JP2008248966A - 固定具 - Google Patents

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康博 河合
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Abstract

【課題】高いピン挿入力を必要とせずに、複数の部材を高い引き付け力で連結できるピンとブッシュで成る固定具を提供する
【解決手段】固定具3は、ブッシュフランジ7及びブッシュ脚部11を有するブッシュ1と、ピン脚部23を有するピン2とから成り、ブッシュ脚部に設けられた係止爪11の先端の係止部17係止部とブッシュフランジ7の間に部材を挟持し、ブッシュ脚部11(のブッシュ軸部11)は、軸方向に伸張可能であって、ピン脚部がブッシュ脚部に中間まで挿入された使用前状態において、ブッシュ脚部が伸張され、ピン脚部がブッシュ脚部に完全に挿入された使用状態(図16)においてブッシュ脚部の伸張が解除され係止部とブッシュフランジとの間の軸方向長さが部材の板厚より小さくなる。
【選択図】図11

Description

本発明は、ピンとブッシュの2部品から成る固定具に関し、詳細には、パネル等の被取付部材にブラケット等の取付部材を連結することができる固定具に関する。
ピンとブッシュで成る固定具を用いて、パネル等の被取付部材にブラケット等の取付部材を連結することは知られている。取付部材を被取付部材にそれぞれの取付穴を合わせて配置し、固定具のブッシュ脚部を両取付穴に挿入してピンをブッシュに押込んでブッシュ脚部を半径方向外方に拡膨し、その拡膨脚部とブッシュフランジとの間に被取付部材と取付部材を挟持することによって、取付部材を被取付部材に相互に連結する。
特開平8−270627号公報 特開平11−153112号公報 特開2000−240624号公報
ピンとブッシュの2部品で成る固定具を用いて被取付部材に取付部材を連結する場合、両部材を強い引き付け力で締結して締結取付部材を被取付部材に強固に連結するのが望ましい。特許文献1の固定具は、金属製のブッシュ(クリップ)とプラスチック製のピンとから成り、金属製ブッシュの脚部にはブッシュフランジ側に折返す弾性折返し部が形成されている。この固定具を用いて被取付部材に取付部材を連結する場合、ピンがブッシュ脚部の途中まで挿入された仮連結ブッシュの脚部が両部材の取付穴に挿入され、その後、ピンがブッシュに完全に挿入されると、ピンがブッシュ脚部を半径方向外方に押出してブッシュ脚部の折返し部がブッシュフランジ側に押され、取付部材を被取付部材に引き付けるように作用する。この引き付け力を高くするには、ピンをブッシュ脚部へ挿入する力を強くすることを必要とするので、作業者には高いピン挿入力が要求される。
特許文献2の固定具は、プラスチック製のピンとプラスチック製のブッシュから成り、ブッシュ脚部は、軸部先端からブッシュフランジ側に折返した1対の弾性係止爪を有し、ピンがブッシュ脚部の途中まで挿入された仮連結状態で用いられる。この固定具を用いて被取付部材に取付部材を連結する場合、前記仮連結されたブッシュの脚部が両部材の取付穴に挿入され、その後、ピンがブッシュに完全に挿入されると、ピンがブッシュ脚部を半径方向外方に押出して弾性係止爪の先端がブッシュフランジ側に押され、取付部材を被取付部材に引き付けるように作用する。特許文献2の固定具においても、引き付け力を高くするには、ピンをブッシュ脚部へ挿入する力を強くすることを必要とするので、作業者には高いピン挿入力が要求される。
特許文献3はワイヤハーネスを車体に固定するクランプを記載している。クランプは、基板から垂下する中央の軸部と軸部先端から基板側に折返す1対の弾性係止爪とを備えた錨脚形状の車体係止部を有し、1対の弾性係止爪と軸部の間には1対の隙間が形成され、隙間にはそれぞれピンが挿入される。弾性係止爪のそれぞれには、車体縁部に係合する切欠きが形成されており、その切欠きに車体の取付穴の縁部を係合させ、ピンを前記隙間に挿入することで切欠き部分を外方に押出して、クランプを車体へ固着させる。固着力を強固にするには、ピンを太くして、弾性係止爪の外方への押出し力を強くすることを必要とするので、作業者には高いピン挿入力が要求される。
従って、本発明の目的は、高いピン挿入力を必要とせずに、複数の部材を高い引き付け力で連結できる固定具を提供することにある。
上記の目的を達成するため、基本的には、本発明に係る、ピンとブッシュの2部品から成る固定具においては、ブッシュは、ブッシュフランジとブッシュ脚部とから成り、ピンは、ブッシュ脚部に挿入されるピン脚部を有し、ブッシュ脚部には、ブッシュフランジとの間に部材を挟持するための係止爪が形成され、係止爪の先端には、部材に係合する係止部が形成されて係止部とブッシュフランジとの間に部材を挟持するようになっており、ブッシュ脚部は、軸方向に伸張可能に形成されており、ピン脚部がブッシュ脚部に中間まで挿入されてピンがブッシュに使用前状態に連結された状態において、係止爪の係止部とブッシュフランジとの間の軸方向長さが部材の板厚よりやや大きくなるように、ブッシュ脚部が伸張されており、ピン脚部がブッシュ脚部に完全に挿入されてピンがブッシュに使用状態に連結された状態においては、係止爪の係止部とブッシュフランジとの間の軸方向長さが部材の板厚より小さくなるように、ピンによってブッシュ脚部の伸張が解除される構成である、ことを特徴とする。
上記特徴によって、使用前状態の連結状態にある固定具は、係止爪の係止部とブッシュフランジとの間の軸方向長さが部材の板厚よりやや大きくなるので、例えば、取付部材を被取付部材に連結する場合に両部材の取付穴にブッシュ脚部を挿入すれば、ブッシュフランジと係止爪の係止部の間に両部材がそのまま挟まれ、ピン脚部を押して使用状態にされた固定具では、係止爪の係止部とブッシュフランジとの間の軸方向長さが部材の板厚より小さくなるので、取付部材を被取付部材へ高い引き付け力で連結することができ、ピンをブッシュに挿入する力は、ブッシュ脚部の伸張を解除するだけのエネルギーでよいので、大きな挿入力を必要としない。
本発明は、ピンとブッシュの2部品から成る固定具であって、ブッシュは、ブッシュフランジとブッシュ脚部とから成り、ピンは、ブッシュ脚部に挿入されるピン脚部を有しており、ブッシュ脚部には、ブッシュフランジとの間に部材を挟持するための係止爪が形成され、係止爪の先端には、部材に係合する係止部が形成されて係止部とブッシュフランジとの間に部材を挟持するようになっており、ブッシュ脚部には、ピン軸部が挿入されたときにピン軸部と対面する面に軸方向長さaの凹所が形成され、ピン脚部には、ブッシュ脚部に挿入したとき凹所に向けて突出し凹所に嵌合できる形状の、軸方向長さbの突起が形成されており、凹所は、通常時においてその軸方向長さaが突起の軸方向長さbより短く(a<b)なるように形成されており、ブッシュ脚部は、少なくとも凹所が形成された部分において、凹所の軸方向長さが少なくとも軸方向長さbになるように引き延ばされても軸方向長さa近くまで復帰できる弾性を有しており、ブッシュ脚部の凹所の部分が軸方向に少なくとも長さ(b−a)引き延ばされてピン脚部の突起が凹所に嵌合させられるようにピン脚部がブッシュ脚部に中間まで挿入されてピンがブッシュに使用前状態に連結された状態において、ブッシュ脚部は凹所の部分において突起の嵌合により軸方向長さ(b−a)だけ引き延ばされた状態に維持されてブッシュフランジと係止爪の係止部との間の長さが軸方向長さ(b−a)だけ引き延ばされており、ピンには、ピン脚部がブッシュ脚部に完全に挿入されてピンがブッシュに使用状態に連結された状態において凹所に嵌合していた突起が凹所から離脱するように作用する嵌合解除手段が設けられており、突起が凹所から離脱すると、ブッシュ脚部が凹所の部分において軸方向長さaに復帰して、ブッシュフランジと係止爪の係止部との間の長さが軸方向長さ(b−a)縮んで、ブッシュフランジと係止爪の係止部との間の部材を強固に挟持することを特徴とする固定具を提供する。
