JP2004263791A - クリップ - Google Patents

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Seiji Sawatani
誠司 澤谷
Tomokazu Furuya
友和 古屋
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Abstract

【課題】取外し作業をしやすくしたクリップを提供する。
【解決手段】拡径可能な係止脚部310及びこの係止脚部の基端に形成されたフランジ部330を有する係止部材300と、係止部材の内側に挿入されて係止脚部を拡径させる軸部220及びこの軸部の基端の基端に形成された頭部210を有する挿入部材200とを備え、被取付け部品500に形成された取付け孔510に、取付け部品600の取付け孔610を重ね合わせて、それらの孔に係止脚部を挿入し、軸部を押し込んで係止脚部を拡径させることにより、両者を連結して固定するクリップ100において、頭部の周縁の少なくとも一箇所には、前記フランジ部と前記頭部との隙間に工具を挿入するための凹部214を形成し、前記頭部の前記凹部が形成された方向とは異なる方向の対向する周縁には、上方が拡径され、下方が縮径された逆テーパ形状の側壁213を形成する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被取付け部品に形成された取付け孔に、取付け部品の取付け孔を重ね合わせて、それらの孔に挿入することにより、両者を連結して簡単に固定することができるようにしたクリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のクリップとして、特許第2841281号には、放射状のスリットで複数に切り割られた弾性片を有する筒部、該筒部の基端の回りから半径方向外向きに張り出すフランジ部を備えた雌部材と、 該雌部材の内周に挿入することにより前記弾性片を拡開する軸部、該軸部の基端の回りから半径方向外向きに張り出す鍔を備えた雄部材とからなる結合クリップにおいて、前記フランジ部に壁部を立設し、該壁部の内法を前記鍔の外径寸法よりも大きく設定して結合状態における前記鍔の外周縁が前記壁部の内側に納まるようになし、前記壁部には、結合状態にある前記雄部材と前記雌部材とを解脱するための工具を前記鍔部と前記フランジ部との間に水平に挿入するための案内面を形成する切欠部を形成し、前記案内面と前記鍔部の下面と間に形成される隙間を、外縁よりも中心側を狭くしたことを特徴とする結合クリップが開示されている。
【0003】
また、特開2002−106519号公報には、頭部と該頭部から下方に連設された軸部とで断面形状が略T字状に形成された挿入部材と、上記軸部の外方に配設された略V字状の係止部材と、上記挿入部材の軸部と係止部材とを連結するヒンジ部材と、から構成され、上記挿入部材の頭部を押圧することで、上記軸部が係止部材の係止脚部を係止部材外方へと押圧して拡径させ、この後、上記係止部材の係止脚部に突設された係止爪片が上記挿入部材の軸部の下部に膨出形成された係止段部に係合して上記係止部材の拡径状態を保持するように構成され、かつ、係止脚部の上部にそれぞれ外方に延出するフランジ部を設けてなるクリップが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2841281号
【特許文献2】
特開2002−106519号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許第2841281号公報に示される従来のクリップにおいては、雄部材の鍔の外周縁が、フランジ部外周の壁部の内側に収まるように形成されているため、クリップの係合を解除したい場合には、壁部の切欠部を通して鍔部とフランジ部との間に工具を挿入する必要があり、工具がない場合や、工具が使えないような狭いスペースに取付けられている場合には、クリップを外すことができないという問題点があった。また、工具を挿入して鍔部をある程度こじ上げた後に、鍔部を指で引っ張って外そうとしても、フランジ部外周の壁部に邪魔されて鍔部を指で把持できないという問題があった。
【0006】
また、特開2002−106519号公報に示される従来のクリップにおいては、頭部の周壁が上方にストレートに立ち上がり、曲面状をなして次第に縮径した形状をなすので、指で確実に把持することができず、やはり工具がない場合や、工具が使えない場合には、クリップを外すことができなかった。また、上記と同様に、頭部を工具でこじ上げた後に、指で引っ張ろうとしても、指で把持しにくいという問題があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、工具がない場合や、工具が使えない位置にクリップが取付けられている場合でも、クリップを外すことが可能であり、工具で頭部をこじ上げた後の取外し作業もしやすくしたクリップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1は、被取付け部品に形成された取付け孔に、取付け部品の取付け孔を重ね合わせて、それらの孔に挿入することにより、両者を連結して固定するクリップにおいて、
