JP2006024257A - 光記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光ディスク固有のうねり、チルト、または、面振れにより、反射レーザ光の反射状態が変化した場合であっても、良好な光記録媒体の再生、記録または消去を行うことが可能な光記録再生装置を提供する。
【解決手段】 本発明の光記録再生装置1は、光源5と、光源5から出射されたレーザ光を光磁気ディスク16に集光する浮上型光学ヘッド4と、光磁気ディスク16にて反射された反射レーザ光を受光する第3反射光受光素子12とを備えている。そして、光路補正素子7は、上記反射レーザ光の第3反射光受光素子12への光路を補正している。それゆえ、光磁気ディスク16に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の光記録再生装置1は、光源5と、光源5から出射されたレーザ光を光磁気ディスク16に集光する浮上型光学ヘッド4と、光磁気ディスク16にて反射された反射レーザ光を受光する第3反射光受光素子12とを備えている。そして、光路補正素子7は、上記反射レーザ光の第3反射光受光素子12への光路を補正している。それゆえ、光磁気ディスク16に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光記録再生装置に関するものであり、より詳しくは、レーザ光を用いて、再生、記録または消去を行う光記録再生装置に関するものである。
近年、再生、記録及び消去を行うことができる光ディスクの開発が進められており、民生用やデータ保存用として、幅広い用途がある。このような光ディスクにおいて、その高容量化への要望が大きく、鋭意実用化が目指されている。このような高容量化への対応としては、特に、光ディスクの高密度化が進められている。
光ディスクの高密度化への対応としては、光ビームのスポット径を小さくすることが考えられてきている。光ディスクに照射された光ビームのスポット径は、波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例する。したがって、光ビームの短波長化、対物レンズの高NA化を図ることにより、光ディスクに照射された光ビームのスポットの小径化が可能になる。また、NAが大きくなると光ビームの焦点深度が浅くなる点、または、光ディスクのチルトの点から考慮して、従来のように光ディスクの基板側から光ビームの入射を行うのではなく、光ディスクの膜面側から光ビームを入射させることが検討されている。このため、光ディスクの再生に、スライダ上に対物レンズを設けた浮上型光学ヘッドを用いることが検討されている。
このような浮上型光学ヘッドを用いた光ディスク再生装置について、図10を参照して以下に説明する。図10は、浮上型光学ヘッドを用いた光ディスク再生装置101の概略構成を示す断面図である。同図に示すように、光ディスク装置101は、光ディスク115の再生を行っており、光ピックアップ102と、ミラー103と、浮上型光学ヘッド104とを備えている。光ピックアップ102は、光源105、第1ビームスプリッタ106、第2ビームスプリッタ107、ウォラストンプリズム108、第1反射光受光素子109、第2反射光受光素子110、及び、第3反射光受光素子111を備えている。また、浮上型光学ヘッド104は、対物レンズ112、スライダ113、及び、サスペンション114を備えている。
また、スライダ113は、板ばねからなるサスペンション114に取り付けられている。それゆえ、光ディスク装置101では、光ディスク115の回転線速を一定にして、浮上型光学ヘッド104の浮上量を一定に保つことにより、光ディスク115のフォーカシングが行われている。なお、光ディスク装置101では、光源105から出射される光ビームとして、青紫色半導体レーザ光を用いており、その波長は、400〜410nmである。また、対物レンズ112は、レンズ間隔が一定である2枚のレンズで構成されている。そして、そのNAは0.8〜0.9である。
光源105から出射されたレーザ光は、第1ビームスプリッタ106を透過して、ミラー103にて反射する。そして、ミラー103にて反射されたレーザ光は、スライダ113に搭載された対物レンズ112を介して光ディスク115に照射される。なお、光ディスク装置101では、光ディスク115への光ビームの照射は、光ディスク115の基板面側とは反対側の膜面側から行われる。
また、光ディスク115に照射されたレーザ光は、光ディスク115にて反射され、反射レーザ光になる。そして、光ディスク115にて反射された反射レーザ光は、ミラー103にて反射された後に、第1ビームスプリッタ106にて反射され、第2ビームスプリッタ107に入射する。第2ビームスプリッタ107に入射した反射レーザ光は、第2ビームスプリッタ107にて、ウォラストンプリズム108へ入射する反射レーザ光と、第3反射光受光素子111へ入射する反射レーザ光とに分離される。第3反射光受光素子111へ入射する反射レーザ光は、電気信号に変換される。そして、この電気信号により、フォーカシングないしはトラッキングを行うためのサーボ信号が生成される。
一方、ウォラストンプリズム108に入射する反射レーザ光は、第1反射光受光素子109に入射する反射レーザ光と、第2反射光受光素子110に入射する反射レーザ光とに分離される。第1反射光受光素子109及び第2反射光受光素子110に入射する反射レーザ光は電気信号に変換される。そして、その電気信号の挙動(挙動信号)から光ディスク115上に記録された光再生信号が生成され、光ディスク115の再生が行われる。
光ディスク装置101では、第1反射光受光素子109及び第2反射光受光素子110に入射する反射レーザ光の量が等しくかつ最大となるときに、最大信号レベルの光再生信号が得られる。また、光ディスク装置101では、第3反射光受光素子111の特定の位置に反射レーザ光が入射することにより、オフセットの無いサーボ信号が得られる。このため、最大信号レベルの光再生信号、及び、オフセットの無いサーボ信号を得ることができるように、光ディスク装置101では、光ピックアップ102を組立てる際に、第1反射光受光素子109、第2反射光受光素子110、及び、第3反射光受光素子111の位置が最適になるように調整する必要がある。
このような浮上型光学ヘッドを備えた光ディスク再生装置としては、例えば特許文献1に、スライダの光ディスクと対向する面が導電性材料で形成され、スライダの導電性材料を介して接地する接地手段を備えた光ディスク再生装置が開示されている。
特開2001−273668号公報(平成13年10月5日公開)
しかしながら、従来の浮上型光学ヘッドを備えた光記録再生装置では、光ピックアップが最適な状態に調整することが困難であるという問題を有する。
従来の浮上型光学ヘッドを備えた光記録再生装置では、光ディスクの基板面側とは反対側の膜面側からレーザ光を照射するため、光ディスクの膜面側からレーザ光を照射する焦点距離は、基板面側からレーザ光を照射する焦点距離よりも短い。それゆえ、浮上型光学ヘッドを備えた光記録再生装置において、レーザ光を照射する焦点距離は、光ディスクごとに存在する、光ディスク固有のうねり、チルト、面振れ、または、極わずかな形状差により影響を受けてしまう。その結果、浮上型光学ヘッドの浮上状態は、光ディスク毎に異なる。このため、光ディスクにて反射された反射レーザ光の反射状態が、光ディスク毎で変わってしまう。したがって、一度、ある光ディスクを用いて、光ピックアップが最適な状態に調整したとしても、他の光ディスクを再生しようとした場合、光ピックアップが最適な状態に調整されていない可能性があり、良好な再生を行うことができないという問題点を有している。
また、上述の浮上型光学ヘッドを備えた光記録再生装置以外にも、NAが高い対物レンズを備えた光記録再生装置においても、光ディスク固有のうねり、チルト、または、面振れによる影響を受けてしまう。このため、光ピックアップが最適な状態に調整したとしても、他の光ディスクを再生しようとした場合、光ピックアップが最適な状態に調整されていない可能性があり、良好な再生を行うことができないという問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、光ディスク固有のうねり、チルト、または、面振れにより、反射レーザ光の反射状態が変化した場合であっても、良好な光記録媒体の再生、記録または消去を行うことが可能な光記録再生装置を提供することにある。
本発明の光記録再生装置は、上記の課題を解決するために、光源と、当該光源から出射された光を光記録媒体に集光する集光手段と、当該光記録媒体にて反射された反射光を受光する反射光受光手段とを備えた光記録再生装置であって、上記反射光の反射光受光手段への光路を補正する光路補正手段を、さらに備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、光路補正手段は、光記録媒体にて反射された反射光の、反射光受光手段への光路を補正している。それゆえ、光記録媒体にて反射された反射光は、反射光受光手段の最適な位置で受光されることになる。これにより、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記光路補正手段は、上記反射光受光手段における反射光の受光位置が一定の位置になるように、反射光の光路を補正することが好ましい。
上記の構成によれば、光路補正手段は、反射光受光手段における反射光の受光位置が一定の位置になるように、反射光の光路を補正する。すなわち、光路補正手段は、反射光受光手段における反射光の受光位置のズレを補正する。それゆえ、光記録媒体にて反射された反射光は、反射光受光手段の最適な位置で受光されることになる。これにより、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。
