WO2010073838A1 - 可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム - Google Patents

可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

 バッテリの消耗およびバイアス線等の断線を防止し、かつ、放射線検出素子から余分な電荷を十分に除去可能な可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムを提供する。 可搬型放射線画像撮影装置は、走査線と信号線で区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、各バイアス線を介して各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するバイアス電源と、放射線検出素子ごとに配置されたスイッチ手段と、スイッチ手段に印加する電圧を制御してスイッチ手段のオン/オフを制御する走査駆動手段と、バッテリとを備え、走査駆動手段は、放射線検出素子から余分な電荷を放出させるリセット処理の際に、各走査線を介してスイッチ手段に印加する電圧を制御して、各放射線検出素子からバイアス線に流出する電流を制限する。

Description

可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
 本発明は、可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムに係り、特に、放射線検出素子内に蓄積された余分な電荷を放出させる放射線検出素子のリセット処理を行う可搬型放射線画像撮影装置およびそれを用いた放射線画像撮影システムに関する。
 照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
 このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていた(例えば特許文献1参照)。しかし、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納して可搬とされた可搬型放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。これらの可搬型放射線画像撮影装置では、バッテリが内蔵されている。
 ところで、可搬型放射線画像撮影装置の内部構造は、後述する図3や図4等に示すように、通常、基板4上に互いに交差するように配設された複数の走査線5と複数の信号線6とで区画された各小領域rに、複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されて形成されている。そして、前述したように、放射線検出素子7では照射された放射線の線量に応じてその内部に電荷が発生し、各放射線検出素子7の電荷がそれぞれ読み出され、読み出し回路17で電荷電圧変換され増幅される等して画像データとして取り出される。
 しかし、可搬型放射線画像撮影装置に放射線が照射されない場合でも、放射線検出素子7自体の熱による熱励起等によりその内部で電荷が発生しており、その電荷はいわゆる暗電荷として各放射線検出素子7内に蓄積される。そして、各放射線検出素子7内にこの暗電荷が多量に存在する状態のまま放射線画像撮影を行うと、放射線の照射によって発生した上記の電荷を各放射線検出素子7から画像データとして読み出す際に、この多量の暗電荷が一緒に読み出されて画像データに大きなノイズ成分が重畳される状態になる。
 この暗電荷によるノイズ成分を可能な限り除去するため、放射線画像撮影時には、通常、放射線画像撮影装置に対して放射線が照射される直前等に、放射線検出素子7内等に蓄積された暗電荷等の余分な電荷を除去するためのリセット処理が行われる。また、この放射線検出素子7のリセット処理は、上記のような放射線画像撮影時のみならず、必要に応じて適宜行われる。
 放射線検出素子7のリセット処理においては、図3や図4等に示したように各走査線5に接続された各放射線検出素子7のスイッチ手段であるTFT8(Thin Film Transistor)のゲート電極8gに走査線5を介してオン電圧を印加してTFT8のゲートを開き、TFT8を介して放射線検出素子7内に蓄積された余分な電荷を信号線6に放出させてリセット処理が行われる。
 その際、例えば特許文献4に記載されているように、オン電圧を印加する走査線5を各ラインL1~Lx(後述する図7等参照)ごと、或いは複数(例えば3本)のラインごとに順次切り替えながら、各放射線検出素子7から蓄積された余分な電荷を順次放出させるように構成することも可能である。しかし、放射線画像撮影装置内には、通常、数千~数万本の走査線5が配列されているため、このように各走査線ごとにオン電圧を印加するのでは、放射線検出素子7のリセット処理に比較的大きな時間を要してしまうことになる。
 また、このような場合に放射線検出素子7のリセット処理に要する時間を短縮するために、走査線5の各ラインL1~Lxにオン電圧を印加する時間を短縮すると、各放射線検出素子7から暗電荷等の余分な電荷が放出され切らないうちにTFT8がオフ状態となってしまい、各放射線検出素子7から余分な電荷を十分に除去できなくなる。
 そこで、特許文献4にも記載されているように、走査線5の各ラインL1~Lxに同時にオン電圧を印加して全TFT8を同時にオン状態として、各放射線検出素子7から一斉に蓄積された余分な電荷を放出させるように構成することが可能である。このように構成すれば、各放射線検出素子7から余分な電荷を十分に除去する時間を確保しつつ、全放射線検出素子7のリセット処理に要する時間を短縮することが可能となる。
特開平9-73144号公報 特開2006-058124号公報 特開平6-342099号公報 特開平9-131337号公報
 ところで、放射線検出素子7の一方の電極(図7等に示す第1電極74)には前述したスイッチ手段としてのTFT8が接続されており、リセット処理の際、放射線検出素子7に蓄積された電子・正孔のうち一方の電荷がTFT8を介して信号線6に流出する。また、放射線検出素子7の他方の電極(図7等に示す第2電極78)には、放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するためのバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。そして、リセット処理の際、放射線検出素子7に蓄積された電子・正孔の他方の電荷がバイアス線9に流出し、結線10に集まってバイアス電源14に流入する。
 その場合、特に、放射線画像撮影装置の電源を投入した後など、各放射線検出素子7に電力を供給した後に行われる最初のリセット処理の際には、各放射線検出素子7に比較的大量の電子や正孔が蓄積されている場合がある。そして、その場合に、上記のように全走査線5に同時にオン電圧を印加してリセット処理を行うと、各放射線検出素子7からバイアス線9に蓄積された電荷が流出し、バイアス線9の結線10に電荷が集まって大量の電流が流れる。
 そして、放射線画像撮影装置が長年使用され、このようなバイアス線9や結線10への大量の電荷の流出が繰り返されると、特に結線10の部分に断線が生じてしまう場合があり、結線10等が断線すると、各放射線検出素子7に適切なバイアス電圧が印加されなくなり、各放射線検出素子7の電極(図7等に示す電極78)から余分な電荷が流出しなくなるため、放射線検出素子7で照射された放射線を的確に検出することができなくなる。
 従来の支持台やブッキー装置と一体的に形成された放射線画像撮影装置(FPD)では、支持台等を介してFPDに常時電力が供給されるため、こまめにリセット処理を行うことが可能であり、各放射線検出素子7に大きな電荷が蓄積されないうちに電荷を放出させてバイアス線9や結線10に流れる電流量を小さくすることで、結線10等の断線を防止することが可能である。
 しかし、バッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置では、同様にリセット処理を頻繁に行うと、リセット処理で消費されるバッテリの電力量が増大し、バッテリが消耗してしまうという問題が生じる。そのため、可搬型の放射線画像撮影装置では、放射線画像撮影前などのように必要な場合にのみ放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成せざるを得ないが、その場合には、上記のように結線10等の断線の可能性が生じる。
 そこで、可搬型放射線画像撮影装置においては、バッテリの消耗を防止しつつ、バイアス線9や結線10等の断線を生じないように放射線検出素子7のリセット処理が行われることが求められる。しかも、放射線検出素子7のリセット処理においては、各放射線検出素子7から余分な電荷を確実に除去できることが求められる。
 本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、バッテリの消耗およびバイアス線等の断線を防止し、かつ、放射線検出素子から余分な電荷を十分に除去可能な可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
 前記の問題を解決するために、本発明の可搬型放射線画像撮影装置は、
 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
 前記各放射線検出素子に接続されたバイアス線と、
 前記バイアス線を介して前記各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するバイアス電源と、
 前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線にオン電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を放出させ、接続された前記走査線にオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を前記放射線検出素子内に蓄積させるスイッチ手段と、
 電源回路とゲートドライバとを備え、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御する走査駆動手段と、
を備え、
 前記各手段に電力を供給するバッテリが内蔵されており、
 前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子内に蓄積された余分な電荷を放出させる前記放射線検出素子のリセット処理の際に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御して、前記各放射線検出素子から前記バイアス線に流出する電流を制限することを特徴とする。
 また、本発明の放射線画像撮影システムは、
 外部と通信可能な通信手段を備えた本発明の可搬型放射線画像撮影装置と、
 前記可搬型放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線源と、前記放射線源を起動させるとともに、前記放射線源に放射線の照射開始を指示する照射開始スイッチを備える操作卓と、を備える放射線発生装置と、
を備え、
 前記可搬型放射線画像撮影装置の前記走査駆動手段は、前記通信手段を介して、前記操作卓から送信された前記放射線源の起動信号を受信すると、前記放射線検出素子のリセット処理を開始することを特徴とする。
 本発明のような方式の可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムによれば、異なる複数の電圧値のオン電圧を段階的に印加したり、短いパルス幅のオン電圧を複数回印加する等して、各走査線を介してスイッチ手段(TFT)に印加する電圧を制御することで、後述する図12Bや図16等に示すように、各放射線検出素子からバイアス線や結線に流出する電流が制限され、バイアス線や結線を流れる電流の電流量は、リセット処理時に最初から各スイッチ手段に通常のオン電圧を印加した場合(各図中の一点鎖線参照)に比べてそのピークが低くなる。
 そのため、放射線検出素子のリセット処理が繰り返され、バイアス線や結線に多大な電流が流れることが繰り返されて結線等が断線する確率を確実に低下させることが可能となり、事実上、結線等の断線を防止することが可能となる。また、放射線検出素子のリセット処理を必要以上に頻繁に繰り返す必要がなくなるため、リセット処理を繰り返してバッテリの消費電力量が増大することを的確に防止して、バッテリの消耗を防止することが可能となる。
 さらに、例えば全てのスイッチ素子を同時にオン状態として各放射線検出素子のリセット処理を同時に行うように構成すれば、各放射線検出素子から余分な電荷を十分に除去する時間を確保しつつ、全放射線検出素子のリセット処理に要する時間を短縮することが可能となる。
各実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。 図1におけるA-A線に沿う断面図である。 本実施形態に係る基板の構成を示す平面図である。 図3の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 図4におけるX-X線に沿う断面図である。 COFやPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路図を表す図である。 図7における1画素分についての等価回路図である。 第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置においてスイッチ手段に印加される電圧の電圧値の時間的推移を表すグラフである。 スイッチ手段に第1のオン電圧が印加された状態を表すグラフである。 電流検出手段で検出されるバイアス線の結線を流れる電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 スイッチ手段に印加されるオン電圧が第2のオン電圧に切り替えられた状態を表すグラフである。 電流検出手段で検出されるバイアス線の結線を流れる電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 スイッチ手段に印加されるオン電圧が第3のオン電圧に切り替えられた状態を表すグラフである。 電流検出手段で検出されるバイアス線の結線を流れる電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 放射線の照射が開始されると放射線検出素子内で電荷が発生しバイアス線の結線に流れ出す電流量が増加することを表すグラフである。 走査駆動手段から走査線の各ラインに印加する電圧値のタイミングチャートである。 第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置においてスイッチ手段に印加される電圧の電圧値の時間的推移を表すグラフである。 図15のようにスイッチ手段に電圧を印加した際に電流検出手段で検出されるバイアス線の結線を流れる電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 本実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。 照射開始スイッチの構成を示す図である。 ボタン部が半押しされた状態を説明する図である。 ボタン部が全押しされた状態を説明する図である。 放射線検出素子のスイッチ手段に対するオン電圧の印加のさせ方の一例を示すタイミングチャートである。 放射線検出素子のスイッチ手段に対するオン電圧の印加のさせ方の別の一例を示すタイミングチャートである。 図20のようにオン電圧を印加した場合に正常な放射線検出素子から流出する電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 図20のようにオン電圧を印加した場合に異常な放射線検出素子から流出する電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 スイッチ手段に印加される電圧の電圧値の時間的推移を表すグラフである。 スイッチ手段に印加される電圧がオフ電圧からオン電圧に切り替えられた状態を表すグラフである。 電流検出手段で検出されるバイアス線の結線を流れる電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 仮にスイッチ手段に高いオン電圧を印加し続けた状態を表すグラフである。 全放射線検出素子が正常であると仮定した場合に電流検出手段で検出されるバイアス線の結線を流れる電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 異常な放射線検出素子が存在する状態で図25Aのように電圧を印加し続けた際に電流検出手段で検出されるバイアス線の結線を流れる電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 異常な放射線検出素子が存在する状態で図23のように電圧を印加した際に電流検出手段で検出されるバイアス線の結線を流れる電流の電流量の時間的変化を表すグラフである。 放射線の照射が開始されると放射線検出素子内で電荷が発生しバイアス線の結線に流れ出す電流量が増加することを表すグラフである。 走査駆動手段から走査線の各ラインに印加する電圧値のタイミングチャートである。
 以下、本発明に係る可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
 なお、以下、可搬型放射線画像撮影装置を単に放射線画像撮影装置と表す。また、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。
