WO2012029228A1

WO2012029228A1 - 表示制御装置及び表示制御方法

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Publication number: WO2012029228A1
Application number: PCT/JP2011/003945
Authority: WO
Inventors: 翔一朗難波
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2010-08-31
Filing date: 2011-07-08
Publication date: 2012-03-08

Abstract

　表示デバイス制御装置２００は、第１の入力映像をフレームメモリ２０３に取り込み、内部同期生成部２０６で生成した内部同期信号に同期させて映像を出力する第１の表示制御と、第２の入力映像をフレームメモリ２０３に取り込まず、第２の入力映像の同期信号である外部同期信号に同期させて映像を出力する第２の表示制御とを切り換える。垂直同期更新部２０９は、垂直同期タイミングで同期信号を切り換え、この切換え後、同期マスク制御部２１１は、有効表示領域期間、同期信号を出力しない。映像切換制御部２１０は、同期信号を切り換えた後の１垂直同期期間経過後に映像を切り換える。したがって、複数の非同期な入力映像に対し、内部同期表示と外部同期表示を選択して切り換える時、映像の乱れがなく、かつ、黒画を挿入することなく表示し続けることができる。

Description

表示制御装置及び表示制御方法

　本発明は、複数の非同期な入力映像を選択して出力する表示制御装置及び表示制御方法に関する。

　図１５は、従来の映像切換装置の構成を一例として示すブロック図である。図１５に示す映像切換装置は、第１の入力映像と第２の入力映像の映像信号を選択するセレクタ１６０１と、映像を格納するフレームメモリ１６０２と、映像信号から同期信号を分離する同期分離部１６０３，１６０４と、２種類の同期信号の位相差を検出する位相差検出部１６０６と、検出した位相差をもとに現在の同期信号を補正する位相補正部１６０７と、内部のタイミングで同期信号の生成を行うフリーラン同期生成部１６１０と、第１の入力映像及び第２の入力映像の同期信号と位相補正後の同期信号とフリーラン同期生成部１６１０で生成された同期信号のいずれかを選択するセレクタ１６０８と、選択された同期信号をもとに水平同期信号及び垂直同期信号を出力する出力同期生成部１６０９とを備える（特許文献１参照）。

　この映像切換装置は、任意のタイミングで映像の切換えを行った場合に発生する映像乱れを防ぐために、切換え前の同期信号を徐々に切換え後の同期信号に位相をずらしていき、誤差量が許容範囲以下になったときに、映像の切換えを行う。

日本国特許第３４６４９２４号公報

　近年のカーナビゲーションシステムは、機能や構成の違いによって、大きく次の３つに分類される。
（１）カーナビゲーションが出力した地図の映像を表示するシステム
（２）カーオーディオの操作ＩＦをタッチパネルディスプレイに描画して表示するディスプレイオーディオシステム
（３）ナビゲーションやディスプレイオーディオに加え、ＤＶＤプレーヤや車載カメラの映像を表示するシステム

　これらのうち、（３）のカーナビゲーションシステムにおいては、全ての機能をワンチップのＬＳＩに搭載する場合、非常に高機能・高コストとなる。このため、近年では、ナビゲーションシステムが出力する映像や、ＤＶＤプレーヤ／車載カメラの映像を個別に用意し、それらとディスプレイオーディオ用の描画映像を重ね合わせる表示コントローラが開発されている。

　この表示コントローラは、低コスト化を図るために、必要最低限のフレームメモリしか搭載しておらず、表示する映像によって表示方法を切り換えて様々な映像表示を実現している。すなわち、表示コントローラは、フレームメモリに取り込まずに入力映像の同期信号に同期して表示を行う外部同期表示方法と、フレームメモリに取り込んでからコントローラ内部のクロックで生成した同期信号に同期して表示を行う内部同期表示方法との２つの表示方法を、状況に応じて切り換えることにより、高機能な映像表示を実現する。

　このような表示コントローラを有するカーナビゲーションシステムでは、走行中にナビゲーションシステムが出力する地図の映像を表示し、バックの駐車時に車載カメラの映像を表示し、また、搭乗者用のディスプレイにＤＶＤプレーヤで再生した映像を表示することが想定されている。

　通常、カーナビゲーションシステムが出力する地図の映像は、ディスプレイに表示することを意識して描画されたデータであるため、通常、表示ＬＳＩは、フレームメモリを介さずに映像の同期信号で表示を行う。一方、車載カメラやＤＶＤプレーヤの映像は、歪み補正や拡大・縮小等を行うためにフレームメモリに取り込まれるため、表示ＬＳＩは、ＬＳＩ内部で生成したクロックに同期して表示を行う。

　このような表示方法の切換えを行うシステムにおいて、それぞれの映像ソースは完全に独立しているため、垂直同期及び水平同期の周期は各ソース間で非同期であり、また、周期が一致している場合でも、これらの位相が異なる。

　完全に独立した非同期の映像が内部同期表示と外部同期表示の入力映像として入力されている場合、一方の映像の同期タイミングが他方の映像のフレームの途中であることがあるため、単純な切換えを行うと、乱れた映像が表示されてしまう。乱れた映像を表示しないために、一般的に全画面に黒画を挿入しなければならなかった。

　このような映像乱れを表示することなく、映像を切り換えるためには、映像切換装置は内部同期表示の機構を２つ有する必要がある。図１６は、内部同期表示の機構を２つ有する映像切換装置の構成を示すブロック図である。この構成では、入力映像と表示機器への出力映像の垂直周期差を吸収するフレームメモリ１７０３を双方の映像毎に用意することになり、回路構成が増大してしまう。

　また、１つの内部同期表示の機構のみを有するシステムでは、図１５に示すように、映像切換えの要求を受理した後、徐々に表示機器に出力する映像の垂直同期タイミングの位相をずらし、互いの垂直同期タイミングが一致したところで切換えを行う方法が提案されている。しかし、この方法では、位相を合わせるための時間が必要であった。