したがって、上記の構成によれば、光ディスク固有のうねり、チルト、または、面振れにより、反射レーザ光の反射状態が変化した場合であっても、良好な光記録媒体の再生、記録または消去を行うことが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記光路補正手段は、上記反射光を反射させて上記反射光受光手段へ導くミラーを備え、上記ミラーは、直交する2軸に対して回転制御可能に設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、光路補正手段は、上記反射光を反射させて上記反射光受光手段へ導くミラーを備え、ミラーは、直交する2軸に対して回転制御可能に設けられている。このため、光路補正手段にて、ミラーを直交する2軸に対して回転制御することにより、光路補正手段から出射する反射光の光路を調整することが可能になる。それゆえ、上記の構成によれば、反射光が反射光受光手段の最適な位置に入射するように、反射光の光路の補正を行うことができ、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記反射光受光手段は、上記反射光の光路を補正するための光路補正信号を生成する光路補正信号生成手段を備え、上記光路補正手段は、上記光路補正信号に基づいて、上記ミラーの回転を制御することが好ましい。
上記の構成によれば、上記光路補正信号生成手段は、光記録媒体にて反射された反射光の光路を補正するための光路補正信号を生成する。そして、光路補正手段は、この光路補正信号に基づいて、上記ミラーの回転を制御することで、反射光受光手段における反射光の受光位置が一定の位置になるように、反射光の光路を補正する。
このため、上記の構成によれば、光記録媒体にて反射された反射光は、反射光受光手段にて検出され、光路補正信号生成手段にて光路補正信号が生成される。そして、光路補正手段は、光路補正信号生成手段にて生成された光路補正信号に基づいて、反射光が反射光受光手段の最適な位置に入射するように、上記ミラーの回転を制御する。これにより、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。
したがって、上記の構成によれば、光ディスク固有のうねり、チルト、または、面振れにより、反射レーザ光の反射状態が変化した場合であっても、良好な光記録媒体の再生、記録または消去を行うことが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記集光手段が、浮上型光学ヘッドであることが好ましい。
上記の構成によれば、光路補正手段は、浮上型光学ヘッドを備えた光記録再生装置に備えられている。それゆえ、従来のように、浮上型光学ヘッドの浮上状態が光記録媒体毎に異なり、光記録媒体にて反射された反射光の反射状態が、光記録媒体毎で変わってしまうことはない。
したがって、上記の構成によれば、光ディスク固有のうねり、チルト、面振れ、または、浮上型光学ヘッドの浮上状態により、反射レーザ光の反射状態が変化した場合であっても、良好な光記録媒体の再生、記録または消去を行うことが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記光記録媒体は、記録領域と平坦部とを有し、上記光路補正手段は、上記平坦部にて反射された反射光の反射光受光手段への光路を補正することが好ましい。
光記録媒体に溝や凹凸部が存在する場合、その影響で反射光の反射状態が、光照射位置に応じて変化するため、正確な反射光の光路の補正を行うことが困難になってしまう。
しかしながら、上記の構成によれば、光路補正手段は、上記平坦部にて反射された反射光の反射光受光手段への光路を補正するので、反射光の反射状態が変化しないので、より正確な反射光の光路の補正を行うことが可能になる。そして、上記光記録媒体の記録領域に記録された情報を、再生信号として検出することで、反射レーザ光の反射状態が変化した場合であっても、良好な光記録媒体の再生、記録または消去を行うことが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記光記録媒体は、記録領域を有し、かつ、当該記録領域が、複数の区域に分割されているとともに、互いの区域の間に平坦部が設けられており、上記光路補正手段は、上記平坦部にて反射された反射光の反射光受光手段への光路を補正することが好ましい。
上記の構成によれば、光記録媒体は、記録領域を有し、かつ、当該記録領域が、複数の区域に分割されているとともに、互いの区域の間に平坦部が設けられている。このため、上記の構成によれば、記録領域における複数の区域にて記録されている情報を再生する前に、集光手段が平坦部に光を集光することになる。そして、光路補正手段は、平坦部にて反射する反射光の反射光受光手段への光路を補正している。したがって、上記の構成によれば、反射光の光路を補正した後、光記録媒体の記録領域にて記録された情報を再生することになる。それゆえ、上記の構成によれば、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生する時に、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記光記録媒体は、記録領域を有し、かつ、当該記録領域内に所定の間隔で平坦部が設けられており、上記光路補正手段は、上記平坦部にて反射された反射光の反射光受光手段への光路を補正することが好ましい。
上記の構成によれば、光記録媒体は、記録領域を有し、かつ、当該記録領域内に所定の間隔で平坦部が設けられている。このため、上記の構成によれば、記録領域にて記録されている情報を再生しながら、集光手段が平坦部に光を集光することになる。そして、光路補正手段は、平坦部にて反射する反射光の反射光受光手段への光路を補正している。すなわち、上記光路補正手段は、光記録媒体の記録領域にて記録されている情報を再生しながら、連続的に反射光の光路を最適に補正している。したがって、光記録媒体の再生時に、光記録再生装置に何らかの外乱の影響を受けた場合であっても、常に最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記反射光受光手段は、上記光記録媒体にフォーカシングないしはトラッキングを行うためのサーボ信号を検出する、サーボ信号検出用受光素子であることが好ましい。
上記の構成によれば、反射光受光手段は、光記録媒体にフォーカシングないしはトラッキングを行うためのサーボ信号を検出する、サーボ信号検出用受光素子である。それゆえ、光記録媒体にて反射された反射光は、反射光受光手段にて、フォーカシングないしはトラッキングを行うためのサーボ信号と光路補正信号とが検出される。そして、このサーボ信号に基づいて、集光手段の位置を調整し、トラッキングを行われる。また、光路補正手段は、光路補正信号に基づいて、反射光が反射光受光手段の最適な位置に入射するように、反射光の光路の補正を行う。これにより、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの光磁気再生信号を効率よく得ることが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記反射光受光手段は、上記光記録媒体に記録された再生信号を検出する、再生信号検出用受光素子であることが好ましい。
上記の構成によれば、反射光受光手段は、上記光記録媒体に記録された再生信号を検出する、再生信号検出用受光素子である。それゆえ、光記録媒体にて反射された反射光は、反射光受光手段にて、上記光記録媒体に記録された再生信号と光路補正信号とが検出される。そして、光路補正手段は、光路補正信号に基づいて、反射光が反射光受光手段の最適な位置に入射するように、反射光の光路の補正を行う。これにより、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの光磁気再生信号を効率よく得ることが可能になる。
また、本発明の光記録再生装置では、上記再生信号は、上記光記録媒体に凹凸を形成することにより記録された信号であることがあってもよい。
また、本発明の光記録再生装置では、上記光記録媒体は、光磁気記録媒体であって、
上記再生信号検出用受光素子は、光磁気記録媒体に記録された再生信号を検出することが好ましい。
上記再生信号検出用受光素子は、光磁気記録媒体に記録された再生信号を検出することが好ましい。
本発明の光記録再生装置は、以上のように、上記反射光の反射光受光手段への光路を補正する光路補正手段を、さらに備えるので、光記録媒体にて反射された反射光は、反射光受光手段の最適な位置で受光されることになる。これにより、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。したがって、光ディスク固有のうねり、チルト、または、面振れにより、反射レーザ光の反射状態が変化した場合であっても、良好な光記録媒体の再生、記録または消去を行うことが可能になるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明の実施の一形態について図1〜図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置1(光記録再生装置)の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、光ディスク装置1は、光ピックアップ2、ミラー3、及び、浮上型光学ヘッド(集光手段)4を備えている。
光ピックアップ2は、光源5、第1ビームスプリッタ6、光路補正素子(光路補正手段)7、第2ビームスプリッタ8、ウォラストンプリズム9、第1反射光受光素子(反射光受光手段)10、第2反射光受光素子(反射光受光手段)11、第3反射光受光素子(反射光受光手段)12、及び、信号生成部(光路補正信号生成手段)17を備えている。
光源5は、光ディスク装置1が光磁気ディスク16に照射するレーザ光を出射するものである。本実施形態では、光源5として青紫色半導体レーザを用いており、光源5から出射される青紫色半導体レーザ光の波長は、400〜410nmとなっている。
第1ビームスプリッタ6は、光源5から出射されたレーザ光を透過してミラー3に導くとともに、後述する光磁気ディスク16にて反射されたレーザ光(以下、反射レーザ光と記す)を反射し、光路補正素子7に導くようになっている。
第2ビームスプリッタ8は、1つのレーザ光を、分離した2つのレーザ光に分割するものであり、光路補正素子7より入射した反射レーザ光を、ウォラストンプリズム9に導く反射レーザ光と第3反射光受光素子12に導く反射レーザ光とに分割するようになっている。
ウォラストンプリズム9は、1つのレーザ光を、分離した2つのレーザ光に分割するためのものであり、ウォラストンプリズム9より入射した反射レーザ光を、第1反射光受光素子10と第2反射光受光素子11とに導くようになっている。
