JP2011185622A - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】線量が小さな放射線が照射された場合であっても放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能な放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1は、複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7と、装置内を流れる電流を検出する電流検出手段43と、電流検出手段43が検出した電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段22と、各放射線検出素子のリセット処理の際に電流検出手段43により検出される前記電流の変化プロファイルが予め記憶されたメモリ40とを備え、制御手段22は、各放射線検出素子のリセット処理の際に、電流検出手段43が検出した電流の値から変化プロファイル中の当該電流の値に対応する値を減じた値ΔVに基づいて放射線の照射の開始を検出する。
【選択図】図7

Description

本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、放射線の照射を検出可能な放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
このような放射線画像撮影装置では、放射線画像撮影装置に対して放射線を照射する放射線発生装置との間のインターフェースの構築が必ずしも容易でない場合があり、放射線を照射した旨の信号を放射線発生装置等の外部装置から入手せず、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射開始や照射終了を検出できるように構成されていると便利である場合がある。
そこで、例えば特許文献4や特許文献5に記載の発明では、放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されて各放射線検出素子内に電荷が発生すると、各放射線検出素子から、各放射線検出素子に接続されているバイアス線に電荷が流れ出してバイアス線を流れる電流が増加することを利用して、その電流値の増減に基づいて放射線の照射の開始等を検出することが提案されている。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 米国特許第7211803号明細書 特開2009−219538号公報
ところで、放射線検出素子は、放射線の照射を受けると、その内部で電荷(正確には電子正孔対)が発生し、その発生する電荷の電荷量が放射線の線量に応じて変わるため、照射された放射線の線量を電気信号(すなわち画像データ)に変換して読み出すことができる。しかし、その一方で、放射線検出素子では、放射線画像撮影装置に放射線が照射されていない状態でも、放射線検出素子自体の熱による熱励起等によりその内部で電子正孔対(すなわちいわゆる暗電荷)が常時発生している。
そして、この暗電荷等の余分な電荷が放射線検出素子内に溜まった状態で放射線が照射されると、放射線の照射により放射線検出素子内で発生した電荷(すなわち画像データとしての電荷)に比べて暗電荷の割合が大きくなり、いわゆるS/N比の悪い画像データしか得られなくなる。そこで、放射線画像撮影装置に放射線を照射して行われる放射線画像撮影の前には、通常、各放射線検出素子に蓄積された暗電荷等の余分な電荷を各放射線検出素子内から除去するためのリセット処理が行われる。そして、放射線検出素子内の余分な電荷をできるだけ排除するために、各放射線検出素子のリセット処理は、放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始される直前まで行われることが望ましい。
一方、各放射線検出素子7のリセット処理は、例えば後述する図7等に示すように、互いに交差するように配設された複数の走査線5と複数の信号線6とにより区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7と、放射線検出素子7ごとに設けられ、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下TFTという。)8で形成されたスイッチ手段を備えて構成された放射線画像撮影装置においては、例えば図25に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧を印加する走査線5のラインL1〜Lxを順次切り替えるようにして、オン状態とするTFT8を順次切り替えながら行われる場合が多い。
具体的には、図25に示すように、ゲートドライバ15bからある走査線5にオン電圧を印加した後、当該走査線5に印加する電圧をオン電圧からオフ電圧に切り替えると同時に次の走査線5に印加する電圧をオフ電圧からオン電圧に切り替えるようにして、1面分のリセット処理Rmを繰り返しながら、各放射線検出素子7のリセット処理が行われる。
このようにして各放射線検出素子7のリセット処理が行われると、ゲートドライバ15b(図7等参照)からオン電圧が印加された走査線5に各TFT8を介してそれぞれ接続されている数百から数千の各放射線検出素子7から各TFT8を介して各信号線6に、暗電荷としての電子正孔対のうち例えば電子がそれぞれ流出し、また、各放射線検出素子7から各バイアス線9に例えば正孔が流出する。
そのため、例えば各バイアス9が収束された結線10上に形成されている電流検出手段43には、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5にオン電圧が印加されるたびに、1本の走査線5に接続された数百から数千個分の各放射線検出素子7から暗電荷としての正孔が電流検出手段43に流れ込む。
そのため、電流検出手段43がバイアス線9や結線10中を流れる電流を例えば電圧値Vに変換して検出するように構成されている場合、各放射線検出素子7のリセット処理中に電流検出手段43で検出される電流に相当する電圧値Vは、例えば図26に示すように、オン電圧が印加される走査線5が切り替わるごとに増減を繰り返すように検出される。なお、図26で矢印を付して示される「ON」は、オン電圧が印加される走査線5が切り替えられるタイミングを表す。
このような状態で、放射線画像撮影装置に放射線が照射されると、照射された放射線の線量が比較的大きい場合には、各放射線検出素子7内で線量に応じて比較的大きな電荷量の電荷(電子正孔対)が発生し、その瞬間にオン電圧が印加されている走査線5に各TFT8を介して接続されている各放射線検出素子7から各信号線6に比較的大きな電荷量の電子がそれぞれ流出し、また、各バイアス線9には比較的大きな電荷量の正孔が流出して結線10に集まる。
そのため、電流検出手段43で検出される結線10中を流れる電流に相当する電圧値Vは、図27に示すように比較的大きな値となる。そして、その際に各放射線検出素子7から流出する暗電荷としての正孔分と合わさって図28に示すように検出される。そのため、例えば、結線10中を流れる電流に相当する電圧値Vに対して予め適切な値の閾値Vthを設定しておくことにより、電圧値Vがこの閾値Vthを越えたことを検出することで、放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されたことを検出することが可能となる。
しかしながら、放射線画像撮影装置に対して照射される放射線の線量が小さいと、電流検出手段43で検出される結線10中を流れる電流に相当する電圧値Vは、図29に示すように小さな値にしかならず、その際に各放射線検出素子7から流出する図26に示したような暗電荷に相当する電圧値Vと合わさると、電流検出手段43で検出される結線10中を流れる電流に相当する電圧値Vは図30に示すような状態で検出される。
このように、放射線画像撮影装置に照射される放射線の線量が小さいと、放射線の照射により各放射線検出素子7内では小さい電荷量の電荷しか発生せず、それによってバイアス線9や結線10中を流れる電流は小さくなる。そして、放射線の照射により発生した電荷に起因して結線10中を流れる電流に相当する電圧値Vが、暗電荷に起因する電流に相当する電圧値Vにいわば埋もれてしまう。
また、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからある走査線5にオン電圧が印加されるたびにバイアス線9や結線10に流出する暗電荷に起因する電流は、いつも同じ値であるとは限らず、ばらつく値になるのが通常である。そのため、図30に示したグラフからも分かるように、放射線画像撮影装置に照射された放射線の線量が小さい場合には、例えば電圧値Vに対して予め適切な閾値を設定することが困難であり、図28に示したように閾値に基づいて放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されたことを検出することができない。
しかし、放射線画像撮影装置を例えば患者の病変部を撮影するための医療用に用いる場合などには、放射線発生装置から照射された放射線が患者の身体等で散乱されたり吸収されたりして、放射線画像撮影装置に弱い放射線しか到達しないような場合もある。従って、放射線画像撮影装置には、このように放射線画像撮影装置に対して弱い放射線すなわち線量が小さい放射線が照射されるような場合であっても、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射の開始等を的確に検出することができることが望まれる。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、線量が小さな放射線が照射された場合であっても少なくとも放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線に印加される電圧に応じてオフ状態とオン状態とが切り替えられ、前記オフ状態では前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、前記オン状態では前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
