WO2011001705A1 - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Abstract

 放射線の照射により流れる電流を検出する電流検出手段で発生するノイズの影響を低減させ、より適切な放射線画像を得ることが可能な放射線画像撮影装置を提供するために、 放射線画像撮影装置1は、走査線5と信号線6とで区画された各領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7と、接続された走査線5に印加される電圧に応じてオフ状態とオン状態とが切り替えられるスイッチ手段8と、走査線5を介してスイッチ手段8にオン電圧やオフ電圧を印加するゲートドライバ15bと、ゲートドライバ15bにオン電圧やオフ電圧を供給する電源回路15aとを備える走査駆動手段15と、電源回路15aとゲートドライバ15bとの間を流れる電流、または走査線5を流れる電流を検出する電流検出手段41と、電流検出手段41が検出した電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段23と、を備えていることを特徴とする。

Description

放射線画像撮影装置
 本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、放射線の照射の開始等を検出することが可能な放射線画像撮影装置に関する。
 照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
 このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
 ところで、これらの放射線画像撮影装置、特に可搬型の放射線画像撮影装置では、放射線照射装置やシステムを管理するコンピュータ等の外部装置から放射線画像撮影装置に放射線の照射の開始や終了の情報を送信し、それに応じて放射線画像撮影装置で放射線の照射終了後に各放射線検出素子からの画像データの読み出しを行うように構成される場合がある。
 しかし、そのためには、放射線照射装置やコンピュータ等と放射線画像撮影装置とのインターフェースをとり、放射線照射装置やコンピュータ等を含むシステム全体で制御構成を構築しなければならず、放射線画像撮影装置が放射線の照射の開始や終了を認識するための構成が大掛かりになる。そのため、放射線の照射の開始や終了を放射線画像撮影装置自体で検出できるように構成することが望ましい。
 その際、放射線画像撮影装置にセンサ等を配設して、センサで放射線の照射の開始や終了を検出するように構成することも可能であるが、放射線画像撮影装置内にセンサを配設するためのスペースが必要になり、装置が大型化してしまう。また、センサを設けると、センサを駆動する分だけ多くの電力を消費し、特に可搬型の放射線画像撮影装置では内蔵されたバッテリの消費を招いてしまう等の問題があった。
 そこで、各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するためのバイアス線を流れる電流を検出し、放射線の照射によって放射線検出素子内に電荷が発生するとバイアス線を流れる電流が増加することを利用して、その電流値の増減に基づいて放射線の照射の開始や終了を検出することが提案されている(特許文献4参照)。このように構成すれば、既存の配線等に電流検出手段を設けることで電力消費を抑制した状態で、かつ容易に放射線の照射の開始や終了を検出することが可能となる。
特開平9-73144号公報 特開2006-58124号公報 特開平6-342099号公報 米国特許第7211803号明細書
 しかしながら、上記のようにバイアス線に電流検出手段を設けて、バイアス線を流れる電流値の増減に基づいて放射線の照射の開始等を検出するように構成すると、バイアス線を介して放射線検出素子に印加されるバイアス電圧に、電流検出手段で発生したノイズが重畳されて印加されるようになる。そして、電流検出手段で発生した電圧のノイズが、放射線の照射により放射線検出素子内で発生した電荷にノイズ電荷として重畳されてしまうため、ノイズ電荷の影響で、最終的に得られる放射線画像の画質、特にその粒状性が悪化してしまう等の問題が生じる虞れがある。
 また、上記のような放射線画像撮影装置では、放射線画像の解像度を高くするために各放射線検出素子自体は小さく形成されるが、個々の放射線検出素子について見た場合、集光率をできるだけ高めるために、限られたスペースの中でフォトダイオード等の集光面の面積ができるだけ広くなるように設計される。そのため、放射線検出素子の寄生容量は比較的大きくなる。
 そのため、上記のようにバイアス線に電流検出手段を設けた場合には、電流検出手段で発生した電圧のノイズ、すなわちバイアス電圧に対するノイズが、Q=CVの関係に従って放射線検出素子の比較的大きな寄生容量Cでいわば増幅されて比較的大きなノイズ電荷となり、それが放射線の照射により放射線検出素子内で発生した電荷に重畳されるため、最終的に得られる放射線画像の画質の低化がさらに増大する虞れがある。
 放射線画像の画質が低下し、特にその粒状性が悪化すると、例えば、このような放射線画像を用いて診断を行うような場合に、病変を見落としたり、正常な部分を病変と見誤ったりして誤診を生じる等の不都合を生じる虞れがある。そのため、放射線画像撮影装置には、ノイズの影響ができるだけ排除された適切な画質の放射線画像が得られることが望まれる。
 本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、放射線の照射開始等を検出するための電流を検出する電流検出手段により発生するノイズの影響を低減させ、より適切な放射線画像を得ることが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
 前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
 前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線に印加される電圧に応じてオフ状態とオン状態とが切り替えられ、前記オフ状態では前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、前記オン状態では前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
 前記走査線を介して前記スイッチ手段にオン電圧およびオフ電圧を印加するゲートドライバと、前記ゲートドライバに前記オン電圧および前記オフ電圧を供給する電源回路とを備える走査駆動手段と、
 前記電源回路と前記ゲートドライバとの間を流れる電流、または前記走査線を流れる電流を検出する電流検出手段と、
 前記電流検出手段が検出した前記電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
 を備えることを特徴とする。
 本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、放射線の照射の開始を検出するための電流検出手段を走査駆動手段の電源回路とゲートドライバとの間や各走査線に設け、それらの間を流れる電流や各走査線を流れる電流を検出するように構成した。このように構成することで、スイッチ手段に形成される寄生容量が、フォトダイオード部分の大きな寄生容量よりも格段に小さいことを利用して、電流検出手段で発生する電圧のノイズによりスイッチ手段の部分で発生するノイズ電荷を非常に小さいものとすることが可能となる。
