JP2011130880A - 放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】放射線画像撮影で取得された画像データを圧縮する際の圧縮率を向上させることが可能な放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1は、各放射線検出素子7から信号線6を通じて画像データdを読み出す複数の読み出し回路17と、放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理において走査駆動回路15と読み出し回路17の各動作を制御する制御手段22とを備え、制御手段22は、放射線画像撮影の前後或いは画像データdの読み出し処理時に、走査駆動回路15から全ての走査線5にオフ電圧を印加させた状態で各読み出し回路17に読み出し動作を行わせて読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得し、画像データdと読み出し回路17ごとのオフセット値Olineに基づいて生成した画像用データDdに対して圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置58に送信する。
【選択図】図7

Description

本発明は、放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムに係り、特に、画像データを圧縮して転送する放射線画像撮影装置およびそれを受信して元の画像データに復元する放射線画像撮影システムに関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
ところで、このような放射線画像撮影装置では、複数の放射線検出素子が二次元状(マトリクス状)に配列されて検出部が形成されるが、その際、放射線検出素子の数(すなわち画素数)は、通常、数百万〜数千万画素或いはそれ以上の画素数にのぼる。そのため、各放射線検出素子から読み出された画像データを外部装置に圧縮せずに転送すると、転送時間が長くなる。また、バッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置では、画像データの転送時間が長くなると、転送の際に消費される電力が大きくなり、バッテリの消耗につながる。
そこで、例えば特許文献4や特許文献5に記載されているように、読み出された画像データは、通常、可逆圧縮(ロスレス圧縮ともいう。)や非可逆圧縮(不可逆圧縮ともいう。)等のデータ圧縮方法で圧縮されて、コンソールやサーバ等の外部装置に転送される。
そして、例えば、放射線画像撮影装置を、被写体として患者の頭部や胸部、手足等の身体の一部を撮影し、取得された放射線画像を医用画像として診断等に用いる医用画像の撮影装置として用いる場合には、画像データを圧縮するデータ圧縮方法としては、一般的には、圧縮により画像データが有する情報の一部が失われてしまう非可逆圧縮の方法よりも圧縮前の画像データと復元後の画像データとが完全に一致するように圧縮を行う可逆圧縮の方法が採用されることが好ましいと考えられている。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 特開2000−275350号公報 特開2005−287927号公報
ところで、放射線画像撮影装置では、後述する図7に示すように、通常、互いに交差するように配設された複数の走査線5と複数の信号線6とを備え、走査線5と信号線6により区画された各領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7とを備える検出部Pが設けられている。
そして、放射線画像撮影により各放射線検出素子7内で発生し蓄積された電荷すなわち画像データは、走査線5の各ラインL1〜Lxのうち1本のラインLにオン電圧が印加され、走査線5の各ラインL1〜Lxを介してスイッチ手段である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8のゲート電極8g(同図ではGと表現されている。)にオン電圧が印加されてTFT8がオン状態となると、各放射線検出素子7から各信号線6に流出し、読み出し回路17で電荷電圧変換等の処理がなされる。
そして、読み出し回路17で電荷電圧変換等の処理がなされた画像データは、マルチプレクサ21を介してA/D変換回路20に送信され、A/D変換回路20でデジタル値に変換されて記憶手段40に記憶される。この処理が走査線5の各ラインL1〜Lxごとに繰り返され、走査線方向に並ぶ画像データ(すなわち図7中で各TFT8を介して同じ走査線5に接続された横方向に並ぶ各放射線検出素子7から読み出された画像データ)が順次記憶手段40に記憶されていく。
そのため、上記のように画像データを圧縮処理して送信する際に、記憶手段40に記憶された各画像データを、走査線方向に並ぶ画像データごとに順次読み出すように構成すれば、記憶手段40に書き込んだ順に読み出していけばよくなるため、画像データが記憶手段40のどのアドレスに記憶されているかを検索する必要がなく、画像データの記憶手段40からの読み出し動作を容易に行うことが可能となるとともに、圧縮処理も容易に行うことが可能となる。
しかしながら、走査線方向に並ぶ画像データは、それぞれ異なる信号線6を介して読み出されたデータであり、信号線6ごとのばらつきが大きいという特徴がある。そして、そのために、走査線方向に並ぶ画像データに対して例えばハフマン符号化等の圧縮処理を行っても、データの圧縮率が必ずしも高くならないといった問題があった。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影で取得された画像データを圧縮する際の圧縮率を向上させることが可能な放射線画像撮影装置およびそれを用いた放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記各放射線検出素子から前記各信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を画像データとして出力する複数の読み出し回路と、
前記各走査線に対して印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える走査駆動回路と、
前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理において、少なくとも前記走査駆動回路と前記読み出し回路の各動作を制御する制御手段と、
圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
外部装置との間でデータを送受信する通信手段と、
を備え、
前記制御手段は、放射線画像撮影の前または後、或いは前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理時に、前記走査駆動回路から全ての前記走査線に前記オフ電圧を印加させた状態で前記各読み出し回路に読み出し動作を行わせて前記読み出し回路ごとのオフセット値を取得し、前記画像データおよび前記読み出し回路ごとのオフセット値に基づいて生成した画像用データに対して前記圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
上記の本発明の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶されている前記圧縮処理に関する情報と同じ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮処理が施された前記画像用データおよび前記オフセット用データを、前記メモリに記憶された前記圧縮処理に関する情報に基づいて元の前記画像用データおよび元の前記オフセット用データに解凍して復元するコンソールと、
を備え、
前記コンソールは、復元した各放射線検出素子ごとに前記元の画像用データと前記元のオフセット用データに基づいて画像処理を行って診断用放射線画像を生成することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影装置は、上記の放射線画像撮影装置において、前記制御手段は、前記画像用データに対して圧縮処理を行う代わりに、前記画像データから前記読み出し回路ごとのオフセット値を減算して前記画像用データを生成し、かつ、隣接する前記放射線検出素子の前記画像用データ同士の差分を差分データとして算出して生成し、生成した前記差分データに対して前記圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
上記の本発明の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶されている前記圧縮処理に関する情報と同じ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮処理が施された前記差分データおよび前記オフセット用差分データを、前記メモリに記憶された前記圧縮処理に関する情報に基づいて元の前記差分データおよび元の前記オフセット用差分データに解凍して復元するコンソールと、
を備え、
前記コンソールは、復元した前記元の差分データおよび前記元のオフセット用差分データに基づいて各放射線検出素子ごとに元の前記画像用データと元の前記オフセット用データを復元し、復元した前記元の画像用データと前記元のオフセット用データに基づいて画像処理を行って診断用放射線画像を生成することを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムによれば、読み出し回路ごとのオフセット値を取得し、それを画像データ等から減算する等して画像用データ等を算出し、その画像用データ等、或いは隣接する放射線検出素子の画像用データ等同士の差分データ等に対して圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信する。
そのため、放射線画像撮影で取得された画像データ等から、読み出し回路ごとに異なり比較的大きくばらつく読み出し特性の影響を的確に排除した状態で圧縮処理を行うことが可能となり、画像用データや差分データ等を圧縮する際の圧縮率を的確に向上させることが可能となる。
そして、圧縮率が高くなると、圧縮された画像用データや差分データ等のデータ量が小さくなるため、データの転送時間を短縮することが可能となる。そのため、特にバッテリ内蔵型の可搬型の放射線画像撮影装置では、データの転送時間が短くなると、その分、バッテリの消耗度合いが軽減されるため、1回の充電あたりの使用効率を向上させることが可能となる。