上記固定具において、ブッシュは硬質プラスチックで一体成形され又はブッシュ軸部だけが前記硬質プラスチックではない軟質プラスチックで形成されており、ピンは硬質プラスチックで一体成形され、あるいは、軸部が軟質プラスチックで形成されている。その場合、ブッシュ脚部は、ブッシュ脚部の軸心に延びる棒状のブッシュ軸部を有し、ブッシュ軸部に凹所が形成されている。別の場合、ブッシュ脚部は、ブッシュ脚部の軸心に延びる棒状のブッシュ軸部を有し、ブッシュ軸部に凹所が形成され、ブッシュは、ブッシュ軸部の凹所を除く部分が硬質プラスチックで形成され且つブッシュ軸部の凹所の部分は金属製のコイル形状のばねで形成されており、ピンは硬質プラスチックで一体成形されている。その場合、ばねは、インサート成形又は機械的連結によって凹所以外のブッシュ軸部部分に連結されている。
上記固定具において、ピン脚部は、ブッシュ軸部の両側に沿って隣接するように、1対形成されており、ピン脚部のそれぞれに突起が形成され、1対のピン脚部の突起を受入れて嵌合するように、ブッシュ軸部の両側に凹所が形成されている。その場合、ブッシュ軸部の先端には、矩形断面で且つ一定高さのほぼ直方体形状の下端部が形成されており、係止爪は、下端部の4つの角からブッシュフランジに向けて且つブッシュ軸部から半径方向外方に張り出すように延びて形成された、2対の係止爪で成る。別の場合、ブッシュ軸部の先端には、円形断面で且つ一定高さのほぼ円柱形状の下端部が形成されており、係止爪は、下端部からブッシュフランジに向けて且つブッシュ軸部から半径方向外方に張り出すように延びて形成された、2対の係止爪で成る。
上記固定具において、ピンは、ピン脚部の上端に形成されたピン頭部を備え、ピン頭部は、上部に指等で押圧できる操作部と、操作部から水平方向に張り出してから操作部下方に折返して軸方向に弾性を有するように形成された1対の弾性部とを備え、操作部下方にある各弾性部の端部にピン脚部の上端が連結されている。その場合、操作部下面側には、嵌合解除手段としてのロック解除爪が1対形成されており、ロック解除爪は、操作部を押込むと、1対の弾性部の端部のそれぞれに係合して、端部を水平方向外側に移動させ1対ピン脚部の上端に半径方向外側に移動させる力を作用させて凹所に嵌合していた突起を凹所から離脱するように作用する形状に形成されている。
上記固定具において、ブッシュ脚部は、ブッシュ脚部の軸心部分が中空に形成された、矩形断面の筒状に形成されており、係止爪は、矩形断面のブッシュ脚部の対向する2つの側壁においてブッシュ脚部の下端からブッシュフランジに向けて半径方向外方に張り出すように延びて形成された、1対の係止爪で成る。その場合、ブッシュ脚部の凹所は、1対の係止爪を結ぶ線と直交する方向にある1対の内壁面に形成されている。ピンは、板状のピン頭部とピン頭部から棒状に垂下する1つのピン脚部とから成る。ピン脚部は、その下端に1対の凹所に嵌合する1対の突起を備えており、各突起は、ピン脚部下端から延びる弾性アームに連結されてピン脚部より半径方向外方に弾性的に張り出している。ピン脚部には、その下端の突起に隣接する部分において、突起が該ピン脚部の側に変位して収容される空間が形成されている。
更に、本発明は、ピンとブッシュの2部品から成る固定具であって、ブッシュは、ブッシュフランジとブッシュ脚部とから成り、ピンは、ブッシュ脚部に挿入されるピン脚部を有し、ブッシュ脚部は、ブッシュフランジに連結され中間部分が内側に湾曲し且つ相互にピン脚部が挿入できる間隔をあけた1対の、板ばね形状のばねと、ばねの下端に連結された脚部本体とから形成されており、ブッシュ脚部の脚部本体には、ブッシュフランジとの間に部材を挟持するための係止爪が形成され、係止爪の先端には、部材に係合する係止部が形成されて係止部とブッシュフランジとの間に部材を挟持するようになっており、ブッシュ脚部のばねは、通常時においてブッシュフランジと係止爪の係止部との間の軸方向長さが部材の板厚より短くなるようにブッシュ脚部の長さを弾性的に縮めており、ピン脚部には、ピン脚部がブッシュ脚部に中間まで挿入されてピンがブッシュに使用前状態に連結された状態においてばねの湾曲部を半径方向外方に押出してばねの湾曲を直線状に変形させる突起が設けられて、ばねの変形により係止爪の係止部とブッシュフランジとの間の軸方向長さが部材の板厚よりやや大きくなるようにブッシュ脚部が伸張されており、ピン脚部がブッシュ脚部に完全に挿入されてピンがブッシュに使用状態に連結された状態においては、ピン脚部の突起がばねの湾曲部から離れてばねの湾曲が通常時の状態に復帰し、係止爪の係止部とブッシュフランジとの間の軸方向長さが部材の板厚より小さくなる、ことを特徴とする固定具を提供する。
上記固定具において、ブッシュは、ばね以外の部分が硬質プラスチックで形成され、ばねは金属の板ばねで形成される。別の場合には、ブッシュが硬質プラスチックで一体成形され、ばねも硬質プラスチック製の板ばねで形成される。いずれの場合も、ピンは硬質プラスチックで一体成形される。ピンは、板状のピン頭部とピン頭部から棒状に垂下するピン脚部とから成る。ピン脚部の先端には、直径方向に延びる突起が一対形成される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1〜図18は、本発明の第1実施形態に係る固定具3を示している。第1実施形態に係る固定具3は、図1〜図4に示されるプラスチック製のブッシュ1と、図5及び図6に示されるプラスチック製のピン2とから構成される。そして、図8に示されるように、ピン2がブッシュ1に組付けられて、1部品として取扱える固定具3が形成される。図11〜図13に示されるように、固定具3は、ピン2がブッシュ1の途中まで挿入された使用前状態に連結される。使用前状態に連結されているとき、固定具3においては、後述のように、ブッシュ1がピン2によってブッシュ脚部9(のブッシュ軸部10)の少なくとも一部が弾性的に引き延ばされた状態にあって、復帰する弾性エネルギーが蓄積された状態にある。使用前状態に連結された固定具3は、図14〜図18に示すように、ボデーパネル等の被取付部材5に配置されたブラケット等の取付部材6を相互に連結する場合等に用いられる。本発明に係る固定具は、第1実施形態の固定具3をはじめとして、複数の部材を相互に軸方向に引き付ける力が高く、例えば、被取付部材5に連結される取付部材6は強い締結力で被取付部材5に締結される。使用前状態の固定具3は、図14及び図15に示すように、取付部材6及び被取付部材5の取付穴に挿入され、挿入後、ピン2がブッシュ1に押込まれて、図16の状態を経て、図17及び図18に示す使用状態に締結され、これにより、取付部材6が被取付部材5に強固に連結される。この使用状態にするには、使用前状態の復帰エネルギーを利用して、ブッシュ脚部の伸張状態を解除するので、後述のように、ピン2の強い押込み力は必要としない。
図1〜図4を参照して、固定具3の一方の部品であるブッシュ1を説明する。ブッシュ1は、硬質プラスチックの一体成形品で成り、ブッシュフランジ7と、ブッシュフランジ7から垂下するブッシュ脚部9とを有する。ブッシュ脚部9は、ブッシュフランジ7の下面のほぼ中心から垂下するブッシュ軸部10と、ブッシュ軸部10の下端からブッシュフランジ7に向けて折返してブッシュフランジ7に隣接する位置まで延びる、2対の弾性の係止爪11とから成る。ブッシュフランジ7は、図2に示されるように、やや長円に形成されて、1対のピン脚部23(後述)を受入れる1対の貫通穴13が、中央付近に形成されている。なお、ブッシュフランジ7は、高い軸方向の引き付け力に対抗できる剛性を有するように一定の厚さに形成される。また、ブッシュフランジ7は、剛性を保ちつつ、重量の軽減と材料の節約を図るため、貫通穴13以外の部分に、複数の凹み14が所定の位置と形状で形成されている。
