WO2010097928A1

WO2010097928A1 - 貨幣処理機

Info

Publication number: WO2010097928A1
Application number: PCT/JP2009/053550
Authority: WO
Inventors: 博文尾崎; 智之久保; 誠麻生
Original assignee: グローリー株式会社
Priority date: 2009-02-26
Filing date: 2009-02-26
Publication date: 2010-09-02

Abstract

　貨幣処理機（１）は、収納部（３０、３４）内の貨幣の精査処理を行う際に当該収納部（３０、３４）から貨幣が送られるとともにこの送られた貨幣を搬送部（１６）に繰り出し可能な精査用収納部（３２）と、収納部（３０、３４）内の貨幣の精査処理を行う際に所定の条件の貨幣が送られる振分用収納部（３６、４０）と、を備えている。制御部（５０）は、貨幣の精査処理を行う際に、所定の条件の貨幣を搬送部（１６）により振分用収納部（３６、４０）に送るよう制御を行う。

Description

貨幣処理機

　本発明は、収納部内の貨幣を搬送部に繰り出し、この繰り出された貨幣を識別部で識別して収納部に戻すような貨幣の精査処理を行う貨幣処理機に関し、とりわけ、貨幣の精査処理を行う間に貨幣の出金処理を同時に行うことができ、このため貨幣の出金処理を効率良く行うことができる貨幣処理機に関する。

　従来から、貨幣の入出金を行う入出金装置として、例えば特開平１０－３３４３０８号公報（ＪＰ１０－３３４３０８Ａ）等に開示されるものが知られている。特開平１０－３３４３０８号公報に開示されるような従来の入出金装置において、入金口により筐体の内部に取り込まれた貨幣は識別部により識別されて複数の収納庫に金種別に分けられて収納されるようになっている。また、このような入出金装置において貨幣の出金処理を行う場合には、出金金額に基づいて出金すべき貨幣の金種および金種毎の枚数が設定され、この設定された金数毎の枚数の貨幣が各金種の収納庫からそれぞれ出金口に送られるようになっている。

　また、特開平１０－３３４３０８号公報に開示される入出金装置によれば、機内の貨幣の在高を確認するための貨幣の精査処理を行うことができるようになっている。より具体的には、入出金装置の筐体内には、各金種の貨幣を収納する金種毎の複数の収納庫とは別に精査用収納庫が設けられており、貨幣の精査処理を行う際には、各収納庫から金種毎に貨幣を繰り出し、この繰り出された貨幣の識別を識別部で行い、識別部により識別が行われた貨幣を精査用収納庫に送り、最終的に精査用収納庫から各金種の収納庫に貨幣を戻すようになっている。上述のような貨幣の精査処理は、貨幣の金種別に行われるようになっている。一般的に、このような精査処理は、銀行やスーパーマーケット等の店舗が閉店している夜間に無人で行われることが多い。

　特開平１０－３３４３０８号公報に開示されるような従来の入出金装置においては、例えばスーパーマーケット等の店舗のレジに予め釣銭として収納しておくための釣銭準備貨幣や、現金自動預け払い機（ＡＴＭ）に出金用の貨幣として装填しておくための装填用貨幣を入出金装置により準備する場合、これらの貨幣の出金処理を前述の精査処理とは別に行っていた。

　しかしながら、このような出金処理が必要になるのは例えば店舗の営業時間前の朝の時間帯が多く、このような営業時間前の時間帯は店員にとって他の準備等の業務が重なるため、入出金装置における出金処理のために店員が時間を割くのは難しいという問題があった。

　また、特開平１０－３３４３０８号公報に開示されるような従来の入出金装置においては、貨幣の出金処理を行う際に貨幣が出金口に集積されるようになっており、この出金口にある貨幣は外部からアクセス可能となっているので、操作者は、貨幣の出金処理を行う間、筐体内から出金口に送られた貨幣が盗難されないように入出金装置のそばにいなければならないという問題がある。

　本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、貨幣の精査処理を行う間に貨幣の出金処理を同時に行うことができ、このため貨幣の出金処理を効率良く行うことができ、また、出金した貨幣を振分用収納部に一時的に収納することができるので、出金した貨幣が出金口に集積されてしまいこの出金口にある貨幣が盗難されてしまうことを防止することができる貨幣処理機を提供することを目的とする。

　本発明の貨幣処理機は、筐体と、前記筐体の内部に設けられ、当該筐体の内部で貨幣の搬送を１枚ずつ行う搬送部と、前記搬送部に接続され、当該搬送部から送られた貨幣を収納するとともに収納された貨幣を前記搬送部に繰り出し可能な収納部と、前記搬送部に設けられ、当該搬送部で搬送される貨幣の識別を行う識別部と、前記搬送部に接続され、前記収納部内の貨幣の精査処理を行う際に当該収納部から貨幣が送られるとともにこの送られた貨幣を前記搬送部に繰り出し可能な精査用収納部と、前記搬送部に接続され、前記収納部内の貨幣の精査処理を行う際に所定の条件の貨幣が送られる振分用収納部と、前記搬送部、前記収納部および前記精査用収納部の制御を行う制御部であって、前記収納部内の貨幣を前記搬送部に繰り出し、この繰り出された貨幣を前記識別部で識別して前記精査用収納部に送り、その後前記精査用収納部から貨幣を前記収納部に戻すような貨幣の精査処理を行う際に、所定の条件の貨幣を前記搬送部により前記振分用収納部に送るよう制御を行うような制御部と、を備えたことを特徴とする。

