JP2004332616A - 軸流型ターボ機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】組立性に優れ、静翼内輪と動翼内輪のあいだのシール性能が高く、軸方向への熱伸びおよび半径方向への熱伸びや遠心伸びによるシール性能の低下の少ない軸流型ターボ機械を提供する。
【解決手段】回転軸5に嵌着された動翼内輪7の外周に取り付けられた複数の動翼6からなる動翼列と前記回転軸5を囲繞する静翼内輪3の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼2からなる静翼列とが前記回転軸5に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪3の軸方向前後面のうち、少なくとも一方が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を狭くする方向に階段状に形成され、対向する前記動翼内輪7の側面に環状のフィン13が設けられた構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸5に嵌着された動翼内輪7の外周に取り付けられた複数の動翼6からなる動翼列と前記回転軸5を囲繞する静翼内輪3の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼2からなる静翼列とが前記回転軸5に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪3の軸方向前後面のうち、少なくとも一方が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を狭くする方向に階段状に形成され、対向する前記動翼内輪7の側面に環状のフィン13が設けられた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気タービン,ガスタービンなどの軸流型ターボ機械に係り、静止部と回転部の間隙からの流体漏洩を低減した軸流型ターボ機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービン,ガスタービンなどの軸流型ターボ機械における静翼内輪と動翼内輪のあいだの隙間部から主流へ流れ込む流量は極力少なくすることが望まれている。
【0003】
従来、この隙間部を通過する流量を減らすシール構造として、静翼内輪と動翼内輪の流路根元部に環状鍵形のフィンや環状棚形の突起を設けたもの(例えば、特許文献1参照)や、静翼側にフィン、動翼側に凸部を設けた所謂Hi−Lo型(食違い型とも言う)のシール形状を適用したもの(例えば、特許文献2参照)などが工夫されている。
【0004】
これらシール構造のうち、前者は、図7に示すように、固定部1に取付けられた静翼2の先端に取付けられた静翼内輪3の側面に環状鍵形のフィン4を設け、また、回転軸5の周面に形成され動翼6を植設される動翼内輪7の側面に環状棚形の突起8を設けて、静翼内輪3と動翼内輪7の間の流路から主流に向けて流れる漏洩流9を防いでいる。本来、大幅な漏洩流量低減のためには流れ方向に直列に突起およびフィンを設けたいところであるが、この構造の場合、軸方向へ突起8とフィン4が重なっているため組立性の問題から不可能である。
【0005】
また、軸方向への熱伸びが発生した場合には、突起8とフィン4の流れ方向と垂直方向の相対位置関係が変わるだけであるので漏洩流量増加を吸収できるが、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生し、静翼と動翼の相対位置関係が変化した場合には、クリアランスが変化して漏洩流量が増加する惧れがある。
【0006】
一方、Hi−Lo型のシール構造を適用した場合には、図8に示すようにシール性能を確保するため、静翼内輪3に設けたフィン10と回転軸5や動翼内輪7に設けた凸部11のクリアランスを最小にしなければならないが、この構造ではこの最小クリアランス確保のために組立性が非常に悪くなる。
【0007】
また、本来のHi−Lo型のシール性能を得るためには凸部11と凸部11の間にフィン10を配置することが望ましいが、組立性の問題から不可能であり、シール性能は凸部11の無いストレート型と同程度に低減する。さらに、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にはフィン10と凸部11の流れ方向への相対位置関係が変わるだけであるので漏洩流量増加を吸収できるが、軸方向への熱伸びが発生した場合にはクリアランスが変化して漏洩流量を増加してしまう惧れがある。
【0008】
【特許文献1】
特開昭61−229903号公報
【特許文献2】
実開昭59−11102号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように軸流型ターボ機械においては、静翼内輪と動翼内輪のあいだの隙間から主流へ流れ込む流量は極力少なくすることが望まれるが、棚形の突起や鍵形のフィンを設けた従来のシール構造では組立性の問題から流れ方向へ直列なシール構造が実現できず、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合、シール性能が低減してしまう惧れがある。
