、超解像効果を一定に保つことは容易ではない。
 また、超解像光ディスクには、特許文献2に開示されているように、超解像層を有する複数の情報記録層を備えた多層超解像光ディスクが提案されている。多層超解像光ディスクは、既存のBDやDVD、CDの多層メディアと同様に、1枚の光ディスクに情報記録層の数だけ大容量なデータを記録することができるというメリットがある。
 多層超解像光ディスクの情報記録層に集光スポットを形成する際には、ディスク表面からそれぞれの情報記録層までの光透過層の厚みが異なるため、光透過層の厚みに応じて発生する球面収差を補正する必要がある。そこで、例えば対物レンズより手前(光源に近い側)に配置したコリメータレンズを光軸方向に駆動制御することにより、対物レンズへの入射光の広がり角を変化させて球面収差を補正することが行われている。
 しかしながら、コリメータレンズの移動によって、対物レンズの入射瞳に取り込まれる光量が変化するため、半導体レーザの発光光量を一定に制御する構成の場合には、情報記録層ごとに集光スポットのピーク強度が変化し、全ての情報記録層での所望の集光スポットのピーク強度が得られなくなる。
 この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、ディスクチルトによりコマ収差が発生した場合、あるいは多層超解像ディスクを用いた場合に生じ得る、上述した集光スポットのピーク強度の低下を抑制し、これにより超解像光ディスクを用いた場合の再生性能の低下を抑制することを目的とする。
 本発明の第1の態様による光ディスク装置は、超解像再生が可能な光ディスクを用いる光ディスク装置であって、半導体レーザと、半導体レーザに駆動電流を供給するレーザ駆動回路と、光ディスクからの戻り光を検出し、光ディスクの記録データの再生信号を得る受光素子と、光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度を、超解像効果が得られるピーク強度以上に保つように、レーザ駆動回路による半導体レーザの発光光量を制御する発光光量制御手段とを備える。発光光量制御手段は、想定されるディスクチルト角と、光ディスクの光透過層の厚みに応じたコマ収差とから求められる、光ディスクの情報記録層における集光スポットのピーク強度の低下率Dと所定の再生性能が得られる発光光量の下限値Pld_Lとに基づいて、レーザ駆動回路による半導体レーザの発光光量を制御する。
 本発明の第2の態様による光ディスク装置は、超解像再生が可能な光ディスクを再生する光ディスク装置であって、半導体レーザと、半導体レーザに駆動電流を供給するレーザ駆動回路と、光ディスクからの戻り光を検出し、光ディスクの記録データの再生信号を得る受光素子と、光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度を、超解像効果が得られるピーク強度以上に保つように、レーザ駆動回路による半導体レーザの発光光量を制御する発光光量制御手段とを備える。発光光量制御手段は、光ディスクが複数の情報記録層を有する場合、光ディスクの表面から、アクセスする情報記録層までの光透過層の厚さに応じて求められた、光ディスク装置に備えられ光ディスクに対向する対物レンズの入射瞳への取り込み光量の変動率と、さらに、想定されるディスクチルト角と、光ディスクの光透過層の厚みに応じたコマ収差とから求められる、光ディスクの情報記録層における集光スポットのピーク強度の低下率Dmと所定の再生性能が得られる発光光量の下限値Pld_Lとに基づいて、レーザ駆動回路による半導体レーザの発光光量を制御する。
 本発明の第3の態様による光ディスク装置は、超解像再生が可能な光ディスクを再生する光ディスク装置であって、半導体レーザと、半導体レーザに駆動電流を供給するレーザ駆動回路と、光ディスクからの戻り光を検出し、光ディスクの記録データの再生信号を得る受光素子と、光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度を、超解像効果が得られるピーク強度以上に保つように、レーザ駆動回路による半導体レーザの発光光量を制御する発光光量制御手段とを備える。発光光量制御手段は、受光素子で検出した光ディスクの記録データの再生信号の変調振幅を検出する変調振幅検出手段を備え、変調振幅検出手段で検出された変調振幅の変化に基づいて、再生信号の変調振幅のエンベロープ信号を生成し、さらに、再生信号の変調振幅のエンベロープ信号の反転信号を生成する反転手段を有し、反転信号に基づいて、レーザ駆動回路が半導体レーザに供給する駆動電流を決定する。
 本発明の第4の態様による光ディスク装置は、超解像再生が可能な光ディスクを再生する光ディスク装置であって、半導体レーザと、半導体レーザに駆動電流を供給するレーザ駆動回路と、半導体レーザから出射された光を光ディスクに集光させる対物レンズと、光ディスクからの戻り光を検出し、光ディスクの記録データの再生信号を得る受光素子と、光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度が、超解像効果が得られるピーク強度以上となるような対物レンズの出射光量を保つように、レーザ駆動回路による半導体レーザの発光光量を制御する発光光量制御手段とを備える。発光光量制御手段は、光ディスクの再生性能の許容限界に対応する再生パワーの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報に基づいて、レーザ駆動回路による半導体レーザの発光光量を制御する。
 本発明の第5の態様による光ディスクは、対物レンズを用いた超解像再生が可能な光ディスクであって、再生性能の許容限界となる再生パワーの上限を、ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値が得られる対物レンズの出射光量の上限とし、再生性能の許容限界となる再生パワーの下限を、所定のディスクチルト角が与えられたときに第1の再生性能の所定値が得られる対物レンズの出射光量の下限とする。
 本発明の第6の態様による光ディスクの検査方法は、対物レンズを用いた超解像再生が可能な光ディスクの品質を判定する光ディスク検査方法であって、ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値e0が得られる対物レンズの出射光量の上限Pr_H0が、所定のディスクチルト角を与えたときに第2の再生性能の所定値e1が得られる対物レンズの出射光量の下限Pr_L1以上であるという関係を満足する場合には、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足すると判定し、当該関係を満足しない場合には、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足しないと判定する。
 本発明の第7の態様による光ディスクの検査方法は、対物レンズを用いた超解像再生が可能な光ディスクの品質を判定する光ディスク検査方法であって、所定のディスクチルト角を与えたときに再生性能が最小となる出射光量Pr1が、ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値e0が得られる対物レンズの出射光量の下限Pr_L0以上、且つ、第1の再生性能の所定値e0が得られる対物レンズの出射光量の上限Pr_H0以下であるという関係を満足する場合には、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足すると判定し、当該関係を満足しない場合は、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足しないと判定する。
 本発明によれば、集光スポットのピーク強度が、超解像効果が得られるピーク強度以上に保たれるため、ディスクチルトによりコマ収差等が発生した場合、あるいは多層超解像光ディスクを用いた場合であっても、再生性能の低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態1における光ディスク装置の構成を示す図である。 ディスクチルトが生じていない場合の再生信号の波形の一例を示す図である。 ディスクチルトが生じた場合の集光スポットの光強度のシミュレーション結果を示す図である。 ディスクチルトが生じた場合に変調振幅検出回路9より出力される再生信号の波形の一例を示す図である。 ディスクチルトによる総光量の変化と変調振幅の変化とを対比して示す図である。 変調振幅検出回路9より出力される再生信号の変調振幅のエンベロープ信号の一例を示す図である。 反転回路10から出力される反転変調振幅値信号の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2における光ディスク装置の構成を示す図である。 半導体レーザの発光光量および集光スポットの光量(再生パワー)に対する再生性能の変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態3における光ディスク装置の構成を示す図である。 多層超解像光ディスクの概略構成を示す図である。 コリメータレンズ4の移動に伴う、対物レンズ5の入射瞳に取り込まれる光量の変化を説明するための図(a),(b),(c)である。 多層超解像光ディスクの光透過層の厚みに対する、対物レンズ5の入射瞳に取り込まれる光量の変化を示すグラフである。 多層超解像光ディスクの光透過層の厚みに対する、ディスクチルト発生時の集光スポットのピーク強度の変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態4における光ディスク装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態4における光ディスクの概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態5における光ディスク装置の構成を示す図である。 ディスクチルトの最大値がθaとなる場合の、集光スポットの光量(再生パワー)に対する再生性能の変化を示すグラフである。 ディスクチルトの最大値がθbとなる場合の、集光スポットの光量(再生パワー)に対する再生性能の変化を示すグラフである。 超解像光ディスクを検査する方法を示すフローチャートである。
 以下、本発明に係る種々の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1.
