JP2015213546A - 放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】放射線発生装置から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EITに達したか否かの検出を、装置に新たな手段を設けることなく、装置の基本的な構成を利用して行うことが可能な放射線画像撮影装置を提供する。【解決手段】放射線画像撮影装置1の制御手段22は、走査駆動手段15から各走査線5にオン電圧を印加して各放射線検出素子7のリセット処理を行わせる。放射線発生装置から放射線の照射を開始する旨の信号を受信すると、各放射線検出素子7のリセット処理を終了させ、走査駆動手段15から各走査線5にオン電圧を順次印加させて画像データの読み出し処理を開始させる。同時に、放射線発生装置に放射線の照射を許容する旨を通知し、撮影部位ごとに設定される関心領域ROI内の放射線検出素子7から読み出した画像データが所定の閾値以上になった時点で、放射線発生装置に対して放射線の照射終了を指示する。【選択図】図2

Description

本発明は、放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムに関する。
X線撮影の分野では、従来のスクリーン/フィルムを用いた銀塩写真方式から輝尽性蛍光体シート等を用いたCR(computed radiography)カセッテへの移行によって、アナログによる撮影方法からのデジタル化が図られている。
そして、近年、放射線検出素子を二次元状に配列し、放射線発生装置から照射され被写体を透過した放射線に応じて放射線検出素子内で発生した電荷(電子正孔対)を画像データとして読み取る放射線画像撮影装置(Flat Panel Detector)が種々開発されており、病院等の施設で撮影に用いられるようになっている。そして、近年、放射線検出素子等が形成されたセンサーパネル等を筐体内に収納し、持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、従来のスクリーン/フィルムを用いた銀塩写真方式の場合、被写体に照射する放射線の線量が少な過ぎると、いわゆる露光不足の状態になり、撮影される放射線画像が全体的に白っぽくなる。また、被写体に照射する放射線の線量が多過ぎると、いわゆる露光過多の状態になり、撮影される放射線画像が全体的に黒っぽくなる。そして、露光不足でもなく露光過多でもなく画像の白黒のコントラストが適切になるような放射線の線量が適正な線量とされ、撮影された画像を見ることで、適正な線量の放射線が照射されたか否かを比較的容易に判断することができた。
それに対し、放射線画像撮影装置の場合、フォトダイオード等で形成される放射線検出素子のダイナミックレンジが広いため、極端な露光不足や露光過多でない限り、得られた画像データに対する画像処理を行うことで、白黒のコントラストが適切な画像を得ることができる。そして、これが撮影に放射線画像撮影装置を用いることのメリットの1つであるが、逆に、そのようなメリットがあるため放射線画像撮影装置で撮影された画像データに基づく放射線画像を見ただけでは、その撮影が露光不足の状態で行われたのか露光過多の状態で行われたのか(すなわち照射された線量の過不足)を把握しづらいという問題があることが分かってきた。
また、近年、撮影の際に、被写体である患者に照射する放射線の線量を減らし、患者が無駄に多くの被曝をしないようにしようという機運が高まっている。そこで、IEC(International Electrotechnical Commission)により発行された国際規格IEC62494−1 Ed.1.0ではEI(Exposure Index)やEI(Target Exposure Index)等の指標が定義された。
この国際規格では、EIは、検出器(すなわちこの場合は放射線画像撮影装置)への入射線量指標と定義されており、EIは、検査項目(すなわち撮影部位等)等ごとの目標とするEI値と定義されている。そして、実際の撮影では、撮影におけるEIすなわち被写体を介して放射線画像撮影装置1に入射する放射線の線量が、病院等の施設ごとに予め決められたEIのうち当該撮影における撮影部位等について決められた目標値であるEIになるように、放射線発生装置から放射線が照射されて撮影が行われることになる。
特開平6−342099号公報
ところで、これを実現するためには、撮影ごとに、放射線発生装置から放射線画像撮影装置に実際にどれだけのEIすなわち線量の放射線が照射されたかを検出することが必要になる。しかし、上記の国際規格(IEC62494−1 Ed.1.0)の定義では、放射線画像においてEIを算出する際に関心領域(例えば後述する図8や図13のROI参照)を設定し、その関心領域内においてEIが算出される。なお、この定義においては、放射線画像においてEIを算出するための関心領域の選定等の仕方は放射線画像撮影装置のメーカーに委ねられている。
そして、関心領域におけるEIを算出するために、例えば、放射線画像撮影装置に線量計を取り付けることも考えられなくはないが、通常、関心領域は、撮影部位ごとに画像中に設定される位置が変わる。そして、設定され得る関心領域ごとに(すなわち各関心領域に対応する装置内の位置ごとに)それぞれ線量計を取り付けるのは、あまり現実的とは言い難い。
そのため、放射線発生装置から放射線画像撮影装置に対して照射された放射線の線量に対応する上記のEIが目標値EIに達したか否かの検出を、線量計等の新たな手段を設けない、放射線画像撮影装置の基本的な構成の下で行うように構成することが望ましい。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、放射線発生装置から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かの検出を、装置に新たな手段を設けることなく、装置の基本的な構成を利用して行うことが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
また、放射線画像撮影装置をこのように構成すると、後述するように、放射線画像撮影装置で得られた画像データに基づく放射線画像の生成処理の際に、放射線画像撮影装置で採用される線量の検出方法に対応する画像処理を行うことが必要になる。
そこで、本発明は、上記の放射線画像撮影装置により得られた画像データに対して適切な画像処理を行って、放射線画像を適切に生成することが可能な放射線画像撮影システムを提供することをも目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
複数の走査線および複数の信号線と、二次元状に配列された複数の放射線検出素子とで構成される検出部と、
前記各走査線にオン電圧とオフ電圧とをそれぞれ切り替えて印加する走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させ、オフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内に電荷を蓄積させるスイッチ素子と、
前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記走査駆動手段から前記各走査線にオン電圧を印加して前記各放射線検出素子から電荷を除去する前記各放射線検出素子のリセット処理を行わせ、
放射線発生装置から放射線の照射を開始する旨の信号を受信すると、前記各放射線検出素子のリセット処理を、即座に終了させ、または所定の処理を行った後で終了させ、前記走査駆動手段から前記各走査線にオン電圧を順次印加させて前記画像データの読み出し処理を開始させるとともに、前記放射線発生装置に放射線の照射を許容する旨を通知し、
撮影部位ごとに前記検出部内に設定される関心領域内の前記放射線検出素子から読み出した前記画像データが所定の閾値以上になった時点で、前記放射線発生装置に対して放射線の照射終了を指示することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
上記の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置で読み出された前記画像データを画像処理して放射線画像を生成する画像処理装置と、
を備え、
前記画像処理装置は、前記放射線画像撮影装置における前記各フレームで読み出された前記各画像データを前記放射線検出素子ごとに加算した値を、当該放射線検出素子の画像データとして前記画像処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影装置は、
複数の走査線および複数の信号線と、二次元状に配列された複数の放射線検出素子とで構成される検出部と、
前記各走査線にオン電圧とオフ電圧とをそれぞれ切り替えて印加する走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させ、オフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内に電荷を蓄積させるスイッチ素子と、
前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記走査駆動手段から前記各走査線にオン電圧を印加して前記各放射線検出素子から電荷を除去する前記各放射線検出素子のリセット処理を行わせ、
放射線発生装置から放射線の照射を開始する旨の信号を受信すると、前記各放射線検出素子のリセット処理を、即座に終了させ、または所定の処理を行った後で終了させ、
撮影部位ごとに前記検出部内に設定される関心領域を通る前記走査線のうちの所定の走査線には前記走査駆動手段からオン電圧を順次印加させて前記画像データの読み出し処理を開始させ、前記検出部内の、前記所定の走査線以外の前記各走査線には前記走査駆動手段からオフ電圧を印加させて電荷を蓄積させるとともに、前記放射線発生装置に放射線の照射を許容する旨を通知し、
読み出した前記画像データが所定の閾値以上になった時点で、前記放射線発生装置に対して放射線の照射終了を指示することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
上記の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置で読み出された前記画像データを画像処理して放射線画像を生成する画像処理装置と、
を備え、
前記画像処理装置は、前記放射線画像撮影装置における前記所定の走査線については、当該所定の走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データを破棄し、前記検出部上で当該所定の走査線の近傍の前記走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データに基づいて補間した値を、当該所定の走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データとして前記画像処理を行うことを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、放射線発生装置から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かの検出を、放射線画像撮影装置に線量計等の新たな手段を設けることなく、放射線画像撮影装置の基本的な構成を利用して行うことが可能となる。
そして、このようにして、放射線発生装置から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達した時点で、放射線発生装置からの放射線の照射が的確に停止されるため、国際規格IEC62494−1 Ed.1.0に則った撮影を行うことが可能となり、被写体である患者に照射する放射線の線量を的確に低減し、かつ、当該撮影で得られた画像データに基づいて適切な放射線画像を生成することが可能となる。
また、本発明のような方式の放射線画像撮影システムによれば、上記の放射線画像撮影装置により得られた画像データに対して適切な画像処理を行って、放射線画像を適切に生成することが可能となる。
