JP2012135564A - 放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置 - Google Patents

放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線画像撮影で取得された画像データを圧縮する際の圧縮率を向上させ、プレビュー画像を速やかに表示することが可能な放射線画像撮影システムを提供する。
【解決手段】放射線画像撮影システム50において、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から間引きデータDt同士の差分データΔDが圧縮されて送信されると、それを伸張して元の間引きデータDtを復元して表示部58aに間引きデータDtに基づくプレビュー画像を表示し、放射線画像撮影装置1から画像データD同士の差分データΔDが圧縮されて送信されると、それを伸張して復元した元の画像データDに基づいて放射線画像を生成し、放射線画像撮影装置1やコンソール58には、間引きデータDtに関する差分データΔDの圧縮処理に用いられる圧縮の基準として、画像データDに関する差分データΔDの圧縮処理に用いられる圧縮の基準とは別の基準が用意されている。
【選択図】図11

Description

本発明は、放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置に係り、特に、放射線画像撮影装置から画像データを圧縮して送信してコンソールで元の画像データに復元する放射線画像撮影システムおよびそれに用いられる放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
ところで、このような放射線画像撮影装置では、通常、互いに交差するように配設された複数の走査線と複数の信号線により区画された各領域に、複数の放射線検出素子が二次元状(マトリクス状)に配列されて検出部が形成されるが、その際、放射線検出素子の数(すなわち画素数)は、通常、数百万〜数千万画素或いはそれ以上の画素数にのぼる。そのため、各放射線検出素子から読み出された画像データを外部装置に圧縮せずに送信すると、送信時間が非常に長くなる。
また、放射線画像撮影装置が、バッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置である場合には、画像データの送信時間が長くなると、送信の際に消費される電力が大きくなり、バッテリの消耗につながる。
そこで、例えば特許文献4や特許文献5に記載されているように、読み出された画像データは、通常、可逆圧縮(ロスレス圧縮ともいう。)や非可逆圧縮(不可逆圧縮ともいう。)等のデータ圧縮方法で圧縮されて、コンソールやサーバ等の外部装置に送信される。
そして、例えば、放射線画像撮影装置を、被写体として患者の頭部や胸部、手足等の身体の一部を撮影し、取得された放射線画像を医用画像として診断等に用いる医用画像の撮影装置として用いる場合には、画像データを圧縮するデータ圧縮方法として、一般的に、圧縮により画像データが有する情報の一部が失われてしまう非可逆圧縮ではなく、圧縮前の画像データと復元後の画像データとが完全に一致するように圧縮を行う可逆圧縮の方法が採用されることが好ましいと考えられている。
可逆圧縮の方法としては、特許文献6に記載されているように、例えば、ハフマン符号化やLZ78、算術符号化等の方法を用いることが可能である。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 特開2000−275350号公報 特開2005−287927号公報 特開2009−172078号公報
ところで、放射線画像撮影後に各放射線検出素子から読み出された画像データのデータ圧縮方法に関する本発明者らの研究によると、例えばハフマン符号化を用いた従来の画像データの可逆圧縮を行った場合、撮影部位(胸部、頭蓋骨、腰椎等)やその撮影方向(正面、側面等)によって画像データの圧縮率(compression ratio)Rcに比較的大きな差が生じる場合があることが分かった。
すなわち、例えば、頭蓋骨正面や腰椎側面等の撮影を行ったような場合、被写体(この場合は頭蓋骨や腰部)を介さずに放射線が放射線画像撮影装置の放射線入射面(後述する図1の放射線入射面R参照)に直接到達する、いわゆる素抜け部が多くなる。
そのため、放射線画像撮影装置の各放射線検出素子から読み出された画像データDをヒストグラムに投票した場合の画像データDの出現頻度Fの分布は、例えば図27に示すように、画像データDの値が最大値(図27の場合は30000)に近い側にも出現頻度Fのピークが現れるような分布になる。
一方、例えば、胸部正面や腰部正面等の撮影を行った場合や、頭蓋骨正面や腰椎側面等の撮影において素抜け部を少なくする或いは無くすために絞りをかけて撮影を行ったような場合には、上記のような素抜け部が少なくなり、或いは無くなる。
そのため、放射線画像撮影装置の各放射線検出素子から読み出された画像データDの出現頻度Fの分布は、例えば図28に示すように、画像データDの値が最大値(図27の場合は30000)に近い側の出現頻度Fのピークが小さくなり、値がより小さい側に出現頻度Fのピークが現れるような分布になる。
そこで、例えば、撮影部位や撮影方向の全ての組み合わせに適用する1つのハフマン辞書(すなわちハフマンコードのテーブル。コード化辞書等ともいう。)として、例えば、図29に示すような画像データDの中間値(この場合は15000)を出現頻度Fのピークとする正規分布状の分布を想定し、この分布に対してハフマンコードを割り当てたハフマン辞書を用意する。
すなわち、この場合、ハフマンコードは、例えば値が15000の画像データDに対して「1」、15001に対して「01」、14999に対して「001」、15002に対して「0001」、14998に対して「00001」、…のようにして割り当てられる。そして、このようにして作成したハフマン辞書を、画像データDの圧縮処理に適用するように構成することが考えられる。
この場合、図27と図28とを比較して分かるように、画像データDの出現頻度Fの分布が図28に示したような分布になる場合には、図28の分布が図29に示した正規分布状の分布と比較的近いため、上記のようにして作成されたハフマン辞書を適用すれば、画像データDの圧縮率Rcが比較的良好になる。
しかし、図27の分布は、図29に示した正規分布状の分布とは近いとは言えず、このような場合に、上記のようにして作成されたハフマン辞書を適用すると、画像データDの圧縮率Rcはさほど良好にはならず、実際には、圧縮率Rcがかなり低下してしまう場合もある。
このように、例えばハフマン符号化を用いた従来の画像データの可逆圧縮を行った場合には、撮影部位やその撮影方向によって画像データの圧縮率Rcに比較的大きな差が生じる場合があることが分かっている。
また、撮影部位や撮影方向が同じ場合でも、放射線画像撮影装置に対して照射する放射線の線量の大小で、圧縮率Rcが変わり得ることも分かっている。具体的には、上記のようなハフマン辞書を用いた場合には、照射する放射線の線量が増大するほど画像データDの最大値に近い値の画像データDが増大して、分布が正規分布状の分布から離れるため、圧縮率Rcが悪化する。
本願発明者らは、上記のように種々の撮影条件における圧縮率Rcに差異が生じる原因等を詳しく解析した結果、放射線画像撮影装置で取得される画像データの圧縮率Rcをより向上させることができる可逆的なデータ圧縮方法を見出すことができた。
この圧縮方法では、後で詳しく説明するように、各放射線検出素子からそれぞれ読み出された画像データD同士の差分を算出し、その差分データに対して圧縮処理を施す。そして、これらのデータを受信したコンソールで、これらの圧縮された差分データを伸張して元の差分データを復元し、元の画像データDを復元すると、それと復元した差分データとを加算して次の画像データD等を復元するようにして、次々と元の画像データD等を復元していくという手法を採る。
ところで、撮影した放射線画像が、適切に被写体を撮影したものであるかや、画像中の被写体の位置等が適切であるか等を放射線技師等の撮影者が確認し、再撮影を行う必要があるか否かを判断するために、撮影で得られた画像データDに基づいてコンソール上にプレビュー画像を表示するように構成される場合がある。
このプレビュー画像は、画像データD等に精密な画像処理を施して最終的に生成する放射線画像の場合とは異なり、画像データDをそのまま、或いは画像データDに簡単な画像処理を行って、コンソール上に表示される画像である。そのため、撮影者が速やかに再撮影の要否等を判断できるように、プレビュー画像をコンソール上に速やかに表示することが要求される。
そして、表示されるプレビュー画像は、撮影者が上記の確認や判断をすることができる程度の画像であればよいため、プレビュー画像を速やかに表示することを重視して、画像データDから所定の割合でデータを間引いた、いわゆる間引きデータDtを放射線画像撮影装置で作成してコンソールに送信するように構成される場合がある。
このように、間引きデータDtを送信するように構成すれば、放射線画像撮影装置からコンソールに送信するデータのデータ量が低減されるため、データの送信時間が短縮されるため、プレビュー画像を速やかに表示することが可能となる。
しかしながら、本発明者らの研究によると、全画像データDの送信の際に非常に有効であった上記の差分データを圧縮して送信する方法を、この間引きデータDtの圧縮、送信に適用すると、コンソール上でのプレビュー画像の表示までに要する時間が必ずしも短縮されず、プレビュー画像が必ずしも速やかに表示されない場合があることが分かった。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影で取得された画像データを圧縮する際の圧縮率を向上させることが可能で、かつ、プレビュー画像を速やかに表示することが可能な放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影システムや放射線画像撮影装置は、
放射線画像撮影後に画像データの読み出し処理を行う放射線画像撮影装置と、前記放射線画像撮影装置で読み出された前記画像データに基づくプレビュー画像を表示部に表示させるコンソールとを備える放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記各走査線にオン電圧またはオフ電圧を印加する走査駆動手段と、
前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して前記画像データとして出力する読み出し回路と、
データの可逆圧縮処理を行う圧縮手段と、
圧縮されたデータを前記コンソールに送信する通信手段と、
を備え、
前記放射線画像撮影装置の前記圧縮手段は、
前記プレビュー画像の表示用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記各画像データの中から予め指定された前記各放射線検出素子の前記各画像データを抽出して間引きデータとし、前記間引きデータ中で、信号線方向または走査線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記間引きデータ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信し、
最終的な放射線画像の生成用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データ中で、信号線方向または走査線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記画像データ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信するように構成されており、
