WO2011049047A1

WO2011049047A1 - 照明兼空気清浄器

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Publication number: WO2011049047A1
Application number: PCT/JP2010/068282
Authority: WO
Inventors: 小路　正史; 小路　雄也
Original assignee: 株式会社豊振科学産業所
Priority date: 2009-10-19
Filing date: 2010-10-18
Publication date: 2011-04-28
Also published as: US20120199005A1; JPWO2011049047A1; JP5734198B2

Abstract

【課題】空気中に浮遊する細菌やウイルス等を紫外線により殺菌あるいは減菌し紫外線殺菌装置として機能すると同時に、可視光線により照明器具としての機能も併せて発揮する照明兼空気清浄器を提供する。【解決手段】紫外線を含む電磁波を放射する紫外線ランプ５と、紫外線ランプの紫外線を放射する紫外線放射部の少なくとも一部を覆い紫外線が人に対して直接照射されるのを防止する紫外線遮蔽樹脂部材と、を設ける。紫外線遮蔽樹脂部材は、紫外線ランプ５から放射される紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を放射させる紫外線不透過・可視光線透過部を有し、紫外線ランプと紫外線遮蔽樹脂部材との間に、紫外線放射部の周囲の空気が移動可能な空気路６８を設ける。その空気路を移動する空気に紫外線を照射することにより、空気中の細菌やウイルス等を殺菌若しくは減菌すると共に、紫外線不透過・可視光線透過部を透過する可視光線を照明光として用いる。

Description

照明兼空気清浄器

本発明は、電磁波発生源から電磁波を放射することにより、その電磁波内の波長領域が１８０ｎｍ（ナノメートル）～３７９ｎｍの紫外線（主に、波長２５３．７ｎｍの殺菌線）を利用して空気中に浮遊する細菌やウイルス等を紫外線殺菌すると共に、人に対しては紫外線を遮断若しくは吸収し又は発光物質を励起し、その電磁波内に存在し又は紫外線による発光物質の励起により発生した波長領域が３８０ｎｍ～７８０ｎｍの可視光線を照射し、その可視光線を照明光の一部として利用することができる照明兼空気清浄器に関する。

　一般に、家庭や事務所等の照明には蛍光ランプ（蛍光灯）が用いられ、水や食品等の殺菌や滅菌等には殺菌ランプ（紫外線殺菌灯）が用いられている。殺菌ランプと蛍光ランプは、ともに低圧水銀蒸気放電を利用したランプであり、その動作原理も発光原理も基本的には略同一である。両者の大きな相違点は、殺菌ランプには波長２９０ｎｍ以下の光を透過する石英ガラス管又は紫外線透過ガラス管を用いているのに対し、蛍光ランプには内面に蛍光体を塗布した波長２９０ｎｍ以下の紫外線を遮断するソーダライムガラス管やその他のガラス管を用いており、構成材料の違いにある。

殺菌ランプの場合、点灯に際して電極に電流を流すと、電極から熱電子が放出され、この熱電子が反対側の電極に引かれて移動し、放電が開始される。この放電により流れる電子が水銀原子と衝突し、この衝突で励起したエネルギーが元の状態に復帰する時に放出するエネルギーが紫外線（２５３．７ｎｍ）と呼ばれている。このとき放出される紫外線によって細菌やウイルス等に対する殺菌効果が発揮されると共に、同時に放出される可視光線（３８０ｎｍ～７８０ｎｍ）により周囲が照らされて照明効果が発揮される。

　一方、蛍光ランプの発光原理は殺菌ランプの場合と全く同じであるが、管内で発生した紫外線によって管内面に塗布された蛍光体が励起される点で、両者は異なっている。即ち、管内で発生した波長２９０ｎｍ以下の紫外線はソーダライムガラス管に吸収されると共に、蛍光体により励起されて可視光線が放射される。この可視光線の放射によって周囲が明るく照らされることになり、著しく大きな照明効果が発揮される。

　一般に、波長領域１８０ｎｍ～３７９ｎｍ内の電磁波(紫外線)、特に、波長２５３．７ｎｍの電磁波（殺菌線）は、細菌やウイルス等を殺菌し、滅菌させる効果を有することが知られている。従って、紫外線を放射する殺菌ランプを照明灯として用いることにより、周囲の空気中に浮遊する細菌やウイルス等を殺菌若しくは滅菌させつつ、同時に蛍光ランプの照明効果を発揮させて周囲を照明することも理論上は可能である。

　しかしながら、紫外線は同時に、人に対しては有害であることも知られている。即ち、紫外線の所定量以上が人の皮膚や目に照射されると、皮膚がただれたり、長い間には皮膚癌の原因にもなったり、目に炎症を生じたりする等の弊害を生じる。更に、紫外線は、一般的なエンジニアリングプラスチック（例えば、ＡＢＳ、ＰＣ、ＰＯＭ等）に対して直接的又は間接的に悪影響を及ぼし、紫外線が照射される部分では材料の劣化が促進され、細かなひび割れを生じ、破れ易く裂け易くなり、耐久性を悪くする要因ともなっている。

　そのため、従来の殺菌ランプは、専ら細菌やウイルス等を殺菌若しくは滅菌させるためだけに用いられており、照明を目的とした蛍光ランプのような用い方は行われていなかった。例えば、人がいる場所や人が通る場所では、人がいないときにのみ点灯して紫外線を放射し、周囲の空気中に浮遊する細菌やウイルス等を殺菌若しくは滅菌する一方、人がいるときには消灯させて紫外線が人に照射されないように配慮している。また、人がいる場所で常時点灯する場合には、殺菌ランプの人に対向する側をすべて遮蔽し、紫外線が直接人に照射されないように構成している。これらの場合、殺菌ランプを備えた本装置は、紫外線殺菌ランプを有する殺菌装置であって、人のために周囲を明るく照明する照明装置ということはできない。

更に、波長領域が１８０ｎｍ～３７９ｎｍの紫外線を透過しないガラスを人に対向する側に取り付けた場合に、そのガラスが割れたり、破損したりすることを考えると、割れたガラスによって怪我をするおそれがある等の問題がある。また、地震や台風等の災害時には、ガラスの破片が凶器ともなり、ガラスの破片によって大きな問題を生じてしまうおそれがある。

特開２０００－１６７０３５号公報特開２０００－２２８１１２号公報特開２０００－１８２４３２号公報特開２０００－２０７９０３号公報特開２００６－１８１０００号公報

　従来の照明兼空気清浄器の第１の例としては、例えば、特許文献１に記載されているようなものがある。特許文献１には、室内照明と空気清浄とを一台で行うことができる空気清浄装置が記載されている。この特許文献１に記載された空気清浄装置は、空気導入口と空気吹出口と可視光放射部を有するケーシングと、そのケーシング内に配される光触媒付吸着体と、ケーシング内で空気流を発生させる送風機と、バルブ内面の所定配光範囲に蛍光体を形成した水銀ランプとを備えている。そして、水銀ランプの蛍光体形成部分に対応するバルブ外面から可視光を、可視光放射部を介して室内に放射し、蛍光体非形成部分に対応するバルブ外面から紫外線を光触媒付吸着体に放射する、ことを特徴としている。

　この空気清浄装置(以下、「第１の従来例」という。)によれば、蛍光体形成部分に対応するバルブ外面から可視光が、ケーシングの可視光放射部を介して室内に放射され、室内が照明されて暗くならない、という効果が期待される。

　従来の照明兼空気清浄器の第２の例として、特許文献２に記載されているようなものもある。特許文献２には、照明器具に空気清浄機能を付与した照明装置に関するものが記載されている。この特許文献２に記載された照明装置は、照明用光源とその点灯手段を有する照明器具に、紫外線ランプから紫外線照射される光触媒と空気フィルタとこの空気フィルタに定方向から空気を強制流通させるファンとを有する空気清浄器を付設した、ことを特徴としている。

　この照明装置(以下、「第２の従来例」という。)によれば、照明器具周辺の空気が照明器具に付設された光触媒式空気清浄器で清浄化されて照明器具の汚れが軽減され、照明器具の照明効率が長期に亘り高度に維持される、という効果が期待される。

　従来の照明兼空気清浄器の第３の例として、特許文献３に記載されているようなものもある。特許文献３には、殺菌灯器具に関するものが記載されている。この特許文献３に記載された殺菌灯器具は、器具本体の内にダクトを設け、このダクト内に送風ファンと殺菌灯ランプを配設し、ダクトの一端に設けた空気吸込口から吸入した空気に殺菌灯ランプからの紫外線を照射し、ダクトの他端に設けた空気吹出口から室内へ殺菌空気を吹き出している。そして、殺菌灯ランプの安定器の熱をダクト内の空気の気流により放熱するように構成した、ことを特徴としている。

　この殺菌灯器具(以下、「第３の従来例」という。)によれば、安定器の熱を器具本体から外気に放熱するような自然対流のみによる放熱に比べて数段高い放熱効果を得ることができる、等の効果が期待される。

　従来の照明兼空気清浄器の第４の例として、特許文献４に記載されているようなものがある。特許文献４には、照明器具に空気清浄機能を付与した照明装置に関するものが記載されている。この特許文献４に記載された照明装置は、紫外線透過性のガラスバルブの内面にアパーチャ部を有する発光層を形成してなる蛍光ランプと、その蛍光ランプを直接的ないし間接的に支持する器具本体とを具備している。そして、蛍光ランプを器具本体に、アパーチャ部が天井面などの取り付け面側となるように支持し、蛍光ランプの発光層から照明光、アパーチャ部から紫外線をそれぞれ放射させる、ことを特徴としている。

この照明装置(以下、「第４の従来例」という。)によれば、従来のように照明用の器具と殺菌灯器具とを併用する必要がなく、設備費用を低減できる等の効果が期待される。

また、従来の照明兼空気清浄器の第５の例として、特許文献５に記載されているようなものもある。特許文献５には、脱臭、殺菌、照明等を行うことができる空気清浄装置に関するものが記載されている。この特許文献５に記載された空気清浄装置は、紫外光を放射する放電管と、その放電管から放射される紫外光を可視光に変換して放出する照明部と、放電管から放射される紫外光を受ける箇所に光触媒が設けられた反射部とを含み、放電管と反射部との間に空気の流路が設けられた、ことを特徴としている。照明部は、石英ガラス製の凸状に湾曲形成された照明カバーを有しており、その内側である放電管側の面に蛍光物質の被膜が設けられている。また、照明部と反対側に位置する反射部の内側である放電管側の面には、光触媒の被膜が設けられている。そして、照明部の蛍光物質の被膜と反射部の光触媒の被膜との間に、空気を流通させるための流路が形成されている。

この空気清浄装置(以下、「第５の従来例」という。)によれば、空気の流路内の空気に含まれる細菌を放電管から放射される紫外光により殺菌し、放電管からの紫外光の照射による光触媒の化学反応により空気の流路内の空気に含まれる有機物、有機化合物を分解する
ことができる。また、放電管から放射される紫外線を利用して、発光物質（蛍光物質など）を励起させて可視光線を放出し、照明光として利用することもできる。

　しかしながら、前記第１の従来例（空気清浄装置）、第２の従来例（照明装置）、第４の従来例（照明装置）及び第５の従来例（一部の実施例）の何れの場合においても、紫外線ランプのバルブ内面の一部にのみ蛍光膜を設け、蛍光膜を形成した蛍光膜形成部分と蛍光膜を形成しない蛍光膜非形成部分を設ける構造となっていた（以下、「アパーチャ型蛍光ランプ」という。)。このアパーチャ型蛍光ランプでは、そのランプが放射する紫外線の一部を、蛍光膜形成部分を透過させて可視光線として放射すると共に、紫外線の残部を蛍光膜非形成部分から透過させてそのまま紫外線として放射するようにしている。

このアパーチャ型蛍光ランプによれば、蛍光膜形成部分と蛍光膜非形成部分とが存在することから、ランプ外に放射される紫外線の放射範囲が狭くなるため、放射される紫外線の総量が少なくなり、紫外線ランプの機能低下と同様の状態になるという問題があった。また、蛍光膜形成部分の蛍光膜は、その両端が不連続となっているため、紫外線ランプが点灯すると、その内部が真空であることから高温になり、その高温と電子線の影響を受けて剥がれ易い構造になっている。そのため、長期使用等によって蛍光膜が剥離され、その剥がれた蛍光体が蛍光膜非形成部分に付着すると、紫外線の放射が抑制されるばかりでなく、紫外線そのものの出力がより一層弱くなるという問題が生ずる。更に、アパーチャ型蛍光ランプが、バルブ内面の所定配光範囲にのみ蛍光体を形成した特殊な構造を有するため、市販されている一般の紫外線ランプを使用することができず、装置全体が高価なものになっているという問題があった。

　前記第３の従来例（殺菌灯器具）の場合には、器具本体の内にダクトを設け、そのダクト内に送風ファンと殺菌灯ランプを配設し、ダクトの一端に設けた空気吸込口から吸入した空気に殺菌灯ランプからの紫外線を照射し、他端に設けた空気吹出口から殺菌された空気を吹き出す構成となっていた。そのため、殺菌灯ランプの安定器の放熱が可能な殺菌灯器具ではあっても、照明装置としての考慮はなされておらず、あくまでも紫外線を用いた殺菌装置の概念に属するものであった。

　また、前記第５の従来例（空気清浄装置）の場合（特許文献５の図２に示す実施例）は、放電管と照明部と反射部とを有し、照明部の蛍光物質の被膜側の面と反射部の光触媒の被膜側の面との間に空気の流路を形成し、その空気の流路内に放電管を配置する構成となっている。照明部は、石英ガラス製の凸状に湾曲形成されており、その照明部の内側である放電管側の面に蛍光物質の被膜が設けられている。そして、照明部と反対側に位置する反射部の内側である放電管側の面に光触媒の被膜が設けられており、空気の流路によって反射部の光触媒が外気と連通されている。そのため、紫外線の放射によって光触媒の被膜で酸化分解が起きると同時に、紫外線ランプから放射される電磁波の有するエネルギーが石英ガラス内に一部熱となってこもり、その熱と、光触媒から発生する酸化分解のエネルギーにより石英ガラスの表面に付着している蛍光物質の被膜がボロボロになって剥離を生じ、その剥離された蛍光物質の小片が空気中を漂うことになる。その結果、照明部から蛍光物質が剥離されることにより、蛍光物質の剥離片が照明装置の周囲に撒き散らされて衛生上好ましくないばかりでなく、人体に有害な紫外線そのものが照明部から放射されてしまい、照明装置としての機能を果たすことができなくなるおそれがあるという問題があった。

　本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、本来紫外線が持っている特性を利用して周囲の空気中に浮遊する細菌やウイルス等を紫外線により殺菌したり滅菌したりして紫外線殺菌装置として機能すると同時に、人に対して直接照射されることが欠点となる紫外線をカットする一方、可視光線により周囲を照らして照明としての機能を発揮することができる。そして、紫外線領域の波長の電磁波をカットして人に害を与えないようにすると共に、発光物質（蛍光体、顔料など）の剥離片や石英ガラスの破片等の危険物が撒き散らされて人に害を与えることなく照明器として安定した機能を併せて発揮することができる照明兼空気清浄器を提供することを目的としている。