前記重ね合わされた孔に挿入される拡径可能な係止脚部と、この係止脚部の基端から半径方向外方に広がり、挿入方向手前に位置する一方の部品の取付け孔周縁に係合するフランジ部とを有する係止部材と、
前記係止部材の前記係止脚部の内側に挿入されて前記係止脚部を拡径させる軸部と、この軸部の基端から半径方向外方に広がり、前記軸部を挿入したときに前記係止部材のフランジ部上面に当接する頭部とを有する挿入部材とを備え、
前記頭部の周縁の少なくとも一箇所には、前記フランジ部と前記頭部との隙間に工具を挿入するための凹部が形成されており、
前記頭部の前記凹部が形成された方向とは異なる方向の対向する周縁には、上方が拡径され、下方が縮径された逆テーパ形状の側壁が形成されていることを特徴とするクリップを提供するものである。
【0009】
上記発明によれば、頭部の凹部が形成された方向とは異なる方向の対向する周縁に、上方が拡径され、下方が縮径された逆テーパ形状の側壁が形成されているので、クリップを外すときに、上記頭部の逆テーパ形状の側壁を指で把持して引っ張ることができ、頭部を把持しやすく、力がかかりやすくなるので、工具がない場合や、工具を使えない位置に取付けられている場合でも、クリップを外すことが可能となる。また、工具を使用する場合であっても、工具で頭部をこじ上げた後に、頭部を更に引っ張って取り外す際に指で把持しやすくなるので、作業性を向上させることができる。
【0010】
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記フランジ部の上面は、その中央部が盛り上がって肉厚とされ、その周縁部が肉薄とされており、前記頭部の下面は、その中央部が上方にへこんで肉薄とされ、周縁部が下方に突き出して肉厚とされており、前記頭部を前記フランジ部に当接させた際に、前記フランジ部の盛り上がった中央部が、前記頭部のへこんだ中央部に入り込んで密接するように構成されているクリップを提供するものである。
【0011】
上記発明によれば、頭部の周縁部が下方に突き出して肉厚とされているので、前記逆テーパ形状の側壁の高さを高くとることができ、頭部を更に指で把持しやすくすることができる。
【0012】
本発明の第3は、前記第2の発明において、前記係止部材は、前記係止部材は、前記軸部の外方に、折曲部を下方に向けて配設された略V字状の係止脚部と、この係止脚部を前記軸部に対して拡開可能に連結するヒンジ部材と、前記係止脚部の上端に形成され、該係止脚部を閉じたときに前記軸部を囲んでフランジ状に整合する一対の分割フランジとを有しており、この分割フランジを整合させた状態で、前記頭部を前記分割フランジに当接させると、前記分割フランジの前記盛り上がった中央部が、前記頭部の凹部内に入り込んで密接するように構成されているクリップを提供するものである。
【0013】
上記発明によれば、前記係止部材と前記挿入部材とが、前記ヒンジ部材を介して連結され、一体成形が可能なクリップを提供することができると共に、そのようなクリップであっても、頭部を押し付けたとき、突き合わせられた分割フランジの肉厚部が、頭部の凹部に入り込んで密着し、分割フランジを一体にした状態で保持できるため、係止部材を分割しないタイプのクリップと比較しても装着後のクリップとしての強度は同等となる。
【0014】
本発明の第4は、前記第1〜3の発明のいずれかにおいて、前記頭部は、その周縁の対向する2箇所が直線状にカットされて、その部分に前記工具を挿入するための凹部が形成され、この直線状にカットされた以外の部分が、前記逆テーパ形状の側壁をなしているクリップを提供するものである。
【0015】
上記発明によれば、頭部の工具を挿入する部分が直線状にカットされているので、工具を挿入する箇所が明確になり、かつ、工具を挿入口が幅広となるので、工具の挿入が容易となり、総じてクリップの取外し作業を容易にすることができる。
【0016】
本発明の第5は、前記第1〜4の発明のいずれかにおいて、前記工具を挿入するための凹部における前記頭部下面と前記フランジ部上面との隙間は、奥方に向かうほど幅が狭められたテーパ状をなし、このテーパ角は、13.5〜45°の間となるように形成されているクリップを提供するものである。
【0017】
上記発明によれば、例えばマイナスドライバー等の工具の先端を挿入したときに、工具の先端が上記テーパ壁に当たって頭部を押し上げるのであるが、そのテーパ角が上記範囲とされていることにより、比較的短い押し込み量で頭部を大きく押し上げることができ、取外し作業を迅速にできると共に、頭部及びフランジ部の直径が小さくても、クリップの取外しに必要な凹部の奥行きを確保できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0019】