　通常のＮＴＳＣのコンポジット信号の場合、縦のライン数は１フィールドにつき２６２．５ラインであり、それぞれの映像の垂直同期を一致させるまでに最大２６２．５ラインの調整が必要である。ここで、垂直同期期間内に１ラインずつ位相誤差を調整可能であるとすると、１６．７（ミリ秒）×２６２．５（ライン）＝４３８３．７５（ミリ秒）≒４．４（秒）の時間が必要となる。

　本発明の目的は、複数の非同期な入力映像に対し、内部同期表示と外部同期表示を選択して切り換える時、映像の乱れがなく、かつ、黒画を挿入することなく表示し続けることができる表示制御装置及び表示制御方法を提供することである。

　本発明の表示制御装置は、第１の入力映像を取り込むフレームメモリと、前記第１の入力映像を前記フレームメモリに取り込み、内部で生成した内部同期信号に同期させて映像を出力する第１の表示制御部と、第２の入力映像を前記フレームメモリに取り込まず、前記第２の入力映像に含まれる外部同期信号に同期させて映像を出力する第２の表示制御部と、を備え、前記第１の表示制御部と前記第２の表示制御部を切り換えて映像を出力する表示制御装置であって、垂直同期タイミングで同期信号の切換えを行う垂直同期更新部と、前記同期信号の切換後、有効表示領域期間、前記切り換えられた同期信号の出力を停止する同期マスク制御部と、前記同期信号を切り換えた後の１垂直同期期間経過後に映像を切り換える映像切換部とを備える。

　この表示制御装置では、内部同期信号と外部同期信号を切り換える際、切換要求があった次の垂直同期タイミング、つまり、現在表示中のフレームが表示し終わったタイミングで、映像の同期信号のみを切り換え、同期信号の切換え後、切換え前の映像を1フレームのみ表示し、その後、切換え後の映像に切り換える。これにより、２つの異なる映像信号を、内部同期信号と外部同期信号の映像として入力するシステムにおいて、それぞれの表示の切り換え時に1フレームの映像乱れも無く、連続した映像を表示し続けながら切り換えることができる。

　すなわち、表示デバイス制御の切換え時に同期信号と映像信号の切換タイミングを１垂直同期期間ずらすことで、切換え前の映像を切換え後の同期信号に乗せて出力することが可能となり、しかも、一方の映像の途中で切り換わることなく、映像乱れのない切換えを行うことができる。

　また、本発明の表示制御装置は、さらに、前記第１の表示制御部又は前記第２の表示制御部によって出力される映像を取り込むラインバッファと、前記第１の表示制御部の水平同期信号と前記第２の表示制御部の水平同期信号の差を検出する水平同期誤差検出部と、前記水平同期誤差検出部によって検出された水平同期信号の差に応じて、前記ラインバッファに取り込まれた映像の出力を制御するバッファ制御部とを備える。

　この構成により、水平同期信号の差に応じて、ラインバッファに取り込まれた映像の出力を制御するため、水平周期の異なる映像に対しても、映像乱れなく切り換えることができる。

　また、本発明の表示制御装置では、前記同期マスク制御部は、水平ドットクロックを計数するピクセルカウンタと、前記ピクセルカウンタの値がブランキング領域の横幅以上になると、前記ピクセルカウンタの値をクリアする横幅比較部と、前記ピクセルカウンタの値が有効表示領域にある場合、前記ピクセルカウンタのクリア信号に対するマスク信号を発行する水平有効表示領域判定部と、前記ピクセルカウンタのクリア信号を計数するラインカウンタと、前記ラインカウンタの値がブランキング領域の高さ以上になると、前記ラインカウンタの値をクリアする高さ比較部と、前記ラインカウンタの値が有効表示領域にある場合、前記ラインカウンタのクリア信号に対するマスク信号を発行する垂直有効表示領域判定部とを有する。

　この表示制御装置は、ピクセルカウンタ及びラインカウンタを備え、これらのカウンタに同期して同期信号を生成する。ピクセルカウンタは、水平ドットクロックによって計数し、クリア信号である水平同期信号によってリセットされる。また、ピクセルカウンタのリセットタイミングで水平同期信号を生成する。ただし、ピクセルカウンタの値が水平有効表示領域の終了位置以前にある場合、カウントをリセットしない。このような構成をとることで、映像信号を出力している間に同期信号が出力されない機構を、出力同期生成部又はそれに類する表示タイミング制御部の中に実現することができる。

　また、本発明の表示制御装置は、水平同期信号及び垂直同期信号に同期したコントロール信号を出力するタイミング生成部と、前記タイミング生成部から出力される前記コントロール信号にしたがって、有効表示領域のみ映像を表示する表示部とを備える。

　この表示制御装置は、タイミング生成部を追加し、有効表示領域の映像を外部表示デバイス上に乱れなく表示し続ける。これにより、有効表示領域外に不要な映像が出力される場合や、表示デバイス制御方法の切換え時に周期の変化が生じる場合においても、表示デバイス側での許容範囲内に収まる場合、映像乱れがない切換えができる。

　また、本発明の表示制御装置では、前記第１の表示制御部から前記第２の表示制御部に切り換える場合、前記第１の表示制御部は、前記同期信号の切換え直後の１垂直同期期間、前記フレームメモリに取り込んだ映像を出力し続け、前記１垂直同期期間経過後から前記フレームメモリへの映像の取り込みを停止する。

　この表示制御装置は、切換要求があった時点で取り込んでいた映像でのフレームメモリへの取込みを停止し、同期信号の切換え後の１垂直同期期間後に映像を切り換える。これにより、同期信号の切換え後の１垂直同期期間後から映像の取込み用として確保していたフレームメモリの領域を他の用途として使用することができる。

　また、本発明の表示制御装置では、前記第２の表示制御部から前記第１の表示制御部に切り換える場合、前記第１の表示制御部は、前記同期信号の切換え直後から前記フレームメモリに前記第１の入力映像の取込みを開始する。

　この表示制御装置は、切換要求直後からフレームメモリに映像の取込みを開始するため、映像の切換え時、フレームメモリに映像が取り込まれている状態となり、映像乱れがない切換えができる。

　また、本発明の表示制御装置は、前記有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間であるか否かを判定する判定部を備え、前記判定の結果、現在の映像の出力状態が前記有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間にある場合、前記垂直同期更新部は、前記垂直同期タイミングを待つことなく同期信号を切り換え、前記映像切換部は、前記１垂直同期期間の経過を待つことなく映像を切り換える。