[放射線画像撮影装置]
[第1の実施の形態]
 図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のA-A線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納された可搬型(カセッテ型)の装置として構成されている。
 筐体2は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面R(以下、放射線入射面Rという。)が放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
 また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ41(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、外部と無線で通信するための通信手段であるアンテナ装置39が埋め込まれている。
 また、図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
 シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300~800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
 基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、それぞれ放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
 このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
 本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも、例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
 そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧が印加され、ゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内で発生し蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧が印加され、ゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内で発生した電荷を放射線検出素子7内に蓄積させるようになっている。
 ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるX-X線に沿う断面図である。
 基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiNx)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a-Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
 ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiNx)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
 また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
 第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
 放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
 また、p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、これに限定されない。
 放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiNx)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
 図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
 本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、IC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
 また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
 ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路図である。
 前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極78にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。
 また、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22は、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を制御するようになっている。なお、本実施形態では、バイアス線9の結線10に、結線10(バイアス線9)を流れる電流の電流量を検出する電流検出手段43が設けられているが、これについては後で説明する。
 また、本実施形態では、放射線検出素子7のp層77側(図5参照)に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極78にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極74側にかかる電圧以下の電圧が印加されるようになっている。
 各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる各走査線5の各ラインL1~Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
 走査駆動手段15は、本実施形態では、電源回路15aとゲートドライバ15bとを備えており、ゲートドライバ15bに接続されている各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧を制御するようになっている。
 具体的には、走査駆動手段15の電源回路15aは、ゲートドライバ15bから各走査線5に印加するオン電圧やオフ電圧の電圧値をそれぞれ所定の電圧値に設定して、ゲートドライバ15bに供給するようになっている。また、走査駆動手段15のゲートドライバ15bは、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)により各走査線5に印加するオン電圧のパルス波のパルス幅やデューティ比を変調できるようになっている。
 走査駆動手段15から各走査線5を介したTFT8に対するオン電圧の印加のさせ方については後で詳しく説明する。
 各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には所定個数の読み出し回路17が設けられており、読み出しIC16が複数設けられることにより、信号線6の本数分の読み出し回路17が設けられるようになっている。
 読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。なお、図7や図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
 本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には初期電圧V0が印加されるようになっている。なお、初期電圧V0は適宜の値に設定される。
 また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で、放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに走査線5を介してオン電圧が印加されると)、当該放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
 増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧値を出力して電荷電圧変換して増幅するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされると、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて増幅回路18がリセットされるようになっている。なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。
 増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、この相関二重サンプリング回路19におけるサンプルホールド機能は、制御手段22から送信されるパルス信号によりそのオン/オフが制御されるようになっている。
 すなわち、相関二重サンプリング回路19は、増幅回路18がリセットされた後、電荷リセット用スイッチ18cがオフ状態とされて、放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され始めた時点で制御手段22から1回目のパルス信号を受信すると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値を保持する。
 そして、その時点から所定時間経過した後、放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積された時点で制御手段22から2回目のパルス信号を受信すると、その時点で再び増幅回路18から出力されている電圧値を保持して、それらの電圧値の差分値を下流側に画像データとして出力するようになっている。
 相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データは、アナログマルチプレクサ21に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段40に出力されて順次保存されるようになっている。
 制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータにより構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段40が接続されている。
 また、制御手段22には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段40、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。このように、バッテリ41は、放射線画像撮影装置1のハウジング2内に内蔵されており、バッテリ41には、外部装置からバッテリ41に電力を供給してバッテリ41を充電する際の接続端子42が取り付けられている。
 前述したように、制御手段22は、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定したり、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御する等の各種の処理を実行するようになっている。
 また、制御手段22は、放射線技師等の操作者により電源スイッチ36が操作される等して手動で、或いは、外部装置からアンテナ装置39を介して無線で、信号が入力されることにより、各部材に対する電力の供給状態を、放射線検出素子7等への電力の供給を停止して必要な部材にのみ電力を供給する省電力モード(sleepモード)と、放射線検出素子7等に電力を供給して放射線画像撮影を可能とする撮影可能モード(wake upモード)との間で切り替えることができるように構成されている。
 省電力モードでは、放射線検出素子7等に電力が供給されないため、バッテリ41の電力消費を抑制することができるが、放射線画像撮影を行うことはできない。また、撮影可能モードでは、放射線検出素子7等の各部材に電力が供給されて放射線検出が可能な状態となるが、バッテリ41の電力が消費される。そのため、制御手段22は、各部材に対する電力の供給状態を撮影可能モードに切り替えた後、所定時間経過しても放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない場合には、各部材に対する電力の供給状態を省電力モードに切り替えるようになっている。
 電流検出手段43は、各バイアス線9が結束された結線10内を流れる電流を検出するようになっている。本実施形態では、電流検出手段43は、図示を省略するが、結線10に直列に接続される所定の抵抗値を有する抵抗と、抵抗の両端子間の電圧を測定する差動アンプとを備えて構成されており、差動アンプで抵抗の両端子間の電圧を測定することで結線10を流れる電流を電圧値に変換して検出するようになっている。
 電流検出手段43に備えられる前記抵抗としては、各バイアス線9や結線10を流れる微弱な電流を増幅して電圧値に変換するために比較的大きな抵抗値を有する抵抗が用いられるようになっており、電流検出手段43は、検出した結線10の電流量に相当する電圧値を制御手段22に出力するようになっている。
 なお、例えば放射線画像撮影時の放射線照射によって放射線検出素子7内に蓄積された電荷を読み出す際に、バイアス線9や結線10等にも電流が流れるが、電流検出手段43の抵抗の抵抗値が比較的大きいと、バイアス線9や結線10等を流れる電流の妨げとなる。
 そのため、電流検出手段43には前記抵抗の両端子間を短絡する図示しないスイッチが設けられており、制御手段22は、通常の状態ではこのスイッチをオン状態として抵抗の両端子間を短絡させておき、バイアス線9や結線10等に流れる電流量に相当する電圧値の情報が必要な場合等にスイッチをオフ状態に切り替えて、電流検出手段43から検出した結線10の電流量に相当する電圧値を制御手段22や走査駆動手段15に出力させるようになっている。
 次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明するとともに、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1における走査駆動手段15から各走査線5を介したTFT8に対するオン電圧の印加のさせ方について説明する。
 放射線画像撮影装置1の制御手段22(図7参照)は、放射線画像撮影を行うために操作者により手動で、或いは外部装置からアンテナ装置39を介して無線で覚醒信号が入力されると、放射線画像撮影装置1の各部材に対する電力の供給状態を省電力モードから撮影可能モードに切り替える。
 走査駆動手段15の電源回路15aには、走査線5を介して各放射線検出素子7のスイッチ手段であるTFT8のゲート電極8gに印加するオフ電圧Voff、すなわち各放射線検出素子7のTFT8を閉じるためのオフ電圧Voffとして、例えば図9に示すように-10[V]の電圧値を印加するように設定されている。
 そして、制御手段22は、各部材に対する電力の供給状態が省電力モードから撮影可能モードに切り替わると走査駆動手段15に信号を送信し、走査駆動手段15の電源回路15aは、制御手段22から信号を受信すると、ゲートドライバ15bに対してオフ電圧Voffを設定する。そして、走査駆動手段15のゲートドライバ15bは、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対してオフ電圧Voffを印加する(時刻T0)。
 また、制御手段22は、各部材に対する電力の供給状態が省電力モードから撮影可能モードに切り替わると、バイアス電源14に信号を送信して、バイアス電源14から各バイアス線9や結線10を介して各放射線検出素子7に対して所定の電圧値のバイアス電圧を印加させる。
 この後、各放射線検出素子7のリセット処理が行われるが、本実施形態では、このリセット処理の際、走査駆動手段15は、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して通常のオン電圧である例えば+15[V]のオン電圧Von3を印加するのではなく、異なる複数の電圧値Von1、Von2、Von3のオン電圧を印加し、オン電圧Von1、Von2、Von3をリセット処理開始時から段階的に増加させるようにして(すなわち、Von1<Von2<Von3)、各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧を制御して、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流Iを制限するようになっている。
 具体的には、図9に示すように、走査駆動手段15の電源回路15aは、まず、ゲートドライバ15bに対して第1のオン電圧Von1を設定する。そして、走査駆動手段15のゲートドライバ15bは、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して第1のオン電圧Von1を印加する(時刻T1)。
