JP2011117930A - 放射線画像形成装置及び放射線画像形成方法 - Google Patents

放射線画像形成装置及び放射線画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な手法により暗電流に基づく固定パターンのノイズを除去することのできる放射線画像形成装置を提供する。
【解決手段】センサパネル部24の各放射線検出素子23の出力値を各画素単位で読み取る信号読出し回路33と、信号読出し回路33のフィードバック容量を切り替え制御するとともに、放射線を照射することにより得られる実写画像データと、放射線を照射しない状態で得られる暗画像データとを取得して、実写画像データから暗画像データを差分することにより実写画像データについてオフセット補正を行う制御部30とを備え、制御部30は、暗画像データを取得する際には、実写画像データを取得する際よりも小さいフィードバック容量となるように、信号読出し回路33のフィードバック容量を切り替え制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、放射線画像形成装置及び放射線画像形成方法に関するものである。
従来、医療用の放射線画像を取得する手段として、いわゆるフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:FPD)と呼ばれる固体撮像素子を2次元的に配置した放射線画像形成装置が知られている。このような放射線画像形成装置には、放射線検出素子として、a−Se(アモルファスセレン)のような光導電物質を用いて放射線エネルギーを直接電荷に変換し、この電荷を2次元的に配置されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等の信号読出し用のスイッチ素子によって画素単位に電気信号として読み出す直接方式のものや、放射線エネルギーをシンチレータ等で光に変換し、この光を2次元的に配置されたフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換してTFT等によって電気信号として読み出す間接方式のもの等があることが知られている。
そして、いずれの方式においても、診断に適した画像を得るためには、被写体を透過してきた放射線を放射線画像形成装置で検出して得られた実写画像データに対してオフセット補正等の補正処理を行い、実写画像データからノイズ等を除去する補正を行う必要があることが知られている。
すなわち、放射線画像形成装置により取得した画像データには、暗電流に基づく固定パターンのノイズが重畳されているため、放射線を照射しない状態で取得する暗画像データを放射線を照射して得られた実写画像データから差分することにより暗電流に基づく固定パターンのノイズを除去しなければならない。
実写画像データを補正する手法としては、事前に複数の補正用の暗画像データを取得し、その平均画像を用いてオフセット補正を行う手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、暗画像データ取得時と実写画像データ取得時との温度等の環境の違いについて、補正係数を用いて補正した上で暗画像データによるオフセット補正を行うことが提案されている。
また、画像データには、電源揺らぎ等に起因する周期的な筋状のノイズが重畳されているため、このような筋状のノイズを検出する遮光画素を配置し、ゲート方向1ラインの遮光画素の平均値を、当該ゲートラインの画素値から引くことで、筋状ノイズを補正する手法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−177891号公報 特開2003−33338号公報
しかしながら、例えば特許文献1に記載されているように、事前に複数の暗画像データを平均する場合、暗画像データに重畳するランダムノイズを低減することは可能となるが、この場合、暗画像データと実写画像データとの取得タイミングのずれを補正係数を用いて補正する等しなければならず、演算処理が複雑となるとともに、再現性等の問題から、正確な補正を行うことが困難であるとの問題がある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、暗電流に基づく固定パターン等、実写画像データに重畳されているノイズを簡易な手法により除去することのできる放射線画像形成装置及び放射線画像形成方法を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、本発明の放射線画像形成装置は、
画素を構成する放射線検出素子が2次元マトリクス状に複数配列されたセンサパネル部と、
前記センサパネル部の前記各放射線検出素子の出力値を各画素単位で読み取る信号読出し回路と、
前記信号読出し回路のフィードバック容量を切り替え制御するフィードバック容量切替手段と、
放射線を照射することにより得られる実写画像データと、放射線を照射しない状態で得られる暗画像データとを取得して、前記実写画像データから前記暗画像データを差分することにより実写画像データについてオフセット補正を行う暗電流補正手段と、を備え、
前記フィードバック容量切替手段は、前記暗画像データを取得する際には、前記実写画像データを取得する際よりも小さいフィードバック容量となるように、前記信号読出し回路のフィードバック容量を切り替え制御することを特徴とする。
また、本発明の別の側面である放射線画像形成方法は、
放射線を照射することにより得られる実写画像データを取得する実写画像データ取得工程と、
信号読出し回路のフィードバック容量を、前記実写画像データを取得する際よりも小さいフィードバック容量とした上で、放射線を照射しない状態で暗画像データを取得する暗画像データ取得工程と、
前記実写画像データ取得工程により得られた前記実写画像データから前記暗画像データ取得工程により得られた前記暗画像データを差分することにより実写画像データについてオフセット補正を行う暗電流補正工程と、を含んでいることを特徴とする。
この発明によれば、暗電流に基づく固定パターンのノイズを除去するオフセット補正処理を行う際に、実写画像データから差分する暗画像データを、信号読出し回路のフィードバック容量を小さい状態に切り替えた上で取得する。
これにより、信号読出し回路のランダムノイズの少ない暗画像データを取得することができ、これを実写画像データから差分することにより、オフセット補正後の画像において、ランダムノイズを低く抑えることができ、診断に適した高精細な画像を得ることができる。
第1の実施形態における放射線画像形成装置を適用した放射線画像形成システムのシステム構成の一例を示す概略図である。 第1の実施形態に係る放射線画像形成装置の外観を示す斜視図である。 図2に示す放射線画像形成装置のセンサパネル部及び読取部等の構成を示す等価回路図である。 図1に示すコンソールの機能的構成を示す要部ブロック図である。 図5(a)は、実写画像データについてのROICオフセット補正処理を模式的に示した図であり、図5(b)は、暗画像データについてのROICオフセット補正処理を模式的に示した図である。 実写画像データから暗画像データを差分して暗電流に基づく固定パターンのノイズを除去するオフセット補正処理を模式的に示した図である。 第2の実施形態に係る放射線画像形成装置のセンサパネル部等の構成を示す説明図である。 第2の実施形態における読出しタイミングを説明するタイミングチャートである。 ゲートON読取りとこれにより得られる画像データを示す説明図である。 ゲートOFF読取りとこれにより得られる画像データを示す説明図である。 ゲートON読出しによる画像データからゲートOFF読出しによる画像データを差分して得られる画像データの一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 図12のセンサパネル部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 ゲートOFF読出しで得られた横筋状のノイズの現れた画像の一例を示す説明図である。 図14におけるα部分の縦方向のプロファイルを示す図である。 横筋状のノイズの発生を説明するための説明図である。 ONデータ読出しのタイミング及びOFFデータ読出しのタイミングを説明するタイミングチャートである。 図17におけるL1からL3の信号値を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
[第1の実施形態]
まず、図1から図6を参照しつつ、本発明に係る放射線画像形成装置の第1の実施形態について説明する。ただし、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る放射線画像形成装置が適用される放射線画像形成システムの概略構成を示す模式図である。
放射線画像形成システムは、病院内で行われる放射線画像撮影において適用されるシステムであり、放射線画像データ(以下、単に「画像データ」と称する。)を得る放射線画像形成装置2と、この放射線画像形成装置2と通信可能な画像処理装置としてのコンソール5とを備えている。