 図1は、実施の形態1における光ディスク装置の構成を示す図である。この光ディスク装置は、超解像再生が可能な光ディスク(超解像光ディスク)6を用いるものである。超解像光ディスク6は、情報記録層を覆うように、照射光の強度に対して光学特性(透過率等)が非線形に変化する超解像層を設けたものである。
 図1に示すように、光ディスク装置は、光ビーム2を出射する光源としての半導体レーザ1と、光ビーム2が入射するプリズム3とを備えている。プリズム3は、半導体レーザ1からの光ビーム2を90度反射するよう構成され、その反射光の進行方向に沿って、光ビーム2を透過するコリメータレンズ4と対物レンズ5とが配置されている。対物レンズ5は、光ディスク6に対向するように配置されている。
 半導体レーザ1から出射された光ビーム2は、プリズム3で反射され、コリメータレンズ4および対物レンズ5を透過して、光ディスク6に入射する。光ディスク6からの反射光(戻り光)は、対物レンズ5およびコリメータレンズ4を介してプリズム3に入射し、プリズム3を透過して、フォーカスエラーやトラキングエラー検出用の光学素子7を介して受光素子8に入射する。受光素子8から出力される再生信号をもとに記録データが読み出される。
 光ディスク装置は、さらに、受光素子8の再生信号が入力される変調振幅検出回路9と、この変調振幅検出回路9の出力信号(変調振幅値信号)が入力される反転回路10と、半導体レーザ1に駆動電流Iopを供給し、半導体レーザ1から光ビーム2を出射させるレーザ駆動回路11とを備えている。変調振幅検出回路9および反転回路10は、発光光量制御手段を構成している。
 図2は、受光素子8から出力される再生信号の波形の一例を示す図であり、横軸に時間、縦軸に出力電圧を示している。一般に、記録マーク長が長いほど、図2のように大きな変調振幅を示し、記録マーク長さが短いほど変調振幅は小さくなる。なお、変調振幅の中央値は、受光素子8の受光する総光量に対応している。
 光ディスク6は、図示しないディスク回転モータ(スピンドルモータ)により回転駆動されるターンテーブルに保持され、回転する。このとき、光ディスク6の反りやディスク回転モータの回転軸振れ、あるいは、ターンテーブルへの光ディスク6の装着不足や装着ずれによって、光ディスク6の回転中に、対物レンズ5の光軸方向に対するディスクチルトが発生する。ディスクチルトが発生すると、光ビーム2にコマ収差が発生して、光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットの光強度分布は、理想的な光強度分布から変化する。
 図3は、ディスクチルトによりコマ収差が発生したときの集光スポットの光強度分布のシミュレーション結果を示す図である。図3において、破線で示す光強度分布は、ディスクチルトが生じていず(0度)、コマ収差が発生していない場合の理想的な分布である。一方、実線で示す光強度分布は、ディスクチルトが0.7度の場合の光強度分布である。ディスクチルトが0.7度の場合、コマ収差が発生することで、回折限界まで光を集めることができず、集光スポットの中央(以下、中央スポットとも称する)のピーク強度が低下し、中央に集光しなかった光が周辺のフレアとして分布する。ディスクチルトが0.7度の場合には、0度の場合と比較して、ピーク強度は約18%低下する。また、中央スポットの径が大きくなり、再生分解能が低下する。周辺に形成されるフレアは、記録マークに対する再生分解能はほとんど有さない。
 図4は、ディスクチルトによりコマ収差が発生したときの、受光素子8から出力される再生信号の波形の一例を示す図である。ディスクチルトによりコマ収差が発生すると、図4に矢印で示すように、再生信号の波形の変調振幅が低下する部分が生じる。
 一方、ディスクチルトによりコマ収差が発生した場合であっても、フレアとなった光が光ディスク6で反射されてほとんどが受光素子8に入射するため、受光素子8が受光する総光量の変化は少ない。
 図5は、ディスクチルトによるコマ収差が発生した場合に、受光素子8で受光する総光量の変化と、再生信号の変調振幅の変化を説明するための図である。図5では、ディスクチルトが0度の場合の総光量および変調振幅をそれぞれ1とし、これに対する変化の割合を示している。一般に、光ディスク6で反射されて受光素子8に入射する総光量は、図5に破線で示すように、光ディスク装置で想定されるディスクチルト(コマ収差)の範囲では変化が小さい。特に、ディスクチルトが比較的小さい範囲では、受光素子8に入射する総光量はほとんど変化がない。これに対し、再生信号の波形の変調振幅の変化は、図5に実線で示すように、受光素子8に入射する総光量の変化に比べて大きい。
 この実施の形態1では、図1で示したように、受光素子8で検出した、光ディスク6の記録データの再生信号を変調振幅検出回路9に入力し、再生信号の変調振幅のエンベロープ信号の変化量を表す変調振幅値信号Vnを生成する。図6は、図4に示した再生信号から変調振幅検出回路9が生成する変調振幅値信号Vnの波形を示す図である。図6に示すように、変調振幅値信号Vnは、再生信号の変調振幅のエンベロープ(包絡線)を表わしている。
 変調振幅検出回路9で生成された変調振幅値信号Vnは、反転回路10に入力されて、図7に示すように、変調振幅のエンベロープ信号の変化と逆の変化を有する反転変調振幅値信号Vrに変換される。
 反転回路10で生成された反転変調振幅値信号Vrは、半導体レーザ1に駆動電流Iopを供給するレーザ駆動回路11に入力される。レーザ駆動回路11は、入力された反転変調振幅値信号Vrと、半導体レーザ1のバックモニター受光素子(図示せず)により検出される発光量に対応したモニター電流Imを電圧変換したVmと、駆動電流Iopを電圧変換したVopとから得られる(Vm+kv×Vr)/Vopが一定の値となるように、駆動電流Iopを決定する。なお、kvは、固定ゲインであり、再生信号の変調振幅の変動が小さくなるように設定されている。
 なお、半導体レーザ1のバックモニター受光素子のモニター電流Imの代わりに、半導体レーザ1からの出射された光ビーム2の一部を検出するように設けたフロントモニター受光素子(図示せず)の検出電流を用いてもよい。
 また、レーザ駆動回路11は、駆動電流Iop+Vr/Riを生成して半導体レーザ1に供給してもよい。ここで、Riは、Vrを電流値に変換する固定抵抗値であり、再生信号の変調振幅の変動が小さくなるように設定されている。この場合には、半導体レーザ1のバックモニター受光素子(あるいはフロントモニター受光素子)から得られるモニター電流を利用する必要はない。
 また、レーザ駆動回路11は、半導体レーザ1の駆動電流Iopを電圧変換したVopから得られるVr/Vop比が一定となるように、駆動電流Iopを決定してもよい。この場合にも、モニター電流Imを用いる必要はない。
 また、反転回路10で生成した反転変調振幅値信号Vrを用いる代わりに、変調振幅検出回路9で生成した変調振幅値信号Vnに基づいて、駆動電流Iopを決定してもよい。この場合、例えば、レーザ駆動回路11は、駆動電流Iop-Vn/Riを生成して半導体レーザ1に供給することができる。あるいは、Vn/Vop比が一定となるように、駆動電流Iopを決定してもよい。この場合には、反転回路10は不要となる。
 以上説明したように、本発明の実施の形態1では、再生信号の変調振幅の変化に基づいて、レーザ駆動回路11の駆動電流Iopを制御しているため、ディスクチルトによるコマ収差が発生した場合であっても、集光スポットのピーク強度の低下を抑制することができ、超解像効果を発生させるために必要なピーク強度を保つことができる。その結果、超解像光ディスク6を、より品質よく再生することが可能になる。
 特に、再生信号の変調振幅の変化に基づいて駆動電流Iopを制御しているため、受光素子8に入射する総光量の変化には表れないような、比較的小さなディスクチルト(これによるコマ収差)に起因する集光スポットのピーク強度の低下にも対応することが可能になる。
 さらに、再生信号のエンベロープ信号である変調振幅値信号Vn、または、その反転信号である反転変調振幅値信号Vrを利用することで、複雑な制御を要することなく、再生信号の変調振幅の変化に基づく駆動電流Iopの制御を実現することができる。
実施の形態2.