本実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。 図1におけるX−X線に沿う断面図である。 放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。 図3の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 図4におけるY−Y線に沿う断面図である。 COFやPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 走査駆動回路のゲートドライバの走査線が接続されない未接続の端子を説明する図である。 相関二重サンプリング回路における電圧値の変化等を表すグラフである。 放射線画像撮影後に画像用データの圧縮、送信等を行う場合の各処理の経過を示すグラフである。 各走査線および未接続の端子にオン電圧を順次印加するタイミングの一例を表すタイミングチャートである。 本実施形態における未接続の端子および各走査線にオン電圧を順次印加するタイミングを表すタイミングチャートである。 レジスタ部の構成および画像用データ、差分データの生成処理の仕方を説明する図である。 画像用データ、差分データの生成処理の仕方を説明する図である。 放射線画像撮影後にプレビュー等データの圧縮、送信等を行う場合の各処理の経過を示すグラフである。 本実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。 (A)走査線方向に見た場合に画像データがばらつく状態を説明する図であり、(B)走査線方向に見た場合に画像用データのばらつきが抑制された状態を説明する図である。 生成された差分データの出現頻度の分布を示すグラフである。 正規分布状の出現頻度の分布を示すグラフである。 (A)隣接する放射線検出素子の画像データ自体の差分の出現頻度の分布を示すグラフであり、(B)放射線の線量を上げた場合の差分の出現頻度の分布を示すグラフである。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。また、放射線画像撮影装置が可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された放射線画像撮影装置に対しても適用される。
[放射線画像撮影装置]
図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納されて構成されている。
筐体2は、少なくとも放射線入射面Rが放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ41(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、画像データd等を、後述するコンソール58(図15参照)等の外部装置に無線で送受信するための通信手段であるアンテナ装置39が埋め込まれている。
なお、アンテナ装置39の設置位置は蓋部材38の側面部に限らず、放射線画像撮影装置1の任意の位置にアンテナ装置39を設置することが可能である。また、設置するアンテナ装置39は1個に限らず、複数設けることも可能である。さらに、画像データd等を外部装置に有線方式で送受信するように構成することも可能であり、その場合は、例えば、通信手段として、ケーブル等を差し込むなどして接続するための接続端子等が放射線画像撮影装置1の側面部等に設けられる。
図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧が印加され、ゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内で発生し蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧が印加され、ゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内で発生した電荷を放射線検出素子7内に保持して蓄積させるようになっている。
ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるY−Y線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiN)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
また、p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、これに限定されない。
放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiN)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で結線10に結束されている。
本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bを構成するゲートIC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極78にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。また、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22は、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を制御するようになっている。
本実施形態では、バイアス線9の結線10に、結線10(バイアス線9)を流れる電流の電流量を検出する電流検出手段43が設けられている。そして、前述したように、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると各放射線検出素子7のi層76(図5参照)内で電子正孔対が発生し、それがバイアス線9や結線10に流れ出して結線10等に電流が流れるが、電流検出手段43は、その結線10を流れる電流の増減を検出して放射線の照射の開始や終了を検出できるようになっている。なお、本発明においては、電流検出手段43は必ずしも設けられなくてもよい。
図7や図8に示すように、本実施形態では、放射線検出素子7のp層77側(図5参照)に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極78にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極74側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、ゲートドライバ15bにオン電圧とオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧の間で切り替えて各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えるゲートドライバ15bとを備えている。本実施形態では、走査駆動手段15のゲートドライバ15bは、前述したゲートIC12aが複数並設されて形成されており、1つのゲートIC12aには、128本等の所定の本数の走査線5が接続できるようになっている。
本実施形態の放射線画像撮影装置1では、走査線5がラインL1〜Lxまで所定のx本設けられるように構成される。そのため、図9に示すように、ゲートドライバ15bの端部のゲートIC12a、すなわち図中の下端または上端に配置されるゲートIC12aでは、走査線5が接続されない未接続の端子pが生じている。
図7や図8に示すように、各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には1本の信号線6に1個ずつ読み出し回路17が設けられている。
読み出し回路17は、増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とが設けられている。なお、図7や図8および後述する図10中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18には、増幅回路18に電力を供給するための電源供給部18dが接続されている。
また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。なお、基準電位Vは適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理時に、電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに走査線5を介して信号読み出し用のオン電圧が印加されると)、当該放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧値を出力して電荷電圧変換するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされると、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて増幅回路18がリセットされるようになっている。なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。
増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、この相関二重サンプリング回路19におけるサンプルホールド機能は、制御手段22から送信されるパルス信号によりそのオン/オフが制御されるようになっている。
すなわち、制御手段22は、放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理においては、まず、各読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cを制御してオフ状態にする。その際、電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態にした瞬間に、いわゆるkTCノイズが発生し、増幅回路18のコンデンサ18bにkTCノイズに起因する電荷qが溜まる。
前述したように、増幅回路18では、コンデンサ18bに蓄積された電荷量に応じた電圧値が増幅回路18のオペアンプ18aの出力端子から出力されるが、上記のようにkTCノイズに起因する電荷qがコンデンサ18bに溜まることにより、図10に示すように、オペアンプ18aの出力端子から出力される電圧値が、電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態にした瞬間(図10では「18coff」と表示)に、前述した基準電位V0から、kTCノイズに起因する電荷qの分だけ瞬間的に変化し、電圧値Vinに変わる。
制御手段22は、この段階で(図10では「CDS保持」(左側)と表示)、相関二重サンプリング回路19に1回目のパルス信号Sp1を送信して、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持させる。