放射線画像撮影装置の断面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 放射線画像撮影システムの構成例を示す図である。 各放射線検出素子のリセット処理において各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を表すタイミングチャートである。 第1の実施形態における画像データDの読み出し処理において各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を表すタイミングチャートである。 算出された画像データDの統計値Dstの時間的推移および目標統計値Dstを表すグラフである。 撮影部位と目標統計値Dst等の情報とを対応付けるテーブルの例を表す図である。 放射線画像や放射線画像撮影装置の検出部に設定される関心領域の例や走査線の位置等を表す図である。 (A)、(B)関心領域内の走査線にオン電圧が印加されて読み出された画像データDの統計値Dstの例を表すグラフである。 画像データDの読み出し処理の際に所定本数の走査線5ごとにオン電圧を順次印加するように構成した場合に各走査線にオン電圧を印加するタイミングを表すタイミングチャートである。 オフ状態のTFTを介して各放射線検出素子からそれぞれ電荷が信号線にリークすること等を表す図である。 ある走査線にオン電圧が印加されて放射線検出素子から電荷Qが信号線に放出される際にも他の各放射線検出素子からオフ状態のTFTを介して電荷が信号線にリークしていること等を表す図である。 第2の実施形態において関心領域を通る走査線の中から選択された所定の走査線の例を表す図である。 走査線5のラインL3、L6、L9が所定の走査線として選択された場合に撮影時に各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を表すタイミングチャートである。 (A)所定の走査線に対応する画素部分を線欠陥として扱うことを説明する図であり、(B)連続して生じた線欠陥の例を表す図である。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置として、シンチレーター等を備え、照射された放射線をシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換して放射線検出素子で画像データを得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレーター等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
また、以下では、センサーパネルが筐体内に収納されて持ち運び可能とされた、いわゆる可搬型の放射線画像撮影装置の場合について説明するが、例えば従来の、支持台等と一体的に形成された、いわゆる専用機型(固定型等ともいう。)の放射線画像撮影装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
[放射線画像撮影装置]
本実施形態に係る放射線画像撮影装置の基本的な構成等について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の断面図である。本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、図1に示すように、放射線が照射される側の面である放射線入射面Rを有する筐体2内に、シンチレーター3やセンサー基板4等で構成されるセンサーパネルSPが収納されて構成されている。また、図1では図示を省略するが、本実施形態では、筐体2には、その側面等に、データや信号等を外部装置との間で無線方式で送受信するためのアンテナや、接続された図示しないケーブル等を介して有線方式で送受信するためのコネクター等が設けられている。
図1に示すように、筐体2内には、基台31が配置されており、基台31の放射線入射面R側(以下、簡単に図中の上下方向にあわせて上面側等という。)に図示しない鉛の薄板等を介してセンサー基板4が設けられている。そして、センサー基板4の上面側に、照射された放射線を可視光等の光に変換するシンチレーター3を支持するシンチレーター基板34が、シンチレーター3がセンサー基板4に対向する状態で配置されている。
一方、基台31の下面側には、電子部品32等が配設されたPCB基板33やバッテリー24等が取り付けられている。このようにして、基台31やセンサー基板4等でセンサーパネルSPが形成されている。また、本実施形態では、センサーパネルSPと筐体2の側面との間に緩衝材35が設けられている。
次に、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図2は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図である。本実施形態では、センサー基板4はガラス基板で構成されており、センサー基板4の上面(すなわちシンチレーター3(図1参照)に対向する面)上に、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されており、複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されている。本実施形態では、放射線検出素子7はフォトダイオードが用いられているが、例えばフォトトランジスター等を用いることも可能である。そして、図2に示すように、複数の走査線5や複数の信号線6と二次元状に配列された複数の放射線検出素子7とが構成された領域が検出部Pとされる。
各放射線検出素子7の第1電極7aには、スイッチ素子である薄膜トランジスター(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8のソース電極8s(図2の「S」参照)が接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dおよびゲート電極8g(図2の「D」および「G」参照)は信号線6および走査線5にそれぞれ接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させる。また、走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を蓄積させるようになっている。
また、本実施形態では、図2に示すように、センサー基板4上で1列の各放射線検出素子7ごとに1本の割合で各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれバイアス線9が接続されている。そして、各バイアス線9は結線10に接続され、結線10はバイアス電源14に接続されており、バイアス電源14から結線10や各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bに逆バイアス電圧が印加されるようになっている。
一方、走査駆動手段15では、配線15cを介して電源回路15aからゲートドライバー15bにオン電圧とオフ電圧が供給されるようになっており、ゲートドライバー15bで走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間でそれぞれ切り替えるようになっている。
また、各信号線6は、各入出力端子11を介して読み出しIC16内に内蔵された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。本実施形態では、読み出し回路17は、主に増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサー21と、A/D変換器20とが設けられている。なお、図2では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。
そして、各放射線検出素子7のリセット処理の際には、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加し、オン状態とされたTFT8を介して各放射線検出素子7から電荷を信号線6に放出させ、読み出し回路17やその下流に電荷を流出させることで、各放射線検出素子7内に残存する電荷が各放射線検出素子7内から除去される。なお、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を一斉に(すなわち各ライン同時に)印加して、各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
また、各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理の際には、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加し、オン状態とされたTFT8を介して各放射線検出素子7から信号線6に放出された電荷を読み出し回路17の増幅回路18でその電荷量に応じた電圧値に変換して出力する。実際には、本実施形態では、読み出し回路17の増幅回路18の部分は、後述する図11等に示すように、オペアンプ18aとコンデンサー18bとが並列に接続された、いわゆるチャージアンプとして構成されており、各放射線検出素子7から放出された電荷が増幅回路18のコンデンサー18bに蓄積されると、オペアンプ18aが蓄積された電荷量に対応する電圧値を出力するようになっている。
そして、読み出し回路17の相関二重サンプリング回路19は、各放射線検出素子7から電荷が増幅回路18(実際には増幅回路18のコンデンサー18b)に流れ込む前および後に後述する制御手段22から送信されてくるパルス信号に基づいて、各放射線検出素子7から電荷が流れ込む前後に読み出し回路17から出力される電圧値をそれぞれ保持し、それらの差分をアナログ値の画像データDとして下流側に出力する。
このようにして、各読み出し回路17から出力されたアナログ値の各画像データDがアナログマルチプレクサー21を介してA/D変換器20に順次送信され、A/D変換器20でデジタル値の画像データDに順次変換されて記憶手段23に出力されて順次保存される。このようにして画像データDの読み出し処理が行われるようになっている。なお、各放射線検出素子7のリセット処理の際には、増幅回路18のコンデンサー18b(図11等参照)の両電極が図示しないスイッチにより短絡されるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
そして、制御手段22は、走査駆動手段15や読み出し回路17を制御して上記のように画像データDの読み出し処理を行わせるなど、放射線画像撮影装置1の各機能部の動作等を制御するようになっている。また、図2に示すように、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ41やコネクター39等が接続された通信手段40が接続されており、制御手段22により制御された通信手段40により、アンテナ41やコネクター39を介して外部装置との間で無線方式や有線方式でデータや信号等の送受信を行うようになっている。さらに、制御手段22には、走査駆動手段15や読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14等の各機能部に必要な電力を供給するバッテリー24等が接続されている。
なお、放射線画像撮影装置1では、後述する放射線発生装置55の放射線源52から被写体を介して放射線が照射されて放射線画像が行われると、撮影後、上記のようにして画像データDの読み出し処理が行われるが、通常、撮影の前や後に、放射線発生装置55から放射線を照射しない状態で、上記の画像データDの読み出し処理と同じシーケンスで各TFT8をオン/オフさせ、読み出し回路17等の読み出し動作を行わせて、オフセットデータOの読み出し処理が行われる。