　上述したような課題等を解決し、上記目的を達成するために、本発明の照明兼空気清浄器は、紫外線を含む電磁波を放射する電磁波発生源と、この電磁波発生源の電磁波を放射する電磁波放射部の少なくとも一部を覆い紫外線が人に対して直接照射されるのを防止する紫外線遮蔽樹脂部材と、を設ける。紫外線遮蔽樹脂部材は、電磁波発生源から放射される紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を放射させる紫外線不透過・可視光線透過部を有し、電磁波発生源と紫外線遮蔽樹脂部材との間に、電磁波放射部の周囲の空気が移動可能な空気路を設ける。そして、空気路を移動する空気に紫外線を照射することにより空気中の細菌やウイルス等を殺菌若しくは滅菌すると共に、紫外線不透過・可視光線透過部を透過する可視光線を照明光として用いるようにしたことを最も主要な特徴としている。

　本発明は、上述のように構成したことにより、空気中に浮遊する細菌やウイルス等を紫外線で殺菌したり滅菌したりして空気清浄装置として機能し得ると同時に、紫外線をカットして可視光線のみを透過させるか若しくは紫外線で発光物質（蛍光体、顔料など）を励起させることで可視光線に変更して可視光線を増加させ、その可視光線で周囲を照射して照明装置としての機能を発揮させることができる。このように、紫外線をカットして安全で人に害を与えることがない空気清浄器の機能と、可視光線を多く放射して安定した照明光を放射可能な照明器としての機能を併せて発揮できる照明兼空気清浄器を提供することができる。

本発明の照明兼空気清浄器の形態の第１の実施の例を示す斜視図である。図１に示す照明兼空気清浄器の分解斜視図である。図１に示す照明兼空気清浄器に用いられる紫外線遮蔽樹脂部材の実施の例を示す斜視図である。図１に示す照明兼空気清浄器に用いられる紫外線遮蔽樹脂部材の実施の例を示すＦＥＰ、ＰＦＡ樹脂に関する光の波長と透過率との関係を示すグラフである。図４に示すＦＥＰ、ＰＦＡ樹脂の光透過率の要部Ａを拡大して示すグラフである。図１に示す照明兼空気清浄器の機能を説明する説明図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第２の実施の例を分解して示す説明図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第３の実施の例を分解して示す説明図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第４の実施の例を分解して示す説明図である。図９に示す照明兼空気清浄器の全体構成を現した斜視図である。図９に示す照明兼空気清浄器のねじ止め部分の断面図である。図９に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第１の実施例を分解した説明図である。図１２に示す照明兼空気清浄器の要部を分解した説明図である。図９に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第２の実施例を現したねじ止め部分の説明図である。図９に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第３の実施例を現したねじ止め部分の説明図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第５の実施の例を示すもので上半分を断面した説明図である。図１６に示す照明兼空気清浄器のＶ－Ｖ線部分の断面図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第６の実施の例を分解して示す説明図である。図１８に示す照明兼空気清浄器の正面図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第７の実施の例を示す説明図である。図２０に示す照明兼空気清浄器のＷ－Ｗ線部分の拡大断面図である。図２０に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第１の実施例を分解した説明図である。図２２に示す照明兼空気清浄器の図２１と同一部分の断面図である。図２０に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第２の実施例を現した図２１と同一部分の断面図である。図２０に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第３の実施例を現した図２１と同一部分の断面図である。図２０に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第４の実施例を現した説明図である。図２６に示す照明兼空気清浄器の側面図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第８の実施の例を示す分解斜視図である。図２８に示す照明兼空気清浄器の中央部縦断面図である。図２８に示す照明兼空気清浄器の図２６におけるＸ－Ｘ線部分の断面図である。図３０に示す照明兼空気清浄器の分解斜視図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第９の実施の例を示す中央部縦断面図である。図３２に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第１の実施例を現した中央部縦断面図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第１０の実施の例を示す中央部縦断面図である。図３４に示す照明兼空気清浄器のカバー本体を現した斜視図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第１１の実施の例を示す一部を分解した斜視図である。図３６に示す照明兼空気清浄器のＹ－Ｙ線部分の断面図である。図３６に示す照明兼空気清浄器の変形形態の第１の実施例を現した分解斜視図である。本発明の照明兼空気清浄器の形態の第１２の実施の例を示す斜視図である。図３７に示す照明兼空気清浄器のＺ－Ｚ線部分の断面図である。

　電磁波発生源から発生される紫外線で空気中に浮遊する細菌やウイルス等を殺菌したり滅菌したりして紫外線殺菌装置として機能し得ると同時に、電磁波発生源から発生される可視光線及び紫外線から変換される可視光線で周囲を照射して人に害を与えることなく照明装置としても機能し得る照明兼空気清浄器を、簡単な構成によって実現した。

　以下、本発明の照明兼空気清浄器の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図１～図６は、本発明の照明兼空気清浄器の第１の実施例を示すものである。この第１の実施例として示す照明兼空気清浄器１は、紫外線を含む電磁波を放射する電磁波発生源２と、その電磁波発生源２が収納される紫外線遮蔽樹脂部材３と、吊り下げ具４と、を備えて構成されている。

　電磁波発生源２は、波長範囲が１８０ｎｍ（ナノメートル）から３７９ｎｍまでの電磁波（紫外線）と、波長範囲が３８０ｎｍから７８０ｎｍまでの電磁波（可視光線）とを含む電磁波を放射するものである。この電磁波発生源２としては、例えば、紫外線ランプ、後述する紫外線発生用ＬＥＤや半導体光源等を挙げることができる。図１及び図２に示す実施例においては、照明兼空気清浄器１の電磁波発生源２として、市場に提供されている一般的な紫外線ランプ５が用いられている。

紫外線ランプ５は、石英ガラス又は紫外線透過ガラスによって棒状に形成されたガラス管６と、このガラス管６の両端を閉じるように装着されて一体に形成された一対の口金７，７とを有している。口金７の内部にはステムガラスによって電極が保持されており、その電極の両側に、反対側の端面から外側に突出する一対の口金ピン８，８が接続されて通電可能とされている。また、ガラス管６内には、例えば、水銀とアルゴンガス等が封入されており、全体として放電灯が構成されている。

この紫外線ランプ５は、紫外線と可視光線とを含む電磁波を放射するものである。紫外線ランプ５の一般的な出力は、紫外線が１５～３０％程度、可視光線が５０～６０％程度であり、残りは熱エネルギーとして消費されている。このような出力のうち、波長範囲が１８０ｎｍから３７９ｎｍまでの紫外線は、特に、波長２５３．７ｎｍにおいて強い線スペクトル（殺菌線）を有している。

　このような紫外線ランプ５において、点灯の際に電極に電流を流すと、フィラメントから熱電子が放出され、この熱電子が反対側の電極に引かれ、移動して放電が開始される。この放電により流れる電子が水銀原子と衝突し、この衝突で励起したエネルギーが元の状態に復帰する時に放出されるエネルギーが紫外線であり、この紫外線がガラス管６を透過して、ガラス管６外へ放射される。これと同時に、可視光線もガラス管６を透過し、ガラス管６外へ放射される。これら紫外線及び可視光線を放射するガラス管６部分が、紫外線放射部である。

紫外線遮蔽樹脂部材３は、紫外線ランプ５の紫外線放射部の少なくとも一部を覆い、紫外線が人に対して直接照射されるのを防止するものである。この第１の実施例に係る紫外線遮蔽樹脂部材３は、図１及び図２に示すように、紫外線ランプ５が収納されるケーシング１１と、このケーシング１１に設けた開口窓１２に取り付けられる紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板又は紫外線不透過・可視光線透過性樹脂フィルム（以下「紫外線遮蔽プレート」と総称する。）１３等によって構成されている。

　ケーシング１１は、上面に開口部１４を有する横長の筐体からなり、横長の下面部１１ａと、この下面部１１ａの幅方向両側に連続して立ち上げられた一対の第１の側面部１１ｂ，１１ｂと、下面部１１ａの長手方向両側に連続して立ち上げられた一対の第２の側面部１１ｃ，１１ｃとを有している。一対の第２の側面部１１ｃ，１１ｃは、下面部１１ａ側の辺の長さよりも開口部１４側の辺の長さを長くして逆台形に形成し、下面部１１ａの面積よりも開口部１４の面積を大きく設定している。そして、下面部１１ａと第１及び第２の側面部１１ｂ，１１ｃの互いに接触する辺をそれぞれ接合することにより、これら各面部１１ａ，１１ｂ，１１ｃが一体に形成されている。

　更に、下面部１１ａには、四辺に適当な幅の縁取り部分を残すことにより長方形に大きく開口された下面開口窓１２ａが設けられている。また、一対の第１の側面部１１ｂ，１１ｂには、同じく四辺に適当な幅の縁取り部分を残すことにより長方形に大きく開口された側面開口窓１２ｂがそれぞれ設けられている。下面開口窓１２ａには、紫外線を遮断又は吸収し且つ可視光線を透過させる第１の紫外線遮蔽プレート１３ａが取り付けられ、一対の側面開口窓１２ｂ，１２ｂには、同じく紫外線を遮断又は吸収し且つ可視光線を透過させる第２の紫外線遮蔽プレート１３ｂがそれぞれ取り付けられている。

　これら紫外線遮蔽プレート１３ａ，１３ｂに必要な特性は、紫外線を遮断又は吸収すると共に、紫外線に対して適当な耐久性を有し、且つ、可視光線を透過させるものであることを要する。このような特性を満足する材質としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。

その１は、紫外線透過性フッ素樹脂単体形であり、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂のみで構成されるものである。この単体形の紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂は、フッ素樹脂の厚さ対策形とも言えるもので、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂の板厚を５ｍｍ以上に設定することにより形成することができる。一般に、フッ素樹脂は、少し白濁しているが無色に近い透明であり、比較的容易に紫外線を透過させ、高い紫外線耐久性を有する。しかしながら、その板厚が２ｍｍになると、フッ素樹脂の紫外線透過性は２５％程度に低下する。そして、フッ素樹脂の板厚を４ｍｍにすると、紫外線透過性は１～２％と大幅に低下し、更に板厚が５ｍｍになると、紫外線は殆ど吸収されてしまい、その透過性は０％に近くなる。従って、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂で厚さ５ｍｍ以上の板材を製造することにより、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂だけで紫外線遮蔽樹脂部材を形成することができる。

しかしながら、フッ素樹脂の加工性は極めて悪く、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂材料は重くなるほど高価になる。そして、所望の寸法形状を有する紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂で紫外線遮蔽樹脂部材を製造することは難しく、多くの手数と費用が掛かり不経済である、という欠点がある。それでも、かかる欠点を有するにも拘らず、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂のみで紫外線遮蔽樹脂部材を製造できる場合には、紫外線不透過性を確保するためのコーティング等は不要になるため、この点における生産性の向上を図ることができる。なお、厚さが５ｍｍ以上のフッ素樹脂材であっても、可視光線は容易に透過することができる。

その２は、フッ素樹脂混練形と言えるもので、フッ素樹脂に顔料（白色、青色、黄色等の色素のある物を着色する物質）や蛍光体を混ぜ合わせ、色付きのフッ素樹脂として板材又はフィルム材に形成するものである。一般に、フッ素樹脂は無色透明であるため、そのフッ素樹脂に適当な色の顔料や蛍光体等の発光物質を加えて混ぜ合わせて一体に形成することにより、可視光線は透過させ、紫外線は顔料や蛍光体等の発光物質に励起させて遮断若しくは吸収させつつ一部を可視光線に変換することが可能となる。従って、フッ素樹脂に発光物質（顔料や蛍光体など）を含有させて一体に形成することにより、紫外線を遮断又は吸収させつつ、可視光線のみを通過させることができる。

この発光物質が含有されたフッ素樹脂製板材及びフッ素樹脂製フィルム材の場合、一面側に電磁波発生源を配置して電磁波を放射すると、その電磁波に含まれている可視光線は、そのままフッ素樹脂製板材又はフッ素樹脂製フィルム材を透過して他面から放出される。これに対して、放射された電磁波に含まれている紫外線の一部は、発光物質に励起させることにより可視光線に変換されて他面から放出され、紫外線の残部は、フッ素樹脂製板材又はフッ素樹脂製フィルム材に含有される発光物質により遮断又は吸収されるため、他面から紫外線が放出されることはない。

その３は、紫外線透過性フッ素樹脂複合形と言えるもので、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂製板材又は紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂製フィルム材の一面に、発光物質をコーティングして被覆層を形成するものである。この紫外線透過性フッ素樹脂複合形には、電磁波発生源と対向する面に被覆層を設ける第1のフッ素樹脂複合形と、電磁波発生源と反対側の面に被覆層を設ける第２のフッ素樹脂複合形とに分けることができる。なお、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂の両面に被覆層を設ける構造としてもよい。ここで、本発明において、「コーティング」とは、吹付け、浸漬、スプレッド、ラッピング、貼り合せ、その他の被覆手段を含むものとする。

　これらその３の積層構造の第１及び第２の紫外線透過性フッ素樹脂複合形のいずれの場合においても、被覆層のある面を電磁波発生源に対向させた状態で電磁波を放射すると、その電磁波に含まれている可視光線は、そのまま紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂製板材又は紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂製フィルム材を透過して他面から放出される。これに対して、放射された電磁波に含まれている紫外線は、第1の紫外線透過性フッ素樹脂複合形の場合には、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂を透過する前に、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂の前面にコーティングされた発光物質（顔料、蛍光体など）を励起して消滅し、代わりに発生する可視光線が、そのまま透過する可視光線と一緒になって紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂を透過し、他面から外部に放出される。

　一方、第２のフッ素樹脂複合形の場合には、一部の紫外線が紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂を透過して、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂の後面にコーティングされた発光物質を励起して消滅し、代わりに発生する可視光線が、そのまま透過する可視光線と一緒になって外部に放出される。従って、第１及び第２の紫外線透過性フッ素樹脂複合形においても、他面から紫外線が外部に放出されることはない。また、更にこの積層構造の第１及び第２の紫外線透過性フッ素樹脂複合形の場合には、顔料や蛍光体等の発光物質が付着された側を紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂でコーティング又はシーリングして密封することにより、発光物質が酸素と接触するのを防止して、その発光物質の酸化による劣化を抑制し又は防止することが可能となる。そのため、蛍光灯の内部で安定して起きている紫外線放射のように、励起される発光物質を安定状態に保持し、発光物質の劣化を効果的に防止又は抑制することが可能となる。

