WO2010150631A1

WO2010150631A1 - 留め具

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Publication number: WO2010150631A1
Application number: PCT/JP2010/059413
Authority: WO
Inventors: 智著永山
Original assignee: 株式会社ニフコ
Priority date: 2009-06-22
Filing date: 2010-06-03
Publication date: 2010-12-29
Also published as: KR101154685B1; CN102459931A; CN102459931B; KR20100137371A; JP2011002076A; JP5360480B2

Abstract

　本発明の留め具は、雄部材と雌部材とを備え、前記雌部材は、挿入孔が設けられているフランジ部と、弾性変形可能な部材により形成され、前記フランジ部から下方に延びる筒部と、前記筒部に設けられたスリットとを有し、前記雄部材は、頭部と、前記頭部から下方に延び、前記雌部材の筒部に挿入されたときに前記筒部を開拡する軸部と、前記軸部の下部から上部に向かって外方に拡がり、前記雌部材の筒部に挿入されたときに前記筒部のスリットから外方に突出する係止部が設けられている脚部とを有し、取付部材と被取付部材の取付孔に前記雌部材の前記筒部を挿通してから前記雄部材を前記雌部材の挿入孔に押し込むことにより、前記筒部を外方に拡開させて前記取付部材と前記被取付部材の前記取付孔の縁に当接させて前記取付部材と前記被取付部材に固定するとともに、前記脚部の係止部を前記スリットの外方に突出させて前記取付部材と前記被取付部材の取付孔の縁に当接させて、前記取付部材と前記被取付部材とを固定することを特徴とする。

Description

留め具

　本発明は、取付部材および被取付部材をワンタッチで取り付けることができるとともに、前記取付部材および被取付部材の厚さにかかわらず、ガタ付きがなく、かつ、抜け止めしないように取り付けることができる留め具に関するものである。また、本発明は、前記取付部材および被取付部材を容易に取り付けることができると同時に、解除する際に、工具を何等使用することなく、取り外すことができる留め具に関するものである。

　従来の留め具は、たとえば、下記特許文献１（日本国実用新案登録出願公開第平６－４０４２８号公報）に記載されている。図１３から図１５は従来の留め具を説明するための図であり、図１３および図１４は従来の留め具の一部切り欠いた正面図を、図１５は図１３および図１４に示したものと同じ従来の留め具の上面図である。図１３から図１５に従来の留め具として示すプッシュリベットは、リベット本体６１と、ピン６２とから構成されている。前記リベット本体６１は、フランジ６１１、筒部６１２、スリット６１３とから構成されている。また、ピン６２は、頭部６２１、軸部６２２、ドライバー溝６２３とから構成されている。また、前記フランジ６１１および頭部６２１の間に工具挿入溝６２４が設けられている。

　取付孔が設けられた取付部材および被取付部材（図示は省略）の当該取付孔に取り付けたリベット本体６１のフランジ６１１中央の挿入孔から前記ピン６２を挿入して筒部６１２を拡開することにより、取付部材および被取付部材を固定することができる。また、上記のように取付部材および被取付部材を固定している前記プッシュリベットのリベット本体６１とピン６２の係合を解除する場合、ドライバー６２５のような工具を工具挿入溝６２４に挿入して頭部６２１をこじ開けるようにしてリベット本体６１からピン６２を取り外していた。

日本国実用新案登録出願公開第平６－４０４２８号公報

　前記従来のプッシュリベットは、リベット本体６１とピン６２の弾性変形により取付部材および被取付部材を取り付けていた。したがって、前記プッシュリベットは、取付部材と被取付部材とを固定するのに使用してから上記のようにリベット本体６１とピン６２の係合を解除して再び使用すると、リベット本体６１およびピン６２が疲労して係合しにくくなって抜けてしまうことがあった。また、前記プッシュリベットは、取付部材および被取付部材が薄い場合にガタつきが生じるという問題があった。また、前記プッシュリベットによる前記取付部材と被取付部材の係合を解除する場合、工具を用いて強制的に解除しなければならなかった。

　以上のような課題を解決するために、本発明は、厚さが薄い取付部材および被取付部材を固定する場合であっても、雄部材と雌部材の係合部にガタ付きが生じにくく、かつ、雌部材から雄部材が抜けにくい留め具を提供することを目的とする。また、本発明は、前記取付部材および被取付部材をガタ付きを生じることなく固定することができるとともに、前記雌部材から前記雄部材を取り外す際に、特別の工具を必要としない留め具を提供することを目的とする。

