WO2011083515A1 - 有機elパネル、それを用いた表示装置および有機elパネルの製造方法 - Google Patents

有機elパネル、それを用いた表示装置および有機elパネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

 有機ELパネルは、反射電極3と、透明電極9と、有機発光層7b,7g,7rと、反射電極3および有機発光層7b,7g,7rの間に配置された機能層とを備えている。R,G,B各色の機能層の膜厚は、60nm以下において、その発光効率が極大値を示す膜厚に対応する膜厚であって、かつ、R,G,B各色でほぼ等しい。R,G,B各色における有機発光層7b,7g,7rから反射電極3までの光学的な距離は、100nm以下であって、かつ、R,G,B各色でほぼ等しい。

Description

有機ELパネル、それを用いた表示装置および有機ELパネルの製造方法
 本発明は、有機材料の電界発光現象を利用した有機ELパネル、それを用いた表示装置および有機ELパネルの製造方法に関する。
 近年、デジタルテレビ等の表示装置に用いられる表示パネルとして、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)パネルの採用が提案されている。有機ELパネルは、基板上にR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色の有機EL素子が配列された構成を有している。
 有機ELパネルでは、消費電力低減や長寿命化などの観点から、R,G,B各色の有機EL素子の光取り出し効率を向上させることが重要である。そこで、特許文献1では、基板上に反射膜、層間絶縁膜、第1透明電極、正孔輸送層、有機発光層、電子注入層、第2透明電極が積層された有機EL素子において、有機発光層から直接に第2透明電極に向かう直接光と、発光層から反射膜を経て第2透明電極に向かう反射光との光の干渉効果を利用することにより出射光強度を高める技術が提案されている(段落0022-0024)。具体的には、R,G,B各色における直接光と反射光との光路差が光の波長の1.5倍,3.5倍,3.5倍となるように、有機発光層から反射膜までの膜厚がRで245[nm]、Gで563[nm]、Bで503[nm]に調整されている(段落0041-0046)。同文献には、この構成により、R,G,B各色の出射光強度を高めることができると記載されている。
特許第4046948号公報
 しかしながら、上記従来技術では、有機発光層から反射膜までの膜厚がR,G,B各色で最大318[nm]も異なるので、R,G,B各色での膜厚調整が煩雑であるという問題がある。
 そこで、本発明は、光の干渉効果を利用することにより光取り出し効率を高め、かつ、従来技術よりもR,G,B各色での膜厚調整が容易な有機ELパネル、それを用いた表示装置および有機ELパネルの製造方法を提供することを目的とする。
 本発明の一態様である有機ELパネルは、入射された光を反射する第1電極と、前記第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して設けられる、前記第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R,G,B各色の光を出射する有機発光層と、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置され、前記R,G,B各色に対応して設けられる1または2以上の層からなる機能層とを備え、前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極を通じて外部に出射される第1光路と、前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の残りの一部が、前記機能層を通じて前記第1電極に入射されて前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層および前記第2電極を通じて外部に出射される第2光路とが形成され、前記R,G,B各色の機能層の膜厚は、60nm以下において、その発光効率が極大値を示す膜厚に対応する膜厚であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しく、前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離は、100nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しい。
 本発明の一態様である有機ELパネルによれば、有機発光層と第1電極との間に配置された機能層の膜厚が、発光効率が極大値を示す膜厚に相当する膜厚に調整されているので、R,G,B各色における光取り出し効率を高めることができる。また、機能層の膜厚がR,G,B各色でほぼ等しいので、従来技術よりもR,G,B各色での膜厚調整が容易である。
 なお、上記有機ELパネルにおいては、特に、Gの視野角特性が大幅に改善もされることも判明している。
本発明の一態様を得るに至った経緯を説明するための図 本発明の一態様を得るに至った経緯を説明するための図 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの画素構造を模式的に示す断面図 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの画素構図を模式的に示す断面図 第1のシミュレーションの条件において、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図 図5と同条件において、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときのR,G,B各色の色度の変化を示す図 図5と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図 輝度ずれおよび色度ずれの許容範囲を示す図 実施例1,比較例1における数1の各パラメータを示す図 図7と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図であり、図10(a),(b)は、実施例1,比較例1の輝度の視野角依存性を示し、図10(c),(d)は、実施例1,比較例1の色度の視野角依存性を示す図 図7と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図であり、図11(a),(b)は、実施例1,比較例1の輝度の視野角依存性を示し、図11(c),(d)は、実施例1,比較例1の色度の視野角依存性を示す図 図7と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図であり、図12(a),(b)は、実施例1,比較例1の輝度の視野角依存性を示し、図12(c),(d)は、実施例1,比較例1の色度の視野角依存性を示す図 第2のシミュレーションの条件において、透明導電層の膜厚を15[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図 図13と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図 実施例2,比較例2における数1の各パラメータを示す図 図14と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図であり、図16(a),(b)は、実施例2,比較例2の輝度の視野角依存性を示し、図16(c),(d)は、実施例2,比較例2の色度の視野角依存性を示す図 図14と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図であり、図17(a),(b)は、実施例2,比較例2の輝度の視野角依存性を示し、図17(c),(d)は、実施例2,比較例2の色度の視野角依存性を示す図 図14と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図であり、図18(a),(b)は、実施例2,比較例2の輝度の視野角依存性を示し、図18(c),(d)は、実施例2,比較例2の色度の視野角依存性を示す図 第3のシミュレーションの条件において、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図 図19と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図 実施例3,比較例3における数1の各パラメータを示す図 図20と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図であり、図22(a),(b)は、実施例3,比較例3の輝度の視野角依存性を示し、図22(c),(d)は、実施例3,比較例3の色度の視野角依存性を示す図 図20と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図であり、図23(a),(b)は、実施例3,比較例3の輝度の視野角依存性を示し、図23(c),(d)は、実施例3,比較例3の色度の視野角依存性を示す図 図20と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図であり、図24(a),(b)は、実施例3,比較例3の輝度の視野角依存性を示し、図24(c),(d)は、実施例3,比較例3の色度の視野角依存性を示す図 第4のシミュレーションの条件において、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔注入層の膜厚を5[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図 図25と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図 実施例4,比較例4における数1の各パラメータを示す図 図26と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図であり、図28(a),(b)は、実施例4,比較例4の輝度の視野角依存性を示し、図28(c),(d)は、実施例4,比較例4の色度の視野角依存性を示す図 図26と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図であり、図29(a),(b)は、実施例4,比較例4の輝度の視野角依存性を示し、図29(c),(d)は、実施例4,比較例4の色度の視野角依存性を示す図 図26と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図であり、図30(a),(b)は、実施例4,比較例4の輝度の視野角依存性を示し、図30(c),(d)は、実施例4,比較例4の色度の視野角依存性を示す図 第5のシミュレーションの条件において、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔注入層の膜厚を5[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図 図31と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図 実施例5,比較例5における数1の各パラメータを示す図 図32と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図であり、図34(a),(b)は、実施例5,比較例5の輝度の視野角依存性を示し、図34(c),(d)は、実施例5,比較例5の色度の視野角依存性を示す図 図32と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図であり、図35(a),(b)は、実施例5,比較例5の輝度の視野角依存性を示し、図35(c),(d)は、実施例5,比較例5の色度の視野角依存性を示す図 図32と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図であり、図36(a),(b)は、実施例5,比較例5の輝度の視野角依存性を示し、図36(c),(d)は、実施例5,比較例5の色度の視野角依存性を示す図 第1から第5までのシミュレーションでのR,G,B各色の機能層の膜厚の一覧表 第1から第5までのシミュレーションでのRG間,GB間,RB間の機能層の膜厚の差の一覧表 本発明の実施形態に係る表示装置の外観を例示する図 本発明の実施形態に係る表示装置の機能ブロックを示す図 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明するための図 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明するための図