 そして、所定の時間が経過した後、走査駆動手段15の電源回路15aは、続いて、ゲートドライバ15bに対して第2のオン電圧Von2を設定する。そして、走査駆動手段15のゲートドライバ15bは、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して第2のオン電圧Von2を印加する(時刻T2)。
 そして、さらに所定の時間が経過した後、走査駆動手段15の電源回路15aは、続いて、ゲートドライバ15bに対して通常のオン電圧である第3のオン電圧Von3を設定する。そして、走査駆動手段15のゲートドライバ15bは、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して第3のオン電圧Von3を印加する(時刻T3)。
 なお、このように、本実施形態では、オン電圧をVon1、Von2、Von3の3段階で引き上げる場合について説明するが、オン電圧を2段階で引き上げるように構成してもよく、或いは4段階以上で引き上げるように構成することも可能である。また、一旦引き上げたオン電圧を途中の段階で引き下げるように構成してもよく、オン電圧を何段階で引き上げるかや、その電圧値をどのように上下させるかは適宜決められる。
 ゲート電極8gに第1のオン電圧Von1が印加されるとTFT8がオン状態となり、各放射線検出素子7から第1電極74付近に溜まっていた余分な電荷(本実施形態では電子)が信号線6にそれぞれ流出する。一方、各放射線検出素子7の反対側の電極である第2電極78付近には第1電極74付近に溜まっていた余分な電荷とは正負が反対の電荷(本実施形態では正孔)が溜まっているが、電荷(電子)の信号線6への流出にあわせて、その電荷(正孔)も各バイアス線9に流出し、結線10を通ってバイアス電源14に流れ込む。
 しかし、本実施形態では、上記のように最初に印加される第1のオン電圧Von1の電圧値は、第3のオン電圧Von3である通常のオン電圧の電圧値(例えば+15[V])よりも低い(図10A参照)。そのため、バイアス電源14に流れ込む電流を電流検出手段43でモニタすると、図10Bに示すように、第1のオン電圧Von1が印加された場合も通常の電圧値のオン電圧(第3のオン電圧Von3)が印加された場合も、各放射線検出素子7の第2電極78からバイアス線9の結線10に流れ込む電流Iは同様に上昇するが、第1のオン電圧Von1が印加された場合(実線)には、通常の電圧値のオン電圧が印加された場合(一点鎖線)より低い値で電流Iの上昇が止まり、緩やかに下降し始める。
 続いて、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して印加されるオン電圧の電圧値が第2の電圧値Von2に引き上げられると(図11A参照)、図11Bに示すように、バイアス線9の結線10に流れ込む電流Iは再度上昇する。しかし、この場合も、印加される第2のオン電圧Von2の電圧値は、第3のオン電圧Von3である通常のオン電圧の電圧値(例えば+15[V])よりも低いため、通常の電圧値のオン電圧が印加された場合(一点鎖線)より低い値で電流Iの上昇が止まり、緩やかに下降し始める。
 そして、最後に、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して印加されるオン電圧の電圧値が通常のオン電圧である第3の電圧値Von3に引き上げられると(図12A参照)、図12Bに示すように、バイアス線9の結線10に流れ込む電流Iは再度上昇する。しかし、この場合、第1のオン電圧Von1が印加されていた時刻T1から時刻T2の間と、第2のオン電圧Von2が印加されていた時刻T2から時刻T3の間に、各放射線検出素子7から既に多くの余分な電荷が流出してしまっている。
 そのため、通常のオン電圧である第3のオン電圧Von3が印加されても、電流Iは、通常の電圧値のオン電圧が印加された場合(一点鎖線)のピーク値までは上昇せず、それより低い値でピークとなり、その後は減少していく。
 なお、各放射線検出素子7から余分な電荷が流出しても、前述したように、各放射線検出素子7内では熱励起等により暗電荷が発生し続けるため、電流Iは0[A]まで下がらず、図12Bに示すように、各放射線検出素子7から流出する暗電荷の総和に相当する電流量Idまでしか減少しない。
 また、このように電流検出手段43により検出されるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが、蓄積電荷のない状態で各放射線検出素子7から流出する暗電荷の総和に相当する電流量Id、或いはそれに近い値まで減少した時点で、全TFT8に印加する電圧を第3のオン電圧Von3からオフ電圧Voffに切り替えて各TFT8をオフ状態とするように構成することも可能である。
 しかし、本実施形態では、放射線画像撮影の直前に行われる放射線検出素子7のリセット処理の場合には、後述するように、電流検出手段43によるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iの変化を監視して放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出するように構成されており、バイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iの変化を監視し易くするため、走査駆動手段15は、時刻T3で走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して第3のオン電圧Von3を印加した後、全TFT8に印加する電圧を第3のオン電圧Von3からオフ電圧Voffに切り替えずに、図9に示したように、所定の時間が経過した時点(時刻T4)でTFT8に印加するオン電圧を第4の電圧値Von4に低下させるようになっている。
 そして、各走査線5を介して各TFT8に対してこの低下させた第4のオン電圧Von4を印加し続け、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始が検出された時点(時刻T5)で全TFT8に印加する電圧を第4のオン電圧Von4からオフ電圧Voffに切り替えるようになっている。以下、この点について説明する。
 放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始(時刻T5)は、例えば放射線画像撮影装置1に放射線の線量を検出する放射線センサ等を取り付けておくことで検出することも可能であるが、本実施形態では、前述したように、電流検出手段43によるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iの変化を監視することにより放射線画像撮影装置1自体で検出するようになっている。
 すなわち、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると、照射された放射線がシンチレータ3で可視光等の別の波長の電磁波に変換され、その電磁波が直下の放射線検出素子7に入射する。入射した電磁波は放射線検出素子7のi層76(図5参照)に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。
 放射線検出素子7内には、バイアス電源14からバイアス線9等を介して印加されたバイアス電圧により所定の電位勾配が形成されているため、放射線検出素子7内で発生した電子正孔対のうち、一方の電荷(本実施形態では電子)が第1電極74側に移動する。また、この一方の電荷と等量の他方の電荷(本実施形態では正孔)は、放射線検出素子7の第2電極78側に移動する。
 その際、TFT8がオン状態とされていれば、放射線検出素子7の第1電極74からTFT8を介して電子が信号線6に流出し、それにあわせて、それと等量の正孔が放射線検出素子7の第2電極78からバイアス線9に流出して結線10中を流れ、電流検出手段43で検出される。このように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、バイアス線9の結線10中を流れる電流の電流量Iが増加するため、電流検出手段43により検出されるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iの変化を監視し、電流量Iが増加したことを検出することで、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出することができる。
 そのため、図9に示したように、時刻T3で全てのTFT8に対して第3のオン電圧Von3を印加した後、引き続き、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始が検出されるまで全TFT8に印加する電圧を第3のオン電圧Von3のまま維持するように構成することも可能である。
 しかし、放射線検出素子7の製造段階では、TFT8をオン状態とすると第1電極74と第2電極78との間があたかも導線で接続されているように電流が流れてしまう異常な放射線検出素子7が形成されてしまう。そして、そのような状況でTFT8に高い第3のオン電圧Von3を印加し続けると、正常な放射線検出素子7では内部で発生する暗電荷に対応する僅かな電流が流れるだけであるが、異常な放射線検出素子7ではあたかも導通しているかのような大きい電流が流れるため、バッテリ41の電力が浪費されてしまう。
 そこで、本実施形態では、図9に示したように、走査駆動手段15は、時刻T3で走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して第3のオン電圧Von3を印加した後もTFT8にオン電圧を印加するが、そのオン電圧を、所定の時間が経過した時点(時刻T4)で第4の電圧値Von4に低下させるようになっている。
 この第4のオン電圧Von4は、この第4のオン電圧Von4をTFT8のゲート電極8gに印加してTFT8をオン状態とした場合にTFT8を流れ得るオン電流の電流量が、正常な放射線検出素子7に流れる、暗電流を含むリーク電流の電流量と同等、或いはそれを少し上回る量になるような電圧値に設定される。
 そのため、正常な放射線検出素子7からは暗電荷に対応する僅かな電流が流出する状態となり、また、異常な放射線検出素子7についても、それから流出する電流量を、正常な放射線検出素子7に流れる暗電流を含むリーク電流の電流量と同量程度まで減少させることが可能となる。そして、バイアス線9の結線10中を流れる電流Iを、各放射線検出素子7から流出する暗電荷の総和に相当する電流量Id(図12B参照)に近い値まで減少させることが可能となるため、バッテリ41の電力の消費を抑制して、バッテリ41の消耗を防止することが可能となる。
 また、放射線の照射が開始されるまで、TFT8に第4のオン電圧Von4を印加し続けることで、放射線の照射が開始されるまでに各放射線検出素子7内で発生する暗電荷が各放射線検出素子7から流出して除去されるため、最終的に得られる画像データの中から、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分を的確に除去することが可能となる。
 そして、図13に示すように、電流検出手段43により検出されるバイアス線9の結線10中を流れる電流の電流量Iが増加することで放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始が検出されると、その時点(時刻T5)で、図9に示したように、全TFT8のゲート電極8gに印加する電圧を第4のオン電圧Von4からオフ電圧Voffに一斉に切り替える。
 なお、時刻T5で放射線の照射が開始されたことが検出されて各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧Voffが印加されると、各TFT8はオフ状態となり、各放射線検出素子7から電荷がほとんど流出しなくなる。
 また、時刻T5以降も、放射線画像撮影のために放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が続き、放射線検出素子7内で電子正孔対が発生し続ける。
 放射線検出素子7内で発生する電子正孔対は、電位勾配により電子が第1電極74側に移動し、正孔が第2電極78側に移動して分離されるが、放射線検出素子7から流出できなくなるため、放射線検出素子7内に蓄積される。そして、各放射線検出素子7内には、被写体を透過して当該放射線検出素子7に照射された放射線のエネルギ(本実施形態では、当該放射線がシンチレータ3に照射されシンチレータ3で変換された電磁波のエネルギ)に比例した電荷が蓄積される。
 そして、放射線の照射が終了すると、走査駆動手段15は、図14に示すように、今度は、ゲートドライバ15bから信号読み出し用のオン電圧Von(本実施形態では第3の電圧値Von3と同じ通常のオン電圧)を印加する走査線5のラインL1~Lxを順次切り替えて(すなわち走査して)、各放射線検出素子7から蓄積された電荷を読み出すようになっている。
 その際、走査線5の各ラインL1~Lxに接続されているTFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonが印加されると、放射線検出素子7の第1電極74に蓄積された電子がTFT8を介して信号線6に放出され、読み出し回路17(図7等参照)で電荷電圧変換されて増幅される等して画像データに変換され、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段40に保存される。
 一方、放射線検出素子7の第1電極74からの電子の流出にあわせて、放射線検出素子7の第2電極78からは蓄積されていた正孔がバイアス線9に流出し、結線10を流れてバイアス電源14に流入する。なお、この放射線検出素子7からの電荷の読み出しの際には、バイアス線9や結線10を流れる電流の電流量Iを検出する必要はないため、制御手段22は、電流検出手段43のスイッチをオン状態として電流検出手段43の抵抗の両端子間を短絡させておく。
 この後は、必要に応じて、ダーク読取処理等が行われる。すなわち、上記のように、本実施形態の放射線画像撮影装置1では、放射線の照射が開始され、各TFT8のゲート電極8gに印加していた第4のオン電圧Von4をオフ電圧Voffに切り替える(時刻T5)までは、各放射線検出素子7内で発生した暗電荷は、TFT8がオン状態となっているため流出し、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分が画像データから除去される。
 しかし、時刻T5に電圧がオフ電圧Voffに切り替えられて各TFT8がオフ状態とされた後は、各放射線検出素子7内で発生した暗電荷は各放射線検出素子7内に蓄積される。そして、各放射線検出素子7内に蓄積された暗電荷は、上記の走査線5の各ラインL1~Lxごとの各放射線検出素子7からの画像データの読み出しの際(時刻T6~T6)に画像データとともに読み出される。
 そのため、各放射線検出素子7の画像データには、時刻T5から各ラインごとの読み出し開始時刻T6~T6までの各期間ΔT~ΔTに各放射線検出素子7内に蓄積された暗電荷に対応するオフセット分がそれぞれ含まれている。このオフセット分を画像データから差し引くことで、放射線の照射により発生した真の電荷に対応する画像データが得られる。そして、このオフセット分を算出する処理がダーク読取処理である。
 ダーク読取処理では、走査線5の最終ラインであるラインLxまでの各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が終了すると、まず、上記と同様にして、各放射線検出素子7のリセット処理が行われる。
 リセット処理では、時刻T7に各TFT8に印加する電圧をオフ電圧Voffから第1のオン電圧Von1に切り替え、図14では記載を省略する時刻T8にオン電圧を第1の電圧値Von1から第2の電圧値Von2に上昇させ、時刻T9にオン電圧を第2の電圧値Von2から通常のオン電圧の電圧値である第3の電圧値Von3に上昇させて、時刻T10に各TFT8に印加するオン電圧を第3のオン電圧Von3から第4のオン電圧Von4に低下させる。そして、時刻T11に各TFT8に印加する電圧を第4のオン電圧Von4からオフ電圧Voffに切り替える。
 時刻T11に電圧がオフ電圧Voffに切り替えられて各TFT8がオフ状態とされると、その後、各放射線検出素子7内で発生した暗電荷は各放射線検出素子7内に蓄積される。そして、ダーク読取処理では、放射線画像撮影装置1に放射線を照射せずに、走査線5の各ラインL1~Lxごとに放射線画像撮影の場合と同じ各期間ΔT~ΔTだけ放置して、各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させる。
 ダーク読取処理における各期間ΔT~ΔTに各放射線検出素子7に蓄積される暗電荷は、放射線画像撮影時における各期間ΔT~ΔTに各放射線検出素子7に蓄積される暗電荷とそれぞれ等量になるはずであるから、各期間ΔT~ΔT経過した後、上記と同じタイミングで、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから信号読み出し用のオン電圧Vonを印加する走査線5のラインL1~Lxを順次切り替えて(すなわち走査して)、各放射線検出素子7から蓄積された暗電荷を読み出し、読み出し回路17で電荷電圧変換して増幅する等、上記と同様の処理を行って、それぞれダーク読取値として記憶手段40に保存する。
 このようにして得られたダーク読取値をそのままオフセット分とするように構成することも可能であり、また、例えば上記のダーク読取処理を複数回行って、各放射線検出素子7ごとに得られた複数回分のダーク読取値の平均値等を算出する等して、それをオフセット分とするように構成することも可能である。このようにしてダーク読取処理を行うことで、画像データを補正するためのオフセット分を的確に取得することが可能となる。
