JP2011087727A - 放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】データ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図りつつ、データを可逆圧縮してデータの転送時間の短縮を図ることが可能な放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1は、各放射線検出素子7から画像データDを読み出す読み出し回路17と、転送する画像において隣接する画素の画像データDの差分データΔDを算出する算出手段22、44と、差分データΔDのうち一部の差分データΔDについてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、情報に基づいて差分データΔDの圧縮処理を行う圧縮手段22とを備え、圧縮手段22は、差分データΔDが前記一部の差分データΔDに属さない場合には圧縮処理を行わず、差分データΔDが前記一部の差分データに属する場合にのみデータ圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行い、圧縮した差分データΔDと非圧縮の差分データΔDとをあわせて転送する。
【選択図】図7

Description

本発明は、放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムに係り、特に、画像データを圧縮して転送する放射線画像撮影装置およびそれを受信して元の画像データに復元する放射線画像撮影システムに関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
ところで、このような放射線画像撮影装置では、複数の放射線検出素子が二次元状(マトリクス状)に配列されて検出部が形成されるが、その際、放射線検出素子の数(すなわち画素数)は、通常、数百万〜数千万画素或いはそれ以上の画素数にのぼる。そのため、各放射線検出素子から読み出された画像データを外部装置に圧縮せずに転送すると、転送時間が長くなる。また、バッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置では、画像データの転送時間が長くなると、転送の際に消費される電力が大きくなり、バッテリの消耗につながる。
そこで、例えば特許文献4や特許文献5に記載されているように、読み出された画像データは、通常、可逆圧縮(ロスレス圧縮ともいう。)や非可逆圧縮(不可逆圧縮ともいう。)等のデータ圧縮方法で圧縮されて、コンソールやサーバ等の外部装置に転送される。
そして、例えば、放射線画像撮影装置を、被写体として患者の頭部や胸部、手足等の身体の一部を撮影し、取得された放射線画像を医用画像として診断等に用いる医用画像の撮影装置として用いる場合には、画像データを圧縮するデータ圧縮方法としては、一般的には、圧縮により画像データが有する情報の一部が失われてしまう非可逆圧縮の方法よりも圧縮前の画像データと復元後の画像データとが完全に一致するように圧縮を行う可逆圧縮の方法が採用されることが好ましいと考えられている。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 特開2000−275350号公報 特開2005−287927号公報
しかしながら、放射線画像撮影後に各放射線検出素子から読み出された画像データを例えばハフマン符号化の手法により可逆圧縮を行うとすると、例えば画像データが216(=65536)階調で生成される場合、すなわち画像データの輝度値が0〜65535の各値を取り得る場合には、ハフマンコードを216種類用意せねばならず、画像データとハフマンコードとを対応付けるテーブル(コード化辞書ともいう。)が非常に大きなものとなるといった問題があった。
逆に、このようなハフマンコードのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報をより省サイズ化することができれば、このデータ圧縮処理に関する情報を格納するメモリとして記憶容量がより小さいメモリを用いることが可能となったり、或いは、データ圧縮処理に関する情報が省サイズ化されて余ったメモリの容量を有効に活用することが可能となる。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、ハフマンコードのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図りつつ、しかも、データを可逆圧縮してデータの転送時間の短縮を図ることが可能な放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して画像データとして出力する読み出し回路と、
前記放射線検出素子から出力される前記画像データのうち一部の画像データについてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
前記情報に基づいて前記画像データの圧縮処理を行う圧縮手段と、
データを転送する転送手段と、
を備え、
前記圧縮手段は、前記画像データが前記一部の画像データに属さない場合には圧縮処理を行わず、前記画像データが前記一部の画像データに属する場合にのみ前記データ圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行い、圧縮した前記画像データと圧縮しなかった前記画像データとをあわせて転送することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して画像データとして出力する読み出し回路と、
データを転送する転送手段と、
転送する画像において隣接する画素の前記画像データ同士の差分として差分データを算出する算出手段と、
前記差分データのうち一部の差分データについてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
前記情報に基づいて前記差分データの圧縮処理を行う圧縮手段と、
を備え、
前記圧縮手段は、前記算出手段が算出した前記差分データが前記一部の差分データに属さない場合には圧縮処理を行わず、前記差分データが前記一部の差分データに属する場合にのみ前記データ圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行い、圧縮した前記差分データと圧縮しなかった前記差分データとをあわせて転送することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
上記の本発明の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶された前記データ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶された記憶手段を備え、前記放射線画像撮影装置から転送されてきたデータのうち、前記圧縮処理が施された前記画像データを前記情報に基づいて元の画像データに解凍し、解凍した前記画像データと圧縮されなかった前記画像データとをあわせて元の画像データを復元するコンソールと、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
上記の本発明の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶された前記データ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶された記憶手段を備え、前記放射線画像撮影装置から転送されてきたデータのうち、前記圧縮処理が施された前記差分データを前記情報に基づいて元の差分データに解凍し、解凍した前記差分データと圧縮されなかった前記差分データとをあわせて復元した元の差分データに基づいて元の画像データを復元するコンソールと、
を備えることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムによれば、各放射線検出素子から出力される画像データの一部や、転送する画像において隣接する画素の画像データ同士の差分データの一部についてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報を備えることで、データ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図ることが可能となる。そのため、データ圧縮処理に関する情報を記憶するメモリとして、記憶容量がより小さいメモリを使用することが可能となり、或いは、余ったメモリの記憶容量を有効に活用することが可能となる。
また、例えばハフマン符号化における出現頻度が高い画像データや差分データのように圧縮効率が高い画像データや差分データのみを圧縮処理の対象とすることで、出現頻度が低く長いハフマンコードが割り当てられる他の画像データや差分データを圧縮処理しなくても、データ全体として、何らの処理を施さずに生のデータのまま転送する場合に比べて、データの転送時間を短縮することが可能となる。また、従来のハフマン符号化を行う場合よりもデータの転送時間を短縮することが可能となる。そして、圧縮、非圧縮の画像データや差分データの転送時間が短縮されることで、転送に要する電力の消費量を低減することが可能となる。
第1〜第3の各実施形態に共通する放射線画像撮影装置を示す外観斜視図である。 図1におけるA−A線に沿う断面図である。 放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。 図3の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 図4におけるB−B線に沿う断面図である。 COFやPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 各読み出しICで放射線検出素子から一斉に読み出された画像データがバッファメモリに蓄積された後並べ替えられて記憶手段に送信される状態を説明する図である。 第1〜第3の各実施形態に共通する放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。 各放射線検出素子から読み出される画像データDの出現頻度の分布の一例を表すグラフである。 放射線画像撮影装置に一様に放射線を照射した場合に(A)同じ信号線或いは(B)同じ走査線に接続された隣接する放射線検出素子から出力された画像データの差分データの出現頻度の分布を示すグラフである。 放射線画像撮影装置に照射する放射線の線量を大きくした場合に(A)同じ信号線或いは(B)同じ走査線に接続された隣接する放射線検出素子から出力された画像データの差分データの出現頻度の分布を示すグラフである。 第1の実施形態においてハフマンコードが対応付けられてテーブル化される差分データの範囲を示すグラフである。 第1の実施形態において圧縮手段で行われる圧縮、非圧縮の処理のフローチャートである。 信号線方向の画像データごとに差分データが算出される状態を説明する図である。 走査線の方向の画像データごとに差分データが算出される状態を説明する図である。 レジスタ部の構成および同じ信号線に接続された信号線方向に隣接する画像データ同士の差分データの作成の仕方を説明する図である。 基準データと走査線のラインL1に接続された各放射線検出素子から読み出された各画像データから差分データが算出される状態を説明する図である。 (A)〜(C)1つのバッファレジスタを用いて同じ信号線に接続された信号線方向に隣接する画像データ同士の差分データを作成する仕方を説明する図である。 差分データのコード化が数クロック分の時間を要するのに対し、特殊コードの付加処理が1クロック分の時間で済むことを説明する図である。 被写体を介して放射線画像撮影装置に放射線を照射した場合も出現頻度の分布がΔD=0を中心として略対称になることを説明するグラフである。 第2の実施形態においてハフマンコードが対応付けられてテーブル化される差分データの範囲を示すグラフである。 第2の実施形態において圧縮手段で行われる圧縮処理のフローチャートである。 出現頻度の分布がΔD=0を中心として対称にならないデータの例を示すグラフである。 第3の実施形態においてハフマンコードが対応付けられてテーブル化される差分データの範囲を示すグラフである。 第3の実施形態において圧縮手段で行われる圧縮、非圧縮の処理のフローチャートである。 (A)間引きデータを作成するために抽出される各画像データの例を示す図であり、(B)抽出した間引きデータを集めた間引き画像を表す図である。 図28(A)における残りの画像データを抽出して集めた状態を表す図である。 残りの画像データについての差分データを間引きデータに基づいて作成することを説明する図である。 間引きデータを作成するために抽出される各画像データの別の例を示す図である。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
[放射線画像撮影装置]
以下、下記の本発明の第1〜第3の各実施形態に共通する放射線画像撮影装置の構成について説明する。なお、以下では、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。また、放射線画像撮影装置が可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された放射線画像撮影装置に対しても適用される。
図1は、各実施形態に共通する放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。第1〜第3の各実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納されて構成されている。
筐体2は、少なくとも放射線入射面Rが放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ41(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、画像データ等を、後述するコンソール58(図10参照)等の外部装置に無線で転送するための転送手段であるアンテナ装置39が埋め込まれている。なお、画像データ等を外部装置に有線方式で転送するように構成することも可能であり、その場合は、例えば、転送手段として、ケーブル等を差し込むなどして接続するための接続端子等が放射線画像撮影装置1の側面部等に設けられる。
また、図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ素子であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧が印加され、ゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内で発生し蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧が印加され、ゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内で発生した電荷を放射線検出素子7内に保持して蓄積させるようになっている。
ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるB−B線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiN)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
また、p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、これに限定されない。
放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiN)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で結線10に結束されている。
本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、IC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極78にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。また、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22は、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を制御するようになっている。
本実施形態では、バイアス線9の結線10に、結線10(バイアス線9)を流れる電流の電流量を検出する電流検出手段43が設けられている。そして、前述したように、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると各放射線検出素子7のi層76(図5参照)内で電子正孔対が発生し、それがバイアス線9や結線10に流れ出して結線10等に電流が流れるが、電流検出手段43は、その結線10を流れる電流の増減を検出して放射線の照射の開始や終了を検出できるようになっている。なお、本発明においては、電流検出手段43は必ずしも設けられなくてもよい。
図7や図8に示すように、本実施形態では、放射線検出素子7のp層77側(図5参照)に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極78にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極74側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、本実施形態では、ゲートドライバ15bにオン電圧とオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧の間で切り替えて各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えるゲートドライバ15bとを備えている。
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には1本の信号線6に1個ずつ読み出し回路17が設けられている。
読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。なお、図7や図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18には、増幅回路18に電力を供給するための電源供給部18dが接続されている。
また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。なお、基準電位Vは適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理時に、電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに走査線5を介して信号読み出し用のオン電圧が印加されると)、当該放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧値を出力して電荷電圧変換するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされると、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて増幅回路18がリセットされるようになっている。なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。
各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理時に、各放射線検出素子7から電荷が読み出され、増幅回路18で電荷電圧変換されて出力された電圧値は、相関二重サンプリング回路19でサンプリング処理されて画像データとして下流側に出力される。そして、相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データは、アナログマルチプレクサ21(図7参照)に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段40に出力されて順次保存されるようになっている。
なお、本実施形態では、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理の際には、オン電圧が印加される走査線5の各ラインL1〜Lxが順次切り替えられながら、上記のような各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が行われるようになっている。
本実施形態では、例えば128本の信号線6を1つの読み出しIC16で処理するように構成されている。すなわち、1つの読み出しIC16は、各信号線6に対応して128個の読み出し回路17(すなわち増幅回路18や相関二重サンプリング回路19等)と、1つのアナログマルチプレクサ21と、1つのA/D変換器20等で形成されるようになっている。
そして、信号線6の本数が例えば2048本であるとすると、2048÷128=16個の読み出しIC16が並設されて読み出し部が形成されるようになっている。なお、以下、1つの読み出しIC16内に形成された読み出し回路17の数、すなわち1つの読み出しIC16に接続される信号線6の本数が128であり、信号線6の総本数が2048本であることを前提に説明するが、本発明がこの場合に限定されない。
図9に示すように、画像データの読み出し処理の際に、例えば走査線5のラインL1にオン電圧が印加されると、走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子(1,1)〜(1,2048)から一斉に画像データが読み出されてパラレルに各読み出しIC16に送られる。
そして、各読み出しIC16の各読み出し回路17(図9では図示省略)で電荷電圧変換等が行われ、パラレルに送信されてきた各128個の画像データを、各読み出しIC16中の各アナログマルチプレクサ21(図示省略)でA/D変換器20(図示省略)に順次シリアル転送し、デジタル化された画像データがA/D変換器20から一旦バッファメモリ45に蓄積されるようになっている。
すなわち、各放射線検出素子(x,y)に対応する画像データをD(x,y)と表すと、各読み出しIC16から、まず、D(1,1)、D(1,129)、D(1,257)、…、D(1,1921)の各画像データが送信されてバッファメモリ45に蓄積され、続いて、D(1,2)、D(1,130)、D(1,258)、…、D(1,1922)の各画像データDが送信されてバッファメモリ45に蓄積される。
そして、バッファメモリ45に、走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子(1,1)〜(1,2048)からの各画像データD(1,1)〜D(1,2048)が蓄積されると、各画像データDが画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、D(1,4)、…の順に並べ替えられて記憶手段40に順次送信されて保存されるようになっている。
また、走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子(1,1)〜(1,2048)からの各画像データD(1,1)〜D(1,2048)の読み出し処理が終了すると、続いて、オン電圧が印加される走査線5のラインがL2に切り替えられる。そして、同様にして各画像データD(2,1)〜D(2,2048)が各読み出しIC16ごとにバッファメモリ45に送信されて並べ替えられた後、記憶手段40に順次送信されて保存される。
そして、この読み出し処理と記憶手段40への保存処理とが走査線5の各ラインL1〜Lxごとに順次繰り返されて、全ての放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理が行われるようになっている。
なお、この画像データDの並べ替えの処理は、画像データDを転送する図示しない外部装置がどのような装置であっても、通常、画像データDをD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、D(1,4)、…の順番で転送すれば対応することができるため、画像データDの記憶手段40への保存の段階で、汎用的に画像データDを上記の順番に並べ替えて保存するための処理である。
従って、予め放射線画像撮影装置1から外部装置に各画像データDを転送する順番等を取り決めておくことができる場合には、その取り決めに従って画像データDを並べ替えるように構成することが可能である。
また、予め放射線画像撮影装置1から外部装置に各画像データDを、例えば各読み出しIC16から出力される順にD(1,1)、D(1,129)、…、D(1,1921)、D(1,2)、D(1,130)、…、D(1,1922)、…の順番で転送するように取り決めておけば、各読み出しIC16から出力された画像データDを、バッファメモリ45を介さずに直接記憶手段40に順次送信して保存することも可能となる。
さらに、上記のような画像データDの並べ替えを行う場合、各画像データDの記憶手段40への保存の際ではなく、各画像データDを記憶手段40から読み出す際に画像データDの並べ替えを行うように構成することも可能である。
なお、本実施形態では、上記のように各放射線検出素子7から読み出した各画像データDを一旦記憶手段40に保存した後、放射線画像撮影装置1から図示しない外部装置に転送する際に画像データD等に対する圧縮処理を行う場合について説明するが、各放射線検出素子7から読み出された各画像データDを、記憶手段40に保存せずに、或いは記憶手段40への保存と並行して別処理として各画像データD等に対して圧縮処理を施して直接転送するように構成することも可能である。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、図7等に示すように、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段40が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段40、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。また、バッテリ41には、クレードル等の図示しない充電装置からバッテリ41に電力を供給してバッテリ41を充電する際の接続端子42が取り付けられている。
前述したように、制御手段22は、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定したり、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御する等の各種の処理を実行するようになっている。
また、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理時や放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し時に、走査駆動手段15に対して、走査駆動手段15から各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えさせるためのパルス信号を送信するようになっている。
また、本実施形態では、制御手段22には、少なくとも2つのバッファレジスタを備えたレジスタ部44が接続されており、制御手段22とレジスタ部44とで本発明における差分データΔDを算出するための算出手段が形成されている。また、制御手段22は、差分データΔD(または画像データD)に対して後述するように圧縮処理を行う本発明における圧縮手段としても機能するように構成されている。
なお、本実施形態では、レジスタ部44は制御手段22を構成するFPGAに一体的に設けられている。また、制御手段22がCPU等からなるコンピュータで構成されている場合には、コンピュータに既設のレジスタをレジスタ部44として用いるように構成することも可能である。さらに、本実施形態では、レジスタ部44には2つのバッファレジスタが設けられているが、後述するように1つのバッファレジスタを設けるように構成することも可能であり、3つ以上のバッファレジスタを設けるように構成してもよい。
制御手段22のROM等のメモリには、データ圧縮処理に関する情報、すなわち本実施形態ではハフマン符号化に用いるハフマンコードのテーブルが記憶されているが、後述するように、第1〜第3の実施形態では、ハフマンコードのテーブルの形態がそれぞれ異なる。そして、それに基づいて圧縮処理を行うデータ(すなわち画像データDや各画像データDの差分である差分データΔD)と圧縮処理を行わないデータがあり、後述するように、第1〜第3の実施形態では、圧縮処理を行うデータと圧縮処理を行わないデータの範囲がそれぞれ異なる。
圧縮処理を行い或いは行わないデータの対象が画像データD自体である場合には、上記のレジスタ部44のバッファレジスタは、圧縮手段を構成する制御手段22から転送手段であるアンテナ装置39に送信するハフマンコード化された画像データDや圧縮されなかった生の画像データDの送信速度と、アンテナ装置39から外部装置にそれらのデータを転送する転送速度とを調整するバッファとして機能するようになっている。
また、圧縮処理を行い或いは行わないデータの対象が差分データΔDである場合には、後述するように、算出手段を構成する制御手段22は、上記のレジスタ部44のバッファレジスタを用いて、各画像データDから差分データΔDを算出するようになっている。そして、レジスタ部44は、圧縮され或いは圧縮されなかった各差分データΔDをアンテナ装置39で転送する前に一時的に格納し、アンテナ装置39の転送速度との調整を行うバッファとしても機能するようになっている。