前記走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるゲートドライバと、前記ゲートドライバに前記オン電圧および前記オフ電圧を供給する電源回路とを備える走査駆動手段と、
装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
電流検出手段が検出した前記電流の値に基づいて、少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
前記各放射線検出素子のリセット処理の際に前記電流検出手段により検出される前記電流の変化プロファイルが予め記憶されたメモリと、
を備え、
前記制御手段は、前記各放射線検出素子のリセット処理の際に、前記電流検出手段が検出した前記電流の値から前記電流の変化プロファイル中の前記電流の値に対応する値を減じた値に基づいて、少なくとも放射線の照射の開始を検出することを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、各放射線検出素子のリセット処理の際に、電流検出手段が検出した装置内のバイアス線や走査線等を流れる電流(或いはそれに相当する電圧値。以下同じ。)の現在の値から、電流の変化プロファイル中のこの現在の電流の値に対応する値を減じた値(差分)に基づいて、放射線画像撮影装置に対して放射線の照射が開始されたことを検出する。
そのため、放射線が照射されていない状態では上記の値(差分)がほぼ0に等しい値になり、放射線が照射された状態では、その線量が小さい場合であっても、放射線の照射により発生した電荷に起因して装置内を流れる電流の分だけ上記の値(差分)が増加し、0とは有意に異なる値になる。そのため、放射線の照射により発生した電荷に起因して増加する装置内を流れる電流を的確に検出することが可能となり、放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となる。
各実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。 図1におけるX−X線に沿う断面図である。 基板の構成を示す平面図である。 図3の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 図4におけるY−Y線に沿う断面図である。 COFやPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 第1および第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 電流検出手段の構成の構成を表す等価回路図である。 第1の実施形態における電圧値の変化プロファイルの一例を表すグラフである。 第1の実施形態の各放射線検出素子のリセット処理におけるオン時間およびオンタイミングを説明するタイミングチャートである。 第1の実施形態において電流検出手段から出力される電圧値から変化プロファイル中の値を減じた差分を表すグラフである。 図12において放射線が照射された場合を表すグラフであり、差分に対して設定された閾値を説明するグラフである。 図12において弱い放射線が照射された場合を表すグラフである。 第1の実施形態において放射線の照射開始が検出されると全走査線にオフ電圧が印加された状態が維持されることを説明するタイミングチャートである。 各放射線検出素子のリセット処理時に印加される電圧値が高いオフ電圧と電荷蓄積時に印加される電圧値が低いオフ電圧を説明するタイミングチャートである。 第2の実施形態において走査線に印加したオン電圧をオフ電圧に切り替えた後、全走査線にオフ電圧を印加する動作を繰り返すリセット処理を説明するタイミングチャートである。 第2の実施形態における電圧値の変化プロファイルの一例を表すグラフである。 電流検出手段から出力される電圧値から図18の変化プロファイル中の値を減じた差分の、放射線が照射された場合を表すグラフである。 第2の実施形態において放射線の照射開始が検出されると全走査線にオフ電圧が印加された状態が維持されることを説明するタイミングチャートである。 抵抗値が異なる複数の抵抗器が設けられた電流検出手段の構成の構成を表す等価回路図である。 全走査線にオン電圧を印加した後、全走査線にオフ電圧を印加する動作を繰り返すリセット処理を説明するタイミングチャートである。 第3の実施形態で電流検出手段を走査線等に接続させるように構成された形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 第3の実施形態の変形例における電流検出手段の構成およびゲートドライバの内部構成等を表す等価回路図である。 通常の各放射線検出素子のリセット処理時に各走査線にオン電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。 通常のリセット処理時に検出されるバイアス線等を流れる電流に相当する電圧値の例を示すグラフである。 放射線画像撮影装置に放射線が照射されたことに起因してバイアス線等を流れる電流に相当する電圧値の例を示すグラフである。 図26と図27の各電流が合わさった電流に相当する電圧値の例を示すグラフであり、電圧値に設定される閾値を説明するグラフである。 放射線画像撮影装置に弱い放射線が照射されたことに起因してバイアス線等を流れる電流に相当する電圧値の例を示すグラフである。 図26と図29の各電流が合わさると放射線の照射により発生した電流に相当する電圧値が暗電荷に起因する電流に相当する電圧値に埋もれてしまうことを説明するグラフである。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。また、放射線画像撮影装置が可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された放射線画像撮影装置に対しても適用される。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納された可搬型(カセッテ型)の装置として構成されている。
筐体2は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面R(以下、放射線入射面Rという。)が放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ41(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、アンテナ装置39が埋め込まれている。
なお、アンテナ装置39の設置位置は蓋部材38の側面部に限らず、放射線画像撮影装置1の任意の位置にアンテナ装置39を設置することが可能である。また、設置するアンテナ装置39は1個に限らず、複数設けることも可能である。さらに、データや信号等を外部装置との間で有線方式で送受信するように構成することも可能であり、その場合は、例えばケーブル等を差し込むなどして接続するための接続端子等が放射線画像撮影装置1の側面部等に設けられる。
筐体2の内部には、図2に示すように、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、それぞれ放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧が印加され、ゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内で発生し蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧が印加され、ゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止し、放射線検出素子7内で発生した電荷を保持して、放射線検出素子7内に蓄積させるようになっている。
ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるY−Y線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiN)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
また、p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。
なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、例えばMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型等の他の形式の放射線検出素子で構成することも可能であり、限定されない。
放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiN)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、後述するゲートドライバ15bを構成するIC12a等のチップがフィルム上に組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極78にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。