【0010】
一方、(Hi−Lo型)のシール構造では、シール性能確保のため組立性を悪くし、軸方向への熱伸びが発生した場合、クリアランスが変化して漏洩流量を増加してしまう惧れがある。
【0011】
本発明は上述のような問題を鑑みてなされたもので、組立性に優れ、静翼内輪と動翼内輪のあいだのシール性能が高く、軸方向への熱伸びおよび半径方向への熱伸びや遠心伸びによるシール性能の低下の少ない軸流型ターボ機械を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するための本発明の請求項1の発明は、回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を狭くする方向に階段状に形成され、対向する前記動翼内輪の側面に環状のフィンが設けられた構成とする。
【0013】
本発明の軸流型ターボ機械においては、漏洩流は複数のフィンと階段状側面の間を通過することになるので、漏洩流の流れ方向へ直列なシールを実現することができ、シール性能を向上することができる。また、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にもシール性能に大きな影響をおよぼすクリアランスにへんかがないので、高いタービン効率を得ることができる。さらに、動翼内輪の側面に取付けたフィンの先端と階段状に形成した静翼内輪面の側面とが非常に狭いクリアランスを確保しながら組立てできるので、非常に高いシール性能を得ることができる。
【0014】
請求項2の発明は、回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記動翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を広くする方向に階段状に形成され、対向する前記静翼内輪の側面に環状のフィンが設けられた構成とする。
【0015】
本発明の軸流型ターボ機械においては、漏洩流は複数のフィンと階段状側面の間を通過することになるので、漏洩流の流れ方向へ直列なシールを実現することができ、シール性能を向上することができる。また、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にもシール性能に大きな影響をおよぼすクリアランスに変化がないので、高いタービン効率を得ることができる。さらに、静翼内輪の側面に取付けたフィン先端と階段状に形成した動翼内輪の側面とが非常に狭いクリアランスを確保しながら組立てできるので、非常に高いシール性能を得ることができる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、環状のフィンを設けられた動翼内輪の側面あるいは静翼内輪の側面は、対向する静翼内輪の側面あるいは動翼内輪の側面との距離をほぼ一定とする階段状に形成された構成とする。 本発明によれば、請求項1あるいは2の発明の作用効果を一層顕著に奏することができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1または2または3の発明において、フィンは、少なくとも1つがブラシで代替された構成とする。
本発明によれば、請求項1ないし3の発明の作用効果に加え、ブラシによるシールの特性上、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能を得ることができる。また、ブラシはある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てする必要がなくなり、組立性が向上する。
【0018】
請求項5の発明は、回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方にハニカムシールを設け、対向する前記動翼内輪の側面にブラシシールを設けた構成とする。
【0019】
本発明の軸流型ターボ機械においては、ブラシシールの特性とハニカムシールの特性を合わせた特性が得られ、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能が得られる。また、ブラシはある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てする必要がなく組立作業性がよい。さらに、タービンの長期運用によってブラシが摩耗したときにも十分なシール性能を維持することができる。
【0020】
請求項6の発明は、回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方にブラシシールを設け、対向する前記動翼内輪の側面にハニカムシールを設けた構成とする。
【0021】
