WO2011122092A1 - タービン - Google Patents
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Abstract
Description
このようなシール構造によれば、ステップ部とシールフィンとの隙間を通り抜けた漏れ流れがステップ部の端縁部を形成する段差面に衝突し、流動抵抗が増大することにより、漏洩流量が低減される。
この場合には、回転軸方向壁面とフィン本体部とによって剥離渦の流れが規制される。したがって、剥離渦の流れがさらに強められ、縮流効果をさらに高めることができる。
この場合には、回転軸を含む面での断面において、回転軸方向壁面に沿って円弧状に剥離渦が流れる。したがって、剥離渦の流れ方向をスムーズに変化させることができ、剥離渦への規制効果を強めることができる。よって、剥離渦の流れがさらに強められ、縮流効果をさらに高めることができる。
この場合には、回転軸を含む面での断面において、回転軸方向壁面からフィン本体部に沿って円弧状に剥離渦が流れる。したがって、回転軸方向壁面に沿って流れる剥離渦をスムーズにフィン本体部に沿わせて流すことができ、剥離渦への規制効果を強めることができる。よって、剥離渦の流れがさらに強められ、縮流効果をさらに高めることができる。
この場合には、上記微小隙間の回転軸方向上流側において、回転軸方向下流側に流れる漏れ流れに向かうように剥離渦のダウンフローが流れる。そのため、フィン本体部の先端部近傍において、漏れ流れと剥離渦のダウンフローとが合流した流れにおける流速の回転軸方向速度成分VXが小さくなる。フィン本体部の先端近傍において、上記合流した流れにおける流速の径方向速度成分をVRとすると、VX/VRが0に近づくほど剥離渦の縮流効果が大きくなるので、縮流効果をさらに高めることができる。
この場合には、小キャビティ内において、剥離渦と、この剥離渦に径方向に隣接し主渦の旋回方向と同一の方向に旋回する補渦とが形成される。したがって、剥離渦の接触流動抵抗が軽減される。よって、剥離渦の流れが強められ、縮流効果を高めることができる。
0.7H≦L …………………(1)
この場合には、剥離渦による縮流効果は、端縁部の位置(フィン本体部からの距離L)と微小隙間Hの大きさとの関係によって変化する。後述するシミュレーション結果に基づき、式(1)を満足するようにこれらの関係を設定することにより、剥離渦による縮流効果が十分に高められ、漏洩流量をより低減できる。
この場合には、剥離渦による縮流効果が各ステップ部毎に得られ、ブレードとこれに対向する構造体との間の漏洩流量を十分に低減できる。
この場合には、回転軸方向最上流側に位置するステップ部においても、上記の剥離渦による縮流効果が得られ、ブレードとこれに対向する構造体との間の漏洩流量を十分に低減できる。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る蒸気タービン1を示す断面図である。
蒸気タービン1は、ケーシング10と、ケーシング10に流入する蒸気Sの流量と圧力を調整する調整弁20と、ケーシング10の内方に回転可能に設けられ、図示しない発電機等の機械に駆動力(回転エネルギー)を伝達する軸体30と、ケーシング10に設けられた静翼40と、軸体30に設けられた動翼50と、軸体30を回転軸回りに回転可能に支持する軸受部60と、を主な要素として備えている。
複数の静翼40からなる環状静翼群は、回転軸方向に間隔をあけて六つ形成されている。上記環状静翼群は、蒸気Sの圧力エネルギーを速度エネルギーに変換すると共に、下流側に隣り合う動翼50側に蒸気Sを案内する。
図2に示すように、動翼(ブレード)50の先端部に設けられているチップシュラウド51は、ケーシング10の径方向において、仕切板外輪(構造体)11と隙間を空けて対向して配置されている。チップシュラウド51は、段差面53(53A~53C)を有して仕切板外輪11側に突出する、ステップ部52(52A~52C)を備えている。