　このような貨幣処理機によれば、収納部内の貨幣の精査処理を行う際に所定の条件の貨幣が送られる振分用収納部が設けられており、制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、所定の条件の貨幣を搬送部により振分用収納部に送るよう制御を行うようになっている。このことにより、特に夜間等、一般的に自動で行われる貨幣の精査処理を行う間に貨幣の出金処理を同時に行うことができ、このため貨幣の出金処理を効率良く行うことができる。また、出金した貨幣を振分用収納部に一時的に収納することができるので、出金した貨幣が出金口に集積されてしまいこの出金口にある貨幣が盗難されてしまうことを防止することができる。

　本発明の貨幣処理機においては、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記収納部内の貨幣をまず前記精査用収納部に送り、その後、前記精査用収納部に送られた貨幣を前記収納部または前記振分用収納部に振り分けて送るよう制御を行うことが好ましい。

　あるいは、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記収納部から繰り出され前記識別部により識別が行われた貨幣をまず前記精査用収納部または前記振分用収納部に振り分けて送り、その後、前記精査用収納部から貨幣を前記収納部に戻すよう制御を行うようになっていてもよい。

　本発明の貨幣処理機においては、前記制御部に対して指令を与えるための操作部を更に備え、前記所定の条件は、前記操作部によって前記制御部に与えられるようになっていてもよい。あるいは、外部装置と通信可能なインターフェースを更に備え、前記所定の条件は、前記外部装置から前記インターフェースを介して前記制御部に与えられるようになっていてもよい。あるいは、前記所定の条件は、前記制御部において予め設定されていてもよい。

　本発明の貨幣処理機においては、貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、前記貨幣処理機以外で使用される準備貨幣であり、前記制御部において、前記所定の条件として準備貨幣の金種および金種毎の枚数が設定され、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、この金種毎の枚数分の貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うことが好ましい。この際に、前記準備貨幣は、釣銭準備金であってもよい。

　あるいは、貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、現金自動預け払い機に装填されるようになっており、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記識別部による貨幣の識別結果における貨幣の汚損レベルが所定のレベル以上の貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。

　あるいは、貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、損券として前記貨幣処理機から回収されるようになっており、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記識別部による貨幣の識別結果における貨幣の汚損レベルが所定のレベル以下の貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。

　あるいは、貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、旧券として前記貨幣処理機から回収されるようになっており、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記識別部により旧券であると識別された貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。

　あるいは、貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、余剰貨幣として前記貨幣処理機から回収されるようになっており、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記貨幣処理機内にある貨幣の合計金額が所定の金額よりも大きい場合には余剰分の貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。

　本発明の貨幣処理機においては、前記振分用収納部は複数設けられており、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、複数の振分用収納部に対して貨幣を金種毎に送るよう制御を行うようになっていることが好ましい。

　あるいは、前記振分用収納部は１または複数設けられており、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、１つの振分用収納部に対して複数の金種の貨幣を送るよう制御を行うようになっていてもよい。

　この際に、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、１つの振分用収納部に対して、金種毎に分けられた状態で貨幣を送るよう制御を行うようになっていてもよい。あるいは、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、１つの振分用収納部に対して、複数の金種を含むグループ毎に分けられた状態で貨幣を送るよう制御を行うようになっていてもより。

　本発明の貨幣処理機においては、前記搬送部には、積層状態の複数の貨幣の帯封を行うための帯封部が接続されており、前記振分用収納部には、前記帯封部により帯封された帯封貨幣が送られるようになっていることが好ましい。

本発明の一の実施の形態における紙幣処理機の構成を示す斜視図である。図１に示す紙幣処理機の筐体の内部の構成を示す概略側面図である。図１に示す紙幣処理機の制御ブロック図である。

発明を実施するための形態

　以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態の貨幣処理機について説明する。本実施の形態に係る貨幣処理機は、筐体の外部から内部に取り込まれた紙幣を収納部に収納するとともに、この収納部に収納された紙幣を筐体の内部から外部に投出する紙幣処理機に関するものである。図１乃至図３は、本発明による貨幣処理機の一の実施の形態を示す図である。このうち、図１は、本実施の形態における紙幣処理機の構成を示す斜視図であり、図２は、図１に示す紙幣処理機の筐体の内部の構成を示す概略側面図であり、図３は、図１に示す紙幣処理機の制御ブロック図である。