 そのため、スイッチ手段の部分で発生した微小なノイズ電荷が放射線検出素子側に伝達されて、放射線の照射により放射線検出素子のフォトダイオード部分に発生する電荷に重畳されたとしても、その影響は、従来のようにバイアス線に設けられた電流検出手段によるバイアス電圧に対するノイズが放射線検出素子の大きな寄生容量で増幅されて大きなノイズ電荷が重畳される場合に比べれば、非常に小さいものとなる。
 このように、各放射線検出素子から読み出され最終的に得られる画像データに、電流検出手段で発生した電圧のノイズの影響がごく僅かにしか重畳されないようにすることが可能となるため、ノイズ電荷の影響を確実に低減することが可能となり、最終的に得られる放射線画像の画質、特にその粒状性が悪化する等の問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
各実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。 図1におけるA-A線に沿う断面図である。 本実施形態に係る基板の構成を示す平面図である。 図3の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 図4におけるX-X線に沿う断面図である。 COFやPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 電流検出手段の構成を表す等価回路図である。 電流検出手段で検出される電流に相当する電圧値の例を表すグラフである。
 以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
 なお、以下では、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。また、放射線画像撮影装置が可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された放射線画像撮影装置に対しても適用される。
 図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のA-A線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納された可搬型(カセッテ型)の装置として構成されている。
 筐体2は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面R(以下、放射線入射面Rという。)が放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
 また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ40(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、外部装置と無線で通信するための通信手段であるアンテナ装置39が埋め込まれている。
 また、図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
 シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300~800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
 基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、それぞれ放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
 このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
 本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
 そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧が印加され、ゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内で発生し蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧が印加され、ゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止し、放射線検出素子7内で発生した電荷を保持して、放射線検出素子7内に蓄積させるようになっている。
 ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるX-X線に沿う断面図である。
 基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a-Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
 ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiN)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
 また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
 第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
 放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
 また、p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、これに限定されない。
 放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiN)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
 図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
 本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bとして機能するゲートIC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
 また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
 ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
 前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極78にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。