 また、上記のように、本発明に特有の各放射線検出素子7のリセット処理は、放射線画像撮影のために放射線画像撮影装置1の各部材に対する電力の供給状態を省電力モードから撮影可能モードに切り替えた場合だけでなく、ダーク読取処理のためのリセット処理(図14の時刻T7~T11参照)等においても行われる。
 以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、異なる複数の電圧値Von1、Von2、Von3のオン電圧を印加し、オン電圧Von1、Von2、Von3をリセット処理開始時から段階的に増加させるようにして、各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧を制御する。
 そのため、図12Bに示すように、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流Iが制限され、バイアス線9や結線10を流れる電流の電流量Iは、リセット処理時に最初から各TFT8に通常のオン電圧を印加した場合(図中の一点鎖線参照)に比べてそのピークが低くなる。そのため、放射線検出素子7のリセット処理が繰り返され、バイアス線9や結線10に多大な電流が流れることが繰り返されて結線10等が断線する確率を確実に低下させることが可能となり、事実上、結線10等の断線を防止することが可能となる。
 また、放射線検出素子7のリセット処理を必要以上に頻繁に繰り返す必要がなくなるため、リセット処理を繰り返してバッテリの消費電力量が増大することを的確に防止して、バッテリの消耗を防止することが可能となる。さらに、全てのTFT8を同時にオン状態として各放射線検出素子7のリセット処理を同時に行うように構成すれば、各放射線検出素子7から余分な電荷を十分に除去する時間を確保しつつ、全放射線検出素子7のリセット処理に要する時間を短縮することが可能となる。
[第2の実施の形態]
 上記の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1~Lxを介して各TFT8に印加するオン電圧の電圧値を第1の電圧値Von1から第2の電圧値Von2を経て第3の電圧値Von3に段階的に変化(増加)させることで、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流Iを制限する場合について説明した。
 しかし、TFT8に印加する電圧を制御して、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流Iを制限する手法としては、この他にも、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1~Lxを介して各TFT8に印加するオン電圧のパルス幅やデューティ比を変調させて、時間的に短いパルス幅のオン電圧を複数回印加するようにして、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流Iを制限することも可能である。第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置では、このようにしてバイアス線9や結線10に流出する電流Iを制限する場合について説明する。
 第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置では、各手段等の構成は上記の第1の実施形態の場合と同様であるので、第1の実施形態と同じ符号を付して説明する。また、第1の実施形態では、走査駆動手段15から各TFT8のゲート電極8gに対して図9に示したような各電圧をそれぞれ印加したが、本実施形態では、走査駆動手段15から各TFT8のゲート電極8gに対して、図15に示すような短いパルス幅のオン電圧Vonを複数回印加するようになっている。
 なお、本実施形態では、オン電圧の電圧値Vonは、上記の第1の実施形態における通常のオン電圧の電圧値Von3(信号読み出し用のオン電圧Vonに等しい。)が印加されるようになっているが、これ以外の電圧値のオン電圧を印加するように構成することも可能である。
 本実施形態では、走査駆動手段15は、制御手段22が放射線画像撮影装置の各部材に対する電力の供給状態を省電力モードから撮影可能モードに切り替える等して送信した信号を受信すると、図15に示すように、ゲートドライバ15bから走査線5の全ラインL1~Lxを介して全てのTFT8のゲート電極8gに例えば-10[V]のオフ電圧Voffを印加する(時刻t0)。
 そして、走査駆動手段15は、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonを印加し(時刻t1)、所定の時間が経過した後(すなわち予め設定されたパルス幅のオン電圧Vonの印加が終了した後)、TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧Vonからオフ電圧Voffに切り替える(時刻t2)。
 走査駆動手段15は、その後、このTFT8のゲート電極8gに印加する電圧のオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの切り替えを、本実施形態では、予め設定された回数(複数回)だけ繰り返す(時刻t3~t7)。
 このようにTFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で切り替えた場合、まず、時刻t1でTFT8のゲート電極8gにオン電圧Vonが印加されてTFT8がオン状態となると、各放射線検出素子7の第1電極74付近に溜まっていた余分な電荷(本実施形態では電子)がTFT8を介して信号線6にそれぞれ流出する。
 一方、各放射線検出素子7の反対側の電極である第2電極78付近には第1電極74付近に溜まっていた余分な電荷とは正負が反対の電荷(本実施形態では正孔)が溜まっているが、電荷(電子)の信号線6への流出にあわせて、その電荷(正孔)も各バイアス線9に流出し、結線10を通ってバイアス電源14に流れ込む。
 そのため、バイアス電源14に流れ込む電流を電流検出手段43でモニタすると、図16に示すように、各放射線検出素子7からバイアス線9の結線10に流れ込む電流Iが上昇する。そして、そのTFT8のゲート電極8gにそのままオン電圧Vonを印加し続けると、図中一点鎖線で示すように、従来の放射線画像撮影装置の場合と同様に、各放射線検出素子7からバイアス線9の結線10に流れ込む電流Iが上昇し続け、最大値にまで達する。
 しかし、本実施形態では、各放射線検出素子7からバイアス線9の結線10に流れ込む電流Iが最大値に達する以前に、TFT8のゲート電極8gに印加される電圧がオン電圧Vonからオフ電圧Voffに切り替えられるようになっており、時刻t2で電圧がオフ電圧Voffに切り替えられてTFT8がオフ状態となると、各放射線検出素子7からTFT8を介して信号線6に流出する余分な電子の流れが遮断されて止まる。そして、それにあわせて各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する余分な正孔の流れも止まり、各放射線検出素子7からバイアス線9の結線10に流れ込む電流Iが減少し始める。
 そして、TFT8に印加される電圧がオン電圧Vonに切り替えられるとバイアス線9の結線10を流れる電流Iが増加し(時刻t3、t5、t7)、TFT8に印加される電圧がオフ電圧Voffに切り替えられるとバイアス線9の結線10を流れる電流Iが減少する(時刻t4、t6)という現象を繰り返しながら、各放射線検出素子7に蓄積された余分な電荷が放出されていく。
 なお、本実施形態においても、前述したように各放射線検出素子7内では熱励起等により暗電荷が発生し続けるため、電流Iは0[A]まで下がらず、図16に示すように、各放射線検出素子7から流出する暗電荷の総和に相当する電流量Idまでしか減少しない。そのため、電流検出手段43により検出されるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが、各放射線検出素子7から流出する暗電荷の総和に相当する電流量Id、或いはそれに近い値まで減少した時点で、全TFT8に印加する電圧のオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間での切り替えを終了するように構成することが可能である。
 本実施形態においても、放射線画像撮影の直前に行われる場合以外の放射線検出素子7のリセット処理においては、走査駆動手段15は、バイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが各放射線検出素子7から流出する暗電荷の総和に相当する電流量Id、或いはそれに近い値まで減少した時点で、全TFT8に印加する電圧のオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間での切り替えを終了し、全TFT8に印加する電圧をオフ電圧Voffに切り替えるようになっている。
 しかし、本実施形態においても上記の第1の実施形態と同様に、放射線画像撮影の直前に行われるリセット処理の場合には、全TFT8に印加する電圧のオン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間での切り替えを終了した時点で(図15の時刻t8参照)、TFT8に印加する電圧をオフ電圧Voffに切り替えずに、上記の第1の実施形態における低下させたオン電圧である第4のオン電圧Von4と同じ電圧値のオン電圧Von4をTFT8に印加するようになっている。
 そして、時刻t9に放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されるまで、各走査線5を介して各TFT8に対してこの低下させた第4のオン電圧Von4を印加し続けるようになっている。その目的や効果、第4のオン電圧Von4として設定すべき電圧値等については、前述した第1の実施形態の場合と全く同様である。
 また、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始(時刻t9)を、例えば放射線画像撮影装置1に取り付けられた放射線センサ等で検出して把握したり、或いは、電流検出手段43によるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iの変化を監視することで検出することも、前述した第1の実施形態で説明したとおりである。
 さらに、放射線画像撮影前の各放射線検出素子7のリセット処理や各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理、或いは、その後のダーク読取処理では、上記の各放射線検出素子7のリセット処理および各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理と同じタイミングでTFT8のゲート電極8gに印加する電圧を制御することも、前述した第1の実施形態で説明した制御(図14参照)と同様にして行われる。
 以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置によれば、放射線検出素子7のリセット処理の際に、前述した特許文献4に記載されたような従来の手法のようにパルス幅が長いオン電圧Vonを1回だけスイッチ手段であるTFT8に印加するのではなく、TFT8に印加するオン電圧Vonのパルス幅やデューティ比を変調させて、このような従来の手法で印加されるオン電圧Vonのパルス幅よりも短いパルス幅のオン電圧VonをTFT8に印加し、かつ、TFT8へのオン電圧Vonの印加を複数回行うように、TFT8に印加する電圧を制御する。
 そのため、図16に示すように、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流Iが制限され、バイアス線9や結線10を流れる電流の電流量Iは、リセット処理時に各TFT8に通常のオン電圧を印加し続けた場合(図中の一点鎖線参照)に比べてそのピークが低くなる。そのため、放射線検出素子7のリセット処理が繰り返され、バイアス線9や結線10に多大な電流が流れることが繰り返されて結線10等が断線する確率を確実に低下させることが可能となり、事実上、結線10等の断線を防止することが可能となる。
 また、放射線検出素子7のリセット処理を必要以上に頻繁に繰り返す必要がなくなるため、リセット処理を繰り返してバッテリの消費電力量が増大することを的確に防止して、バッテリの消耗を防止することが可能となる。さらに、全てのTFT8を同時にオン状態として各放射線検出素子7のリセット処理を同時に行うように構成すれば、各放射線検出素子7から余分な電荷を十分に除去する時間を確保しつつ、全放射線検出素子7のリセット処理に要する時間を短縮することが可能となる。
[第3の実施の形態]
 上記の第1および第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置では、TFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧の電圧値をVon1からVon2、Von3へと増加させるタイミング(第1の実施形態)や、オン電圧Vonのパルス幅等(第2の実施形態)を予め実験的に求めておくことを前提に説明した。それらの場合でも有効にその有利な効果を発揮させることができる。
 しかし、例えば、制御手段22が放射線画像撮影装置の各部材に対する電力の供給状態を省電力モード(sleepモード)から撮影可能モード(wake upモード)に切り替えた後、放射線検出素子7のリセット処理を行うまでの時間が長いと、一般的に、各放射線検出素子7内で発生し蓄積される暗電荷等の余分な電荷の量が多くなり、短いと、余分な電荷の量が少なくなる。
 そのため、各部材に対する電力の供給状態が撮影可能モードに切り替えられた後、放射線検出素子7のリセット処理が行われるまでの時間の長短によって、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流れ出す電流の電流量Iが大きくなったり小さくなったりする。
 また、例えば、放射線画像撮影の対象となる被写体の放射線画像撮影装置1の放射線入射面R(図1参照)に占める割合が小さいと、放射線が被写体を透過せずに放射線入射面Rに直接到達する割合が増加する。このように放射線が放射線入射面Rに直接到達した部分に対応する放射線検出素子7では多くの電子正孔対が発生し、読み出し処理でも発生した電子正孔対の全てを読み出し切れずに、その後に行われるダーク読取処理におけるリセット処理で、比較的大量の電荷がバイアス線9や結線10に流れ出す場合がある。
 しかし、例えば胸部のレントゲン撮影のように、被写体の放射線画像撮影装置1の放射線入射面R(図1参照)に占める割合が大きいと、放射線が被写体を透過せずに放射線入射面Rに直接到達して放射線の強い照射を受ける部分の割合が減るため、ダーク読取処理におけるリセット処理では、上記の場合に比べれば少量の電荷しかバイアス線9や結線10に流れ出さない。
 このように、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流れ出す電流の電流量Iは放射線画像撮影装置の状況に応じて変化する。
 そこで、第3の実施形態では、走査駆動手段15は、放射線検出素子7のリセット処理の際に、電流検出手段43により検出されたバイアス線9の結線10を流れる電流に基づいて走査線5の各ラインL1~Lxを介して各TFT8に印加するオン電圧を制御して、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流を制限するようになっている。
 具体的には、例えば、電流検出手段43により検出されるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iに予め所定の閾値を設定しておき、例えば上記の第2の実施形態において、走査駆動手段15は、電流検出手段43から出力されるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iがこの閾値に達すると、TFT8に印加していたオン電圧Vonをオフ電圧Voffに切り替え、バイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが減少すると、新たにTFT8にオン電圧Vonを印加し、バイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが再度上昇して閾値に達すると、TFT8に印加していたオン電圧Vonをオフ電圧Voffに切り替える。
 このように、走査線5の各ラインL1~Lxを介してTFT8に印加する電圧をオン電圧Vonとオフ電圧Voffの間で切り替える制御を繰り返すように構成することで、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流を制限するようになっている。
 また、上記の第1の実施形態においても、例えば、TFT8に第1のオン電圧Von1を印加して一旦上昇したバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが所定量まで減少した時点で、TFT8に印加する電圧を第2のオン電圧Von2に引き上げ、再度上昇したバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが所定量まで減少した時点で、TFT8に印加する電圧を第3のオン電圧Von3に引き上げる。