その４は、一般樹脂複合形と言えるもので、紫外線を遮断又は吸収できる一般的な樹脂材を２枚のフッ素樹脂材の間に挟み込むようにして構成したものである。ここで言う一般樹脂とは、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、耐光性・耐熱性を有する高機能樹脂等を挙げることができる。これら一般樹脂材は、紫外線に対する耐久性が顔料や蛍光体と同様に低いため、２枚の紫外線透過性を有するフッ素樹脂の間に挟み込むことにより、一般樹脂材が空気に直接接しない構造にする。これにより、一般樹脂材が酸素と接触するのを防止し、その樹脂材の酸化による劣化を減少させることが可能となる。

図４は、厚さ２５μｍのフィルムとしたＦＥＰ（四フッ化エチレン～六フッ化プロピレン共重合樹脂）、ＰＦＡ樹脂（パーフルオロアルコキシ樹脂）の光透過率を示している。ＦＥＰ、ＰＦＡ樹脂は、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂の一具体例を示すもので、耐熱性、耐低温性、耐薬品性、電気絶縁性、高周波特性等に優れているが、特に、光透過性については卓越した性質を有している。図５は、図４における波長０μｍから波長１．０μｍまでの範囲Ａを拡大して示している。図４のグラフによれば、光の透過率（％）は、波長０μｍの付近から波長の増加に伴って急激に立ち上がり、波長０．３μｍ程度において最大の略９５％に達している。特に、図５から明らかなように、波長０μｍの付近から波長の増加に伴って急激に立ち上がった光透過率は、紫外線の殺菌力が最も強くなる波長２５３．７ｎｍの部分において略最高点に達している。

なお、顔料や蛍光体等の発光物質を含有させ、或いは、一般的樹脂を挟み込んで紫外線遮蔽樹脂部材を構成した場合には、発光物質及び一般的樹脂は、紫外線に対する空気中での耐久性が低いため、空気中における発光物質の劣化速度等を考慮して、適当な使用期間を設定して使用する必要がある。

　かくして、フッ素樹脂製板材又はフッ素樹脂製フィルム材の一面を顔料や蛍光体等の発光物質でコーティングしたり、複数の紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂材で一般樹脂材を挟み込み、又は、コーティングやシーリング構成とすることにより、紫外線によって顔料、蛍光体、一般樹脂材が劣化したような場合においても、劣化してボロボロになった発光物質や樹脂材が外部に漏れ出たり、巻き散らされる不具合の発生を防止することができる。なお、これらフッ素樹脂単体形、フッ素樹脂混練形及びフッ素樹脂複合形の何れの場合においても、その板材又はフィルム材の厚さは３ｍｍ（ミリメートル）以下とし、好ましくは加工性を考慮して１ｍｍ以下にすることが好ましい。

　図１、図２に示す本願発明の紫外線遮蔽樹脂部材の第１の実施例に係る紫外線遮蔽プレート１３ａ，１３ｂは、上述した「その１」で説明したフッ素樹脂の加工性の悪さを考慮して、その２～その４において説明した紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板若しくは紫外線不透過・可視光線透過性樹脂フィルム、又は、紫外線透過・可視光線透過性樹脂板若しくは紫外線透過・可視光線透過性樹脂フィルムを用いるようにする。その２～４で説明した樹脂板又は樹脂フィルムを用いる場合には、板厚を１ｍｍ程度或いは１ｍｍ以下に設定することができ、この程度の板厚であれば、所望の形状に容易に成形することができる。

　図３に示すように、紫外線遮蔽プレート１３ａ，１３ｂは、可視光線は透過させるが紫外線は透過させない樹脂からなる板状のプレート基板３５と、紫外線を透過させるフッ素樹脂によって形成され且つプレート基板３５の全面を隙間無く被覆するフィルム状（又はシート状）又はコーティングの外装カバー３６とを備えている。更に、プレート基板３５の両面と外装カバー３６の間には、照射された紫外線を可視光線に変換する蛍光物質をコーティングすることによって発光物質層３７が設けられている。このように紫外線遮蔽プレート１３ａ，１３ｂに発光物質層を設ける場合には、一般樹脂材や顔料等の劣化を防止して、紫外線に対する耐久性を向上させることが可能となる。発光物質層３７は、プレート基板３５の片面のみに設ける構成としてもよい。プレート基板３５の材質としては、例えば、紫外線を吸収して透過させない紫外線不透過性を有する耐光性合成樹脂等を用いることができる。なお、両面に発光物質を設ける場合は、プレート基板を紫外線透過性を有するフッ素樹脂材等を用いる事ができる。また、外装カバー３６の材質としては、例えば、ＦＥＰ、ＰＦＡ樹脂を適用することができる。

　第１の紫外線遮蔽プレート１３ａは、下面部１１ａと略同じ大きさに形成されており、その外周縁が下面部１１ａの枠部分の外側に重なり合うように構成されている。第１の紫外線遮蔽プレート１３ａの外側には、下面部１１ａと同様の形状及び大きさを有する下面押え板１５ａが配置されており、その下面押え板１５ａには、下面開口窓１２ａと同様の形状及び大きさを有する開口穴１６が設けられている。

　また、下面部１１ａの所定位置（本実施例では、四隅の４箇所と、長手方向中間部の２箇所の合計６箇所）に、第１の紫外線遮蔽プレート１３ａをねじ止めするためのねじ孔１７が設けられている。この６箇所のねじ孔１７に対応して、第１の紫外線遮蔽プレート１３ａの対応する位置には６つの挿通孔１８が設けられている。更に、下面押え板１５ａの対応する位置にも、同じく６つの挿通孔１９が設けられている。これら挿通孔１８，１９には固定ねじ２１のねじ軸部が挿通され、そのねじ軸部をねじ孔１７に螺合させて締め込むことにより、第１の紫外線遮蔽プレート１３ａが下面押え板１５ａにより押圧されて下面部１１ａに固定されている。

　第２の紫外線遮蔽プレート１３ｂは、第１の側面部１１ｂと略同じ大きさに形成されており、その外周縁が第１の側面部１１ｂの枠部分の外側に重なり合うように構成されている。第２の紫外線遮蔽プレート１３ｂの外側には、第１の側面部１１ｂと同様の形状及び大きさを有する側面押え板１５ｂが配置されており、その側面押え板１５ｂには、側面開口窓１２ｂと同様の形状及び大きさを有する開口穴２２が設けられている。

　また、一対の第１の側面部１１ｂ、１１ｂの所定位置（本実施例では、四隅の４箇所と、長手方向中間部の２箇所の合計６箇所）に、第２の紫外線遮蔽プレート１３ｂをねじ止めするためのねじ孔２３が設けられている。この６箇所のねじ孔２３に対応して、第２の紫外線遮蔽プレート１３ｂの対応する位置には６つの挿通孔２４が設けられている。更に、側面押え板１５ｂの対応する位置にも、同じく６つの挿通孔２５が設けられている。これら挿通孔２４，２５には固定ねじ２６のねじ軸部が挿通され、そのねじ軸部をねじ孔２３に螺合させて締め込むことにより、第２の紫外線遮蔽プレート１３ｂが側面押え板１５ｂにより押圧されて第１の側面部１１ｂに固定されている。

　図１に示すように、一対の第２の側面部１１ｃ，１１ｃの内面には、紫外線ランプ５が着脱可能に装着される一対のソケット２８が取り付けられている。このソケット２８から引き出されたリード線２９が、図示しないコンセントに接続され、そのコンセントからソケット２８を介して紫外線ランプ５に電力が供給される。また、ケーシング１１の開口部１４側の四隅には、このケーシング１１を天井等に吊り下げるための吊り金具３１が固定されている。吊り金具３１には、吊り下げ具の下端部が係合されている。

吊り下げ具４は、３本の支杆部を有する三又状に形成された２組の吊り下げチェーン４によって構成されている。各吊り下げチェーン４において、２本の支杆部は２つの吊り金具３１に係合され、残り１本の支杆部を天井等に固定されたフックに係合する。これにより、照明兼空気清浄器１が病院、住宅、工場等の天井その他の所定位置に吊り下げられて使用に供される。

図６は、建物３３の天井３３ａに吊り下げられた照明兼空気清浄器１の作用を説明する図である。この吊り下げた状態で、紫外線ランプ５を点灯すると、その電磁波放射部から紫外線（全体の出力の１５～３０％程度）及び可視光線（全体の出力の５０～６０％程度）が四方八方に放射される。この電磁波放射部から放射された紫外線により、ケーシング１１内において、電磁波放射部の周囲に存在する空気中に浮遊する細菌やウイルス等が殺菌或いは滅菌され、空気の清浄化が図られる。

更に、紫外線ランプ５が紫外線等を放射する際に発生する熱（紫外線及び可視光線による出力を除いた残りの熱エネルギー等）により、周囲の空気が温められて空気の自然対流が生じる。その結果、温められて軽くなった空気が上昇し、ケーシング１１の上部に設けた開口部１４から外部に排出されると共に、入れ替わりに上方の重たい空気がケーシング１１内に入り込む。これにより、空気が上下方向に自然対流し、新たに供給された空気中に浮遊する細菌やウイルス等が、同様にして紫外線により殺菌或いは滅菌される。この空気対流と紫外線殺菌が繰り返されることにより、建物３３内の空気を連続的に清浄化させることが可能となる。

また、電磁波放射部から放射された紫外線のうち、ケーシング１１の開口部１４から上方へ放射されて紫外線放射領域（紫外線が直接照射される領域）ＵＶＺを放射する紫外線により、その紫外線放射領域ＵＶＺ内にある空気中に浮遊する細菌やウイルスに紫外線が直接作用し、これらを殺菌或いは滅菌させることができる。これによっても照明兼空気清浄器１の周囲にある空気中に浮遊する細菌やウイルス等を殺菌或いは滅菌し、建物３３内の空気を清浄化することができ、紫外線による殺菌作用を有効に発揮することができる。このとき、照明兼空気清浄器１は人の頭よりも高い位置に設置されるため、電磁波放射部から上方に向けて放射された紫外線が人に直接照射されることがなく、その紫外線によって人が影響を受けるおそれは無い。

これと同時に、電磁波放射部から放射された紫外線及び可視光線のうち、下方に向う紫外線はケーシング１１の下面部１１ａに取り付けられている第１の紫外線遮蔽プレート１３ａによって遮断又は吸収される一方、可視光線は第１の紫外線遮蔽プレート１３ａを透過する。そして、下面部１１ａの下面開口窓１２ａと下面押え板１５ａの開口穴１６とによって形成される第１の可視光放射領域（可視光線が照射される領域）ＲＺ１に放射される可視光線により、建物３３内の主に下方が照明され、その周囲を明るく照らすことができる。

また、電磁波放射部から放射された紫外線及び可視光線のうち、側方に向う紫外線はケーシング１１の第１の側面部１１ｂに取り付けられている第１の紫外線遮蔽プレート１３ｂによって遮断又は吸収されるが、可視光線は第２の紫外線遮蔽プレート１３ｂを透過する。そして、第１の側面部１１ｂの側面開口窓１２ｂと側面押え板１５ｂの開口穴２２とによって形成される第２の可視光放射領域（可視光線が照射される領域）ＲＺ２に放射される可視光線により、建物３３内の主に側方が照明され、その周囲を明るく照らすことができる。このとき、第１の可視光放射領域ＲＺ１と第２の可視光放射領域ＲＺ２から放射される電磁波は、紫外線ではなく可視光線であるため、その可視光線によって人が影響を受けることは無く、照明器具としての照明機能を発揮することができる。

一方、ケーシング１１の構造により、第１の可視光放射領域ＲＺ１と第２の可視光放射領域ＲＺ２の間には第１の陰影領域（可視光線が照射されない領域）ＳＺ１が形成され、第２の可視光放射領域ＲＺ２と紫外線放射領域ＵＶＺの間には第２の陰影領域（可視光線が照射されない領域）ＳＺ２が形成されることになる。しかしながら、第１の陰影領域ＳＺ１は、その両側の第１の可視光放射領域ＲＺ１と第２の可視光放射領域ＲＺ２に放射される可視光線の影響を受けて明るくなり、可視光線が直接照射されないことによる影響を受けることはない。また、第２の陰影領域ＳＺ２は、照明装置としての明るさを必要とする領域ではないため、同じく可視光線が直接照射されないことによる影響を受けることはない。

　図７は、本発明の照明兼空気清浄器の第２の実施例を示すものである。この実施例で示す照明兼空気清浄器４０は、電磁波発生源である紫外線ランプ５と、紫外線遮蔽樹脂部材の第２の具体例を示すカバー兼用ケーシング４１とを備えて構成されている。カバー兼用ケーシング４１は、上面に開口部４２を有する横長の筐体からなり、固定ベースをなす横長の背面部４１ａと、この背面部４１ａの下部に連続して前方に突出した横長の下面部４１ｂと、この下面部４１ｂの前部に連続して上方に立ち上げられた前面部４１ｃと、これらの長手方向両側に連続して立ち上げられた一対の側面部４１ｄ，４１ｄとを有している。

　カバー兼用ケーシング４１は、紫外線を遮断又は吸収し且つ可視光線を透過させる紫外線不透過・可視光線透過性樹脂材によって全体が一体に形成されている。この実施例では、発光物質（顔料又は蛍光体）入りフッ素樹脂混練形、フッ素樹脂複合形又は一般樹脂複合形の表面を更に紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂でコーティングした紫外線遮蔽プレートを使用しているが、紫外線透過性フッ素樹脂単体形を使用することもできる。この場合、紫外線透過性フッ素樹脂単体形の紫外線遮蔽樹脂部材を用いるときには、カバー兼用ケーシングの肉厚は、全ての部位において５ｍｍ程度に設定する。

　この実施例で示すカバー兼用ケーシング４１は、背面部４１ａの肉厚のみを、その他の部分よりも厚くすることによって強度を大きく設定している。そして、背面部４１ａを壁等に固定ねじ４３でねじ止めすることにより、建物の壁面等の所定位置に照明兼空気清浄器４０を固定できるようにしている。そのため、背面部４１ａには、固定ねじ４３のねじ軸部が挿通される複数（この実施例では３つ）の挿通孔４４と、ランプ保持具４５を取り付けるために固定ねじ４６のねじ軸部が挿通される複数（この実施例では２つ）の挿通孔４７とが設けられている。

　ランプ保持具４５は、紫外線ランプ５を保持するためのもので、背面部４１ａの２箇所に固定ねじ４６でねじ止めされている。ランプ保持具４５は、適度な弾性を有するリボン状の板ばね材によって形成されており、紫外線ランプ５を挟持する一対の挟持片４５ａ，４５ａと、両挟持片４５ａ，４５ａ間を連結する固定片４５ｂを有している。固定片４５ｂの両側をそれぞれ９０度折り曲げて対向させることにより、一対の挟持片４５ａ，４５ａが形成されている。固定片４５ｂの内側にはナット４８が固定されており、そのナット４８に、背面部４１ａの挿通孔４４を貫通する固定ねじ４６のねじ軸部が螺合される。この固定ねじ４６の締め込みにより、ランプ保持具４５が背面部４１ａの内面に固定されている。なお、挿通孔４４の外側には、固定ねじ４６の頭部を収容するための座ぐりが設けられている。

