JP5672064B2 - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、装置自体で放射線の照射を検出して放射線画像撮影を行う放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号(すなわち画像データ)に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台と一体的に形成された、いわゆる専用機型として構成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納し、持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
このような放射線画像撮影装置では、例えば後述する図7等に示すように、通常、複数の放射線検出素子7が、検出部P上に二次元状(マトリクス状)に配列され、各放射線検出素子7にそれぞれ薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8で形成されたスイッチ手段が接続されて構成される。
そして、通常、放射線画像撮影は、放射線発生装置の放射線源から放射線画像撮影装置に対して、被験者の身体等の所定の撮影部位(すなわち胸部正面や腰椎側面等)を介した状態で放射線が照射されて行われる。
その際、放射線画像撮影装置の走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加して全てのTFT8をオフ状態とした状態で放射線を照射することで、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷が、各放射線検出素子7内に的確に蓄積される。
そして、放射線画像撮影の後、ゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して、各TFT8を順次オン状態として、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生して蓄積された電荷を各信号線6に順次放出させて、各読み出し回路17で画像データDとしてそれぞれ読み出すように構成される。
ところで、上記のように、放射線画像撮影が的確に行われるためには、放射線画像撮影装置に放射線が照射される際に、ゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxに適切にオフ電圧が印加され、スイッチ手段である各TFT8がオフ状態になることが必要となる。
そこで、例えば従来の専用機型の放射線画像撮影装置等では、放射線発生装置との間でインターフェースを構築し、互いに信号等をやり取りして、放射線画像撮影装置が走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加して電荷蓄積状態になったことを確認したうえで、放射線画像撮影装置が放射線源から放射線を照射させるように構成される場合が多い。
しかし、例えば、放射線画像撮影装置と放射線発生装置との製造メーカーが異なっているような場合には、両者の間でインターフェースを構築することが必ずしも容易でない場合があり、或いは、インターフェースを構築できない場合もある。
このように放射線画像撮影装置と放射線発生装置との間でインターフェースが構築されない場合、放射線画像撮影装置側から見ると、放射線源からどのようなタイミングで放射線が照射されるかが分からない。そのため、放射線源から放射線が照射されたことを、放射線画像撮影装置が自ら検出しなければならなくなる。
そこで、近年、このような放射線画像撮影装置と放射線発生装置との間のインターフェースによらずに、放射線が照射されたことを自ら検出するように構成された放射線画像撮影装置が種々開発されている。
例えば、特許文献4や特許文献5に記載の発明では、放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されて各放射線検出素子7内に電荷が発生すると、各放射線検出素子7から、各放射線検出素子7に接続されているバイアス線9(後述する図7等参照)に電荷が流れ出してバイアス線9を流れる電流が増加することを利用して、バイアス線9に電流検出手段を設けてバイアス線9内を流れる電流の電流値を検出し、その電流値に基づいて放射線の照射の開始等を検出することが提案されている。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 米国特許第7211803号明細書 特開2009−219538号公報
しかしながら、本発明者らの研究で、上記の手法は、バイアス線9が各放射線検出素子7の電極に接続されているため、電流検出手段で発生したノイズがバイアス線9を介して各放射線検出素子7に伝わり、放射線検出素子7から読み出される画像データDにノイズとして重畳される場合があるなど、必ずしも解決が容易でない問題があることが分かってきた。
そして、本発明者らは、放射線画像撮影装置自体で放射線が照射されたことを検出する別の手法について種々研究を重ねた結果、放射線画像撮影装置自体で放射線が照射されたことを的確に検出することが可能ないくつかの手法を見出すことができた。
ところで、後述するように、本発明者らが見出した新たな放射線の照射開始の検出方法では、放射線画像撮影前に、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して画像データdの読み出し処理を行う。なお、以下では、撮影直後に行われる本画像としての画像データDと区別して、この放射線画像撮影前に放射線の照射開始の検出用に読み出される照射開始検出用の画像データを、画像データdという。
そして、放射線画像撮影装置に放射線が照射されると、読み出される画像データdの値が上昇することを利用して、読み出された画像データdの値に基づいて放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されたことを検出するように構成される。
また、本発明者らが見出した別の新たな放射線の照射開始の検出方法では、放射線画像撮影前に、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから全ての走査線5にオフ電圧を印加して各TFT8をオフ状態とした状態で読み出し回路17に読み出し動作を行わせ、TFT8を介して放射線検出素子7からリークした電荷q(後述する図13参照)をリークデータdleakに変換するリークデータdleakの読み出し処理を行うように構成される。
そして、この場合も、放射線画像撮影装置に放射線が照射されると、読み出されるリークデータdleakの値が上昇するため、それを利用して、読み出されたリークデータdleakの値に基づいて放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されたことを検出するように構成される。
その際、後述するように、放射線画像撮影装置では、読み出した画像データdやリークデータdleakの値が閾値dthや閾値dleak_thを越えたか否かで放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されたか否かを判断する。そのため、閾値dthや閾値dleak_thを的確に設定できないと、放射線画像撮影装置において放射線の照射が開始されたと誤検出してしまう虞れがある。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影前に読み出される画像データやリークデータに関する閾値を的確に設定して、装置自体で放射線の照射開始を的確に検出することが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各小領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
オン電圧を印加する前記各走査線を切り替えながら前記各走査線にオン電圧を順次印加する走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記信号線に接続され、前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影前に、前記走査駆動手段から全ての前記走査線にオフ電圧を印加して前記各スイッチ手段をオフ状態とした状態で前記読み出し回路に読み出し動作を行わせて、前記スイッチ手段を介して前記放射線検出素子からリークした前記電荷をリークデータに変換するリークデータの読み出し処理を繰り返し行わせ、読み出した前記リークデータが閾値を越えた時点で放射線の照射が開始されたことを検出するとともに、
予め、装置に放射線が照射されない状態で前記リークデータの読み出し処理を所定回数行い、前記閾値を、読み出された前記各リークデータの平均値および前記各リークデータのゆらぎの度合に応じて予め設定することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各小領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
オン電圧を印加する前記各走査線を切り替えながら前記各走査線にオン電圧を順次印加する走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記信号線に接続され、前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影前に、前記走査駆動手段から前記各走査線にオン電圧を順次印加して前記画像データの読み出し処理を繰り返し行わせ、読み出した前記画像データが閾値を越えた時点で放射線の照射が開始されたことを検出するとともに、