前記コンソールは、
前記プレビュー画像の表示用に前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮された前記差分データを伸張して、元の前記差分データを復元し、復元した前記差分データと復元した前記間引きデータとに基づいて前記他の間引きデータをそれぞれ復元し、前記表示部に、前記間引きデータに基づくプレビュー画像を表示し、
前記最終的な放射線画像の生成用に前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮された前記差分データを伸張して、元の前記差分データを復元し、復元した前記差分データと復元した前記画像データとに基づいて前記他の画像データをそれぞれ復元し、復元した前記画像データに基づいて前記最終的な放射線画像を生成するように構成されており、
前記放射線画像撮影装置および前記コンソールには、前記プレビュー画像の表示用の前記間引きデータに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準として、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準とは別の基準が用意されていることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置によれば、信号線方向や走査線方向に隣接する間引きデータ同士や画像データ同士の差分データΔDの出現頻度Fの分布が後述する図14や図24に示すように撮影部位等によらずΔD=0を中心として略対称の分布になることを利用して、作成された間引きデータ同士や画像データ同士の差分データΔDの圧縮率Rcを、撮影部位等によらず向上させることが可能となる。
また、間引きデータ同士の差分データΔDの出現頻度Fの分布(後述する図24参照)と、画像データ同士の差分データΔDの出現頻度Fの分布(後述する図14参照)とが異なる形の分布になる場合があるため、間引きデータの差分データΔDを圧縮する際に用いる圧縮の基準と、画像データの差分データΔDを圧縮する際に用いる圧縮の基準とを別の基準とすることで、各差分データΔDの各々に応じて差分データΔDを適切に圧縮することが可能となり、いずれの場合にも差分データΔDの圧縮率Rcを的確に向上させることが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置からコンソールに間引きデータに関する圧縮された差分データΔDを送信する際に、圧縮された差分データΔDの送信等に要する時間が撮影部位等によらず短くなり、間引きデータに基づくプレビュー画像を、コンソールの表示部上により速やかに表示することが可能となる。また、そのため、放射線技師等が、表示部上に速やかに表示されたプレビュー画像を見て再撮影の要否等を迅速に判断することが可能となる。
本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図である。 図1の放射線画像撮影装置を反対側から見た外観斜視図である。 図1におけるX−X線に沿う断面図である。 放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。 図4の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 フレキシブル回路基板やPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 画像データの読み出し処理における電荷リセット用スイッチ、パルス信号、TFTのオン/オフのタイミングを表すタイミングチャートである。 各読み出しICで放射線検出素子から一斉に読み出された画像データがバッファメモリに蓄積された後並べ替えられて記憶手段に送信される状態を説明する図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成を示す図である。 FPDカセッテのコネクタとブッキー装置のコネクタとが接続された状態を表す外観斜視図である。 カセッテ保持部の内部にコネクタが設けられたブッキー装置を説明する図である。 信号線方向に隣接する放射線検出素子の画像データの差分データの出現頻度の分布を示すヒストグラムである。 図14において放射線画像撮影装置に照射する放射線の線量を大きくした場合の差分データの出現頻度の分布を示すヒストグラムである。 圧縮手段におけるレジスタ部の構成、および信号線方向に隣接する画像データ同士の差分データの作成の仕方を説明する図である。 走査線のラインL1や予め設定された複数本の走査線に接続された各放射線検出素子の各画像データについては基準データとの差分データが算出されることを説明する図である。 (A)〜(C)1つのバッファレジスタを用いて信号線方向に隣接する放射線検出素子の画像データ同士の差分データを作成する仕方を説明する図である。 信号線方向に隣接する放射線検出素子の画像データ同士の差分を算出することを表すイメージ図である。 走査線方向に隣接する放射線検出素子の画像データ同士の差分を算出することを表すイメージ図である。 走査線方向に隣接する放射線検出素子の画像データ同士の差分を算出する場合のレジスタ部の構成、および画像データ同士の差分データの作成の仕方を説明する図である。 画像データ中から間引きデータを抽出する仕方の一例を表す図である。 (A)画像データ中から抽出される間引きデータの例を表す図であり、(B)(A)において抽出された間引きデータを概念的に一群にまとめた図である。 信号線方向に隣接する間引きデータの差分データの出現頻度の分布の一例を示すヒストグラムである。 抽出された間引きデータ以外の画像データを概念的に一群に集めた図である。 間引きデータを基準データのように用いて残りの画像データの差分データを作成する例を説明する図である。 各放射線検出素子から読み出される画像データの出現頻度の分布の一例を表すヒストグラムである。 各放射線検出素子から読み出される画像データの出現頻度の分布の別の例を表すヒストグラムである。 各放射線検出素子から読み出される画像データの出現頻度の分布が正規分布状の分布になることを想定した場合のヒストグラムである。
以下、本発明に係る放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置やそれを用いた放射線画像撮影システムに対しても適用することができる。
また、放射線画像撮影装置がいわゆる可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置の場合でも、放射線画像撮影装置から後述する中継器54(図11参照)を介してコンソール58に無線方式や有線方式で画像データDを送信可能に構成されている場合には、本発明が適用される。
以下、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50に用いられる放射線画像撮影装置1について説明する。
[放射線画像撮影装置]
図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、放射線画像撮影装置を反対側から見た外観斜視図である。また、図3は、図1のX−X線に沿う断面図である。放射線画像撮影装置1は、図1〜図3に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4等で構成されるセンサパネルSPが収納されている。
図1や図2に示すように、本実施形態では、筐体2のうち、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aは、放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されており、ハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで筐体2が形成されている。なお、筐体2をこのようないわゆるモノコック型として形成する代わりに、例えば、フロント板とバック板とで形成された、いわゆる弁当箱型とすることも可能である。
図1に示すように、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や切替スイッチ38、コネクタ39、バッテリ状態や放射線画像撮影装置1の起働状態等を表示するLED等で構成されたインジケータ40等が配置されている。また、本実施形態では、図2に示すように、後述するコンソール58(図11参照)に画像データD等を無線方式で送信するアンテナ装置41が、例えば筐体2の反対側の蓋部材2C等に設けられている。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、アンテナ装置41を介して無線方式で画像データD等をコンソール58に送信することができるようになっているが、コネクタ39と後述するブッキー装置51のコネクタ51b等(後述する図12、図13参照)を接続して有線方式でコンソール58と通信することができるようにも構成されている。すなわち、本実施形態では、アンテナ装置41が無線方式でデータを送信する際の通信手段として、また、コネクタ39が有線方式でデータを送信する際の通信手段としてそれぞれ機能するようになっている。
なお、本実施形態では、図2に示すように、アンテナ装置41が筐体2の反対側の蓋部材2C等に埋め込まれる等して設けられているが、アンテナ装置41の設置位置は蓋部材2Cに限定されず、放射線画像撮影装置1の任意の位置にアンテナ装置41を設置することが可能である。また、設置するアンテナ装置41は1個に限らず、複数設けることも可能である。
図3に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。また、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。また、本実施形態では、センサパネルSPと筐体2の側面との間に、それらがぶつかり合うことを防止するための緩衝材36が設けられている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに対向する位置に設けられるようになっている。本実施形態では、シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図4に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図4に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図4の拡大図である図5に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
放射線検出素子7は、放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で放射線から変換された可視光等の電磁波が照射されると、その内部で電荷(すなわち電子正孔対)を発生させる。放射線検出素子7は、このようにして、照射された放射線すなわち本実施形態ではシンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を蓄積させるようになっている。
