WO2011077902A1

WO2011077902A1 - シート装置

Info

Publication number: WO2011077902A1
Application number: PCT/JP2010/071245
Authority: WO
Inventors: 昌行高倉; 大雅伊東
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2009-12-25
Filing date: 2010-11-29
Publication date: 2011-06-30
Also published as: CN102666192B; CN102666192A; EP2517925A1; EP2517925A4; EP2517925B1; US20120292962A1; US8590970B2

Abstract

　第１のシート(16)の第１のシートクッション(41)が着座姿勢から跳ね上げられて着座姿勢の前方位置で起立状態の収納姿勢になるシート装置が開示される。シート装置(15)は、第１のシートクッション(41)の前部に下方に向けて垂直の延びる第１の垂直脚部(51,52)を含んでいる。第１の水平部(54,55)は、第１の垂直脚部(51,52)の下端から前方に向けて水平に延びており、固定レール(35)に摺動可能に連結された第１のスライダ(48)に回転可能に連結されている。第１のシートクッション(41)の着座姿勢において、第１の垂直脚部(51,52)の下端は、フロアに支持される。

Description

シート装置

　本発明は、シートクッションをシート幅方向に摺動自在に支持するとともに、該シートクッションを着座姿勢および収納姿勢間で移動自在に支持したシート装置に関する。

　シート装置のなかには、シートクッションの前部から下方に向けて前脚が延びており、該前脚の下端が支持軸（回転軸）を介して車体フロアに回動自在に連結されたものがある（例えば、特許文献１）。

　このシート装置によれば、シートクッションにシートバックを重ね合わせた後、シートクッションおよびシートバックを回転軸を軸にして前方に揺動させ（跳ね上げ）、シートクッションおよびシートバックを足置部に収納することができる。

　ここで、シート装置を着座姿勢に保持した際、シート装置の自重やシートクッションに着座した乗員の体重を回転軸や支持ブラケットで支える必要がある。よって、回転軸や支持ブラケットの剛性をそれぞれ高める必要がある。このため、回転軸や支持ブラケットをコンパクトに抑えることが困難になり、設計の自由度が制限されていた。

実開平５－２６６０７号公報

　本発明は、前脚が連結された回転軸などをコンパクトに抑えることができるシート装置を提供することを課題とする。

　本発明の一面によれば、第１のシートと第２のシートとをシート幅方向に併設し、前記第１のシートの第１のシートクッションを着座姿勢位置と該着座姿勢の前方位置である収納姿勢位置との間で移動させる第１の移動機構を備えたシート装置であって、前記第１のシートおよび前記第２のシートを支えるフロアに支持されて前記シート幅方向に延び、前記第１および第２のシートの前方に配置された固定レールと、前記固定レールに摺動可能に連結されて前記第１の移動機構を支持する第１のスライダと、前記第１のシートの前部に上端が連結されて実質的に垂直方向に延びる第１の垂直脚部と、前記第１の垂直脚部の下端から前方に向けて略水平に延びて前部が前記第１のスライダに回転可能に連結された第１の水平部と、を有する第１の前脚と、を備えており、前記第１の垂直脚部の前記下端は、前記第１のシートの着座姿勢において前記フロアで支持されているシート装置が提供される。

　このように、第１の垂直脚部の下端をフロアで支持することで、第１のシートの自重や第１のシートクッションに着座した着座者の体重を、第１の移動機構の回転軸よりも後方に位置する第の垂直脚部の下端で支えることができる。よって、第１のシートの自重や着座者の体重を、第１のスライダに伝達することを防ぐことができる。第１のシートの自重や着座者の体重を第１のスライダで支える必要がないので、第１のスライダはコンパクトに抑えられ、第１のスライダのコンパクト化を図ることで設計の自由度を高めることができる。

　好ましくは、前記第１の水平部の前部は、シート幅方向に延びる回転軸を介して前記第１のスライダに回動自在に支持されている。よって、第１のシートの自重や着座者の体重が回転軸に伝達することを防ぐことができる。第１のシートの自重や着座者の体重を回転軸で支える必要がなく、回転軸をコンパクトに抑えることができ、回転軸のコンパクト化を図ることで設計の自由度を高めることができる。

　好ましくは、前記第１のシートの着座姿勢において、前記第１の前脚の前記第１の垂直脚部の下端と前記フロアとの間に第１の弾性部材が介在されている。従って、第１のシートの自重や着座者の体重を第１の弾性部材で吸収することができ、第１のシートの自重や着座者の体重を回転軸よりも後方の第１の垂直脚部の下端で一層良好に支えることができる。

　好ましくは、前記シート装置は、前記第１のスライダを前記固定レールにロックするロック機構と、該ロック機構のロックを解除する操作部材と、をさらに備えており、前記所定位置のうち、前記第１のシートクッションが前記着座姿勢にあるとき、前記操作部材による前記ロック機構のロック解除操作を規制する規制部材が設けられている。従って、第１のシートクッションが着座姿勢にあるときに、第１のシートクッションが車幅方向に移動することを確実に阻止でき、使い勝手の向上を図ることができる。

　好ましくは、前記操作部材は、前記ロック機構に連結され、前記ロック機構を所定方向に引き操作することで前記ロック解除操作をおこなう操作ストラップを有し、前記規制部材は、前記第１のシートの第１のシートクッション側の部材に設けられて、前記第１のシートクッションが前記着座姿勢にあるとき、前記操作ストラップは前記所定方向に対して略直交する方向に折り曲げられる。従って、操作ストラップを所定方向に引き操作することを規制部材で阻止することができる。操作ストラップを規制部材で折り曲げるだけで、操作ストラップの所定方向への引き操作を阻止できるので、簡単な構成で規制部材を構成できる。

　好ましくは、前記シート装置は、前記第１のシートの第１のシートクッションを前記着座姿勢に保持した状態で、前記第１のシートクッションの底面側に配置される第１の位置と、前記第１のシートクッションを前記収納姿勢に移動させたときに前記第１のシートクッションの下端よりも下側に突出した第２の位置との間で移動可能な支持部材を備えている。

　このように、支持部材は、第１のシートクッションに第１の位置と第２の位置との間で回転（揺動）可能に支持されている。具体的には、第１のシートクッションを着座姿勢に移動させたときに、支持部材を第１のシートクッションの底面側の第１の位置に収納する。従って、支持部材が第１のシートクッションに着座する者の邪魔になるおそれはない。

　好ましくは、前記支持部材は前記フロア側の部材に連結されており、前記シート装置は、前記第１のシートクッションが前記着座姿勢から前方に起立した状態の跳上げ姿勢への移動に連動して前記支持部材を前記第２の位置に移動可能であり、前記跳上げ姿勢から前記着座姿勢への移動に連動して前記支持部材を前記第１の位置に移動可能であるリンク機構を備えている。

　第１のシートクッションを跳上げ姿勢に移動させたときには、支持部材は第１のシートクッションの下端より下側の第２の位置に突出する。従って、支持部材をフロアに当接させて跳上げ姿勢の第１のシートクッションを支えることができる。よって、跳上げ姿勢の第１のシートクッションをヘッドレストをフロアに当接させて支える必要がないので、ヘッドレストに汚れが生じることを防止でき、外観性の向上を図ることができる。

　好ましくは、前記支持部材は、前記フロアに沿って車幅方向に転動可能なキャスタで構成されている。従って、跳上げ姿勢の第１のシートクッションをキャスタで支えることができる。該キャスタをフロアに沿って転動させることで、跳上げ姿勢の第１のシートクッションを固定レールに沿わせて車幅方向に安定した状態で円滑に移動させることができる。

　好ましくは、前記シート装置は、前記第１のスライダを前記固定レールの車幅方向の所定位置にロックするロック機構と、前記ロック機構が非ロック状態のとき、前記第１のシートクッションが前記着座姿勢に移動することを規制する規制部材と、を備えている。従って、第１のシートクッションを着座姿勢に戻す所定位置以外で、第１のシートクッションを着座姿勢に戻すことを阻止することができる。第１のシートクッションを着座姿勢に戻す所定位置のみにおいて第１のシートクッションを着座姿勢に戻すことができ、使い勝手の向上を図ることができる。

　好ましくは、前記規制部材は、前記ロック機構が非ロック状態のとき、前記ロック機構と干渉して前記第１のシートクッションの前記着座姿勢への移動を規制する。このように、規制部材をロック機構に干渉させるだけで、第１のシートクッションが着座姿勢に移動することを阻止することができるので、規制部材を簡単に構成することができる。

　好ましくは、前記シート装置は、前記第２のシートを着座姿勢と該着座姿勢の前方の収納姿勢との間で移動させる第２の移動機構と、前記固定レールに摺動可能に連結されて前記第２の移動機構を支持する第２のスライダと、をさらに備えている。

　第２のシートや第２のシートを支える各部材は、第１のシートや第１のシートを支える各部材と左右対称の部材であり、詳しい説明は省略するが、第１のシートや第１のシートを支える各部材と同様の作用効果が得られる。すなわち、第２のシートや第２のシートを支える各部材によれば、第２のシートの自重や第１のりシートクッションに着座した者の体重を、第２の移動機構の回転軸よりも後方の第２の垂直脚部の下端で支えることができる他、第２のスライダのコンパクト化を図ることで設計の自由度が高まる。

