WO2011114570A1 - 内視鏡 - Google Patents
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Abstract
被検体内に挿入される細長な挿入部5と、単独で湾曲自在な第1の湾曲部位11と、第1の湾曲部位11とともに該第1の湾曲部位11の湾曲方向と同一方向に湾曲自在な第2の湾曲部位13とを有する湾曲部10と、可撓管部15と、挿入部5内に挿通された、先端が第1の湾曲部位11の先端に固定された第1のワイヤ20と、第1のワイヤ20が挿入方向Sに対して進退自在に内部に挿通された、先端が湾曲部10と可撓管部15との間に固定された第1のガイドパイプ21と、挿入部5内に挿通された、先端が第1の湾曲部位11と第2の湾曲部位13との間に固定された、牽引により第2の湾曲部位13を硬化させる第2のワイヤ30とを具備していることを特徴とする。
Description
本発明は、被検体内に挿入される細長な挿入部と、挿入部に設けられた、第1の湾曲部位及び第2の湾曲部位を具備する湾曲部とを有する内視鏡に関する。
近年、内視鏡は、医療分野及び工業用分野において広く利用されている。医療分野において用いられる内視鏡は、細長い挿入部を被検体となる体腔内に挿入することによって、体腔内の臓器を観察したり、必要に応じて内視鏡が具備する処置具の挿通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をしたりすることができる。
また、工業用分野において用いられる内視鏡は、内視鏡の細長い挿入部をジェットエンジン内や、工場の配管等の被検体内に挿入することによって、被検体内の被検部位の傷及び腐蝕等の観察や各種処置等の検査を行うことができる。
ここで、内視鏡の挿入部に、複数方向に湾曲自在な湾曲部が設けられた構成が周知である。湾曲部は、管路内の屈曲部における挿入部の進行性を向上させる他、挿入部において、湾曲部よりも挿入方向の先端側(以下、単に先端側と称す)に位置する先端部に設けられた観察光学系の観察方向を可変させる。
通常、内視鏡の挿入部に設けられた湾曲部は、複数の湾曲駒が挿入部の挿入方向に沿って連結されることにより、例えば上下左右の4方向に湾曲自在となるよう構成されている。
また、湾曲部は、湾曲駒の内、最も先端側に位置する湾曲駒に先端が固定された挿入部内に挿通された4本のワイヤのいずれかが操作部から牽引操作されることにより、上下左右のいずれかの方向に湾曲自在となっている。
ところで、湾曲部は、上述したように、ワイヤの牽引操作によって湾曲部の挿入方向の基端側(以下、単に基端側と称す)を起点として一定の湾曲半径を有して湾曲されるが、挿入部が挿入される被検体内の形状によっては、被検体内の挿入部の挿入性を向上させるため、自由に湾曲部の湾曲半径を可変させることができる構成が望まれていた。
そこで、特開2005-185526号公報には、湾曲部内に、電流の供給に伴い剛性が増大する形状記憶合金が挿入方向に沿って2つ設けられ、湾曲部に設けられた各形状記憶合金への電流の供給、非供給によって湾曲半径を可変することができる構成が開示されている。
具体的には、湾曲部の挿入方向における前半部のみ湾曲させたい場合は、挿入方向における後半部に位置する形状記憶合金に電流を供給して湾曲部の後半部の剛性を高めることにより、ワイヤの牽引に伴い湾曲部の後半部が湾曲せず前半部のみ湾曲できる構成を有し、また、湾曲部を後半部のみ湾曲させたい場合は、前半部に位置する形状記憶合金に電流を供給して湾曲部の前半部の剛性を高めることにより、ワイヤの牽引に伴い湾曲部の前半部が湾曲せず後半部のみ湾曲できる構成を有し、さらに、湾曲部の前半部及び後半部の双方を湾曲させたい場合には、前半部及び後半部のいずれの形状記憶合金にも電流を供給しない状態でワイヤを牽引することによって、湾曲部の前半部と後半部とを同一方向に湾曲できる構成が開示されている。
しかしながら、特開2005-185526号公報に記載の構成では、湾曲部に設けられた各形状記憶合金の剛性を高めるためには、各形状記憶合金に電流を供給しなければならないことから、電流供給装置を別途用意しなければならない他、湾曲部の構成が複雑になってしまうといった問題があった。