 このように、バイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iに応じて走査線5の各ラインL1~Lxを介してTFT8に印加するオン電圧Vonを段階的に引き上げる制御を行うように構成することで、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流を制限することができる。
 以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置によっても、第1および第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置と同様の効果を奏することが可能となる。
 また、本実施形態に係る放射線画像撮影装置によれば、放射線画像撮影装置の状況に応じて変化する各放射線検出素子7に蓄積された余分な電荷の量、すなわち電流検出手段43により検出されるバイアス線9や結線10を流れる電流の電流量Iに基づいて、走査線5の各ラインL1~Lxを介して各TFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧を的確に制御して、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流を、放射線画像撮影装置の状況に応じて確実に制限することが可能となる。
[放射線画像撮影システム]
 上記の第1~第3の実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、放射線センサを設けたり、バイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iを検出する電流検出手段43を活用して、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始や終了を検出する場合について説明した。しかし、放射線画像撮影装置1に放射線センサや電流検出手段43が設けられていないものも多い。
 そのような場合には、放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線発生装置等から放射線の照射の開始や終了を知らせる信号を放射線画像撮影装置1に送信するように構成することが可能である。
 また、実際の放射線発生装置では、放射線発生装置の放射線源が起動されてから放射線が照射されるまでに1秒程度の時間がかかる場合が多い。そのため、放射線源の起動から照射までの時間を使って、放射線画像撮影装置1に放射線画像撮影前のリセット処理を行わせるように構成することが可能である。
 以下では、それを実現するための放射線画像撮影システムについて説明する。図17は、本実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。放射線画像撮影システム50は、図17に示すように、例えば、放射線を照射して図示しない患者の一部である被写体の撮影を行う撮影室R1と、放射線技師等の操作者が被写体への放射線の照射等の操作を行う前室R2とに配置される。
 本実施形態では、撮影室R1には、前述した放射線画像撮影装置1(可搬型放射線画像撮影装置1)を装填可能なブッキー装置51や、被写体に照射する放射線を発生させる図示しないX線管球を備える放射線発生装置の放射線源52、放射線画像撮影装置1と他の装置とが無線通信する際にこれらの通信を中継する無線アンテナ53を備えた無線アクセスポイント(基地局)54等が設けられている。
 また、前室R2には、放射線源52からの放射線の照射開始を指示するための照射開始スイッチ55等を備えた放射線発生装置の操作卓56や、放射線画像撮影装置1に内蔵された後述するタグを検出するタグリーダ57等が設けられている。また、放射線発生装置の操作卓56やタグリーダ57等は、撮影室外に設けられたコンソール58に接続されている。
 コンソール58では、放射線画像撮影システム50で取得された画像データやダーク読取値等を用いて画像処理が行われ、放射線画像の生成等が行われるようになっている。なお、コンソール58を前室R2に設けることも可能である。また、コンソール58には、ハードディスク等で構成された記憶手段59が接続されている。
 放射線画像撮影装置1の構成については第1~第3の実施形態で述べたとおりであるが、本実施形態では、さらに、放射線画像撮影装置1には、図示しないタグが内蔵されている。本実施形態では、タグとして、いわゆるRFID(Radio Frequency IDentification)タグと呼ばれるタグが用いられており、タグには、タグの各部を制御する制御回路や放射線画像撮影装置1の固有情報を記憶する記憶部がコンパクトに内蔵されている。なお、固有情報には、例えば当該放射線画像撮影装置1に割り当てられた識別情報としてのカセッテIDやシンチレータの種類情報、サイズ情報、解像度等が含まれる。
 また、放射線画像撮影装置1は、ブッキー装置51に装填されない、いわば単独の状態で用いることもできるようになっている。すなわち、放射線画像撮影装置1を単独の状態で例えば撮影室R1内に設けられた支持台や図17に示すように臥位撮影用のブッキー装置51B等に配置してその放射線入射面R(図1参照)上に被写体である患者の手等を載置したり、或いは、例えばベッドの上に横臥した患者の腰や足等とベッドとの間に差し込んだりして用いることもできるようになっている。この場合、例えばポータブルの放射線源52B等から、被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線を照射して放射線画像撮影が行われる。
 ブッキー装置51には、放射線画像撮影装置1を所定の位置に保持するためのカセッテ保持部51aが設けられており、カセッテ保持部51aに放射線画像撮影装置1が装填できるようになっている。また、本実施形態では、ブッキー装置51として、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bとがそれぞれ設けられている。また、本実施形態では、各ブッキー装置51A、51Bは、それぞれケーブルや無線アクセスポイント(基地局)54等を介して放射線発生装置の操作卓56等と接続されている。
 撮影室R1には、被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線を照射するX線管球を備える放射線源52が少なくとも1つ設けられている。本実施形態では、立位撮影用および臥位撮影用のブッキー装置51A、51Bに対して1つの放射線源52Aが共用されるようになっている。なお、各ブッキー装置51A、51Bに、別々の放射線源を対応付けて設けるように構成することも可能である。
 放射線源52Aは、例えば撮影室R1の天井からつり下げられて配設されるようになっており、撮影時には後述する操作卓56からの指示に基づいてセットアップされ、図示しない移動手段により所定の位置にまで移動され、放射線の照射方向が所定の方向を向くようにその向きが調整されるようになっている。
 また、本実施形態では、立位撮影用のブッキー装置51Aや臥位撮影用のブッキー装置51Bには対応付けられていないポータブルの放射線源52Bも設けられており、ポータブルの放射線源52Bは、撮影室R1内の任意の場所にも持ち運びでき、任意の方向に放射線を照射できるようになっている。
 なお、本実施形態では、ポータブルの放射線源52Bも、操作卓56からの指示に基づいてセットアップされるようになっているが、この他にも、例えば、操作者が手動でセットアップしたり、放射線画像撮影装置1からポータブルの放射線源52Bに無線信号を送信してセットアップするように構成することも可能である。
 放射線源52のX線管球としては、回転陽極X線管球を用いた放射線源が好ましく用いられる。X線管球は、陰極から放射される電子線を陽極に衝突させることで放射線を発生させるように構成されている場合が多いが、電子線が陽極の同じ位置に衝突し続けると、熱の発生等で陽極が損傷する。そのため、回転陽極X線管球では、陽極を回転させて電子線が衝突する位置が同じ位置にならないようにすることで、陽極の長寿命化が図られるようになっている。
 前室R2には、放射線源52からの放射線の照射開始を指示するための照射開始スイッチ55を備えた放射線発生装置の操作卓56が設けられている。なお、図17では、操作卓56と照射開始スイッチ55とが別体のように記載されているが、必ずしも別体として構成する必要はない。
 操作卓56は、CPUや専用のプロセッサ(processor)を備えるコンピュータで構成されている。また、照射開始スイッチ55は、図18A~図18Cに示すように、棒状のボタン部55aと、ボタン部55aを図中矢印Sで示される方向に押下可能に支持する筐体部55bとで構成されている。そして、ボタン部55aは、図18Aに示すように、筐体部55bから上方に突出した円筒部55a1と、その内部からさらに上方に突出した円柱部55a2とで構成されている。
 そして、図18Bに示すように、操作者により円柱部55a2が円筒部55a1の上端部分まで押し込まれて、ボタン部55aがいわゆる半押しされると、操作卓56から所定の放射線源52に対して起動信号が送信されるようになっており、放射線源52は、起動信号を受信すると、X線管球の陽極の回転を開始して起動するようになっている。この起動信号は、無線アクセスポイント54を介して放射線画像撮影装置1にも送信されるようになっている。
 また、図18Cに示すように、操作者により照射開始スイッチ55のボタン部55aの円筒部55a1と円柱部55a2とが筐体部55bの上端部分までさらに押し込まれて、ボタン部55aがいわゆる全押しされると、操作卓56から所定の放射線源52に対して照射信号が送信されるようになっており、放射線源52は、照射信号を受信すると、放射線を照射するようになっている。この照射信号も、無線アクセスポイント54を介して放射線画像撮影装置1にも送信されるようになっている。
 なお、起動信号や照射信号を、無線アクセスポイント54を介して放射線発生装置の操作卓56や照射開始スイッチ55から放射線画像撮影装置1に送信する代わりに、照射開始スイッチ55の半押しや全押しの状態をそれぞれ検出して、照射開始スイッチ55が半押しされた場合に起動信号(或いは放射線源52を起動したことを表す信号)を放射線画像撮影装置1に送信し、照射開始スイッチ55が全押しされた場合に照射信号(或いは放射線源52から放射線が照射されたことを表す信号)を放射線画像撮影装置1に送信するボタン操作検出手段60を設けるように構成することも可能である。
 なお、照射開始スイッチ55の上記の構成は、本発明に特有の構成ではなく、通常の放射線画像撮影システムの操作卓で多く採用されている構成であり、通常、ボタン部55aを半押ししてから1秒程度の時間が経過した後に全押しすることができるように構成されている。
 また、前室R2の入口の近傍には、前述したRFIDの技術を用いて放射線画像撮影装置1と情報をやりとりするタグリーダ57(図17参照)が設置されており、タグリーダ57は、前室R2や撮影室R1に入室し或いは退室する放射線画像撮影装置1を検出して、その情報をコンソール58に送信するようになっている。そして、コンソール58で撮影室R1や前室R2に存在する放射線画像撮影装置1を管理するようになっている。
 放射線画像撮影装置1は、放射線画像撮影に向けて、放射線技師等の操作者により電源スイッチ36が操作される等して各部材に対する電力の供給状態を省電力モード(sleepモード)から撮影可能モード(wake upモード)に切り替えられて、ブッキー装置51に装填されるなどする。
 そして、放射線画像撮影装置1の放射線入射面R側に患者の一部である被写体がセットされる。なお、本実施形態の放射線画像撮影システム50では、放射線画像撮影装置1は各部材に対する電力の供給状態が撮影可能モードに切り替えられた段階では各放射線検出素子7のリセット処理を開始しないが、この段階で各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成してもよいことは上記の放射線画像撮影装置1の各実施形態で述べたとおりである。
 そして、操作者が前室R2の放射線発生装置の操作卓56に移動して照射開始スイッチ55のボタン部55aを半押しすると、操作卓56から所定の放射線源52に対して起動信号が送信されて、放射線源52がX線管球の陽極の回転を開始して起動するとともに、この起動信号(或いは放射線源52を起動したことを表す信号)が操作卓56や照射開始スイッチ55或いはボタン操作検出手段60から無線アクセスポイント54を介して放射線画像撮影装置1にも送信される。
 起動信号が、無線アクセスポイント54の無線アンテナ53を介して無線で、或いは無線アクセスポイント54からケーブルを通ってブッキー装置51を介して有線で、送信されてくると、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、走査駆動手段15に対して各放射線検出素子7のリセット処理を行うように指示を出す。
 走査駆動手段15は、制御手段22からの指示に応じて、上記の放射線画像撮影装置1の実施形態(特に図9や図14、図15等参照)で説明したように、走査線5の全ラインL1~Lxを介して各放射線検出素子7のスイッチ手段であるTFT8のゲート電極8gに所定の電圧値のオン電圧Vonを印加する。
 すなわち、放射線画像撮影装置1が第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置であれば、走査線5の全ラインL1~Lxを介してTFT8のゲート電極8gに電圧値が異なる各オン電圧Von1、Von2、Von3を電圧値が段階的に増加するように印加する。また、放射線画像撮影装置1が第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置であれば、走査線5の全ラインL1~Lxを介してTFT8のゲート電極8gに短いパルス幅のオン電圧Vonを複数回印加する。
 そして、本実施形態では、いずれの場合もオン電圧Vonの電圧値を低下させて、走査線5の全ラインL1~Lxを介してTFT8のゲート電極8gに対して低下させたオン電圧Von4を印加し続ける。
 そして、操作者が操作卓56の照射開始スイッチ55のボタン部55aを半押しした後、1秒程度の時間が経過してから照射開始スイッチ55のボタン部55aを全押しすると、操作卓56から所定の放射線源52に対して照射信号が送信されて、放射線源52から放射線が照射される。また、この照射信号(或いは放射線源52から放射線が照射されたことを表す信号)が操作卓56や照射開始スイッチ55或いはボタン操作検出手段60から無線アクセスポイント54を介して放射線画像撮影装置1に送信される。
 放射線画像撮影装置1の制御手段22は、操作卓56や照射開始スイッチ55等から送信されてきた照射信号を受信すると、放射線の照射開始を知らせる信号を走査駆動手段15に送信する。走査駆動手段15は、制御手段22からの信号を受信すると、走査線5の全ラインL1~Lxを介してTFT8のゲート電極8gに対して印加していたオン電圧Von4をオフ電圧Voffに切り替えて全てのTFT8をオフ状態にする。
 このようにして、各放射線検出素子7で発生する電荷が各放射線検出素子7に蓄積される。この後の処理は、上記の放射線画像撮影装置1の実施形態で述べた処理と同様に処理が行われ、放射線の照射が終了すると、走査駆動手段15は、例えば図14に示したように、ゲートドライバ15bから信号読み出し用のオン電圧Vonを印加する走査線5のラインL1~Lxを順次切り替えながら、各放射線検出素子7から蓄積された電荷を読み出して画像データに変換して記憶手段40に記憶させる。
 また、その後、ダーク読取処理が行われ、ダーク読取処理では、各放射線検出素子7のリセット処理が行われた後、各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧Voffが印加され、放射線が照射されない状態で所定時間放置された後、走査線5の各ラインL1~Lxごとに各放射線検出素子7内で発生した暗電荷が画像データの読み出し処理と同じタイミングでダーク読取値として読み出されて記憶手段40に記憶される。
 このようにして得られた各放射線検出素子7ごとの画像データやダーク読取値は、コンソール58に送信されてダーク読取値に基づいてオフセット分が算出され、画像データからオフセット分が差し引かれる等して、各放射線検出素子7ごとの最終的な画像データが算出されて、放射線画像が生成される。
 以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、上記の各実施形態における放射線画像撮影装置の効果を有効に発揮することが可能となる。
 また、放射線源52に対して起動信号が送信されて放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7のリセット処理が開始され、放射線源52に対して照射信号が送信されて放射線の照射が検出され各放射線検出素子7のTFT8のゲート電極8gに印加する電圧がオフ電圧Voffに切り替えられるまで1秒程度の時間が存在する。
 そのため、各放射線検出素子7に蓄積されている余分な電荷を十分に放出させて除去することが可能となるとともに、必要以上に長い時間TFT8のゲート電極8gにオン電圧Von4を印加して放射線画像撮影装置1のバッテリ41の電力が浪費されてしまうことを的確に防止することが可能となり、バッテリ41の消耗を防止することが可能となる。
 なお、上記の各実施形態に係る放射線画像撮影装置1や放射線画像撮影システム50では、放射線検出素子7のリセット処理の際、放射線画像撮影装置1の走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1~Lxを介してスイッチ手段である全TFT8に同時にオン電圧Von(第1のオン電圧Von1)を印加する場合について説明した。