 また、本実施形態では、放射線検出素子7のp層77側(図5参照)に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極78にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極74側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
 本実施形態では、バイアス電源14は、後述するメイン制御手段22やサブ制御手段23に接続されており、メイン制御手段22やサブ制御手段23は、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を必要に応じて可変させるようになっている。
 各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる各走査線5の各ラインL1~Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
 走査駆動手段15は、本実施形態では、電源回路15aとゲートドライバ15bとを備えており、ゲートドライバ15bに接続されている各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧およびオフ電圧を制御するようになっている。本実施形態では、電源回路15aは、ゲートドライバ15bに対して各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧およびオフ電圧を供給するようになっている。また、ゲートドライバ15bは、前述したゲートIC12aが複数並設されて形成されており、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)等により各走査線5に印加するオン電圧のパルス幅等を変調できるようになっている。
 また、本実施形態では、走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15cに、それらの間を流れる電流を検出する電流検出手段41が設けられている。なお、電流検出手段41は、走査線5の各ラインL1~Lxのうち単数または複数の走査線5中を流れる電流を検出するように構成することも可能である。また、電流検出手段41の構成等については後で説明する。
 各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には所定個数の読み出し回路17が設けられており、読み出しIC16が複数設けられることにより、信号線6の本数分の読み出し回路17が設けられるようになっている。
 読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。なお、図7や図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
 本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。なお、基準電位Vは適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
 また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、メイン制御手段22やサブ制御手段23に接続されており、メイン制御手段22等によりオン/オフが制御されるようになっている。電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で、放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに走査線5を介してオン電圧が印加されると)、当該放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力端子から出力されるようになっている。
 増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧を出力して電荷電圧変換して増幅するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされると、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて増幅回路18がリセットされるようになっている。
 なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。また、図8に示すように、増幅回路18には、電源供給部42から電力が供給されるようになっている。なお、図7では、電源供給部42の図示が省略されている。
 増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、この相関二重サンプリング回路19におけるサンプルホールド機能は、メイン制御手段22から送信されるパルス信号によりそのオン/オフが制御されるようになっている。
 すなわち、相関二重サンプリング回路19は、増幅回路18がリセットされ、電荷リセット用スイッチ18cがオフ状態とされた後、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し時に、放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され始めた時点でメイン制御手段22から1回目のパルス信号を受信すると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値を保持する。
 そして、その時点から所定時間経過した後、放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積された時点でメイン制御手段22から2回目のパルス信号を受信すると、その時点で再び増幅回路18から出力されている電圧値を保持して、それらの電圧値の差分値を下流側に画像データとして出力するようになっている。
 相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データは、アナログマルチプレクサ21に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段43に出力されて順次保存されるようになっている。
 メイン制御手段22は、本実施形態では、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータやFPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成されている。
 また、サブ制御手段23は、本実施形態では、マイクロコンピュータ(Microcomputer。マイクロプロセッサ(Microprocessor)ともいう。)で構成されている。なお、サブ制御手段23は、メイン制御手段22より消費電力が少ないものが用いられるようになっている。
 なお、以下では、本実施形態では、このように、放射線画像撮影装置1の各機能部を制御する制御手段としてメイン制御手段22とサブ制御手段23とを設け、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理や画像データの送信のように多数の機能部を動作させる必要がある処理の制御は大きな電力を消費するメイン制御手段22で行い、それ以外の、例えば各放射線検出素子7のリセット処理や放射線の照射の開始等の監視のように、特定の機能部のみを起動させれば実行可能な処理は、メイン制御手段22より消費電力が少ないサブ制御手段23で行うように構成して、無駄な電力消費を抑制するように構成されている場合について説明する。