図1〜8は本発明によるクリップの一実施形態を示し、図1は同クリップの係止脚部を開いた状態の斜視図、図2は同クリップの係止脚部を閉じた状態の側面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図3のB−B断面図、図5は同クリップを2枚の板部材の取付け孔に挿入した状態を示す説明図、図6は同クリップの頭部を押し込んで2枚の板部材を固定した状態を示す説明図、図7は同クリップを取外すために工具を挿入した状態を示す平面図、図8は同クリップを取外すために工具を挿入した状態を示す側断面図である。
【0020】
図1、2に示すように、このクリップ100は、頭部210と、この頭部210の下面中央から垂直に伸びる軸部220とを有する挿入部材200を有している。また、この挿入部材200の軸部220の外方には、一対の係止脚部310がV字状に連結されてなる係止部材300が、V字状の折曲部を下方に向けて配置され、この係止部材300は、一対のヒンジ部材400によって軸部220に連結されている。したがって、このクリップ100は、挿入部材200と係止部材300とがヒンジ部材400を介して連結されており、射出成形によって一体成形することができる。
【0021】
頭部210は、上方から見て全体として円形をなすと共に、その円周の対向する部分211を直線状に平行にカットされた形状をなし、側方から見ると、その上面212は上方に凸の緩やかな凸面をなし、その円弧状をなす部分の側面213は上方が拡径され、下方が縮径された逆テーパ形状をなしている。対向する一対の上記側面213を指でつまむことにより、クリップ100を取り外すために頭部210を引っ張り上げるときにつかみやすくなっている。
【0022】
また、上記平行にカットされた部分211には、その下方にテーパ状にえぐられた工具挿入凹部214が形成されている。この工具挿入凹部214に例えばマイナスドライバの先端を挿入し、頭部210をこじり上げることによって、クリップ100を取り外すことが可能とされている。この場合、工具挿入凹部214は、平行にカットされた部分に設けられているので、その挿入幅を広くとり、工具を挿入しやすくなっている。
【0023】
頭部210の下面は、中央が最も肉薄とされ、周縁が徐々に肉厚となって、全体として皿状の凹部215をなしている。この凹部215の周縁は、上記のように徐々に肉厚となっているので、中央から周辺にかけてはテーパ部216をなしている。
【0024】
図3、4を併せて参照すると、頭部210の下面中央から伸びる軸部220は、その横断面がほぼ正方形状をなす四角柱状をなし、その対向する側壁に軸方向に伸びる係合溝221が形成されている。この係合溝221には、後述する係止部材300の係止突片320の先端の爪部321が係合するようになっている。
【0025】
上記係合溝221が形成されていない方の対向する側壁において、軸部220の下端222からやや上方部分には、外方に膨出された係止段部223が形成されている。係止段部223は、図2に示すように、側方から見て山形をなし、頭部210を押し込んで軸部220を係止部材300に対して相対的に下降させたとき、後述する係止部材300の爪片311に係合するようになっている。
【0026】
また、上記係合溝221は、上記係止突片320の爪部321が係合溝221に係合した状態で、係止段部223が爪片311に係合するまで、軸部220が係止部材300に対して相対移動できる長さで形成されている。
【0027】
更に、上記軸部220の上記係合溝221の一方の側部には、頭部210を押し込まない状態で、係止部材300の係止脚部310を閉じたとき、係止脚部310の上端に形成された後述する分割フランジ330の下方に位置するように、案内突起224が形成されている。
【0028】
軸部220に形成されている案内突起224が、爪部321が軸部220と係合した分割フランジ330の下面を支持する構成となり、分割フランジ330が軸部220に対して緩くではあるが二箇所で拘束されるので、その動きが規制されて分割フランジ330の姿勢が安定して、クリップを取付け孔に挿入するときの作業性が向上する。
【0029】
一方、係止部材300の係止脚部310は、図2に示すように、側方から見て上方に開くV字状をなし、軸部220の外方に配置されると共に、ヒンジ部材400を介して、軸部220に連結されている。すなわち、ヒンジ部材400は、その一端を軸部220の下端222に連結され、その他端を係止脚部310の内側のV字の下端からやや上方より部分に連結されている。ヒンジ部材400は、その連結部に肉薄部401を形成されており、この肉薄部401において折曲しやすくされている。また、軸部220が下方に押し込まれるとき、ヒンジ部材400は、リンクとして作用して、係止脚部310を外方に押し開く役割もなす。