　また、第１のシートによれば、第１の水平部の前部を第１のスライダに回転自在に連結することで、第１の垂直脚部を第１のスライダより後方に配置できる。よって、収納姿勢（跳上げ姿勢）に配置した第２のシートを第１のシートの前方まで固定レールに沿って移動する際に、第１の垂直脚部に第２のスライダが干渉することを防止することができる。従って、第１の垂直脚部の形状を決める際の自由度が高まる。さらに、第１のシートの自重や着座者の体重を良好に支えることができるように第１の垂直脚部の形状を決めることができる。

　好ましくは、前記シート装置は、前記第２のシートの前部に上端が連結されて略垂直方向に延びる第２の垂直脚部と、該第２の垂直脚部の下端から前方に向けて略水平に延びて前部が前記第２のスライダに回転可能に連結された第２の水平部と、を有する第２の前脚を備えており、前記第２のシートの着座姿勢において、前記第２の垂直脚部の下端を前記フロアで支持している。

　第２のシートや第２のシートを支える各部材は、前述したように、第１のシートや第１のシートを支える各部材と左右対称の部材であり、詳しい説明は省略するが、第１のシートや第１のシートを支える各部材と同様の作用効果が得られる。

　すなわち、第２のシートや第２のシートを支える各部材によれば、第２の水平部の前部を第２のスライダに回転自在に連結することで、第２の垂直脚部を第２のスライダより後方に配置することができる。これにより、第２のシートの自重や着座者の体重を良好に支えることが可能となるように、第２の垂直脚部の形状を決めることができる。

本発明に係るシート装置を備えた車両の内部を示した斜視図である。図１に示したシート装置の外観を示した斜視図である。図２に示したスライダからカバーを外した状態のシート装置の斜視図である。図３の４－４線に沿った断面図である。左側のシート装置を後下方から見た状態を示した斜視図である。図５の第１のシートを跳上げた状態を示した斜視図である。図３の矢印７から見た図である。図３の８Ａ－８Ａ線に沿った断面図である。図８Ａのうち、内側の水平部を示した断面図である。図３の９－９線に沿った断面図である。左側の第１シートを跳ね上げた状態を示した側面図である。図１０に示したシート装置の下部側を拡大して示した図である。跳上げた第１のシートと、第２のシートとの関係を示したシート装置の側面図である。図３の１３領域を拡大して示した左ロック機構の斜視図である。図１３に示した左規制部材の斜視図である。図１３に示した左ロック機構の正面図である。図１５の１６－１６線に沿った拡大断面図である。図１５の１７－１７線に沿った拡大断面図である。図１７において第１のシートを跳上げた状態を示した断面図である。図１８に示した左ロック機構を非ロック状態にした断面図である。シート装置の右ロック機構を示した斜視図である。図２０に示した右ロック機構の正面図である。図２１の２２－２２線に沿った拡大断面図である。第１シートのシートバックを折り畳む状態を示した斜視図である。第１シートのシートバックを第１のシートクッション上に折り畳んだ状態を示した斜視図である。図２４に示した第１のシートの側面図である。図２４に示した第１のシートを収納状態に跳ね上げた状態を示した側面図である。第１のシートを収納位置に移動する例を示した斜視図である。左ロック部材が第１の左係止孔に嵌入した状態を示した図である。左ロック部材が第２の右係止孔方向に移動する状態を示した図である。第１のシートを収納位置にロックする際、左係止爪が第２の右係止孔を通過する状態を示した図である。左係止爪が第２の左係止孔に嵌入した状態を示した図である。第１のシートが収納位置にロックされた状態を示した図である。第１のシートが収納位置にロックされた状態を示した斜視図である。第１のシートが収納位置に移動し、できた荷物スペースに自転車を搭載した例を示した車両の平面図である。第２のシートを収納位置に移動する際のロック部材の移動状態を示した図である。第２のシートを収納位置にロックした例を示した図である。本実施例の変形例として、第１のシートがダイブダウン移動する例を示した斜視図である。

　以下、本発明の好ましい実施例について、添付した図面に基づいて説明する。

　図１に示すように、車両１０は、車体フロア１１に設けられたドライバシート１２と、ドライバシート１２の車幅方向に隣接して設けられたパッセンジャシート１３と、ドライバシート１２およびパッセンジャシート１３の車体後方に設けられたシート装置１５を備えている。

　ドライバシート１２は、フロア１１に内側および外側のスライドレール２１を介して車体前後方向にスライド移動可能に支持されている。
　パッセンジャシート１３は、ドライバシート１２と同様に、フロア１１に内外のスライドレール２２を介して車体前後方向にスライド移動可能に支持されている。

　シート装置１５は、パッセンジャシート１３の後方側に設けられた左リヤシート（第１のシート）１６と、ドライバシート１２の車体後方に設けられた右リヤシート（第２のシート）１７とを備えている。

　第１のシート１６および第２のシート１７は、車幅方向（シート幅方向）に併設されている。第１のシート１６の前方である第１のシート１６およびパッセンジャシート１３間に左足元スペース１８が形成されている。第２のシート１７の前方である第２のシート１７およびドライバシート１２間に右足元スペース１９（図２参照）が形成されている。

　車両１０は、第１のシート１６と第２のシート１７のそれぞれの位置に対応する車体側方の開口部に対して車体前後方向に開閉自在なスライドドア２３（図３３参照）が設けられている。スライドドア２３を車体後方側に開放して車体側方の開口部を開放し、該開口部から第１および第２のシート１６，１７に乗降する。

　第１のシート１６および第２のシート１７の後方には荷室２４（図３３参照）が設けられ、荷室２４後方側の開口部（車体後部の開口部）に対して開閉自在なテールゲート２８（図３３参照）が設けられている。このテールゲート２８を開けて車体後部の開口部を開放し、該開口部から荷室２４に対して荷物の上げ下ろしをする。

　また、図２～図４に示すように、シート装置１５は、第１のシート１６を支える左脚部機構２５と、第１のシート１６を車幅方向に移動自在に支える左支持機構２６と、第１のシート１６を車幅方向の所定位置に保持する左ロック／非ロック機構２７と、第２のシート１７を支える右脚部機構３１と、第２のシート１７を車幅方向に移動自在に支える右支持機構３２と、第２のシート１７を車幅方向の所定位置に保持する右ロック／非ロック機構３３と、左右の脚部機構２５，３１を車体幅方向（シート幅方向）に案内する固定レール３５とを備えている。

　左脚部機構２５の左スライダ４８は、第１のシート１６に対して車幅方向の中央よりも左側（車幅方向外側）に配置されている。
　右脚部機構３１の右スライダ８６は、第２のシート１７に対して車幅方向の中央よりも右側（車幅方向外側）に配置されている。

　なお、右脚部機構３１、右支持機構３２および右ロック／非ロック機構３３は、左脚部機構２５、左支持機構２６および左ロック／非ロック機構２７と左右対称の構成であり、右側の各機構３１、３２、３３の詳しい説明を省略する。

　第１のシート１６は、乗員が着座する左シートクッション（第１のシートクッション）４１と、左シートクッション４１の後部に車体前後方向に傾倒可能な左シートバック４２と、左シートバック４２の上部に設けられた左ヘッドレスト４３と、左シートクッション４１の下部に設けられた内側および外側の左スライドレール４４（図４も参照）とを備えている。
　右セカンドシート１７は、左セカンドシート１６と左右対称の部材であり詳しい説明を省略する。

　図５、図６に示すように、左脚部機構２５は、内側および外側の左スライドレール４４，４４の前部に設けられた左前脚（第１の前脚）４５と、内側の左スライドレール４４の後部に設けられた左後脚４６と、第１のシート１６を着座姿勢および収納姿勢（跳上げ姿勢）間で移動させる左移動機構（第１の移動機構）４７と、左移動機構４７を支持するとともに固定レール３５に摺動可能に連結された左スライダ（第１のスライダ）４８とを備えている。

　左前脚４５は、内側の左スライドレール４４の前部に上端５１ａが連結されて下方に向けて略垂直に延びる内側の左前垂直脚部（第１の垂直脚部）５１と、外側の左スライドレール４４の前部に上端５２ａが連結されて下方に向けて略垂直に延びる外側の左前垂直脚部（第１の垂直脚部）５２と、内側の左前垂直脚部５１および外側の左前垂直脚部５２の各下端５１ｂ，５２ｂ間に架け渡された左の水平前脚部５３と、左の水平前脚部５３から前方に向けて略水平に延びる内側および外側の水平部（第１の水平部）５４，５５（図８Ａ及び図８Ｂも参照）と、左の水平前脚部５３に設けられた内側および外側の支え部材（弾性部材）５６，５７と、を有する。

　左の水平前脚部５３は、内側の左前垂直脚部５１および外側の左前垂直脚部５２の各下端５１ｂ，５２ｂ間に架け渡された略水平の棒状部材である。
　内側および外側の水平部５４，５５は、内側および外側の左前垂直脚部５１，５２の下端５１ｂ，５２ｂから左の水平前脚部５３を介して前方に向けて略水平に延びている。

