JP2003233928A - 光ピックアップ装置及び光ピックアップ装置の製造方法 - Google Patents

光ピックアップ装置及び光ピックアップ装置の製造方法

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JP2003233928A
JP2003233928A JP2002099297A JP2002099297A JP2003233928A JP 2003233928 A JP2003233928 A JP 2003233928A JP 2002099297 A JP2002099297 A JP 2002099297A JP 2002099297 A JP2002099297 A JP 2002099297A JP 2003233928 A JP2003233928 A JP 2003233928A
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Japan
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objective lens
aberration
wavelength
pickup device
thickness
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JP2002099297A
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Makoto Itonaga
誠 糸長
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基準波長と異なる波長を有する光源を用いて
も収差の補正可能な収差補正範囲を光ディスクの基準厚
さについて対称にする。 【解決手段】 波長450nm以下のレーザ光線を射出
する半導体レーザ11と、半導体レーザ11から射出さ
れた光線を集光して光ディスク100の信号記録面に照
射するNA0.7以下の単玉の対物レンズ16と、対物
レンズ16に入射するレーザ光線の平行度を制御して球
面収差を補正する収差補正機構14と、を有し、対物レ
ンズ16は、収差補正機構14により補正された球面収
差が所定値以下となる収差補正範囲が光ディスク100
の基準厚さについて対称になるような形状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクにレー
ザ光線を照射して信号の記録又は再生を行う光ピックア
ップ装置及び光ピックアップ装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像データや音声データなど大容
量の情報信号を記録する光学記録媒体として、光ディス
クが提供されている。普及している光ディスクの規格に
は、波長780nm程度、開口数(numerical apertur
e;NA)0.45〜0.5を用い、記憶容量650M
Bを有するCD(compact disc)がある。また、波長6
50nm程度、NA0.60程度を用い、記憶容量4.
7GB(片面)を有するDVD(digital versatile di
sc / digital video disc)がある。短波長化と高NA
化により、DVDの記憶容量はCDの約7倍に増加して
いる。
【0003】近年、光ディスクのさらなる大容量化が図
られている。これは、高密度化により大容量化された光
ディスクとともに、大容量化された光ディスクに対応す
る、短波長の光源と高NAの対物レンズを有する光ピッ
クアップ装置によって実現される。
【0004】光ディスクの大容量化を実現する次世代の
光ピックアップ装置として、例えば、波長400nm程
度の青色レーザの光源、NA0.85の対物レンズを有
するものが想定されている。同時に、光ディスクは、高
NA化による余裕の低下に対処するため、CDの1.2
mm、DVDの0.6mmと比較すると薄い、0.1m
mの再生透過層を有するものが想定されている。
【0005】ここで、例えば、論文「GaN青紫色レー
ザダイオードを用いた光ディスク記録」、イチムラ他、
日本応用物理学学会誌39巻937〜942頁2000
年(I. Ichimura et al., “Optical Disk Recording U
sing GaN Blue-Violet LaserDiode”, Jpn. J. Appl. P
hys. Vol. 39 (2000) pp.937-942)には、2群2枚のレ
ンズで構成したNA0.85の対物レンズが記載されて
いる。
【0006】2群2枚で構成した対物レンズを採用する
と、光ピックアップ装置の製造の際、対物レンズ組立の
工程を要するとともに、レンズが2枚必要なことから、
量産性に劣り、コスト的にも不利になる。このため、次
世代の光ピックアップ装置には、単玉の対物レンズを用
いることが望まれる。
【0007】しかし、次世代ピックアップ装置で想定さ
れるNA0.85の単玉対物レンズは、例えばDVDに
対応する対物レンズと比較して大きな色収差を発生す
る。すなわち、光源の半導体レーザが射出するレーザ光
線の波長は個体ごとに異なり、この波長は一定のばらつ
きを有して分布している。このため、基準波長に適合す
るように設計した対物レンズと半導体レーザの波長は一
般に整合しないため、前記単玉レンズにおいては半導体
レーザの波長の基準波長からのずれに由来する大きな色
収差が発生する。
【0008】ここで、色収差は、波長変化に応じた焦点
面の移動による軸上色収差と、この軸上色収差に付随し
て発生する球面収差の色収差との2種類に大別される。
このうち、軸上色収差は焦点面を移動することで補正で
きるが、球面収差の色収差は補正することができない。
この球面収差の色収差により、対物レンズの集光性能が
低下する問題がある。
【0009】論文「グルーブ記録を採用する再記録可能