予め、装置に放射線が照射されない状態で前記画像データの読み出し処理を所定回数行い、前記閾値を、読み出された前記各画像データの平均値および前記各画像データのゆらぎの度合に応じて予め設定することを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、読み出した各リークデータdleakや画像データdの平均値と各リークデータdleak等のゆらぎの度合とに応じて閾値を予め設定する。そのため、放射線が照射されない状態で読み出された各リークデータdleak等の値が平均値を中心としてゆらいでも、閾値を越えないようにすることが可能となる。そのため、ゆらいだリークデータdleak等の値が閾値を越えてしまい放射線の照射が開始されたと誤検出するような事態が生じることを、的確に防止することが可能となる。
また、例えば、各リークデータdleak等の平均値やゆらぎの度合に応じて閾値を適切に設定することで、放射線源における放射線の強度の立ち上がりが遅い場合等でも、放射線の照射により大きな値になったリークデータdleak等が閾値を的確に越えるようになる。そのため、このような適切な閾値に基づいて、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射が開始されたことを、遅滞なく的確に検出することが可能となる。
本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。 図1におけるX−X線に沿う断面図である。 放射線画像撮影装置のコネクタにケーブルのコネクタを接続した状態を表す斜視図である。 放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。 図4の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 フレキシブル回路基板やPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 各放射線検出素子のリセット処理における電荷リセット用スイッチやTFTのオン/オフのタイミングを表すタイミングチャートである。 画像データの読み出し処理における電荷リセット用スイッチ、パルス信号、TFTのオン/オフのタイミングを表すタイミングチャートである。 TFTを介して各放射線検出素子からリークした各電荷がリークデータとして読み出されることを説明する図である。 リークデータの読み出し処理における電荷リセット用スイッチやTFTのオン/オフのタイミングを表すタイミングチャートである。 放射線画像撮影前にリークデータの読み出し処理と各放射線検出素子のリセット処理を交互に行うように構成した場合の電荷リセット用スイッチ、パルス信号、TFTのオン/オフのタイミングを表すタイミングチャートである。 検出方法1において各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を説明するタイミングチャートである。 読み出されるリークデータを時系列的にプロットしたグラフである。 検出方法2において放射線画像撮影前に画像データの読み出し処理が繰り返し行われる際の各走査線にオン電圧を順次印加するタイミングを表すタイミングチャートである。 放射線画像撮影前に画像データの読み出し処理における電荷リセット用スイッチ、パルス信号、TFTのオン/オフのタイミングおよびオン時間ΔTを表すタイミングチャートである。 検出方法2において各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を説明するタイミングチャートである。 図14において放射線の照射開始の検出後もリークデータの読み出し処理を続行するように構成した場合のタイミングチャートである。 放射線の照射が終了するとリークデータが減少することを示すグラフである。 放射線画像撮影装置に照射野が絞られた放射線が照射された場合を表す図である。 各読み出し回路で読み出されたリークデータの読み出しICごとの平均値の時間的推移の例を表すグラフである。 各リークデータの平均値および標準偏差に基づいて閾値を設定する方法を説明するグラフである。 各リークデータの平均値および最大値と最小値との差に基づいて閾値を設定する方法を説明するグラフである。 ゲートドライバに存在する非接続の端子を説明する図である。 ゲートドライバに非接続の端子が存在する場合に生じる現象を説明するグラフである。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
[放射線画像撮影装置の構成について]
図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図であり、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4等で構成されるセンサパネルSPが収納されている。
本実施形態では、筐体2のうち、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aは、放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されており、ハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで筐体2が形成されている。なお、筐体2をこのようないわゆるモノコック型として形成する代わりに、例えば、フロント板とバック板とで形成された、いわゆる弁当箱型とすることも可能である。
また、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や切替スイッチ38、コネクタ39、バッテリ状態や放射線画像撮影装置1の稼働状態等を表示するLED等で構成されたインジケータ40等が配置されている。
本実施形態では、コネクタ39は、例えば図3に示すように、ケーブルCaの先端に設けられたコネクタCが接続されることにより、例えば外部のコンソール等の装置との間でケーブルCaを介して信号等を送受信したり画像データD等を送信したりする際の有線方式の通信手段として機能するようになっている。なお、コネクタ39の設置位置は蓋部材2Bに限定されず、放射線画像撮影装置1の適宜の位置に設置することが可能である。
また、図示を省略するが、例えば筐体2の反対側の蓋部材2C等に、アンテナ装置41(後述する図7参照)が例えば蓋部材2Cに埋め込む等して設けられており、本実施形態では、このアンテナ装置41が、放射線画像撮影装置1とコンソール等との間で信号等の無線方式で送受信する場合の通信手段として機能するようになっている。
なお、アンテナ装置41の設置位置は蓋部材2Cに限定されず、放射線画像撮影装置1の任意の位置にアンテナ装置41を設置することが可能である。また、設置するアンテナ装置41は1個に限らず、複数設けることも可能である。
図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33やバッテリ24等が取り付けられている。また、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板34が配設されている。また、本実施形態では、センサパネルSPと筐体2の側面との間に、それらがぶつかり合うことを防止するための緩衝材35が設けられている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに対向する位置に設けられるようになっている。本実施形態では、シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図4に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。
基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた小領域rの全体、すなわち図4に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図4の拡大図である図5に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
放射線検出素子7は、放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で放射線から変換された可視光等の電磁波が照射されると、その内部で電子正孔対を発生させる。放射線検出素子7は、このようにして、照射された放射線(本実施形態ではシンチレータ3で放射線から変換された電磁波)を電荷に変換するようになっている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を蓄積させるようになっている。
本実施形態では、図5に示すように、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、図4に示すように、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で結線10に結束されている。
