JP2011196689A - 放射線画像撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線が照射されている最中にもデータの読み出し処理を続けて行って得られた画像データに基づいて生成される放射線画像中に筋状の像が現れることを防止可能な放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1の放射線検出素子7は、第1電極73と、照射された放射線のエネルギに応じて電荷を発生させる半導体層75と、半導体層75を挟んで第1電極73の対極側に配置される第2電極76と、第1電極73と半導体層75との間に設けられた絶縁層74とを備えて構成されており、全放射線検出素子7からデータDを読み出す期間を1フレームとするとき、制御手段22は、フレームごとに読み出し処理を繰り返すとともに、データDの値に基づいて放射線の照射が開始された時点で読み出し処理を行っているフレーム以降の所定数の各フレームで読み出された放射線検出素子7ごとのデータDを記憶手段40に記憶する。
【選択図】図5
【解決手段】放射線画像撮影装置1の放射線検出素子7は、第1電極73と、照射された放射線のエネルギに応じて電荷を発生させる半導体層75と、半導体層75を挟んで第1電極73の対極側に配置される第2電極76と、第1電極73と半導体層75との間に設けられた絶縁層74とを備えて構成されており、全放射線検出素子7からデータDを読み出す期間を1フレームとするとき、制御手段22は、フレームごとに読み出し処理を繰り返すとともに、データDの値に基づいて放射線の照射が開始された時点で読み出し処理を行っているフレーム以降の所定数の各フレームで読み出された放射線検出素子7ごとのデータDを記憶手段40に記憶する。
【選択図】図5
Description
本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に放射線の照射中にも読み出し処理を行う放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
このような放射線画像撮影装置では、例えば後述する図3や図7に示すように、通常、放射線検出素子7が検出部P上に二次元状(マトリクス状)に配列され、各放射線検出素子7にそれぞれ薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8で形成されたスイッチ手段が設けられている。そして、放射線画像撮影前、すなわち放射線画像撮影装置に放射線発生装置から放射線が照射される前に、TFT8のオン/オフを適宜制御しながら、各放射線検出素子7内に残存する余分な電荷を放出されるリセット処理が行われるように構成される場合が多い。
そして、各放射線検出素子7のリセット処理が終了した後、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから各走査線6を介してTFT8にオフ電圧を印加して全TFT8をオフ状態とした状態で放射線発生装置から放射線画像撮影装置に放射線を照射すると、放射線の線量に応じた電荷が各放射線検出素子7内で発生して、各放射線検出素子7内に蓄積される。
そして、放射線画像撮影後、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから信号読み出し用のオン電圧を印加する走査線5の各ラインL1〜Lxを順次切り替えながら、各放射線検出素子7から、その内部に蓄積された電荷を読み出して、読み出し回路17で電荷電圧変換する等して画像データとして読み出すように構成される場合が多い。
しかし、このように構成する場合、放射線画像撮影装置と放射線発生装置との間のインターフェースを的確に構築し、放射線が照射される段階で放射線画像撮影装置側が各放射線検出素子7内に電荷を蓄積できる状態になっていることが必要となるが、装置間のインターフェースの構築は必ずしも容易ではない。そして、放射線画像撮影装置側が各放射線検出素子7のリセット処理を行っている最中に放射線が照射されてしまうと、放射線の照射により発生した電荷が各放射線検出素子7から流出してしまい、照射された放射線の電荷すなわち画像データへの変換効率が低下してしまう等の問題があった。
そこで、近年、放射線画像撮影装置自体で放射線が照射されたことを検出する技術が種々開発されている。そして、それらの技術の一環として、例えば特許文献4や特許文献5に記載された技術を利用して、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射を検出することが考えられている。
特許文献4、5では、放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始される以前から、例えば後述する図7等に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧を印加する走査線5の各ラインL1〜Lxを順次切り替えながら、放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理を繰り返して行い、放射線が照射されている最中にも画像データの読み出し処理を続けて行う放射線画像撮影装置や画像データの読み出し方法が記載されている。
そして、検出部P上に配列された全ての放射線検出素子7から各画像データを読み出す期間を1フレームとするとき、放射線の照射が開始されたフレームから放射線の照射が終了したフレームの次のフレームまでの各フレームごとに読み出された画像データを各放射線検出素子7ごとに加算して、各放射線検出素子7ごとの画像データを再構成する技術が開示されている。
すなわち、図16に示すように、ゲートドライバ15bから、図中の一番上側の走査線5から順に各走査線5へのオン電圧の印加を開始し、以降、オン電圧を印加する走査線5を図中の下方向に順次切り替えて印加しながら行う各フレームごとの各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理において、例えば、図17に斜線を付して示す部分ΔTの走査線5にオン電圧が順次印加される間に放射線が照射されて照射が終了したとする。
この場合、放射線が照射されたフレームである第1フレームで各放射線検出素子7から読み出された画像データでなく、その次の第2フレームで各放射線検出素子7から読み出された画像データを第1フレームの画像データに加算して、各放射線検出素子7ごとの画像データが再構築される。
また、図18に示すように、さらにその次の第3フレームまで考慮し、第1フレームから第3フレームで各放射線検出素子7からそれぞれ読み出された各画像データを放射線検出素子7ごとに加算して、各放射線検出素子7ごとの画像データが再構築されるように構成される場合もある。
なお、図17や図18は、斜線を付して示す部分ΔTにのみ放射線が照射されたことを表すものではなく、図16に示したように一番上側の走査線5から順にオン電圧を印加する走査線5を切り替えながら読み出し処理を行う際に、斜線を付して示す部分ΔTの走査線5にオン電圧が順次印加される間に放射線が照射されたことを表すものであり、放射線は、検出部Pの全域にわたって照射される。