[放射線画像撮影システム]
次に、下記の本発明の第1〜第3の各実施形態に共通する放射線画像撮影システムの構成について説明する。放射線画像撮影システムは、例えば、病院や医院内で行われる放射線画像撮影を想定したシステムであり、放射線画像として医療用の診断画像を撮影するシステムとして採用することができるが、必ずしもこれに限定されない。
図10は、各実施形態に共通する放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。放射線画像撮影システム50は、図10に示すように、例えば、放射線を照射して患者の一部である被写体(患者の撮影対象部位)の撮影を行う撮影室R1と、放射線技師等の操作者が被写体に照射する放射線の制御等の種々の操作を行う前室R2、およびそれらの外部に配置される。
撮影室R1には、前述した放射線画像撮影装置1を装填可能なブッキー装置51や、被写体に照射する放射線を発生させる図示しないX線管球を備える放射線発生装置52、放射線画像撮影装置1とコンソール58とが無線通信する際にこれらの通信を中継する無線アンテナ53を備えた基地局54等が設けられている。
なお、図10では、可搬型の放射線画像撮影装置1をブッキー装置51のカセッテ保持部51aに装填して用いる場合が示されているが、前述したように、放射線画像撮影装置1はブッキー装置51や支持台等と一体的に形成されたものであってもよい。また、図10に示したように、放射線画像撮影装置1と基地局54とをケーブルで接続し、ケーブルを介して有線通信でデータを送信することができるように構成することも可能である。
本実施形態では、撮影室R1には、放射線画像撮影装置1が持ち込まれた際に挿入されると放射線画像撮影装置1からカセッテIDを読み取って基地局54を介してコンソール58に通知するクレードル55が備えられている。クレードル55で放射線画像撮影装置1の充電等を行うように構成することも可能である。
また、前室R2には、放射線発生装置52に対して放射線の照射開始等を指示するためのスイッチ手段56等を備えた放射線の照射を制御する操作卓57等が設けられている。
放射線画像撮影装置1の構成については前述したとおりであり、放射線画像撮影装置1は、上記のようにブッキー装置51に装填されて用いられる場合もあるが、ブッキー装置51には装填されず、いわば単独の状態で用いることもできるようになっている。
すなわち、放射線画像撮影装置1を単独の状態で例えば撮影室R1内に設けられたベッドや図18に示すように臥位撮影用のブッキー装置51B等に上面側に配置してその放射線入射面R(図1参照)上に被写体である患者の手等を載置したり、或いは、例えばベッドの上に横臥した患者の腰や足等とベッドとの間に差し込んだりして用いることもできるようになっている。この場合、例えばポータブルの放射線発生装置52B等から、被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線を照射して放射線画像撮影が行われる。
本実施形態では、放射線画像撮影システム50全体の制御を行うコンソール58が、撮影室R1や前室R2の外側に設けられているが、例えば、コンソール58を前室R2に設けるように構成することも可能である。
コンソール58は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータ等で構成されている。ROMには所定のプログラムが格納されており、コンソール58は、必要なプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開してプログラムに従って各種処理を実行し、前述したように放射線画像撮影システム50全体の制御を行うようになっている。
コンソール58には、前述した基地局54や操作卓57、ハードディスク等で構成された記憶手段59等が接続されており、また、基地局54を介してクレードル55等が接続され、操作卓56を介して放射線発生装置52等が接続されている。また、コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示画面58aが設けられており、その他、キーボードやマウス等の図示しない入力手段が接続されている。
コンソール58は、基地局54を介してクレードル55から放射線画像撮影装置1のカセッテIDが通知されてくると、それを記憶手段59に保存して、撮影室R1内に存在する放射線画像撮影装置1を管理するようになっている。また、コンソール58では、第1〜第3の実施形態で述べる手法でハフマンコードから各画像データDを復元し、復元した各画像データDに対してオフセット補正やゲイン補正等の画像処理が行われて、最終的な画像データが生成されるようになっている。
また、コンソール58を構成するコンピュータのROM等のメモリや記憶手段59には、放射線画像撮影装置1の制御手段22のメモリに記憶されたハフマンコードのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶されている。
[各実施形態の前提]
前述したように、各放射線検出素子7から読み出された画像データDの輝度階調が例えば216(=65536)階調である場合、例えば、通常のハフマン符号化の手法では、その輝度階調ごとに216種類のハフマンコードHcを用意せねばならず、画像データDとハフマンコードHcとを対応付けるテーブルが非常に大きなものとなる。
そこで、以下の第1〜第3の実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、全ての画像データDや差分データΔDに対してハフマン符号化を行うのではなく、放射線検出素子7から出力される各画像データDの一部や、隣接する放射線検出素子7から出力される画像データD同士の差分として算出される差分データΔDの一部についてのみ圧縮処理を行うようになっている。
前述したように、圧縮手段を構成する制御手段22のメモリには、圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報である画像データDや差分データΔDの一部とハフマンコードHcとを対応付けるテーブルが記憶されている。
そして、制御手段22は、画像データDや差分データΔDが上記の一部の画像データDや差分データΔDに属さない場合にはそれらのデータについては圧縮処理を行わず、画像データDや差分データΔDが上記の一部の画像データDや差分データΔDに属する場合にのみテーブルを参照して圧縮処理を行う。そして、制御手段22は、圧縮した画像データDや差分データΔDと圧縮しなかった画像データや差分データΔDとをあわせて転送するようになっている。
なお、圧縮しなかった画像データDや差分データΔDを、以下、非圧縮の画像データDや差分データΔDという。非圧縮の画像データDや差分データΔDとは、すなわちいわゆる生の画像データDや差分データΔDを意味する。
圧縮する画像データDや差分データΔDと非圧縮の画像データDや差分データΔDをどのように切り分けるか、すなわち、どの画像データDや差分データΔDにハフマンコードHcを対応付けてテーブル化し、どの画像データDや差分データΔDは非圧縮とするかの選別は、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7から読み出される画像データDやそれらから算出される差分データΔDの出現頻度の分布に基づいて予め決定される。
すなわち、例えば、画像データDや差分データΔDの出現頻度の分布のうち、出現頻度が高い画像データDや差分データΔD、すなわち出現頻度が設定された閾値以上に高い画像データDや差分データΔDについてのみ画像データDや差分データΔDにハフマンコードHcを対応付けてテーブルを作成する。それらの画像データD等以外の画像データD等については、テーブルは作成されない。
具体的には、圧縮や非圧縮の対象が画像データDである場合、各放射線検出素子7から読み出される画像データDの出現頻度Fの分布が図11に示すような分布であったとすると、例えば、閾値以上の出現頻度Fで出現する図中のX〜Yの範囲内の画像データDについてのみテーブルが作成される。
また、圧縮や非圧縮の対象が差分データΔDである場合には、隣接する放射線検出素子7から読み出される画像データDの差分である差分データΔDの出現頻度Fの分布が図12(A)、(B)に示すような分布であったとすると、上記と同様に、例えば、閾値以上の出現頻度Fで出現する差分データΔDについてのみテーブルが作成される。
なお、図12(A)は、放射線画像撮影装置1に一様に放射線を照射した場合に同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データDの差分データΔDの出現頻度Fの分布を示すグラフであり、図12(B)は、放射線画像撮影装置1に一様に放射線を照射した場合に同じ走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データDの差分データΔDの出現頻度Fの分布を示すグラフである。なお、放射線画像撮影装置1に被写体を介して放射線を照射した場合でも、各差分データΔDの出現頻度Fの分布は図12(A)、(B)と同様にΔD=0を中心として略対称になることが分かっている(後述する図22参照)。
図11に示した画像データDの出現頻度Fの分布は、通常、被写体である患者の身体の撮影部位が胸部(正面、側面。以下同じ。)、頭蓋骨、腹部(腰椎)、腕部、脚部、手等の各部位である場合によってそれぞれ異なる。また、撮影部位のみならず、放射線画像撮影装置1のサイズが異なったり、放射線発生装置52から放射線画像撮影装置1に照射する放射線の照射野を絞ったり絞らなかったりといった撮影条件によって分布が異なる。
そのため、データ圧縮処理に関する情報であるハフマンコードHcのテーブルを、制御手段22のメモリに被写体である患者の身体の撮影部位を含む撮影条件ごとに予め複数記憶しておき、圧縮手段を構成する制御手段22で画像データDをデータ圧縮処理する際には、設定された撮影条件に応じたテーブルを選択し、選択したテーブルを参照して画像データDに対するデータ圧縮処理を行うように構成することが可能である。
また、例えば、全ての撮影部位、或いは主たる撮影部位における画像データDの出現頻度Fの分布を包含する分布を算出して、ハフマンコードHcを対応付ける画像データDの範囲すなわちテーブル(データ圧縮処理に関する情報)を作成する画像データDの範囲を設定し、作成した1つのテーブルのみを用いるように構成することも可能である。
一方、圧縮や非圧縮の対象が差分データΔDである場合には、放射線画像撮影装置1に対して照射する放射線の線量を大きくすると、差分データΔDの出現頻度Fの分布は図13(A)、(B)に示すように変化し、図12(A)、(B)と比較して分かるように分布の幅がやや広がる。また、図示を省略するが、被写体である患者の身体の撮影部位等を含む撮影条件が異なる場合にも、分布の幅が広くなったり狭くなったりする。
そのため、圧縮や非圧縮の対象が差分データΔDである場合においても、データ圧縮処理に関する情報であるハフマンコードHcのテーブルを、制御手段22のメモリに撮影条件ごとに予め複数記憶しておき、制御手段22で差分データΔDをデータ圧縮処理する際には、設定された撮影条件に応じたテーブルを選択し、選択したテーブルを参照して差分データΔDに対するデータ圧縮処理を行うように構成することが可能である。
しかし、本願発明者らの研究によれば、図12(A)、(B)や図13(A)、(B)に示したように、同じ信号線6や同じ走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分である差分データΔDを算出すると、それらの差分データΔDは、比較的狭い範囲に分布することが分かっている。
また、本願発明者らの研究では、撮影部位を含む撮影条件を種々変化させて差分データΔDの出現頻度Fの分布の幅が広がったとしても、例えば閾値以上の出現頻度Fで出現する差分データΔDの範囲は、差分データΔDが取り得る値の全範囲(本実施形態では−65535〜65535)の一部に収まることが分かっている。
そこで、差分データΔDの出現頻度Fの分布のうち、ハフマンコードHcを対応付ける差分データΔDの範囲すなわちテーブル(データ圧縮処理に関する情報)を作成する差分データΔDの範囲を予め設定して作成した1つのテーブルのみを用いるように構成することも可能である。
なお、図12(A)や図13(A)に示したように、同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDの出現頻度Fは、ΔD=0を中心とする正規分布状の分布になる。これは、各放射線検出素子7が図5に示したように各層が積層されて形成される際に生じる各放射線検出素子7の製造ばらつきによるものと考えられる。
それに対し、図12(B)や図13(B)に示したように、同じ走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDの出現頻度Fの分布は正規分布状とは言えず、台形状とも言い得る分布になっている。
本願発明者らの研究によると、このように差分データΔDの出現頻度Fの分布が図12(B)や図13(B)に示したような分布になる主な原因は、図7に示したように、上記の場合、各放射線検出素子7からそれぞれ異なる読み出し回路17で画像データDが読み出されるが、各読み出し回路17の出力特性が各読み出し回路17ごとに異なり、各読み出し回路17の出力特性にばらつきがあるためであると考えられている。
そして、各読み出し回路17の出力特性の分布と差分データΔD自体の正規分布状の分布とが重畳されて、差分データΔDの出現頻度Fの分布が略台形状となり、しかも、図12(A)や図13(A)に示した同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDの場合に比べて、分布の幅が広くなっていると考えられる。
以下では、出現頻度Fの分布の幅が画像データDの場合よりも狭くなる差分データΔDを用い、しかも、上記のように分布の幅がより狭くなる同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDを用いることを前提に説明する。しかし、画像データDを用いる場合や、同じ走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDを用いる場合も同様に説明される。
[第1の実施の形態]
[放射線画像撮影装置]
本発明の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、制御手段22のROM等のメモリには、データ圧縮処理に関する情報であるハフマンコードHcのテーブルが予め作成されて記憶されている。
すなわち、被写体である患者の身体の胸部や腹部等の撮影部位や放射線の線量等の撮影条件を種々変化させて各放射線検出素子7から画像データDを読み出し、同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分を差分データΔDとして算出して、図14に示すように各差分データΔDの出現頻度Fをプロットする。そして、例えば、閾値以上の出現頻度で出現する図中のX〜Yの範囲内の差分データΔDを対象として差分データΔDとハフマンコードHcとを対応付けて、予めテーブルが作成される。