コンソール5は、無線LAN(Local Area Network)8と接続されており、同様に無線LAN8と接続された無線アクセスポイント113(後述)や、信号中継器116、PACS等のデータ管理サーバ7等との間で無線方式にて情報の送受信が可能となっている。
図1に示すように、放射線画像形成装置2は、例えば、放射線を照射して患者Hの一部である被写体(患者Hの撮影対象部位)の撮影を行う撮影室R1に設けられており、コンソール5は、この撮影室R1に対応して設けられている。
なお、本実施形態においては、放射線画像形成システム内に1つの撮影室R1が設けられており、撮影室R1内に1つの放射線画像形成装置2が配置されている場合を例として説明するが、撮影室の数、各撮影室に設けられる放射線画像形成装置2の数は図示例に限定されない。
また、撮影室R1が複数ある場合に、コンソール5は各撮影室R1に対応して設けられていなくてもよく、複数の撮影室R1に対して1台のコンソール5が対応付けられていてもよい。
撮影室R1内には、放射線画像形成装置2を装填・保持可能なカセッテ保持部111を備えるブッキー装置110、被写体(患者Hの撮影対象部位)に放射線を照射するX線管球等の放射線源(図示せず)を備える放射線発生装置112が設けられている。カセッテ保持部111は、撮影時に放射線画像形成装置2を装填するものである。
なお、図1には撮影室R1内に立位撮影用のブッキー装置110が1つ設けられている場合を例示しているが、撮影室R1内に設けられるブッキー装置110の数や種類は特に限定されない。例えばブッキー装置110は、臥位撮影用のブッキー装置であってもよいし、立位撮影用のブッキー装置と臥位撮影用のブッキー装置とがそれぞれ設けられていてもよい。また、ブッキー装置110が複数ある場合には、各ブッキー装置110に対応して1つずつ放射線発生装置112が設けられていてもよいし、撮影室R1内に放射線発生装置112を1つ備え、複数のブッキー装置110に対して1つの放射線発生装置112が対応し、適宜位置を移動させたり、放射線照射方向を変更する等して使用するようになっていてもよい。
また、撮影室R1は、放射線を遮蔽する室であり、無線通信用の電波も遮断されるため、撮影室R1内には、放射線画像形成装置2とコンソール5等の外部装置とが通信する際にこれらの通信を中継する無線アクセスポイント(基地局)113等が設けられている。
無線アクセスポイント113は、LANケーブル等により、施設内の無線LAN(Local Area Network)8と接続されており、撮影室R1外に設けられている各機器との間で通信可能となっている。
また、撮影室R1内には、放射線画像形成装置2やコンソール5等の他の装置と放射線発生装置112との間の信号の送受信を中継する信号中継器116が設けられている。信号中継器116は、LANケーブル等により、施設内の無線LAN8と接続されている。
信号中継器116は、例えば放射線発生装置112から出力される信号を一般的なHUB等に適合するLAN通信用の信号に変換する変換装置として機能する。放射線画像形成装置2やコンソール5と放射線発生装置112とは、この信号中継器116を介して信号の送受信が可能となっており、例えば曝射タイミングと放射線画像形成装置2のリセットタイミングとを連動させたり、撮影に応じて照射野や管球位置等を連動させることができるようになっている。
また、本実施形態では、撮影室R1に隣接して前室R2が設けられている。前室R2には、放射線技師や医師等(以下「操作者」と称する。)が被写体に放射線を照射する放射線発生装置112の曝射ボタン(図示せず)を備える操作装置115が設けられている。操作装置115はケーブル等を介して放射線発生装置112と接続されており、技師が撮影開始を希望して曝射ボタンを操作すると、曝射ボタンが押された旨の信号が、放射線発生装置112に出力され、さらに放射線発生装置112から信号中継器116を介してコンソール5等に送信されるようになっている。
なお、コンソール5から操作装置115に対して、放射線発生装置112の放射線照射条件を制御する制御信号が送信されるようになっていてもよい。この場合、放射線発生装置112の放射線照射条件は、操作装置115に送信されたコンソール5からの制御信号に応じて設定される。放射線照射条件としては、例えば、曝射開始/終了タイミング、放射線管電流の値、放射線管電圧の値、フィルタ種等がある。
本実施形態において放射線画像形成装置2は、いわゆるフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:以下「FPD」という。)を可搬型に構成したカセッテ型FPDであり、放射線画像撮影に用いられ、放射線を検出して放射線量に応じた放射線画像データ(以下、単に「画像データ」と称する。)を生成・取得するものである。
なお、以下では、放射線画像形成装置2として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像形成装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像形成装置に対しても適用することができる。
図2は、本実施形態における放射線画像形成装置2の斜視図である。
放射線画像形成装置2は、図2に示すように、内部を保護する筐体21を備えている。筐体21は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面X(以下、放射線入射面Xという。)が、放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図2では、筐体21がフロント部材21aとバック部材21bとで形成されている場合が示されているが、その形状、構成は特に限定されず、この他にも、筐体21を筒状のいわゆるモノコック状に形成することも可能である。
図2に示すように、本実施形態において、放射線画像形成装置2の側面部分には、電源スイッチ22、インジケータ25、接続部26等が配置されている。
電源スイッチ22は、放射線画像形成装置2の電源のON/OFFを切り替えるものであり、電源スイッチ22を操作することにより、バッテリによる放射線画像形成装置2の各機能部に対する電力供給の開始及び停止を指示する信号が後述する制御部30(図3参照)に出力される。放射線画像形成装置2を撮影に使用しないときには、電源をOFF(すなわち、バッテリによる各機能部に対する電力供給を停止)にしておくことにより、バッテリの電力消費を抑えることができる。
インジケータ25は、例えばLED等で構成されバッテリの充電残量や各種の操作状況等を表示するものである。
また、放射線画像形成装置2には、放射線画像形成装置2の各機能部に電力を供給する図示しないバッテリが設けられている。
バッテリは、充電可能なものであり、例えばニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、小型シール鉛電池、鉛蓄電池等の充電自在な二次電池や、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタ(LIC)等の蓄電素子等を適用することができる。
このうち、特に、リチウムイオンキャパシタは、蓄電効率に優れるとともに、大電流(例えば5〜10A)による高速充電が可能であり、充電時間を大幅に短縮することができるため、好ましい。
また、放射線画像形成装置2の側面部分には、筐体21内に内蔵されたバッテリの交換のために開閉される蓋部材70が設けられており、蓋部材70の側面部には、放射線画像形成装置2が後述する無線アクセスポイント113(図1参照)を介して外部と無線方式で情報の送受信を行うためのアンテナ装置71が埋め込まれている。
接続部26は、バッテリを充電するための給電ケーブル(図示せず)や外部の給電端子を接続するための接続部である。なお、接続部26は、給電ケーブル等のほか、有線方式で通信を行う際の通信用のケーブル(図示せず)を接続可能となっていてもよい。
筐体21の放射線入射面X(図2参照)の内側には、放射線入射面Xから入射した放射線を吸収して可視光を含む波長の光に変換する図示しないシンチレータ層が形成されている。シンチレータ層は、例えばCsI:TlやGd22S:Tb、ZnS:Ag等の母体内に発光中心物質が付活された蛍光体を用いて形成されたものを用いることができる。
シンチレータ層の放射線が入射する側の面とは反対側の面側には、シンチレータ層から出力された光を電気信号に変換する複数の光電変換素子23(図3参照)が2次元状に複数配列された検出手段としてのセンサパネル部24が設けられている。光電変換素子23は、例えばフォトダイオード等であり、シンチレータ層等と共に、被写体を透過した放射線を電気信号に変換する放射線検出素子を構成する。
本実施形態においては、制御部30、走査駆動回路(ゲート駆動IC)32、信号読出し回路(ROIC)33等により、このセンサパネル部24の各光電変換素子23の出力値を読み取る読取手段である読取部45(図3参照)が構成されている。
