WO2011007653A1 - ダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
DLC膜の剥離を抑制したDLC膜形成体の製造方法を提供する。膜硬度が10GPa以上のDLC膜形成体の製造にあたって、DLC膜の形成に先立って、基体の表面を放電プラズマにより前処理し、中間層の炭化ケイ素膜を基体の表面に形成する。基体の表面の前処理は、基体が収容されたチャンバの内部の圧力を20hPa以上常圧以下に調整しながら100体積部のヘリウムガスに1体積部以上10体積部以下のアルゴンガスを混合した混合ガスをチャンバの内部に供給し混合ガスに放電プラズマを発生させることにより行う。
Description
本発明は、膜硬度が10GPa以上のダイアモンドライクカーボン膜が表面に形成されたダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法に関する。
非特許文献1及び特許文献1は、大気圧付近の圧力下におけるプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によるダイアモンドライクカーボン(DLC)膜の形成に関する。非特許文献1及び特許文献1は、キャリアガスとしてヘリウム(He)ガスを用いることを示している。
非特許文献1は、ヘリウムガス及びメタン(CH4)ガスを含有する混合ガスに放電プラズマを発生させ、シリコン(Si)からなる基板の表面に膜硬度が20.8GPaのDLC膜を形成することに言及している。
特許文献1は、ヘリウムガス及びメタンガスを含有する混合ガスの中に放電プラズマを発生させ、鉄(Fe)等からなる基板の表面に膜硬度が20.9GPaのDLC膜を形成することに言及している。
大竹 尚登 他、5名、「シンセイシス・オブ・ダイアモンド・ライク・カーボン・フィルムス・バイ・ナノパルス・プラズマ・ケミカル・ベイパー・デポジション・アット・サブアトモスフェリック・プレッシャー(Synthesis of Diamond-like Carbon Films by Nanopulse Plasma Chemical Vapor Deposition at Subatmospheric Pressure)」、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Japanese Journal of Applied Physics)、日本応用物理学会、2004年、第43巻、第11A号、p.L1406-L1408
非特許文献1又は特許文献1に記載された方法でDLC膜を形成すると、基板の表面からDLC膜が剥離する場合がある。
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、DLC膜の剥離を抑制したDLC膜形成体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の発明は、膜硬度が10GPa以上のダイアモンドライクカーボン膜が表面に形成されたダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法であって、(a) 導電性の基体をチャンバの内部に収容する工程と、(b) 前記基体が収容された前記チャンバの内部の圧力を20hPa以上常圧以下に調整しながら100体積部のヘリウムガス及び1体積部以上10体積部以下のアルゴンガスを含有する第1の混合ガスを前記基体が収容された前記チャンバの内部に供給する工程と、(c) 前記チャンバの内部の圧力が20hPa以上常圧以下に調整された状態で前記チャンバの内部の第1の混合ガスに放電プラズマを発生させ前記基体の表面を放電プラズマで前処理する工程と、(d) 放電プラズマにより前処理された前記基体の表面に炭化ケイ素膜を形成する工程と、(e) 前記基体の表面に形成された炭化ケイ素膜に重ねてダイアモンドライクカーボン膜を形成する工程と、を備える。
第2の発明は、第1の発明のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、前記第1の混合ガスは、1体積部以上10体積部以下の水素ガスをさらに含有する。
第3の発明は、第1又は第2のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、前記工程(c)は、前記基体を挟んで対向する電極対に直流パルスを繰り返し印加し第1の混合ガスにグロー状のプラズマ放電を発生させる。
第4の発明は、第3の発明のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、直流パルスによる投入エネルギーが1パルス当たり1mJ以上10mJ以下である。
第5の発明は、第3の発明のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、直流パルスによる投入電力を前記電極対の対向面積で除した単位面積あたりの投入電力が50W/cm2以上である。
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、(f) 前記基体の表面を放電プラズマで前処理するまでに前記基体の温度を150℃以上300℃以下に調整する工程、をさらに備える。
第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、前記工程(d)は、(d-1) 前記基体が収容された前記チャンバの内部の圧力を20hPa以上常圧以下に調整しながら100体積部のヘリウムガス及び0.1体積部以上5体積部以下のテトラメチルシランガスを含有する第2の混合ガスを基体が収容された前記チャンバの内部に供給する工程と、(d-2) 前記チャンバの内部の圧力が20hPa以上常圧以下に調整された状態で前記チャンバの内部の第2の混合ガスに放電プラズマを発生させる工程と、を備える。
本発明によれば、DLC膜の形成に先立って基体の表面が十分に洗浄されるので、DLC膜の剥離が抑制される。
この発明の目的、特徴、局面及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
<1.概略>
本実施形態は、DLC膜が表面に形成されたDLC膜形成体の製造に関する。DLC膜は、「ダイアモンド状炭素膜」「硬質炭素膜」「アモルファスカーボン膜」「iカーボン膜」等とも呼ばれる。DLC膜形成体の製造にあたっては、DLC膜の形成に先立って、基体の表面を放電プラズマで前処理し、中間層の炭化ケイ素(SiC)膜を基体の表面に形成する。基体の表面の前処理は、ヘリウム(He)ガスに少量のアルゴン(Ar)ガスを混合した混合ガスを基体の表面に接触させた状態で混合ガスに放電プラズマを発生させることにより行う。アルゴンガスに加えて少量の水素(H2)ガスをヘリウムガスに混合することも望ましい。これにより、DLC膜の形成に先立って基体の表面が十分に洗浄されるので、DLC膜の剥離が抑制される。
本実施形態は、DLC膜が表面に形成されたDLC膜形成体の製造に関する。DLC膜は、「ダイアモンド状炭素膜」「硬質炭素膜」「アモルファスカーボン膜」「iカーボン膜」等とも呼ばれる。DLC膜形成体の製造にあたっては、DLC膜の形成に先立って、基体の表面を放電プラズマで前処理し、中間層の炭化ケイ素(SiC)膜を基体の表面に形成する。基体の表面の前処理は、ヘリウム(He)ガスに少量のアルゴン(Ar)ガスを混合した混合ガスを基体の表面に接触させた状態で混合ガスに放電プラズマを発生させることにより行う。アルゴンガスに加えて少量の水素(H2)ガスをヘリウムガスに混合することも望ましい。これにより、DLC膜の形成に先立って基体の表面が十分に洗浄されるので、DLC膜の剥離が抑制される。
