WO2012023229A1

WO2012023229A1 - 建設機械のフィルタ目詰まり検出装置

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Publication number: WO2012023229A1
Application number: PCT/JP2011/003193
Authority: WO
Inventors: 秀和岡; 昌之小見山
Original assignee: コベルコ建機株式会社
Priority date: 2010-08-20
Filing date: 2011-06-07
Publication date: 2012-02-23
Also published as: CN103080429A; CN103080429B; JP2012041767A; JP5402875B2

Abstract

　建設機械に設けられるフィルタ６の目詰まりを検出するための装置であって、寒冷時でも必要な検出頻度を確保しながら、通常温度下での高い検出精度を維持することができる装置を提供する。この装置は、フィルタ６を流れる作動油の温度を検出する温度検出器１０と、フィルタ６に作用する圧力を検出する圧力検出器１１と、検出される圧力に基づいて目詰まり検出を行うコントローラ９と、を備える。コントローラ９は、作動油温度が、フィルタ目詰まりの検出を許容する温度の最低値として規定された規定温度以上であるときにのみ、圧力検出器１１が検出した圧力に基づいてフィルタ６が目詰まり状態であるか否かを判定する目詰まり検出を行い、かつ、前記規定温度を、エンジン始動前の作動油温度である初期油温に応じて、当該初期油温が低いほど当該規定温度を下げる方向に変更する。

Description

建設機械のフィルタ目詰まり検出装置

　本発明は油圧ショベル等の建設機械において作動油を濾過するフィルタの目詰まりを検出するためのフィルタ目詰まり検出装置に関するものである。

　従来、建設機械に設けられるフィルタの目詰まりを検出するための装置として、特許文献１に示されるものが知られている。この装置は、フィルタの前後の差圧を検出し、この差圧が設定値以上となったときに目詰まり状態であると判定する。

　この装置において、前記作動油の温度が変化すると、当該作動油の動粘度が変化し、前記フィルタの前後の差圧に影響する。従って、前記フィルタの目詰まりの検出の精度を上げるためには、作動油温度を管理することが望ましい。そこで、前記特許文献１に記載された装置は、作動油温度を検出する油温センサと、その検出された作動油温度が予め規定された温度（目詰まり検出に適した温度。たとえば５０℃以上）よりも低いときに電磁リリーフ弁を作動させる等して作動油温度を上昇させる昇温処理を行うことにより当該作動油温度を基準範囲内に制御する手段と、をさらに備えている。

　ところが、この装置では、寒冷時（とくに寒冷地の冬季）において、前記昇温処理を行っても油温が規定温度まで上がらない場合が生じ得る。この場合には目詰まりの検出を実行することができない。このことは、目詰まり検出の頻度を下げ、検出漏れをもたらすおそれがある。

特開２００４－３３７６６８号公報

　本発明者は、前記目詰まりの検出の頻度を高める方策として、特許文献１に記載されるような基準範囲、つまり、目詰まりの検出を許容する許容温度範囲、を広げること、具体的には前記寒冷時を基準として低く設定することについて検討した。しかし、このような単純な許容温度範囲の拡大は、寒冷時以外の通常温度下での検出精度の低下を招いてしまう。

　本発明の目的は、建設機械に設けられるフィルタの目詰まりを検出するための装置であって、寒冷時でも必要な検出頻度を確保しながら、通常温度下での高い検出精度を維持することができる装置を提供することにある。この装置は、エンジンと、このエンジンによって駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される作動油によって駆動される油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから吐出された作動油をタンクへ戻すための戻りラインに設けられ、当該戻りラインを流れる作動油を濾過するフィルタと、を備えた建設機械に設けられて前記フィルタの目詰まりを検出する装置であって、前記作動油の温度を検出する油温検出器と、前記フィルタに作用する圧力を検出する圧力検出器と、前記圧力検出器によって検出される圧力に基づいて目詰まり検出を行うコントローラと、を備える。このコントローラは、作動油温度が、フィルタ目詰まりの検出を許容する温度の最低値として規定された規定温度以上であるときにのみ、前記圧力検出器が検出した圧力に基づいて前記フィルタが目詰まり状態であるか否かを判定する目詰まり検出を行う目詰まり検出部と、前記規定温度を、エンジン始動前の作動油温度である初期油温に応じて、当該初期油温が低いほど当該規定温度を下げる方向に変更する規定温度設定部と、を有する。