センサパネル部24及び読取部45の構成について、図3の等価回路図を参照しつつ、さらに説明する。
図3に示すように、センサパネル部24の各光電変換素子23の一方の電極にはそれぞれ信号読出し用のスイッチ素子であるTFT46のソース電極が接続されている。また、各光電変換素子23の他方の電極にはバイアス線Lbが接続されており、バイアス線Lbはバイアス電源36に接続されていて、バイアス電源36から各光電変換素子23に逆バイアス電圧が印加されるようになっている。
各TFT46のゲート電極はそれぞれ走査駆動回路32から延びる走査線Llに接続されており、TFT46のゲート電極には、この走査線Llを介して図示しないTFT電源から読み出し電圧(ON電圧)又はOFF電圧が印加されるようになっている。また、各TFT46のドレイン電極はそれぞれ信号線Lrに接続されている。各信号線Lrは、それぞれ信号読出し回路33内の増幅回路37に接続されており、各増幅回路37の出力線はそれぞれサンプルホールド回路38を経てアナログマルチプレクサ39に接続されている。なお、信号読出し回路33には各増幅回路37に対応して図示しないコンデンサが設けられている。また、信号読出し回路33には信号をデジタル信号に変換処理する処理手段としてのA/D変換部40が接続されており、アナログマルチプレクサ39から送り出されたアナログの画像信号は、A/D変換部40によりデジタルの画像信号に変換される。信号読出し回路33は、このA/D変換部40を介して制御部30に接続されており、デジタルの画像信号が制御部30に出力される。制御部30には、記憶部31が接続されており、制御部30は、A/D変換部40から送られたデジタルの画像信号を画像データとして記憶部31に記憶させるようになっている。
制御部30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータであり、放射線画像形成装置2全体を統括的に制御する。
ROMには、画像データ生成処理、画像補正処理等、放射線画像形成装置2において各種の処理を行うためのプログラム、各種の制御プログラムやパラメータ等が記憶されている。
制御部30は、ROMに格納された所定のプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってCPUが各種処理を実行するようになっている。
制御部30は、画像データを生成する他、画像データに所定の信号処理を施すことによって画像データを外部に出力するのに適した形式のデータとする画像データの変換処理等を行う。
被写体を透過してきた放射線を放射線画像形成装置2で検出して得られる実写画像データには、暗電流に基づく固定パターンのノイズが重畳されている。このため、放射線を照射しない状態で得られる暗画像データを実写画像データから差分することにより、この暗電流に基づく固定パターンのノイズを除去するオフセット補正を行う必要がある。そこで、本実施形態においては、制御部30は、検出部45等を制御して、実写画像データの他に暗画像データを取得し、オフセット補正を行う暗電流補正手段として機能するようになっている。
そして、信号読出し回路33のランダムノイズは、信号読出し回路33のフィードバック容量が大きいほど、すなわち、信号読出し回路33に設けられているコンデンサのフィードバック容量が大きいほど大きくなる傾向がある。このため、制御部30は、信号読出し回路33のフィードバック容量、すなわち、信号読出し回路33に設けられているコンデンサのフィードバック容量を切り替えるフィードバック容量切替手段として機能し、暗画像データを取得する際には、例えば、信号読出し回路33のフィードバック容量を実写画像データを取得する場合の半分程度の小さい状態に切り替えた上で画像データを取得するように検出部45等を制御するようになっている。
なお、実写画像データを取得する場合と比較して、どの程度フィードバック容量を小さくするかは特に限定されず、例えば、信号読出し回路33に設けられているコンデンサのフィードバック容量を実写画像データを取得する場合の4分の1程度に切り替えて暗画像データを取得してもよい。
また、制御部30は、画像データから信号読出し回路33のオフセットを差分して信号読出し回路33のオフセット分を含まない画像データを生成するROICオフセット補正手段としても機能する。
すなわち、実写画像データ、暗画像データとも、走査駆動回路32のゲートをONとした状態で元データを取得する他に、走査駆動回路32のゲートをOFFとした状態でゲートOFF画像データを取得して、このゲートOFF画像データを元データから差分することにより信号読出し回路33のオフセット分を除去・補正するようになっている。
また、本実施形態において、制御部30は、無線アクセスポイント113を介して対応するコンソール5との間で通信を行うように図示しない通信部を制御する。
制御部30は、放射線画像形成装置2のリセット処理が完了すると、その旨のリセット完了信号を対応するコンソール5に送信するようになっている。
記憶部31は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等で構成されており、記憶部31には、読取部45(図3参照)により生成される実写画像データ(被写体を透過した放射線に基づく画像データ)や、ダーク読取値(放射線を照射しない状態で取得された暗画像の画像データ)等が記憶されるようになっている。
なお、記憶部31は内蔵型のメモリでもよいし、メモリカード等の着脱可能なメモリでもよい。また、その容量は特に限定されないが、複数枚分の画像データを保存可能な容量を有することが好ましい。このような記憶手段を備えることによって、被写体に対して連続して放射線を照射し、その度ごとに画像データを記録し蓄積していくことができ、連続撮影や動画撮影を行うことが可能となる。
通信部は、アンテナ装置71と接続されており、制御部30の制御に従って、コンソール5等の外部装置との間で各種信号の送受信を行うものである。通信部は、無線アクセスポイント113を介して無線方式でコンソール5等の外部装置との通信を行う。
また、通信部は、読取部45によって読み取られA/D変換部40においてアナログ信号からデジタル信号に変換された画像信号に基づく画像データを外部機器であるコンソール5に送信するとともにコンソール5等から撮影オーダ情報等を受信可能となっている。
図4に示すように、コンソール5は、CPU(Central Processing Unit)等で構成される制御部51、記憶部52、入力部53、表示部54、通信部55等を備えて構成されており、各部はバス57により接続されている。
記憶部52は、図示しないROM(read only memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されている。
ROMは、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成されており、ROMには、患部を検出するための自動部位認識に基づく階調処理・周波数処理等の画像処理を行うためのプログラム等、各種のプログラムが記憶されているほか、撮影画像の画像データを診断に適した画質に調整するための画像処理パラメータ(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル、周波数処理の強調度等)等が記憶されている。
RAMは、制御部51により実行制御される各種処理において、ROMから読み出されて制御部51で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。本実施形態において、RAMは、放射線画像形成装置2から受信した画像データや患者情報等を一時的に格納するようになっている。
本実施形態では、記憶部52は、撮影オーダ情報等を記憶している。また、記憶部52は、放射線画像形成装置2から送信された画像データを一時的に保存する画像データ保存手段として機能する。さらに、記憶部52は、撮影に使用された放射線画像形成装置2のオフセット補正値情報やゲイン補正値情報を取得したときに、これを記憶しておく記憶手段としても機能する。
制御部51は、ROMに記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMの作業領域に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行するコンソール5の制御手段である。
また、制御部51は、無線LAN8を介してデータ管理サーバ7にアクセスし、データ管理サーバ7内に記憶されている放射線画像形成装置2のオフセット補正値情報やゲイン補正値情報の中から、撮影に使用された放射線画像形成装置2に対応するものを読み出して取得するようになっている。そして、放射線画像形成装置2から画像データが送信されたときは、データ管理サーバ7から取得したオフセット補正値やゲイン補正値により画像データの補正を行う。