　また、本発明の留め具において、前記脚部の先端部は、前記頭部の下側から前記頭部よりも外方へ突出し、前記留め具による前記取付部材と前記被取付部材との固定を解除するための操作部であることを特徴とする。

　また、本発明の留め具において、前記操作部は、前記頭部の外方から前記頭部の下側へ向けて幅が小さくなるような楔形に形成され、外方から前記操作部を前記頭部と前記フランジ部との間に押し込むことにより、雌部材と雄部材との係合が解除されることを特徴とする。

　また、本発明の留め具において、前記フランジ部には、前記楔形の外形に対応した傾斜面を有する傾斜部が設けられていることを特徴とする。

　本発明の留め具は、上記特徴により、雄部材を雌部材の挿入孔に押し込むことにより、弾性変形可能な雌部材の筒部が雄部材によって押し拡げられるとともに、雄部材における脚部が雌部材の筒部のスリットから外方に突出して取付部材と被取付部材の開孔縁に係止することで、取付部材と被取付部材とを固定する。したがって、取付部材および被取付部材の厚さが異なる場合であっても、ガタ付きがなく、また、雄部材が雌部材から抜けにくい。

　また、本発明の留め具は、上記特徴により、留め具における雄部材および雌部材が搬送中にバラバラにならずに一体にするための係止部を有するため、組み立てが迅速にできる。また、雌部材を取付部材および被取付部材の取付孔に挿入してから、前記雄部材の軸部を前記雌部材の筒部に挿入し、前記雄部材の頭部を押すだけで、取付部材および被取付部材が互いに固定されるので、取付部材および被取付部材の容易に固定することができる。

　また、本発明の留め具は、上記特徴により、頭部の下側から外方へ突出する操作部の両端を内側に押すだけで、雌部材と雄部材との係合を容易に解除することができるので、工具を使用することなく留め具による取付部材および被取付部材の固定を容易に解除することができる。

　また、本発明の留め具は、操作部を、前記頭部の外方から前記頭部の下側へ向けて幅が小さくなるような楔形とし、あるいはフランジの一部に前記楔形の外形に対応した傾斜面を有する傾斜部を設けることにより、前記操作部の両端を内側に押した際に、前記操作部がフランジに当たって十分に押せなくなることがない。

本発明の実施形態の一例である留め具における雌部材１１の一部を切り欠いた図である。雌部材１１の一部を切り欠いた図である。雌部材１１の上面図である。図３のＡ－Ａ断面矢視図である。雄部材２１の一部を切り欠いた図である。雄部材２１の他の一部を切り欠いた図である。雄部材２１の上面図である。雌部材１１と雄部材２１が離れている状態を示す図である。雌部材１１と雄部材２１が部分的に係合している状態を示す図である。雌部材１１と雄部材２１が完全に係合した状態を示す図である。雌部材１１と雄部材２１によって、取付部材４１および被取付部材４２を固定した状態を示す図である。本発明の実施形態の他の一例を示す図である。従来の留め具の一部切り欠いた正面図である。従来の留め具の一部切り欠いた正面図である。従来の留め具の上面図である。

　以下において図面を参照して説明する留め具は、本発明の実施形態の一例であり、取付部材および被取付部材に設けられた取付孔に挿入されて、前記両者を互いに固定するために用いられる。より詳しくは、前記留め具は、取付部材および被取付部材の取付孔に取り付けた雌部材に雄部材を挿入することにより、前記雄部材により、雌部材に設けられたスリットを有する筒部を拡開して、取付部材および被取付部材が互いに外れないように固定することができる。前記雌部材は、挿入孔が設けられているフランジ部と、前記フランジ部から下方に一体に延びている筒部と、前記筒部に設けられたほぼ十字状のスリットとを有している。前記十字の溝状に形成されたスリットは、後述する脚部、およびスライド凸部が挿入される。本例の留め具を構成する前記雌部材および雄部材は、たとえば、弾性を有する合成樹脂材料を金型を用いて成形することにより製造される。