このDLC膜形成体の製造方法は、膜硬度が10GPa以上の硬質のDLC膜が表面に形成されたDLC膜形成体の製造に特に適する。これは、硬質なDLC膜ほど残留応力が大きくなり剥離しやすくなるので、基体の表面の洗浄の効果が現れやすいからである。
<2.プラズマ処理装置1002>
(全体構造)
図1は、DLC膜形成体の製造に用いるプラズマ処理装置(プラズマCVD装置)1002の模式図である。図1は、プラズマ処理装置1002のリアクタ1004の断面を示すとともに、リアクタ1004に付随する電気回路及び気体回路を示している。
(全体構造)
図1は、DLC膜形成体の製造に用いるプラズマ処理装置(プラズマCVD装置)1002の模式図である。図1は、プラズマ処理装置1002のリアクタ1004の断面を示すとともに、リアクタ1004に付随する電気回路及び気体回路を示している。
図1に示すように、プラズマ処理装置1002のリアクタ1004は、処理ガスを噴射する噴射体(ノズル)を兼ねる噴射体電極(ノズル電極)1006と、基板1902を支持する支持体を兼ねる支持体電極1008と、基板1902を加熱するヒータ1010と、をチャンバ1012の内部に収容した構造を有する。
チャンバ1012の内部には、基板1902を処理する複数の処理部1014が配列される。複数の処理部1014の各々には、噴射体電極1006が1個ずつ設けられる。支持体電極1008は、複数の処理部1014に共通となっている。
リアクタ1004には、噴射体電極1006と支持体電極1008との間に直流パルス電圧を印加するパルス電源1016と、噴射体電極1006に処理ガスを供給する処理ガス供給回路1018と、チャンバ1012の内部から排ガスを排出する排ガス排出回路1020と、チャンバ1012の内部に窒素ガス(N2)を供給する窒素ガス供給回路1022と、チャンバ1012の内部に空気を供給する空気供給回路1024と、が接続される。また、リアクタ1004には、チャンバ1012の内部の圧力を測定する圧力センサ1026と、基板1902の温度を測定する温度センサ1028と、チャンバ1012を冷却する冷却機構1027と、が設けられる。
望ましくは、パルス電源1016は、処理部1014の各々に対応して1個ずつ設けられる。複数のパルス電源1016の各々は、対応する処理部1014の噴射体電極1006と支持体電極1008との間に直流パルス電圧を印加する。これにより、複数の処理部1014の各々に直流パルス電圧が独立して印加され、一の噴射体電極1006と支持体電極1008との間隙1118にアーク放電が発生しても、他の噴射体電極1006と支持体電極1008との間への直流パルス電圧の印加への影響がないので、アーク放電による生産性の低下が抑制される。
プラズマ処理装置1002は、複数の処理部1014の各々において、噴射体電極1006から処理ガスを噴射しつつ噴射体電極1006と支持体電極1008との間に直流パルス電圧を印加することにより、噴射体電極1006と支持体電極1008との間隙1118にある処理ガスに放電プラズマを発生させ、支持体電極1008の支持面1116で支持された基板1902の表面を放電プラズマで処理する。複数の処理部1014の各々において処理する基板1902は、1個であってもよいが、2個以上であってもよい。
(噴射体電極1006)
図2及び図3は、噴射体電極1006の模式図である。図2は、斜め下方から見た斜視図、図3は、対向面1102に垂直な断面を示す縦断面図である。
図2及び図3は、噴射体電極1006の模式図である。図2は、斜め下方から見た斜視図、図3は、対向面1102に垂直な断面を示す縦断面図である。
図2及び図3に示すように、噴射体電極1006は、円柱の底面の近傍の径を底面に向かって連続的に細くした立体形状を有し、先細り部分の先端が対向面1102となっている。もちろん、底面の近傍だけでなく全体を先細り構造としてもよい。
噴射体電極1006は、鉄、アルミニウム、鉄を主成分とする合金(例えば、ステンレス鋼、ダイス鋼、ハイスピード鋼等)、アルミニウムを主成分とする合金等からなることが望ましい。ただし、噴射体電極1006の材質を変更してもよいし、噴射体電極1006の表面をタングステン、クロム、ニッケル等でコーティングしても良い。
図3に示すように、噴射体電極1006の内部には、処理ガスのガスたまり1104と、ガスたまり1104から対向面1102へ至る処理ガスの流路1106と、非対向面1108からガスたまり1104へ至る処理ガスの流路1110とが形成される。これにより、対向面1102には、処理ガスの噴射孔1112が形成され、非対向面1108には、処理ガスの供給孔1114が形成される。「対向面」とは、噴射体電極1006の表面のうちの支持体電極1008の支持面1116と平行に対向する範囲であり、「非対向面」とは、噴射体電極1006の表面のうちの「対向面」を除く残余の範囲である。噴射体電極1006は、対向面1102が水平になるように設置される。
噴射体電極1006は、供給孔1114から処理ガスを受け取り、ガスたまり1104に処理ガスを一時的に貯留し、噴射孔1112から処理ガスを下方に噴射する。これにより、支持体電極1008に支持された基板1902の表面に処理ガスが垂直に吹きつけられる。
噴射孔1112の直径は、1~4mmであることが望ましい。噴射孔1112の直径がこの範囲より小さくなると、処理ガスの流れが悪くなる傾向があり、噴射孔1112の直径がこの範囲より大きくなると処理が不均一になる傾向があるからである。
(支持体電極1008)
支持体電極1008は、複数の孔を板に形成した外形形状を有する。支持体電極1008に形成された孔により、上方から下方へのガスの流れが支持体電極1008によって妨げられることが抑制される。ただし、基板が円柱形状を有し、プラズマ処理装置1002が当該基板を回転させながら当該基板の表面に膜を形成する場合は、支持体電極1008は不要な場合もある。
支持体電極1008は、複数の孔を板に形成した外形形状を有する。支持体電極1008に形成された孔により、上方から下方へのガスの流れが支持体電極1008によって妨げられることが抑制される。ただし、基板が円柱形状を有し、プラズマ処理装置1002が当該基板を回転させながら当該基板の表面に膜を形成する場合は、支持体電極1008は不要な場合もある。
支持体電極1008も、鉄、アルミニウム、鉄を主成分とする合金(例えば、ステンレス鋼、ダイス鋼、ハイスピード鋼等)、アルミニウムを主成分とする合金等からなることが望ましい。ただし、支持体電極1008の材質を変更してもよいし、支持体電極1008の表面をタングステン、クロム、ニッケル等でコーティングしても良い。
支持体電極1008は、「パンチングメタル」と称される部材である。
支持体電極1008は、水平に設置され、支持面(上面)1116に載置された基板1902を下方から支持する。
(噴射体電極1006及び支持体電極1008の配置)
噴射体電極1006及び支持体電極1008は、上下に離隔して配置され、噴射体電極1006の対向面1102と支持体電極1008の支持面1116とは間隙1118を挟んで対向する。間隙1118の幅は、1~20mmであることが望ましい。間隙1118の幅がこの範囲より狭くなるとアーク放電が起こりやすくなり、間隙1118の幅がこの範囲より広くなると後述するグロー状のプラズマ放電が起こりにくくなるからである。
噴射体電極1006及び支持体電極1008は、上下に離隔して配置され、噴射体電極1006の対向面1102と支持体電極1008の支持面1116とは間隙1118を挟んで対向する。間隙1118の幅は、1~20mmであることが望ましい。間隙1118の幅がこの範囲より狭くなるとアーク放電が起こりやすくなり、間隙1118の幅がこの範囲より広くなると後述するグロー状のプラズマ放電が起こりにくくなるからである。
(噴射体電極1006及び支持体電極1008の被覆)