 しかし、図3に示したように、基板4の検出部Pに配列された複数の走査線5を、例えば図中の上半分と下半分等の複数のグループに分け、各走査線5を介してスイッチ手段であるTFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧Vonを、それぞれ別の時刻に、かつ、1つのグループに属する走査線5に接続されたTFT8については同時に印加してリセット処理を行うように構成することも可能である。
 このように構成すれば、各グループに属する走査線5にTFT8が接続された各放射線検出素子7からは、グループごとに別のタイミングでバイアス線9や結線10に電流Iが流れ出すため、各グループごとに流れる電流の電流Iをそれぞれ小さくすることが可能となる。
 そのため、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流出する電流Iがより制限され、バイアス線9や結線10を流れる電流の電流量Iのピークをより低下させることが可能となり、放射線検出素子7のリセット処理を繰り返しても、結線10等が断線する確率をより低下させることが可能となる。そして、事実上、結線10等の断線を防止することが可能となる。
[放射線画像撮影前の放射線検出素子のリセット処理について]
 前述したように、上記の実施形態では、放射線画像撮影の直前に行われる放射線検出素子7のリセット処理において、走査駆動手段15は、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対して通常のオン電圧である例えば+15[V]の第3のオン電圧Von3を印加した後、全TFT8に印加する電圧を第3のオン電圧Von3からオフ電圧Voffに切り替えずに、所定の時間が経過した時点でTFT8に印加するオン電圧を第4の電圧値Von4に低下させるように構成されている(図9参照)。この点について、以下、さらに詳しく説明する。
 前述した特許文献4には、このTFT8に対するオン電圧の印加のさせ方について、いくつかの手法が記載されている。例えば図19に示すように、装置に対する放射線の照射が開始されると同時にTFT8にオン電圧を印加して全放射線検出素子7から余分な電荷を放出させてリセット処理を行い、その後、TFT8のゲート電極8gにオフ電圧を印加してTFT8のゲートを閉じて、放射線の照射によって発生した電荷を放射線検出素子7内に蓄積させる。
 また、他の手法として、例えば図20に示すように、まず、TFT8にオン電圧を印加して全放射線検出素子7から余分な電荷を放出させてリセット処理を行った後、TFT8のゲート電極8gにオフ電圧を印加してTFT8のゲートを閉じた時点で装置に対する放射線の照射を開始して、放射線の照射によって発生した電荷を放射線検出素子7内に蓄積させる手法が提案されている。
 これらのいずれの手法によっても、放射線の照射が開始されるまでに各放射線検出素子7内に発生する暗電荷等の余分な電荷は放出されてリセットされるため、放射線の照射開始に発生した暗電荷等によるノイズ成分はともかく、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分についてはそれらが除去された画像データを得ることが可能となる。
 しかしながら、例えば図19に示した手法によると、時刻t21から時刻t22までの間に照射される放射線により発生した電荷はリセット処理により放射線検出素子7から放出されてしまい、放射線検出素子7内には蓄積されないため、その間、放射線が無駄に照射されることになる。また、その分、被写体である患者の被曝線量が多くなってしまうという問題がある。
 また、それを回避するために、TFT8をオン状態とする期間、すなわち時刻t21から時刻t22までの時間間隔を短縮すると、今度は、放射線検出素子7から余分な電荷を十分に除去することができなくなり、画像データ中から、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分を除去するという上記の効果が得られなくなる。そのため、この手法は、実際上、採用し難い。
 そこで、図20に示した手法を採用することが考えられる。そして、この手法を用いれば、放射線検出素子7中に異常な素子が全く存在しないという理想的な装置では、図21に示すように、時刻t24にTFT8のゲート電極8gにオン電圧を印加すると、放射線検出素子7からは、蓄積されている余分な電荷が放出され、信号線6や、放射線検出素子7のTFT8が接続されている電極74とは反対側の電極78(図7や図8等参照)に接続されたバイアス線9に流出する電流iが増加する。
 そして、放射線検出素子7に蓄積されている余分な電荷が放出されていき、TFT8をオン状態とする期間(時刻t24から時刻t25までの時間間隔)を十分にとれば、信号線6やバイアス線9に流れる電流の電流量iを、放射線検出素子7内で発生し続ける僅かな暗電荷に起因する暗電流の電流量idのレベルまで降下させることができる。
 しかし、放射線検出素子7の製造段階で、異常な放射線検出素子7が生じてしまうことは避けられない。通常の放射線検出素子7では、電極78にバイアス電源14(図7や図8等参照)からバイアス線9を介してバイアス電圧が印加されると、電極78と電極74とで形成されるコンデンサのようになって、各電極74、78にそれぞれ電荷が蓄積され、各電極74、78間のi層76等(図5参照)で発生する暗電荷に相当する暗電流の電流量id分とごく僅かのリーク分の電流が各電極74、78から流れ出す状態になる。
 しかし、上記のような異常な放射線検出素子7では、電極78にバイアス電源14からバイアス電圧を印加してTFT8をオン状態とすると、コンデンサというよりも、寧ろ電極74と電極78との間で短絡を生じているかのように、或いは電極74と電極78との間が導線で接続されているのと同等の電流が流れてしまう。
 そのため、そのような放射線検出素子7では、図22に示すように、時刻t24にTFT8のゲート電極8gにオン電圧を印加すると、放射線検出素子7に蓄積されている余分な電荷が放出されて、信号線6等を流れる電流iが増加するが、放射線検出素子7に蓄積されていた余分な電荷が放出されても電流量iが下がらず、或いは、少なくとも暗電流の電流量idのレベルよりも高いレベルまでしか下がらず、比較的大きな電流が流れ続ける。
 そうすると、特にバッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置では、バッテリの電力が浪費され、バッテリが消耗する。また、このバッテリの消耗を回避するためにTFT8をオン状態とする期間(時刻t24から時刻t25までの時間間隔)を短くすると、放射線検出素子7から余分な電荷を十分に除去することができなくなり、画像データ中から、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分を除去するという上記の効果が得られなくなる。
 そこで、可搬型放射線画像撮影装置やそれを用いた放射線画像撮影システムには、異常な放射線検出素子7が存在する場合であっても、バッテリを消耗させることなく、しかも、TFT8をオン状態とする期間を十分にとって放射線検出素子7から余分な電荷を除去することが可能であることが望まれる。
 すなわち、バッテリの消耗を防止し、かつ、放射線検出素子から余分な電荷を十分に除去可能とすることが可搬型放射線画像撮影装置や放射線画像撮影システムに求められる1つの課題となる。
 そして、上記の実施形態における可搬型放射線画像撮影装置1の走査駆動手段15を、放射線画像撮影前に、放射線検出素子7内に蓄積された余分な電荷を放出させる放射線検出素子のリセット処理の際に、各走査線5を介してスイッチ手段であるTFT8に所定の電圧値のオン電圧Vonを印加した後、オン電圧Vonの電圧値を低下させて、放射線の照射が開始されるまで、各走査線5を介してスイッチ手段に対して前記低下させたオン電圧を印加し続けるように構成することで、上記の課題を解決することが可能となる。
 上記の実施形態に係る放射線画像撮影装置1における走査駆動手段15から各走査線5を介したTFT8に対するオン電圧の印加のさせ方について、以下、具体的に説明する。なお、放射線画像撮影装置1の構成は、図1~図8等に示した上記の実施形態の場合と同様であり、説明を省略する。
 放射線画像撮影装置1の制御手段22(図7参照)は、放射線画像撮影を行うために操作者により手動で、或いは外部装置からアンテナ装置39を介して無線で覚醒信号が入力されると、放射線画像撮影装置1の各部材に対する電力の供給状態を省電力モードから撮影可能モードに切り替える。
 走査駆動手段15の電源回路15aには、走査線5を介して各放射線検出素子7のスイッチ手段であるTFT8のゲート電極8gに印加するオフ電圧Voff、すなわち各放射線検出素子7のTFT8を閉じるためのオフ電圧Voffとして、例えば図23に示すように-10[V]の電圧値を印加するように設定されている。
 そして、制御手段22は、各部材に対する電力の供給状態が省電力モードから撮影可能モードに切り替えると走査駆動手段15に信号を送信し、走査駆動手段15の電源回路15aは、制御手段22から信号を受信すると、ゲートドライバ15bに対してオフ電圧Voffを設定する。そして、走査駆動手段15のゲートドライバ15bは、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に対してオフ電圧Voffを印加する(時刻τ0)。
 また、制御手段22は、各部材に対する電力の供給状態が省電力モードから撮影可能モードに切り替えると、バイアス電源14に信号を送信して、バイアス電源14から各バイアス線9や結線10を介して各放射線検出素子7に対して所定の電圧値のバイアス電圧を印加させる。
 各部材に対する電力の供給状態が撮影可能モードに切り替えられ、各部材に電力が供給されてスタンバイ状態になると、走査駆動手段15は、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1~Lxを介して、全てのTFT8に対して、通常のオン電圧である例えば+15[V]のオン電圧Von5を印加する(時刻τ1)。
 なお、図23におけるオン電圧Von5は、図9におけるオン電圧Von3に対応する。また、図23では、走査線5の全てのラインL1~Lxを介して全てのTFT8に印加する電圧を時刻τ1でオフ電圧Voffからオン電圧Von5に切り替える場合が示されているが、図9に示したオン電圧Von1~Von3のように、各TFT8に印加するオン電圧Vonを段階的に増加させるように印加するように構成してもよいことは、上記の実施形態で説明したとおりであり、以下の説明においても同様である。
 ゲート電極8gにオン電圧Von5が印加されるとTFT8がオン状態となり、各放射線検出素子7から第1電極74付近に溜まっていた余分な電荷(本実施形態では電子)が信号線6にそれぞれ流出する。一方、各放射線検出素子7の反対側の電極である第2電極78付近には第1電極74付近に溜まっていた余分な電荷とは正負が反対の電荷(本実施形態では正孔)が溜まっているが、電荷(電子)の信号線6への流出にあわせて、その電荷(正孔)も各バイアス線9に流出し、結線10を通ってバイアス電源14に流れ込む。
 バイアス電源14に流れ込む電流を電流検出手段43でモニタすると、図24Aに示すようにTFT8のゲート電極8gに印加される電圧Vがオフ電圧Voffからオン電圧Vonに切り替わると、図24Bに示すように、各放射線検出素子7の第2電極78から流出した電荷が各バイアス線9を介して結線10に集められ、バイアス電源14に流れ込む電流Iが大きく立ち上がる。
 そして、図21に示したように、各放射線検出素子7が正常で、各放射線検出素子7から流出する電流の電流量iが暗電荷に起因する暗電流の電流量idのレベルまで降下するものであれば、図25Aに示すように、仮にTFT8に通常のオン電圧Von5を印加し続けた場合には、図25Bに示すように、バイアス電源14に流れ込む電流Iが増加して、一旦ピークに達した後、次第に減少していき、各放射線検出素子7から流出する暗電流の電流量idの総和に相当する電流量Idまで減少する。
 このように、全ての放射線検出素子7が正常であれば、TFT8に印加するオン電圧Von5が通常の例えば+15[V]のように高い値のままでも、各放射線検出素子7に溜まっていた余分な電荷が信号線6やバイアス線9に流出した後、バイアス線9等に流れる電流量を、暗電流の電流量idの総和に相当する電流量Idまで低下させることができ、各放射線検出素子7から余分な電荷を十分に除去することが可能となるとともに、バッテリ41の電力の消費を抑制することが可能となる。
 しかし、前述したように、放射線検出素子7の中には、図22に示したように、TFT8をオン状態とするとあたかも電極74と電極78との間が導線で接続されているのと同等の電流が流れてしまう異常な放射線検出素子7が存在する。
 そして、どの程度の数の異常な放射線検出素子7が存在するかにもよるが、このように異常な放射線検出素子7が存在する場合、図25Aに示したようにTFT8に通常のオン電圧Von5を印加し続けると、図26に示すように、バイアス電源14に流れ込む電流Iは、各放射線検出素子7から流出する暗電流の電流量idの総和に相当する電流量Idよりも高い、比較的大きな電流量Irealまでしか減少しない。
 これでは、各放射線検出素子7に溜まっていた余分な電荷が十分に信号線6やバイアス線9に流出するとしても、信号線6やバイアス線9、結線10に流れる電流量が、暗電流の電流量idの総和に相当する電流量Idまで下がらずに、比較的大きな値の電流が流れ続けるため、バッテリ41の電力の消費を抑制することができず、バッテリ41が消耗してしまう。
 そこで、放射線画像撮影装置1では、放射線検出素子7のリセット処理を行う際、走査駆動手段15は、図23に示したように、ゲートドライバ15bに接続された走査線5の全てのラインL1~Lxを介して、各放射線検出素子7のスイッチ手段である全てのTFT8に対して、時刻τ0にオフ電圧Voffを印加する。そして、時刻τ1に通常のオン電圧であるオン電圧Von5を印加した後、時刻τ2でオン電圧の電圧値を電圧値Von6に低下させて、放射線の照射が開始されるまで、各走査線5を介して各TFT8に対してこの低下させたオン電圧Von6を印加し続けるようになっている。なお、図23におけるオン電圧Von6は図9におけるオン電圧Von4に対応し、図23における時刻τ2は図9における時刻T4に対応する。
 その際、低下させたオン電圧の電圧値Von6は、このオン電圧Von6をTFT8のゲート電極8gに印加してTFT8をオン状態とした場合にTFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von6)が、正常な放射線検出素子7に流れる、暗電流を含むリーク電流の電流量ileakを少し上回る量になるような電圧値に設定される。
 すなわち、電圧値がVonのオン電圧をTFT8のゲート電極8gに印加してTFT8をオン状態とした場合に、TFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von)は、TFT8のゲート電極8gに印加したオン電圧の電圧値Vonに依存して変化し、オン電圧の電圧値Vonが小さくなるほどTFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von)が小さくなる。そして、オン電圧の電圧値Vonが閾値Vthまで小さくなると、TFT8を流れ得る電流量が急激に減少する。
 急激に減少したTFT8を流れ得る電流量は、TFT8が通常のシリコン系のトランジスタデバイスの場合でも流れ得るオン電流の電流量と比較して4、5桁程度小さく、本実施形態のような(水素化)アモルファスシリコンTFTの場合には7桁程度小さい。そして、急激に減少したTFT8を流れ得る電流量は、正常な放射線検出素子7に流れる、暗電流を含むリーク電流の電流量ileakを大きく下回る値となる。
 そのため、このようなTFT8を流れ得る電流量が急激に減少する閾値Vthの電圧値をTFT8のゲート電極8gに印加すると、事実上、放射線検出素子7から暗電流はTFT8を介して流れ出なくなり、放射線検出素子7内に蓄積されるようになる。しかし、これでは、放射線の照射が開始されるまでに各放射線検出素子7内に発生する暗電荷等の余分な電荷を放出させて、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分を画像データから除去するという目的を達成することができなくなる。
 また、TFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧をこの閾値Vthより上昇させて、TFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von)を増やしても、TFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von)が、正常な放射線検出素子7に流れる暗電流を含むリーク電流の電流量ileakよりも小さければ、やはり、放射線検出素子7から流出しきれなかった電荷が放射線検出素子7内に蓄積されるようになる。
 そこで、TFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von6)が、正常な放射線検出素子7に流れる暗電流を含むリーク電流の電流量ileakと同じ量、或いは多少余裕をもたせてそれを少し上回る量になるように、低下させたオン電圧の電圧値Von6を設定する。