　図１に、本実施の形態における紙幣処理機１の斜視図を示す。このような紙幣処理機１の構成の概要について図１乃至図３、とりわけ図２を用いてまず簡潔に説明する。紙幣処理機１は、略直方体形状の筐体１０と、筐体１０の外部から内部に紙幣を投入するための紙幣投入部１２と、筐体１０の内部にある紙幣を外部に投出するための２つの紙幣投出部１４、２２と、を備えている。これらの紙幣投出部１４、２２は、紙幣の投出動作を行う際に釣銭準備金等の準備紙幣を振り分けて投出するために、複数設けられている。例えば、複数のレジに対してレジ毎に釣銭準備金等の準備紙幣を投出する際に、まず一つ目のレジに対して紙幣投出部２２から紙幣を投出し、次に二つ目のレジに対して紙幣投出部１４から紙幣を投出し、紙幣投出部２２から紙幣が抜き取られたことを確認して、三つ目のレジに対して紙幣投出部２２から紙幣を投出する、というように、紙幣の投出が行われる紙幣投出部を交互とすることにより、紙幣の投出動作の効率化が図られるようになっている。筐体１０の内部には、紙幣投入部１２により筐体１０の外部から内部に投入された紙幣を筐体１０内で搬送する搬送部１６が設けられている。搬送部１６には、当該搬送部１６で搬送される紙幣の金種、真偽、正損、新旧等の識別を行う識別部１８が設けられている。また、筐体１０の内部において搬送部１６には一時保留部２０が接続されており、この一時保留部２０は、紙幣投入部１２により筐体１０の外部から内部に投入された紙幣を一時的に保留するようになっている。また、この一時保留部２０は、紙幣の出金処理を行った際のリジェクト紙幣を一時的に保留するようになっている。この場合、出金処理の終了後、一時保留部２０に一時的に保留された紙幣は後述する収納部３０に戻すように搬送される。

　また、筐体１０の内部において搬送部１６には複数、具体的には例えば３つの収納部３０が接続されている。各収納部３０は、紙幣投入部１２により筐体１０の外部から内部に投入されて搬送部１６により搬送された紙幣を金種別に収納するようになっている。また、筐体１０の内部において搬送部１６には収納部３４が接続されている。この収納部３４は、紙幣投入部１２により筐体１０の外部から内部に投入されて搬送部１６により搬送された紙幣を金種が混合した状態で収納するようになっている。より詳細には、各収納部３０は、それぞれ、１ドル紙幣、５ドル紙幣、２０ドル紙幣を金種別に収納するようになっている。一方、収納部３４は、１０ドル紙幣、５０ドル紙幣および１００ドル紙幣を金種が混合した状態で収納するようになっている。

　また、筐体１０の内部において搬送部１６には精査用収納部３２が接続されている。この精査用収納部３２には、各収納部３０内の紙幣の精査処理を行う際に当該収納部３０から紙幣が送られるとともにこの送られた紙幣を搬送部１６に繰り出すことができるようになっている。また、筐体１０の内部において搬送部１６には帯封部３８が接続されている。この帯封部３８は、搬送部１６から送られた紙幣を積層状態で集積し、この積層状態の複数の紙幣の帯封を行うようになっている。

　また、筐体１０の内部において搬送部１６には複数、具体的には例えば２つの振分用収納部３６が接続されている。各振分用収納部３６には、収納部３０内の紙幣の精査処理を行う際に所定の条件の紙幣が搬送部１６から送られるようになっている。また、筐体１０の内部において搬送部１６には帯封紙幣の収納を行う振分用収納部４０が接続されている。この振分用収納部４０には、帯封部３８により帯封された帯封紙幣が送られるようになっている。

　また、図３に示すように、紙幣処理機１には、当該紙幣処理機１の各構成要素を制御するための制御部５０が設けられている。

　次に、このような紙幣処理機１における各構成要素の詳細について説明する。

　図１および図２に示すように、紙幣処理機１は略直方体形状の筐体１０を備えている。筐体１０は、左右方向の横幅が狭く、前後方向の奥行きが長いとともに上下方向の高さが高いような縦型に構成されている。

　図１に示すように、筐体１０の上面には、筐体１０の内部からの紙幣の投出を行うための投出口１４ａ、および筐体１０の内部に紙幣を投入するための投入口１２ａがそれぞれ設けられている。また、筐体１０の上面には、紙幣処理機１における紙幣の処理状況等を表示するとともに、操作者が紙幣処理機１の制御部５０に対して様々な指令を与えるための表示操作部５２が設けられている。ここで、表示操作部５２は例えばタッチパネルより構成されている。

　図２に示すように、筐体１０の上面に設けられた投出口１４ａおよび投入口１２ａの下部には、それぞれ、紙幣を立位姿勢でかつ長方形の紙幣の短手方向を上下方向として収納するボックス状の紙幣投出部１４および紙幣投入部１２が配置されている。紙幣投入部１２は、投入口１２ａから当該紙幣投入部１２に投入された紙幣を立位姿勢で受け入れるトレイ（図示せず）と、紙幣の投入処理の開始時に移動するトレイで押し付けられる紙幣を１枚ずつ下方へ蹴り出すキッカローラ１２ｄとが設けられている。また、紙幣投入部１２には、キッカローラ１２ｄで下方へ蹴り出される紙幣を挟持して搬送部１６へ紙幣を１枚ずつ送り込むフィードローラ１２ｂおよびゲートローラ１２ｃがそれぞれ配設されている。紙幣投入部１２には、投入口１２ａの開閉を行うシャッター機構（図示せず）が設けられている。紙幣投出部１４には、搬送部１６から搬送された紙幣を立位姿勢で受け入れるためのトレイ（図示せず）が設けられている。このトレイは、紙幣を受け入れる位置を一定にして紙幣の立位姿勢を保ちながら前方へ整列集積するために、受け入れた紙幣量に応じて移動するようになっている。紙幣投出部１４には、投出口１４ａの開閉を行うシャッター機構（図示せず）が設けられている。