噴射体電極1006の対向面1102及び支持体電極1008の支持面1116は、誘電体バリアで被覆せず、導電体が露出した状態とすることが望ましい。これは、対向面1102及び支持面1116を誘電体バリアで被覆すると、放電プラズマ中をイオンが移動することが妨げられ、基板1902の表面への膜の形成が阻害されるからである。対向面1102及び支持面1116を誘電体バリアで被覆しないと、アーク放電が起こりやすくなるが、プラズマ処理装置1002では、複数の処理部1014の各々に対応してパルス電源1016を1個ずつ設けることにより、アーク放電による生産性の低下を抑制しているので、大きな問題とはならない。また、対向面1102及び支持面1116を誘電体バリアで被覆しない場合、噴射体電極1006と支持体電極1008との間に交流パルスを印加すると、放電が発生しにくく、放電が発生した場合はアーク放電となってしまうことが多い。
噴射体電極1006の対向面1102及び支持体電極1008の支持面1116は、誘電体バリアで被覆せず、導電体が露出した状態とすることが望ましい。これは、対向面1102及び支持面1116を誘電体バリアで被覆すると、放電プラズマ中をイオンが移動することが妨げられ、基板1902の表面への膜の形成が阻害されるからである。対向面1102及び支持面1116を誘電体バリアで被覆しないと、アーク放電が起こりやすくなるが、プラズマ処理装置1002では、複数の処理部1014の各々に対応してパルス電源1016を1個ずつ設けることにより、アーク放電による生産性の低下を抑制しているので、大きな問題とはならない。また、対向面1102及び支持面1116を誘電体バリアで被覆しない場合、噴射体電極1006と支持体電極1008との間に交流パルスを印加すると、放電が発生しにくく、放電が発生した場合はアーク放電となってしまうことが多い。
(処理ガス供給回路1018)
図1に示すように、処理ガス供給回路1018は、噴射体電極1006の供給孔1114に接続される。処理ガス供給回路1018が供給する処理ガスは、プラズマ処理装置1002が行う処理によって変化する。
図1に示すように、処理ガス供給回路1018は、噴射体電極1006の供給孔1114に接続される。処理ガス供給回路1018が供給する処理ガスは、プラズマ処理装置1002が行う処理によって変化する。
処理ガス供給回路1018は、処理ガスが含有する成分ガスが合流する成分ガス合流配管1202と、成分ガス合流配管1202から噴射体電極1006への処理ガスの流通経路となる処理ガス流通配管1204と、成分ガスの供給源1206から成分ガス合流配管1202への成分ガスの流通経路となる成分ガス流通配管1208と、処理ガス流通配管1204を処理ガスが流通することを許容又は阻止するバルブ1210と、成分ガス合流配管1202を成分ガスが流通することを許容又は阻止するバルブ1212と、成分ガス合流配管1202を流通する成分ガスの流量を制御する流量制御弁1214と、を備える。
複数の処理ガス流通配管1204の各々の一端は、1個の噴射体電極1006の供給孔1114に接続される。複数の処理ガス流通配管1204の各々の他端は、成分ガス合流配管1202に接続される。複数の処理ガス流通配管1204の各々には、バルブ1210が1個ずつ挿入される。
複数の成分ガス流通配管1208の各々の一端は、1個の供給源1206に接続される。複数の成分ガス流通配管1208の各々の他端は、成分ガス合流配管1202に接続される。複数の成分ガス流通配管1208の各々には、バルブ1212及び流量制御弁1214が1個ずつ挿入される。
図1には、成分ガスの供給源1206として、ヘリウムガス(He)、アルゴンガス(Ar)、水素ガス(H2)、テトラメチルシランガス(Si(CH3)4)及びメタンガス(CH4)の供給源が準備されている。もちろん、ケイ素(Si)の原料となる成分ガスをテトラメチルシランガス以外のケイ素化合物のガスに変更してもよいし、炭素(C)の原料となる成分ガスをメタンガス以外の有機化合物のガスに変更してもよい。
処理ガス供給回路1018が処理ガスを供給する場合、処理ガスが含有する成分ガスが流通する成分ガス流通配管1208に挿入されたバルブ1212が開かれ、処理ガスが含有する成分ガスが流通する成分ガス流通配管1208に挿入された流量制御弁1214の開度が成分ガスの含有比が予定された含有比になるように調整され、バルブ1210が開かれる。これにより、予定された含有比で成分ガスを含有する処理ガスが噴射体電極1006の噴射孔1112から基板1902の表面に向かって噴出される。
(排ガス排出回路1020)
排ガス排出回路1020は、チャンバ1012の下面に設けられた排出口からドライポンプ1216の吸入口への排ガスの流通経路となる排ガス流通配管1218と、チャンバ1012の下面に設けられた排出口から排ガス流通配管1218への圧力制御弁1220を経由しない排ガスの流通経路となる排ガス流通配管1222と、排ガスを吸入して排出するドライポンプ1216と、ドライポンプ1216の排出口から外部への排ガスの流通経路となる排ガス流通配管1224と、排ガス流通配管1224へ排気ガスを希釈する希釈ガスを導入する希釈ガス流通配管1226と、1次側の圧力を制御する圧力制御弁1220と、排ガス流通配管1222を排ガスが流通することを許容又は阻止するバルブ1228と、希釈ガス流通配管1226に希釈ガスが流通することを許容又は阻止するバルブ1230と、希釈ガス流通配管1226を流通する希釈ガスの流量を制御する流量制御弁1232と、を備える。
排ガス排出回路1020は、チャンバ1012の下面に設けられた排出口からドライポンプ1216の吸入口への排ガスの流通経路となる排ガス流通配管1218と、チャンバ1012の下面に設けられた排出口から排ガス流通配管1218への圧力制御弁1220を経由しない排ガスの流通経路となる排ガス流通配管1222と、排ガスを吸入して排出するドライポンプ1216と、ドライポンプ1216の排出口から外部への排ガスの流通経路となる排ガス流通配管1224と、排ガス流通配管1224へ排気ガスを希釈する希釈ガスを導入する希釈ガス流通配管1226と、1次側の圧力を制御する圧力制御弁1220と、排ガス流通配管1222を排ガスが流通することを許容又は阻止するバルブ1228と、希釈ガス流通配管1226に希釈ガスが流通することを許容又は阻止するバルブ1230と、希釈ガス流通配管1226を流通する希釈ガスの流量を制御する流量制御弁1232と、を備える。
圧力制御弁1220は、排ガス流通配管1218に挿入され、バルブ1228は、排ガス流通配管1222に挿入される。バルブ1230及び流量制御弁1232は、希釈ガス流通配管1226に挿入される。
排ガス排出回路1020が排ガスを急速に排出する場合、バルブ1228が開かれ、ドライポンプ1216が運転される。
排ガス排出回路1020がチャンバ1012の内部の圧力を維持しながら排ガスを排出する場合、バルブ1228が閉じられ、チャンバ1012の内部の圧力が予定された圧力になるように圧力制御弁1220が調整され、ドライポンプ1216が運転される。
(窒素ガス供給回路1022)
窒素ガス供給回路1022は、窒素ガスの供給源1234からチャンバ1012の側面に設けられた供給口への窒素ガス(N2)の流通経路となる窒素ガス流通配管1236と、窒素ガス流通配管1236を窒素ガスが流通することを許容又は阻止するバルブ1238と、窒素ガス流通配管を流通する窒素ガスの流量を調整する流量制御弁1240と、を備える。
窒素ガス供給回路1022は、窒素ガスの供給源1234からチャンバ1012の側面に設けられた供給口への窒素ガス(N2)の流通経路となる窒素ガス流通配管1236と、窒素ガス流通配管1236を窒素ガスが流通することを許容又は阻止するバルブ1238と、窒素ガス流通配管を流通する窒素ガスの流量を調整する流量制御弁1240と、を備える。