本実施形態では、図5に示すように、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、図4に示すように、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で結線10に結束されている。
本実施形態では、図4に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう。)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bを構成するゲートIC15c等のチップがフィルム上に組み込まれたフレキシブル回路基板(Chip On Filmともいう。)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
そして、フレキシブル回路基板12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1のセンサパネルSPが形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極7bにそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。また、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22により、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧が制御されるようになっている。
図7や図8に示すように、本実施形態では、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極7bにバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極7a側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
走査駆動手段15は、配線15dを介してゲートドライバ15bにオン電圧とオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧の間で切り替えて各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えるゲートドライバ15bとを備えている。
図7や図8に示すように、各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されており、本実施形態では、例えば128個の読み出し回路17が内蔵された読み出しIC16が、複数並設されて構成されている。
読み出し回路17は、増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とが設けられている。なお、図7や図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18は、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続され、オペアンプ18a等に電力を供給する電源供給部18dを備えたチャージアンプ回路で構成されている。増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。なお、基準電位Vは適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。また、オペアンプ18aと相関二重サンプリング回路19との間には、電荷リセット用スイッチ18cと連動して開閉するスイッチ18eが設けられており、スイッチ18eは、電荷リセット用スイッチ18cがオン/オフ動作と連動してオフ/オン動作するようになっている。
そして、放射線が照射された後の各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理の際に、図9に示すように、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cがオフ状態とされると、オン状態とされた各TFT8を介して各放射線検出素子7から電荷が信号線6に放出される。
そして、信号線6に放出された電荷は、増幅回路18のコンデンサ18bに蓄積され、増幅回路18では、コンデンサ18bに蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっており、増幅回路18により、各放射線検出素子7から流出した電荷が電荷電圧変換されるようになっている。
増幅回路18の出力側に設けられた相関二重サンプリング回路(CDS)19は、各放射線検出素子7から電荷が流出する前に制御手段22からパルス信号Sp1(図9参照)が送信された時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持し、上記のように各放射線検出素子7から流出した電荷が増幅回路18のコンデンサ18bに蓄積された後に制御手段22からパルス信号Sp2が送信されると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持する。
そして、相関二重サンプリング回路19は、電圧値Vfiを保持した時点で、電圧値の差分Vfi−Vinを算出し、算出した差分Vfi−Vinをアナログ値の画像データDとして下流側に出力するようになっている。そして、相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データDは、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信され、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データDに変換されて記憶手段23に出力されて順次保存されるようになっている。
なお、本実施形態では、各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理の際に、上記のような各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理が、オン電圧が印加される走査線5の各ラインL1〜Lxが順次切り替えられながら行われるようになっている。
そして、本実施形態では、上記のように例えば128本の信号線6を1つの読み出しIC16で処理するように構成されており、走査線5にオン電圧が印加されるごとに、1つの読み出しIC16から各信号線6に対応する128個の画像データDが順次出力される。
そして、信号線6の本数が例えば2048本であるとすると、2048÷128=16個の読み出しIC16が並設されて読み出し部が形成されている場合には、各読み出しIC16から16個の画像データDがパラレルに出力される。なお、以下、1つの読み出しIC16内に形成された読み出し回路17の数、すなわち1つの読み出しIC16に接続される信号線6の本数が128であり、信号線6の総本数が2048本であることを前提に具体的に説明するが、本発明はこの場合に限定されない。
具体的には、図10に示すように、画像データDの読み出し処理の際に、例えば走査線5のラインL1にオン電圧が印加されると、走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子(1,1)〜(1,2048)から一斉に画像データDが読み出されてパラレルに各読み出しIC16に送られる。
そして、各読み出しIC16の各読み出し回路17(図10では図示省略。図7等参照)で電荷電圧変換等が行われ、パラレルに送信されてきた各128個の画像データDを、各読み出しIC16中の各アナログマルチプレクサ21(図7参照)でA/D変換器20に順次シリアル転送し、デジタル化された画像データDがA/D変換器20から、図10に示すように、一旦バッファメモリ42に蓄積されるようになっている。
すなわち、各放射線検出素子(x,y)に対応する画像データDをD(x,y)と表すと、各読み出しIC16から、まず、D(1,1)、D(1,129)、D(1,257)、…、D(1,1921)の各画像データDが出力され、それらがバッファメモリ42に蓄積される。続いて、D(1,2)、D(1,130)、D(1,258)、…、D(1,1922)の各画像データDが出力されて、バッファメモリ42に蓄積される。
そして、バッファメモリ42に、走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子(1,1)〜(1,2048)からの各画像データD(1,1)〜D(1,2048)が蓄積されると、各画像データDが画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、D(1,4)、…の順に並べ替えられて記憶手段23に順次送信されて保存されるようになっている。
また、走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子(1,1)〜(1,2048)からの各画像データD(1,1)〜D(1,2048)の読み出し処理が終了すると、続いて、オン電圧が印加される走査線5のラインがL2に切り替えられる。そして、同様にして各画像データD(2,1)〜D(2,2048)が各読み出しIC16ごとにバッファメモリ42に送信されて並べ替えられた後、記憶手段23に順次送信されて保存される。
そして、この読み出し処理と記憶手段23への保存処理とが走査線5の各ラインL1〜Lxごとに順次繰り返されて、全ての放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理が行われるようになっている。
なお、この画像データDの並べ替えの処理は、画像データDを送信する外部装置がどのような装置であっても、通常、画像データDをD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、D(1,4)、…の順番で送信すれば対応することができるため、画像データDの記憶手段23への保存の段階で、汎用的に画像データDを上記の順番に並べ替えて保存するための処理である。
従って、予め放射線画像撮影装置1から外部装置に各画像データDを送信する順番等を取り決めておくことができるような場合には、その取り決めに従って画像データDを並べ替えるように構成することが可能である。
また、上記のような画像データDの並べ替えを、各画像データDの記憶手段23への保存の際に行うように構成する代わりに、各画像データDを記憶手段23から読み出す際に画像データDの並べ替えを行うように構成することも可能である。
制御手段22(図7等参照)は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。制御手段22を専用の制御回路で構成することも可能である。
そして、制御手段22は、走査駆動手段15や読み出し回路17の動作を制御して、各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理や各放射線検出素子7のリセット処理等を行わせるなど、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、図7等に示すように、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述した通信手段としてのアンテナ装置41や図7では図示を省略したコネクタ39が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ24が接続されている。また、バッテリ24には、図示しない充電装置からバッテリ24に電力を供給してバッテリ24を充電する際の接続端子25が取り付けられている。