【0030】
係止脚部310の内側の中間部分には、前記軸部220の係止段部223に係合する爪片311が突設されている。頭部210を押し込むことによって軸部220が下降するとき、軸部220の係止段部223が爪片311を押し開きながら移動し、爪片311が係止段部223を乗り越えると、係止段部223の上部に係合するようになっている。
【0031】
図2、4に示すように、各係止脚部310の前記爪片311より上方部分には、一方の側部から軸方向に延出された係止突片320が形成されており、この係止突片320の先端部には、前記軸部220の係合溝221に係合する爪部321が形成されている。また、図1、5に示すように、係止突片320の先端上部は、テーパ状に面取りされており、このテーパ面322は、後述する分割フランジ330をガイドする役割をなしている。前記軸部220の前記突起224は、前記係合溝221に対して、上記係止突片320が当接しない方の側部に形成されている。
【0032】
係止脚部310の上端部には、該係止脚部310を閉じたときに前記軸部220を囲んでフランジ状に整合する一対の分割フランジ330が連設されており、該分割フランジ330は、それらの突合せ面の一側が平面視でL字状をなすように突出した突出部331をなしている。そして、一対の分割フランジ330が突き合わせられたとき、各分割フランジ330のL字状をなす内側面が軸部220の交差する2つの面に当接し、軸部220を取り囲むようになっている。この場合、各分割フランジ330の上記突出部331の内側が、前記軸部220の前記係合溝221が形成された面に当接する。また、上記突出部331は、係止脚部310の前記係止突片320が形成されていない側に形成されている。
【0033】
また、各分割フランジ330を突き合わせたときの当接面には、上下に重なり合う段部が形成されている。この場合、各分割フランジ330の上記突出部331の当接面は下方が凸332で上方が凹333の段部をなし、各分割フランジ330の突出していない方(係止脚部310の係止突片320が形成された方)の当接面は下方が凹334で上方が凸335の段部をなしている。
【0034】
その結果、一対の分割フランジ330を突き合わせたとき、突出部331の当接面の凸332は、その上方に相手方の分割フランジ330の凸335が配置され、その下方に相手方の脚部310から伸びる係止突片320が配置される。このため、一対の分割フランジ330を突き合わせたとき、突出部331の当接面の凸332は、相手方の分割フランジ330の凸335と、相手方の脚部310から伸びる係止突片320とに上下を挟まれて、分割フランジ330の当接面どうしが整合した状態を維持され、外部からねじり力等を受けても外れにくくなっている。
【0035】
また、各分割フランジ330は、それらの下面は平面をなしているが、上面を盛り上げることによって、それらの当接面(分割面)側が肉厚とされ、当接面から離れた端部側が肉薄とされている。そして、上記肉厚部336と上記肉薄部337との間は、次第に隆起するテーパ部338をなしている。そして、上記肉厚部336は、頭部210の凹部215に適合し、上記テーパ部338は、頭部200のテーパ部216に適合するようになっている。このため、頭部210を押し付けたとき、突き合わせられた分割フランジ330の肉厚部336が、頭部210の凹部215に入り込んで密着し、分割フランジ330を一体にした状態で保持できる構成であるため、係止部材300を分割しないタイプのクリップと比較しても装着後のクリップとしての強度は同等となる。
【0036】
また、頭部210の前記平行にカットされた部分211は、各分割フランジ330を突き合わせたときの接合ラインL(図7参照)に対してほぼ垂直に形成され、この平行にカットされた部分211に設けられた工具挿入凹部214は、上記各分割フランジ330の接合ラインLと交差するように形成されている。その結果、マイナスドライバー等の工具Tの先端を工具挿入凹部214に挿入したとき、工具Tの先端が接合ラインLを渡るように配置される。
【0037】
更に、前記頭部210の前記工具挿入凹部214が形成された下面と、前記分割フランジ330上面との隙間は、奥方に向かうほど幅が狭められたテーパ状をなし、このテーパ角θ(図8参照)は、13.5〜45°の間となるように形成されている。
【0038】
次に、このクリップ100の使用方法について説明する。
クリップ100は、工場出荷時に、その係止脚部310を閉じて、各係止脚部310の係止突片320の爪部321を、軸部220の係合溝221に係合させておく。その結果、クリップ100は、図2に示すように、係止脚部310を閉じた状態に保持される。
【0039】