(空気供給回路1024)
空気供給回路1024は、空気の供給源1242からチャンバ1012の側面に設けられた供給口への空気の流通経路となる空気流通配管1246と、空気流通配管1246を空気が流通することを許容又は阻止するバルブ1248と、を備える。
空気供給回路1024は、空気の供給源1242からチャンバ1012の側面に設けられた供給口への空気の流通経路となる空気流通配管1246と、空気流通配管1246を空気が流通することを許容又は阻止するバルブ1248と、を備える。
(直流パルス電圧)
パルス電源1016から噴射体電極1006と支持体電極1008との間に繰り返し印加される直流パルス電圧は、間隙1118にグロー状のプラズマ放電を発生させる立ち上がりの速い直流パルス電圧であることが望ましい。ただし、アーク放電に移行しないストリーマー放電が間隙1118の一部に発生していてもよい。
パルス電源1016から噴射体電極1006と支持体電極1008との間に繰り返し印加される直流パルス電圧は、間隙1118にグロー状のプラズマ放電を発生させる立ち上がりの速い直流パルス電圧であることが望ましい。ただし、アーク放電に移行しないストリーマー放電が間隙1118の一部に発生していてもよい。
グロー状のプラズマ放電を発生させる直流パルス電圧は、ピーク電圧が概ね0.1~20kV、半値幅FWHM(Full Width at Half Maximum)が概ね100~5000ns、立ち上がり時の電圧の時間上昇率dV/dtが概ね0.1~100kV/μs、周波数が概ね1~200kHzの直流パルス電圧である。直流パルス電圧は、図4に示すように、極性が変化しない単極性の直流パルス電圧である。
グロー状のプラズマ放電が間隙1118に発生しているときには、図1に示すように、発光するプラズマ1910が間隙1118に観察される。
上述の説明において半値幅等の範囲を「概ね」としているのは、噴射体電極1006及び支持体電極1008の構造及び材質、間隙1118の間隔並びに処理ガスの圧力等のプラズマ処理装置1002の構造や処理条件によっては、グロー状のプラズマ放電が発生する半値幅等の範囲が上述の範囲よりも広くなる場合があるからである。したがって、放電がグロー状のプラズマ放電になっているか否かは、実際の放電を観察して判断することが望ましい。
(パルス電源1016の形式)
パルス電源1016は、アーク放電を発生させることなくグロー状のプラズマ放電を発生させる直流パルス電圧を出力するものであればよいが、誘導性素子に磁界の形で蓄積したエネルギーを短時間で放出する誘導エネルギー蓄積型(IES;Inductive Energy Storage)の電源(以下では、「IES電源」という)であることが望ましい。これは、IES電源は、容量性素子に電界の形で蓄積したエネルギーを短時間で放出する静電エネルギー蓄積型(CES;Capacitive Energy Storage)の電源(以下では、「CES電源」という)と比較して、著しく大きいエネルギーを高い繰り返し頻度で投入することができるからである。典型的には、電極構造が同じならば、IES電源を採用した場合、放電プラズマを発生させる反応に使われる1パルスあたりの投入エネルギー(以下では、「1パルスエネルギー」という)は、CES電源を採用した場合よりも概ね1桁大きくなる。IES電源とCES電源とのこの相違は、IES電源が発生する直流パルス電圧は電圧の上昇が急激であるのに対して、CES電源が発生する直流パルス電圧は電圧の上昇が緩慢であることにより生じる。すなわち、IES電源を採用した場合、電圧が十分に上昇してから放電が始まり、1パルスエネルギーが十分に大きくなるとともに、面内の放電均一性が高いのに対して、CES電源を採用した場合、電圧が十分に上昇しないうちに放電が始まり、1パルスエネルギーが十分に大きくならないとともに、面内の放電均一性が悪いことがある。
パルス電源1016は、アーク放電を発生させることなくグロー状のプラズマ放電を発生させる直流パルス電圧を出力するものであればよいが、誘導性素子に磁界の形で蓄積したエネルギーを短時間で放出する誘導エネルギー蓄積型(IES;Inductive Energy Storage)の電源(以下では、「IES電源」という)であることが望ましい。これは、IES電源は、容量性素子に電界の形で蓄積したエネルギーを短時間で放出する静電エネルギー蓄積型(CES;Capacitive Energy Storage)の電源(以下では、「CES電源」という)と比較して、著しく大きいエネルギーを高い繰り返し頻度で投入することができるからである。典型的には、電極構造が同じならば、IES電源を採用した場合、放電プラズマを発生させる反応に使われる1パルスあたりの投入エネルギー(以下では、「1パルスエネルギー」という)は、CES電源を採用した場合よりも概ね1桁大きくなる。IES電源とCES電源とのこの相違は、IES電源が発生する直流パルス電圧は電圧の上昇が急激であるのに対して、CES電源が発生する直流パルス電圧は電圧の上昇が緩慢であることにより生じる。すなわち、IES電源を採用した場合、電圧が十分に上昇してから放電が始まり、1パルスエネルギーが十分に大きくなるとともに、面内の放電均一性が高いのに対して、CES電源を採用した場合、電圧が十分に上昇しないうちに放電が始まり、1パルスエネルギーが十分に大きくならないとともに、面内の放電均一性が悪いことがある。
(スイッチング素子)
IES電源としては、静電誘導型サイリスタ(以下では、「SIサイリスタ」という)を誘導性素子への電流の供給を制御するスイッチング素子として用いた電源を採用することが望ましい。SIサイリスタをスイッチング素子として用いると、立ち上がりの速い直流パルス電圧が発生するからである。SIサイリスタをスイッチング素子として用いると立ち上がりの速い直流パルス電圧が発生するのは、SIサイリスタは、ゲートが絶縁されておらずゲートから高速にキャリアが引き抜かれるので、高速にターンオフするからである。IES電源の動作原理等の詳細は、例えば、飯田克二、佐久間健:「SIサイリスタによる極短パルス発生回路(IES回路)」、SIデバイスシンポジウム講演論文集、Vol.15,Page.40-45(2002年6月14日発行)に記載されている。
IES電源としては、静電誘導型サイリスタ(以下では、「SIサイリスタ」という)を誘導性素子への電流の供給を制御するスイッチング素子として用いた電源を採用することが望ましい。SIサイリスタをスイッチング素子として用いると、立ち上がりの速い直流パルス電圧が発生するからである。SIサイリスタをスイッチング素子として用いると立ち上がりの速い直流パルス電圧が発生するのは、SIサイリスタは、ゲートが絶縁されておらずゲートから高速にキャリアが引き抜かれるので、高速にターンオフするからである。IES電源の動作原理等の詳細は、例えば、飯田克二、佐久間健:「SIサイリスタによる極短パルス発生回路(IES回路)」、SIデバイスシンポジウム講演論文集、Vol.15,Page.40-45(2002年6月14日発行)に記載されている。
(IES電源1300)
図5は、パルス電源1016に好適に用いられるSIサイリスタ1310をスイッチング素子として用いたIES電源1300の回路図である。もちろん、図5に示す回路図は一例にすぎず、様々に変形される。
図5は、パルス電源1016に好適に用いられるSIサイリスタ1310をスイッチング素子として用いたIES電源1300の回路図である。もちろん、図5に示す回路図は一例にすぎず、様々に変形される。
図5に示すように、IES電源1300は、電気エネルギーを供給する直流電源1304と、直流電源1304の放電能力を強化するキャパシタ1306と、を備える。