本実施形態では、図4に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう。)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bを構成するゲートIC15c等のチップがフィルム上に組み込まれたフレキシブル回路基板(Chip On Film等ともいう。)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
そして、フレキシブル回路基板12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1のセンサパネルSPが形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極7bにそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。また、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22により、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧が制御されるようになっている。
図7や図8に示すように、本実施形態では、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極7bにバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極7a側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
走査駆動手段15は、配線15dを介してゲートドライバ15bにオン電圧とオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧の間で切り替えて各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えるゲートドライバ15bとを備えている。本実施形態では、ゲートドライバ15bは、複数の前述したゲートIC15c(図6参照)が並設されて構成されている。
図7や図8に示すように、各信号線6は、読み出しIC16内に内蔵された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。読み出し回路17は、増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とが設けられている。なお、図7や図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18は、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続され、オペアンプ18a等に電力を供給する電源供給部18dを備えたチャージアンプ回路で構成されている。増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。なお、基準電位Vは適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。また、オペアンプ18aと相関二重サンプリング回路19との間には、電荷リセット用スイッチ18cと連動して開閉するスイッチ18eが設けられており、スイッチ18eは、電荷リセット用スイッチ18cがオン/オフ動作と連動してオフ/オン動作するようになっている。
放射線画像撮影装置1で、各放射線検出素子7内に残存する電荷を除去するための各放射線検出素子7のリセット処理を行う際には、図9に示すように、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態(およびスイッチ18eがオフ状態)とされた状態で、各TFT8がオン状態とされる。
すると、オン状態とされた各TFT8を介して各放射線検出素子7から電荷が信号線6に放出され、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cを通過して、オペアンプ18aの出力端子側からオペアンプ18a内を通り、非反転入力端子から出てアースされたり、電源供給部18dに流れ出す。このようにして、各放射線検出素子7のリセット処理が行われるようになっている。
一方、各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理の際には、図10に示すように、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cがオフ状態(およびスイッチ18eがオン状態)とされた状態で、オン状態とされた各TFT8を介して各放射線検出素子7から電荷が信号線6に放出されると、電荷が増幅回路18のコンデンサ18bに蓄積される。
そして、増幅回路18では、コンデンサ18bに蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっており、増幅回路18により、各放射線検出素子7から流出した電荷が電荷電圧変換されるようになっている。
そして、増幅回路18の出力側に設けられた相関二重サンプリング回路(CDS)19は、各放射線検出素子7から電荷が流出する前に制御手段22からパルス信号Sp1(図10参照)が送信されると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持し、上記のように各放射線検出素子7から流出した電荷が増幅回路18のコンデンサ18bに蓄積された後に制御手段22からパルス信号Sp2が送信されると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持する。
そして、相関二重サンプリング回路19は、2回目のパルス信号Sp2で電圧値Vfiを保持すると、電圧値の差分Vfi−Vinを算出し、算出した差分Vfi−Vinをアナログ値の画像データDとして下流側に出力するようになっている。そして、相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データDは、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信され、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データDに変換されて記憶手段23に出力されて順次保存されるようになっている。
なお、1回の画像データDの読み出し処理が終了すると、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされ(図10参照)、コンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて、上記と同様に、放電された電荷がオペアンプ18aの出力端子側からオペアンプ18a内を通り、非反転入力端子から出てアースされたり、電源供給部18dに流れ出す等して、増幅回路18がリセットされる。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、図7等に示すように、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置41が接続されており、さらに、検出部Pや走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するためのバッテリ24が接続されている。また、バッテリ24には、図示しない充電装置からバッテリ24に電力を供給してバッテリ24を充電する際の接続端子25が取り付けられている。
前述したように、制御手段22は、走査駆動手段15や読み出し回路17等を制御して画像データDの読み出し処理や各放射線検出素子7のリセット処理等を行わせたり、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定したり可変させたりするなど、放射線画像撮影装置1の各機能部の動作を制御するようになっている。
[放射線の照射開始の検出の制御構成について]
次に、放射線画像撮影装置1の制御手段22における放射線の照射開始の検出処理の制御構成について説明する。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1と放射線発生装置との間でインターフェースが構築されず、放射線画像撮影装置1自体で放射線発生装置から放射線が照射されたことを検出するようになっている。以下、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1で行われる放射線の照射開始の検出の仕方について説明する。
なお、本実施形態に係る検出方法は、本発明者らの研究により新たに見出された検出方法であり、前述した特許文献4や特許文献5に記載されているように、装置内に電流検出手段を設けて電流検出手段からの出力値に基づいて放射線の照射開始等を検出する手法は採用されていない。本発明者らの研究により新たに見出された検出方法としては、例えば、下記の2つの検出方法のいずれかを採用することが可能である。
[検出方法1]
例えば、放射線画像撮影において放射線画像撮影装置1に放射線が照射される前に、リークデータdleakの読み出し処理を繰り返し行うように構成することも可能である。
ここで、リークデータdleakとは、図11に示すように、各走査線5にオフ電圧を印加した状態で、オフ状態になっている各TFT8を介して各放射線検出素子7からリークする電荷qの信号線6ごとの合計値に相当するデータである。