　具体的には、図７、図８Ａに示すように、外側の水平部５５は、外側の左前垂直脚部５２の下端５２ｂから左の水平前脚部５３を介して前方に距離Ｌ１だけ略水平に延出され、前部５５ａが外側の回転軸６２を介して左スライダ４８の外側部４８ｂに回動自在に連結されている。

　また、内側の水平部５４は、図８Ｂに示すように、外側の水平部５５と同様に、内側の左前垂直脚部５１の下端５１ｂから左の水平前脚部５３を介して前方に距離Ｌ１だけ略水平に延出され、前部５４ａが内側の回転軸６１を介して左スライダ４８の内側部４８ａ（図１３）に回動自在に連結されている。
　内側および外側の回転軸６１，６２は、左シートクッション４１の前部４１ｂを左前脚４５を介して回動自在に支持する。

　図８Ａ、図８Ｂに示すように、内側の左前垂直脚部５１の下端５１ｂから左の水平前脚部５３を介して内側の水平部５４が設けられるとともに、外側の左前垂直脚部５２の下端５２ｂから左の水平前脚部５３を介して外側の水平部５５が設けられている。
　すなわち、内側及び外側の水平部５４、５５は、内側の左前垂直脚部５１の下端５１ｂおよび外側の左前垂直脚部５２の下端５２ｂから左スライダ４８に向けて前方に略水平に延びている。これにより、内側および外側の左前垂直脚部５１、５２は、左スライダ４８の後端から距離Ｌ２だけ後方に配置される。

　図７、図９に示すように、左後脚４６は、内側の左スライドレール４４の後部に上端６４ａが回動自在に連結された左内側後脚６４と、外側の左スライドレール４４の後部に設けられた左外側後脚６５と、を有する（図５、図６も参照）。
　左内側後脚６４は、下端６４ｂが左内側ストライカ６７（図３）に着脱可能に形成されている。
　左外側後脚６５は、下端６５ａが左外側ストライカ６８（図３）に着脱可能に形成されている。

　左シートバック４２を左シートクッション４１に向けて傾倒させるリクライニングレバーの操作に連動して、下端６４ｂ，６５ｂの各ロック爪（図示せず）が左内側ストライカ６７や左外側ストライカ６８（図３）からそれぞれ解放される。
　よって、左内側後脚６４の下端６４ｂは、左内側ストライカ６７から離脱され、左外側後脚６５の下端６５ｂは、左外側ストライカ６８から離脱される。

　図７、図８Ａ、図８Ｂに示すように、左移動機構４７は、内側の水平部５４の前部５４ａを左スライダ４８の内側部４８ａに回動自在に連結する内側の回転軸６１と、外側の水平部５５の前部５５ａを左スライダ４８の外側部４８ｂに回動自在に連結する外側の回転軸６２と、第１のシート１６の円滑な移動（着座姿勢および収納姿勢間の移動）を可能にする左ダンパ７１（図５）と、を有する。

　内側および外側の回転軸６１，６２は、左スライダ４８に連結され、かつ、車幅方向に向けて延びている。第１のシート１６は、内側および外側の回転軸６１，６２を中心にして左前脚４５を回転することで、着座姿勢（図１、図５参照）および収納姿勢（図６）間でスイングすることができる。

　図５、図６に示すように、左ダンパ７１は、外側取付ブラケット７３および外側支えブラケット７５間に連結され、第１のシート１６を着座姿勢および収納姿勢間で移動させる際に生じる衝撃を緩和する。よって、第１のシート１６は着座姿勢および収納姿勢間で円滑に移動する。
　外側取付ブラケット７３は、左シートクッション４１の底面４１ａの前外側角部である左の外側スライドレール４４の前部に設けられている。
　外側支えブラケット７５は、左スライダ４８の外側部４８ｂ（図１３）に設けられている。

　着座姿勢とは、第１のシート１６の左シートクッション４１に着座者が着座可能になるように、左シートクッション４１が略水平に配置された状態（図９）をいう。
　収納姿勢とは、左セカンドシート１６の左シートクッション４１まで左シートバック４２を前方に傾倒させて左シートクッション４１に重ね合わせ、重ね合わせた左シートクッション４１および左シートバック４２を前方に略９０゜跳ね上げて起立させた状態（図１０）をいう。

　図５に示すように、着座姿勢において、左の水平前脚部５３と車体フロア１１（図７）との間に内側および外側の支え部材５６，５７が介在されている。
　ここで、左の水平前脚部５３は、左の内側垂直脚部５１および左の外側垂直脚部５２の各下端５１ｂ，５２ｂ間に延びている。よって、左の内側垂直脚部５１の下端５１ｂおよび車体フロア１１間に、左の水平前脚部５３および内側の支え部材５６が介在され、左の外側垂直脚部５２の下端５２ｂおよび車体フロア１１間に、左の水平前脚部５３および外側の支え部材５７が介在されている。

　内側の支え部材５６は、左の水平脚部５３に設けられるとともに、左の内側垂直脚部５１の下方に配置された弾性部材である。外側の支え部材５７は、左の水平脚部５３に設けられるとともに、左の外側垂直脚部５２の下方に配置された弾性部材である。内側および外側の支え部材５６、５７を形成する弾性部材は、例えば、ゴムである。

　図７、図８Ａ、図８Ｂに示すように、内側および外側の支え部材５６、５７が左の水平脚部５３および車体フロア１１間に介在されることで、内側および外側の支え部材５６、５７の各底部５６ａ、５７ａは、車体フロア１１に当接する。各底部５６ａ、５７ａが車体フロア１１に当接することで、左の水平脚部５３は、内側および外側の支え部材５６、５７を介して車体フロア１１に支持される。

　換言すれば、左の内側垂直脚部５１の下端５１ｂは、左の水平脚部５３および内側の支え部材５６を介して車体フロア１１に支持され、左の外側垂直脚部５２の下端５２ｂは、左の水平脚部５３および外側の支え部材５６を介して車体フロア１１に支持される。このため、第１のシート１６は、左の内側垂直脚部５１、左の外側垂直脚部５２、左の水平脚部５３、内側の支え部材５６および外側の支え部材５７を介して車体フロア１１に支えられている。

　このように、左の内側垂直脚部５１の下端５１ｂおよび左の外側垂直脚部５２の下端５２ｂを車体フロア１１で支持することで、第１のシート１６の自重や左シートクッション４１への着座者の体重は、下端５１ｂ、５２ｂで支えられる。

　左の内側および外側垂直脚部５１、５２の各下端５１ｂ、５２ｂは、内側および外側の回転軸６１、６２よりも後方に位置している。よって、第１のシート１６の自重や着座者の体重は、内側および外側の回転軸６１、６２や左スライダ４８に伝達されず、内側および外側の回転軸６１、６２や左スライダ４８はコンパクトに抑えられ、設計の自由度が向上する。

　内側および外側の支え部材５６、５７は弾性部材で形成されているため、第１のシート１６の自重や着座者の体重は吸収される。

　図１３に示されているように、内側および外側の回転軸６１，６２は左スライダ４８に設けられている。左スライダ４８は、固定レール３５に沿って車幅方向に摺動可能に設けられている。
　左スライダ４８は、スライダ本体８１の内側端部に内ローラ８２が回転自在に設けられ、スライダ本体８１の外側端部に外ローラ８３が回転自在に設けられている。スライダ本体８１はカバー８４（図１）で覆われている。
　内外のローラ８２，８３が固定レール３５の底部３５ａに沿って移動することで、左スライダ４８は固定レール３５に沿って車幅方向に移動する。

　図３、図４、図７に示すように、固定レール３５は車幅方向に延びており、車体フロア１１に略面一に設けられ、第１のシート１６の左足元スペース１８および第２のシート１７の右足元スペース１９に配置されている。左右のスライダ４８、８６は、固定レール３５に摺動自在に支持されている。

　図４に示すように、固定レール３５の底部３５ａには、左ロック／非ロック機構２７の２個の第１の左係止孔１４３、２個の第２の左係止孔１４４が形成されている。さらに、固定レール３５の底部３５ａには、右ロック／非ロック機構３３の３個の第１の右係止孔１８１および３個の第２の右係止孔１８２が形成されている。第１および第２の左係止孔１４３，１４４や、第１および第２の右係止孔１８１，１８２については後で詳しく説明する。

　図３に示すように、右スライダ（第２のスライダ）８６は、左スライダ４８と同様に、内側および外側の回転軸８７，８８や右前脚（第２の前脚）８９を介して第２のシート１７に連結されている。固定レール３５に沿って左スライダ４８を摺動させることで、第１のシート１６は車幅方向に案内され、右スライダ８６を摺動させることで、第２のシート１７は車幅方向に案内される。
　内側および外側の回転軸８７，８８および右ダンパ９０で右移動機構８５が構成されている。右移動機構８５は左移動機構４７と左右対称である。

　図７～図９に示すように、左支持機構２６は、第１のシート１６を車幅方向に移動自在に支える左キャスタ部材（支持部材）９１と、左キャスタ部材９１を退避位置（第１の位置）Ｐ１および支持位置（第２の位置）Ｐ２間で揺動（移動）させる左リンク機構９２と、を備えている。

　図４および図９に示すように、左キャスタ部材９１は、左シートクッション４１の低面４１ａに左の内側キャスタ９４および左の外側キャスタ９５を有する。左の内側キャスタ９４は、内側取付ブラケット７２に前後方向に揺動自在（回転可能）に連結されている。左の外側キャスタ９５は、外側取付ブラケット７３に前後方向に揺動自在（回転可能）に連結されている。