 しかし、例えば1つの制御手段で全ての処理の制御を行うように構成することも可能であり、本発明は、本実施形態のようにメイン制御手段22とサブ制御手段23とが別体に設けられている場合に限定されない。
 本実施形態では、メイン制御手段22やサブ制御手段23は、ともに、起動状態と起動の停止状態との間で稼働状態が切り替えられるようになっている。なお、本実施形態では、起動の停止状態とは、僅かに通電され、相手側からの、すなわちメイン制御手段22ではサブ制御手段23からの、サブ制御手段23ではメイン制御手段22からの、起動を指示する起動信号のみを受信可能なスリープ状態をいう。また、放射線技師等の操作者により放射線画像撮影装置1の電源がオフされた場合には、メイン制御手段22やサブ制御手段23は、通電が全く停止された、いわゆるオフの状態になる。
 本実施形態では、操作者により電源スイッチ36(図1参照)が押下されて放射線画像撮影装置1の電源がオンされると、サブ制御手段23が起動状態となり、メイン制御手段22は起動の停止状態すなわちスリープ状態となるように構成されている。そして、サブ制御手段23は、電流検出手段41が検出した電流の値に基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始や終了を検出すると、メイン制御手段22に起動信号を送信してメイン制御手段22を起動するようになっており、メイン制御手段22を起動した後、サブ制御手段23自身は起動を停止するようになっている。
 また、メイン制御手段22が各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理や外部装置への画像データの送信等を終了すると、メイン制御手段22からサブ制御手段23に起動信号が送信されてサブ制御手段23が起動されるとともに、メイン制御手段22自身は起動が停止された状態に戻るようになっている。
 このように、メイン制御手段22は、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理や外部装置への画像データの送信等を行う場合にだけ覚醒し、それ以外の場合は起動を停止されてスリープ状態とされるようになっている。
 図7や図8に示すように、サブ制御手段23には、バイアス電源14や増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cが接続されており、また、図8では図示が省略されているが、サブ制御手段23には、電源供給部42や走査駆動手段15の電源回路15aやゲートドライバ15b等も接続されている。
 そして、サブ制御手段23は、放射線画像撮影装置1の電源がオンされて起動状態とされると、電源供給部42から増幅回路18に電力を供給させて増幅回路18を起動させ、また、サブ制御手段23は、電荷リセット用スイッチ18cをオン状態とするようになっている。なお、この段階では、読み出し回路17の他の機能部、すなわち相関二重サンプリング回路19やA/D変換器20、アナログマルチプレクサ21等には電力が供給されず、起動されないようになっている。
 また、サブ制御手段23には、走査駆動手段15が接続されており、サブ制御手段23は、バイアス電源14を立ち上げてバイアス線9を介して各放射線検出素子7にバイアス電圧を印加させるとともに、走査駆動手段15から各走査線5にオン電圧を印加させて、各走査線5に接続された各TFT8のゲート電極8gにオン電圧を印加し、全てのTFT8をオン状態として全TFT8のゲートが開いた状態とするようになっている。
 このように各機能部が起動されると、各放射線検出素子7内に蓄積されている余分な電荷が、TFT8や電荷リセット用スイッチ18cを通り、増幅回路18のオペアンプ18aの出力端子側からオペアンプ18a内を通過して電源供給部42に放出される。このようにして、各放射線検出素子7のリセット処理が行われるようになっている。
 すなわち、本実施形態では、サブ制御手段23は、この各放射線検出素子7のリセット処理と、後述する電流検出手段41による電流の検出に必要な機能部にのみ電力を供給し、それら以外には電力を供給しないことで、無駄な電力消費を避けるようになっている。
 サブ制御手段23には、さらに、前述した電流検出手段41が接続されており、サブ制御手段23は、電流検出手段41が検出した電流の値に基づいて放射線の照射の開始を検出するようになっている。
 ここで、電流検出手段41の構成について説明する。本実施形態では、電流検出手段41は、前述したように、走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15cに設けられており、放射線の照射の開始に伴って電源回路15aとゲートドライバ15bとの間を流れる電流を検出するようになっている。
 具体的には、本実施形態では、電流検出手段41は、図9に示すように、走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15cに直列に接続される所定の抵抗値を有する抵抗器41aと、それに並列に接続されたダイオード41bと、入力側端子が抵抗器41aの両端子にそれぞれ接続された差動アンプ41cとを備えて構成されている。なお、差動アンプ41cには、電源供給手段45から電力が供給されるようになっている。
 そして、電流検出手段41は、差動アンプ41cで抵抗器41aの両端子間の電圧Vを測定し、抵抗器41aを流れる電流、すなわち電源回路15aとゲートドライバ15bとの間を流れる電流を電圧値Vに変換して検出して、サブ制御手段23に出力するようになっている。
 なお、電流検出手段41に備えられる抵抗器41aとしては、配線15c中を流れる電流を適切な電圧値Vに変換可能な抵抗値を有する抵抗器が用いられる。なお、ダイオード41bは、放射線画像撮影装置のような広いダイナミックレンジでも検出できるようにするためのものであり、ダイオード41bのみ或いは抵抗器41aのみを備える構成とすることも可能である。
 また、放射線の照射の開始や終了を検出する場合以外の場合には、電流検出手段41で電源回路15aとゲートドライバ15bとの間を流れる電流を検出する必要はなく、逆に電流検出手段41の抵抗器41aは電源回路15aからゲートドライバ15bへのオン電圧やオフ電圧の供給の妨げになるため、電流検出手段41には、電流の検出が不要の場合に抵抗器41aの両端子間を必要に応じて短絡するためのスイッチ41dが設けられている。
 放射線画像撮影が開始され、図示しない放射線照射装置から放射線画像撮影装置1の放射線入射面R(図1参照)に放射線の照射が開始されると、図10に示すように、放射線の照射が開始された時刻tbで、電流検出手段41の差動アンプ41cから出力される電流に相当する電圧値Vが急激に増加する。そのため、本実施形態では、サブ制御手段23は、電流検出手段41から出力される電圧値Vが増加し、例えば、予め設定された閾値Vthを越えた場合(図10の時刻tc参照)や、電圧値Vの増加率が予め設定された閾値を越えた場合(時刻td参照)等に、放射線の照射が開始されたことを検出するようになっている。