そして、放射線画像撮影装置に放射線が照射されている間に走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧が印加される走査線5に接続されている各放射線検出素子7からは、それ以前にオン電圧が印加された走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出されるデータよりも著しく大きな値の画像データが読み出される。これを利用して、各放射線検出素子7から読み出される電荷の値を監視することによって、放射線画像撮影装置に対して放射線が照射されたことを放射線画像撮影装置自体で検出することができる。
ところで、本発明者らの研究では、例えば、図18に示したように、第1フレームから第3フレームで各放射線検出素子7からそれぞれ読み出された各画像データを放射線検出素子7ごとに加算し、各放射線検出素子7ごとの画像データを再構築して、図19に示すような放射線画像pを生成した場合、放射線の照射される間にオン電圧が順次印加された走査線5に対応する画像領域δT(すなわち図18の斜線部分ΔTに相当する画像領域)の画像データが、その上側の画像領域Aや下側の画像領域Bの画像データより値が大きくなることが分かっている。
すなわち、図19に示す放射線画像pにおける信号線6の延在方向(以下、信号線方向という。図中では上下方向の矢印方向)に沿って、加算されて再構築された各画像データdを見た場合、図20に示すように、画像領域Aや画像領域Bの画像データdに比べて、放射線の照射される間にオン電圧が順次印加された走査線5に対応する画像領域δTの画像データdが大きな値になる。
本発明者らの研究では、画像領域δTの画像データdの、画像領域Aや下側の画像領域Bの画像データdに対する増加分は、検出部P上の全ての放射線検出素子7についてフレームごとの画像データdが加算されて再構築された全ての画像データdの総和に依存することが分かっており、画像領域δTの画像データdからその増加分を減算する等して、画像領域δTの画像データdを、画像領域Aや画像領域Bの画像データdと同等の値に修正することができる。
しかし、図20に示すように、画像領域δTの画像データd中に、図中矢印で示すように、画像領域δTの他の画像データdより局所的な大きな画像データdのピークが生じることが分かっているが、このピークの部分の画像データdについては、画像領域δTの他の各画像データdに基づいても、或いは画像領域A、Bの各画像データdを用いても修正することが困難であることが分かっている。なお、図20は、図19に示したように放射線画像pを信号線方向に見た場合の各画像データdのうち、画像領域δT付近の画像データdのみを示したものである。
画像データdにこのような局所的なピークが生じると、図19に示した放射線画像pの各画像領域δTの画像データdを画像領域A、Bの各画像データdと同等の値になるように修正しても、局所的なピークの画像データdが修正できずに残る。そのため、放射線画像p中に、他の部分より画像データdの値が大きい部分(すなわちより黒っぽい部分)が画像中の走査線5の延在方向(以下、走査線方向という。図中では左右方向)に筋状に現れるという問題があった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、放射線が照射されている最中にもデータの読み出し処理を続けて行って得られた画像データに基づいて生成される放射線画像中に筋状の像が現れることを防止可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記放射線検出素子からの読み出し処理の際に、データ読み出し用の電圧を印加する前記各走査線を順次切り替えながら印加する走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、前記データ読み出し用の電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記放射線検出素子から読み出された前記電荷をデータに変換する読み出し回路と、
少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
前記読み出された前記データを保存する記憶手段と、
を備え、
前記放射線検出素子は、前記スイッチ手段と接続される第1電極と、照射された放射線のエネルギに応じて電荷を発生させる半導体層と、前記半導体層を挟んで前記第1電極の対極側に配置される第2電極と、前記第1電極と前記半導体層との間に設けられた絶縁層とを備えて構成されており、
前記検出部上の全ての前記放射線検出素子から前記データを読み出す期間を1フレームとするとき、前記制御手段は、前記放射線検出素子からの前記フレームごとの読み出し処理を繰り返し行うとともに、前記読み出し回路により読み出される前記データの値に基づいて少なくとも放射線の照射開始を検出し、放射線の照射が開始された時点で前記読み出し処理を行っているフレーム以降の所定数の各フレームで読み出された前記放射線検出素子ごとの前記データを前記記憶手段に記憶することを特徴とする。
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記放射線検出素子からの読み出し処理の際に、データ読み出し用の電圧を印加する前記各走査線を順次切り替えながら印加する走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、前記データ読み出し用の電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記放射線検出素子から読み出された前記電荷をデータに変換する読み出し回路と、
少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
前記読み出された前記データを保存する記憶手段と、
を備え、
前記放射線検出素子は、前記スイッチ手段と接続される第1電極と、照射された放射線のエネルギに応じて電荷を発生させる半導体層と、前記半導体層を挟んで前記第1電極の対極側に配置される第2電極と、前記第1電極と前記半導体層との間に設けられた絶縁層とを備えて構成されており、
前記検出部上の全ての前記放射線検出素子から前記データを読み出す期間を1フレームとするとき、前記制御手段は、前記放射線検出素子からの前記フレームごとの読み出し処理を繰り返し行うとともに、前記読み出し回路により読み出される前記データの値に基づいて少なくとも放射線の照射開始を検出し、放射線の照射が開始された時点で前記読み出し処理を行っているフレーム以降の所定数の各フレームで読み出された前記放射線検出素子ごとの前記データを前記記憶手段に記憶することを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、照射された放射線のエネルギを電荷に変換する放射線検出素子として、第1電極と、電荷を発生させる半導体層との間に絶縁層が設けられた、いわゆるMIS型の放射線検出素子を用いるように構成した。
そのため、放射線画像撮影装置に放射線が照射されて、放射線検出素子内で発生する電荷の量が放射線検出素子の飽和電荷量やそれに近い値になっても、いわゆるpin型の放射線検出素子のように、電荷が第1電極からTFTを介して信号線に一気に流れ込むことを防止することが可能となる。
そのため、画像データd中に図20に示したような局所的なピークが現れることが的確に防止されるため、得られた画像データdに基づいて生成される放射線画像p中に筋状の像が現れることを的確に防止することが可能となる。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。また、放射線画像撮影装置が可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された放射線画像撮影装置に対しても適用される。