また、本実施形態では、放射線検出素子7のp層77側(図5参照)に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極78にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極74側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
本実施形態では、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段は、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を必要に応じて可変させるようになっている。
本実施形態では、バイアス線9の結線10には、結線10(バイアス線9)を流れる電流を検出する電流検出手段43が設けられている。
なお、図7や図8および前述した図3等では、各バイアス線9が1本の結線10に結束される場合が示されており、その場合は、電流検出手段43は1本の結線10に1つだけ設けるように構成することが可能であるが、各バイアス線9が複数の結線10に結束されるように構成される場合もある。その場合には、電流検出手段43を各結線10に設けるように構成することも可能であり、また、複数の結線10のうちの何本かに電流検出手段43を設けるように構成することも可能である。
ここで、電流検出手段43の構成について説明する。本実施形態では、電流検出手段43は、バイアス線9の結線10とバイアス電源14との接続部分に設けられており、バイアス線9の結線10中を流れる電流を電圧値Vに変換して検出するようになっている。
具体的には、電流検出手段43は、図9に示すように、バイアス電源14と各放射線検出素子7とを結ぶバイアス配線9の結線10に直列に接続される所定の抵抗値を有する抵抗器43aと、それに並列に接続されたダイオード43bと、抵抗器43aの両端子間の電圧Vを測定して制御手段22に出力する差動アンプ43cとを備えて構成されている。
そして、電流検出手段43は、差動アンプ43cで抵抗器43aの両端子間の電圧Vを測定し、抵抗器43aを流れる電流、すなわちバイアス線9の結線10を流れる電流を電圧値Vに変換して検出して、制御手段22に出力するようになっている。
なお、電流検出手段43に備えられる抵抗器43aとしては、結線10中を流れる電流を適切な電圧値Vに変換可能な抵抗値を有する抵抗器が用いられる。また、抵抗器43aに並列にダイオード42dを接続することで低線量の場合の検出精度が向上される。なお、抵抗器43aやダイオード43bのいずれかのみを配線に直列に接続して、その両端子間の電圧Vを差動アンプ43cで測定するように構成することも可能である。
また、本実施形態では、電流検出手段43には、バイアス線9の結線10中を流れる電流を検出する必要がない場合に、抵抗器43aの両端子間を短絡するためのスイッチ43dが設けられている。
また、差動アンプ43cには電源供給手段44から電力が供給されるようになっており、電流検出手段43で電流を検出する際には、電源供給手段44から差動アンプ43cに電力が供給され、スイッチ43dの短絡が解除されて電流検出手段43が起動状態とされ、電流を検出しない場合には、スイッチ43dで抵抗器43aの両端子間が短絡されるとともに、電源供給手段44から差動アンプ43cへの電力の供給が停止されて電流検出手段43の起動が停止されるようになっている。
なお、本実施形態では、電流検出手段43は、上記のように、バイアス線9や結線10中を流れる電流を電圧値Vに変換して検出するように構成されているが、電流により結線10の周囲に発生する磁気を検出する等して、電流値そのものを検出するように構成することも可能である。
図7や図8に示すように、各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる各走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、本実施形態では、電源回路15aとゲートドライバ15bとを備えており、ゲートドライバ15bに接続されている各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧およびオフ電圧を制御するようになっている。本実施形態では、電源回路15aは、ゲートドライバ15bに対して各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧およびオフ電圧を供給するようになっている。
また、ゲートドライバ15bは、前述したゲートIC12aが複数並設されて形成されており、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)等により各走査線5に印加するオン電圧のパルス幅等を変調できるようになっている。また、ゲートドライバ15bは、各走査線5にオン電圧を印加する時間間隔、すなわち各走査線5に印加する電圧をオフ電圧からオン電圧に切り替えてから、オフ電圧に切り替えた後で再度或いは次の走査線5にオン電圧に切り替えるまでの時間間隔ΔT(以下、オンタイミングΔTという。)を可変させることができるようになっている。
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、本実施形態では、読み出しIC16には所定個数の読み出し回路17が設けられており、読み出しIC16が複数設けられることにより、信号線6の本数分の読み出し回路17が設けられるようになっている。
読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。なお、図7や図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。なお、基準電位Vは適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で、放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに走査線5を介してオン電圧が印加されると)、当該放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力端子から出力されるようになっている。
増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧を出力して電荷電圧変換して増幅するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cをオン状態とすることで、増幅回路18の入力側と出力側とを短絡し、コンデンサ18bに蓄積された電荷を放電して増幅回路18をリセットすることができるようになっている。
なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。また、図8に示すように、増幅回路18には、電源供給部42から電力が供給されるようになっている。なお、図7では、電源供給部42の図示が省略されている。
増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、この相関二重サンプリング回路19におけるサンプルホールド機能は、制御手段22から送信されるパルス信号によりそのオン/オフが制御されるようになっている。
すなわち、各放射線検出素子7からの画像データの読み出しの際に、相関二重サンプリング回路19は、増幅回路18がリセットされ、電荷リセット用スイッチ18cがオフ状態とされた後、各TFT8がオン状態とされる前の時点で制御手段22から1回目のパルス信号を受信すると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値を保持する。その後、TFT8がオン状態とされ、TFT8や信号線6を介して放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積される。
そして、相関二重サンプリング回路19は、制御手段22から1回目のパルス信号を受信した時点から所定時間経過し、放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積された時点で制御手段22から2回目のパルス信号を受信すると、その時点で再び増幅回路18から出力されている電圧値を保持して、それらの電圧値の差分値を下流側にアナログ値の画像データとして出力するようになっている。
相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データは、アナログマルチプレクサ21に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段40に出力されて順次保存されるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、図7等に示すように、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段40が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段40、バイアス電源14等の各機能部に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。また、バッテリ41には、図示しない充電装置から電力を供給してバッテリ41を充電する際に充電装置とバッテリ41とを接続する接続端子42が取り付けられている。