　紫外線ランプ５は、背面部４１ａに固定されている２個のランプ保持具４５，４５によってカバー兼用ケーシング４１に保持される。この紫外線ランプ５の両端の口金７，７にソケット２８がそれぞれ装着され、リード線２９を介して電力が供給されるようになっている。

この第２の実施例に係る照明兼空気清浄器４０では、カバー兼用ケーシング４１の開口部４２の作用は、前記第１の実施例の紫外線遮蔽樹脂部材３の場合と同様であり、紫外線ランプ５の周囲に空気の自然対流を生じさせることができると共に、上方にある空気に対して紫外線の直接照射を可能としている。そのため、周囲の空気中にある細菌やウイルス等を殺菌し、或いは滅菌して、照明兼空気清浄器４０の周囲にある空気の清浄化を図ることができる。

　一方、カバー兼用ケーシング４１の開口部４２を除く背面部４１ａ、下面部４１ｂ、前面部４１ｃ及び一対の側面部４１ｄ，４１ｄの全体が紫外線不透過・可視光線透過性樹脂によって形成されているため、壁等に固定される背面部４１ａを除いて全面から電磁波が放射される。そして、各面部から放射される電磁波は紫外線ではなく可視光線であるため、その可視光線によって人が影響を受けることが無く、照明器具としての照明機能を発揮することができる。

　図８は、本発明の照明兼空気清浄器の第３の実施例を示すものである。この実施例で示す照明兼空気清浄器５０は、電磁波発生源である紫外線ランプ５と、紫外線遮蔽樹脂部材の第３の具体例を示すカバー筐体５１とを備えて構成されている。この第３の実施例に係る照明兼空気清浄器５０が前記第２の実施例に係る照明兼空気清浄器４０と異なるところは、一対のソケット２８，２８を建物等の所定位置に固定し、その一対のソケット２８，２８間に保持された紫外線ランプ５に対してカバー筐体５１を吊り下げ可能に構成した点である。そのため、ここではカバー筐体５１について説明し、前記第１及び第２の実施例と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。

　カバー筐体５１は、上面に開口部５２を有する横長のカバー部材からなり、横長の下面部５１ａと、この下面部５１ａの幅方向両側に連続して上方に立ち上げられた横長の一対の第１の側面部５１ｂ，５１ｂと、下面部５１ａの長手方向両側に連続して上方に立ち上げられた一対の第２の側面部５１ｃ，５１ｃとを有している。カバー筐体５１は、カバー兼用ケーシング４１と同様に、紫外線を遮断又は吸収し且つ可視光線を透過させる紫外線遮蔽樹脂によって全体が一体に形成されている。そして、下面部５１ａの内面の略中央部に、カバー筐体５１を紫外線ランプ５に吊り下げて支持するための取付フック５３が固定ねじ５４によりねじ止めされて固定されている。

　取付フック５３は、紫外線ランプ５のガラス管６に掛け止められるフック部５３ａと、このフック部５３ａの一端に連続して一体に形成された固定部５３ｂとを有している。取付フック５３は、適当な幅を有するリボン状の板ばね材で形成されている。取付フック５３のフック部５３ａは、ガラス管６の外径と同程度の曲率半径で湾曲形成された円弧状の部分からなっている。このフック部５３ａの一端に、Ｌ字状に形成された固定部５３ｂの一端が連続されている。固定部５３ｂの一方の片には挿通孔が設けられており、その挿通孔に挿通されたねじ軸部を下面部５１ａに設けたねじ孔に螺合させて締め付けることにより取付フック５３が下面部５１ａの略中央部にねじ止めされて固定されている。

この第３の実施例に係る照明兼空気清浄器５０では、一対のソケット２８，２８が天井等の所定位置に固定される。そして、一対のソケット２８，２８間に掛け渡される紫外線ランプ５のガラス管６に取付フック５３を引っ掛けることにより、カバー筐体５１が光源である紫外線ランプ５に取り付けられる。

このカバー筐体５１の作用は、前記第２の実施例に係るカバー兼用ケーシング４１と略同様であるが、異なるところは、開口部５２を除くカバー筐体５１の全ての面が可視光放射部となっている点である。従って、この実施例によれば、可視光放射部が増えるため、その分だけ照明器具としての可視光線の照射効率を高めることができる。なお、この実施例では、カバー筐体５１の全重量が紫外線ランプ５に加えられることになるため、カバー筐体５１の肉厚はできるだけ薄くして、その重量を軽くすることが望ましい。従って、この実施例の場合には、カバー筐体５１の材質として紫外線透過性フッ素樹脂厚さ対策形の紫外線不透過・可視光線透過性樹脂を用いると、その重量が重くなるため好ましくない。

　図９～図１５は、本発明の照明兼空気清浄器の第４の実施例及びその変形実施例を示すものである。図９～図１１に示す第４の実施例に係る照明兼空気清浄器６０は、電磁波発生源である紫外線ランプ５と、紫外線遮蔽樹脂部材の第４の具体例を示すカバー筒体６１と、紫外線ランプ５をサイズの異なるソケットに装着するための一対の口金アダプタ６２，６２と、カバー筒体６１を紫外線ランプ５に取り付けるための取付部材６３等を備えて構成されている。

図９に示すように、紫外線ランプ５は、紫外線ランプの標準規格に基づいて製造されたものであり、ガラス管６の直径及び長さ、口金７の直径及び長さ、口金ピン８の直径及び長さ等は、すべて規格寸法によって形成されている。この紫外線ランプ５に対して、家庭用照明の光源として用いられている蛍光灯は、紫外線ランプの標準規格とは異なる蛍光灯独自の標準規格に基づいて製造されている。そのため、蛍光灯の直径や長さ等の各種寸法は、紫外線ランプ５のそれとは異なる寸法となっている。

従って、蛍光灯を用いた一般家庭用の照明装置において、その蛍光灯に換えて紫外線ランプ５をそのままでは使用することができない。そこで、一般家庭においても、標準サイズの紫外線ランプをそのまま使用できるようにするために用いるのが口金アダプタ６２である。この口金アダプタ６２を紫外線ランプ５の両端の口金７，７にそれぞれ装着することにより、口金アダプタ６２付き紫外線ランプ５からなる照明兼空気清浄器６０を、通常の蛍光灯と同様に使用することが可能となる。

　口金アダプタ６２は、一端が閉じられた有底筒状の口金本体を有しており、その口金本体の閉鎖端面に２本の接続ピン６４，６４が設けられている。２本の接続ピン６４，６４は、蛍光灯照明装置のソケットの接続端子に対応した形状及び寸法とされており、その接続端子６４と互いに接続・分離可能とされている。また、口金本体の接続ピン６４と反対側には、紫外線ランプ５の口金７が嵌合される凹部が設けられており、その凹部に口金７を嵌合することにより、口金７の一端から突出した２本の口金ピン８，８が２本の接続ピン６４，６４とそれぞれ電気的に接続されるようになっている。

取付部材６３は、ガラス管６に嵌まり合うリング形状をなす取付リングとして形成されている。取付リング６３は、ガラス管６に嵌合することによって紫外線ランプ５に取り付けられる。取付リング６３には、カバー筒体６１をねじ止めするために複数のねじ孔（この実施例では４つ）６５が周方向に等間隔に配置されて設けられている。この取付リング６３は、ガラス管６に対して移動可能に取り付けてもよく、また、接着剤等を用いて固着してもよい。

　カバー筒体６１は、紫外線を遮断又は吸収し且つ可視光線を透過させる紫外線不透過・可視光線透過性樹脂からなるフィルム材によって形成されている。このカバー筒体６１の紫外線ランプ５と対向する面の全体に発光物質層を設けことが好ましい。このようにカバー筒体６１に発光物質層を設けることにより、カバー筒体６１自体の劣化を防止又は抑制できると共に、紫外線を可視光線に変換して可視光放射部における照明効率を高め、周囲をより明るく照明することが可能となる。

カバー筒体６１は、この実施例では、１枚の紫外線遮蔽プレート（板若しくはフィルム）を複数箇所（この実施例では４箇所）で折り曲げて、四角形の筒体として構成している。そのため、カバー筒体６１の折り目線６１ａが延びる方向の両側には、それぞれ５つの挿通孔６６が設けられている。なお、カバー筒体６１は、周方向に切断部の無い四角形の角筒体として形成してもよく、また、三角形或いは五角形、六角形、八角形その他の角筒体として形成してもよいことは勿論である。

　図１０は、照明兼空気清浄器６０の全体構成を示すもので、四角形の筒状に折曲形成された断面四角形のカバー筒体６１が、固定ねじ６７によって取付リング６３に取り付けられている。カバー筒体６１の軸方向の長さは、紫外線ランプ５の軸方向の一端に嵌合された一方の取付リング６３から他端に嵌合された他方の取付リング６３までの長さと同程度に設定されている。このカバー筒体６１と紫外線ランプ５との間に設けた空間部分によって空気路６８が構成されている。

空気路６８は、紫外線放射部の周囲の空気が移動するための空間であり、カバー筒体６１の内面と一対の取付リング６３，６３の各外周面との間に設定された空間部によって空気路６８の２つの出入口６９が形成されている。即ち、図１１に示すように、カバー筒体６１の一辺の長さは取付リング６３の外径と略同一に設定されており、四辺のそれぞれ中間部を固定ねじ６７で取付リング６３固定することにより、紫外線ランプ５の軸方向両端に、一辺が円弧をなす断面略三角形状の４つの出入口６９がそれぞれ設けられている。

このような構成を有する照明兼空気清浄器６０の作用は、次のようなものである。この照明兼空気清浄器６０は、紫外線ランプ５の軸方向両端に一対の口金アダプタ６２，６２を有するため、紫外線ランプを用いた殺菌装置が必要とされる病院や食品工場等において、一般家庭用の照明装置に使用される一般的な蛍光灯と同様に使用することができる。即ち、照明兼空気清浄器６０を、例えば、天井や壁等の所定位置に設置されている照明装置に装着することにより使用に供される。

この照明兼空気清浄器６０に電力を供給して紫外線ランプ５を点灯すると、その電磁波放射部から紫外線及び可視光線が四方八方に放射される。この電磁波放射部から放射される紫外線により、カバー筒体６１内に形成された空気路６８内において、そこに存在する空気中に浮遊する細菌やウイルス等が殺菌或いは滅菌され、その空気の清浄化が図られる。この際、紫外線ランプ５が発生する熱により周囲の空気が温められて軽くなるため、カバー筒体６１の外にある重い空気が出入口６９から空気路６８内に入り込み、これと入れ替わりに軽くなった空気が空気路６８内から出入口６９を経て外部に押し出される。これにより、照明兼空気清浄器６０内の空気路６８を内外の空気が流動する自然対流が生じ、空気路６８を通過する空気に対する紫外線による殺菌作用が連続して行われる。

これと同時に、電磁波放射部から放射された可視光線は、その電磁波放射部の全周を覆うカバー筒体６１を透過し、その全面から外部に放射される。このとき、カバー筒体６１が前述した紫外線透過性フッ素樹脂単体形又は紫外線透過性フッ素樹脂複合形である場合には、若干白みを帯びた紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂に含まれている顔料やフッ素樹脂間に挟まれている樹脂の持つ色に応じて、カバー筒体６１の全体が発光し、その色の光で周囲が照らされる。これにより、カバー筒体６１の全体が可視光線を放射する可視光放射部となって周囲を照らすため、照明兼空気清浄器６０による照明作用が発揮される。

この第４の実施例によれば、紫外線遮蔽プレートを所定の折り目線６１ａに沿って折り曲げることによりカバー筒体６１が構成されるため、組立作業を簡単且つ迅速に行うことができると共に、組立前の占有容積を小さくして運搬効率を高めることができる。しかも、カバー筒体６１の組立作業は、軸方向の両端部を固定ねじ６７で取付リング６３にねじ止めするだけであり、そのねじ止め作業だけで、両端に出入口６９を有する空気路６８を形成することができる。従って、この種の照明兼空気清浄器における構造の簡素化と、組立作業の容易化を図ることができる。

　図１２～図１４は、本発明の照明兼空気清浄器の第４の実施例を変形した第１の変形実施例を示すものである。この第４の形態の第１の変形実施例を示す照明兼空気清浄器７０が前述した照明兼空気清浄器６０と異なるところは、紫外線遮蔽樹脂部材を断面円形のカバー円筒体７１で形成すると共に、取付部材を断面四角形の取付ブロック７２によって形成した点である。そこで、ここでは、カバー円筒体７１と取付ブロック７２について説明し、その他の構成上の同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

図１２に示すように、カバー円筒体７１は、紫外線を遮断又は吸収し且つ可視光線を透過させる紫外線不透過・可視光線透過性フッ素樹脂によって断面円形の円筒として形成されている。このカバー円筒体７１は、剛性の大きな変形し難い円筒体として形成してもよく、また、これとは逆に、柔軟性の高い弾性変形の容易な円筒体として形成してもよい。このカバー円筒体７１の紫外線ランプ５と対向する内面の略全体に、紫外線の照射により励起されて可視光線を放射する蛍光体を層状に塗布した発光物質層を設けことが好ましい。また、発光物質層が紫外線透過性フッ素樹脂材でコーティングされていることにより、発光物質層が空気と接触しないため、安定して発光することができ耐久性を向上させることができる。この場合のコーティングは、脱気や真空状態或いは不活性ガスをパージした環境下において作業することにより実現することができる。なお、カバー円筒体７１の軸方向両端部には、それぞれ４つの挿通孔７３が設けられている。

図１３に示すように、取付ブロック７２は、紫外線ランプ５の口金７に嵌まり合う円形の貫通穴７４を有する四角形のブロック体からなっている。取付ブロック７２の貫通穴７４には、一側から紫外線ランプ５の口金７が嵌合され、他側からは口金アダプタ６２の一面側に設けた円柱状の嵌合凸部６２ａが嵌合される。嵌合凸部６２ａの端面には、口金７に設けた２つの口金ピン８が嵌合される２つの嵌合孔６２ｂ，６２ｂが設けられている。取付ブロック７２に両側から口金７と嵌合凸部６２ａを嵌め込むことにより、取付ブロック７２内において、２つの口金ピン８が２つの嵌合孔６２ｂ，６２ｂに嵌合される。これにより、２つの口金ピン８と２つの接続ピン６４，６４とが互いに電気的に接続されるようになっている。

また、取付ブロック７２の四面には、カバー円筒体７１を固定ねじでねじ止めするためのねじ孔７５がそれぞれ設けられている。カバー円筒体７１の取付形態は、カバー円筒体７１が柔軟性の高い樹脂材で形成されている場合と、カバー円筒体７１が剛性の高い樹脂材で形成されている場合とでは異なるものとなる。図１４は、カバー円筒体７１の剛性が異なる場合を説明する図である。