[本発明の一態様を得るに至った経緯]
 以下、本発明の態様を具体的に説明するに先立ち、本発明の態様を得るに至った経緯について説明する。
 従来の一般的な光学設計では、まず、機能層に含まれる各層の膜厚について安定的な成膜が可能な膜厚を求め、次に、その膜厚付近で発光効率が極大値となる膜厚をシミュレーションにより探し出す手法が採られている。また、安定的な成膜を実現するには機能層に含まれる各層の膜厚をある程度確保される必要があるとの認識の下、機能層の膜厚は100[nm]を超えるものと考えられている。したがって、機能層の膜厚の最適値は100[nm]を超えるというのが当業者における従来の一般的な技術知見である。現に、特許文献1でも、R,G,B各色の膜厚はそれぞれ245[nm],563[nm],503[nm]が最適であるとされている。
 今回、本願の発明者らは、あらかじめ、機能層として正孔輸送層を適用し、その膜厚を100[nm]以上に設定し、機能層の膜厚を変化させたときの発光効率の変化について、シミュレーションを実施した。
 この結果を図1に示す。図1は、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を100[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図である。本発明者らは、図1に基づき、機能層の膜厚の変化に対し、発光効率が周期的に変動することを見出し、更に、機能層の膜厚が大きくなるに従って、R,G,B各色の発光効率が減少すると共に、R,G,B各色の最大発光効率を示す膜厚のズレが増大することを解明した(図1、矢符号 ご参考)。
 そして、本発明者らは、上記のシミュレーションの解析結果に照らして考察することにより、発光効率が最大となり、且つ、その際のR,G,B各色の膜厚のズレが最小となる第1の波形(正孔輸送層の膜厚が100[nm]~250[nm])に比べ、正孔輸送層の膜厚がさらに小さな領域において、発光効率が更に大きく、且つ、その際のR,G,B各色の膜厚のズレが更に小さくなる未知の波形の存在を想定した(図1、破線で示す矢符号)。
 この結果、本発明者らは、従来の技術的知見にとらわれずに、当業者であれば積極的な検討を躊躇することになると考えられる範囲である100[nm]以下の範囲において、さらなるシミュレーションを実施するに至った。
 さらなるシミュレーションの結果、 図2に示すように、機能層の膜厚が60[nm]以下の範囲において、発光効率に大きな極大値が現れ、この発光効率が最大となることが判明した。しかも、この範囲であれば、発光効率が最大値となるR,G,B各色の膜厚のズレが最小であって、かつ、ほぼ等しくなることも判明した。
 以上のような新たな知見、考察を積み重ねることにより、本発明者らは、本発明の一態様である有機ELパネルの構成を得ることができたのである。
[本発明の一態様の概要]
 本発明の第1の態様である有機ELパネルは、入射された光を反射する第1電極と、前記第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して設けられる、前記第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R,G,B各色の光を出射する有機発光層と、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置され、前記R,G,B各色に対応して設けられる1または2以上の層からなる機能層とを備え、前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極を通じて外部に出射される第1光路と、前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の残りの一部が、前記機能層を通じて前記第1電極に入射されて前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層および前記第2電極を通じて外部に出射される第2光路とが形成され、前記R,G,B各色の機能層の膜厚は、60nm以下において、その発光効率が極大値を示す膜厚に対応する膜厚であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しく、前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離は、100nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しい。
 上記構成によれば、有機発光層と第1電極との間に配置された機能層の膜厚が、発光効率が極大値を示す膜厚に相当する膜厚に調整されているので、R,G,B各色における光取り出し効率を高めることができる。しかも、機能層の膜厚がR,G,B各色でほぼ等しいので、従来技術よりもR,G,B各色での膜厚調整が容易である。
 また、前記機能層は、前記第1電極上に設けられる透明導電層と、前記透明導電層上に設けられる正孔輸送層とからなることとしてもよい。
 上記構成によれば、機能層に2層しか含まれないので、機能層の膜厚が60[nm]以下という制限の下で、各層の膜厚をある程度確保することができ、その結果、各層を安定的に成膜することができる。
 また、前記正孔輸送層の膜厚は、前記R,G,B各色でほぼ等しく、前記透明導電層の膜厚は、前記R,G,B各色で同一であることとしてもよい。
 上記構成によれば、R,G,B各色で正孔輸送層の膜厚を微調整することにより、機能層の膜厚を微調整することができる。特に、透明導電層を各色の膜厚の微調整がしにくい蒸着法やスパッタ法で成膜し、正孔輸送層を各色の膜厚の微調整がしやすいインクジェット法で成膜する場合に有効である。
 また、前記正孔輸送層の膜厚は、前記R,G,B各色で相違し、前記透明導電層の膜厚は、前記R,G,B各色で同一であることとしてもよい。
 上記構成によれば、光学特性を更に向上させるためにR,G,B各色の機能層の膜厚をほぼ等しい範囲内で相違させることができる。なお、透明導電層の膜厚を同一とし、正孔輸送層の膜厚を相違させるのは、透明導電層は蒸着法またはスパッタ法で成膜され、正孔輸送層はインクジェット法で成膜されることが想定されるからである。インクジェット法は、滴下するインク滴数を調整するだけでR,G,B各色の膜厚を調整することができるので、蒸着法やスパッタ法に比べて各色ごとの膜厚調整が容易である。そのため、正孔輸送層の膜厚を相違させることにより、容易かつ精度よく機能層の膜厚を微調整することができ、光学特性を更に向上させることができる。
 また、前記Rの正孔輸送層の膜厚は13nm以上30nm以下であり、前記Gの正孔輸送層の膜厚は12nm以上21nm以下であり、前記Bの正孔輸送層の膜厚は10nm以上15nm以下であり、前記R,G,B各色の透明導電層の膜厚は15nm以上20nm以下であることとしてもよい。
 上記構成によれば、光取り出し効率を高めながら容易な膜厚調整を実現することができる。
 また、前記正孔輸送層は、正孔を輸送する機能に加え、正孔を有機発光層に注入する機能を備えることとしてもよい。
 上記構成によれば、機能層に2層しか含まれなくても、正孔注入性を高めることができる。
 また、前記機能層は、前記第1電極上に設けられる透明導電層と、前記透明導電層上に設けられる正孔注入層と、前記正孔注入層上に設けられる正孔輸送層とからなることとしてもよい。
 上記構成によれば、機能層が透明導電層と正孔輸送層からなる場合に比べて、正孔注入性を高めることができる。
 また、前記正孔輸送層の膜厚は、前記R,G,B各色でほぼ等しく、前記透明導電層および前記正孔注入層の膜厚は、前記R,G,Bで同一であることとしてもよい。
 上記構成によれば、R,G,B各色で正孔輸送層の膜厚を微調整することにより、機能層の膜厚を微調整することができる。特に、透明導電層および正孔注入層を各色の膜厚の微調整がしにくい蒸着法やスパッタ法で成膜し、正孔輸送層を各色の膜厚の微調整がしやすいインクジェット法で成膜する場合に有効である。
 また、前記正孔輸送層の膜厚は、前記R,G,B各色で相違し、前記透明導電層および前記正孔注入層の膜厚は、前記R,G,Bで同一であることとしてもよい。
 上記構成によれば、光学特性を更に向上させるためにR,G,B各色の機能層の膜厚をほぼ等しい範囲内で相違させることができる。なお、透明導電層および正孔注入層の膜厚を同一とし、正孔輸送層の膜厚を相違させるのは、透明導電層および正孔注入層は蒸着法またはスパッタ法で成膜され、正孔輸送層はインクジェット法で成膜されることが想定されるからである。インクジェット法は、滴下するインク滴数を調整するだけでR,G,B各色の膜厚を調整することができるので、蒸着法やスパッタ法に比べて各色ごとの膜厚調整が容易である。そのため、正孔輸送層の膜厚を相違させることにより、容易かつ精度よく機能層の膜厚を微調整することができ、光学特性を更に向上させることができる。
 また、前記R,G,B各色の正孔注入層の膜厚は0nmよりも大きく5nm以下であり、前記Rの正孔輸送層の膜厚は15nm以上25nm以下であり、前記Gの正孔輸送層の膜厚は9nm以上16nm以下であり、前記Bの正孔輸送層の膜厚は5nm以上9nm以下であり、前記R,G,B各色の透明導電層の膜厚は15nm以上20nm以下であることとしてもよい。
 上記構成によれば、光取り出し効率を高めながら容易な膜厚調整を実現することができる。
 また、前記Rの機能層の膜厚は28nm以上50nm以下であり、前記Gの機能層の膜厚は27nm以上41nm以下であり、前記Bの機能層の膜厚は26nm以上35nm以下であることとしてもよい。
 上記構成によれば、光取り出し効率を高めながら容易な膜厚調整を実現することができる。
 本発明の第2の態様である有機ELパネルは、入射された光を反射する第1電極と、前記第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して設けられる、前記第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R,G,B各色の光を出射する有機発光層と、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置され、前記R,G,B各色に対応して設けられる1または2以上の層からなる機能層とを備え、前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極を通じて外部に出射される第1光路と、前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の残りの一部が、前記機能層を通じて前記第1電極に入射されて前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層および前記第2電極を通じて外部に出射される第2光路とが形成され、前記R,G,B各色の機能層の膜厚は、いずれも26nm以上50nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色の機能層の膜厚の差は1nm以上16nm以下であり、前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離は、49nm以上90nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色の光学的な距離の差は0nm以上25nm以下である。
 上記構成によれば、有機発光層と第1電極との間に配置された機能層の膜厚が、発光効率が極大値を示す膜厚に相当する膜厚に調整されているので、R,G,B各色における光取り出し効率を高めることができる。しかも、機能層の膜厚がR,G,B各色でほぼ等しいので、従来技術よりもR,G,B各色での膜厚調整が容易である。
 本発明の第3の態様である表示装置は、上記有機ELパネルと前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する駆動回路とを備える。
 本発明の第4の態様である有機ELパネルの製造方法は、入射された光を反射する第1電極を準備する第1工程と、前記第1電極上に、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して1または2以上の層からなる機能層を設ける第2工程と、前記R,G,B各色の機能層上に、それぞれR,G,B各色の光を出射する有機発光層を設ける第3工程と、前記有機発光層の上方における前記第1電極と対向するように、入射された光を透過する第2電極を設ける第4工程とを含み、前記第2工程では、前記R,G,B各色の機能層の膜厚を、60nm以下において、その発光効率が極大値を示す膜厚に対応する膜厚であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しくし、前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離が、100nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しくなるように形成する。