　この構成により、有効表示領域期間中か否かを判定し、有効表示領域終了時から次の垂直同期出力までの間、同期信号及び映像信号を切り換えるため、同期信号と映像信号を個別に切り換える必要がなく、複雑な制御は必要なくなる。

　本発明の表示制御方法は、第１の入力映像を取り込むフレームメモリと、前記第１の入力映像を前記フレームメモリに取り込み、内部で生成した内部同期信号に同期させて映像を出力する第１の表示制御部と、第２の入力映像を前記フレームメモリに取り込まず、前記第２の入力映像に含まれる外部同期信号に同期させて映像を出力する第２の表示制御部と、を備えた表示制御装置の表示制御方法であって、前記第１の表示制御部と前記第２の表示制御部を切り換えて映像を出力する際、垂直同期タイミングで同期信号の切換えを行う垂直同期更新ステップと、前記同期信号の切換え後、有効表示領域期間、前記切り換えられた同期信号の出力を停止する同期マスク制御ステップと、前記同期信号を切り換えた後の１垂直同期期間経過後に映像を切り換える映像切換ステップと、を有する。

　また、本発明の表示制御方法は、前記第１の表示制御部から前記第２の表示制御部に切り換える場合、前記第１の表示制御部は、前記同期信号の切換え直後の１垂直同期期間、前記フレームメモリに取り込んだ映像を出力し続ける表示継続ステップと、前記第１の表示制御部は、前記１垂直同期期間経過後から前記フレームメモリへの映像の取り込みを停止する停止ステップと、を有する。

　また、本発明の表示制御方法は、前記第２の表示制御部から前記第１の表示制御部に切り換える場合、前記第１の表示制御部は、前記同期信号の切換え直後から、前記フレームメモリに前記第１の入力映像の取込みを開始するステップを有する。

　また、本発明の表示制御方法は、前記有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間であるか否かを判定する判定ステップを有し、前記判定の結果、現在の映像の出力状態が前記有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間にある場合、前記垂直同期更新ステップでは、前記垂直同期タイミングを待つことなく同期信号を切り換え、前記映像切換ステップでは、前記１垂直同期期間の経過を待つことなく映像を切り換える。

　これらの制御方法によって、上記効果を有する表示制御装置が実現される。

　本発明は、内部同期信号と外部同期信号を切り換える際、切換要求があった次の垂直同期タイミング、つまり、現在表示中のフレームが表示し終わったタイミングで、映像の同期信号のみを切り換え、同期信号の切換え後、切換え前の映像を1フレームのみ表示し、その後、切換え後の映像に切り換える。このため、複数の非同期な入力映像に対し、内部同期表示と外部同期表示を選択して切り換える時、映像の乱れがなく、かつ、黒画を挿入することなく表示し続けることができる。

第１の実施形態における表示デバイス制御切換装置の構成を示す図表示デバイス制御切換手順を示すフローチャート第２の実施形態における表示デバイス制御切換装置の構成を示す図第３の実施形態における表示デバイス制御切換装置の構成を示す図出力同期生成部４０６の構成の一例を示す図第４の実施形態における表示デバイス制御切換装置の構成を示す図第５の実施形態における表示デバイス制御切換手順を示すフローチャート図７の表示デバイス制御切換えを行った際、互いに非同期な第１の入力映像と第２の入力映像、フレームメモリ（第１バンク）、フレームメモリ（第２バンク）、及び出力信号の垂直同期信号と映像信号の有効表示領域の様子を示す図図８の制御に沿った実際の表示イメージの様子を示す図第６の実施形態における表示デバイス制御切換手順を示すフローチャート図１０のフローチャートに沿って制御した時の、互いに非同期な第１入力映像と第２入力映像、フレームメモリ（第１バンク）、フレームメモリ（第２バンク）、及び出力信号の垂直同期信号と映像信号の有効表示領域の様子を示す図図１１の制御に沿った実際の表示イメージの様子を示す図第７の実施形態における表示デバイス制御切換手順を示すフローチャート図１３に沿って制御した時の第１入力映像、第２入力映像及び出力の様子を示す図従来の映像切換装置の構成を一例として示すブロック図内部同期表示の機構を２つ有する映像切換装置の構成を示すブロック図

　本発明の表示制御装置及び表示制御方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明の表示制御装置は、互いに非同期な複数の入力映像を切り換えて出力する表示デバイス制御切換装置に適用される。

（第１の実施形態）
　図１は、第１の実施形態における表示デバイス制御切換装置の構成を示す図である。図１に示すように、第１の実施形態の表示デバイス制御切換装置２００は、第１の入力映像を取り込む第１映像入力部２０１と、第２の入力映像を取り込む第２映像入力部２０２と、フレームメモリ２０３と、メモリ制御部２０４と、映像セレクタ２０５と、内部同期生成部２０６と、同期セレクタ２０７と、出力同期生成部２０８と、垂直同期更新部２０９と、映像切換制御部２１０と、同期マスク制御部２１１とを備える。

　まず、第１の入力映像を映像出力として出力する第１の表示デバイス制御（第１の表示制御）について説明する。第１映像入力部２０１に入力された映像は、映像信号と同期信号に分離されると、この映像信号はフレームメモリ２０３に入力され、この同期信号はメモリ制御部２０４に入力される。

　メモリ制御部２０４は、入力された同期信号のタイミングでフレームメモリ２０３にライト信号を発行し、映像信号の書込み制御を行う。また、内部同期生成部２０６がメモリ制御部２０４に対してリード信号を発行すると、メモリ制御部２０４は、フレームメモリ２０３にコマンドを送信することで映像の読出しを行う。

　出力同期生成部２０８は、同期セレクタ２０７によって選択された内部同期生成部２０６が生成する同期信号に同期して水平同期信号及び垂直同期信号を同期マスク制御部２１１に出力する。また、出力同期生成部２０８は、垂直同期更新部２０９及び映像切換制御部２１０に対し、それぞれ同期信号と映像信号を選択させる。