　前記雄部材は、頭部と、軸部と、脚部とを有する。軸部は、前記頭部から下方に延び、前記雄部材が前記雌部材に挿入される際に、前記雌部材の筒部に挿入されて、前記筒部を拡開する。この前記軸部には、円筒部および一対の脚部が設けられている。円筒部は、前記軸部の下部（先端部）に設けられており、一対の脚部は、前記軸部の下部から上部に向かって外方に拡がるように設けられている。前記一対の脚部は、前記雌部材の前記十字状に切られたスリットに挿入される。また、軸部の上部には、ほぼ対角方向（両側）に、スライド凸部が設けられている。円筒部は、前記雄部材が前記雌部材に挿入される際に、前記筒部に挿入されて当該筒部の下部を押し拡げる。また、前記脚部の中間部近傍には、前記雄部材が前記雌部材に挿入される際に、取付部材および被取付部材を係止する係止部が設けられている。前記係止部は、前記脚部の一部が外側に突出した部分である。本例の留め具によって厚めの取付部材および被取付部材を挟んだ場合でも、上記係止部で係止された取付部材および被取付部材はガタ付きにくい。なお、後述の操作部が押されると、前記脚部が前記軸部側（内側）に撓むので、前記係止部による取付部材および被取付部材との係合が解除されるので、前記雄部材および前記雌部材は、取付孔から抜け易くなる。

　前記留め具によって前記取付部材および被取付部材を取り付ける際には、前記雄部材は、前記雌部材の挿入孔に押し込まれる。このとき、前記複数のスリットを備えた筒部は、前記雄部材の挿入によって、外方に拡開される。また、前記脚部は、前記筒部のスリットから外方に一部が突出し、前記取付孔の縁に当接する。これにより、前記留め具の取り付けが完了し、前記取付部材と被取付部材とが前記留め具によって固定される。前記留め具は、前記雄部材の脚部が前記取付部材と被取付部材の取付孔に係止させることにより、前記取付部材および被取付部材の厚さが異なる場合であっても、ガタ付きにくく、また、雄部材が雌部材から抜けにくい。すなわち、本発明の留め具は、前記取付部材および被取付部材が薄い場合は、前記取付部材および被取付部材を前記係止部の上側に係止し、前記取付部材および被取付部材が厚い場合は、前記係止部における突出部の傾斜面を利用して前記取付部材および被取付部材を固定しているため、厚さが異なってもガタ付かずに固定することができる。

　前記雄部材および雌部材は、例えば、弾性を有する合成樹脂を金型で成形することにより製造され、前記雄部材を雌部材に挿入することにより前記留め具として機能する。前記雄部材は、前記脚部におけるスライド凸部に設けられた仮止め凸部を、前記雌部材のフランジ部の下部に係合させた状態で、組み立て工場に搬送される。したがって、本例の留め具は、前記雄部材および雌部材を一体で搬送することができる。そして、前記留め具は、前記雌部材を取付部材および被取付部材の取付孔に挿入した後、前記雄部材の頭部を押すだけで取付部材および被取付部材を固定することができるので、取付部材および被取付部材への取り付けと固定を容易に行うことができる。また、前記雄部材を雌部材へ取り付ける際に、前記雄部材における十字状に設けられている脚部とスライド凸部を、前記雌部材のスリットおよびスライド溝に正確かつ容易に挿入することができる。

　また、本実施形態の留め具は、前記雄部材に設けられた前記脚部の先端に、操作部が設けられている。より詳しくは、前記一対の脚部は、前記軸部の下部から前記頭部の下側まで上方に延びており、前記頭部の下側で外側に折れ曲がって前記頭部よりも外方まで延びている。そして、前記一対の脚部の各々おける前記頭部よりも外方に突出した部分にはそれぞれ操作部が設けられている。これら前記一対の操作部を前記頭部の下側に押し込むように、内側に押すことにより、前記雄部材の係止部と前記取付部材および被取付部材との係止が解除される。前記操作部が内部方向に押されると、前記脚部が前記軸部側に撓んで雌部材の拡開が元に戻り、前記留め具による前記取付部材および被取付部材の固定が解除される。このように、本例の留め具は、工具を使用することなく前記雌部材から雄部材を取り外すことができるので、前記取付部材および被取付部材の固定の解除を容易に行うことができる。

　また、本実施形態の留め具は、前記頭部の外方から前記頭部の下側へ向けて幅が小さくなるような前記操作部が楔形に成形されているとともに、雌部材のフランジ部に前記操作部を出し入れできるように前記操作部の形状に対応した凹部が成形されている。前記操作部は、両端を押すことにより、前記頭部と前記フランジ部との間に成形された凹部に入り込み、前記雌部材と雄部材とを引き離すことができる。前記留め具は、前記操作部を楔形に成形することにより、前記操作部をつまむことにより、簡単に雌部材の拡開を解除することができる。また、前記操作部の両端を内側に押した際に、前記操作部がフランジに当たって十分に押せなくなることがない。