 そして、放射線検出素子7のリセット処理の際、走査駆動手段15は、図23に示したように、ゲートドライバ15bに接続された走査線5の全てのラインL1~Lxを介して、各放射線検出素子7のスイッチ手段である全てのTFT8に対して、時刻τ0に通常のオフ電圧Voffを印加し、時刻τ1に通常のオン電圧であるオン電圧Von5を印加した後、時刻τ2でオン電圧の電圧値を上記の電圧値Von6に低下させて、そのオン電圧Von6を時刻τ3で放射線の照射が開始されるまで継続して印加する。
 このようにオン電圧Vonを変化させると、時刻τ1に通常のオン電圧であるオン電圧Von5を印加した段階で、正常な放射線検出素子7からも異常な放射線検出素子7からも、ともにそれらに蓄積されている余分な電荷が一斉に信号線6やバイアス線9に放出される。
 そして、時刻τ2以降、オン電圧の電圧値を上記の電圧値Von6に低下させると、上記のように、正常な放射線検出素子7に流れる暗電流を含むリーク電流の電流量ileakは、このオン電圧Von6でTFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von6)より小さい。そのため、正常な各放射線検出素子7からは、このオン電圧Von6の下で、暗電流を含むリーク電流の電流量ileakが流出する。
 なお、このように、このオン電圧Von6の下では、正常な各放射線検出素子7から暗電流を含むリーク電流の電流量ileakの全量がTFT8を介して流出するため、時刻τ2以降に正常な各放射線検出素子7内で発生する暗電荷等も全て流出し、正常な各放射線検出素子7内に新たに電荷が蓄積されることはない。
 一方、異常な放射線検出素子7では、発生する暗電流を含め、TFT8を流れ得る限りの最大電流量imax(Von6)のオン電流が流れる。しかし、上記のように、この場合、TFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von6)は、正常な放射線検出素子7に流れる、暗電流を含むリーク電流の電流量ileakと同じ量、或いはそれを少し上回る量になるように設定される。
 そのため、異常な各放射線検出素子7からは、このオン電圧Von6の下で、正常な放射線検出素子7に流れる暗電流を含むリーク電流の電流量ileakと同量、或いはそれを少し上回る量の最大電流量imax(Von6)のオン電流が流出する。
 なお、オン電圧Von6の下では、異常な各放射線検出素子7からも電流量ileakと同量以上の電流量がTFT8を介して流出するため、時刻τ2以降に異常な各放射線検出素子7内で発生する暗電荷等も全て流出し、異常な各放射線検出素子7内にも新たに電荷が蓄積されることはない。
 放射線検出素子7のリセット処理の際に、上記のように、全てのTFT8に対して、一旦、通常のオン電圧であるオン電圧Von5を印加することで、正常な放射線検出素子7についても異常な放射線検出素子7についても蓄積されている余分な電荷を十分に放出することが可能となるとともに、その後、オン電圧の電圧値を上記の電圧値Von6に低下させてオン電圧Von6の印加を放射線の照射が開始されるまで継続する。
 このように構成することで、正常な放射線検出素子7についてはもちろん、異常な放射線検出素子7についても、それから流出する電流量を、正常な放射線検出素子7に流れる暗電流を含むリーク電流の電流量ileakと同量、或いはそれに近い量まで減少させることが可能となる。
 そのため、放射線検出素子7の中に異常な放射線検出素子7が存在する場合でも、走査駆動手段15から各走査線5を介してTFT8に印加するオン電圧Vonを図23に示したように変化させることにより、図27に示すように、バイアス電源14に流れ込む電流Iを、全放射線検出素子7が正常な放射線検出素子7で構成されている場合の暗電流の電流量idの総和に相当する電流量Id(図25B参照)に近い電流量Id(図27参照)まで減少させることが可能となる。
 また、そのため、バッテリ41の電力の消費を抑制することが可能となる。そして、各放射線検出素子7から余分な電荷を十分に除去することができ、しかも、そのオン電圧Von6の印加が放射線の照射が開始されるまで継続されるため、正常な放射線検出素子7にも、異常な各放射線検出素子7にも、新たに電荷が蓄積されることはない。そのため、最終的に得られる画像データの中から、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分を除去することが可能となる。
 なお、走査駆動手段15がTFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧Vonを、オン電圧Von5からオン電圧Von6に低下させる時刻τ2については、TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオフ電圧Voffからオン電圧Von5に切り替えた時刻τ1から時間経過をカウントし、予め設定された所定時間が経過した時点として設定することが可能である。
 また、TFT8のゲート電極8gにオン電圧Von5を印加して、各放射線検出素子7に溜まっていた余分な電荷を確実に信号線6やバイアス線9に流出させるために、例えば、電流検出手段43で検出されたバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iを走査駆動手段15に送信し、走査駆動手段15で、電流量Iの時間変化率が所定の閾値以下になった時点を時刻τ2として各TFT8に印加するオン電圧をVon6に低下させるように構成することも可能である。
 例えば、所定の閾値を0に設定すれば、TFT8のゲート電極8gにオン電圧Von5を印加して各放射線検出素子7から余分な電荷が流出し、バイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが増加してピークに達し、余分な電荷が十分に信号線6やバイアス線9に流出された時点でオン電圧Vonがオン電圧Von6に低下されるため、各放射線検出素子7に溜まっていた余分な電荷を確実に信号線6やバイアス線9に流出させることが可能となる。
 なお、所定の閾値を他の値に設定することも可能であり、適宜の値に設定される。また、電流検出手段43で検出されたバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iを、走査駆動手段15に送信する代わりに、制御手段22に送信し、制御手段22で、電流量Iの時間変化率が所定の閾値以下になったか否かを判断し、電流量Iの時間変化率が所定の閾値以下になったと判断した時点(時刻τ2)で走査駆動手段15に信号を送信して各TFT8に印加するオン電圧をVon6に低下させるように構成することも可能である。
 一方、走査駆動手段15は、図23に示したように、各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧を時刻τ2で電圧値Von6に低下させた後、時刻τ3で放射線の照射が開始されると、各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧を一斉にオフ電圧Voffに切り替える。なお、図23における時刻τ3は図9における時刻T5に対応する。
 この場合、例えば放射線画像撮影装置1に放射線の照射を検出する図示しない放射線センサを取り付けておき、放射線センサから送信されてくる検出信号に基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたことを検出するように構成することも可能である。
 しかし、本実施形態では、電流検出手段43で検出されるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iを監視することで、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたことを検出するようになっている。
 具体的には、本実施形態では、各TFT8のゲート電極8gに低下されたオン電圧Von6が印加されている状態で放射線画像撮影装置1に放射線が照射される。そして、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると、照射された放射線がシンチレータ3で可視光等の別の波長の電磁波に変換され、その電磁波が直下の放射線検出素子7に入射する。入射した電磁波は放射線検出素子7のi層76(図5参照)に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。
 放射線検出素子7内には、バイアス電源14からバイアス線9等を介して印加されたバイアス電圧により所定の電位勾配が形成されており、放射線検出素子7内で発生した電子正孔対のうち、一方の電荷(本実施形態では電子)が第1電極74側に移動する。また、この一方の電荷と等量の他方の電荷(本実施形態では正孔)は、放射線検出素子7の第2電極78側に移動する。
 この場合、TFT8のゲート電極8gにはオン電圧Von6が印加されていてTFT8がオン状態となっているため、放射線検出素子7の第1電極74側に移動した電子は第1電極74から流出してTFT8を介して信号線6に流出し、放射線検出素子7の第2電極78側に移動した正孔は第2電極78からバイアス線9に流出して結線10中を流れ、電流検出手段43で検出される。そのため、図28に示すように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、バイアス線9の結線10中を流れる電流の電流量Iが増加する。
 そこで、本実施形態では、走査駆動手段15は、時刻τ2でオン電圧の電圧値を電圧値Von6に低下させて、電流検出手段43により検出されるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iが減少した後、電流量Iが再び増加した時点を放射線の照射が開始された時刻τ3として検出し、その時刻τ3で各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧を一斉にオフ電圧Voffに切り替えるようになっている。
 なお、各TFT8のゲート電極8gにオフ電圧Voffが印加されるため各TFT8はオフ状態となり、各放射線検出素子7から電荷がほとんど流出しなくなる。そのため、図28に示すように、放射線の照射が開始された直後には、放射線の照射で各放射線検出素子7内に発生した電荷がバイアス線9に流れ出し、結線10中を流れる電流の電流量Iが増加するが、TFT8がオフ状態となることで、各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10への電荷の流出がほとんどなくなる。
 また、各TFT8がオフ状態とされた後、放射線の照射によって放射線検出素子7内で発生する電子正孔対は、電位勾配により電子が第1電極74側に移動し、正孔が第2電極78側に移動して分離されるが、放射線検出素子7から流出できなくなるため、放射線検出素子7内に蓄積される。そして、各放射線検出素子7内には、被写体を透過して当該放射線検出素子7に照射された放射線のエネルギ(本実施形態では、当該放射線がシンチレータ3に照射されシンチレータ3で変換された電磁波のエネルギ)に比例した電荷が蓄積される。
 そして、放射線の照射が終了すると、走査駆動手段15は、図29に示すように、今度は、ゲートドライバ15bから信号読み出し用のオン電圧Von5を印加する走査線5のラインL1~Lxを順次切り替えて(すなわち走査して)、各放射線検出素子7から蓄積された電荷を読み出すようになっている。
 その際、走査線5の各ラインL1~Lxに接続されているTFT8のゲート電極8gにオン電圧Von5が印加されると、放射線検出素子7の第1電極74に蓄積された電子がTFT8を介して信号線6に放出され、読み出し回路17(図7等参照)で電荷電圧変換されて増幅される等して画像データに変換され、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段40に保存される。
 一方、放射線検出素子7の第1電極74からの電子の流出にあわせて、放射線検出素子7の第2電極78からは蓄積されていた正孔がバイアス線9に流出し、結線10を流れてバイアス電源14に流入する。なお、この放射線検出素子7からの電荷の読み出しの際には、バイアス線9や結線10を流れる電流の電流量Iを検出する必要はないため、制御手段22は、電流検出手段43のスイッチをオン状態として電流検出手段43の抵抗の両端子間を短絡させておく。
 この後は、必要に応じて、ダーク読取処理等が行われる。すなわち、上記のように、本実施形態の放射線画像撮影装置1では、放射線の照射が開始され、各TFT8のゲート電極8gに印加していたオン電圧Von6をオフ電圧Voffに切り替える(時刻τ3)までは、各放射線検出素子7内で発生した暗電荷は、TFT8がオン状態となっているため流出し、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分が画像データから除去される。
 しかし、時刻τ3に電圧がオフ電圧Voffに切り替えられて各TFT8がオフ状態とされた後は、各放射線検出素子7内で発生した暗電荷は各放射線検出素子7内に蓄積される。そして、各放射線検出素子7内に蓄積された暗電荷は、上記の走査線5の各ラインL1~Lxごとの各放射線検出素子7からの画像データの読み出しの際(時刻τ4~τ4)に画像データとともに読み出される。
 そのため、各放射線検出素子7の画像データには、時刻τ3から各ラインごとの読み出し開始時刻τ4~τ4までの各期間ΔT~ΔTに各放射線検出素子7内に蓄積された暗電荷に対応するオフセット分がそれぞれ含まれている。このオフセット分を画像データから差し引くことで、放射線の照射により発生した真の電荷に対応する画像データが得られる。そして、このオフセット分を算出する処理がダーク読取処理である。
 ダーク読取処理では、走査線5の最終ラインであるラインLxまでの各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が終了すると、まず、上記と同様にして、各放射線検出素子7のリセット処理が行われる。リセット処理では、時刻τ5に各TFT8に印加する電圧をオフ電圧Voffからオン電圧Von5に切り替え、図29では記載を省略する時刻τ6にオン電圧を電圧値Von5から電圧値Von6に低下させ、時刻τ7に各TFT8に印加する電圧をオン電圧Von6からオフ電圧Voffに切り替える。
 時刻τ7に電圧がオフ電圧Voffに切り替えられて各TFT8がオフ状態とされると、その後、各放射線検出素子7内で発生した暗電荷は各放射線検出素子7内に蓄積される。そして、ダーク読取処理では、放射線画像撮影装置1に放射線を照射せずに、走査線5の各ラインL1~Lxごとに放射線画像撮影の場合と同じ各期間ΔT~ΔTだけ放置して、各放射線検出素子7内に暗電荷を蓄積させる。
 ダーク読取処理における各期間ΔT~ΔTに各放射線検出素子7に蓄積される暗電荷は、放射線画像撮影時における各期間ΔT~ΔTに各放射線検出素子7に蓄積される暗電荷とそれぞれ極力等量になるように設定するために、各期間ΔT~ΔT経過した後、上記と同じタイミングで、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから信号読み出し用のオン電圧Von5を印加する走査線5のラインL1~Lxを順次切り替えて(すなわち走査して)、各放射線検出素子7から蓄積された暗電荷を読み出し、読み出し回路17で電荷電圧変換して増幅する等、上記と同様の処理を行って、それぞれダーク読取値として記憶手段40に保存する。
 このようにして得られたダーク読取値をそのままオフセット分とするように構成することも可能であり、また、例えば上記のダーク読取処理を複数回行って、各放射線検出素子7ごとに得られた複数回分のダーク読取値の平均値等を算出する等して、それをオフセット分とするように構成することも可能である。このようにしてダーク読取処理を行うことで、画像データを補正するためのオフセット分を的確に取得することが可能となる。
 また、上記のように、各放射線検出素子7のリセット処理は、放射線画像撮影のために放射線画像撮影装置1の各部材に対する電力の供給状態を省電力モードから撮影可能モードに切り替えた場合だけでなく、ダーク読取処理のためのリセット処理(図29の時刻τ5~τ7参照)等においても行われる。
 以上のように、このように構成された放射線画像撮影装置1では、放射線画像撮影前などに行われる各放射線検出素子7のリセット処理において、放射線検出素子7のスイッチ手段であるTFT8のゲート電極8gに印加する電圧を、一旦、通常のオン電圧である高いオン電圧Von5を印加した後、オン電圧の電圧値を低下させ、放射線の照射が開始されるまでTFT8のゲート電極8gに当該低下させたオン電圧Von6を印加させ続ける。
 そのため、まず、全てのTFT8に対して、一旦、通常のオン電圧である高いオン電圧Von5を印加することで、正常な放射線検出素子7についても異常な放射線検出素子7についても放射線検出素子7に蓄積されている余分な電荷を十分に放出させて除去することが可能となる。また、放射線の照射が開始されるまで、TFT8にオン電圧Von6を印加し続けることで、放射線検出素子7に蓄積されている余分な電荷を十分に放出させて除去することが可能となる。
 また、TFT8のゲート電極8gに印加した高いオン電圧Von5を低下させて低いオン電圧Von6を印加し続けることで、正常な放射線検出素子7についてはもちろん、異常な放射線検出素子7についても、それから流出する電流量を、正常な放射線検出素子7に流れる暗電流を含むリーク電流の電流量ileakと同量程度まで減少させることが可能となる。そのため、バッテリ41の電力の消費を抑制して、バッテリ41の消耗を防止することが可能となる。