仕切板外輪11の環状溝11aにおける溝底面11bには、チップシュラウド51に向けて径方向内方側に延出する三つのシールフィン15(15A~15C)が設けられている。環状溝11aは、各シールフィン15の軸方向上流側に比べて下流側が深くなるように段状に形成されている。すなわち、環状溝11aの溝底面11bは、軸方向上流側から下流側に向かうに従い、動翼50から次第に離れるように段状に形成されている。
図3に示すように、フィン本体部16は、先端部が尖った形状に形成されている。フィン本体部16は、空間制限部17よりもステップ部52(52A~52C)に近接しており、ステップ部52(52A~52C)との間に微小隙間H(H1~H3)を形成している。フィン本体部16の径方向における長さは、微小隙間H(H1~H3)の大きさ(径方向)と略同程度となっている。微小隙間H(H1~H3)の大きさは、ケーシング10や動翼50の熱伸び量、動翼50の遠心伸び量等を考慮した上で、フィン本体部16とステップ部52との接触を防止できる安全な範囲内で、最小に設定されている。なお、本実施形態では、各微小隙間H1~H3は全て同じ大きさとなっている。ただし、必要に応じて、これらを適宜に変えてもよい。
内周壁面17aの軸方向での幅は、微小隙間H(H1~H3)の略二倍である。また、フィン本体部16の径方向における長さが微小隙間H(H1~H3)の大きさ(径方向の大きさ)と略同程度となっているために、内周壁面17aとステップ部52(52A~52C)との間隔は、微小隙間H(H1~H3)の略二倍である。
なお、フィン本体部16,空間制限部17及び仕切板外輪11は、一体に形成してもよいし、それぞれ別体に形成してもよい。また、フィン本体部16と空間制限部17とを別体にした場合には、フィン本体部16を、溝底面11bから延在する空間制限部17の先端側(ステップ部52側)に取り付けてもよいし、空間制限部17を、溝底面11bから延びるフィン本体部16に沿うように配置してもよい。
三つのキャビティC(C1~C3)は、各ステップ部52(52A~52C)に対応した各シールフィン15(15A~15C)と、シールフィン15(15A~15C)に対して軸方向上流側で対向する隔壁との間にそれぞれ形成されている。
また、第三のキャビティC3における上記隔壁は、ステップ部52Bに対応するシールフィン15Bによって形成されている。すなわち、シールフィン15Bと、シールフィン15Cと、ステップ部52Bと、仕切板外輪11の溝底面11bとにより、第三のキャビティC3が形成されている。
なお、小キャビティ18は、各キャビティC(C1~C3)と微小隙間H(H1~H3)との間にそれぞれ形成されている。換言すれば、空間制限部17は、各キャビティC(C1~C3)と微小隙間H(H1~H3)との間に、それぞれ小キャビティ18を形成している。
まず、調整弁20(図1参照)を開状態とすると、図示しないボイラから蒸気Sがケーシング10の内部空間に流入する。
内周壁面17a(図3参照)によって径方向外方側の空間が制限されているために、径方向外方へ向かう蒸気Sの散逸が制限される。また、内周壁面17aによって軸方向下流側への蒸気Sの流れが生じるように規制されるために、剥離渦Y2の流れがより強められる。
すなわち、図4に示すように、剥離渦Y2が生じることにより、微小隙間H1の軸方向上流側において、上記漏れ流れの速度ベクトルを径方向内方側に向けさせるダウンフローが生じる。上記ダウンフローは、微小隙間H1の直前(軸方向上流側に僅かにずれた位置)で径方向内方側に向う慣性力を有しているため、微小隙間H1を軸方向下流側に通り抜ける上記漏れ流れを径方向内方側に縮める効果(縮流効果)が生じる。結果として、蒸気Sの微小隙間H1を介した漏洩量が低減する。