な高密度光ディスク」、ケー・イワタ他、日本応用物理
学会誌40巻1637頁2001年(K. Iwata et al,
“High-density rewritable optical disk using groov
e recording”, Jpn, J. Appl. Phys. Vol. 40, 1637,
(2001) )には、前述の色収差を補正する色補正素子の
報告がある。
【0010】一方、論文「青紫色レーザを使用した最記
録可能な2層光ディスクに用いられる相変化材料」、エ
ヌ・ヤマダ他、2001年光学データ記録に関する会合
(K.Yamada et al, “Phase Change material for use
in rewritable dual-layeroptical disk utilizing a b
lue-violet laser”, Technical digest for optical d
ata strage topical meeting 2001には、前記次世代の
光ピックアップ装置に関して、各層に情報信号を記録す
る信号記録面を有する2層構造をとることにより記憶容
量を増加させた光ディスクが提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のような2層ディ
スクにおいては、一方の層の信号記録面を再生している
際、他方の層の信号記録面で反射した光が光検出系に入
り、フォーカスサーボ検出にオフセットを発生したり、
再生信号の劣化を招くクロストークの現象が知られてい
る。このクロストークを抑制するには、2層にそれぞれ
含まれる信号記録面の間隔をある程度厚くする必要があ
る。例えば、DVDにおいては、各層に含まれる信号記
録面の間隔は40μm以上に定められている。
【0012】ところで、対物レンズは、レーザ光を照射
する光ディスクにおいて、設定された基準厚さにおいて
収差が発生しないように設計されている。基準厚さは、
対物レンズからレーザ光線が入射する面から光ディスク
の厚さ方向(深さ方向)に定義する。例えば、DVDの
場合、基準厚さは規格により0.6mmに設定されてい
る。
【0013】ここで、多層ディスクにおいて、各層に含
まれる信号記録面は有限の距離離れているので、全ての
信号記録面を厚さの基準値に設定することは不可能であ
る。したがって、対物レンズは、基準厚さと異なる厚さ
に位置する信号記録面に対して記録ないし再生すること
を余儀なくされる。このように基準厚さからの厚さ誤差
があると球面収差が発生するため、スポットが回折限界
の大きさより大きくなり、記録特性、再生特性の劣化を
引き起こす。
【0014】このような厚さ誤差による特性の劣化を抑
制するため、例えばDVDの2層ディスクの場合、記録
特性を下げることで再生の余裕度を上げるようにされて
いる。これは、DVDの光学系(λ=650nm、NA
=0.6)においては、前述した球面収差の発生は比較
的緩やかであり、光ピックアップ装置の側で特段の収差
補正措置を取らずとも、容量を少し下げることで球面収
差を十分小さくできるためである。
【0015】一方、開口数が0.7以上の単玉対物レン
ズと波長が450nm以下の半導体レーザによる光源を
用いた次世代の光ピックアップ装置においては、例えば
NAが0.85で波長が400nmの場合、光ディスク
の基準厚さから1μmずれただけで0.01λと大きな
収差が発生する。このような大きな収差の発生を防止す
る一つの方策は、信号記録面間の厚さを狭くすることで
あるが、これは前記したクロストークの影響が大きくな
るため不可能である。
【0016】このため、次世代の光ピックアップ装置に
おいて球面収差を十分に低く抑えるには、球面収差を補
正する光学的な手段を備える必要がある。例えば、前記
した論文(I. Ichimura et al.)には、対物レンズ(2
群レンズ)に入射する光線の平行度を変化させること
で、対物レンズに倍率誤差による球面収差を発生させ、
光ディスクの発生する球面収差とキャンセルする手段が
述べられている。
【0017】ここで、対物レンズが単玉レンズの場合で
あっても同様な光学的な手段を用いて、倍率誤差による
発生した球面収差とディスクの厚さ誤差による球面収差
を相殺することが期待される。実際、単玉対物レンズの
場合も、対物レンズの設計波長においてはこのような補
正が可能である。なお、収差を十分に補正可能な光ディ
スクの厚さの範囲は有限であり、この範囲を超えると補
正が不十分になる。
【0018】ところで、単玉対物レンズは、光源の波長
が設計基準値から僅かにずれただけでも、色収差による
球面収差が発生するという特性がある。このような色収
差による球面収差は、前記したディスクの厚さ誤差によ
る球面収差と、その方向に応じて加算されたり減算され
たりする性格を有する。
【0019】ここで、光源となる半導体レーザの波長
は、半導体レーザの個体間で異なり、一定の分布でばら
ついている。このため、光ピックアップ装置には、常に
設計基準の波長のレーザを光源として使用することはで
きない。基準波長と異なった半導体レーザを光源とした
場合、色収差による球面収差が発生し、対物レンズと光
ディスクを組み合わせた場合に収差が最小になる光ディ
スクの厚さは基準厚さと異なったものとなる。
【0020】このように基準波長と異なる半導体レーザ
を備える光ピックアップ装置において、前述した光学的
な手段を用いて対物レンズに入射する光線の平行度を変
化させて球面収差補正を行う。この場合、収差が所定値
以下で補正可能な範囲が、基準厚について厚い側と薄い
側で非対称になり、光ピックアップ装置が対象とする光
ディスクによっては、信号記録面が前記範囲外に位置す
るために充分な収差の補正ができなくなるという問題が
あった。
【0021】本発明は、上述の実情に鑑みて提案される
ものであって、短波長の光源と高NAの単玉対物レンズ