本発明の実施形態に係る建設機械の油圧回路と、これに設けられるフィルタの目詰まりを検出するための装置と、を示す図である。同装置による目詰まり検出動作を説明するためのフローチャートの前半部分である。前記フローチャートの後半部分である。

　図１は、本発明の実施形態に係る建設機械の油圧回路と、これに設けられるフィルタの目詰まりを検出するための装置の回路構成と、を示す。

　前記建設機械は、可変容量型の油圧ポンプ１と、エンジン２と、コントロールバルブ４と、油圧アクチュエータ（図例では油圧シリンダ）５と、当該油圧アクチュエータを動かすために操作される操作装置としてのリモコン弁３と、フィルタ６と、バイパスチェック弁７と、前記油圧ポンプ１の吐出流量を調整するためのポンプレギュレータ８と、このポンプレギュレータ８を制御するコントローラ９と、を備える。前記油圧ポンプ１は、前記エンジン２により駆動されてタンクＴ内の作動油を吐出する。この吐出された作動油は、前記コントロールバルブ４を通じて前記油圧アクチュエータ５に供給されて当該油圧アクチュエータ５を作動させ、前記コントロールバルブ４は前記リモコン弁３によって操作される。前記油圧アクチュエータ５から排出される作動油は前記コントロールバルブ４さらにはフィルタ６を通って前記タンクＴに戻される。前記バイパスチェック弁７は、前記フィルタ６と並列に接続され、このフィルタ６が完全に目詰まりしたときに油をタンクＴに逃がすように開弁する。

　この建設機械には、前記フィルタ６の目詰まりを検出するための装置をさらに具備する。この装置は、前記フィルタ６を通過する作動油の温度に対応した温度検出信号を出力する温度検出器である油温センサ１０と、フィルタ６の前後の差圧に応じてＯＮ／ＯＦＦ作動する圧力検出器としての差圧スイッチ１１と、前記コントローラ９に含まれる目詰まり判定部及び規定温度設定部と、表示装置１２と、を備える。前記油温センサ１０からの温度検出信号及び差圧スイッチ１１のＯＮ／ＯＦＦ信号が前記コントローラ９に入力される。前記差圧スイッチ１１は、前記フィルタ６の前後の差圧が予め設定された基準値以上である場合にＯＮの信号を出力し、それ以外はＯＦＦとなるように作動する。前記基準値は、フィルタ６に予め定められた規定流量の作動油が流されたときに前記差圧が前記基準値以上であるとフィルタ６が目詰まりしていると判定することが可能な値に設定されている。前記表示装置１２は、前記コントローラ９が出力する判定信号に基づいて「正常」「異常」の判定結果を表示する。この表示は、例えば、モニタ画面での表示やブザーの作動による警告を含む。

　前記リモコン弁３は、オペレータにより操作されるレバーを含み、このレバーの操作に応じてパイロット圧を発生させ、このパイロット圧を前記コントロールバルブ４に送ることにより当該コントロールバルブ４を作動させる。このリモコン弁３を含む油圧回路には、前記パイロット圧を検出する圧力センサ１３，１４が設けられる。これらの圧力センサ１３，１４は前記レバーの操作内容を電気信号に変換する操作検出器として機能し、その電気信号すなわち操作検出信号がコントローラ９に入力される。

　また、この建設機械には、前記エンジン２を始動／停止させるためのオンオフ信号を出力するエンジンキースイッチ１５が設けられ、そのオンオフ信号も前記コントローラ９に入力される。

　前記コントローラ９は、前記エンジンキースイッチ１５が出力するオンオフ信号、圧力センサ１３，１４が出力する操作検出信号、及び差圧スイッチ１１が出力するオンオフ信号に基づき、ポンプレギュレータ８を制御しながらフィルタ６の目詰まりの検出を行う。具体的に、コントローラ９は、検出される作動油温度が、フィルタ目詰まりの検出を許容する温度の最低値として規定された規定温度以上であるときにのみ、差圧スイッチ１１の出力信号に基づいて前記目詰まり状態を判定する目詰まり検出部と、前記規定温度を、エンジン２が始動する前の作動油温度である初期油温に応じて、当該初期油温が低いほど当該規定温度を下げる方向に変更する規定温度設定部と、を有する。