 次に、本発明の実施の形態2について説明する。図8は、実施の形態2における光ディスク装置の構成を示す図である。図8において、実施の形態1の光ディスク装置(図1)の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
 実施の形態2における光ディスク装置は、いずれも実施の形態1で説明した半導体レーザ1、プリズム3、コリメータレンズ4、対物レンズ5、センサ光学素子7および受光素子8を備えている。
 実施の形態2における光ディスク装置は、また、半導体レーザ1に駆動電流Iopを供給して半導体レーザ1から光ビーム2を出射させるレーザ駆動回路21と、レーザ駆動回路21による半導体レーザ1の発光光量を制御する発光光量設定部(発光光量制御手段)22を備えている。なお、実施の形態1で説明した変調振幅検出回路9および反転回路10(図1)は設けられていない。
 一般に、超解像光ディスクでは、集光スポットの中央でのピーク強度がある閾値以上の場合に、そのピーク強度の大きい部分で超解像層の光学特性が変化することにより、超解像効果が得られる。しかしながら、集光スポットの中央でのピーク強度が閾値付近乃至はそれ以下に低下すると、超解像効果は急激に低下し、再生性能が低下する。
 図9は、超解像光ディスクの再生パワーPrの変化に対する再生性能の変化を示すグラフである。再生パワーPrとは、光源(半導体レーザ1)の発光光量Pldのうち、対物レンズ5から出射される光量(すなわち、情報記録面に集光される集光スポットの光量)を言う。また、図9のグラフでは、再生性能を示す指標として、縦軸にビットエラーレート(bER)を示す。なお、再生性能を示す指標は、bERに限られるものではなく、例えば、シンボルエラーレート(SER)、ジッター(Jitter)あるいはi-MLSE値など他の指標であってもよい。
 図9に示すように、超解像光ディスクには、bERが最小となる(すなわち最も良好な再生性能が得られる)再生パワーPr0があり、この再生パワーPr0に対して、再生パワーPrが低パワー側(減少)および高パワー側(増加)に変化すると、bERは非対称に増加するという再生パワー依存性がある。bERの許容限界を規定する所定値をe0とすると、低パワー側でbERがe0となる再生パワーPrをPr_Lとし、高パワー側でbERがe0となる再生パワーPrをPr_Hとする。言い換えると、Pr_LおよびPr_Hは、それぞれ、良好な(許容範囲内の)再生性能が得られる再生パワーの下限および上限である。このような再生パワー依存性は、超解像層を有さない従来のBD規格の光ディスクでは見られない特性である。
 上記の所定値e0は、種々の光ディスクが再生できるか否かの判断、または光ディスク自体の良否判断において用いられる許容指標値でよい。所定値e0は、例えば、bERの場合には3×10-4、SERの場合には2×10-3とする。
 対物レンズ5の入射瞳に取り込まれる光量は、半導体レーザ1の発光点と対物レンズ5の入射瞳径とを結ぶ光束内の光量で決定され、再生パワーPrは、半導体レーザ1の発光光量Pldに対物レンズ5の出射効率ηを掛けたものとなる。図9には、再生パワーPrを示す横軸と、半導体レーザ1の発光光量Pldを示す横軸の両方を示している。上記の所定値e0に対応する低パワー側の再生パワーPr_Lと高パワー側の再生パワーPr_Hは、それぞれ半導体レーザ1の発光光量Pld_L、Pld_Hに対応する。すなわち、Pld_LおよびPld_Hは、それぞれ、良好な(許容範囲内の)再生性能が得られる発光光量の下限および上限である。
 上記のとおり、光ディスク6は、ディスク回転モータにより回転するターンテーブルに保持されて回転するが、このとき、光ディスク6自身の反りやディスク回転モータの回転軸振れ、あるいはターンテーブルへの光ディスク6の装着不足や装着ずれによって、光ディスク6の回転中に、対物レンズ5の光軸方向に対するディスクチルトが発生する場合がある。ディスクチルトが発生すると、光ビーム2にコマ収差が発生して、光ディスク6の情報記録層に形成される集光スポットの光強度分布は、理想的な光強度分布から変化する。
 ディスクチルトによりコマ収差が発生したときの集光スポットの光強度分布のシミュレーション結果は、図3を参照して説明したとおりである。図3に示したようにディスクチルトが0.7度の場合、ディスクチルトが0度の場合と比較して、ピーク強度は約18%低下する。その結果、図9において、情報記録面に集光される集光スポットの光量(再生パワー)がPr_Lよりも低下し、例えばbERが3×10-4を上回るなど、許容範囲内の性能を発揮できない場合がある。
 そこで、本実施の形態では、発光光量設定部22が、以下のように、レーザ駆動回路21による半導体レーザ1の発光光量Pldを制御する。
 すなわち、光ディスク装置において想定されるディスクチルト角(ディスクチルト量)θと、光ディスク6の光透過層の厚みtとから算出されるコマ収差量に基づき、集光スポットのピーク強度の低下率D(ディスクチルト0.7度の場合は、約18%)を求める。そして、低パワー側の発光光量Pld_Lに、上記低下率Dとの積D×Pld_Lを加算した(1+D)×Pld_Lを算出する。レーザ駆動回路21は、半導体レーザ1の発光光量Pldが、(1+D)×Pld_L以上となるように、半導体レーザ1に駆動電流Iopを供給する。
 このようにすれば、光ディスク装置で想定されるディスクチルト角θが発生した状態においても、超解像効果を発生させるだけのピーク強度を確保し、さらに、許容範囲内の再生性能を発揮する(例えば、bERを3×10-4以下に抑え、あるいはSERを2×10-3以下に抑える)ことができる。
 なお、(1+D)×Pld_LがPld_Hよりも大きい値になることは、起こりにくい。これは、図9に示すように、最良の再生性能(例えばbER)が得られる再生パワーPr0に対して、高パワー側の性能変化が緩やかであるのに対し、低パワー側の性能変化が急峻である(すなわち、再生パワーが過大な状態よりも、再生パワーが不足する状態の方が、再生性能への影響が大きい)という非対称性のためである。
 但し、(1+D)×Pld_LがPld_Hより大きくなる可能性がゼロではない。そこで、発光光量設定部22は、(1+D)×Pld_Lの値がPld_Hの値よりも大きい場合には、(1+D)×Pld_Lではなく、Pld_Hを発光光量とする。
 以上説明したように、本発明の実施の形態2によれば、想定されるディスクチルト角θと、光ディスク6の光透過層の厚みtに応じたコマ収差とから求められる、集光スポットのピーク強度の低下率Dに基づいて、レーザ駆動回路21が半導体レーザ1の発光光量を制御するため、想定されるディスクチルト角θが発生した状態においても、超解像効果を発生させるだけのピーク強度を確保し、さらに、許容範囲内の再生性能を発揮することができる。
 特に、良好な(許容範囲内の)再生性能が得られる発光光量の下限をPld_Lとしたとき、半導体レーザ1の発光光量Pldが(1+D)×Pld_L以上となるように、半導体レーザ1を発光制御するため、コマ収差による集光スポットのピーク強度の低下分(例えばディスクチルト0.7度の場合は、約18%)を補って、良好な再生性能を発揮することができる。
実施の形態3.