　次に、第２の入力映像を映像出力として出力する第２の表示デバイス制御（第２の表示制御）について説明する。第２映像入力部２０２に入力された映像は、映像信号と同期信号に分離されると、この映像信号は映像セレクタ２０５に入力され、この同期信号は同期セレクタ２０７に入力される。

　映像セレクタ２０５は、第２映像入力部２０２が出力した映像信号を選択し、映像出力として出力する。同期セレクタ２０７は、第２映像入力部２０２が出力した同期信号を選択し、出力同期生成部２０８に出力する。出力同期生成部２０８は、同期セレクタ２０７が出力した同期信号のタイミングで、水平周期信号及び垂直同期信号を同期マスク制御部２１１に出力する。

　次に、第１の表示デバイス制御と第２の表示デバイス制御の切換えについて述べる。表示デバイス制御の切換要求があると、まず、出力同期生成部２０８は垂直同期更新部２０９に対して同期信号の切換指示を出す。なお、表示デバイス制御の切換要求は、例えば、図示しないユーザＩ／Ｆから入力可能である。

　垂直同期更新部２０９は、切換指示を受けた次の垂直同期タイミングで、同期セレクタ２０７に出力されている表示デバイス制御を変化させ、この制御に合わせて同期信号を切り換えさせる。これにより、出力同期生成部２０８は、切り換え後の同期信号にしたがって、水平同期信号及び垂直同期信号を同期マスク制御部２１１に出力し始める。この時点では、同期信号は切り換わっているが、映像信号は切り換わっていない状態にある。

　ここで、同期マスク制御部２１１は、現在出力している映像信号の有効表示領域の期間（有効表示領域期間）に、出力同期生成部２０８から入力された水平同期信号及び垂直同期信号を出力しないで、出力を停止する。これにより、同期信号の切換え時の映像乱れを防止することができる。一方、映像信号の切換指示は、同期セレクタ２０７の切換え後の次の垂直同期タイミングで、映像切換制御部２１０から映像セレクタ２０５に対して発行される。

　切換え後の表示デバイス制御が第１の表示デバイス制御である場合、表示デバイス制御切換装置２００は、内部同期生成部２０６からメモリ制御部２０４に対してリード信号を発行し、映像を出力させる。これにより、次の垂直同期タイミングから完全に切り換え後の映像信号と同期信号が出力され、表示デバイス制御が完了する。

　以下、本実施形態の表示デバイス制御切換装置２００の動作（表示デバイス制御切換手順）を示す。図２は、表示デバイス制御切換手順を示すフローチャートである。表示デバイス制御切換装置２００は、表示デバイス制御方法の切換えの要求が発生した場合、本処理を開始する。この切換えの要求は、前述したように、例えば、図示しないユーザＩ／Ｆから入力され、表示デバイス制御切換装置２００は、この要求に応じて割り込み処理等により本処理を開始する。

　まず、表示デバイス制御切換装置２００は、次の垂直同期信号の出力を待ち（ステップＳ１）、垂直同期信号が出力されると、垂直同期更新部２０９により、出力垂直同期信号の切換えを行う（ステップＳ２）。これにより、同期信号に同期した切換えが可能となり、表示中の映像の乱れを防ぐことができる。

　表示デバイス制御切換装置２００は、同期マスク制御部２１１により、同期信号の出力をマスクし、有効表示領域終了以前のタイミングでは、同期信号を出力しないようにする（ステップＳ３）。これにより、切換え直後の映像の乱れが防止される。

　表示デバイス制御切換装置２００は、垂直同期信号の切換えを行ってからのタイミングが有効表示領域内であるか否かを判別する（ステップＳ４）。この判別結果、有効表示領域内の場合、表示デバイス制御切換装置２００は、切換え前の映像が表示中であるため、引き続き、同期マスク制御部２１１によりステップＳ３で同期信号の出力をマスクする制御を行う。

　一方、ステップＳ４で有効表示領域の後となった場合、つまり、同期信号を切り換えた後の１垂直同期期間経過後、表示デバイス制御切換装置２００は、同期マスク制御部２１１により、同期信号の出力を許可する（ステップＳ５）。

　そして、表示デバイス制御切換装置２００は、映像切換制御部２１０により切換え後の映像に切り換える（ステップＳ６）。この後、表示デバイス制御切換装置２００は、本処理を終了する。

　なお、映像の切換えは、複数のレイヤを表示できる装置の場合、レイヤの切換制御に相当する。また、映像の切換えは、ステップＳ６の手順に限定されるものではなく、表示デバイス制御装置が備える機能により、種々の方法で実現可能である。

　このように、第１の実施形態の表示制御装置によれば、内部同期信号と外部同期信号を切り換える際、切換要求があった次の同期タイミング、つまり、現在表示中のフレームが表示し終わったタイミングで、映像の同期信号のみを切り換え、同期信号の切換え後、切換え前の映像を1フレームのみ表示し、その後、切換え後の映像に切り換える。これにより、２つの異なる映像信号を、内部同期信号と外部同期信号の入力映像として入力するシステムにおいて、それぞれの表示の切り換え時に1フレームの映像乱れも無く、連続した映像を表示し続けながら切り換えることができる。

（第２の実施形態）
　図３は、第２の実施形態における表示デバイス制御切換装置の構成を示す図である。図３に示すように、第２の実施形態の表示デバイス制御切換装置２５０は、第１の実施形態の表示デバイス制御切換装置２００（図１参照）が備える構成要素に、水平同期誤差検出装置３１２、バッファ制御部３１３及びラインバッファ３１４を追加した構成である。第１の実施形態と同一の構成要素については、その説明を省略する。

　第１の表示デバイス制御から第２の表示デバイス制御に切り換える際、同期セレクタ２０７によって同期信号が切り換えられた後、映像セレクタ２０５で映像信号が切り換えられるまでの１垂直同期期間、第２の入力映像の同期信号に同期した水平同期信号と第１の入力映像の映像信号が出力される。

　この時、表示デバイス制御切換装置２５０は、水平同期誤差検出装置３１２によって第２の入力映像と第１の入力映像の水平同期周期の差を検出し、ラインバッファ３１４及びバッファ制御部３１３の制御によって第１の入力映像と第２の入力映像の水平同期の周期を合わせる。