図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納されて構成されている。
筐体2は、少なくとも放射線入射面Rが放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ41(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、後述するデータD等を外部のコンピュータ等との間で無線方式で送受信するための通信手段であるアンテナ装置39が埋め込まれている。
なお、アンテナ装置39の設置位置は蓋部材38の側面部に限らず、放射線画像撮影装置1の任意の位置にアンテナ装置39を設置することが可能である。また、設置するアンテナ装置39は1個に限らず、複数設けることも可能である。さらに、データD等を外部装置との間で有線方式で送受信するように構成することも可能であり、その場合は、例えば、通信手段として、ケーブル等を差し込むなどして接続するための接続端子等が放射線画像撮影装置1の側面部等に設けられる。
図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
以下、放射線検出素子7等の構成について説明するが、各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧が印加され、ゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧が印加され、ゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、電荷を放射線検出素子7内に保持して蓄積させるようになっている。
ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるY−Y線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiNx)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極73と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiNx)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上に、前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層72を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極73が積層されて形成されている。第1電極73は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極73の上には、窒化シリコン(SiNx)等の絶縁体で形成される絶縁層74が積層されて形成されており、その上方に、水素化アモルファスシリコンで形成された半導体層75が積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7の半導体層75に到達して、半導体層75内で電子正孔対が発生する。本実施形態では、放射線検出素子7は、このようにして、照射された放射線を電磁波に変換するシンチレータ3から照射された電磁波のエネルギを、そのエネルギ量に応じた電荷(すなわち電子正孔対)に変換して、半導体層75内に電荷を発生させるようになっている。
また、半導体層75の上側、すなわち半導体層75を挟んだ第1電極73の対極側に、ITO等の透明電極とされた第2電極76が積層されて配置されており、照射された電磁波が半導体層75等に到達するように構成されている。なお、上記のような第1電極73、絶縁層74、半導体層75、第2電極76以外にも、各種の層を形成して適宜設けることが可能であることは言うまでもない。
本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。すなわち、本実施形態では、放射線検出素子7として、いわゆるMIS型(すなわち金属(Metal)−絶縁体(Insulator)−半導体(Semiconductor)型)の放射線検出素子が用いられている。
放射線検出素子7の第2電極76の上面には、第2電極76を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極76やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極73、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiNx)等からなる第2パッシベーション層77で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で結線10に結束されている。
本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bを構成するゲートIC12a等のチップがフィルム上に組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極76にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極76にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。また、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22により、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧が制御されるようになっている。
本実施形態では、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極76にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極73側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。なお、バイアス電源14から放射線検出素子7の第2電極76に、バイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極73側にかかる電圧以上の電圧を印加するように構成することも可能である。この場合は、以下に説明する電子と正孔が逆になる。
各放射線検出素子7の第1電極73はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、配線15cを介してゲートドライバ15bにオン電圧とオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧の間で切り替えて各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えるゲートドライバ15bとを備えている。
そして、走査駆動手段15は、各放射線検出素子7からデータDを読み出す読み出し処理等の際に、後述する制御手段22からトリガ信号を受信すると、ゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧のオン電圧とオフ電圧との間での切り替えを開始させるようになっている。