また、内周壁面17aの軸方向での幅と、内周壁面17a及びステップ部52Aの間隔とのいずれもが、微小隙間H1の略2倍であることから、剥離渦Y2の直径は微小隙間H1の略2倍となる。剥離渦Y2の直径が微小隙間H1の略2倍であり、その外周がフィン本体部16の先端に接する場合、剥離渦Y2のダウンフローにおける径方向の速度成分が最大になる位置が、フィン本体部16の先端(内端縁)に略一致する。したがって、上記ダウンフローが微小隙間H1の直前を径方向内方側に向かって最大の速度で通過するため、漏れ流れに対する縮流効果が更に大きくなると考えられる。
すなわち、剥離渦Y2が、図2に示すように、微小隙間H1~H3のそれぞれの軸方向上流側における小キャビティ18に生じる。各剥離渦Y2が生じることにより、微小隙間H1~H3をそれぞれ通り抜ける蒸気Sの漏れ流れに対する縮流効果が生じ、漏洩量が順次低減される。
なお、図5から図12において、図1から図4と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
この変形例では、内周壁面17aがフィン本体部16に対して断面視において円弧状に接続されているので、内周壁面17aからフィン本体部16に沿って断面視において円弧状に剥離渦Y2が流れる。したがって、内周壁面17aに沿って流れる剥離渦Y2をスムーズにフィン本体部16に沿わせて流すことができ、剥離渦Y2への規制効果を強めることができる。よって、剥離渦Y2の流れがさらに強められ、縮流効果をさらに高めることができると共に、剥離渦Y2を安定的に維持できる。
この変形例では、内周壁面17bが断面視において円弧状に窪んでいるので、内周壁面17bに沿って断面視において円弧状に剥離渦Y2が流れる。したがって、剥離渦Y2の流れ方向をスムーズに変化させることができ、剥離渦Y2への規制効果を強めることができる。よって、剥離渦Y2の流れがさらに強められ、縮流効果をさらに高めることができると共に、剥離渦Y2を安定的に維持できる。
この変形例では、フィン本体部16Aが軸方向上流側に向けて斜めに延びているので、微小隙間Hの軸方向上流側において、回転軸方向下流側に流れる漏れ流れに向かうように剥離渦Y2のダウンフローが流れる。そのため、フィン本体部16Aの先端部近傍において、漏れ流れと剥離渦Y2のダウンフローとが合流した流れにおける流速Vの軸方向速度成分VXが小さくなる。フィン本体部16Aの先端部近傍において、流速Vの径方向速度成分をVRとすると、VX/VRが0に近づくほど剥離渦Y2の縮流効果が大きくなるので、縮流効果をさらに高めることができる。
なお、フィン本体部16Aの少なくとも先端側の一部が、軸方向上流側に向けて斜めに延在していれば、縮流効果を高めることが可能である。
この変形例では、端縁部55で主渦Y1から剥離して小キャビティ18に流入した蒸気Sを、内周壁面17dに沿わせてスムーズに軸方向下流側まで導くことにより、強い剥離渦Y2を発生させることができる。すなわち、内周壁面17dに沿って流れる剥離渦Y2が、スムーズにフィン本体部16に沿って流れることができるため、内周壁面17dからフィン本体部16に向かう剥離渦Y2の流れの強さが減少しない。したがって、強い剥離渦Y2を発生でき、縮流効果をさらに高めることができる。
なお、内周壁面17dを図6における内周壁面17bのように、断面視において円弧状に形成してもよい。
この変形例では、端縁部55で主渦Y1から剥離した蒸気Sが小キャビティ18に流入した後に、角部17eで主渦Y1からその一部がさらに剥離することを防止できる。そのため、主渦Y1の流れが弱められず、結果的に端縁部55で主渦Y1から剥離する流れが強くなる。したがって、剥離渦Y2の流れを強めることができる。
この変形例では、主渦Y1が端面17fの少なくとも一部に沿って流れるので、主渦Y1の流れが弱められることを防止できる。結果的に端縁部55で主渦Y1から剥離する流れが強くなるため、剥離渦Y2の流れを強めることができる。
この変形例では、動翼50が偶発的に径方向外方側に変位してシールフィン15Kに接触したとしても、シールフィン15Kの剛性が低いために、シールフィン15Kが容易に座屈する。そのため、動翼50及び仕切板外輪11が損傷することを抑制できる。