そして、以下のようにして、制御手段22とレジスタ部44とで構成される算出手段で差分データΔDの算出処理が行われ、圧縮手段である制御手段22で圧縮処理が行われるようになっている。制御手段22等は、図15に示すフローチャートに従って差分データΔDの圧縮、非圧縮の処理を行うようになっている。
なお、本実施形態では、以下に述べるように、記憶手段40から読み出された画像データDの差分データΔDに圧縮処理を施した後、そのまま記憶手段40に保存せずにアンテナ装置39から無線方式で外部装置に転送する場合について説明するが、圧縮された差分データΔDを放射線画像撮影装置7の記録手段40に保存するように構成することも可能である。
また、図9に示したように、各画像データDを走査線5の各ラインLnごとにD(n,1)、D(n,2)、D(n,3)、D(n,4)、…の順番で記憶手段40に保存した場合、記憶手段40からの各画像データを読み出す際には同じ順番で読み出すように構成すれば各画像データを容易に読み出すことができる。
そこで、本実施形態では、図16に示すように、各画像データDを上記の順番で読み出しながら、同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分を差分データΔDとして算出するようになっている(図15のステップS1)。すなわち、図中の縦方向の矢印で表される信号線の延在方向(以下、信号線方向という。)に隣接する各放射線検出素子7からの画像データD同士の差分を差分データΔDとして算出するようになっている。
なお、例えば、同じ走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分を差分データΔDとして算出する場合には、図17に示すように、各画像データDを上記の順番で読み出しながら走査線5の方向(図中の横方向の矢印方向)に隣接する各放射線検出素子7からの画像データDの差分を算出して、差分データΔDの算出処理を行うことができる。
本実施形態では、具体的には、レジスタ部44は、図18に示すように、少なくとも2つのバッファレジスタ44a、44bが設けられており、また、圧縮された差分データΔDや非圧縮の差分データΔDを、アンテナ装置39を介して外部装置に転送する前に一時的に格納するバッファメモリ44cが設けられている。
そして、制御手段22は、記憶手段40から、走査線5のラインLnに接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(n,1)、D(n,2)、D(n,3)、…、を読み出してバッファレジスタ44aに一時的に蓄積させる。また、記憶手段40から、上記の走査線5のラインLnに隣接するラインLn+1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(n+1,1)、D(n+1,2)、D(n+1,3)、を読み出してバッファレジスタ44bに一時的に蓄積させる。
そして、バッファレジスタの44a,44bの同じ番地の画像データD同士の差分ΔD(すなわちΔD(n+1,1)、ΔD(n+1,2)、ΔD(n+1,3)、…)を算出することで、同じ信号線6に接続された信号線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを算出するようになっている(図15のステップS1)。
その際、差分データΔDを算出するために、記憶手段40から毎回隣接する2ライン分の走査線方向に並ぶ各画像データDを読み出すように構成すると読み出し制御が面倒なものとなる。
そのため、本実施形態では、制御手段22は、隣接する走査線5の各ラインLn、Ln+1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD同士の差分データΔDを算出すると、各画像データD(n+1,1)、D(n+1,2)、D(n+1,3)、…をバッファレジスタ44bからバッファレジスタ44aに移し、空になったバッファレジスタ44bに次に隣接する走査線5のラインLn+2の走査線方向に並ぶ各画像データD(n+2,1)、D(n+2,2)、D(n+2,3)、…を蓄積させる。
そして、差分データΔD(n+2,1)、ΔD(n+2,2)、…を算出すると、各画像データD(n+2,1)、D(n+2,2)、…をバッファレジスタ44bからバッファレジスタ44aに移し、バッファレジスタ44bに各画像データD(n+3,1)、D(n+3,2)、…を蓄積させる。このようにして、各画像データDをバッファレジスタ44bからバッファレジスタ44aに移し替えながらバッファレジスタ44a、44bの同じ番地の画像データD同士の差分ΔDを算出する処理を繰り返して差分データΔDを順次算出していくようになっている。
このように構成する場合、走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…の差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)、…を算出するための基準となるデータが必要となる。そのため、本実施形態では、予め設定された基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…がROM等のメモリに予め保存されている。
そして、制御手段22は、各差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)、…を算出する際には、図19に示すように、メモリから読み出した基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…をバッファレジスタ44aに蓄積させ、記憶手段40から読み出した走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(1,1)、D(1,2)、…をバッファレジスタ44bに蓄積させて、その差分ΔDを差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、…として算出するようになっている。
その際、基準データDc(1)、Dc(2)、…の各値は、同一の値に設定されてもよく、また、互いに異なる値に設定することも可能であり、予め適宜設定される。
なお、レジスタ部44にバッファレジスタ44aが1つしか設けられていない場合でも上記と同様の信号線方向に隣接する画像データD同士の差分を算出して差分データΔDを算出するように構成することが可能である。
すなわち、図20(A)に示すように、隣接する走査線5の各ラインLn、Ln+1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データDのうち、走査線5のラインLnの走査線方向に並ぶ各画像データD(n,1)、D(n,2)、D(n,3)、…がバッファレジスタ44aに蓄積されている場合、制御手段22は、隣接する走査線5のラインLn+1の走査線方向に並ぶ各画像データD(n+1,1)、D(n+1,2)、D(n+1,3)、…を記憶手段40から順次読み出してきて、それぞれ対応する各画像データD(n,1)、D(n,2)、D(n,3)、…と順次置換しながらバッファレジスタ44aに蓄積する。その際、図20(B)、(C)に示すように、対応する画像データD同士の差分データΔDを算出してから置換するように構成する。
また、このようにして差分データΔDが算出され置換されながらバッファレジスタ44aに蓄積された各画像データD(n+1,1)、D(n+1,2)、D(n+1,3)、…が、今度は、続いて記憶手段40から順次読み出された各画像データD(n+2,1)、D(n+2,2)、D(n+2,3)、…に順次差分データΔDが算出されながら置換される。
このように構成すれば、バッファレジスタ44aが1つしかない場合でも、図18や図19に示した場合と同様にして、同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDを算出することが可能となり、また、各差分データΔDの算出処理を連続して容易に行うことが可能となる。
次に、制御手段22は、差分データΔDを算出するごとに当該差分データΔDが、本実施形態では上記のように閾値以上の出現頻度Fで出現する図14中のX〜Yの範囲内の差分データΔDであるか否か、すなわちハフマンコードHcが対応付けられた対象範囲内の差分データΔDであるか否かを判定するようになっている(図15のステップS2)。
この場合、当該差分データΔDがハフマンコードHcのテーブル内にあるか否かをテーブルを参照して判定するのでは時間がかかるため、制御手段22のメモリには、例えば図14におけるX、Yの値、すなわち対象範囲の下限値および上限値が保存されており、制御手段22は算出した差分データΔDが下限値以上上限値以下の値であるか否かを判定するようになっている。
そして、制御手段22は、差分データΔDが対象範囲内であれば(ステップS2;YES)、当該差分データΔDに対して圧縮処理を行うようになっている(ステップS3)。
前述したように、放射線画像撮影装置1を、被写体として患者の身体の一部を撮影し、取得された放射線画像を医用画像として診断等に用いる医用画像の撮影装置として用いる場合等には、圧縮方法としては、圧縮前の差分データΔD(または画像データD)と復元後の差分データΔD(または画像データD)とが完全に一致するように圧縮を行う可逆圧縮の方法が採用されることが好ましい。
本実施形態では、可逆圧縮の方法として、ハフマン符号化の方法が採用されている。なお、以下では、ハフマン符号化の方法により差分データΔD(または画像データD)の圧縮処理を行う場合について説明するが、圧縮方法は必ずしもハフマン符号化による必要はなく、他の可逆圧縮の方法を用いて差分データΔD(または画像データD)の圧縮処理を行うように構成することも可能である。
そして、前述したように、制御手段22は、ROM等のメモリに記憶されたハフマンコードHcのテーブルを参照して差分データΔDにハフマンコードHcを割り当ててコード化するようになっている。ハフマン符号化によるデータ圧縮では、よく知られているように、出現頻度F(図14等参照)が高いデータほど短いハフマンコードHcが割り当てられるようになっている。
そして、制御手段22は、各差分データΔDに割り当てた各ハフマンコードHcをバッファメモリ44c(図18参照)に一時的に格納し、アンテナ装置39を介して外部装置に順次転送するようになっている。
なお、前述したようにハフマンコードHcのテーブルとして被写体である患者の身体の撮影部位を含む撮影条件ごとに複数のテーブルが備えられている場合には、放射線技師等の操作者により放射線画像撮影装置1に撮影条件等の情報が入力される等すると、制御手段22は、入力された撮影条件に基づいて使用するテーブルを選択し、選択したテーブルを参照して差分データΔDの圧縮処理を行うように構成される。
また、使用するテーブルの情報を外部装置から放射線画像撮影装置1に送信し、それに従って制御手段22がテーブルを選択するように構成することも可能である。さらに、放射線画像撮影ごとに外部装置から当該放射線画像撮影の撮影条件に適したハフマンコードHcのテーブルを放射線画像撮影装置1に送信して保存させ、或いは書き換えさせ、制御手段22は、送信されてきた当該ハフマンコードHcのテーブルを参照して差分データΔDの圧縮処理を行うように構成することも可能である。
一方、制御手段22は、算出した差分データΔDがハフマンコードHcが対応付けられた差分データΔDの範囲内、すなわち下限値X以上上限値Y以下の対象範囲内でなければ(図15のステップS2;NO)、圧縮処理を行わず(すなわち非圧縮)、本実施形態では当該差分データΔDに対して特殊コードを付加するようになっている(ステップS4)。
この特殊コードは、特殊コード以下の16ビットのデータが圧縮処理を行っていないいわば生の差分データΔDであることを表すコードであり、16ビットのデータが誤ってハフマンコードHcであるとして解釈されることを防止するためのコードである。
制御手段22は、特殊コードを付加した当該非圧縮の差分データΔDをバッファメモリ44c(図18参照)に一時的に格納し、アンテナ装置39を介して外部装置に順次転送するようになっている。
そして、制御手段22は、全ての差分データΔDに対して上記のステップS1〜ステップS4の処理を行っていなければ(図15のステップS5;NO)、上記のステップS1〜ステップS4の処理を繰り返して行い、全ての差分データΔDに対して上記のステップS1〜ステップS4の処理を行った時点で(ステップS5;YES)、以上の処理を終了するようになっている。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
本発明の課題であるハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図るという点については、上記のように、例えば閾値以上の出現頻度Fで出現する差分データΔD(または画像データD)についてのみハフマンコードHcのテーブル等の圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報を備え、それ以外の差分データΔD(または画像データD)についてはデータ圧縮処理に関する情報を備えないようにすることで、メモリに記憶される情報の省サイズ化を図ることができる。
そのため、例えば、制御手段22をFPGAで構成する場合、FPGA上に形成される比較的記憶容量が小さいメモリにもハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報を記憶させることが可能となる。
なお、制御手段22を上記のようにFPGAで構成する場合、通常、FPGA上に構築されるメモリの記憶容量が小さいため、ハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報のサイズが大きいと、FPGAの外部に設けた記憶容量が大きいメモリに記憶させ、外部メモリにアクセスしてテーブルを参照する等しなければならなくなる。
しかし、上記のようにメモリに記憶される情報の省サイズ化が図られることで、FPGA上に構築されるメモリでも十分に情報を記憶することができ、メモリへのアクセスやメモリからの情報の読み出しに要する時間をより短縮することが可能となる。そのため、差分データΔD(または画像データD)の圧縮処理に要する時間を短縮することが可能となり、圧縮処理を含めた差分データΔD(または画像データD)の転送時間をより短縮することが可能となるといった効果も得られる。
一方、本発明のもう1つの課題であるデータの転送時間の短縮という点について言えば、データの転送時間は、個々の圧縮された差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)と非圧縮の生の差分データΔDの転送に要する時間と、差分データΔDの圧縮処理や特殊コード付加に要する時間との兼ね合いで決まる。