を用いる光ピックアップ装置であって、基準波長と異な
る光源を用いても収差の補正可能な範囲がディスクの基
準厚さについて対称になるような光ピックアップ装置及
び光ピックアップ装置の製造方法を提供することを目的
とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明に係る光ピックアップ装置は、光ディスク
にレーザ光線を照射して情報信号の記録又は再生を行う
ものであって、レーザ光線を射出するレーザ光源と、前
記レーザ光源から射出されたレーザ光線を集光して光デ
ィスクの信号記録面に照射する単玉の対物レンズと、前
記対物レンズの球面収差を補正する収差補正手段と、を
有し、前記対物レンズは、前記レーザ光線の波長に応じ
て、前記収差補正手段により補正された前記対物レンズ
の発生する球面収差が所定値以下となる収差補正範囲が
前記光ディスクの基準厚さに対し、前記光ディスクの厚
さ方向に対称になるように設定されている。
【0023】好ましくは、前記対物レンズは、前記レー
ザ光源の波長に応じて、前記収差補正手段により補正さ
れた前記対物レンズの発生する球面収差が所定値以下と
なる収差補正範囲が前記光ディスクの基準厚さに対し、
前記光ディスクの厚さ方向に対象となるような球面収差
を与える形状又は残留収差を有する。
【0024】好ましくは、前記対物レンズの形状は、前
記レーザ光線の波長に応じて、面形状を維持したまま光
軸方向の厚さが設定される。好ましくは、前記対物レン
ズの残留球面収差は、前記レーザ光線の基準波長におけ
る球面収差である。好ましくは、前記対物レンズの形状
又は残留球面収差は、前記球面収差に対応するものであ
る。
【0025】好ましくは、前記収差補正手段は、前記対
物レンズへの入射光の平行度を変化させ、対物レンズに
倍率誤差を起こさせることで、前記基準厚さから厚さ誤
差がある信号記録面に対して、球面収差が最小になるよ
うに補正する。
【0026】好ましくは、前記光ピックアップ装置は、
前記対物レンズの色収差を補正する色補正素子をさらに
有する。
【0027】好ましくは、前記レーザ光源は、波長45
0nm以下の半導体レーザであり、前記対物レンズは、
NA0.7以上である。
【0028】本発明に係る光ピックアップ装置は、前述
のような構成を有するので、前記レーザ光源が短波長
で、前記対物レンズが高NAの単玉レンズであっても、
前記信号記録面の基準厚さについて収差補正範囲を対称
にできる。すなわち、前記基準厚さについて、収差補正
範囲の厚い側と薄い側の非対称を低減することができ
る。
【0029】本発明に係る光ピックアップの製造方法
は、光ディスクにレーザ光線を照射して情報信号の記録
又は再生を行うものであって、複数の単玉の対物レンズ
を測定するステップと、前記複数の対物レンズを前記測
定に応じて分類するステップと、レーザ光線を射出する
レーザ光源の波長を測定するステップと、前記測定した
波長に対して、対物レンズの球面収差を補正する収差補
正手段により補正された前記対物レンズの発生する球面
収差が所定値以下となる収差補正範囲が前記光ディスク
の基準厚さについて、前記光ディスクの厚さ方向に対称
となるような対物レンズを求めるステップと、前記求め
た対物レンズを、前記分類した複数の対物レンズから選
択するステップと、前記レーザ光源、前記収差補正手段
及び前記選択した対物レンズを組み合わせるステップ
と、を有する。
【0030】好ましくは、前記対物レンズは、前記レー
ザ光源の波長に応じて、前記収差補正手段により補正さ
れた前記対物レンズの発生する球面収差が所定値以下と
なる収差補正範囲が前記光ディスクの基準厚さに対し、
前記光ディスクの厚さ方向に対象となるような球面収差
を与える形状又は残留球面収差を有する。
【0031】好ましくは、前記複数の対物レンズは、形
状として面形状を維持したまま光軸方向の厚さにばらつ
きがあるか、又は残留球面収差にばらつきがある。好ま
しくは、前記対物レンズの残留球面収差は、前記レーザ
光線の基準波長における球面収差である。好ましくは、
前記対物レンズの形状又は残留球面収差は、前記球面収
差に対応するものである。
【0032】好ましくは、前記収差補正手段は、前記対
物レンズへの入射光の平行度を変化させ、対物レンズに
倍率誤差を起こさせることで、前記基準厚さから厚さ誤
差がある信号記録面に対して、球面収差が最小になるよ
うに補正する。
【0033】好ましくは、前記複数の対物レンズは光軸
方向の厚さ又は残留球面収差にばらつきがあり、前記複
数の対物レンズを光軸方向の厚さ又は残留球面収差に応
じて分類し、前記厚さ基準値について収差補正範囲を対
称にするような、前記収差補正手段で球面収差を補正し
た対物レンズの光軸方向の厚さ又は残留球面収差を求め
る。
【0034】好ましくは、前記レーザ光源は、波長45
0nm以下の半導体レーザであり、前記対物レンズは、
NA0.7以上である。
【0035】本発明に係る光ピックアップ装置の製造方
法は、前述のような構成を有するので、前記レーザ光源
が短波長で、前記対物レンズが高NAの単玉レンズであ
っても、前記信号記録面の厚さ基準値について収差補正
範囲を対称にできる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光ピックアッ
プ装置及び光ピックアップ装置の製造方法の実施の形態
について、図面を参照して詳細に説明する。
【0037】図1は、本発明を適用した光ピックアップ
装置の概略的な構成を示すブロック図である。この光ピ
ックアップ装置10は、光ディスク100にレーザ光線
を照射して情報信号の記録又は再生を行う。本実施の形
態の光ピックアップ装置10は、光ディスク100の厚
さ0.1mmを基準厚さとして、この基準厚さにおいて
収差を発生しないように設定されている。
【0038】光ピックアップ装置10は、波長450n
m以下の一定波長のレーザ光線を射出するレーザ光源と