具体的には、湾曲部の挿入方向における前半部のみ湾曲させたい場合は、挿入方向における後半部に位置する形状記憶合金に電流を供給して湾曲部の後半部の剛性を高めることにより、ワイヤの牽引に伴い湾曲部の後半部が湾曲せず前半部のみ湾曲できる構成を有し、また、湾曲部を後半部のみ湾曲させたい場合は、前半部に位置する形状記憶合金に電流を供給して湾曲部の前半部の剛性を高めることにより、ワイヤの牽引に伴い湾曲部の前半部が湾曲せず後半部のみ湾曲できる構成を有し、さらに、湾曲部の前半部及び後半部の双方を湾曲させたい場合には、前半部及び後半部のいずれの形状記憶合金にも電流を供給しない状態でワイヤを牽引することによって、湾曲部の前半部と後半部とを同一方向に湾曲できる構成が開示されている。
しかしながら、特開2005-185526号公報に記載の構成では、湾曲部に設けられた各形状記憶合金の剛性を高めるためには、各形状記憶合金に電流を供給しなければならないことから、電流供給装置を別途用意しなければならない他、湾曲部の構成が複雑になってしまうといった問題があった。
よって、簡単な構成にて、湾曲部の湾曲半径を容易に可変することができる構成が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、簡単な構成にて湾曲部の湾曲半径を容易に可変することができ、挿入部の挿入性を向上させることのできる内視鏡を提供することを目的とする。
本発明の内視鏡は、被検体内に挿入される細長な挿入部と、前記挿入部に設けられた、単独で湾曲自在な第1の湾曲部位と、該第1の湾曲部位の基端側に連設された、前記第1の湾曲部位とともに該第1の湾曲部位の湾曲方向と同一方向に湾曲自在な第2の湾曲部位とを有する湾曲部と、前記挿入部において、前記湾曲部の基端側に連設された可撓管部と、前記挿入部内に挿通された、先端が前記第1の湾曲部位の先端に固定された第1のワイヤと、前記第1のワイヤが前記挿入部の挿入方向に対して進退自在に内部に挿通された、先端が前記湾曲部と前記可撓管部との間に固定された第1のガイドパイプと、前記挿入部内に挿通された、先端が前記第1の湾曲部位と前記第2の湾曲部位との間に固定された、牽引により前記第2の湾曲部位を硬化させる第2のワイヤと、を具備し、前記第2のワイヤが牽引された状態で前記第1のワイヤが牽引されると、前記湾曲部は、前記第2のワイヤの前記先端を起点として前記第1の湾曲部位のみが湾曲され、前記第2のワイヤが非牽引状態で、前記第1のワイヤが牽引されると、前記湾曲部は、前記第1のガイドパイプの前記先端を起点として、前記第1の湾曲部位とともに前記第2の湾曲部位が同一方向に湾曲することを特徴とする。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、図面は模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、それぞれの部材の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1は、本実施の形態の内視鏡の外観を示す斜視図、図2は、図1中のII-II線に沿う挿入部の断面図、図3は、図2中のIII-III線に沿う連結駒の断面図、図4は、図2中のIV-IV線に沿う第2の湾曲部位の断面図、図5は、図2中のV-V線に沿う可撓管部の断面図である。
また、図6は、図1の挿入部の1点鎖線VIで囲った部位の拡大図、図7は、第1のワイヤ及び第2のワイヤの牽引に伴い図6の第1の湾曲部位のみを湾曲させた状態を示す図、図8は、第1のワイヤの牽引に伴い図6の第1の湾曲部位とともに第2の湾曲部位を第1の湾曲部位と同一方向に湾曲させた状態を示す図、図9は、図1の第2の湾曲部位硬度可変用ノブ内の構成を示す部分断面図である。
図1に示すように、内視鏡1は、被検体内に挿入される挿入部5と、該挿入部5の挿入方向Sの基端側に連設された操作部6と、該操作部6から延出されたユニバーサルコード7と、該ユニバーサルコード7の延出端に設けられたコネクタ8とを具備して主要部が構成されている。尚、コネクタ8を介して、内視鏡1は、制御装置や照明装置等の外部装置と電気的に接続される。