　このように、第２の実施形態の表示デバイス制御切換装置によれば、水平周期の異なる映像に対しても、映像乱れなく切り換えることができる。したがって、切り換え時に水平方向に映像がずれる現象を防ぐことができる。

（第３の実施形態）
　図４は、第３の実施形態おける表示デバイス制御切換装置の構成を示す図である。図４に示すように、第３の実施形態の表示デバイス制御切換装置２６０は、第１の実施形態と同様、第１の入力映像を取り込む第１映像入力部２０１と、第２の入力映像を取り込む第２映像入力部２０２と、フレームメモリ２０３と、メモリ制御部２０４と、映像セレクタ２０５とを備え、さらに、出力同期生成部４０６を備える。

　出力同期生成部４０６は、第１の実施形態の内部同期生成部２０６、同期セレクタ２０７、垂直同期更新部２０９、映像切換制御部２１０、同期マスク制御部２１１及び出力同期生成部２０８をまとめ、出力同期生成部としたものである。

　図５は、出力同期生成部４０６の構成の一例を示す図である。出力同期生成部４０６は、エッジ検出部５００と、ラインカウンタ５０１と、垂直有効表示領域判定部５０２と、高さ比較部５０３と、同期生成部５０６と、エッジ検出部５０７と、ピクセルカウンタ５０８と、水平有効表示領域判定部５０９と、横幅比較部５１０と、同期生成部５１３と、アドレス生成部５１４と、映像切換制御部５１５と、垂直同期更新制御部５１６と、同期セレクタ５１７とを有する。

　ピクセルカウンタ５０８は、入力される水平ドットクロックによって計数され、クリア信号によってクリアされる。ピクセルカウンタ５０８の値は横幅比較部５１０に入力され、予め設定されているブランキング領域の横幅以上になると、クリア信号がアサートされる。

　また、水平同期信号が入力されると、エッジ検出部５０７を通り、クリア信号がアサートされる。これにより、ピクセルカウンタ５０８は、第１の表示デバイス制御時、横幅比較部５１０によってクリアされ、第２の表示デバイス制御時、エッジ検出部５０７によってクリアされる。

　ピクセルカウンタ５０８のクリアのタイミングで、同期生成部５１３は出力水平同期信号を生成する。ピクセルカウンタ５０８の値が有効表示領域の間にある場合、水平有効表示領域判定部５０９によってクリアのマスク信号が発行される。これにより、表示デバイス制御の切換え中において、映像表示中に同期信号が入力された場合でも、ピクセルカウンタ５０８はリセットせず、出力同期信号の生成を防ぐことができる。

　ラインカウンタ５０１は、ピクセルカウンタ５０８のクリア信号によって計数し、ピクセルカウンタ５０８と同様、クリア信号によってクリアされる。ラインカウンタ５０１の値は、高さ比較部５０３に入力され、予め設定されているブランキング領域の高さ以上の場合、クリア信号がアサートされる。

　また、垂直同期信号が入力された場合、エッジ検出部５００を通り、クリア信号がアサートされる。これにより、第２の表示デバイス制御の場合、エッジ検出部５００によってラインカウンタ５０１がクリアされ、第１の表示デバイス制御の場合、高さ比較部５０３によって、ラインカウンタ５０１がクリアされる。

　このとき、同期生成部５０６によって、垂直同期信号が生成される。ラインカウンタ５０１の値が有効表示領域の間にある場合、垂直有効表示領域判定部５０２によって検出され、クリアのマスク信号が発行される。

　ピクセルカウンタ５０８及びラインカウンタ５０１の値は、アドレス生成部５１４に入力される。アドレス生成部５１４は、第１の表示デバイス制御時のフレームメモリ２０３のリード信号及びアドレスを生成して出力する。

　このように、第３の実施形態の表示デバイス制御切換装置によれば、映像信号を出力している間に同期信号が出力されない機構を、出力同期生成部又はそれに類する表示タイミング制御部の中に実現することができる。

（第４の実施形態）
　図６は、第４の実施形態における表示デバイス制御切換装置の構成を示す図である。図６に示すように、第４の実施形態の表示デバイス制御切換装置２７０は、第１の実施形態と同様、第１の入力映像を取り込む第１映像入力部２０１と、第２の入力映像を取り込む第２映像入力部２０２と、フレームメモリ２０３と、メモリ制御部２０４と、映像セレクタ２０５と、内部同期生成部２０６と、同期セレクタ２０７と、出力同期生成部２０８と、垂直同期更新部２０９と、映像切換制御部２１０と、同期マスク制御部２１１とを備え、さらに、表示デバイスタイミング生成部１５１２及び表示デバイス１５１３を備える。

　第４の実施形態における表示デバイス制御切換装置２７０は、第１の実施形態に、表示デバイスタイミング生成部１５１２及び表示デバイス１５１３を追加したものである。

　第４の実施形態の表示デバイス制御切換装置によれば、表示デバイスタイミング生成部１５１２の追加により、出力水平同期信号と垂直同期信号に同期したコントロール信号を出力することができる。また、さらに表示デバイス１５１３を加えることで、表示デバイス制御の切換時に有効表示領域外に不要な映像が出力される場合や、表示デバイス制御の切換え時に周期の変化が生じる場合においても、表示デバイス１５１３によって有効表示領域のみを表示することができる。

（第５の実施形態）
　第５の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成は、第１の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成と同様であるため、その説明を省略する。なお、本実施形態は、第２～第４の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成に対しても適用可能である。

　第５の実施形態では、第１の表示デバイス制御から第２の表示デバイス制御に切り換える際、切換え以降、今まで使用していたフレームメモリの領域を開放する。

　以下、本実施形態の表示デバイス制御切換装置２００の動作（表示デバイス制御切換手順）を示す。図７は、第５の実施形態における表示デバイス制御切換手順を示すフローチャートである。表示デバイス制御切換装置２００は、第１の表示デバイス制御時、表示デバイス制御の切換要求が発生した場合、本処理を開始する。