このオフセットデータOは、上記のようにして読み出される画像データDに重畳されている、各放射線検出素子7内で発生する暗電荷(暗電流等ともいう。)に起因するオフセット分に対応するデータであり、後の画像処理において、画像データDからオフセットデータOを減算することで、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷にのみ起因する、いわゆる真の画像データDを算出するために用いられるデータである。
[放射線画像撮影システム]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1が用いられる放射線画像撮影システム50の構成例等について簡単に説明する。図3は、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の構成例を示す図である。図3では、放射線画像撮影システム50が撮影室R1内等に構築されている場合が示されている。
撮影室R1には、ブッキー装置51が設置されており、ブッキー装置51は、そのカセッテ保持部(カセッテホルダーやブッキー等ともいう。)51aに上記の放射線画像撮影装置1を装填して用いることができるようになっている。なお、図3では、ブッキー装置51として、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bが設置されている場合が示されている。
図3に示すように、撮影室R1には、被写体を介してブッキー装置51に装填された放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線発生装置55の放射線源52が少なくとも1つ設けられている。また、撮影室R1には、撮影室R1内の各装置等や撮影室R1外の各装置等の間の無線方式や有線方式での通信等を中継するための中継器54が設けられている。なお、本実施形態では、中継器54には、放射線画像撮影装置1が無線方式で画像データDや信号等の送受信を行うことができるように、アクセスポイント53が設けられている。
また、中継器54は、放射線発生装置55やコンソール58とも接続されており、中継器54には、放射線画像撮影装置1やコンソール58等から放射線発生装置55に送信するLAN(Local Area Network)通信用の信号等を放射線発生装置55用の信号等に変換し、また、その逆の変換も行う図示しない変換器が内蔵されている。
前室(操作室等ともいう。)R2には、放射線発生装置55の操作卓57が設けられており、操作卓57には、放射線技師等の操作者が操作して放射線発生装置55に対して放射線の照射開始等を指示するための曝射スイッチ56が設けられている。曝射スイッチ56には、図示しないボタンが設けられており、放射線技師等の操作者が曝射スイッチ56のボタンに対して1段目の操作(すなわちいわゆる半押し操作)を行うと、放射線発生装置55は放射線源52を起動させて放射線を照射することができる状態にする。
そして、操作者が曝射スイッチ56のボタンに対して2段目の操作(すなわちいわゆる全押し操作)を行うと、放射線発生装置55は、放射線画像撮影装置1に放射線の照射を開始する旨の信号(以下、照射開始信号という。)を送信し、それに応じて放射線画像撮影装置1からインターロック解除信号が送信されてくると、その時点で放射線源52から放射線を照射させるようになっている。
また、放射線発生装置55は、後述するように、放射線画像撮影装置1から放射線の照射終了を指示する信号が送信されてくると、直ちに放射線源52からの放射線の照射を停止させるようになっている。なお、放射線発生装置55は、放射線源52から適切な線量の放射線が照射されるように、放射線源52に対して管電流や照射時間等を設定するなど種々の制御を行うようになっている。
また、本実施形態では、コンピューター等で構成されたコンソール58が前室R2に設けられている。なお、コンソール58を撮影室R1や前室R2の外側や別室等に設けるように構成することも可能であり、適宜の場所に設置される。コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成される表示部58aが設けられており、また、図示しないマウスやキーボード等の入力手段を備えている。また、コンソール58には、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶手段59が接続され、或いは内蔵されている。
また、本実施形態では、コンソール58が、放射線画像撮影装置1で得られた画像データD等に基づいて放射線画像を生成するための画像処理装置として機能するようになっているが、画像処理装置を、コンソール58とは別体の装置として構成することも可能である。なお、以下、コンソール58が画像処理装置として機能する場合には、画像処理装置58として説明する。また、画像処理装置58における放射線画像の生成処理については後で説明する。
また、上記のように、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填して撮影に用いる代わりに、図示を省略するが、可搬型の放射線画像撮影装置1を、患者の身体にあてがったり、ベッドと患者の身体との間に挿入する等して、ブッキー装置51に装填されないいわば単独の状態で撮影に用いることも可能である。
そして、この場合は、上記のような撮影室R1に据え付けられた放射線発生装置55の代わりに、例えば、放射線源52や曝射スイッチ56等を含む放射線発生装置55やコンソール58、中継器54、アクセスポイント53等の必要な機器を搭載した回診車を、放射線画像撮影装置1等とともに撮影場所に持ち込んで撮影を行うように構成される。
本発明は、図3に示したように放射線画像撮影システム50が撮影室R1内等に構築されている場合も、或いは回診車に搭載される形で構築されている場合も、いずれも場合にも適用される。
[目標値EIの決め方について]
次に、放射線画像撮影装置1における本発明に特有の構成等について説明する。前述したように、放射線画像撮影においては、国際規格IEC62494−1 Ed.1.0で定義されるEI(前述したように被写体の撮影部位について設定される関心領域ROI(region of interest。後述する図8参照)に照射される放射線の線量に相当)が予め決められた目標値EIになるように、放射線発生装置55から放射線を照射させて撮影を行うことが求められている。
目標値EIは、病院等の施設が予め決めることになっているが、その具体的な決め方は、以下のようになると考えられている。すなわち、
(1)予め撮影部位ごとに放射線画像中のどの画素位置(すなわち画素の範囲)に関心領域ROIを設定するかを決める。この撮影部位ごとの関心領域ROIの設定は放射線画像撮影装置のメーカーが行う。なお、放射線画像中に関心領域ROIが設定されると、放射線画像撮影装置1側でも、検出部P(図2参照)内に、放射線画像中の関心領域ROI内の各画素に対応する各放射線検出素子7の範囲が決まる。そのため、以下、この放射線画像中の関心領域ROIに対応する検出部P内の放射線検出素子7の範囲も関心領域ROIという。
(2)病院等の施設が、予め、撮影部位(例えば胸部正面や腹部正面等の体幹部や手指や脚等の末梢部)ごとに、撮影条件(管電圧[kV]や管電流[mA]、照射時間[ms]、SID(Source Image receptor Distance。すなわち放射線源52の焦点と放射線画像撮影装置1とセンサー基板4上の検出部Pとの距離)[m]等)を適切な条件に設定する。
(3)上記の撮影条件の下で、対応する被写体の撮影部位に放射線を照射する。
(4)各放射線検出素子7から画像データDを読み出し、前述したようにオフセットデータOも読み出し、画像処理装置58で画像データDとオフセットデータOに基づいて放射線検出素子7ごとに真の画像データDを算出し、これらの真の画像データDに対してゲイン補正や欠陥画素補正、撮影部位に応じた階調処理等の精密な画像処理を行って放射線画像を生成する。
(5)生成した放射線画像に対して、その撮影部位に応じて上記のようにして予め設定されている関心領域ROIを設定する。
(6)関心領域ROI内の各画素の画素値から統計値を算出する。この統計値は、例えば平均値や中間値、最頻値等として定めることが可能であり、例えば、関心領域ROI内の各画素の画素値をヒストグラムに投票し、その投票結果から上記の統計値を算出することができる。
(7)算出した統計値を放射線の線量に変換し、それに対応するEIを算出し、算出したEIを当該撮影部位に対応するEIとして決定する。なお、この場合、EIは、RQA5線質、空気カーマ1uGyの条件で100になるように計算される。
そして、上記の目標値EIの算出を撮影部位ごとに行うことで、病院等の施設で予め決めておくことになる。
[本発明に特有の構成等について]
しかし、例えば撮影部位として腹部正面の撮影を行う場合、患者が太っていると、標準的な体型の患者に対して設定された撮影条件(すなわち管電圧や照射時間等)では撮影を適切に行うことができず、例えば管電圧をより高くする等して撮影を行う場合がある。このように、同じ撮影部位を撮影する場合でも、撮影ごとの撮影条件が、目標値EIを決定する際の撮影条件と必ずしも同じ撮影条件であるとは限らない。
そのため、上記のように放射線発生装置55から照射される放射線の線量に相当するEIを上記のようにして予め決められた目標値EIになるように放射線発生装置55から放射線を照射させて撮影を行うということは、実際の撮影に即して言えば、結局、放射線発生装置55から照射される放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達した時点で、放射線発生装置55からの放射線の照射を停止するように構成することになる。
そして、これを実現するためには、放射線画像撮影装置1で、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かを検出するように構成することが必要になる。
EIが目標値EIに達したか否かを検出するように構成するために、例えば、放射線画像撮影装置1に線量計を取り付けることが考えられる。しかし、上記のように撮影部位ごとに関心領域ROIが設定され、放射線画像上に設定される関心領域ROIは、その画素位置や大きさ(範囲)は撮影部位ごとに異なる。そのような場合に、関心領域ROIごとに、すなわち各関心領域ROIに対応する放射線画像撮影装置1内における関心領域ROIごとに、線量計をそれぞれ設けるのは必ずしも現実的とは言えない。
そのため、放射線画像撮影装置1に新たに線量計を取り付けるのではなく、上記で説明した放射線画像撮影装置1の基本的な構成を利用して、照射された放射線の線量に対応する各関心領域ROI内におけるEIがEIに達したか否かの検出を行うように構成することが望ましい。そして、本発明者が研究を重ねた結果、このように線量計等の新たな機器等を取り付けずに放射線画像撮影装置1の基本的な構成を利用してEIが目標値EIに達したか否かの検出を行うための構成を見出すことができた。
以下では、本発明者が見出した構成のうち、2つの構成について、実施形態を分けて説明する。また、各実施形態に係る放射線画像撮影装置1や放射線画像撮影システム50の作用についてもあわせて説明する。
[第1の実施の形態]
[構成の原理について]
まず、放射線画像撮影装置1の基本的な構成を利用して放射線発生装置55から照射された放射線に対応するEIが目標値EIに達したか否かを検出するための第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1の構成の原理について説明する。本実施形態では、放射線発生装置55からの放射線の照射中に放射線画像撮影装置1で前述した画像データDの読み出し処理を行い、読み出した画像データDに基づいて、照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かを検出するようになっている。以下、具体的に説明する。
この場合、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、コンソール58(図3参照)から、これから行う撮影に関する撮影部位等の情報が送信されてくると、その撮影部位に対応する関心領域ROIを検出部P(図2参照)上に設定する。すなわち、撮影部位に対応して放射線画像上に設定される関心領域ROIの画素位置に対応する検出部P内の各放射線検出素子の位置に関心領域ROIを設定する(後述する図7における「関心領域ROI」参照)。なお、この撮影部位に対応する関心領域ROIとしての検出部P内の各放射線検出素子の位置の情報をコンソール58から送信するように構成することも可能である。