ブッシュ脚部9のブッシュ軸部10は、ブッシュフランジ7の下面の中央から垂下する棒形状に延び、下端部15は、被取付部材及び取付部材の矩形の取付穴に対応した矩形断面を持ち且つ一定の剛性を有する高さと面積を持つ直方体に形成されている。かかる下端部15の形状は、限定的ではなく、直方体以外の形状であってもよい。2対の係止爪11は、ブッシュ軸部10の下端部15の4つの角部から、ブッシュフランジ7に隣接する位置までブッシュ軸部10から離れるように斜めに延びて、ブッシュフランジ7に隣接する位置において横方向外側に弾性的に張り出す弾性を有する。各係止爪11は、ブッシュフランジ7との間に、取付部材と被取付部材を挟持するため、係止肩17を有する。係止肩17は、その内側に、被取付部材等の取付穴の内周面に係止する上方延長部18を有し、係止肩17が取付穴縁部から外れるのを阻止する。上記のように、2対の係止爪11は、矩形のブッシュ軸部10の下端部15の4つの角部から延びている。取付穴が矩形の場合角部分は変形に対して強いことが分かっており、4つの角部分に形成された2対の係止爪11は、高い連結強度を得ることができ、取付部材又は被取付部材そのものの強度が低い場合においても、高い連結強度を得ることができる。
ブッシュ軸部10は、ブッシュフランジ7の下面と下端部15との間に、棒状に延びて形成されるが、その中間部分において、一定の軸方向長さaにわたって軸心側に窪む、1対の凹所19を有する。凹所19には、後述のように、ピン2の1対のピン脚部23のそれぞれの突起30が嵌合する。凹所19の軸方向長さは、ピン脚部23の突起30の軸方向長さbより短い長さaに形成されている。ピン脚部23の突起30を凹所19に嵌合させるには、凹所19の軸方向長さaを突起の軸方向長さb以上に引き延ばすようにブッシュ軸部10を工具や治具あるいは機械で引き延ばして、ピン脚部23をブッシュ1に挿入し、ピン脚部23の突起30を凹所19に位置合わせしてそのまま突起30を凹所19に嵌合させて、引き延しを終了する。これによって、ブッシュ軸部10は凹所19の部分で長さaから長さbに延びた状態にロックされる。ブッシュ軸部10は、全体としてブッシュフランジ7と係止爪11の係止肩17との間に被取付部材及び取付部材を挟持する剛性を有するとともに、少なくとも凹所19の部分においては弾性を有する材料で成る。すなわち、ブッシュ軸部10の凹所19の部分は、工具や治具あるいは機械で引き延ばしてピン脚部23の突起30を嵌合させることができ且つ突起30を凹所19から外すと元の軸方向長さaにあるいは少なくともa近くまで復帰できる弾性(ばね性)を有する。そのため、ブッシュ1は、一定の剛性を有するが、上記所定の弾性を持つ材料で形成される。そのような材料として、例えば、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール:ポリオキシメチレン)、TPE(熱可塑性エラストマー)、PE(ポリエチレン)、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、AAS(アクリルニトリルアクリレートスチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)等のプラスチック材料が挙げられる。ブッシュ1を、ブッシュ軸部10の少なくとも凹所19の部分において上記所定の弾性を持つ材料で形成されるようにしてもよい。その場合において、上記では、ブッシュ1を硬質プラスチックで一体成形するとして説明したが、ブッシュ1のブッシュ軸部10だけを軟質プラスチックで形成して他のブッシュの部分を硬質プラスチックで形成してもよい。その場合には、ブッシュ軸部10をインサート成形したり、ブッシュ軸部を機械的組合せ連結によって形成することができる。
なお、ブッシュ軸部10のブッシュフランジ7に隣接する根元部21は、被取付部材等の矩形の取付穴に位置決めできるように、他の軸部部分より半径方向外側に矩形に張り出して形成されるのが好ましい。これによって、ブッシュ1を取付穴に位置決めする作業を容易に且つ安定して行うことができる。
次に、図5及び図6を参照して、固定具3の他方の部品であるピン2を説明する。ピン2は、硬質プラスチックの一体成形品であり、ピン頭部22と、ピン頭部22から垂下するように延びる1対のピン脚部23とから成る。ピン頭部22は、中央の上面に指等によって押すことのできる他の部分より隆起して剛性を高くした操作部25と、操作部25に弾性を付与する1対の弾性部26とを備え、弾性部26は、操作部25から両側に張り出して下方に湾曲し再び平行に操作部25の下方に折返す板状体で形成されている。更に、操作部25の下面に、弾性部26の端部27に向けて、端部27の手前まで延びるロック解除爪29が、1対の端部27に対応して、1対形成されている。ロック解除爪27の詳細については後述する。
1対のピン脚部23が、1対の弾性部26の端部27から下方に延びている。各ピン脚部23は、一定の剛性を有する棒状体として形成されており、ブッシュフランジ7の貫通穴13を貫通できる形状に形成されている。各ピン脚部23の下端部には、ブッシュ軸部10の凹所19に嵌合する突起30が形成されている。各突起30は、ブッシュ軸部10の凹所19に対面するように、各ピン脚部23の内側に突出して形成され、その軸方向長さbは、凹所19の軸方向長さaよりやや長く形成されている。凹所19の軸方向長さaと突起30の軸方向長さbの大きさが図7に記載されている。図7に示すように、a<bとして形成される。突起30の軸方向長さbは、ブッシュ軸部10を凹所19の部分で軸方向長さaから長さbに伸張したときブッシュフランジの下面と係止爪11の係止肩17の間の軸方向長さが被取付部材と取付部材の総板厚を少し越える程度に選定される。これに対して、ブッシュ軸部が伸張さない通常時においてはブッシュフランジの下面と係止爪11の係止肩17の間の軸方向長さは被取付部材と取付部材の総板厚より小さくなるように選定される。更に、凹所19の軸方向長さaは、突起30によってブッシュ軸部10の凹所の部分が伸張したとき、復帰の弾性を失なわず、凹所で塑性変形したり破断したりすることのない長さに選定される。例えば、凹所19の軸方向長さaが、7mmであり、突起30の軸方向長さbが8mmである。かかる長さの違いによって、各突起30が、各凹所19に嵌合しているとき、ブッシュ軸部10は凹所19の部分において軸方向長さが長さaから長さbに引き延ばされる。このブッシュ軸部10の部分は、元の長さに復帰する弾性(ばね性)を有するので、長さbに引き延ばされると、引き延ばされた長さ(b−a)と弾性係数(ばね定数)との積に対応する力(エネルギー)が蓄えられる。突起30の形状は、軸方向長さaの凹所19に嵌合できる限り、任意の形状に形成できる。
ピン脚部23の根元部分は、ピン頭部22の弾性部26の端部27に一体に連結されている。各端部27の上方には、ロック解除爪29が隣接している。ピン頭部22の操作部25を、弾性部26の弾性力を越えて押すと、ロック解除爪29が下がり、端部27に当接し始める。端部27は、ロック解除爪29に当接する部分が斜面に形成されて、ロック解除爪27を押込むと、端部27を半径方向外方に拡げるように作用する。この作用は、ピン脚部23に伝えられて、ピン脚部23を半径方向外方に移動させる。この移動によって、ブッシュ軸部10の凹所19に嵌合していたピン脚部23の突起30が凹所19から離れていく。すなわち、ピン頭部22の操作部25を押込むと、ロック解除爪29がピン脚部23の突起30をブッシュ軸部10の凹所19へ嵌合した状態から解除する。ロック解除爪29と端部27の形状は、操作部25を押込んでロック解除爪29がピン脚部23の突起30をブッシュ軸部10の凹所19から外れる限り、任意の形状に形成できる。このように、操作部25を指等で押すと、ロック解除爪29によってピン脚部23を半径方向外側に開くように作用して、その作用によって、ピン脚部23の突起30がブッシュ軸部10の凹所19から抜け出すので、突起30を凹所19からロック解除するのに、強い挿入力を必要としない。