第1反射光受光素子10及び第2反射光受光素子11は、入射した反射レーザ光を電気信号に変換する。そして、この電気信号の差動信号から光磁気ディスク16に記録されている光磁気再生信号を生成する。第3反射光受光素子12は、第2ビームスプリッタ8より入射した反射レーザ光を受光する。そして、信号生成部17は、第3反射光受光素子12が受光した反射レーザ光を電気信号に変換して、トラッキングを行うためのサーボ信号(以下、トラッキングサーボ信号とする)、及び、光路補正信号を生成する。
このように、光ディスク装置1は、トラッキングサーボ信号と光路補正信号との両方を生成する手段として、信号生成部17を備えた構成である。すなわち、光路補正信号を生成する信号生成手段が、トラッキングサーボ信号を生成するサーボ信号生成手段をかねている。このため、光ディスク装置1の構成が複雑にならず、より簡潔な構成にすることができる。しかしながら、光ディスク装置1は、これに限定されず、トラッキングサーボ信号を生成する信号生成部と光路補正信号を生成する信号生成部とを別々に備えた構成であってもよい。
ミラー3は、光ピックアップ2から出射されたレーザ光を反射し、浮上型光学ヘッド4に導くものである。
浮上型光学ヘッド4は、ミラー3にて反射されたレーザ光を光磁気ディスク16に照射するものである。浮上型光学ヘッド4は、対物レンズ13、スライダ14、サスペンション15、及び、図示しない磁気コイルを備えている。
対物レンズ13は、スライダ14上に搭載されており、ミラー3にて反射されたレーザ光を、光磁気ディスク16に集光するようになっている。また、対物レンズ13としては、光磁気ディスク16にレーザ光を集光することが可能なものであれば、特に限定されない。対物レンズ13の一例として、本実施形態では、レンズ間隔が一定である2枚のレンズから構成されたものを用いている。また、対物レンズ13の開口数(NA)は、0.8〜0.9となっている。
また、スライダ14は、板バネからなるサスペンション15に取り付けられている。これにより、光ディスク装置1では、光磁気ディスク16の回転線速が一定になり、浮上型光学ヘッド4の浮上量が一定に保たれる。それゆえ、光ディスク装置1では、光磁気ディスク16に照射するレーザ光のフォーカシングが行われる。
上記光路補正素子7は、信号生成部17にて生成された光路補正信号に基づいて、反射レーザ光が、第1反射光受光素子10、第2反射光受光素子11、及び、光ディスク装置13の最適な位置に入射するように、反射レーザ光の光路の補正を行うものである。光路補正素子7の構成としては、上記のように、反射レーザ光の光路補正が可能な構成であれば、特に限定されるものではないが、例えば、直交する2軸に対して回転制御可能なミラーが挙げられる。以下に、光路補正素子7の具体的構成について、図2及び図3を参照して、説明する。
図2は、光ディスク装置1に設けられた光路補正素子7の構成の一例を示す平面図である。図2に示すように、光路補正素子7は、ミラー71、ミラーY回転軸72、ミラーX回転軸73、Y回転軸保持部材74、X回転軸保持部材75、及び、回転軸制御部76を備えている。
ミラーY回転軸72は、ミラー71がY軸を回転軸として回転できるように、ミラー71に設けられている。そして、Y回転軸保持部材74は、ミラーY回転軸72を支持するための部材である。また、ミラーX回転軸73は、Y回転軸保持部材74がX軸を回転軸として回転できるように、Y回転軸保持部材74に設けられている。これにより、ミラー71は、Y軸を回転軸として回転できるとともに、X軸を回転軸として回転できるようになる。X回転軸保持部材75は、ミラーX回転軸73を支持するための部材である。
さらに、回転軸制御部76は、ミラーY回転軸72、及び、ミラーX回転軸73の回転を制御するものであり、具体的には、図示しない磁石、及び、コイルを備えている。磁石及びコイルによる電磁駆動により、ミラーY回転軸72、及び、ミラーX回転軸73の回転を制御することで、ミラー71は、X軸及びY軸の2軸に対して回転可能になる。また、回転軸制御部76は、コイルへの入力電流値の大きさに応じて、ミラー71の、X軸またはY軸における回転角度を制御している。また、回転軸制御部76は、上記の信号生成部17にて生成された光路補正信号に基づいて、X軸またはY軸における回転角度をフィードバック制御している。
このように、光路補正素子7は、ミラー71を、直交する2軸(X軸及びY軸)に対して回転可能にすることにより、当該ミラー71に照射される反射レーザ光の光路を補正することができる。
図3は、光ディスク装置1に設けられた光路補正素子の他の構成例を示した斜視図である。図3に示すように、光路補正素子57は、ガルバミラー571、ガルバミラー572、ミラーY回転軸573、ミラーX回転軸574、Y回転軸保持部材575、Y回転軸保持部材576、及び、回転軸制御部577を備えている。
ミラーY回転軸573は、ガルバミラー571がY軸を回転軸として回転できるように、ガルバミラー571に設けられている。そして、Y回転軸保持部材575は、ミラーY回転軸573を支持するための部材である。また、ミラーX回転軸574は、ガルバミラー572がX軸を回転軸として回転できるように、ガルバミラー572に設けられている。そして、Y回転軸保持部材576は、ミラーX回転軸574を支持するための部材である。上記ミラーY回転軸573とミラーX回転軸574とは、互いに直交するように設けられている。このため、ガルバミラー571、及び、ガルバミラー572は、互いに直交する方向を回転軸として回転する。
さらに、回転軸制御部577は、ミラーY回転軸573、及び、ミラーX回転軸574の回転を制御するものであり、具体的には、図示しない磁石、及び、コイルを備えている。磁石及びコイルによる電磁駆動により、ミラーY回転軸573、及び、ミラーX回転軸574の回転を制御することで、ガルバミラー571、及び、ガルバミラー572は、それぞれY軸及びX軸に対して回転可能になる。また、回転軸制御部577は、コイルへの入力電流値の大きさに応じて、ガルバミラー571、及び、ガルバミラー572それぞれの、Y軸、及び、X軸における回転角度を制御している。また、回転軸制御部577は、上記の信号生成部17にて生成された光路補正信号に基づいて、X軸またはY軸における回転角度をフィードバック制御している。
なお、光ディスク装置1は、図示しない制御部を備えており、レーザの駆動、光ディスクの回転、光ピックアップの移動等を制御するようになっている。また、光ピックアップ2は、整形プリズム、集光レンズ、パワーモニター用検出素子等の図示しない光学部品を、必要に応じて備えていてもよい。
次に、光ディスク装置1が、光磁気ディスク16に記録された信号を検出し再生する方法について説明する。
光源5から出射されたレーザ光は、第1ビームスプリッタ6を透過し、ミラー3にて反射されて、対物レンズ13に入射する。対物レンズ13に入射したレーザ光は、光磁気ディスク16の基板面側とは反対側の膜面側に照射される。光磁気ディスク16に照射されたレーザ光は、光磁気ディスク16にて反射し反射レーザ光となる。
この反射レーザ光は、対物レンズ13を透過した後、ミラー3にて反射されて、第1ビームスプリッタ6に入射する。そして、この反射レーザ光は、第1ビームスプリッタ6にて反射され、光路補正素子7に導かれる。光路補正素子7に入射した反射レーザ光は、第1反射光受光素子10、第2反射光受光素子11、及び、第3反射光受光素子12において、最適な位置に入射するように、光路が補正され、第2ビームスプリッタ8に導かれる。第2ビームスプリッタ8に入射した反射レーザ光は、2つのレーザ光に分割されて、ウォラストンプリズム9と第3反射光受光素子12とに導かれる。
ウォラストンプリズム9に入射した反射レーザ光は、さらに2つのレーザ光に分離されて、第1反射光受光素子10、及び、第2反射光受光素子11に入射する。第1反射光受光素子10、及び、第2反射光受光素子11に入射した反射レーザ光は、電気信号に変換される。そして、この電気信号の挙動信号から、光磁気ディスク16に記録された光磁気再生信号が生成される。光ディスク装置1は、この光磁気再生信号に基づいて、光磁気ディスク16に記録された情報を再生する。
一方、第3反射光受光素子12に入射した反射レーザ光は、信号生成部17にて電気信号に変換されて、トラッキングを行うためのサーボ信号と光路補正信号とが生成される。光ディスク装置1は、この生成されたサーボ信号に基づいて、浮上型光学ヘッド4の位置を調整し、トラッキングを行う。また、光路補正素子7は、信号生成部17にて生成された光路補正信号に基づいて、反射レーザ光が第1反射光受光素子10、及び、第2反射光受光素子11の最適な位置に入射するように、反射レーザ光の光路の補正を行う。これにより、光磁気ディスク16に光磁気再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの光磁気再生信号を効率よく得ることが可能になる。
以下、信号生成部17により生成される、トラッキングを行うための信号、及び、この信号に基づくトラッキングについて、図4を参照して説明する。図4は、第3反射光受光素子12の受光面の構成を模式的に示した図であり、光ディスク装置1において、光路補正素子7側から見た平面図である。図4に示すように、第3反射光受光素子12の受光面は、4分割されたフォトダイオード(4D‐PD)から構成されている。4D‐PDは、互いに面積が等しい4つのフォトダイオード(PD)に分割されている。図4において、A、B、C、及び、Dが、4つのフォトダイオードに対応する。
通常、光磁気ディスク16の基板上には、溝(トラック)が、スパイラル状に予め形成されている。そして、光磁気ディスク16では、溝上と溝間との何れか一方または両方に信号の記録が行われている。また、第3反射光受光素子12では、レーザ光が、光磁気ディスク16の適切な位置に照射している場合、フォトダイオードA、B、C、及び、Dの中心で反射レーザ光を受光するように、反射レーザ光の光軸が調整されている。また、レーザ光が、光磁気ディスク16適切な位置から半径方向にズレて照射している場合、反射レーザ光の受光位置がフォトダイオードB・C方向にズレるように調整されている。さらに、レーザ光が、光磁気ディスク16適切な位置から周方向にズレて照射している場合、反射レーザ光の受光位置がフォトダイオードA・B方向にズレるように調整されている。それゆえ、第3反射光受光素子12は、光磁気ディスク16に照射されるレーザ光における、半径方向のズレ、及び、周方向のズレを検出することができる。光ディスク装置1では、第3反射光受光素子12が、光磁気ディスク16に照射されるレーザ光における半径方向のズレを検出することで、トラッキングサーボ信号が形成されている。