　筐体１０の内部には、当該筐体１０内で紙幣の搬送を行う搬送部１６が設けられている。搬送部１６は、例えば循環ベルト機構が組み合わされたものからなる。また、搬送部１６における搬送路の分岐箇所には分岐部材１７（図２では図示せず）が設けられており、この分岐部材１７により紙幣の搬送経路が切り換えられるようになっている。この分岐部材１７による紙幣の搬送経路の切り換えは、後述する制御部５０により制御されるようになっている。

　また、図２に示すように、搬送部１６における搬送路には識別部１８が介設されている。この識別部１８は、例えば紙幣投入部１２から搬送部１６に１枚ずつ繰り出された紙幣の金種、真偽、正損、新旧等を１枚ずつ識別するようになっている。識別部１８による紙幣の識別結果は、後述する制御部５０に送られるようになっている。

　また、筐体１０の内部には一時保留部２０が設けられており、この一時保留部２０は搬送部１６に接続されている。一時保留部２０は、紙幣投入部１２により筐体１０の外部から内部に投入され搬送部１６により搬送された紙幣を金種混合状態で一括して一時的に保留する機能を有している。より具体的には、一時保留部２０には搬送部１６から紙幣が１枚ずつ送られるようになっており、この送られた紙幣を一括して積層状態で一時的に保留するようになっている。そして、一時保留部２０は、この一時保留部２０で一時的に保留された紙幣を、搬送部１６に一枚ずつ繰り出すことができるようになっている。図２に示すように、一時保留部２０には、当該一時保留部２０に収納された積層状態の紙幣を上側から順に１枚ずつ搬送部１６に向かって蹴り出すキッカローラ２０ｃが設けられている。また、一時保留部２０には、キッカローラ２０ｃで蹴り出される紙幣を挟持して搬送部１６へこの紙幣を１枚ずつ送り込むフィードローラ２０ａおよびゲートローラ２０ｂがそれぞれ配設されている。

　また、筐体１０の内部には、紙幣投出部１４とは別の紙幣投出部２２が設けられており、この紙幣投出部２２は搬送部１６に接続されている。紙幣投出部２２は紙幣投出部１４と略同一の構成を有している。そして、例えば複数台のレジに対して釣銭準備金等の準備紙幣の作成を指示した場合、レジ毎の紙幣を紙幣投出部毎に振り分けるために、紙幣投出部２２と紙幣投出部１４の両方を使用し、これらの紙幣投出部２２、１４に交互に紙幣を投出するようになっている。具体的には、まず一つ目のレジに対して紙幣投出部２２から紙幣を投出し、次に二つ目のレジに対して紙幣投出部１４から紙幣を投出し、紙幣投出部２２から紙幣が抜き取られたことを確認して、三つ目のレジに対して紙幣投出部２２から紙幣を投出する、というように、紙幣投出部１４、２２に投出された紙幣が抜き取られることを条件に、紙幣を交互に投出するようになっている。

　また、筐体１０の内部において、例えば金種別に紙幣を収納する複数の（例えば３つの）収納部３０が前後方向に並んで配置されている。各収納部３０はそれぞれ搬送部１６に接続されている。また、前述のように、各収納部３０は、１ドル紙幣、５ドル紙幣、２０ドル紙幣をそれぞれ金種別に収納するようになっている。各収納部３０には、紙幣が集積される集積台３０ａが昇降自在に設けられており、この集積台３０ａ上に紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、各収納部３０には、当該収納部３０に収納された紙幣をこの収納部３０から繰り出す際に集積台３０ａ上の紙幣を１枚ずつ蹴り出すキッカローラ３０ｂと、このキッカローラ３０ｂにより蹴り出された紙幣を搬送部１６に繰り出すフィードローラ３０ｃおよびゲートローラ３０ｄとを備えている。そして、各収納部３０に紙幣を収納する際に、集積台３０ａ上に紙幣を集積させる毎に紙幣の上面高さが高くなるため、集積台３０ａを順次下降させる。また、収納部３０に収納された紙幣を当該収納部３０から繰り出す際には、集積台３０ａを上昇させてこの集積台３０ａ上の紙幣をキッカローラ３０ｂに押し付け、キッカローラ３０ｂの回転により紙幣を１枚ずつフィードローラ３０ｃおよびゲートローラ３０ｄに向かって蹴り出すようにする。