図8の矢印31に示すように、ピン2がブッシュ1に組付けられる。組付けにおいて、ピン脚部23がブッシュフランジ7の貫通穴13に挿入される。この組付けのとき、ブッシュ1は、図9(A)の通常状態から、工具あるいは治具又は機械によって、図9(B)の引き延ばし状態にされる。詳細には、ブッシュ軸部10は、工具あるいは治具又は機械によって、ブッシュ軸部10の凹所14の部分が、軸方向長さaから軸方向長さcとなるように引き延ばされる。引き延ばさられる軸方向長さcは、ピン脚部23の突起30の長さb以上であって、引き延ばされたブッシュ軸部10の部分が弾性(ばね性)を失わない長さにされる。このように、ブッシュ軸部10を引き延ばした状態で、ピン脚部23がブッシュフランジ7の貫通穴13に挿入される。ピン脚部23を更に押込むと、ピン脚部23の突起30がブッシュ軸部10の凹所19に対面してそのまま嵌合する。その嵌合状態が図10に示されている。この嵌合によって、ブッシュ軸部10の凹所19の部分は、元の長さaから長さbに引き延ばされて、(b−a)の長さ(引き延ばされた長さ)の分だけ、ブッシュ軸部10に復帰のためのエネルギーが蓄えられる。すなわち、ブッシュ軸部10には、(b−a)の長さと凹所19の部分の弾性係数(ばね定数)との積に対応する力(エネルギー)が蓄えられる。
図11〜図13には、ピン脚部23の突起30がブッシュ軸部10の凹所19に嵌合して、ピン2がブッシュ1に使用前状態に連結された固定具3が示されている。使用前状態の固定具3においては、ピン2は、ブッシュ1に対して、ピン頭部22が一定高さ突出した状態で連結される。前記のように、突起30が凹所19に嵌合しているので、ブッシュ軸部10には、(b−a)の長さ(x)と凹所19の部分の弾性係数(ばね定数:k)との積に対応する力(エネルギー)Fが蓄えられる。すなわち、F=kxのエネルギーが蓄えられる。
図14〜図18を参照して、固定具3を用いて、取付部材6を被取付部材5に固定する操作を説明する。図14(A)、(B)において、取付部材6の取付穴にブッシュ脚部9を挿入しブッシュ脚部9が延び出た状態に取付部材6に固定具3を仮止めする。次に、ブッシュ脚部9を被取付部材5の取付穴に挿入して取付部材6を被取付部材5に位置合わせする。次に、図15(A)、(B)において、ブッシュ脚部9を被取付部材5の取付穴に完全に挿入すると、取付部材6が被取付部材5に接面して、ブッシュ脚部9の係止爪11の係止肩17が被取付部材5の裏面に出て取付穴の縁部に係合する。これによって、取付部材6は被取付部材5に仮連結される。上記の仮連結のやり方は1例であり、他の方法で行ってもよい。例えば、取付部材6の取付穴が被取付部材5の取付穴に整列するように被取付部材5に取付部材6を位置合わした後、両取付穴に使用前状態の固定具3のブッシュ脚部9を挿入し、図14の状態を経ることなく、図15の状態に取付部材6を被取付部材5に仮連結してもよい。
図15の仮連結された状態において、図16の矢印33に示すように、ピン頭部22の操作部25を指等で押込む。この押込みによって、1対のロック解除爪29が弾性部26の1対の端部27を半径方向外方に拡げるように作用し、端部27に一体連結されたピン脚部23が半径方向外方に拡げられて、ピン脚部23の先端の突起30が、ブッシュ軸部10の凹所19から抜け出す。この状態が図17に示されている。突起30がブッシュ軸部10の凹所19から抜け出ると、突起30の軸方向長さbに引き延ばされていたブッシュ軸部10の凹所19の部分が元の軸方向長さaに復帰する(矢印34及び35)。この復帰によって、ブッシュ軸部10は軸方向に縮んで、係止爪11の係止肩17がブッシュフランジ7の側に移動して、被取付部材5と取付部材6とを相互に軸方向に強く引き付ける。図18の状態は、取付部材6を被取付部材5に高い軸方向引き付け力で連結した、固定具3の使用状態を示している。この本止め連結状態にするときの操作は、作業者がピン2の操作部25を押すだけでよく、操作部25の押込みによって突起30が凹所19からロック解除するので、作業者には強い挿入力を要求しない。
上記のように、突起30が凹所19に嵌合したロック状態から、ロック解除爪29によって突起30が凹所19から抜け出したロック解除状態になると、ブッシュ軸部10に強い軸方向復帰力が作用して、係止爪11の係止肩17とフランジ7の下面との間に、高い軸方向引き付け力Tが生成される。引き付け力Tは下式で表される。
T=F−δF−ε=kx−k(X+x−L)−ε=k(L−X)−ε
ここで、δFは、ブッシュ軸部10が縮んで失われるエネルギーであり、εは、応力緩和によって失われるエネルギーであり、kは、ばね定数、xは、引き延ばされた長さ(=b−a)、Lは、取付部材6と被取付部材5の板厚の合計であり、Xは、ブッシュ脚部を引き延ばさない(通常)状態での係止肩17とブッシュフランジ7の下面との間の軸方向長さである。なお、Xは、取付部材6と被取付部材5の板厚の合計Lより短く設定される。すなわち、L>Xに設定される。因みに、L=Xの場合には、T=k(L−X)−εの式において、L−X=0であり、応力緩和によって失われるエネルギーεも応力自体がないのでε=0であるから、引き付け力は、T=0となる。
上記のように、T=k(L−X)−εであり、T>0であるとき、軸方向引き付け力が生成される。軸方向引き付け力Tは、引き延ばし長さ(b−a)に比例し、引き延ばすときに加えた荷重に影響される。
固定具3の保持力F’は、係止爪11の係止肩17が十分な強度をもっていて、固定具3が被取付部材5から外されるときに係止爪11が破壊しない強度をもっている場合、
F’=P−T
で表される。ここで、Pは、ブッシュ軸部10の引っ張り破断保持力である。
上記によって、引き延ばし長さの調節によって高い引き付け力Tを得ることができ、ばね定数を定める材料を選択することによって引き付け力Tを高くできる。また、作業者には、ピン2のピン頭部22の操作部25を押込めば、ピン脚部23の嵌合した突起30がブッシュ軸部10の凹所19からロック解除できるので、ピン2の押込み力は高くなくともよく、高いピン挿入力を必要とすることなく、高い軸方向引き付け力を得ることができる。従って、固定具3を用いることによって、作業者は、工具を必要とすることなく、取付部材6を被取付部材5に高い引き付け力で連結でき、連結後の締結力を高いままに維持できる。
図19〜図21には、第2実施形態に係る固定具37が示されている。ブッシュ1Aとピン2Aで成る固定具37が、固定具3と異なるのは、ブッシュフランジ38が、長円板形状ではなく、ほぼ真円の円板形状に形成され、また、ブッシュ脚部39が、矩形断面ではなく、ほぼ円形断面を有するように形成されていることである。係止爪11Aは、90度間隔で4個形成されている。他の構成は、固定具3の対応する部材又は部分とほぼ同じであるので説明を省略する。固定具37は、被取付部材及び取付部材の取付穴が丸穴である場合に用いることができ、その場合でも、固定具3と同様に、高い引き付け力で取付部材を被取付部材に連結でき、作業者には、高いピン押込み力を要求しない。