なお、本実施形態では、制御手段22は、圧縮手段として機能し、前述したように、各画像データD同士の差分や、画像データDから抽出された間引きデータDt同士の差分データΔDを作成し、作成した差分データΔDを圧縮処理してコンソール58に送信するように構成されているが、この点については、放射線画像撮影システムについて説明した後で説明する。
[放射線画像撮影システム]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50について説明する。図11は、本実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成を示す図である。
撮影室R1には、ブッキー装置51が設置されており、ブッキー装置51のカセッテ保持部(カセッテホルダともいう。)51aに、上記の放射線画像撮影装置1が装填されるようになっている。
なお、図11では、ブッキー装置51として、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bが設置されている場合が示されているが、例えば、立位撮影用のブッキー装置51Aのみ、或いは、臥位撮影用のブッキー装置51Bのみが設けられていてもよい。
また、例えば図12に示すように、ブッキー装置51から延びるケーブルの先端に設けられたコネクタ51bをFPDカセッテ1のコネクタ39に接続した状態で、FPDカセッテ1をブッキー装置51のカセッテ保持部51aに装填するように構成することも可能である。
さらに、例えば図13に示すように、ブッキー装置51のカセッテ保持部51aの内部に、装填されたFPDカセッテ1のコネクタ39(図1参照)と接続されるコネクタ51bを設けておき、FPDカセッテ1を装填すると、FPDカセッテ1のコネクタ39とブッキー装置51のコネクタ51bとが自動的に接続されるように構成することも可能である。
このように構成する場合、放射線画像撮影装置1のコネクタ39が通信手段として機能し、接続されたコネクタ39とコネクタ51bを介して放射線画像撮影装置1からコンソール58に有線方式でデータ等が送信されるようになる。また、コネクタ51bを介して放射線画像撮影装置1に図示しない外部電源から電力を供給するように構成することも可能である。
さらに、本実施形態のように放射線画像撮影装置1が可搬型である場合には、図11に示すように、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填せずに、例えば、臥位撮影用のブッキー装置51B上や図示しないベッド上に載置したり、被写体である患者の身体に放射線画像撮影装置1をあてがうようにした状態で放射線を照射して撮影を行うことも可能である。
この場合は、放射線画像撮影装置1からコンソール58に、通信手段としてのアンテナ装置41を介して無線方式でデータ等が送信されるようになっている。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、少なくとも画像データDのコンソール58への送信の際には、放射線画像撮影装置1のアンテナ装置41(図2等参照)を介して無線方式で、或いはコネクタ39(図1や図12等参照)を介して有線方式で、後述するように圧縮された差分データΔDを送信するようになっている。
撮影室R1には、少なくとも放射線画像撮影装置1からコンソール58への画像データDの送信を中継するための中継器(基地局等ともいう。)54が設けられている。また、中継器54には、放射線画像撮影装置1がアンテナ装置41を介して無線方式でデータや信号等を送受信する際に、データや信号等を送受信するための無線アンテナ(アクセスポイント等ともいう。)53が設けられている。
また、中継器54は、放射線発生装置55やコンソール58と接続されており、中継器54には、コンソール58等から放射線発生装置55に送信するLAN通信用の信号等を放射線発生装置55用の信号等に変換し、また、その逆の変換も行う図示しない変換器が内蔵されている。
放射線発生装置55には、図示しない被写体を介してブッキー装置51に装填された放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線源52が少なくとも1つ設けられている。本実施形態では、放射線源52の位置を移動させたり、放射線の照射方向を変えることで、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bのいずれにも放射線を照射することができるようになっている。
なお、上記のように、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填しない、いわば単独の状態で用いる場合に、放射線画像撮影装置1に放射線を照射するための図示しないポータブルの放射線源を撮影室R1に備えておくように構成することも可能である。
前室(操作室ともいう。)R2には、本実施形態では、放射線発生装置55の操作卓57が設けられており、操作卓57には、放射線技師等の操作者が操作して放射線発生装置55に対して放射線の照射開始等を指示するための曝射スイッチ56が設けられている。そして、本実施形態では、放射線技師等の操作者が曝射スイッチ56を操作することで放射線源52から放射線が照射されるようになっている。
放射線発生装置55は、このほか、前述したように指定されたブッキー装置51に装填された放射線画像撮影装置1に対して放射線を適切に照射できるように放射線源52を所定の位置に移動させたり、その放射方向を調整したり、放射線画像撮影装置1の所定の領域内に放射線が照射されるように図示しない絞りやコリメータ等を調整したり、或いは、適切な線量の放射線が照射されるように放射線源52を調整する等の種々の制御を放射線源52に対して行うようになっている。
図11に示すように、本実施形態では、撮影室R1や前室R2の外側に、CPU等を備えたコンピュータで構成されたコンソール58が設けられている。なお、コンソール58を前室R2等に設けるように構成することも可能であり、コンソール58の設置場所は適宜決められる。
本実施形態では、コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成される表示部58aが設けられており、また、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶手段59が接続、或いは内蔵されている。
コンソール58は、後述するように、放射線画像撮影装置1から送信されてきた圧縮された差分データΔDを伸張して復元した元の差分データΔDに基づいて、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7から読み出された画像データDや、画像データDから所定の割合でデータが間引かれた間引きデータDtを復元し、それらに基づいて表示部58aにプレビュー画像を表示するようになっている。
また、コンソール58は、後述するように、放射線画像撮影装置1から残りの画像データDに関する圧縮された差分データΔDが送信されてくると、それらの圧縮された差分データΔDを伸張して残りの画像データDを復元し、上記の間引かれた画像データDと、復元した残りの画像データDとを合わせて放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7の画像データDとし、それらの画像データD等に対して所定の画像処理を施して、最終的な放射線画像を生成するようになっている。
なお、この最終的な放射線画像の生成処理は、各画像データDから、各放射線検出素子7内で発生した暗電荷に起因するオフセット分を減算して算出した、いわゆる真の画像データに対して対数変換処理や正規化処理、階調処理等の処理を行う公知の処理である。従って、本実施形態の説明においては、この最終的な放射線画像の生成処理については説明を省略する。
[本発明における処理の原理等について]
次に、本発明に係る放射線画像撮影システム50や放射線画像撮影装置1におけるデータの圧縮、送信処理や、コンソール58におけるデータの復元処理の原理等について説明する。
後述するように、本発明では、コンソール58の表示部58aでプレビュー画像を表示するためのデータとして放射線画像撮影装置1で間引きデータDtについて差分データΔDを作成し圧縮してコンソール58に送信し、また、最終的な放射線画像を生成するためのデータとして放射線画像撮影装置1で画像データDについて差分データΔDを作成し圧縮してコンソール58に送信するように構成されているが、ここでは、画像データDの場合を例に挙げて、差分データΔDの作成や圧縮処理等の原理等について説明する。
本発明では、放射線画像撮影装置1で、画像データDにおける、信号線方向や走査線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分を算出して各差分データΔDを作成し、各差分データΔDに対して例えばハフマン符号化等の可逆圧縮処理を施して、圧縮された差分データΔD(すなわち例えばハフマンコード)をコンソール58に送信するようになっている。
そして、コンソール58で、圧縮された差分データΔD(すなわち例えばハフマンコード)を伸張して元の差分データΔDを復元し、先に復元した画像データDと今回復元した差分データΔDとを加算して次の画像データDを復元するようにして、次々と元の画像データD等を復元するようになっている。
このように、画像データDそのものではなく、それらの差分データΔDに対して圧縮処理を行う理由は、以下の通りである。
まず、前述した図27や図28に示したように、放射線画像撮影により得られた例えば0〜30000の値を取り得る画像データDは、前述したように、撮影部位(胸部、頭蓋骨、腰椎等)やその撮影方向(正面、側面等)、或いは放射線画像撮影装置1に照射する放射線の線量によって画像データDの出現頻度Fの分布が変化する。
そのため、このような画像データDに対してハフマン符号化を行う場合を考えると、前述したように、例えば図29に示したような仮想的な分布に基づいてハフマン辞書(すなわちハフマンコードHcのテーブル)を作成し、それを画像データDに適用すると、画像データDの圧縮率Rcが高くなる場合もあれば低くなってしまう場合も生じることになる。
それに対し、本発明のように、信号線方向(図4や図7では信号線6が延在する縦方向)に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分を算出して差分データΔDを作成すると、各差分データΔDの出現頻度Fの分布は、図14に示すように、ΔD=0を中心として略対称の分布になる。
また、走査線方向(図4や図7では走査線5が延在する横方向)に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分を算出して差分データΔDを作成した場合も、各差分データΔDの出現頻度Fの分布は、同様に、ΔD=0を中心として略対称の分布になる。なお、図14や後述する図15では、図27に示したヒストグラムの画像データDの範囲(すなわち横軸の範囲)よりも格段に狭い範囲が拡大されて示されている。
その際、放射線画像撮影装置1に照射する放射線の線量を大きくした場合には、信号線方向や走査線方向に隣接する放射線検出素子7の各画像データD同士の差がそれぞれ若干大きくなるため、差分データΔDの分布は、図15に示すように正負の方向にそれぞれ拡がるが、基本的には図14と同形の分布になる。
また、撮影部位や撮影方向を変えた場合には、画像データD自体の分布は図27や図28に示したように種々変化するが、本発明者らの研究では、撮影部位や撮影方向を変えても、差分データΔDの分布は、いずれの条件の場合でも、図14や図15に示した分布とほとんど同じ分布になることが分かっている。