　図９に示すように、左の内側キャスタ９４は、左シートクッション４１の底面４１ａの内側前角部である左の内側スライドレール４４の前部に設けられた内側取付ブラケット７２と、該内側取付ブラケット７２に前後方向に揺動自在に連結された内側揺動ブラケット９７と、該内側揺動ブラケット９７に回転自在に支持された内側キャスタ本体９８と、を有する。

　内側揺動ブラケット９７は、内側取付ブラケット７２に内側支持ピン９９を中心にして前後方向に揺動自在に連結されている。内側キャスタ本体９８は、内側揺動ブラケット９７に支持軸１０１を介して回転自在に取り付けられている。該内側キャスタ本体９８は、支持軸１０１が車幅方向に対して直交する方向に設けられることで、車幅方向に対して平行に配置されている。

　図７、図８Ａに示すように、左の外側キャスタ９５は、左シートクッション４１の底面４１ａの外側前角部である左の外側スライドレール４４の前部に設けられた外側取付ブラケット７３と、外側取付ブラケット７３に前後方向に揺動自在（回転可能）に連結された外側揺動ブラケット１０３と、外側揺動ブラケット１０３に回転自在に支持された外側キャスタ本体１０４と、を有する。

　外側揺動ブラケット１０３は、内側揺動ブラケット９７と同様に、外側取付ブラケット７３に外側支持ピン１０５中心にして前後方向に揺動自在に連結されている。外側キャスタ本体１０４は、外側揺動ブラケット１０３に支持軸１０６を介して回転自在に取り付けられている。外側キャスタ本体１０４は、内側キャスタ本体９８と同様に、支持軸１０６が車幅方向に対して直交する方向に設けられることで、車幅方向に対して平行に配置されている。

　図７～図９に示すように、左リンク機構９２は、左シートクッション４１を着座姿勢に保持した状態で左キャスタ部材９１を退避位置Ｐ１に保ち、左シートクッション４１を収納姿勢に保持した状態で左キャスタ部材９１を支持位置Ｐ２に保つ。

　左リンク機構９２は、内側取付ブラケット７２および外側取付ブラケット７３間に架け渡された連結ロッド１１１と、連結ロッド１１１の内側端部に設けられた内アーム１１２と、連結ロッド１１１の外側端部に設けられた外側アーム１１３と、内アーム１１２および左の内側キャスタ９４が取り付けられている内側揺動ブラケット９７に連結されている内側レバー１１４と、内側アーム１１２の先端（内側レバー１１４の先端も含む）および左内側後脚６４の上端部６４ａに連結された連結アーム１１６と、外側アーム１１３および左外側キャスタ９５が取り付けられている外側揺動ブラケット１０３に連結されている外側レバー１１５と、外側アーム１１３の先端（外側レバー１１５の先端も含む）および外側支えブラケット７５に連結された連結レバー１１７と、を備えている。

　左外側キャスタ９５（外側揺動ブラケット１０３）は、左リンク機構９２（外側レバー１１５、連結レバー１１７）および外側支えブラケット７５を介して左スライダ４８に連結されている。
　左内側キャスタ９４（内側揺動ブラケット９７）は、左リンク機構９２（内側レバー１１４、内側アーム１１２、連結ロッド１１１、外側アーム１１３、連結レバー１１７）および外側支えブラケット７５を介して左スライダ４８に連結されている。

　左リンク機構９２は、第１のシート１６を着座姿勢から収納姿勢（図１０）に移動する際に、第１のシート１６の移動に連動して左の内側および外側キャスタ９４，９５を退避位置Ｐ１から支持位置Ｐ２に移動（揺動）する。
　さらに、第１のシート１６を着座姿勢から収納姿勢に移動する際に、左リンク機構９２でもって、左内側後脚６４は前方に向けて揺動される。

　図１０、図１１に示すように、第１のシート１６を収納姿勢（跳上げ姿勢）に保持した状態で、左の内側および外側キャスタ９４、９５は、支持位置Ｐ２に保たれる。第１のシート１６を着座姿勢から収納姿勢に移動する際に、左リンク機構９２でもって、左内側後脚６４は左脚支え軸１１９を中心にして前方に揺動する。
　一方、第１のシート１６を収納姿勢（跳上げ姿勢）から着座姿勢に移動する際に、第１のシート１６の移動に連動して左の内側および外側キャスタ９４、９５は、支持位置Ｐ２から退避位置Ｐ１（図８Ａ）に移動（揺動）する。
　図８Ａ、図９に示すように、第１のシート１６を着座姿勢に保持した状態で、左の内側および外側キャスタ９４、９５は退避位置Ｐ１に保たれる。

　ここで、退避位置Ｐ１は、図８Ａに示すように、左シートクッション４１の低面４１ａ側に左の内側および外側キャスタ９４，９５を配置（収納）する。これにより、左シートクッション４１を着座姿勢に保持したときに、左の内側および外側キャスタ９４，９５が左シートクッション４１への着座者の邪魔になるおそれはない。

　一方、図１０、図１１に示すように、支持位置Ｐ２は、左シートクッション４１の下端（前部）４１ｂよりも下側に左の内側および外側キャスタ９４，９５が突出する位置である。
　左の内側および外側キャスタ９４，９５が下端４１ｂよりも突出することで、左の内側および外側キャスタ９４，９５（具体的には、内側および外側キャスタ本体９８，１０４）は、車体フロア１１のガイドプレート１２１（図１０参照）に当接する（載る）。

　このように、内側および外側キャスタ本体９８，１０４がガイドプレート１２１に当接することにより、内側および外側キャスタ本体９８，１０４で跳上げ姿勢の第１のシート１６を支えることができる。これにより、左ヘッドレスト４３を車体フロア１１に当接させて第１のシート１６を支える必要がないので、左ヘッドレスト４３の汚れを防止でき、外観性の向上を図ることができる。

　加えて、第１のシート１６を内側および外側キャスタ本体９８、１０４で支えることで、左脚部機構２５を介して固定レール３５に作用する荷重を小さく抑えることができる。よって、第１のシート１６は、固定レール３５から離れる。このため、左脚部機構２５の左の内側および外側垂直脚部５１、５２の長さを任意に（例えば、長く）設定でき、設計の自由度が向上する。

　ここで、前述したように、内側および外側キャスタ本体９８，１０４は、車幅方向に対して平行に（ガイドプレート１２１に沿って）配置されている。よって、内側および外側キャスタ本体９８、１０４がガイドプレート１２１に当接した状態で、第１のシート１６を車幅方向に移動する際に、内側および外側キャスタ本体９８，１０４をガイドプレート１２１に沿って転動することができる。

　このように、内側および外側キャスタ本体９８，１０４を転動させることで、跳上げ姿勢の左シートクッション４１は、固定レール３５に沿って車幅方向に安定した状態で円滑に移動する。ガイドプレート１２１は、内側および外側キャスタ本体９８，１０４を案内するために、車体フロア１１に設けられた板状の部材である。

　図３、図１３～図１６に示すように、左ロック／非ロック機構２７は、固定レール３５における所定位置で左スライダ４８をロックする左ロック機構１３１と、左ロック機構１３１のロックを解除する左操作部材１３２と、着座姿勢においてロック解除操作を規制し、非ロック状態において着座姿勢への移動を規制する左規制部材１３３と、を備えている。

　左ロック機構１３１は、左スライダ４８を固定レール３５の所定位置にロックする。さらに、左ロック機構１３１は、第１のシート１６が跳上げ姿勢（図１１）で、かつ非ロック状態のとき、固定レール３５に沿って左スライダ４８を移動可能とする。

　左操作部材１３２は、左ロック機構１３１を引き上げることで、左ロック機構１３１をロック状態から非ロック状態に切り替える。

　左規制部材１３３は、第１のシート１６が着座姿勢（図８Ａ）にあるとき、左操作部材１３２によるロック解除操作を規制する。さらに、左規制部材１３３は、第１のシート１６が収納姿勢（図１１）にあり、かつ左ロック機構１３１が非ロック状態のとき、左シートクッション４１が着座姿勢に移動することを規制する。

　シート装置１５の右脚部機構３１、右支持機構３２および右ロック／非ロック機構３３は、前述した左脚部機構２５、左支持機構２６および左ロック／非ロック機構２７と左右対称の構成をしている。よって、左側の各機構２５，２６，２７の説明でもって、右側の各機構３１，３２，３３の説明を兼ねることによって、その説明を省略する。

　図８Ａ、図１２に示すように、第１のシート１６の左の内側および外側垂直脚部５１，５２は、左スライダ４８の位置から距離Ｌ２だけ後方に離れている。
　同様に、第２のシート１７の内側および外側の水平部（第２の水平部）７６，７７は、右の内側および外側垂直脚部（第２の垂直脚部）７８，７９から右スライダ８６（図３）に向けて前方に略水平に延びている。よって、右の内側および外側垂直脚部７８，７９は、右スライダ８６の位置よりも距離Ｌ２だけ後方に離れている。