そして、リークデータdleakの読み出し処理では、図9に示した各放射線検出素子7のリセット処理や図10に示した画像データDの読み出し処理の場合と異なり、図12に示すように、走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加して各TFT8をオフ状態とした状態で、制御手段22から各読み出し回路17の相関二重サンプリング回路19(図7、8のCDS参照)にパルス信号Sp1、Sp2を送信するようになっている。
相関二重サンプリング回路19は、制御手段22からパルス信号Sp1が送信されると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持する。そして、増幅回路18のコンデンサ18bに各TFT8を介して各放射線検出素子7からリークする電荷qが蓄積されて増幅回路18から出力される電圧値が上昇し、制御手段22からパルス信号Sp2が送信されると、相関二重サンプリング回路19は、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持する。
そして、相関二重サンプリング回路19が電圧値の差分Vfi−Vinを算出して出力した値が、リークデータdleakとなる。リークデータdleakが、その後、A/D変換器20でデジタル値に変換されることは、前述した画像データDの読み出し処理の場合と同様である。
しかし、リークデータdleakの読み出し処理のみを繰り返し行うように構成すると、各TFT8がオフ状態のままとなってしまい、各放射線検出素子7内で発生した暗電荷が各放射線検出素子7内に蓄積され続ける状態になってしまう。
そのため、上記のように、放射線画像撮影前に、リークデータdleakの読み出し処理を繰り返し行うように構成する場合には、図13に示すように、各走査線5にオフ電圧を印加した状態で行うリークデータdleakの読み出し処理と、走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して行う各放射線検出素子7のリセット処理とを交互に繰り返し行うように構成することが望ましい。なお、図13や後述する図14等のTやτについては後で説明する。
このように放射線画像撮影前にリークデータdleakの読み出し処理と各放射線検出素子7のリセット処理とを交互に繰り返して行うように構成した場合、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、シンチレータ3(図2参照)で放射線から変換された電磁波が、各TFT8に照射される。そして、それにより、各TFT8を介して各放射線検出素子7からリークする電荷q(図13参照)がそれぞれ増加することが本発明者らの研究で分かった。
そして、例えば図14に示すように、放射線画像撮影前にリークデータdleakの読み出し処理と各放射線検出素子7のリセット処理とを交互に繰り返して行う場合、図15に示すように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始された時点で読み出されたリークデータdleakが、それ以前に読み出されたリークデータdleakよりも格段に大きな値になる。
なお、図14および図15では、図14で走査線5のラインL4にオン電圧が印加されてリセット処理が行われた後の4回目の読み出し処理で読み出されたリークデータdleakが、図15の時刻t1におけるリークデータdleakに対応する。また、図14において「R」は各放射線検出素子7のリセット処理を表し、「L」はリークデータdleakの読み出し処理を表す。
そこで、放射線画像撮影装置1の制御手段22で、放射線画像撮影前のリークデータdleakの読み出し処理で読み出されたリークデータdleakを監視するように構成し、読み出されたリークデータdleakが、例えば予め設定された所定の閾値dleak_th(図15参照)を越えた時点で、放射線の照射が開始されたことを検出するように構成することができる。
そして、この場合、制御手段22は、上記のようにして、放射線の照射が開始されたことを検出すると、図14に示したように、その時点で各走査線5へのオン電圧の印加を停止して、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧を印加させ、各TFT8をオフ状態にして、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を各放射線検出素子7内に蓄積させる電荷蓄積状態に移行させる。
そして、例えば放射線の照射開始を検出してから所定時間が経過した後、制御手段22は、放射線画像撮影前のリークデータdleakの読み出し処理で放射線の照射が開始されたことを検出した時点またはその直前にオン電圧が印加された走査線5(図14の場合は走査線5のラインL4)の次にオン電圧を印加すべき走査線5(図14の場合は走査線5のラインL5)からオン電圧の印加を開始し、各走査線5にオン電圧を順次印加させて、本画像としての画像データDの読み出し処理を行うように構成される。
なお、図14では、本画像としての画像データDの読み出し処理を、放射線の照射開始を検出した時点でオン電圧が印加された走査線5のラインLnの次にラインLn+1からオン電圧の印加を開始して行う場合を示したが、例えば、走査線5の最初のラインL1等からオン電圧の印加を開始して画像データDの読み出し処理を行うように構成することも可能である。
[検出方法2]
また、上記の検出方法1のように、放射線画像撮影前にリークデータdleakの読み出し処理を行うように構成する代わりに、放射線画像撮影前に、図16に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して、各放射線検出素子7からの画像データdの読み出し処理を繰り返し行うように構成することも可能である。
なお、撮影直後に行われる上記の本画像としての画像データDと区別して、以下、この放射線画像撮影前に放射線の照射開始の検出用に読み出される画像データを画像データdという。また、図16中において、1フレームとは、検出部P(図4や図7参照)上に二次元状に配列された1面分の各放射線検出素子7から画像データdの読み出し処理を行う期間をいう。
また、画像データdの読み出し処理における読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフや、相関二重サンプリング回路19へのパルス信号Sp1、Sp2の送信等は、図17に示すように、図10に示した画像データDの読み出し処理における処理と同様に行われる。なお、図17等におけるΔTについては後で説明する。
上記のように放射線画像撮影前に画像データdの読み出し処理を行うように構成した場合、図18に示すように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、その時点で読み出された画像データd(図18では走査線5のラインLnにオン電圧が印加されて読み出された画像データd)が、前述した図15に示したリークデータdleakの場合と同様に、それ以前に読み出された画像データdよりも格段に大きな値になる。
そこで、放射線画像撮影装置1の制御手段22で、放射線画像撮影前の読み出し処理で読み出された画像データdを監視するように構成し、読み出された画像データdが予め設定された所定の閾値dthを越えた時点で、放射線の照射が開始されたことを検出するように構成することができる。
そして、この場合、制御手段22は、上記のようにして、放射線の照射が開始されたことを検出すると、図18に示すように、その時点で各走査線5へのオン電圧の印加を停止して、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧を印加させ、各TFT8をオフ状態にして、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を各放射線検出素子7内に蓄積させる電荷蓄積状態に移行させる。
そして、例えば放射線の照射開始を検出してから所定時間が経過した後、制御手段22は、放射線画像撮影前の画像データdの読み出し処理で放射線の照射が開始されたことを検出した時点またはその直前にオン電圧が印加された走査線5(図18の場合は走査線5のラインLn)の次にオン電圧を印加すべき走査線5(図18の場合は走査線5のラインLn+1)からオン電圧の印加を開始し、各走査線5にオン電圧を順次印加させて、本画像としての画像データDの読み出し処理を行うように構成される。
なお、図18に示した場合においても、本画像としての画像データDの読み出し処理を、例えば走査線5の最初のラインL1等からオン電圧の印加を開始して行うように構成することが可能である。また、図18中のΔTやτについては後で説明する。
また、上記の検出方法1における閾値dleak_thや検出方法2における閾値dthの設定の仕方等については、後で詳しく説明する。
[放射線の照射終了の検出について]
例えば、上記の検出方法1において、図14に示したように、放射線の照射が開始されたことを検出した後、各走査線5にオン電圧を順次印加して行う各放射線検出素子7のリセット処理は停止して電荷蓄積状態に移行する。
そして、その際、例えば図19に示すように、電荷蓄積状態で、各走査線5にオフ電圧を印加して行うリークデータdleakの読み出し処理を続行するように構成して、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の終了を検出するように構成することも可能である。
放射線の照射開始検出後、リークデータdleakの読み出し処理を続行するように構成すると、電荷蓄積状態では既に放射線の照射が開始されているため、図20に示すように、読み出されるリークデータdleakは大きな値になっているが、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が終了すると、リークデータdleakは元の小さな値に戻る。