図22〜図32には第3実施形態に係る固定具41が示されている。図28に示すように、固定具41は、図22〜図25に示す硬質プラスチック製のブッシュ42と、図26〜図27に示す硬質プラスチック製のピン43とから構成される。プラスチック製のブッシュとプラスチック製のピンとが組付けられて固定具を構成する点において、第1実施形態の固定具3と同じである。固定具3と同様に、固定具41は、図28〜図30に示すように、ブッシュ42とピン43が使用前状態に連結されて用いられる。図31及び図32は、相互に連結される被取付部材と取付部材を省略した、固定具41の使用状態が示されている。
図22〜図25を参照して、固定具41の一方の部品であるブッシュ42を説明する。固定具3のブッシュと同様に、ブッシュ42は、硬質プラスチックの一体成形品で成り、ブッシュフランジ45と、ブッシュフランジ45から垂下するブッシュ脚部46とを有する。ブッシュ脚部46は、ブッシュフランジ45の下面から垂下する矩形断面の中空の筒状体で形成され、第1実施形態の固定具3のブッシュとは違って、軸心にブッシュ軸部がない。ブッシュ脚部46には、矩形断面の2つの長辺側の面の中央に、ブッシュ脚部46の下方からブッシュフランジ45に向けて折返してブッシュフランジに隣接する位置まで延びる、1対の弾性の係止爪47が形成されている。ブッシュフランジ45は、平面視においてやや長円に形成されており、中央には、ピン43のピン脚部49を受入れる貫通穴50が形成されている。ブッシュフランジ45は、高い軸方向の引き付け力に対抗できる剛性を有するように一定の厚さに形成され、重量の軽減と材料の節約のため、貫通穴50以外の部分に、複数の凹み51が所定の位置と形状で形成されている。
1対の係止爪47の各々は、下端がブッシュ脚部46に一体に連結され、両側及び上端はスリット53によってブッシュ脚部46から分離されて下端の接続部分を中心に内方及び外方に揺動できる。係止爪47は、上端がブッシュフランジ45に隣接する位置に斜めに延び、ブッシュフランジ45に隣接する位置において横方向外側に弾性的に張り出す弾性を有する。係止爪47の上端は係止肩54として形成され、ブッシュフランジ45との間に取付部材と被取付部材を挟持する。係止肩54は、内側に被取付部材等の取付穴の内周面に係止する上方延長部を有し、係止肩54が取付穴縁部から外れるのを阻止する。
ブッシュ脚部46には、1対の係止爪47と直交する1対の面の内壁面に、一定の軸方向長さaにわたって窪む、凹所55を有する。凹所55には、ピン43のピン脚部49の下端に形成された1対の突起57が嵌合する。凹所55の軸方向長さaは、ピン脚部49の突起57の軸方向長さbより短く形成されている。ピン脚部49の突起57を凹所55に嵌合させるには、凹所55の軸方向長さaを突起の軸方向長さb以上に引き延ばすようにブッシュ脚部46を工具や治具あるいは機械で引き延ばして、ピン脚部49をブッシュ42に挿入し、ピン脚部23の突起30を凹所19に位置合わせしてそのまま突起30を凹所19に嵌合させて、引き延しを終了する。これによって、ブッシュ脚部46は凹所55の部分で長さaから長さbに延びた状態にロックされる。かかる嵌合及びそのロック操作は第1実施形態の固定具3と同じである。固定具3と同様に、ブッシュ脚部46は、全体としてブッシュフランジ45と係止爪47の係止肩55との間に被取付部材及び取付部材を挟持する剛性を有するとともに、少なくとも凹所55の部分においては弾性を有する材料で成る。ブッシュ脚部46の凹所55の部分は、工具や治具あるいは機械で引き延ばしてピン脚部49の突起57を嵌合させることができ且つ突起57を凹所55から外すと元の軸方向長さaに復帰できる弾性(ばね性)を有する。そのため、ブッシュ43は、第1実施形態の固定具3のブッシュと同様に、上記所定の弾性を持つ材料で形成される。
次に、図26及び図27を参照して、固定具41の他方の部品であるピン43を説明する。固定具3のピンと同様に、ピン43は、硬質プラスチックの一体成形品である。ピン43は、ピン頭部58と、ピン頭部58から垂下する棒状の1個のピン脚部49とから成る。ピン頭部58は、平面視においてほぼ円形の板状体であって上面中央が隆起して指等によって押すのを容易にする形状に形成されている。ピン脚部49は、一定の剛性を有する棒状体として形成されており、ブッシュフランジ45の貫通穴50を貫通できる形状に形成されている。ピン脚部49の下端部には、ブッシュ脚部46の1対の凹所55に嵌合する1対の突起57が形成されている。各突起57は、ブッシュ脚部46の凹所55に対面するように、ピン脚部49の下端部から半径方向外方に水平に突出する弾性アーム59によってピン脚部49から突出して保持されている。突起57は、その軸方向長さbが、凹所55の軸方向長さaよりやや長く形成されている。突起57の軸方向長さb及び凹所55の軸方向長さaも、第1実施形態の固定具3と同様に、選定される。ピン脚部49の下端から直径方向に1対の弾性アーム59が短く延びて形成される。弾性アーム59は、突起57がピン脚部49の側に変位できる可撓性を有する。弾性アーム59の水平方向の長さは短く、その長さは、突起57が通常時はピン脚部49よりやや外方に突出するが、ピン43を押下げたとき空間61に入り込むように変位できる長さに形成される。空間61を形成するため、突起57に対面するピン脚部49の部分は、他の部分より小さい幅で形成されている(図26参照)。突起57は、通常、弾性アーム59によって半径方向外方に弾性的に張り出している。各突起57が、各凹所55に嵌合しているとき、ブッシュ脚部46は凹所55の部分において軸方向長さが長さaから長さbに引き延ばされる。
凹所55に嵌合した突起57を凹所55から抜き出すには、ピン頭部58を押して、ピン脚部49を押下げるだけでよい。ピン脚部49を押下げると、弾性アーム59が撓んで突起57がピン脚部49の下部の空間61に変位し、凹所55から抜け出す。従って、ピン頭部58を押下げるだけで、凹所55に嵌合してロックした突起57を凹所55から抜き出してロックが解除される。このように、突起57を凹所55からロック解除する力はピン頭部58への強い挿入力を必要としない。
ブッシュ42とピン43とは、図28〜図30に示すように、使用前状態の固定具41として組付けられる。この組付けのとき、ブッシュ42のブッシュ脚部46は、少なくとも凹所55の部分が、工具あるいは治具又は機械によって、軸方向長さaから軸方向長さbより長い軸方向長さであって弾性(ばね性)を失わない長さに引き延ばされる。次に、ブッシュ脚部46を引き延ばした状態で、ピン脚部49をブッシュフランジ46の貫通穴50に挿入する。ピン脚部49を更に押込むと、ピン脚部49の突起57がブッシュ脚部46の凹所55に対面してそのまま嵌合する。その嵌合状態が図30に示されている。この嵌合によって、ブッシュ脚部46の凹所55の部分は、元の長さaから長さbに引き延ばされて、(b−a)の長さ(引き延ばされた長さ)の分だけ、ブッシュ脚部46に復帰のためのエネルギーが蓄えられ、ブッシュ脚部46には、(b−a)の長さと凹所55の部分の弾性係数(ばね定数)との積に対応する力(エネルギー)が蓄えられる。
図31及び図32は、説明の便宜上、取付部材と被取付部材を省略しているが、固定具41の本止め連結状態を示している。本止め連結のために、取付部材と被取付部材の両取付穴に、使用前状態の固定具41のブッシュ脚部46を挿入して、ピン頭部58を指等で押込む。この押込みによって、ピン脚部49が押下げられ、弾性アーム59が撓んで突起57がピン脚部49の下部の空間61に変位して、凹所55から抜け出す。突起57がブッシュ脚部49の凹所55から抜け出ると、突起57の軸方向長さbに引き延ばされていたブッシュ脚部46の凹所55の部分が元の軸方向長さaに復帰する。この復帰により、ブッシュ脚部46は軸方向に縮んで、係止爪47の係止肩54がブッシュフランジ45の側に移動して、被取付部材と取付部材とを相互に軸方向に強く引き付け、固定具3と同様に、高い引き付け力を生成する。また、固定具3と同様に、本止め連結状態にするときの操作は、ピン頭部58を押下げるだけで凹所55に嵌合してロック状態にあった突起57を凹所55から抜き出してロック解除するので、作業者には強い挿入力を要求しない。