　図１２に示すように、第１のシート１６を収納姿勢にし、第２のシート１７を着座姿勢にした状態で、第１のシート１６を第２のシート１７の前方まで固定レール３５に沿って移動する例について説明する。

　右の内側および外側垂直脚部７８，７９を右スライダ８６より距離Ｌ２だけ後方に配置することで、第１のシート１６を移動する際に、左スライダ４８（図３）や外側支えブラケット７５は、第２のシート１７の右の内側および外側垂直脚部７８，７９に干渉しない。

　このように、左スライダ４８が干渉しないことで、第２のシート１７の右の内側および外側垂直脚部７８，７９の形状を決める際の自由度が高まる。例えば、右の内側および外側垂直脚部７８，７９を第２のシート１７から下方に向けて垂直状に延ばすことができ、右の内側および外側垂直脚部７８，７９で第２のシート１７の自重や着座者の体重を良好に支えることができる。このように、右の内側および外側垂直脚部７８，７９を右スライダ８６より距離Ｌ２だけ後方に配置することで、第２のシート１７の自重や着座者の体重を良好に支えることができるように、右の内側および外側垂直脚部７８，７９の形状を決めることができる。

　一方、第２のシート１７を右移動機構８５（図３）で収納姿勢に配置し、収納姿勢の第２のシート１７を第１のシート１６の前方まで固定レール３５に沿って移動する。この際に、右スライダ８６は、第１のシート１６の左の内側および外側垂直脚部５１，５２に干渉しない。

　このように、右スライダ８６の干渉を防止することで、第１のシート１６の左の内側および外側垂直脚部５１，５２の形状を決める際の自由度が高まる。例えば、左の内側および外側垂直脚部５１，５２を第１のシート１６から下方に向けて垂直状に延ばすことができ、左の内側および外側垂直脚部５１，５２で第１シート１６の自重や着座者の体重を良好に支えることができる。このように、左の内側および外側垂直脚部５１，５２を左スライダ４８より距離Ｌ２だけ後方に配置することで、第１のシート１６の自重や着座者の体重を支えることができるように、左の内側および外側垂直脚部５１，５２の形状を決めることができる。

　図１３～図１６に示すように、左ロック機構１３１は、左スライダ４８（スライダ本体８１）に昇降自在に支持された左ロック部材１４１と、左ロック部材１４１を下方に押圧する左押圧手段１４２と、左ロック部材１４１が係止可能な２個の第１の左係止孔１４３と、左ロック部材１４１が係止可能な２個の第２の左係止孔１４４（図４）と、を備えている。

　２個の第１の左係止孔１４３（図１６）は、孔幅Ｗ１、ピッチＰｉ１の間隔で形成されている。
　２個の第２の左係止孔１４４（図４）は、第１の左係止孔１４３と同様に、孔幅Ｗ１、ピッチＰｉ１の間隔で形成されている。
　スライダ本体８１は、車体幅方向の略中央に嵌入部１４６を備え、嵌入部１４６に左ロック部材１４１を昇降自在に挿通可能な嵌合孔１４７が形成されている。

　左ロック部材１４１は、嵌合孔１４７に昇降自在に挿通された左ロック片１５１と、左ロック片１５１の下端に設けられた左ベース部１５２と、左ベース部１５２の下端から突出された２本の左係止爪１５３と、を有する。

　左ロック片１５１は、嵌合孔１４７に挿通されることで、嵌入部１４６で昇降自在に支えられている。
　左ベース部１５２には左開口部１５５が形成されている。左開口部１５５には、左押圧手段１４２の左押圧部材１５６が係合されている。

　２本の左係止爪１５３は、爪幅Ｗ２、ピッチＰｉ１（図１６）の間隔で形成されている。爪幅Ｗ２は孔幅Ｗ１より小さく（Ｗ２＜Ｗ１）形成されている。
　すなわち、２本の左係止爪１５３は、２個の第１の左係止孔１４３にそれぞれ嵌入可能に形成され、かつ、２個の第２の左係止孔１４４（図４）にそれぞれ嵌入可能に形成されている。

　左押圧手段１４２は、スライダ本体８１に支持ピン１５７を介して回動自在に設けられた左押圧部材１５６と、左押圧部材１５６を反時計回り方向に付勢する左ばね部材１５８とを備えている。
　左押圧部材１５６の端部が左開口部１５５に係合され、左ばね部材１５８で反時計回り方向に付勢されることで、左ロック部材１４１が下方に押圧される。

　左ロック部材１４１が下方に押圧されることで、２本の左係止爪１５３が２個の第１の左係止孔１４３にそれぞれ嵌入された状態に保持される（ロック状態に保持される）。
　ここで、２個の第１の左係止孔１４３は、固定レール３５の底部３５ａのうち、左スライダ４８を左着座位置（所定位置、着座姿勢に配置された位置）Ｐ３（図４参照）にロックする部位に形成されている。

　一方、左ロック部材１４１を左ばね部材１５８の付勢力に抗して上昇させることで、２本の左係止爪１５３を２個の第１の左係止孔１４３から抜き出すことができる（非ロック状態にできる）。
　なお、図４に示す２個の第２の左係止孔１４４は、固定レール３５の底部３５ａのうち、左スライダ４８を左収納位置（所定位置）Ｐ４（図３１参照）にロックする部位に形成されている。

　すなわち、左ロック機構１３１は、ロック状態のとき固定レール３５における左着座位置Ｐ３や左収納位置Ｐ４で左スライダ４８をロックする。
　左着座位置Ｐ３は、図４に示す着座姿勢の第１のシート１６を着座位置（使用位置）にロックする位置である。
　左収納位置Ｐ４は、図６に示す収納姿勢の第１のシート１６を収納位置（右足元スペース１９）にロックする位置である。

　さらに、左ロック機構１３１は、収納姿勢（図２７）で、かつ非ロック状態のとき固定レール３５に沿って左スライダ４８を移動可能にする。

　左操作部材１３２は、左ロック片１５１に基端１６１ａが連結された左操作ストラップ１６１と、左操作ストラップ１６１の先端１６１ｂに設けられた左グリップ１６２と、左ロック片１５１に設けられた左抜止めピン１６３と、を備えている。

　左操作ストラップ１６１は、左ロック片１５１に基端１６１ａが連結され、左規制部材１３３を貫通し、左規制部材１３３を貫通した先端１６１ｂが左グリップ１６２に連結された可撓性の部材である。左グリップ１６２は、使用者の手で把持可能に形成されている。

　左抜止めピン１６３は、使用者が左グリップ１６２を把持して左ロック部材１４１を引き上げた際に、左規制部材１３３に当接して左ロック部材１４１の引上げ高さを好適に規制する。
　なお、左抜止めピン１６３を左ロック片１５１に左操作ストラップ１６１の基端１６１ａを連結する部材として兼用することも可能である。

　すなわち、左操作部材１３２は、使用者が左グリップ１６２を把持して左ロック部材１４１を上方（所定方向）に引き操作することで、左ロック機構１３１をロック状態から非ロック状態に切り替える（すなわち、ロック解除操作を可能にする）。

　左規制部材１３３は、左の水平脚部５３のうち、左の外側垂直脚部５２の近傍部位（シートクッション側の部材）５３ａに設けられ、左操作ストラップ１６１が貫通可能に形成されている。
　図１４に示すように、左規制部材１３３は、ワイヤ材が折り曲げられることで、一対の接合部１３３ａおよび挿通部１３３ｂが形成されている。一対の接合部１３３ａが、左の水平脚部５３のうち、左の外側垂直脚部５２の近傍部位５３ａに設けられることで、挿通部１３３ｂおよび左の水平脚部５３で左操作ストラップ１６１を挿通可能な閉空間１６５が形成されている。

　図１３、図１７に示すように、第１のシート１６が着座姿勢にあるとき、左の水平脚部５３が左ロック部材１４１の後方に位置する。左の水平脚部５３に左規制部材１３３が設けられているので、左規制部材１３３の挿通部１３３ｂは左ロック部材１４１の後方に位置する。
　挿通部１３３ｂが左ロック部材１４１の後方に位置することで、挿通部１３３ｂは左ロック部材１４１（左ロック片１５１）の上端１５１ａと略同じ高さに位置する。

　よって、左操作ストラップ１６１が左ロック片１５１の上端１５１ａから挿通部１３３ｂに向けて略水平に配置される。この状態で、左操作ストラップ１６１は、左スライダ４８の上部４８ｃ（図１３）に沿って配置されている。
　換言すれば、左操作ストラップ１６１は、左規制部材１３３で折り曲げられることで、左ロック部材１４１（左ロック部材１４１の上方への移動方向（図１７の矢印方向））に対して側面視で略直交するように配置されている。

　これにより、使用者が左グリップ１６２を把持して左操作ストラップ１６１を引張っても、左ロック部材１４１に略直交する方向に引張力Ｆ１が矢印の如く作用する。したがって、左ロック部材１４１に引張力Ｆ１を作用させても、左ロック部材１４１を矢印方向に引き上げる力として作用しない。この結果、引張力Ｆ１で左ロック部材１４１を引き上げることを防止できる。
　このように、第１のシート１６が着座姿勢にあるときに、第１のシート１６が車幅方向に移動することを確実に阻止でき、使い勝手の向上を図ることができる。