そのため、例えば時刻t2でリークデータdleakが閾値dleak_th以下の値になったことをもって放射線の照射が終了したことを検出することが可能となる。
なお、この場合の閾値dleak_thは、上記の検出方法1で放射線の照射開始を検出する際の閾値と同じ値dleak_thであってもよく、別の値として設定することも可能である。また、図20では、時刻t2で放射線の照射の終了を検出した後もリークデータdleakの読み出し処理を引き続き行ってリークデータdleakを読み出す場合が示されているが、実際には、下記のように、放射線の照射の終了を検出するとリークデータdleakの読み出し処理は停止される。
図20に示したように、リークデータdleakが閾値dleak_th以下の値になり、放射線の照射が終了したことが検出された時点(図19では「A」参照。図20の時刻t2に対応する。)で、各走査線5へのオン電圧の順次の印加を開始して本画像としての画像データDの読み出し処理を開始するように構成することが可能となる。
このように構成すれば、図19に示したように、放射線の照射の終了を検出した後、すぐに画像データDの読み出し処理を開始することが可能となり、画像データDの読み出し処理以降の処理を早期に行うことが可能となるといった利点がある。
なお、この電荷蓄積状態においてリークデータdleakの読み出し処理を行って放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の終了を検出する手法を、上記の検出方法2で行うように構成することも可能である。
[改良された放射線の照射開始の検出方法について]
ところで、上記の検出方法1、2は、以下のように改良することができる。なお、以下では、前述した検出方法1、すなわち放射線画像撮影前にリークデータdleakの読み出し処理を行い、読み出したリークデータdleakに基づいて放射線の照射開始を検出する場合について説明するが、上記の検出方法2についても同様にあてはまる。
上記の検出方法1を採用して放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を検出するように構成する場合、放射線画像撮影装置1の検出部P(図4や図7等参照)には、通常、数千本から数万本の信号線6が配線されており、各信号線6にそれぞれ読み出し回路17が設けられているため、1回のリークデータdleakの読み出し処理で読み出されるリークデータdleakの数は、数千個から数万個の数になる。
そして、それらの全てのリークデータdleakについて、上記のように閾値を越えたか否かを判断する処理を各読み出し処理ごとに行うように構成すると、処理が重くなり、リアルタイムで放射線の照射開始を検出することができなくなる虞れがある。そこで、以下のような検出手法を採用することが可能である。
[検出手法A]
読み出しIC16(図7参照)内には、例えば、128個や256個の読み出し回路17が形成されて内蔵されている。すなわち、1個の読み出しIC16には、128本や256本等の信号線6が接続されている。そして、1回のリークデータdleakの読み出し処理で、1個の読み出しIC16から各信号線6ごとに128個や256個のリークデータdleakが読み出される。
いま、仮に信号線6が4096本設けられており、1個の読み出しIC16に256個の読み出し回路17が内蔵されている(すなわち1個の読み出しIC16に256本の信号線6が接続されている)とすると、読み出しIC16の数は、全部で4096÷256=16個になる。
そこで、例えば、1回のリークデータdleakの読み出し処理で1つの読み出しIC16から出力されたリークデータdleakの合計値や平均値、中間値、最大値等(以下、これらを代表して平均値という。)を算出し、各読み出しIC16について算出したリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)が、それぞれ閾値を越えたか否かを判断するように構成することが可能である。
なお、平均値dleak_ave(z)中のzは、読み出しIC16の番号であり、上記の例では、読み出しIC16は16個設けられているため、zは1から16までの値をとる。
この検出手法Aのように構成すれば、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記の例で言えば、1回のリークデータdleakの読み出し処理で読み出される4096個のリークデータdleakについて各々閾値を越えたか否かを判断する必要がなくなり、各読み出しIC16から出力されたリークデータdleakの16個の平均値dleak_ave(z)について閾値を越えたか否かを判断するだけで済む。そのため、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始の判断処理が軽くなる。
[検出手法B]
また、さらに判断処理を軽くするために、制御手段22で、1回のリークデータdleakの読み出し処理で1つの読み出しIC16から出力されたリークデータdleakから算出した16個の平均値dleak_ave(z)の中から最大値を抽出し、リークデータdleakの平均値dleak_ave(z)の最大値が閾値を越えたか否かを判断するように構成することも可能である。
しかし、この場合、各読み出しIC16内の各読み出し回路17におけるデータの読み出し効率が問題になる場合がある。
すなわち、各読み出し回路17(図7等参照)のデータの読み出し効率は、通常、各読み出し回路17ごとに異なり、各放射線検出素子7から信号線6にリークする電荷qの合計値(図11参照)が信号線6ごとに同じであったとしても、他の読み出し回路17よりも常に大きな値のリークデータdleakを読み出す読み出し回路17もあれば、他の読み出し回路17よりも常に小さな値のリークデータdleakを読み出す読み出し回路17もある。
このような状況において、例えば図21に示すように、放射線画像撮影装置1に対して放射線が、検出部Pの中央部分に照射野Fが絞られた状態で照射され、他の読み出し回路17よりも常に大きな値のリークデータdleakを読み出す読み出し回路17に接続されている信号線6aが照射野F外に存在する場合を考える。
このような場合、図22に示すように、照射野F内に存在する信号線6に接続されている読み出し回路17を含む読み出しIC16から出力されたリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)(図中のγ参照)が放射線の照射により上昇しても、照射野F外に存在する信号線6aに接続されている読み出し回路17を含む読み出しIC16から出力されたリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)(図中のδ参照)を越えない場合が生じ得る。
そして、このような場合、1回のリークデータdleakの読み出し処理で1つの読み出しIC16から出力されたリークデータdleakから算出した16個の平均値dleak_ave(z)の中から最大値を抽出すると、図中δで示されたリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)が抽出されるが、抽出されたリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)は放射線の照射によっても変動しないため、結局、閾値を越えなくなり、放射線の照射を検出することができなくなる。
そこで、このような問題を回避するために、例えば、各読み出し処理ごとに各読み出しIC16から出力されたリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)の移動平均を、読み出しIC16ごとに算出するように構成することが可能である。
すなわち、1回のリークデータdleakの読み出し処理ごとに読み出しIC16から出力されるリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)を算出するごとに、当該読み出し処理の直前の読み出し処理を含む所定回数分の過去の各読み出し処理の際に算出された、読み出しIC16ごとのリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)の平均(すなわち移動平均)を算出するように構成する。
そして、読み出しIC16ごとに、今回の読み出し処理で算出したリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)と、算出した移動平均との差分Δdを算出するように構成することが可能である。
そして、制御手段22で、1回のリークデータdleakの読み出し処理で読み出しIC16から出力されたリークデータdleakから算出した平均値dleak_ave(z)と、それぞれに対応する移動平均との差分Δdを、各読み出しIC16ごとにそれぞれ算出し、算出した差分Δd(上記の例では16個の差分Δd)の中から最大値を抽出し、差分Δdの最大値が閾値を越えたか否かを判断するように構成することが可能である。
このように構成すれば、読み出しIC16内に設けられた読み出し回路17ごとに読み出し効率にばらつきがあったとしても、同じ読み出し効率で読み出されたリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)と移動平均との差分Δdを算出することで、読み出し効率によるばらつきが相殺される。