 上記構成によれば、上記第1の態様の有機ELパネルを製造することができる。
 本発明の第5の態様である有機ELパネルの製造方法は、入射された光を反射する第1電極を準備する第1工程と、前記第1電極上に、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して1または2以上の層からなる機能層を設ける第2工程と、前記R,G,B各色の機能層上に、それぞれR,G,B各色の光を出射する有機発光層を設ける第3工程と、前記有機発光層の上方における前記第1電極と対向するように、入射された光を透過する第2電極を設ける第4工程とを含み、前記第2工程では、前記R,G,B各色の機能層の膜厚を、いずれも26nm以上50nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色の機能層の膜厚の差を1nm以上16nm以下であり、前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離を、49nm以上90nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色の光学的な距離の差を0nm以上25nm以下に形成する。
 上記構成によれば、上記第2の態様の有機ELパネルを製造することができる。
 なお、本明細書において、「発光効率が極大値を示す膜厚に対応する膜厚」とは、発光効率が極大値となる膜厚に対して±10%の範囲内の膜厚をいうものとする。また、「R,G,B各色でほぼ等しい」とは、以下の(1)から(3)までを含み、「R,G,B各色で同一」とは、以下の(1)および(2)を含むものとする。
(1)R,G,B各色の設計値が同一であり、実測値も同一である。
(2)R,G,B各色の設計値が同一であるが、製造誤差の範囲内(一層当たり±5[nm])で実測値がずれている。
(3)R,G,B各色の設計値が輝度ずれおよび色度ずれの許容範囲を満たす範囲内でずれている。
 また、本明細書において膜厚の具体的な数値を挙げている場合、その数値は設計値である。したがって、実測値は製造誤差の範囲内(一層当たり±5[nm])でずれることがある。
[有機ELパネルの画素構造]
 図3は、本発明の実施形態に係る有機ELパネルの画素構造を模式的に示す断面図である。有機ELパネルでは、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色の画素が行方向及び列方向にマトリックス状に規則的に配置されている。各画素は有機材料を用いた有機EL素子で構成されている。
 青色の有機EL素子は、基板1、反射電極3、透明導電層4、正孔輸送層6、有機発光層7b、電子輸送層8、透明電極9、薄膜封止層10、樹脂封止層11、カラーフィルタ(CF)12bを含む。反射電極3と透明電極9との間に有機発光層7bが配置されている。また、この例では、反射電極3と有機発光層7bとの間に透明導電層4および正孔輸送層6が配置されている(以下、反射電極と有機発光層との間に配置された1または2以上の層を「機能層」と称する。)。
 緑色の有機EL素子は、有機発光層7gおよびカラーフィルタ12gを除き、青色の有機EL素子と同様の構成を有する。赤色の有機EL素子も、有機発光層7rおよびカラーフィルタ12rを除き、青色の有機EL素子と同様の構成を有する。この例では、各色の有機EL素子において、基板1、電子輸送層8、透明電極9、薄膜封止層10、樹脂封止層11が共通であり、それ以外の層はバンク2で区分されている。
 また、各色の有機EL素子では、反射電極3の存在により共振器構造が実現されている。有機EL素子には、有機発光層7から出射された光の一部が反射電極3側に進行することなく透明電極9側に進行し、透明電極9を通じて外部に出射される第1光路と、有機発光層7から出射された光の残りの一部が機能層を通じて反射電極3に入射され、反射電極3により反射された後、機能層、有機発光層7および透明電極9を通じて外部に出射される第2光路とが形成される。第1光路を通る直接光と第2光路を通る反射光とが干渉効果で強め合うように有機発光層7b,7g,7rと反射電極3との間の距離を調整することで、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができる。距離の調整は、機能層の膜厚を調整することにより実現できる。
 具体的には、R,G,B各色の機能層の膜厚は、60nm以下において、その発光効率が極大値を示す膜厚に対応する膜厚であって、かつ、R,G,B各色でほぼ等しく調整されている。また、R,G,B各色における有機発光層7から反射電極3までの光学的な距離は、100nm以下であって、かつ、R,G,B各色でほぼ等しく調整されている。光学的な距離は、単層構造の場合には膜厚と屈折率の積により求められ、2以上の多層構造の場合には、層毎に膜厚と屈折率の積をとり、得られた積を合計することにより求められる。
 なお、図4に示すように、各色の有機EL素子において透明導電層4と正孔輸送層6との間に、正孔注入層5が挿入された構造としてもよい。この例では、機能層が、透明導電層4、正孔注入層5および正孔輸送層6の3層構造となる。また、図3の構造において、正孔輸送層6が正孔注入機能を備えることとしてもよい。
 以下、R,G,B各色の機能層の膜厚に関する5種類のシミュレーションについて説明し、その次に、これらのシミュレーションから得られる機能層の最適範囲について説明する。
[第1のシミュレーション]
<条件>
 第1のシミュレーションでは、機能層の構造を透明導電層と正孔輸送層の2層構造としている。また、透明導電層の材料をITO(Indium Tin Oxide)、正孔輸送層の材料を有機材料、反射電極の材料を銀、R,G,B各色の有機発光層の材料を、サメイション(SUMATION)社製のRP158、GP1200、BP105としている。
<発光効率と膜厚調整の容易性>
 図5は、上記条件において、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図である。図5から、正孔輸送層の膜厚を変化させると光の干渉効果により発光効率が周期的に変動することが分かる。また、正孔輸送層の膜厚が0[nm]から600[nm]までの範囲では、R,G,B各色とも4箇所で発光効率が極大値を示すことが分かる。
 図6は、図5と同条件において、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときのR,G,B各色の色度の変化を示す図である。有機EL素子では、発光効率が極大値を示す膜厚と、R,G,B各色の色度(x,y)が最適な膜厚とが必ずしも一致しているとは限らない。そのため、機能層の膜厚は、色度との兼ね合いで、発光効率が極大値を示す付近の膜厚(±10%の範囲内)に調整される。
 このように、機能層の膜厚を発光効率が極大値を示す付近の膜厚に調整することにより共振器構造を実現することができる。本明細書では、機能層の膜厚が最も薄い共振器構造から順に、1st cavity,2nd cavity ,3rd cavity ,4th cavityと称することとする。
 図5によれば、1st cavityの発光効率は、2nd cavityの発光効率よりも高い。したがって、1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、有機EL素子の発光効率を高めることができる。
 また、図5によれば、1st cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、0[nm]以上40[nm]以下の狭い範囲(機能層の膜厚が0[nm]以上60[nm]以下の範囲)に集中して存在している。一方、2nd cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、100[nm]以上250[nm]以下の広い範囲に分散して存在している。したがって、R,G,B各色の有機EL素子に1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、R,G,B各色の正孔輸送層の作り分けをあまり必要とせず、製造工程における膜厚調整が容易である。
 図7は、図5と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図である。
 実施例1(1st cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ25[nm],15[nm],10[nm]とし、CF(カラーフィルタ)を用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。
 このとき、R,G,B各色の発光効率は、2.1[cd/A],4.9[cd/A],0.49[cd/A]となる。また、R,G,B各色の許容膜ズレ範囲は、-15~+10[nm],-15~+7[nm],-20~+8[nm]となり、R,G,B各色の許容マージン幅は、25[nm],22[nm],28[nm]となる。「許容膜ズレ範囲」とは、図8に示す許容範囲を満たすことを条件として、機能層の膜厚を最適値からずらすことができる限度を示している。 図8では次の許容範囲が示されている。
(1)有機ELパネルの面内での発光効率のばらつきが20[%]以内
(2)有機ELパネルの面内での色度のばらつきがx,yともに0.04以内
(3)視野角30°における輝度が視野角0°における輝度に対して90[%]以上、かつ、視野角45°における輝度が視野角0°における輝度に対して80[%]以上
(4)視野角50°における色度と視野角0°における色度との差がx,yともに0.04以内
 許容膜ズレ範囲が広いほど、機能層の膜厚について製造誤差の許容範囲が広くなり、ひいては製造工程において機能層の膜厚調整が容易となることを意味する。「許容マージン幅」とは、許容膜ズレ範囲の上限と下限の差である(例えば、実施例1のRでは、上限が+10、下限が-15なので、差が25となる)。
 比較例1(2nd cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ220[nm],172[nm],155[nm]とし、カラーフィルタを用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。
 このとき、R,G,B各色の発光効率は、1.4[cd/A],4.2[cd/A],0.23[cd/A]となる。また、R,G,B各色の許容膜ズレ範囲は、-8~+6[nm],-(規格外)[nm],-10~+7[nm]となり、R,G,B各色の許容マージン幅は、14[nm],0[nm],17[nm]となる。
 実施例1と比較例1を対比すると、実施例1が比較例1よりも発光効率および膜厚調整の容易性の両方において優れていることが分かる。
 また、共振器構造の一般的な分析手法により、次の事項も導き出すことができる。共振器構造では、反射電極3と有機発光層7b,7g,7rとの間の光学的な距離L[nm]、共振波長λ[nm]、位相シフトΦ[ラジアン]が、以下の数1を満たす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 反射電極3での位相シフトΦは、以下の数2で求めることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 ただし、n1は透明導電層4の屈折率、n0は反射電極3の屈折率、k0は反射電極3の消衰係数である。
 図9に示すように、実施例1,比較例1では、数1の右辺mが整数になることが確認できる。ここでは、R,G,B各色の共振波長λを、638[nm],535[nm],468[nm]としている。また、実施例1において機能層の膜厚の許容マージン幅が20[nm]以上あることを考慮すると、図9の実施例1’のように数1の右辺mが整数以外でもよいことが分かる。
<視野角特性>
(グリーン)