そして、制御手段22は、撮影前(すなわち放射線発生装置55からの放射線の照射が開始される前)に、走査駆動手段15のゲートドライバー15b(図2参照)から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を印加して、前述した各放射線検出素子7のリセット処理を行わせる。その際、図4に示すように走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能であり、また、図示を省略するが、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を一斉に印加して各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
なお、図4や後述する図5等におけるフレームとは、放射線画像撮影装置1の検出部P(図2参照)そのものや検出部P上の全走査線5(すなわちいわゆる1フレーム分の走査線5)を表す文言であり、図4において、1フレーム分のリセット処理Rfとは、走査駆動手段15から検出部P上の各走査線5にオン電圧を順次印加して各放射線検出素子7のリセット処理を行うことを意味する。そして、本実施形態では、この1フレーム分のリセット処理Rfを繰り返し行うことで各放射線検出素子7のリセット処理を行うようになっている。
制御手段22は、続いて、前述したように放射線技師等の操作者が放射線発生装置55から放射線を照射させるために曝射スイッチ56(図3参照)のボタンを全押し(すなわち前述した2段目の操作)して放射線発生装置55から送信された放射線の照射を開始する旨の信号すなわち照射開始信号を受信すると、例えばその時点で行っている1フレーム分のリセット処理Rf(図4参照)を最後まで行った後で(すなわち走査線5の最終ラインLxにオン電圧を印加するまで行った後で)各放射線検出素子7のリセット処理を終了させる。
また、このように各放射線検出素子7のリセット処理を、その時点で行っている1フレーム分のリセット処理Rfを最後まで行う等の所定の処理を行った後で終了させる代わりに、1フレーム分のリセット処理Rfを行っている最中であっても、放射線発生装置55からの照射開始信号を受信した時点で即座に各放射線検出素子7のリセット処理を終了するように構成することも可能である。
そして、制御手段22は、このようにして各放射線検出素子7のリセット処理を終了すると、続いて、例えば図5に示すように、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加させて画像データDの読み出し処理を開始させる。また、それとともに、放射線発生装置55に放射線の照射を許容する旨を通知する(すなわち前述したインターロック解除信号を送信する)ように構成される。そして、放射線発生装置55は、インターロック解除信号を受信すると、放射線源52から放射線を照射させる。
なお、図5では、放射線の照射期間が斜線を付して示されており、放射線の照射が1フレーム目の読み出し処理中に終了する場合が示されているが、放射線の照射が2フレーム目以降にかかる場合もある。また、放射線の照射の開始が、2フレーム目以降になる場合もあり得る。さらに、図5では、画像データDの読み出し処理を、走査線5の最初のラインL1から最終ラインLxに向けてオン電圧を印加する走査線5を1ラインずつシフトさせて走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加する場合が記載されているが、実際のオン電圧の印加の仕方等の構成例については後で詳しく説明する。
そして、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記のようにして放射線の照射中に読み出した画像データDに基づいて、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かを検出するようになっている。
すなわち、本実施形態では、制御手段22は、上記のようにして走査駆動手段15や読み出し回路17等を制御して画像データDの読み出し処理を行わせ、読み出した画像データDを記憶手段23(図2参照)に保存すると同時に、上記のようにして検出部P上に設定した関心領域ROI内の各放射線検出素子7から読み出した画像データDの値に基づいて上記の検出処理を行うようになっている。
その際、事前に、撮影部位ごとの目標値EIと、その目標値EIに対応する画像データDの統計値Dst(以下、この統計値を目標統計値Dstという。)との関係を予め割り出しておき、制御手段22は、読み出される画像データDの統計値Dstが目標統計値Dstに達したか否かを判定するように構成される。読み出される画像データDの統計値Dstが目標統計値Dstに達したということは、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したことを意味する。
具体的には、事前に、上記の撮影部位ごとの目標値EIの決定処理(すなわち上記の(1)から(7)までの処理)を行う際、上記の(6)の処理では、(4)の処理で生成した放射線画像の各画素の画素値のうち、設定した関心領域ROI内の各画素の画素値を例えばヒストグラムに投票する等して平均値や中間値、最頻値等としてそれらの統計値を算出したが、それ以前の(4)の処理において放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7から画像データDを読み出した時点で、同様に、読み出した各画像データDのうち、上記ようにして設定した関心領域ROI内の各放射線検出素子7から読み出された画像データDをヒストグラムに投票する等して統計値Dstを算出する。
そして、これらの画像データDに基づいて最終的に(7)の処理でEIの目標値EIが決定されるため、上記のようにして算出した画像データDの統計値Dstは、結局、当該撮影部位における画像データDの統計値Dstの目標統計値Dstということになる。このようにして、撮影部位ごとに上記の(1)から(7)の各処理を行って目標値EIを決定する際に、関心領域ROIにおける画像データDの統計値Dstを算出しておくことで、撮影部位ごとの目標統計値Dstを予め割り出しておくことができる。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、撮影の際、上記のように放射線発生装置55から放射線を照射している最中に画像データDの読み出し処理を行わせて、読み出した画像データDを記憶手段23に保存していくが、それと同時に、関心領域ROI内の各放射線検出素子7から読み出した画像データDをヒストグラムに投票する等して画像データDの統計値Dstを算出する。そして、例えば図6に示すように、算出した画像データDの統計値Dstが、上記のようにして予め割り出された当該撮影部位の目標統計値Dstに達した(或いはそれを越えた)時点で、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したと判定する。
なお、図6の横軸nは、走査線5のライン番号を表す。すなわち、例えば図5に示したように、走査線5のラインL1〜La-1にオン電圧が順次印加されて画像データDの読み出し処理が行われている間は、放射線発生装置55からの放射線の照射が開始されていないため、図6に示すように、ライン番号a−1の走査線5のラインLa-1にオン電圧を印加して読み出された画像データDは0に近い値になる。
そして、放射線発生装置55からの放射線の照射が開始されると(図5の斜線部分参照)、図6に示すように、走査線5の各ラインLnに接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDから算出される統計値Dstが、放射線の照射開始後の経過時間が長いほど大きくなっていき、例えば走査線5のラインLbにオン電圧を印加して読み出された画像データDから算出される統計値Dstが目標統計値Dstに達する(或いはそれを越える)。そして、制御手段22は、その時点で、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したと判定する。
そして、本実施形態では、制御手段22は、読み出した画像データDの統計値Dstが、このように所定の閾値すなわち目標統計値Dst以上になった時点で、放射線発生装置55に対して放射線の照射終了を指示するようになっている。放射線発生装置55は、放射線画像撮影装置1から上記の指示を表す信号が送信されてくると、放射線源52からの放射線の照射を停止させる。そのため、図5に示したように、その時点で放射線の照射が終了させることが可能となる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、上記のように構成することで、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かの検出を、放射線画像撮影装置1に線量計等の新たな手段を設けることなく、放射線画像撮影装置1の基本的な構成を利用して行うことが可能となる。
そして、このようにして、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達した時点で、放射線発生装置55からの放射線の照射が的確に停止されるため、国際規格IEC62494−1 Ed.1.0に則った撮影を行うことが可能となり、被写体である患者に照射する放射線の線量を的確に低減し、かつ、当該撮影で得られた画像データDに基づいて適切な放射線画像を生成することが可能となる。
なお、目標統計値Dst等の情報を、予めコンソール58(図3参照)側で有しておき、撮影ごとに、コンソール58から当該撮影部位に対応する目標統計値Dst等の情報を放射線画像撮影装置1に送信するように構成することが可能である。この場合、コンソール58は、これらの情報を、例えば図7に示すようなテーブルの形で有しておくように構成することが可能である。そして、このように構成する場合は、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、コンソール58から送信されてきた目標統計値Dstの情報に基づいて上記の検出処理を行うように構成される。
また、撮影部位ごとの目標統計値Dst等の情報(図7参照)を、予め放射線画像撮影装置1の制御手段22が例えばROMに記憶させておく等して有しておくように構成することも可能である。このように構成する場合は、コンソール58から次の撮影に関する撮影部位等の情報が送信されてくると、それに基づいて放射線画像撮影装置1の制御手段22がその撮影部位に対応する目標統計値Dstの情報を読み出して上記の検出処理に用いるように構成される。なお、図7におけるテーブルでは、関心領域ROIが、放射線画像撮影装置1の検出部p上に矩形状に設定される関心領域ROIの、対角線上に位置する各頂点(すなわち隣り合わない各頂点)の各放射線検出素子7の位置を示すことによって特定されている。
[実際の撮影に適用する際の構成例について]
ところで、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の原理的な構成は、上記の通りであるが、これを実際の撮影に適用する際に生じ得る問題を解決するための構成例について、いくつか具体例を挙げて説明する。
[構成例1:画像データDの読み出し処理におけるオン電圧の印加の仕方について]
上記のように撮影部位ごとに設定される関心領域ROIが、例えば図8に示すように、放射線画像p中やそれに対応する放射線画像撮影装置1の検出部P(図2参照)中で狭い範囲に設定されるような場合がある。なお、図8における1、n、xは、それぞれライン番号が1、n、xの走査線5(すなわち走査線5のラインL1、Ln、Lx)を表している。