データの転送と圧縮処理等とは同時並行で行われ、また、圧縮、非圧縮のデータのレジスタ部44のバッファメモリ44cでの滞留時間もあるため、単純に論じることは難しいが、本実施形態では、出現頻度Fが高い差分データΔDについては、より短いハフマンコードHcを割り当てることによって差分データΔDの圧縮率を向上させることで、それらの圧縮された個々の差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)の転送に要する時間が短縮される。
そのため、出現頻度Fが高い差分データΔDについては、それらの差分データΔDに圧縮処理等の処理を施さずに生の差分データΔDのまま転送する場合に比べて、データの転送時間が格段に短縮される。
また、出現頻度Fが低い差分データΔDに対しては、前述したように、従来のハフマン符号化のように長いハフマンコードHcを割り当てる代わりに、特殊コードを付加する。その際、差分データΔD自体は圧縮されていないため、個々の非圧縮の差分データΔDの転送に要する時間を短縮することができない。逆に、特殊コードが付加される分だけデータが長くなり、転送に要する時間が多少長くなる。
しかし、図21に示すように、従来のハフマン符号化のようにハフマンコードHcを割り当てる場合には、ハフマンコードHcのテーブルが記憶されているメモリにアクセスし、メモリから当該差分データΔDに対応付けられたハフマンコードHcが送信されてくるまでに数クロックかかり、圧縮処理に数クロック分の時間を要するが、本実施形態では、メモリにアクセスせずに特殊コードを付加するだけなので、特殊コードの付加処理に1クロック分の時間しかかからない。
そのため、処理に要する時間が格段に短縮され、すなわち、従来のようにテーブルを参照して差分データΔDをハフマン符号化する処理よりも差分データΔDに特殊コードを付加する処理の方が格段に短い時間で処理が行われるため、本実施形態のように出現頻度Fが低い差分データΔDに対しては特殊コードを付加するように構成すれば、従来のハフマン符号化に比べれば転送時間が格段に短縮される。
しかし、差分データΔDに処理を施さずに生の差分データΔDのまま転送する場合に比べると、特殊コードを付加する処理の分だけ処理に要する時間が長くなり、また、特殊コードを付加した分だけデータが長くなるため、データの転送に要する時間が長くなる。
そのため、出現頻度Fが低い差分データΔDのみについて見た場合、本実施形態のように差分データΔDに特殊コードを付加して転送すると、差分データΔDに何らの処理を施さずに生の差分データΔDのまま転送する場合に比べて転送時間が長くなる。
しかし、それらの差分データΔDは出現頻度Fが非常に低い。そのため、上記のようにデータの転送時間が短縮される差分データΔDの出現頻度Fが圧倒的に高いため、それらの出現頻度Fが高い差分データΔDにおけるデータの転送時間の短縮効果が強く現れ、出現頻度Fが低い差分データΔDにおけるデータの転送時間が長くなる効果が相殺される。
そのため、差分データΔD全体として見た場合、本実施形態における上記のような差分データΔDの圧縮処理および非圧縮処理(特殊コード付加処理)によって、差分データΔDに何らの処理を施さずに生の差分データΔDのまま転送する場合に比べて、データの転送時間が短縮されることになる。
逆の言い方をすれば、上記のように、差分データΔDに何らの処理を施さずに生の差分データΔDのまま転送する場合に比べて、本実施形態におけるデータの転送時間が短縮されるように、差分データΔDの出現頻度Fに関する閾値が適切な値に設定される。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、各放射線検出素子7から出力される画像データDの一部や、転送する画像において隣接する画素の画像データD同士の差分データΔDの一部、すなわち、本実施形態では隣接する放射線検出素子7から出力される画像データD同士の差分データΔDの一部についてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報(すなわち本実施形態ではハフマンコードHcのテーブル)を備えることで、データ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図ることが可能となる。
そのため、ハフマンコードのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報を記憶するメモリとして、記憶容量がより小さいメモリを使用することが可能となり、或いは、余ったメモリの記憶容量を有効に活用することが可能となる。
また、その際、例えばハフマン符号化における出現頻度Fが高い画像データDや差分データΔDのように圧縮効率が高い画像データDや差分データΔDのみを圧縮処理の対象とすることで、出現頻度Fが低く長いハフマンコードHcが割り当てられる他の画像データDや差分データΔDを圧縮処理しなくても、データ全体として、何らの処理を施さずに生のデータのまま転送する場合に比べて、データの転送時間を短縮することが可能となる。また、従来のハフマン符号化を行う場合よりもデータの転送時間を短縮することが可能となる。
そして、圧縮、非圧縮の画像データDや差分データΔDの転送時間が短縮されることで、転送に要する電力の消費量を低減することが可能となる。また、本実施形態のように、放射線画像撮影装置1が、バッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置である場合には、転送に要する電力の消費量が低減されると、バッテリの消耗度合いが軽減され、1回の充電で行うことができる放射線画像撮影の回数の増加を図ることが可能となり、放射線画像撮影装置1の使用効率を向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態のように、同じ信号線6に接続された複数の放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDに対して圧縮時および非圧縮時の処理を行うように構成すれば、図14等に示したように、出現頻度Fが高い差分データΔDの範囲がΔD=0側に集中して、より狭い範囲に収まる。そのため、ハフマンコードHcを対応付ける差分データΔDの値の範囲がより狭くなり、ハフマンコードHcのテーブルのサイズをより小さなものとすることが可能となる。
[放射線画像撮影システム]
ここで、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1から圧縮された画像データDや差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)の転送を受けた外部装置側での画像データDの復元について説明する。放射線画像撮影システム50の全体的な構成については図10に示したとおりであり、以下、コンソール58における復元処理について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の作用について説明する。
なお、以下においても、同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDが圧縮され或いは非圧縮のデータとして放射線画像撮影装置1から転送されてくる場合について説明するが、放射線画像撮影装置1から転送されてくる圧縮、非圧縮のデータが、同じ走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔDである場合や、画像データDである場合にも同様に説明される。
また、前述したように、コンソール58を構成するコンピュータのROM等のメモリや記憶手段59には、放射線画像撮影装置1の制御手段22のメモリに記憶されたデータ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶されている。なお、以下では、データ圧縮に関する情報がハフマンコードHcのテーブルである場合について説明するが、可逆圧縮方法は必ずしもハフマン符号化による必要はなく、他の可逆圧縮方法を用いて差分データΔD(または画像データD)の圧縮処理を行うように構成することも可能である。
コンソール58(図10参照)は、放射線画像撮影装置1からアンテナ装置39やケーブルを介し、基地局54等を経由して圧縮された差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)や特殊コードが付加された生の差分データΔDが転送されてくると、それらのデータを一旦記憶手段59に保存する。
そして、コンソール58は、記憶手段59に一旦保存したそれらのデータを順次読み出し、データがハフマンコードHcであれば、ハフマンコードHcのテーブルを参照して当該ハフマンコードHcを解凍して差分データΔDに復元する。また、特殊コードが読み出されると、それ以下の16ビットのデータは差分データΔDであるとして、特殊コードを除去して差分データΔDを復元する。復元された各差分データΔDを記憶手段59に保存するように構成してもよい。
コンソール58は、このようにして差分データΔDを復元すると、それらの差分データΔDに基づいて元の画像データDを復元するようになっている。
具体的には、コンソール58は、まず、ROM等のメモリや記憶手段59に保存されている基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…を読み出し、それらと復元した各差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)、…とを、
Dc(m)+ΔD(1,m)→D(1,m) …(1)
に従って演算して、走査線方向に並ぶ元の画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…を復元する。
この処理は、図19に示した走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…に対する処理の逆の処理に相当する。コンソール58は、復元した画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…を記憶手段59に保存する。
続いて、コンソール58は、画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…と復元した差分データΔD(2,1)、ΔD(2,2)、ΔD(2,3)、…とを、
D(1,m)+ΔD(2,m)→D(2,m) …(2)
に従って演算し、走査線方向に並ぶ元の画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、D(2,4)、…を復元して記憶手段59に保存する。
コンソール58は、このようにして基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…と復元した各差分データΔDに基づいて次々と元の画像データDを復元する。そして、復元した全ての画像データDを記憶手段59に保存するようになっている。
なお、前述したように、放射線画像撮影装置1とコンソール58とが複数のハフマンコードHcのテーブルを共通に備える場合には、放射線画像撮影装置1からコンソール58に使用したテーブルの番号の情報等を転送したり、放射線技師等の操作者により入力された撮影条件等の情報に基づいて使用するテーブルを選択する等して、コンソール58は当該テーブルを用いて解凍処理や復元処理を行うように構成される。
なお、上記の基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…を放射線画像撮影装置1で差分データΔD等の圧縮処理を行うごとに作成するように構成してもよく、その場合、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から転送されてきた基準データDcに基づいて、上記のように元の差分データΔDや元の画像データDを復元するように構成される。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、上記のように放射線画像撮影装置1から短い転送時間で転送されてきた圧縮、非圧縮の画像データDや差分データΔDを、元の画像データDや元の差分データΔDと完全に一致するように復元することが可能となり、放射線画像撮影装置1で撮影された各画像データDを確実に復元することが可能となる。
また、コンソール58側においても、ROM等のメモリや記憶手段59に記憶されるハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図ることが可能となり、ROM等のメモリや記憶手段59の記憶容量を有効に活用することが可能となる。
[第2の実施の形態]
上記の図12(A)、(B)等に示したように、同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データDの差分データΔD(図12(A)参照)や、同じ走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データDの差分データΔD(図12(B)参照)は、出現頻度Fの正側の分布と負側の分布が、ΔD=0を中心として略対称になる。
前述したように、図12(A)、(B)は、放射線画像撮影装置1に一様に放射線を照射した場合に得られる差分データΔDの分布であるが、例えば図22に示す胸部正面の場合の分布のように、放射線画像撮影装置1の放射線入射面R(図1参照)に被写体を配置し、被写体を介して放射線を照射した場合でも同様に、出現頻度Fの正側の分布と負側の分布が、ΔD=0を中心として略対称になる。
なお、図22に示した分布は、同じ信号線6に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データDの差分データΔDに関する出現頻度Fの分布であるが、同じ走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7から出力された画像データDの差分データΔDについても、被写体を介して放射線を照射した場合には同様に、出現頻度Fの正側の分布と負側の分布がΔD=0を中心として略対称になる。
そこで、本発明の第2の実施形態では、差分データΔDの特徴を利用して、ハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図るように構成される。具体的には、放射線画像撮影装置1の制御手段22のROM等のメモリやコンソール58を構成するコンピュータのROM等のメモリや記憶手段59には、図23に示すように、0および正の値(すなわち0〜65535の範囲)の差分データΔDについてのみデータ圧縮処理に関する情報であるハフマンコードHcのテーブルが記憶されている。
すなわち、本実施形態では、負の値の差分データΔDについてはハフマンコードHcのテーブルは用意されていない。以下、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1や放射線画像撮影システム50について説明する。