本発明の軸流型ターボ機械においては、ブラシシールの特性とハニカムシールの特性を合わせた特性が得られ、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能が得られる。また、ブラシはある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てする必要がなく組立作業性がよい。さらに、タービンの長期運用によってブラシが摩耗したときにも十分なシール性能を維持することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態の軸流型ターボ機械は、そのシール部の断面を図1に示すように、回転軸5の軸に平行な断面が外径側にいくほど狭くなる台形をなす動翼内輪7を備え、この動翼内輪7の側面には複数の円環状のフィン13が取付けられている。回転軸5は、隣接する動翼内輪7のあいだにおいて静翼内輪3の内周面に対向する周面に凸部11を有する。静翼内輪3は、動翼内輪7の側面に沿い階段状をなす側面を有する台形の断面を有し、側面の各階段は前記各フィン13と所定の間隙をもって対向している。静翼内輪3の内周面には、穴あき円板状に配列され回転軸5の凸部11に対向するHi−Lo型のフィン12が取付けられている。
【0023】
すなわち、静翼内輪3の軸方向前後面が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を狭くする方向に階段状に形成され、対向する動翼内輪7の側面に環状のフィン13が設けられている構成である。
【0024】
以上のような構成の本実施の形態の軸流型ターボ機械においては、半径方向に複数のフィン13を有するので、漏洩流9は複数のフィン13と階段状側面の間を通過することになる。したがって、漏洩流9の流れ方向へ直列なシールを実現することができ、シール性能を向上することができる。さらに、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にもシール性能に大きな影響をおよぼすクリアランスに変化がないので、高いタービン効率を得ることができる。
【0025】
また、本実施の形態の軸流型ターボ機械は、シール部の構造上、動翼内輪7の側面に取付けたフィン13の先端と階段状に形成した静翼内輪面3の側面とが非常に狭いクリアランスを確保しながら組立てできるので、非常に高いシール性能を得ることができる。
【0026】
なお、この第1の実施の形態においては、動翼内輪7の側面ではなく、階段状に形成した静翼内輪3の側面にフィン13を設けても同様なシール性能が得られる。また、静翼内輪3の片方の側面および動翼内輪の片方の側面が垂直であってもよい。
【0027】
次に本発明の第2の実施の形態の軸流型ターボ機械を図2を参照して説明する。すなわち、動翼内輪7は、回転軸5に平行な断面が外径側へいくほど狭くなり側面が階段状をなす台形をなす。静翼内輪3は回転軸5に平行な断面が矩形をなし、側面には、外径側へいくほど長くなり動翼内輪7の階段状の側面と所定の間隙をもって対向する複数の円環状のフィン13が取付けられている。静翼内輪3の内周面には、回転軸5の周面に形成された凸部11に対向する複数のHi−Lo型フィン12が穴あき円板状に取付けられている。
【0028】
すなわち、動翼内輪7の軸方向前後面が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を広くする方向に階段状に形成され、対向する静翼内輪3の側面に環状のフィン13が設けられている構成である。
【0029】
以上のような構成の本実施の形態の軸流型ターボ機械においては、半径方向に複数のフィン13を有するので、漏洩流9は複数のフィン13と階段状側面の間を通過することになる。したがって、漏洩流9の流れ方向へ直列なシールを実現することができ、シール性能を向上することができる。さらに、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にもシール性能に大きな影響をおよぼすクリアランスに変化がないので、高いタービン効率を得ることができる。
【0030】
また、本実施の形態の軸流型ターボ機械は、シール部の構造上、静翼内輪3の側面に取付けたフィン13先端と階段状に形成した動翼内輪7の側面とが非常に狭いクリアランスを確保しながら組立てできるので、非常に高いシール性能を得ることができる。
【0031】
なお、この第2の実施の形態においては、静翼内輪3の側面ではなく、階段状に形成した動翼内輪7の側面にフィン13を設けても同様なシール性能を得ることができる。
【0032】
次に本発明の第3の実施の形態の軸流型ターボ機械を図3を参照して説明する。すなわち、動翼内輪7は、回転軸5に平行な断面が外径側へいくほど狭くなり側面が階段状をなす台形をなし、その各階段には円環状のフィン13が取付けられている。静翼内輪3は回転軸5に平行な断面が外径側へいくほど長くなる台形をなし、その階段状をなす側面は前記フィン13と所定の間隙をもって対向している。静翼内輪3の内周面には、回転軸5の周面に形成された凸部11に対向する複数のHi−Lo型のフィン12が穴あき円板状に取付けられている。
【0033】