光ディスク装置1において、レーザ光が光磁気ディスク16の適切な位置に照射されている場合、光磁気ディスク16から反射される反射レーザ光は、第3反射光受光素子12の中心に入射する。このため、第3反射光受光素子12では、4つのPD(図4中のA、B、C、及び、D)夫々で受光する反射レーザ光の光量(以下、VA、VB、VC、及び、VDとする)が等しくなる。一方、レーザ光が光磁気ディスク16の適切な位置からズレた位置に照射されている場合、例えば、光磁気ディスク16に照射されるレーザ光の位置が、適切な位置から光磁気ディスク16の半径方向にズレている場合、第3反射光受光素子12における反射レーザ光の受光位置は、中心からフォトダイオードB・C方向にズレてしまう。このため、4つのPD(図4中のA、B、C、及び、D)夫々で受光する反射レーザ光の光量が異なる。すなわち、第3反射光受光素子12において、フォトダイオードA・B・C・D夫々が受光する反射レーザ光の光量が、(VA+VB)>(VC+VD)、または、(VA+VB)<(VC+VD)の関係になり、受光する反射レーザ光の光量に差が生じる。なお、ここでは、フォトダイオードAが受光する光量VAとフォトダイオードBが受光する光量VBとの合計を(VA+VB)とする。また、VA、VB以外の他の光量の組み合わせについても同様とする。
信号生成部17は、上記の光量(VA+VB)と光量(VC+VD)とを、電気信号(a+b)と電気信号(c+d)とに変換する。そして、信号生成部17は、電気信号(a+b)と電気信号(c+d)との差を示す信号を生成し、トラッキングサーボ信号として、浮上型光学ヘッド4へ伝達する。浮上型光学ヘッド4は、このトラッキングを行うための信号に基づいて、トラッキングを行う。すなわち、トラッキングは、光量(VA+VB)と光量(VC+VD)とに差が生じた場合に、この差をなくすようにフィードバックをかけて、浮上型光学ヘッド4の位置を調整することにより行われる。
また、光ディスク装置1では、第3反射光受光素子12により、フォーカシングを行うためのサーボ信号を生成してもよい。通常、浮上型光学ヘッド4は、光磁気ディスク16の回転線速を一定にして、浮上量を一定に保つことにより、光磁気ディスク16へ照射するレーザ光のフォーカシングを行っている。この際、信号生成部17が生成したサーボ信号を利用することにより、さらに高精度のフォーカシングを行うことが可能になる。
以下に、信号生成部17により生成される、フォーカシングを行うための信号、及び、この信号に基づくフォーカシングについて、図5を参照して説明する。図5は、光ディスク装置1において、フォーカシングを行うためのサーボ信号の生成を説明するための図であり、図5(a)は、フォーカシングを行うためのサーボ信号を生成するための構成を示した断面図であり、図5(b)は、第3反射光受光素子12の受光面で形成されるスポットと、光磁気ディスクに照射されるレーザ光の焦点との対応を示す説明図である。
図5に示すように、光ディスク装置1では、フォーカシングを行うためのサーボ信号を生成するために、第2ビームスプリッタ8と第3反射光受光素子12との間に、集光レンズ26と円筒レンズ(シリンドリカルレンズ)27とが設けられている。集光レンズ26は、光磁気ディスク16からの反射レーザ光の光路を収束させる。そして、円筒レンズ27は、光磁気ディスク16からの反射レーザ光の収束光路中に一方向のみ収束するように設けられており、非点の結像作用を持たせている。そして、第3反射光受光素子12は、レーザ光が光磁気ディスク16のトラックに正確にフォーカスされた状態(以下、合焦状態と記す)にある場合に、受光面における反射レーザ光の形状(スポット)が真円になるように設けられている。
このため、図5(b)に示すように、対物レンズ13と光磁気ディスク16とが合焦状態にある場合、第3反射光受光素子12の受光面における反射レーザ光のスポットが円形になる。また、対物レンズ13と光磁気ディスク16とが合焦状態にない場合、すなわち、対物レンズ13から光磁気ディスク16が遠いまたは近い場合、円筒レンズ27の作用により、第3反射光受光素子12の受光面における反射レーザ光のスポットは、長方形になる。また、対物レンズ13から光磁気ディスク16が遠い場合と、対物レンズ13から光磁気ディスク16が近い場合とでは、受光素子12の受光面における反射レーザ光のスポットは互いに直交する関係にある。
第3反射光受光素子12の受光面が、図4に示すような4D‐PDである場合、フォーカシングを行うための信号は、4D‐PDの対角フォトダイオード(AとC、または、BとD)の和、すなわち光量(VA+VC)と光量(VB+VD)を検出した後、両者を差し引くことにより得られる。
光ディスク装置1では、浮上型光学ヘッド4から光磁気ディスク16へ照射するレーザ光の焦点距離が短い。このため、浮上型光学ヘッド4は、光磁気ディスク16の数μm上を浮上している。したがって、光磁気ディスク16固有のうねり、または、チルト、あるいは、光磁気ディスク16が回転するときに発生する面振れ等は、浮上型光学ヘッド4の浮上状態に大きな影響を与えてしまう。それゆえ、ある光磁気ディスクを用いた場合に、第1反射光受光素子10、第2反射光受光素子11、及び、第3反射光受光素子12夫々(以下、各反射光受光素子10・11・12とする)に入射した反射レーザ光の受光位置が適切であっても、他の光磁気ディスクを用いた場合には、浮上型光学ヘッド4の浮上状態が変わってしまい、各反射光受光素子10・11・12に入射する反射レーザ光の受光位置が適切な位置からズレてしまうことがある。
また、上述のように、光磁気再生信号は、第1反射光受光素子10及び第2反射光受光素子11それぞれで受光した反射レーザ光の光量を電気信号に変換し、これらの差動信号から生成される。それゆえ、第1反射光受光素子10で受光した反射レーザ光の光量と、第2反射光受光素子11で受光した光量とが、最大になり、かつ、ほぼ互いに等しくなったときに、最も大きな光磁気再生信号を得ることができる。しかしながら、各反射光受光素子10・11・12に入射する反射レーザ光の受光位置が、光磁気ディスク毎で変わってしまうと、小さな光磁気再生信号しか得ることができない、あるいは、全く光磁気再生信号を得ることができない可能性もある。
また、上述のように、トラッキングサーボ信号は、第3反射光受光素子12における反射レーザ光の受光位置のズレを電気信号に変換することにより生成される。しかしながら、各反射光受光素子10・11・12に入射する反射レーザ光の受光位置が、光磁気ディスク毎で変わってしまうと、トラッキングサーボ信号にオフセットが生じ、浮上型光学ヘッド4は、正確にトラッキングを行うことができなくなる。
そこで、光ディスク装置1では、各反射光受光素子10・11・12に入射する反射レーザ光の受光位置が一定になるように、光路補正素子7が備えられている。光路補正素子7は、上記の信号生成部17により生成された光路補正信号に基づいて、反射レーザ光の光路の補正を行う。
以下に、第3反射光受光素子12及び信号生成部17により生成される光路補正信号、及び、この信号に基づくレーザ反射光の光路の補正について、説明する。
上述のように、第3反射光受光素子12は、光磁気ディスク16に照射されるレーザ光における、半径方向のズレ、及び、周方向のズレを検出することができる。光ディスク装置1では、第3反射光受光素子12が、光磁気ディスク16に照射されるレーザ光における周方向のズレ、または、半径方向のズレを検出することで、光路補正信号が形成されている。
図4に示すように、第3反射光受光素子12は、4D‐PDからなっており、レーザ光が、光磁気ディスク16適切な位置から周方向にズレて照射している場合、反射レーザ光の受光位置がフォトダイオードA・B方向にズレるように調整されている。このため、光磁気ディスク16に照射されるレーザ光の位置が、適切な位置から光磁気ディスク16の周方向にズレている場合、第3反射光受光素子12における反射レーザ光の受光位置は、中心からフォトダイオードA・B方向にズレてしまう。すなわち、第3反射光受光素子12において、フォトダイオードA・B・C・D夫々が受光する反射レーザ光の光量が、(VA+VD)>(VB+VC)、または、(VA+VD)<(VB+VC)の関係になり、受光する反射レーザ光の光量に差が生じる。
信号生成部17は、上記の光量(VA+VD)と光量(VB+VC)とを、電気信号(a+d)と電気信号(b+c)とに変換する。そして、信号生成部17は、電気信号(a+d)と電気信号(b+c)との差を示す信号を生成し、光路補正信号として、光路補正素子7へ伝達する。光路補正素子7は、光路補正信号に基づいて、反射レーザ光の光路の補正を行う。
また、光ディスク装置1は、第3反射光受光素子12が、光磁気ディスク16に照射されるレーザ光における半径方向のズレを検出することでも、光路補正信号を形成することができる。すなわち、信号生成部17は、上記の光量(VA+VB)と光量(VC+VD)とを、電気信号(a+b)と電気信号(c+d)とに変換する。そして、信号生成部17は、電気信号(a+b)と電気信号(c+d)との差を示す信号を生成し、光路補正信号として、光路補正素子7へ伝達する。光路補正素子7は、光路補正信号に基づいて、反射レーザ光の光路の補正を行う。
このように、光路補正素子7は、上記の光量(VA+VB)と光量(VC+VD)とで差が生じなくなるように、または、上記の光量(VA+VD)と光量(VB+VC)とで差が生じなくなるように、反射レーザ光の光路の補正を行う。これにより、光ディスク装置1では、第3反射光受光素子12が、反射レーザ光を最適な位置で受光することができるようになる。
また、光ディスク装置1において、各反射光受光素子10・11・12で受光される反射レーザ光は、同一光路から分岐したレーザ光である。このため、第3反射光受光素子12が反射レーザ光を最適な位置で受光するように、反射レーザ光の光路を補正することで、第1反射光受光素子10及び第2反射光受光素子11でも、反射レーザ光を最適な位置に受光させることが可能になる。
また、光ディスク装置1は、光磁気ディスク16へ情報の記録を行うことが可能である。以下に、光ディスク装置1の記録動作について説明する。
光ディスク装置1では、浮上型光学ヘッド4に設けられた対物レンズ13により、レーザ光が光磁気ディスク16に集光される。このとき、光ディスク装置1は、光磁気ディスク16に再生時よりも高い出力のレーザ光を照射する。これにより、光磁気ディスク16の記録層の温度が、キュリー温度近傍まで上昇する。そして、浮上型光学ヘッド4に設けられた、図示しない磁気コイルにより、光磁気ディスク16の記録層に対して、上向きまたは下向きの磁界が印加される。この磁界は、記録情報に応じて変調されて印加される。このため、光ディスク装置1では、光磁気ディスク16の記録層に、上向きまたは下向きの磁化として、情報が記録される。