そのため、上記差分Δdが、読み出しIC16ごとに、純粋にリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)が過去のデータから増加したか否かのみを反映する値になり、それに基づいて放射線の照射開始を検出するように構成することで、図22に示したような問題が発生することを的確に防止することが可能となる。
[検出手法C]
また、制御手段22で、1回のリークデータdleakの読み出し処理で1つの読み出しIC16から出力されたリークデータdleakから算出した16個の平均値dleak_ave(z)と、それぞれに対応する移動平均との差分Δdをそれぞれ算出するが、算出した差分Δdの中から最大値だけでなく最小値も抽出し、差分Δdの最大値と最小値との差が、閾値を越えたか否かを判断するように構成することも可能である。
[検出手法D]
また、放射線画像撮影装置1に放射線を照射する図示しない放射線源から照射される放射線の線量が非常に小さい場合、上記の検出手法A〜Cに従って算出する読み出しIC16ごとのリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)(検出手法A)や、読み出しIC16ごとのリークデータdleakの平均値dleak_ave(z)と移動平均との差分Δd(検出手法B)、或いは差分Δdの最大値と最小値との差(検出手法C)が小さく、放射線が照射されてもそれらの値が閾値を越えない場合があり得る。
そこで、例えば、読み出しIC16ごとに、リークデータdleakの平均値dleak_ave(z)と移動平均との差分Δdの時間的な積分値(すなわち積算値)を算出し、この積分値が閾値を越えたか否かを判断するように構成することも可能である。
このように構成すると、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されないうちは、リークデータdleakの平均値dleak_ave(z)がゆらいで移動平均よりも大きくなったり小さくなったりするため、それらの差分Δdの積分値は0に近い値で推移する。しかし、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、リークデータdleakの平均値dleak_ave(z)は移動平均よりも大きな値になるため、それらの差分Δdは、正の値になる場合が多くなる。
そのため、上記のように構成すれば、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されないうちは積分値が閾値を越えることはないが、放射線の照射が開始されると、積分値が増加していき、閾値を越えるようになる。そのため、上記のように構成することで、放射線源から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量が非常に小さい場合でも、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
なお、上記の検出手法A〜Dのいずれか1つの検出手法を採用するように構成することも可能である。また、例えば、検出手法A〜Dのうちの複数の手法或いは全ての手法を併用して行うように構成し、いずれか1つの検出手法で放射線の照射開始が検出された場合に、制御手段22が放射線の照射が開始されたと判断するように構成することも可能である。
また、上記の検出方法1において、放射線画像撮影前の各放射線検出素子7のリセット処理で、ある走査線5に対するオン電圧の印加を開始してから次の走査線5に対するオン電圧の印加を開始するまでの周期τ(図13や図14等参照)を長くして、制御手段22から送信する2回のパルス信号Sp1、Sp2の送信間隔Tを長くすると、1回のリークデータdleakの読み出し処理で読み出されるリークデータdleakの値が大きくなり、放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出感度が向上する。
また、上記の検出方法2において、放射線画像撮影前の画像データdの読み出し処理で、各TFT8をオン状態とする時間ΔT(図17や図18参照)、すなわち走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5にオン電圧を印加してからオフ電圧に切り替えるまでの時間ΔTを長くすると、1回の画像データdの読み出し処理で読み出される画像データdの値が大きくなり、やはり放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出感度が向上する。
このように、放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出感度を向上させること等を目的として、上記の検出手法A〜D以外にも、放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出方法については種々の改良が可能である。
[閾値の設定の仕方等について]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1における上記の検出方法1や検出方法2(或いは改良された検出手法A〜D等)での閾値dleak_th、dth等の設定の仕方等について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用についてもあわせて説明する。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線技師等による指示に応じて、工場出荷時や、放射線画像撮影装置1の病院等の施設への導入時、或いは日常の始業時、或いは定期的に行われる放射線画像撮影装置1のキャリブレーションの際に、上記の閾値dleak_th、dth等の設定を予め行うようになっている。
また、この閾値dleak_th、dth等の設定を、放射線画像撮影ごとに、撮影開始前に予め行うように構成することも可能である。
なお、以下では、上記の検出方法1を採用して放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射開始を検出するように構成されている場合について説明するが、上記の検出方法2や改良された検出手法A〜D等を採用して放射線の照射開始を検出するように構成されている場合についても同様に説明される。
本実施形態に係る閾値dleak_thの設定処理は、放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射されない状態で行われる。
また、放射線画像撮影装置1の電源投入直後や、読み出し回路17等に電力を供給しない、いわゆるスリープ(sleep)モードから読み出し回路17等の各機能部に電力を供給する、いわゆる覚醒(wake up)モード(撮影可能モード等ともいう。)に切り替えた直後は、読み出されるリークデータdleakの値が安定しない場合がある。
そこで、閾値dleak_thの設定処理を、上記のように放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない状態でリークデータdleakの読み出し処理等を繰り返し行い、読み出されたリークデータdleak等の値の変動が安定した状態で行うことが望ましい。
本実施形態に係る閾値dleak_thの設定処理では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、予め、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない状態で、リークデータdleakの読み出し処理(および各放射線検出素子7のリセット処理)を所定回数行い、読み出された各リークデータdleakの平均値と各リークデータdleakのゆらぎの度合に応じて、閾値dleakを予め設定するようになっている。
上記の検出方法1を採用した場合、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない状態で読み出されるリークデータdleakの値は、例えば図15に示した時刻t1より以前の各値のように、ほぼ一定の値になる。
そのため、本実施形態では、上記のように、閾値dleak_thを設定する際に、まず、各リークデータdleakの平均値に応じて設定するように構成されているのである。なお、この場合の各リークデータdleakの平均値を、以下、平均値daという。
一方、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない状態で読み出されるリークデータdleakの値は、上記のように、ほぼ一定の値にはなるが、若干ゆらぐ値になる。そして、このようにゆらぐリークデータdleakが閾値dleak_thを越えてしまうと、放射線が照射されていないにもかかわらず放射線の照射が開始されたと誤検出されてしまう。そこで、閾値dleak_thとしては、このようにゆらぐリークデータdleakが越えない値に設定する必要がある。
そのため、本実施形態では、上記のように、閾値dleak_thを設定する際に、各リークデータdleakのゆらぎの度合に応じて設定するように構成されているのである。各リークデータdleakのゆらぎの度合は、例えば、上記のように所定回数のリークデータdleakの読み出し処理で読み出された所定個数のリークデータdleakの標準偏差σや分散σとして算出するように構成することが可能である。