以上のような構成の本実施の形態の軸流型ターボ機械においては、熱伸びや遠心伸びに影響されないシール性能が得られるとともに、静翼内輪3の側面および動翼内輪7の側面が階段状であるので漏洩流9が通過するとき前記第1,第2の実施の形態におけるよりもさらに多くの渦が発生し高いシール性能が得られる。なお、この第3の実施の形態においては、動翼内輪7の側面ではなくて静翼内輪3の側面にフィン13を設けても同様なシール性能が得られる。
【0034】
次に本発明の第4の実施の形態の軸流型ターボ機械を説明する。すなわち、図4に示すように、動翼内輪7は、回転軸5に平行な断面が外径側にいくほど狭くなり、側面(軸方向前後面)が階段状をなす台形をなし、前側の側面に環状のブラシ14を備え、後側の側面にフィン13を備えている。静翼内輪3は、回転軸5に平行な断面が内径側にいくほど狭くなる台形をなし、階段状をなすその側面は、動翼内輪7に取付けられた前記ブラシ14またはフィン13に対向している。さらに、静翼内輪3の内周面には、回転軸5の周面に形成された凸部11に対向する複数のHi−Lo型のフィン12が穴あき円板状に取付けられている。
【0035】
このような構成の本実施の形態の軸流型ターボ機械は、前記同様の遠心伸び等に対するシール性能向上の効果に加え、ブラシ14によるシールの特性上、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能を得ることができる。また、ブラシ14はある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てるする必要がなくなるり、組立性が向上する。
【0036】
なお、この第4の実施の形態においては、動翼内輪7の軸方向前面の半径方向の一部のみにブラシ14を取付け、残りの面にはフィン13を設けてもよい。また、同様に、動翼内輪7の軸方向後面半径方向一部のみまたは全面にブラシ14を取付けてもよい。また、このブラシは静翼内輪3の側面の全面或いは一部に取付けてもよい。
さらに、静翼内輪3および動翼内輪7を半径方向に内輪幅が変化しない矩形断面とし、その側面上にブラシ14を取付けた構成であってもよい。
【0037】
次に本発明の第5の実施の形態の軸流型ターボ機械を説明する。すなわち、図5(a)に示すように、静翼内輪3は軸方向前後面を階段状に形成し、前面にフィン13、後面にブラシ14を設け、さらに回転軸5上に設けた凸部11と対向する内周面にフィン12を設けてある。動翼内輪7は半径方向外側から内側に向かって内輪幅を広くする方向に階段状に形成し、軸方向前面に環状のハニカム15を設けてある。ハニカム15は、その断面を図5(b)に示すように、一般的に航空機用ジェットエンジンなどに用いられているハニカムシールと同様な形状でよい。
【0038】
このような構成の軸流型ターボ機械においては、ブラシシールの特性とハニカムシールの特性を合わせた特性が得られ、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能が得られる。また、ブラシはある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てるする必要がなく組立作業性がよい。さらに、タービンの長期運用によってブラシが摩耗したときにも十分なシール性能を維持することができる。
【0039】
なお、この実施の形態は、動翼内輪7の軸方向前面の半径方向の一部のみにハニカム15を取付け、対向する静翼内輪3の一部ににブラシ14を取付け、残りの部分には環状のフィン13を設けた構成としてもよい。
【0040】
同様に、静翼内輪3の軸方向後面半径方向一部のみまたは全面にブラシ14を取付け、対向する動翼内輪7の軸方向後面の一部のみまたは全面にハニカム15を設けた構成としてもよい。
【0041】
また逆に、図6に示すようにブラシ14を動翼内輪7の全面或いは一部に取付け、対向する静翼内輪3の側面にハニカム15を設けてもよい。
さらに、静翼内輪3および動翼内輪7を半径方向に内輪幅が変化しない矩形断面とし、その側面上にブラシ14とハニカム15を設けた構成であってもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、組立性に優れ、静翼内輪と動翼内輪のあいだのシール性能が高く、軸方向への熱伸びおよび半径方向への熱伸びや遠心伸びによるシール性能の低下の少ない軸流型ターボ機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図5】本発明の第5の実施の形態を示し、(a)は要部断面図、(b)はハニカム(15)の図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の変形例の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図7】従来の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図8】従来の他の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【符号の説明】
1…固定部、2…静翼、3…静翼内輪、4…フィン、5…回転軸、6…動翼、7…動翼内輪、8…突起、9…漏洩流、10…フィン、11…凸部、12,13…フィン、14…ブラシ、15…ハニカム。