操作部6に、上下湾曲操作用ノブ(以下、単にノブと称す)3と、左右湾曲操作用ノブ(以下、単にノブと称す)4とが設けられているとともに、操作部6と挿入部5との間には、第2の湾曲部位硬度可変用ノブ(以下、単にノブと称す)2が設けられている。
挿入部5は、図1、図6に示すように、先端部9と湾曲部10と可撓管部15とにより構成されており、挿入方向Sに沿って細長に形成されている。
先端部9内には、被検体内を観察する図示しない撮像ユニットや、被検体内を照明する照明ユニット等が設けられている。
また、湾曲部10は、ノブ3やノブ4の操作により、例えば上下左右の4方向に単独で湾曲自在な第1の湾曲部位11と、ノブ2の操作により硬度が可変されるとともに、ノブ3やノブ4の操作により、例えば上下左右の4方向に第1の湾曲部位11とともに該第1の湾曲部位11の湾曲方向と同一方向に湾曲自在な第2の湾曲部位13とを具備している。尚、第1の湾曲部位11及び第2の湾曲部位13は、上下左右の4方向の湾曲に限らず、上下方向または左右方向の2方向のみの湾曲であっても構わない。
また、第1の湾曲部位11と第2の湾曲部位13との間には、図2、図3、図6に示すように、第1の湾曲部位11と第2の湾曲部位13とを連結する連結駒12が設けられている。
湾曲部10の基端側、即ち、第2の湾曲部位13の基端側には、可撓管部15が連設されている。可撓管部15は、図2に示すように、連結口金14を介して、第2の湾曲部位13の基端側に連設されている。
また、図2に示すように、第1の湾曲部位11の内部には、例えば上下左右の4方向に湾曲自在な複数の湾曲駒11kが、挿入方向Sに沿って連結されて設けられているとともに、第2の湾曲部位13の内部にも、例えば上下左右の4方向に湾曲自在な複数の湾曲駒13kが、挿入方向Sに沿って連結されて設けられている。
図2~図5に示すように、複数の湾曲駒11k、13kの外周に、ブレード40が被覆されており、該ブレード40の外周に、湾曲ゴム41が被覆されている。
また、図2~図5に示すように、挿入部5内に、第1の湾曲部位11を、例えば上下左右の4方向に単独で湾曲させるとともに、第2の湾曲部位13を、第1の湾曲部位11とともに、例えば上下左右の4方向に第1の湾曲部位11と同一方向に湾曲させる第1のワイヤ20が、円周方向に、例えば90°異なるよう4本挿通されている。尚、図2においては、図面を簡略化するため、第1のワイヤ20は、2本のみ図示されている。
また、第1の湾曲部位11及び第2の湾曲部位13が、上下方向または左右方向の2方向にしか湾曲しないように湾曲部10を構成する場合は、挿入部5内には、第1のワイヤ20が、円周方向に、例えば180°異なるよう2本挿通されていればよい。
第1のワイヤ20は、湾曲部10内においては、図2に示すように、各湾曲駒11k及び各湾曲駒13kに設けられたワイヤ受け22により、円周方向の位置が規定されて支持されている。また、第1のワイヤ20は、先端が、図2に示すように、複数の湾曲駒11kの内、挿入方向Sの最も先端に位置する湾曲駒11kに、例えばロウ付けによって固定されている。
尚、各第1のワイヤ20の基端は、操作部6内に設けられたノブ3により回動自在な図示しない第1のプーリや、ノブ4により回動自在な図示しない第2のプーリに巻回されている。
また、第1のワイヤ20は、図2、図5に示すように、可撓管部15内においては、外周に、先端が連結口金14に固定された第1のガイドパイプ21が被覆されている。尚、第1のガイドパイプ21内においては、第1のワイヤ20は、挿入方向Sに進退自在に挿通されている。
尚、第1のガイドパイプ21の先端が連結口金14に固定されていることにより、ノブ3の操作により、2本の上下湾曲用の第1のワイヤ20の内、いずれか1本が牽引されると、またはノブ4の操作により、2本の左右湾曲用の第1のワイヤ20の内、いずれか1本が牽引されると、後述する第2のワイヤ30が非牽引状態においては、第1の湾曲部位11及び第2の湾曲部位13は、第1のガイドパイプ21の先端を起点として、図8に示すように、上方向または下方向のいずれか、あるいは左方向または右方向のいずれかに湾曲する。即ち、湾曲部10は、図8に示すように、湾曲半径r2で湾曲する。