この変形例では、小キャビティ18内において、剥離渦Y2と、剥離渦Y2に径方向に隣接し主渦Y1の旋回方向である第一方向に旋回する補渦Y3とが形成される。補渦Y3が形成されることにより、剥離渦Y2の形状は略真円に整えられる。また、シールフィン15Lにおいては、剥離渦Y2の流れを規制する内周壁面(ステップ部52に対向する壁面)が存在しないので、剥離渦Y2の接触流動抵抗が軽減される。したがって、剥離渦Y2の流れが強められ、縮流効果をさらに高めることができる。
次に、本発明の第二実施形態に係る蒸気タービン2を図13に基づいて説明する。
図13は、蒸気タービン2を示す断面図であって、第一実施形態の図2に対応する図である。 なお、図1~図12と同様の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図13に示すように、フィン本体部16と、各フィン本体部16に対応する各ステップ部52の軸方向上流側における端縁部55との間の軸方向距離(すなわちフィン本体部16と段差面53との間の軸方向距離)をL(L1~L3)とすると、距離Lが以下の式(1)を満足している。
0.7H≦L …………………(1)
距離Lは、小キャビティ18における軸方向の幅となっている。
また、本実施形態では、H1~H3は全て同じ大きさとなっているため、HはH1~H3を代表して表している。
図13に示した距離Lと、タービン効率変化及びリーク量変化率との関係についてのシミュレーション結果を以下に説明する。
0.7H≦L …………………(1)
一方、式(1)を満足すれば、小キャビティ18の幅(軸方向の幅)が十分に確保されるため、端縁部55で剥離渦Y2が生じ易くなる。このため、フィン本体部16の軸方向上流側における剥離渦Y2のダウンフローが十分に形成される。したがって、ダウンフローによる漏れ流れに対する縮流効果を十分に得ることができる。漏洩流量が多くなるため、図14に示すように、リーク量変化率が低く(-側)なる。また、漏洩流量が少なくなることによりタービン効率は向上するため、タービン効率変化は高く(+側)なる。
図15に示すように、小キャビティ18有りのタービンは、小キャビティ18無しのタービンに比べ、リーク量は小さく、タービン効率は高い。
したがって、各小キャビティ18では、各ステップ部52A~52Cとこれに対応するフィン本体部16との間の位置関係が式(1)を満足しているため、剥離渦Y2による縮流効果が十分に高くなり、漏洩流量が従来に比べ格段に低減される。よって、上記シール構造を備えた蒸気タービン2においては、漏洩流量がより低減され、その性能を更に向上できる。
次に、本発明の第三実施形態に係る蒸気タービン3を図16に基づいて説明する。
図16は、蒸気タービン3を示す断面図であって、第一実施形態の図2に対応する図である。なお、図1~図15と同様の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、シールフィン15N,15Oは、いずれもフィン本体部16と空間制限部17とを備えている。シールフィン15N,15Oは、それぞれステップ部52D,52Eに対応して延出している。シールフィン15N,15Oの各フィン本体部16は、対応するステップ部52D,52Eとの間に微小隙間H(H4,H5)をそれぞれ径方向に形成している。また、シールフィン15N,15Oのそれぞれにおいて、空間制限部17は、フィン本体部16の軸方向上流側の空間を径方向に制限して、ステップ部52D,52Eとの間に小キャビティ18を形成している。
キャビティC(C4,C5)は、第一実施形態と同様に、各ステップ部52(52D,52E)に対応したシールフィン15(15N,15O)と、これらシールフィン15に対して軸方向上流側で対向する隔壁との間に形成されている。
また、第二のキャビティC5では、上記隔壁は、シールフィン15Nによって形成されている。すなわち、シールフィン15Nと、シールフィン15Oと、チップシュラウド51と、仕切板外輪11(溝底面11b)との間に、第二のキャビティC5が形成されている。