図33及び図34には、第4実施形態に係る固定具62及びブッシュ63とが示されている。固定具62は、第1実施形態の固定具3のブッシュのブッシュ脚部のブッシュ軸部の凹所の部分が異なっており、他の部分は、ピン2をはじめとして、実質的に固定具3の対応の要素と同じである。同じ部分についての説明は、第1実施形態の固定具3の説明を参照されたい。
固定具62では、図33に示すように、ブッシュ63において、ブッシュ脚部65のブッシュ軸部66の凹所67の部分に、金属製のコイル形状のばね69が一体的に設けられている。ばね69は、例えば、インサート成形によって一体的に連結される。他の連結の例として、凹所67の部分でブッシュ軸部66を分断し、その分断したブッシュ軸部部分をばね69で機械的に一体的に連結してもよい。なお、ピン2は、第1実施形態の固定具3に用いられるピン2をそのまま用いることができる。ピン2をブッシュ63に組付けるには、固定具3と同様に、工具又は治具あるいは機械によって、ブッシュ軸部66の凹所67にあるばね69を引き延ばして、ピン脚部23の突起30を凹所67に嵌合させる。図34は、ピン脚部23の突起30が凹所67に嵌合した、固定具62の使用前状態を示している。この固定具62によっても、固定具3と同様に、軸方向の引き付け力が高く、被取付部材に連結される取付部材は強い締結力で被取付部材に締結され、また、固定具3と同様に、作業者にピン2の強い押込み力を要求しない。なお、ばね69は、金属製でなくとも、必要なばね弾性を有する限り、他の材料、例えば、剛性のあるプラスチックや靱性の高いセラミック等の材料であってもよい。
図35〜図40は、第5実施形態に係る固定具70を示している。固定具70は、第3実施形態の固定具41の変形例であり、第4実施形態の固定具62のように金属ばねを利用する例である。固定具70が、固定具41と大きく異なるのは、ブッシュ71が硬質プラスチックの一体成形品ではなく、ブッシュ脚部73が、ブッシュフランジ74に連結された金属製板ばね形状の相互に離間した1対のばね75と、1対のばね75のそれぞれの下端が連結された硬質プラスチック製の脚部本体77とから成る点である。脚部本体77は、固定具41のブッシュ脚部と同様に、矩形断面の中空に形成され、その脚部本体77の中空部分と1対のばね75の間の空間とによって、ブッシュ脚部73は全体として中空に形成され、軸心にはブッシュ軸部はない。また、ピン78は、固定具41のピンとは形状がやや異なる。
固定具70は、図35に示すブッシュ71と、図36(A)、(B)に示す硬質プラスチック製のピン78とから構成され、図37及び図38に示すように、ブッシュ71とピン78が使用前状態に連結される。図39及び図40は、相互に連結される被取付部材と取付部材を省略した、固定具70の使用状態が示されている。
図35を参照して、固定具70の一方の部品であるブッシュ71を説明する。ブッシュ71は、硬質プラスチック製のブッシュフランジ74と、ブッシュ脚部73とから成り、ブッシュ脚部73は、ブッシュフランジ74に連結された金属製板ばね形状の1対のばね75と、各ばね75の下端が連結された硬質プラスチック製の中空の矩形断面の角筒形状の脚部本体77とから成る。各ばね75は、軸心に向けてくの字(又はCの字)形状に湾曲しており、その湾曲が直線状に変形すると元のくの字形状に復帰する弾性(ばね性)を有する。各ばね75は、ブッシュフランジ74の下面の連結部79と脚部本体77とに、インサート成形によって、あるいは、機械的に一体的に連結されている。脚部本体77には、固定具41のブッシュの係止爪と同様に、ブッシュ脚部73の下部からブッシュフランジ74に隣接するように延びて半径方向外方に張り出す係止爪81が、1対形成されている。図示のように、1対の係止爪81は、1対のばね75に対して、軸心を中心に直交する直径方向に配置されている。なお、ばね75は、金属製でなくとも、必要なばね弾性を有する限り、他の材料、例えば、剛性のあるプラスチックや靱性の高いセラミック等の材料であってもよい。プラスチック材料のばねである場合、ブッシュをそのプラスチック材料で一体成形することもできる。
1対のばね75の各々は、図35に示すように、中間高さ位置で軸心側にくの字(又はCの字)形状に湾曲して、ブッシュ脚部73の軸方向長さを縮め、ブッシュフランジ74の下面と係止爪81の係止肩の間の間隔を縮めている。ばね75は、図35に示す通常時(ピン78が挿入されないとき)、ブッシュフランジ74の下面と係止爪81の係止肩の間の間隔を取付部材及び被取付部材の総板厚より小さく縮める長さと形状に定められている。ピンばね75の湾曲部分を、ピン78の挿入等によって湾曲の程度を小さくするように(直線状に)変形させると、ブッシュ脚部73はばね75の部分において軸方向長さが増大し、ブッシュフランジ74の下面と係止爪81の係止肩の間の間隔を大きくする。
次に、図36(A)及び(B)を参照して、固定具70の他方の部品であるピン78を説明する。固定具41のピンと同様に、ピン78は、硬質プラスチックの一体成形品である。ピン78は、ピン頭部82と、ピン頭部82から垂下する棒状の1個のピン脚部83とから成る。ピン頭部82は、上面中央が隆起して指等によって押すのを容易にする形状に形成されている。ピン脚部83は、一定の剛性を有する棒状体として形成されており、ブッシュフランジ74の貫通穴及びブッシュ脚部73の中空部分を通る形状に形成されている。ピン脚部83の下端部には、ブッシュ脚部73の1対のばね75の湾曲部分に当接して嵌合する1対の突起85が形成されている。突起85は、ばね75の内側湾曲部分の頂部を受入れる凹所を形成するように湾曲して形成されている。従って、突起85は、ピン78をブッシュ71に図38の使用前状態に連結した状態において、ばね75の内側湾曲部分の頂部を凹所に受入れて保持した状態に維持される。突起85は、ばね75の湾曲の頂部を半径方向外側に押出してばね75の湾曲の程度を緩やかにし(すなわち曲率半径を大きくし)、ブッシュ脚部73をばね75の部分において軸方向に長くする。1対の突起85の両端部の長さ(図36の水平方向における2つの突起85の端部間の長さ:d)は、ブッシュフランジ74の下面と係止爪81の係止肩との間の軸方向の間隔が取付部材及び被取付部材の総板厚より大きい長さとなるように、1対のばね75の湾曲の頂部を半径方向外側に押出す長さに定められている。
突起85の先端の凹所に嵌合したばね75の湾曲の頂部を突起85の凹所から抜き出すには、ピン頭部82を押して、ピン脚部83を押下げるだけでよい。ピン脚部83を押下げると、突起85がそのまま押下げられて、ばね75の湾曲の頂部が突起85の凹所から抜け出す。従って、ピン頭部82を押下げるだけで、ばね75は、元の湾曲状態に復帰する。この復帰により、ブッシュ脚部73を、ブッシュフランジ74の下面と係止爪81の係止肩の間の間隔を取付部材及び被取付部材の総板厚より小さくするように、縮める。また、使用前状態の状態から使用状態にする力は強い力を必要とせず、作業者には高い挿入力を必要としない。
ブッシュ71とピン78とは、図37〜図38に示すように、使用前状態の固定具70として組付けられる。この組付けは、ピン78のピン脚部83がブッシュ71のブッシュフランジ74の貫通穴に挿入し、ブッシュ脚部73のばね75の間の空間に挿入する。ピン脚部83の突起85が、その凹所にばね75の内側湾曲部分の頂部を受入れ、ピン脚部83をブッシュ71に使用前状態に連結してそのまま維持される。図38の固定具70を使用前状態に連結した状態において、突起85は、ばね75の湾曲の頂部を半径方向外側に押出してばね75の湾曲の程度を小さくし、ブッシュ脚部73をばね75の部分において軸方向に長くし、ブッシュフランジ74の下面と係止爪81の係止肩との間の軸方向の間隔を取付部材及び被取付部材の総板厚より大きい長さにする。ばね75には、元の湾曲姿勢に復帰する力(エネルギー)が蓄えられる。