 さらに、放射線の照射が開始されるまで、TFT8にオン電圧Von6を印加し続けることで、放射線の照射が開始されるまでに各放射線検出素子7内で発生する暗電荷が各放射線検出素子7から流出して除去されるため、最終的に得られる画像データの中から、少なくとも放射線の照射開始までに発生するノイズ成分を的確に除去することが可能となる。
 なお、低下されたオン電圧Von6の電圧値は、例えば、正常な放射線検出素子7を用いて、TFT8を流れ得るオン電流の最大電流量imax(Von6)が、正常な放射線検出素子7に流れる、暗電流を含むリーク電流の電流量ileakに等しくなる電圧値を測定し、その電圧値に所定の電圧値を加算する等して予め設定される。
 また、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始の検出の場合と同様に、電流検出手段43で検出されるバイアス線9の結線10を流れる電流の電流量Iを監視して、電流量Iが減少することによって放射線の照射が終了したことを検出するように構成することが可能である。また、放射線の照射の終了を検出せず、放射線の照射が開始された時刻τ3から所定の時間が経過した後に、各放射線検出素子7からの電荷(画像データ)の読み出しを開始するように予め設定しておいてもよい。
 さらに、上記の実施形態では、電流検出手段43を設ける場合について説明したが、必ずしも電流検出手段43を設ける必要はなく、例えば、オフ電圧Voffや2種類のオン電圧Von5、Von6の各値や上記の各時間間隔等を予め設定しておき、走査駆動手段15がそれらの設定に従ってリセット処理や読み出し処理、ダーク読取処理等を行うように構成することも可能である。
 また、放射線画像撮影装置1に放射線センサや電流検出手段43が設けられていないものも多く、そのような場合に、図18C等に示したように照射開始スイッチ55のボタン部55aが全押しされた際に放射線画像撮影システム50の操作卓56(図17参照)から無線アクセスポイント54を介して送信される照射信号を、放射線画像撮影装置1が通信手段であるアンテナ装置39等を介して受信すると、放射線画像撮影装置1の走査駆動手段15が各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧Von6からオフ電圧Voffに切り替えるように構成することが可能であることは、上記の放射線画像撮影システム50の実施形態で説明したとおりである。
 また、上記の実施形態で説明した放射線画像撮影システム50における処理は、この場合も同様に実施することが可能である。
 以上のように、このように構成された放射線画像撮影システム50では、上記のように構成された放射線画像撮影装置1の効果を有効に発揮することが可能となる。
 また、各放射線検出素子7のリセット処理において、各放射線検出素子7のTFT8のゲート電極8gに通常のオン電圧である高いオン電圧Von5から低下されたオン電圧Von6が印加される状態が、放射線源52に対して起動信号が送信されてから照射信号が送信されるまで最短で1秒程度になる。
 そのため、各放射線検出素子7に蓄積されている余分な電荷を十分に放出させて除去することが可能となるとともに、必要以上に長い時間TFT8のゲート電極8gにオン電圧Von6を印加して放射線画像撮影装置1のバッテリ41の電力が浪費されてしまうことを的確に防止することが可能となり、バッテリ41の消耗を防止することが可能となる。
 放射線画像撮影を行う分野(特に医療分野)において利用可能性がある。
1 放射線画像撮影装置(可搬型放射線画像撮影装置)
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
9 バイアス線
14 バイアス電源
15 走査駆動手段
15a 電源回路
15b ゲートドライバ
39 アンテナ装置(通信手段)
41 バッテリ
43 電流検出手段
50 放射線画像撮影システム
52 放射線源(放射線発生装置)
55 照射開始スイッチ(放射線発生装置)
56 操作卓(放射線発生装置)
I 電流、電流量
ileak リーク電流
P 検出部
r 領域
Voff オフ電圧
Von オン電圧、信号読み出し用のオン電圧
Von1~Von3 互いに異なる複数の電圧値のオン電圧
Von5 オン電圧
Von6 低下させたオン電圧

Claims (19)

  1.  互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
     前記各放射線検出素子に接続されたバイアス線と、
     前記バイアス線を介して前記各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するバイアス電源と、
     前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線にオン電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を放出させ、接続された前記走査線にオフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内で発生した電荷を前記放射線検出素子内に蓄積させるスイッチ手段と、
     電源回路とゲートドライバとを備え、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御する走査駆動手段と、
    を備え、
     前記各手段に電力を供給するバッテリが内蔵されており、
     前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子内に蓄積された余分な電荷を放出させる前記放射線検出素子のリセット処理の際に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御して、前記各放射線検出素子から前記バイアス線に流出する電流を制限することを特徴とする可搬型放射線画像撮影装置。
  2.  前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子のリセット処理の際には、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する前記オン電圧として互いに異なる複数の電圧値の前記オン電圧を印加することで、前記各放射線検出素子から前記バイアス線に流出する前記電流を制限することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  3.  前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子のリセット処理の際には、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加するオン電圧を前記放射線検出素子のリセット処理開始時から段階的に増加させることで、前記各放射線検出素子から前記バイアス線に流出する前記電流を制限することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  4.  前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子のリセット処理の際には、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する前記オン電圧のパルス幅およびデューティ比を変調させ、かつ、前記スイッチ手段に前記オン電圧を複数回印加することで、前記各放射線検出素子から前記バイアス線に流出する前記電流を制限することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  5.  前記バイアス線を流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
     前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子のリセット処理の際には、前記電流検出手段により検出された前記バイアス線を流れる電流に基づいて前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加するオン電圧を制御して、前記各放射線検出素子から前記バイアス線に流出する電流を制限することを特徴とする請求の範囲第2項から第4項のいずれか一項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  6.  前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子のリセット処理の際に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御する処理を、全ての前記走査線を介して全ての前記スイッチ手段に対して同時に行うことを特徴とする請求の範囲第1項から第5項のいずれか一項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  7.  前記走査駆動手段は、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御する処理を前記走査線を介して前記スイッチ手段に対して同時に行う際に、前記複数の走査線を複数のグループに分け、前記処理を、1つの前記グループに属する前記走査線に接続された全ての前記スイッチ手段に対して同時に行い、それを前記走査線の全ての前記グループについて行うことを特徴とする請求の範囲第6項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  8.  前記バイアス線を流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
     前記走査駆動手段は、前記電流検出手段により検出される前記バイアス線を流れる前記電流の電流量が増加したことにより前記放射線の照射が開始されたことを検出することを特徴とする請求の範囲第1項から第7項のいずれか一項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  9.  前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子のリセット処理を行った後に前記放射線の照射が開始されたことを検出した場合には、前記放射線の照射の終了後、前記走査線を順次切り替えながら前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に信号読み出し用のオン電圧を印加して画像データの読み出し処理を行い、前記各走査線への前記信号読み出し用のオン電圧の印加を終了すると、前記放射線検出素子のリセット処理および前記走査線への順次の前記信号読み出し用のオン電圧の印加処理と同じタイミングで前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御して、前記各放射線検出素子から暗電荷を読み出すダーク読取処理を行うことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  10.  前記走査駆動手段は、放射線画像撮影前に、前記放射線検出素子内に蓄積された余分な電荷を放出させる前記放射線検出素子のリセット処理の際に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に所定の電圧値の前記オン電圧を印加する電圧を制御して、前記各放射線検出素子から前記バイアス線に流出する電流を制限した後、前記オン電圧の電圧値を低下させて、前記放射線の照射が開始されるまで、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に対して前記低下させたオン電圧を印加し続けることを特徴とする請求の範囲第1項から第9項のいずれか一項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  11.  前記低下させた前記オン電圧の電圧値は、前記スイッチ手段を流れるオン電流の電流量が正常な前記放射線検出素子に流れるリーク電流の電流量を上回る量になる電圧値に設定されることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  12.  前記バイアス線を流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
     前記走査駆動手段は、前記放射線画像撮影前の前記放射線検出素子のリセット処理の際に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に所定の電圧値の前記オン電圧を印加し、前記電流検出手段により検出される前記バイアス線を流れる前記電流の電流量の時間変化率が所定の閾値以下になった時点で、前記オン電圧の電圧値を低下させて、前記放射線の照射が開始されるまで、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に対して前記低下させたオン電圧を印加し続けることを特徴とする請求の範囲第10項または第11項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  13.  前記走査駆動手段は、前記放射線画像撮影前の前記放射線検出素子のリセット処理の際に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加した前記オン電圧の電圧値を低下させる処理を、全ての前記走査線を介して全ての前記スイッチ手段に対して同時に行うことを特徴とする請求の範囲第10項から第12項のいずれか一項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  14.  前記走査駆動手段は、前記放射線画像撮影前の前記放射線検出素子のリセット処理の際に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に対して前記オン電圧を印加し続け、前記放射線の照射が開始された後に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する前記電圧を前記オフ電圧に切り替えることを特徴とする請求の範囲第10項から第13項のいずれか一項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  15.  前記走査駆動手段は、前記放射線画像撮影前の前記放射線検出素子のリセット処理の際に、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する前記電圧を前記オフ電圧に切り替える処理を、全ての前記走査線を介して全ての前記スイッチ手段に対して同時に行うことを特徴とする請求の範囲第14項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  16.  前記バイアス線を流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
     前記走査駆動手段は、前記オン電圧の電圧値を低下させた後、前記電流検出手段により検出される前記バイアス線を流れる前記電流の電流量が増加したことにより前記放射線の照射が開始されたことを検出することを特徴とする請求の範囲第10項から第15項のいずれか一項に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  17.  外部と通信可能な通信手段を備えた請求の範囲第1項から第7項のいずれか一項または請求の範囲第10項から第15項のいずれか一項に記載の可搬型放射線画像撮影装置と、
     前記可搬型放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線源と、前記放射線源を起動させるとともに、前記放射線源に放射線の照射開始を指示する照射開始スイッチを備える操作卓と、を備える放射線発生装置と、
    を備え、
     前記可搬型放射線画像撮影装置の前記走査駆動手段は、前記通信手段を介して、前記操作卓から送信された前記放射線源の起動信号を受信すると、前記放射線検出素子のリセット処理を開始することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  18.  前記可搬型放射線画像撮影装置の前記走査駆動手段は、前記放射線検出素子のリセット処理を行った後、前記通信手段を介して、前記操作卓から送信された前記放射線源の照射信号を受信した場合には、前記放射線の照射の終了後、前記走査線を順次切り替えながら前記各走査線を介して前記各スイッチ手段に信号読み出し用のオン電圧を印加して画像データの読み出し処理を行い、前記各走査線への前記信号読み出し用のオン電圧の印加を終了すると、前記放射線検出素子のリセット処理および前記走査線への順次の前記信号読み出し用のオン電圧の印加処理と同じタイミングで前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧を制御して、前記各放射線検出素子から暗電荷を読み出すダーク読取処理を行うことを特徴とする請求の範囲第17項に記載の放射線画像撮影システム。
  19.  前記可搬型放射線画像撮影装置の前記走査駆動手段は、前記通信手段を介して、前記操作卓から送信された前記放射線源の照射信号を受信すると、前記各走査線を介して前記スイッチ手段に印加する前記電圧を前記オフ電圧に切り替えることを特徴とする請求の範囲第17項に記載の放射線画像撮影システム。
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