差分データΔDの分布が図14や図15に示したようにΔD=0を中心として略対称の分布になる理由は、例えば放射線画像が全体的に明るく撮影されたり暗く撮影されたりした場合には、画像データD自体の出現頻度Fの分布は、画像データDの値が大きい側或いは小さい側に全体的にシフトするが、それらの差分を算出する場合には、全体的な明るさや暗さは差分の算出の際に相殺され、差分データΔDは、隣接する画像データDの変化量のみに起因する値になるためと考えられる。
そして、撮影部位や撮影方向が異なっても、通常の条件で撮影された放射線画像では、隣接する画像データDの間で値が極端に変化することはほとんどなく、大抵の場合は、画像データDの値が徐々に変化するものであることに起因すると考えられる。
そこで、信号線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成するように構成する場合には図14に示した分布に基づき、また、走査線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成するように構成する場合には図14の分布と同様の分布(図示省略)に基づいて、各差分データΔDにハフマンコードHcをそれぞれ対応付けたハフマン辞書を予め設けておけば、撮影部位や撮影方向が変わったいずれの条件の場合においても、同じハフマン辞書を適用することが可能となる。
そして、いずれの撮影部位や撮影方向の場合でも、出現頻度Fが高いΔD=0近傍の差分データΔDに短いハフマンコードHcが割り当てられ、出現頻度Fが低くΔD=0から離れた差分データΔDには長いハフマンコードHcが割り当てられるようになるため、いずれの条件の場合においても、圧縮率Rcを高めることが可能となる。
このように、画像データDそのものではなく、本発明のように、信号線方向や走査線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDに対して圧縮処理を行うように構成することで、撮影部位や撮影方向が異なる場合であっても、圧縮率Rcを的確に向上させることが可能となる。
[放射線画像撮影装置における差分データの作成および圧縮処理について]
以下、放射線画像撮影装置1における差分データΔDの作成や圧縮処理について具体的に説明する。
なお、ここでも、画像データDに対する処理の場合を例に挙げて説明し、信号線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成する場合について説明するが、間引きデータDtに対する処理の場合も同様に行われる。また、本実施形態では、制御手段22が圧縮手段として機能する場合について説明するが、圧縮手段を制御手段22とは別体に設けることも可能である。
本実施形態では、圧縮手段としての制御手段22には、例えば図16に示すように、少なくとも2つのバッファレジスタ44a、44bを備えたレジスタ部44が設けられており、また、レジスタ部44には、圧縮された差分データΔDを、アンテナ装置41やコネクタ39を介してコンソール58に送信する際に、圧縮された差分データΔDを一時的に格納するバッファメモリ44cが設けられている。
なお、本実施形態では、レジスタ部44は制御手段22を構成するFPGAに一体的に設けられているが、制御手段22がCPU等からなるコンピュータで構成されている場合には、コンピュータに既設のレジスタをレジスタ部44として用いるように構成することも可能である。また、レジスタ部44に、後述するように1つのバッファレジスタを設けるように構成することも可能であり、3つ以上のバッファレジスタを設けるように構成してもよい。
圧縮手段としての制御手段22は、記憶手段23から、隣接する走査線5の各ラインLn、Ln+1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(n,1)、D(n,2)、D(n,3)、D(n,4)、…、D(n+1,1)、D(n+1,2)、D(n+1,3)、D(n+1,4)、…をそれぞれ読み出してバッファレジスタ44a、44bにそれぞれ一時的に蓄積させる。
そして、バッファレジスタの44a、44bの同じ番地の画像データD同士の差分ΔD(すなわちΔD(n+1,1)、ΔD(n+1,2)、ΔD(n+1,3)、ΔD(n+1,4)、…)を算出することで、信号線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成する。
すなわち、差分ΔD(すなわち差分データΔD)は、
ΔD(n+1,m)=D(n+1,m)−D(n,m) …(1)
の演算を行うことで算出される。
そして、制御手段22は、例えば前述した予め備えられているハフマン辞書を参照して、上記のようにして作成した差分データΔDに対してハフマンコードHcを割り当てて、差分データΔDをそれぞれ圧縮する。そして、制御手段22は、各差分データΔDに割り当てた各ハフマンコードHc(すなわち圧縮された差分データΔD)をバッファメモリ44cに一時的に格納した後、アンテナ装置41やコネクタ39を介してコンソール58に順次送信させる。
図示を省略するが、制御手段22は、続いて、各画像データD(n+1,1)、D(n+1,2)、D(n+1,3)、D(n+1,4)、…をバッファレジスタ44bからバッファレジスタ44aに移し、空になったバッファレジスタ44bに、次に隣接する走査線5のラインLn+2に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(n+2,1)、D(n+2,2)、D(n+2,3)、D(n+2,4)、…を蓄積させる。
そして、上記と同様に、バッファレジスタの44a、44bの同じ番地の画像データD同士の差分ΔDを算出することで、差分データΔD(n+2,1)、ΔD(n+2,2)、…を作成して圧縮し、アンテナ装置41やコネクタ39を介してコンソール58に送信させる。
制御手段22は、上記の処理を走査線5の各ラインL1〜Lxごとに繰り返すことにより、信号線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成し、作成した差分データΔDを圧縮して、コンソール58に送信するようになっている。
また、上記のように構成する場合、少なくとも走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、D(1,4)、…の差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)、ΔD(1,4)、…を算出するための基準となるデータが必要となる。そのため、本実施形態では、予め設定された基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、Dc(4)、…がROM等のメモリに予め保存されている。
そして、制御手段22は、各差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)、ΔD(1,4)、…を算出する際には、図17に示すように、メモリから読み出した基準データDc(1)、Dc(2)、…をバッファレジスタ44aに蓄積させ、記憶手段23から読み出した走査線5のラインL1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データD(1,1)、D(1,2)、…をバッファレジスタ44bに蓄積させて、その差分ΔDを差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、…として算出するようになっている。
すなわち、この場合の差分データΔDは、
ΔD(1,m)=Dc(m)−D(1,m) …(2)
の演算を行うことで算出される。その際、基準データDc(1)、Dc(2)、…の各値は、同一の値に設定されてもよく、また、互いに異なる値に設定することも可能であり、予め適宜の値が設定される。
なお、レジスタ部44にバッファレジスタ44aが1つしか設けられていない場合でも上記と同様の信号線方向に隣接する画像データD同士の差分を算出して差分データΔDを作成するように構成することが可能である。
すなわち、例えば図18(A)〜(C)に示すように、隣接する走査線5の各ラインLn、Ln+1に接続された各放射線検出素子7から読み出された走査線方向に並ぶ各画像データDのうち、走査線5のラインLnの走査線方向に並ぶ各画像データD(n,1)、D(n,2)、D(n,3)、D(n,4)、…がバッファレジスタ44aに蓄積されているものとする。
この状態で、制御手段22は、隣接する走査線5のラインLn+1の走査線方向に並ぶ各画像データD(n+1,1)、D(n+1,2)、D(n+1,3)、D(n+1,4)、…を記憶手段23から順次読み出してきて、それぞれ対応する各画像データD(n,1)、D(n,2)、D(n,3)、D(n,4)、…と順次置換しながらバッファレジスタ44aに蓄積するが、その際、対応する画像データD同士の差分データΔDを算出してから置換するように構成する。
このように構成すれば、バッファレジスタ44aが1つしか設けられていない場合でも、上記と同様にして、信号線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成することが可能となる。
[コンソールにおけるデータの復元およびプレビュー画像の表示について]
次に、コンソール58における差分データΔDからの元の画像データDの復元処理について具体的に説明する。なお、ここでも、画像データDに対する処理の場合を例に挙げて説明するが、間引きデータDtに対する処理の場合も同様に行われる。
コンソール58は、放射線画像撮影装置1から圧縮された差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)が送信されてくると、送信されてきた圧縮された差分データΔDを伸張して元の差分データΔDを復元し、先に復元した画像データDと今回復元した差分データΔDに基づいて元の画像データDを復元していくようになっている。
具体的には、コンソール58は、放射線画像撮影装置1の圧縮手段としての制御手段22が備えているハフマン辞書および基準データDcと同じハフマン辞書および基準データDcをCPUのROM等に備えている。
そして、放射線画像撮影装置1から、走査線5のラインL1に接続されている各放射線検出素子7に関する圧縮された差分データΔD(すなわち各ハフマンコードHc)が順次送信されてくると、ハフマン辞書を参照して、圧縮された差分データΔDを元の差分データΔDに伸張する。
そして、図17に示した処理の逆の処理を行って、基準データDc(1)、Dc(2)、Dc(3)、…に、伸張した元の差分データΔD(1,1)、ΔD(1,2)、ΔD(1,3)、…をそれぞれ加算して、元の画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…を復元する。
すなわち、
D(1,m)=Dc(m)+ΔD(1,m) …(3)
の演算を行うことで、元の画像データD(1,m)が復元される。
そして、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から、走査線5のラインL2に接続されている各放射線検出素子7に関する圧縮された差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)が順次送信されてくると、ハフマン辞書を参照して、圧縮された差分データΔDを元の差分データΔDに伸張し、先に復元した画像データD(1,1)、D(1,2)、D(1,3)、…に、復元した元の差分データΔD(2,1)、ΔD(2,2)、ΔD(2,3)、…をそれぞれ加算して、元の画像データD(2,1)、D(2,2)、D(2,3)、…を復元する。