　本実施形態の留め具において、前記フランジ部には、前記楔形の外形に対応した傾斜面を有する傾斜部を設けられている。前記傾斜部は、前記楔形の外形を有する前記操作部の下部の傾斜に対応するように、フランジ部における凹部の先端部に設けられている。フランジ部の前記傾斜部に設けられた傾斜面により、前記操作部を持って雄部材を引き上げるのが容易になる。

　図１は、本発明の実施形態の一例である留め具における雌部材１１の一部を切り欠いた図である。また、図２は、雌部材１１の一部を切り欠いた図である。また、図３は、雌部材１１の上面図である。図４は、図３のＡ－Ａ断面矢視図である。図１から図４において、留め具は、図示されていない取付部材および被取付部材に設けられた開口部（図１１の符号４３参照）に挿入されて、両者を互いに固定するものである。留め具は、例えば、自動車の内装部等に好ましく用いられるが、航空機、鉄道あるいは住宅設備等の内装にも用いることができる。また、留め具は、アパレル分野のバックル、配管留め、配送ボックスのロック等に使用することができる。

　留め具は、雌部材１１（図１乃至図４）および雄部材２１（図５乃至図７）から構成されている。雌部材１１および雄部材２１は、図１１に示す取付部材４１および被取付部材４２の開口部４３に挿入される。雄部材２１を雌部材１１の挿入孔１１１に挿入すると、雌部材１１の筒部１１３にスリット１１４およびスライド溝１１８がほぼ十字状に形成されていることにより、雄部材２１の軸部２１２が筒部１１３を拡開しつつ筒部１１３に嵌り込むことにより、取付部材および被取付部材を互いに外れないように固定する。

　雌部材１１は、挿入孔１１１が設けられているフランジ部１１２と、フランジ部１１２から下方に一体に延びる筒部１１３と、筒部１１３の下部が十字に切られることにより設けられた複数のスリット１１４およびスライド溝１１８とを有する。スリット１１４およびスライド溝１１８は、筒部１１３の上部から下部（先端部）まで形成されている。

　フランジ部１１２の上部には、筒部１１３側に窪んだ頭部挿入凹部１１５が形成されている。この頭部挿入凹部１１５には、後述する雄部材２１の頭部２１１が嵌合される。また、フランジ部１１２における頭部挿入凹部１１５を囲む縁部は、頭部挿入凹部１１５の中心を挟んで対称な位置が切り欠かれている。そして、上記縁部における当該切り欠かれた部分には、頭部挿入凹部１１５より深さが深い操作部挿入凹部１１６が形成されている。なお、本例の留め具を構成する雌部材１１および雄部材２１は、たとえば、合成樹脂材料を金型を用いて成形することにより製造される。

　図５は、雄部材２１の一部を切り欠いた図である。また、図６は、雄部材２１の他の一部を切り欠いた図である。また、図７は、雄部材２１の上面図である。図５から図７において、雄部材２１は、頭部２１１と、軸部２１２と、脚部２１４、２１４’と、スライド凸部２１９、２１９’とを有する。軸部２１２は、雄部材２１における頭部２１１から下方に延びており、雌部材１１の筒部１１３に挿入されると、スリット１１４およびスライド溝１１８が形成された筒部１１３を拡開する。スライド凸部２１９、２１９’は、前記雌部材１１に形成されたスライド溝１１８を案内として挿入されるとともに、第１仮止凸部２２０、２２０’および第２仮止凸部２２１、２２１’によって、仮止めができる。

　軸部２１２の下端部には、軸部２１２が雌部材１１の筒部１１３に挿入された際に、筒部１１３の下部を押し拡げるための円筒部２１３が設けられている。前記円筒部２１３は、下方を膨出することにより、前記雌部材１１を構成する筒部１１３の拡開をスリット１１４およびスライド溝１１８とともに確実にすることができる。また、一対の脚部２１４、２１４’および一対のスライド凸部２１９、２１９’は、軸部２１２の断面において十字状となるように配置されており、雌部材１１のスリット１１４およびスライド溝１１８に真っ直ぐに挿入される。