続いて、走査駆動回路15から1本の走査線5にオン電圧Vonを印加してその走査線5にゲート電極8gが接続されているTFT8をオン状態とすると(図10では「TFTon」と表示)、これらのTFT8が接続されている各放射線検出素子7から蓄積された電荷が各信号線6を介して増幅回路18のコンデンサ18bに流れ込んで蓄積され、図10に示すように、コンデンサ18bに蓄積された電荷量に応じてオペアンプ18aの出力側から出力される電圧値が上昇していく。
そして、制御手段22は、所定時間が経過した後、走査駆動回路15から当該走査線5に印加しているオン電圧Vonをオフ電圧Voffに切り替えてその走査線5にゲート電極8gが接続されているTFT8をオフ状態とし(図10では「TFToff」と表示)、この段階で各相関二重サンプリング回路19に2回目のパルス信号Sp2を送信して、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持させる(図10では「CDS保持」(右側)と表示)。
各相関二重サンプリング回路19は、2回目のパルス信号Sp2で電圧値Vfiを保持すると、電圧値の差Vfi−Vinを算出し、算出した差Vfi−Vinを画像データdとして下流側に出力するようになっている。
相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データdは、アナログマルチプレクサ21(図7参照)に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データdに変換されて記憶手段40に出力されて順次保存されるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、図7等に示すように、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段40が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段40、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。また、バッテリ41には、クレードル等の図示しない充電装置からバッテリ41に電力を供給してバッテリ41を充電する際の接続端子42が取り付けられている。
前述したように、制御手段22は、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定したり、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御する等の各種の処理を実行するようになっている。
また、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理時や放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し時に、走査駆動手段15に対して、走査駆動手段15から各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えさせるためのパルス信号を送信するようになっている。
一方、制御手段22は、放射線画像撮影の前や後、或いは各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理時に、走査駆動回路15のゲートドライバ15bから走査線5の全てラインL1〜Lxにオフ電圧を印加させた状態、すなわち全てのTFT8をオフ状態とした状態で、各読み出し回路17に読み出し動作(すなわちこの場合はいわゆる空読みの状態となる。)を行わせて、読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得するようになっている。上記のように、各読み出し回路17はそれぞれ信号線6ごとに接続されているため、読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを信号線6ごとのオフセット値Olineと言い換えることも可能である。
例えば、放射線画像撮影の前や後、すなわち図11に示すA、Bのいずれかのタイミングで、上記の各読み出し回路17での読み出し動作(すなわち空読みの動作)を行うように構成することが可能である。この場合には、走査線5の全ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加した状態で、各読み出し回路17で上記のような読み出し動作を行わせる。
すなわち、走査線5の全ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加した状態で、図10に示した通常の画像データdの読み出し動作と同様に、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態とし、各相関二重サンプリング回路19に1回目のパルス信号Sp1を送信してその時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持させる。なお、この場合、走査線5の全ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加した状態であるため、TFT8のオン/オフは行われない。
そして、画像データdの読み出し動作の場合と同じ所定時間後に各相関二重サンプリング回路19に2回目のパルス信号Sp2を送信してその時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持させる。そして、各相関二重サンプリング回路19から電圧値の差Vfi−Vinを読み出し回路17ごとのオフセット値Olineとして出力させて、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信させ、順次デジタル値に変換させて記憶手段40に順次保存させる。
この場合、このいわゆる空読みの動作を複数回行う場合には、各回ごとに得られたオフセット値Olineを読み出し回路17ごとに平均化する等して、読み出し回路17ごとのオフセット値Olineとする。なお、図11や後述する図12、図13における各処理の時間や各処理間の時間間隔等は必ずしも現実を反映したものではない。
また、例えば、各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理時、すなわち図11に示すC、Dのいずれかのタイミングで、上記の各読み出し回路17での読み出し動作(すなわち空読みの動作)を行うように構成することも可能である。
図11に示すDのタイミングで各読み出し回路17で空読みの動作を行うように構成する場合とは、各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理の際、オン電圧が印加される走査線5を、通常の場合と同様に、ラインL1、L2、…、Lx(図7、図9参照)の順に切り替えながら読み出し処理を行うように構成する場合である。
すなわち、図12に示すように、例えば走査線5の全てのラインL1〜Lxにオン電圧を印加して各放射線検出素子7の一括リセット処理を行い、放射線画像撮影装置1に対する放射線照射が行われた後、画像データdの読み出し処理においては、走査駆動回路15のゲートドライバ15bを構成するゲートIC12a(図9参照)の各端子のうち、走査線5の各ラインL1〜Lxが接続されている端子だけでなく走査線5が接続されていない未接続の端子pにもオン電圧を順次印加するように構成し、走査駆動回路15のゲートドライバ15bの各端子にオン電圧を印加する順番をL1、L2、…、Lx、p、p、…、pの順に切り替える。
この場合、走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧が印加される際には、各ラインL1〜Lxに接続されているTFT8がオン状態となり、TFT8に接続されている各放射線検出素子7から画像データdが読み出されるが、未接続の端子pにオン電圧が印加される際には、オン状態とされるTFT8が存在しないから、画像データdの読み出しは行われない。
しかし、未接続の端子pにオン電圧が印加される際にも、上記と同様に各読み出し回路17で空読みの動作を行って単数または複数の読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得し、複数のオフセット値Olineを取得するように構成した場合には、例えばそれらを読み出し回路17ごとに平均化する等して読み出し回路17ごとのオフセット値Olineとする。
このように構成すれば、放射線画像撮影の前や後に読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得するための各読み出し回路17での空読みの動作を改めて行う必要がなくなり、1回の読み出し動作の中で画像データdとともに読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを同時に取得することが可能となる。
また、通常の画像データdの読み出し動作と同じ動作で画像データdと読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを読み出すことが可能となり、通常の画像データdの読み出し処理に加えて、未接続の端子pの部分まで読み出し処理を行うように構成すれば足るため、処理手順の構築を非常に容易に行えるといったメリットがある。
本実施形態では、これとは逆に、制御手段22は、図11に示すCのタイミングで各読み出し回路17に空読みの動作を行わせるように構成されている。
この場合、各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理の際には、走査駆動回路15のゲートドライバ15bは、図13のタイミングチャートに示すように、各端子にオン電圧を印加する順番を、上記の場合とは逆に、未接続の端子pの方から順にp、…、p、p、Lx、…、L2、L1の順番で切り替えるようになっている。
そして、制御手段22は、まず、未接続の端子pにオン電圧が印加される際に、図10に示したように各読み出し回路17に空読みの動作を行わせて(なお、その際にはTFT8のオン/オフは行われない。)、単数または複数の読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得し、記憶手段40に順次保存させるようになっている。
そして、引き続き、走査線5の各ラインLx〜L1にオン電圧を順次印加させ、TFT8のオン/オフ動作を行わせて、各ラインLx〜L1にTFT8を介して接続されている各放射線検出素子7から画像データdを各読み出し回路17により読み出させて記憶手段40に順次保存させるようになっている。
このように構成すれば、放射線画像撮影の前や後に読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得するための各読み出し回路17での空読みの動作を改めて行う必要がなくなり、1回の読み出し動作の中で画像データdとともに読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを同時に取得することが可能となる。