光ディスク装置1の記録動作時においても、浮上型光学ヘッド4の位置を調整し、トラッキングを行う。光ディスク装置1では、記録動作時においても、光路補正素子7が、信号生成部17により生成された光路補正信号に基づいて、反射レーザ光の光路の補正を行う。このため、光ディスク装置1は、記録動作時においても、オフセットのないトラッキングサーボ信号が得られ、浮上型光学ヘッド4は、正確にトラッキングを行うことができる。
また、光ディスク装置1では、従来公知のトラッキングサーボ信号検出方式を適用することが可能である。このようなトラッキングサーボ信号検出方式としては、例えば、プッシュプル法によるトラッキングサーボ信号の検出が挙げられる。以下に、プッシュプル法の原理について、図6を参照して、説明する。図6は、プッシュプル法を説明するための説明図であり、図6(a)及び図6(c)は、グルーブ又はピットの幅方向の中心からズレた場合における反射レーザ光を示し、図6(b)は、グルーブ又はピットの幅方向の中心にスポットがある場合の反射レーザ光を示す。
光磁気ディスク16上のグルーブ(溝)又はピットに、光スポットが照射された場合、レーザ光は、光磁気ディスク16上のグルーブ又はピットにより回折されて反射される。このため、レーザ反射光の光量分布は、グルーブ又はピットと照射スポットとの位置関係により変化する。
図6(b)に示すように、グルーブ又はピットの幅方向の中心にスポットがある場合には、第3反射光受光素子12の受光面における回折光分布は、左右対称である。一方、スポットがグルーブ又はピットの幅方向の中心から偏る場合、図6(a)及び(c)に示すように、第3反射光受光素子12の受光面における回折光分布は左右非対称となる。これにより、第3反射光受光素子12の受光面からプッシュプル出力(左右の光量差)が得られる。そして、このプッシュプル出力に基づいて、トラッキングサーボ信号が得られる。
また、光磁気ディスク16のグルーブ又はピットが存在する部分では、上述のように、レーザ光は回折されて反射されるので、信号生成部17による光路補正信号の生成は、回折が起こらない光磁気ディスク16の平坦部で反射した反射レーザ光に基づいて行われることが好ましい。
すなわち、光ディスク装置1において、レーザ反射光の光路の補正は、光磁気ディスク16基板上の溝や凹凸部が存在しない、レーザ光の反射率が一定である平坦部で行うことが好ましい。すなわち、光ディスク装置1では、上述の信号生成部17による光路補正信号の生成は、光磁気ディスク16の平坦部で反射した反射レーザ光に基づいて行われることが好ましい。光磁気ディスク16の基板上に、溝や凹凸部が存在する場合、その影響で反射レーザ光の反射レーザ光の反射状態が、レーザ照射位置に応じて変化するため、正確な光路補正信号を得ることが困難になってしまう。
言い換えると、光ディスク装置1では、トラッキングサーボ信号の生成は、光磁気ディスク16のグルーブまたはピット部分で反射した反射レーザ光に基づいて行われる一方、光路補正信号の生成は、光磁気ディスク16の平坦部で反射した反射レーザ光に基づいて行われるともいえる。
上記の光磁気ディスク16における平坦部としては、例えば、光磁気ディスク16における記録エリアの最内周部、または、最外周部が挙げられる。
また、光ディスク装置1では、光磁気ディスク16の記録エリア(記録領域)が複数のゾーン(区域)に分かれている場合には、光磁気ディスク16の各ゾーンの間に、光路補正信号を生成するために、平坦ゾーンが設けられていてもよい。この平坦部で反射する反射レーザ光の受光位置のズレを検出することにより、光ディスク装置1では、光磁気ディスク16の再生の前に、反射レーザ光の光路の補正を行うことが可能になる。
さらに、光ディスク装置1では、光磁気ディスク16の記録エリア内に、溝及び凹凸部が存在しない平坦部が、所定の間隔で存在する場合、この平坦部で反射する反射レーザ光の受光位置のズレを検出して、光路の補正を行うことが可能である。これにより、光ディスク装置1では、光磁気再生信号に基づいて、光磁気ディスク16に記録された情報を再生しながら、上記平坦部において、一定周期で光路の補正を行うことが可能になる。
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明するものとし、上記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。また、上記実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。図7は、本実施形態に係る光ディスク装置21(光記録再生装置)の概略構成を示す模式図である。
本発明の実施の他の形態について図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明するものとし、上記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。また、上記実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。図7は、本実施形態に係る光ディスク装置21(光記録再生装置)の概略構成を示す模式図である。
上記実施の形態1の光ディスク装置1は、ウォラストンプリズム9と、光磁気再生信号を生成する2つの反射光受光素子(第1反射光受光素子10及び第2反射光受光素子11)とを備えた構成である。これに対して、本実施の形態の光ディスク装置21は、ウォラストンプリズムを備えておらず、光磁気再生信号を生成するために、1つの反射光受光素子(第4反射光受光素子18)を備えた構成である。
図7に示すように、光ディスク装置21は、光ピックアップ22、ミラー3、及び、浮上型光学ヘッド(集光手段)24を備えている。光ピックアップ22は、光源5、第1ビームスプリッタ6、光路補正素子7、第3反射光受光素子12、信号生成部17、及び、第4反射光受光素子18を備えている。また、浮上型光学ヘッド24は、対物レンズ13、スライダ14、及び、サスペンション15を備えている。なお、本実施の形態では、光記録媒体として、再生専用の光ディスク19を用いた場合について説明する。
第2ビームスプリッタ28は、1つのレーザ光を、分離した2つのレーザ光に分割するものであり、光路補正素子7より入射した反射レーザ光を、第4反射光受光素子18に導く反射レーザ光と第3反射光受光素子12に導く反射レーザ光とに分割するようになっている。
第4反射光受光素子18は、入射した反射レーザ光を電気信号に変換する。そして、この電気信号の差動信号から光ディスク19に記録されている光再生信号を生成する。
次に、光ディスク装置21が、光ディスク19に記録されている信号を検出し再生する方法について、説明する。
光源5から出射されたレーザ光は、第1ビームスプリッタ6を透過し、ミラー3にて反射されて、対物レンズ13に入射する。対物レンズ13に入射したレーザ光は、光ディスク19の基板面側とは反対側の膜面側に照射される。光ディスク19に照射されたレーザ光は、光ディスク19にて反射し反射レーザ光となる。
この反射レーザ光は、対物レンズ13を透過した後、ミラー3にて反射されて、第1ビームスプリッタ6に入射する。そして、この反射レーザ光は、第1ビームスプリッタ6にて反射され、光路補正素子7に導かれる。光路補正素子7に入射した反射レーザ光は、第4反射光受光素子18、及び、第3反射光受光素子12において、最適な位置に入射するように、光路が補正され、第2ビームスプリッタ8に導かれる。第2ビームスプリッタ8に入射した反射レーザ光は、2つのレーザ光に分割されて、第3反射光受光素子12と第4反射光受光素子18とに導かれる。
光ディスク19には、ピットとしての情報が記録されている。そして、第4反射光受光素子18は、光ディスク19に形成されたピットの有無による反射レーザ光の光量の差を読み取る。そして、第4反射光受光素子18にて読み取られた反射レーザ光の光量の差に基づいて、光再生信号が生成される。そして、光ディスク装置21は、この光再生信号に基づいて、光ディスク19に記録された情報を再生する。以下、上記の光再生信号をROM信号と称する。
一方、第3反射光受光素子12に入射した反射レーザ光は、信号生成部17にて電気信号に変換されて、トラッキングを行うためのサーボ信号と光路補正信号とが生成される。光ディスク装置21は、この生成されたサーボ信号に基づいて、浮上型光学ヘッド4の位置を調整し、トラッキングを行う。また、光路補正素子7は、信号生成部17にて生成された光路補正信号に基づいて、反射レーザ光が第4反射光受光素子18の最適な位置に入射するように、反射レーザ光の光路の補正を行う。これにより、光ディスク19にROM信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルのROM信号を効率よく得ることが可能になる。
〔実施の形態3〕
本発明の実施のさらに他の形態について図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。主に、上記実施の形態1及び実施の形態2との相違点について説明するものとし、上記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。また、上記実施の形態1及び実施の形態2で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。図8は、本実施形態に係る光ディスク装置31(光記録再生装置)の概略構成を示す模式図である。
本発明の実施のさらに他の形態について図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。主に、上記実施の形態1及び実施の形態2との相違点について説明するものとし、上記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。また、上記実施の形態1及び実施の形態2で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。図8は、本実施形態に係る光ディスク装置31(光記録再生装置)の概略構成を示す模式図である。