 図10は、図7と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図である。図10(a),(b)は、実施例1,比較例1の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例1では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が95[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例1では、視野角が30°で輝度が95[%]付近であり、視野角が45°で輝度が80[%]付近である(CF有)。したがって、実施例1,比較例1の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例1のほうが比較例1よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図10(c),(d)は、実施例1,比較例1の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例1では、視野角が50°で色度変化Δxが0.005程度,Δyが0.005程度である(CF有)。ここで、Δxは、xについてのΔCIEの絶対値,Δyは、yについてのΔCIEの絶対値である。これに対し、比較例1では、視野角が50°で色度変化Δxが0.038程度,Δyが0.025程度である(CF有)。したがって、実施例1,比較例1の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例1のほうが比較例1よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 (レッド)
 図11は、図7と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図である。図11(a),(b)は、実施例1,比較例1の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例1では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が95[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例1では、視野角が30°で輝度が110[%]付近であり、視野角が45°で輝度が102[%]付近である(CF有)。したがって、実施例1,比較例1の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例1のほうが比較例1よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図11(c),(d)は、実施例1,比較例1の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例1では、視野角が50°で色度変化Δxが0.012程度,Δyが0.013程度である(CF有)。これに対し、比較例1では、視野角が50°で色度変化Δxが0.023程度,Δyが0.025程度である(CF有)。したがって、実施例1,比較例1の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例1のほうが比較例1よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
(ブルー)
 図12は、図7と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図である。図12(a),(b)は、実施例1,比較例1の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例1では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が95[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例1では、視野角が30°で輝度が110[%]付近であり、視野角が45°で輝度が117[%]付近である(CF有)。したがって、実施例1,比較例1の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例1のほうが比較例1よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図12(c),(d)は、実施例1,比較例1の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例1では、視野角が50°で色度変化Δxがほぼ0,Δyがほぼ0である(CF有)。これに対し、比較例1では、視野角が50°で色度変化Δxが0.005程度,Δyが0.01程度である(CF有)。したがって、実施例1,比較例1の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例1のほうが比較例1よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 以上より、視野角特性については、R,G,B各色とも実施例1が比較例1よりも優れていることが分かる。特に、G(グリーン)では比較例1は図8の許容範囲を辛うじて満たしているため機能層の膜厚マージンを確保できないのに対し、実施例1は図8の許容範囲を余裕をもって満たしているため機能層の膜厚マージンを確保できる点において優位性が高い。
[第2のシミュレーション]
<条件>
 第2のシミュレーションは、機能層の構造および各層の材料については第1のシミュレーションと同様である。
<発光効率と膜厚調整の容易性>
 図13は、上記条件において、透明導電層の膜厚を15[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図である。図13によれば、1st cavityの発光効率は、2nd cavityの発光効率よりも高い。したがって、1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、有機EL素子の発光効率を高めることができる。また、図13によれば、1st cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、0[nm]以上45[nm]以下の狭い範囲(機能層の膜厚が0[nm]以上60[nm]以下の範囲)に集中して存在している。一方、2nd cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、100[nm]以上250[nm]以下の広い範囲に分散して存在している。したがって、R,G,B各色の有機EL素子に1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、R,G,B各色の正孔輸送層の作り分けをあまり必要とせず、製造工程における膜厚調整が容易である。
 図14は、図13と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図である。
 実施例2(1st cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に15[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ13[nm],12[nm],11[nm]とし、CF(カラーフィルタ)を用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。比較例2(2nd cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に15[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ195[nm],170[nm],148[nm]とし、カラーフィルタを用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。実施例2と比較例2を対比すると、実施例2が比較例2よりも発光効率および膜厚調整の容易性の両方において優れていることが分かる。
 また、図15に示すように、実施例2,比較例2では、数1の右辺mが整数になることが確認できる。また、実施例2において機能層の膜厚の許容マージン幅が20[nm]程度あることを考慮すると、図15の実施例2’のように数1の右辺mが整数以外でもよいことが分かる。
<視野角特性>
(グリーン)
 図16は、図14と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図である。図16(a),(b)は、実施例2,比較例2の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例2では、視野角が30°で輝度が95[%]付近であり、視野角が45°で輝度が90[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例2では、視野角が30°で輝度が90[%]付近であり、視野角が45°で輝度が78[%]付近である(CF有)。したがって、実施例2では図8の許容範囲を満たしているが、比較例2では図8の許容範囲を満たしていないことが分かる。
 図16(c),(d)は、実施例2,比較例2の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例2では、視野角が50°で色度変化Δxが0.007程度,Δyが0.007程度である(CF有)。これに対し、比較例2では、視野角が50°で色度変化Δxが0.04を超え,Δyが0.023程度である(CF有)。したがって、実施例2では図8の許容範囲を満たしているが、比較例2では図8の許容範囲を満たしていないことが分かる。
(レッド)
 図17は、図14と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図である。図17(a),(b)は、実施例2,比較例2の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例2では、視野角が30°で輝度が93[%]付近であり、視野角が45°で輝度が87[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例2では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が90[%]付近である(CF有)。したがって、実施例2,比較例2の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。
 図17(c),(d)は、実施例2,比較例2の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例2では、視野角が50°で色度変化Δxが0.002程度,Δyが0.002程度である(CF有)。これに対し、比較例2では、視野角が50°で色度変化Δxが0.007程度,Δyが0.007程度である(CF有)。したがって、実施例2,比較例2の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例2のほうが比較例2よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
(ブルー)
 図18は、図14と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図である。図18(a),(b)は、実施例2,比較例2の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例2では、視野角が30°で輝度が98[%]付近であり、視野角が45°で輝度が95[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例2では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が98[%]付近である(CF有)。したがって、実施例2,比較例2の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。
 図18(c),(d)は、実施例2,比較例2の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例2では、視野角が50°で色度変化Δxがほぼ0,Δyが0.004程度である(CF有)。これに対し、比較例2では、視野角が50°で色度変化Δxが0.005程度,Δyが0.008程度である(CF有)。したがって、実施例2,比較例2の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例2のほうが比較例2よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 以上より、視野角特性については、R,G,B各色とも実施例2が比較例2よりも優れていることが分かる。特に、G(グリーン)では比較例2は図8の許容範囲を満たしていないのに対し、実施例2は図8の許容範囲を満たしている点において優位性が高い。
[第3のシミュレーション]
<条件>
 第3のシミュレーションでは、透明導電層の材料をIZO(Indium Zinc Oxide)、反射電極の材料をアルミニウムとしている。それ以外は第1のシミュレーションと同様である。