また、本実施形態では、制御手段22を構成するCPUのRAMや記憶手段40等のメモリには、前述した図25に示したように走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧を印加する走査線5を切り替えながら各放射線検出素子7のリセット処理を行った場合に電流検出手段43により検出される電流に相当する電圧値Vの変化プロファイルが記憶されている。
この電圧値Vの変化プロファイルは、図10に示すように、電流検出手段43から出力される、バイアス線9や結線10を流れる電流に相当する電圧値Vの時間的な変化(推移)を記録したものである。そして、変化プロファイルは、図25に示した各放射線検出素子7のリセット処理のうち、1面分のリセット処理Rm分について記憶されている。すなわち、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の最初のラインL1にオン電圧を印加した後、走査線5の最終ラインLxに印加されたオン電圧がオフ電圧に切り替えられるまでの間の変化プロファイルが記憶されている。
なお、この電圧値Vの変化プロファイルは、放射線画像撮影装置1の工場出荷時等に、図25に示した各放射線検出素子7のリセット処理を実際に行って、予め実験的に求められてメモリに記憶される。また、放射線画像撮影装置1を使用するうちに、変化プロファイルに経時的な変化が生じ得るため、放射線画像撮影装置1のキャリブレーション時等に更新することができるようになっている。
以下、各放射線検出素子7のリセット処理や、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始の検出等における制御手段22の制御構成等について説明するとともに、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用についてもあわせて説明する。
制御手段22は、放射線画像撮影前に、放射線画像撮影装置1の電源スイッチ36(図36参照)が押下されたり外部のコンピュータ等から起動信号が送信される等して放射線画像撮影装置1が起動されたり、放射線画像撮影装置1がいわゆるスリープ状態から覚醒状態に遷移されたりした時点で、走査駆動手段15にトリガ信号を送信して、走査駆動手段15に各放射線検出素子7のリセット処理を開始させるようになっている。
本実施形態では、走査駆動手段15(図7参照)は、ゲートドライバ15bからオン電圧を印加する走査線5のラインL1〜Lxを順次切り替えるようにして、各放射線検出素子7のリセット処理を行うようになっている。
具体的には、本実施形態では、走査駆動手段15は、図25に示したように、ゲートドライバ15bからある走査線5にオン電圧を印加した後、当該走査線5に印加する電圧をオン電圧からオフ電圧に切り替えると同時に次の走査線5に印加する電圧をオフ電圧からオン電圧に切り替えるようにして、1面分のリセット処理Rmを繰り返しながら、各放射線検出素子7のリセット処理を行うようになっている。
すなわち、本実施形態では、図11に示すように、走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を印加する時間Ton(以下、オン時間Tonという。)と、前述したオンタイミングΔTすなわち各走査線5にオン電圧を印加する時間間隔ΔTとが同じになるように設定されている。
なお、放射線画像撮影装置1が起動したり覚醒状態に遷移されたりした時点では、各放射線検出素子7内には、前述したような放射線検出素子7自体の熱による熱励起等により発生した暗電荷や、前回の放射線画像撮影で各放射線検出素子7内で発生した電荷すなわち画像データの読み残し分等の余分な電荷が比較的多く残存している場合がある。
そこで、この各放射線検出素子7のリセット処理が開始された最初の段階では、各放射線検出素子7内に残存する余分な電荷を効率良く除去するために、電流検出手段43(図9参照)のスイッチ43dをオン状態として抵抗器43aの両端子間を短絡させるように構成することが可能である。
制御手段22は、走査駆動手段15が上記のようにして各放射線検出素子7のリセット処理を開始した時点、或いはリセット処理を開始してから所定の時間が経過した時点で、電流検出手段43の電源供給手段44から差動アンプ43cに電力を供給させて電流検出手段43を起動させるようになっている。そして、スイッチ43dをオフ状態として抵抗器43aの両端子間の短絡を解除させるようになっている。
そして、制御手段22は、上記のようにして各放射線検出素子7のリセット処理を行わせながら、電流検出手段43から出力されるバイアス線9や結線10中を流れる電流に相当する電圧値Vから、メモリに記憶されている電圧値Vの変化プロファイル中の前記電圧値Vに対応する値を減じた値に基づいて、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されたか否かを検出するようになっている。
なお、電圧値Vの変化プロファイル中の前記電圧値Vに対応する値とは、各放射線検出素子7のリセット処理において1面分のリセット処理Rmが開始されてから電流検出手段43が現在の電圧値Vを出力した時点までの経過時間tにおける変化プロファイル上の値を意味する。
また、電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル中の値を減ずる減算処理を、制御手段22自身が行うように構成してもよく、或いは、図9に示した電流検出手段43の差動アンプ43cの出力側に図示しない減算回路を設ける等して、減算処理がなされた値を制御手段22に出力するように構成することも可能である。後者の場合、電流検出手段43や減算回路がメモリから電圧値Vの変化プロファイルを読み出して減算処理を行う。
以下、上記のように、電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル中の値を減じた値に基づいて、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射を検出することができる理由について説明する。
図11に示したように走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧を印加する走査線5のラインL1〜Lxを順次切り替えながら各放射線検出素子7のリセット処理を行う場合、走査線5のあるラインLnにオン電圧が印加された際には、当該ラインLnにTFT8を介して接続されている各放射線検出素子7から、主に前回の1面分のリセット処理Rmで印加される電圧がオン電圧からオフ電圧に切り替えられた後に各放射線検出素子7内に蓄積された暗電荷がバイアス線9やその結線10に流出する。
そして、走査線5の当該ラインLnに接続されている数百から数千個の放射線検出素子7から流出した暗電荷に起因する電流(すなわちいわゆる暗電流)が電流検出手段43に流れ込む。各放射線検出素子7からの暗電荷は、今回の1面分のリセット処理Rmで走査線5の当該ラインLnにオン電圧が印加されると一気に流れ出すため、電流検出手段43から出力される電圧値Vの変化プロファイルは、図10や図26に示したように、オン電圧が印加された直後に瞬時に立ち上がり、ピークを過ぎた後は、徐々に減少していくようなプロファイルになる。
その際、前回の1面分のリセット処理Rmで走査線5の当該ラインLnに印加される電圧がオフ電圧に切り替えられた後に各放射線検出素子7内に蓄積される暗電荷の量が、各放射線検出素子7ごとに異なるうえ、ゲートドライバ15bを構成するゲートIC12aの出力特性がゲートIC12aごとに異なるため、図10や図26に示したように、ゲートドライバ15bからオン電圧が印加される走査線5の各ラインL1〜Lxごとに電圧値Vの変化プロファイルのピークの高さ等が変わる。
しかし、本発明者らの研究によれば、1面分のリセット処理Rmを繰り返す場合の走査線5の各ラインL1〜Lxごとの電圧値Vの変化プロファイルは、上記のように走査線5の各ラインL1〜Lxごとに変化プロファイルの形状等が異なるものの、走査線5の各ラインL1〜Lxごとに見た場合には、1面分のリセット処理Rmごとに変化プロファイルの形状等が大きく変化することはなく、1面分のリセット処理Rmごとに良好に再現されるという知見が得られている。
そのため、図12に示すように、電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル(図中の破線参照)中の値を減じた値すなわち差分ΔV(図中の実線参照)は、ほぼ0[V]に等しい値になる。
一方、この状態で、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、前述したように、本実施形態では放射線画像撮影装置1に入射した放射線がシンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が直下の放射線検出素子7のi層76(図5参照)に到達して、放射線検出素子7のi層76内で電子正孔対が発生する。
そして、その時点で走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧が印加されている走査線5にTFT8を介して接続されている放射線検出素子7からは、第1電極74(図7や図8参照)側からTFT8を介して信号線6に電子が流出し、また、第2電極78側から正孔がバイアス線9に流出する。そして、この流出した正孔に起因する電流が電流検出手段43に流れ込む。
また、放射線の照射が開始された時点でゲートドライバ15bからオフ電圧が印加されている走査線5に接続されている放射線検出素子7についても電流が流れる。すなわち、TFT8がオフ状態とされた状態で放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、上記のように放射線検出素子7のi層76内で電子正孔対が発生し、放射線検出素子7内では、第2電極78に対する第1電極74の電位が変化する。