また、制御部51は、放射線画像形成装置2から送られた画像データに基づく画像を表示するように表示部54の表示を制御する。
制御部51は、放射線画像形成装置2のリセット処理が完了し撮影に適した状態になっているかを判断するようになっている。
具体的には、放射線画像形成装置2からリセット処理が完了した旨のリセット完了信号を受信したか否かを判断する。
本実施形態において、制御部51は、放射線発生装置112に対し曝射禁止状態を維持するように曝射禁止信号(インターロック信号)を出力するように通信部55を制御するようになっている。曝射禁止信号(インターロック信号)は、例えば、図示しないLANケーブル及び信号中継器116を介して、放射線発生装置112に出力される。
そして、放射線発生装置112から曝射ボタンが操作された旨の信号が送信されても、放射線画像形成装置2からリセット完了信号を受信しない限りは、制御部51は、曝射禁止信号(インターロック信号)が出力された状態を維持し、曝射禁止状態を維持させるようになっている。
入力部53は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部51に出力する。
また、入力部53は、被写体に関する被写体情報(撮影オーダ情報)や、曝射指示等を入力する入力手段として機能する。
なお、コンソール5には図示しないHIS/RIS等から予め登録されている被写体情報(撮影オーダ情報)が送られるようになっていてもよい。この場合には、入力部53から入力することなく被写体情報(撮影オーダ情報)を取得することができる。
表示部54は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部51から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
なお、表示部54の画面上に、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル(図示せず)を形成し、表示部54と入力部53とが一体に構成されるタッチスクリーンとしてもよい。この場合、タッチパネルは、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号が操作信号として制御部51に出力されるように構成される。なお、表示部54は、一般的なPC(Personal Computer)に用いられるモニタよりも高精細のものであってもよい。
本実施形態において、表示部54は、放射線画像形成装置2から送信される画像データに基づく画像を表示する表示手段である。
また、表示部54は、入力部53からの入力等により取得した撮影オーダ情報に基づく撮影オーダリストを表示することができる。ユーザがこの撮影オーダリストの中から任意の撮影オーダ情報を選択する(画面上の撮影オーダリストの中から任意の撮影オーダ情報をマウス等の入力部53で選択する)ことにより、撮影オーダ情報を選択・入力することができる。
通信部55は、無線LAN8と接続されており、各コンソール5に対応する撮影室R内に設けられた無線アクセスポイント113を介して放射線画像形成装置2等と情報の送受信を行うものである。
なお、コンソール5は、データ管理サーバ7の他、例えばHIS/RIS、イメージャ等(いずれも図示せず)の外部装置とネットワークを介して接続されていてもよい。なお、ネットワークを介してコンソール5と接続される外部装置はここに例示したものに限定されない。
次に、図5及び図6を参照しつつ、本実施形態の作用について説明する。
なお、以下のオフセット補正処理等の画像補正処理は、制御部30が、画像補正処理プログラム等と協働することにより実現されるものである。
図5(a)は、実写画像データについて、元データから信号読出し回路33のオフセット分を差分するROICオフセット補正処理を模式的に示した図である。
図5(a)の左側の図D1は、実写画像データの元データを示している。実写画像データの元データ(D1)は、信号読出し回路33に設けられているコンデンサのフィードバック容量を大きい状態とし、走査駆動回路32のゲートを順次ONとしながら取得する。なお、図D1中に縦縞で示したのは、信号読出し回路33のICごとのばらつきが画像データ上に現れている様子を模式的に示したものである。
図5(a)の中央の図D2は、信号読出し回路33に設けられているコンデンサのフィードバック容量を大きい状態とし、走査駆動回路32のゲートをOFFとした状態で取得したゲートOFF画像データである。
ゲートOFF画像データ(D2)を取得する際の読み出しのタイミングは、実写画像データの元データ(D1)を取得するときと同じタイミングとする。すなわち、実写画像データの元データ(D1)を取得するときには、走査駆動回路32のゲートを順次ONとしながら信号線Lrごとのデータを取得するが、ゲートOFF画像データ(D2)を取得する際にも、これと同じように1行目の読み出しタイミングで信号線Lrごとに1行目のデータを取得し、2行目の読み出しタイミングで同様に信号線Lrごとの2行目のデータを取得する。そして、最終行の読み出しを行い最終行のデータを取得するまで継続する。
なお、このような走査を1回行って1枚の画像データを得てもよいし、複数回走査を行って複数の画像データを得てもよい。また、複数の画像データを得たときは画素ごとに平均値を取り、これを画像データ(D2)としてもよい。1つのデータのみではばらつきを含む可能性があるため、複数の画像データを取得してこれを平均化する方が好ましい。
また、上記の手法で画像データを1枚取得して、各信号線Lrの縦方向の画素の値を平均化し、その平均値を当該信号線Lrにおける縦方向の全ての画素の値として適用することにしてもよい。さらに、複数回走査を行って複数の画像データを得た場合にも、複数の画像データについて各画素の平均値を得るとともに、各信号線Lrごとの平均値を求め、これを当該信号線Lrにおける全ての画素の値として適用することにしてもよい。
なお、ゲートOFF画像データ(D2)を取得する手法はこれに限定されない。例えば、走査駆動回路32のゲートをOFFとした状態で1回読み出しを行って各信号線Lrごとに1つのデータを取得し、この値をそれぞれの信号線Lrの縦方向の全ての画素の値として適用してもよい。
また、複数回読み出しを行って各信号線Lrごとに複数のデータを取得して、この複数回分のデータの平均値を求め、これを当該信号線Lrにおける全ての画素の値として割り当てることにしてもよい。このように、複数のデータを取得してその平均値を求める場合には、ばらつきをなくして一層精度を上げることができ、好ましい。
なお、ばらつきを平均化する手法はここに例示したものに限定されない。また、複数の手法を任意に組み合わせて用いてもよい。
図5(a)の右側の図D3は、このようにして得られたゲートOFF画像データ(D2)を実写画像データの元データ(D1)から差分して信号読出し回路33のオフセットを除去したROICオフセット補正後の画像データである。図5(a)に示すように、信号読出し回路33のICごとのばらつき(図5(a)左側の図中の縦縞)が画像データ上から除去された状態となっている。
図5(b)は、暗画像データについて、元データから信号読出し回路33のオフセット分を差分するROICオフセット補正処理を模式的に示した図である。
図5(b)の左側の図D4は、暗画像データの元データを示している。暗画像データの元データ(D4)は、信号読出し回路33に設けられているコンデンサのフィードバック容量を小さい状態に切り替えた上で、走査駆動回路32のゲートを順次ONとしながら取得する。なお、図中に縦縞で示したのは、図5(a)と同様に、信号読出し回路33のICごとのばらつきが画像データ上に現れている様子を模式的に示したものである。
図5(b)の中央の図D5は、信号読出し回路33に設けられているコンデンサのフィードバック容量を小さい状態に切り替えた上で、走査駆動回路32のゲートをOFFとした状態で取得したゲートOFF画像データである。
ゲートOFF画像データ(D4)を取得する際の読み出しのタイミングは、暗画像データの元データ(D4)を取得するときと同じタイミングとする。すなわち、暗画像データの元データ(D4)を取得するときには、走査駆動回路32のゲートを順次ONとしながら信号線Lrごとのデータを取得するが、ゲートOFF画像データ(D5)を取得する際にも、これと同じように1行目の読み出しタイミングで信号線Lrごとに1行目のデータを取得し、2行目の読み出しタイミングで同様に信号線Lrごとの2行目のデータを取得する。そして、最終行の読み出しを行い最終行のデータを取得するまで継続する。
なお、このような走査を1回行って1枚の画像データを得てもよいし、複数回走査を行って複数の画像データを得てもよい。また、複数の画像データを得たときは画素ごとに平均値を取り、これを画像データ(D5)としてもよい。1つのデータのみではばらつきを含む可能性があるため、複数の画像データを取得してこれを平均化する方が好ましい。