　表示デバイス制御切換装置２００は、第１の表示デバイス制御で出力垂直同期信号待ちを行う（ステップＳ１１）。出力垂直同期信号があった後、表示デバイス制御切換装置２００は、同期信号の切換えを行う（ステップＳ１２）。

　そして、表示デバイス制御切換装置２００は、有効表示領域終了以前のタイミングで同期信号の出力を停止する（ステップＳ１３）。そして、表示デバイス制御切換装置２００は、現在の映像信号の出力状態が有効表示領域にあるか否かを判別し（ステップＳ１４）、有効表示領域の終了以後の期間となるまで、ステップＳ１３の処理を繰り返す。この期間、フレームメモリ２０３に取り込まれた第１の入力映像の表示が継続される。

　有効表示領域の終了以後となると、表示デバイス制御切換装置２００は、第１の表示デバイス制御中にフレームメモリ２０３に取り込んでいた第１の入力映像の取込みを停止する（ステップＳ１５）。そして、表示デバイス制御切換装置２００は、同期信号の出力を許可し（ステップＳ１６）、表示レイヤを切り換え、完全に第２の表示デバイス制御に切り換える（ステップＳ１７）。この後、表示デバイス制御切換装置２００は本処理を終了する。

　表示デバイス制御の切換え後、ステップＳ１５でフレームメモリ２０３の使用を停止したため、このメモリ領域を別用途で使用することができる。

　なお、本実施形態では、第１の入力映像のフレームメモリ取込み停止を、有効表示領域の判別後に行っているが、複数バンクからなるフレームメモリを有する装置等では、取り込みを停止した後もバンクに残っている映像データが表示され続けるため、この処理に限定されるものではない。

　図８は、図７の表示デバイス制御切換えを行った際、互いに非同期な第１の入力映像と第２の入力映像、フレームメモリ（第１バンク）、フレームメモリ（第２バンク）、及び出力信号の垂直同期信号と映像信号の有効表示領域の様子を示す図である。図８に示す横軸は時間であり、切換要求発生８０１から表示レイヤ切換え８０８までの様子が示される。なお、図中、第１の入力映像、第２の入力映像であることを分かり易くするために、各映像には、それぞれ添え字ａ、ｂが付されている。後述する図９においても同様である。

　表示デバイス制御切換装置２００は、第１の表示デバイス制御中、切換要求発生８０１があると、垂直同期待ち８０２の期間、同期切換え８０３を待機する。

　次の垂直同期信号が出力されるタイミングで表示デバイス制御切換装置２００は、同期切換え８０３を実行する。同期切換え８０３後、第２の表示デバイス制御の同期信号となっているため、第１の表示デバイス制御の映像信号の途中で、垂直同期信号が出力される可能性がある。これを防止するために、表示デバイス制御切換装置２００は、出力同期信号マスク制御８０４によって有効表示領域終了以前に出力される同期信号のマスクを行い、乱れのない映像を表示し続ける。

　表示デバイス制御切換装置２００は、有効表示領域判別８０５で、有効表示領域後になるまで待機した後、フレームメモリ取込み停止８０６によって新たな第１入力映像の取込みを停止し、同期信号出力８０７で同期信号の出力を許可する。最後に、表示デバイス制御切換装置２００は、表示レイヤ切換え８０８で映像の切換えを行う。

　図９は、図８の制御に沿った実際の表示イメージの様子を示す図である。第１入力映像ｇ１は破線の矩形で示される。第２入力画像ｇ２は実線で示される。また、それぞれの矩形の内側は有効表示領域を示し、外側はブランキング領域を示す。

　表示デバイス制御の切換要求９０１が発生すると、従来では、表示デバイス制御の切換えと同時に、同期信号と映像信号を切り換えることになり、切換え前の映像が途中で途切れる可能性がある。また、切換え後の映像信号の途中から表示が始まる可能性がある。切換え後の映像９０２は、映像信号の途中から表示されている。

　これに対し、本実施形態では、表示デバイス制御の切換要求があっても、次の垂直同期信号の出力まで切換えを行わないため、映像９０３のように、切換え前の表示が乱れることがない。

　また、同期信号の切換え後、映像信号の有効表示領域の表示中、同期信号の出力をマスクするため、映像９０４のように、映像の乱れはない。有効表示領域の終了後に、同期信号の出力許可と表示レイヤ切換えを行うことで、映像９０４のブランキング領域に切換え後の映像が出力されるが、実際の機器では、この出力は表示されない期間で行われるため、問題は生じない。

　そして、次の映像９０５の表示まで、表示デバイス制御の切換え時の周期差分に相当する期間が空くが、同期信号が途中で入ることがないため、乱れた映像が表示されることはない。

（第６の実施形態）
　第６の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成は、第１の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成と同様であるため、その説明を省略する。なお、本実施形態は、第２～第４の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成に対しても適用可能である。

　第６の実施形態では、第２の表示デバイス制御から第１の表示デバイス制御に切り換える際、切換要求発生があった後からフレームメモリに取込みを開始しても表示デバイス制御の切換えが可能である。

　以下、本実施形態の表示デバイス制御切換装置２００の動作（表示デバイス制御切換手順）を示す。図１０は、第６の実施形態における表示デバイス制御切換手順を示すフローチャートである。表示デバイス制御切換装置２００は、第２の表示デバイス制御時、切換要求発生があると本処理を開始し、第２の表示デバイス制御で出力垂直同期信号待ちを行う（ステップＳ２１）。

　出力垂直同期信号があった後、表示デバイス制御切換装置２００は、同期信号の切換えを行う（ステップＳ２２）。同期信号の切換え後、表示デバイス制御切換装置２００は、第１の入力映像をフレームメモリ２０３に取り込むことを開始する（ステップＳ２３）。これにより、表示レイヤ切換え時に乱れのない映像を表示することができる。

　表示デバイス制御切換装置２００は、有効表示領域の終了以前のタイミングで同期信号の出力を停止する（ステップＳ２４）。表示デバイス制御切換装置２００は、有効表示領域の終了以前であるか否かを判別する（ステップＳ２５）。そして、現在の映像信号の出力状態が有効表示領域の終了以後の期間となるまで、表示デバイス制御切換装置２００は、ステップＳ２４の処理を繰り返す。