しかし、逆に、閾値dleak_thとして大き過ぎる値を設定すると、放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線源における放射線の強度の立ち上がりが遅い場合や、放射線画像撮影装置1の検出感度が低いような場合には、読み出されるリークデータdleakの値がなかなか閾値dleak_thを越えなくなり、放射線画像撮影装置1での放射線の照射開始の検出が遅れてしまう。そのため、閾値dleak_thをあまり大きな値に設定することは好ましくない。
そこで、本実施形態では、制御手段22は、以下のようにして、閾値dleak_thを設定するようになっている。
本実施形態では、制御手段22は、上記のように放射線画像撮影装置1の電源投入後やスリープモードから覚醒モードへの遷移後に、読み出されるリークデータdleakの値が安定した時点で、例えば、1フレーム分のリークデータdleakの読み出し処理と各放射線検出素子7のリセット処理とを行って、1フレーム分のリークデータdleakを取得する。
この場合、1フレームとは、検出部P(図4や図7参照)上に二次元状に配列された1面分の各放射線検出素子7のリセット処理を、ゲートドライバ15bから各走査線5にオン電圧を順次印加して行う期間をいう。従って、例えば走査線5が4096本設けられていれば、読み出されるリークデータdleakの数は4096個になる。
そして、制御手段22は、前述したように、各リークデータdleakの平均値daを算出するようになっている。読み出された各リークデータdleakを、読み出された時刻tごと(或いは対応する各放射線検出素子7のリセット処理でオン電圧が印加された走査線5のライン番号ごと)にプロットすると、例えば図23に示すように、各リークデータdleakは、平均値daを中心として多少ばらついた値になる。
本実施形態では、制御手段22は、続いて、前述したように各リークデータdleakのゆらぎの度合として例えば標準偏差σを算出する。そして、各リークデータdleakの平均値daに、標準偏差σを例えば8倍等の所定倍した値(例えば8σ)を加算した値da+8σを算出して、その値を閾値dleak_thとして設定するようになっている。
なお、この場合、標準偏差σ等を所定倍する場合の倍率は、適宜決められる。また、上記のように、各リークデータdleakのゆらぎの度合として、各リークデータdleakの標準偏差σや分散σを用いる代わりに、例えば図24に示すように、各リークデータdleakの最大値と最小値との差Δdleakを用いることも可能である。
この場合、閾値dleak_thは、図24に示すように、各リークデータdleakの平均値daに、各リークデータdleakの最大値と最小値との差Δdleakを例えば8倍等の所定倍した値(例えば8×Δdleak)を加算した値da+8×Δdleakを算出して設定される。
上記のように、各リークデータdleakのゆらぎの度合として標準偏差σや分散σ、或いは各リークデータdleakの最大値と最小値との差Δdleakを用いるように構成することで、各リークデータdleakのゆらぎの度合を容易かつ的確に数値として表すことが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、予め装置に放射線が照射されない状態でリークデータdleakの読み出し処理(検出方法1の場合)や画像データdの読み出し処理(検出方法2の場合)を所定回数行い、読み出された各リークデータdleakや画像データdの平均値daとデータのゆらぎの度合に応じて、放射線画像撮影前に読み出されるリークデータdleakや画像データdに関する閾値dleak_th、dthを予め設定するように構成した。
そのため、読み出した各リークデータdleak等の平均値に、各リークデータdleak等のゆらぎの度合としての例えば標準偏差σや上記の差Δdleak等を所定倍した値を加算する等して閾値dleak_th(或いは閾値dth。以下同じ。)を設定するように構成することで、放射線が照射されない状態で読み出された各リークデータdleakの値が平均値daを中心としてゆらいでも、閾値dleak_thを越えないようにすることが可能となる。
そのため、ゆらいだリークデータdleak等の値が閾値dleak_thを越えてしまい、制御手段22が放射線の照射が開始されたと誤検出するような事態が生じることを、的確に防止することが可能となる。
また、例えば、各リークデータdleak等のゆらぎの度合を所定倍する際の倍率を適切に設定することで、放射線源における放射線の強度の立ち上がりが遅い場合等でも、放射線の照射により大きな値になったリークデータdleak等が閾値dleak_thを的確に越えるようになる。
そのため、このような適切な閾値dleak_th等に基づいて、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射が開始されたことを、遅滞なく的確に検出することが可能となる。
なお、放射線画像撮影装置1の工場出荷時には、閾値dleak_th等を比較的大きめの値として設定される場合が多いと考えられる。
しかし、例えば、経年変化等により、放射線画像撮影前に読み出されるリークデータdleakや画像データdのゆらぎが大きくなり閾値dleak_th等を越えて誤検出が発生するような場合には、閾値dleak_thの値をより大きな値に変更して設定する等の対応がとられる。
また、上記のように、経年変化等で放射線画像撮影前に読み出されるリークデータdleak等のゆらぎが大きくなることがない場合には、逆に、閾値dleak_th等の値をより小さな値に可変させた方が、放射線源から放射線画像撮影装置1への実際の放射線の照射が開始されてから放射線画像撮影装置1で放射線の照射開始を検出するまでの時間を短縮することができる。
そのため、このような場合には、工場出荷時に予め大きめの値に設定された閾値dleak_th等の値を、ゆらいだリークデータdleak等の値が閾値dleak_th等を越えない程度まで低下させた値に変更して設定することが可能である。
このように、閾値dleak_th等は、工場出荷時のみならず、放射線画像撮影装置1の病院等の施設への導入時や日常の始業時、或いは定期的に行われる放射線画像撮影装置1のキャリブレーションの際、或いは放射線画像撮影ごとに撮影開始前に、変更して設定するように構成することが可能である。
一方、本発明者らが本発明についてさらに研究したところ、放射線画像撮影前に、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない状態で読み出されるリークデータdleakや画像データdの値が周期的に変動する場合があることが分かってきた。
具体的には、図25に示すように、例えば、走査駆動手段15のゲートドライバ15bやそれを構成するゲートIC15cに、走査線5が接続されていない、いわゆる非接続の端子pが存在する場合に、上記のような現象が現れることが分かってきた。
すなわち、ゲートドライバ15bでは、オン電圧が印加される各端子をシフトしていくことで、ゲートドライバ15bから各走査線5にオン電圧が順次印加される状態が形成される(例えば図16等参照)。しかし、オン電圧が印加される各端子をシフトしていき、非接続の端子pにオン電圧が印加される段階になると、非接続の端子pには走査線5が接続されていないため、その間、いずれの走査線5にもオン電圧が印加されない状態になる。すなわち、その間、各走査線5にはオフ電圧が印加された状態になる。
例えば上記の検出方法2の場合について考えると、走査線5が接続されている端子にオン電圧が順次印加される際には、各端子に接続されている各走査線5にオン電圧が順次印加される状態になる。しかし、非接続の端子pにオン電圧が印加される際には、上記のように各走査線5にはオフ電圧が印加された状態になる。
また、非接続の端子pにオン電圧が順次印加される間も、各読み出し回路17(図7、図8参照)では読み出し動作が行われるため、この間、各読み出し回路17では、リークデータdleakが読み出されていることと同じことになる。
そのため、図26に示すように、この間(すなわち図中にPpで示される非接続の端子pにオン電圧が順次印加されている期間)に読み出される画像データdの値が、その前後の画像データdの値よりも小さくなる。なお、図26中にPfで示される期間は、走査線5が接続されている端子にオン電圧が順次印加されている期間を表す。
このような場合、例えば上記の検出方法1、2や検出手法A、C、Dの場合はさほど影響を受けないが、特に上記の検出手法Bの場合には、放射線の照射開始を誤検出する可能性が生じ得る。
すなわち、例えば検出方法2に検出手法Bを適用した場合、放射線画像撮影前の1回の画像データdの読み出し処理ごとに、各読み出しIC16から出力される画像データdの平均値dave(z)が、読み出しIC16ごとに算出される。また、当該読み出し処理の直前の読み出し処理を含む所定回数分の過去の各読み出し処理の際に算出された読み出しIC16ごとの画像データdの平均値dave(z)の移動平均も算出される。
そして、読み出しIC16ごとに、今回の読み出し処理で算出した画像データdの平均値dave(z)と移動平均との差分Δdが算出される。そして、1回の画像データdの読み出し処理で読み出しIC16ごとにそれぞれ算出された上記の各差分Δdの中から最大値が抽出される。
そして、抽出された差分Δdの最大値が閾値を越えた場合に、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたと判断される。