このとき、図4に示すように、各係止脚部310の分割フランジ330の突出部331が軸部220の係合溝221が形成された一方の面に当接し、その脚部310の係止突片320が軸部220の係合溝221が形成された他方の面に当接するので、軸部220をコ字状に抱き込んで保持し、係止突片320が係合溝221から外れにくくなっている。
【0040】
また、係止脚部310を閉じるとき、各分割フランジ330の突出部331は、軸部220の突起224と脚部310の係止突片320のテーパ面322とにガイドされて、係止突片320の上部に挿入される。また、係止脚部310を閉じた状態では、一対の分割フランジ330が突き合わせられて、図2に示すように、平面視で全体として円形のフランジ状をなす。そして、各分割フランジ330における突出部331の当接面の凸332は、前述したように、相手方の分割フランジ330の凸335と、相手方の脚部310から伸びる係止突片320とに上下を挟まれるため、外部からねじり力等を受けても外れにくくなっている。
【0041】
図5に示すように、作業者は、被取付け部品をなす板部材500の取付け孔510に、取付け部品をなす板部材600の取付け孔610を整合させて重ね、クリップ100をその係止脚部310側から、上記取付け孔610、510に順次挿入する。その結果、互いに突き合わせられた分割フランジ330の下面が、板部材600の上面に当接する。
【0042】
この状態で、図6に示すように、頭部210を下方に押し込むと、軸部220が下降し、軸部220に膨出形成された係止段部223が爪片311に当接して、係止脚部310を外方に押し広げる。このとき、ヒンジ部材400がリンク的に作用して、係止脚部310を押し広げるのに寄与する。また、係止突片320の爪部321は、係合溝221に沿って上方に移動するので、軸部220の下降が妨げられることはない。
【0043】
そして、爪片311が係止段部223を乗り越えてその上方に移動すると、係止脚部310の基部側が、被取付け部品である板部材500の取付け孔510の裏面側に係合し、取付け孔510に圧接されることによる内方への押圧力によって、爪片311が係止段部223の上部に係合する。こうして、係止脚部310は拡径された状態を維持され、拡径された係止脚部310が取付け孔510の裏面周縁に係合して、板部材500と板部材600とを固定することができる。
【0044】
なお、この固定状態において、頭部210の凹部215に、分割フランジ330の肉厚部336が入り込んで密着し、頭部210と分割フランジ330との位置ずれが防止され、分割フランジ330を一体にした状態で保持できる。このため、係止部材300を分割しないタイプのクリップと比較しても装着後のクリップとしての強度は同等となる。
【0045】
次に、このクリップ100を取外すときには、図7,8に示すように、例えばマイナスドライバ等の工具Tの先端部t1を工具挿入凹部214に挿入して押し込むと、工具Tの先端角部が、分割フランジ330上面と、工具挿入凹部214の下面とに突き当たり、頭部210が強制的に押し上げられて、係止段部223と爪片311との係合が外れるようになっている。
【0046】
この場合、頭部210の平行にカットされた部分211は、各分割フランジ330を突き合わせたときの接合ラインL(図7参照)に対してほぼ垂直に形成されている。その結果、工具挿入凹部214は、各分割フランジ330の接合ラインLと交差するように形成されるので、マイナスドライバ等の工具Tの先端を工具挿入凹部214に挿入したとき、工具Tの先端が上記接合ラインLを渡るように配置される。このため、工具Tの下辺で分割フランジ330の接合ラインLが押さえられるので、分割フランジ330がずれることが防止でき、頭部210の押し上げ力を効果的に作用させることができる。
【0047】
更に、頭部210の工具挿入凹部214が形成された下面と、分割フランジ330上面との隙間が奥方に向かうほど幅が狭められたテーパ状をなし、このテーパ角θ(図8参照)が13.5〜45°の間となるように形成されているので、工具Tの押し込み量が比較的少なくても頭部210を大きく押し上げることができ、しかも適度な押し込み力で十分な引き離し力を付与することができる。
【0048】
なお、上記実施形態は、前記係止部材200と前記挿入部材300とが、前記ヒンジ部材400を介して連結され、一体成形が可能なクリップ100に適用した例であるが、本発明は、係止部材200と挿入部材300とが別体で構成されたクリップ、例えば前記特許第2841281号に示されるようなタイプのクリップにも適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、拡径可能な係止脚部及びこの係止脚部の基端に形成されたフランジ部を有する係止部材と、係止部材の内側に挿入されて係止脚部を拡径させる軸部及びこの軸部の基端に形成された頭部を有する挿入部材とを備え、被取付け部品に形成された取付け孔に、取付け部品の取付け孔を重ね合わせて、それらの孔に係止脚部を挿入し、軸部を押し込んで係止脚部を拡径させることにより、両者を連結して固定するクリップにおいて、頭部の周縁の少なくとも一箇所には、前記フランジ部と前記頭部との隙間に工具を挿入するための凹部を形成し、前記頭部の前記凹部が形成された方向とは異なる方向の対向する周縁には、上方が拡径され、下方が縮径された逆テーパ形状の側壁を形成したことにより、クリップを外すときに、上記頭部の逆テーパ形状の側壁を指で把持して引っ張ることができ、頭部を把持しやすく、力がかかりやすくなるので、工具がない場合や、工具を使えない位置に取付けられている場合でも、クリップを外すことが可能となる。