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気タービン,ガスタービンなどの軸流型ターボ機械に係り、静止部と回転部の間隙からの流体漏洩を低減した軸流型ターボ機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービン,ガスタービンなどの軸流型ターボ機械における静翼内輪と動翼内輪のあいだの隙間部から主流へ流れ込む流量は極力少なくすることが望まれている。
【0003】
従来、この隙間部を通過する流量を減らすシール構造として、静翼内輪と動翼内輪の流路根元部に環状鍵形のフィンや環状棚形の突起を設けたもの(例えば、特許文献1参照)や、静翼側にフィン、動翼側に凸部を設けた所謂Hi−Lo型(食違い型とも言う)のシール形状を適用したもの(例えば、特許文献2参照)などが工夫されている。
【0004】
これらシール構造のうち、前者は、図7に示すように、固定部1に取付けられた静翼2の先端に取付けられた静翼内輪3の側面に環状鍵形のフィン4を設け、また、回転軸5の周面に形成され動翼6を植設される動翼内輪7の側面に環状棚形の突起8を設けて、静翼内輪3と動翼内輪7の間の流路から主流に向けて流れる漏洩流9を防いでいる。本来、大幅な漏洩流量低減のためには流れ方向に直列に突起およびフィンを設けたいところであるが、この構造の場合、軸方向へ突起8とフィン4が重なっているため組立性の問題から不可能である。
【0005】
また、軸方向への熱伸びが発生した場合には、突起8とフィン4の流れ方向と垂直方向の相対位置関係が変わるだけであるので漏洩流量増加を吸収できるが、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生し、静翼と動翼の相対位置関係が変化した場合には、クリアランスが変化して漏洩流量が増加する惧れがある。
【0006】
一方、Hi−Lo型のシール構造を適用した場合には、図8に示すようにシール性能を確保するため、静翼内輪3に設けたフィン10と回転軸5や動翼内輪7に設けた凸部11のクリアランスを最小にしなければならないが、この構造ではこの最小クリアランス確保のために組立性が非常に悪くなる。
【0007】
また、本来のHi−Lo型のシール性能を得るためには凸部11と凸部11の間にフィン10を配置することが望ましいが、組立性の問題から不可能であり、シール性能は凸部11の無いストレート型と同程度に低減する。さらに、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にはフィン10と凸部11の流れ方向への相対位置関係が変わるだけであるので漏洩流量増加を吸収できるが、軸方向への熱伸びが発生した場合にはクリアランスが変化して漏洩流量を増加してしまう惧れがある。
【0008】
【特許文献1】
特開昭61−229903号公報
【特許文献2】
実開昭59−11102号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように軸流型ターボ機械においては、静翼内輪と動翼内輪のあいだの隙間から主流へ流れ込む流量は極力少なくすることが望まれるが、棚形の突起や鍵形のフィンを設けた従来のシール構造では組立性の問題から流れ方向へ直列なシール構造が実現できず、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合、シール性能が低減してしまう惧れがある。
【0010】
一方、(Hi−Lo型)のシール構造では、シール性能確保のため組立性を悪くし、軸方向への熱伸びが発生した場合、クリアランスが変化して漏洩流量を増加してしまう惧れがある。
【0011】
本発明は上述のような問題を鑑みてなされたもので、組立性に優れ、静翼内輪と動翼内輪のあいだのシール性能が高く、軸方向への熱伸びおよび半径方向への熱伸びや遠心伸びによるシール性能の低下の少ない軸流型ターボ機械を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するための本発明の請求項1の発明は、回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を狭くする方向に階段状に形成され、対向する前記動翼内輪の側面に環状のフィンが設けられた構成とする。
【0013】
本発明の軸流型ターボ機械においては、漏洩流は複数のフィンと階段状側面の間を通過することになるので、漏洩流の流れ方向へ直列なシールを実現することができ、シール性能を向上することができる。また、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にもシール性能に大きな影響をおよぼすクリアランスにへんかがないので、高いタービン効率を得ることができる。さらに、動翼内輪の側面に取付けたフィンの先端と階段状に形成した静翼内輪面の側面とが非常に狭いクリアランスを確保しながら組立てできるので、非常に高いシール性能を得ることができる。
【0014】