上記実施の形態1の光ディスク装置1は、反射光受光手段として、光磁気再生信号を生成する反射光受光素子(第1反射光受光素子10、及び、第2反射光受光素子11)と、トラッキングサーボ信号及び光路補正信号を生成する反射光受光素子(第3反射光受光素子12)とを備えた構成である。これに対して、本実施形態の光ディスク装置31は、反射光受光手段として、光再生信号、トラッキングサーボ信号、及び、光路補正信号を生成する反射光受光素子(第5反射光受光素子312)を1つ備えた構成である。
図8に示すように、光ディスク装置31は、光ピックアップ32、ミラー3、及び、浮上型光学ヘッド(集光手段)34を備えている。光ピックアップ32は、光源5、第1ビームスプリッタ6、光路補正素子7、第5反射光受光素子312、及び、信号生成部317を備えている。また、浮上型光学ヘッド34は、対物レンズ13、スライダ14、及び、サスペンション15を備えている。なお、本実施の形態では、光記録媒体として、再生専用の光ディスク19を用いた場合について説明する。
第5反射光受光素子312は、4分割されたフォトダイオード(4D‐PD)から構成されており、光路補正素子37より入射した反射レーザ光を受光する。そして、信号生成部317は、第5反射光受光素子312が受光した反射レーザ光を電気信号に変換して、その挙動信号から光ディスク19に記録されている光再生信号を生成するとともに、上記4D‐PDにおける反射レーザ光の受光位置のズレから、トラッキングサーボ信号、及び、光路補正信号を生成する。
光路補正素子37は、信号生成部317にて生成された光路補正信号に基づいて、反射レーザ光が、第5反射光受光素子312の最適な位置に入射するように、反射レーザ光の光路の補正を行う。
次に、光ディスク装置31が、光ディスク19に記録されている信号を検出し再生する方法について、説明する。
光源5から出射されたレーザ光は、第1ビームスプリッタ6を透過し、ミラー3にて反射されて、対物レンズ13に入射する。対物レンズ13に入射したレーザ光は、光ディスク19の基板面側とは反対側の膜面側に照射される。光ディスク19に照射されたレーザ光は、光ディスク19にて反射し反射レーザ光となる。
この反射レーザ光は、対物レンズ13を透過した後、ミラー3にて反射されて、第1ビームスプリッタ6に入射する。そして、この反射レーザ光は、第1ビームスプリッタ6にて反射され、光路補正素子7に導かれる。光路補正素子7に入射した反射レーザ光は、第5反射光受光素子312において、最適な位置に入射するように、光路が補正され、第5反射光受光素子312で受光される。そして、第5反射光受光素子312で受光した反射レーザ光は、信号生成部17にて電気信号に変換される。そして、信号生成部317では、この電気信号の挙動信号から、ROM信号が生成されるとともに、反射レーザ光の受光位置のズレから、トラッキングサーボ信号と光路補正信号とが生成される。
光ディスク19には、ピットとしての情報が記録されている。そして、第5反射光受光素子312は、光ディスク19に形成されたピットの有無による反射レーザ光の光量の差を読み取る。そして、第5反射光受光素子312にて読み取られた反射レーザ光の光量の差に基づいて、ROM信号が生成される。そして、光ディスク装置31は、このROM信号に基づいて、光ディスク19に記録された情報を再生する。
また、光ディスク装置31は、信号生成部317にて生成されたトラッキングサーボ信号に基づいて、浮上型光学ヘッド34の位置を調整し、トラッキングを行う。また、光路補正素子37は、信号生成部317にて生成された光路補正信号に基づいて、第5反射光受光素子312の最適な位置に入射するように、反射レーザ光の光路の補正を行う。これにより、光ディスク19にROM信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルのROM信号を効率よく得ることが可能になる。
本願発明者は、本実施形態の光ディスク装置31について、第5反射光受光素子312の各PDで受光した反射レーザ光の光量の変化を調べた。より具体的には、浮上型光学ヘッド4、及び、第5反射光受光素子312における反射レーザ光の受光位置のズレを初期調整した後、同一の構成を有する複数の光磁気ディスクを用いて測定を行い、光路補正を行わない場合(光路補正素子37を備えない構成)と光路補正行った場合(光路補正素子37を備えた構成)とを比較し、その効果を調べた。その結果、光路補正素子37を取り付け、反射レーザ光の光路の補正を行うことにより、第5反射光受光素子312の各PDにて受光した反射レーザ光の光量が、常に一定になった。すなわち、光路補正素子37を取り付け、反射レーザ光の光路の補正を行うことにより、第5反射光受光素子312では、常に最適な位置で、反射レーザ光が受光していることが分かった。
〔実施の形態4〕
本発明の実施のさらに他の形態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。主に、上記実施の形態1〜3との相違点について説明するものとし、上記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。また、上記実施の形態1〜3で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。図9は、本実施形態に係る光ディスク装置41(光記録再生装置)の概略構成を示す模式図である。
本発明の実施のさらに他の形態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。主に、上記実施の形態1〜3との相違点について説明するものとし、上記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。また、上記実施の形態1〜3で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。図9は、本実施形態に係る光ディスク装置41(光記録再生装置)の概略構成を示す模式図である。
本実施形態の光ディスク装置41では、反射光受光手段としての、光再生信号、トラッキングサーボ信号、及び、光路補正信号を生成する反射光受光素子(第6反射光受光素子23)と、光源45とが一体型になった構成になっている。
図9に示すように、光ディスク装置41は、光ピックアップ42、ミラー3、及び、浮上型光学ヘッド(集光手段)44を備えている。また、光ピックアップ42は、レーザ光出射受光一体部25と光路補正素子47とを備えている。また、浮上型光学ヘッド44は、対物レンズ13、スライダ14、及び、サスペンション15を備えている。なお、本実施の形態では、光記録媒体として、再生専用の光ディスク19を用いた場合について説明する。
レーザ光出射受光一体部25は、光源45、第6反射光受光素子23、及び、信号生成部417を備えている。光源45は、光ディスク装置41が光ディスク19に照射するレーザ光を出射する。そして、第6反射光受光素子23は、4分割されたフォトダイオード(4D‐PD)から構成されており、光路補正素子47より入射した反射レーザ光を受光する。そして、信号生成部417は、第5反射光受光素子312が受光した反射レーザ光を電気信号に変換して、その挙動信号から光ディスク19に記録されている光再生信号を生成するとともに、上記4D‐PDにおける反射レーザ光の受光位置のズレから、トラッキングサーボ信号、及び、光路補正信号を生成する。
光路補正素子47は、信号生成部417にて生成された光路補正信号に基づいて、反射レーザ光が、第6反射光受光素子23の最適な位置に入射するように、反射レーザ光の光路の補正を行う。
次に、光ディスク装置41が、光ディスク19に記録されている信号を検出し再生する方法について、説明する。
光源45から出射されたレーザ光は、光路補正素子47を透過し、ミラー3にて反射されて、対物レンズ13に入射する。対物レンズ13に入射したレーザ光は、光ディスク19の基板面側とは反対側の膜面側に照射される。光ディスク19に照射されたレーザ光は、光ディスク19にて反射し反射レーザ光となる。
この反射レーザ光は、対物レンズ13を透過した後、ミラー3にて反射されて、光路補正素子47に入射する。そして、光路補正素子7に入射した反射レーザ光は、第6反射光受光素子23において、最適な位置に入射するように、光路が補正され、第6反射光受光素子23で受光される。そして、第6反射光受光素子23で受光した反射レーザ光は、信号生成部417にて電気信号に変換される。そして、信号生成部417では、この電気信号の挙動信号から、ROM信号が生成されるとともに、反射レーザ光の受光位置のズレから、トラッキングサーボ信号と光路補正信号とが生成される。
光ディスク19には、ピットとしての情報が記録されている。そして、第6反射光受光素子23は、光ディスク19に形成されたピットの有無による反射レーザ光の光量の差を読み取る。そして、第6反射光受光素子23にて読み取られた反射レーザ光の光量の差に基づいて、ROM信号が生成される。そして、光ディスク装置41は、このROM信号に基づいて、光ディスク19に記録された情報を再生する。
また、光ディスク装置41は、信号生成部417にて生成されたトラッキングサーボ信号に基づいて、浮上型光学ヘッド44の位置を調整し、トラッキングを行う。また、光路補正素子47は、信号生成部417にて生成された光路補正信号に基づいて、第6反射光受光素子23の最適な位置に入射するように、反射レーザ光の光路の補正を行う。これにより、光ディスク19にROM信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルのROM信号を効率よく得ることが可能になる。
本願発明者は、本実施形態の光ディスク装置41について、第6反射光受光素子23の各PDで受光した反射レーザ光の光量の変化を調べた。より具体的には、浮上型光学ヘッド44、及び、第6反射光受光素子23における反射レーザ光の受光位置のズレを初期調整した後、同一の構成を有する複数の光ディスクを用いて測定を行い、光路補正を行わない場合(光路補正素子47を備えない構成)と光路補正行った場合(光路補正素子47を備えた構成)とを比較し、その効果を調べた。その結果、光路補正素子47を取り付け、反射レーザ光の光路の補正を行うことにより、第6反射光受光素子23の各PDにて受光した反射レーザ光の光量が、常に一定になった。すなわち、光路補正素子37を取り付け、反射レーザ光の光路の補正を行うことにより、第5反射光受光素子312では、常に最適な位置で、反射レーザ光が受光していることが分かった。また、光ディスク装置41では、反射レーザ光の光路の補正を行うと同時に、光ディスクに照射するレーザ光の光路を補正することが可能になる。