直流電源1304の電圧は、IES電源1300が発生させる直流パルス電圧のピーク電圧より著しく低い電圧であることが許容される。例えば、後述する昇圧トランス1308の1次側に発生させる1次側電圧V1のピーク電圧が4kVに達しても、直流電源1304の電圧は数10~数100Vで足りる。この電圧の下限は後述するSIサイリスタ1310のラッチング電圧によって決まる。
キャパシタ1306は、直流電源1304と並列に接続される。キャパシタ1306は、直流電源1304のインピーダンスを見かけ上低下させ直流電源1304の放電能力を強化する。
IES電源1300は、さらに、昇圧トランス1308、SIサイリスタ1310、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)1312、ゲート駆動回路1314及びダイオード1316を備える。
IES電源1300では、直流電源1304と、昇圧トランス1308の1次側と、SIサイリスタ1310のアノード(A)・カソード(K)間と、MOSFET1312のドレイン(D)・ソース(S)間とが直列接続される。すなわち、昇圧トランス1308の1次側の一端が直流電源1304の正極に、昇圧トランス1308の1次側の他端がSIサイリスタ1310のアノードに、SIサイリスタ1310のカソード(K)がMOSFET1312のドレイン(D)に、MOSFET1312のソース(S)が直流電源1304の負極に接続される。これにより、直流電源1304からこれらの回路素子に電流を供給する閉回路が形成される。また、IES電源1300では、SIサイリスタ1310のゲート(G)がダイオード1316を介して昇圧トランス1308の1次側の一端と接続される。すなわち、SIサイリスタ1310のゲート(G)がダイオード1316のアノード(A)に、ダイオード1316のカソード(K)が昇圧トランス1308の1次側の一端(直流電源1304の正極)に接続される。MOSFETのゲート(G)・ソース(S)間には、ゲート駆動回路1314が接続される。
昇圧トランス1308は、1次側に与えられた直流パルス電圧をさらに昇圧して2次側に出力する。昇圧トランス1308の2次側の一端は支持体電極1008に接続されるとともに接地され、他端は噴射体電極1006に接続される。
SIサイリスタ1310は、ゲート(G)に与えられる信号によりターンオン及びターンオフされる。
MOSFET1312は、ゲート駆動回路1314から与えられる信号に応答してドレイン(D)・ソース(S)間の導通状態が変化するスイッチング素子である。MOSFET1312のオン電圧ないしはオン抵抗は低いことが望ましい。また、MOSFET1312の耐圧は直流電源1304の電圧より高いことを要する。
ダイオード1316は、MOSFET1312がターンオフした直後にSIサイリスタ1310に蓄積されたキャリアを高速に引き抜き、SIサイリスタ1310を高速にターンオフさせるために設けられる。
(IES電源1300の動作)
IES電源1300に直流パルス電圧を発生させる場合、まず、ゲート駆動回路1314からMOSFET1312のゲートにオン信号を与え、MOSFET1312のドレイン(D)・ソース(S)間を導通状態にする。すると、SIサイリスタ1310はノーマリオン型のスイッチング素子であってSIサイリスタ1310のアノード(A)・カソード(K)間は導通状態となっているので、昇圧トランス1308の1次側に電流が流れる。この状態においては、SIサイリスタ1310のゲート(G)に正バイアスが与えられるので、SIサイリスタ1310のアノード(A)・カソード(K)間の導通状態は維持される。
IES電源1300に直流パルス電圧を発生させる場合、まず、ゲート駆動回路1314からMOSFET1312のゲートにオン信号を与え、MOSFET1312のドレイン(D)・ソース(S)間を導通状態にする。すると、SIサイリスタ1310はノーマリオン型のスイッチング素子であってSIサイリスタ1310のアノード(A)・カソード(K)間は導通状態となっているので、昇圧トランス1308の1次側に電流が流れる。この状態においては、SIサイリスタ1310のゲート(G)に正バイアスが与えられるので、SIサイリスタ1310のアノード(A)・カソード(K)間の導通状態は維持される。
続いて、ゲート駆動回路1314からMOSFET1312へオン信号を与えることを中止し、MOSFET1312のドレイン(D)・ソース(S)間を非導通状態にする。すると、SIサイリスタ1310のゲート(G)からキャリアが電流駆動により高速に排出されSIサイリスタ1310のアノード(A)・カソード(K)間が非導通状態となるので、昇圧トランス1308の1次側への電流の流入が高速に停止される。これにより、昇圧トランス1308の1次側には誘導起電力が発生し、昇圧トランス1308の2次側にも高圧が発生する。
(ヒータ1010)
ヒータ1010は、支持体電極1008の下方に設けられる。ヒータ1010は、例えば、遠赤外線を照射するセラミックヒータである。基板1902から離れて基板1902を加熱するセラミックヒータに代えて、基板1902に接触して基板1902を直接加熱するステージヒータ、シーズヒータ等を用いてもよい。
ヒータ1010は、支持体電極1008の下方に設けられる。ヒータ1010は、例えば、遠赤外線を照射するセラミックヒータである。基板1902から離れて基板1902を加熱するセラミックヒータに代えて、基板1902に接触して基板1902を直接加熱するステージヒータ、シーズヒータ等を用いてもよい。
(チャンバ1012)
チャンバ1012は、ステンレス製の容器である。チャンバ1012の内部は、閉空間となっている。
チャンバ1012は、ステンレス製の容器である。チャンバ1012の内部は、閉空間となっている。
(被処理物)
プラズマ処理装置1002の被処理物の形状は特に制限されない。したがって、基板1902のような板形状を有する基体以外の基体、例えば、セラミックス成形用の金型、切削加工用の工具、自動車用の部品等の表面にもプラズマ処理装置1002によりDLC膜が形成される。円柱形状を有する基体に対しては、当該基体を回転させながら当該基体の表面に膜の形成を行うことでDLC膜が形成される。
プラズマ処理装置1002の被処理物の形状は特に制限されない。したがって、基板1902のような板形状を有する基体以外の基体、例えば、セラミックス成形用の金型、切削加工用の工具、自動車用の部品等の表面にもプラズマ処理装置1002によりDLC膜が形成される。円柱形状を有する基体に対しては、当該基体を回転させながら当該基体の表面に膜の形成を行うことでDLC膜が形成される。
基板1902の材質も特に制限されない。ただし、プラズマ処理装置1002は、体積抵抗率が小さい物質、例えば、半導体に用いられる高純度で体積抵抗率が小さいシリコンよりも体積抵抗率がさらに小さい金属又は合金からなる導電性の基板1902の表面にDLC膜を形成する場合に好適に用いられる。これは、導電性の基板1902の表面にDLC膜を形成する場合、アーク放電が発生しやすくなるが、プラズマ処理装置1002では、複数の処理部1014の各々に対応してパルス電源1016をひとつずつ設けることにより、アーク放電による生産性の低下を抑制しているからである。
半導体に用いられる高純度で体積抵抗率が小さいシリコンよりも体積抵抗率がさらに小さい金属又は合金の例は、鉄又は鉄を主成分とする合金、例えば、ステンレス鋼、ダイス鋼、ハイスピード鋼等である。ステンレス鋼には、SUS304、SUS420、SUS430、SUS440等があり、ダイス鋼には、SKD11、SKD61等があり、ハイスピード鋼には、SKH51、SKH55等がある。
この他、被処理物の材質の他の例として、アルミニウム又は銅を主成分とする合金があげられる。
<3.DLC膜形成体の製造>