 図10は、実施の形態3における光ディスク装置の構成を示す図である。図10では、実施の形態1および実施の形態2の光ディスク装置の構成要素と共通の構成要素には、同一の符号を付す。
 実施の形態3における光ディスク装置は、実施の形態1で説明した半導体レーザ1、プリズム3、コリメータレンズ4、対物レンズ5、センサ光学素子7および受光素子8を備えている。
 実施の形態3における光ディスク装置は、また、半導体レーザ1に駆動電流Iopを供給して半導体レーザ1から光ビーム2を出射させるレーザ駆動回路31と、レーザ駆動回路31による半導体レーザ1の発光光量を制御する発光光量設定部(発光光量制御手段)32を備えている。なお、実施の形態1で説明した変調振幅検出回路9および反転回路10(図1)は設けられていない。
 実施の形態3における光ディスク装置は、また、コリメータレンズ4を光軸方向に移動させて当該光軸方向における位置を調整するコリメータレンズ駆動装置(光学素子駆動手段)30を備えている。BD規格の光ディスクを記録再生する光ディスク装置のように、開口数NAが比較的大きな0.85以上の対物レンズが用いる場合、光ディスクの光透過層の厚みの違いに起因して生じる球面収差の影響が大きくなるため、コリメータレンズ駆動装置30は、光ディスクの光透過層厚みに応じて球面収差を補正するために用いられる。
 この実施の形態3は、複数の情報記録層を有する多層超解像光ディスク60に対する記録再生が可能な光ディスク装置における、半導体レーザ1の発光光量の制御に関するものである。
 図11は、多層超解像光ディスク60の概略構成を示す図である。ここでは、説明を簡単にするために、情報記録層の数Nを3とし、対物レンズ5からの光の入射側から順に、情報記録層L2,L1,L0と称する。また、最も入射側の光透過層(カバー層)6cの厚みをtcとし、記録層L2,L1の間の光透過層6bの厚みをt1とし、情報記録層L1,L0の間の光透過層6aの厚みをt2とする。なお、超解像層は、図示を省略している。また、情報記録層の数Nが3に限定されないことは言うまでもない。
 多層超解像光ディスク60では、ディスク表面から各情報記録層L2,L1,L0までの光透過層の厚みがそれぞれ異なる。すなわち、ディスク表面から情報記録層L2までの光透過層の厚みはtcであるのに対し、ディスク表面から情報記録層L1までの光透過層の厚みはtc+t1であり、ディスク表面から情報記録層L0までの光透過層の厚みはtc+t1+t2である。そのため、コリメータレンズ駆動装置30により、コリメータレンズ4を光透過層の厚みに応じて光軸方向に移動させて球面収差を補正することで、情報記録層に最適な集光スポットを形成する。
 図12は、コリメータレンズ4を光軸方向に移動させた場合に対物レンズ5の入射瞳に取り込まれる光量を説明するための模式図である。図12(a)、(b)及び(c)は、それぞれ情報記録層L0,L1,L2に対する球面収差を補正したコリメータレンズ4の位置を模式的に示している。図13は、光透過層の厚みtに対する、対物レンズ5の入射瞳に取り込まれる光量の変化を示すグラフである。
 情報記録層L2,L1,L0(図12(c)、(b)、(a))の順にアクセスする場合には、ディスク表面から、アクセスする情報記録層までの光透過層の厚みtが増加する。これに伴い、コリメータレンズ駆動装置30が、コリメータレンズ4を光軸に沿って対物レンズ5から離れる方向に移動し、その結果、図13に示すように、対物レンズ5の入射瞳に取り込まれる光量は単調に増加する。
 そのため、半導体レーザ1の発光光量を一定とすると、アクセスする情報記録層によって再生パワーPrが異なるため、集光スポットのピーク強度が変化することとなり、超解像効果を得るために必要なピーク強度が得られない可能性がある。
 このような対物レンズ5の入射瞳への取り込み光量の変動を回避するため、発光光量設定部32は、以下のように、レーザ駆動回路31による半導体レーザ1の発光光量Pldを制御する。
 すなわち、光学系の設計条件から予め算出される、ディスク表面から情報記録面までの光透過層の厚みtに応じた対物レンズ5の入射瞳への取り込み光量の変動率P(t)に、基準発光光量Pld0との積P(t)×Pld0を加算した(1+P(t))×Pld0を算出する。基準発光光量Pld0とは、光ディスク装置において初期的に設定される半導体レーザ1の発光光量であり、ある光透過層の厚みtに対して、コリメータレンズ4の位置調整により球面収差が補正された状態で良好な再生性能(例えばbERが上記所定値e0以下)が得られる半導体レーザ1の発光光量を意味する。
 このようにして、アクセスする情報記録層(L0,L1またはL2)に応じた半導体レーザ1の発光光量が決定される。レーザ駆動回路31は、半導体レーザ1の発光光量Pldが、(1+P(t))×Pld0以上となるように、半導体レーザ1に駆動電流Iopを供給する。
 変動率P(t)は、光透過層の厚みtに対して単調増加となる関数であって、例えば、1次関数P(t)=a×t(ここで、aはプラスの定数)、2次関数P(t)=b×t+c×t+dで表わされる。ここで、b、c、dは定数(bは正の定数)である。なお、P(t)は、光透過層の厚みtの3次以上の関数であってもよい。
 このように、半導体レーザ1の発光光量Pldが(1+P(t))×Pld0となるように制御することで、コリメータレンズ駆動装置30によるコリメータレンズ4の移動に起因する再生パワーPrの変動を抑制し、多層超解像光ディスク60の各情報記録層L0,L1,L2における集光スポットのピーク強度を、超解像効果を発現するピーク強度に保つことができる。
 発光光量設定部32は、さらに、多層超解像光ディスク60のディスクチルトによるコマ収差に起因する集光スポットのピーク強度低下を防止するように、半導体レーザ1の発光光量Pldを設定する。この点について、以下に説明する。
 コマ収差量は、次の一般式(1)で与えられる3次のコマ収差係数W31に比例し、レーザ光波長λに反比例することが知られている。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 式(1)において、θは、対物レンズ5の光軸に対するディスクチルト角(多層超解像光ディスク60の傾斜角)であり、nは、光ディスク60の情報記録層を被覆する光透過層の屈折率である。また、NAは、対物レンズ5の開口数であり、tは、上記の通り、ディスク表面から情報記録層までの光透過層の厚みである。
 式(1)より、ディスクチルト角が同じでも、光透過層の厚みtに比例してコマ収差量が大きくなる。そのため、光透過層の厚みtに対し、集光スポットのピーク強度は、図14に示すシミュレーション値のように単調減少を示す。
 上述した対物レンズ5の入射瞳への取り込み光量の変動を回避するため、発光光量設定部32は、レーザ駆動回路31における半導体レーザ1の発光光量Pldを、以下のように制御する。
 すなわち、光ディスク装置において想定されるディスクチルト角θと光透過層の厚みtとから、式(1)のコマ収差係数W31に基づいて算出されるコマ収差量に基づき、集光スポットのピーク強度の低下率Dmを求める。そして、実施の形態2において説明したように、低パワー側のレーザ発光光量Pld_Lに、上記低下率Dmとの積Dm×Pld_Lを加算した(1+Dm)×Pld_Lを算出する。レーザ駆動回路31は、半導体レーザ1の発光光量Pldが、(1+Dm)×Pld_L以上となるように、半導体レーザ1を駆動する。
 すなわち、実施の形態3では、
 (1+P(t))×Pld0、および
 (1+Dm)×Pld_L
のうちの大きい方の値を選択してPld_Aとし、半導体レーザ1の発光光量Pldが、Pld_A以上になるように制御する。これにより、コリメータレンズ4の移動に起因する再生パワーPrの変動を抑制し、なお且つ、ディスクチルトによるコマ収差に起因する集光スポットのピーク強度低下を防止して、許容範囲内の再生性能を維持する(例えばbERを3×10-4以下に抑制する等)ことができる。
 但し、実施の形態2でも説明したように、上記Pld_Aの値がPld_Hの値よりも大きい場合には、Pld_Aの値ではなく、Pld_Hを、発光光量Pldとする。
 以上説明したように、本発明の実施の形態3によれば、ディスク表面から情報記録層までの光透過層の厚みtに応じた、対物レンズ5の入射瞳への取り込み光量の変動率P(t)に基づいて、アクセスする情報記録層に応じた半導体レーザ1の発光光量Pldを制御するため、コリメータレンズ駆動装置30によるコリメータレンズ4の移動に起因する再生パワーPrの変動を抑制し、多層超解像光ディスク60の各情報記録層L0,L1,L2における集光スポットのピーク強度を、超解像再生効果を発生するピーク強度に保つことができる。
 加えて、想定されるディスクチルト角θと、光ディスク60の光透過層の厚みtとから求められる集光スポットのピーク強度の低下率Dmに基づいて、半導体レーザ1の発光光量を制御するため、ディスクチルトが発生しても、超解像効果を発生させるだけのピーク強度を確保し、さらに、許容範囲内の再生性能を発揮することができる。
 なお、ここでは、コリメータレンズ駆動装置30によりコリメータレンズ4を光軸方向に駆動すると説明したが、光ディスク60の光透過層の厚さに起因する球面収差を補正することができれば、他の光学素子を駆動してもよい。
変形例.