図１４において、実線と一点鎖線で示すカバー円筒体７１は、柔軟性の高い樹脂材で形成されている場合を示している。この場合は、足の短い固定ねじ７６を用い、４箇所の固定部を締め込んでカバー円筒体７１の端部を４箇所を湾曲させ、隣り合う固定ねじ７６間に円弧状凸部７１ａを形成する。この円弧状凸部７１ａの内側空間部が、空気路６８の出入口６９を形成している。一方、破線で示したカバー円筒体７１Ａは、剛性の高い樹脂材で形成されている場合を示している。このときには、足の長い固定ねじ７６Ａを用い、４箇所の固定部を締め込んで、固定ねじ７６Ａの頭部裏面をカバー円筒体７１Ａの外周面に押圧させる。この場合は、カバー円筒体７１Ａの内面と取付ブロック７２の外面との間に形成される半月状の空間部が、空気路６８の出入口６９となる。

図１５は、カバー円筒体７１を取付ブロック７２に取り付ける固定方法の第３の実施例を示すものである。この実施例は、取付ブロック７２の四隅に円弧状のねじ止め面７７を設けると共に、この取付ブロック７２に嵌まり合うようにカバー円筒体７１の内径寸法を形成したものである。取付ブロック７２の各ねじ止め面７７には、固定ねじ７６が螺合されるねじ孔が設けられている。このように構成することによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。

　図１６及び図１７は、本発明の照明兼空気清浄器の第５の実施例を示すものである。この第５の実施例に係る照明兼空気清浄器８０は、電磁波発生源である紫外線ランプ５と、紫外線遮蔽樹脂部材の第５の具体例を示すカバー筒体８１と、紫外線ランプ５をサイズの異なるソケットに装着するための一対の口金アダプタ６２，６２と、カバー筒体８１を紫外線ランプ５に支持するための２つの支持リング８２，８２等を備えて構成されている。

この第５の実施例に係る照明兼空気清浄器８０が前述した照明兼空気清浄器６０と異なるところは、断面円形のカバー円筒体８１で形成した紫外線遮蔽樹脂部材を、２つの支持リング８２，８２で支持する構成とした点である。そこで、ここでは、支持リング８２について詳細に説明し、同一部分には同一の符号を付して、その他の説明は簡略するか若しくは省略する。

図１６，図１７に示すように、支持リング８２は、空気路６８内に収納されるリング状の部材からなり、その内径はガラス管６の外径よりも大きく、且つ、その外径はカバー円筒体８１の内径よりも小さく形成されている。この支持リング８２には、周方向に等間隔に６つのねじ孔８３が設けられている。各ねじ孔８３には、頭部を外側にして調整ねじ８４がそれぞれ螺合されている。調整ねじ８４は、頭部の突き出し量を調節することにより、ガラス管６との間隔及びカバー円筒体８１との間隔をそれぞれ調節してガタなく支持できるようになっている。このような構成とすることによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。

　図１８及び図１９は、本発明の照明兼空気清浄器の第６の実施例を示すものである。この第６の実施例に係る照明兼空気清浄器９０は、電磁波発生源である紫外線ランプ５と、紫外線遮蔽樹脂部材であるカバー筒体９１と、紫外線ランプ５をサイズの異なるソケットに装着するための一対の口金アダプタ６２，６２と、カバー筒体９１を紫外線ランプ５に支持するための２つの取付リング９２，９２と、２つの取付リング９２，９２間に掛け渡された複数本のカバー支え棒９３等を備えて構成されている。

この第６の実施例に係る照明兼空気清浄器９０が前述した照明兼空気清浄器６０と異なるところは、断面円形のカバー円筒体９１で形成した紫外線遮蔽樹脂部材を、２つの取付リング９２，９２間に掛け渡した複数本のカバー支え棒９３で支持する構成とした点である。そこで、ここでは、取付リング９２とカバー支え棒９３について詳細に説明し、同一部分には同一の符号を付して、その他の説明は簡略するか若しくは省略する。

図１８，図１９に示すように、一対の取付リング９２，９２は一対の口金アダプタ６２，６２の内側に配置されていて、４本のカバー支え棒９３が掛け渡されている。４本のカバー支え棒９３は、紫外線ランプ５を囲うように等間隔に配置されており、これら４本のカバー支え棒９３によってカバー円筒体９１が支えられている。カバー円筒体９１の軸方向の長さは、カバー支え棒９３の軸方向の長さよりも小さく形成されている。これにより、カバー円筒体９１の軸方向両端と一対の取付リング９２，９２との間に隙間を設け、この隙間を空気路９４の出入口９５としている。

このような構成を有する第６の実施例に係る照明兼空気清浄器９０によっても、前記実施例と同様に、空気路９４内を通過する空気中に浮遊する細菌やウイルス等を紫外線により殺菌等して、空気の清浄化を図ることができる。なお、この実施例においては、カバー円筒体９１の軸方向の長さが紫外線ランプ５のランプ管６の長さよりも短いために、空気路９４両端の出入口９５から紫外線が漏れ出すおそれがある。しかしながら、カバー円筒体９１の端部で、紫外線ランプ５の電極を保持するステムガラスまで延長して電極を覆う構造とする。これにより、空気路９４の出入口９５を電極位置から偏倚させることができ、その出入口９５から紫外線が漏れ出すのを最小限に抑制することができる。

　図２０～図２７は、本発明の照明兼空気清浄器の第７の実施例及びその変形実施例を示すものである。図２０及び図２１に示す第７の実施例に係る照明兼空気清浄器１００は、電磁波発生源である紫外線ランプ５と、紫外線遮蔽樹脂部材の第５の具体例を示すカバー樋体１０１と、紫外線ランプ５をサイズの異なるソケットに装着するための一対の口金アダプタ６２，６２と、カバー樋体１０１を紫外線ランプ５に取り付けるための一対の取付リング６３，６３等を備えて構成されている。

この第７の実施例に係る照明兼空気清浄器１００が前述した照明兼空気清浄器６０と異なるところは、断面Ｕ字形をなす樋状のカバー樋体１０１によって紫外線遮蔽樹脂部材の第５の実施例として構成した点である。そこで、ここでは、カバー樋体１０１について詳細に説明し、同一部分には同一の符号を付して、その他の説明は簡略するか若しくは省略する。なお、紫外線ランプ５と一対の口金アダプタ６２，６２と一対の取付リング６３，６３とは同様のものである。

図２０に示すように、カバー樋体１０１は、前述した紫外線遮蔽プレートを四角形に形成すると共にＵ字形に湾曲させることによって形成されている。カバー樋体１０１の断面形状が連続する方向の両端部であって、その方向と交差する方向の両側には、固定ねじ６７が挿通される挿通孔６６がそれぞれ設けられている。

このような構成を有する第７の実施例に係る照明兼空気清浄器１００によれば、図２１に示すように、カバー樋体１０１によって覆われる下方から両側方に至る範囲が可視光放射領域ＲＺとなり、カバー樋体１０１の上方に開口された空間部が紫外線放射領域ＵＶＺとなる。そして、カバー樋体１０１と紫外線ランプ５との間に設けられた空間部が空気路１０２となり、カバー樋体１０１と一対の取付リング６３，６３との間に設けられた空間部が出入口１０３となっている。

このような構成を有する照明兼空気清浄器１００の作用は、次のようなものである。この照明兼空気清浄器１００は、紫外線ランプ５の両端に一対の口金アダプタ６２，６２を有するため、病院や食品工場等において、一般的な蛍光灯と同様にして、例えば、天井や壁等の所定位置に設置されている照明装置に装着して使用することができる。

この照明兼空気清浄器１００に電力を供給して紫外線ランプ５を点灯すると、その電磁波放射部から紫外線及び可視光線が四方八方に放射される。この電磁波放射部から放射される紫外線により、カバー樋体１０１内に形成された空気路１０２内において、そこに存在する空気中に浮遊する細菌やウイルス等が殺菌或いは滅菌され、その空気の清浄化が図られる。この際、紫外線ランプ５が発生する熱により周囲の空気が温められて軽くなるため、カバー樋体１０１の外にある重い空気が出入口１０３や上方の開口部から空気路１０２内に入り込み、これと入れ替わりに軽くなった空気が開口部や出入口６９から外部に排出される。これにより、照明兼空気清浄器１００内の空気路１０２を介して内外の空気が流動する自然対流が生じ、空気路１０２を通過する空気に対する紫外線による殺菌作用が連続して行われる。

また、電磁波放射部から放射された紫外線のうち、カバー樋体１０１の上方開口部から上方へ放射されて紫外線放射領域ＵＶＺに照射される紫外線により、その紫外線放射領域ＵＶＺ内にある空気中に浮遊する細菌やウイルスに紫外線が直接作用し、これらを殺菌或いは滅菌させることができる。これによっても照明兼空気清浄器１００の周囲にある空気中に浮遊する細菌やウイルス等を殺菌或いは滅菌し、建物内の空気を清浄化することができ、紫外線による殺菌作用を有効に発揮することができる。このとき、照明兼空気清浄器１００を人の頭よりも高い位置に設置することにより、電磁波放射部から上方に向けて放射される紫外線が人に直接照射されることがなく、その紫外線によって人が影響を受けるおそれは無い。

これと同時に、電磁波放射部から放射された紫外線及び可視光線のうち、下方から側方に掛けて放射される紫外線はカバー樋体１０１によって遮断又は吸収される一方、可視光線はカバー樋体１０１を透過して可視光放射領域ＲＺに放射される。この可視光放射領域ＲＺに放射される可視光線により、建物内の主に下方及び側方が照明され、その周囲を明るく照らすことができる。このとき、可視光放射領域ＲＺから放射される電磁波は、紫外線ではなく可視光線であるため、その可視光線によって人が影響を受けることは無く、照明器具としての照明機能を発揮することができる。

　図２２～図２４は、本発明の照明兼空気清浄器の第７の実施例を変形した第１及び第２の変形実施例を示すものである。この第７の形態の第１の変形実施例を示す照明兼空気清浄器１１０が前述した照明兼空気清浄器１００と異なるところは、電磁波発生源の構造である。そこで、ここでは、電磁波発生源１１１について説明し、その他の一対の口金アダプタ６２，６２と一対の取付リング６３，６３とカバー樋体１０１については同一の符号を付して重複した説明を省略する。

図２２に示すように、ダイオード発光体１１１は紫外線発生源の第２の具体例を示すものであり、長尺状をなす基板１１３と、その基板１１３の両面に実装された複数の紫外線発生用発光ダイオード１１４とを有している。基板１１３の長手方向両側部には口金アダプタ６２がそれぞれ固定されており、各口金アダプタ６２には取付リング６３がそれぞれ取り付けられて、これらが一体に構成されている。基板１１３の両面には、それぞれ複数の紫外線発生用発光ダイオード１１４，１１４が適宜な間隔をあけて実装されている。複数の発光ダイオード１１４は、この実施例では表裏面ともに一列に配置されているが、その配列は２列以上であってもよく、また、ランダムに配置する構成としてもよい。

　また、基板１１３には、複数の発光ダイオード１１４と両端に固定された口金アダプタ６２とを電気的に接続する配線回路が設けられている。各口金アダプタ６２の内側に取付リング６３が配置されており、この取付リング６３に設けたねじ孔６５に螺合される固定ねじ６７によってカバー樋体１０１が光源側に取り付けられている。

　このような構成を有する照明兼空気清浄器１１０によっても、前述した照明兼空気清浄器１００等と同様の効果を得ることができる。即ち、発光ダイオード１１４からなる電磁波放射部から放射された紫外線のうち、カバー樋体１０１の上方開口部から上方へ放射されて紫外線放射領域ＵＶＺに照射される紫外線により、その紫外線放射領域ＵＶＺ内にある空気中に浮遊する細菌やウイルスに紫外線が直接作用し、これらを殺菌或いは滅菌させることができる。これにより、照明兼空気清浄器１１０の周囲にある空気中に浮遊する細菌やウイルス等を殺菌或いは滅菌し、建物内の空気を清浄化することができ、紫外線による殺菌作用を有効に発揮することができる。

　一方、電磁波放射部から放射された紫外線及び可視光線のうち、下方から側方に掛けて放射される紫外線はカバー樋体１０１によって遮断又は吸収される一方、可視光線及び発行物質を励起して発光した可視光線はカバー樋体１０１を透過して可視光放射領域ＲＺに放射される。この可視光放射領域ＲＺに放射される可視光線により、建物内の主に下方及び側方が照明され、その周囲を明るく照らすことができる。このとき、可視光放射領域ＲＺから放射される電磁波は可視光線であるため、その可視光線によって人が影響を受けること無く、照明器具としての照明機能を発揮することができる。

　特に、この実施例では、紫外線発生源が複数の紫外線発生用発光ダイオード１１４によって構成されているため、紫外線ランプ５を使用する場合に比べて消費電力を大幅に低減することができる。なお、紫外線発生用発光ダイオード１１４からは、５０％程度の紫外線が放射され、その他は可視光線と熱エネルギー等である。従って、紫外線発生用発光ダイオード１１４を光源として用いる場合には、紫外線の放射される割合が増えるため、紫外線による細菌やウイルス等に対する殺菌或いは滅菌効率を高めることができる。

　図２４は、第７の実施例を変形した第２の変形実施例を示すものである。この第７の形態の第２の変形実施例を示す照明兼空気清浄器１２０が前述した第１の変形実施例に係る照明兼空気清浄器１１０と異なるところは、電磁波発生源の構造とその取付方法に関する点である。そこで、ここでは電磁波発生源１２１の構造とその取付方法について説明し、その他のカバー樋体１０１等の同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

図２４に示すように、紫外線発生源であるダイオード発光体１２１は、長尺状をなす基板１１３と、その基板１１３の一面に実装された複数の紫外線発生用発光ダイオード１１４と、その基板１１３の他面に実装された複数の可視光線発生用発光ダイオード１２２と、を有している。基板１１３の長手方向両側部には口金アダプタ６２がそれぞれ固定され、各口金アダプタ６２には取付リング６３がそれぞれ取り付けられていて、これらが一体に構成されている。複数の紫外線発生用発光ダイオード１１４及び可視光線発生用発光ダイオード１２２は、この実施例ではともに一列に配置されているが、その配列は２列以上であってもよく、また、ランダムに配置する構成としてもよいことは勿論である。

　ダイオード発光体１２１は、Ｕ字状に湾曲形成されたカバー樋体１０１の凹面側に紫外線発生用発光ダイオード１１４を対向させ、その開口部側に可視光線発生用発光ダイオード１２２を臨ませた状態で配置されている。そして、カバー樋体１０１を固定ねじ６７で取付リング６３にねじ止めすることによって照明兼空気清浄器１２０が構成されている。

　このような構成を有する照明兼空気清浄器１２０によっても、前述した照明兼空気清浄器１１０等と同様の効果を得ることができる。照明兼空気清浄器１２０は、可視光線発生用発光ダイオード１２２を下にして天井等に設置されている照明装置に装着する。この照明兼空気清浄器１２０に通電すると、基板１１３の上面に実装された紫外線発生用発光ダイオード１１４からは上方に向けて紫外線等が放射され、基板１１３の下面に実装された可視光線発生用発光ダイオード１２２からは下方に向けて可視光線が放射される。