また、ゲートOFF画像データ(D2)を取得する場合と同様に、ゲートをONしているときと同じタイミング走査して画像データを1枚取得し、各信号線Lrの縦方向の画素の値を平均化して、その平均値を当該信号線Lrにおける縦方向の全ての画素の値として適用することにしてもよい。さらに、複数回走査を行って複数の画像データを得た場合にも、複数の画像データについて各画素の平均値を得るとともに、各信号線Lrごとの平均値を求め、これを当該信号線Lrにおける全ての画素の値として適用することにしてもよい。
なお、ゲートOFF画像データ(D5)を取得する手法はこれに限定されない。ゲートOFF画像データ(D2)を取得する場合と同様に、例えば、走査駆動回路32のゲートをOFFとした状態で1回読み出しを行って各信号線Lrごとに1つのデータを取得し、この値をそれぞれの信号線Lrの縦方向の全ての画素の値として適用してもよい。
また、複数回読み出しを行って各信号線Lrごとに複数のデータを取得して、この複数回分のデータの平均値を求め、これを当該信号線Lrにおける全ての画素の値として割り当てることにしてもよい。このように、複数のデータを取得してその平均値を求める場合には、ばらつきをなくして一層精度を上げることができ、好ましい。
なお、ばらつきを平均化する手法はここに例示したものに限定されない。また、複数の手法を任意に組み合わせて用いてもよい。
図5(b)の右側の図D6は、このようにして得られたゲートOFF画像データ(D5)を暗画像データの元データ(D4)から差分して信号読出し回路33のオフセットを除去したROICオフセット補正後の画像データである。図5(b)に示すように、信号読出し回路33のICごとのばらつき(図5(b)左側の図中の縦縞)が画像データ上から除去された状態となっている。
図6は、実写画像データについてのROICオフセット補正後の画像データ(D3)から暗画像データについてのROICオフセット補正後の画像データ(D6)を差分して暗電流に基づく固定パターンのノイズを除去するオフセット補正処理を模式的に示した図である。
信号読出し回路33のフィードバック容量を小さい状態に切り替えた上で取得された暗画像データについてのROICオフセット補正後の画像データ(D6)は、信号読出し回路33のランダムノイズが少ないため、これを実写画像データについてのROICオフセット補正後の画像データ(D3)から差し引くことにより、オフセット補正後画像のランダムノイズを小さくすることができる。
なお、実写画像データと暗画像データとを異なるフィードバック容量で取得しているため、単に差分したのでは暗電流に基づく固定パターンの信号値が異なってしまう。そこで、図6の中央に示すように、暗画像データについてのROICオフセット補正後の画像データ(D6)に、実写画像データを取得した際のフィードバック容量と暗画像データを取得した際のフィードバック容量との比を乗じた上で差分する。これにより異なるフィードバック容量で取得されたものを差分することによる信号値のずれを補正することができる。
以上のように、本実施形態によれば、暗電流に基づく固定パターンのノイズを除去するオフセット補正処理を行う際に、実写画像データから差分する暗画像データを、信号読出し回路33に設けられているコンデンサのフィードバック容量を小さい状態に切り替えた上で取得する。これにより、信号読出し回路33のランダムノイズの少ない暗画像データを取得することができ、これを実写画像データから差分した後のオフセット補正後画像において、ランダムノイズを低く抑えることができ、診断に適した高精細な画像を得ることができる。
また、実写画像データ及び暗画像データの双方についてROICオフセット補正処理を行うため、信号読出し回路33のランダムノイズを除去してより高精細な画像とすることができる。
なお、本発明が本実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
[第2の実施形態]
次に、図7から図11を参照しつつ、本発明に係る放射線画像形成装置の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、放射線画像形成装置の制御部による画像の補正処理の手法が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、放射線画像形成装置の制御部は、走査駆動回路32のゲートを順次ONしてデータを読出し取得するゲートON読出し(通常の読出し)と、走査駆動回路32のゲートを全てOFFとしてデータを読出し取得するゲートOFF読出しとを交互に行うようになっている。
例えば、図7に示すように、走査駆動回路32のゲートがゲートG1〜Gnまであり、信号線Lrに接続された信号読出し回路33の信号読出しICが1〜Mまである場合、制御部は、図8に示すように、ゲートG1に繋がる走査線Llにゲート電圧を印加してゲートG1をONとした状態で、1回目の読み取り行い、次にいずれのゲートにもゲート電圧を印加しないゲートOFFの状態で2回目の読み取りを行う。同様に、ゲートG2に繋がる走査線Llにゲート電圧を印加してゲートG2をONとした状態で、3回目の読み取り行い、次にいずれのゲートにもゲート電圧を印加しないゲートOFFの状態で4回目の読み取りを行う。このように、ゲートON読出しとゲートOFF読出しとを交互に行って、画像データを生成する。
ゲートOFF読出しによって得られる画像データは、電源の揺らぎからくる、周期的な筋状のノイズのみが現れた画像となっている。そこで、制御部は、これをゲートON読出しによって得られた画像データから差分することにより、周期的な筋状のノイズが除去された画像データを得ることができる。
なお、ゲートON読出し(本実施形態では奇数回目の読出し)とゲートOFF読出し(本実施形態では偶数回目の読出し)とでは、信号読み出しのタイミングが異なる。
すなわち、1回目のゲートON読出しと、これに相当する2回目のゲートOFF読出しとでは、図7に示すように、時間Tsだけ読み出しのタイミングがずれている。このように、ゲートON読出しによって得られた画像データとゲートOFF読出しによって得られた画像データとでは位相の差が生じているため、この位相の差を補正する必要がある。補正の手法としては、例えば、1回フーリエ変換(FFT)することにより、位相差を加えた上で、再度逆フーリエ変換(IFFT)をすることによって、その位相の差を補正し、位相の周期をそろえることが考えられる。なお、位相差を補正する手法は、ここに例示したものに限定されない。
その他の構成は、第1の実施形態で説明したものと共通であるため、同一箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図9から図11を参照しつつ、本実施形態の作用について説明する。
図9は、ゲートON読出しによる画像データの生成を説明する説明図であり、図10は、ゲートOFF読出しによる画像データの生成を説明する説明図である。
制御部は、図9に示すように、奇数回目の読出しの際にはゲートONして、ゲートON読出しを行う。これにより、図9の下段に示すような、周期的な筋状のノイズが重畳された実写画像データが生成される。また、図10に示すように、偶数回目の読出しの際にはゲートOFFして、ゲートOFF読出しを行う。これにより、図10の下段に示すような、周期的な筋状のノイズのみが現れた画像データが生成される。
ゲートON読出しゲートOFF読出しとを交互に行って、それぞれの画像データが生成されると、制御部は、両画像データの位相差をそろえた上で、ゲートON読出しにより得られた実写画像データからゲートOFF読出しにより得られた画像データを差分する。
これにより、図11に示すように、画像データから周期的な筋状のノイズが除去された実写画像データを得ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、特別な構成を要せず、ゲートON読出しゲートOFF読出しとを交互に行うという簡易な手法により、実写画像データに重畳された電源の揺らぎからくる、周期的な筋状のノイズを効果的に除去することができる。
また、各ゲートライン方向の画素の補正値を多くの画素の平均値から求めることができるので、正確な補正をすることができる。
また、ゲートOFF画像データを用いて補正を行うため、補正値に画素ノイズが含まれていない。このため、正確な補正を行うことができる。
なお、本実施形態では、奇数回目にゲートON読出しを行い、偶数回目にゲートOFF読出しを行う例を示したが、ゲートON読出しとゲートOFF読出しとが交互に行われればよく、両者は逆の順序でもよい。
また、第1の実施形態で示した手法に本実施形態の手法をあわせて実施してもよい。すなわち、第1の実施形態における実写画像データ、暗画像データを取得する際に、ゲートON読出しとゲートOFF読出しとが交互に行い、電源の揺らぎからくる、周期的な筋状のノイズを除去した画像を用いてオフセット補正を行ってもよい。
この場合には、重畳しているノイズの少ない画像データを補正処理に用いるため、より効果的なオフセット補正を行うことができる。