　また、筐体１０の内部において、例えば金種が混合した状態で紙幣を収納する１つの収納部３４が設けられている。収納部３４は搬送部１６に接続されている。また、前述のように、収納部３４は、１０ドル紙幣、５０ドル紙幣、１００ドル紙幣を金種が混合した状態で収納するようになっている。収納部３４には、紙幣が集積される集積台３４ａが図２における左右方向に移動自在に設けられており、この集積台３４ａ上に紙幣が集積されるようになっている。また、収納部３４には、当該収納部３４に収納された紙幣をこの収納部３４から繰り出す際に集積台３４ａ上の紙幣を図２における上方向に１枚ずつ蹴り出すキッカローラ３４ｂと、このキッカローラ３４ｂにより蹴り出された紙幣を搬送部１６に繰り出すフィードローラ３４ｃおよびゲートローラ３４ｄとを備えている。そして、各収納部３４に紙幣を収納する際に集積台３４ａを徐々に図２における右方向に移動させる。また、収納部３４に収納された紙幣を当該収納部３４から繰り出す際には、集積台３４ａを図２における左方向に移動させて紙幣をキッカローラ３４ｂに押し付け、キッカローラ３４ｂの回転により紙幣を１枚ずつフィードローラ３４ｃおよびゲートローラ３４ｄに向かって（すなわち、図２における上方向に向かって）蹴り出すようにする。

　また、筐体１０の内部において、収納部３０内の紙幣の精査処理を行う際に当該収納部３０から紙幣が送られるような精査用収納部３２が設けられている。精査用収納部３２は搬送部１６に接続されている。また、精査用収納部３２は、当該精査用収納部３２に収納された紙幣を搬送部１６に１枚ずつ繰り出すことができるようになっている。精査用収納部３２には、紙幣が集積される集積台３２ａが昇降自在に設けられており、この集積台３２ａ上に紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、精査用収納部３２には、当該精査用収納部３２に収納された紙幣をこの精査用収納部３２から繰り出す際に集積台３２ａ上の紙幣を１枚ずつ蹴り出すキッカローラ３２ｂと、このキッカローラ３２ｂにより蹴り出された紙幣を搬送部１６に繰り出すフィードローラ３２ｃおよびゲートローラ３２ｄとを備えている。そして、精査用収納部３２に紙幣を収納する際に、集積台３２ａ上に紙幣を集積させる毎に紙幣の上面高さが高くなるため、集積台３２ａを順次下降させる。また、精査用収納部３２に収納された紙幣を当該精査用収納部３２から繰り出す際には、集積台３２ａを上昇させてこの集積台３２ａ上の紙幣をキッカローラ３２ｂに押し付け、キッカローラ３２ｂの回転により紙幣を１枚ずつフィードローラ３２ｃおよびゲートローラ３２ｄに向かって蹴り出すようにする。

　また、筐体１０の内部において、収納部３０内の紙幣の精査処理を行う際に所定の条件の紙幣が搬送部１６から送られる複数の（例えば２つの）振分用収納部３６が上下方向に並んで配置されている。各振分用収納部３６には、紙幣が集積される集積台３６ａが昇降自在に設けられており、この集積台３６ａ上に紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、各振分用収納部３６には、当該振分用収納部３６に収納された紙幣をこの振分用収納部３６から繰り出す際に集積台３６ａ上の紙幣を１枚ずつ蹴り出すキッカローラ３６ｂと、このキッカローラ３６ｂにより蹴り出された紙幣を搬送部１６に繰り出すフィードローラ３６ｃおよびゲートローラ３６ｄとを備えている。そして、各振分用収納部３６に紙幣を収納する際に、集積台３６ａ上に紙幣を集積させる毎に紙幣の上面高さが高くなるため、集積台３６ａを順次下降させる。また、振分用収納部３６に収納された紙幣を当該振分用収納部３６から繰り出す際には、集積台３６ａを上昇させてこの集積台３６ａ上の紙幣をキッカローラ３６ｂに押し付け、キッカローラ３６ｂの回転により紙幣を１枚ずつフィードローラ３６ｃおよびゲートローラ３６ｄに向かって蹴り出すようにする。

　また、筐体１０の内部において、搬送部１６には帯封部３８が接続されている。前述のように帯封部３８は、搬送部１６から送られた紙幣を積層状態で集積し、この積層状態にある複数の紙幣を例えば１００枚毎に帯封するようになっている。

　また、筐体１０の内部において、帯封部３８の近傍には、帯封紙幣の収納を行う振分用収納部４０が設けられている。この振分用収納部４０には、帯封部３８により帯封された帯封紙幣が送られるようになっている。より詳細には、振分用収納部４０には、収納部３０内の紙幣の精査処理を行う際に所定の条件の紙幣が帯封紙幣として帯封部３８から送られるようになっている。

　図３に示すように、制御部５０は、紙幣処理機１の各構成要素、具体的には、紙幣投入部１２、紙幣投出部１４、紙幣投出部２２、搬送部１６、分岐部材１７、識別部１８、一時保留部２０、各収納部３０、収納部３４、精査用収納部３２、各振分用収納部３６、帯封部３８、表示操作部５２にそれぞれ接続されている。制御部５０は、識別部１８から当該識別部１８による紙幣の識別結果に係る情報が送られるようになっている。また、操作者が表示操作部５２により制御部５０に対して様々な指令を与えることができるようになっている。また、制御部５０は、紙幣投入部１２、紙幣投出部１４、紙幣投出部２２、搬送部１６、一時保留部２０、分岐部材１７、各収納部３０、収納部３４、精査用収納部３２、各振分用収納部３６、および帯封部３８の各々の制御を行うようになっている。制御部５０による各構成要素の制御方法については後述する。