 実施の形態3の変形例は、レーザ駆動回路11が、駆動電流Iopと、バックモニター受光素子などから得られるモニター電流Imとの比が一定になるように半導体レーザ1を駆動する光ディスク装置に関する。
 上述したように、多層超解像光ディスク60の光透過層の厚みtの増加に伴って、対物レンズ5の入射瞳に取り込まれる光量は増加する一方(図13)、ディスクチルト発生時の集光スポットのピーク強度は低下する(図14)。そこで、この変形例では、光透過層の厚みtが厚い記録層(例えば図11の情報記録層L0)をアクセスした状態で、ディスクチルトによるピーク強度の低下分(図14)を考慮して、超解像効果を得るため必要なピーク強度が得られるように、半導体レーザ1の発光光量を設定する。すなわち、この変形例は、光透過層の厚みtの変化に対して、図13に示した曲線と図14に示した曲線とが互いに逆の傾向を示していることを利用したものである。
 光透過層の厚みが薄い記録層(例えば図11の情報記録層L1,L2)にアクセスする場合には、対物レンズ5の入射瞳に取り込まれる光量は減少するが、ディスクチルト発生時の集光スポットのピーク強度の低下が小さくなるため、ある程度の相殺効果がある。そのため、上述した実施の形態3のように確実に超解像効果を生じるピーク強度を確保することは難しいものの、ピーク強度の低下をある程度まで抑制することができる。
実施の形態4.
 図15は、実施の形態4における光ディスク装置の構成を示す図である。図15では、実施の形態1~3の光ディスク装置の構成要素と共通の構成要素には、同一の符号を付す。
 実施の形態4における光ディスク装置は、実施の形態1で説明した半導体レーザ1、プリズム3、コリメータレンズ4、対物レンズ5、センサ光学素子7および受光素子8を備えている。
 実施の形態4における光ディスク装置は、また、半導体レーザ1に駆動電流Iopを供給して半導体レーザ1から光ビーム2を出射させるレーザ駆動回路41と、レーザ駆動回路41による半導体レーザ1の発光光量を制御する発光光量設定部42とを備えている。
 この実施の形態4では、再生パワーPrに関する情報を、例えば光ディスクの種類や超解像層の種類を種別する識別IDと共に、光ディスク6に記憶している。また、光ディスク装置は、光ディスクに記憶された再生パワーPrに関する情報を読み出して発光光量設定部42に通知する読み出し部(読み出し手段)43を備えている。発光光量設定部42および読み出し部43は、発光光量制御手段を構成している。
 超解像光ディスクの超解像層の材料の種類や組成比によっては、光ディスク6の再生性能の判断基準となる所定値e0(例えばbERが3×10-4以下)が得られる再生パワーPr_LおよびPr_Hが異なる場合がある。
 そこで、本実施の形態では、少なくとも、再生性能の基準となる所定値e0が得られる低パワー側の再生パワーPr_Lを、図16に示すように光ディスク6の情報管理領域63に記録しておく。光ディスク6は、外周側から、ユーザのデータを記憶するデータ領域61、バッファ領域62および情報管理領域63を有しており、この情報管理領域63に再生パワーPr_Lを記憶しておく。
 このような超解像光ディスクを記録再生する際には、光ディスク装置の読み出し部43が、情報管理領域63に記録された再生パワーPr_Lを読み出し、発光光量設定部42に通知する。発光光量設定部42は、読み出された再生パワーPr_Lをもとに、実施の形態2および3で説明したように、レーザ駆動回路41による半導体レーザ1の発光光量を設定する。
 なお、光ディスク6の情報管理領域63は、長マーク(回折限界よりも大きい記録マーク)のみで構成されていれば、超解像効果が発生する再生パワー以下の再生パワーでも読み出すことができる。従って、情報管理領域63から再生パワーPr_Lを読み出す際には、半導体レーザ1の発光光量を、比較的低い再生パワーが得られる発光光量としておいてもよい。一方、データ領域61のデータを読み出すときには、再生パワーPr_Lの情報に基づいて超解像効果が発生する十分な発光光量に設定する。
 このように、本発明の実施の形態4によれば、光ディスクの種類や超解像層の種類が複数あっても、集光スポットのピーク強度低下を正確に補正することができる。
 また、再生パワーPr_Lの情報を、データ領域61のデータを再生する前にアクセスされて読み出される情報管理領域63に記録しておくことで、光ディスク装置の再生開始までの時間を短縮できる。
 実施の形態4は、上述した実施の形態2および3のいずれにも適用することができる。すなわち、光ディスクは、単一の情報記録層を有するものでも、複数の情報記録層を有するものでもよい。また、コリメータレンズ駆動装置30は、設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
 実施の形態5.
 上述した実施の形態4では、光ディスクに、再生パワーPrに関する情報として、少なくとも再生性能の基準となる所定値e0が得られる低パワー側の再生パワーPr_Lを含む情報を記録し、光ディスク装置が、光ディスクからその再生パワーPrに関する情報を読み出して再生パワーを制御していた。これに対し、実施の形態5では、光ディスクに、再生パワーPrに関する情報として、光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーPrの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報を含む情報を記録し、光ディスク装置が、光ディスクからその再生パワーPrに関する情報を読み出して再生パワーを制御する。
 図17は、実施の形態5における光ディスク装置の構成を示す図である。図17では、実施の形態1~4の光ディスク装置の構成要素と共通の構成要素には、同一の符号を付す。
 実施の形態5における光ディスク装置は、実施の形態1で説明した半導体レーザ1、プリズム3、コリメータレンズ4、対物レンズ5、センサ光学素子7および受光素子8を備えている。
 実施の形態5における光ディスク装置は、また、半導体レーザ1に駆動電流Iopを供給して半導体レーザ1から光ビーム2を出射させるレーザ駆動回路51と、レーザ駆動回路51による半導体レーザ1の発光光量を制御する発光光量設定部52とを備えている。
 この実施の形態5では、再生パワーPrに関する情報を、例えば光ディスクの種類や超解像層の種類を種別する識別IDと共に、光ディスク6に記憶している。また、光ディスク装置は、光ディスクに記憶された再生パワーPrに関する情報を読み出して発光光量設定部52に通知する読み出し部(読み出し手段)53を備えている。発光光量設定部52および読み出し部53は、発光光量制御手段を構成している。
 光ディスク6は、図16を参照して説明したように、外周側から、ユーザのデータを記憶するデータ領域61、バッファ領域62および情報管理領域63を有しており、この情報管理領域63に再生パワーPrに関する情報を記憶しておく。本実施の形態では、再生パワーPrに関する情報として、光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーPrの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報の少なくともいずれかを含む。
 このような超解像光ディスクを記録再生する際には、光ディスク装置の読み出し部53が、情報管理領域63に記録された再生パワーPrに関する情報を読み出し、発光光量設定部52に通知する。発光光量設定部52は、読み出された情報をもとに、実施の形態2および3で説明したように、レーザ駆動回路51による半導体レーザ1の発光光量を設定する。
 次に、光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーPrの上限および下限の情報または望ましい再生パワー情報について説明する。上記の通り、超解像光ディスクには、ディスクチルトによりコマ収差が発生して集光スポットのピーク強度が低下し、超解像効果による再生性能が劣化するという特徴がある。このディスクチルトにより発生するコマ収差量は、上記の式(1)より求めることができ、これを用いて集光スポットのピーク強度の低下率を算出することができる。ディスクチルト角θが大きいほど、コマ収差量は大きくなり、集光スポットのピーク強度の低下率は大きくなる。
 ディスクチルト角θの最大値は、光ディスク自身の反りや光ディスクが光ディスク装置にセットされる際に機構上の公差で残留する対物レンズの光軸に対する光ディスクの記録面との角度ずれなどの諸要因を考慮し、光ディスク装置の装置互換性及び光ディスクの互換性を保証できるように設定される。例えば、超解像光ディスクの規格に定められるべきものとなる。
 ディスクチルト角θの最大値は、再生システム全体として性能を確保できるように決めることができるが、従来のBDやDVD規格の光ディスクでは、例えば、0.5度~0.8度程度の値に設定されている。もし従来のBDやDVD規格の光ディスクとの互換性を保持する場合には、これと同程度のディスクチルト角を保証する必要がある。
 ディスクチルトの最大値の大小や、超解像光ディスクの超解像層を構成する材料の光学特性の違いなどによって、再生パワーに対する再生性能特性は異なったものとなる。そのため、上記再生パワーに対する再生性能特性の相違に対応するように、光ディスク装置の再生パワー制御方法を考える必要がある。