図6は、鉄を主成分とする合金からなる基板1902を用いてDLC膜が表面に形成されたDLC膜形成体をプラズマ処理装置1002により製造する場合の製造の手順の一例を示すフローチャートである。プラズマ処理装置1002の運転は、手動運転であってもよいし、コントローラによる自動運転であってもよいし、手動運転及びコントローラによる自動運転の混在であってもよい。
図6は、鉄を主成分とする合金からなる基板1902を用いてDLC膜が表面に形成されたDLC膜形成体をプラズマ処理装置1002により製造する場合の製造の手順の一例を示すフローチャートである。プラズマ処理装置1002の運転は、手動運転であってもよいし、コントローラによる自動運転であってもよいし、手動運転及びコントローラによる自動運転の混在であってもよい。
(有機溶媒による洗浄)
DLC膜形成体の製造にあたっては、まず、基板1902をアセトン等の有機溶媒により洗浄する(ステップS101)。有機溶媒による洗浄に代えて又は有機溶媒による洗浄に加えて、酸やアルカリの溶媒により基板1902を洗浄してもよい。洗浄中に超音波を照射してもよい。
DLC膜形成体の製造にあたっては、まず、基板1902をアセトン等の有機溶媒により洗浄する(ステップS101)。有機溶媒による洗浄に代えて又は有機溶媒による洗浄に加えて、酸やアルカリの溶媒により基板1902を洗浄してもよい。洗浄中に超音波を照射してもよい。
(チャンバの内部への収容)
有機溶媒による洗浄の後に、チャンバ1012の内部に基板1902を収容する(ステップS102)。チャンバ1012の内部に収容された基板1902は、噴射体電極1006の下方において支持体電極1008の支持面1116に載置される。
有機溶媒による洗浄の後に、チャンバ1012の内部に基板1902を収容する(ステップS102)。チャンバ1012の内部に収容された基板1902は、噴射体電極1006の下方において支持体電極1008の支持面1116に載置される。
(放電プラズマによる前処理)
チャンバの内部への収容の後に、基板1902の表面を放電プラズマにより前処理し、基板1902の表面に付着した有機物、酸化膜等を除去する(ステップS103~S106)。
チャンバの内部への収容の後に、基板1902の表面を放電プラズマにより前処理し、基板1902の表面に付着した有機物、酸化膜等を除去する(ステップS103~S106)。
放電プラズマによる前処理にあたっては、まず、温度センサ1028で基板1902の温度を監視しながらヒータ1010で支持体電極1008の支持面1116に載置された基板1902を加熱し、支持体電極1008の支持面1116に載置された基板1902の温度を調整する(ステップS103)。基板1902の温度の調整は、ステップS105において基板1902の表面を放電プラズマにより処理するまでに行えばよい。
続いて、基板1902の温度が調整された状態を維持しつつ、排ガス排出回路1020により基板1902が収容されたチャンバ1012の内部の圧力を調整するとともに(ステップS104)、処理ガス供給回路1018により基板1902が収容されたチャンバ1012の内部へ処理ガスを供給する(ステップS105)。
放電プラズマによる前処理に用いる処理ガスは、100体積部のヘリウムガスに1体積部以上10体積部以下のアルゴンガスを混合した混合ガスであることが望ましく、100体積部のヘリウムガスに1体積部以上10体積部以下のアルゴンガス及び1体積部以上10体積部以下の水素ガスを混合した混合ガスであることがさらに望ましい。成分ガスの混合比がこの範囲内であれば、アーク放電に達することなくグロー状のプラズマ放電が維持されるとともに、基板1902の表面が十分に洗浄され、DLC膜の剥離が抑制されるからである。アルゴンガスは、イオンボンバード効果による表面の洗浄に主に寄与し、水素ガスは、ケミカルエッチング効果による表面の洗浄に主に寄与すると考えられる。
さらに続いて、基板1902の温度が調整された状態、チャンバの内部の圧力が調整された状態及び処理ガスにおける成分ガスの混合比を維持しつつ、処理ガスの供給を継続しながら基板1902を挟んで対向する噴射体電極1006と支持体電極1008との間に直流パルスを繰り返し印加しチャンバ1012の内部の処理ガスにグロー状のプラズマ放電を発生させる(ステップS106)。これにより、処理ガスに放電プラズマが発生し、放電プラズマが基板1902の表面に作用し、基板1902の表面が放電プラズマにより処理される。
(炭化ケイ素膜の形成)
放電プラズマによる前処理の後に、放電プラズマにより処理された基板1902の表面にアモルファスの炭化ケイ素膜を形成する(ステップS107,S108)。このアモルファスの炭化ケイ素膜は、シリコンとカーボンとからなる組成にさらに水素を含有させた組成を有する膜である。
放電プラズマによる前処理の後に、放電プラズマにより処理された基板1902の表面にアモルファスの炭化ケイ素膜を形成する(ステップS107,S108)。このアモルファスの炭化ケイ素膜は、シリコンとカーボンとからなる組成にさらに水素を含有させた組成を有する膜である。
炭化ケイ素膜の形成にあたっては、まず、基板1902の温度が調整された状態及びチャンバ1012の内部の圧力が調整された状態を維持しつつ、処理ガス供給回路1018により基板1902が収容されたチャンバ1012の内部へ処理ガスを供給する(ステップS107)。
炭化ケイ素膜の形成に用いる処理ガスは、100体積部のヘリウムガスに0.1体積部以上5体積部以下のテトラメチルシランガスを混合した混合ガスであることが望ましい。成分ガスの混合比がこの範囲内であれば、アーク放電に達することなくグロー状のプラズマ放電が維持されるとともに、中間層の炭化ケイ素膜が基板1902の表面に適切に形成され、DLC膜の剥離が抑制されるからである。
続いて、基板1902の温度が調整された状態、チャンバ1012の内部の圧力が調整された状態及び処理ガスにおける成分ガスの混合比を維持しつつ、処理ガスの供給を継続しながら基板1902を挟んで対向する噴射体電極1006と支持体電極1008との間に直流パルスを繰り返し印加し、チャンバ1012の内部の処理ガスの中にグロー状のプラズマ放電を発生させる(ステップS108)。これにより、処理ガスに放電プラズマが発生し、基板1902の表面に炭化ケイ素膜が形成される。
(DLC膜の形成)
炭化ケイ素膜の形成の後に、炭化ケイ素膜に重ねてDLC膜を形成する(ステップS109,S110)。
炭化ケイ素膜の形成の後に、炭化ケイ素膜に重ねてDLC膜を形成する(ステップS109,S110)。
DLC膜の形成にあたっては、基板1902の温度が調整された状態及びチャンバ1012の内部の圧力が調整された状態を維持しつつ、処理ガス供給回路1018により基板1902が収容されたチャンバ1010の内部へ処理ガスを供給する(ステップS109)。
DLC膜の形成に用いる処理ガスは、100体積部のヘリウムガスに0.1体積部以上30.0体積部以下のメタンガスを混合した混合ガスであることが望ましく、100体積部のヘリウムガスに0.1体積部以上30.0体積部以下のメタンガス及び0.05体積部以上2.0体積部以下のテトラメチルシランガスを混合した混合ガスであることがさらに望ましい。成分ガスの混合比がこの範囲内であれば、アーク放電に達することなくグロー状のプラズマ放電が維持されるとともに、DLC膜の剥離が抑制されるからである。
続いて、基板1902の温度が調整された状態、チャンバ1012の内部の圧力が調整された状態及び処理ガスにおける成分ガスの混合比を維持しつつ、処理ガスの供給を継続しながら基板1902を挟んで対向する噴射体電極1006と支持体電極1008との間に直流パルスを繰り返し印加し、処理部1014にグロー状のプラズマ放電を発生させる(ステップS110)。これにより、処理ガスに放電プラズマが発生し、炭化ケイ素膜に重ねてDLC膜が形成される。