図39及び図40は、説明の便宜上、取付部材と被取付部材を省略しているが、固定具70の本止め連結状態を示している。本止め連結のため、ピン頭部82を指等で押込む。この押込みによって、ピン脚部83が押下げられ、下端の突起85がそのまま押下げられて、ばね75の湾曲の頂部が突起85の凹所から抜け出す。従って、ピン頭部82を押下げるだけで、ばね75は、元の湾曲状態に復帰し、ブッシュ脚部73を、ブッシュフランジ74の下面と係止爪81の係止肩の間の間隔を取付部材及び被取付部材の総板厚より小さくするように、縮める。それによって、被取付部材と取付部材とを相互に軸方向に強く引き付け、高い引き付け力を生成する。また、使用前状態の状態から使用状態にする力は強い力を必要とせず、作業者には高い挿入力を必要としない。
本発明の第1実施形態の固定具のブッシュの斜視図である。 図1のブッシュの平面図である。 図1のブッシュの正面図である。 図1のブッシュの側面図である。 本発明の第1実施形態の固定具のピンの斜視図である。 図5のピンの正面図である。 図3のブッシュのブッシュ脚部の凹所と図6のピンのピン脚部の突起の軸方向長さの対比を示す図である。 図1のブッシュと図5のピンを組付ける操作の斜視図である。 (A)は図3のブッシュの引き延ばし前の状態を示し、(B)は図3のブッシュの引き延ばした状態を示している。 ピン脚部の突起がブッシュ軸部の凹所に嵌合した状態の断面図である。 図1のブッシュに図5のピンを使用前状態に連結した第1実施形態の固定具の斜視図である。 図11の使用前状態の固定具の正面図である。 図11の使用前状態の固定具の側面図である。 (A)は取付部材を被取付部材に本止め連結する前の、図11の使用前状態の固定具の正面図、(B)は取付部材を被取付部材に本止め連結する前の、図11の使用前状態の固定具の側面図である。 (A)は取付部材を被取付部材に接面した場合の図11の使用前状態の固定具の正面図、(B)は取付部材を被取付部材に接面した場合の図11の使用前状態の固定具の側面図である。 取付部材を被取付部材に本止め連結した場合の、図11の固定具の正面図である。 ピン脚部の突起がブッシュ軸部の凹所から抜け出してロック解除した状態の断面図である。 図16の本止め連結した場合の固定具の側面図である。 本発明の第2実施形態に係る使用前状態の固定具の正面図である。 図19の固定具の平面図である。 図19の固定具の側面図である。 本発明の第3実施形態に係る固定具のブッシュの平面図である。 図22のブッシュの正面図である。 図23のブッシュの側面図ある。 図24のブッシュのA−A線断面図である。 本発明の第3実施形態に係る固定具のピンの正面図である。 図26のピンの側面図である。 本発明の第3実施形態に係る、使用前状態の固定具の斜視図である。 図28の固定具の正面図である。 図28の固定具の縦断面図である。 図28の固定具を使用状態にした場合の正面図である。 図31の使用状態の固定具の縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る固定具のブッシュの正面図である。 本発明の第4実施形態に係る、使用前状態の固定具の正面図である。 本発明の第5実施形態に係る固定具のブッシュの正面図である。 本発明の第5実施形態に係る固定具のピンを示しており、(A)はピンの正面図、(B)はピンの側面図である。 本発明の第5実施形態に係る、使用前状態の固定具の正面図である。 図37の固定具の縦断面図である。 図37の固定具を使用状態にした正面図である。 図37の固定具を使用状態にした縦断面図である。
符号の説明
1 第1実施形態の固定具のブッシュ
2 第1実施形態の固定具のピン
3 第1実施形態の固定具
5 被取付部材
6 取付部材
7 ブッシュフランジ
9 ブッシュ脚部
10 ブッシュ軸部
11 係止爪
13 貫通穴
15 軸部下端部
17 係止肩
19 凹所
22 ピン頭部
23 ピン脚部
25 操作部
26 弾性部
27 端部
29 ロック解除爪
30 突起
37 第2実施形態の固定具
38 ブッシュフランジ
39 ブッシュ脚部
41 第3実施形態の固定具
42 ブッシュ
43 ピン
45 ブッシュフランジ
46 ブッシュ脚部
47 係止爪
49 ピン脚部
50 貫通穴
53 スリット
54 係止肩
55 凹所
57 突起
58 ピン頭部
59 弾性アーム
61 空間
62 第4実施形態の固定具
63 ブッシュ
65 ブッシュ脚部
66 ブッシュ軸部
67 凹所
69 ばね
70 第5実施形態の固定具
71 ブッシュ
73 ブッシュ脚部
74 ブッシュフランジ
75 ばね
77 脚部本体
78 ピン
79 連結部
81 係止爪
82 ピン頭部
83 ピン脚部

Claims (22)

  1. ピンとブッシュの2部品から成る固定具であって、
    前記ブッシュは、ブッシュフランジとブッシュ脚部とから成り、前記ピンは、前記ブッシュ脚部に挿入されるピン脚部を有しており、
    前記ブッシュ脚部には、前記ブッシュフランジとの間に部材を挟持するための係止爪が形成され、該係止爪の先端には、前記部材に係合する係止部が形成されて該係止部とブッシュフランジとの間に前記部材を挟持するようになっており、
    前記ブッシュ脚部は、軸方向に伸張可能に形成されており、前記ピン脚部が前記ブッシュ脚部に中間まで挿入されて前記ピンが前記ブッシュに使用前状態に連結された状態において、前記係止爪の前記係止部と前記ブッシュフランジとの間の軸方向長さが前記部材の板厚よりやや大きくなるように、前記ブッシュ脚部が伸張されており、
    前記ピン脚部が前記ブッシュ脚部に完全に挿入されて前記ピンが前記ブッシュに使用状態に連結された状態においては、前記係止爪の前記係止部と前記ブッシュフランジとの間の軸方向長さが前記部材の板厚より小さくなるように、前記ピンによって前記ブッシュ脚部の伸張が解除される構成であることを特徴とする固定具。
  2. ピンとブッシュの2部品から成る固定具であって、
    前記ブッシュは、ブッシュフランジとブッシュ脚部とから成り、前記ピンは、前記ブッシュ脚部に挿入されるピン脚部を有しており、
    前記ブッシュ脚部には、前記ブッシュフランジとの間に部材を挟持するための係止爪が形成され、該係止爪の先端には、前記部材に係合する係止部が形成されて該係止部とブッシュフランジとの間に前記部材を挟持するようになっており、
    前記ブッシュ脚部には、前記ピン軸部が挿入されたときに該ピン軸部と対面する面に軸方向長さaの凹所が形成され、前記ピン脚部には、前記ブッシュ脚部に挿入したとき前記凹所に向けて突出し該凹所に嵌合できる形状の、軸方向長さbの突起が形成されており、前記凹所は、通常時においてその軸方向長さaが前記突起の軸方向長さbより短く(a<b)なるように形成されており、
    前記ブッシュ脚部は、少なくとも前記凹所が形成された部分において、該凹所の前記軸方向長さが少なくとも前記軸方向長さbになるように引き延ばされても前記軸方向長さa近くまで復帰できる弾性を有しており、
    前記ブッシュ脚部の前記凹所の部分が軸方向に少なくとも長さ(b−a)引き延ばされて前記ピン脚部の前記突起が前記凹所に嵌合させられるように前記ピン脚部が前記ブッシュ脚部に中間まで挿入されて前記ピンが前記ブッシュに使用前状態に連結された状態において、前記ブッシュ脚部は前記凹所の部分において前記突起の嵌合により軸方向長さ(b−a)だけ引き延ばされた状態に維持されて前記ブッシュフランジと前記係止爪の係止部との間の長さが前記軸方向長さ(b−a)だけ引き延ばされており、