具体的には、本実施形態では、走査駆動手段15は、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理の際には、制御手段22からトリガ信号を受信すると、例えば図9に示すように、ゲートドライバ15bから印加する電圧をオン電圧(すなわちデータ読み出し用の電圧)とオフ電圧との間で切り替える走査線5のラインL1〜Lxを順次切り替える処理をフレームごとに繰り返し行い、各TFT8を介して走査線5の各ラインL1〜Lxに接続されている各放射線検出素子7からデータDをそれぞれ読み出させるようになっている。
なお、以下では、図9に示すように、検出部P(図3や図7参照)上に二次元状に配列された1面分の全放射線検出素子7からデータDを読み出す期間を1フレームという。
図7や図8に示すように、各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、本実施形態では、読み出しIC16に、1本の信号線6につき1個ずつ読み出し回路17が設けられている。
読み出し回路17は、増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とが設けられている。なお、図7や図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18には、増幅回路18に電力を供給するための電源供給部18dが接続されている。
また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位V0が印加されるようになっている。なお、基準電位V0は適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理時に、電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると、各放射線検出素子7内に蓄積されていた電荷が各放射線検出素子7からTFT8を介して信号線6に放出され、信号線6を介してコンデンサ18bに流入して蓄積される。そして、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧値を出力して電荷電圧変換するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされると、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて増幅回路18がリセットされるようになっている。なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。
増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、この相関二重サンプリング回路19におけるサンプルホールド機能は、制御手段22から送信されるパルス信号によりそのオン/オフが制御されるようになっている。
そして、制御手段22は、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理においては、増幅回路18や相関二重サンプリング回路19を制御して、各放射線検出素子7から放出された電荷を増幅回路18で電荷電圧変換させ、電荷電圧変換された電圧値を相関二重サンプリング回路19でサンプリングさせてデータDとして下流側に出力させるようになっている。
相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7のデータDは、アナログマルチプレクサ21(図7参照)に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値のデータDに変換されて記憶手段40に出力されて順次保存されるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、図7等に示すように、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段40が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段40、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。また、バッテリ41には、クレードル等の図示しない充電装置からバッテリ41に電力を供給してバッテリ41を充電する際の接続端子42が取り付けられている。
前述したように、制御手段22は、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定したり、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御する等の各種の処理を実行するようになっている。
次に、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理や、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始の検出処理等について説明する。
本実施形態では、制御手段22は、放射線画像撮影前に、放射線画像撮影装置1の電源スイッチ36(図1参照)が押下されたり、放射線画像撮影装置1が覚醒状態に遷移されたり、或いは、コンソール58から各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理を開始する旨の信号等を受信すると、その時点で、走査駆動手段15に対して、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理を開始させるためのトリガ信号を送信するようになっている。
また、制御手段22は、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理を行わせるようになっている。
本実施形態では、このように、放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射される以前から、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理が開始される。そのため、データDの読み出し処理が開始された直後の各フレームでは、放射線が照射されていない各放射線検出素子7内で発生した暗電荷がデータDとして読み出される。
これらの暗電荷に相当するデータDは、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射後に読み出されるデータD、すなわち放射線の照射により放射線検出素子7内で発生した電荷に起因する真の画像データd*と暗電荷に相当するデータとの和に等しいデータD(すなわちいわゆる画像データ)から減算処理されて真の画像データd*を算出するためのオフセット補正値Oとして利用することができる。
そのため、本実施形態では、制御手段22は、データDの読み出し処理が開始された直後の各フレームごとに各放射線検出素子7から読み出される各データDを、余分なデータDとして廃棄するのではなく、オフセット補正値Oとしてそれぞれフレームごとに記憶手段40に保存させるようになっている。
しかし、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理が開始されて以降のフレームごとのオフセット補正値Oを全て保存する必要はない。また、記憶手段40の記憶容量等の制約もある。そのため、本実施形態では、記憶手段40にデータDを保存するフレーム数が予め設定されている。