 なお、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない状態でも、放射線検出素子7の熱による熱励起等により各放射線検出素子7内で暗電荷が発生するため、図10における時刻taに示されるように、放射線画像撮影装置1に放射線が照射される以前においても、電流検出手段41から微量ではあるが0[V]でない電圧値Vaが出力される場合がある。
 また、本実施形態では、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始や終了を検出する際、ゲートドライバ15bから各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧を印加して各TFT8をオフ状態としておくようになっているが、後述するように、少なくとも放射線の照射の開始を検出する際には各TFT8のゲート電極8gにオン電圧を印加して各TFT8をオン状態としておくように構成することも可能である。
 さらに、各TFT8をオフ状態としていても、放射線の照射が開始されると走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとの間を電流が流れるが、その理由は、以下のとおりである。
 すなわち、放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始されると、前述したように、放射線画像撮影装置1に入射した放射線がシンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が直下の放射線検出素子7のi層76(図5参照)に到達して、放射線検出素子7のi層76内で電子正孔対が発生する。そのため、放射線検出素子7内では、第2電極78に対する第1電極74の電位が変化する。
 本実施形態では、第2電極78にはバイアス電源14からバイアス線9を介して所定の負の値のバイアス電圧Vbiasが印加されていて電位が固定されており、i層76内で発生した電子正孔対のうち、正孔が第2電極78側に移動し、電子が第1電極74側に移動するため、第1電極74側の電位が下がる。そして、放射線検出素子7の第1電極74側の電位が下がると、図8に示したTFT8のソース電極8s(図8中ではSと表記されている。)側の電位がそれに伴って下がる。
 また、TFT8では、ゲート電極8gとソース電極8sとそれらの間の絶縁層71(図5参照)とで一種のコンデンサが形成されており、ゲート電極8gとソース電極8sとの間に寄生容量が存在している。そして、所定のオフ電圧が印加されており電位が変わらないTFT8のゲート電極8gに対して、TFT8のソース電極8s側の電位が下がると、TFT8のゲート電極8gとソース電極8sとの電位差が変化する。
 そのため、変化した電位差に対応する電荷が走査線5を通ってTFT8のゲート電極8gに供給される。すなわち、走査線5中を電流が流れる。そして、各走査線5を流れる電流の総量に対応する電流が電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15c上を流れるため、各TFT8をオフ状態としていても放射線の照射の開始に伴って電源回路15aとゲートドライバ15bとの間を流れる電流(或いはそれに相当する電圧値V)を電流検出手段41で検出することができる。
 なお、このように、放射線の照射に伴って各走査線5の各ラインL1~Lxにそれぞれ電流が流れるため、必ずしも本実施形態のように電流検出手段41を電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15c上に設ける必要はなく、前述したように、走査線5の各ラインL1~Lxのうちの単数または複数の走査線5中を流れる電流を検出するように構成してもよい。このように構成しても各走査線5を流れる電流を検出して放射線の照射の開始や終了を検出することができる。
 しかし、検出部Pに二次元状に設けられた放射線検出素子7の数が膨大な数にのぼり、走査線5も多数設けられるため、走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15cを流れる電流の値が比較的大きな値となる。そのため、本実施形態のように配線15c上に電流検出手段41を設けると、電流検出手段41で検出される電流に相当する電圧値VはS/N比が良好になり、その増加や減少を的確に検出することが可能となる。
 また、放射線の照射に伴って流れる電流は、電源回路15aとゲートドライバ15bとの間や各走査線5を流れるだけでなく、それと等量の電流が、TFT8のソース電極8s(図8中ではSと表記)と放射線検出素子7との間、および放射線検出素子7とバイアス電源14との間にも流れる。
 一方、放射線の照射が終了すると、放射線検出素子7内での電子正孔対の発生が止まるため、各走査線5や走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15c上を電流が流れなくなるため、図10に示すように、例えば時刻teで放射線の照射が終了したとすると、電流検出手段41で検出される電流に相当する電圧値Vが、時刻te以後、急激に減少する。
 そこで、本実施形態では、サブ制御手段23は、放射線の照射の開始を検出した後、電流検出手段41から出力された電流に相当する電圧値Vが減少して予め設定された閾値Vthを下回った場合(時刻tf参照)や、電圧値Vの減少率が予め設定された閾値を下回った場合(時刻tg参照)等に、放射線の照射が終了したことを検出するようになっている。なお、以下では、放射線の照射開始時刻が図10における時刻tcであり、放射線の照射終了時刻が時刻tfであるものとして説明する。
 また、前述したように、放射線検出素子7のi層76に入射した放射線、或いは入射した放射線がシンチレータ3で変換されて放射線検出素子7のi層76に入射した電磁波の光子の数に比例してi層76内で電子正孔対が発生し、それに応じて放射線検出素子7の第1電極74-第2電極78間の電位差やTFT8のソース電極8s-ゲート電極8g間の電位差が変化して、走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15cに電流が流れる。
 そのため、配線15cを流れた電流値(或いはそれに相当する電圧値V)の総量を測ることで、放射線の照射開始から照射終了までに放射線画像検出装置1に照射された放射線の線量を算出することができる。
 そこで、例えば、図9に示した電流検出手段41の差動アンプ41cの出力端子側に積分回路を設ける等して、図10に示した照射開始時刻tcから照射終了時刻tfまでの電圧値V(或いは電圧値Vからノイズに相当する一定値を減じた値)の積分値を算出して、放射線画像検出装置1に照射された放射線の線量を算出するように構成することが可能である。このように構成すれば、より正確な放射線の線量を算出することが可能となる。
 また、例えば、ノイズ成分をより的確に除去するために、上記の構成において、電流検出手段41の差動アンプ41cの出力端子と積分回路との間などに、さらに、所定の範囲の周波数帯のデータのみを通過させて他の周波数のデータは減衰させて通さないバンドパスフィルタ(帯域通過フィルタ)を追加して配置し、電流検出手段41から出力された電流値に相当する電圧値Vにバンドパスフィルタ処理を施し、それを積分して放射線の線量を算出するように構成することも可能である。