　このダイオード発光体１２１の発光ダイオード１１４から放射された紫外線により、その上方の空気路内にある空気中に浮遊する細菌やウイルスに紫外線が直接照射され、その細菌等が紫外線によって直接殺菌或いは滅菌される。この空気路１０２内にある空気は、ダイオード発光体１２１から発生する熱により加熱されて軽くなり、空気路１０２内を移動して外に排気される一方、入れ替わりに外の重い空気が空気路１０３内に入り込む。この際の空気の対流により、照明兼空気清浄器１２０の周囲にある空気中に浮遊する細菌やウイルス等が殺菌或いは滅菌され、これが繰り返されることにより、建物内の空気を清浄化することができる。

　一方、ダイオード発光体１２１の発光ダイオード１２２から放射される可視光線が、カバー樋体１０１の開口部から可視光放射領域に直接放射される。この可視光放射領域に放射される可視光線により、建物内の主に下方及び側方が照明され、その周囲を明るく照らすことができる。このとき、可視光放射領域から放射される電磁波は可視光線であるため、その可視光線によって人が影響を受けることは無く、照明器具としての照明機能を発揮することができる。

　図２５は、第７の実施例を変形した第３の変形実施例を示すものである。この第７の形態の第３の変形実施例を示す照明兼空気清浄器１３０が前述した第１の変形実施例に係る照明兼空気清浄器１１０と異なるところは、カバー筒体１３１である。そこで、ここでは、カバー筒体１３１について説明し、その他のダイオード発光体１１１等の同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

図２５に示すように、カバー筒体１３１は、紫外線不透過・可視光線透過性樹脂からなる紫外線遮蔽樹脂部材によって断面四角形の角筒として形成されている。その他の構成は、前記実施例と同様である。このような構成とすることによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。

　図２６及び図２７は、第７の実施例を変形した第４の変形実施例を示すものである。この第７の形態の第４の変形実施例を示す照明兼空気清浄器１４０が前述した第７の実施例に係る照明兼空気清浄器１００と異なるところは、カバー樋体１４１とその固定アーム１４２である。そこで、ここでは、カバー樋体１４１と固定アーム１４２について説明し、その他の紫外線ランプ５等の同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

図２６，図２７に示すように、カバー樋体１４１は、紫外線不透過・可視光線透過性の紫外線遮蔽プレートをＶ字形状に折り曲げることによって形成されている。このカバー樋体１４１の開口側の２箇所に、その開口側を所定間隔に保持する固定アーム１４２が介在されている。２つの固定アーム１４２，１４２は、紫外線ランプ５の軸方向両端に取り付けられた一対の口金アダプタ６２，６２の内側の端面部に固定されている。固定アーム１４２の長手方向の両端部は、カバー樋体１４１の折曲角度と同程度に折曲形成されており、これによりカバー樋体１４１との接触面積を大きくして、固定ねじ６７によるねじ止めを容易にしている。他の構成は、前記実施例と同様であり、このように構成することによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。

　図２８乃至図３０は、本発明の照明兼空気清浄器の第８の実施例を示すものである。この第８の実施例に係る照明兼空気清浄器１５０は、建物の天井等の所定位置に埋め込んで設置する構成としたものである。照明兼空気清浄器１５０は、取付枠１５１と、外装板１５２と、紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板１５３と、押え板１５４と、紫外線発生源である紫外線ランプ５等を備えて構成されている。

　所定位置の一具体例を示す天井１５５には、取付枠１５１が嵌合される切込み部１５６が設けられている。切込み部１５６は、取付枠１５１に見合う形状を有しており、取付枠１５１の全体が納まる形状及び大きさに形成されている。切込み部１５６の天井面には、照明兼空気清浄器１５０を固定するための２本の固定バー２５１が設けられている（固定バーは１本であってもよく、また、３本以上であってもよい。）。２本の固定バー２５１，２５１は、天井１５５を横切るように平行に配置されていて、それぞれの下面が切込み部１５６に露出されている。各固定バー２５１には、ソケット１５７をねじ止めするための図示しないねじ孔と、取付枠１５１をねじ止めするための２つのねじ孔２５２がそれぞれ設けられている。一対の固定バー２５１，２５１にねじ止めされた一対のソケット１５７，１５７には、複数本（この実施例では２本）の紫外線ランプ５が着脱可能に装着される。

　切込み部１５６に嵌合される取付枠１５１は、長方形とされた上面部１５１ａと、この上面部１５１ａの幅方向両側に連続する第１の側面部１５１ｂ，１５１ｂと、上面部１５１ａの長手方向両側に連続する第２の側面部１５１ｃ，１５１ｃとを有し、上面部１５１ａと対向する面が開口部となっている。取付枠１５１の開口部は、上面部１５１ａの幅よりも広く設定されている。この取付枠１５１の上面部１５１ａの長手方向両側に、切込み部１５６の一対の固定バー２５１，２５１に固定されたソケット１５７が挿通される貫通穴２５３がそれぞれ設けられている。

更に、取付枠１５１の上面部１５１ａには、この取付枠１５１を切込み部１５６の一対の固定バー２５１，２５１に固定ねじ２５４でねじ止めするための挿通孔２５５が４箇所に設けられている。また、取付枠１５１の第１の側面部１５１ｂ，１５１ｂには、外装板１５２を固定ねじ１５８でねじ止めするためのねじ孔２５６がそれぞれ２箇所に設けられている。

　切込み部１５６に装着された取付枠１５１に対して、外装板１５２が取付ねじ１５８によって着脱可能に取り付けられている。外装板１５２は、取付枠１５１の開口部に対応して同程度の大きさを有する平面部１５２ａと、この平面部１５２ａの４箇所に連続して設けられた４つの取付片１５２ｂ、１５２ｂとを有している。４つの取付片１５２ｂ、１５２ｂは、平面部１５２ａの長手方向両側であって、幅方向両側に対向するよう４箇所に配置されている。各取付片１５２ｂには、取付ねじ１５８のねじ軸部が挿通される挿通孔１５９がそれぞれ設けられていると共に、これら挿通孔１５９に対応して取付枠１５１の第１の側面部１５１ｂの所定位置に、前記ねじ孔２５６が設けられている。

　取付枠１５１の平面部１５２ａには、一対のソケット１５７，１５７に装着された２本の紫外線ランプ５の紫外線放射部の広い範囲を露出させることができる開口窓１６１が設けられている。平面部１５２ａにおける開口窓１６１の長手方向一方の棚部１５２ｃには、空気を強制的に移動させるためのファン１６２と、ソーラーパネル１６３とが配設されている。更に、平面部１５２ａにおける開口窓１６１の長手方向他方の棚部１５２ｄには、複数のソーラーパネル１６３が配設されている。

ファン１６２は、外装板１５２の内側に形成される空気路１６４に空気を強制的に送って移動させるために設けたものである。また、ソーラーパネル１６３は、ファン１６２を駆動させるための電気エネルギーを作り出すものである。ソーラーパネル１６３によって作り出された電気エネルギーは、ファン１６２を直接駆動させる構成としてもよく、また、一旦蓄電池等に蓄積し、必要により取り出して使用する構成とすることもできる。このソーラーパネル１６３は、紫外線ランプ５から放射される電磁波に基づいて電気エネルギーを作り出すことができる。

　取付枠１５１の平面部１５２ａに設けた開口窓１６１の外側に、その開口窓１６１の全面を覆うように紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板（紫外線遮蔽プレート）１５３が配置されている。紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板１５３に代えて、紫外線を透過し且つその紫外線で発光物質を励起させて発光させた可視光線を透過させる紫外線不透過・可視光線透過性の板又はフィルムや、これらを紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂でコーティングしたものを用いることができることは勿論である。この紫外線遮蔽プレート１５３の外側に押え板１５４が配置されている。

　押え板１５４には、開口窓１６１と同程度の大きさ及び形状を有する開口窓１６５が設けられている。紫外線遮蔽プレート１５３には固定ねじ１６６のねじ軸部が挿通される挿通孔１６７が設けられ、押え板１５４には同じく固定ねじ１６６のねじ軸部が挿通される挿通孔１６８が設けられている（本実施例では各６箇所）。そして、平面部１５２ａの挿通孔１６７及び挿通孔，１６８と対応する位置に、固定ねじ１６６のねじ軸部が螺合されるねじ孔２５７が設けられている。なお、図示しないが、紫外線遮蔽プレート１５３と押え板１５４には、ファン１６２及びソーラーパネル１６３と重なり合う位置に、空気を通過させるための空気穴や、ファン１６２及びソーラーパネル１６３を嵌合させるための嵌合穴を設ける構成としてもよい。

　このような構成を有する照明兼空気清浄器１５０は、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、天井１５５に設けた切込み部１５６に、一対のソケット１５７，１５７をねじ止めする。次に、取付枠１５１の２つの貫通穴２５３，２５３に一対のソケット１５７，１５７を挿通させ、取付枠１５１を切込み部１５６に嵌め込む。そして、固定ねじ２５４のねじ軸部を挿通孔２５５に挿通して固定バー２５１のねじ孔２５２に螺合し、４本の固定ねじ２５４を用いて取付枠１５１を天井１５５の切込み部１５６に固定する。

　次に、切欠き部１５６内に固定されている一対のソケット１５７，１５７に２本の紫外線ランプ５，５を取り付ける。次いで、外装板１５２を取付枠１５１に組み付け、複数の取付ねじ１５８で外装板１５２を取付枠１５１に締付固定する。この際、ファン１６２とソーラーパネル１６３は予め外装板１５２に取り付けておくが、その開口窓１６１は開口したままの状態にしておく。これにより、開口窓１６１から手を差し入れることができ、その状態で取付ねじ１５８を締め付けて外装板１５２の組立作業を行うことができる。

　次に、外装板１５２の開口窓１６１の外側に紫外線遮蔽プレート１５３をセットし、その紫外線遮蔽プレート１５３の外縁に押え板１５４をセットする。その後、複数の固定ねじ１６６を螺合させて押え板１５４で紫外線遮蔽プレート１５３を締め付ける。これにより、照明兼空気清浄器１５０の組立作業が完了する。

　このような構成を有する照明兼空気清浄器１５０によれば、前述した照明兼空気清浄器１等と同様の効果を得ることができる。照明兼空気清浄器１５０の紫外線ランプ５を点灯すると、その電磁波放射部から紫外線及び可視光線が四方八方に放射される。この電磁波放射部から放射された紫外線により、取付枠１５１と外装板１５２とで囲まれた空間内において、電磁波放射部の周囲に存在する空気中に浮遊する細菌やウイルス等が殺菌或いは滅菌され、空気の清浄化が図られる。

更に、図２９及び図３０に示すように、紫外線ランプ５が紫外線等を放射する際に発生する熱エネルギーにより周囲の空気が温められて、矢印Ｓで示す空気の自然対流が生じる。その結果、内部の空気が温められて軽くなり、その軽くなった空気が、外部の冷たくて重い空気によって空気路１６４の側方の出入口１６９から外部に押し出される。これにより、空気が水平方向に対流し、新たに供給された空気中に浮遊する細菌やウイルス等が、紫外線ランプ５から放射される紫外線により、同様にして殺菌或いは滅菌される。この空気の対流と紫外線殺菌が繰り返されることにより、建物３３内の空気を連続的に清浄化させることが可能となる。この際、ファン１６２を駆動させて空気を強制的に移動させることにより、紫外線殺菌による処理範囲を増大させて、建物内における空気の清浄効率を高めることができる。

また、紫外線ランプ５から放射された紫外線及び可視光線のうち、下方に向う紫外線は外装板１５２の平面部１５２ａに取り付けられている紫外線遮蔽プレート１５３によって遮断又は吸収される一方、紫外線を透過し且つその紫外線で発光物質を励起させて発光させた可視光線を透過させる紫外線不透過・可視光線透過性の紫外線遮蔽プレート１５３を透過する。紫外線遮蔽プレート１５３は、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂でコーティングしたものでもよい。外装板１５２の開口窓１６１と押え板１５４の開口窓１６５とによって形成される可視光放射領域に放射される可視光線により、建物内の主に下方が照明され、その周囲を明るく照らすことができる。このとき、可視光放射領域に放射される電磁波は、紫外線ではなく可視光線であるため、その可視光線によって人が影響を受けることは無く、照明器具としての照明機能を発揮することができる。

　図３１～図３５は、本発明の照明兼空気清浄器の第９の実施例及びその変形実施例を示すものである。図３１及び図３２に示す第９の実施例に係る照明兼空気清浄器１７０は、電磁波発生源である紫外線ランプ１７１と、紫外線遮蔽樹脂部材の第６の具体例を示す一端開放カップ１７２等を備えて構成されている。

紫外線ランプ１７１は、Ｕ字状に形成されたガラス管１７３と、このガラス管１７３の開口側の端部を閉じる口金部材１７４によって構成されている。口金部材１７４は、一端開放カップ１７２の開口部を閉じる円板状の部材からなり、一方の端面にはガラス管１７３の開口端を支持するガラス管支持部１７４ａが設けられ、他方の端面にはリード線１７５が引き出されるランプ固定部１７４ｂが設けられている。ガラス管支持部１７４ａには、ガラス管１７３内に挿入される一対の電極が設けられている。また、ランプ固定部１７４ｂは、照明兼空気清浄器１７０を壁や床その他の所定位置に取り付けるための部分である。図示しない固定ねじや接着剤その他の手段を用いてランプ固定部１７４ｂを所定位置に固定することにより、照明兼空気清浄器１７０を所望の取付位置に取り付けることができる。

一端開放カップ１７２は、一端にのみ開口された有底の筒体からなり、前述した紫外線不透過・可視光線透過性の板やフィルム或いは５ｍｍ程度の肉厚を有するフッ素樹脂の何れかによって形成することができる。また、筒体は、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂材を用いて厚さ１．５ｍｍから３．０ｍｍ程度に設定し、その内面及び外面の少なくとも一方に蛍光物質を塗布すると共にその表面を紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂でコーティングして形成することもできる。この一端開放カップ１７２の開口側の縁部分には、空気路１７６の出入口１７７を構成する切欠き１７８が２箇所に設けられている。更に、一端開放カップ１７２の開口側の縁部分には、口金部材１７４を固定ねじ１７９でねじ止めするための挿通孔１８１が２箇所に設けられている。この２つの挿通孔１８１に対応して口金部材１７４の外周縁には、固定ねじ１７９のねじ軸部が螺合されるねじ孔１８２が設けられている。

　このような構成を有する照明兼空気清浄器１７０によれば、前述した照明兼空気清浄器１等と同様の効果を得ることができる。即ち、照明兼空気清浄器１７０の紫外線ランプ１７１を点灯すると、その電磁波放射部から紫外線及び可視光線が四方八方に放射される。この電磁波放射部から放射された紫外線により、一端開放カップ１７２で囲まれた空気路１７６内において、電磁波放射部の周囲に存在する空気中に浮遊する細菌やウイルス等が殺菌或いは滅菌され、空気の清浄化が図られる。