[放射線画像撮影装置]
本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の構成は、上記の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1の場合と同様であり、説明を省略する。また、以下、第1の実施形態と同様の機能を有する機能部に対して同じ符号を付して説明する。
本実施形態では、図16〜図20に示したようにして差分データΔDの算出を行った後の処理が第1の実施形態の場合と異なる。具体的には、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の圧縮手段を構成する制御手段22は、制御手段22は、図24に示すフローチャートに従って差分データΔDの圧縮処理を行うようになっている。
制御手段22は、ROM等のメモリから基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…を読み出してレジスタ部44のバッファレジスタ44aに蓄積させた後、記憶手段40から走査線方向に並ぶ各画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)…をバッファレジスタ44bに蓄積させて、その差分ΔDを差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)…として算出する。
そして、各画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)…をバッファレジスタ44aに移し、空になったバッファレジスタ44bに次に隣接する走査線5のラインLn+2の走査線方向に並ぶ各画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、…を蓄積させ、同様にして、その差分ΔDを差分データΔD(2,1)、ΔD(2,2)、ΔD(2,3)…として算出する。制御手段22は、この処理を繰り返して、各差分データΔDを算出する(ステップS11)。
また、制御手段22は、上記の処理を繰り返しながら、算出した差分データΔDの正負すなわち+(0を含む。)または−の符号部をメモリに保持する(ステップS12)。続いて、制御手段22は、算出した差分データΔDの絶対値を算出する(ステップS13)。
そして、制御手段22は、前述した0および正の値の差分データΔDにハフマンコードHcが対応付けられて作成されたテーブルを参照して、算出した差分データΔDの絶対値に対してハフマンコードHcを割り当てて圧縮処理を行う(ステップS14)。また、制御手段22は、保持されている当該差分データΔDの符号部(+または−)に基づいて、当該差分データΔDが0または正の値である場合には圧縮処理した当該絶対値に0または正の値であることを表すコードを付加し、当該差分データΔDが負の値である場合には圧縮処理した当該絶対値に負の値であることを表すコードを付加する(ステップS15)。
そして、制御手段22は、全ての差分データΔDに対して上記のステップS11〜ステップS15の処理を行っていなければ(ステップS16;NO)、上記のステップS11〜ステップS15の処理を繰り返して行い、全ての差分データΔDに対して上記のステップS11〜ステップS15の処理を行った時点で(ステップS16;YES)、以上の処理を終了するようになっている。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
本発明の課題であるハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図るという点については、上記のように、本実施形態では−65535〜+65535の値を取り得る全差分データΔDのうち、0〜+65535の差分データΔDに対してのみハフマンコードHcが対応付けられてハフマンコードHcのテーブルが作成される。
そのため、−65535〜+65535の全差分データΔDに対してハフマンコードHcを対応付ける従来のハフマン符号化の場合に比べてハフマンコードHcのテーブルのサイズが半分で済み、メモリに記憶されるデータ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図ることができる。
また、本実施形態では、結果的に正負の値を有する全ての差分データΔDに対してハフマン符号化を用いた圧縮処理を行うことになるため、従来の全差分データΔDに対するハフマン符号化の場合と同程度にデータの転送時間を短縮することが可能となる。
なお、本実施形態における圧縮処理の手法は、処理の手順のみから見た場合、差分データΔDが図12(A)や図12(B)に示したようにその出現頻度Fの正側の分布と負側の分布がΔD=0を中心として略対称になる場合だけではなく、例えば図25に示すように出現頻度Fの正側の分布と負側の分布がΔD=0を中心として対称にはならないようなデータにも適用することも原理的には可能である。
しかし、図25に示すような分布の場合、上記の処理に従えば、正の値の差分データΔD部分のうち、出現頻度Fがピークになる差分データΔD近傍の、出現頻度Fがある程度の高さを有する差分データΔDには短いハフマンコードHcが対応付けられている。そして、ΔD=0を中心としてそれと対称の位置にある負側の差分データΔDにも短いハフマンコードHcが割り当てられるが、その部分の負の値の差分データΔDの出現頻度Fは低い。
一方、負の値の差分データΔDのピークを含む出現頻度Fがある程度の高さを有する部分の、ΔD=0を中心とする対称の正側の部分では、差分データΔDの出現頻度Fが低いため、長いハフマンコードHcが対応付けられている。そのため、上記の処理に従うと、負側の出現頻度Fが高い各差分データΔDには、長いハフマンコードHcが割り当てられてしまう。
このように、例えば図25に示すような出現頻度Fの分布を有するデータの場合には、正または負の値を有する全データ(全差分データΔD)の圧縮率がさほど高くならない。そのため、データの転送時間を短縮するという本発明の目的を必ずしも的確に実現するものとはならない。
それに対し、本実施形態では、同じ信号線6に接続された複数の放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔD(図12(A)参照)や、同じ走査線5に接続された複数の放射線検出素子7から出力された画像データD同士の差分データΔD(図12(B)参照)では、出現頻度Fの分布が、出現頻度Fの正側の分布と負側の分布がΔD=0を中心として略対称になる。
そのため、正の値の差分データΔD部分のうち、出現頻度Fがある程度の高さを有し短いハフマンコードHcが対応付けられる差分データΔDのΔD=0を中心とする対称の位置の負側の差分データΔDでも出現頻度Fが同様に高く、出現頻度Fが高い正負の差分データΔDに短いハフマンコードHcが割り当てられる。
また、正の値の差分データΔD部分のうち、出現頻度Fが低く長いハフマンコードHcが対応付けられる差分データΔDのΔD=0を中心とする対称の位置の負側の差分データΔDでも出現頻度Fが同様に低く、長いハフマンコードHcが割り当てられる正負の差分データΔDは出現頻度Fが低くなる。
そのため、上記のようにして差分データΔDを算出し、それに対して上記のように処理することで、差分データΔDに対して高い圧縮率で圧縮処理を施すことが可能となり、データの転送時間を短縮するという本発明の目的を的確に実現することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、差分データΔDのうち、0および正の値の差分データΔDについてのみハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報を作成すればよいため、データ圧縮処理に関する情報のサイズが、全差分データΔDに対して同情報が作成される場合のサイズの半分で済み、メモリに記憶されるデータ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図ることが可能となる。
また、差分データΔDが、図12(A)や図12(B)に示したようにその出現頻度Fの正側の分布と負側の分布がΔD=0を中心として略対称になるため、正負の値の出現頻度Fが高い差分データΔDにより短いハフマンコードHcが割り当てられる。そのため、差分データΔDに対して高い圧縮率で圧縮処理を施すことが可能となり、データの転送時間を的確に短縮することが可能となる。
さらに、上記の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1に関する各効果と同様の各効果を的確に発揮することが可能となる。
[放射線画像撮影システム]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50について説明する。本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の構成についても上記の第1の実施形態に係る放射線画像撮影システム50の場合と同様であり、説明を省略する。また、以下、第1の実施形態と同様の機能を有する機能部に対して同じ符号を付して説明する。
コンソール58(図10参照)を構成するコンピュータのROM等のメモリや記憶手段59には、放射線画像撮影装置1の制御手段22のメモリに記憶されたデータ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶されている。
本実施形態では、コンソール58には、上記のように、放射線画像撮影装置1から0または正の値であることを表すコードや負の値であることを表すコードが付加されたハフマンコードHc(すなわち圧縮された差分データΔDの絶対値)が転送されてくる。コンソール58は、放射線画像撮影装置1からアンテナ装置39やケーブルを介し、基地局54等を経由してコードが付加されたハフマンコードHcが転送されてくると、それらのデータを一旦記憶手段59に保存する。
そして、コンソール58は、記憶手段59に一旦保存したそれらのデータを順次読み出し、ハフマンコードHcのテーブルを参照して当該ハフマンコードHcを解凍して差分データΔDの絶対値を復元する。また、当該ハフマンコードHcに付加されたコードが0または正の値であることを表すコードであれば当該差分データΔDの絶対値を差分データΔDとして復元し、当該ハフマンコードHcに付加されたコードが負の値であることを表すコードであれば当該差分データΔDの絶対値に−を付加して負の値に変えて差分データΔDとして復元する。復元された各差分データΔDを記憶手段59に保存するように構成してもよい。
コンソール58は、このようにして差分データΔDを復元すると、それらの差分データΔDに基づいて元の画像データDを復元するようになっている。
具体的には、上記の第1の実施形態で説明したように、コンソール58は、ROM等のメモリや記憶手段59に保存されている基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…を読み出し、それらと復元した各差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)、…とを上記(1)式に従って加算して、元の画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…を復元する。復元した画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…は記憶手段59に保存される。
続いて、コンソール58は、画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…と復元した差分データΔD(2,1)、ΔD(2,2)、ΔD(2,3)、…とを上記(2)式に従って加算して、元の画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、D(2,4)、…を復元して記憶手段59に保存する。
コンソール58は、このようにして基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…と復元した各差分データΔDに基づいて次々と元の画像データDを復元し、復元した全ての画像データDを記憶手段59に保存するようになっている。
なお、本実施形態においても、放射線画像撮影装置1やコンソール58が備えるハフマンコードHcのテーブルを複数種類設けることが可能であり、その場合には、放射線画像撮影装置1からコンソール58に使用したテーブルの番号の情報等を転送したり、放射線技師等の操作者により入力された撮影条件等の情報に基づいて使用するテーブルを選択する等して、コンソール58は当該テーブルを用いて解凍処理や復元処理を行うように構成される。また、上記の基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…を放射線画像撮影装置1で差分データΔD等の圧縮処理を行うごとに作成するように構成してもよく、その場合、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から転送されてきた基準データDcに基づいて、上記のように元の差分データΔDや元の画像データDを復元するように構成される。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、上記のように放射線画像撮影装置1から短い転送時間で転送されてきた圧縮された画像データDや差分データΔDを、元の画像データDや元の差分データΔDと完全に一致するように復元することが可能となり、放射線画像撮影装置1で撮影された各画像データDを確実に復元することが可能となる。
また、コンソール58側においても、ROM等のメモリや記憶手段59に記憶されるハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図ることが可能となり、ROM等のメモリや記憶手段59の記憶容量を有効に活用することが可能となる。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施形態は、上記の第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせた構成とされている。
すなわち、図26に示すように、同じ信号線6や走査線5に接続された隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDであって、閾値以上の出現頻度Fで出現する図中のX〜Yの範囲内の差分データΔDのうち、0および正の値(すなわち図中の0〜Yの範囲)の差分データΔDについてのみデータ圧縮処理に関する情報であるハフマンコードHcのテーブルを作成し、作成したテーブルが放射線画像撮影装置1の制御手段22のROM等のメモリやコンソール58を構成するコンピュータのROM等のメモリや記憶手段59に記憶されるように構成されている。なお、この場合、図中のXとYは絶対値が等しい値とされる。
[放射線画像撮影装置]