なる半導体レーザ11と、半導体レーザ11から射出さ
れたレーザ光線を集光して光ディスク100の信号記録
面に照射するNA0.7以上の単玉の対物レンズ16
と、前記対物レンズ16の球面収差を補正する収差補正
機構14とを有する。本実施の形態では、基準波長は4
05nmとする。
【0039】対物レンズ16は、基準波長405nmを
設計波長とし、半導体レーザ11の波長λに応じて、収
差補正機構14により補正された対物レンズ16の発生
する球面収差が0.02λ(rms)となる収差補正範
囲が光ディスク100の所定の基準厚さ0.1mmに対
して、光ディスクの厚さ方向に対称となるように設定さ
れている。収差補正範囲においては、光ピックアップ装
置10は光ディスク100について記録又は再生特性を
確保することができる。
【0040】図2は、収差補正機構14の具体例を示す
図である。収差補正機構14は、凹レンズ21と凸レン
ズ22を有し、これらのレンズの間隔を制御することで
対物レンズ16に入射する光線の平行度を調整する。こ
れによって、収差補正機構14は、対物レンズ16にお
いて倍率誤差による球面収差を発生させて他の球面収差
と相殺する。
【0041】なお、収差補正機構14は、例えばコリメ
ータレンズ13と立ち上げミラー15間の光路、又は立
ち上げミラー15と対物レンズ16間の光路に設けるこ
とができる。
【0042】半導体レーザ10から射出されたレーザ光
線は、ビームスプリッタ12で反射されてほぼ90°方
向を転じられ、コリメータレンズ13で収束され、収差
補正機構14で平行度を調整され、立ち上げミラー15
によってほぼ90°角度を転じられた後、対物レンズ1
6によって光ディスク100の信号記録面に集光して照
射される。
【0043】光ディスク100からの戻り光は、対物レ
ンズ16によって集光され、立ち上げミラー15によっ
て略90°方向を転じられ、収差補正機構14及びコリ
メータレンズ13を通った後、ビームスプリッタ12を
透過し、シリンドリカルレンズ16を通って光検出器1
7に達して検出される。
【0044】なお、光ピックアップ装置10は、対物レ
ンズ15による色収差を補正する色補正素子を備えるこ
ともある。色補正素子は、例えばコリメータレンズ13
と立ち上げミラー15間の光路、又は立ち上げミラー1
5と対物レンズ16間の光路に設けることができる。
【0045】本実施の形態の光ピックアップ装置10
は、半導体レーザ11、収差補正機構14、対物レンズ
16及び色補正素子(以下、これらを要部と称する。)
に特徴を有する。したがって、以下では、これら要部に
着目して説明し、他の部分の説明は省略する。
【0046】図3は、第1の実施の形態の光ピックアッ
プ装置の要部を示す図である。図中には、光ピックアッ
プ装置10の要部となる対物レンズ31が示されてい
る。この対物レンズ31は、光ピックアップ装置10の
対物レンズ16に相当するものである。この第1の実施
の形態の光ピックアップ装置10は、色補正素子を有し
ない。
【0047】対物レンズ31は、非球面の第1面1と第
2面2を有し、半導体レーザ11から入射される光線L
を集光し、光ディスク100の第3面3を介して像面と
なる信号記録面4に照射する。対物レンズ31を規定す
るデータを以下に示す。
【0048】表1は、対物レンズ31の仕様を示す。
【表1】
【0049】表2は、対物レンズ31の設計値を示す。
【表2】
【0050】表3は、対物レンズ31の第1面1の非球
面係数を示す。
【表3】
【0051】表4は、対物レンズ31の第2面2の非球
面係数を示す。
【表4】
【0052】表5は、対物レンズ31の光学材料の屈折
率を示す。
【表5】
【0053】基準波長の405nmに対する光ピックア
ップ装置10の縦収差図を図4に、非点収差図を図5に
示す。対物レンズ31は、基準波長405nmを設計波
長としており、収差補正機構14による補正がなく入射
光が平行光(倍率がゼロ倍)の時、光ディスク100の
基準厚さ0.1mmにおいて収差が完全に補正される。
【0054】一般の光ディスク101においては、レー
ザ光を集光して照射する信号記録面の位置は基準厚さと
異なり、基準厚さから信号記録面までの厚さ誤差が存在
する。このような場合、収差補正機構14により対物レ
ンズ31に入射する光線の平行度を変化させて補正を行
う。収差補正機構14は、光ディスク100の厚さ誤差
により発生する球面収差を、入射光の平行度の変化によ
り対物レンズ31で生じる倍率誤差により発生する球面
収差で相殺する。
【0055】本実施の形態では、収差補正機構14によ
り球面収差を補正した後の収差の量が、λを半導体レー
ザ1の波長として0.02λ(rms)以下の範囲を収
差の補正が可能な収差補正範囲と定義する。この収差補
正範囲内においては、十分な記録又は再生の特性を確保
することができる。
【0056】表6は、基準波長の場合の収差補正範囲と
対物レンズ31に入射する光線の平行度の関係を示す。
前述したように、入射光線の平行度は、収差補正機構1
4によって連続的に調整される。
【表6】
【0057】収差補正機構14は、入射光線を800m
mの収束光から平行光を経て800mmの拡散光に連続
的に変化させる。すなわち、収差補正機構14は、入射
光線を800mmの収束光から無限大の収束光すなわち
平行光に単調に変化させ、平行光すなわち無限大の拡散
光から800mmの拡散光に単調に変化させる。なお、
以下でも収差補正機構14は、入射光線の平行度につい
ては、このように収束光と拡散光を平行光を経て連続的
に変化させるものとする。また、表に記載する2つの平
行度は、収差補正範囲の両端に対応するものとする。
【0058】このような入射光線の平行度に応じて、光
ディスク100の厚さは0.089mm〜0.11mm
まで連続的に変化する。収差補正範囲は0.089mm
〜0.11mmであり、光ディスク100の基準厚さ