<発光効率と膜厚調整の容易性>
 図19は、上記条件において、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図である。図19によれば、1st cavityの発光効率は、2nd cavityの発光効率よりも高い。したがって、1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、有機EL素子の発光効率を高めることができる。また、図19によれば、1st cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、0[nm]以上40[nm]以下の狭い範囲(機能層の膜厚が0[nm]以上60[nm]以下の範囲)に集中して存在している。一方、2nd cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、100[nm]以上250[nm]以下の広い範囲に分散して存在している。したがって、R,G,B各色の有機EL素子に1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、R,G,B各色の正孔輸送層の作り分けをあまり必要とせず、製造工程における膜厚調整が容易である。
 図20は、図19と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図である。
 実施例3(1st cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ30[nm],21[nm],15[nm]とし、CF(カラーフィルタ)を用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。比較例3(2nd cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に20[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ217[nm],185[nm],152[nm]とし、カラーフィルタを用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。実施例3と比較例3を対比すると、実施例3が比較例3よりも発光効率および膜厚調整の容易性の両方において優れていることが分かる。
 また、図21に示すように、実施例3,比較例3では、数1の右辺mが整数になることが確認できる。また、実施例3において機能層の膜厚の許容マージン幅が20[nm]以上あることを考慮すると、図21の実施例3’のように数1の右辺mが整数以外でもよいことが分かる。
<視野角特性>
(グリーン)
 図22は、図20と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図である。図22(a),(b)は、実施例3,比較例3の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例3では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が90[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例3では、視野角が30°で輝度が97[%]付近であり、視野角が45°で輝度が79[%]付近である(CF有)。したがって、実施例3は図8の許容範囲を満たしているが、比較例3は図8の許容範囲を満たしていないことが分かる。
 図22(c),(d)は、実施例3,比較例3の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例3では、視野角が50°で色度変化Δxが0.005程度,Δyが0.005程度である(CF有)。これに対し、比較例3では、視野角が50°で色度変化Δxが0.04程度,Δyが0.025程度である(CF有)。したがって、実施例3,比較例3の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例3のほうが比較例3よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
(レッド)
 図23は、図20と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図である。図23(a),(b)は、実施例3,比較例3の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例3では、視野角が30°で輝度が98[%]付近であり、視野角が45°で輝度が90[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例3では、視野角が30°で輝度が98[%]付近であり、視野角が45°で輝度が80[%]付近である(CF有)。したがって、実施例3,比較例3の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例3のほうが比較例3よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図23(c),(d)は、実施例3,比較例3の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例3では、視野角が50°で色度変化Δxが0.012程度,Δyが0.012程度である(CF有)。これに対し、比較例3では、視野角が50°で色度変化Δxが0.023程度,Δyが0.023程度である(CF有)。したがって、実施例3,比較例3の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例3のほうが比較例3よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
(ブルー)
 図24は、図20と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図である。図24(a),(b)は、実施例3,比較例3の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例3では、視野角が30°で輝度が98[%]付近であり、視野角が45°で輝度が95[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例3では、視野角が30°で輝度が97[%]付近であり、視野角が45°で輝度が87[%]付近である(CF有)。したがって、実施例3,比較例3の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例3のほうが比較例3よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図24(c),(d)は、実施例3,比較例3の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例3では、視野角が50°で色度変化Δxがほぼ0,Δyがほぼ0である(CF有)。これに対し、比較例3では、視野角が50°で色度変化Δxが0.005程度,Δyが0.01程度である(CF有)。したがって、実施例3,比較例3の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例3のほうが比較例3よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 以上より、視野角特性については、R,G,B各色とも実施例3が比較例3よりも優れていることが分かる。特に、G(グリーン)では比較例3は図8の許容範囲を満たしていないのに対し、実施例3は図8の許容範囲を満たしている点において優位性が高い。
[第4のシミュレーション]
<条件>
 第4のシミュレーションでは、機能層の構造を透明導電層と正孔注入層と正孔輸送層の3層構造としている。また、透明導電層の材料をIZO(Indium Zinc Oxide)、正孔注入層の材料を無機材料、正孔輸送層の材料を有機材料、反射電極の材料をアルミニウム、R,G,B各色の有機発光層の材料を、サメイション(SUMATION)社製のRP158、GP1200、BP105としている。
<発光効率と膜厚調整の容易性>
 図25は、上記条件において、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔注入層の膜厚を5[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図である。図25によれば、1st cavityの発光効率は、2nd cavityの発光効率よりも高い。したがって、1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、有機EL素子の発光効率を高めることができる。また、図25によれば、1st cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、0[nm]以上35[nm]以下の狭い範囲(機能層の膜厚が0[nm]以上60[nm]以下の範囲)に集中して存在している。一方、2nd cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、100[nm]以上250[nm]以下の広い範囲に分散して存在している。したがって、R,G,B各色の有機EL素子に1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、R,G,B各色の正孔輸送層の作り分けをあまり必要とせず、製造工程における膜厚調整が容易である。
 図26は、図25と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図である。
 実施例4(1st cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に20[nm]とし、正孔注入層の膜厚を共通に5[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ25[nm],16[nm],9[nm]とし、CF(カラーフィルタ)を用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。比較例4(2nd cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に20[nm]とし、正孔注入層の膜厚を共通に5[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ212[nm],180[nm],146[nm]とし、カラーフィルタを用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。実施例4と比較例4を対比すると、実施例4が比較例4よりも発光効率および膜厚調整の容易性の両方において優れていることが分かる。
 また、図27に示すように、実施例4,比較例4では、数1の右辺mが整数になることが確認できる。また、実施例4において機能層の膜厚の許容マージン幅が20[nm]以上あることを考慮すると、図27の実施例4’のように数1の右辺mが整数以外でもよいことが分かる。
<視野角特性>
(グリーン)
 図28は、図26と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図である。図28(a),(b)は、実施例4,比較例4の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例4では、視野角が30°で輝度が98[%]付近であり、視野角が45°で輝度が92[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例4では、視野角が30°で輝度が97[%]付近であり、視野角が45°で輝度が80[%]付近である(CF有)。したがって、実施例4,比較例4の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例4のほうが比較例4よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図28(c),(d)は、実施例4,比較例4の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例4では、視野角が50°で色度変化Δxが0.006程度,Δyが0.004程度である(CF有)。これに対し、比較例4では、視野角が50°で色度変化Δxが0.04程度,Δyが0.026程度である(CF有)。したがって、実施例4,比較例4の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例4のほうが比較例4よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