その他、本発明が本実施の形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
[第3の実施形態]
次に、図12から図18を参照しつつ、本発明に係る放射線画像形成装置の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は、放射線画像形成装置の制御部による画像の補正処理の手法が第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。
図12は、本実施形態に係る放射線画像形成装置2の等価回路を表すブロック図であり、図13はセンサパネル部24を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
なお、図12及び図13に示す装置構成は、本実施形態の説明の便宜上、第1の実施形態の説明において示した図3等と多少異なっているが、本実施形態に係る放射線画像形成装置2の装置構成自体は、第1の実施形態、第2の実施形態とほぼ同様である。第1の実施形態、第2の実施形態においても、この図12及び図13に示す構成を備えていてもよい。
光電変換素子で構成されている、センサパネル部24の各放射線検出素子230は、その第2電極232にそれぞれバイアス線Lbが接続されており、各バイアス線Lbは結線361に結束されてバイアス電源36に接続されている。バイアス電源36は、結線361および各バイアス線Lbを介して各放射線検出素子230の第2電極232にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。また、バイアス電源36は、後述する制御部30に接続されており、制御部30により、バイアス電源36から各放射線検出素子230に印加するバイアス電圧が制御されるようになっている。
図12や図13に示すように、本実施形態では、放射線検出素子230の第2電極232を介してバイアス線Lbが接続されていることからも分かるように、バイアス電源36からは、放射線検出素子230の第2電極232にバイアス線Lbを介してバイアス電圧として放射線検出素子230の第1電極231側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
各放射線検出素子230の第1電極231はTFT46のソース電極46s(図12、図13中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT46のゲート電極46g(図12、図13中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段320の走査駆動回路32から延びる走査線Llの各ラインにそれぞれ接続されている。また、各TFT46のドレイン電極46d(図12、図13中ではDと表記されている。)は各信号線Lrにそれぞれ接続されている。
走査駆動手段320は、配線322を介して走査駆動回路(ゲートドライバ)32にON電圧とOFF電圧を供給する電源回路15aと、走査線Llの各ラインに印加する電圧をON電圧とOFF電圧の間で切り替えて各TFT46のON状態とOFF状態とを切り替える走査駆動回路32とを備えている。
そして、走査駆動手段320は、各放射線検出素子230からのデータ(後述するON画像データやOFF画像データ)の読み出し処理の際に、後述する制御部30からトリガ信号を受信すると、走査駆動回路32から走査線Llの各ラインに印加する電圧のON電圧とOFF電圧との間での切り替えを開始させるようになっている。
具体的には、本実施形態では、走査駆動手段320は、各放射線検出素子230からのデータ(この場合は後述するON画像データ)の読み出し処理の際には、制御部30からトリガ信号を受信すると、走査駆動回路32から印加する電圧をON電圧(すなわちデータ読み出し用の電圧)とOFF電圧との間で切り替える走査線Llのラインを順次切り替える処理を繰り返し行い、各TFT46を介して走査線Llの各ラインに接続されている各放射線検出素子230からデータ(この場合はON画像データ)をそれぞれ読み出させるようになっている。
また、各放射線検出素子230からのデータの読み出し処理前や、次の放射線画像撮影を行うまでの間等に、各放射線検出素子230内に残存する電荷を放出させる各放射線検出素子230のリセット処理を行うように構成することも可能である。
各放射線検出素子230のリセット処理を行う場合には、例えば、走査駆動手段320は、走査駆動回路32から印加する電圧をON電圧とOFF電圧との間で切り替える走査線Llのラインを順次切り替えさせながら各放射線検出素子230のリセット処理を行うように構成される。
本実施形態では、図12や図13に示すように、読み出しIC330内に読み出し回路331が複数形成されており、各信号線Lrは、これら各読み出し回路331にそれぞれ接続されている。なお、本実施形態では、読み出しIC330に、1本の信号線Lrにつき1個ずつ読み出し回路331が設けられている例を示しているが、信号線Lrと読み出し回路331とは必ずしも1対1で対応していなくてもよい。
読み出し回路331は、増幅回路37とサンプルホールド回路(相関二重サンプリング回路)38等で構成されている。読み出しIC330内には、さらに、アナログマルチプレクサ39と、A/D変換部40とが設けられている。なお、図12や図13中では、サンプルホールド回路38はCDSと表記されている。また、図13中では、アナログマルチプレクサ39は省略されている。
本実施形態では、増幅回路37はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ37aと、オペアンプ37aにそれぞれ並列にコンデンサ37bおよび電荷リセット用スイッチ37cが接続されて構成されている。また、増幅回路37には、増幅回路37に電力を供給するための電源供給部37dが接続されている。また、オペアンプ37aとサンプルホールド回路38との間には、電荷リセット用スイッチ37cと連動して開閉するスイッチ37eが設けられている。
増幅回路37のオペアンプ37aの入力側の反転入力端子には信号線Lrが接続されており、増幅回路37の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。なお、基準電位Vは適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路37の電荷リセット用スイッチ37cは、制御部30に接続されており、制御部30によりON/OFFが制御されるようになっており、電荷リセット用スイッチ37cがON状態とされるとスイッチ37eがそれと連動してOFF状態となり、電荷リセット用スイッチ37cがOFF状態とされるとスイッチ37eがそれと連動してON状態となるようになっている。
そして、各放射線検出素子230からのデータ(後述するON画像データやOFF画像データ)の読み出し処理時に、電荷リセット用スイッチ37cがOFF状態、スイッチ37eがON状態の状態で、放射線検出素子230のTFT46がON状態とされると、各放射線検出素子230内に蓄積されていた電荷が各放射線検出素子230からTFT46を介して信号線Lrに放出され、信号線Lrを介してコンデンサ37bに流入して蓄積される。
そして、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ37aの出力側から出力されるようになっている。増幅回路37は、このようにして、各放射線検出素子230から出力された電荷量に応じて電圧値を出力して電荷電圧変換するようになっている。
また、増幅回路37をリセットする際には、電荷リセット用スイッチ37cがON状態とされ、それに連動してスイッチ37eがOFF状態となると、増幅回路37の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ37bに蓄積された電荷が放電される。
そして、放電された電荷がオペアンプ37aの出力端子側からオペアンプ37a内を通り、非反転入力端子から出てアースされたり、電源供給部37dに流れ出すことで、増幅回路37がリセットされるようになっている。なお、増幅回路37を、放射線検出素子230から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。
増幅回路37の出力側には、サンプルホールド回路(CDS)38が接続されている。サンプルホールド回路38は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、このサンプルホールド回路38におけるサンプルホールド機能は、制御部30から送信されるパルス信号によりそのON/OFFが制御されるようになっている。
すなわち、各放射線検出素子230からON画像データを読み出すONデータ読出し処理においては、まず、各読み出し回路331の増幅回路37の電荷リセット用スイッチ37cを制御してOFF状態とされる。その際、電荷リセット用スイッチ37cをOFF状態にした瞬間に、いわゆるkTCノイズが発生し、増幅回路37のコンデンサ37bにkTCノイズに起因する電荷が溜まる。