この場合、上記のように、非接続の端子pにオン電圧が順次印加されている期間Pp(図26参照)中に読み出される画像データdの値が小さくなると、この期間Pp中、画像データdの読み出し処理ごとに算出される、所定回数分の過去の画像データdの平均値dave(z)の移動平均も、徐々に小さな値になっていく。そして、この期間Ppの終了直前には、移動平均の値は相当に小さな値になる。
この状態で、期間Ppを過ぎ、オン電圧が印加される端子が走査線5のラインL1が接続された端子に戻り、走査線5のラインL1にオン電圧が印加される状態になると(すなわち図26で期間Pfに戻ると)、各読み出しIC16から出力される画像データdの平均値dave(z)が元の大きな値に戻る。
しかし、その際、移動平均は、期間Pp中に読み出された、リークデータdleakと同等の小さな値の画像データdに引きずられて、すぐには元の大きな値には戻らない。
そのため、画像データdの平均値dave(z)と移動平均との差分Δdを算出すると、差分Δdが大きな値になり、閾値を越え得る。そのため、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されていないにもかかわらず、放射線の照射が開始されたと誤検出してしまう可能性がある。
なお、上記では、検出方法2に検出手法Bを適用した画像データdに基づく場合について説明したが、検出方法1に検出手法Bを適用して、リークデータdleakの読み出しIC16ごとの平均値dleak_ave(z)や移動平均に基づいて放射線の照射開始を検出する場合も同様の問題が発生し得る。
そこで、上記のように放射線画像撮影前に読み出されるリークデータdleakや画像データdの値が周期的に変動する場合には、リークデータdleakや画像データdの値の周期的な変動にあわせて閾値を周期的に変更するように構成することが可能である。
例えば、上記の例では、ゲートドライバ15b上でオン電圧が印加される端子が走査線5のラインL1が接続された端子に戻り、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されていないにもかかわらず、画像データdの平均値dave(z)と移動平均との差分Δdが大きな値になる場合には、その時点で閾値をより大きな値に変更する。
そして、画像データdの平均値dave(z)と移動平均との差分Δdが通常の値に戻るタイミングで閾値も元の値に戻すように構成して、閾値を周期的に変更することで、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されていない場合に、放射線の照射開始が誤検出されることを的確に防止することが可能となる。
また、画像データdの平均値dave(z)と移動平均との差分Δdが通常の値に戻るタイミングで閾値も元の値に戻すように構成することで、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始された場合には、それを的確に検出することが可能となる。
なお、上記の図26に示した例では、検出方法2(或いは検出方法1)に検出手法Bを適用した場合を示した。しかし、この他にも、例えば図3に示したように放射線画像撮影装置1のコネクタ39にケーブルCaを接続して、外部電源から例えば交流電圧を放射線画像撮影装置1に供給するような場合に、交流電圧の周期にあわせて、読み出されるリークデータdleakや画像データdが周期的に僅かに大きくなったり小さくなったりする場合があり得る。
このように、検出方法2(或いは検出方法1)に検出手法Bを適用した場合に限らず、放射線画像撮影前に読み出されるリークデータdleakや画像データdの値等が周期的に変動する場合がある。そして、その際、放射線画像撮影前に読み出されるリークデータdleakや画像データdの値の周期的な変動にあわせて閾値を周期的に変更することで、上記のように、誤検出を的確に防止しつつ、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
1 放射線画像撮影装置
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
15 走査駆動手段
17 読み出し回路
22 制御手段
D 画像データ
d 放射線画像撮影前に読み出される画像データ
da 平均値
dleak リークデータ
dleak_th 閾値
dth 閾値
P 検出部
q リークした電荷
r 小領域
Δdleak 最大値と最小値との差
σ 標準偏差(ゆらぎの度合)
σ 分散(ゆらぎの度合)

Claims (8)

  1. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各小領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    オン電圧を印加する前記各走査線を切り替えながら前記各走査線にオン電圧を順次印加する走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
    前記信号線に接続され、前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
    少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    放射線画像撮影前に、前記走査駆動手段から全ての前記走査線にオフ電圧を印加して前記各スイッチ手段をオフ状態とした状態で前記読み出し回路に読み出し動作を行わせて、前記スイッチ手段を介して前記放射線検出素子からリークした前記電荷をリークデータに変換するリークデータの読み出し処理を繰り返し行わせ、読み出した前記リークデータが閾値を越えた時点で放射線の照射が開始されたことを検出するとともに、
    予め、装置に放射線が照射されない状態で前記リークデータの読み出し処理を所定回数行い、前記閾値を、読み出された前記各リークデータの平均値および前記各リークデータのゆらぎの度合に応じて予め設定することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記制御手段は、放射線画像撮影前に、前記リークデータの読み出し処理と、前記各放射線検出素子のリセット処理とを、交互に繰り返し行わせることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各小領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    オン電圧を印加する前記各走査線を切り替えながら前記各走査線にオン電圧を順次印加する走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
    前記信号線に接続され、前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
    少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    放射線画像撮影前に、前記走査駆動手段から前記各走査線にオン電圧を順次印加して前記画像データの読み出し処理を繰り返し行わせ、読み出した前記画像データが閾値を越えた時点で放射線の照射が開始されたことを検出するとともに、
    予め、装置に放射線が照射されない状態で前記画像データの読み出し処理を所定回数行い、前記閾値を、読み出された前記各画像データの平均値および前記各画像データのゆらぎの度合に応じて予め設定することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記各リークデータのゆらぎの度合を、前記各リークデータの標準偏差または分散として算出し、
    前記各リークデータの前記平均値に、前記標準偏差または前記分散を所定倍した値を加算することで、予め前記閾値を算出して設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記制御手段は、
    記各画像データのゆらぎの度合を、前記各画像データの標準偏差または分散として算出し、
    記各画像データの前記平均値に、前記標準偏差または前記分散を所定倍した値を加算することで、予め前記閾値を算出して設定することを特徴とする請求項に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記各リークデータのゆらぎの度合は、前記各リークデータの最大値と最小値との差で表され、
    前記制御手段は、前記各リークデータの前記平均値に、前記差を所定倍した値を加算することで、予め前記閾値を算出して設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記各画像データのゆらぎの度合は、前記各画像データの最大値と最小値との差で表され、
    前記制御手段は、前記各画像データの前記平均値に、前記差を所定倍した値を加算することで、予め前記閾値を算出して設定することを特徴とする請求項に記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記制御手段は、放射線画像撮影前に、装置に放射線が照射されない状態で読み出される前記画像データの値が周期的に変動する場合には、前記画像データの値の周期的な変動にあわせて前記閾値を周期的に変更することを特徴とする請求項3、請求項5、請求項7のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
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