本実施形態では、第2電極78にはバイアス電源14からバイアス線9を介して所定の負の値のバイアス電圧が印加されていて第2電極78の電位が固定されており、i層76内で発生した電子正孔対のうち、正孔が第2電極78側に移動し、電子が第1電極74側に移動するため、第1電極74側の電位が下がる。そして、放射線検出素子7の第1電極74側の電位が下がると、図8に示したTFT8のソース電極8s(図8中ではSと表記されている。)側の電位がそれに伴って下がる。
また、TFT8では、ゲート電極8gとソース電極8sとそれらの間の絶縁層71(図5参照)とで一種のコンデンサが形成されており、ゲート電極8gとソース電極8sとの間に寄生容量が存在している。そして、所定のオフ電圧が印加されていて電位が変わらないTFT8のゲート電極8gに対して、TFT8のソース電極8s側の電位が下がると、TFT8のゲート電極8gとソース電極8sとの電位差が変化する。
そのため、変化した電位差に対応する電荷が、走査駆動手段15の電源回路15aからゲートドライバ15bや各走査線5を通ってTFT8のゲート電極8gに供給される。すなわち各走査線5中を電流が流れる。また、それと等量の電流がTFT8−放射線検出素子7間に流れ、等量の電流が放射線検出素子7−バイアス電源14間、すなわちバイアス線9やその結線10中を流れるのである。
このように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、オン電圧が印加された走査線5に接続されている各放射線検出素子7からも、オフ電圧が印加された走査線5に接続されている各放射線検出素子7からも、ともにバイアス線9に電流が流れ込むため、バイアス線9の結線10中を流れる電流の電流量が増加する。そして、電流量が増加した電流が電流検出手段43に流れるため、電流検出手段43で検出される電流に相当する電圧値Vが上昇する。
そのため、電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル中の値を減じた差分ΔVは、図13に示すように、その時点(図中の時刻t1参照)で急激に上昇する。
そこで、本実施形態では、図13に示すように、上記の差分ΔVに対して、予め閾値ΔVthが設定されており、制御手段22は、減算処理により得られた上記の差分ΔVがこの閾値ΔVthを越えた時点で、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたと判断するようになっている。
このようにして放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出するように構成することで、図13に示したように放射線画像撮影装置1に対して比較的強い放射線(すなわち線量が大きい放射線)が照射された場合は勿論、図14に示すように弱い放射線(すなわち線量が小さい放射線)が照射された場合であっても、閾値ΔVthを予め適切な値に設定しておくことによって、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射の開始を的確に検出することが可能となる。
制御手段22は、上記のようにして、電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル中の値を減じて得られた差分ΔVに基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出すると、走査駆動手段15にトリガ信号を送信して、各放射線検出素子のリセット処理を停止させるようになっている。
走査駆動手段15は、制御手段22からのトリガ信号を受信すると、図15に示すように、各放射線検出素子7のリセット処理を停止して、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧を印加した状態を維持するようになっている。そして、各TFT8がオフ状態とされているため、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷(すなわち画像データ)がそのまま各放射線検出素子7内に蓄積されるようになり、放射線画像撮影装置1は電荷蓄積状態に移行する。
なお、電荷蓄積状態では、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を漏出させずに各放射線検出素子7内に確実に蓄積させるために、走査線5を介して各TFT8に印加されるオフ電圧は、通常、例えば−10[V]等の絶対値が大きな負の電圧値に設定される。
しかし、図11に示した各放射線検出素子7のリセット処理の際には、上記のように、放射線の照射が開始された時点でゲートドライバ15bからオフ電圧が印加されている走査線5に接続されている放射線検出素子7についても電流が流出し、放射線の照射の開始の検出に寄与する。そして、走査線5を介して各TFT8に印加されるオフ電圧は、0[V]以下の、絶対値が小さな負の値である方が、放射線の照射により各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流れる電流の電流量が多くなり、制御手段22が放射線の照射の開始を検出し易くなる。
そこで、各放射線検出素子7のリセット処理を行う際に走査線5に印加するオフ電圧(以下、第2オフ電圧Voff2という。)の値を、電荷蓄積状態における例えば−10[V]等に設定されるオフ電圧(以下、第1オフ電圧Voff2という。)の値よりも高い、0[V]以下の値(例えば−1[V]等)に設定するように構成することが可能である。
このように構成する場合、図16に示すように、各放射線検出素子7のリセット処理の際には、走査線5の全てのラインL1〜Lxに例えば−1[V]等に設定された値が高いオフ電圧Voff2を印加する。そして、前述したように、走査駆動手段15は、制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出して送信したトリガ信号を受信すると、各放射線検出素子のリセット処理を停止させるとともに、ゲートドライバ15bから走査線の全てのラインL1〜Lxに印加するオフ電圧の値をVoff2からより低い値のVoff1に低下させる。
このように構成すれば、各放射線検出素子7のリセット処理時には放射線の照射の開始を検出し易くなるとともに、放射線の照射が開始された後は、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷(すなわち画像データ)が各放射線検出素子7内から漏出することを的確に防止することが可能となる。
なお、図16におけるVonは、オン電圧の値を表す。また、図16では、制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出した時点で、オフ電圧をVoff2からVoff1に一気に低下させる場合が示されているが、オフ電圧を、Voff2からVoff1にある程度の時間をかけて連続的に或いは段階的に低下させるように構成することも可能である。
また、放射線画像撮影装置1が電荷蓄積状態に移行した後、図13や図14に示したように増加した差分ΔVが、例えば閾値ΔVth以下に低下した段階で、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が終了したことを検出するように構成することが可能である。また、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたことを検出した時点から所定の時間が経過した時点で放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が終了したと判断するように構成することも可能である。
放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が終了すると、前述したように読み出し回路17により各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が行われる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、各放射線検出素子7のリセット処理の際に、電流検出手段43が検出したバイアス線9や結線10を流れる電流に相当する現在の電圧値Vから、電圧値Vの変化プロファイル中のこの現在の電圧値Vに対応する値を減じた値すなわち差分ΔVに基づいて、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されたことを検出する。
前述した従来の場合には、オン電圧が印加された走査線5のラインLに接続されている各放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に放出された暗電荷等の余分な電荷に起因する電流とともに放射線の照射により発生した電荷に起因する電流を検出していたため、照射された放射線の線量が小さい場合には、放射線の照射により発生した電荷に起因する電流に相当する電圧値Vが、余分な電荷に起因する電流に相当する電圧値Vにいわば埋もれてしまい、放射線の照射が開始されたことを検出することが困難であった(図30参照)。
しかし、本実施形態のように、上記の差分ΔVに基づいて放射線の照射の開始を検出するように構成すれば、放射線が照射されていない状態では上記の差分ΔVがほぼ0に等しい値になるが、放射線が照射された状態では、図14に示したように、放射線画像撮影装置1に照射された放射線の線量が小さいような場合であっても、放射線の照射により発生した電荷に起因してバイアス線9や結線10中を流れる電流の分だけ上記の差分ΔVが増加し、0とは有意に異なる値になる。