更に、図３１、図３２に示すように、紫外線ランプ１７１が紫外線等を放射する際に発生する熱エネルギーにより周囲の空気が温められて軽くなり、一端開放カップ１７２内の空気路１７６を上昇する。そして、一端開放カップ１７２の開口側縁部分に設けた切欠き１７８によって構成される空気路１７６の一方の出入口１７７から外部に排出されると共に、入れ替わりに外部の冷たくて重い空気が他方の出入口１７７から一端開放カップ１７２内に入り込む。これにより、空気が上下方向に自然に対流し、新たに供給された空気中に浮遊する細菌やウイルス等が、同様にして紫外線により殺菌或いは滅菌される。この空気の対流と紫外線殺菌が繰り返されることにより、空気を連続的に清浄化させることが可能となる。

また、紫外線ランプ１７１から放射された紫外線及び可視光線のうち、下方及び側方に向う紫外線は一端開放カップ１７２によって遮断又は吸収される一方、可視光線は一端開放カップ１７２を透過する。この一端開放カップ１７２を透過する可視光線と、紫外線で発光物質を励起させることにより発光された可視光線とによって照明兼空気清浄器１７０の周囲が照明されて周囲が明るく照らされる。このとき、紫外線は一端開放カップ１７２によって遮断又は吸収され、可視光線のみが可視光放射領域に放射されるため、その可視光線によって人が影響を受けることは無く、照明器具としての照明機能を発揮することができる。

　図３３は、本発明の照明兼空気清浄器に係る第９の形態の第１の変形実施例を示すものである。この第９の形態の第１の変形実施例を示す照明兼空気清浄器１９０が前述した照明兼空気清浄器１７０と異なるところは、紫外線発生源であるダイオード発光体１９１のみである。そこで、ここでは、ダイオード発光体１９１について説明し、その他の一端開放カップ１７２、口金部材１７４等の同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

図３３に示すように、ダイオード発光体１９１は、円板状の基板１９２と、この基板１９２の両面に実装された複数の紫外線発生用発光ダイオード１９３と、基板１９２を所定の高さに保持するスタンド１９４等を有している。スタンド１９４は、口金部材１７４の一面の中央に立設されており、このスタンド１９４の内部に挿通されたリード線を介して基板１９２に搭載された紫外線発生用発光ダイオード１９３が、口金部材１７４の内部でリード線１７５と接続されている。このような構成を有する照明兼空気清浄器１９０によっても、前記照明兼空気清浄器１７０と同様の効果を得ることができる。

　図３４は、本発明の照明兼空気清浄器に係る第９の形態の第２の変形実施例を示すものである。この第９の形態の第２の変形実施例を示す照明兼空気清浄器２００が前述した照明兼空気清浄器１７０と異なるところは、紫外線遮蔽樹脂部材である両端開放カップ２０１と、その蓋体２０２と、その吊下げフック２０３である。そこで、ここでは、両端開放カップ２０１と蓋体２０２と吊下げフック２０３について説明し、その他の紫外線ランプ１７１等の同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

図３５に示すように、両端開放カップ２０１は、軸方向の両端に開口された両端開放の筒体からなる。この両端開放カップ２０１は、前述した紫外線不透過・可視光線透過性の樹脂板や樹脂フィルム、５ｍｍ程度の肉厚を有する紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂、或いは、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂材を用いて厚さを１．５ｍｍから３．０ｍｍ程度に設定し、その内面及び外面の少なくとも一方に発光物質を塗布すると共にその表面を紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂でコーティングする、何れかによって形成することができる。この両端開放カップ２０１の一方の開口側の縁部分には、空気路２０４の主に出口の役割りを果たす第１の出入口２０５を構成する第１の切欠き１７８が２箇所に設けられている。この両端開放カップ２０１の第１の切欠き１７８のある側の縁部分には、口金部材１７４を固定ねじ１７９でねじ止めするための挿通孔１８１が２箇所に設けられている。両端開放カップ２０１の他方の開口側の縁部分には、空気路２０４の主に入口の役割りを果たす第２の出入口２０６を構成する第２の切欠き２０７が４箇所に設けられている。

両端開放カップ２０１の第２の切欠き２０７側の開口部は、蓋体２０２によって閉じられている。蓋体２０２は、両端開放カップ２０１の外径よりも大きな直径を有する円形の板体からなり、両端開放カップ２０１と同様の材料によって形成することができる。蓋体２０２は、吊下げフック２０３によって支持されている。そのため、蓋体２０２の中央部には、吊下げフック２０３のねじ軸部２０３ａが挿通される挿通孔２０２ａが設けられている。吊下げフック２０３のねじ軸部２０３ａの軸方向の一端にはフランジ部２０３ｂが設けられており、そのフランジ部２０３ｂのねじ軸部２０３ａと反対側に、円弧状に湾曲形成されたフック部２０３ｃが一体に設けられている。

　吊下げフック２０３のフック部２０３ｃの曲率半径は、紫外線ランプ１７１のガラス管１７３の直径よりも適宜に大きく形成されており、ガラス管１７３の湾曲部分にフック部２０３ｃを掛け止めることができるようになっている。吊下げフック２０３のねじ軸部２０３ａにはナット２０９が螺合されている。このねじ軸部２０３ａに螺合するナット２０９により、両端開放カップ２０１の第２の切欠き２０７側の開口部を閉じる蓋体２０２が支持されている。

　このような構成を有する照明兼空気清浄器２００によっても、前述した照明兼空気清浄器１７０等と同様の効果を得ることができる。即ち、照明兼空気清浄器２００の紫外線ランプ１７１を点灯すると、その電磁波放射部から紫外線及び可視光線が四方八方に放射される。この電磁波放射部から放射された紫外線により、両端開放カップ２０１と蓋体２０２とで囲まれた空気路２０４内において、電磁波放射部の周囲に存在する空気中に浮遊する細菌やウイルス等が殺菌或いは滅菌され、空気の清浄化が図られる。

更に、図３４に示すように、紫外線ランプ１７１が紫外線等を放射する際に発生する熱エネルギーにより周囲の空気が温められて軽くなり、両端開放カップ２０１内の空気路２０４を上昇する。そして、両端開放カップ２０１の上開口部の縁部分に設けた第１の切欠き１７８によって構成される第１の出入口１７７から、紫外線殺菌されると共に温められて軽くなった空気が外部に排出される。これと入れ替わりに、両端開放カップ２０１の下開口部の縁部分に設けた第２の切欠き２０７によって構成される第２の出入口２０６から、外部の冷たくて重い空気が空気路２０４内に入り込む。これにより、空気が上下方向に自然に対流し、新たに供給された空気中に浮遊する細菌やウイルス等が、紫外線ランプ１７１から放射される紫外線により、同様にして殺菌或いは滅菌される。この空気の対流と紫外線殺菌が繰り返されることにより、空気を連続的に清浄化させることができる。

また、紫外線ランプ１７１から放射された紫外線及び可視光線のうち、下方及び側方に向う紫外線は両端開放カップ２０１及び蓋体２０２によって遮断又は吸収される一方、可視光線は両端開放カップ２０１及び蓋体２０２を透過する。この両端開放カップ２０１等を透過する可視光線により、照明兼空気清浄器２００の周囲が照明されて周囲が明るく照らされる。このとき、紫外線は両端開放カップ２０１及び蓋体２０２によって遮断又は吸収される一方、可視光線が可視光放射領域に放射されるため、その可視光線によって人が影響を受けることは無く、紫外線で発光物質を励起することにより発光された可視光線が照明光として照射され、照明器具としての照明機能を発揮することができる。

　図３６～図４０は、本発明の照明兼空気清浄器の第１０の実施例及びその変形実施例を示すものである。図３６及び図３７に示す第１０の実施例に係る照明兼空気清浄器２１０は、電磁波発生源であるダイオード発光体２１１と、このダイオード発光体２１１を傾斜した状態で支える発光体スタンド２１２と、紫外線遮蔽樹脂部材の第７の具体例を示す一対のトンネル筒体２１３，２１３等を備えて構成されている。この照明兼空気清浄器２１０は、建物の部屋や仕切り、衝立等の隅に立てたり横に置いて設置して使用するのに適したように構成したものである。

　ダイオード発光体２１１は、長方形に形成された基板２１４と、その基板２１４の一面に整列して配置された多数の紫外線発生用発光ダイオード２１５と、基板２１４の他面に整列して配置された多数の可視光線発生用発光ダイオード２１６を有している。紫外線発生用発光ダイオード２１５及び可視光線発生用発光ダイオード２１６は、この実施例では上下方向及び左右方向の何れの方向においても整列させて配置したが、何れの場合にもランダムに配置してもよいことは勿論である。なお、基板２１４は、紫外線発生用発光ダイオード２１５を内側にすると共に可視光線発生用発光ダイオード２１６を外側にして、発光体スタンド２１２に取り付けるようにする。

　発光体スタンド２１２は、ダイオード発光体２１１を斜めに傾けた状態で支持するもので、基板２１４と同程度の長さを有する底面部２１２ａと、この底面部２１２ａの幅方向の一側に連続して立ち上げられた側面部２１２ｂとを有し、全体として断面Ｌ字状に形成されている。底面部２１２ａの幅方向の他側には、ダイオード発光体２１１の下端部を支持する掛止め部２１２ｃが設けられている。ダイオード発光体２１１の幅及び発光体スタンド２１２の側面部２１２ｂの高さは、ダイオード発光体２１１の下端部を掛止め部２１２ｃに掛け止めした状態でその上端部が側面部２１２ｂの上方端まで到達するように設定する。このダイオード発光体２１１と発光体スタンド２１２とで囲まれた三角柱状の空間部が、空気の移動する空気路２１７を構成している。

　また、発光体スタンド２１２の内側には、紫外線発生用発光ダイオード２１５から放射される紫外線を反射する反射板２１８を設けることが好ましい。反射板２１８は、発光体スタンド２１２の形状に対応させて断面Ｌ字状に形成し、その二面を、発光体スタンド２１２の底面部２１２ａと側面部２１２ｂで支えるようにするとよい。更に、ダイオード発光体２１１の長手方向両側には、空気路２１７の出入口２１９を外側に延長させるトンネル筒体２１３，２１３を取り付けている。トンネル筒体２１３は、この実施例では、三角形の筒体として形成しており、その材料としては紫外線不透過・可視光線透過性の樹脂板や樹脂フィルム或いは５ｍｍ程度の肉厚を有する紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂の何れかを適用することができる。

　トンネル筒体２１３は、接着剤によって基板２１４に固定してもよく、また、固定ねじを用いてねじ止めする構成としてもよい。このトンネル筒体２１３は、空気路２１７の出入口２１９を覆うものではないため、トンネル筒体２１３の内部を通過する紫外線を遮断又は吸収することはできないが、紫外線が外部に放射される範囲を小さくして、紫外線が人の目に直接入る可能性のある範囲を小さくすることができる。また、トンネル筒体２１３は、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂材を用いて厚さを１．５ｍｍから３．０ｍｍ程度に設定し、その内面及び外面の少なくとも一方に蛍光物質を塗布すると共にその表面を紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂でコーティングすることにより、紫外線を可視光線に変えて放出することができる。

　このような構成を有する照明兼空気清浄器２１０によっても、前述した照明兼空気清浄器１等の場合と同様の効果を得ることができる。即ち、照明兼空気清浄器２１０に通電すると、基板２１４の一面に実装された紫外線発生用発光ダイオード２１５から空気路２１７内に放射される紫外線により、その空気路２１７内にある空気中に浮遊する細菌やウイルスに紫外線が直接作用し、これら細菌等を紫外線で殺菌或いは滅菌させることができる。これにより、空気路２１７を通過する空気中に浮遊する細菌やウイルス等を殺菌或いは滅菌し、建物内の空気を清浄化することができ、紫外線による殺菌作用を有効に発揮することができる。

　一方、基板２１４の他面に実装された可視光線発生用発光ダイオード２１６から室内に放射される可視光線により、建物内が照明され、その周囲を明るく照らすことができる。このとき、可視光線発生用発光ダイオード２１６から放射される電磁波は可視光線であるため、その可視光線が人の目に直接入射されることによっても人が影響を受けることが無く、また、皮膚に照射されてもその皮膚が影響を受けるおそれもない。そのため、照明兼空気清浄器２１０は、照明器具としての照明機能を発揮することができる。特に、この実施例のように、紫外線発生源として多数の紫外線発生用発光ダイオード２１５を使用する場合には、紫外線ランプ５を使用する場合に比べて消費電力を大幅に低減することができると共に、紫外線の放射される割合を増加させて、紫外線による細菌やウイルス等に対する殺菌或いは滅菌効率を高めることができる。

　なお、図３６及び図３７に示す実施例において、可視光線発生用発光ダイオード２１６を廃止して紫外線発生用発光ダイオード２１５のみとする一方、基板２１４を紫外線不透過・可視光線透過性の樹脂板又は樹脂フィルムで形成する。そして、紫外線が発光物質に衝突して励起されることにより発光された可視光線を基板２１４に透過させることにより、その可視光線を照明光として利用することもできる。

　図３８は、本発明の照明兼空気清浄器に係る第１０の形態の第１の変形実施例を示すものである。この第１０の形態の第１の変形実施例を示す照明兼空気清浄器２２０が前述した照明兼空気清浄器２１０と異なるところは、ファン２２１とソーラーパネル２２２，２２２を設けた点である。そこで、ここでは、ファン２２１とソーラーパネル２２２について説明し、その他の発光体スタンド２１２や基板２１４等の同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

ファン２２１は、発光体スタンド２１２と基板２１４とで形成される空気路２１７に空気を強制的に送って空気を移動させるために設けたものである。また、ソーラーパネル２２２は、ファン２２１を駆動させるための電気エネルギーを作り出すものである。ソーラーパネル２２２によって作り出された電気エネルギーにより、ファン２２１を直接駆動させる構成としてもよく、また、一旦蓄電池等に蓄積し、必要により取り出して使用する構成としてもよい。このソーラーパネル２２２は、他の照明装置や太陽等から放射される電磁波に基づいて電気エネルギーを作り出すことができる。

　図３９及び図４０は、本発明の照明兼空気清浄器に係る第１０の形態の第２の変形実施例を示すものである。この第１０の形態の第２の変形実施例を示す照明兼空気清浄器２３０が前述した照明兼空気清浄器２１０と異なるところは、発光体スタンド２３１と樹脂カバー２３２である。そこで、ここでは、発光体スタンド２３１と樹脂カバー２３２について説明し、その他の発光ダイオード２１５の同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。