　さらに、第１のシート１６が着座姿勢にあるとき、可撓性の左操作ストラップ１６１を左規制部材１３３で左ロック部材１４１の上方への移動（矢印方向）に対して略直交する方向に折り曲げるようにした。
　このように、可撓性の左操作ストラップ１６１を左規制部材１３３で折り曲げるだけで、左操作ストラップ１６１の上昇方向への引き作業を阻止できるので、簡単な構成で左規制部材１３３を構成できる。

　また、図１８に示すように、第１のシート１６が収納姿勢にあるとき、左の水平脚部５３が左ロック部材１４１の上方に位置する。左の水平脚部５３に左規制部材１３３が設けられているので、左規制部材１３３の挿通部１３３ｂが左ロック部材１４１の上方に位置する。

　この状態で、左操作ストラップ１６１は、左ロック片１５１の上端１５１ａから挿通部１３３ｂに向けて略垂直に配置される。
　すなわち、左操作ストラップ１６１は、左ロック部材１４１（左ロック部材１４１の上方への移動方向（矢印方向））に対して略平行に配置されている。

　よって、使用者が左グリップ１６２を把持して左操作ストラップ１６１を上方に向けて引張ることにより、左ロック部材１４１の上昇方向に引張力Ｆ２が矢印の如く作用する。これにより、左ロック部材１４１を左ばね部材１５８（図１３）の付勢力に抗して引張力Ｆ２で引き上げることができる。左ロック部材１４１を引き上げることで、第１の左係止孔１４３から左係止爪１５３を抜き出して非ロック状態に切り換えることができる。

　このように、左規制部材１３３によれば、第１のシート１６が収納姿勢にあるとき左操作部材１３２（図１３）のロック解除操作を許容する。
　第１の左係止孔１４３から左係止爪１５３を抜き出すことで、収納姿勢の第１のシート１６は、固定レール３５に沿って摺動することができる。

　図１９に示すように、第１のシート１６が収納姿勢の状態で、固定レール３５に沿って摺動する際に、２本の左係止爪１５３が２個の第１の左係止孔１４３（図１８）から外れた状態（非ロック状態）に保たれる。
　ここで、第１のシート１６の摺動中に、第１のシート１６を収納姿勢から着座姿勢に移動することは好ましくない。

　そこで、第１のシート１６が収納姿勢の状態で、かつ、左ロック機構１３１が非ロック状態の場合に、左ロック部材１４１の左ロック片１５１（上端１５１ａ）を左規制部材１３３の挿通部１３３ｂ（閉空間１６５）（図１４）に嵌合させた状態に保つようにした。

　具体的には、左ロック機構１３１が非ロック状態の場合に、左ばね部材１５８（図１３）の付勢力で２本の左係止爪１５３が下方に押圧されている。よって、２本の左係止爪１５３の底部１５３ａが固定レール３５の底部３５ａに当接した状態に保たれる。

　この状態で、左ロック片１５１の上端１５１ａが挿通部１３３ｂの閉空間１６５（図１４）に嵌合させた状態に保たれる。左ロック片１５１の上端１５１ａを閉空間１６５に嵌合させることで、上端１５１ａが左操作ストラップ１６１を介して挿通部１３３ｂに当接した状態に保たれる。

　ところで、図１８に示すように、第１のシート１６を収納姿勢で、かつ、左ロック部材１４１がロック状態にあるとき、左規制部材１３３の挿通部１３３ｂに可撓性の左操作ストラップ１６１のみが挿通されている。よって、第１のシート１６を収納姿勢から着座姿勢に移動する際、すなわち、左の外側垂直脚部５２や左の水平脚部５３（すなわち、挿通部１３３ｂ）は、内側および外側の回転軸６１，６２を中心にして矢印方向（時計回り方向）に移動する。

　一方、図１９に示すように、第１のシート１６を収納姿勢で、かつ、左ロック部材１４１が非ロック状態にあるとき、左ロック片１５１の上端１５１ａが左操作ストラップ１６１を介して挿通部１３３ｂに当接した状態に保たれている。
　そして、左ロック片１５１（左ロック部材１４１）は、スライダ本体８１（図１３）の嵌入部１４６で垂直状態に支持されている。よって、挿通部１３３ｂが内側および外側回転軸６１，６２を中心にして時計回り方向に移動することを左ロック片１５１の上端１５１ａで阻止する。

　すなわち、左規制部材１３３によれば、第１のシート１６が収納姿勢で、かつ左ロック機構１３１が非ロック状態のとき左シートクッション４１を着座姿勢に移動させることを規制することができる。よって、第１のシート１６を着座姿勢に戻す所定位置以外で（例えば、第１のシート１６の摺動中に）、第１のシート１６を着座姿勢に戻すことを阻止できる。これにより、第１のシート１６を着座姿勢に戻す所定位置のみで、第１のシート１６を着座姿勢に戻すことができ、使い勝手の向上を図ることができる。

　加えて、左ロック機構１３１が非ロック状態のとき、左規制部材１３３が左ロック機構１３１（左ロック片１５１の上端１５１ａ）と干渉して第１のシート１６の着座姿勢への移動を規制するようにした。
　このように、左規制部材１３３を左ロック片１５１の上端１５１ａに干渉させるだけで、第１のシート１６が着座姿勢に移動することを阻止できるので、簡単な構成で左規制部材１３３を構成できる。

　ここで、右脚部機構３１および右支持機構３２は、前述した左脚部機構２５および左支持機構２６と左右対称の構成である。よって、左側の各機構２５，２６の説明で右側の各機構３１，３２の説明を兼ね、右側の各機構３１，３２の説明を省略する。

　図４、図２０～図２２に示すように、右ロック／非ロック機構３３は、固定レール３５における所定位置で右スライダ８６をロックする右ロック機構１７１と、右ロック機構１７１のロックを解除する右操作部材１７２と、着座姿勢においてロック解除操作を規制し、非ロック状態において着座姿勢への移動を規制する右規制部材１７３と、を備えている。

　ここで、右操作部材１７２および右規制部材１７３は、前述した左操作部材１３２および左規制部材１３３と左右対称の構成である。よって、左側の各部材１３２，１３３の説明で右側の各部材１７２，１７３の説明を兼ね、右側の各部材１７２，１７３の説明を省略する。

　右ロック機構１７１は、右ロック部材１７５に３本の右係止爪１７６を備え、固定レール３５の底部３５ａに３個の第１の右係止孔１８１および３個の第２の右係止孔１８２を備え、その他の構成は左ロック機構１３１と左右対称である。

　３個の第１の右係止孔１８１は、孔幅Ｗ３、ピッチＰｉ２の間隔で形成されている。
　３個の第２の右係止孔１８２は、第１の右係止孔１８１と同様に、孔幅Ｗ３、ピッチＰｉ２の間隔で形成されている。

　一方、３本の右係止爪１７６は、爪幅Ｗ４、ピッチＰｉ２の間隔で形成されている。爪幅Ｗ４は孔幅Ｗ３より小さく（Ｗ４＜Ｗ３）形成されている。３本の右係止爪１７６は、３個の第１の右係止孔１８１にそれぞれ嵌入可能に形成され、かつ、３個の第２の右係止孔１８２（図３参照）にそれぞれ嵌入可能に形成されている。

　３個の第１の右係止孔１８１は、固定レール３５の底部３５ａのうち、右スライダ８６を右着座位置（所定位置、着座姿勢に配置された位置）Ｐ５（図４）にロックする部位に形成されている。
　一方、３個の第２の右係止孔１８２は、固定レール３５の底部３５ａのうち、右スライダ８６を右収納位置（所定位置）Ｐ６（図３５（ｂ）参照）にロックする部位に形成されている。

　右ロック機構１７１は、ロック状態のとき固定レール３５における右着座位置Ｐ５や右収納位置Ｐ６で右スライダ８６をロックする。
　右着座位置Ｐ５は、図４に示す着座姿勢の第２のシート１７を着座位置（使用位置）にロックする位置にある。
　右収納位置Ｐ６は、収納姿勢の第２のシート１７を収納位置（左足元スペース１８（図３５（ｂ）参照）にロックする位置にある。

　図４、図１５、図２１、図２２に示すように、第１、第２の右係止孔１８１，１８２のピッチＰｉ２は、第１、第２の左係止孔１４３，１４４のピッチＰｉ１より小さく（ピッチＰｉ２＜ピッチＰｉ１）形成されている。
　第１、第２の右係止孔１８１，１８２の孔幅Ｗ３は、第１、第２の左係止孔１４３，１４４の孔幅Ｗ１より小さく（孔幅Ｗ３＜孔幅Ｗ１）形成されている。

　以上説明したように、左ロック機構１３１（左係止爪１５３、第１、第２の左係止孔１４３，１４４）および右ロック機構１７１（右係止爪１７６、第１、第２の右係止孔１８１，１８２）の大きさ、つまり、Ｗ１～Ｗ４、Ｐｉ１およびＰｉ２の長さを、互いに異なるようにした。よって、右ロック機構１７１（第１、第２の右係止孔１８１，１８２）による左スライダ４８（左係止爪１５３）の誤ロックを防いで、左スライダ４８を移動の途中で止めることなく所定位置まで円滑に移動することができる。左スライダ４８が所定位置まで移動すると、左スライダ４８は、左ロック機構１３１（第１、第２の左係止孔１４３，１４４）で確実にロックされる。左セカンドシート１６を車幅方向に（例えば、右セカンドシート１７の前方まで）移動するシートアレンジが円滑におこなわれる。