 さらに、より簡単に放射線の線量を算出するため、例えば、サブ制御手段23がピークホールド機能を有するように構成し、サブ制御手段23で、放射線の照射の開始および終了の時間間隔tf-tcと、電流検出手段41で検出された配線15cを流れる電流のピーク値とに基づいて、照射された放射線の線量を算出するように構成することも可能である。
 具体的には、サブ制御手段23は、照射開始時刻tcから照射終了時刻tfまでに検出される電圧値のピーク値Vp(図10参照)を検出し、下記(1)式に従って、ピーク値Vpに、放射線の照射開始から終了までの時間間隔tf-tcから定数αを減じた値を乗じた値に基づいて、放射線画像検出装置1に照射された放射線の線量の近似値Mを算出するようになっている。
  M=a×Vp×(tf-tc-α)  …(1)
 この放射線の線量の近似値Mは、図10における照射開始時刻tc以後の立ち上がり部分から照射終了時刻tf以前の立ち下がり部分までの電圧値Vを矩形状に近似してその面積に比例する値として求めるものであり、照射開始時刻tcおよび照射終了時刻tfを検出し、ピーク値Vpを検出するだけで簡単に算出できるという利点を有する。なお、上記(1)式においてaは予め設定された係数である。また、定数αは、実際には台形状の電圧値Vの推移を矩形状と見なすことにより生じる誤差を調整するために予め設定された定数である。
 次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
 本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、操作者により電源スイッチ36(図1参照)が押下されて放射線画像撮影装置1の電源がオンされると、サブ制御手段23が起動し、メイン制御手段22は起動の停止状態すなわちスリープ状態になる。
 サブ制御手段23は、起動されると、各放射線検出素子7の所定のリセット処理を行う。すなわち、読み出し回路17のうち、増幅回路18にのみ電源供給部42(図8参照)から電力を供給して起動させ、電荷リセット用スイッチ18cをオン状態とする。また、サブ制御手段23は、バイアス電源14を起動させてバイアス線9を介して各放射線検出素子7にバイアス電圧を印加した状態で、走査駆動手段15から各走査線5にオン電圧を印加させて、各走査線5に接続された各TFT8をオン状態として、各放射線検出素子7に蓄積された余分な電荷をTFT8や増幅回路18を介して電源供給部42に放出させる。このようにして、読み出し回路17の相関二重サンプリング回路19やA/D変換器20等には電力を供給せず、無駄な電力消費を防止しながら、各放射線検出素子7の所定のリセット処理を行う。
 サブ制御手段23は、各放射線検出素子7のリセット処理を終了すると、走査駆動手段15から各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧を印加させて、各TFT8をオフ状態とする。そして、電源供給手段45(図9参照)から電流検出手段41の差動アンプ41cに電力を供給し、スイッチ41dをオフ状態として電流検出手段41を起動させて、差動アンプ41cから出力される電圧値V、すなわち走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15cを流れる電流に相当する電圧値Vを監視する。
 放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始されると、前述したように、照射された放射線の線量に応じて放射線検出素子7のi層76で電子正孔対が発生し、放射線検出素子7の第2電極78に対する第1電極74の電位が変化するため、各走査線5中を電流が流れる。そして、図10に示したように、電流検出手段41から出力される電圧値Vが急激に増加するため、サブ制御手段23は、上記のようにこの電圧値Vの増加を検出して放射線の照射が開始されたことを検出する。
 また、放射線の照射が終了すると、放射線検出素子7内での電子正孔対の発生が止まるため、図10に示したように、電流検出手段41で検出される電流に相当する電圧値Vが急激に減少する。そのため、サブ制御手段23は、上記のようにこの電圧値Vの減少を検出して放射線の照射が終了されたことを検出する。
 ここで、本実施形態のように、電流検出手段41を設けて配線15cを流れる電流(或いはそれに相当する電圧値V)を検出する際にも、従来、電流検出手段をバイアス線9や結線10に設けた場合と同じように、電流検出手段41でノイズが発生し、走査駆動手段15の電源回路15aからゲートドライバ15bを介して各走査線5に印加され、各TFT8のゲート電極8gに印加されるオフ電圧に、電流検出手段41で発生したノイズが重畳されて印加されるようになる。
 前述したように、従来のように電流検出手段がバイアス線9に設けた場合には、電流検出手段で発生した電圧のノイズが放射線検出素子7の比較的大きな寄生容量Cでいわば増幅されて比較的大きなノイズ電荷となり、それが放射線の照射により放射線検出素子内で発生した電荷に重畳された。
 しかし、図4に示したように、放射線検出素子7を構成するフォトダイオードの集光面の面積に比べ、TFT8のソース電極8sとゲート電極8gとが重なり合う部分の面積は非常に小さい。そのため、放射線検出素子7のフォトダイオードの部分での寄生容量Cが大きくなるのに対し、TFT8のソース電極8sとゲート電極8gとで構成される部分の寄生容量cは非常に小さいものとなる。
 そのため、本実施形態のように走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15cに電流検出手段41を設けた場合、電流検出手段41で発生した電圧のノイズが非常に小さな寄生容量cでごく僅かにしか増幅されず、発生するノイズ電荷は非常に小さいものとなる。
 そして、TFT8のソース電極8sとゲート電極8gとが重なり合う部分に発生した微小なノイズ電荷が放射線検出素子7側に伝達されて、放射線の照射により放射線検出素子7のフォトダイオード部分に発生する電荷に重畳されたとしても、その影響は、従来の場合と比較すれば非常に小さいものとなる。
 そのため、本実施形態では、各放射線検出素子7から読み出され最終的に得られる画像データに、電流検出手段41で発生した電圧のノイズの影響がごく僅かにしか重畳されないようにすることが可能となるため、ノイズ電荷の影響を的確に低減することが可能となり、最終的に得られる放射線画像の画質、特にその粒状性が悪化する等の問題が生じることが的確に回避される。
 サブ制御手段23は、放射線の照射の開始や終了を検出すると、電源供給手段45から電流検出手段41の差動アンプ41cへの電力の供給を停止し、スイッチ41dをオン状態として抵抗器41aの両端子間を短絡させて、電流検出手段41の機能を停止させる。また、放射線の照射開始から照射終了までに放射線画像検出装置1に照射された放射線の線量を算出するように構成されていれば、サブ制御手段23は、上記のようにして放射線の線量を算出する。
 続いて、サブ制御手段23は、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理等を行わせるために、メイン制御手段22に起動信号を送信して、メイン制御手段22を起動させて覚醒させる。そして、メイン制御手段22が起動すればサブ制御手段23は起動させておく必要がなくなるため、サブ制御手段23は、メイン制御手段22を起動させると自ら起動を停止する。すなわちスリープ状態となる。