　次に、このコントローラ９が具体的に行う動作の内容を図２，３のフローチャートを参照しながら説明する。

　図２のステップＳ１において、コントローラ９は、エンジン２を始動させるようにエンジンキースイッチ１５がオン操作された時点、つまりエンジンキースイッチ１５の出力信号がオンに切換えられた時点、において温度センサ１０が検出する作動油温度である初期油温Ｔｉを記憶する。

　ステップＳ２において、コントローラ９は、前記初期油温Ｔｉが設定値（たとえば－５℃）以上か未満かを判定し、設定値以上の場合は、フィルタ目詰まり検出を許容すべき作動油の温度の下限値である規定温度Ｔｒを第１規定温度（たとえば５０℃）に設定し、設定値未満の場合は前記規定温度Ｔｒを前記第１規定温度よりも低い第２規定温度（たとえば３０℃）に設定する。

　ステップＳ３において、コントローラ９は、現在検出されている作動油温度が規定温度Ｔｒに達したか否かを判定する。規定温度Ｔｒに達していない場合（ステップＳ３でＮＯ）はまだ目詰まり判定を行うべきでないため、ステップＳ４において目詰まり判定を許容するための判定許容フラグをＯＦＦにする。一方、規定温度Ｔｒに達している場合（ステップＳ３でＹＥＳ）、ステップＳ５においてコントローラ９はリモコン弁３のレバーが操作されているか否かを判定する。当該レバーが操作されている場合（ステップＳ５でＮＯ）は作業中につき目詰まり判定を行うべきでないとしてこの場合も前記判定許容フラグをＯＦＦにする。一方、レバーが操作されていない場合（ステップＳ５でＹＥＳ）、作業中でないから目詰まり判定を行ってもよいとして判定許容フラグをＯＮとする（ステップＳ６）。

　図３のステップＳ７において、コントローラ９は、判定許容フラグがＯＮか否かを判断し、ＯＮの場合（ステップＳ７でＹＥＳ）にのみ以下の目詰まり検出を行う。

　まず、コントローラ９は、ステップＳ８において、検出動作時間すなわち目詰まり検出を継続して行う時間についてのカウントを開始するとともに、ポンプ吐出量を目詰まり検出に適した規定流量（たとえばポンプ最大吐出量）に設定し、ポンプレギュレータ８に指令する。

　ステップＳ９において、コントローラ９は、差圧スイッチ１１がＯＮか否かを判定し、ＯＮの場合にのみ（ステップＳ９でＹＥＳ）差圧スイッチ１１のＯＮ状態が継続する時間についてのカウントを開始する（ステップＳ１０）。さらに、ステップＳ１１，Ｓ１２において、前記検出動作時間及び差圧スイッチＯＮ時間がそれぞれについて予め設定された検出所要時間及び目詰まり判定時間を超えたか否かを判定し、いずれも超えている場合（ステップＳ１１，Ｓ１２でともにＹＥＳ）にフィルタ６が目詰まり状態にある、つまり異常である、と判定する（ステップＳ１３）。一方、差圧スイッチＯＮ時間が目詰まり判定時間に達していない場合（ステップＳ１２でＮＯ）は目詰まり状態でない、つまり正常である、と判定する（ステップＳ１４）。

　コントローラ９は、前記判定後にステップＳ１５において判定済みフラグをＯＮにして検出動作時間及び差圧スイッチＯＮ時間についてのカウントをそれぞれリセットする。そして、ステップＳ１６で「正常」または「異常」の判定結果を表示手段１２に表示させる。これにより、フィルタ目詰まり検出が終了する。

　なお、ステップＳ７，Ｓ１１でＮＯの場合はステップＳ３に戻り、ステップＳ９でＮＯ（差圧スイッチＯＦＦ）の場合はステップＳ１１に移行する。

　このように、コントローラ９は、目詰まり検出を許容すべき作動油温度の下限値である規定温度Ｔｒを、エンジン始動前の初期油温Ｔｉに応じて当該初期油温Ｔｉが低い時に高い時よりも下げる方向で変更することにより、寒冷時にも必要なフィルタ目詰まり検出頻度を確保することができる。しかも、初期油温Ｔｉが高い場合（例えば通常温度の場合）には規定温度を上げるため、このときの検出精度を高めることができる。すなわち、寒冷時でも必要な検出頻度を確保しながら、通常温度下での高い検出精度を維持することができる。