    前記ピンには、該ピン脚部が前記ブッシュ脚部に完全に挿入されて前記ピンが前記ブッシュに使用状態に連結された状態において前記凹所に嵌合していた前記突起が前記凹所から離脱するように作用する嵌合解除手段が設けられており、
    前記突起が前記凹所から離脱すると、前記ブッシュ脚部が前記凹所の部分において前記軸方向長さaに復帰して、前記ブッシュフランジと前記係止爪の係止部との間の長さが前記軸方向長さ(b−a)縮んで、前記ブッシュフランジと前記係止爪の係止部との間の前記部材を強固に挟持する、
    ことを特徴とする固定具。
  3. 請求項2に記載の固定具において、前記ブッシュは硬質プラスチックで一体成形され又は前記ブッシュ軸部だけが前記硬質プラスチックではない軟質プラスチックで形成されており、前記ピンは硬質プラスチックで一体成形されている、ことを特徴とする固定具。
  4. 請求項3に記載の固定具において、前記ブッシュ脚部は、該ブッシュ脚部の軸心に延びる棒状のブッシュ軸部を有し、該ブッシュ軸部に前記凹所が形成されている、ことを特徴とする固定具。
  5. 請求項2に記載の固定具において、前記ブッシュ脚部は、該ブッシュ脚部の軸心に延びる棒状のブッシュ軸部を有し、該ブッシュ軸部に前記凹所が形成されており、前記ブッシュは、前記ブッシュ軸部の前記凹所を除く部分が硬質プラスチックで形成され且つ前記ブッシュ軸部の前記凹所の部分は金属製のコイル形状のばねで形成されており、前記ピンは硬質プラスチックで一体成形されている、ことを特徴とする固定具。
  6. 請求項5に記載の固定具において、前記ばねは、インサート成形又は機械的連結によって前記凹所以外の前記ブッシュ軸部部分に連結されている、ことを特徴とする固定具。
  7. 請求項4又は5に記載の固定具において、前記ピン脚部は、前記ブッシュ軸部の両側に沿って隣接するように、1対形成されており、該ピン脚部のそれぞれに前記突起が形成され、該1対のピン脚部の突起を受入れて嵌合するように、前記ブッシュ軸部の両側に前記凹所が形成されている、ことを特徴とする固定具。
  8. 請求項4、5又は7に記載の固定具において、前記ブッシュ軸部の先端には、矩形断面で且つ一定高さのほぼ直方体形状の下端部が形成されており、前記係止爪は、該下端部の4つの角から前記ブッシュフランジに向けて且つ前記ブッシュ軸部から半径方向外方に張り出すように延びて形成された、2対の係止爪で成る、ことを特徴とする固定具。
  9. 請求項4、5又は7に記載の固定具において、前記ブッシュ軸部の先端には、円形断面で且つ一定高さのほぼ円柱形状の下端部が形成されており、前記係止爪は、該下端部から前記ブッシュフランジに向けて且つ前記ブッシュ軸部から半径方向外方に張り出すように延びて形成された、2対の係止爪で成る、ことを特徴とする固定具。
  10. 請求項7に記載の固定具において、前記ピンは、前記ピン脚部の上端に形成されたピン頭部を備え、該ピン頭部は、上部に指等で押圧できる操作部と、該操作部から水平方向に張り出してから操作部下方に折返して軸方向に弾性を有するように形成された1対の弾性部とを備え、前記操作部下方にある各弾性部の端部に前記ピン脚部の上端が連結されている、ことを特徴とする固定具。
  11. 請求項10に記載の固定具において、前記操作部の下面側には、前記嵌合解除手段としてのロック解除爪が1対形成されており、該ロック解除爪は、前記操作部を押込むと、前記1対の弾性部の端部のそれぞれに係合して、該端部を水平方向外側に移動させ前記1対ピン脚部の上端に半径方向外側に移動させる力を作用させて前記凹所に嵌合していた前記突起を前記凹所から離脱するように作用する形状に形成されている、ことを特徴とする固定具。
  12. 請求項3に記載の固定具において、前記ブッシュ脚部は、該ブッシュ脚部の軸心部分が中空に形成された、矩形断面の筒状に形成されており、前記係止爪は、前記矩形断面のブッシュ脚部の対向する2つの側壁において該ブッシュ脚部の下端から前記ブッシュフランジに向けて半径方向外方に張り出すように延びて形成された、1対の係止爪で成る、ことを特徴とする固定具。
  13. 請求項12に記載の固定具において、前記ブッシュ脚部の凹所は、前記1対の係止爪を結ぶ線と直交する方向にある1対の内壁面に形成されている、ことを特徴とする固定具。
  14. 請求項13に記載の固定具において、前記ピンは、板状のピン頭部と該ピン頭部から棒状に垂下する1つのピン脚部とから成る、ことを特徴とする固定具。
  15. 請求項14に記載の固定具において、前記ピン脚部は、その下端に前記1対の凹所に嵌合する1対の突起を備えており、各突起は、前記ピン脚部下端から延びる弾性アームに連結されて該ピン脚部より半径方向外方に弾性的に張り出している、ことを特徴とする固定具。
  16. 請求項15に記載の固定具において、前記ピン脚部には、その下端の前記突起に隣接する部分において、該突起が該ピン脚部の側に変位して収容される空間が形成されている、ことを特徴とする固定具。
  17. ピンとブッシュの2部品から成る固定具であって、
    前記ブッシュは、ブッシュフランジとブッシュ脚部とから成り、前記ピンは、前記ブッシュ脚部に挿入されるピン脚部を有しており、
    前記ブッシュ脚部は、前記ブッシュフランジに連結され中間部分が内側に湾曲し且つ相互に前記ピン脚部が挿入できる間隔をあけた1対の、板ばね形状のばねと、該ばねの下端に連結された脚部本体とから形成されており、
    前記ブッシュ脚部の脚部本体には、前記ブッシュフランジとの間に部材を挟持するための係止爪が形成され、該係止爪の先端には、前記部材に係合する係止部が形成されて該係止部とブッシュフランジとの間に前記部材を挟持するようになっており、
    前記ブッシュ脚部の前記ばねは、通常時において前記ブッシュフランジと前記係止爪の前記係止部との間の軸方向長さが前記部材の板厚より短くなるように前記ブッシュ脚部の長さを弾性的に縮めており、
    前記ピン脚部には、該ピン脚部が前記ブッシュ脚部に中間まで挿入されて前記ピンが前記ブッシュに使用前状態に連結された状態において前記ばねの湾曲部を半径方向外方に押出して該ばねの湾曲を直線状に変形させる突起が設けられており、該ばねの変形により前記係止爪の前記係止部と前記ブッシュフランジとの間の軸方向長さが前記部材の板厚よりやや大きくなるように前記ブッシュ脚部が伸張されており、
    前記ピン脚部が前記ブッシュ脚部に完全に挿入されて前記ピンが前記ブッシュに使用状態に連結された状態においては、前記ピン脚部の前記突起が前記ばねの湾曲部から離れて前記ばねの湾曲が前記通常時の状態に復帰し、前記係止爪の前記係止部と前記ブッシュフランジとの間の軸方向長さが前記部材の板厚より小さくなる、
    ことを特徴とする固定具。
  18. 請求項17に記載の固定具において、前記ブッシュは、前記ばね以外の部分が硬質プラスチックで形成され、前記ばねは金属の板ばねで形成される、ことを特徴とする固定具。
  19. 請求項17に記載の固定具において、前記ブッシュが硬質プラスチックで一体成形されて前記ばねも該硬質プラスチック製の板ばねで形成される、ことを特徴とする固定具。
  20. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の固定具において、前記ピンは硬質プラスチックで一体成形される、ことを特徴とする固定具。
  21. 請求項17〜20のいずれか1項に記載の固定具において、前記ピンは、板状のピン頭部と該ピン頭部から棒状に垂下するピン脚部とから成る、ことを特徴とする固定具。
  22. 請求項21に記載の固定具において、前記ピン脚部の先端には、直径方向に延びる前記突起が一対形成されている、ことを特徴とする固定具。
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