小キャビティ18は、各キャビティC(C4,C5)と微小隙間H(H4,H5)との間にそれぞれ形成されている。
次に、本発明の第四実施形態に係る蒸気タービン4を図17に基づいて説明する。
図17は、第一実施形態の図1における要部Jに相当する部分を示す拡大断面図であり、第一実施形態の図2に対応する図である。
なお、図1~図16と同様の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
三つのステップ部52F~52Hは、軸体30の軸方向上流側から下流側に向かうに従い、静翼40から軸体30に向かう突出高さが次第に高くなるように配設されている。ステップ部52(52F~52H)の段差を形成する段差面53(53F~53H)は、軸方向上流側を向いて形成されている。
シールフィン15(15P~15R)のそれぞれにおいては、フィン本体部16がステップ部52(52F~52H)との間に微小隙間H(H6~H8)を径方向に形成している。また、空間制限部17は、フィン本体部16の軸方向上流側の空間を径方向に制限して、ステップ部52(52F~52H)との間に小キャビティ18を形成している。
キャビティC(C6~C8)は、各ステップ部52に対応したシールフィン15と、シールフィン15に対して軸方向上流側で対向する隔壁(環状溝33の軸方向上流側の内壁面34又は軸方向上流側に隣り合う他のシールフィン15)との間に形成されている。
小キャビティ18は、各キャビティC(C6~C8)と微小隙間H(H6~H8)との間にそれぞれ形成されている。
次に、本発明の第五実施形態に係る蒸気タービン5を図18に基づいて説明する。
図18は、第一実施形態の図1における要部Jに相当する部分を示す拡大断面図であり、第四実施形態の図17に対応する図である。
図18に示す第五実施形態は、以下の点で第四実施形態と異なる。第四実施形態では、静翼(ブレード)40の先端部に設けられているハブシュラウド41にステップ部52(52F~52H)を形成し、軸体(構造体)30にシールフィン15(15P~15R)を設けている。一方、第五実施形態では、軸体(構造体)30にステップ部52(52I,52J)を形成し、ハブシュラウド41にシールフィン15(15S~15U)を設けている。
また、シールフィン15T,15Uは、いずれもフィン本体部16と空間制限部17とを備えている。シールフィン15T,15Uは、それぞれステップ部52I,52Jに対して延出している。シールフィン15T,15Uの各フィン本体部16は、対応するステップ部52I,52Jとの間に微小隙間H(H9,H10)をそれぞれ径方向に形成している。シールフィン15T,15Uのそれぞれにおいて、空間制限部17は、フィン本体部16の軸方向上流側の空間を径方向に制限して、ステップ部52I,52Jとの間に小キャビティ18を形成している。
小キャビティ18は、各キャビティC(C9,C10)と微小隙間H(H9,H10)との間にそれぞれ形成されている。
例えば、上述した第一~第三実施形態では、ケーシング10に設けられた仕切板外輪11が本発明における「構造体」であるが、仕切板外輪11を設けずに、ケーシング10自体を本発明の「構造体」としてもよい。すなわち、本発明の「構造体」は、動翼50を取り囲むとともに、流体が通過する流路を形成するのであれば、どのような部材であってもよい。
また、上述した第一~第五実施形態では、一方側のステップ部52に対応すると共にシールフィン15が設けられた他方側(例えば、溝底面11b,33a)を段状に形成しているが、回転軸から上記他方側までの径を同一の径に形成してもよい。
また、上述した実施形態のように、シールフィン15とステップ部52とは必ずしも1対1で対応させる必要はなく、これらの数については任意に設計することができる。例えば、一つのステップ部52に対して、複数のシールフィン15を延出させてもよい。