そのため、閾値ΔVthを適切に設定すること等により、放射線の照射により発生した電荷に起因して増加するバイアス線9や結線10中を流れる電流を的確に検出することが可能となり、放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となる。
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態では、図11に示したように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからある走査線5にオン電圧を印加した後、当該走査線5に印加する電圧をオン電圧からオフ電圧に切り替えると同時に次の走査線5に印加する電圧をオフ電圧からオン電圧に切り替えるようにして、1面分のリセット処理Rmを繰り返すようにして、各放射線検出素子7のリセット処理を行う。
すなわち、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから常に走査線5のいずれかのラインL1〜Lxにオン電圧が印加されている状態で各放射線検出素子7のリセット処理を行う場合について説明した。
しかし、このように構成すると、例えば図15に示した例では、走査線5のラインL1、L3〜Lxでは、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始された時点でオフ電圧が印加されており、TFT8がオフ状態になっているため、その時点から、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷の各放射線検出素子7内での蓄積が始まるのに対して、走査線5のラインL2では、放射線の照射開始時点でオン電圧が印加されており、TFT8がオン状態になっているため、その時点で放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷はTFT8を介して信号線6に流出する。
そして、走査線5のラインL2では、印加された電圧がオン電圧からオフ電圧に切り替えられた時点から、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷の各放射線検出素子7内での蓄積が始まる。このように、走査線5のラインL2に接続されている各放射線検出素子7では、放射線の照射により発生した電荷の一部が各放射線検出素子7から流出してしまうため、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生し、各放射線検出素子7内に蓄積されるべき本来の電荷量よりも少ない電荷しか蓄積されないという問題が生じる虞れがある。
この問題を解消する手法としては、図15や図16に示したように、放射線の照射が開始された時点でオン電圧が印加されている走査線5(上記の例では走査線5のラインL2)に対して、予め設定されたオン時間Tonの間、オン電圧を印加する代わりに、例えば、放射線の照射が開始された時点で、即座に当該走査線5に印加されているオン電圧をオフ電圧に切り替えるように構成することが可能である。
また、例えば、各放射線検出素子7のリセット処理の仕方を変更して、例えば図17に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5のあるラインLnに印加したオン電圧をオフ電圧に切り替えた後、一旦走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧を印加した状態を維持した後で、走査線5の次のラインLn+1に印加したオフ電圧をオン電圧に切り替える動作を繰り返すようにして、各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
このように構成すれば、走査線5のいずれかのラインL1〜Lxにオン電圧が印加されている間に放射線の照射が開始された場合はともかく、少なくとも走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧が印加されている最中に放射線の照射が開始された場合には、上記のような放射線の照射により発生した電荷にロスが生じることを防止することが可能となる。
以下、上記のように各放射線検出素子7のリセット処理の仕方を図17に示すように変えた場合について説明する。
なお、本実施形態では、各放射線検出素子7のリセット処理が開始された最初の段階では、バイアス線9の結線10中を流れる電流の検出を行う必要がなく、また、各放射線検出素子7内に、前述したような放射線検出素子7自体の熱による熱励起等により発生した暗電荷や、前回の放射線画像撮影で各放射線検出素子7内で発生した電荷すなわち画像データの読み残し分等の余分な電荷が比較的多く残存している場合があるため、リセット効率を優先する目的で、図11に示したようなオン時間Tonをてきるだけ長くしたリセット処理を行うようになっている。
そして、走査駆動手段15は、本実施形態では、各放射線検出素子7のリセット処理を開始してから予め設定された所定時間が経過した時点や、予め設定された回数の1面分のリセット処理Rm(図11参照)が終了した時点で、各放射線検出素子7のリセット処理の仕方を、図17に示した仕方のリセット処理に切り替えるようになっている。
なお、この予め設定される所定時間や1面分のリセット処理Rmの回数は、各放射線検出素子7内に残存する余分な電荷が十分に放出されるために必要な時間や回数に設定される。また、本実施形態では、走査駆動手段15は、上記の時点で、図11に示したようなリセット処理から、オン時間TonやオンタイミングΔT或いはその両方を図17に示すように可変させて、各放射線検出素子7のリセット処理の仕方を切り替えるようになっている。
また、図17では、図11に示したオン時間TonやオンタイミングΔTからオン時間TonとオンタイミングΔTの両方を可変させた場合が示されているが、オン時間Tonが短くなるように可変させたり、オンタイミングΔTが長くなるように可変させる等して、オン時間TonとオンタイミングΔTのうちいずれか一方のみを可変させるように構成することも可能である。
さらに、図11に示したような各放射線検出素子7のリセット処理を行う必要がない場合には、各放射線検出素子7のリセット処理が開始された最初の段階から、図17に示したような各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
制御手段22は、走査駆動手段15が上記のようにして各放射線検出素子7のリセット処理の仕方を切り替えた時点で、電流検出手段43の電源供給手段44から差動アンプ43cに電力を供給させて電流検出手段43を起動させるようになっている。そして、スイッチ43dをオフ状態として抵抗器43aの両端子間の短絡を解除させる。
そして、制御手段22は、第1の実施形態の場合と同様にして、図17に示した各放射線検出素子7のリセット処理を行わせながら、電流検出手段43から出力されるバイアス線9や結線10中を流れる電流に相当する電圧値Vから、電圧値Vの変化プロファイル中の前記電圧値Vに対応する値を減じた値に基づいて、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されたか否かを検出するようになっている。
この場合、各放射線検出素子7のリセット処理において走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧を印加する期間が存在するため、電圧値Vの変化プロファイルは、図10に示した第1の実施形態の場合とは異なり、図18に示すようなプロファイルになる。
そこで、本実施形態においても、放射線画像撮影装置1の工場出荷時等に、図17に示した各放射線検出素子7のリセット処理を実際に行って、予め実験的に電圧値Vの変化プロファイルを求めておき、制御手段22を構成するCPUのRAMや記憶手段40等のメモリに記憶されるようになっている。また、放射線画像撮影装置1のキャリブレーション時等に、変化プロファイルを更新することができるようになっている。
そして、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理時に、自ら電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル中の値を減じる減算処理を行って算出した差分ΔV、或いは、電流検出手段43(図9参照)の差動アンプ43cの出力側に設けられた図示しない減算回路が算出した差分ΔVに基づいて、図19に示すように、差分ΔVが予め閾値ΔVthを越えた時点で、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたと判断するようになっている。
このようにして放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出するように構成すれば、図19に示したように放射線画像撮影装置1に対して比較的強い放射線(すなわち線量が大きい放射線)が照射された場合は勿論、図示を省略するが、弱い放射線(すなわち線量が小さい放射線)が照射された場合であっても、閾値ΔVthを予め適切な値に設定しておくことによって、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射の開始を的確に検出することが可能となることは第1の実施形態で説明した通りである。
なお、図19では、走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧が印加されている時点で放射線の照射が開始された場合が示されているが、走査線5のいずれかのラインL1〜Lxにオン電圧が印加されている最中に放射線の照射が開始されても、上記の第1の実施形態で説明したように、上記の差分ΔVが閾値ΔVthを越えたことに基づいて、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたと判断することができる。