そして、制御手段22は、上記のように各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理を繰り返して、予め設定されたフレーム数のフレーム分の各放射線検出素子7のデータD(この場合はオフセット補正値O)が記憶手段40に保存されると、それ以降の各フレームのデータDについては、最初にデータDを保存したフレームから順に、過去のフレームのデータD上に順次上書き保存していくようになっている。
一方、制御手段22は、上記のようにして各放射線検出素子7からデータDを読み出して記憶手段40に保存させると同時に、読み出されたデータDの値に基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始等を検出するようになっている。
図9に示したタイミングで、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を印加しながら各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理を行っている際に、m回目のフレームにおいて、例えば図10に示すようなタイミングで放射線が照射されたものとする。
なお、図10では、斜線を付した期間が、放射線が照射された期間を表す。また、図10に示した走査線5のラインLa〜Lbの各ラインが、例えば図17に示した斜線部分ΔTの走査線5、すなわち放射線が照射されている間にオン電圧が順次印加されていた走査線5の各ラインに相当する。
図10に示したような場合、m回目のフレームでは、走査線5のラインL1〜La-1にそれぞれオン電圧が印加されて、走査線5の各ラインL1〜La-1にTFT8を介して接続されている各放射線検出素子7からそれぞれ読み出されたデータDは、放射線が照射される前に読み出された暗電荷に起因するデータである。
そのため、これらのデータDは、図10で図示を省略したm−1回目のフレーム以前のフレームの場合(すなわちデータDがオフセット補正値Oの場合)と同様に、データD自体の値としては小さい値になる。
一方、図10に示すように、m回目のフレームの走査線5のラインLaでは、放射線が照射され始めたため、走査線5のラインLaに接続されている各放射線検出素子7から、暗電荷に起因するデータとは明らかに異なる、より大きな値のデータDが読み出される。
そして、放射線が照射されている間にオン電圧が順次印加された走査線5の各ラインLa〜Lbでは、走査線5のラインLa〜Lbに接続されている各放射線検出素子7から読み出されるデータDが、放射線の照射開始からの経過時間に応じて大きな値になる。
そこで、例えば、上記のようにして読み出し回路17で各放射線検出素子7から読み出された個々のデータDの値を制御手段22で監視して、読み出されたデータDが例えば予め設定された閾値を越えた時点で放射線の照射が開始されたと判断するように構成することが可能である。
また、このように構成した場合、放射線が照射されていないにもかかわらず大きなデータDを出力する異常な放射線検出素子7があった場合や、データDに生じるゆらぎがたまたま大きな値になって閾値を越え、誤って放射線の照射が開始されたと判断してしまう虞れがある。
そのため、例えば、上記のようにして読み出し回路17で読み出された、走査線5のラインLnに接続されている各放射線検出素子7から読み出された各データDの積算値ΣD(n)を、走査線5の各ラインLnごとに算出し、走査線5の各ラインLnごとの各データDの積算値ΣD(n)が例えば予め設定された閾値を越えた時点で放射線の照射が開始されたと判断するように構成することが可能である。なお、データD(n)は、走査線5のラインLnに接続されている各放射線検出素子7から読み出された各データDを意味する。
また、検出部P上に二次元状に配列された全ての放射線検出素子7から読み出されたデータDの合計値ΣD(m)を各フレームごとに算出し、各フレームごとの各データDの合計値ΣD(m)が例えば予め設定された閾値を越えた時点で放射線の照射が開始されたと判断するように構成することが可能である。なお、データD(m)は、m回目のフレームで各放射線検出素子7から読み出された各データDを意味する。
なお、上記の場合、積算値と合計値は積算(合計)する範囲が異なるものの、各データDの総和を意味し、同じ意味内容を有するものであるが、それらを区別するため、以下、積算値および合計値と言い分ける。
そして、本実施形態では、制御手段22は、設定された判断処理において上記の各条件が満たされた場合、すなわち上記の各基準では、読み出された個々のデータDや、走査線5の各ラインLnごとの各データDの積算値ΣD(n)、或いは各フレームごとの各データDの合計値ΣD(m)が閾値を越えた場合に、放射線の照射が開始されたと判断するようになっている。
従って、上記表1の例の場合、制御手段22は、m−1回目のフレームでは、いずれの判断処理の場合でも上記の条件が満たされないため、放射線の照射が開始されたとは判断しないが、m回目のフレームでは、いずれの判断処理の場合でも上記の条件が満たされるため、放射線の照射が開始されたと判断する。
なお、上記の各判断処理における閾値を、上記のように予め設定しておくように構成してもよく、また、例えば、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理が開始された初期段階(すなわち放射線画像撮影装置1に放射線が照射されていないことが確実な時点)で、各放射線検出素子7からのデータD(この場合はオフセット補正値O)や各データDの積算値や合計値を取得し、或いは、数フレーム分の各データDや積算値、合計値を取得してそれらの各平均値を算出して、それらの値に所定値を加算して上乗せする等して、放射線画像撮影ごとに閾値を設定するように構成することも可能である。
また、例えば、各放射線検出素子7から読み出されたデータDを記憶手段40に保存する際に、それらのデータDを図示しないヒストグラムに投票し、ヒストグラムの度数の分布に基づいて放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されたか否かを判断するように構成することも可能である。
すなわち、放射線の照射が開始される前のフレームでは、各放射線検出素子7からは暗電荷に起因する、値が小さいデータDが読み出されるため、ヒストグラム上で小さい値のデータDに対応する階級の度数が大きくなるが、放射線の照射が開始されたフレームでは、各放射線検出素子7からのデータDに放射線の照射により発生した電荷に起因するデータが加算されて比較的大きな値のデータDが読み出されるため、ヒストグラム上では大きな値のデータDに対応する階級の度数が増える。
そこで、例えば、ヒストグラム上の大きなデータDに対応する範囲の階級の度数を監視し、その範囲の度数の合計値が閾値を越えた場合に、当該フレームから放射線の照射が開始されたと判断するように構成することも可能である。
なお、この場合も、前述したように、放射線が照射されていないにもかかわらず大きなデータDを出力する異常な放射線検出素子7があったり、データDに生じるゆらぎがたまたま大きな値になる場合があるため、放射線の照射が開始される前のフレームでも、ヒストグラム上の大きなデータDに対応する上記範囲の階級の度数が0にならない場合がある。