この場合、放射線画像撮影装置1の圧縮手段を構成する制御手段22では、図27に示すフローチャートに従って差分データΔDの圧縮、非圧縮の処理が行われる。
制御手段22は、ROM等のメモリから基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…を読み出してレジスタ部44のバッファレジスタ44aに蓄積させた後、記憶手段40から走査線方向に並ぶ各画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)…をバッファレジスタ44bに蓄積させて、その差分ΔDを差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)…として算出する。
そして、各画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)…をバッファレジスタ44aに移し、空になったバッファレジスタ44bに次に隣接する走査線5のラインLn+2の走査線方向に並ぶ各画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、…を蓄積させ、同様にして、その差分ΔDを差分データΔD(2,1)、ΔD(2,2)、ΔD(2,3)…として算出する。制御手段22は、この処理を繰り返して、各差分データΔDを算出する(ステップS21)。
制御手段22のROM等のメモリには、図26に示したXおよびYの値が保存されており、制御手段22は、続いて、差分データΔDを算出するごとに算出した差分データΔDがX〜Yの対象範囲内の差分データΔDであるか否かを判定する(ステップS22)。そして、当該差分データΔDが対象範囲内になければ(ステップS22;NO)、当該差分データΔDに対して第1の実施形態で説明した特殊コード、すなわち特殊コード以下の16ビットのデータが圧縮処理を行っていないいわば生の差分データΔDであることを表すコードを付加する(ステップS23)。その際、当該差分データΔDには圧縮処理を施さない。
また、算出した差分データΔDがX〜Yの対象範囲内にあれば(ステップS22;YES)、制御手段22は、第2の実施形態の場合と同様に、算出した差分データΔDの正負すなわち+(0を含む。)または−の符号部をメモリに保持して(ステップS24)、算出した差分データΔDの絶対値を算出する(ステップS25)。
そして、制御手段22は、0〜Yの範囲の差分データΔDについて作成されたテーブルを参照して、算出した差分データΔDの絶対値に対してハフマンコードHcを割り当てて圧縮処理を行う(ステップS26)。また、制御手段22は、保持されている当該差分データΔDの符号部(+または−)に基づいて、当該差分データΔDが0または正の値である場合には圧縮処理した当該絶対値に0または正の値であることを表すコードを付加し、当該差分データΔDが負の値である場合には圧縮処理した当該絶対値に負の値であることを表すコードを付加する(ステップS27)。
そして、制御手段22は、全ての差分データΔDに対して上記のステップS21〜ステップS27の処理を行っていなければ(ステップS28;NO)、上記のステップS21〜ステップS27の処理を繰り返して行い、全ての差分データΔDに対して上記のステップS21〜ステップS27の処理を行った時点で(ステップS28;YES)、以上の処理を終了するようになっている。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、転送する画像において隣接する画素の画像データD同士の差分データΔDの一部、すなわち、本実施形態では隣接する放射線検出素子7から出力される画像データD同士の差分データΔDの一部のみを圧縮処理の対象とし、さらに、圧縮処理の対象とする一部の差分データΔDの半分の差分データΔDについてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報(すなわち本実施形態ではハフマンコードHcのテーブル)を備えることで、データ圧縮処理に関する情報のさらなる省サイズ化を図ることが可能となる。
そのため、ハフマンコードのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報を記憶するメモリとして、記憶容量がより小さいメモリを使用することが可能となり、或いは、余ったメモリの記憶容量を有効に活用することが可能となる。
また、その際、例えばハフマン符号化における出現頻度Fが高い差分データΔDのように圧縮効率が高い差分データΔDのみを圧縮処理の対象とすることで、出現頻度Fが低く長いハフマンコードHcが割り当てられる他の差分データΔDを圧縮処理しなくても、データ全体として、何らの処理を施さずに生のデータのまま転送する場合に比べて、データの転送時間を短縮することが可能となる。また、従来のハフマン符号化を行う場合よりもデータの転送時間を短縮することが可能となる。
そして、圧縮、非圧縮の画像データDや差分データΔDの転送時間が短縮されることで、転送に要する電力の消費量を低減することが可能となる。また、本実施形態のように、放射線画像撮影装置1が、バッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置である場合には、転送に要する電力の消費量が低減されると、バッテリの消耗度合いが軽減され、1回の充電で行うことができる放射線画像撮影の回数の増加を図ることが可能となり、放射線画像撮影装置1の使用効率を向上させることが可能となる。
[放射線画像撮影システム]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50においても、コンソール58(図10参照)を構成するコンピュータのROM等のメモリや記憶手段59には、放射線画像撮影装置1の制御手段22のメモリに記憶されたデータ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶されている。
本実施形態では、コンソール58は、上記のように、放射線画像撮影装置1からデータが転送されてくると、それらのデータを一旦記憶手段59に保存する。
そして、コンソール58は、記憶手段59に一旦保存したそれらのデータを順次読み出し、データに特殊コードが付加されていれば、その特殊コードを除去して特殊コードの後の差分データΔを元の差分データΔDとして復元する。
また、データに正または負の値であることを表すコードが付加されている場合には、ハフマンコードHcのテーブルを参照して、まず、コードの後のハフマンコードHcを解凍して差分データΔDの絶対値を復元する。そして、当該ハフマンコードHcに付加されたコードが0または正の値であることを表すコードであれば当該差分データΔDの絶対値を差分データΔDとして復元し、当該ハフマンコードHcに付加されたコードが負の値であることを表すコードであれば当該差分データΔDの絶対値に−を付加して負の値に変えて差分データΔDとして復元する。
コンソール58は、このようにして差分データΔDを復元すると、それらの差分データΔDに基づいて元の画像データDを復元する。この元の画像データDの復元については、上記の第1、第2の実施形態の場合と同様であるから説明を省略する。また、ハフマンコードHcのテーブルを複数種類設けることが可能であること等も上記の各実施形態の場合であるから説明を省略する。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、上記のように放射線画像撮影装置1から短い転送時間で転送されてきた圧縮された画像データDや差分データΔDを、元の画像データDや元の差分データΔDと完全に一致するように復元することが可能となり、放射線画像撮影装置1で撮影された各画像データDを確実に復元することが可能となる。
また、コンソール58側においても、ROM等のメモリや記憶手段59に記憶されるハフマンコードHcのテーブル等のデータ圧縮処理に関する情報のさらなる省サイズ化を図ることが可能となり、ROM等のメモリや記憶手段59の記憶容量を有効に活用することが可能となる。
[第4の実施の形態]
上記の第1〜第3の実施形態では、放射線画像撮影装置1で撮影した放射線画像の全画像データD(或いは放射線の照射野内等の所定の範囲内の全画像データD)について、隣接する放射線検出素子7から出力された画像データDの差分を差分データΔDとして算出する場合について説明した。
すなわち、上記の各実施形態では、放射線画像撮影装置1からコンソール58に転送される画像が、放射線画像撮影装置1で撮影した放射線画像全体(或いは放射線の照射野内等の所定の範囲内の画像全体)であり、隣接する画素が、同じ信号線6や同じ走査線5に接続された隣接する各放射線検出素子7に対応する各画素であることが前提とされていた。
しかし、放射線画像撮影装置1で撮影した全画像データDから所定の割合で画素を間引いた、いわゆる間引き画像をプレビュー用の画像としてコンソール58側に転送し、このプレビュー用の画像をコンソール58の表示画面58a(図10参照)に表示するように構成される場合もある。
そして、放射線技師等の操作者がプレビュー用の間引き画像を見て、放射線画像撮影装置1で撮影された画像中(間引き画像中)に被写体が適切に撮影されているか否か等を確認し、画像中に被写体が適切に撮影されていれば改めて放射線画像撮影装置1から全画像データD等を転送させ、被写体が画像中に適切に撮影されていなければ放射線画像撮影装置1に当該画像データDを破棄させて、改めて放射線画像撮影を行う再撮影等の作業を行う。
この場合、放射線画像撮影装置1からコンソール58に転送される画像は、間引き画像(例えば後述する図28(B)参照)であり、隣接する画素は、この間引き画像において隣接する各画素である。
放射線画像撮影装置1における間引き画像のデータ(以下、間引きデータという。)の作成の仕方としては、種々の手法を採用し得るが、まず、図28(A)に示すように、走査線5の各ラインL1〜Lxに接続された各放射線検出素子7から出力された各画像データDのうち、所定本数のラインおきに走査線方向に並ぶ各画像データDを抽出する形で間引きデータを作成する場合(すなわち、いわゆるライン間引きの場合)について説明する。
なお、図28(A)、(B)や後述する図29〜図31では、図16や図17に示した場合と同様に、横方向が走査線方向であり、縦方向が信号線方向である。また、図28(A)の場合、斜線を付した2ラインおきの走査線5のラインL1、L4、L7、…に接続された各放射線検出素子7から出力された各画像データDを間引きデータとして作成する場合が示されているが、画像データDを間引く上記の所定本数は適宜の本数に設定することが可能であり、2ラインおきの場合に限定されない。
この場合、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、図18〜図20等に示した処理と同様の処理により、信号線方向の画像データDについて差分データDを算出するが、その際、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の記憶手段40から走査線5のラインL1、L4、L7、…方向に並ぶ画像データDのみを読み出す。
すなわち、制御手段22(算出手段)は、まず、記憶手段40から走査線5のラインL1方向に並ぶ画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、D(1,4)、…を読み出し、基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、Dc(4)、…とそれらの画像データDとの差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)、ΔD(1,4)、…を算出する。
そして、制御手段22(圧縮手段)は、算出した差分データΔDが圧縮処理の対象範囲内にあるか否かを判断したり(上記の第1、第3の実施形態の場合)、差分データΔDの符号部を保持する(上記の第2の実施形態の場合)等して、圧縮、非圧縮の処理を行う。
また、制御手段22は、走査線5のラインL2、L3方向に並ぶ各画像データDは飛ばして、記憶手段40から走査線5のラインL4方向に並ぶ画像データD(4,1)、D(4,2)、D(4,3)、D(4,4)、…を読み出し、走査線5のラインL1方向に並ぶ画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、D(1,4)、…とそれらの画像データDとの差分データΔD(4,1)、ΔD(4,2)、ΔD(4,3)、ΔD(4,4)、…を算出して、圧縮、非圧縮の処理を行う。
そして、以下も同様にして、走査線5のラインL7、L10、…に並ぶ画像データDについてもそれぞれ差分データΔDを算出して圧縮する同様の処理を繰り返す。この処理は、図28(B)に示すように、間引きデータとして走査線5のラインL1、L4、L7、…方向に並ぶ画像データDを抽出して作成した間引き画像に対して上記の各実施形態と同様に圧縮、非圧縮処理を行うことに相当する。
なお、この場合、間引き画像用のハフマンコードHcのテーブルを新たに用意してもよいが、上記の各実施形態において用いた、間引き画像ではなく全画像の画像データDに基づいて算出した差分データΔDの一部に対して適用されるテーブルをそのまま用いることが可能である。また、各画像データDの差分データΔDを算出せずに、記憶手段40から読み出した走査線5のラインL1、L4、L7、…方向に並ぶ各画像データDをそのまま圧縮、非圧縮処理するように構成することが可能であることは前述したとおりである。
一方、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から転送されてきた圧縮、非圧縮の差分データΔDに基づいて、上記の第1〜第3の実施形態で説明したように、圧縮された差分データΔDである各ハフマンコードHcを解凍する等して元の画像データDすなわち間引きデータを復元する。
そして、コンソール58は、復元した間引きデータに基づいて、図28(B)に示したような間引き画像を形成して表示画面58aに表示する。その際、全間引きデータを復元した後に表示画面58aに表示するように構成してもよく、また、走査線5のラインL1、L4、L7、…方向に並ぶ各間引きデータ(各画像データD)が復元されるごとに表示画面58aに順次表示していくように構成することも可能である。
上記のようにして間引きデータを転送、復元、表示した後、再撮影の必要がないと判断された場合には、コンソール58側から全画像データDの転送要求がなされる。その際、放射線画像撮影装置1で改めて走査線5の各ラインL1〜Lxについて上記の第1〜第3の実施形態で説明したように、全画像データDに基づいて差分データΔDを算出し、圧縮、非圧縮処理を行ってコンソール58に転送するように構成することも可能である。
しかし、上記のように走査線5のラインL1、L4、L7、…方向に並ぶ各画像データDは既に復元されているため、記憶手段40から走査線5の残りのラインL2、L3、L5、L6、…方向に並ぶ各画像データDのみを読み出して、それらに基づいて差分データΔDを算出し、圧縮、非圧縮処理を行ってコンソール58に転送するように構成することも可能である。