　なお、初期油温Ｔｉが設定値未満の場合、規定温度Ｔｒが第１規定温度よりも低い第２規定温度となるため、規定温度Ｔｒが第１規定温度の場合よりも検出精度が低くなるが、当該第２規定温度が上に例示した３０℃程度であれば、必要な検出頻度を確保しつつ、検出誤差を現実に差し支えない程度に抑えることが可能である。

　さらに、この実施の形態に係る装置は次の効果を奏する。

　（ａ）目詰まり検出を行う期間は、リモコン弁３が操作されない時、つまり作業休止時に限定されるから、作業に支障を与えない範囲でフィルタの目詰まり検出を行うことができる。さらに、目詰まり検出中（図３のステップＳ１１でＮＯとなる間）にリモコン弁３の操作が開始された時点で（図２のステップＳ５でＮＯ）ステップＳ４において判定許容フラグがＯＦＦに切換えられて目詰まり検出を中断させるため、当該操作に起因するフィルタ前後の圧力の変動に基づいて誤検出を行うことが阻止される。

　（ｂ）コントローラ９は、油圧ポンプ１に規定流量を吐出させた状態（図３のステップＳ８）で目詰まり検出を行うため、検出に適した流量を規定流量として設定することにより、検出精度を上げることができる。しかも、規定流量を一定時間継続して流すため（ステップＳ１１）、検出精度がより向上する。また、前記目詰まり検出の中断に伴ってポンプ吐出量を操作に応じた値に戻す、つまり通常の流量制御に戻るため、流量が多いまま操作が行われることで微操作性が損なわれるというおそれがない。

　（ｃ）圧力検出器としてオン／オフ式の差圧スイッチ１１を用いるため、圧力検出器のコストが安くてすむ。また、差圧スイッチ１１の作動状態が一定時間継続したときに目詰まり状態であると判定するため（ステップＳ１３）、目詰まり以外の原因によって一時的に差圧スイッチ１１が作動した場合に誤って目詰まり状態と判定するのを防ぎ、これにより検出精度を上げることができる。

　（ｄ）図３のステップＳ１５で判定済みフラグを立てることにより、エンジンキースイッチ１５の１回のオン操作についての目詰まり検出回数を１回に制限するから、とくに前記実施形態のようにリモコン弁３の非操作時にのみ規定流量を流して目詰まり検出を行う場合に、非操作時ごとに目詰まり検出が実行されることによる著しいエネルギーのロスを防止することができる。

　また、本発明は前記実施形態の他に例えば次のような実施形態を含む。

　（１）目詰まり検出頻度が過剰とならないように、前回の目詰まり検出の終了時点から計測された経過時間が一定以上の場合にのみ次の目詰まり検出が許容されてもよい。

　（２）前記実施形態に係るコントローラ９は、１回のエンジンキースイッチＯＮ操作で１回だけ目詰まり検出を行い、この１回の検出動作で「異常」を判定したときに直ちに目詰まり状態という最終判断をするが、複数回（たとえば３回）のエンジンキースイッチＯＮ操作による複数回の検出作用によって連続して「異常」の判定が出されたときにのみ目詰まり状態であるとの最終判断をするものでもよい。

　（３）前記実施形態に係るコントローラ９は、初期油温が設定値以上か未満かによって規定温度を２種類の規定温度すなわち第１及び第２両規定温度のうちから選択するものであるが、初期油温について３以上の温度領域が設定され、各温度領域について互いに異なる３種類以上の規定温度が設定されてもよい。つまり、規定温度が予め設定された３種類以上の温度から選択されてもよい。あるいは、前記のように初期油温と規定温度の関係が設定されたテーブルをコントローラ９が記憶し、このテーブルに基づいて初期油温に応じた規定温度を決定してもよい。

　（４）前記実施形態では、目詰まり状態の有無のみが判定及び表示されるが、圧力検出器としてフィルタ６の前後の差圧を検出する圧力センサが用いられ、この圧力センサが検出した差圧に基づいて目詰まり状態の有無だけで無くその目詰まり度合いが割り出されてもよい。さらに、その度合いが逐次あるいは適時に表示されてもよい。