　同様に、左ロック機構１３１（第１、第２の左係止孔１４３，１４４）で右スライダ８６を誤ロックする虞がない。これにより、第２のシート１７は、第１のシート１６と同様に、車幅方向に（例えば、左セカンドシート１６の前方まで）移動するシートアレンジが円滑におこなわれる。

　つぎに、第１のシート１６を跳ね上げて、収納姿勢（跳上げ姿勢）の第１のシート１６を右足元スペース１９まで移動させる例について、図２３～図３２に基づいて説明する。

　図２３に示すように、第１のシート１６の左シートバック４２を左シートクッション４１上に矢印Ａの如く傾倒する。

　図２４に示すように、左シートバック４２は左シートクッション４１上に折り畳まれる。左シートバック４２が折り畳まれた第１のシート１６を、内側および外側回転軸６１，６２（図１３）を軸にして前方（左足元スペース１８）に向けて矢印Ｂの如く跳ね上げる（タンブル移動させる）。

　図２５に示すように、第１のシート１６を矢印Ｂに示すように跳ね上げることで、左の内側および外側９４，９５は、左リンク機構９２で退避位置Ｐ１から支持位置Ｐ２に向けて矢印Ｃの如く揺動する。

　さらに、第１のシート１６を跳ね上げることで、左内側後脚６４は、左リンク機構９２で左支え軸１１９を中心にして前方に向けて矢印Ｄの如く揺動する。

　図２６、図２７に示すように、左シートバック４２が折り畳まれた状態の第１のシート１６は、左足元スペース１８まで跳ね上げられて（タンブル移動して）収納姿勢（跳上げ姿勢）になる。この状態で、左の内側および外側キャスタ９４，９５は、支持位置Ｐ２に支持された状態に保持される。よって、左の内側および外側キャスタ９４，９５の各キャスタ本体９８，１０４は、車体フロア１１のガイドプレート１２１に当接して、収納姿勢の第１のシート１６は支えられる。

　図２８Ａに示すように、左グリップ１６２（図１８）を把持して左ロック部材１４１を矢印Ｆの如く引き上げる。左ロック部材１４１を引き上げることで、左係止爪１５３，１５３を第１の左係止孔１４３，１４３から抜き出す。
　この状態で、図２７に示す第１のシート１６を固定レール３５に沿って矢印Ｅの如く右足元スペース１９に向けて移動する。

　ここで、図２６に示すように、内側および外側キャスタ本体９８，１０４がガイドプレート１２１に当接することで、第１のシート１６を移動する際に、内側および外側キャスタ本体９８，１０４がガイドプレート１２１に沿って転動する。よって、収納姿勢の左シートクッション４１は、固定レール３５に沿って車幅方向（矢印Ｅ方向）（図２７）に安定した状態で円滑に移動する。

　図２８Ｂに示すように、第１のシート１６（図２７）が移動することで、左ロック部材１４１（左係止爪１５３，１５３）の下端１５３ａ，１５３ａが固定レール３５の底部３５ａに当接した状態で矢印Ｇの如く移動する。
　左係止爪１５３，１５３が矢印Ｇの如く移動することで、第２の右係止孔１８２に到達する。

　図２９に示すように、左係止爪１５３，１５３および第２の右係止孔１８２は、互いに誤ロックしない形状に形成されている。よって、第２の右係止孔１８２による左係止爪１５３，１５３の誤ロックを防ぐことができる。これにより、左係止爪１５３，１５３を移動の途中で止めることなく円滑に移動することができる。

　図３０に示すように、左係止爪１５３，１５３が矢印Ｇの如く移動して第２の左係止孔１４４，１４４に到達する。左係止爪１５３，１５３は、第２の左係止孔１４４，１４４に嵌入して係止する。

　図３１に示すように、左係止爪１５３，１５３が第２の左係止孔１４４，１４４に係止することで、左スライダ４８は、左収納位置Ｐ４にロック状態に保たれる。

　図３２に示すように、左スライダ４８（図３１）がロック状態に保たれることで、収納姿勢に跳ね上げられた第１のシート１６は、右足元スペース１９に保持される。

　ここで、図３、図４で説明したように、左脚部機構２５の左スライダ４８は、第１のシート１６に対して車幅方向外側に配置され、右脚部機構３１の右スライダ８６は、第２のシート１７に対して車幅方向外側に配置されている。
　よって、第１のシート１６を右足元スペース１９に保持した状態において、左スライダ４８および右スライダ８６はともに第２のシート１７の前方位置に配置され、左スライダ４８および右スライダ８６が干渉することを防止できる（図３１参照）。

　図３３に示すように、第１のシート１６を右足元スペース１９まで移動することで、第１のシート１６を着座状態に配置可能とするスペース１３６や左足元スペース１８から、第１のシート１６を除去できる。よって、第１のシート１６を着座状態に配置するスペース１３６、左足元スペース１８および荷室２４の３つの空間は、荷物スペース１３５としてまとめられる。
　荷物スペース１３５を大きく確保でき、この大きな荷物スペース１３５に、スライドドア２３やテールゲート２８を開放してそれぞれの開口部から自転車１３７などの大きな荷物を搭載することができる。

　ついで、右セカンドシート１７を左足元スペース１８まで移動させる例を図３４、図３５に基づいて説明する。
　図２３に示す第２のシート１７の右シートバックを右シートクッションに傾倒する。
　右シートバックを折り畳んだ第２のシート１７を、内側および外側回転軸８７，８８（図２０参照）を中心して前方に向けて跳ね上げる（タンブル移動させる）。
　第２のシート１７が右足元スペース１９まで跳ね上げられて（タンブル移動して）収納姿勢（跳上げ姿勢）になる。

　図３４（ａ）に示すように、右グリップ１８５（図１１）を把持して右ロック部材１７５を矢印Ｆの如く引き上げる。右ロック部材１７５を引き上げることで、右係止爪１７６を第１の右係止孔１８１から抜き出す。
　この状態で、収納姿勢の第２のシート１７（図６）を固定レール３５に沿って左足元スペース１８（図２３）に向けて移動する。

　図３４（ｂ）に示すように、右ロック部材１７５（右係止爪１７６）の下端１７６ａが固定レール３５の底部３５ａに当接した状態で矢印Ｈの如く移動する。
　右係止爪１７６が矢印Ｈの如く移動することで、第２の左係止孔１４４，１４４に到達する。

　図３４（ｃ）に示すように、右係止爪１７６および第２の左係止孔１４４，１４４は互いに誤ロックしない形状に形成されている。よって、第２の左係止孔１４４，１４４による右係止爪１７６の誤ロックを防ぐことができる。これにより、右係止爪１７６（右スライダ８６）（図３５（ｂ）参照））を移動の途中で止めることなく円滑に移動することができる。

　図３５（ａ）に示すように、右係止爪１７６が矢印Ｈの如く移動して第２の右係止孔１８２に到達する。右係止爪１７６は、第２の右係止孔１８２に嵌入して係止する。

　図３５（ｂ）に示すように、右係止爪１７６が第２の右係止孔１８２に係止することで、右スライダ８６は右収納位置Ｐ６にロック状態に保たれる。
　右スライダ８６がロック状態に保たれることで、収納姿勢に跳ね上げられた第２のシート１７（図６）を左足元スペース１８に保持することができる。
　ここで、第２のシート１７を左足元スペース１８に保持した状態において、左スライダ４８および右スライダ８６はともに第１のシート１６の前方位置に配置可能となり、左スライダ４８および右スライダ８６が干渉することがない。

　このように、第２のシート１７を左足元スペース１８まで移動することで、第２のシート１７を着座状態に配置するスペースや右足元スペース１９（図２３）から、第２のシート１７を除去できる。よって、第２のシート１７を着座状態に配置するスペース、右足元スペース１９および荷室２４（図３３）の３つの空間を荷物スペースとしてまとめることができる。これにより、荷物スペースを大きく確保でき、大きな荷物スペースに自転車１３７（図３３）などの大きな荷物を搭載することができる。

　図２３～図３５で説明したように、第１のシート１６を着座状態に配置するスペース１３６、左足元スペース１８および荷室２４の３つの空間を荷物スペース１３５としてまとめることができる。さらに、第２のシート１７を着座状態に配置するスペース、右足元スペース１９および荷室２４の３つの空間を荷物スペースとしてまとめることができる。

　車両の用途に応じて、第１のシート１６を移動して大きな荷物スペース１３５を確保する場合と、第２のシート１７を移動して大きな荷物スペースを確保する場合とのいずれか一方を選択することができる。これにより、荷物スペースを確保するレイアウトの自由度が高くなり、利便性を高めることができる。

　つぎに、シート装置１５の変形例を図３６に基づいて説明する。
（変形例）
　図３６に示すように、変形例のシート装置１９０は、第２のシート１６に左脚部機構２５（左の内側および外側垂直脚部５１，５２）を回動自在に設け、第２のシート１７に右脚部機構３１を回動自在に設けることで、第１および第２のシート１６，１７を前方に向けて略平行移動する（ダイブダウン移動させる）ように構成したもので、その他の構成はシート装置１５と同様である。