請求項2の発明は、回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記動翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を広くする方向に階段状に形成され、対向する前記静翼内輪の側面に環状のフィンが設けられた構成とする。
【0015】
本発明の軸流型ターボ機械においては、漏洩流は複数のフィンと階段状側面の間を通過することになるので、漏洩流の流れ方向へ直列なシールを実現することができ、シール性能を向上することができる。また、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にもシール性能に大きな影響をおよぼすクリアランスに変化がないので、高いタービン効率を得ることができる。さらに、静翼内輪の側面に取付けたフィン先端と階段状に形成した動翼内輪の側面とが非常に狭いクリアランスを確保しながら組立てできるので、非常に高いシール性能を得ることができる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、環状のフィンを設けられた動翼内輪の側面あるいは静翼内輪の側面は、対向する静翼内輪の側面あるいは動翼内輪の側面との距離をほぼ一定とする階段状に形成された構成とする。 本発明によれば、請求項1あるいは2の発明の作用効果を一層顕著に奏することができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1または2または3の発明において、フィンは、少なくとも1つがブラシで代替された構成とする。
本発明によれば、請求項1ないし3の発明の作用効果に加え、ブラシによるシールの特性上、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能を得ることができる。また、ブラシはある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てする必要がなくなり、組立性が向上する。
【0018】
請求項5の発明は、回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方にハニカムシールを設け、対向する前記動翼内輪の側面にブラシシールを設けた構成とする。
【0019】
本発明の軸流型ターボ機械においては、ブラシシールの特性とハニカムシールの特性を合わせた特性が得られ、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能が得られる。また、ブラシはある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てする必要がなく組立作業性がよい。さらに、タービンの長期運用によってブラシが摩耗したときにも十分なシール性能を維持することができる。
【0020】
請求項6の発明は、回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方にブラシシールを設け、対向する前記動翼内輪の側面にハニカムシールを設けた構成とする。
【0021】
本発明の軸流型ターボ機械においては、ブラシシールの特性とハニカムシールの特性を合わせた特性が得られ、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能が得られる。また、ブラシはある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てする必要がなく組立作業性がよい。さらに、タービンの長期運用によってブラシが摩耗したときにも十分なシール性能を維持することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態の軸流型ターボ機械は、そのシール部の断面を図1に示すように、回転軸5の軸に平行な断面が外径側にいくほど狭くなる台形をなす動翼内輪7を備え、この動翼内輪7の側面には複数の円環状のフィン13が取付けられている。回転軸5は、隣接する動翼内輪7のあいだにおいて静翼内輪3の内周面に対向する周面に凸部11を有する。静翼内輪3は、動翼内輪7の側面に沿い階段状をなす側面を有する台形の断面を有し、側面の各階段は前記各フィン13と所定の間隙をもって対向している。静翼内輪3の内周面には、穴あき円板状に配列され回転軸5の凸部11に対向するHi−Lo型のフィン12が取付けられている。
【0023】
すなわち、静翼内輪3の軸方向前後面が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を狭くする方向に階段状に形成され、対向する動翼内輪7の側面に環状のフィン13が設けられている構成である。
【0024】
以上のような構成の本実施の形態の軸流型ターボ機械においては、半径方向に複数のフィン13を有するので、漏洩流9は複数のフィン13と階段状側面の間を通過することになる。したがって、漏洩流9の流れ方向へ直列なシールを実現することができ、シール性能を向上することができる。さらに、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にもシール性能に大きな影響をおよぼすクリアランスに変化がないので、高いタービン効率を得ることができる。