以上のように、本発明の光記録再生装置では、光路補正素子が反射レーザ光の光路の補正を行う。このため、光ディスク固有のうねり、チルト、または面振れ、あるいは、浮上型光学ヘッドの浮上状態の変化により、反射レーザ光の反射状態が変わった場合であっても、最大レベルの再生信号、及び、オフセットのないトラッキングサーボ信号を得ることが可能になる。この結果、良好な再生を行うことが可能な光記録再生装置を提供することができる。
また、上記実施の形態では、光記録媒体として、光磁気ディスク、または、再生専用の光ディスクを適用した例について説明したが、本発明の光記録再生装置に適用しうる光記録媒体は、これに限定されるものではない。例えば、相変化型光ディスクやライトワンス型光ディスクにも適用可能である。さらに、DVD、ブルーレイディスクにも適用可能である。
また、上記実施の形態では、記録再生用の光ディスク装置を例にして説明したが、本発明は、これに限定されず、記録用の光ディスク装置、または、記録用の光ディスク装置に適用してもよい。
また、上記実施の形態では、集光手段として、浮上型光学ヘッドを適用した例を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、集光手段として、固定型光学ヘッドを適用してもよい。
また、集光手段として、NAが高い対物レンズを備えたものを適用した場合にも、光ディスク固有のうねり、チルト、または面振れにより、反射レーザ光の反射状態が変わり、良好な再生を行うことができなくなる。本発明は、このようなNAが高い対物レンズを備えた光ディスク装置に適用することが可能である。これにより、光ディスク固有のうねり、チルト、または面振れにより、反射レーザ光の反射状態が変わった場合であっても、最大レベルの再生信号、及び、オフセットのないトラッキングサーボ信号を得ることが可能になる。この結果、良好な再生を行うことが可能な光記録再生装置を提供することができる。
また、上記実施の形態では、集光手段として、光記録媒体の基板面側とは反対側の膜面側に照射するタイプの浮上型光学ヘッドを適用した例を説明したが、本発明は、これに限定されず、光記録媒体の基板面側に照射するタイプの光学ヘッドにも適用することが可能である。光記録媒体の基板面側に照射するタイプの光学ヘッドを備えた光記録再生装置では、最大レベルの再生信号及びオフセットのないトラッキングサーボ信号を得るために、光ピックアップを組立てる際に、反射光受光素素子の受光位置の調整が行われる。本発明の光記録再生装置では、上記の光ピックアップを組立てる際における、反射光受光素素子の受光位置のズレを補正することができ、最大レベルの再生信号及びオフセットのないトラッキングサーボ信号を得ることが可能になる。
また、上記実施の形態の光記録再生装置では、トラッキングサーボ信号生成用の反射光受光素子(上記の第3反射光受光素子12)が4D−PDの構成を有していたが、本発明は、これに限定されず、再生信号検出用の反射光受光素子(上記の第1反射光受光素子10、第2反射光受光素子11、または、第4反射光受光素子18)が4D−PDの構成を有していてもよい。こうすることで、再生検出用の反射光受光素子にて、光路補正信号を生成することが可能になり、この光路補正信号に基づいて、反射レーザ光の光路を補正することができる。さらに、本発明の光記録再生装置は、反射レーザ光の光路を補正するために、専用の反射レーザ光受光位置検出用素子を別途備えた構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、光路補正素子として、直交する2軸に対して回転制御が可能なミラーを適用していたが、本発明は、これに限定されることはなく、光の進む方向を制御可能なものであればよい。このような光路補正素子としては、例えば、電気光学素子、音響光学素子、または、複数のガルバノミラーが挙げられる。さらに、光路補正素子としては、液晶、ホログラム、または、MEMSを利用した素子でもよい。これらの場合は、光路補正素子をより小型にすることが可能になる。
なお、本発明の光記録再生装置における反射光受光素子は、言い換えれば、反射レーザ光を受光する受光面を備え、反射レーザ光が常に受光面の同じ位置に照射されているものでもある。
以下、実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例1〕
本実施例では、図1に示す光ディスク装置1において、第1反射光受光素子10、及び、第2反射光受光素子11、並びに、第3反射光受光素子12の各PD(12−A〜12−D)で受光した反射レーザ光の光量の変化を調べた。より具体的には、浮上型光学ヘッド4、及び、各反射光受光素子10・11・12における反射レーザ光の受光位置のズレを初期調整した後、同一の構成を有する複数の光磁気ディスクを用いて測定を行い、光路補正を行わない場合と光路補正を行った場合とを比較し、その効果を調べた。その結果を表3に示す。その結果を表1に示す。
本実施例では、図1に示す光ディスク装置1において、第1反射光受光素子10、及び、第2反射光受光素子11、並びに、第3反射光受光素子12の各PD(12−A〜12−D)で受光した反射レーザ光の光量の変化を調べた。より具体的には、浮上型光学ヘッド4、及び、各反射光受光素子10・11・12における反射レーザ光の受光位置のズレを初期調整した後、同一の構成を有する複数の光磁気ディスクを用いて測定を行い、光路補正を行わない場合と光路補正を行った場合とを比較し、その効果を調べた。その結果を表3に示す。その結果を表1に示す。
なお、本実施例は、ポリカーボネート基板上に、Al合金からなる放熱層と、AlNからなる第2透明誘電体層と、TbFeCoからなる記録層と、AlNからなる第1透明誘電体層と、保護コート層とがこの順に形成された光磁気ディスクを用いている。光磁気ディスクへのレーザ光の照射は、保護コート層側から行われる。
まず、上記構成からなる光磁気ディスク(第1光ディスク)を用いて測定を行った。その結果、表1に示すように、第1反射光受光素子10および第2反射光受光素子11にて受光した反射レーザ光は、65mVの入射光量で測定された。また、第3反射光受光素子12の各PD(12−A〜12−D)にて受光した反射レーザ光は、30mVの入射光量で測定された。なお、本実施例では、線速4m/sで浮上型光学ヘッド4を浮上させ、再生パワー1.5mWで測定を行っている。初期調整後、ML(記録マーク長)=0.5μmでC/N(搬送波対雑音比)=46dBが得られた。
次に、上記第1光ディスクを取り外し、同一の構成を有する別の光磁気ディスク(第2光ディスク)を取り付けて、光路補正を行わない状態、すなわち、光路補正素子7を備えていない光ディスク装置を用いて、同様の測定を行った。その結果、表1に示すように、各反射光受光素子10・11・12にて受光した反射レーザ光の入射光量の初期値が、第1光ディスクを用いた場合と異なっていた。また、第1光ディスクを用いた場合に得られたC/N(=46dB)と比較して、第2光ディスクを用いた場合、C/Nは44dBに低下した。
次に、上記光ディスク装置に光路補正素子7を取り付け、反射レーザ光の光路補正を行った後、同様の実験を行った。その結果、表1に示すように、上記第1光ディスクを用いた場合と同様に、各反射光受光素子10・11・12へ均等に反射レーザ光を入射させることができた。そして、第2光ディスクを再生したところ、上記第1光ディスクと同様の再生信号レベルを得ることができた。
なお、第2光ディスクを用いた場合における反射レーザ光の入射光量の初期値の相違、及び、C/Nの低下は、用いた光磁気ディスク毎にうねり、チルト、面振れ及び形状が異なるため、その影響を受けて浮上型光学ヘッド4の浮上状態が変わり、各反射光受光素子10・11・12に入射する反射レーザ光の入射位置がずれてしまったためであると考えられる。しかしながら、上記光ディスク装置に光路補正素子7を取り付けることにより、入射光量を初期値に補正することができたことから、光路補正素子7による光路補正により、各反射光受光素子10・11・12への入射位置を最適な状態にできたことが分かる。
〔実施例2〕
本実施例は、上記実施例1と同様に、浮上型光学ヘッド4、および各反射光受光素子10・11・12の位置の初期調整を行った後に、第1反射光受光素子10および第2反射光受光素子11、並びに第3反射光受光素子12の各PD(12−A〜12−D)が受光した反射レーザ光の光量の変化について調べたものである。
〔実施例2〕
本実施例は、上記実施例1と同様に、浮上型光学ヘッド4、および各反射光受光素子10・11・12の位置の初期調整を行った後に、第1反射光受光素子10および第2反射光受光素子11、並びに第3反射光受光素子12の各PD(12−A〜12−D)が受光した反射レーザ光の光量の変化について調べたものである。
実施例1では光磁気ディスクを交換した後に、再生を行う前に光路補正を行ったのに対して、本実施例では、光磁気ディスクを再生しながら連続して光路補正を行った。すなわち、光磁気ディスクに一定間隔で光路補正信号を得るための平坦部を設けておき、一定時間毎に光路補正素子7による光路補正を行う。浮上型光学ヘッド4を用いた光ディスク装置1では、浮上型光学ヘッド4と光磁気ディスクとの距離が数μm程度であるため、何らかの外乱によって浮上型光学ヘッド4の浮上姿勢が変化してしまうことが考えられる。このため、第2光ディスクを再生しながら光路補正を連続的に行った。その結果を表2に示す。
表2に示すように、第2光ディスクを2時間程度再生し、その間に故意に外乱を与えながら測定を行ったものの、各反射光受光素子10・11・12に入射した反射レーザ光の光量は常に一定であることが分かる。すなわち、第2光ディスクの再生中であっても、光路補正素子7を用いて反射レーザ光の光路の補正を行うことにより、各反射光受光素子10・11・12には常に最適な位置に反射レーザ光が入射されることが分かった。
〔実施例3〕
本実施例では、図4に示す光ディスク装置21において、第4反射光受光素子18、及び、第3反射光受光素子12の各PD(12−A〜12−D)で受光した反射レーザ光の光量の変化を調べた。より具体的には、浮上型光学ヘッド24、及び、反射光受光素子18と第3反射光受光素子12とにおける反射レーザ光の受光位置のズレを初期調整した後、同一の構成を有する複数の光磁気ディスクを用いて、測定を行った。同一の構成を有する複数の光ディスクで測定を行い、光路補正を行わない場合と光路補正を行った場合とを比較し、その効果を調べた。その結果を表3に示す。
〔実施例3〕