　以上のように、本発明によれば、建設機械に設けられるフィルタの目詰まりを検出するための装置であって、寒冷時でも必要な検出頻度を確保しながら、通常温度下での高い検出精度を維持することができる装置が提供される。この装置は、エンジンと、このエンジンによって駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される作動油によって駆動される油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから吐出された作動油をタンクへ戻すための戻りラインに設けられ、当該戻りラインを流れる作動油を濾過するフィルタと、を備えた建設機械に設けられて前記フィルタの目詰まりを検出する装置であって、前記作動油の温度を検出する油温検出器と、前記フィルタに作用する圧力を検出する圧力検出器と、前記圧力検出器によって検出される圧力に基づいて目詰まり検出を行うコントローラと、を備える。このコントローラは、作動油温度が、フィルタ目詰まりの検出を許容する温度の最低値として規定された規定温度以上であるときにのみ、前記圧力検出器が検出した圧力に基づいて前記フィルタが目詰まり状態であるか否かを判定する目詰まり検出を行う目詰まり検出部と、前記規定温度を、エンジン始動前の作動油温度である初期油温に応じて、当該初期油温が低いほど当該規定温度を下げる方向に変更する規定温度設定部と、を有する。

　この装置に係る規定温度設定部は、目詰まり検出が許容される作動油温度の下限値として設定される規定温度を、エンジン始動前の初期油温に応じて、当該初期油温が低いほど当該規定温度を下げる方向に変更することにより、寒冷時にも必要なフィルタ目詰まり検出頻度を確保することを可能にする。その一方、初期油温が高いとき（例えば初期油温が通常温度のとき）には規定温度を上げることで適正な検出精度の維持を可能にする。

　前記規定温度設定部は、前記初期油温と前記規定温度との関係について予めテーブルとして設定されたものを記憶して前記初期油温に対応する規定温度を当該テーブルに基づいて決定してもよいし、前記初期油温が設定値（たとえば－５℃）以上の場合は前記規定温度を第１規定温度に設定し、前記初期油温が前記設定値未満のときは前記規定温度を前記第１規定温度よりも低い第２規定温度に設定するものでもよい。後者の場合には目詰まり検出のための制御が簡素化される。

　本発明に係るフィルタ目詰まり検出装置が、例えば、前記油圧アクチュエータを動かすために操作される操作装置と、この操作装置の操作の有無を検出する操作検出器とをさらに備える建設機械に設けられる場合には、前記コントローラは、好ましくは、前記操作装置の非操作時にのみ前記目詰まり検出を行うのがよい。このように操作装置の非操作時、つまり作業休止時に目詰まり検出の時期を制限することが、作業に支障を与えない範囲でフィルタの目詰まり検出を行うことを可能にする。

　さらに、前記コントローラの目詰まり検出部が、前記目詰まり検出中に前記操作装置の操作があったときに当該目詰まり検出を中断するものであれば、前記操作装置の操作に起因する前記フィルタの前後の圧力の変動に基づいて誤まった目詰まり検出を行うことが、防がれる。

　前記建設機械における油圧ポンプがポンプレギュレータによって吐出流量が制御される可変容量型の油圧ポンプである場合、前記コントローラは、前記油圧ポンプに前記作動油を前記規定流量で吐出させながら前記目詰まり検出を行うのが好ましい。ここでは、前記規定流量が目詰まり検出に適した流量に設定されることで、検出精度が向上する。

　さらに、前記コントローラは、前記油圧ポンプに前記作動油を前記規定流量で吐出させる状態を一定時間継続させることがより好ましく、これにより、検出精度はさらに向上する。

　また、前記フィルタ目詰まり検出装置が、前記油圧アクチュエータを操作する操作装置と、この操作装置の操作の有無を検出する操作検出器とをさらに備える建設機械に設けられる場合、前記コントローラの目詰まり検出部は、前記操作装置の非操作時にのみ前記目詰まり検出を行い、前記目詰まり検出中に前記操作装置の操作があったときに、当該目詰まり検出を中断するとともに当該操作に応じたポンプ吐出量を前記ポンプレギュレータに指令するのが、好ましい。この装置では、操作装置の非操作時に作動油を規定流量で流して目詰まり検出を行い、操作があったときに目詰まり検出を中断するのに加え、その中断とともにポンプ吐出量を操作に応じた値、つまり通常の流量制御に戻すことで、流量が多いまま操作が行われることによる微操作性の損失が防がれる。