そして、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から、各走査線5に接続されている各放射線検出素子7に関する圧縮された差分データΔDが送信されてくるごとに、ハフマン辞書を参照して、圧縮された差分データΔDを元の差分データΔDに伸張し、先に復元した画像データDに、復元した差分データΔDを加算して、元の画像データDを復元していくようになっている。
すなわち、
D(n+1,m)=D(n,m)+ΔD(n+1,m) …(4)
の演算を行うことで、元の画像データD(n+1,m)が復元されるようになっている。
[走査線方向の差分データΔDの作成等について]
また、上記では、図19に示すように、走査線方向(図中の左右方向)に並ぶ画像データDに対して信号線方向(図中の上下方向)に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成する場合について説明した。
しかし、前述したように、走査線方向に並ぶ画像データDに対して走査線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成するように構成することも可能である(図20参照)。なお、ここでも、画像データDに対する処理の場合を例に挙げて説明するが、間引きデータDtに対して走査線方向に隣接する放射線検出素子7の間引きデータDt同士の差分データΔDを作成する処理の場合も同様に行われる。
そして、走査線方向に並ぶ画像データDに対して走査線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分データΔDを作成する場合には、以下のように、より簡単な処理で差分データΔDを作成することが可能となる。
具体的には、図21に示すように、レジスタ部44に、少なくとも1つの番地を有するバッファレジスタ44dを設けておく。そして、いま、走査線5のあるラインLnに接続された放射線検出素子7の画像データD(n,m)がバッファレジスタ44dに蓄積されているものとする。
圧縮手段である制御手段22は、この状態で、当該走査線5の次の画像データD(n,m+1)すなわち当該放射線検出素子7に走査線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD(n,m+1)を記憶手段23から読み出すと、画像データD(n,m+1)とD(n,m)との差分データΔD(n,m+1)を算出してからバッファレジスタ44d中の画像データD(n,m)を画像データD(n,m+1)に置換する。そして、差分データΔD(n,m+1)をハフマン符号化等の手法で圧縮して、コンソール58に送信する。
なお、このパターン(c)の場合のハフマン符号化では、図14に示した信号線方向の差分データΔDの分布に基づいて設けられたハフマン辞書ではなく、図示を省略した走査線方向の差分データΔDの同様の分布に基づいて設けられたハフマン辞書が用いられる。
制御手段22は、上記の処理を繰り返して、同じ走査線5に接続された複数の放射線検出素子7の各画像データDについて、走査線方向に隣接する放射線検出素子7の画像データD同士の差分ΔDを算出して差分データΔDをそれぞれ作成し、差分データΔDを作成するごとに差分データΔDに対して圧縮処理を行い、通信手段であるアンテナ装置41やコネクタ39を介して圧縮した各差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)をコンソール58に送信するように構成される。
また、各走査線5に接続されている最初の放射線検出素子7、すなわち1本目の信号線6に接続されている放射線検出素子7の画像データ(n,1)については、基準データDcとの間で差分データΔDを算出するように構成される。
一方、コンソール58では、放射線画像撮影装置1から圧縮された差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)が送信されてくると、送信されてきた圧縮された差分データΔDを伸張して元の差分データΔDを復元し、先に復元した画像データDや基準データDcと、今回復元した差分データΔDに基づいて、元の画像データDを復元していくように構成される。
なお、その場合の具体的な処理手順は、上記の信号線方向の差分データΔDの復元と同様(ただしこの場合、信号線方向ではなく走査線方向に加算していく。)であるため、説明を省略する。
[本発明におけるプレビュー画像の表示および放射線画像の生成処理について]
次に、本発明に係る放射線画像撮影システム50のコンソール58におけるプレビュー画像の表示や放射線画像の生成処理、およびそれらのための放射線画像撮影装置1での処理等について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50および放射線画像撮影装置1の作用についてもあわせて説明する。
前述したように、本発明では、コンソール58の表示部58aでプレビュー画像を表示するためのデータとして、放射線画像撮影装置1で間引きデータDtについて差分データΔDを作成し圧縮してコンソール58に送信するようになっている。
この場合、間引きデータDtとは、前述したように各画像データDから所定の割合でデータを間引いたデータであり、例えば、二次元状に配列された各放射線検出素子7に対応して各画像データDを配列した場合に、例えば図22に示すように、3×3画素や4×4画素ごとに1画素分の画像データDを抽出するようにして作成することが可能である。
また、例えば、走査線5の各ラインL1、L4、L7、…にそれぞれ接続された各放射線検出素子7からの画像データDのように、走査線5の所定の間隔ごとの各ラインLnに接続された各放射線検出素子7からの画像データDを抽出して作成するように構成することも可能である。
具体的には、例えば図23(A)に斜線を付して示すように、所定本数(図23(A)の場合は3本)の走査線5の各ラインL1〜Lxごとに1本の割合で走査線5を指定し、図23(B)に示すように、指定された走査線5の各ラインLに接続されている各放射線検出素子7から読み出された各画像データD(n,m)を間引きデータDtとするように構成される。
このように、放射線画像撮影装置1の圧縮手段としての制御手段22は、各放射線検出素子7から読み出された各画像データDの中から、予め指定された各放射線検出素子7の各画像データDを抽出して間引きデータDtとするようになっている。
なお、図23(B)は、作成される間引きデータDtの群のイメージを表した図であり、間引きデータDtは、例えば記憶手段23上で実際に一群のデータとして作成されるわけではなく、記憶手段23に保存されている画像データDの中から間引きデータDtのみを読み出すようにして間引きデータDtが抽出される。
そして、制御手段22は、記憶手段23から読み出した間引きデータDtに対して、前述した図16〜図18或いは図21に示した手法と同様の手法で、差分データΔDを作成するようになっている。
その際、制御手段22は、図23(B)にイメージ的に示した一群の間引きデータDt中で、信号線方向(図23(B)中では上下方向)や走査線方向(図23(B)中では左右方向)に隣接する間引きデータDt同士の差分ΔDを算出して、差分データΔDを作成するように構成される。
なお、信号線方向に隣接する間引きデータDt同士という場合、図23(B)における概念的に一群にまとめられた間引きデータDtにおける「隣接」をいうのであって、図23(A)に示した一群の画像データDにおける「隣接」をいうものではない。
そして、制御手段22は、図16〜図18や図21に示した手法と同様の手法で、記憶手段23から読み出した間引きデータDtに基づいて差分データΔDを作成するごとに、作成した差分データΔDに圧縮処理を施して、アンテナ装置41やコネクタ39を介して圧縮した差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)をコンソール58に送信する。
そして、制御手段22は、間引きデータDtに関する圧縮した差分データΔDを送信した後、コンソール58での最終的な放射線画像の生成に必要なデータを、同様にして図16〜図18や図21に示した手法と同様の手法で、記憶手段23から読み出し、差分データΔDを作成するごとに、作成した差分データΔDに圧縮処理を施して、圧縮した差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)をコンソール58に送信する。
しかし、その際、本発明では、制御手段22には、間引きデータDtに関する差分データΔDを圧縮する際に用いる圧縮の基準(すなわち本実施形態ではハフマン符号化に用いるハフマン辞書)として、コンソール58での最終的な放射線画像の生成に必要なデータを圧縮する際に用いる圧縮の基準とは別の基準が用意されるようになっている。
すなわち、本実施形態では、制御手段22には、間引きデータDtの差分データΔDを圧縮する際に用いるハフマン辞書として、コンソール58での最終的な放射線画像の生成に必要なデータを圧縮する際に用いるハフマン辞書とは別のハフマン辞書が用意されている。
すなわち、後述するように、コンソール58での最終的な放射線画像の生成に必要なデータを圧縮する際に用いられるハフマン辞書としては、前述した図14に示した差分データΔDの出現頻度Fの分布等に基づいて予め設けられたハフマン辞書が用いられる。
それに対し、間引きデータDtの差分データΔDを圧縮する際に用いられるハフマン辞書は、図14に示した分布等とは異なる差分データΔDの出現頻度Fの分布に基づいて予め設けられたハフマン辞書が用いられるようになっている。これは、以下の理由に基づく。
本発明者らの研究によれば、間引きデータDt(図23(B)参照)について、例えば、信号線方向(図23(B)では縦方向)に隣接する間引きデータDt同士の差分データΔDを作成し、ヒストグラムに投票して差分データΔDに関する出現頻度Fの分布を作成すると、図14に示した分布とは異なり、例えば図24に示すように、ΔD=0を中心として略対称ではあるが、図14の分布よりも正負の方向にそれぞれ拡がり、しかも、ΔD=0以外の差分データΔDの位置にピークを有するような分布になる場合があることが分かった。
なお、間引きデータDt同士の差分データΔDの出現頻度Fの分布は、図24に示したように正規分布状の分布(図14参照)ではない分布にはなるが、撮影部位や撮影方向が異なっても同様の分布になることも分かっている。つまり、画像データD同士の差分データΔDの場合と同様に、間引きデータDt同士の差分データΔDに対しても、撮影部位等が異なっても1つのハフマン辞書を適用することができる。
間引きデータDtの差分データΔDの出現頻度Fが図24に示したような分布になる理由は、間引きデータDtの場合、図23(A)に斜線を付して示したように、所定本の走査線5ごとに(図23(A)の場合は3本の走査線5ごとに)抽出された間引きデータDt同士の差分を算出して差分データΔDとされるため、間引きデータDt同士の差分の値が、画像データD同士の差分の値よりも大きくなるためと考えられている。
そして、間引きデータDt同士の差分データΔDが画像データD同士の差分データΔDの値よりも大きくなると、間引きデータDt同士の差分データΔDが0になる確率よりもΔD=0以外の値になる確率の方が高くなる場合があり得るため、図24に示したように、ΔD=0における出現頻度Fよりも、それ以外の位置における出願頻度Fの方が大きくなる場合が生じ得ると考えられている。