(レッド)
 図29は、図26と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図である。図29(a),(b)は、実施例4,比較例4の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例4では、視野角が30°で輝度が98[%]付近であり、視野角が45°で輝度が90[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例4では、視野角が30°で輝度が98[%]付近であり、視野角が45°で輝度が80[%]付近である(CF有)。したがって、実施例4,比較例4の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例4のほうが比較例4よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図29(c),(d)は、実施例4,比較例4の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例4では、視野角が50°で色度変化Δxが0.011程度,Δyが0.013程度である(CF有)。これに対し、比較例4では、視野角が50°で色度変化Δxが0.022程度,Δyが0.023程度である(CF有)。したがって、実施例4,比較例4の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例4のほうが比較例4よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
(ブルー)
 図30は、図26と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図である。図30(a),(b)は、実施例4,比較例4の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例4では、視野角が30°で輝度が98[%]付近であり、視野角が45°で輝度が92[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例4では、視野角が30°で輝度が97[%]付近であり、視野角が45°で輝度が85[%]付近である(CF有)。したがって、実施例4,比較例4の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例4のほうが比較例4よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図30(c),(d)は、実施例4,比較例4の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例4では、視野角が50°で色度変化Δxがほぼ0,Δyがほぼ0である(CF有)。これに対し、比較例4では、視野角が50°で色度変化Δxが0.005程度,Δyが0.011程度である(CF有)。したがって、実施例4,比較例4の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例4のほうが比較例4よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 以上より、視野角特性については、R,G,B各色とも実施例4が比較例4よりも優れていることが分かる。特に、G(グリーン)では比較例4は図8の許容範囲を辛うじて満たしているので機能層の膜厚マージンを確保できないのに対し、実施例4は図8の許容範囲を余裕をもって満たしているため機能層の膜厚マージンを確保できる点において優位性が高い。
[第5のシミュレーション]
<条件>
 第5のシミュレーションでは、透明導電層の材料をIZO(Indium Zinc Oxide)、反射電極の材料をアルミニウムとしている。それ以外は第4のシミュレーションと同様である。
<発光効率と膜厚調整の容易性>
 図31は、上記条件において、透明導電層の膜厚を20[nm]とし、正孔注入層の膜厚を5[nm]とし、正孔輸送層の膜厚を0[nm]から600[nm]まで変化させたときの発光効率[cd/A]の変化を示す図である。図31によれば、1st cavityの発光効率は、2nd cavityの発光効率よりも高い。したがって、1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、有機EL素子の発光効率を高めることができる。また、図31によれば、1st cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、0[nm]以上35[nm]以下の狭い範囲(機能層の膜厚が0[nm]以上60[nm]以下の範囲)に集中して存在している。一方、2nd cavityでは、R,G,B各色の発光効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が、100[nm]以上250[nm]以下の広い範囲に分散して存在している。したがって、R,G,B各色の有機EL素子に1st cavityを採用すれば、2nd cavityを採用する場合に比べて、R,G,B各色の正孔輸送層の作り分けをあまり必要とせず、製造工程における膜厚調整が容易である。
 図32は、図31と同条件の有機EL素子において、1st cavityを採用した場合と2nd cavityを採用した場合を対比するための図である。
 実施例5(1st cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に20[nm]とし、正孔注入層の膜厚を共通に5[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ15[nm],9[nm],5[nm]とし、CF(カラーフィルタ)を用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。比較例5(2nd cavity)では、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を共通に20[nm]とし、正孔注入層の膜厚を共通に5[nm]とし、正孔輸送層の膜厚をそれぞれ213[nm],166[nm],143[nm]とし、カラーフィルタを用いてR,G,B各色の色度を適正範囲に調整している。実施例5と比較例5を対比すると、実施例5が比較例5よりも発光効率および膜厚調整の容易性の両方において優れていることが分かる。
 また、図33に示すように、実施例5,比較例5では、数1の右辺mが整数になることが確認できる。また、実施例5において機能層の膜厚の許容マージン幅が20[nm]以上あることを考慮すると、図33の実施例5’のように数1の右辺mが整数以外でもよいことが分かる。
<視野角特性>
(グリーン)
 図34は、図32と同条件の有機EL素子においてG(グリーン)の視野角特性を説明するための図である。図34(a),(b)は、実施例5,比較例5の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例5では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が98[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例5では、視野角が30°で輝度が95[%]付近であり、視野角が45°で輝度が78[%]付近である(CF有)。したがって、実施例5は図8の許容範囲を満たしているが、比較例5は図8の許容範囲を満たしていないことが分かる。
 図34(c),(d)は、実施例5,比較例5の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例5では、視野角が50°で色度変化Δxが0.007程度,Δyが0.005程度である(CF有)。これに対し、比較例5では、視野角が50°で色度変化Δxが0.038程度,Δyが0.025程度である(CF有)。したがって、実施例5,比較例5の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例5のほうが比較例5よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
(レッド)
 図35は、図32と同条件の有機EL素子においてR(レッド)の視野角特性を説明するための図である。図35(a),(b)は、実施例5,比較例5の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例5では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が90[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例5では、視野角が30°で輝度が110[%]付近であり、視野角が45°で輝度が100[%]付近である(CF有)。したがって、実施例5,比較例5の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。
 図35(c),(d)は、実施例5,比較例5の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例5では、視野角が50°で色度変化Δxが0.012程度,Δyが0.013程度である(CF有)。これに対し、比較例5では、視野角が50°で色度変化Δxが0.023程度,Δyが0.023程度である(CF有)。したがって、実施例5,比較例5の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例5のほうが比較例5よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
(ブルー)
 図36は、図32と同条件の有機EL素子においてB(ブルー)の視野角特性を説明するための図である。図36(a),(b)は、実施例5,比較例5の輝度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例5では、視野角が30°で輝度が100[%]付近であり、視野角が45°で輝度が98[%]付近である(CF有)。これに対し、比較例5では、視野角が30°で輝度が104[%]付近であり、視野角が45°で輝度が100[%]付近である(CF有)。したがって、実施例5,比較例5の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例5のほうが比較例5よりも輝度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 図36(c),(d)は、実施例5,比較例5の色度の視野角依存性を示す。これによれば、実施例5では、視野角が50°で色度変化Δxがほぼ0,Δyがほぼ0である(CF有)。これに対し、比較例5では、視野角が50°で色度変化Δxが0.006程度,Δyが0.014程度である(CF有)。したがって、実施例5,比較例5の両方とも図8の許容範囲を満たしていることが分かる。ただし、実施例5のほうが比較例5よりも色度の視野角依存性が小さいので視野角特性に優れているといえる。
 以上より、視野角特性については、R,G,B各色とも実施例5が比較例5よりも優れていることが分かる。特に、G(グリーン)では比較例5は図8の許容範囲を満たしていないのに対し、実施例5は図8の許容範囲を満たしている点において優位性が高い。
[シミュレーションのまとめ]
 図37は、シミュレーションでのR,G,B各色の機能層の膜厚の一覧表であり、図38は、シミュレーションでのRG間,GB間,RB間の機能層の膜厚の差の一覧表である。シミュレーションの結果、実施例1~5が好適であることが判明している。実施例1~5をまとめると次のことが言える。
(1)R,G,B各色の機能層の膜厚を26[nm]以上50[nm]以下とし、かつ、R,G,B各色の機能層の膜厚の差を1[nm]以上16[nm]以下とすればよい。また、R,G,B各色の有機発光層から反射電極までの光学的な距離を49[nm]以上90[nm]以下とし、R,G,B各色の光学的な距離の差を0[nm]以上25[nm]以下とすればよい。光学的な距離については、0.1の位を四捨五入している。
(2)機能層が透明導電層と正孔輸送層の2層構造の場合において、Rの正孔輸送層の膜厚を13[nm]以上30[nm]以下とし、Gの正孔輸送層の膜厚を12[nm]以上21[nm]以下とし、Bの正孔輸送層の膜厚を10[nm]以上15[nm]以下とし、R,G,Bの透明導電層の膜厚を15[nm]以上20[nm]以下とすればよい。