また、例えば各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理を開始する直前に各読み出し回路17を起動(すなわちいわゆるwake up)させるような場合には、各読み出し回路17の読み出し特性が不安定になる場合があるが、未接続の端子pに順次オン電圧を印加して各読み出し回路17でいわゆる空読みを繰り返すうちに、各読み出し回路17の温度が上昇して安定する。
そのため、その後、走査線5の各ラインLx、…、L2、L1の順に順次オン電圧を印加して読み出し動作を行う際には、各読み出し回路17の温度等が安定している状態とすることができる。そのため、各読み出し回路17の読み出し特性を安定化させることが可能となる。
また、このように未接続の端子p側から読み出し動作を行う場合、各読み出し回路17の読み出し特性の安定化のみを考えると、通常では、未接続の端子pにオン電圧が印加された際に各読み出し回路17で空読みされたデータは記憶手段40に保存されずに捨てられると考えられる。しかし、本実施形態では、このような通常では捨てられるデータを有効活用して読み出し回路17ごとのオフセット値Olineとして利用することが可能となるといった優れたメリットをも有している。
なお、ゲートドライバ回路15bの未接続の端子pにオン電圧が印加されて空読みする際に、全ての未接続の端子pにオン電圧が印加され空読みするごとに読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得して読み出し回路17ごとに平均化するように構成してもよいが、上記のように、最初のうちは各読み出し回路17の温度が上昇中で読み出し特性が安定していない場合もある。
そのため、最初のうちの空読みのデータは捨てて(すなわち空読みの動作は行うが記憶手段40には保存せず)、走査線5のラインLxが接続された端子に近い位置にある1個或いは数個の未接続の端子p(図9の例で言えば図中のより上側の未接続の端子p)にオン電圧が印加された際の空読みのデータ(或いはそれらの読み出し回路17ごとの平均値)を読み出し回路17ごとのオフセット値Olineとして取得するように構成することも可能である。
制御手段22は、上記のようにして、放射線検出素子7ごとの画像データdおよび読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得すると、それらに基づいて放射線検出素子7ごとの画像用データDdを生成し、生成した画像用データDdに対して本実施形態ではハフマン符号化による圧縮処理を行ってコンソール58等の外部装置に送信するようになっている。
以下、制御手段22による本発明に係る画像データdおよび読み出し回路17ごとのオフセット値Olineに基づいて生成した画像用データDdに対する圧縮、送信処理について説明する。
なお、本実施形態では、後述するオフセット補正値Oや間引きデータDtに基づくオフセット用データDoやプレビュー用データDpについても同様の圧縮、送信処理が行われるようになっている。
画像データdおよび読み出し回路17ごとのオフセット値Olineに基づく画像用データDdに対する圧縮処理においては、例えば、各画像データdから、当該画像データdが読み出された放射線検出素子7が信号線6を介して接続されている読み出し回路17に対応する読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを減算して画像用データDdを生成し、画像用データDdを圧縮するように構成することも可能である。しかし、画像データdは、通常、旧来の銀塩フィルムを用いたアナログ画像に匹敵する程度に細かく階調区分されているため、各画像データdがとり得るデータ値のダイナミックレンジ(dynamic range)が非常に大きくなる場合がある。
そのため、本実施形態では、制御手段22は、画像データdおよび読み出し回路17ごとのオフセット値Olineに基づく画像用データDdとして、上記と同様に画像データdから読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを減算して画像用データDdを生成するが、さらに、走査線方向に隣接する放射線検出素子7の画像用データDd同士の差分ΔDdを差分データΔDdとして算出して生成し、生成した差分データΔDdに対して圧縮処理を行うようになっている。
本発明者らの研究によれば、撮影される対象すなわち被写体が、例えば患者の頭部や頚部、胸部、腹部、腕部、脚部等のいずれの場合であっても、上記のようにして生成された差分データΔDdの出現頻度Fの分布は、例えば後述する図19に示すように、ΔDd=0を中心とする正規分布状の分布になることが分かっている。
従って、本実施形態のようにハフマン符号化の手法により差分データΔDdの圧縮処理を行う場合、ΔDd=0を中心とする正規分布状の分布に対してハフマンコードを予め割り当ててハフマンコードのテーブルを作成しておけば、上記のいずれの場合の撮影においてもその1つのハフマンコードのテーブルを適用して圧縮処理を行うことが可能となるといった優れた作用効果を有する。
本実施形態では、制御手段22のROMや記憶手段40等のメモリには、圧縮処理に関する情報として、上記の各差分データΔDdにそれぞれハフマンコードHcが割り当てられたハフマンコードHcのテーブルが予め記憶されている。なお、ハフマンコードHcのテーブルでは、ハフマン符号化による圧縮処理でよく知られているように、出現頻度が高いデータ(すなわちこの場合は差分データΔDd)ほど短いハフマンコードHcが割り当てられている。
また、本実施形態では、制御手段22には、レジスタ部44(図7参照)が接続されている。また、レジスタ部44には、図14に示すように、例えば、読み出し回路17ごとのオフセット値Olineが蓄積されるバッファレジスタ44aと、少なくとも1画素分のデータを蓄積可能なバッファレジスタ44bと、圧縮された各差分データΔDdを、アンテナ装置39を介して外部装置に送信する前に一時的に格納するバッファメモリ44cが設けられている。
なお、本実施形態では、レジスタ部44は制御手段22を構成するFPGAに一体的に設けられている。また、制御手段22がCPU等からなるコンピュータで構成されている場合には、コンピュータに既設のレジスタをレジスタ部44として用いるように構成することも可能である。
また、以下、二次元状に配列された放射線検出素子7の検出部P上の位置を(n,m)で表した場合の画像データdを画像データd(n,m)と表し、また、各読み出し回路17ごとのオフセット値Olineをオフセット値Oline(m)と表す。すなわち、例えば走査線5のラインL1、L2、…にTFT8を介して接続された各放射線検出素子7の位置はそれぞれ(1,m)、(2,m)、…と表され、また、走査線5のラインLnに接続された各放射線検出素子7のうち走査線方向に隣接する放射線検出素子7の位置は…、(n,m−1)、(n,m)、(n,m+1)、…のように表すことができる。
制御手段22は、差分データΔDdの圧縮処理時には、図14に示すように、まず、記憶手段40から、上記のようにして取得した読み出し回路17ごとのオフセット値Oline(m)を読み出して、レジスタ部44のバッファレジスタ44aの各アドレスに蓄積させる。
続いて、記憶手段40から、走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子(1,m)の画像データd(1,m)から順に順次読み出していく。走査線5のラインLx(図7参照)に接続された各放射線検出素子(x,m)の画像データd(x,m)から順に順次読み出していくように構成することも可能である。
そして、画像データd(n,m)について処理を行う場合には、制御手段22は、記憶手段40から画像データd(n,m)を読み出し、画像データd(n,m)から、当該画像データd(n,m)が読み出された放射線検出素子(n,m)が信号線6を介して接続されている読み出し回路17に対応する読み出し回路17ごとのオフセット値Oline(m)を減算して、画像用データDd(n,m)を生成する。
そして、画像用データDd(n,m)から、直前の処理で生成されレジスタ部44のバッファレジスタ44bに蓄積されている画像用データDd(n,m−1)を減算してその差分を差分データΔDd(n,m)として算出して生成し、生成した差分データΔDd(n,m)に対して圧縮処理を行うとともに、バッファレジスタ44bに蓄積されている画像用データDd(n,m−1)を画像用データDd(n,m)に置換する。
制御手段22は、続いて、画像データd(n,m+1)に対しても同様に処理を行い、図15に示すように、記憶手段40から画像データd(n,m+1)を読み出し、画像データd(n,m+1)から読み出し回路17ごとのオフセット値Oline(m+1)を減算して、画像用データDd(n,m+1)を生成する。
そして、画像用データDd(n,m+1)から、レジスタ部44のバッファレジスタ44bに蓄積されている画像用データDd(n,m)を減算してその差分を差分データΔDd(n,m+1)として算出して生成し、生成した差分データΔDd(n,m+1)に対して圧縮処理を行うとともに、バッファレジスタ44bに蓄積されている画像用データDd(n,m)を画像用データDd(n,m+1)に置換する。
制御手段22は、上記の処理を次々と繰り返しながら、各差分データΔDd(n,m)を生成していくようになっている。
なお、上記の場合、画像データd(n,1)から読み出し回路17ごとのオフセット値Oline(1)を減算して生成された画像用データDd(n,1)については、差分データΔDd(n,1)を算出する対象となる画像用データDd(n,0)がバッファレジスタ44bに蓄積されておらず、算出することができない。
そこで、本実施形態では、差分データΔDd(n,1)(n=1〜x)を算出するための基準データとして、予め所定の値に設定された基準データDd(0)を初期値としてバッファレジスタ44bに蓄積させるようになっている。なお、この基準データDd(0)は、n=1〜xで一定の値に設定することも可能であり、n=1〜xごとに異なる値に設定することも可能である。また、この基準データDd(0)は、予め制御手段22のROMや記憶手段40等のメモリに保存されており、また、後述するコンソール58等の外部装置側にも同じ基準データDd(0)が記憶されている。
一方、制御手段22は、上記のようにして生成した各差分データΔDdに対して圧縮処理を行うようになっている。
前述したように、放射線画像撮影装置を、被写体として患者の身体の一部を撮影し、取得された放射線画像を医用画像として診断等に用いる医用画像の撮影装置として用いる場合等には、圧縮方法としては、圧縮前の差分データΔDd(または画像用データDd。以下も同じであり省略する。)と復元後の差分データΔDdとが完全に一致するように圧縮を行う可逆圧縮の方法が採用されることが好ましい。