 なお、起動して覚醒したメイン制御手段22からサブ制御手段23に停止信号を送信するように構成し、サブ制御手段23がメイン制御手段22からの停止信号を受信することで起動を停止するように構成してもよい。このように、メイン制御手段22が起動した段階でサブ制御手段23の起動を停止するように構成することで、サブ制御手段23に不要な電力を供給して電力が無駄に消費されることを防止することが可能となる。
 メイン制御手段22は、起動すると、読み出し回路17の残りの機能部、すなわち相関二重サンプリング回路19やA/D変換器20、アナログマルチプレクサ21等や、他の必要な機能部を起動させて、上記のようにして、各放射線検出素子7から電荷を放出させて画像データを読み出す読み出し処理を行う。
 すなわち、メイン制御手段22は、走査駆動手段15にパルス信号を送信して、走査駆動手段15から各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える。また、それとともに、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御する等の各種の処理を実行して、各放射線検出素子7から画像データを読み出す。読み出された各画像データは記憶手段43(図7等参照)に保存される。
 また、メイン制御手段22は、一連の放射線画像撮影が終了すると、記憶手段43に保存した画像データをアンテナ装置39を介して外部装置に送信する。なお、画像データをケーブル等の有線方式で送信するように構成することも可能である。
 そして、メイン制御手段22は、外部装置への画像データの送信を完了すると、サブ制御手段23を起動させるとともに、自ら起動を停止し、或いは、起動されたサブ制御手段23からの停止信号により起動を停止する。すなわちスリープ状態となる。その際、必要な情報がメイン制御手段22からサブ制御手段23に送信される。
 このようにして、前述したような放射線画像撮影装置1の電源がオンされた場合の状態に戻ると、起動されたサブ制御手段23は、上記のように、各放射線検出素子7の所定のリセット処理を行うとともに、電流検出手段41等を起動させて、放射線の照射が開始されたか否かの監視を続ける。
 このように構成すれば、画像データの読み出し処理や画像データの送信等の比較的大きな電力が消費される処理のみをメイン制御手段22で行い、それ以外の放射線の照射の監視等の処理は、メイン制御手段22では行わず、少ない消費電力で稼働するサブ制御手段23で行うことが可能となるため、バッテリ40の電力の消耗を抑制することが可能となる。
 なお、画像データの読み出し処理の後に、各放射線検出素子7に暗電荷等を蓄積させて読み取るいわゆるダーク読取処理が行われる場合があるが、このダーク読取処理は、上記の画像データの読み出し処理と同じようにして行われるため、メイン制御手段22が適宜のタイミングで覚醒されて行われる。また、他の処理も適宜行われ、その際、必要に応じてメイン制御手段22が適宜覚醒されて行われる。
 以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、放射線の照射の開始を検出するための電流検出手段41を走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとの間等に設け、それらの間を流れる電流や各走査線5を流れる電流を検出するように構成した。
 このように構成すれば、TFT(スイッチ手段)8のソース電極8sとゲート電極8gとで形成される寄生容量cが、集光面の面積が大きいため大きくならざるを得ない放射線検出素子7のフォトダイオード部分の寄生容量Cよりも格段に小さいことを利用して、電流検出手段41で発生する電圧のノイズによりTFT8部分で発生するノイズ電荷を非常に小さいものとすることが可能となる。
 そのため、TFT8部分で発生した微小なノイズ電荷が放射線検出素子7側に伝達されて、放射線の照射により放射線検出素子7のフォトダイオード部分に発生する電荷に重畳されたとしても、その影響は、従来のようにバイアス線9に設けられた電流検出手段によるバイアス電圧に対するノイズが放射線検出素子7の大きな寄生容量Cで増幅されて大きなノイズ電荷が重畳される場合に比べれば、非常に小さいものとなる。
 このように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、各放射線検出素子7から読み出され最終的に得られる画像データに、電流検出手段41で発生した電圧のノイズの影響がごく僅かにしか重畳されないようにすることが可能となるため、ノイズ電荷の影響を確実に低減することが可能となり、最終的に得られる放射線画像の画質、特にその粒状性が悪化する等の問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
 なお、上記のように、本実施形態では、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出した後も、電流検出手段41を作動させ続け、電流検出手段41で検出された電流値(電圧値V)に基づいて放射線の照射の終了まで検出する場合について説明した。しかし、上記のように電流検出手段41により発生するノイズの影響を考慮すると、放射線の照射の開始を検出した後は電流検出手段41の作動を停止した方がノイズの影響はより低減される。
 そのため、サブ制御手段23が電流検出手段41から出力された電流の値(或いはそれに相当する電圧値V)に基づいて放射線の照射の開始を検出した際に、電源供給手段45(図9参照)から電流検出手段41の差動アンプ41cへの電力の供給を停止し、スイッチ41dをオン状態として、電流検出手段41の機能を停止させるように構成することが可能である。
 そして、この場合、電流検出手段41からの電流の値(或いは電圧値V)に基づいて放射線の照射の終了を検出できなくなるが、その場合には、所定時間を予め設定しておき、サブ制御手段23は、電流検出手段41が検出した電流の値(或いは電圧値V)が増加して放射線の照射の開始を検出した後、当該所定時間が経過した時点で放射線の照射が終了したと判断するように構成することが可能である。
 このように構成すれば、放射線の照射の開始を検出した後に電流検出手段41の作動を停止することで、電流検出手段41で発生するノイズの影響をより低減することが可能となるとともに、放射線の照射の開始を検出した後、所定時間が経過した時点で放射線の照射が終了したと判断することで、リセット処理やダーク読取処理等のその後の処理を適切に行うことが可能となる。
 また、本実施形態では、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始や終了を検出する際、ゲートドライバ15bから各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧を印加して各TFT8をオフ状態としておく場合について説明した。しかし、このように構成すると、各TFT8をオフ状態とした後、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されるまでの時間が長くなると、放射線検出素子7の熱による熱励起等により発生する暗電荷が各放射線検出素子7内に蓄積する量が増大してしまう場合がある。