(3)機能層が透明導電層と正孔注入層と正孔輸送層の3層構造の場合において、R,G,B各色の正孔注入層の膜厚を0[nm]よりも大きく5[nm]以下とし、Rの正孔輸送層の膜厚を15[nm]以上25[nm]以下とし、Gの正孔輸送層の膜厚を9[nm]以上16[nm]以下とし、Bの正孔輸送層の膜厚を5[nm]以上9[nm]以下とし、R,G,B各色の透明導電層の膜厚を15[nm]以上20[nm]以下とすればよい。
(4)Rの機能層の膜厚を28[nm]以上50[nm]以下とし、Gの機能層の膜厚を27[nm]以上41[nm]以下とし、Bの機能層の膜厚を26[nm]以上35[nm]以下とすればよい。
(5)光学特性を更に向上させるために、R,G,B各色で機能層の膜厚をほぼ等しい範囲内で相違させるのが好ましい場合がある。この場合には、機能層が透明導電層と正孔輸送層の2層構造であれば、R,G,B各色で透明導電層の膜厚を同一とし、正孔輸送層の膜厚を相違させるのが好ましい。また、機能層が透明導電層、正孔注入層および正孔輸送層の3層構造であれば、R,G,B各色で透明導電層および正孔注入層の膜厚を同一とし、正孔輸送層の膜厚を相違させるのが好ましい。これは、透明導電層および正孔注入層は蒸着法やスパッタ法で形成され、正孔輸送層はインクジェット法で形成されることが想定されるからである。インクジェット法は、滴下するインク滴数を調整するだけでR,G,B各色の膜厚を調整することができるので、蒸着法やスパッタ法に比べて各色ごとの膜厚調整が容易である。そのため、正孔輸送層の膜厚を相違させることにより、容易かつ精度よく機能層の膜厚を微調整することができ、光学特性を更に向上させることができる。
[各層の具体例]
 <基板>
 基板1は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)基板である。基板1の材料は、例えば、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラスなどのガラス板及び石英板、並びに、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂などのプラスチック板又はプラスチックフィルム、並びに、アルミナなどの金属板又は金属ホイルなどである。
 <バンク>
 バンク2は、絶縁性材料により形成されていれば良く、有機溶剤耐性を有することが好ましい。また、バンク2はエッチング処理、ベーク処理などされることがあるので、それらの処理に対する耐性の高い材料で形成されることが好ましい。バンク2の材料は、樹脂などの有機材料であっても、ガラスなどの無機材料であっても良い。有機材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などを使用することができ、無機材料として、シリコンオキサイド(SiO2)、シリコンナイトライド(Si34)などを使用することができる。
 <反射電極>
 反射電極3は、基板1に配されたTFTに電気的に接続されており、有機EL素子の正極として機能すると共に、有機発光層7b,7g,7rから反射電極3に向けて出射された光を反射する機能を有する。反射機能は、反射電極3の構成材料により発揮されるものでもよいし、反射電極3の表面部分に反射コーティングを施すことにより発揮されるものでもよい。反射電極3は、例えば、Ag(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)等で形成されている。
<透明導電層>
 透明導電層4は、製造過程において反射電極3が自然酸化するのを防止する保護層として機能する。透明導電層4の材料は、有機発光層7b,7g,7rで発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよく、例えば、ITOやIZOなどが好ましい。室温で成膜しても良好な導電性を得ることができるからである。
<正孔注入層>
 正孔注入層5は、正孔を有機発光層7b,7g,7rに注入する機能を有する。例えば、酸化タングステン(WOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化モリブデンタングステン(MoxWyOz)などの遷移金属の酸化物で形成される。遷移金属の酸化物で形成することで、電圧-電流密度特性を向上させ、また、電流密度を高めて発光強度を高めることができる。なお、これ以外に、遷移金属の窒化物などの金属化合物も適用できる。
<正孔輸送層>
 正孔輸送層6の材料は、例えば、特開平5-163488号に記載のトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体である。特に好ましくは、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物である。
<有機発光層>
 有機発光層7b,7g,7rの材料は、例えば、特開平5-163488号公報に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8-ヒドロキシキノリン化合物の金属鎖体、2-ビピリジン化合物の金属鎖体、シッフ塩とIII族金属との鎖体、オキシン金属鎖体、希土類鎖体等の蛍光物質である。
<電子輸送層>
 電子輸送層8の材料は、例えば、特開平5-163488号公報のニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体である。
 なお、電子注入性を更に向上させる点から、上記電子輸送層を構成する材料に、Na,Ba,Caなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドーピングしてもよい。
<透明電極>
 透明電極9は、有機EL素子の負極として機能する。透明電極9の材料は、有機発光層7b,7g,7rで発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよく、例えば、ITOやIZOなどが好ましい。
<薄膜封止層>
 薄膜封止層10は、基板1との間に挟まれた各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。薄膜封止層10の材料は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)や樹脂等である。
<樹脂封止層>
 樹脂封止層11は、基板1から薄膜封止層10までの各層からなる背面パネルと、カラーフィルタ12b,12g,12rが形成された前面パネルとを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。樹脂封止層11の材料は、例えば、樹脂接着剤等である。
<カラーフィルタ>
 カラーフィルタ12b,12g,12rは、有機EL素子から出射された光の色度を矯正する機能を有する。
[表示装置]
 図39は、本発明の実施形態に係る表示装置の外観を例示する図である。図40は、本発明の実施形態に係る表示装置の機能ブロックを示す図である。表示装置15は、有機ELパネル16と、これに電気的に接続された駆動制御部17とを備える。有機ELパネル16は、図3に示す画素構造を有するものである。駆動制御部17は、各有機EL素子の反射電極3と透明電極9との間に電圧を印加する駆動回路18~21と、駆動回路18~21の動作を制御する制御回路22とからなる。
[有機ELパネルの製造方法]
 次に、有機ELパネルの製造方法を説明する。図41,42は、本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明するための図である。
 まず、基板1上に反射電極3を蒸着法やスパッタ法等によって形成する(図41(a))。次に、反射電極3上に、蒸着法やスパッタ法等により透明導電層4を形成する(図41(b))。次に、バンク2を形成する(図41(c))。次に、透明導電層4上に、例えばインクジェット法等により正孔輸送層6を形成する(図41(d))。次に、正孔輸送層6上に、有機発光層7b,7g,7rを形成する(図42(a))。次に、電子輸送層8、透明電極9、薄膜封止層10を積層する(図42(b))。次に、カラーフィルタ12b,12g,12rが形成された前面パネルを、樹脂封止層11を用いて貼り合わせる(図42(c))。透明導電層4の膜厚および正孔輸送層6の膜厚は、機能層の膜厚の好適例として上述した範囲に調整される。R,G,B各色の機能層の膜厚を微調整するには、蒸着法やスパッタ法に比べてインクジェット法のほうが容易である。そのため、透明導電層4の膜厚をR,G,B各色で同一とし、正孔輸送層6の膜厚をR,G,B各色で微調整するのが好ましい。
 なお、図4の構造を得るには、透明導電層4上に正孔注入層5を形成し、次に、正孔注入層5上に正孔輸送層6を形成すればよい。正孔注入層5は、金属酸化物を用いて構成されており、蒸着法またはスパッタ法等により形成される。この場合においても、上記と同様の理由により、透明導電層4および正孔注入層5の膜厚をR,G,B各色で同一とし、正孔輸送層6の膜厚をR,G,B各色で微調整するのが好ましい。
 本発明は、有機ELディスプレイ等に利用可能である。
    1  基板
    2  バンク
    3  反射電極
    4  透明導電層
    5  正孔注入層
    6  正孔輸送層
    7b,7g,7r 有機発光層
    8  電子輸送層
    9  透明電極
   10  薄膜封止層
   11  樹脂封止層
   12b,12g,12r カラーフィルタ
   15  表示装置
   16  有機ELパネル
   17  駆動制御部
   18,19,20,21 駆動回路
   22  制御回路

Claims (35)

  1.  入射された光を反射する第1電極と、
     前記第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、
     前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して設けられる、前記第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R,G,B各色の光を出射する有機発光層と、
     前記第1電極と前記有機発光層との間に配置され、前記R,G,B各色に対応して設けられる1または2以上の層からなる機能層とを備え、
     前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極を通じて外部に出射される第1光路と、
     前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の残りの一部が、前記機能層を通じて前記第1電極に入射されて前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層および前記第2電極を通じて外部に出射される第2光路とが形成され、
     前記R,G,B各色の機能層の膜厚は、60nm以下において、その発光効率が極大値を示す膜厚に対応する膜厚であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しく、
     前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離は、100nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しいこと
     を特徴とする有機ELパネル。
  2.  前記機能層は、前記第1電極上に設けられる透明導電層と、前記透明導電層上に設けられる正孔輸送層とからなる、請求項1記載の有機ELパネル。
  3.  前記正孔輸送層の膜厚は、前記R,G,B各色でほぼ等しく、
     前記透明導電層の膜厚は、前記R,G,B各色で同一である、
     請求項2記載の有機ELパネル。
  4.  前記正孔輸送層の膜厚は、前記R,G,B各色で相違し、
     前記透明導電層の膜厚は、前記R,G,B各色で同一である、
     請求項2記載の有機ELパネル。
  5.  前記Rの正孔輸送層の膜厚は13nm以上30nm以下であり、前記Gの正孔輸送層の膜厚は12nm以上21nm以下であり、前記Bの正孔輸送層の膜厚は10nm以上15nm以下であり、
     前記R,G,B各色の透明導電層の膜厚は15nm以上20nm以下である、
     請求項3または4記載の有機ELパネル。
  6.  前記正孔輸送層は、正孔を輸送する機能に加え、正孔を有機発光層に注入する機能を備える、請求項2記載の有機ELパネル。
  7.  前記機能層は、前記第1電極上に設けられる透明導電層と、前記透明導電層上に設けられる正孔注入層と、前記正孔注入層上に設けられる正孔輸送層とからなる、請求項1記載の有機ELパネル。
  8.  前記正孔輸送層の膜厚は、前記R,G,B各色でほぼ等しく、