　また、図３に示すように、制御部５０にはインターフェース５４が接続されており、このインターフェース５４は上位装置に接続されている。このことにより、制御部５０は上位装置に対して信号の送受信を行うことができる。

　次に、上述のような構成からなる紙幣処理機１の動作について以下に説明する。以下に説明する紙幣処理機１の動作は、制御部５０が紙幣処理機１の各構成要素を制御することにより行われる。

　まず、紙幣処理機１における紙幣の入金処理について説明する。紙幣処理機１において紙幣の入金処理を行う際に、操作者は表示操作部５２によって紙幣の入金処理を行うという指令を制御部５０に与える。制御部５０に対して紙幣の入金処理を行うという指令が与えられると、紙幣投入部１２の投入口１２ａに設けられたシャッターが自動的に開く。そして、操作者は、投入口１２ａを介して、金種が混合した状態で紙幣を紙幣投入部１２に投入する。紙幣投入部１２に投入された紙幣は１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、搬送部１６により識別部１８に送られる。そして、識別部１８により紙幣の金種、真偽、正損、新旧等の識別が１枚ずつ行われる。識別部１８により識別が行われた紙幣のうち、正常な紙幣は一時保留部２０に送られてこの一時保留部２０で一時的に保留される。一方、識別部１８により識別を行うことができなかった紙幣や、識別により正常ではないと判断された紙幣はリジェクト紙幣として紙幣投出部１４に送られる。そして、紙幣投入部１２から一時保留部２０または紙幣投出部１４への紙幣の搬送が終了すると、紙幣投出部１４の投出口１４ａに設けられたシャッターが自動的に開く。その後、操作者は紙幣投出部１４にあるリジェクト紙幣を取り出し、場合によっては紙幣投入部１２にこの紙幣を再投入することとなる。

　また、紙幣投入部１２から一時保留部２０または紙幣投出部１４への紙幣の搬送が終了すると、表示操作部５２には、紙幣の入金処理の確定を行うか否かの表示がなされる。そして、操作者が表示操作部５２により紙幣の入金処理の確定の指令を制御部５０に与えると、一時保留部２０で一時的に保留された紙幣は１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、識別部１８により再び識別が行われ、金種別に各収納部３０または収納部３４に収納される。このようにして、紙幣の入金処理が完了する。

　次に、紙幣処理機１における紙幣の出金処理について説明する。紙幣処理機１において紙幣の出金処理を行う際に、操作者は表示操作部５２によって紙幣の出金処理を行うという指令を制御部５０に与える。制御部５０に対して紙幣の出金処理を行うという指令が与えられると、各収納部３０および収納部３４に収納された紙幣は１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、搬送部１６により１枚ずつ搬送される。そして、搬送部１６に繰り出された紙幣は識別部１８を通り、この識別部１８により正常と判断された紙幣は紙幣投出部１４に送られる。一方、識別部１８により識別することができなかった紙幣はリジェクト紙幣として一時保留部２０に送られる。そして、各収納部３０および収納部３４から紙幣投出部１４またはリジェクト紙幣の一時保留部２０への紙幣の搬送が終了すると、紙幣投出部１４の投出口１４ａに設けられたシャッター（図示せず）が自動的に開き、操作者は紙幣投出部１４にある紙幣を取り出すこととなる。この際に、一時保留部２０のリジェクト紙幣は各収納部３０に収納される。このようにして、紙幣の出金処理が完了する。

　次に、紙幣処理機１における紙幣の精査処理について説明する。ここで、紙幣の精査処理とは、各収納部３０内および収納部３４内の紙幣を搬送部１６に繰り出し、この繰り出された紙幣を識別部１８で識別して精査用収納部３２に送り、その後精査用収納部３２から紙幣を各収納部３０および収納部３４に金種別に戻すような処理のことをいい、このような紙幣の精査処理により、紙幣処理機１の筐体１０内にある紙幣の在高を確認することができる。

　本実施の形態の紙幣処理機１においては、特に夜間等、一般的に自動で行われる紙幣の精査処理を行う際に、所定の条件の紙幣を搬送部１６により振分用収納部３６、４０に送るようになっている。以下、このような紙幣処理機１における紙幣の精査処理の詳細について説明する。より具体的には、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣が、紙幣処理機１以外の機器、具体的には例えば店舗に設けられたレジ等で使用される釣銭準備金等の準備紙幣である場合について説明する。

　紙幣処理機１において紙幣の精査処理を行う際に、操作者は表示操作部５２によって紙幣の精査処理を行うという指令を制御部５０に与える。制御部５０に対して紙幣の精査処理を行うという指令が与えられると、どのような方式で紙幣の精査処理を行うのかという選択、および必要準備金の指定を操作者が表示操作部５２により行う。より詳細には、紙幣の精査処理の方式としては、以下に示す３つの方式が制御部５０において準備されており、これらの３つの方式から表示操作部５２により選択する。また、必要準備金の指定を行うにあたり、操作者は例えばレジ台数および１台のレジ当たりの準備紙幣の金種毎の枚数を表示操作部５２により制御部５０に対して入力するようになっている。

　なお、操作者により制御部５０に入力された、振分用収納部３６、４０に送られるべき準備紙幣の合計金額が、紙幣処理機１の筐体１０内の紙幣の在高よりも大きい場合は、筐体１０内の紙幣が不足する旨が表示操作部５２に表示される。この場合、操作者はレジ台数や１台のレジ当たりの準備紙幣の金種毎の枚数を減らすこととなる。