そのため、この場合も、上記の閾値として0でない値を予め設定しておくように構成してもよく、また、例えば、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理が開始された初期段階での1フレーム(或いは数フレーム)で各データDをヒストグラムに投票した場合に得られる上記範囲の階級の度数(或いは数フレーム分の度数の平均値)を算出し、その度数(或いは平均値)に所定の値を加算して上乗せした値を閾値として設定する等して、放射線画像撮影ごとに閾値を設定するように構成することも可能である。
本実施形態では、制御手段22は、例えば図10に示したように、m回目のフレームで放射線の照射が開始されたと判断すると、CPUのメモリ等に当該フレームのフレーム番号mを記憶させるようになっている。
また、本実施形態では、制御手段22は、放射線の照射が開始されたと判断すると、照射開始を判断したフレーム(すなわちこの場合はm回目のフレーム)を含む3フレーム分の読み出し処理を行い、それらのフレームの読み出し処理を終了した時点で、走査駆動手段15に対してトリガ信号を送信して、ゲートドライバ15bからの走査線5の各ラインL1〜Lxへのオン電圧の印加を停止させて、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理を終了させるようになっている。すなわち、図10に示した例では、m+2回目のフレームでの読み出し処理が完了した時点で、各放射線検出素子7からのデータDの読み出し処理が終了する。
なお、放射線の照射の開始の判断と同様にして、読み出された個々のデータDや、走査線5の各ラインLnごとの各データDの積算値ΣD(n)、或いは各フレームごとの各データDの合計値ΣD(m)に基づいて、放射線の照射が終了したことを制御手段22で判断するように構成することも可能である。
また、上記のように取得された各フレームごとの各放射線検出素子7ごとのデータDに対して画像処理を行い、真の画像データd*の算出処理等を外部のコンピュータ等で行う場合には、制御手段22は、記憶手段40に記憶されているm回目〜m+2回目のフレームのデータD(この場合は画像データd)や、m−1回目のフレームを含むそれ以前のフレームのデータD(この場合はオフセット補正値O)を外部コンピュータに送信するようになっている。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
本発明者らの研究では、本実施形態のようないわゆるMIS型の放射線検出素子7(図5参照)ではなく、図11に示すようないわゆるpin型の放射線検出素子を用いた場合に、前述した図20に示したように、放射線画像pの画像領域δTの画像データd中に図中矢印で示すような局所的な大きな画像データdのピークが生じることが分かっている。
pin型の放射線検出素子100は、図11に示すように、通常、AlやCr、Mo等からなり、TFT8のソース電極に接続される第1電極101の上に、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層102、水素化アモルファスシリコンで形成された、本実施形態における半導体層に相当するi層103、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層104が順に積層されて形成され、p層104の上側に、ITO等の透明電極とされた第2電極105が積層されて形成される。
なお、以下では、n層102、i層103、p層104が上記のように積層されており、第2電極105側に、第1電極101側に印加される電圧以下のバイアス電圧(すなわち逆バイアス電圧)が印加される場合について説明するが、n層102、i層103、p層104の積層の順番は上下逆であってもよい。また、pin型の放射線検出素子100には、第1電極101と、n層102(或いは上下逆の場合のp層104)やi層103との間には、本実施形態のMIS型のような絶縁層は設けられない。
また、m回目のフレームからm+2回目のフレームまでの各フレームの画像データdをd(m)〜d(m+2)と表す場合、各フレームごとの画像データd(m)〜d(m+2)をそれぞれ図19に示した放射線画像pの場合と同様に信号線方向に沿って見た場合、図12に示すように、放射線画像pの画像領域δT中の画像データdのピークは、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されたm回目のフレームで生じることが分かる。
以上のことから、pin型の放射線検出素子100で、上記のような局所的な画像データdのピークが生じる理由は、以下のように考えられている。
放射線検出素子100に対する放射線(或いは放射線がシンチレータ3で変換された電磁波。以下同じ)の照射が開始される以前には、放射線検出素子100の第2電極1051やi層103、第1電極101、TFT8、信号線6には、図13(A)に示すような電位Vや電位勾配が生じている。なお、図13(A)等では、n層102やp層104の記載が省略されており、また、バイアス電圧(逆バイアス電圧)がVbiasと記載されている。また、図13(A)等では、前述した基準電位V0が0[V]の場合が示されている。
そして、放射線検出素子100に放射線が照射されると、i層103内で電子正孔対が発生して、電子が第1電極101側に移動し、正孔が第2電極105側に移動する。そして、放射線検出素子100に放射線が照射され続けると、i層103内で発生する電子正孔対が次第に増加し、第1電極101側に溜まる電子や第2電極105側に溜まる正孔が多くなる。
なお、本発明者らの研究では、その際、放射線画像撮影装置に照射された放射線(或いはシンチレータ3で変換された電磁波)が各TFT8に照射されるが、このように各TFT8に放射線が照射されると各TFT8内を電流が流れ易くなり、上記のように第1電極101側に溜まった電子の一部がTFT8を介して信号線6にリークする。
そのため、放射線が照射されている最中に読み出し処理が行われている放射線検出素子100からの画像データdに、同じ信号線6に接続されている他の放射線検出素子100からリークした各電荷に起因するデータが重畳されるため、図20に示したように、画像領域δT(図19参照)部分の放射線検出素子100の画像データdが、画像領域Aや画像領域Bの各放射線検出素子100の画像データdよりも、全体的に大きくなると考えられている。
上記のように、第1電極101側に電子が溜まり、第2電極105側に正孔が溜まると、第1電極101側に溜まった電子と第2電極105側に溜まった正孔との間に形成される電界が、もともと第1電極101と第2電極105との間に形成されていた上記の電位勾配を打ち消すように作用して、図13(B)に示すように、バイアス電圧Vbiasが印加された第2電極105に対する第1電極101の電位Vが低下していく。
そして、さらに放射線の照射が続き、放射線検出素子100のi層103で発生した電荷量すなわち電子正孔対の量が放射線検出素子100の飽和電荷量或いはそれに近い量になると、図14(A)に示すように、放射線検出素子100のi層103内の電位勾配がほとんどなくなり、逆にTFT8内での電位勾配が非常に大きくなる。
そのため、放射線の照射によりその内部で電流が流れ易い状態になっているTFT8でいわば決壊が生じたような状態になり、放射線検出素子100の第1電極101付近に溜まっていた電子の一部がTFT8を介して信号線6に一気に流れ込む。そのため、図12や図20に示したような画像データd、d(m)にピークが現れる。