そこで、本実施形態では、前述したように、可逆圧縮の方法として、ハフマン符号化の方法が採用されている。なお、以下では、ハフマン符号化の方法により差分データΔDdの圧縮処理を行う場合について説明するが、圧縮方法は必ずしもハフマン符号化による必要はなく、他の可逆圧縮の方法を用いて差分データΔDdの圧縮処理を行うように構成することも可能である。
制御手段22は、上記のようにして差分データΔDdを生成するごとに前述したハフマンコードのテーブルを参照して、当該差分データΔDdに対して対応するハフマンコードHcを割り当てるようになっている。すなわち、各ハフマンコードHcが、圧縮された各差分データΔDdに相当する。
そして、制御手段22は、各差分データΔDdに割り当てた各ハフマンコードHcをバッファメモリ44cに一時的に格納し、アンテナ装置39を介して外部装置に順次送信するようになっている。
なお、この場合、放射線画像撮影装置1から差分データΔDdが送信される外部装置も同じハフマンコードHcのテーブルを備えており、外部装置では、解凍処理の際に、テーブルを参照して、送信されてきた圧縮された差分データΔDdを解凍するように構成される。また、前述したように、差分データΔDdを作成せず、画像用データDdをそのまま圧縮するように構成することも可能であるが、そのように構成する場合には、放射線画像撮影装置1と外部装置にそれぞれ共通の画像用データDdの圧縮・解凍用のハフマンコードHcのテーブルを備えるように構成される。
制御手段22は、以上のようにして差分データΔDd(または画像用データDd)に対して圧縮処理を行って外部装置に送信すると、図11に示したように、続いて、ダーク読取処理を行うようになっている。
なお、図11では、差分データΔDd等のデータに対する圧縮、送信の後にダーク読取処理を行う場合が示されているが、放射線画像撮影を行った後、データの圧縮、送信等の前に、ダーク読取処理を行うように構成することも可能である。
ダーク読取処理では、放射線画像撮影装置1に対して放射線を照射しない状態で所定時間(すなわち前述したように各放射線検出素子7に対する一括リセット処理後、各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理を開始するまでの時間)放射線画像撮影装置1を放置した後、その間に各放射線検出素子7に蓄積された電荷(すなわち暗電荷)等が読み出し回路17でダーク読取値daとして読み出される。
なお、図11や後述する図16ではダーク読取処理を1回だけ行う場合が示されているが、前述したように、ダーク読取処理を複数回行うように構成することも可能であり、制御手段22は、予め設定された回数のダーク読取処理を行うようになっている。また、制御手段22は、ダーク読取処理を1回だけ行った場合には、そのダーク読取処理により取得したダーク読取値daをオフセット補正値Oとして算出し、ダーク読取処理を複数回行った場合には、例えばそれらのダーク読取処理により取得した各ダーク読取値daの平均値をオフセット補正値Oとして算出するようになっている。
そして、制御手段22は、ダーク読取処理を行うと、自動的に、或いは、外部装置からの送信要求に従って、上記のようにして取得したダーク読取値daに基づいて算出したオフセット補正値Oに対して圧縮処理を行って外部装置に送信するようになっている。
その際、制御手段22は、前述したように、オフセット補正値Oについても、上記の画像データdの場合と同様に圧縮、送信処理を行うようになっている。
すなわち、制御手段22は、記憶手段40から読み出し回路17ごとのオフセット値Oline(m)を読み出してレジスタ部44のバッファレジスタ44aに蓄積させ、続いて、記憶手段40から放射線検出素子(n,m)ごとのオフセット補正値O(n,m)を順に読み出して、オフセット補正値O(n,m)から、当該オフセット補正値O(n,m)に対応する放射線検出素子(n,m)が信号線6を介して接続されている読み出し回路17に対応する読み出し回路17ごとのオフセット値Oline(m)を減算して、オフセット用データDo(n,m)を生成する。
なお、このオフセット用データDo(n,m)に対して圧縮処理を行うことは、上記の画像用データDdの場合と同様である。また、読み出し回路17ごとのオフセット値Oline(n,m)は、画像データdの読み出し処理時に取得したものを用いてもよく、或いは、ダーク読取処理の際に改めて取得し直したものを用いるように構成することも可能である。
本実施形態では、オフセット用データDo(n,m)から、直前の処理で生成されレジスタ部44のバッファレジスタ44bに蓄積されているオフセット用データDo(n,m−1)を減算し、その差分を、隣接する放射線検出素子(n,m−1)、(n,m)のオフセット用差分データΔDo(n,m)として算出して生成し、生成したオフセット用差分データΔDo(n,m)に対して圧縮処理を行うとともに、バッファレジスタ44bに蓄積されているオフセット用データDo(n,m−1)をオフセット用データDo(n,m)に置換する。なお、初期値としてオフセット用基準データDo(0)がバッファレジスタ44bに蓄積される。
制御手段22は、上記の処理を次々と繰り返しながら、各オフセット用差分データΔDoを生成していき、生成した各オフセット用差分データΔDoに対して、ハフマンコードHcのテーブルを参照して、当該オフセット用差分データΔDoに対して対応するハフマンコードHcを割り当てて各オフセット用差分データΔDoを圧縮する。
そして、制御手段22は、各オフセット用差分データΔDoに割り当てた各ハフマンコードHcをバッファメモリ44cに一時的に格納し、アンテナ装置39を介して外部装置に順次送信するようになっている。なお、本発明者らの研究によれば、オフセット用差分データΔDoの分布もΔDo=0を中心とする正規分布状の分布になることが分かっており、ハフマンコードHcのテーブルは、上記の差分データΔDdの圧縮の際に用いたテーブルをそのまま用いることができる。
なお、放射線画像撮影装置1を用いた放射線画像撮影では、外部装置で画像データdに対して本格的な画像処理を行って診断用放射線画像を生成する前に、プレビュー画像を表示し、放射線技師等の操作者がそのプレビュー画像を見て、被写体が放射線画像上に撮影されているか否かや被写体が放射線画像上の適切な位置に撮影されているか否か等を確認して、再撮影の要否を判定するように構成される場合も多い。
その際、プレビュー画像は、操作者がそれを見て上記の確認や判定を行うことができるものであればよく、しかも、撮影後、できるだけ速やかに画面上に表示されることが求められる。
そのため、このようにプレビュー画像用のデータを送信するように構成されている場合、制御手段22は、図16に示すように、前述した差分データΔDdや画像用データDdに対する圧縮、送信処理の前に、得られた画像データdに基づいて、画像データdが所定の割合で間引かれた間引きデータdtを作成し、間引きデータdtについても、上記の画像データdやオフセット補正値Oの場合と同様にプレビュー用データDpを生成し、プレビュー用データDpやその差分であるプレビュー用差分データΔDpに対する圧縮、送信処理を行うようになっている。
間引きデータdtは、例えば、走査線5の各ラインL1、L4、L7、…にそれぞれ接続された各放射線検出素子7からの画像データdのように、走査線5の所定の間隔ごとの各ラインLnに接続された各放射線検出素子7からの画像データdを抽出して作成するように構成することも可能であり、或いは、例えば、二次元状に配列された各放射線検出素子7に対応して各画像データdを配列した場合に3×3画素や4×4画素ごとに1画素分の画像データdを抽出するようにして作成してもよい。
このように、画像データdからデータを間引いて間引きデータdtを作成することで、データ量が少なくなり、コンソール58への送信がより短時間で済む。そのため、間引きデータdtに基づくプレビュー用データDpを圧縮して送信すれば、後述するコンソール58の表示部58a等にプレビュー画像をより速やかに表示させることが可能となる。
なお、プレビュー用データDpの圧縮、送信処理については上記の場合と同様であり、説明を省略するが、例えば、上記のオフセット補正値O(n,m)、オフセット用データDo(n,m)、オフセット用差分データΔDo(n,m)、初期値としてのオフセット用基準データDo(0)が、それぞれ間引きデータdt(n,m)、プレビュー用データDp(n,m)、プレビュー用差分データΔDp(n,m)、プレビュー用基準データDp(0)に置き換えられる。
また、プレビュー用差分データΔDp(n,m)ではなく、プレビュー用データDp(n,m)に対して圧縮処理を行ってもよいことや、プレビュー用差分データΔDpの分布もΔDp=0を中心とする正規分布状の分布になるため、上記の差分データΔDdやオフセット用差分データΔDoの圧縮の際に用いたハフマンコードHcのテーブルをそのまま用いることができることは前述したとおりである。
さらに、上記のようにして間引きデータdtを作成し、圧縮処理して外部装置に送信した場合には、その後の画像データdの圧縮、送信処理においては、画像データdのうち、間引きデータdt以外の残りの画像データdを圧縮、送信処理の対象とし、外部装置側で間引きデータdtと残りの画像データdを合成して元の画像データdを復元するように構成することが可能である。
[放射線画像撮影システム]
図17は、本実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。放射線画像撮影システム50は、図17に示すように、例えば、放射線を照射して患者の一部である被写体(患者の撮影対象部位)の撮影を行う撮影室R1と、放射線技師等の操作者が被写体に照射する放射線開始の制御等の種々の操作を行う前室R2、およびそれらの外部に配置される。
撮影室R1には、前述した放射線画像撮影装置1を装填可能なブッキー装置51や、被写体に照射する放射線を発生させる図示しないX線管球を備える放射線発生装置の放射線源52、放射線画像撮影装置1とコンソール58とが無線通信する際にこれらの通信を中継する無線アンテナ53を備えた基地局54等が設けられている。
なお、本実施形態では、基地局54が、放射線画像撮影装置1とコンソール58との間でデータを送受信するコンソール58側の通信手段を兼ねている。また、図17では、可搬型の放射線画像撮影装置1をブッキー装置51のカセッテ保持部51aに装填して用いる場合が示されているが、前述したように、放射線画像撮影装置1はブッキー装置51や支持台等と一体的に形成されたものであってもよい。また、図17に示したように、放射線画像撮影装置1と基地局54とをケーブルで接続し、ケーブルを介して有線通信でデータを送信することができるように構成することも可能である。
本実施形態では、撮影室R1には、放射線画像撮影装置1が持ち込まれた際に挿入されると基地局54を介して放射線画像撮影装置1の識別情報であるカセッテIDをコンソール58に通知するクレードル55が備えられている。コンソール58は、クレードル55から通知されてきたカセッテIDに基づいて、撮影室R1内にどの放射線画像撮影装置1が存在するかを管理するようになっている。