　発光体スタンド２３１は、複数の紫外線発生用発光ダイオード２１５が実装される基板部２３１ａと、この基板部２３１ａを所定の傾斜角度で固定支持する底面部２３１ｂと、底面部２３１ｂの背面側に連続して立ち上げられた側面部２３１ｃとを有している。この発光体スタンド２３１の上面に樹脂カバー２３２が着脱自在に装着されている。樹脂カバー２３２は、材料に紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂を用いて、その肉厚を５ｍｍ程度に設定して形成する。このように、材料に紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂を用いて肉厚を５ｍｍ程度とすることにより、紫外線を１００％吸収して、その内側に設定された紫外線発生用発光ダイオード２１５が放射する紫外線が外部に放射されるのを防止することができる。また、樹脂カバー２３２は、紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂材を用いて厚さを１．５ｍｍから３．０ｍｍ程度に設定し、その内面及び外面の少なくとも一方に蛍光物質を塗布すると共にその表面を紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂でコーティングすることによっても形成することができる。

樹脂カバー２３２の上端縁には発光体スタンド２３１の上端縁に係合される上爪部２３３を設け、樹脂カバー２３２の下端縁には発光体スタンド２３１の下端縁に係合される下爪部２３４を設ける。この樹脂カバー２３２と発光体スタンド２３１との間に設定された空間部によって空気路２３５が形成されている。なお、発光体スタンド２３１は、複数の紫外線発生用発光ダイオード２１５を紫外線ランプに置き換えることにより、紫外線ランプスタンドとして構成することができる。

　このような構成を有する照明兼空気清浄器２３０によっても、前述した照明兼空気清浄器２１０等の場合と同様の効果を得ることができる。即ち、照明兼空気清浄器２３０の紫外線発生用発光ダイオード２１５に通電すると、基板部２３１ａに実装された紫外線発生用発光ダイオード２１５から空気路２３５内に放射される紫外線により、その空気路２３５内にある空気中に浮遊する細菌やウイルスに紫外線が直接作用し、これら細菌等を紫外線で殺菌或いは滅菌させることができる。これにより、空気路２３５を通過する空気中に浮遊する細菌やウイルス等を殺菌或いは滅菌し、建物内の空気を清浄化することができ、紫外線による殺菌作用を有効に発揮することができる。

　この際、基板部２３１ａに実装されている紫外線発生用発光ダイオード２１５は、人に向けて紫外線を放射しているが、その紫外線は紫外線発生用発光ダイオード２１５の前面に配置されている樹脂カバー２３２により吸収され、その紫外線が直接人の目や皮膚等に照射されることがない。その一方、可視光線は、樹脂カバー２３２に吸収されることなく透過され、建物内を照明して、その周囲を明るく照らすことになる。そのため、可視光線が人の目に直接入射されることによっても人が影響を受けることが無く、また、皮膚に照射されてもその皮膚が影響を受けるおそれもないため、照明兼空気清浄器２３０は、照明器具としての照明機能を発揮することができる。本発明の照明兼空気清浄器は、例えば、冷蔵庫、食器棚、靴箱、箪笥、押入れ、トイレ、浴室等に利用して好適である。更に、乗り物の中やスポット的な場所に設置したりして利用することもできる。

　以上説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば、上記実施の例においては、電磁波発生源の具体例として紫外線ランプを適用した例について説明したが、光源としては紫外線又は紫外線に近い波長範囲の青色可視光線を含む光を発生し得るものであればよく、例えば、蛍光灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、超低圧水銀灯、キセノンランプ等を用いることもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。

　１，４０，５０，６０，７０，８０，９０，１００，１１０，１２０，１３０，１４０，１５０，１７０，１９０，２００，２１０，２２０，２３０…照明兼空気清浄器、　２…電磁波発生源、　３…紫外線遮蔽樹脂部材、　４…吊り下げ具、　５，１７１…紫外線ランプ（電磁波発生源）、　６，１７３…紫外線ランプのガラス管、　７…口金、　８…口金ピン、　１１…ケーシング、　１３…可視光透過部材、　１３ａ，１３ｂ…紫外線遮蔽プレート、　１５ａ，１５ｂ…押え板、　２７，３１…吊り金具、　２８，１５７…ソケット、　３３…建物、　３３ａ，１５５…天井、　４１…カバー兼用ケーシング（紫外線遮蔽樹脂部材）、　５１…カバー筐体（紫外線遮蔽樹脂部材）、　５３…取付フック、　６１，８１，９１…カバー筒体（紫外線遮蔽樹脂部材）、　６２…口金アダプタ、　６３…取付リング（取付部材）、　６８，９４，１０２，１６４，１７６，２０４，２３５…空気路、　６９，９５，１７７，２０６，２０７，２１９…出入口、　７１，７１Ａ…カバー円筒体（紫外線遮蔽樹脂部材）、　７２…取付フロック（取付部材）、　８１，９１，１３１…カバー筒体（紫外線遮蔽樹脂部材）、　８２…支持リング、　９２…取付リング（取付部材）、　９３…カバー支え棒、　１０１，１４１…カバー樋体（紫外線遮蔽樹脂部材）、　１１１，１２１，１９１，２１１…ダイオード発光体（電磁波発生源）、　１１４，１９３，２１５…紫外線発生用発光ダイオード、　１２２…可視光発生用発光ダイオード、　１４２…固定アーム、　１５１…取付枠、　１５２…外装板、　１６２，２２１…ファン、　１６３，２２２…ソーラーパネル、　１７２…一端開放カップ（紫外線遮蔽樹脂部材）、　１７４…口金部材、　２０１…両端開放カップ（紫外線遮蔽樹脂部材）、　２０２…蓋体、　２０３…吊下げフック、　２１２，２３１…発光体スタンド、　２１３…トンネル筒体（紫外線遮蔽樹脂部材）、　２１８…反射板、　２３２…樹脂カバー

Claims

　紫外線を含む電磁波を放射する電磁波発生源と、
　前記電磁波発生源の前記電磁波を放射する電磁波放射部の少なくとも一部を覆い紫外線が人に対して直接照射されるのを防止する紫外線遮蔽樹脂部材と、を設け、
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、前記電磁波発生源から放射される紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を放射させる紫外線不透過・可視光線透過部を有し、
　前記電磁波発生源と前記紫外線遮蔽樹脂部材との間に、前記電磁波放射部の周囲の空気が移動可能な空気路を設け、
　前記空気路を移動する空気に紫外線を照射することにより当該空気中の細菌やウイルス等を殺菌若しくは滅菌すると共に前記紫外線不透過・可視光線透過部を透過する可視光線を照明光として用いるようにした
ことを特徴とする照明兼空気清浄器。
　前記紫外線不透過・可視光線透過部は、
　紫外線を遮断又は吸収し且つ可視光線を透過する紫外線不透過・可視光線透過性フッ素樹脂により形成され、又は、紫外線及び可視光線を透過する紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂に紫外線の照射により可視光線を発光する発光物質を練り込み、紫外線及び可視光線を透過する紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂の前記電磁波発生源と反対側の面に紫外線の照射により可視光線を発光する発光物質を塗布し、紫外線及び可視光線を透過する樹脂若しくは紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂の少なくとも前記電磁波発生源側の面に紫外線の照射により可視光線を発光する発光物質を塗布する、いずれかによって形成されている
　ことを特徴とする請求項1記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線不透過・可視光線透過部は、
　紫外線を遮断又は吸収し且つ可視光線を透過する紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板若しくは紫外線不透過・可視光線透過性樹脂フィルムからなる樹脂製のベースシートと、前記ベースシートの両面にコーティングによって設けられた紫外線及び可視光線を透過する紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂製の被覆シート、とからなる
　ことを特徴とする請求項1又は２記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　前記空気路の一部をなす開口部を有し且つ前記電磁波発生源が収納される空間部を有するケーシングと、
　前記ケーシングを吊り下げて支持する吊り下げ具と、を有する
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　前記空気路の一部をなす開口部を有し且つ前記開口部を除いて全体が前記紫外線不透過・可視光線透過部として形成されたケーシングと、
　前記ケーシングに固定されると共に前記電磁波発生源を着脱自在に保持する保持具と、を有し、
前記ケーシングを所定位置に固定するようにした
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　前記空気路の一部をなす開口部を有し且つ前記開口部を除いて全体が前記紫外線不透過・可視光線透過部として形成されたケーシングと、
　前記ケーシングに固定されると共に前記電磁波発生源に係合可能とされた係合具と、を有し、
所定位置に固定されたソケットに着脱可能に保持された前記電磁波発生源に前記係合具を係合することにより前記ケーシングで前記電磁波放射部を覆うようにした
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　前記電磁波放射部の少なくとも一部を覆う筒状の紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒と、
　前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒を前記電磁波発生源に取り付けるための取付具と、を有し、
　前記取付具を前記電磁波発生源に取り付けると共に当該取付具に前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒を取付ねじでねじ止めした
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒は、
　紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を透過する樹脂製のベースシートと、
　前記ベースシートの両面にコーティングによって一体に設けられた紫外線及び可視光線を透過する紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂製の被覆シートと、を有する１枚の紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板又は紫外線不透過・可視光線透過性樹脂フィルムからなり、
前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板又は紫外線不透過・可視光線透過性樹脂フィルムを湾曲させて断面形状を円形若しくは楕円形とするか又は複数箇所で折り曲げて断面形状を多角形とすることにより筒状に形成した
ことを特徴とする請求項７記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　前記電磁波放射部を覆う筒状の紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒と、
　前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒を前記電磁波発生源に支持するための支持具と、を有し、
　前記支持具を前記電磁波発生源に取り付けると共に当該支持具に前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒を支持することにより紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒と電磁波発生源との間に前記空気路を形成した
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を透過する樹脂製のベースシートと、
　前記ベースシートの両面にコーティングによって一体に設けられた紫外線及び可視光線を透過する紫外線透過・可視光線透過性フッ素樹脂製の被覆シートと、を有する１枚の紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板又は紫外線不透過・可視光線透過性樹脂フィルムからなり、
前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板又は紫外線不透過・可視光線透過性樹脂フィルムを断面形状Ｕ字状又はＶ字状に形成して紫外線不透過・可視光線透過性樹脂樋を設けると共に、当該紫外線不透過・可視光線透過性樹脂樋によって前記電磁波放射部の少なくとも一部を覆い、
　前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂樋を前記電磁波発生源に取り付けるための取付具を設け、
　前記紫外線不透過・可視光線透過性樹脂樋を前記取付具に取付ねじでねじ止めした
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記取付具は、前記紫外線遮蔽樹脂部材が固定される取付アームを有し、
前記紫外線遮蔽樹脂部材を前記取付アームに取付ねじでねじ止めした
ことを特徴とする請求項１０記載の照明兼空気清浄器。
　前記電磁波発生源は、直線状に延在された棒状の電磁波放射部を有し、
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　前記電磁波放射部の長手方向両側に装着される一対の取付リングと、
　前記一対の取付リング間に掛け渡される複数の支え棒と、
　前記複数の支え棒で支持されることにより前記空気路を形成し且つ紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を透過させる紫外線不透過・可視光線透過性樹脂筒と、を有する
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記電磁波発生源は、前記電磁波放射部と一体であって口金ピンを設けた口金を有し、
　前記口金が着脱可能に装着されると共に前記口金ピンと電気的に接続可能であって電源に接続されたソケットの接続端子と接続される接続ピンを有する口金アダプタを設け、
　前記口金アダプタを介して前記電磁波発生源を前記ソケットに接続可能とした
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　可視光線を放射するための開口窓が設けられた外装板と、
　前記開口窓を覆い且つ紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を透過させる紫外線不透過・可視光線透過性樹脂板又は紫外線不透過・可視光透過性樹脂フィルムにより形成される紫外線不透過・可視光線透過部と、
　前記外装板が固定される取付板と、を備え、
　前記取付板に前記電磁波発生源が着脱可能に装着されるソケットが取り付けられると共に当該取付板の前記電磁波放射部に対向される面を反射面として形成し、
　前記紫外線遮蔽樹脂部材の前記紫外線不透過・可視光線透過部のある面と前記取付板との間に前記空気路を設けた
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記電磁波発生源は、前記電磁波放射部が一面から突出される口金部材を有し、
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、一側に設けた開口部に前記口金部材が嵌合されると共に前記空気路の一部をなす切欠きが設けられ且つ一端が閉じられた有底筒状のカバー本体を有し、
前記カバー本体は、前記電磁波放射部の全体を覆い且つ紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を透過させる物質によって形成した
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記電磁波発生源は、
　折り曲げ部を有するＵ字状又はＶ字状に形成された電磁波放射部と、
　前記電磁波放射部が一面から突出される口金部材と、を有し、
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、
　一端に設けた第１の開口部に前記口金部材が嵌合されると共に前記空気路の一部をなす切欠きが設けられ且つ両端に開口部を有する筒状のカバー本体と、
　前記カバー本体の前記第１の開口部と反対側の第２の開口部を閉じるように設けられたカバー蓋体と、を有し、
前記カバー本体は、前記電磁波放射部の全体を覆い且つ紫外線を遮断又は吸収すると共に可視光線を透過させる物質によって形成し、
前記カバー蓋体にフック部材を設け、前記フック部材を前記電磁波放射部の折り曲げ部に掛け止めることにより当該カバー蓋体で前記カバー本体の前記第２の開口部を閉じるようにした
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記電磁波発生源は、少なくとも波長範囲が１８０ｎｍ乃至３７９ｎｍの電磁波を発生する紫外線ランプを有する
ことを特徴とする請求項１乃至１６の何れか１項記載の照明兼空気清浄器。
　前記電磁波発生源は、少なくとも波長範囲が１８０ｎｍ乃至３７９ｎｍの電磁波を発生する発光ダイオードを有する
ことを特徴とする請求項１乃至１６の何れか１項記載の照明兼空気清浄器。
　前記電磁波発生源は、少なくとも波長範囲が１８０ｎｍ乃至３７９ｎｍの電磁波を発生する発光ダイオードが配線基板の一面に複数個設けられた電磁波放射部を有し、
　前記電磁波放射部を内側に配して前記配線基板が立て掛けられるスタンド部材を設け、
　前記紫外線遮蔽樹脂部材は、前記スタンド部材に立て掛けられた前記電磁波発生源の前記電磁波放射部側を覆うカーテン部材からなる
ことを特徴とする請求項1、２又は３記載の照明兼空気清浄器。
　前記配線基板の前記発光ダイオードが設けられた面と反対側の面に、波長範囲が３８０ｎｍ乃至７８０ｎｍの電磁波を発生する可視光線用発光ダイオードを複数個設けた
ことを特徴とする請求項１９記載の照明兼空気清浄器。
　前記電磁波発生源は、半導体に電子線を当てることにより少なくとも波長範囲が１８０ｎｍ乃至３７９ｎｍの電磁波を発生する半導体光源を有する
ことを特徴とする請求項１乃至１６の何れか１項記載の照明兼空気清浄器。
　前記空気路内に、空気を強制的に流通させるファンを設けた
ことを特徴とする請求項１乃至２１の何れか１項記載の照明兼空気清浄器。