また、工具を使用する場合であっても、工具で頭部をこじ上げた後に、頭部を更に引っ張って取り外す際に指で把持しやすくなるので、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるクリップの係止脚部を開いた状態の斜視図である。
【図2】同クリップの係止脚部を閉じた状態の側面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】同クリップを2枚の板部材の取付け孔に挿入した状態を示す説明図である。
【図6】同クリップの頭部を押し込んで2枚の板部材を固定した状態を示す説明図である。
【図7】同クリップを取外すために工具を挿入した状態を示す平面図である。
【図8】同クリップを取外すために工具を挿入した状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
100 クリップ
200 挿入部材
210 頭部
211 平行にカットされた部分
213 側壁
214 工具挿入凹部
215 凹部
216 テーパ部
220 軸部
221 係合溝
223 係止段部
300 係止部材
310 係止脚部
311 爪片
320 係止突片
321 爪部
330 分割フランジ
331 突出部
336 肉厚部
338 テーパ部
400 ヒンジ部材
500 被取付け部品をなす板部材
510 取付け孔
600 取付け部品をなす板部材
610 取付け孔
T 工具
L 接合ライン

Claims (5)

  1. 被取付け部品に形成された取付け孔に、取付け部品の取付け孔を重ね合わせて、それらの孔に挿入することにより、両者を連結して固定するクリップにおいて、
    前記重ね合わされた孔に挿入される拡径可能な係止脚部と、この係止脚部の基端から半径方向外方に広がり、挿入方向手前に位置する一方の部品の取付け孔周縁に係合するフランジ部とを有する係止部材と、
    前記係止部材の前記係止脚部の内側に挿入されて前記係止脚部を拡径させる軸部と、この軸部の基端から半径方向外方に広がり、前記軸部を挿入したときに前記係止部材のフランジ部上面に当接する頭部とを有する挿入部材とを備え、
    前記頭部の周縁の少なくとも一箇所には、前記フランジ部と前記頭部との隙間に工具を挿入するための凹部が形成されており、
    前記頭部の前記凹部が形成された方向とは異なる方向の対向する周縁には、上方が拡径され、下方が縮径された逆テーパ形状の側壁が形成されていることを特徴とするクリップ。
  2. 前記フランジ部の上面は、その中央部が盛り上がって肉厚とされ、その周縁部が肉薄とされており、前記頭部の下面は、その中央部が上方にへこんで肉薄とされ、周縁部が下方に突き出して肉厚とされており、前記頭部を前記フランジ部に当接させた際に、前記フランジ部の盛り上がった中央部が、前記頭部のへこんだ中央部に入り込んで密接するように構成されている請求項1記載のクリップ。
  3. 前記係止部材は、前記軸部の外方に、折曲部を下方に向けて配設された略V字状の係止脚部と、この係止脚部を前記軸部に対して拡開可能に連結するヒンジ部材と、前記係止脚部の上端に形成され、該係止脚部を閉じたときに前記軸部を囲んでフランジ状に整合する一対の分割フランジとを有しており、この分割フランジを整合させた状態で、前記頭部を前記分割フランジに当接させると、前記分割フランジの前記盛り上がった中央部が、前記頭部の凹部内に入り込んで密接するように構成されている請求項2記載のクリップ。
  4. 前記凹部は、頭部の周縁の対向する2箇所が直線状にカットされた部分に形成され、この直線状にカットされた以外の部分が、前記逆テーパ形状の側壁をなしている請求項1〜3のいずれか1つに記載のクリップ。
  5. 前記工具を挿入するための凹部における前記頭部下面と前記フランジ部上面との隙間は、奥方に向かうほど幅が狭められたテーパ状をなし、このテーパ角は、13.5〜45°の間となるように形成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のクリップ。
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