なお、撮影室R1内に存在する放射線画像撮影装置1の管理は別の機構により行われてもよく、クレードル55は必ずしも設けられなくてもよい。また、クレードル55で単に放射線画像撮影装置1の充電等だけを行うように構成することも可能である。
前室R2には、放射線発生装置52に対して放射線の照射開始等を指示するためのスイッチ手段56等を備えた放射線の照射を制御する放射線発生装置の操作卓57等が設けられている。
放射線画像撮影装置1の構成については前述した通りであるが、本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、上記のようにブッキー装置51に装填されて用いられる場合もあるが、ブッキー装置51には装填されず、いわば単独の状態で用いることもできるようになっている。
すなわち、放射線画像撮影装置1を単独の状態で例えば撮影室R1内に設けられたベッドや図17に示すように臥位撮影用のブッキー装置51B等に上面側に配置してその放射線入射面R(図1参照)上に被写体である患者の手等を載置したり、或いは、例えばベッドの上に横臥した患者の腰や足等とベッドとの間に差し込んだりして用いることもできるようになっている。この場合、例えばポータブルの放射線源52B等から、被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線を照射して放射線画像撮影が行われる。
本実施形態では、放射線画像撮影システム50全体の制御を行うコンソール58が、撮影室R1や前室R2の外側に設けられているが、例えば、コンソール58を前室R2等に設けるように構成することも可能である。
コンソール58は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータ等で構成されている。ROMには所定のプログラムが格納されており、コンソール58は、必要なプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開してプログラムに従って各種処理を実行し、前述したように放射線画像撮影システム50全体の制御を行うようになっている。
コンソール58には、前述した基地局54や操作卓57、ハードディスク等で構成された記憶手段59等が接続されており、また、基地局54を介してクレードル55等が接続され、操作卓56を介して放射線源52等が接続されている。また、コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部58aが設けられており、その他、キーボードやマウス等の図示しない入力手段が接続されている。
前述したように、コンソール58のROMや記憶手段59等のメモリには、放射線画像撮影装置1のメモリに記憶されている圧縮処理に関する情報であるハフマンコードHcのテーブルや、基準データDd(0)、オフセット用基準データDo(0)、プレビュー用基準データDp(0)と同じ情報が記憶されている。
コンソール58は、基地局54を介して、上記のように放射線画像撮影装置1から圧縮された差分データΔDdや、オフセット用差分データΔDo、プレビュー用差分データΔDp、すなわちそれらに対応するハフマンコードHcが送信されてくると、それらのデータを記憶手段59に記憶させるようになっている。
そして、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から圧縮されたプレビュー用差分データΔDpに相当するハフマンコードHcが送信されてきた場合には、メモリに記憶されているハフマンコードHcのテーブルに基づいて、ハフマンコードHcを元のプレビュー用差分データΔDpに解凍して復元する。そして、復元したプレビュー用差分データΔDpと、メモリに記憶されているプレビュー用基準データDp(0)に基づいて、図14や図15に示した圧縮処理と逆の処理を行って、元の間引きデータdtを復元するようになっている。
具体的には、まず、プレビュー用基準データDp(0)と、解凍して復元したプレビュー用差分データΔDp(n,1)から、
Dp(n,1)=Dp(0)+ΔDp(n,1) …(1)
を演算して、元のプレビュー用データDp(n,1)を復元する。
そして、復元したプレビュー用データDp(n,1)と、解凍して復元したプレビュー用差分データΔDp(n,2)から、
Dp(n,2)=Dp(n,1)+ΔDp(n,2) …(2)
を演算して、元のプレビュー用データDp(n,2)を復元する。
コンソール58は、以降、このプレビュー用差分データΔDp(n,m)の解凍、復元処理と演算処理とを繰り返して、元のプレビュー用データDp(n,m)を復元するようになっている。
そして、コンソール58は、上記のようにして復元した各放射線検出素子(n,m)ごとの元のプレビュー用データDp(n,m)に対して、例えば、
d0(n,m)=G×log{Dp(n,m)} …(3)
の演算処理を施して、プレビュー画像用のデータd0(n,m)を生成して、プレビュー画像用のデータd0(n,m)に基づいてコンソール58の表示部58aにプレビュー画像を表示するようになっている。
なお、上記(3)式におけるGは、当該放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7についてコンソール58の記憶手段59に予め記憶されている放射線検出素子7ごとのゲイン補正値である。
本実施形態では、コンソール58は、このようにして、間引きデータdt(n,m)を復元することなく、間引きデータdt(n,m)から読み出し回路17ごとのオフセット値Oline(m)が減算された値であるプレビュー用データDp(n,m)に基づいてプレビュー画像用のデータd0(n,m)を生成し、プレビュー画像用のデータd0(n,m)に基づいてコンソール58の表示部58aにプレビュー画像を表示するようになっている。
すなわち、
Dp(n,m)=dt(n,m)−Oline(m) …(4)
であるから、上記(3)式は、
d0(n,m)=G×log{dt(n,m)−Oline(m)} …(5)
と表すことができる。
このように構成すると、以下のような優れた作用効果が得られる。すなわち、前述したように、走査線方向に並ぶ画像データd(すなわちこの場合は間引きデータdt。以下同様のため省略)は、それぞれ異なる信号線6を介して読み出されたデータであるが、各信号線6に接続された読み出し回路17の画像データdの読み出し特性は、読み出し回路17ごとに異なる場合がある。
そして、このように画像データdの読み出し特性が読み出し回路17ごとに異なると、例えば、放射線画像撮影装置に低線量の放射線が照射され、各読み出し回路17から比較的低い信号値の画像データdが出力される状況では、出力された画像データd等に基づいて放射線画像やプレビュー画像を生成すると、生成された画像上に、信号線方向に延びる縞状の模様が現れるという現象が生じる。
このようにプレビュー画像上に信号線方向に延びる縞状の模様が現れると、放射線技師等の操作者がそのプレビュー画像を見て再撮影の要否を判断する際に、患者の病変部が撮影されている画像領域で信号線方向に延びる縞状の模様が現れていて、病変部が適切に撮影されているか否かを的確に判断することができなくなる。
しかし、本実施形態のように、間引きデータdtから読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを減算して算出されたプレビュー用データDpに基づいてプレビュー画像を生成させることで、このような読み出し回路17ごとに異なる読み出し特性の影響を排除することが可能となり、プレビュー画像上に信号線方向に延びる縞状の模様が現れないようにすることができる。
そのため、放射線技師等の操作者が、信号線方向に延びる縞状の模様が現れていないプレビュー画像を見て病変部が適切に撮影されているか否かを的確に判断することが可能となり、再撮影の要否を的確に判断することが可能となるといった優れた作用効果を得ることが可能となる。
一方、コンソール58は、画像データdやオフセット補正値Oについても、上記と同様に解凍して復元するようになっている。
すなわち、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から、圧縮された差分データΔDd(オフセット用差分データΔDo)に相当するハフマンコードHcが送信されてくると、メモリに記憶されているハフマンコードHcのテーブルに基づいてハフマンコードHcを元の差分データΔDd(元のオフセット用差分データΔDo)に解凍して復元する。
そして、まず、上記(1)式に示されているごとくメモリに記憶されている基準データDd(0)(オフセット用基準データDo(0))と復元した差分データΔDd(n,1)(オフセット用差分データΔDo(n,1))とに基づいて、元の画像用データDd(n,1)(オフセット用データDo(n,1))を復元する。
そして、上記(2)式に示されているごとく復元した元の画像用データDd(n,m−1)(オフセット用データDo(n,m−1))に差分データΔDd(n,m)(オフセット用差分データΔDo(n,m))を加算して、元の画像用データDd(n,m)(オフセット用データDo(n,m))を復元していくようになっている。
そして、コンソール58は、復元した各放射線検出素子(n,m)ごとの元の画像用データDd(n,m)とオフセット用データDo(n,m)に基づいて、
(n,m)=G×log{Dd(n,m)−Do(n,m)} …(6)
の演算処理を施して診断用放射線画像用のデータdを生成する。
なお、この場合も、間引きデータdtの場合と同様に、画像用データDdやオフセット用データDoと読み出し回路17ごとのオフセット値Olineとから、元の画像データdやオフセット補正値Oを復元する必要はない。
すなわち、通常、診断用放射線画像用のデータdは、
(n,m)=G×log{d(n,m)−O(n,m)} …(7)
の演算処理によって算出されるが、
Dd(n,m)=d(n,m)−Oline(m)
∴d(n,m)=Dd(n,m)+Oline(m) …(8)
Do(n,m)=O(n,m)−Oline(m)
∴O(n,m)=Do(n,m)+Oline(m) …(9)
の関係であるため、上記(7)式は、
(n,m)=G×log{d(n,m)−O(n,m)}
=G×log[{Dd(n,m)+Oline(m)}
−{Do(n,m)+Oline(m)}]
=G×log{Dd(n,m)−Do(n,m)}
となり、上記(6)式と同じ式になるためである。