0.1mmについて対称に、10μmの範囲で補正が可
能である。
【0059】次に、半導体レーザ11の波長が400n
mの場合を検討する。半導体レーザ11の波長は、個体
ごとに異なり、一定の分布によるばらつきを有してい
る。基準波長が405nmの場合、400nmは十分あ
り得る波長である。
【0060】表7は、波長400nmの場合の収差補正
範囲と対物レンズ31に入射する光線の平行度の関係を
示す。収差補正範囲は0.096mm〜0.116mm
であり、光ディスク100の基準厚さ0.1mmに対し
て、厚い側は約16μm、薄い側では約4μmと非対称
である。このため、市場に供給されている全ての光ディ
スク100を良好に再生できない可能性がある。
【表7】
【0061】ここで、半導体レーザ11の波長に応じ
て、対物レンズ31の形状を適切に設定することで、収
差補正範囲を基準厚さについて対称にすることが可能で
ある。これは、例えば適切な球面収差を有する対物レン
ズ31を選択することによりなされる。最も簡単には、
基準波長に対応して設定された対物レンズ31と面形状
が同じで、光軸方向の厚さ(軸上厚さ)の異なった対物
レンズ31を用いる。
【0062】このような適切な球面収差を有する対物レ
ンズ31は、例えば実験やシミュレーションにより求め
ることができる。基準厚さについて収差補正範囲を対称
にするような対物レンズ31の例えば軸上厚さの形状と
半導体レーザ11の波長の関係は、テーブルを作成して
格納しておくこともできる。
【0063】本実施の形態の光ピックアップ10におい
て、波長400nmの半導体レーザ11に対しては、設
計値より軸上厚さが3.5μm厚い3.1071mmの
対物レンズ31を用いると最良の結果が得られる。
【0064】表8は、波長400nmに厚さ3.107
1mmの対物レンズを組み合わせた場合の収差補正範囲
と対物レンズ31に入射する光線の平行度の関係を示
す。収差補正範囲は、0.09mm〜0.11mmのよ
うに基準厚さ0.1mmについて対称になる。
【表8】
【0065】なお、400nmにおいて、基準厚さで収
差を最小にする対物レンズ31の厚さは、上記した値よ
り薄い3.106mmである。しかしながら、この対物
レンズ31による収差補正範囲は、0.092mmから
0.113mmと、基準厚さ0.1mmについて非対称
である。このように、基準厚さで収差を最小にする対物
レンズ31の形状と、基準厚さについて収差補正範囲を
対称にする対物レンズ31の形状は一般に異なる。
【0066】本実施の形態では、半導体レーザ11が基
準波長405nmより短い400nmの波長を有する場
合を検討したが、半導体レーザ11の基準波長より長い
波長を有する場合も同様に、基準厚さについて収差補正
範囲を対称にするような対物レンズ31の形状を設定す
ることができる。この場合、最も簡単には、基準波長に
対応して設定された対物レンズ31と面形状が同じで、
軸上厚さが薄い対物レンズ31を使用することができ
る。
【0067】図6は、本実施の形態における対物レンズ
31の軸上厚さの波長に対する依存性を示す図である。
この図では、基準波長405nmに対応する対物レンズ
31の軸上厚さ3.104mmを基準としている。前述
したように、波長400nmに対応する対物レンズ31
の軸上厚さは、基準波長に対応する対物レンズ31から
3.5μmだけ増加する。図に示すように、収差補正範
囲が基準波長に対して対称になるような対物レンズ31
の軸上厚さは、半導体レーザ11の波長が大きくなるほ
ど減少する。
【0068】なお、図に示すような対物レンズ31と軸
上厚さと波長は、例えば実験やシミュレーションによっ
て予め算出し、テーブルとして関係を記載しておくこと
ができる。例えば、光ピックアップ装置10を製造する
場合、半導体レーザ11の波長に対応する対物レンズ3
1の厚さについて前記テーブルを参照して求めることが
できる。
【0069】図7は、第2の実施の形態の光ピックアッ
プ装置の要部を示す図である。図中には、光ピックアッ
プ装置10の要部となる対物レンズ32と色補正素子3
3が示されている。この対物レンズ32は、光ピックア
ップ装置10の対物レンズ16に相当するものであり、
第1の対物レンズ31と同一である。また、貼り合わせ
型の色補正素子33は、対物レンズ32による色収差を
補正するものであり、光ピックアップ装置10におい
て、例えばコリメータレンズ13と対物レンズ16間の
光路に設けられる。
【0070】色補正素子33は、第1面1、第2面2及
び第3面を有している。対物レンズ32は、第4面4と
第5面5を有している。対物レンズ32は、色補正素子
33を透過した光線Lを収束し、光ディスク100の第
6面を介して像面となる信号記録面7に照射する。対物
レンズ32及び色補正素子33を規定するデータを以下
に示す。
【0071】表9は、対物レンズ32及び色補正素子3
3の仕様を示す。
【表9】
【0072】表10は、対物レンズ32及び色補正素子
33の設計値を示す。
【表10】
【0073】表11は、対物レンズ32の第4面4の非
球面係数を示す。
【表11】
【0074】表12は、対物レンズ32の第5面5の非
球面係数を示す。
【表12】
【0075】表13は、対物レンズ32及び色補正素子
33の各光学材料の屈折率を示す。
【表13】
【0076】基準波長の405nmに対する縦収差図を
図8に、非点収差図を図9に示す。色補正素子33は、
基準波長において僅かにレンズパワーを有するため、こ
れらの収差図は、第1の実施の形態の縦収差図(図4)
及び非点収差図(図5)から僅かに変化している。
【0077】対物レンズ32は、設計波長である基準波
長405nmにおいて、光ディスク100の基準厚さ
0.1mmに対し、入射光が平行光(倍率がゼロ倍)の
時、収差が完全に補正される。しかし、色補正素子33
が基準波長405nmで僅かにレンズパワーを持ってい