すなわち、制御手段22は、まず、記憶手段40から走査線5のラインL2方向に並ぶ画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、D(2,4)、…を読み出し、基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、Dc(4)、…とそれらの画像データDとの差分データΔD(2,1)、ΔD(2,2)、ΔD(2,3)、ΔD(2,4)、…を算出して、圧縮、非圧縮の処理を行う。
続いて、制御手段22は、記憶手段40から走査線5のラインL3方向に並ぶ画像データD(3,1)、D(3,2)、D(3,3)、D(3,4)、…を読み出し、走査線5のラインL2方向に並ぶ画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、D(2,4)、…とそれらの画像データDとの差分データΔD(3,1)、ΔD(3,2)、ΔD(3,3)、ΔD(3,4)、…を算出して、圧縮、非圧縮の処理を行う。
このようにして、以下、走査線5のラインL5、L6、L8、…に並ぶ画像データDについてもそれぞれ差分データΔDを算出して圧縮、非圧縮処理する同様の処理を繰り返す。この処理は、図29に示すように、走査線5のラインL2、L3、L5、L6、…方向に並ぶ画像データDを抽出し、それについて上記の実施形態と同様に圧縮、非圧縮処理を行うことに相当する。
コンソール58は、放射線画像撮影装置1から圧縮され或いは圧縮されなかった残りの差分データΔDが転送されてくると、上記の第1〜第3の実施形態で説明したように、圧縮された差分データΔDである各ハフマンコードHcを解凍する等して元の画像データDを復元する。
そして、コンソール58は、復元した元の残りの画像データDと、間引き画像として先に転送され復元された画像データDとを組み合わせて合成し、図28(A)に示した元の全体の画像データDを復元する。そして、それに基づいて間引き画像ではない完全な放射線画像を形成する。
なお、上記の場合には、間引きデータに相当する走査線5のラインL1、L4、L7、…方向に並ぶ画像データDと、その残りの走査線5のラインL2、L3、L5、L6、…方向に並ぶ各画像データDとをそれぞれ独立に扱い、独立に復元させて合体させる場合について説明した。
しかし、この他にも、例えば、走査線5の残りのラインL2、L3、L5、L6、…方向に並ぶ各画像データDを、間引きデータに相当する走査線5のラインL1、L4、L7、…方向に並ぶ画像データDと組み合わせて処理し、復元させるように構成することも可能である。
具体的には、例えば、走査線5のラインL2方向に並ぶ各画像データDについて、上記のように基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、Dc(4)、…とそれらの画像データDとの差分データΔDを算出する代わりに、図30に示すように、走査線5のラインL1方向に並ぶ各画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、D(1,4)、…と、走査線5のラインL2方向に並ぶ各画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、D(2,4)、…との差分データΔD(2,1)、ΔD(2,2)、ΔD(2,3)、ΔD(2,4)、…を算出し、それらについて圧縮、非圧縮の処理を行う。
また、走査線5のラインL3方向に並ぶ各画像データDについては、走査線5のラインL2方向に並ぶ各画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、D(2,4)、…との差分データΔD(3,1)、ΔD(3,2)、ΔD(3,3)、ΔD(3,4)、…を算出して圧縮、非圧縮の処理を行う。
また、走査線5のラインL5、L8、L11、…方向に並ぶ各画像データDについては、走査線5のラインL4、L7、L10、…方向に並ぶ各画像データDとの差分データΔDを算出し、走査線5のラインL6、L9、L12、…方向に並ぶ各画像データDについては、走査線5のラインL5、L8、L11、…方向に並ぶ各画像データDとの差分データΔDを算出して、それぞれ圧縮、非圧縮の処理を行う。
コンソール58は、間引きデータとして既に復元している走査線5のラインL1、L4、L7、L10、…方向に並ぶ各画像データDに基づいて、解凍して復元した差分データΔD(2,1)、…、ΔD(5,1)、…、ΔD(8,1)、…、ΔD(11,1)、…とをそれぞれ加算して、走査線5のラインL2、L5、L8、L11、…方向に並ぶ元の各画像データDを復元する。
また、復元した走査線5のラインL2、L5、L8、L11、…方向に並ぶ元の各画像データDと、解凍して復元した差分データΔD(3,1)、…、ΔD(6,1)、…、ΔD(9,1)、…、ΔD(12,1)、…とをそれぞれ加算して、走査線5のラインL3、L6、L9、L12、…方向に並ぶ元の各画像データDを復元する。
このようにして、残りの元の画像データDを復元して、先に復元された画像データDと組み合わせて合成して、図28(A)に示した元の全体の画像データDを復元することで、完全な放射線画像を形成するように構成することも可能である。
また、放射線画像撮影装置1における間引きデータの作成の仕方として、図31に示すように、例えば走査線方向と信号線方向にそれぞれ所定個数の放射線検出素子7おきに画像データDを抽出することで、データ量が全画像データDの1/9や1/16等になるように減少させるようにして間引きデータが作成される場合もある。
この場合、放射線画像撮影装置1からコンソール58に転送される画像は、データ量が全画像データDの1/9や1/16等になるように間引かれた間引き画像であり、隣接する画素は、この間引き画像において隣接する各画素、すなわち図31の場合は座標(n,m)の画素に対する座標(n+3,m)の画素や座標(n,m+3)の画素である。
そして、このような間引きデータについても、上記と同様にして、放射線画像撮影装置1で差分データΔDを算出して圧縮、非圧縮の処理を行い、コンソール58でそれを解凍する等して元の画像データDすなわち間引きデータを復元するように構成することができる。
以上のように、間引き画像について差分データΔDを算出し、圧縮、非圧縮の処理を行って転送する場合にも、上記の各実施形態で示した差分データΔDに対する圧縮、非圧縮の処理と同様の処理を行うように構成すれば、転送する画像において隣接する画素の画像データD同士の差分データΔDの一部、すなわち、この場合は転送する間引き画像において隣接する画素の画像データD同士の差分データΔDの一部についてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報(すなわち本実施形態ではハフマンコードHcのテーブル)を備えることで、データ圧縮処理に関する情報の省サイズ化を図ることが可能となる。
そのため、間引き画像を転送する場合にも、上記の第1〜第3の実施形態における効果を的確に奏することが可能となる。
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨から逸脱しない限り、適宜変更可能であることはいうまでもない。
1 放射線画像撮影装置
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子(画素)
17 読み出し回路
22 制御手段(算出手段、圧縮手段)
39 アンテナ装置(転送手段)
44 レジスタ部(算出手段、圧縮手段)
50 放射線画像撮影システム
58 コンソール
59 記憶手段
D 画像データ
Hc ハフマンコード
P 検出部
r 領域
ΔD 差分
ΔD 差分データ

Claims (11)

  1. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して画像データとして出力する読み出し回路と、
    前記放射線検出素子から出力される前記画像データのうち一部の画像データについてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
    前記情報に基づいて前記画像データの圧縮処理を行う圧縮手段と、
    データを転送する転送手段と、
    を備え、
    前記圧縮手段は、前記画像データが前記一部の画像データに属さない場合には圧縮処理を行わず、前記画像データが前記一部の画像データに属する場合にのみ前記データ圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行い、圧縮した前記画像データと圧縮しなかった前記画像データとをあわせて転送することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して画像データとして出力する読み出し回路と、
    データを転送する転送手段と、
    転送する画像において隣接する画素の前記画像データ同士の差分として差分データを算出する算出手段と、
    前記差分データのうち一部の差分データについてのみ圧縮処理を行うためのデータ圧縮処理に関する情報が記憶されたメモリと、
    前記情報に基づいて前記差分データの圧縮処理を行う圧縮手段と、
    を備え、
    前記圧縮手段は、前記算出手段が算出した前記差分データが前記一部の差分データに属さない場合には圧縮処理を行わず、前記差分データが前記一部の差分データに属する場合にのみ前記データ圧縮処理に関する情報に基づいて圧縮処理を行い、圧縮した前記差分データと圧縮しなかった前記差分データとをあわせて転送することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  3. 前記算出手段は、前記転送する画像において前記信号線の延在方向に隣接する前記画素の前記画像データ同士の差分として前記差分データを算出することを特徴とする請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記メモリに記憶された前記データ圧縮処理に関する情報は、前記一部の差分データのうち0および正の値の前記差分データに対する情報であり、
    前記圧縮手段は、前記算出手段が算出した前記差分データが前記一部の差分データに属する場合には、当該差分データの絶対値を算出して前記情報に基づいて当該絶対値に対して圧縮処理を行い、当該差分データが0または正の値である場合には圧縮処理した当該絶対値に0または正の値であることを表すコードを付し、当該差分データが負の値である場合には圧縮処理した当該絶対値に負の値であることを表すコードを付して転送することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記圧縮手段は、前記画像データまたは前記差分データが、前記一部の画像データまたは前記一部の差分データに属さず、圧縮処理を行わなかった場合には、当該画像データまたは当該差分データに対して圧縮処理を行っていないことを表す特殊コードを付加して転送することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記データ圧縮処理に関する情報は、ハフマンコードのテーブルであり、
    前記圧縮手段は、前記圧縮処理を行う際には、前記テーブルを参照して前記画像データまたは前記差分データのハフマン符号化を行って前記放射線検出素子ごとの前記画像データまたは前記差分データに関して圧縮処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記データ圧縮処理に関する情報は、被写体である患者の身体の撮影部位を含む撮影条件ごとに予め複数記憶されており、
    前記圧縮手段は、前記圧縮処理を行う際には、設定された前記撮影条件に応じて前記データ圧縮処理に関する情報を選択し、選択した前記データ圧縮処理に関する情報に基づいて前記画像データまたは前記差分データの圧縮処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  8. 請求項1または請求項5に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶された前記データ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶された記憶手段を備え、前記放射線画像撮影装置から転送されてきたデータのうち、前記圧縮処理が施された前記画像データを前記情報に基づいて元の画像データに解凍し、解凍した前記画像データと圧縮されなかった前記画像データとをあわせて元の画像データを復元するコンソールと、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  9. 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶された前記データ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶された記憶手段を備え、前記放射線画像撮影装置から転送されてきたデータのうち、前記圧縮処理が施された前記差分データを前記情報に基づいて元の差分データに解凍し、解凍した前記差分データと圧縮されなかった前記差分データとをあわせて復元した元の差分データに基づいて元の画像データを復元するコンソールと、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  10. 請求項4に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶された前記データ圧縮処理に関する情報と同じ情報が記憶された記憶手段を備え、前記放射線画像撮影装置から転送されてきた前記圧縮された絶対値を前記情報に基づいて元の絶対値に解凍し、あわせて転送されてきた前記コードが負の値であることを表すコードである場合には当該元の絶対値を負の値に変えて元の差分データを復元し、圧縮されなかった前記差分データとをあわせて元の画像データを復元するコンソールと、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  11. 請求項6に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置の前記メモリに記憶された前記ハフマンコードのテーブルと同じテーブルが記憶された記憶手段を備え、前記放射線画像撮影装置から転送されてきたデータのうち、前記圧縮処理が施された前記画像データまたは前記差分データを前記テーブルに基づいて元の画像データまたは差分データに解凍し、解凍した前記画像データまたは前記差分データと圧縮されなかった前記画像データまたは前記差分データとに基づいて元の画像データを復元するコンソールと、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
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