コンソール58は、このようにして診断用放射線画像用のデータdを生成すると、さらに、放射線技師等の操作者の指示に基づいて、生成した診断用放射線画像に対してコントラスト調整や欠陥画素等による異常なデータdの補正等の種々の補正を行って、最終的な診断用放射線画像を生成するようになっている。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1および放射線画像撮影システム50の作用、特に画像データd(間引きデータdtを含む。)やオフセット補正値O、或いはそれらの差分を圧縮する場合に比べて、それらから読み出し回路17ごと(すなわち信号線6ごと)のオフセット値Olineを減算した画像用データDd(プレビュー用データDp)やオフセット用データDo、或いは差分データΔDd(プレビュー用差分データΔDp)やオフセット用差分データΔDoを圧縮する場合の方が圧縮率が向上する点について説明する。
なお、以下、画像データdや差分データΔDd等について説明するが、同様の説明がオフセット補正値Oやオフセット用差分データΔDo等、或いは間引きデータdtやプレビュー用差分データΔDp等についてもあてはまる。
例えば、放射線画像撮影装置1に対して被写体が介さない状態で同じ線量の放射線を一様に照射した場合、理想的な状況では、全ての放射線検出素子7から同じ値の画像データdが読み出される。しかし、実際には、上記のように各信号線6に接続された各読み出し回路17ごとに画像データdの読み出し特性が異なるため、例えば図18(A)にイメージ的に示すように、走査線方向(図中では横方向の矢印方向)に画像データdを見た場合、画像データdは、読み出し回路17ごと(すなわち信号線6ごと)に比較的大きくばらついた値になる。
そのため、このような画像データdに対してハフマンコードHcを割り当てて圧縮処理を行うと、長いハフマンコードHcが割り当てられる画像データdが増えてしまい、圧縮率の向上を図ることが困難になる。
それに対し、本実施形態のように、画像データdから、読み出し回路17ごとの読み出し特性を反映した読み出し回路17ごと(すなわち信号線6ごと)のオフセット値Olineを減算して画像用データDdを生成すると、画像用データDdは、例えば図18(B)にイメージ的に示すように、走査線方向に画像用データDdを見た場合、画像用データDdは、読み出し回路17ごと(信号線6ごと)のばらつきが抑制され、一定値に近い値になる。
そのため、このような画像用データDdに対してハフマンコードHcを割り当てて圧縮処理を行うと、短いハフマンコードHcが割り当てられる画像データdが多数となり、圧縮率の向上を図ることが可能となる。
しかし、前述したように、このような画像用データDdは、その基になる画像データdが、通常、旧来の銀塩フィルムを用いたアナログ画像に匹敵する程度に細かく階調区分されており、各画像データdがとり得るデータ値のダイナミックレンジが大きくなる場合があるため、画像用データDdがとり得るデータ値のダイナミックレンジも大きくなる場合がある。
また、被写体が介した撮影を行った場合、画像データdとして実際に読み出される値の幅が一定の放射線を照射した場合よりも拡がり、画像用データDdの値の幅も拡がるため、ハフマンコードHcのテーブルを適切に作成しないと、長いハフマンコードHcが割り当てられる画像用データDdが多くなってしまう場合があり得る。
一方、本発明者らの研究によれば、本実施形態のように、上記のように算出した画像用データDdについて、さらに、隣接する放射線検出素子7の画像用データDd同士の差分として差分データΔDdを算出すると、その差分データΔDdの出現頻度Fの分布は、図19に示すように、ΔDd=0を中心とする分散σが小さな正規分布状の分布になることが分かっている。
これは、被写体を介さずに放射線画像撮影装置1に同じ線量の放射線を一様に照射した場合だけでなく、放射線画像撮影装置1に対して被写体が介在した状態で放射線を照射した場合でも同様である。また、差分データΔDdの場合だけでなく、オフセット用差分データΔDoやプレビュー用差分データΔDpについても同様に、それらの出現頻度Fの分布はΔDo、ΔDp=0を中心とする分散σが小さな正規分布状の分布になる。
そこで、差分データΔDdやオフセット用差分データΔDo、プレビュー用差分データΔDpについて共通して適用するハフマンコードHcのテーブルとして、例えば図20に示すような正規分布状の出現頻度Fの分布に基づいて予め作成されたハフマンコードHcのテーブルを用いることができる。
そして、図19と図20を見て分かるように、このようなハフマンコードHcのテーブルを用いると、例えば差分データΔDdの出現頻度Fが高いΔDd=0近傍の値には短いハフマンコードHcが割り当てられ、長いハフマンコードHcが割り当てられるΔD=0から遠い数値領域では差分データΔDdの出現頻度Fが非常に低くなる。
そのため、本実施形態のように、差分データΔDdやオフセット用差分データΔDo、プレビュー用差分データΔDpを算出し、それらに対して圧縮処理を施すように構成することにより、非常に高い圧縮率を実現することが可能となる。
なお、画像データd等から読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを減算せずに、隣接する放射線検出素子7の画像データd自体の差分Δdを算出すると、例えば図21(A)に示すように、差分Δdの出現頻度Fの分布は比較的広い範囲に分布する状態となり、正規分布というよりも寧ろ台形状とも言い得る分布になる場合がある。
このような分布を有する差分Δdに対して図20に示したような正規分布に基づいて作成したハフマンコードHcのテーブルを適用すると、ΔD=0から遠い数値領域における出現頻度Fが高いため、長いハフマンコードHcが割り当てられる差分Δdの数が増大し、結局、圧縮率はさほど高くならない。
また、仮に図21(A)に示したような分布に基づいて差分Δdに適用するハフマンコードHcのテーブルを作成したとしても、例えば放射線画像撮影装置1に照射する放射線の線量を上げると、差分Δdの出現頻度Fの分布は例えば図21(B)に示すように拡がり、やはり長いハフマンコードHcが割り当てられる差分Δdの数が増大する。そのため、結局、圧縮率はさほど高くならない。
また、図21(A)に示したような分布に基づいて作成したハフマンコードHcのテーブルが、同様にオフセット補正値O等から読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを減算しない状態で算出された差分のデータに対しても有効に適用できるとは必ずしも言えない。
なお、本実施形態のように出現頻度Fが正規分布状になる差分データΔDdやオフセット用差分データΔDo、プレビュー用差分データΔDpでは、例えば放射線画像撮影装置1に照射する放射線の線量を上げても、ΔDd、ΔDo、ΔDp=0を中心とする分散σが多少大きくなるだけで、正規分布状の分布になることに変わりはない。
そのため、本実施形態のように差分データΔDdやオフセット用差分データΔDo、プレビュー用差分データΔDpを算出し、それらに対して圧縮処理を施すことにより、放射線画像撮影装置1に照射する放射線の線量にかかわらず、また、どのような被写体を撮影した場合でも、非常に高い圧縮率を実現することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1および放射線画像撮影システム50によれば、読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得し、それを画像データd等から減算する等して画像用データDd等を算出し、その画像用データDd等、或いは隣接する放射線検出素子7の画像用データDd等同士の差分データΔDd等に対してハフマンコードHcのテーブル等の圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信する。
そのため、放射線画像撮影で取得された画像データd等から、読み出し回路17ごとに異なり、比較的大きくばらつく読み出し特性の影響を的確に排除した状態で圧縮処理を行うことが可能となり、画像用データDdや差分データΔDd等を圧縮する際の圧縮率を的確に向上させることが可能となる。
そして、圧縮率が高くなると、圧縮された画像用データDdや差分データΔDd等(すなわち本実施形態では画像用データDdや差分データΔDd等に対応するハフマンコードHc)のデータ量が小さくなるため、データの転送時間を短縮することが可能となる。そのため、特にバッテリ内蔵型の可搬型の放射線画像撮影装置では、データの転送時間が短くなると、その分、バッテリの消耗度合いが軽減されるため、1回の充電あたりの使用効率を向上させることが可能となる。
また、コンソール58の表示部58a上にプレビュー画像を表示させる場合には、前述したように、プレビュー画像上に、読み出し回路17ごとに異なる読み出し特性に起因する信号線方向に延びる縞状の模様が現れないようにすることができ、放射線技師等の操作者の判断に寄与することが可能となるとともに、送信するデータ量が小さくなることで、プレビュー画像をより速やかに表示することが可能となる。
なお、上記の実施形態のように、放射線画像撮影装置1が、各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理時に読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得するように構成されている場合、放射線画像撮影を連続して行う場合には、各読み出し処理時ごとに読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得して例えばその読み出し回路17ごとの平均値を読み出し回路17ごとのオフセット値Olineとするように構成することも可能であり、或いは、繰り返し行われる読み出し処理のうちのいずれか1回或いは所定の回数の読み出し処理で読み出し回路17ごとのオフセット値Olineを取得するように構成することも可能である。
また、上記の実施形態では、放射線画像撮影装置1で、放射線画像撮影前に各放射線検出素子7に対して一括リセット処理を行う場合を説明したが、走査線5の各ラインL1〜Lxに順次オン電圧を印加して、走査線5の各ラインL1〜LxにTFT8を介して接続された各放射線検出素子7ごとにリセット処理を行うように構成することも可能である。また、各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理後や、ダーク読取処理の前後等に、各放射線検出素子7に対するリセット処理が適宜行われる。
また、本発明は、上記の各実施形態に限定されず、発明の本質を逸脱しない限り、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
1 放射線画像撮影装置
5、L1〜Lx 走査線
6 信号線
7、(n,m) 放射線検出素子
15 走査駆動回路
17 読み出し回路
22 制御手段
39 アンテナ装置(通信手段)
40 記憶手段(メモリ)
50 放射線画像撮影システム
58 コンソール(外部装置)
58a 表示部
59 記憶手段(メモリ)
d 画像データ
da ダーク読取値
Dd 画像用データ
Do オフセット用データ
Dp プレビュー用データ
dt 間引きデータ
O オフセット補正値
Oline 読み出し回路ごとのオフセット値
P 検出部
p 未接続の端子(走査線に接続されていない端子)