また、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出した時点で各放射線検出素子のリセット処理が停止されて放射線画像撮影装置1が電荷蓄積状態に移行することや、各放射線検出素子7のリセット処理の際のオフ電圧Voff2を電荷蓄積時のオフ電圧Voff1よりも大きな値に設定可能であること、放射線の照射の終了の検出が可能であること、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が終了した後、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が行われることも第1の実施形態で説明した通りである。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1においても、上記の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1と全く同等の有効な効果を奏することが可能となる。
すなわち、上記の差分ΔVに基づいて放射線の照射の開始を検出するように構成することで、放射線画像撮影装置1に照射された放射線の線量が小さいような場合であっても、放射線の照射により発生した電荷に起因して増加するバイアス線9や結線10中を流れる電流の分だけ上記の差分ΔVは0とは有意に異なる値になるため、閾値ΔVthを適切に設定する等することにより、放射線の照射により発生した電荷に起因して増加するバイアス線9や結線10中を流れる電流を的確に検出することが可能となり、放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となる。
また、上記のように構成することにより、図20に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧が印加されている最中に放射線の照射が開始された場合には、図20の例では走査線5のラインL2やラインL3を含むいずれのラインL1〜Lxに接続されている各放射線検出素子7においても、放射線の照射によりその内部で発生した電荷を損なうことなく電荷を蓄積させることが可能となり、放射線の照射により発生した電荷にロスが生じることを防止することが可能となる。
なお、図17に示した各放射線検出素子7のリセット処理を行う場合、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5のいずれかのラインLにオン電圧が印加されている間は、走査線5の当該ラインLに接続されている各放射線検出素子7から暗電荷等の余分な電荷が放出されてリセット処理が行われている。そして、リセット効率を向上させる観点から言えば、その間の電流検出手段43の抵抗器43aの抵抗値は小さい方がよい。
そこで、図21に示すように、例えば、電流検出手段43を、抵抗値が異なる複数の抵抗器43aA、43aBを備えるように構成し、これらの抵抗器43aA、43aBをスイッチ43eで切り替えることができるように構成する。
そして、上記のように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5のいずれかのラインL1〜Lxにオン電圧が印加される際には、スイッチ43eを抵抗値が相対的に小さい側の抵抗器43aAに切り替える。また、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧が印加される際には、抵抗値を上げてもよいため、スイッチ43eを抵抗値が相対的に大きい側の抵抗器43aBに切り替える。
このようにして、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxに印加されている電圧がオン電圧であるかオフ電圧であるかに応じて抵抗器43aA、43aBを切り替えることによって、放射線の照射によりバイアス線9や結線10を流れる電流の増加を確実に検出するとともに、走査線5のいずれかのラインLにオン電圧が印加されている場合にはリセット効率を向上させることが可能となる。
なお、第2の実施形態では、図17に示したように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5のあるラインLnにオン電圧を印加する動作と、走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧を印加する動作を繰り返して、各放射線検出素子7のリセット処理を行う場合について説明した。
しかし、例えば図22に示すように、ゲートドライバ15bから走査線の全てのラインL1〜Lxに一斉にオン電圧を印加してその状態をオン時間Tonだけ維持した後、走査線の全てのラインL1〜Lxに一斉にオフ電圧を印加してその状態をオフ時間Toffだけ維持する動作を繰り返して、各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
このように構成した場合でも、バイアス線9や結線10を流れる電流に相当する電圧値Vは図18に示したように検出されるため、その変化プロファイルを予め実験的に求めておき、放射線画像撮影の際には、電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル中の値を減じる減算処理を行うことで、図19に示したように閾値ΔVthに基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を的確に検出することが可能となる。
また、上記のように構成することにより、図20に示した場合と同様の状態で、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧が印加されている最中に放射線の照射が開始された場合には、走査線5のいずれのラインL1〜Lxに接続されている各放射線検出素子7においても、放射線の照射によりその内部で発生した電荷を損なうことなく電荷を蓄積させることが可能となり、放射線の照射により発生した電荷にロスが生じることを防止することが可能となる。
[第3の実施の形態]
上記の第1の実施形態や第2の実施形態では、電流検出手段43でバイアス線9やその結線10中を流れる電流を検出するように構成されている場合について説明したが、前述したように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧が印加されている状態で放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると、バイアス線9や結線10中のみならず、走査線5中でも電流が流れる。
そこで、図7や図8に示したように、電流検出手段43をバイアス線9やその結線10上に設ける代わりに、例えば図23に示すように、電流検出手段43を、各走査線5或いはそれらを結束した結束線24に接続して設け、電流検出手段43で、走査線5やその結束線24中を流れる電流の値を検出するように構成することが可能である。
この場合、電流検出手段43は、図9に示した第1の実施形態の場合と同様に構成することが可能であるが、その際、抵抗器43a等の一端側は、バイアス電源14ではなく、走査駆動手段15の電源回路15a等の他の電源回路に接続され、抵抗器43aの他端側が走査線5やその結束線24に接続される。
このように構成した場合でも、第1、第2の実施形態と同様に、制御手段22を、図11や図17に示した各放射線検出素子7のリセット処理時に、電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル中の値を減じた値すなわち差分ΔVに基づいて、図13や図14、図19に示したように差分ΔVが予め閾値ΔVthを越えた時点で、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたと判断するように構成することで、第1、第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置1と全く同等の有効な効果を奏することが可能となる。
一方、図7等に示したように、各走査線5は走査駆動手段15のゲートドライバ15bに接続されている。そして、走査駆動手段15では、図24に簡略化して示すように、オン電圧とオフ電圧が電源回路15aからそれぞれ配線15conと配線15coffとを介してそれぞれ別個にゲートドライバ15bに供給されるようになっている。
また、ゲートドライバ15bの内部には、スイッチ素子15dが、各走査線5がそれぞれ接続された端子ごとに設けられていて、スイッチ素子15dの接続をそれぞれ切り替えることにより、各走査線5に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるように構成されている。
走査駆動手段15がこのように構成されている場合、上記のように走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧が印加されている場合や、ゲートドライバ15bから走査線5のあるラインLにオン電圧が印加されている場合におけるその他の走査線5のラインLにオフ電圧が印加されている場合に、放射線の照射により走査線5中を流れる電流は、結局、電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15coff中を流れることになる。