そして、図24に示したような分布を有する間引きデータDtに関する差分データΔDに対して、図14に示した分布に基づいて設けられたハフマン辞書を適用すると、最も短いハフマンコードHcが割り当てられるΔD=0の差分データΔDよりも、より長いハフマンコードHcが割り当てられるΔD=0以外の差分データΔDの方が高い頻度で出現するため、圧縮率Rcがさほど高くならないという現象が生じると考えられている。
そこで、本発明では、間引きデータDtの差分データΔDに関する上記の傾向、すなわち出願頻度Fの分布が図14のようではなく図24のようになる場合があることを考慮して、間引きデータDtの差分データΔDを圧縮する際に用いられるハフマン辞書を、図14に示した分布等とは異なる、例えば図24に示した差分データΔDの分布に基づいて予め設けられたハフマン辞書を適用するように構成した。
間引きデータDtの差分データΔDの出現頻度Fの分布は、画像データDからの間引きデータDtの抽出の仕方(例えば図22や図23(A)参照)や、信号線方向に差分をとるか走査線方向に差分をとるか等によって変化する。そのため、間引きデータDtに関する差分データΔDの圧縮処理に用いられる圧縮の基準としてのハフマン辞書は、上記の抽出の仕方等に応じて放射線画像撮影装置1ごとに予め設けられる。なお、コンソール58での最終的な放射線画像の生成に必要なデータを圧縮する際に用いる圧縮の基準としてのハフマン辞書も、放射線画像撮影装置1ごとに予め設けられる。
また、コンソール58は、前述したように、プレビュー画像の表示用に放射線画像撮影装置1から送信されてきた間引きデータDtに関する圧縮された差分データΔD(すなわち例えばハフマンコードHc)を伸張して、元の差分データΔDを復元し、先に復元した間引きデータDtや基準データDcと、復元した差分データΔDとに基づいて、元の間引きデータDtをそれぞれ復元する。
そして、コンソール58は、復元した間引きデータDtをそのまま表示して、或いは復元した間引きデータDtに簡単な画像処理を施して、表示部58aに、プレビュー画像を表示するようになっている。
このように構成すれば、放射線画像撮影装置1で、間引きデータDtに関する差分データΔDを圧縮するための圧縮の基準(すなわち例えばハフマン辞書)を用いて、間引きデータDtの差分データΔDを圧縮するため、画像データDの場合のみならず間引きデータDtの場合にも、差分データΔDの圧縮率Rcを確実に向上させることが可能となる。
また、放射線画像撮影装置1からコンソール58に、高い圧縮率Rcで圧縮されデータ量がより小さくなった圧縮された差分データΔD(すなわち例えばハフマンコードHc)が送信されてくるため、圧縮された差分データΔDの送信時間が短くなり、コンソール58の表示部58a上に、プレビュー画像を速やかに表示することが可能となる。
一方、前述したように、放射線画像撮影装置1の圧縮手段としての制御手段22は、間引きデータDtに関して差分データΔDを作成、圧縮してコンソール58に送信すると、続いて、コンソール58での最終的な放射線画像の生成に必要なデータを、図16〜図18や図21に示した手法で、記憶手段23から読み出し、差分データΔDを作成するごとに、作成した差分データΔDに圧縮処理を施して、圧縮した差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)をコンソール58に送信する。
この場合に用いられる圧縮の基準としてのハフマン辞書は、前述した図14に示した差分データΔDの出現頻度Fの分布に基づいて予め設けられたハフマン辞書が適用される。そのため、この場合も、差分データΔDの圧縮率Rcが確実に向上する。
なお、この場合、コンソール58での最終的な放射線画像の生成に必要なデータとして、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7から読み出された各画像データDについて差分データΔDを作成、圧縮して送信するように構成することも可能であるが、各画像データDのうち、間引きデータDtについては、既にプレビュー画像の表示用に放射線画像撮影装置1から圧縮された差分データΔDが送信され、コンソール58で既に復元されている。
そのため、放射線画像撮影装置1の圧縮手段としての制御手段22は、コンソール58での最終的な放射線画像の生成に必要なデータとして、間引きデータDt以外の残りの画像データDのみを送信するように構成することが可能である。すなわち、間引きデータDt以外の残りの画像データDに対して差分データΔDを作成、圧縮してコンソール58に送信するように構成することが可能である。
この場合、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、画像データD中から抽出した間引きデータDt以外の残りの各画像データD(図25参照)について、上記と同様に、信号線方向や走査線方向に隣接する放射線検出素子7の前記残りの画像データ同士の差分ΔDを算出して差分データΔDを作成し、差分データΔDを作成するごとに圧縮処理を行って、圧縮した差分データΔD(すなわちハフマンコードHc)をコンソール58に送信するように構成することができる。
なお、この場合に用いられる圧縮の基準としてのハフマン辞書は、前述した図14に示した差分データΔDの出現頻度Fの分布に基づいて予め設けられたハフマン辞書である。
そして、コンソール58は、放射線画像撮影装置1から送信されてきた圧縮された差分データΔDを伸張して、元の差分データΔDを復元し、先に復元した画像データDと復元した差分データΔDとに基づいて他の画像データをそれぞれ復元するようにして、前記残りの画像データDを復元する。
そして、先に復元した間引きデータDtと、復元した残りの画像データDとをあわせて全ての画像データDを復元し、復元した全ての画像データDに前述した精緻な画像処理を施して最終的な放射線画像を生成するように構成される。
なお、図25では、間引きデータDt以外の残りの各画像データDを集めて、残りの画像データDのみで差分データΔDの作成や圧縮等を行う場合を示したが、例えば図26に示すように、図中に斜線を付して示した間引きデータDtをいわば基準データDcのようにして用いて、差分データΔDの作成や圧縮等を行うように構成することも可能である。この場合、コンソール58では、間引きデータDtが既に復元されているため、それに基づいて残りの画像データDを復元することになる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50および放射線画像撮影装置1によれば、信号線方向や走査線方向に隣接する間引きデータDt同士や画像データD同士の差分データΔDの出現頻度Fの分布が図14や図24に示したように撮影部位等によらずΔD=0を中心として略対称の分布になることを利用して、作成された間引きデータDt同士や画像データD同士の差分データΔDの圧縮率Rcを、撮影部位等によらず向上させることが可能となる。
また、間引きデータDt同士の差分データΔDの出現頻度Fの分布(図24参照)と、画像データD同士の差分データΔDの出現頻度Fの分布(図14参照)とが異なる形の分布になる場合があるため、間引きデータDtの差分データΔDを圧縮する際に用いる圧縮の基準(すなわち本実施形態ではハフマン辞書)と、画像データDの差分データΔDを圧縮する際に用いる圧縮の基準とを別の基準とすることで、各差分データΔDの各々に応じて差分データΔDを適切に圧縮することが可能となり、いずれの場合にも差分データΔDの圧縮率Rcを的確に向上させることが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置1からコンソール58に間引きデータDtに関する圧縮された差分データΔDを送信する際に、圧縮された差分データΔDの送信等に要する時間が撮影部位等によらず短くなり、間引きデータDtに基づくプレビュー画像を、コンソール58の表示部58a上により速やかに表示することが可能となる。
また、そのため、放射線技師等が、表示部58a上に速やかに表示されたプレビュー画像を見て再撮影の要否等を迅速に判断することが可能となる。
なお、差分データΔDを可逆圧縮する方法としては、本実施形態で用いたハフマン符号化のみならず、LZ78、算術符号化等の方法を用いることが可能であることは前述した通りであり、その場合、放射線画像撮影装置1やコンソール58は、採用される可逆圧縮の手法に適合した圧縮、伸張用の圧縮の基準を備えたり、採用される可逆圧縮の手法に適合した圧縮や伸張の演算等を行うように構成される。
1 放射線画像撮影装置
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
15 走査駆動手段
17 読み出し回路
22 制御手段(圧縮手段)
39 コネクタ(通信手段)
41 アンテナ装置(通信手段)
50 放射線画像撮影システム
58 コンソール
58a 表示部
D 画像データ
Dt 間引きデータ
Hc ハフマンコード(圧縮した差分データ)
P 検出部
r 領域
ΔD 差分データ

Claims (8)

  1. 放射線画像撮影後に画像データの読み出し処理を行う放射線画像撮影装置と、前記放射線画像撮影装置で読み出された前記画像データに基づくプレビュー画像を表示部に表示させるコンソールとを備える放射線画像撮影システムにおいて、
    前記放射線画像撮影装置は、
    互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    前記各走査線にオン電圧またはオフ電圧を印加する走査駆動手段と、
    前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して前記画像データとして出力する読み出し回路と、
    データの可逆圧縮処理を行う圧縮手段と、
    圧縮されたデータを前記コンソールに送信する通信手段と、
    を備え、
    前記放射線画像撮影装置の前記圧縮手段は、
    前記プレビュー画像の表示用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記各画像データの中から予め指定された前記各放射線検出素子の前記各画像データを抽出して間引きデータとし、前記間引きデータ中で、信号線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記間引きデータ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信し、
    最終的な放射線画像の生成用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データ中で、信号線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記画像データ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信するように構成されており、
    前記コンソールは、
    前記プレビュー画像の表示用に前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮された前記差分データを伸張して、元の前記差分データを復元し、復元した前記差分データと復元した前記間引きデータとに基づいて前記他の間引きデータをそれぞれ復元し、前記表示部に、前記間引きデータに基づくプレビュー画像を表示し、