 そのため、本実施形態のように各TFT8を完全にオフ状態とする代わりに、各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧或いはオン電圧を調整して印加し、放射線の照射の開始を検出する際は、各TFT8が僅かに開いているように構成することが可能である。この場合、各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧は、印加する電圧を低下させた場合にオフ状態となる境界の電圧値、すなわちTFT8を流れる電流がちょうど0になる場合の境界の電圧値から、所定値だけ僅かに高い電圧が印加されるように調整される。
 このように構成すれば、電流検出手段41が検出した電流の値(或いは電圧値V)に基づいて放射線の照射の開始を的確に検出することが可能となるとともに、各TFT8が僅かに開いているために、各放射線検出素子7内で暗電荷が発生してもそれを的確に放射線検出素子7内から除去することが可能となり、暗電荷が各放射線検出素子7内に蓄積することの弊害を的確に回避することが可能となる。
 さらに、上記のように放射線の照射の開始が検出されるまで各TFT8を僅かに開いておく代わりに、放射線の照射の開始が検出されるまでは、各TFT8のゲート電極8gにオン電圧を印加して、各TFT8を積極的に開いておくように構成することも可能である。このように構成すれば、各放射線検出素子7内で発生する暗電荷を確実に各放射線検出素子7内から除去することが可能となる。この場合にも、電流検出手段41が検出した電流の値(或いは電圧値V)に基づいて放射線の照射の開始を検出することができる。
 しかし、各TFT8を僅かに開く場合も、或いは、ゲート電極8gにオン電圧を印加して積極的に開く場合も、その後、各TFT8を開いたままにすると、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷がTFT8を介して各放射線検出素子7から全て流出してしまい、各放射線検出素子7内に電荷(画像データ)が蓄積されなくなってしまう。
 そこで、上記のように構成する場合には、サブ制御手段23は、電圧値Vが増加して放射線の照射が開始されたことを検出すると、走査駆動手段15から各走査線5にオフ電圧を印加させ、各走査線5に接続された各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧を印加して全てのTFT8をオフ状態とする。
 また、上記のように構成する場合にも、本実施形態のように放射線の照射の終了を検出するまで電流検出手段41を作動させるように構成することも可能である。
 あるいは、放射線の照射が照射開始からから予め定めた所定時間経過後には終了していると仮定し、各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオフ電圧に切り替える際に、電流検出手段41の作動を停止して、所定時間が経過した時点で放射線の照射が終了したと判断するように構成することも可能である。
 1 放射線画像撮影装置
 5 走査線
 6 信号線
 7 放射線検出素子
 8 TFT(スイッチ手段)
 15 走査駆動手段
 15a 電源回路
 15b ゲートドライバ
 23 サブ制御手段(制御手段)
 41 電流検出手段
 41a 抵抗器
 41d スイッチ
 r 領域
 V 電圧値(電流に相当する電圧値)
 Vp ピーク値

Claims (10)

  1.  互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
     前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線に印加される電圧に応じてオフ状態とオン状態とが切り替えられ、前記オフ状態では前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、前記オン状態では前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
     前記走査線を介して前記スイッチ手段にオン電圧およびオフ電圧を印加するゲートドライバと、前記ゲートドライバに前記オン電圧および前記オフ電圧を供給する電源回路とを備える走査駆動手段と、
     前記電源回路と前記ゲートドライバとの間を流れる電流、または前記走査線を流れる電流を検出する電流検出手段と、
     前記電流検出手段が検出した前記電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
     を備えることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2.  前記電流検出手段は、前記電源回路と前記ゲートドライバとを結ぶ配線に直列に接続された抵抗器と、前記抵抗器の両端子間を短絡可能なスイッチとを備え、放射線の照射の開始を検出する際には前記スイッチの短絡が解除され、それ以外の場合には前記スイッチにより前記抵抗器の両端子間が短絡されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3.  前記制御手段は、前記電流検出手段が検出した前記電流の値が増加した場合に放射線の照射の開始を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  4.  前記制御手段は、前記電流検出手段が検出した前記電流の値が増加して放射線の照射の開始を検出した後、所定時間が経過した時点で放射線の照射が終了したと判断することを特徴とする請求項3に記載の放射線画像撮影装置。
  5.  前記制御手段は、前記電流検出手段が検出した前記電流の値が減少した場合に放射線の照射の終了を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  6.  前記制御手段は、照射された前記放射線の線量を、前記放射線の照射の開始および終了の時間間隔と、前記電流検出手段により検出された前記電流のピーク値とに基づいて算出することを特徴とする請求項5に記載の放射線画像撮影装置。
  7.  前記制御手段は、前記電流検出手段により検出された前記電流の、前記放射線の照射の開始および終了の時間間隔における積分値として、照射された前記放射線の線量を算出することを特徴とする請求項5に記載の放射線画像撮影装置。
  8.  前記制御手段は、前記電流検出手段により検出された前記電流の値に対してバンドパスフィルタ処理を施した値の、前記放射線の照射の開始および終了の時間間隔における積分値として、照射された前記放射線の線量を算出することを特徴とする請求項5に記載の放射線画像撮影装置。
  9.  前記スイッチ手段は、放射線の照射の開始を検出する際はオフ状態とされていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  10.  前記スイッチ手段は、放射線の照射の開始を検出する際は、印加される電圧を低下させた場合にオフ状態となる境界の電圧値から所定値だけ高い電圧が印加されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
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