図2~図5に示すように、挿入部5内に、第2の湾曲部位13を牽引によって硬化させる第2のワイヤ30が、円周方向に、例えば180°異なるよう、第1のワイヤ20及び第1のガイドパイプ21から円周方向に40°~50°ずれて、例えば2本挿通されている。尚、第2のワイヤ30は、挿入部5内に、3本、4本等々、2本以上挿通されていても構わない。
尚、図2においては、図面を分かりやすくするため、2本の第2のワイヤ30の内、第2のワイヤ30は、1本のみ示している。
第2のワイヤ30は、第2の湾曲部位13の湾曲駒13k内においては、各湾曲駒13kに、例えばプレス加工されたストリングガイド32により、円周方向の位置が規定されて支持されており、先端が、図2に示すように、連結駒12に、例えばロウ付けによって固定されている。
尚、第2のワイヤ30は、湾曲駒13k内において、ストリングガイド32に限らず、第1のワイヤ20同様、ワイヤ受けによって支持されていても構わない。しかしながら、ストリングガイド32の方がワイヤ受けよりも小さな部材であることから、ストリングガイド32を用いた方が、第1のワイヤ20が4本、第2のワイヤ30が2本挿通されている第2の湾曲部位13の内蔵物の充填率を小さくすることができる。
ここで、2本の第2のワイヤ30の基端は、図9に示すように、ノブ2内に設けられた牽引機構70に固定されている。
具体的には、図9に示すように、牽引機構70は、2本の第2のワイヤ30の基端に設けられた各ストッパ39が係止自在な移動リング75と、該移動リング75の外周に回動自在に嵌合された、移動リング75の外周面に固定されたカムピン71が嵌合するカム溝72mを有するカムリング72と、該カムリング72の外周に嵌合されたノブ2とにより主要部が構成されている。尚、図9においては、図面を簡略化するため、2本の第2のワイヤ30は、1本のみ図示している。
このような牽引機構70の構成によれば、操作者によってノブ2が一方向に回転されると、カムリング72も一方向に回転されることにより、カムピン71がカム溝72m内を移動することから、移動リング75は挿入方向Sの後方に移動する。
その結果、2本の第2のワイヤ30の各基端に設けられたストッパ39が移動リング75に設けられた嵌入孔75hに嵌入され、該嵌入孔75h内にストッパ39が係止されることにより、2本の第2のワイヤ30は、同時に挿入方向Sの後方に牽引されるようになっている。
即ち、牽引機構70により、ノブ2が一方向に回転されれば、2本の第2のワイヤ30は、同時に挿入方向Sの後方に牽引される構成となっている。尚、以上の牽引機構は、第2のワイヤ30が3本、4本の場合であっても同様である。
また、第2のワイヤ30は、可撓管部15内においては、外周に、図2、図4、図5に示すように、第2のガイドパイプ31が被覆されている。第2のガイドパイプ31の先端は、第2の湾曲部位13の後方に位置する連結口金14に固定されている。尚、第2のガイドパイプ31内においては、第2のワイヤ30は、挿入方向Sに進退自在に挿通されている。
さらに、図2に示すように、第2のガイドパイプ31の先端は、第1のガイドパイプ21の先端から、所定の長さL1だけ、挿入方向Sの前方に突出した位置に固定されている。これは、第2の湾曲部位13内の内蔵物の充填率が、挿入方向Sに沿って急激に変化してしまうことを防ぐためである。
具体的には、仮に、第1のガイドパイプ21の先端が、第2のガイドパイプ31の先端と挿入方向Sにおいて同じ位置に固定されていると、第2の湾曲部位13内において、ガイドパイプの総数は、第1のガイドパイプ21の4本に第2のガイドパイプ31の2本を加えた6本から、挿入方向Sの前方に向かうに従い0本へと急激に変化する、即ち、第2の湾曲部位13内の内蔵物の充填率が急激に変化してしまう。