〔紙幣の精査処理の第１の方法〕
　操作者が表示操作部５２により紙幣の精査処理の第１の方法を選択するとともに、レジ台数が１０台であり１台のレジ当たりの準備紙幣が１ドル紙幣１０枚、５ドル紙幣５枚であることを制御部５０に対して入力した場合について以下に説明する。上述した事項が操作者によって表示操作部５２により制御部５０に対して入力されると、各収納部３０および収納部３４に収納された紙幣は１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、搬送部１６により１枚ずつ搬送される。そして、搬送部１６に繰り出された紙幣は識別部１８を通り、この識別部１８により紙幣の金種、真偽、正損、新旧等の識別が行われる。なお、この際に、識別部１８により紙幣の識別のみが行われるようになっていてもよい。あるいは、識別部１８により単なる紙幣の計数（カウント）のみが行われるようになっていてもよい。識別部１８により識別された紙幣は精査用収納部３２に送られ、精査用収納部３２において紙幣が収納されることとなる。その後、精査用収納部３２に収納された紙幣が搬送部１６に１枚ずつ繰り出され、この搬送部１６に繰り出された紙幣は各収納部３０、収納部３４、または各振分用収納部３６に振り分けられる。

　なお、上述の動作は、金種別に行われる。すなわち、まず、１ドル紙幣が収納部３０から１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、識別部１８により１ドル紙幣の識別が行われる。そして、識別部１８により識別された１ドル紙幣は精査用収納部３２に送られ、精査用収納部３２において１ドル紙幣が収納される。収納部３０から精査用収納部３２に１ドル紙幣が全て移されると、精査用収納部３２に収納された１ドル紙幣は搬送部１６に１枚ずつ繰り出され、この搬送部１６に繰り出された１ドル紙幣は収納部３０または振分用収納部３６に振り分けられる。その後、他の金種の紙幣について同様の処理が金種別に行われる。

　上述のような動作において、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が１０ドル紙幣、２０ドル紙幣、５０ドル紙幣または１００ドル紙幣である場合には、この紙幣の金種は準備紙幣の金種ではないため振分用収納部３６、４０に送られることなく収納部３０または収納部３４に送られる。一方、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が１ドル紙幣である場合は、この紙幣は２つの振分用収納部３６のうち上段の振分用収納部３６に送られる。なお、上段の振分用収納部３６に収納された１ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり１０枚×１０台＝１００枚）に達したときには、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は１ドル紙幣に対応する収納部３０に送られる。また、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が５ドル紙幣である場合は、この紙幣は２つの振分用収納部３６のうち下段の振分用収納部３６に送られる。なお、下段の振分用収納部３６に収納された５ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり５枚×１０台＝５０枚）に達したときには、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は５ドル紙幣に対応する収納部３０に送られる。

　このようにして、紙幣の精査処理が完了すると、上段の振分用収納部３６には１００枚の１ドル紙幣が収納されるとともに、下段の振分用収納部３６には５０枚の５ドル紙幣が収納されることとなる。その後、操作者は各振分用収納部３６から１ドル紙幣の束および５ドル紙幣の束をそれぞれ準備紙幣として取り出す。そして、操作者は、手動により、または紙幣処理機１とは別に設けられた簡易式紙幣計数機により、各レジ用に１ドル紙幣の束および５ドル紙幣の束を仕分ける。

　なお、操作者が各振分用収納部３６から１ドル紙幣の束および５ドル紙幣の束をそれぞれ取り出す代わりに、各振分用収納部３６から１ドル紙幣および５ドル紙幣が紙幣投出部２２または紙幣投出部１４にバッチ方式で送られるようになっていてもよい。ここで、紙幣投出部２２または紙幣投出部１４にバッチ方式で紙幣を送るとは、各振分用収納部３６から１ドル紙幣および５ドル紙幣をレジ毎に紙幣投出部２２または紙幣投出部１４に振り分けて交互に送ることをいう。言い換えると、一つ目のレジ用として、各振分用収納部３６から１０枚の１ドル紙幣および５枚の５ドル紙幣が紙幣投出部２２に送られ、次に、二つ目のレジ用として、各振分用収納部３６から１０枚の１ドル紙幣および５枚の５ドル紙幣が紙幣投出部１４に送られ、操作者が紙幣投出部２２から一つ目のレジ分の紙幣を取り出すと、三つ目のレジ用として各振分用収納部３６から１０枚の１ドル紙幣および５枚の５ドル紙幣が紙幣投出部２２に送られることとなる。

〔紙幣の精査処理の第２の方法〕
　操作者が表示操作部５２により紙幣の精査処理の第２の方法を選択するとともに、レジ台数が１０台であり１台のレジ当たりの準備紙幣が１ドル紙幣１０枚、５ドル紙幣５枚、２０ドル紙幣５枚であることを制御部５０に対して入力した場合について以下に説明する。上述した事項が操作者によって表示操作部５２により制御部５０に対して入力されると、各収納部３０および収納部３４に収納された紙幣は１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、搬送部１６により１枚ずつ搬送される。そして、搬送部１６に繰り出された紙幣は識別部１８を通り、この識別部１８により紙幣の識別が行われる。識別部１８により識別された紙幣は精査用収納部３２に送られ、精査用収納部３２において紙幣が収納されることとなる。その後、精査用収納部３２に収納された紙幣が搬送部１６に１枚ずつ繰り出され、この搬送部１６に繰り出された紙幣は各収納部３０、収納部３４、または各振分用収納部３６に振り分けられる。