　有効表示領域の終了以後となると、表示デバイス制御切換装置２００は、同期信号の出力を許可し（ステップＳ２６）、完全に第１の表示デバイス制御に切り換える（ステップＳ２７）。この後、表示デバイス制御切換装置２００は本処理を終了する。

　第１の入力映像をフレームメモリ２０３に取り込んでいるため、表示レイヤの切換えまでに、１垂直同期期間の時間があり、１フレーム分の画像がフレームメモリ２０３に格納される。これにより、表示レイヤの切換え時に乱れた映像が表示されることはない。

　なお、本実施形態では、第１の表示デバイス制御が第２の表示デバイス制御と同期していない場合を想定していたが、任意のタイミングで内部の同期信号を出力できる第１の表示デバイス制御が可能である場合、出力同期信号マスク制御（ステップＳ２４）及び有効表示領域判別（ステップＳ２５）はなくてもよい。

　図１１は、図１０のフローチャートに沿って制御した時の、互いに非同期な第１入力映像と第２入力映像、フレームメモリ（第１バンク）、フレームメモリ（第２バンク）、及び出力信号の垂直同期信号と映像信号の有効表示領域の様子を示す図である。図１１では、横軸に時間が取られており、切換要求発生１１０１から表示レイヤ切換え１１０８までの様子が示されている。なお、図中、第１の入力映像、第２の入力映像であることを分かり易くするために、各映像には、それぞれ添え字ａ、ｂが付されている。図１２においても同様である。

　表示デバイス制御切換装置２００は、第２の表示デバイス制御中、切換要求発生１１０１があると、垂直同期待ち１１０２の期間、同期切換え１１０３を待機する。表示デバイス制御切換装置２００は、次の垂直同期信号が出力されるタイミングで同期切換え１１０３を実行する。同期切換え１１０３の後、表示デバイス制御切換装置２００は、フレームメモリ取込み開始１１０４で第１の入力映像をフレームメモリ２０３に取り込む。

　同期切換え１１０３後、第１の表示デバイス制御の同期信号となっているため、第１の表示デバイス制御を第２の表示デバイス制御と非同期に行っている場合、映像信号の途中で垂直同期信号が出力される可能性がある。これを防止するために、表示デバイス制御切換装置２００は、出力同期信号マスク制御１１０５によって有効表示領域の終了以前に出力される同期信号のマスクを行い、乱れのない映像を表示し続ける。

　そして、有効表示領域判別１１０６で有効表示領域後になるまで待機した後、表示デバイス制御切換装置２００は、同期信号出力１１０７で同期信号の出力を許可する。最後に、表示デバイス制御切換装置２００は、表示レイヤ切換え１１０８で映像の切換えを行う。

　図１２は、図１１の制御に沿った実際の表示イメージの様子を示す図である。第２の入力映像ｇ３は破線の矩形で示される。第１の入力画像ｇ４は実線で示される。また、それぞれの矩形の内側は有効表示領域を示し、外側はブランキング領域を示す。

　表示デバイス制御の切換要求１２０１が発生すると、従来では、表示デバイス制御の切換えと同時に、同期信号と映像信号を切り換えることになり、まだフレームメモリに取り込まれていない映像を出力する可能性がある。従来の映像１２０２では、フレームメモリに映像が完全に取り込まれる前に切り換えが行われている。

　これに対し、本実施形態では、表示デバイス制御の切換要求があっても、次の垂直同期信号の出力まで切換えを行わない。このため、映像１２０３のように、切換え前の表示が乱れることがない。同期信号の切換え後、映像信号の有効表示領域の表示中、同期信号の出力をマスクするため、映像１２０４のように映像の乱れは生じない。映像１２０４を表示中に第１の入力映像をフレームメモリに取り込み、次の有効表示領域終了後、フレームメモリの映像を表示することができる。

（第７の実施形態）
　第７の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成は、第１の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成と同様であるため、その説明を省略する。なお、本実施形態は、第２～第４の実施形態の表示デバイス制御切換装置の構成に対しても適用可能である。

　以下、本実施形態の表示デバイス制御切換装置２００の動作（表示デバイス制御切換手順）を示す。図１３は、第７の実施形態における表示デバイス制御切換手順を示すフローチャートである。表示デバイス制御切換装置２００は、切換要求発生があると、本処理を開始し、現在の映像信号の出力状態が有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間であるか否かを判別する（ステップＳ３１）。この条件に当てはまる場合、表示デバイス制御切換装置２００は、同期信号を切り換え（ステップＳ３２）、映像信号を切り換える（ステップＳ３３）。この後、表示デバイス制御切換装置２００は本処理を終了する。

　このように、有効表示領域の終了後から次の垂直同期信号が出力されるまでの期間は、有効表示領域の映像が出力された直後である。このため、表示機器には、乱れた映像が表示されることはない。

　図１４は、図１３に沿って制御した時の第１入力映像、第２入力映像及び出力の様子を示す図である。切換要求発生１４０１があると、有効表示領域判別１４０２によって、現在の映像信号の出力状態が有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間にあるか否かが判別される。この条件に当てはまる場合、次の垂直同期タイミングを待つことなく、出力同期信号切換え１４０３で同期信号を切り換え、また、１垂直同期期間の経過を待つことなく、出力映像信号切換え１４０４で映像信号を切り換える。このように、有効表示領域判別１４０２で有効表示領域終了後から次の垂直同期信号までの期間である場合、有効表示領域の映像が出力された直後であるため、表示機器には乱れた映像が表示されることはない。

　本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

　本出願は、2010年8月31日出願の日本特許出願（特願2010-193626）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本発明に係る表示制御装置は、互いに非同期な複数の入力映像を切り換えて出力する表示デバイス制御切換装置等として有用である。