また、上述した実施形態では、最終段の動翼50や静翼40に本発明を適用したが、他の段の動翼50や静翼40に本発明を適用してもよい。
さらに、上述した実施形態では、本発明を蒸気タービンに適用したが、ガスタービンに本発明を適用してもよい。さらには、回転翼を有する全ての回転構造に本発明を適用してもよい。
10…ケーシング
11…仕切板外輪(構造体)
15(15A~15L,15N~15R,15T,15U)…シールフィン
16,16A…フィン本体部
17,17A,17B…空間制限部
17a~17d…内周壁面
17e…角部
17f…端面
18…小キャビティ
30…軸体(構造体)
40…静翼(ブレード)
41…ハブシュウラド(先端部)
50…動翼(ブレード)
51…チップシュラウド(先端部)
52(52A~52J)…ステップ部
55…端縁部
C(C1~C10)…キャビティ
H(H1~H10)…微小隙間
L(L1~L10)…距離
Y1…主渦
Y2…剥離渦
Claims (9)
- ブレードと、
前記ブレードの先端側と隙間を空けて設けられるとともに、前記ブレードに対して回転軸周りで相対的に回転する構造体と、を備えたタービンであって、
前記ブレードの先端部と、前記構造体の前記先端部に対応する部位とのうちの一方には、段差面を有すると共に前記先端部と前記構造体の前記部位とのうちの他方側に突出するステップ部が設けられ、
前記先端部と前記構造体の前記部位とのうちの他方には、前記ステップ部に向けて延出するシールフィンが設けられ、
前記ブレードの先端部と前記構造体の前記部位との間には、前記シールフィンと該シールフィンに対して前記構造体の前記回転軸方向上流側で対向する隔壁との間にキャビティが形成され、
前記シールフィンは、
前記ステップ部との間に微小隙間を形成するフィン本体部と、
前記微小隙間の前記回転軸方向上流側の空間を制限し、前記キャビティと前記微小隙間との間に小キャビティを形成する空間制限部とを具備するタービン。 - 前記空間制限部は、前記フィン本体部から前記回転軸方向上流側に延びる回転軸方向壁面を有する請求項1に記載のタービン。
- 前記回転軸方向壁面は、前記回転軸を含む面での断面において円弧状に窪んでいる請求項2に記載のタービン。
- 前記回転軸方向壁面は、前記フィン本体部に対して、前記回転軸を含む面での断面において円弧状に接続されている請求項2に記載のタービン。
- 前記フィン本体部の少なくとも先端側が、前記回転軸方向上流側に向けて斜めに延在している請求項1に記載のタービン。
- 前記空間制限部は、前記フィン本体部の前記回転軸方向上流側に間隔を空けて設けられ、前記ステップ部に向けて延出すると共に、該ステップ部との間に前記微小隙間よりも大きな隙間を形成する径方向壁体である請求項1に記載のタービン。
- 前記微小隙間の大きさをHとし、
前記フィン本体部と、前記ステップ部の前記回転軸方向上流側における端縁部との間の距離をLとすると、以下の式(1)を満足する請求項1に記載のタービン。
0.7H≦L …………………(1) - 前記ステップ部は、前記回転軸方向上流側から下流側に向かって突出高さが次第に高くなるように複数設けられ、
前記先端部と前記構造体の前記部位とのうちの他方には、前記ステップ部のそれぞれに対して延出する前記シールフィンが少なくとも1つずつ設けられており、
前記ステップ部に対応するシールフィンは、前記回転軸方向下流側に隣り合うステップ部に対応するシールフィンに対して対向する前記隔壁となっている請求項1に記載のタービン。 - 前記ステップ部は、前記回転軸方向上流側から下流側に向かって突出高さが次第に高くなるように複数設けられ、
前記構造体の、前記先端部に対応する部位は環状の凹部となっており、
前記複数のステップ部のうちの、前記回転軸方向最上流側に位置するステップ部に対応するシールフィンに対して対向する前記隔壁は、前記凹部の、前記回転軸方向上流側の内壁面によって形成されている請求項1に記載のタービン。
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