【0025】
また、本実施の形態の軸流型ターボ機械は、シール部の構造上、動翼内輪7の側面に取付けたフィン13の先端と階段状に形成した静翼内輪面3の側面とが非常に狭いクリアランスを確保しながら組立てできるので、非常に高いシール性能を得ることができる。
【0026】
なお、この第1の実施の形態においては、動翼内輪7の側面ではなく、階段状に形成した静翼内輪3の側面にフィン13を設けても同様なシール性能が得られる。また、静翼内輪3の片方の側面および動翼内輪の片方の側面が垂直であってもよい。
【0027】
次に本発明の第2の実施の形態の軸流型ターボ機械を図2を参照して説明する。すなわち、動翼内輪7は、回転軸5に平行な断面が外径側へいくほど狭くなり側面が階段状をなす台形をなす。静翼内輪3は回転軸5に平行な断面が矩形をなし、側面には、外径側へいくほど長くなり動翼内輪7の階段状の側面と所定の間隙をもって対向する複数の円環状のフィン13が取付けられている。静翼内輪3の内周面には、回転軸5の周面に形成された凸部11に対向する複数のHi−Lo型フィン12が穴あき円板状に取付けられている。
【0028】
すなわち、動翼内輪7の軸方向前後面が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を広くする方向に階段状に形成され、対向する静翼内輪3の側面に環状のフィン13が設けられている構成である。
【0029】
以上のような構成の本実施の形態の軸流型ターボ機械においては、半径方向に複数のフィン13を有するので、漏洩流9は複数のフィン13と階段状側面の間を通過することになる。したがって、漏洩流9の流れ方向へ直列なシールを実現することができ、シール性能を向上することができる。さらに、半径方向へ熱伸びや遠心伸びが発生した場合にもシール性能に大きな影響をおよぼすクリアランスに変化がないので、高いタービン効率を得ることができる。
【0030】
また、本実施の形態の軸流型ターボ機械は、シール部の構造上、静翼内輪3の側面に取付けたフィン13先端と階段状に形成した動翼内輪7の側面とが非常に狭いクリアランスを確保しながら組立てできるので、非常に高いシール性能を得ることができる。
【0031】
なお、この第2の実施の形態においては、静翼内輪3の側面ではなく、階段状に形成した動翼内輪7の側面にフィン13を設けても同様なシール性能を得ることができる。
【0032】
次に本発明の第3の実施の形態の軸流型ターボ機械を図3を参照して説明する。すなわち、動翼内輪7は、回転軸5に平行な断面が外径側へいくほど狭くなり側面が階段状をなす台形をなし、その各階段には円環状のフィン13が取付けられている。静翼内輪3は回転軸5に平行な断面が外径側へいくほど長くなる台形をなし、その階段状をなす側面は前記フィン13と所定の間隙をもって対向している。静翼内輪3の内周面には、回転軸5の周面に形成された凸部11に対向する複数のHi−Lo型のフィン12が穴あき円板状に取付けられている。
【0033】
以上のような構成の本実施の形態の軸流型ターボ機械においては、熱伸びや遠心伸びに影響されないシール性能が得られるとともに、静翼内輪3の側面および動翼内輪7の側面が階段状であるので漏洩流9が通過するとき前記第1,第2の実施の形態におけるよりもさらに多くの渦が発生し高いシール性能が得られる。なお、この第3の実施の形態においては、動翼内輪7の側面ではなくて静翼内輪3の側面にフィン13を設けても同様なシール性能が得られる。
【0034】
次に本発明の第4の実施の形態の軸流型ターボ機械を説明する。すなわち、図4に示すように、動翼内輪7は、回転軸5に平行な断面が外径側にいくほど狭くなり、側面(軸方向前後面)が階段状をなす台形をなし、前側の側面に環状のブラシ14を備え、後側の側面にフィン13を備えている。静翼内輪3は、回転軸5に平行な断面が内径側にいくほど狭くなる台形をなし、階段状をなすその側面は、動翼内輪7に取付けられた前記ブラシ14またはフィン13に対向している。さらに、静翼内輪3の内周面には、回転軸5の周面に形成された凸部11に対向する複数のHi−Lo型のフィン12が穴あき円板状に取付けられている。
【0035】
このような構成の本実施の形態の軸流型ターボ機械は、前記同様の遠心伸び等に対するシール性能向上の効果に加え、ブラシ14によるシールの特性上、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能を得ることができる。また、ブラシ14はある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てるする必要がなくなるり、組立性が向上する。
【0036】
なお、この第4の実施の形態においては、動翼内輪7の軸方向前面の半径方向の一部のみにブラシ14を取付け、残りの面にはフィン13を設けてもよい。また、同様に、動翼内輪7の軸方向後面半径方向一部のみまたは全面にブラシ14を取付けてもよい。また、このブラシは静翼内輪3の側面の全面或いは一部に取付けてもよい。