　変形例によるシート装置１９０の第１のシート１６を右足元スペース１９に収納する例について説明する。
　まず、第１のシート１６の左シートバック４２を左シートクッション４１に傾倒させる。
　左シートバック４２を傾倒させた状態で左脚部機構２５（左の内側および外側垂直脚部５１，５２）を前方に向けてスイングするとともに、第１のシート１６を左の内側および外側スライドレール４４で前方に矢印Ｉの如くスライド移動させる。
　これにより、第１のシート１６を左足元スペース１８までダイブダウン（第１のシート１６の左シートバック４２を上部に配置した状態で略平行移動）させることができる。

　つぎに、左足元スペース１８の第１のシート１６を車幅方向に矢印Ｊの如く固定レール３５に沿って移動することで、第１のシート１６を右セカンドシート１７の前方（すなわち、右足元スペース１９）に収納することができる。

　また、シート装置１９０の第２のシート１７を左足元スペース１８に収納する場合も、第１のシート１６の場合と同様に第２のシート１７を移動させることができる。

　変形例のシート装置１９０においても、図１７に示すように、左操作ストラップ１６１を左規制部材１３３で折り曲げることで、左操作ストラップ１６１を、左ロック部材１４１（左ロック部材１４１の上方への移動方向（矢印方向））に対して側面視で略直交するように配置することができる。

　使用者が左グリップ１６２を把持して左操作ストラップ１６１を引張っても、左ロック部材１４１に略直交する方向に引張力Ｆ１が矢印の如く作用する。
　したがって、左ロック部材１４１を引張力Ｆ１で引き上げることを防止できる。
　このように、第１のシート１６が着座姿勢にあるときに、第１のシート１６が車幅方向に移動することを確実に阻止でき、使い勝手の向上を図ることができる。

　本実施例では、左の内側及び外側垂直脚部５１，５２の各下端５１ｂ，５２ｂ間に左の水平脚部５３を架け渡した例について説明したが、本発明は、これに限定されず、左の内側及び外側垂直脚部５１，５２を折り曲げて左の水平脚部５３を形成することもできる。

　さらに、本実施例では、左の内側及び外側垂直脚部５１，５２の各下端５１ｂ，５２ｂから左の水平脚部５３を介して内側および外側の水平部５４，５５が前方に略水平に延びている例について説明したが、本発明は、これに限らず、内側および外側の水平部５４，５５は、左の内側及び外側垂直脚部５１，５２の各下端５１ｂ，５２ｂから前方に略水平に直接延びるよう構成することも可能である。

　また、実施例では、左右の操作部材１３２，１７２を所定方向として上方に向けて引くことで、左右のロック機構１３１，１７１のロック解除操作を可能にする例について説明したが、本発明は、これに限らず、左右の操作部材１３２，１７２を上方以外の他の方向（所定方向）に引き操作するように構成することも可能である。

　さらに、本実施例では、左規制部材１３３を、左の水平脚部５３のうち左の外側垂直脚部５２の近傍部位５３ａに設けた例について説明したが、これに限らないで、その他のシートクッション側の部材に設けることも可能である。

　本発明は、シートクッションをシート幅方向に摺動自在に支持するとともに、着座姿勢および収納姿勢間で移動自在に支持したシート装置を備えた自動車への適用に好適である。

　１０…車両、１１…車体フロア（フロア）、１５…シート装置、１６…第１のシート、１７…第２のシート、２５…左脚部機構、３１…右脚部機構、３５…固定レール、４１…シートクッション（左シートクッション）、４５…第１の前脚（左前脚）、４７…左移動機構（第１の移動機構）、４８…左スライダ（第１のスライダ）、５１，５２…第１および第２の垂直脚部（左の内側および外側垂直脚部）、５３…左の水平脚部のうち外左前鉛直脚部の近傍部位（シートクッション側の部材）、５４，５５…第１の水平部（内側および外側水平部）、５６，５７…内側および外側支え部材（第１の弾性部材）、６１，８７…内側回転軸、６２，８８…外側回転軸、７６，７７…第２の水平部（内側および外側の水平部）、７８，７９…第２の垂直脚部（右の内側および外側垂直脚部）、８５…第２の移動機構（右移動機構）、８６…第２のスライダ（右スライダ）、８９…第２の前脚（右前脚）、１３１…ロック機構、１３２…操作部材、１３３…規制部材、１６１…操作ストラップ、１７１…ロック機構、１７２…操作部材、１７３…規制部材、Ｐ１…第１の位置（退避位置）、Ｐ２…第２の位置（支持位置）Ｐ３…左着座位置（所定位置、着座姿勢に配置された位置）、Ｐ４…左収納位置（所定位置）、Ｐ５…右着座位置（所定位置、着座姿勢に配置された位置）、Ｐ６…右収納位置（所定位置）。

Claims

　第１のシートと第２のシートとをシート幅方向に併設し、前記第１のシートの第１のシートクッションを着座姿勢位置と該着座姿勢の前方位置である収納姿勢位置との間で移動させる第１の移動機構を備えたシート装置であって、
　前記第１のシートおよび前記第２のシートを支えるフロアに支持されて前記シート幅方向に延び、前記第１および第２のシートの前方に配置された固定レールと、
　前記固定レールに摺動可能に連結されて前記第１の移動機構を支持する第１のスライダと、
　前記第１のシートの前部に上端が連結されて実質的に垂直方向に延びる第１の垂直脚部と、前記第１の垂直脚部の下端から前方に向けて略水平に延びて前部が前記第１のスライダに回転可能に連結された第１の水平部と、を有する第１の前脚と、
　を備えており、
　前記第１の垂直脚部の前記下端は、前記第１のシートの着座姿勢において前記フロアで支持されていることを特徴とするシート装置。
　前記第１の水平部の前部は、シート幅方向に延びる回転軸を介して前記第１のスライダに回動自在に支持されている、ことを特徴とする請求項１に記載のシート装置。
　前記第１のシートの着座姿勢において、前記第１の前脚の前記第１の垂直脚部の下端と前記フロアとの間に第１の弾性部材が介在されている、ことを特徴とする請求項１に記載のシート装置。
　前記シート装置は、前記第１のスライダを前記固定レールにロックするロック機構と、該ロック機構のロックを解除する操作部材と、をさらに備えており、前記所定位置のうち、前記第１のシートクッションが前記着座姿勢にあるとき、前記操作部材による前記ロック機構のロック解除操作を規制する規制部材が設けられている、ことを特徴とする請求項１に記載のシート装置。
　前記操作部材は、前記ロック機構に連結され、前記ロック機構を所定方向に引き操作することで前記ロック解除操作をおこなう操作ストラップを有し、前記規制部材は、前記第１のシートの第１のシートクッション側の部材に設けられて、前記第１のシートクッションが前記着座姿勢にあるとき、前記操作ストラップは前記所定方向に対して略直交する方向に折り曲げられる、ことを特徴とする請求項４に記載のシート装置。
　前記シート装置は、前記第１のシートの第１のシートクッションを前記着座姿勢に保持した状態で、前記第１のシートクッションの底面側に配置される第１の位置と、前記第１のシートクッションを前記収納姿勢に移動させたときに前記第１のシートクッションの下端よりも下側に突出した第２の位置との間で移動可能な支持部材を備えている、ことを特徴とする請求項１に記載のシート装置。
　前記支持部材は前記フロア側の部材に連結されており、前記シート装置は、前記第１のシートクッションが前記着座姿勢から前方に起立した状態の跳上げ姿勢への移動に連動して前記支持部材を前記第２の位置に移動可能であり、前記跳上げ姿勢から前記着座姿勢への移動に連動して前記支持部材を前記第１の位置に移動可能であるリンク機構を備えている、ことを特徴とする請求項６に記載のシート装置。
　前記支持部材は、前記フロアに沿って車幅方向に転動可能なキャスタで構成されている、ことを特徴とする請求項６又は７に記載のシート装置。
　前記シート装置は、
　前記第１のスライダを前記固定レールの車幅方向の所定位置にロックするロック機構と、
　前記ロック機構が非ロック状態のとき、前記第１のシートクッションが前記着座姿勢に移動することを規制する規制部材と、
を備えていることを特徴とする請求項１に記載のシート装置。
　前記規制部材は、前記ロック機構が非ロック状態のとき、前記ロック機構と干渉して前記第１のシートクッションの前記着座姿勢への移動を規制する、ことを特徴とする請求項９に記載のシート装置。
　前記シート装置は、
　前記第２のシートを着座姿勢と該着座姿勢の前方の収納姿勢との間で移動させる第２の移動機構と、
　前記固定レールに摺動可能に連結されて前記第２の移動機構を支持する第２のスライダと、
をさらに備えている、ことを特徴とする請求項１に記載のシート装置。
　前記シート装置は、前記第２のシートの前部に上端が連結されて略垂直方向に延びる第２の垂直脚部と、該第２の垂直脚部の下端から前方に向けて略水平に延びて前部が前記第２のスライダに回転可能に連結された第２の水平部と、を有する第２の前脚を備えており、
　前記第２のシートの着座姿勢において、前記第２の垂直脚部の下端を前記フロアで支持している、ことを特徴とする請求項１１に記載のシート装置。