　また、軸部２１２には、下部から上部に向かって外方(軸部２１２から離れる方向)に拡がる一対の脚部２１４、２１４’が設けられている。これら一対の脚部２１４、２１４’の中間部には、脚部２１４、２１４’の一部が外側に突出した係止部２１７、２１７’が設けられている。脚部２１４、２１４’の各々に設けられた係止部２１７、２１７’は、取付部材および被取付部材を係止するために設けられており、所定の大きさの外力が加えられると弾性変形することができる。脚部２１４、２１４’に設けられた係止部２１７、２１７’は、雌部材１１との間で厚い取付部材および被取付部材を挟んで固定した際にもガタ付きが生じにくいように傾斜を持った形状になっている。

　また、雄部材２１に設けられた脚部２１４、２１４’の先端部における頭部２１１の下部に位置する部分には、一対の操作部２１５、２１５’が設けられている。脚部２１４、２１４’は、軸部２１２の下部から頭部２１１の下側まで上方に延びており、頭部２１１の下側で外側に折れ曲がって頭部２１１よりも外方まで延びている。そして、脚部２１４、２１４’における頭部２１１から外方に突出した部分に操作部２１５、２１５’が脚部２１４、２１４’と一体に連設されている。

　操作部２１５、２１５’を、頭部２１１の下側に押し込むように、操作部２１５、２１５’の両端を内部方向に押すことにより、係止部２１７、２１７’が内側に押し込まれる。これにより、係止部２１７、２１７’とフランジ部１１２に挟まれることで固定されていた取付部材と被取付部材が緩むとともに、雄部材２１を雌部材１１から容易に取り外し可能な状態となる。このように、操作部２１５、２１５’の両端をつまんで内側に押すだけで、脚部２１４、２１４’が狭まる方向に移動し、雌部材１１の拡開を元の位置に戻すことができる。したがって、本例の留め具は、取付部材と被取付部材とを固定した状態から、工具を使用することなく、容易に当該固定を解除することができるだけでなく、雌部材１１および雄部材２１の係合を容易に解除させることができる。

　また、本例の留め具において、操作部２１５、２１５’の形状は、頭部２１１の外方から頭部２１１の下部に向かって幅が狭くなるような楔形であり、操作部２１５、２１５’の上面および下面は、傾斜面となっている。また、雌部材１１のフランジ部１１２に操作部２１５、２１５’を出し入れするために設けられた操作部挿入凹部１１６には、傾斜部１１７（図２参照）が設けられている。傾斜部１１７は、操作部２１５、２１５’の下面に対応した傾斜面、すなわち、内側に向けて上方に傾斜した傾斜面を有する。操作部２１５、２１５’は、その両端をつまんで内側に押すと、頭部２１１と操作部挿入凹部１１６との間に入り込む。そして、このとき、操作部２１５、２１５’の下面が雌部材１１の傾斜部１１７の傾斜面と当接し、操作部２１５、２１５’が内側に押し込まれるのに従って傾斜部１１７の傾斜面によって操作部２１５、２１５’が上方に持ち上げられる。これにより、雌部材１１と雄部材２１とが引き離される。

　フランジ部１１２と操作部２１５、２１５’の互いの当接面をこのように構成することにより、操作部２１５、２１５’を両側から押すだけで雄部材２１を引き上げることができる。

　図８は、雌部材１１と雄部材２１が離れている状態を示す図である。また、図９は、雌部材１１と雄部材２１が部分的に係合している状態を示す図である。また、図１０は、雌部材１１と雄部材２１が完全に係合した状態を示す図である。図８において、雌部材１１と雄部材２１は、それぞれ別の金型により成形される、二つの部品から構成されている。

　また、図９において、雄部材２１は、雌部材１１にその一部が挿入された状態になっている。雄部材２１は、係合部２１７、２１７’が雌部材１１のフランジ部１１２の下部に係合している。雌部材１１および雄部材２１は、フランジ部１１２に係合部２１７、２１７’が係合していることにより、二つの部品がばらばらにならず、常に一対の状態になっているため、組み立てが容易となる。なお、図９に示す状態から、雄部材２１の頭部２１１を下部に押し下げると、図１０に示すように、雌部材１１の挿入孔に押し込まれる。