２００，２５０，２６０，２７０　表示デバイス制御切換装置
２０１　第１映像入力部
２０２　第２映像入力部
２０３　フレームメモリ
２０４　メモリ制御部
２０５　映像セレクタ
２０６　内部同期生成部
２０７　同期セレクタ
２０８　出力同期生成部
２０９　垂直同期更新部
２１０　映像切換制御部
２１１　同期マスク制御部
３１２　水平同期誤差検出装置
３１３　バッファ制御部
３１４　ラインバッファ
４０６　出力同期生成部
５００，５０７　エッジ検出部
５０１　ラインカウンタ
５０２　垂直有効表示領域判定部
５０３　高さ比較部
５０４，５１１　ＯＲゲート
５１０　横幅比較器
５１２　ＡＮＤゲート
５１３　同期生成部
５１４　アドレス生成部
５１５　映像切換制御部
５１６　垂直同期更新制御部
５１７　同期セレクタ
１５１２　表示デバイスタイミング生成部
１５１３　表示デバイス

Claims

　第１の入力映像を取り込むフレームメモリと、
　前記第１の入力映像を前記フレームメモリに取り込み、内部で生成した内部同期信号に同期させて映像を出力する第１の表示制御部と、
　第２の入力映像を前記フレームメモリに取り込まず、前記第２の入力映像に含まれる外部同期信号に同期させて映像を出力する第２の表示制御部と、を備え、
　前記第１の表示制御部と前記第２の表示制御部を切り換えて映像を出力する表示制御装置であって、
　垂直同期タイミングで同期信号の切換えを行う垂直同期更新部と、
　前記同期信号の切換え後、有効表示領域期間、前記切り換えられた同期信号の出力を停止する同期マスク制御部と、
　前記同期信号を切り換えた後の１垂直同期期間経過後に映像を切り換える映像切換部と、
を備えた表示制御装置。
　請求項１に記載の表示制御装置であって、
　前記第１の表示制御部又は前記第２の表示制御部によって出力される映像を取り込むラインバッファと、
　前記第１の表示制御部の水平同期信号と前記第２の表示制御部の水平同期信号の差を検出する水平同期誤差検出部と、
　前記水平同期誤差検出部によって検出された水平同期信号の差に応じて、前記ラインバッファに取り込まれた映像の出力を制御するバッファ制御部と、
を備えた表示制御装置。
　請求項１に記載の表示制御装置であって、
　前記同期マスク制御部は、
　水平ドットクロックを計数するピクセルカウンタと、
　前記ピクセルカウンタの値がブランキング領域の横幅以上になると、前記ピクセルカウンタの値をクリアする横幅比較部と、
　前記ピクセルカウンタの値が有効表示領域にある場合、前記ピクセルカウンタのクリア信号に対するマスク信号を発行する水平有効表示領域判定部と、
　前記ピクセルカウンタのクリア信号を計数するラインカウンタと、
　前記ラインカウンタの値がブランキング領域の高さ以上になると、前記ラインカウンタの値をクリアする高さ比較部と、
　前記ラインカウンタの値が有効表示領域にある場合、前記ラインカウンタのクリア信号に対するマスク信号を発行する垂直有効表示領域判定部と、
を有する表示制御装置。
　請求項１に記載の表示制御装置であって、
　水平同期信号及び垂直同期信号に同期したコントロール信号を出力するタイミング生成部と、
　前記タイミング生成部から出力される前記コントロール信号にしたがって、有効表示領域のみ映像を表示する表示部と、
を備えた表示制御装置。
　請求項１～４のいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
　前記第１の表示制御部から前記第２の表示制御部に切り換える場合、前記第１の表示制御部は、前記同期信号の切換え直後の１垂直同期期間、前記フレームメモリに取り込んだ映像を出力し続け、前記１垂直同期期間経過後から前記フレームメモリへの映像の取り込みを停止する表示制御装置。
　請求項１～４のいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
　前記第２の表示制御部から前記第１の表示制御部に切り換える場合、前記第１の表示制御部は、前記同期信号の切換え直後から前記フレームメモリに前記第１の入力映像の取込みを開始する表示制御装置。
　請求項１～４のいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
　前記有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間であるか否かを判定する判定部を備え、
　前記判定の結果、現在の映像の出力状態が前記有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間にある場合、前記垂直同期更新部は、前記垂直同期タイミングを待つことなく同期信号を切り換え、前記映像切換部は、前記１垂直同期期間の経過を待つことなく映像を切り換える表示制御装置。
　第１の入力映像を取り込むフレームメモリと、前記第１の入力映像を前記フレームメモリに取り込み、内部で生成した内部同期信号に同期させて映像を出力する第１の表示制御部と、第２の入力映像を前記フレームメモリに取り込まず、前記第２の入力映像に含まれる外部同期信号に同期させて映像を出力する第２の表示制御部と、を備えた表示制御装置の表示制御方法であって、
　前記第１の表示制御部と前記第２の表示制御部を切り換えて映像を出力する際、垂直同期タイミングで同期信号の切換えを行う垂直同期更新ステップと、
　前記同期信号の切換え後、有効表示領域期間、前記切り換えられた同期信号の出力を停止する同期マスク制御ステップと、
　前記同期信号を切り換えた後の１垂直同期期間経過後に映像を切り換える映像切換ステップと、
を有する表示制御方法。
　請求項８に記載の表示制御方法であって、
　前記第１の表示制御部から前記第２の表示制御部に切り換える場合、前記第１の表示制御部は、前記同期信号の切換え直後の１垂直同期期間、前記フレームメモリに取り込んだ映像を出力し続ける表示継続ステップと、
　前記第１の表示制御部は、前記１垂直同期期間経過後から前記フレームメモリへの映像の取り込みを停止する停止ステップと、
を有する表示制御方法。
　請求項８に記載の表示制御方法であって、
　前記第２の表示制御部から前記第１の表示制御部に切り換える場合、前記第１の表示制御部は、前記同期信号の切換え直後から、前記フレームメモリに前記第１の入力映像の取込みを開始するステップを有する表示制御方法。
　請求項８に記載の表示制御方法であって、
　前記有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間であるか否かを判定する判定ステップを有し、
　前記判定の結果、現在の映像の出力状態が前記有効表示領域の終了以後から次の垂直同期信号が出力されるまでの間にある場合、前記垂直同期更新ステップでは、前記垂直同期タイミングを待つことなく同期信号を切り換え、前記映像切換ステップでは、前記１垂直同期期間の経過を待つことなく映像を切り換える表示制御方法。