　前記圧力検出器は、前記フィルタの前後の差圧が目詰まり状態を表す目詰まり基準値以上であるときに作動する、オンオフ式で低コストの差圧スイッチを含むのが好ましい。その場合、前記コントローラの目詰まり検出部は、この差圧スイッチの作動時に前記フィルタが目詰まり状態であると判定することができる。この場合、前記コントローラの目詰まり検出部は、前記差圧スイッチが一定時間継続して作動したときに目詰まり状態であると判定するのが、より好ましい。このことは、目詰まり以外の原因によって一時的に差圧スイッチが作動した場合に誤って目詰まり状態であると判定することを防ぎ、これにより検出精度のさらなる向上に寄与する。

　また、前記コントローラの目詰まり検出部は、前記エンジンを始動させるキースイッチの１回のオン操作につき１回だけ前記目詰まり検出を行うものが、好適である。このようにしてエンジンキースイッチの１回のオン操作あたりの目詰まり検出回数が１回に制限することが、とくに操作装置の非操作時に規定流量を流して目詰まり検出を行う場合に、必要以上に目詰まり検出が実行されることによるエネルギーのロスの抑止を可能にする。

Claims

　エンジンと、このエンジンによって駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される作動油によって駆動される油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから吐出された作動油をタンクへ戻すための戻りラインに設けられ、当該戻りラインを流れる作動油を濾過するフィルタと、を備えた建設機械に設けられて前記フィルタの目詰まりを検出する装置であって、
　前記作動油の温度を検出する油温検出器と、
　前記フィルタに作用する圧力を検出する圧力検出器と、
　前記圧力検出器によって検出される圧力に基づいて目詰まり検出を行うコントローラと、を備え、このコントローラは、作動油温度が、フィルタ目詰まりの検出を許容する温度の最低値として規定された規定温度以上であるときにのみ、前記圧力検出器が検出した圧力に基づいて前記フィルタが目詰まり状態であるか否かを判定する目詰まり検出を行う目詰まり検出部と、前記規定温度を、エンジン始動前の作動油温度である初期油温に応じて、当該初期油温が低いほど当該規定温度を下げる方向に変更する規定温度設定部と、を有する、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項１記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　前記コントローラの規定温度設定部は、前記初期油温が設定値以上の場合は前記規定温度を第１規定温度に設定し、前記初期油温が前記設定値未満のときは前記規定温度を前記第１規定温度よりも低い第２規定温度に設定する、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項１または２記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　当該フィルタ目詰まり検出装置は、前記油圧アクチュエータを操作する操作装置と、この操作装置の操作の有無を検出する操作検出器とをさらに備える建設機械に設けられるものであって、前記コントローラは、前記操作装置の非操作時にのみ前記目詰まり検出を行う、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項３記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　前記コントローラの目詰まり検出部は、前記目詰まり検出中に前記操作装置の操作があったときに当該目詰まり検出を中断する、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項１または２記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　当該フィルタ目詰まり検出装置は、前記油圧ポンプがポンプレギュレータによって吐出流量が制御される可変容量型の油圧ポンプである建設機械に設けられるものであって、前記コントローラは、前記油圧ポンプに前記作動油を前記規定流量で吐出させながら前記目詰まり検出を行う、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項５記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　前記コントローラは、前記油圧ポンプに前記作動油を前記規定流量で吐出させる状態を一定時間継続させる、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項５または６記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　当該フィルタ目詰まり検出装置は、前記油圧アクチュエータを操作する操作装置と、この操作装置の操作の有無を検出する操作検出器とをさらに備える建設機械に設けられるものであって、前記コントローラの目詰まり検出部は、前記操作装置の非操作時にのみ前記目詰まり検出を行い、前記目詰まり検出中に前記操作装置の操作があったときに、当該目詰まり検出を中断するとともに当該操作に応じたポンプ吐出量を前記ポンプレギュレータに指令する、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項１～７のいずれかに記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　前記圧力検出器は、前記フィルタの前後の差圧が目詰まり状態を表す目詰まり基準値以上であるときに作動する差圧スイッチを含み、前記コントローラの目詰まり検出部は、この差圧スイッチの作動時に前記フィルタが目詰まり状態であると判定する、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項８記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　前記コントローラの目詰まり検出部は、前記差圧スイッチが一定時間継続して作動したときに目詰まり状態であると判定する、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。
　請求項１～９のいずれかに記載の建設機械のフィルタ目詰まり検出装置において、
　前記コントローラの目詰まり検出部は、前記エンジンを始動させるキースイッチの１回のオン操作につき１回だけ前記目詰まり検出を行う、建設機械のフィルタ目詰まり検出装置。