しかし、放射線検出素子100の第1電極101付近に溜まっていた電子の一部が信号線6に流れ込んだ後も、図14(B)に示すように、放射線検出素子100のi層103内では電位勾配がほとんどない状態が続くため、その後、放射線の照射が続いてi層103での電子正孔対の発生が続いても、発生した電子や正孔が第1電極101側や第2電極側105側に流れにくくなる。
そして、i層103で発生した電子正孔対がその場で再結合してしまい、放射線の照射が続いても、第1電極101側に溜まる電子の量や、第2電極105側に溜まる正孔の量は、ほとんと増えない。そのため、上記のように放射線検出素子100の第1電極101側から電子の一部が信号線6に一気に流れ込んだ後は、放射線検出素子100からの電荷のリーク量が減る。
そのため、リークする電荷(電子)の量が一旦増加した後、リーク量が減るため、図12や図20に示したように、画像データd、d(m)に局所的なピークが現れると考えられている。
しかし、本実施形態のように、放射線検出素子7としてMIS型の放射線検出素子(図5参照)を用いれば、MIS型の放射線検出素子では、前述したように、第1電極73と半導体層75との間に絶縁層74が設けられているため、半導体層75で発生した電子正孔対のうちのいずれかの電荷(すなわち逆バイアス電圧が印加されている場合には電子、順バイアス電圧が印加されている場合には正孔)が第1電極73側に移動しても、絶縁層74で遮られ、第1電極73には到達しない。
そのため、上記のpin型の放射線検出素子のように、第1電極73付近に溜まっていた電子の一部がTFT8を介して信号線6に一気に流れ込むような現象が生じることはないため、図12や図20に示したような画像領域δTでの画像データd、d(m)の局所的なピークが現れることがない。
そのため、前述したように、pin型の放射線検出素子100を用いて放射線画像撮影を行った場合に、生成された放射線画像p中に現れる筋状の像を、的確に現れないようにすることが可能となる。
なお、画像データd(m)〜d(m+2)に対して画像処理を行って放射線画像pを生成する放射線画像撮影装置1の制御手段22や外部コンピュータ等は、下記(1)式に従って、画像データd(m)〜d(m+2)からそれぞれオフセット補正値Oを減算したうえで足し合わせて、各放射線検出素子7ごとの真の画像データd*を算出する。
d*=(d(m)−O)+(d(m+1)−O)+(d(m+2)−O)
∴d*=d(m)+d(m+1)+d(m+2)−3O …(1)
d*=(d(m)−O)+(d(m+1)−O)+(d(m+2)−O)
∴d*=d(m)+d(m+1)+d(m+2)−3O …(1)
そして、算出した真の画像データd*に対してゲイン補正や対数変換処理等の公知の種々の処理を施して、各放射線検出素子7ごとに最終的な画像データを算出し、それに基づいて放射線画像pを生成する。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、照射された放射線のエネルギを電荷に変換する放射線検出素子7として、第1電極73と電荷を発生させる半導体層75との間に絶縁層74が設けられたMIS型の放射線検出素子を用いるように構成した。
そのため、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されて、放射線検出素子7内で発生する電荷の量が放射線検出素子7の飽和電荷量やそれに近い値になっても、pin型の放射線検出素子100のように、電荷が第1電極からTFT8を介して信号線6に一気に流れ込むことを防止することが可能となる。
そのため、データD(すなわち画像データd)中に図20に示したような局所的なピークが現れることが的確に防止されるため、得られたデータD(画像データd)に基づいて生成される放射線画像p中に筋状の像が現れることを的確に防止することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、放射線検出素子7の絶縁層74(図5参照)が第1電極73と半導体層75との間に設けられている場合について説明したが、絶縁層74を第2電極76と半導体層75との間に設けられていてもよい。この場合は、第1電極73と半導体層75との間には絶縁層は設けられない。
このように構成する場合、第1電極73と半導体層75とが直接接続されるように構成されるため、上記のpin型の放射線検出素子100の場合と同様に、放射線検出素子7内で発生して蓄積された電荷の量が放射線検出素子7の飽和電荷量やそれに近い値になると、電荷が第1電極からTFT8を介して信号線6に一気に流れ込む現象が生じることが懸念される。
しかし、半導体層75内で発生した電子正孔対のうち、一方の電荷(例えば電子)が第1電極73側に移動し、他方の電荷(例えば正孔)が第2電極76側に移動するが絶縁層74で移動が阻止されて絶縁層74付近の半導体層75部分に溜まる。そして、電子と正孔の間にクーロン力が働くため、第2電極76側の絶縁層74付近の半導体層75部分に溜まった前記他方の電荷と等量で正負が逆の前記一方の電荷が第1電極73付近に溜まらざるを得ず、前記他方の電荷の電荷が絶縁層74を越えて第2電極76からバイアス線9側に流出できない以上、前記一方の電荷が第1電極73から信号線6に流れ出すことはない。
そのため、放射線検出素子7の絶縁層74を第2電極76と半導体層75との間に設け、第1電極73と半導体層75とが直接接続されるように構成された場合であっても、上記のpin型の放射線検出素子100の場合のように放射線検出素子内で発生して蓄積された電荷の量が放射線検出素子の飽和電荷量やそれに近い値になった場合に電荷が第1電極からTFT8を介して信号線6に一気に流れ込む現象は生じない。
また、前述したように、画像データdに局所的なピークが現れる原因の一つとして、放射線画像撮影装置1に照射された放射線(或いはシンチレータ3で変換された電磁波)がTFT8に照射されると、TFT8内を電流が流れ易くなり、放射線検出素子7からTFT8を介して信号線6に電荷の一部がリークし易くなることが挙げられる。
そこで、例えば、全てのTFT8に遮光材を設けて、シンチレータ3から照射された電磁波が各TFT8に到達しないように構成して、TFT8内を電流が流れ易くなる現象が生じることを防止することで、画像データdに局所的なピークが現れないように構成することも可能である。
さらに、MIS型の放射線検出素子7を用いる場合、放射線画像撮影後、半導体層75内に蓄積された電荷を除去するためにリフレッシュ動作が必要になる。
具体的には、本実施形態では、前述したように、放射線画像撮影時には、図15(A)に示すように、放射線検出素子7の第2電極76には、バイアス電源14(図7等参照)から第1電極73側に印加される基準電位V0以下の、いわゆる逆バイアス電圧が印加されており、半導体層75内で発生した電荷すなわち電子正孔対のうち、電子が第1電極73に移動するが、絶縁層74で移動が妨げられ、絶縁層74近傍の半導体層75部分に電子が溜まる。
また、正孔は、第2電極76側に移動するが、前述したように、絶縁層74近傍の半導体層75部分に溜まった電子によるクーロン力により引き付けられてバイアス線9には流出せず、正孔が放射線検出素子7の第2電極76付近に溜まる。
そして、図9や図10に示したように、各放射線検出素子7からデータDを読み出す読み出し処理等の際に、走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧が印加されると、絶縁層74近傍の半導体層75部分に溜まった電子に引き付けられて、信号線6からTFT8を介して第1電極73に正孔が流入する。