本実施例では、図4に示す光ディスク装置21において、第4反射光受光素子18、及び、第3反射光受光素子12の各PD(12−A〜12−D)で受光した反射レーザ光の光量の変化を調べた。より具体的には、浮上型光学ヘッド24、及び、反射光受光素子18と第3反射光受光素子12とにおける反射レーザ光の受光位置のズレを初期調整した後、同一の構成を有する複数の光磁気ディスクを用いて、測定を行った。同一の構成を有する複数の光ディスクで測定を行い、光路補正を行わない場合と光路補正を行った場合とを比較し、その効果を調べた。その結果を表3に示す。
本実施例では、あらかじめピットが形成されている光ディスク(第3光ディスク)を用いて測定を行った。その結果、表3に示すように、第4反射光受光素子18にて受光した反射レーザ光は、200mVの入射光量で測定され、第3反射光受光素子12の各PD(12−A〜12−D)にて受光した反射レーザ光は、50mVの入射光量で測定された。なお、本実施例では、線速4m/sで浮上型光学ヘッド4を浮上させ、再生パワー1.5mWで測定を行っている。位置調整後、ML=0.5μmでC/N=48dBが得られた。
次に、上記第3光ディスクを取り外し、同一の構成を有する別の光ディスク(第4光ディスク)を取り付けて、光路補正を行わない状態、すなわち、光路補正素子7を備えていない光ディスク装置を用いて、同様の測定を行った。その結果、表3に示すように、第3反射光受光素子12および第4反射光受光素子18にて受光した反射レーザ光の光量の初期値が、第3光ディスクを用いた場合と異なっていた。また、第3光ディスクを用いた場合に得られたC/N(=48dB)と比較して、第4光ディスクを用いた場合、C/Nは46dBへ低下した。
次に、上記光ディスク装置に光路補正素子7を取り付け、反射レーザ光の光路補正を行った後、同様の実験を行った。その結果、表3に示すように、上記第3光ディスクを用いた場合と同様に、反射光受光素子12及び第4反射光受光素子18それぞれへ、均等に反射レーザ光を受光させることができた。そして、第4光ディスクを再生したところ、上記第3光ディスクと同様の再生信号レベルを得ることができた。
なお、第3光ディスクを用いた場合における反射レーザ光の入射光量の初期値の相違、及び、C/Nの低下は、用いた光ディスク毎にうねり、チルト、面振れ及び形状が異なるため、その影響を受けて浮上型光学ヘッド24の浮上状態が変わり、反射光受光素子12及び第4反射光受光素子18それぞれで受光した反射レーザ光の受光位置がずれてしまったためであると考えられる。しかしながら、上記光ディスク装置に光路補正素子7を取り付けることにより、入射光量を初期値に補正することができたことから、光路補正素子7による光路補正により、反射光受光素子12及び第4反射光受光素子18それぞれへの入射位置を最適な状態にできたことが分かる。
〔実施例4〕
本実施例は、上記実施例3と同様に、浮上型光学ヘッド24、及び、反射光受光素子18と第3反射光受光素子12とにおける反射レーザ光の受光位置のズレを初期調整した後、第4反射光受光素子18と第3反射光受光素子12の各PDとに入射した反射レーザ光の光量の変化について調べたものである。
〔実施例4〕
本実施例は、上記実施例3と同様に、浮上型光学ヘッド24、及び、反射光受光素子18と第3反射光受光素子12とにおける反射レーザ光の受光位置のズレを初期調整した後、第4反射光受光素子18と第3反射光受光素子12の各PDとに入射した反射レーザ光の光量の変化について調べたものである。
実施例3では光ディスクを交換した後に、再生を行う前に光路補正を行ったのに対して、本実施例では、光ディスクを再生しながら連続して光路補正を行った。光ディスクに一定間隔で光路補正信号を得るための平坦部を設けておき、一定時間毎に光路補正素子7による光路補正を行う。浮上型光学ヘッド24を備えた光ディスク装置21では、浮上型光学ヘッド24と光ディスクとの距離が数μm程度であるため、何らかの外乱によって浮上型光学ヘッド4の浮上姿勢が変化してしまうことが考えられる。このため、第4光ディスクを再生しながら光路補正を連続的に行った。その結果を表4に示す。
表4に示すように、第4光ディスクを2時間程度再生し、その間に故意に外乱を与えながら測定を行ったものの、反射光受光素子12及び第4反射光受光素子18それぞれへの入射した反射レーザ光の光量は常に一定であることが分かった。すなわち、第4光ディスクの再生中であっても、光路補正素子7を用いて反射レーザ光の光路の補正を行うことにより、反射光受光素子12及び第4反射光受光素子18には常に最適な位置に反射レーザ光が入射されることが分かった。
本発明の光記録再生装置は、以上のように、上記反射光の反射光受光手段への光路を補正する光路補正手段を、さらに備えるので、光記録媒体に再生信号として記録された情報を再生するに際し、最大レベルの再生信号を効率よく得ることが可能になる。したがって、光ディスク固有のうねり、チルト、または、面振れにより、反射レーザ光の反射状態が変化した場合であっても、良好な光記録媒体の再生、記録または消去を行うことが可能になる。それゆえ、本発明は、光磁気ディスク、再生専用の光ディスク、相変化型光ディスクやライトワンス型光ディスク、DVD、ブルーレイディスク等を記録再生する光記録再生装置に適用することができる。
1 光ディスク装置(光記録再生装置)
2 光ピックアップ
3 ミラー
4 浮上型光学ヘッド(集光手段)
5 光源
7 光路補正素子
10 第1反射光受光素子
11 第2反射光受光素子
12 第3反射光受光素子
16 光磁気ディスク(光記録媒体)
17 信号生成部(光路補正信号生成手段)
2 光ピックアップ
3 ミラー
4 浮上型光学ヘッド(集光手段)
5 光源
7 光路補正素子
10 第1反射光受光素子
11 第2反射光受光素子
12 第3反射光受光素子
16 光磁気ディスク(光記録媒体)
17 信号生成部(光路補正信号生成手段)
Claims (12)
- 光源と、当該光源から出射された光を光記録媒体に集光する集光手段と、当該光記録媒体にて反射された反射光を受光する反射光受光手段とを備えた光記録再生装置であって、
上記反射光の反射光受光手段への光路を補正する光路補正手段を、さらに備えることを特徴とする光記録再生装置。 - 上記光路補正手段は、上記反射光受光手段における反射光の受光位置が一定の位置になるように、反射光の光路を補正することを特徴とする請求項1に記載の光記録再生装置。
- 上記光路補正手段は、上記反射光を反射させて上記反射光受光手段へ導くミラーを備え、
上記ミラーは、直交する2軸に対して回転制御可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録再生装置。 - 上記反射光受光手段は、上記反射光の光路を補正するための光路補正信号を生成する光路補正信号生成手段を備え、
上記光路補正手段は、上記光路補正信号に基づいて、上記ミラーの回転を制御することを特徴とする請求項3に記載の光記録再生装置。 - 上記集光手段が、浮上型光学ヘッドであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光記録再生装置。
- 上記光記録媒体は、記録領域と平坦部とを有し、
上記光路補正手段は、上記平坦部にて反射された反射光の反射光受光手段への光路を補正することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光記録再生装置。 - 上記光記録媒体は、記録領域を有し、かつ、当該記録領域が、複数の区域に分割されているとともに、互いの区域の間に平坦部が設けられており、
上記光路補正手段は、上記平坦部にて反射された反射光の反射光受光手段への光路を補正することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光記録再生装置。 - 上記光記録媒体は、記録領域を有し、かつ、当該記録領域内に所定の間隔で平坦部が設けられており、
上記光路補正手段は、上記平坦部にて反射された反射光の反射光受光手段への光路を補正することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光記録再生装置。 - 上記反射光受光手段は、上記光記録媒体にフォーカシングないしはトラッキングを行うためのサーボ信号を検出する、サーボ信号検出用受光素子であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光記録再生装置。
- 上記反射光受光手段は、上記光記録媒体に記録された情報を再生信号として検出する、再生信号検出用受光素子であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の光記録再生装置。
- 上記再生信号は、上記光記録媒体に凹凸を形成することにより記録された情報を検出して得られた信号であることを特徴とする請求項10に記載の光記録再生装置。
- 上記光記録媒体は、光磁気記録媒体であって、
上記再生信号検出用受光素子は、光磁気記録媒体に記録された情報を再生信号として検出することを特徴とする請求項10に記載の光記録再生装置。
Priority Applications (1)
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JP2004199856A JP2006024257A (ja) | 2004-07-06 | 2004-07-06 | 光記録再生装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004199856A JP2006024257A (ja) | 2004-07-06 | 2004-07-06 | 光記録再生装置 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2006024257A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-07-06 JP JP2004199856A patent/JP2006024257A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012226812A (ja) * | 2011-04-21 | 2012-11-15 | Hitachi Media Electoronics Co Ltd | 光ピックアップ装置および光ディスク装置 |
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