さらに、静翼内輪3および動翼内輪7を半径方向に内輪幅が変化しない矩形断面とし、その側面上にブラシ14を取付けた構成であってもよい。
【0037】
次に本発明の第5の実施の形態の軸流型ターボ機械を説明する。すなわち、図5(a)に示すように、静翼内輪3は軸方向前後面を階段状に形成し、前面にフィン13、後面にブラシ14を設け、さらに回転軸5上に設けた凸部11と対向する内周面にフィン12を設けてある。動翼内輪7は半径方向外側から内側に向かって内輪幅を広くする方向に階段状に形成し、軸方向前面に環状のハニカム15を設けてある。ハニカム15は、その断面を図5(b)に示すように、一般的に航空機用ジェットエンジンなどに用いられているハニカムシールと同様な形状でよい。
【0038】
このような構成の軸流型ターボ機械においては、ブラシシールの特性とハニカムシールの特性を合わせた特性が得られ、クリアランスをほぼ零に保つことができるので、高いシール性能が得られる。また、ブラシはある程度の剛性とある程度の柔軟性とを持っているので、クリアランス調整を考慮しながら組み立てるする必要がなく組立作業性がよい。さらに、タービンの長期運用によってブラシが摩耗したときにも十分なシール性能を維持することができる。
【0039】
なお、この実施の形態は、動翼内輪7の軸方向前面の半径方向の一部のみにハニカム15を取付け、対向する静翼内輪3の一部ににブラシ14を取付け、残りの部分には環状のフィン13を設けた構成としてもよい。
【0040】
同様に、静翼内輪3の軸方向後面半径方向一部のみまたは全面にブラシ14を取付け、対向する動翼内輪7の軸方向後面の一部のみまたは全面にハニカム15を設けた構成としてもよい。
【0041】
また逆に、図6に示すようにブラシ14を動翼内輪7の全面或いは一部に取付け、対向する静翼内輪3の側面にハニカム15を設けてもよい。
さらに、静翼内輪3および動翼内輪7を半径方向に内輪幅が変化しない矩形断面とし、その側面上にブラシ14とハニカム15を設けた構成であってもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、組立性に優れ、静翼内輪と動翼内輪のあいだのシール性能が高く、軸方向への熱伸びおよび半径方向への熱伸びや遠心伸びによるシール性能の低下の少ない軸流型ターボ機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図5】本発明の第5の実施の形態を示し、(a)は要部断面図、(b)はハニカム(15)の図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の変形例の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図7】従来の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【図8】従来の他の軸流型ターボ機械の要部断面図。
【符号の説明】
1…固定部、2…静翼、3…静翼内輪、4…フィン、5…回転軸、6…動翼、7…動翼内輪、8…突起、9…漏洩流、10…フィン、11…凸部、12,13…フィン、14…ブラシ、15…ハニカム。
Claims (6)
- 回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を狭くする方向に階段状に形成され、対向する前記動翼内輪の側面に環状のフィンが設けられていることを特徴とする軸流型ターボ機械。
- 回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記動翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方が半径方向外側から内側に向かって内輪幅を広くする方向に階段状に形成され、対向する前記静翼内輪の側面に環状のフィンが設けられていることを特徴とする軸流型ターボ機械。
- 環状のフィンを設けられた動翼内輪の側面あるいは静翼内輪の側面は、対向する静翼内輪の側面あるいは動翼内輪の側面との距離をほぼ一定とする階段状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の軸流型ターボ機械。
- フィンは、少なくとも1つがブラシで代替されていることを特徴とする請求項1または2または3記載の軸流型ターボ機械。
- 回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方にハニカムシールを設け、対向する前記動翼内輪の側面にブラシシールを設けたことを特徴とする軸流型ターボ機械。
- 回転軸に嵌着された動翼内輪の外周に取り付けられた複数の動翼からなる動翼列と前記回転軸を囲繞する静翼内輪の外周と固定部のあいだに取り付けられた複数の静翼からなる静翼列とが前記回転軸に沿って複数段設けられた軸流型ターボ機械において、前記静翼内輪の軸方向前後面のうち少なくとも一方にブラシシールを設け、対向する前記動翼内輪の側面にハニカムシールを設けたことを特徴とする軸流型ターボ機械。
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