r 領域
ΔDd 差分データ
ΔDo オフセット用差分データ
ΔDp プレビュー用差分データ

Claims (16)

  1. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    前記各放射線検出素子から前記各信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を画像データとして出力する複数の読み出し回路と、
    前記各走査線に対して印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える走査駆動回路と、
    前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理において、少なくとも前記走査駆動回路と前記読み出し回路の各動作を制御する制御手段と、
    圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
    外部装置との間でデータを送受信する通信手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、放射線画像撮影の前または後、或いは前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理時に、前記走査駆動回路から全ての前記走査線に前記オフ電圧を印加させた状態で前記各読み出し回路に読み出し動作を行わせて前記読み出し回路ごとのオフセット値を取得し、前記画像データおよび前記読み出し回路ごとのオフセット値に基づいて生成した画像用データに対して前記圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記画像用データは、前記画像データから前記読み出し回路ごとのオフセット値を減算して生成されることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記制御手段は、前記画像用データに対して圧縮処理を行う代わりに、前記画像データから前記読み出し回路ごとのオフセット値を減算して前記画像用データを生成し、かつ、隣接する前記放射線検出素子の前記画像用データ同士の差分を差分データとして算出して生成し、生成した前記差分データに対して前記圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記走査駆動回路は、前記走査線に接続されていない端子を備え、
    前記制御手段は、前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理時に前記読み出し回路ごとのオフセット値を取得する場合には、前記走査駆動回路の前記走査線に接続されていない端子にオン電圧が印加され、全ての前記走査線には前記走査駆動回路から前記オフ電圧を印加された状態で、前記各読み出し回路に前記画像データの読み出し処理と同様の読み出し動作を行わせて前記読み出し回路ごとのオフセット値を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記制御手段は、前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理時に前記読み出し回路ごとのオフセット値を取得する場合には、前記走査駆動回路の各端子に、前記走査線が接続された側から順にオン電圧を順次印加させることを特徴とする請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記制御手段は、前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理時に前記読み出し回路ごとのオフセット値を取得する場合には、前記走査駆動回路の各端子に、前記走査駆動回路の前記走査線に接続されていない端子の側から順にオン電圧を印加させることを特徴とする請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記制御手段は、放射線を照射しない状態で装置を所定時間放置し、前記放射線検出素子に蓄積された電荷をダーク読取値として取得し、前記ダーク読取値から算出したオフセット補正値および前記読み出し回路ごとのオフセット値に基づいて生成したオフセット用データに対して前記圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記オフセット用データは、前記オフセット補正値から前記読み出し回路ごとのオフセット値を減算して生成されることを特徴とする請求項7に記載の放射線画像撮影装置。
  9. 前記制御手段は、前記オフセット用データに対して圧縮処理を行う代わりに、前記オフセット補正値から前記読み出し回路ごとのオフセット値を減算して前記オフセット用データを生成し、かつ、隣接する前記放射線検出素子ごとの前記オフセット用データ同士の差分をオフセット用差分データとして算出して生成し、生成した前記オフセット用差分データに対して前記圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信することを特徴とする請求項7に記載の放射線画像撮影装置。
  10. 前記制御手段は、前記画像データに基づいて前記画像データが所定の割合で間引かれた間引きデータを作成し、前記画像データおよび前記読み出し回路ごとのオフセット値に基づいて生成した前記データの圧縮、送信の前に、前記間引きデータおよび前記読み出し回路ごとのオフセット値に基づいて生成したプレビュー用データに対して前記圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  11. 前記プレビュー用データは、前記間引きデータから前記読み出し回路ごとのオフセット値を減算して生成されることを特徴とする請求項10に記載の放射線画像撮影装置。
  12. 前記制御手段は、前記プレビュー用データに対して圧縮処理を行う代わりに、前記間引きデータから前記読み出し回路ごとのオフセット値を減算して前記プレビュー用データを生成し、かつ、隣接する前記プレビュー用データ同士の差分をプレビュー用差分データとして算出して生成し、生成した前記プレビュー用差分データに対して前記圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行って外部装置に送信することを特徴とする請求項10に記載の放射線画像撮影装置。
  13. 請求項7または請求項8に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶されている前記圧縮処理に関する情報と同じ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
    前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮処理が施された前記画像用データおよび前記オフセット用データを、前記メモリに記憶された前記圧縮処理に関する情報に基づいて元の前記画像用データおよび元の前記オフセット用データに解凍して復元するコンソールと、
    を備え、
    前記コンソールは、復元した各放射線検出素子ごとに前記元の画像用データと前記元のオフセット用データに基づいて画像処理を行って診断用放射線画像を生成することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  14. 請求項9に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶されている前記圧縮処理に関する情報と同じ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
    前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮処理が施された前記差分データおよび前記オフセット用差分データを、前記メモリに記憶された前記圧縮処理に関する情報に基づいて元の前記差分データおよび元の前記オフセット用差分データに解凍して復元するコンソールと、
    を備え、
    前記コンソールは、復元した前記元の差分データおよび前記元のオフセット用差分データに基づいて各放射線検出素子ごとに元の前記画像用データと元の前記オフセット用データを復元し、復元した前記元の画像用データと前記元のオフセット用データに基づいて画像処理を行って診断用放射線画像を生成することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  15. 請求項10または請求項11に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶されている前記圧縮処理に関する情報と同じ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
    前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮処理が施された前記プレビュー用データを、前記メモリに記憶された前記圧縮処理に関する情報に基づいて元の前記プレビュー用データに解凍して復元するコンソールと、
    を備え、
    前記コンソールは、復元した前記元のプレビュー用データに画像処理を行ってプレビュー画像を生成して表示部に表示することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  16. 請求項12に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶されている前記圧縮処理に関する情報と同じ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
    前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮処理が施された前記プレビュー用差分データを、前記メモリに記憶された前記圧縮処理に関する情報に基づいて元の前記プレビュー用差分データに解凍して復元するコンソールと、
    を備え、
    前記コンソールは、復元した前記元のプレビュー用差分データに基づいて元の前記プレビュー用データを復元し、復元した前記元のプレビュー用データに画像処理を行ってプレビュー画像を生成して表示部に表示することを特徴とする放射線画像撮影システム。
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JP2015187608A (ja) * 2014-03-26 2015-10-29 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 粒子事象記録

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