しかしながら、本実施の形態のように、第2のガイドパイプ31の先端が、第1のガイドパイプ21の先端よりも所定の長さL1だけ前方に突出して位置していれば、第2の湾曲部位13内において、ガイドパイプの総数は、第1のガイドパイプ21の4本に第2のガイドパイプ31の2本を加えた6本から、挿入方向Sの前方に向かうに従い第2のガイドパイプ31のみの2本、ガイドパイプなしの0本へと段階的に変化する、即ち、第2の湾曲部位13内の内蔵物の充填率を段階的に変化させることが可能となる。
尚、第2の湾曲部位13内の内蔵物の充填率が、挿入方向Sに沿って急激に変化してしまうと良くない理由としては、通常、湾曲部10内の内蔵物は、湾曲部10の湾曲に伴い、挿入方向Sの前後に摺動移動するが、湾曲部内の内蔵物が多いと摺動抵抗が高くなり、内蔵物が動き難くなること分かっている。このことから、内蔵物の充填率が、挿入方向Sに沿って急激に変化してしまうと、内蔵物が動きやすいところと動き難いところとが湾曲部内に出現してしまうため、内蔵物にダメージを与えてしまう可能性があるためである。
よって、本実施の形態のように、内蔵物の充填率が段階的に変化していれば、湾曲に伴い、湾曲部10内の内蔵物はスムーズに移動しやすくなるため、内蔵物を保護することができる。
図2に戻って、第2のワイヤ30の先端が、連結駒12に固定されていることにより、2本の第2のワイヤ30が、ノブ2の操作により牽引されると、連結駒12の位置は固定されているため、2本の第2のワイヤ30は、挿入方向Sに対して突っ張ることから、複数の湾曲駒13k同士が、挿入方向Sに圧縮される。その結果、第2の湾曲部位13は硬化される。
第2の湾曲部位13が硬化された状態において、ノブ3の操作により、2本の上下湾曲用の第1のワイヤ20の内、いずれか1本が牽引されると、またはノブ4の操作により、2本の左右湾曲用の第1のワイヤ20の内、いずれか1本が牽引されると、第1の湾曲部位11は、第2のワイヤ30の先端を起点として、図7に示すように、上方向または下方向のいずれか、あるいは左方向または右方向のいずれかに第1の湾曲部位11のみが湾曲する。即ち、湾曲部10は、図7に示すように、湾曲半径r2よりも湾曲半径の小さい湾曲半径r1で湾曲する。
このように、本実施の形態においては、第1のワイヤ20の先端を、第1の湾曲部位11において最も前方に位置する湾曲駒11kに固定し、第1のワイヤ20の外周を被覆する第1のガイドパイプ21の先端を、連結口金14に固定し、また、第2のワイヤ30の先端を、連結駒12に固定すると示した。
また、第2のワイヤ30を、ノブ2の操作によって牽引すると、第2の湾曲部位13が硬化され、ノブ3またはノブ4の操作による第1のワイヤ20の牽引に伴い、第1の湾曲部位11のみが第2のワイヤ30の先端を起点として、上下または左右に湾曲自在となるとともに、第2のワイヤ30が非牽引状態であると、第1のガイドパイプ21の先端を起点として、第1の湾曲部位11及び第2の湾曲部位13が上下または左右に湾曲自在となると示した。
このことによれば、ノブ2の操作により第2のワイヤ30を牽引するか否か、即ち、第2の湾曲部位13を硬化させるか否かで、湾曲部10の湾曲半径を可変することができることから、簡単な構成にて湾曲部10の湾曲半径を容易に可変することができ、挿入部5の挿入性を向上させることのできる内視鏡1を提供することができる。
尚、以下、変形例を、図10~図12を用いて示す。図10は、第2のワイヤを牽引操作するレバーを操作部に設けた変形例を示す操作部の拡大斜視図、図11は、図10の操作部内に設けられた第2のワイヤを牽引するリンク機構を示す図、図12は、図11中のXII-XII線に沿うリンク機構の断面図である。
上述した本実施の形態においては、2本の第2のワイヤ30の牽引を、ノブ2を一方向に回転させることにより、移動リング75とカムリング72とを有する牽引機構70を用いて行うと示した。
これに限らず、牽引機構を、図10~図12に示すリンク機構80を用いて構成しても構わない。
具体的には、図10に示すように、操作部6には、2本の第2のワイヤ30を牽引する際に操作されるレバー89が設けられており、図11に示すように、レバー89の回動軸89aには、リンク85の後端が連結されている。