 次に、ディスクチルトの最大値の大小や、超解像光ディスクの超解像層を構成する材料の光学特性の違いなどによって異なる特性(図18に示す再生性能特性Aおよび図19に示す再生性能特性B)を有する超解像光ディスクを再生する光ディスク装置について説明する。
 図18は、再生性能特性Aを有する超解像光ディスクの再生パワーPrの変化に対する再生性能の変化を示すグラフである。ディスクチルトが生じていない場合のbERの許容限界を規定する第1の再生性能の所定値をe0とすると、低パワー側でbERがe0となる再生パワーPrをPr_L0とし、高パワー側でbERがe0となる再生パワーPrをPr_H0とする。また、ディスクチルトが生じていない場合のbERが最小となる再生パワーをPr0とし、そのときのbERをe0_btmとする。
 一方、ディスクチルト角の最大値θaが与えられた場合のbERの許容限界を規定する第2の再生性能の所定値をe1とすると、低パワー側でbERがe1となる再生パワーPrをPr_L1aとし、高パワー側でbERがe1となる再生パワーPrをPr_H1aとする。また、ディスクチルト角の最大値θaが与えられた場合のbERが最小となる再生パワーをPr1aとし、そのときのbERをe1a_btmとする。
 図19は、再生性能特性Bを有する超解像光ディスクの再生パワーPrの変化に対する再生性能の変化を示すグラフである。ディスクチルトが生じていない場合のbERの許容限界を規定する第1の再生性能の所定値をe0とすると、低パワー側でbERがe0となる再生パワーPrをPr_L0とし、高パワー側でbERがe0となる再生パワーPrをPr_H0とする。また、ディスクチルトが生じていない場合のbERが最小となる再生パワーをPr0とし、そのときのbERをe0_btmとする。
 一方、ディスクチルト角の最大値θbが与えられた場合のbERの許容限界を規定する第2の再生性能の所定値をe1とすると、低パワー側でbERがe1となる再生パワーPrをPr_L1bとし、高パワー側でbERがe1となる再生パワーPrをPr_H1bとする。また、ディスクチルト角の最大値θbが与えられた場合のbERが最小となる再生パワーをPr1bとし、そのときのbERをe1b_btmとする。
 図18の再生性能特性Aでは、ディスクチルト角の最大値θaが与えられた場合のbERが最小となる再生パワーPr1aが、ディスクチルトが生じていない場合の高パワー側でbERがe0となる再生パワーPr_H0よりも大きい。一方、図19の再生性能特性Bでは、ディスクチルト角の最大値θbが与えられた場合のbERが最小となる再生パワーPr1bが、ディスクチルトが生じていない場合の高パワー側でbERがe0となる再生パワーPr_H0よりも小さい。
 図18および図19のグラフでは、再生性能を示す指標として、縦軸にビットエラーレート(bER)を示すが、再生性能を示す指標は、bERに限られるものではなく、例えば、シンボルエラーレート(SER)、ジッター(Jitter)あるいはi-MLSE値など他の指標であってもよい。また、図18に示したPr_L1aと図19に示したPr_L1b、はPr_L1と総称する。同様に、図18に示したPr1aと図19に示したPr1bは、Pr1と総称する。
 ここで、ディスクチルト角θbは、例えば、ディスクチルト角θaより小さいものとする。ディスクチルト角が大きいほど、集光スポットのピーク強度の低下率が大きいため、ディスクチルト角θb(<θa)の場合に再生性能がボトム値(最小値、すなわち最良値)となる再生パワーPr1bは、ディスクチルト角θaの場合に再生性能がボトム値となる再生パワーPr1aよりも低い。この他、超解像層を構成する材料が有する光学特性の違いも、再生性能がボトム値となる再生パワーPr1a,Pr1bの差の要因となる。
 次に、本実施の形態の光ディスク装置において、図18に示した再生性能特性Aを有する光ディスクを再生する際に設定する再生パワーPr_Rの設定方法について説明する。 
 まず、第1の再生性能の所定値e0と、第2の再生性能の所定値e1を設ける。第1の再生性能の所定値e0と、第2の再生性能の所定値e1とは、e0<e1の関係にあるものとする。つまり、第1の再生性能所定値e0は、第2の再生性能の所定値e1よりも、再生性能が良好であるものとする。
 第1の再生性能の所定値e0は、ディスクチルトが生じていない場合に設定する再生性能の上限である。これは、ディスクチルトが生じていない場合、すなわち、ディスクチルトによるコマ収差の発生がなく、再生性能を悪化させる要因が排除された最良の光学条件で必要とされる再生性能値(bER)である。
 図18に示すように、再生性能が所定値e0以下を満足する再生パワーの範囲は、Pr_L0以上、Pr_H0以下である。また、再生性能のボトム値はe0_btmであり、そのときの再生パワーはPr0である。
 つまり、ディスクチルトが生じていない状態では、再生パワーPr_Rを、少なくともPr_L0以上、Pr_H0以下のいずれかの値に設定すれば、コマ収差の発生していない最良の光学条件において必要とされる再生性能(e0以下)を満足させることができる。
 一方、図18に示すように、再生性能特性Aを有する光ディスクにディスクチルトの最大値θaを与えた場合、再生性能のボトム値はe1a_btmであり、そのときの再生パワーは上記の再生パワーPr0よりも大きいPr1aとなる。
 これは、これまでに述べてきたように、ディスクチルトにより発生するコマ収差の影響によって、集光スポットのピーク強度が低下するため、再生パワーを高くする必要があるためである。これは、従来のBD規格やDVD規格の光ディスクには無い特徴である。上記要因による集光スポットのピーク強度の低下率Dとすると、再生パワーPr1aはおおよそ(1+D)×Pr0に相当する。
 図18に示されたe1は、再生性能の許容限界を規定するbERの所定値である。良好な(許容範囲内の)再生性能を得るためには、再生性能(bER)をe1以下に抑える必要がある。また、再生パワーPr_L1aとPr_H1aは、それぞれ、ディスクチルトの最大値θaを与えた状態で、再生性能が許容限界e1以下を満足する再生パワーの上限と下限である。
 従って、ディスクチルトの最大値θaが与えられた状態では、再生パワーPr_Rを、少なくともPr_L1a以上、Pr_H1a以下のいずれかの値に設定すれば、ディスクチルト角の最大値θaが与えられた状態において必要とされる再生性能(e1以下)を満足させることができる。
 以上から、再生性能特性Aを有する超解像光ディスクの再生時には、再生パワーPr_Rを、ディスクチルト角θaが与えられた状態で再生性能が所定値e1以下となる再生パワーの下限Pr_L1a以上で、且つ、ディスクチルトが生じていない状態で再生性能が所定値e0以下となる再生パワーの上限Pr_H0以下の範囲のいずれかの値に設定する。
 ここでは、再生性能特性Aの超解像光ディスクは、ディスクチルトが生じていない場合に高パワー側で再生性能が所定値e0となる再生パワーPr_H0が、ディスクチルト角θaが与えられた場合に再生性能が所定値e1以下となる再生パワーの下限Pr_L1aより大きくなるように構成されている。つまり、ΔPr_R=Pr_H0-Pr_L1aと定義すると、ΔPr_Rは正となる。これにより、再生性能を確保することができる。
 以上の再生パワーPr_Rの設定方法によって、ディスクチルト角θaが最大値と規定される光ディスク装置において、良好な(許容範囲内の)再生性能を得ることができる。
 また、図18に示すように、再生パワーPr_H0が、ディスクチルト角θaが与えられた状態で再生性能がボトム値となる再生パワーPr1aよりも小さいという特性を有する超解像光ディスクの場合には、再生パワーPr_RをPr_H0に設定することが望ましい。このようにすれば、ディスクチルトが生じていない場合には再生性能を所定値e0以下としつつ、ディスクチルト角の最大値θaが与えられた場合には再生性能を最大限小さくすることができ、システム全体としての再生性能を最良にすることができる。
 次に、本実施の形態の光ディスク装置において、図19に示した再生性能特性Bを有する光ディスクを再生する際に設定する再生パワーPr_Rの設定方法について説明する。 
 図19に示したように、再生性能特性Bでは、ディスクチルトが生じていない場合に高パワー側で再生性能が所定値e0となる再生パワーPr_H0が、ディスクチルト角θbが与えられた場合に再生性能がボトム値となる再生パワーPr1bより大きい。再生パワーPr_H0が再生パワーPr_L1bより大きいという点は、図18に示した再生性能特性(再生パワーPr_H0が再生パワーPr_L1aより大きい)と同様である。
 従って、本実施の形態では、再生パワーPr_Rを、ディスクチルト角θbが与えられた状態で再生性能が所定値e1以下となる再生パワーの下限Pr_L1b以上で、且つ、ディスクチルトが生じていない状態で再生性能が所定値e0以下となる再生パワーの上限Pr_H0以下の範囲の値に設定する。
 以上の再生パワーPr_Rの設定方法によって、ディスクチルト角θbが最大値と規定される光ディスク装置において、良好な(許容範囲内の)再生性能を得ることができる。