るため、光ピックアップ装置10全体としては、基準波
長において僅かに球面収差の発生がある。
【0078】色補正素子33に用いる2種類のガラス
は、波長が402.7nmにおいて屈折率が等しくな
る。したがって、この波長において、色補正素子33は
何ら光学的作用を有せず、光ピックアップ装置10は色
補正素子33がない場合と同じ特性になる。なお、これ
以外の波長では、色補正素子33はレンズパワーを有
し、光ピックアップ装置10全体としては、波長につい
ての収差特性は、対物レンズ32単体を用いた場合とは
異なる。
【0079】図10は、球面収差の波長に対する依存性
を示す図である。図中の符号□は、色補正素子33を有
する第2の実施の形態における波長と球面収差との関係
を示している。図中の符号△は、色補正素子33を有し
ない第1の実施の形態における関係を示している。
【0080】色補正素子33を有する本実施の形態で
は、球面収差は基準波長近くで低下するが、これ以外で
は増加している。なお、本実施の形態の球面収差の値
は、個々の波長における最良な像面で収差を計算したた
め多少大きな値になっているが、像面の特定の波長の最
良像面に固定して他の波長の収差を計算した場合は、色
補正素子33を有する本実施の形態の方が第1の実施の
形態より優れた結果になることはいうまでもない。
【0081】本実施の形態の光ピックアップ10におい
て、光ディスク100に厚さ誤差がある場合の球面収差
の補正を行う。これは、収差補正機構14により対物レ
ンズ32に入射する光の平行度を変化させて行う。前述
したように、補正後の収差が0.02λ(rms)以下
となる範囲を収差補正範囲と定義する。
【0082】表14は、基準波長405nmの場合の収
差補正範囲と対物レンズ16の入射光線の平行度を示
す。この場合、収差補正範囲は0.089mm〜0.1
mmであり、基準厚さ0.1mmについて対称にほぼ1
0μmである。
【表14】
【0083】次に、ピックアップ装置10の半導体レー
ザ11が波長400nmを有する場合を検討する。前述
したように、半導体レーザ11は、射出するレーザ光線
の波長が個体ごとに異なり、波長は一定の分布でばらつ
いている。基準波長が405nmの半導体レーザ11の
場合、400nmは充分あり得る波長である。
【0084】表15は、波長400nmの場合の収差補
正範囲と対物レンズ32の入射光線の平行度を示す。こ
の場合、収差補正範囲は0.095mm〜0.115m
mであり、基準厚さ0.1mmについて、厚い側は約1
6μm、薄い側では約4μmと非対称になっている。こ
のように収差補正範囲が非対称であるため、市場に供給
されている全ての光ディスク100を良好に再生できな
い可能性がある。
【表15】
【0085】ここで、半導体レーザ11の波長に応じ
て、対物レンズ32の形状を適切に設定することによ
り、光ディスク100の基準厚さについて収差補正範囲
を対称にすることが可能である。これは、光ピックアッ
プ装置10に適切な球面収差を有する対物レンズ32を
使用することでなされる。最も簡単には、基準波長に対
応して設定された対物レンズ32と面形状が同じで軸上
厚さの異なった対物レンズ32を用いる。
【0086】波長400nmの半導体レーザ11を用い
た場合、基準波長に対する対物レンズ32より軸上厚さ
が3μm厚い、3.107mmの対物レンズ32を用い
ると最良の結果が得られる。対物レンズ32の軸上厚さ
は、例えば実験やシミュレーションによって求める。表
16は、波長400nmの場合に軸上厚さ3.107m
mの対物レンズ32を使用した場合の収差補正範囲と入
射光線の平行度の関係を示す。収差補正範囲は0.09
mm〜0.11mmのように、基準厚さ0.1mmにつ
いて対称である。
【表16】
【0087】なお、ここで示した第2の実施の形態にお
いては、前述の第1の実施の形態における波長410n
mに対応する対物レンズ31に比較的近い対物レンズ3
2の軸上厚さで同等の性能が得られるが、対物レンズ3
2の最適な設定は、収差補正機構14の設計によっても
変化するため、常に対物レンズ32単体での最適な設定
と一致するという訳ではない。
【0088】次に、光ピックアップ装置の製造方法の実
施の形態について説明する。
【0089】光ピックアップ装置の製造方法は、光ディ
スク100にレーザ光線を照射して情報信号の記録又は
再生を行う光ピックアップ装置10を製造する一連のス
テップから構成される。
【0090】すなわち、光ピックアップ装置の製造方法
は、複数の単玉の対物レンズを測定するステップと、前
記複数の対物レンズを測定に応じて分類するステップ
と、半導体レーザ11の波長を測定するステップと、前
記測定した波長に対して、対物レンズ16の球面収差を
補正する収差補正機構14により補正された前記対物レ
ンズ16の発生する球面収差が所定値以下となる収差補
正範囲が前記光ディスク100の基準厚さについて対称
となるような対物レンズ16を求めるステップと、前記
求めた対物レンズ16を、前記分類した複数の対物レン
ズから選択するステップと、前記半導体レーザ11、前
記収差補正機構14及び前記選択した対物レンズ16を
組み合わせるステップと、を有する。
【0091】前記対物レンズ16は、半導体レーザ11
の波長に応じて、対物レンズ16の球面収差を補正する
収差補正機構14により測定された前記対物レンズ16
の発生する球面収差が所定値以下となる収差補正範囲が
前記光ディスク100の基準厚さについて対称となるよ
うな球面収差を与える形状を有する。
【0092】本実施の形態では、対物レンズを球面収差
に応じて分類し、前記測定した波長に応じて、適切な球
面収差を有する対物レンズ16を選択する。本実施の形
態では、球面収差に対する主要な寄与が対物レンズ16
の厚さ誤差による光軸方向の厚さ(軸上厚さ)によるも
のであることに着目し、対物レンズ16の軸上厚さに基
づいて分類や選択を行うことにする。なお、例えば基準