     前記透明導電層および前記正孔注入層の膜厚は、前記R,G,Bで同一である、
     請求項7記載の有機ELパネル。
  9.  前記正孔輸送層の膜厚は、前記R,G,B各色で相違し、
     前記透明導電層および前記正孔注入層の膜厚は、前記R,G,Bで同一である、
     請求項7記載の有機ELパネル。
  10.  前記R,G,B各色の正孔注入層の膜厚は0nmよりも大きく5nm以下であり、
     前記Rの正孔輸送層の膜厚は15nm以上25nm以下であり、前記Gの正孔輸送層の膜厚は9nm以上16nm以下であり、前記Bの正孔輸送層の膜厚は5nm以上9nm以下であり、
     前記R,G,B各色の透明導電層の膜厚は15nm以上20nm以下である、
     請求項8または9記載の有機ELパネル。
  11.  前記Rの機能層の膜厚は28nm以上50nm以下であり、前記Gの機能層の膜厚は27nm以上41nm以下であり、前記Bの機能層の膜厚は26nm以上35nm以下である、
     請求項1記載の有機ELパネル。
  12.  入射された光を反射する第1電極と、
     前記第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、
     前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して設けられる、前記第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R,G,B各色の光を出射する有機発光層と、
     前記第1電極と前記有機発光層との間に配置され、前記R,G,B各色に対応して設けられる1または2以上の層からなる機能層とを備え、
     前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極を通じて外部に出射される第1光路と、
     前記有機発光層から出射された前記R,G,B各色の光の残りの一部が、前記機能層を通じて前記第1電極に入射されて前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層および前記第2電極を通じて外部に出射される第2光路とが形成され、
     前記R,G,B各色の機能層の膜厚は、いずれも26nm以上50nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色の機能層の膜厚の差は1nm以上16nm以下であり、
     前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離は、49nm以上90nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色の光学的な距離の差は0nm以上25nm以下であること
     を特徴とする有機ELパネル。
  13.  前記機能層は、前記第1電極上に設けられる透明導電層と、前記透明導電層上に設けられる正孔輸送層とからなる、請求項12記載の有機ELパネル。
  14.  前記Rの正孔輸送層の膜厚は13nm以上30nm以下であり、前記Gの正孔輸送層の膜厚は12nm以上21nm以下であり、前記Bの正孔輸送層の膜厚は10nm以上15nm以下であり、
     前記R,G,Bの透明導電層の膜厚は15nm以上20nm以下である、
     請求項13記載の有機ELパネル。
  15.  前記正孔輸送層は、正孔を輸送する機能に加え、正孔を有機発光層に注入する機能を備える、請求項13記載の有機ELパネル。
  16.  前記機能層は、前記第1電極上に設けられる透明導電層と、前記透明導電層上に設けられる正孔注入層と、前記正孔注入層上に設けられる正孔輸送層とからなる、請求項12記載の有機ELパネル。
  17.  前記R,G,B各色の正孔注入層の膜厚は0nmよりも大きく5nm以下であり、
     前記Rの正孔輸送層の膜厚は15nm以上25nm以下であり、前記Gの正孔輸送層の膜厚は9nm以上16nm以下であり、前記Bの正孔輸送層の膜厚は5nm以上9nm以下であり、
     前記R,G,B各色の透明導電層の膜厚は15nm以上20nm以下である、
     請求項16記載の有機ELパネル。
  18.  前記Rの機能層の膜厚は28nm以上50nm以下であり、前記Gの機能層の膜厚は27nm以上41nm以下であり、前記Bの機能層の膜厚は26nm以上35nm以下である、
     請求項12記載の有機ELパネル。
  19.  前記光学的な距離は、前記機能層を構成する層毎にその膜厚とその屈折率の積をとり、層毎に得られた積を合計することにより求められる、請求項1または12記載の有機ELパネル。
  20.  請求項1から19の何れかに記載された有機ELパネルと、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する駆動回路とを備える表示装置。
  21.  入射された光を反射する第1電極を準備する第1工程と、
     前記第1電極上に、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して1または2以上の層からなる機能層を設ける第2工程と、
     前記R,G,B各色の機能層上に、それぞれR,G,B各色の光を出射する有機発光層を設ける第3工程と、
     前記有機発光層の上方における前記第1電極と対向するように、入射された光を透過する第2電極を設ける第4工程とを含み、
     前記第2工程では、前記R,G,B各色の機能層の膜厚を、60nm以下において、その発光効率が極大値を示す膜厚に対応する膜厚であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しくし、
     前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離が、100nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色でほぼ等しくなるように形成すること
     を特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  22.  入射された光を反射する第1電極を準備する第1工程と、
     前記第1電極上に、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色に対応して1または2以上の層からなる機能層を設ける第2工程と、
     前記R,G,B各色の機能層上に、それぞれR,G,B各色の光を出射する有機発光層を設ける第3工程と、
     前記有機発光層の上方における前記第1電極と対向するように、入射された光を透過する第2電極を設ける第4工程とを含み、
     前記第2工程では、前記R,G,B各色の機能層の膜厚を、いずれも26nm以上50nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色の機能層の膜厚の差を1nm以上16nm以下であり、
     前記R,G,B各色における前記有機発光層から前記第1電極までの光学的な距離を、49nm以上90nm以下であって、かつ、前記R,G,B各色の光学的な距離の差を0nm以上25nm以下に形成すること
     を特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  23.  前記第2工程は、前記第1電極上に透明導電層を設ける工程と、前記透明導電層上に正孔輸送層を設ける工程とを含む、請求項21または22記載の有機ELパネルの製造方法。
  24.  前記透明導電層を設ける工程では、前記透明導電層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、前記正孔輸送層の膜厚を、前記R,G,B各色でほぼ等しくする、
     請求項23記載の有機ELパネルの製造方法。
  25.  前記透明導電層を設ける工程では、蒸着法またはスパッタ法を用いて、前記透明導電層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、インクジェット法を用いて、前記正孔輸送層の膜厚を、前記R,G,B各色でほぼ等しくする、
     請求項24記載の有機ELパネルの製造方法。
  26.  前記透明導電層を設ける工程では、前記透明導電層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、前記正孔輸送層の膜厚を、前記R,G,B各色で相違させる、
     請求項23記載の有機ELパネルの製造方法。
  27.  前記透明導電層を設ける工程では、蒸着法またはスパッタ法を用いて、前記透明導電層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、インクジェット法を用いて、前記正孔輸送層の膜厚を、前記R,G,B各色で相違させる、
     請求項26記載の有機ELパネルの製造方法。
  28.  前記正孔輸送層を設ける工程では、前記Rの正孔輸送層の膜厚を13nm以上30nm以下、前記Gの正孔輸送層の膜厚を12nm以上21nm以下、前記Bの正孔輸送層の膜厚を10nm以上15nm以下に形成し、
     前記透明導電層を設ける工程では、前記R,G,Bの透明導電層の膜厚を15nm以上20nm以下に形成する、
     請求項24または26記載の有機ELパネル。
  29.  前記第2工程は、前記第1電極上に透明導電層を設ける工程と、前記透明導電層上に正孔注入層を設ける工程と、前記正孔注入層上に正孔輸送層を設ける工程とを含む、請求項21または22記載の有機ELパネルの製造方法。
  30.  前記透明導電層を設ける工程では、前記透明導電層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔注入層を設ける工程では、前記正孔注入層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、前記正孔輸送層の膜厚を、前記R,G,B各色でほぼ等しくする、
     請求項29記載の有機ELパネルの製造方法。
  31.  前記透明導電層を設ける工程では、蒸着法またはスパッタ法を用いて、前記透明導電層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔注入層を設ける工程では、蒸着法またはスパッタ法を用いて、前記正孔注入層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、インクジェット法を用いて、前記正孔輸送層の膜厚を、前記R,G,B各色でほぼ等しくする、
     請求項30記載の有機ELパネルの製造方法。
  32.  前記透明導電層を設ける工程では、前記透明導電層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔注入層を設ける工程では、前記正孔注入層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、前記正孔輸送層の膜厚を、前記R,G,B各色で相違させる、
     請求項29記載の有機ELパネルの製造方法。
  33.  前記透明導電層を設ける工程では、蒸着法またはスパッタ法を用いて、前記透明導電層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔注入層を設ける工程では、蒸着法またはスパッタ法を用いて、前記正孔注入層の膜厚を、前記R,G,B各色で同一とし、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、インクジェット法を用いて、前記正孔輸送層の膜厚を、前記R,G,B各色で相違させる、
     請求項32記載の有機ELパネルの製造方法。
  34.  前記正孔注入層を設ける工程では、前記R,G,B各色の正孔注入層の膜厚を0nmよりも大きく5nm以下に形成し、
     前記正孔輸送層を設ける工程では、前記Rの正孔輸送層の膜厚を15nm以上25nm以下、前記Gの正孔輸送層の膜厚を9nm以上16nm以下、前記Bの正孔輸送層の膜厚を5nm以上9nm以下に形成し、
     前記透明導電層を設ける工程では、前記R,G,B各色の透明導電層の膜厚を15nm以上20nm以下に形成する、
     請求項30または32記載の有機ELパネルの製造方法。
  35.  前記第2工程では、
     前記Rの機能層の膜厚を28nm以上50nm以下、前記Gの機能層の膜厚を27nm以上41nm以下、前記Bの機能層の膜厚を26nm以上35nm以下に形成する、
     請求項21または22記載の有機ELパネルの製造方法。
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