 このような超解像ディスクでは、再生パワーPr_H0が、ディスクチルト角θbが与えられた状態で再生性能がボトム値e1b_btmとなる再生パワーPr1bよりも大きいため、再生パワーPr_Rを、当該Pr1bに設定することが望ましい。このように設定すれば、ディスクチルトが生じていない場合には再生性能を所定値e0以下としつつ、ディスクチルト角の最大値θbにおいては再生性能をボトム値まで小さくすることができ、システム全体としての再生性能を最良にすることができる。
 光ディスク6は、上述したように、外周側から、ユーザのデータを記憶するデータ領域61、バッファ領域62および情報管理領域63を有しており、この情報管理領域63に再生パワーPrに関する情報を記憶しておく。再生パワーPrに関する情報は、光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーPrの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報を含む。ここで、図18に示した再生性能特性Aを有する光ディスクの場合には、光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーPrの上限はPr_H0であり、下限はPr_L1aである。また、望ましい再生パワーはPr_H0である。一方、図19に示した再生性能特性Bを有する光ディスクの場合には、光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーPrの上限はPr_H0であり、下限はPr_L1bである。また、望ましい再生パワーはPr1bである。
 次に、本実施の形態における再生性能特性Aおよび再生性能特性Bの超解像光ディスクの性能を判定する検査方法について説明する。
 再生性能特性Aを有する超解像光ディスクの検査方法は、図20に示すように、検査用再生パワー値Pr_Mを、Pr_L1a以上、且つPr_H0以下の値に設定し、ディスクチルトが生じていない状態で再生性能を計測し(ステップ1)、再生性能(例えばbER)が所定値e0以下を満足するか否かを判断する(ステップ2)。続いて、検査用再生パワー値Pr_MをPr_L1a以上、且つPr_H0以下の値に設定し、ディスクチルト角の最大値θaを与えた状態で再生性能を計測し(ステップ3)、再生性能が所定値e1以下を満足するか否かを判断する(ステップ4)。上記のステップ2,4の両方において、再生性能が所定値e0,e1以下を満足した場合には、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足すると判断する(ステップ5)。それ以外の場合には、超解像再生可能な品質を満足しないと判断する(ステップ6)。
 再生性能特性Bを有する超解像光ディスクの検査方法は、超解像光ディスクの再生性能特性Aの検査方法と同様であるが、図20のステップ3において、ディスクチルト角の最大値θbを与えた状態で再生性能を計測する点が異なる。判断方法は、上述したとおりである。
 なお、図20のステップ2,4において再生性能が所定値e0,e1以下を満足する場合(両ステップにおいてYESとなる場合)とは、言い換えると、ディスクチルトが生じていない状態で再生性能が所定値e0以下となる再生パワーの上限Pr_H0が、ディスクチルト角の最大値θa(θb)を与えたときに再生性能が所定値e1以下となる再生パワーの下限Pr_L1(Pr_L1a,Pr_L1b)以上になるという関係を満足する場合である。
 また、再生性能特性B(図19)を有する超解像光ディスクの検査方法としては、別の方法も可能である。すなわち、検査用再生パワー値Pr_Mを、ディスクチルト角の最大値θbを与えた状態で再生性能がボトム値e1b_btmとなる再生パワーPr1bに設定して、ディスクチルトが生じていない状態で再生性能を計測し、再生性能(例えばbER)が所定値e0以下を満足するか否かを判断する。再生性能が所定値e0以下を満足した場合には、検査対象の光ディスクが品質を満足すると判断し、それ以外の場合には、品質を満足しないと判断する。
 また、再生性能特性Aおよび再生性能特性Bの超解像光ディスクのそれぞれにおいて、ΔPr_Rは、レーザ駆動回路41による半導体レーザ1の発光光量の制御ばらつきによる再生パワーの変動量よりも大きいことが望ましい。一般的なレーザ駆動回路であれば、例えば、再生パワーの設定値に対しておおよそ±0.1mWの範囲に制御されるので、ΔPr_Rはそれ以上(すなわち0.2mW以上)であることが望ましい。従って、Pr_L0とPr_H0との差も0.2mW以上であることが望ましい。
 ここでは、光ディスクに記録している光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーPrの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報に基づいて光ディスクの品質を検査する場合について説明したが、例えば、規格などによって決められた許容性能の仕様に基づく値(再生パワーPrの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報に関する値)を用いて、検査対象の光ディスクが、規格などによって決められた許容性能を満足するか否かを検査してもよい。
 以上説明したように、本発明の実施の形態5における光ディスク装置および超解像光ディスクによれば、ディスクチルトの最大値まで再生性能を保障することができ、良好な再生が可能な高密度光ディスク再生システムを実現することができる。
 また、本発明の実施の形態5における光ディスクの検査方法によれば、検査対象の光ディスクが、光ディスク装置で良好な再生が可能な品質を満足するか否かを判定することが可能となる。
 実施の形態5は、上述した実施の形態2および3のいずれにも適用することができる。すなわち、光ディスクは、単一の情報記録層を有するものでも、複数の情報記録層を有するものでもよい。また、コリメータレンズ駆動装置30は、設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
 なお、実施の形態1~5における光ディスク装置は、図1,8,10,15,17に示した光ディスク装置に限定されるものではない。すなわち、図示された構成要素に対して、他の構成要素が付加されてもよく、また、同様の機能を有する別の構成要素に置き換えられてもよい。
 また、各実施の形態において、レーザ駆動回路は、半導体レーザ1のバックモニター受光素子からの検出電流(モニター電流)Imに基づいて半導体レーザ1の駆動電流Iopを制御しているが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、半導体レーザ1から出射された光ビーム2の一部を検出するように配置したフロントモニター受光素子からの検出電流Imに基づいて半導体レーザ1の駆動電流Iopを制御してもよい。
 1 半導体レーザ、 2 光ビーム、 3 プリズム、 4 コリメータレンズ、 5 対物レンズ、 6 光ディスク、 61 データ領域、 63 情報管理領域、 7 光学素子、 8 受光素子、 9 変調振幅検出回路、 10 反転回路、 11,21,31,41,51 レーザ駆動回路、 30 コリメータレンズ駆動装置、 22,32,42,52 発光光量設定部、 43,53 読み出し部。

Claims (16)

  1.  超解像再生が可能な光ディスクを再生する光ディスク装置であって、
     半導体レーザと、
     前記半導体レーザに駆動電流を供給するレーザ駆動回路と、
     前記光ディスクからの戻り光を検出し、前記光ディスクの記録データの再生信号を得る受光素子と、
     前記光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度を、超解像効果が得られるピーク強度以上に保つように、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量を制御する発光光量制御手段と
     を備え、
     前記発光光量制御手段は、想定されるディスクチルト角と、前記光ディスクの光透過層の厚みに応じたコマ収差とから求められる、前記光ディスクの情報記録層における集光スポットのピーク強度の低下率Dと所定の再生性能が得られる発光光量の下限値Pld_Lとに基づいて、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量を制御することを特徴とする光ディスク装置。
  2.  前記発光光量制御手段は、所定の再生性能が得られる発光光量の下限値Pld_Lと、前記低下率Dとから、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量が(1+D)×Pld_Lとなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3.  前記発光光量制御手段は、(1+D)×Pld_Lが、前記所定の再生性能が得られる発光光量の上限値Pld_Hよりも大きい場合には、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量がPld_Hとなるように制御することを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