このような場合、図5に示したように、走査線5の最初のラインL1からオン電圧を順次印加して画像データDの読み出し処理を行うと、例えば図9(A)に示すように、関心領域ROI内の走査線5(図9(A)や後述する図9(B)ではライン番号がM〜Nの範囲の走査線5)にオン電圧が印加されて画像データDを読み出す時点では既に、読み出された画像データDの統計値Dstが目標統計値Dstを越えてしまっている可能性がある。
すなわち、画像データDの読み出し処理が開始された後、関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加されるまでに時間が長くかかると、関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加された時点では、読み出された画像データDの統計値Dstが目標統計値Dstを越えてしまい、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIを越えてしまっている可能性があるが、これでは放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達した時点で放射線発生装置55からの放射線の照射を停止させるという目的を達成することができない。
また、例えば図9(B)に示すように、関心領域ROI内の各走査線5にオン電圧が印加されて画像データDを読み出す時点では、画像データDの統計値Dstが目標統計値Dstに達しなかったが、オン電圧を走査線5の最終ラインLxに印加した後、再度、走査線5の最初のラインL1から順次印加して、再度、関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加されて画像データDを読み出す時点では、画像データDの統計値Dstが目標統計値Dstを越えてしまっている可能性がある。
このように、関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加された後、再び関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加されるまでに時間が長くかかる場合も、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達した時点で放射線発生装置55からの放射線の照射を停止させるという目的を達成することができなくなる。
そこで、例えば、画像データDの読み出し処理におけるオン電圧の印加の仕方を変えることによって、上記の問題が生じることを防止することができる。すなわち、画像データDの読み出し処理を行う際に、各走査線5にオン電圧を順次印加する順番を、図5に示したように走査線5の最初のラインL1から順に走査線5を1ラインずつシフトさせながらオン電圧を印加するのではなく、例えば図10に示すように、所定本数の走査線5ごとに、いわば飛び飛びにオン電圧を順次印加するように構成することが可能である。
この場合、例えば、前述した走査駆動手段15のゲートドライバー15b(図2参照)が、実機では、例えば128本や256本ずつ走査線5が接続された図示しない複数のゲートICで形成されていることを利用して、上記のようなオン電圧の印加の仕方を実現することができる。
すなわち、例えば走査線5が128本ずつ接続されたゲートICでゲートドライバー15bが形成されている場合、図10に示すように、例えば、1番目のゲートICの第1端子に接続されている走査線5のラインL1にオン電圧を印加して画像データDを読み出した次のタイミングで、2番目のゲートICの第1端子に接続されている走査線5のラインL129にオン電圧を印加して画像データDを読み出す。そして、次のタイミングでは、3番目のゲートICの第1端子に接続されている走査線5のラインL257にオン電圧を印加していくようにして、まず、各ゲートICの第1端子に接続されている走査線5にオン電圧を順次印加して画像データDを読み出す。
そして、最後のゲートICの第1端子に接続されている走査線5にオン電圧を印加した次のタイミングでは、1番目のゲートICの第2端子に接続されている走査線5のラインL2にオン電圧を印加して画像データDを読み出す。そして、その次のタイミングでは、2番目のゲートICの第2端子に接続されている走査線5のラインL130にオン電圧を印加していくようにして、各ゲートICの第2端子に接続されている走査線5にオン電圧を順次印加して画像データDを読み出す。例えば、このように構成することで、所定本数の走査線5ごとに飛び飛びにオン電圧を印加しながら画像データDの読み出し処理を行うように構成することができる。
このように構成することで、上記のように、画像データDの読み出し処理の開始後、関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加されるまでに時間が長くかかってしまったり(図9(A)参照)、或いは、関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加された後、再び関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加されるまでに時間が長くかかってしまうような事態(図9(B)参照)が生じることを的確に防止することが可能となる。
そして、上記のように構成することで、画像データDの読み出し処理を開始してから関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加されるまでの時間を短縮し、また、関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加された後、再び関心領域ROI内の走査線5にオン電圧が印加されるまでの時間を短縮することが可能となるため、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、上記のように、関心領域ROI内の各走査線5から読み出される画像データDの統計値Dstを的確に監視して、画像データDの統計値Dstが目標統計値Dstに達したか否かを的確に判定することが可能となる。そのため、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達した時点で放射線発生装置55からの放射線の照射を停止させるという目的を的確に達成することが可能となる。
なお、上記のように画像データDの読み出し処理において所定本数の走査線5ごとにオン電圧を印加するように構成する際の所定本数を、撮影部位ごとに変えるように構成することも可能である。
[構成例2:オフセットデータOを除去することについて]
一方、上記の原理的な構成では、読み出された画像データDの統計値Dstに基づいて、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かの検出処理を行うことについて説明したが、前述したように、読み出される画像データDには、暗電荷に起因するオフセット分が重畳されている。そして、このオフセット分は、各放射線検出素子7(図2参照)の温度等に依存して増減し、放射線検出素子7に同じ線量の放射線が照射されても、このオフセット分の増減により、読み出される画像データDの値が大きくなったり小さくなったりする。
そこで、上記のように、読み出される画像データDの統計値Dstに基づいて検出処理を行う代わりに、読み出された画像データDから前述したオフセットデータOを減算して除去し、算出された真の画像データD(D=D−O)やその統計値Dstに基づいて検出処理を行うように構成することが可能である。
真の画像データDは、暗電荷に起因するオフセット分には依存せず、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷のみに依存する値であるため、真の画像データDの統計値Dstに基づいて検出処理を行うように構成することで、画像データDの統計値Dstに基づいて検出処理を行う場合に比べて、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かの検出処理をより的確に行うことが可能となる。
なお、この場合、例えば、上記のように、放射線画像撮影装置1が、放射線発生装置55からの照射開始信号を受信して、各放射線検出素子7のリセット処理を行う状態から画像データDの読み出し処理を行う状態に切り替えた後、すぐに放射線発生装置55にインターロック解除信号を送信するのではなく、放射線発生装置55から放射線が照射されない状態で1フレーム分或いは数フレーム分の読み出し処理(図5参照)を行ってオフセットデータOを読み出しておいてから放射線発生装置55にインターロック解除信号を送信するように構成することが可能である。
その場合、前述したように、オフセットデータOの読み出し処理は、放射線発生装置55から放射線を照射しない状態で、画像データDの読み出し処理と全く同じシーケンスで各TFT8をオン/オフさせ、読み出し回路17等の読み出し動作を行わせることで行うことができる。そのため、上記のように、放射線発生装置55から放射線が照射されない状態で画像データDの読み出し処理を行った場合に読み出されるデータがオフセットデータOということになる。
このように構成すれば、読み出した1フレーム分のオフセットデータOを用い、或いは読み出した1フレーム分のオフセットデータOの各放射線検出素子7ごとの平均値をオフセットデータOとして用いて、上記のようにして真の画像データDやその統計値Dstを算出することが可能となる。
また、例えば、オフセットデータOを、画像データDの読み出し処理の後に行うように構成されている場合、上記の検出処理を行う際には、まだオフセットデータOが読み出されておらず真の画像データD等の算出に使用することができない。そこで、そのような場合には、例えば仮のオフセットデータOを予め各放射線検出素子7ごとに設定しておき、この仮のオフセットデータOを用いて、上記のようにして真の画像データDやその統計値Dstを算出することも可能である。
[構成例3:TFT8を介してリークする電荷に対する措置について]
[構成例3−1:TFT8を遮光することについて]
また、各放射線検出素子7から読み出される画像データDには、上記のような暗電荷に起因するオフセット分(或いはそれに対応するオフセットデータO)のほか、他の放射線検出素子7からTFT8を介してリークする電荷に起因するデータ(以下、このデータをリークデータdleakという。)も重畳されている。
すなわち、TFT8は、走査線5を介して走査駆動手段15のゲートドライバー15bからオフ電圧を印加されることでオフ状態とされるが、図11に示すように、この状態でも、放射線検出素子7内に蓄積された電荷の信号線6への流出を完全に阻止することができず、僅かながら各TFT8を介して各放射線検出素子7(…、7i-1、7i、7i+1、7i+2、…)からそれぞれ電荷qが信号線6に流出する。
そして、増幅回路18を含む読み出し回路17に画像データDの読み出し処理の場合と同じ読み出し動作を行わせた場合に読み出される、これらの電荷qに対応するデータがリークデータdleakである。すなわち、リークデータdleakとは、各TFT8をオフ状態とさせた状態で読み出し回路17に読み出し動作を行わせた場合に読み出されるデータであり、読み出し回路17が接続されている信号線6に接続されている各放射線検出素子7から各TFT8を介してリークした電荷qの合計値に相当するデータである。
また、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると、照射された放射線がシンチレーター3(図1参照)で可視光等の光に変換されて放射線検出素子7に照射され、放射線検出素子7内で放射線の照射に起因する電荷が発生するが、その光がTFT8に到達すると、TFT8を介して信号線6にリークする電荷qの量が増加することが分かっている(例えば国際公開第2011/135917号パンフレット等参照)。そのため、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると、読み出されるリークデータdleakの値も大きくなる。