そのため、増幅回路37から出力される電圧値が、電荷リセット用スイッチ37cをOFF状態にした瞬間に、前述した基準電位VからkTCノイズに起因する電荷の分だけ変化して電圧値Vinに変わる。制御部30は、この段階で、サンプルホールド回路38に1回目のパルス信号Sp1を送信して、その時点で増幅回路37から出力されている電圧値Vinを保持させる。
続いて、走査駆動手段320の走査駆動回路32から1本の走査線LlにON電圧を印加してその走査線Llにゲート電極46gが接続されているTFT46をON状態とすると、これらのTFT46が接続されている各放射線検出素子230から蓄積された電荷が各信号線Lrを介して増幅回路37のコンデンサ37bに流れ込んで蓄積され、コンデンサ37bに蓄積された電荷量に応じて増幅回路37から出力される電圧値が上昇する。
そして、制御部30は、所定時間が経過した後、走査駆動回路32から当該走査線Llに印加しているON電圧をOFF電圧に切り替えてその走査線Llにゲート電極46gが接続されているTFT46をOFF状態とし、この段階で各サンプルホールド回路38に2回目のパルス信号Sp2を送信して、その時点で増幅回路37から出力されている電圧値Vfiを保持させる。
各サンプルホールド回路38は、2回目のパルス信号Sp2で電圧値Vfiを保持すると、電圧値の差分Vfi−Vinを算出し、算出した差分Vfi−Vinをアナログ値の画像データdとして下流側に出力するようになっている。
サンプルホールド回路38から出力された各放射線検出素子230のON画像データは、アナログマルチプレクサ39に送信され、アナログマルチプレクサ39から順次A/D変換部40に送信される。そして、A/D変換部40で順次デジタル値のON画像データに変換されて記憶手段である記憶部31に出力されて順次保存されるようになっている。
また、制御部30は、上記のような各放射線検出素子230からON画像データを読み出すONデータ読出し処理を、走査駆動手段320の走査駆動回路32からON電圧が印加される走査線Llの各ラインが順次切り替えられるごとに行うようになっている。
なお、図17では、電荷リセット用スイッチ37cのON/OFFしか記載されておらず、スイッチ37e(図12参照)のON/OFFについては記載されていないが、前述したように、スイッチ37eは電荷リセット用スイッチ37cのON/OFFと連動してOFF/ON動作する。また、以下の説明においても、電荷リセット用スイッチ37cの動作等のみについて述べる場合があるが、その場合も同様である。
また、図17に示すように、本実施形態では、上記のような放射線検出素子230からON画像データを読み出すONデータ読出し処理と、放射線検出素子230からOFF画像データを読み出すOFFデータ読出し処理とが交互に行われるようになっている。
OFFデータ読出し処理は、走査線Llの各ラインにON電圧を印加しない状態で、すなわち走査線Llの各ラインにOFF電圧を印加した状態で行われる。
そして、OFFデータ読出し処理では、制御部30による電荷リセット用スイッチ37cのON/OFF制御や、サンプルホールド回路38へのパルス信号Sp1、Sp2の送信等はONデータ読出し処理の場合と同様に行われ、OFFデータ読出し処理の場合に増幅回路37から出力される電圧値は、ONデータ読出し処理の場合と同様に上昇するが、TFT46のON/OFF動作は行われず、TFT46のゲートがOFFのままの状態でデータが取得される。
なお、OFFデータ読出し処理の場合、増幅回路37から出力される電圧値は上昇するが、ONデータ読出し処理の場合の上昇の度合いに比べれば、通常、OFFデータ読出し処理の場合の電圧値の上昇の度合いは小さい。
制御部30は、第1の実施形態と同様に、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御部30は、放射線画像形成装置2の各部材の動作等を制御するようになっている。また、図12等に示すように、制御部30には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶部31が接続されている。
また、本実施形態では、制御部30には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、センサパネル部24や走査駆動手段320、読み出し回路331、記憶部31、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ(図示せず)が接続されている。
前述したように、制御部30は、バイアス電源36を制御してバイアス電源36から各放射線検出素子230に印加するバイアス電圧を設定したり可変させたりするなど、放射線画像形成装置2の各機能部の動作を制御するようになっている。
次に、本実施形態におけるノイズの除去処理について具体的に説明する。
図14は、横筋状のノイズが現れた画像の例であり、図15は、図14におけるα部分について縦方向にプロファイルをとった結果を示すグラフである。
図14に示すように、画像データには、走査駆動手段320(すなわち、走査駆動回路(ゲートドライバ)32及びその電源回路321)やバイアス電源36の電源電圧の揺らぎ等に起因して発生するノイズが、寄生容量e(図16参照)等を通して読み出し回路(信号読出し回路、ROIC;Read Out IC)331に混入することにより、横筋状のノイズが現れる。
横筋状のノイズは、電源から発生するノイズに起因するために、同じタイミングで読み出される信号に対しては相関があり、ゲートライン方向に一律に信号が加減される。このため、画像上に横筋が現れるものである。
このように横筋状のノイズが発生すると、特に低線量部分(線量の少ない部分)で筋が見えてしまうため、診断に影響を及ぼす。
そこで、この横筋状のノイズを除去するための手法が望まれており、本実施形態はこの横筋状のノイズの除去を目的としたものである。
本実施形態において、放射線画像形成装置2の制御部30は、少なくとも走査駆動手段320及び読出し回路331を制御して放射線検出素子230からのデータの読み出し処理を行わせる制御手段である。
制御部30は、走査駆動回路32から走査線Llにデータ読み出し用の電圧(すなわち、ON電圧)を印加して当該走査線Llに接続されている放射線検出素子230からデータをON画像データとして読み出すONデータ読み出し処理(すなわち、走査駆動回路32のゲートを順次ONしてデータを読出し取得するゲートON読出し(通常の読出し))と、各走査線Llにデータ読み出し用の電圧を印加しない状態(すなわち、OFF電圧を印加した状態)で信号線に接続されている全ての放射線検出素子230から出力されるリーク電荷をOFF画像データとして読み出すOFFデータ読出し処理(すなわち、走査駆動回路32のゲートを全てOFFとしてデータを読出し取得するゲートOFF読出し)とを、交互に行わせてデータを取得するようになっている。
そして、例えば、あるONデータ読出し処理により得られた信号値(ON画像データ)をL2、このONデータ読出し処理の直前に行われたOFFデータ読出し処理により得られた信号値(OFF画像データ)をL1、このONデータ読出し処理の直後に行われたOFFデータ読出し処理により得られた信号値(OFF画像データ)をL3とした場合に、
L2−(L1+L3)/2
との式に表されるように、制御部30は、あるONデータ読出し処理の信号値(ON画像データ)L2からこの前後のOFFデータ読出し処理の信号値(OFF画像データ)L1、L3の平均値を減算することにより、ONデータ読出し処理の信号値(ON画像データ)L2の補正を行う。
その他の構成は、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したものと共通であるため、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図17及び図18を参照しつつ、本実施形態の作用について説明する。
図17に示すように、各読出し回路331の増幅回路37の電荷リセット用スイッチ37cをON状態として、放射線の照射が行われ、放射線検出素子230に電荷が蓄積されると、制御部30は、各電荷リセット用スイッチ37cをOFF状態とする。このとき(すなわち、電荷リセット用スイッチ37cをOFFした瞬間)にノイズ(いわゆるkTCノイズ)が発生する。
制御部30は、各サンプルホールド回路38に1回目のパルス信号Sp1を送信し、その時点で増幅回路37から出力されている電圧値Vinを保持させる。この電圧値Vinは、電荷リセット用スイッチ37cをOFFした際に発生したノイズに起因する電荷に対応するものである。
その後、制御部30は、TFT46のゲートに繋がる走査線Llの各ラインに走査駆動手段320からゲート電圧を印加(すなわちON電圧を印加)してTFT46のゲートをON状態とする。これにより、各放射線検出素子230内に蓄積されていた電荷が各放射線検出素子230からTFT46を介して信号線Lrに放出され、信号線Lrを介してコンデンサ37bに流入して蓄積される。