  4.  超解像再生が可能な光ディスクを再生する光ディスク装置であって、
     半導体レーザと、
     前記半導体レーザに駆動電流を供給するレーザ駆動回路と、
     前記光ディスクからの戻り光を検出し、前記光ディスクの記録データの再生信号を得る受光素子と、
     前記光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度を、超解像効果が得られるピーク強度以上に保つように、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量を制御する発光光量制御手段と
     を備え、
     前記発光光量制御手段は、前記光ディスクが複数の情報記録層を有する場合、前記光ディスクの表面から、アクセスする情報記録層までの光透過層の厚さに応じて求められた、前記光ディスク装置に備えられ前記光ディスクに対向する対物レンズの入射瞳への取り込み光量の変動率と、さらに、想定されるディスクチルト角と、前記光ディスクの光透過層の厚みに応じたコマ収差とから求められる、前記光ディスクの情報記録層における集光スポットのピーク強度の低下率Dmと所定の再生性能が得られる発光光量の下限値Pld_Lとに基づいて、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量を制御することを特徴とする光ディスク装置。
  5.  前記発光光量制御手段は、所定の再生性能が得られる発光光量の下限値Pld_Lと、前記低下率Dmとから、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量が(1+Dm)×Pld_Lとなるように制御することを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
  6.  超解像再生が可能な光ディスクを再生する光ディスク装置であって、
     半導体レーザと、
     前記半導体レーザに駆動電流を供給するレーザ駆動回路と、
     前記光ディスクからの戻り光を検出し、前記光ディスクの記録データの再生信号を得る受光素子と、
     前記光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度を、超解像効果が得られるピーク強度以上に保つように、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量を制御する発光光量制御手段と
     を備え、
     前記発光光量制御手段は、前記受光素子で検出した前記光ディスクの記録データの再生信号の変調振幅を検出する変調振幅検出手段を備え、
     前記変調振幅検出手段で検出された変調振幅の変化に基づいて、前記再生信号の変調振幅のエンベロープ信号を生成し、さらに、前記再生信号の変調振幅のエンベロープ信号の反転信号を生成する反転手段を有し、
     前記反転信号に基づいて、前記レーザ駆動回路が前記半導体レーザに供給する駆動電流を決定することを特徴とする光ディスク装置。
  7.  超解像再生が可能な光ディスクを再生する光ディスク装置であって、
     半導体レーザと、
     前記半導体レーザに駆動電流を供給するレーザ駆動回路と、
     前記半導体レーザから出射された光を前記光ディスクに集光させる対物レンズと、
     前記光ディスクからの戻り光を検出し、前記光ディスクの記録データの再生信号を得る受光素子と、
     前記光ディスクの情報記録層に形成される集光スポットのピーク強度が、超解像効果が得られるピーク強度以上となるような前記対物レンズの出射光量を保つように、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量を制御する発光光量制御手段と
     を備え、
     前記発光光量制御手段は、前記光ディスクの再生性能の許容限界に対応する再生パワーの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報に基づいて、前記レーザ駆動回路による前記半導体レーザの発光光量を制御することを特徴とする光ディスク装置。
  8.  前記発光光量制御手段は、前記対物レンズの出射光量が、前記光ディスクの再生性能の許容限界に対応する再生パワーの上限から下限までの範囲内となるように、前記半導体レーザの発光光量を制御することを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
  9.  前記発光光量制御手段は、前記対物レンズの出射光量が、前記望ましい再生パワーとなるように、前記半導体レーザの発光光量を制御することを特徴とする請求項7または8に記載の光ディスク装置。
  10.  前記発光光量制御手段は、さらに、前記光ディスクの情報管理領域から、前記光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報を読み出す読み出し手段を備えることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  11.  対物レンズを用いた超解像再生が可能な光ディスクであって、
     再生性能の許容限界となる再生パワーの上限を、ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値が得られる前記対物レンズの出射光量の上限とし、
     再生性能の許容限界となる再生パワーの下限を、所定のディスクチルト角が与えられたときに第1の再生性能の所定値が得られる前記対物レンズの出射光量の下限とすることを特徴とする光ディスク。
  12.  データが記録されるデータ領域と、
     前記データ領域よりも内側に設けられ、前記光ディスクの再生性能の許容限界となる再生パワーの上限および下限の情報、または望ましい再生パワー情報を含む再生パワーに関する情報が記録された情報管理領域と
     を有することを特徴とする請求項11に記載の光ディスク。
  13.  前記望ましい再生パワー情報の情報は、
     所定のディスクチルト角が与えられたときに最良の再生性能が得られる前記対物レンズの出射光量Pr1が、ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値が得られる前記対物レンズの出射光量の上限Pr_H0以上である場合には、前記対物レンズの出射光量の上限Pr_H0であり、
     所定のディスクチルト角が与えられたときに最良の再生性能が得られる前記対物レンズの出射光量Pr1が、ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値が得られる前記対物レンズの出射光量の上限Pr_H0より小さい場合には、前記所定のディスクチルト角が与えられたときに最良の再生性能が得られる前記対物レンズの出射光量Pr1であることを特徴とする請求項12に記載の光ディスク。
  14.  ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値が得られる前記対物レンズの出射光量の上限Pr_H0と下限Pr_L0との差が、0.2mW以上であることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載される光ディスク。
  15.  対物レンズを用いた超解像再生が可能な光ディスクの品質を判定する光ディスク検査方法であって、
     ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値e0が得られる前記対物レンズの出射光量の上限Pr_H0が、所定のディスクチルト角を与えたときに第2の再生性能の所定値e1が得られる前記対物レンズの出射光量の下限Pr_L1以上であるという関係を満足する場合には、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足すると判定し、
     当該関係を満足しない場合には、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足しないと判定することを特徴とする光ディスク検査方法。
  16.  対物レンズを用いた超解像再生が可能な光ディスクの品質を判定する光ディスク検査方法であって、
     所定のディスクチルト角を与えたときに再生性能が最小となる出射光量Pr1が、ディスクチルトが生じていないときに第1の再生性能の所定値e0が得られる前記対物レンズの出射光量の下限Pr_L0以上、且つ、前記第1の再生性能の所定値e0が得られる前記対物レンズの出射光量の上限Pr_H0以下であるという関係を満足する場合には、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足すると判定し、
     当該関係を満足しない場合は、検査対象の光ディスクが超解像再生可能な品質を満足しないと判定することを特徴とする光ディスク検査方法。
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