ここで、このような状況の下で、上記のように放射線検出素子1に放射線が照射されている最中にゲートドライバー15bから走査線5にオン電圧を順次印加して画像データDの読み出し処理を行う場合を考える。そして、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから各走査線5にオン電圧を順次印加していき、例えば走査線5のラインLiにオン電圧が印加されたとする。
この場合、図12に示すように、オン電圧が印加された走査線5のラインLiに接続されているTFT8がオン状態となり、放射線検出素子7i内に蓄積された電荷Qが信号線6に放出されて増幅回路18のコンデンサー18bに流入することで、放射線検出素子7iからの画像データDの読み出し処理が行われる。しかし、その際、上記のように、この信号線6に接続されている他の各TFT8(すなわちオフ状態の各TFT8)を介して各放射線検出素子7(…、7i-1、7i+1、7i+2、…)からリークした電荷qもそれぞれ増幅回路18のコンデンサー18bに流れ込む。
そのため、放射線検出素子7iから読み出される画像データD(図12参照)にはリークデータdleak(図11参照)が重畳されていることになる。そして、上記のように、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されるとリークデータdleakの値も大きくなり、放射線検出素子7やTFT8の構成等によっては画像データDに比較的大きなリークデータdleakが重畳されている可能性がある。そして、そのような場合、上記のように放射線画像撮影装置1から放射線発生装置55に対して放射線の照射終了を指示するタイミングが最適なタイミングからずれてしまう可能性がある。
そこで、このような問題が生じることを回避する方法の1つとしては、TFT8にシンチレーター3からの光が到達しないようにするために、例えばTFT8のシンチレーター3に対向する側に遮光剤を塗布したり、遮光層を形成したりすることで、TFT8を遮光するように構成することが可能である。
このように構成すれば、遮光されたTFT8を介して各放射線検出素子7から信号線6にリークする電荷qを非常に小さくすることが可能となり、読み出される画像データDに重畳されるリークデータdleakを非常に小さくして、上記のタイミングに与える影響を無視できる程度に小さくすることが可能となる。そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、読み出された画像データD(或いは真の画像データD)やその統計値Dst(或いは統計値Dst)に基づいて放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かを的確に判定して、適切なタイミングで放射線発生装置55に対して放射線の照射終了を指示することが可能となる。
[構成例3−2:リークデータdleakの検出等について]
また、上記のようにTFT8を遮光する代わりに、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、画像データDの読み出し処理においてゲートドライバー15bからある走査線5(例えば走査線5のラインLi(図12参照))にオン電圧を印加させる直前または直後の全てのTFT8がオフ状態とされている時点(図11参照)で読み出し回路17を制御してリークデータdleakの読み出し処理を行わせ、読み出したリークデータdleakを、当該走査線5に接続された各放射線検出素子7から読み出された画像データD(或いは真の画像データD。以下同じ)から減算したデータを用いて上記の検出処理を行うように構成することも可能である。
すなわち、このように構成する場合、放射線が照射されている最中に、いずれかの走査線5にオン電圧が印加されて行われる画像データDの読み出し処理と、全てのTFT8がオフ状態とされた状態で行われるリークデータdleakの読み出し処理とが交互に行われる状態になる。
そして、このように構成すれば、読み出された画像データDからリークデータdleakを減算することで、画像データDに重畳されているリークデータdleakの影響を除去することが可能となる。そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、画像データDからリークデータdleakを減算して算出されるデータやその統計値に基づいて放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かを的確に判定して、適切なタイミングで放射線発生装置55に対して放射線の照射終了を指示することが可能となる。
[構成例4:本実施形態における放射線画像の生成処理について]
[構成例4−1:放射線画像撮影装置側の構成]
ところで、本実施形態のように、放射線発生装置55から放射線を照射している最中に放射線画像撮影装置1で画像データDの読み出し処理を行うように構成すると、例えば前述した図5を見れば分かるように、放射線の照射が始まる前に読み出し処理が終了している走査線5(図5では走査線5のラインL1〜La-1)や、放射線の照射中に読み出し処理が行われる走査線5(図5では走査線5のラインLa〜Lb)や、放射線の照射が終了した後で読み出し処理が行われる走査線5(図5では走査線5のラインLb+1〜Lx)ができる。
なお、以下では、図5に示したように、1フレーム分の読み出し処理を、走査線5の最初のラインL1から順に最終ラインLxまでオン電圧を印加して画像データDを読み出すように構成する場合について説明するが、図10に示したように、所定本数の走査線5ごとにオン電圧を順次印加して1フレーム分の読み出し処理を行うように構成する場合も同様に説明される。
上記の場合、放射線の照射が終了した後で読み出し処理が行われる走査線5のラインLb+1〜Lxに接続されている各放射線検出素子7については、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を当該フレームでの読み出し処理(図5の場合は1フレーム目の読み出し処理)で読み出すことができる。そのため、当該フレームでの読み出し処理で読み出された画像データDを、当該放射線検出素子7の画像データDとすることができる。
しかし、放射線の照射が始まる前に読み出し処理が終了している走査線5のラインL1〜La-1に接続されている各放射線検出素子7については、1フレーム目の読み出し処理では、放射線の照射前にすでに読み出し処理が終了してしまっている。そのため、その次の2フレーム目の読み出し処理で、当該放射線検出素子7から画像データDを読み出すしかない。
また、放射線の照射中に読み出し処理が行われる走査線5のラインLa〜Lbに接続されている各放射線検出素子7については、1フレーム目の読み出し処理で、それまでの放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷が読み出されるが、読み出し処理後も放射線の照射が続く。そのため、1フレーム目の読み出し処理後の放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷は、2フレーム目の読み出し処理で読み出すしかない。すなわち、放射線の照射中に読み出し処理が行われる走査線5のラインLa〜Lbに接続されている各放射線検出素子7については、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷が、1フレーム目の読み出し処理と2フレーム目の読み出し処理の2回に分けて読み出されることになる。
そこで、本実施形態の上記の構成、すなわち放射線の照射中に画像データDの読み出し処理を行う構成を採用した場合に上記のような現象が生じることを考えると、結局、図5の場合には、1フレーム目で読み出された画像データDと2フレーム目で読み出された画像データDとを加算すれば本来の画像データDを復元することができる。
また、放射線の照射が複数フレームに跨る場合には、放射線の照射が開始されてから終了するまでの各フレームの読み出し処理と、さらに1フレーム分の読み出し処理を行い、各フレームで読み出された画像データDを加算すれば、本来の画像データDを復元することが可能となる。なお、前述したように、各フレームで読み出される画像データDにはそれぞれオフセットデータO(およびリークデータdleak)が重畳されているため、それらを除去する処理が必要になるが、その処理については後で説明する。
以上のことを実現するために、本実施形態の上記の構成を採用する場合には、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記のようにして放射線検出素子7から読み出した画像データD(或いは真の画像データD)やその統計値Dst(或いは統計値Dst)に基づいて放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したと判定し、放射線発生装置55に対して放射線の照射終了を指示した時点以降も、当該フレームの読み出し処理(図5の場合は1フレーム目の読み出し処理)を続行する。
そして、当該フレームの読み出し処理が終了すると、さらに1フレーム分の読み出し処理(図5の場合は2フレーム目の読み出し処理)を行わせるように構成することが望ましい。
そして、このようにして、放射線の照射が開始されてから終了するまでの各フレームの読み出し処理と、さらに1フレーム分の読み出し処理を行うと、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、各フレームごとに読み出した各画像データDと、前述したオフセットデータO(およびリークデータdleak)を画像処理装置58(本実施形態では画像処理装置としてのコンソール58)に送信する。なお、以下で説明する真の画像データDの算出までを放射線画像撮影装置1で行って真の画像データDを画像処理装置58に送信するように構成することも可能である。
[構成例4−2:画像処理装置側の構成]
そして、画像処理装置58は、放射線画像撮影装置1から各フレームごとの各画像データDとオフセットデータO(およびリークデータdleak)が送信されてくると、各フレームで読み出された各画像データDを放射線検出素子7ごとに加算し、加算した値を当該放射線検出素子7の画像データDとする。
また、前述したように、各フレームで読み出される画像データDにはそれぞれオフセットデータO(およびリークデータdleak)が重畳されているため、オフセットデータO(およびリークデータdleak)を全フレーム数(放射線の照射が開始されてから終了するまでのフレーム数+1フレーム)倍し、上記のように加算して算出した放射線検出素子7の画像データDから減算して、放射線検出素子7ごとに真の画像データDを算出する。そして、算出した真の画像データDに対してゲイン補正や欠陥画素補正、撮影部位に応じた階調処理等の精密な画像処理を行って放射線画像を生成するように構成される。
放射線画像撮影装置1において本実施形態の上記の構成を採用すると、上記のように、各放射線検出素子7から本来読み出されるべき画像データDが、各フレームの読み出し処理で分割されて読み出されることになるが、このように構成すれば、放射線画像撮影装置1で各フレームごとに得られた画像データDから本来の画像データDを復元することが可能となり、復元した画像データDに対して適切な画像処理を行って放射線画像を適切に生成することが可能となる。
[第2の実施の形態]
上記のように、放射線画像撮影装置1の基本的な構成を利用して放射線発生装置55から照射された放射線に対応するEIが目標値EIに達したか否かを検出するための構成として、上記の第1の実施形態では、図5や図10等に示したように、放射線発生装置55(図3参照)から放射線画像撮影装置1に放射線を照射している最中に、放射線画像撮影装置1の検出部P(図2参照)内の全ての走査線5を対象として、各走査線5にオン電圧を順次印加して画像データDの読み出し処理を行い、関心領域ROI内の各放射線検出素子7から読み出した画像データD(或いは真の画像データD)やその統計値Dst(或いは統計値Dst)に基づいて放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かを判定するように構成する場合について説明した。