　図１１は、雌部材１１と雄部材２１によって、取付部材４１および被取付部材４２を固定した状態を示す図である。図１１において、取付部材４１および被取付部材４２は、開口部４３に雌部材１１を挿入した後、雄部材２１の軸部２１３を押し込む。雌部材１１における複数のスリット１１４およびスライド溝１１８を備えた筒部１１３は、雄部材２１の挿入によって、外方に拡開され、取付部材４１と被取付部材４２が脚部２１４の係止部２１７の上部に係止される。

　また、脚部２１４は、筒部１１３のスリット１１４から外方に一部が突出し、開口部４３の縁に当接し、取付部材４１と被取付部材４２とを固定する。本例の留め具は、雄部材２１の脚部２１４が取付部材４１と被取付部材４２の開口部４３に係止し、取付部材４１および被取付部材４２の厚さが異なる場合でも、ガタ付きが生じにくく、また、雄部材２１が抜けにくい。

　図１２は、本発明の実施形態の他の一例を示す図である。図１２において、留め具は、雌部材５１と、雄部材５２とから構成され、合成樹脂等により金型で成形されている。雌部材５１および雄部材５２は、本発明の実施形態の一例として説明した上記留め具とほぼ同じ形状のものである。本例の雄部材５２は、脚部５２３に操作部がない点で、上記留め具と異る。本例の留め具は、取り外しが不要な場合に用いられる形態であり、操作部を有しない。なお、脚部５２３は、脚部５２３に設けられた係止部５２４によって、取付部材および被取付部材が取り付けられる形状であれば良い。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。すなわち、例えば、本発明の留め具は、特許請求の範囲に記載された範囲において、各部の形状および寸法などを変更することができる。また、本発明の留め具は、使用場所などに応じて、上記実施形態とは異なる公知または周知の材料を用いて、弾性等を任意に変えることができる。

　本出願は、２００９年６月２２日出願の日本国特許出願（特願２００９－１４７５７６）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　１１・・・雌部材
　１１１・・・挿入孔
　１１２・・・フランジ部
　１１３・・・筒部
　１１４・・・スリット
　１１５・・・頭部挿入凹部
　１１６・・・操作部挿入凹部
　１１７・・・傾斜部
　１１８・・・スライド溝
　２１・・・雄部材
　２１１・・・頭部
　２１２・・・軸部
　２１３・・・円筒部
　２１４、２１４’・・・脚部
　２１５、２１５’・・・操作部
　２１６、２１６’・・・楔状部
　２１７、２１７’・・・係止部
　２１９、２１９’・・・スライド凸部
　２２０、２２０’・・・第１仮止凸部
　２２１、２２１’・・・第２仮止凸部
　４１・・・取付部材
　４２・・・被取付部材
　４３・・・開口部

Claims

　雄部材と雌部材とを備える留め具であって、
　前記雌部材は、
　挿入孔が設けられているフランジ部と、
　弾性変形可能な部材により形成され、前記フランジ部から下方に延びる筒部と、
　前記筒部に設けられたスリットと、
　を有し、
前記雄部材は、
　頭部と、
　前記頭部から下方に延び、前記雌部材の筒部に挿入されたときに前記筒部を拡開する軸部と、
　前記軸部の下部から上部に向かって外方に拡がり、前記雌部材の筒部に挿入されたときに前記筒部のスリットから外方に突出する係止部が設けられている脚部と、
　を有し、
　取付部材と被取付部材の取付孔に前記雌部材の前記筒部を挿通してから前記雄部材を押し込むことにより、前記筒部を外方に拡開させて前記取付部材と前記被取付部材の取付孔の縁に当接させて前記取付部材と前記被取付部材に固定するとともに、前記脚部の係止部を前記スリットの外方に突出させて前記取付部材と前記被取付部材の取付孔の縁に当接させて、前記取付部材と前記被取付部材とを固定することを特徴とする留め具。
　前記脚部の先端部は、前記頭部の下側から前記頭部よりも外方へ突出し、前記留め具による前記取付部材と前記被取付部材との固定を解除するための操作部であることを特徴とする請求項１に記載された留め具。
　前記操作部は、前記頭部の外方から前記頭部の下側へ向けて幅が小さくなるような楔形に形成され、外方から前記操作部を前記頭部と前記フランジ部との間に押し込むことにより、雌部材と雄部材との係合が解除されることを特徴とする請求項２に記載された留め具。
　前記フランジ部には、前記楔形の外形に対応した傾斜面を有する傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項３に記載された留め具。