このTFT8を介して第1電極73に流入する正孔が、結局、各放射線検出素子7のデータDとして読み出される。なお、その際、TFT8を介して第1電極73に流入する正孔と等量の正孔が、第2電極76からバイアス線9に流出する。
このように、MIS型の放射線検出素子7を用いる場合、放射線画像撮影時に、放射線検出素子7の絶縁層74近傍の半導体層75部分に電子が溜まるが、その電子は、読み出し処理でTFT8を介して信号線6に流出するわけでなく、絶縁層74近傍の半導体層75部分に留まったままとなる。
そこで、図15(A)に示したように、通常の状態で放射線検出素子7の第2電極76に逆バイアス電圧が印加されるように構成されている場合には、リフレッシュ動作では、図15(B)に示すように、第2電極76に印加するバイアス電圧Vbiasを0[V]すなわち第1電極73側に印加されている基準電位V0より大きな値に可変させて(すなわちいわゆる順バイアスの状態として)、絶縁層74近傍の半導体層75部分に溜まっている電子を第2電極76側からバイアス線9に抜き出す。また、その際、TFT8にオン電圧を印加して、上記のようにTFT8を介して第1電極73に流入した正孔を第1電極73から信号線6に抜き出す。
このようにしてリフレッシュ動作を行うと、第1電極73に溜まった正孔がTFT8を介して信号線6に流出する。また、絶縁層74近傍の半導体層75部分に溜まっていた電子の一部が、第2電極76付近に溜まっていた正孔と再結合し、電子の残りが第2電極76を介してバイアス線9に流出する。このようにして、放射線検出素子7内から余分な電荷が適切に除去される。
各放射線検出素子7のリフレッシュ動作は、前述したm+2回目のフレームの読み出し処理が終了した時点で行われるが、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射前にも、放射線検出素子7内に暗電荷が蓄積されるため、適宜のタイミングでリフレッシュ動作を行うように構成される。
1 放射線画像撮影装置
3 シンチレータ
5、L1〜Lx 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
15 走査駆動手段
17 読み出し回路
22 制御手段
40 記憶手段
73 第1電極
74 絶縁層
75 半導体層
76 第2電極
D データ
P 検出部
r 領域
ΣD(m) 合計値
ΣD(n) 積算値
3 シンチレータ
5、L1〜Lx 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
15 走査駆動手段
17 読み出し回路
22 制御手段
40 記憶手段
73 第1電極
74 絶縁層
75 半導体層
76 第2電極
D データ
P 検出部
r 領域
ΣD(m) 合計値
ΣD(n) 積算値
Claims (5)
- 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記放射線検出素子からの読み出し処理の際に、データ読み出し用の電圧を印加する前記各走査線を順次切り替えながら印加する走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、前記データ読み出し用の電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記放射線検出素子から読み出された前記電荷をデータに変換する読み出し回路と、
少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
前記読み出された前記データを保存する記憶手段と、
を備え、
前記放射線検出素子は、前記スイッチ手段と接続される第1電極と、照射された放射線のエネルギに応じて電荷を発生させる半導体層と、前記半導体層を挟んで前記第1電極の対極側に配置される第2電極と、前記第1電極と前記半導体層との間に設けられた絶縁層とを備えて構成されており、
前記検出部上の全ての前記放射線検出素子から前記データを読み出す期間を1フレームとするとき、前記制御手段は、前記放射線検出素子からの前記フレームごとの読み出し処理を繰り返し行うとともに、前記読み出し回路により読み出される前記データの値に基づいて少なくとも放射線の照射開始を検出し、放射線の照射が開始された時点で前記読み出し処理を行っているフレーム以降の所定数の各フレームで読み出された前記放射線検出素子ごとの前記データを前記記憶手段に記憶することを特徴とする放射線画像撮影装置。 - 前記制御手段は、前記各フレームごとに前記検出部上の全ての前記放射線検出素子から読み出された前記データの合計値に基づいて放射線の照射の開始を検出することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
- 前記制御手段は、前記各走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記データの積算値に基づいて放射線の照射の開始を検出することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
- 前記放射線検出素子は、前記絶縁層が、前記第1電極および前記半導体層との間に設けられる代わりに、前記第2電極と前記半導体層との間に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
- 照射された放射線を別の波長の電磁波に変換して前記放射線検出素子に照射するシンチレータを備え、
前記スイッチ手段には、前記シンチレータから照射された電磁波を遮光する遮光材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
Priority Applications (1)
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JP2010060430A JP2011196689A (ja) | 2010-03-17 | 2010-03-17 | 放射線画像撮影装置 |
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JP2010060430A JP2011196689A (ja) | 2010-03-17 | 2010-03-17 | 放射線画像撮影装置 |
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JP2010060430A Pending JP2011196689A (ja) | 2010-03-17 | 2010-03-17 | 放射線画像撮影装置 |
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JP (1) | JP2011196689A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014017593A (ja) * | 2012-07-06 | 2014-01-30 | Canon Inc | 放射線撮像装置の制御方法、放射線撮像装置、及び、放射線撮像システム |
-
2010
- 2010-03-17 JP JP2010060430A patent/JP2011196689A/ja active Pending
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