第2の実施形態では、第1の実施形態の場合と同様に、放射線発生装置55から放射線を照射している最中に放射線画像撮影装置1で画像データDの読み出し処理を行うが、第1の実施形態のように、放射線画像撮影装置1の検出部P内の全ての走査線5を対象として、各走査線5にオン電圧を順次印加して画像データDの読み出し処理を行うのではなく、例えば図13に示すように、関心領域ROIを通る走査線5の中から所定の走査線5を選択し、これらの所定の走査線5にのみオン電圧を順次印加して画像データDの読み出し処理を行うように構成する場合について説明する。
そして、所定の走査線5以外の走査線5(なおこの所定の走査線5以外の走査線5には関心領域ROI内の所定の走査線5以外の走査線5だけでなく関心領域ROI以外の領域の走査線5も含む。)については、放射線が照射されている最中は画像データDの読み出し処理を行わず、走査駆動手段15のゲートドライバー15bからオフ電圧を印加し、TFT8をオフ状態にして、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を各放射線検出素子7内に蓄積させるように構成される。
なお、上記の所定の走査線5を撮影部位ごと(すなわち関心領域ROIごと)に選択するように構成することも可能であり、また、撮影部位ごとに設定される関心領域ROIのいずれの関心領域ROIにも、必ず少なくとも1本或いは所定本数の所定の走査線5が含まれるように、上記の所定の走査線5を予め決めておくように構成することも可能である。
以下、具体的に説明する。図14は、例えば走査線5のラインL3、L6、L9が上記の所定の走査線5として選択された場合に、撮影時に各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を表すタイミングチャートである。なお、図14においても、放射線の照射期間が斜線を付して示されている。また、以下の第2の実施形態の説明においても、第1の実施形態で説明した原理からの変形等を適宜採用することが可能である。
この場合も、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、コンソール58から、これから行う撮影に関する撮影部位等の情報が送信されてくると、その撮影部位に対応する関心領域ROIを検出部P上に設定する(図13等参照)。そして、制御手段22は、撮影前に、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を印加して各放射線検出素子7のリセット処理を行わせる。
そして、制御手段22は、放射線技師等の操作者が放射線発生装置55の曝射スイッチ56のボタンを全押しして放射線発生装置55からの照射開始信号を受信すると、その時点で行っている1フレーム分のリセット処理Rf(図4参照)を最後まで行った後で(すなわち走査線5の最終ラインLxにオン電圧を印加するまで行った後で)各放射線検出素子7のリセット処理を終了させる。
上記の第1の実施形態では、この後、制御手段22は、図5に示したように、走査駆動手段15から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加させて画像データDの読み出し処理を開始させた。しかし、第2の実施形態では、図14に示すように、制御手段22は、この時点で、所定の走査線5(図14では走査線5のラインL3、L6、L9)にはゲートドライバー15bからオン電圧を順次印加させて画像データDの読み出し処理を開始させるが、検出部P内の、所定の走査線5以外の他の各走査線5にはゲートドライバー15bからオフ電圧を印加させて各放射線検出素子7内に電荷を蓄積させる電荷蓄積状態に移行させる。
そして、制御手段22は、それとともに、放射線発生装置55に放射線の照射を許容する旨を通知する(すなわち前述したインターロック解除信号を送信する)ように構成される。そして、放射線発生装置55は、インターロック解除信号を受信すると、放射線源52から放射線を照射させる。
そして、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記のようにして放射線の照射中に、所定の走査線5にオン電圧を印加して、所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出した画像データD(或いは真の画像データD。以下同じ)やその統計値Dst(或いは統計値Dst。以下同じ)に基づいて、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かを検出するようになっている。この検出処理については、第1の実施形態と同様である。
そして、本実施形態においても、制御手段22は、読み出した画像データDの統計値Dstが所定の閾値以上になった時点で、放射線発生装置55に対して放射線の照射終了を指示するように構成されるが、その際の所定の閾値も、第1の実施形態の場合と同様に目標統計値Dstとされ、上記のように撮影部位ごとに設定される。
そして、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、図14に示すように、上記のようにして放射線の照射を停止させた後、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加させて各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理を行うように構成される。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、上記のように構成することで、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かの検出を、放射線画像撮影装置1に線量計等の新たな手段を設けることなく、放射線の照射中に所定の走査線5にオン電圧を印加して読み出した画像データD等に基づいて行うことが可能となり、放射線画像撮影装置1の基本的な構成を利用して行うことが可能となる。
そして、このようにして、放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達した時点で、放射線発生装置55からの放射線の照射が的確に停止されるため、国際規格IEC62494−1 Ed.1.0に則った撮影を行うことが可能となり、被写体である患者に照射する放射線の線量を的確に低減し、かつ、当該撮影で得られた画像データDに基づいて適切な放射線画像を生成することが可能となる。
[実際の撮影に適用する際の構成例について]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1を実際の撮影に適用する際に生じ得る問題を解決するための構成例について具体例を挙げて説明する。なお、上記の第1の実施形態で説明した構成例1(図10等参照)や構成例2、構成例3−1、構成例3−2(図11、図12参照)については、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1にも適用することが可能である。
[構成例5:所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDに対する処理について]
[構成例5−1:画像処理装置側の構成]
上記の所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7については、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷の一部が、放射線の照射中の読み出し処理で画像データDとして読み出され、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷のうちの残りの電荷が、放射線の照射終了後の画像データDの読み出し処理で画像データDとして読み出される。
そのため、例えば第1の実施形態で説明した構成例4の場合と同様に、上記の所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDについて、放射線の照射中に読み出した画像データDと、放射線の照射終了後の画像データDの読み出し処理で読み出された画像データDとを加算して本来の画像データDを復元するように構成することも可能である。
しかし、本実施形態では、上記のように、所定の走査線5以外の走査線5に接続されている各放射線検出素子7の画像データDとして、放射線の照射終了後の1回の画像データDの読み出し処理で読み出された画像データDが用いられるのに対し、所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7の画像データDは、放射線の照射中の読み出し処理と、放射線の照射終了後の画像データDの読み出し処理の少なくとも2回の読み出し処理で読み出された画像データDが加算されて復元される。
そして、よく知られているように、加算する画像データDが増えるほど画像データDに重畳されるノイズが大きくなるため、上記のようにして得られた画像データD等に基づいて画像処理装置58で放射線画像pを生成すると、放射線画像p中の所定の走査線5に対応する画素部分に線状にノイズが大きな部分が現れる場合があり、放射線画像pが見づらいものになる場合がある。
そして、このように放射線画像p上にノイズが大きな画素部分が線状に現れると、読影医等がこの放射線画像pを見る際に、撮影されているはずの患者の病変部等がノイズのために見づらくなったり、或いは、本来は病変部等がないにもかかわらずノイズが大きな画素部分に病変部等が写っているように見えてしまい、誤診が生じる虞れがある。
そこで、そのような場合には、上記のように、所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7の画像データDを、複数回に分けて読み出された画像データDを加算して復元する代わりに、図15(A)に示すように、所定の走査線5(図5の場合は走査線5のラインL3、L6)に対応する画素部分をいわゆる線欠陥として扱うように構成する方が好ましい。
すなわち、画像処理装置58は、放射線画像撮影装置1における上記の所定の走査線5については、これらの所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDを破棄するように構成する。そして、検出部P上でこれらの所定の走査線5の近傍の、所定の走査線5ではない走査線5(すなわち例えば所定の走査線5が走査線5のラインL3であれば走査線5のラインL2、L4等、所定の走査線5が走査線5のラインL6であれば走査線5のラインL5、L7等)に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDに基づいて補間した値を、これらの所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDとする。
そして、これらの画像データDから真の画像データDを算出し、算出した真の画像データDに対してゲイン補正や欠陥画素補正、撮影部位に応じた階調処理等の精密な画像処理を行って放射線画像を生成するように構成することが可能である。このように構成すれば、上記のような問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
[構成例5−2:放射線画像撮影装置側の構成]
一方、上記の線欠陥が、例えば図10(B)に示すように、複数の走査線5に対応する画素部分で連続して生じると、患者の病変部等が、これらの連続して生じている線欠陥の部分に撮影される可能性が生じる。そして、仮に線欠陥が連続して生じている画素部分に患者の病変部等が撮影されていると、上記の画像処理では線欠陥の部分の画像データDは破棄されてしまうため、上記の画像処理で病変部等が撮影されているはずの画像データDが破棄されてしまうことになる。しかし、このような事態が生じないようにすべきことは言うまでもない。
そこで、本実施形態では、放射線画像撮影装置1において、上記の所定の走査線5を選択して設定する際に、所定の走査線5は、検出部P(図2参照)上で互いに隣接していない走査線5が選択されるように構成される。このように、所定の走査線5として、検出部P上で互いに隣接していない走査線5を選択するように構成することで、図10(B)に示したように線欠陥が連続して生じることを的確に防止することが可能となり、上記のように、放射線画像p中から撮影されているはずの病変部等が画像処理によってなくなってしまうことを的確に防止することが可能となる。