そこで、例えば図24に示すように、電流検出手段43を、走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15coff上に設け、電流検出手段43で、配線15coff中を流れる電流の値を検出するように構成することも可能である。
このように構成した場合、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧が印加されている状態では、各走査線5中を流れる電流は、走査駆動手段15の電源回路15aとゲートドライバ15bとを結ぶ配線15coff中を流れるため、電流検出手段43で検出することができる。
そして、このように構成した場合でも、第1、第2の実施形態や第3の実施形態における上記の形態の場合と同様に、制御手段22を、図11や図17に示した各放射線検出素子7のリセット処理時に、電流検出手段43から出力される電圧値Vから変化プロファイル中の値を減じた値すなわち差分ΔVに基づいて、図13や図14、図19に示したように差分ΔVが予め閾値ΔVthを越えた時点で、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたと判断するように構成することで、上記の各実施形態に係る放射線画像撮影装置1と全く同等の有効な効果を奏することが可能となる。
なお、第3の実施形態のように、電流検出手段43を各走査線5(図23参照)や走査駆動手段15における配線15coff(図24参照)に接続して設ける場合、ゲートドライバ15b内部のスイッチ素子15dを切り替えて各走査線5に印加するオン電圧とオフ電圧とを切り替える際に、切り替えによって生じるノイズに起因する電流が各走査線5や配線15coff中に流れる場合がある。
そのため、図10や図18に示した電圧値Vの変化プロファイルにはオン/オフの切り替えの際に、瞬時に発生して消えるノイズに起因するプロファイルが重畳される。しかし、このノイズに起因するプロファイルも再現性良く現れるため、本発明のように、電流検出手段43から出力される電圧値Vから、ノイズに起因するプロファイルを含む変化プロファイル中の値を減じることで、検出されたノイズと変化プロファイル中のノイズとが相殺される。そのため、上記の差分ΔVを監視することにより、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を的確に検出することが可能となる。
なお、スイッチ素子15dの切り替えによって発生するノイズが比較的大きく、電流検出手段43から出力される電圧値Vからノイズに起因するプロファイルを含む変化プロファイル中の値を減じても、差分ΔVが閾値ΔVthを越える可能性がある場合には、オン電圧とオフ電圧との間での切り替え時に差分ΔVにマスクをかける、すなわち切り替え時には差分ΔVを算出しないように構成することも可能である。
また、その他、本発明が上記の各実の形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
1 放射線画像撮影装置
5、L、L1〜Lx 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
9 バイアス線
10 結線(バイアス線)
14 バイアス電源
15 走査駆動手段
15a 電源回路
15b ゲートドライバ
15coff 配線
22 制御手段
40 記憶手段(メモリ)
43 電流検出手段
43a、43aA、43aB 抵抗器
r 領域
Ton オン時間(オン電圧を印加する時間)
V 電圧値(電流の値)
Voff オフ電圧
Voff1 低いオフ電圧
Voff2 高いオフ電圧
Von オン電圧
ΔT オンタイミング(オン電圧を印加する時間間隔)
ΔV 差分(減じた値)

Claims (12)

  1. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
    前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線に印加される電圧に応じてオフ状態とオン状態とが切り替えられ、前記オフ状態では前記放射線検出素子内で発生した電荷を保持し、前記オン状態では前記放射線検出素子から前記電荷を放出させるスイッチ手段と、
    前記走査線を介して前記スイッチ手段に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるゲートドライバと、前記ゲートドライバに前記オン電圧および前記オフ電圧を供給する電源回路とを備える走査駆動手段と、
    装置内を流れる電流を検出する電流検出手段と、
    電流検出手段が検出した前記電流の値に基づいて、少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
    前記各放射線検出素子のリセット処理の際に前記電流検出手段により検出される前記電流の変化プロファイルが予め記憶されたメモリと、
    を備え、
    前記制御手段は、前記各放射線検出素子のリセット処理の際に、前記電流検出手段が検出した前記電流の値から前記電流の変化プロファイル中の前記電流の値に対応する値を減じた値に基づいて、少なくとも放射線の照射の開始を検出することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記制御手段は、放射線の照射の開始を検出すると、前記各放射線検出素子のリセット処理を停止させて、前記走査駆動手段の前記ゲートドライバから全ての前記走査線にオフ電圧が印加されている状態で、前記各放射線検出素子内で発生した電荷を前記各放射線検出素子内に蓄積させることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記走査駆動手段は、前記ゲートドライバからオン電圧を印加する前記走査線を順次切り替えるようにして、前記各放射線検出素子のリセット処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記走査駆動手段は、前記ゲートドライバからオン電圧を印加する前記走査線を順次切り替えるとともに、前記ゲートドライバから前記走査線に印加したオン電圧をオフ電圧に切り替えた後、一旦全ての前記走査線にオフ電圧を印加した状態を維持した後で次の前記走査線に印加したオフ電圧をオン電圧に切り替えるようにして、前記各放射線検出素子のリセット処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記走査駆動手段は、前記各放射線検出素子のリセット処理を開始した時点では、前記ゲートドライバからオン電圧を印加する前記走査線を順次切り替えるようにして初期の前記リセット処理を行った後、前記ゲートドライバから前記走査線にオン電圧を印加した後で全ての前記走査線にオフ電圧を印加する動作を繰り返す前記各放射線検出素子のリセット処理の仕方に切り替えることを特徴とする請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記走査駆動手段は、前記ゲートドライバから前記走査線にオン電圧を印加する時間を可変させることで、前記各放射線検出素子7のリセット処理の仕方を切り替えることを特徴とする請求項5に記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記走査駆動手段は、前記ゲートドライバから一の前記走査線にオン電圧を印加した後、次の前記走査線にオン電圧を印加するまでの時間間隔を可変させることで、前記各放射線検出素子7のリセット処理の仕方を切り替えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記電流検出手段は、抵抗値が異なる切り替え可能な複数の抵抗器を備え、前記走査駆動手段の前記ゲートドライバからいずれかの前記走査線にオン電圧が印加される際には、前記抵抗値が相対的に小さい前記抵抗器に切り替え、前記走査駆動手段の前記ゲートドライバから全ての前記走査線にオフ電圧が印加される際には、前記抵抗値が相対的に大きい前記抵抗器に切り替えて、装置内を流れる前記電流を電圧値に変換して検出することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  9. 前記走査駆動手段の前記ゲートドライバから前記走査線にオン電圧を印加して前記スイッチ手段をオン状態とした後に全ての前記走査線にオフ電圧を印加する動作を繰り返して前記各放射線検出素子のリセット処理を行う際の前記オフ電圧の値が、前記各放射線検出素子内で発生した電荷を前記各放射線検出素子内に蓄積させる際に前記走査線に印加する前記オフ電圧の値よりも高い0[V]以下の値に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  10. 前記各放射線検出素子に接続されたバイアス線と、
    前記バイアス線を介して前記各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するバイアス電源と、
    をさらに備え、
    前記電流検出手段は、前記バイアス線を流れる電流の値を検出することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  11. 前記電流検出手段は、前記走査線を流れる電流の値を検出することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  12. 前記電流検出手段は、前記走査駆動手段の前記電源回路と前記ゲートドライバとを結ぶ配線を流れる電流の値を検出することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
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