図11に示すように、リンク85の先端は、ガイド部材84内に挿通されたロッド82の後端に回動自在に接続されており、ロッド82の先端に、係止部材81が固定されている。
係止部材81には、第2のワイヤ30の基端側が挿入方向Sに沿って貫通されており、係止部材81は、第2のワイヤ30の基端に設けられたストッパ39が係止自在となっている。尚、図11においては、図面を簡略化するため、2本の第2のワイヤ30は、1本のみ図示している。
よって、操作者によってレバー89が回転されると、リンク85により、ガイド部材84内において、ロッド82は挿入方向Sの後方に牽引される。この際、係止部材81に第2のワイヤ30のストッパ39が係止されることにより、第2のワイヤ30は、ロッド82とともに後方に牽引される。
尚、図11に示すように、ロッド82の挿入方向Sの中途位置には、凸部83が設けられている。凸部83は、レバー89が回転され、リンク85によりロッド82が後方に牽引された際、ガイド部材84の先端側の内周面に設けられた、図12に示す板バネ86に対して、図11の2点鎖線に示すようにスナップフィットによって固定される。このことにより、ロッド82の位置が固定され、第2のワイヤ30の牽引状態が固定される。
このように、第2のワイヤ30の牽引機構に、リンク機構80を用いても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本出願は、2010年3月15日に日本国に出願された特願2010-057949号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものである。
Claims (4)
- 被検体内に挿入される細長な挿入部と、
前記挿入部に設けられた、単独で湾曲自在な第1の湾曲部位と、該第1の湾曲部位の基端側に連設された、前記第1の湾曲部位とともに該第1の湾曲部位の湾曲方向と同一方向に湾曲自在な第2の湾曲部位とを有する湾曲部と、
前記挿入部において、前記湾曲部の基端側に連設された可撓管部と、
前記挿入部内に挿通された、先端が前記第1の湾曲部位の先端に固定された第1のワイヤと、
前記第1のワイヤが前記挿入部の挿入方向に対して進退自在に内部に挿通された、先端が前記湾曲部と前記可撓管部との間に固定された第1のガイドパイプと、
前記挿入部内に挿通された、先端が前記第1の湾曲部位と前記第2の湾曲部位との間に固定された、牽引により前記第2の湾曲部位を硬化させる第2のワイヤと、
を具備し、
前記第2のワイヤが牽引された状態で前記第1のワイヤが牽引されると、前記湾曲部は、前記第2のワイヤの前記先端を起点として前記第1の湾曲部位のみが湾曲され、
前記第2のワイヤが非牽引状態で、前記第1のワイヤが牽引されると、前記湾曲部は、前記第1のガイドパイプの前記先端を起点として、前記第1の湾曲部位とともに前記第2の湾曲部位が同一方向に湾曲することを特徴とする内視鏡。 - 前記第2のワイヤが前記挿入方向に対して進退自在に内部に挿通された、先端が前記第1のガイドパイプの前記先端から所定の長さだけ前記挿入方向前方に突出した位置に固定された第2のガイドパイプをさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記挿入部内において、前記第1のワイヤ及び第1のガイドパイプは、前記湾曲部の湾曲方向の内、上下方向または左右方向のいずれかに対応するよう、円周方向に180°ずれて2本挿通されているか、上下左右方向に対応するよう、円周方向に90°ずれて4本挿通されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記挿入部内において、前記第2のワイヤ及び第2のガイドパイプは、前記第1のワイヤ及び第1のガイドパイプに対して、円周方向に40°~50°ずれて挿通されていることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
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