なお、上記の第1の実施形態では、放射線の照射中に読み出した画像データDを用いて(すなわち加算して)本来の画像データDを復元するため、放射線の照射中に読み出した画像データDを全て記憶手段23(図2参照)に保存するように構成した。しかし、本実施形態では、上記のように、所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDは、結局、破棄されてしまうため、放射線の照射中に所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDを記憶手段23に保存する必要はない。
すなわち、本実施形態の場合には、放射線の照射中に所定の走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データD(或いは真の画像データD)は、その統計値Dst(或いは統計値Dst)が閾値である目標統計値Dst以上になったか否か、すなわち放射線発生装置55から照射された放射線の線量に対応するEIが目標値EIに達したか否かを検出するためだけに用いられるように構成することが可能である。
[第1、第2の実施形態の変形例]
なお、上記の各実施形態では、撮影部位ごとに設定する関心領域ROIとして1つの領域を設定する場合について説明したが、例えば関心領域ROIをさらに複数の領域に分割して設定するように構成することも可能である。
そして、関心領域ROIを構成する複数の領域のうち、例えば1つの領域或いは全ての領域で読み出された画像データD(或いは真の画像データD。以下同じ)の統計値Dst(或いは統計値Dst。以下同じ)が閾値以上になった時点で放射線発生装置55からの放射線の照射を終了させるように構成することも可能であり、各領域での画像データDの統計値Dstの平均値や中間値、最頻値等が閾値以上になった時点で放射線発生装置55からの放射線の照射を終了させるように構成することも可能であり、検出処理の仕方は適宜決められる。
また、上記の各実施形態では、放射線画像撮影装置1と放射線発生装置55との間の信号等の送受信を、コンソール58等の他の機器も接続されている汎用の中継器54(図3参照)を介して行う場合について説明したが、放射線画像撮影装置1からの指示を確実に放射線発生装置55に伝達して放射線発生装置55からの放射線の照射を的確なタイミングで停止させるようにするために、例えば放射線画像撮影装置1と放射線発生装置55とを専用回線でつなぐように構成することも可能である。
さらに、上記の各実施形態において、「撮影部位ごとに関心領域ROIや閾値を設定する」という場合、これは必ずしも関心領域ROIや閾値を撮影部位ごとに異なる領域や値に設定することを意味するものではなく、異なる撮影部位に対して同じ関心領域ROIや閾値が設定される場合をあり得るものであり、撮影部位ごとに、当該撮影部位に適した関心領域ROIや閾値が設定される。
なお、本発明が上記の各実施形態や構成例等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 放射線画像撮影装置
3 シンチレーター
5 走査線
所定の走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ素子)
15 走査駆動手段
17 読み出し回路
22 制御手段
50 放射線画像撮影システム
55 放射線発生装置
58 コンソール(画像処理装置)
D 画像データ
真の画像データ
dleak リークデータ
Dst 目標統計値(閾値)
st 目標統計値(閾値)
O オフセットデータ
P 検出部
p 放射線画像
Q、q 電荷
ROI 関心領域

Claims (11)

  1. 複数の走査線および複数の信号線と、二次元状に配列された複数の放射線検出素子とで構成される検出部と、
    前記各走査線にオン電圧とオフ電圧とをそれぞれ切り替えて印加する走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させ、オフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内に電荷を蓄積させるスイッチ素子と、
    前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
    前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記走査駆動手段から前記各走査線にオン電圧を印加して前記各放射線検出素子から電荷を除去する前記各放射線検出素子のリセット処理を行わせ、
    放射線発生装置から放射線の照射を開始する旨の信号を受信すると、前記各放射線検出素子のリセット処理を、即座に終了させ、または所定の処理を行った後で終了させ、前記走査駆動手段から前記各走査線にオン電圧を順次印加させて前記画像データの読み出し処理を開始させるとともに、前記放射線発生装置に放射線の照射を許容する旨を通知し、
    撮影部位ごとに前記検出部内に設定される関心領域内の前記放射線検出素子から読み出した前記画像データが所定の閾値以上になった時点で、前記放射線発生装置に対して放射線の照射終了を指示することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記制御手段は、前記走査駆動手段から所定本数の前記走査線ごとにオン電圧を順次印加させて前記画像データの読み出し処理を行わせることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 複数の走査線および複数の信号線と、二次元状に配列された複数の放射線検出素子とで構成される検出部と、
    前記各走査線にオン電圧とオフ電圧とをそれぞれ切り替えて印加する走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させ、オフ電圧が印加されると前記放射線検出素子内に電荷を蓄積させるスイッチ素子と、
    前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
    前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記各放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記走査駆動手段から前記各走査線にオン電圧を印加して前記各放射線検出素子から電荷を除去する前記各放射線検出素子のリセット処理を行わせ、
    放射線発生装置から放射線の照射を開始する旨の信号を受信すると、前記各放射線検出素子のリセット処理を、即座に終了させ、または所定の処理を行った後で終了させ、
    撮影部位ごとに前記検出部内に設定される関心領域を通る前記走査線のうちの所定の走査線には前記走査駆動手段からオン電圧を順次印加させて前記画像データの読み出し処理を開始させ、前記検出部内の、前記所定の走査線以外の前記各走査線には前記走査駆動手段からオフ電圧を印加させて電荷を蓄積させるとともに、前記放射線発生装置に放射線の照射を許容する旨を通知し、
    読み出した前記画像データが所定の閾値以上になった時点で、前記放射線発生装置に対して放射線の照射終了を指示することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  4. 前記所定の走査線は、前記検出部上で互いに隣接していない前記走査線が選択されることを特徴とする請求項3に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記所定の閾値は、撮影部位ごとに設定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記制御手段は、
    放射線発生装置から放射線の照射を開始する旨の信号を受信すると、前記各放射線検出素子のリセット処理を終了させ、前記画像データの読み出し処理を開始させて、前記各放射線検出素子内で発生する暗電荷に起因するオフセット分に相当するオフセットデータを読み出させた後で、前記放射線発生装置に放射線の照射を許容する旨を通知し、
    読み出した前記画像データから前記オフセットデータを減算して算出した真の画像データが所定の閾値以上になった時点で、前記放射線発生装置に対して放射線の照射終了を指示することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  7. 照射された放射線を光に変換するシンチレーターを備え、
    前記スイッチ素子に前記シンチレーターからの光が到達しないように、前記スイッチ素子が遮光されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記画像データの読み出し処理において前記走査駆動手段から前記走査線にオン電圧を印加させる直前または直後の全ての前記スイッチ素子がオフ状態とされている時点で前記読み出し回路を制御して、前記スイッチ素子を介して前記放射線検出素子からリークする電荷をリークデータとして読み出すリークデータの読み出し処理を行わせ、
    読み出した前記リークデータを、当該走査線に接続された前記各放射線検出素子から読み出された画像データまたはそれに基づいて算出された真の画像データから減算したデータが前記所定の閾値以上になったか否かを判断することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  9. 前記検出部上の前記各走査線のうち、最初にオン電圧を印加する前記走査線から順に前記走査駆動手段からオン電圧を順次印加して前記画像データの読み出し処理を行い、最後にオン電圧を印加する順番の前記走査線にオン電圧を印加して前記画像データの読み出し処理を行うまでの読み出し処理を1フレーム分の読み出し処理という場合、
    前記制御手段は、
    撮影部位ごとに前記検出部内に設定される関心領域内の前記放射線検出素子から読み出した前記画像データが所定の閾値以上になった時点以降も前記画像データの読み出し処理を続行し、
    当該時点でオン電圧を印加して行った読み出し処理を含む1フレーム分の読み出し処理が終了すると、さらに1フレーム分の読み出し処理を行わせることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  10. 請求項9に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置で読み出された前記画像データを画像処理して放射線画像を生成する画像処理装置と、
    を備え、
    前記画像処理装置は、前記放射線画像撮影装置における前記各フレームで読み出された前記各画像データを前記放射線検出素子ごとに加算した値を、当該放射線検出素子の画像データとして前記画像処理を行うことを特徴とする放射線画像撮影システム。
  11. 請求項3に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置で読み出された前記画像データを画像処理して放射線画像を生成する画像処理装置と、
    を備え、
    前記画像処理装置は、前記放射線画像撮影装置における前記所定の走査線については、当該所定の走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データを破棄し、前記検出部上で当該所定の走査線の近傍の前記走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データに基づいて補間した値を、当該所定の走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データとして前記画像処理を行うことを特徴とする放射線画像撮影システム。
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