制御部30は、各サンプルホールド回路38に2回目のパルス信号Sp2を送信して、その時点で増幅回路37から出力されている電圧値Vfiを保持させる。
そしてその後、制御部30は、電荷リセット用スイッチ37cをリセットするために、電荷リセット用スイッチ37cをON状態とする。
各サンプルホールド回路38からは、算出された電圧値の差分Vfi−Vinが出力され、A/D変換部40で順次デジタル値に変換されて、ON画像データとして記憶部31に出力され順次保存される。
次に、制御部30は、同様に、各読出し回路331の増幅回路37の電荷リセット用スイッチ37cをOFF状態とした後、各サンプルホールド回路38に1回目のパルス信号Sp1を送信して、その時点で増幅回路37から出力されている電圧値Vinを保持させる。
続いて、TFT46のゲートに繋がる走査線Llの各ラインに走査駆動手段320からゲート電圧を印加せず(すなわちOFF電圧を印加して)TFT46のゲートをOFFとした状態とし、各サンプルホールド回路38に2回目のパルス信号Sp2を送信して、その時点で増幅回路37から出力されている電圧値Vfiを保持させる。そして、電荷リセット用スイッチ37cをリセットするために、電荷リセット用スイッチ37cをON状態とする。
各サンプルホールド回路38からは、算出された電圧値の差分Vfi−Vinが出力され、A/D変換部40で順次デジタル値に変換されて、OFF画像データとして記憶部31に出力され順次保存される。
制御部30は、このようにして、走査駆動手段320から走査線Llの各ラインにON電圧を印加して各放射線検出素子230から各画像データを読み出すONデータ読出し処理と、走査線Llの各ラインにON電圧を印加しない状態すなわちOFF電圧を印加した状態で各信号線ごとのを読み出すOFFデータ読出し処理とを交互に行い、この処理を繰り返し行うようになっている。
そして、制御部30は、ON画像データ(例えばL2)について横筋状のノイズの補正を行う際には、その前後に取得されたOFF画像データ(例えばL1及びL3)を加算して2で除することによって前後のOFF画像データ(例えばL1及びL3)の平均値を求め、この平均値をON画像データ(例えばL2)から差し引く。
図15に示すように、横筋状のノイズは、すべての周波数帯域においてエネルギーが均一に混入したホワイトノイズであり、低周波成分、高周波成分がランダムに乗っているノイズである。
このうち、低周波成分については、ある程度のトレンドが見られ、図18に示すように、時刻T2に得られたONデータ読出し処理による信号値(ON画像データ(例えばL2))は、その読み出しの前後(すなわち、図18において時刻T1及びT3)に取得されたOFFデータ読出し処理による信号値(OFF画像データ(例えばL1及びL3))の中間付近に位置しているケースが多く見られる。
このため、時刻T2に得られたONデータ読出し処理による信号値(ON画像データ(例えばL2))の読み出しの前後(すなわち、図18において時刻T1及びT3)に取得したOFFデータ読出し処理による信号値(OFF画像データ(例えばL1及びL3))の平均値をON画像データから減算するという上記のような手法でノイズ除去を行った場合には、特に、ノイズの低周波成分の除去に効果が見られる。
以上のように、本実施形態によれば、ONデータ読出し処理による信号値(ON画像データ)から、その前後に取得されたOFFデータ読出し処理による信号値(OFF画像データ)の平均値を差し引くという、比較的簡易な手法の補正を行うことにより、横筋状のノイズを低減させることができる。
これにより、横筋の気にならない診断に適した画像を得ることができる。
なお、本実施形態では、ONデータ読出し処理による信号値(ON画像データ)から、その直前直後のOFFデータ読出し処理による信号値(OFF画像データ)の平均値を差し引くことにより横筋状のノイズの補正を行う場合を例として説明したが、ONデータ読出し処理による信号値(ON画像データ)から差し引く信号値は、当該ONデータ読出し処理の直前直後のOFFデータ読出し処理による信号値に限定されない。
例えば、当該ONデータ読出し処理の前後数回のOFFデータ読出し処理による信号値(OFF画像データ)を平均して、この平均値をONデータ読出し処理による信号値(ON画像データ)から差し引くようにしてもよい。
また、本実施形態において示した手法は、第1の実施形態で示した手法、第2の実施形態で示した手法と組み合わせて行ってもよいし、本実施形態で示した手法のみを単独で行ってもよい。
その他、本発明が本実施の形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
2 放射線画像形成装置
5 コンソール
7 データ管理サーバ
24 センサパネル部
25 インジケータ
26 接続部
30 制御部
52 記憶部
R1 撮影室

Claims (5)

  1. 画素を構成する放射線検出素子が2次元マトリクス状に複数配列されたセンサパネル部と、
    前記センサパネル部の前記各放射線検出素子の出力値を各画素単位で読み取る信号読出し回路と、
    前記信号読出し回路のフィードバック容量を切り替え制御するフィードバック容量切替手段と、
    放射線を照射することにより得られる実写画像データと、放射線を照射しない状態で得られる暗画像データとを取得して、前記実写画像データから前記暗画像データを差分することにより実写画像データについてオフセット補正を行う暗電流補正手段と、を備え、
    前記フィードバック容量切替手段は、前記暗画像データを取得する際には、前記実写画像データを取得する際よりも小さいフィードバック容量となるように、前記信号読出し回路のフィードバック容量を切り替え制御することを特徴とする放射線画像形成装置。
  2. 前記暗電流補正手段は、前記実写画像データを取得した際のフィードバック容量と前記暗画像データを取得した際のフィードバック容量との比を前記暗画像データに乗じた上で、前記実写画像データから前記暗画像データを差分するオフセット補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の放射線画像形成装置。
  3. 前記暗電流補正手段によるオフセット補正を行う前に、前記実写画像データ及び前記暗画像データからそれぞれ前記信号読出し回路のオフセット分を差分して信号読出し回路のオフセット分を含まない画像データを生成するROICオフセット補正手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線画像形成装置。
  4. 前記放射線検出素子からのデータの読み出し処理の際に、データ読み出し用の電圧を印加する各走査線を順次切り替えながら印加する走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、前記データ読み出し用の電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ素子と、
    前記放射線検出素子から読み出された前記電荷を前記データに変換する読み出し回路と、
    少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記データの読出し処理を行わせる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記走査駆動手段から前記走査線に前記データ読み出し用の電圧を印加して当該走査線に接続されている前記放射線検出素子から前記データをON画像データとして読み出すONデータ読出し処理と、前記各走査線に前記データ読み出し用の電圧を印加しない状態で前記信号線に接続されている全ての前記放射線検出素子から出力されるリーク電荷をOFF画像データとして読み出すOFFデータ読出し処理とを、交互に行わせるとともに、
    前記ON画像データについてノイズ補正を行う際には、当該ON画像データが取得された前及び後に取得された前記OFF画像データの平均値を算出し、この平均値を前記ON画像データから差し引くことにより補正を行うものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像形成装置。
  5. 放射線を照射することにより得られる実写画像データを取得する実写画像データ取得工程と、
    信号読出し回路のフィードバック容量を、前記実写画像データを取得する際よりも小さいフィードバック容量とした上で、放射線を照射しない状態で暗画像データを取得する暗画像データ取得工程と、
    前記実写画像データ取得工程により得られた前記実写画像データから前記暗画像データ取得工程により得られた前記暗画像データを差分することにより実写画像データについてオフセット補正を行う暗電流補正工程と、
    を含んでいることを特徴とする放射線画像形成方法。
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