波長における残留収差を干渉計などで測定し、この残留
収差から球面収差を測定し、この球面収差によって分類
することもできる。
【0093】すなわち、前記複数の対物レンズは軸上厚
さにばらつきがあり、前記複数の対物レンズを軸上厚さ
に応じて分類し、前記厚さ基準値について収差補正範囲
を光ディスク100の厚さ方向に対称にするような、前
記収差補正機構14で球面収差を補正した対物レンズ1
6の軸上厚さを求める。
【0094】図11は、本発明を適用した光ピックアッ
プ装置の製造方法の一連のステップを示すフローチャー
トである。
【0095】最初のステップS11において、光ピック
アップ装置10の製造に用いる半導体レーザ11の波長
を測定する。半導体レーザ11の射出するレーザ光線
は、個別の半導体レーザ11ごとに異なるので、それぞ
れの半導体レーザ11の波長を個体ごとに測定する。
【0096】ステップS12においては、ステップS1
1において測定した半導体レーザ11の波長に対応する
対物レンズ15の厚さを求める。すなわち、当該波長に
対して基準厚さについて前記収差補正範囲が対称になる
ような対物レンズ16の軸上厚さを算出する。対物レン
ズ16の厚さは、例えば図6に示したように、半導体レ
ーザ11の波長と、それぞれの波長に対応する対物レン
ズ16の厚さの関係が記載されたテーブルを参照するこ
とで行う。なお、このようなテーブルは、例えば実験や
シミュレーションによって予め作成しておく。
【0097】ステップS13においては、ステップS1
2で求めた厚さを有する対物レンズ16を選択する。こ
の対物レンズ15は、予め厚さが測定され、厚さに基づ
いて分類されている複数の対物レンズの中から選択す
る。
【0098】図12は、複数の対物レンズを厚さによっ
て分類する一連のステップを示すフローチャートであ
る。
【0099】最初のステップS21においては、複数の
対物レンズの軸上厚さを個別の対物レンズごとに測定す
る。
【0100】複数の対物レンズは、製造上の公差を有す
るので軸上厚さにばらつきを有する。複数の対物レンズ
の軸上厚さのばらつきは、対物レンズの製造誤差におい
て支配的な厚み誤差によるものである。
【0101】なお、対物レンズの製造誤差としては、面
形状又はガラスの屈折率の製造誤差も考えられるが、こ
れらは次のような理由によって影響が少ない。すなわ
ち、面形状の誤差は、球面収差以外の収差を発生するた
め、本実施の形態では、面形状は非常に高精度に形成す
るものとする。また、本実施の形態のような高NAの対
物レンズの材料には光学ガラスを用いるが、光学ガラス
の屈折率のばらつきは小さい。
【0102】これに対して対物レンズの厚さ誤差は、製
造時に抑制することが難しい。対物レンズの厚さは、光
軸に対して回転対称形であるから、球面収差以外の不要
な収差の発生はない。なお、厚みにばらつきを有する対
物レンズを意図的に製造することもできる。
【0103】ステップS22においては、ステップS2
1で測定した軸上厚さに基づいて対物レンズを分類す
る。例えば、対物レンズを1μmを単位で分類する。
【0104】図11のステップS14においては、ステ
ップS11で波長を測定した半導体レーザ11とステッ
プS13で選択した前記波長に対応する対物レンズ15
を組み合わせる。
【0105】本実施の形態の一連のステップは、所定の
プログラムに基づいて制御された製造ラインにおいて自
動的に実行することができる。また、この一連のステッ
プは、プログラムとして記録媒体に記録して配布するこ
とができる。
【0106】次に、本実施の形態の変形例を説明する。
光ピックアップ装置の製造方法の実施の形態では、対物
レンズ16の基準波長における面形状を維持したまま厚
さを変化させて形状を設定した。これに対し、本変形例
では、対物レンズ16の面形状を変化させることで形状
を設定する。具体的には、対物レンズ16の面形状を規
定する非球面パラメータが異なる複数の対物レンズの内
から半導体レーザ11の波長に応じて、収差補正機構1
4により球面収差が補正された対物レンズ16の発生す
る球面収差が所定値以下となる収差補正範囲が光ディス
ク100の基準厚さについて対称となるような対物レン
ズ16を選択する。半導体レーザ11にの波長に対応す
る対物レンズ16の非球面パラメータは、例えば前述の
ように波長と非球面パラメータの関係を記載したテーブ
ルを参照して求める。なお、この変形例では、対物レン
ズ16の厚さを一定に維持するか、又は同時に変化させ
る。
【0107】なお、前述の光ピックアップ装置及び光ピ
ックアップ装置の製造方法の実施の形態においては、軸
上厚さ又は面形状という対物レンズの形状が球面収差に
寄与をなすことに着目したが、対物レンズの残留球面収
差も球面収差に寄与をなす。
【0108】このことに着目すると、前記光ピックアッ
プ装置は、半導体レーザの波長において、収差補正機構
により補正された対物レンズの発生する球面収差が所定
値以下となる収差補正範囲が光ディスクの基準厚さに対
して対象となるような残留収差を有する対物レンズを含
むものとすることができる。
【0109】一方、前記光ピックアップ装置の製造方法
は、対物レンズを基準波長における球面収差(残留収
差)によって分類するステップと、収差補正機構により
補正された対物レンズの発生する球面収差が所定値以下
となる収差補正範囲が光ディスクの基準厚さについて対
称となるような残留球面収差を求めるステップとを含む
ものとすることができる。
【0110】また、前述の実施の形態は、本発明の具体
例を述べたものであり、本発明はこれに限定されない。
例えば、光ピックアップ装置10の対物レンズ16及び
色補正素子は、前述の第1及び第2の実施の形態で示し
たものに限られず、他の設計によっても実現することが
できる。また、半導体レーザ11の基準波長は405n
mに限らず、光ディスク100の基準厚さは0.1mm