(DLC膜形成体の構造)
図7は、上述の製造の手順により製造されるDLC膜形成体1908の模式図である。図7は、DLC膜形成体1908の断面図である。
図7は、上述の製造の手順により製造されるDLC膜形成体1908の模式図である。図7は、DLC膜形成体1908の断面図である。
図7に示すように、DLC膜形成体1908は、基板1902の表面に炭化ケイ素膜1904が形成され、炭化ケイ素膜1904の表面にDLC膜1906が形成された積層構造を有する。
(基板1902の温度)
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成のときの基板1902の温度は、150℃以上300℃以下に調整されることが望ましい。基板1902の温度がこの範囲内であれば、基体1902を損傷することなく処理が十分に行われるからである。
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成のときの基板1902の温度は、150℃以上300℃以下に調整されることが望ましい。基板1902の温度がこの範囲内であれば、基体1902を損傷することなく処理が十分に行われるからである。
基板1902の温度は、放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成を通して一定に維持される必要はなく、放電プラズマによる前処理のときの基板1902の温度、炭化ケイ素膜の形成のときの基板1902の温度及びDLC膜の形成のときの基板1902の温度の全部又は一部を異ならせてもよい。
(処理ガスの圧力)
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成のときの処理ガスの圧力は、20hPa以上常圧以下に調整される。処理ガスの圧力がこの範囲内であれば、処理が速くなり、生産性が向上するからである。なお、チャンバ1012の内部の圧力が高くなると、アーク放電が起こりやすくなるが、プラズマ処理装置1002では、複数の処理部1014の各々に対応してパルス電源1016をひとつずつ設けることにより、アーク放電による生産性の低下を抑制しているので、大きな問題とはならない。
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成のときの処理ガスの圧力は、20hPa以上常圧以下に調整される。処理ガスの圧力がこの範囲内であれば、処理が速くなり、生産性が向上するからである。なお、チャンバ1012の内部の圧力が高くなると、アーク放電が起こりやすくなるが、プラズマ処理装置1002では、複数の処理部1014の各々に対応してパルス電源1016をひとつずつ設けることにより、アーク放電による生産性の低下を抑制しているので、大きな問題とはならない。
処理ガスの圧力は、放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成を通して維持される必要はなく、放電プラズマによる前処理のときの処理ガスの圧力、炭化ケイ素膜の形成のときの処理ガスの圧力及びDLC膜の形成のときの処理ガスの圧力の全部又は一部を異ならせてもよい。
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成をひとつのチャンバ1012の内部で行うことは必須ではなく、別々のチャンバ1012の内部で行ってもよい。この場合、ロボットアーム、搬送ベルト等により一のチャンバ1202から他のチャンバ1202へ基板1902が搬送される。
(投入する電力)
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成のときに直流パルスによる投入電力を噴射体電極1006の対向面1102と支持体電極1008の支持面1116とが対向する対向面積で除した単位面積あたりの投入電力は、50W/cm2以上であることが望ましい。単位面積あたりの投入電力がこの範囲内にあれば、処理が速くなり、生産性が向上するからである。
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成のときに直流パルスによる投入電力を噴射体電極1006の対向面1102と支持体電極1008の支持面1116とが対向する対向面積で除した単位面積あたりの投入電力は、50W/cm2以上であることが望ましい。単位面積あたりの投入電力がこの範囲内にあれば、処理が速くなり、生産性が向上するからである。
また、直流パルスによる投入エネルギーは1パルスあたり1mJ以上10mJ以下であることが望ましい。
<4.DLC膜形成体の試作>
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成のときの処理ガスにおける成分ガスの混合比を様々に変更してDLC膜形成体を試作し、処理ガスにおける成分ガスの混合比が放電状態及びDLC膜の剥離荷重に与える影響を調べた。使用した基板の材質は、SUS440Cである。また、DLC膜形成体の試作における処理条件を表1に示す。
放電プラズマによる前処理、炭化ケイ素膜の形成及びDLC膜の形成のときの処理ガスにおける成分ガスの混合比を様々に変更してDLC膜形成体を試作し、処理ガスにおける成分ガスの混合比が放電状態及びDLC膜の剥離荷重に与える影響を調べた。使用した基板の材質は、SUS440Cである。また、DLC膜形成体の試作における処理条件を表1に示す。
DLC膜の剥離荷重は、新東科学株式会社(東京都千代田区)製のHEIDON:TYPE-32を使用して測定した。DLC膜の剥離荷重は、押し付ける荷重を増加させながらダイアモンド圧子でDLC膜をひっかきDLC膜の剥離が生じる荷重を特定するスクラッチ試験により測定した。使用したダイアモンド圧子の先端半径は50μm、DLC膜をひっかく長さは5mmとした。スクラッチ試験は、先端半径が200μmのダイアモンド圧子を使用して行うことが一般的であるため、以下に示す剥離荷重は、先端半径が200μmのダイアモンド圧子を使用した場合の値、すなわち、先端半径が50μmのダイアモンド圧子を使用した場合の測定値の16倍の値に換算してある。
DLC膜の膜硬度は、MTSシステムズコーポレーション(MTS Systems Corporation)製のナノインデンタを使用して測定した。
(炭化ケイ素膜の形成のときの混合比の影響)
表2は、炭化ケイ素膜の形成のときの成分ガスの混合比を様々に変更した試作番号1A,1B,1C,1D,1E,1Fについて、処理ガスにおける成分ガスの混合比、炭化ケイ素膜の形成のときの放電状態及びDLC膜の剥離荷重を示している。
表2は、炭化ケイ素膜の形成のときの成分ガスの混合比を様々に変更した試作番号1A,1B,1C,1D,1E,1Fについて、処理ガスにおける成分ガスの混合比、炭化ケイ素膜の形成のときの放電状態及びDLC膜の剥離荷重を示している。
表2に示すように、炭化ケイ素膜を形成するときの処理ガスにおける100体積部のヘリウムガスに対するテトラメチルシラン(TMS)ガスの混合量が0.1体積部以上5.0体積部以下であれば、グロー状のプラズマ放電が維持されるとともに、剥離荷重も良好であった。しかし、テトラメチルシランガスの混合量がこの範囲を下回ると剥離荷重が低下し、テトラメチルシランガスの混合量がこの範囲を上回るとアーク放電が発生した。
試作番号1A,1B,1C,1D,1Eについて、DLC膜の膜硬度を測定したところ、いずれも、10GPaを超えていた。
(放電プラズマによる前処理のときの混合比の影響:アルゴンガスの混合量について)
表3は、放電プラズマによる前処理のときの成分ガスの混合比を様々に変更した試作番号2A,2B,2C,2D,2E,2Fについて、処理ガスにおける成分ガスの混合比、放電プラズマによる前処理のときの放電状態及びDLC膜の剥離荷重を示している。