    前記最終的な放射線画像の生成用に前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮された前記差分データを伸張して、元の前記差分データを復元し、復元した前記差分データと復元した前記画像データとに基づいて前記他の画像データをそれぞれ復元し、復元した前記画像データに基づいて前記最終的な放射線画像を生成するように構成されており、
    前記放射線画像撮影装置および前記コンソールには、前記プレビュー画像の表示用の前記間引きデータに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準として、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準とは別の基準が用意されていることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  2. 放射線画像撮影後に画像データの読み出し処理を行う放射線画像撮影装置と、前記放射線画像撮影装置で読み出された前記画像データに基づくプレビュー画像を表示部に表示させるコンソールとを備える放射線画像撮影システムにおいて、
    前記放射線画像撮影装置は、
    互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    前記各走査線にオン電圧またはオフ電圧を印加する走査駆動手段と、
    前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して前記画像データとして出力する読み出し回路と、
    データの可逆圧縮処理を行う圧縮手段と、
    圧縮されたデータを前記コンソールに送信する通信手段と、
    を備え、
    前記放射線画像撮影装置の前記圧縮手段は、
    前記プレビュー画像の表示用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記各画像データの中から予め指定された前記各放射線検出素子の前記各画像データを抽出して間引きデータとし、前記間引きデータ中で、走査線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記間引きデータ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信し、
    最終的な放射線画像の生成用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データ中で、走査線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記画像データ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信するように構成されており、
    前記コンソールは、
    前記プレビュー画像の表示用に前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮された前記差分データを伸張して、元の前記差分データを復元し、復元した前記差分データと復元した前記間引きデータとに基づいて前記他の間引きデータをそれぞれ復元し、前記表示部に、前記間引きデータに基づくプレビュー画像を表示し、
    前記最終的な放射線画像の生成用に前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮された前記差分データを伸張して、元の前記差分データを復元し、復元した前記差分データと復元した前記画像データとに基づいて前記他の画像データをそれぞれ復元し、復元した前記画像データに基づいて前記最終的な放射線画像を生成するように構成されており、
    前記放射線画像撮影装置および前記コンソールには、前記プレビュー画像の表示用の前記間引きデータに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準として、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準とは別の基準が用意されていることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  3. 前記放射線画像撮影装置の前記圧縮手段は、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データを、前記各放射線検出素子から読み出された全ての前記画像データとする代わりに、前記間引きデータ以外の残りの前記画像データとし、前記残りの画像データに対して前記差分データの算出処理、圧縮処理および送信処理を行い、
    前記コンソールは、前記最終的な放射線画像の生成用に前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮された前記差分データを伸張して、元の前記差分データを復元し、復元した前記差分データと復元した前記画像データとに基づいて前記他の画像データをそれぞれ復元して前記残りの画像データを復元し、復元した前記間引きデータと復元した前記残りの画像データとをあわせた全ての前記画像データに基づいて前記最終的な放射線画像を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影システム。
  4. 前記放射線画像撮影装置の前記圧縮手段は、前記圧縮処理として、ハフマン符号化に基づく可逆圧縮処理を行い、
    前記コンソールは、前記ハフマン符号化に基づく可逆圧縮処理に対応する伸張処理により、前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記圧縮された前記各差分データを伸張し、
    前記放射線画像撮影装置および前記コンソールには、前記プレビュー画像の表示用の前記間引きデータに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる前記圧縮の基準であるハフマン辞書として、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準であるハフマン辞書とは別のハフマン辞書が用意されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  5. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    前記各走査線にオン電圧またはオフ電圧を印加する走査駆動手段と、
    前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して前記画像データとして出力する読み出し回路と、
    データの可逆圧縮処理を行う圧縮手段と、
    圧縮されたデータをコンソールに送信する通信手段と、
    を備え、
    前記圧縮手段は、
    前記プレビュー画像の表示用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記各画像データの中から予め指定された前記各放射線検出素子の前記各画像データを抽出して間引きデータとし、前記間引きデータ中で、信号線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記間引きデータ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信し、
    最終的な放射線画像の生成用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データ中で、信号線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記画像データ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信するように構成されており、
    前記プレビュー画像の表示用の前記間引きデータに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準として、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準とは別の基準が用意されていることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  6. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    前記各走査線にオン電圧またはオフ電圧を印加する走査駆動手段と、
    前記放射線検出素子から前記信号線を通じて電荷を読み出し、前記放射線検出素子ごとに前記電荷を電気信号に変換して前記画像データとして出力する読み出し回路と、
    データの可逆圧縮処理を行う圧縮手段と、
    圧縮されたデータをコンソールに送信する通信手段と、
    を備え、
    前記圧縮手段は、
    前記プレビュー画像の表示用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記各画像データの中から予め指定された前記各放射線検出素子の前記各画像データを抽出して間引きデータとし、前記間引きデータ中で、走査線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記間引きデータ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信し、
    最終的な放射線画像の生成用に、前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データ中で、走査線方向に隣接する前記放射線検出素子の前記画像データ同士の前記差分を算出して前記差分データを作成し、前記差分データに対して圧縮処理を行って、前記通信手段を介して圧縮した前記各差分データをそれぞれ前記コンソールに送信するように構成されており、
    前記プレビュー画像の表示用の前記間引きデータに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準として、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準とは別の基準が用意されていることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  7. 前記圧縮手段は、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データを、前記各放射線検出素子から読み出された全ての前記画像データとする代わりに、前記間引きデータ以外の残りの前記画像データとし、前記残りの画像データに対して前記差分データの算出処理、圧縮処理および送信処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記圧縮手段は、前記圧縮処理として、ハフマン符号化に基づく可逆圧縮処理を行うように構成されており、
    前記プレビュー画像の表示用の前記間引きデータに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる前記圧縮の基準であるハフマン辞書として、前記最終的な放射線画像の生成用の前記画像データに関する前記差分データの圧縮処理に用いられる圧縮の基準であるハフマン辞書とは別のハフマン辞書が用意されていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
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