に限らず、他の量に設定することもできる。
【0111】さらに、前述の実施の形態においては、2
層の光ディスク100を示したが、本発明は2層に限ら
れず単層又は2層以上の光ディスク、例えば単層、2
層、3層、4層の光ディスク100に対して適用するこ
とができる。ここで、単層又は2層以上の光ディスク1
00とは、各層に信号記録面を含むものである。
【0112】
【発明の効果】前述のように、本発明によると、短波長
の光源と高NAの単玉対物レンズを用いる光ピックアッ
プ装置であって、基準波長と異なる光源を用いても収差
の補正可能な範囲が光ディスクの基準厚さについて対称
にすることで、1層又は2層以上の光ディスクに対する
記録又は再生の特性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ピックアップ装置の概略的
な構成を示すブロック図である。
【図2】収差補正機構の構成を示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態の光ピックアップ装置の要部
を示す断面図である。
【図4】第1の実施の形態の光ピックアップ装置の縦収
差図である。
【図5】第1の実施の形態の光ピックアップ装置の非点
収差図である。
【図6】対物レンズの軸上厚さの波長に対する依存性を
示す図である。
【図7】第2の実施の形態の光ピックアップ装置の要部
を示す図である。
【図8】第2の実施の形態の光ピックアップ装置の縦収
差図である。
【図9】第2の実施の形態の光ピックアップ装置の非点
収差図である。
【図10】球面収差の波長に対する依存性を示す図であ
る。
【図11】光ピックアップ装置の製造方法の一連のステ
ップを示すフローチャートである。
【図12】対物レンズを分類する一連のステップを示す
フローチャートである。
【符号の説明】
10 光ピックアップ装置 11 半導体レーザ 12 ビームスプリッタ 13 コリメータレンズ 14 収差補正機構 15 立ち上げミラー 16 対物レンズ 17 シリンドリカルレンズ 18 光検出器 100 光ディスク
フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA13 LA01 LA21 LA26 NA01 NA14 PA01 PA02 PA17 PA18 PB01 PB02 QA02 QA07 QA14 QA16 QA18 QA21 QA31 QA33 QA34 QA42 RA05 RA12 RA13 RA42 5D119 AA11 AA22 BA01 BB01 BB02 BB03 BB13 DA01 DA05 EB02 EC01 EC03 FA05 JA09 JA44 JB01 JB02 JB03 NA02 5D789 AA11 AA22 BA01 BB01 BB02 BB03 BB13 DA01 DA05 EB02 EC01 EC03 FA05 JA09 JA44 JB01 JB02 JB03 NA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクにレーザ光線を照射して情報
    信号の記録又は再生を行う光ピックアップ装置におい
    て、 レーザ光線を射出するレーザ光源と、 前記レーザ光源から射出されたレーザ光線を集光して光
    ディスクの信号記録面に照射する単玉の対物レンズと、 前記対物レンズの球面収差を補正する収差補正手段と、 を有し、 前記対物レンズは、前記レーザ光線の波長に応じて、前
    記収差補正手段により補正された前記対物レンズの発生
    する球面収差が所定値以下となる収差補正範囲が前記光
    ディスクの基準厚さに対して対称になるように設定され
    たことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 前記対物レンズの色収差を補正する色補
    正素子をさらに有することを特徴とする請求項1記載の
    光ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 前記対物レンズは、前記レーザ光線の波
    長に応じて形状又は残留球面収差が設定されることを特
    徴とする請求項1又は2記載の光ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 光ディスクにレーザ光線を照射して情報
    信号の記録又は再生を行う光ピックアップ装置の製造方
    法において、 複数の単玉の対物レンズを測定するステップと、 前記複数の対物レンズを前記測定に応じて分類するステ
    ップと、 レーザ光線を射出するレーザ光源の波長を測定するステ
    ップと、 前記測定した波長に対して、対物レンズの球面収差を補
    正する収差補正手段により補正された前記対物レンズの
    発生する球面収差が所定値以下となる収差補正範囲が前
    記光ディスクの基準厚さについて対称となるような対物
    レンズを求めるステップと、 前記求めた対物レンズを、前記分類した複数の対物レン
    ズから選択するステップと、 前記レーザ光源、前記収差補正手段及び前記選択した対
    物レンズを組み合わせるステップと、 を有することを特徴とする光ピックアップ装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記複数の対物レンズは球面収差にばら
    つきがあり、前記複数の対物レンズを形状又は残留収差
    に応じて分類し、前記厚さ基準値について収差補正範囲
    を対称にするような、前記収差補正手段で球面収差を補
    正した対物レンズの形状又は残留収差を求めることを特
    徴とする請求項4記載の光ピックアップ装置の製造方
    法。
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