表3は、放電プラズマによる前処理のときの成分ガスの混合比を様々に変更した試作番号2A,2B,2C,2D,2E,2Fについて、処理ガスにおける成分ガスの混合比、放電プラズマによる前処理のときの放電状態及びDLC膜の剥離荷重を示している。
表3に示すように、放電プラズマによる前処理のときの処理ガスにおける100体積部のヘリウムガス及び1.8体積部の水素ガスに対するアルゴンガスの混合量が1体積部以上10体積部以下であれば、グロー状のプラズマ放電が維持されるとともに、剥離荷重も良好であった。しかし、アルゴンガスの混合量がこの範囲を下回ると剥離荷重が低下し、アルゴンガスの混合量がこの範囲を上回るとアーク放電が発生した。
試作番号2A,2B,2C,2D,2Eについて、DLC膜の膜硬度を測定したところ、いずれも、10GPaを超えていた。
(放電プラズマによる前処理のときの混合比の影響:水素ガスの混合量について)
表4は、放電プラズマによる前処理のときの成分ガスの混合比を様々に変更した試作3A,3B,3C,3D,3E,3Fについて、処理ガスにおける成分ガスの混合比、放電プラズマによる前処理のときの放電状態及びDLC膜の剥離荷重を示している。
表4は、放電プラズマによる前処理のときの成分ガスの混合比を様々に変更した試作3A,3B,3C,3D,3E,3Fについて、処理ガスにおける成分ガスの混合比、放電プラズマによる前処理のときの放電状態及びDLC膜の剥離荷重を示している。
表4に示すように、放電プラズマによる前処理のときの処理ガスにおける100体積部のヘリウムガス及び2体積部のアルゴンガスに対する水素ガスの混合量が1.0体積部以上10.0体積部以下であれば、グロー状のプラズマ放電が維持されるとともに、剥離荷重も良好であった。しかし、水素ガスの混合量がこの範囲を下回ると剥離荷重が低下し、水素ガスの混合量がこの範囲を上回るとアーク放電が発生した。
試作番号3A,3B,3C,3D,3Eについて、DLC膜の膜硬度を測定したところ、いずれも、10GPaを超えていた。
(DLC膜の形成のときの混合比の影響)
表5は、DLC膜の形成のときの成分ガスの混合比を様々に変更した試作番号4A,4B,4C,4D,4E,4Fについて、処理ガスにおける成分ガスの混合比、DLC膜の形成のときの放電状態及びDLC膜の剥離荷重を示している。
表5は、DLC膜の形成のときの成分ガスの混合比を様々に変更した試作番号4A,4B,4C,4D,4E,4Fについて、処理ガスにおける成分ガスの混合比、DLC膜の形成のときの放電状態及びDLC膜の剥離荷重を示している。
表5に示すように、DLC膜の形成のときの処理ガスにおける100体積部のヘリウムガス及び11.4体積部のメタンガスに対するテトラメチルシランガスの混合量が0.5体積部以上2体積部以下であれば、グロー状のプラズマ放電が維持されるとともに、剥離荷重も良好であった。しかし、テトラメチルシランガスの混合量がこの範囲を下回ると剥離荷重が低下し、テトラメチルシランガスの混合量がこの範囲を上回ると、アーク放電が混じる不安定な放電が発生した。
試作番号4A,4B,4C,4D,4E,4Fについて、DLC膜の膜硬度を測定したところ、いずれも、10GPaを超えていた。
<5 その他>
この発明は詳細に説明されたが、上述の説明は全ての局面において例示であって、この発明は上述の説明に限定されない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定されうる。
この発明は詳細に説明されたが、上述の説明は全ての局面において例示であって、この発明は上述の説明に限定されない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定されうる。
Claims (7)
- 膜硬度が10GPa以上のダイアモンドライクカーボン膜が表面に形成されたダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法であって、
(a) 導電性の基体をチャンバの内部に収容する工程と、
(b) 前記基体が収容された前記チャンバの内部の圧力を20hPa以上常圧以下に調整しながら100体積部のヘリウムガス及び1体積部以上10体積部以下のアルゴンガスを含有する第1の混合ガスを前記基体が収容された前記チャンバの内部に供給する工程と、
(c) 前記チャンバの内部の圧力が20hPa以上常圧以下に調整された状態で前記チャンバの内部の第1の混合ガスに放電プラズマを発生させ前記基体の表面を放電プラズマで前処理する工程と、
(d) 放電プラズマにより前処理された前記基体の表面に炭化ケイ素膜を形成する工程と、
(e) 前記基体の表面に形成された炭化ケイ素膜に重ねてダイアモンドライクカーボン膜を形成する工程と、
を備えるダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法。 - 請求項1のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、
前記第1の混合ガスは、1体積部以上10体積部以下の水素ガスをさらに含有する、
ダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法。 - 請求項1又は請求項2のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、
前記工程(c)は、
前記基体を挟んで対向する電極対に直流パルスを繰り返し印加し第1の混合ガスにグロー状のプラズマ放電を発生させる、
ダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法。 - 請求項3のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、
直流パルスによる投入エネルギーが1パルス当たり1mJ以上10mJ以下である、
ダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法。 - 請求項3のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、
直流パルスによる投入電力を前記電極対の対向面積で除した単位面積あたりの投入電力が50W/cm2以上である、
ダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法。 - 請求項1又は請求項2のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、
(f) 前記基体の表面を放電プラズマで前処理するまでに前記基体の温度を150℃以上300℃以下に調整する工程、
をさらに備えるダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法。 - 請求項1又は請求項2のダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法において、
前記工程(d)は、
(d-1) 前記基体が収容された前記チャンバの内部の圧力を20hPa以上常圧以下に調整しながら100体積部のヘリウムガス及び0.1体積部以上5体積部以下のテトラメチルシランガスを含有する第2の混合ガスを基体が収容された前記チャンバの内部に供給する工程と、
(d-2) 前記チャンバの内部の圧力が20hPa以上常圧以下に調整された状態で前記チャンバの内部の第2の混合ガスに放電プラズマを発生させる工程と、
を備えるダイアモンドライクカーボン膜形成体の製造方法。
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