　上述のような動作において、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が１０ドル紙幣、５０ドル紙幣または１００ドル紙幣である場合には、この紙幣の金種は準備紙幣の金種ではないため振分用収納部３６、４０に送られることなく収納部３４に送られる。一方、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が１ドル紙幣である場合は、この紙幣は２つの振分用収納部３６のうち上段の振分用収納部３６に送られる。なお、上段の振分用収納部３６に収納された１ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり１０枚×１０台＝１００枚）に達したときには、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は１ドル紙幣に対応する収納部３０に送られる。また、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が５ドル紙幣である場合は、この紙幣は２つの振分用収納部３６のうち上段の振分用収納部３６に送られる。なお、上段の振分用収納部３６に収納された５ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり５枚×１０台＝５０枚）に達したときには、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は５ドル紙幣に対応する収納部３０に送られる。また、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が２０ドル紙幣である場合は、この紙幣は２つの振分用収納部３６のうち上段の振分用収納部３６に送られる。なお、上段の振分用収納部３６に収納された２０ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり５枚×１０台＝５０枚）に達したときには、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は２０ドル紙幣に対応する収納部３０に送られる。

　ここで、上段の振分用収納部３６において、１００枚の１ドル紙幣の束の上に５０枚の５ドル紙幣の束が集積され、この５０枚の５ドル紙幣の束の上に５０枚の２０ドル紙幣の束が集積される。あるいは、上段の振分用収納部３６において、１ドル紙幣、５ドル紙幣および２０ドル紙幣がレジ毎のグループに分けられて集積されるようになっていてもよい。ここで、１ドル紙幣、５ドル紙幣および２０ドル紙幣がレジ毎のグループに分けられて集積されるとは、１ドル紙幣１０枚、５ドル紙幣５枚、２０ドル紙幣５枚を１つのグループとして、このグループ毎に紙幣が上段の振分用収納部３６に集積されることをいう。なお、上段の振分用収納部３６において、１ドル紙幣、５ドル紙幣および２０ドル紙幣をレジ毎のグループに分けて集積する場合は、精査処理時の識別部１８での識別後に１ドル紙幣、５ドル紙幣および２０ドル紙幣を交互に上段の振分用収納部３６に送り、次に通常の紙幣の精査処理を行う。

　このようにして、紙幣の精査処理が完了すると、上段の振分用収納部３６には１００枚の１ドル紙幣、５０枚の５ドル紙幣および５０枚の２０ドル紙幣が収納されることとなる。なお、レジの台数が多く、紙幣の精査処理の途中で上段の振分用収納部３６が満杯となってしまったときには、残りの紙幣を下段の振分用収納部３６に送ってもよい。その後、操作者は振分用収納部３６から１ドル紙幣、５ドル紙幣および２０ドル紙幣を準備紙幣として取り出す。そして、操作者は、手動により、または紙幣処理機１とは別に設けられた簡易式紙幣計数機により、各レジ用に１ドル紙幣、５ドル紙幣および２０ドル紙幣を仕分ける。

　なお、操作者が振分用収納部３６から１ドル紙幣、５ドル紙幣および２０ドル紙幣をそれぞれ取り出す代わりに、振分用収納部３６から１ドル紙幣、５ドル紙幣および２０ドル紙幣が紙幣投出部１４または紙幣投出部２２にバッチ方式で送られるようになっていてもよい。ここで、紙幣投出部２２または紙幣投出部１４にバッチ方式で紙幣を送るとは、各振分用収納部３６から１ドル紙幣、５枚の５ドル紙幣および５枚の２０ドル紙幣をレジ毎に紙幣投出部２２または紙幣投出部１４に振り分けて交互に送ることをいう。言い換えると、一つ目のレジ用として、各振分用収納部３６から１０枚の１ドル紙幣、５枚の５ドル紙幣および５枚の２０ドル紙幣が紙幣投出部２２に送られ、次に、二つ目のレジ用として、各振分用収納部３６から１０枚の１ドル紙幣、５枚の５ドル紙幣および５枚の２０ドル紙幣が紙幣投出部１４に送られ、操作者が紙幣投出部２２から一つ目のレジ分の紙幣を取り出すと、三つ目のレジ用として各振分用収納部３６から１０枚の１ドル紙幣、５枚の５ドル紙幣および５枚の２０ドル紙幣が紙幣投出部２２に送られることとなる。

〔紙幣の精査処理の第３の方法〕
　操作者が表示操作部５２により紙幣の精査処理の第３の方法を選択するとともに、レジ台数が１０台であり１台のレジ当たりの準備紙幣が１ドル紙幣１０枚、５ドル紙幣５枚、２０ドル紙幣５枚であることを制御部５０に対して入力した場合について以下に説明する。上述した事項が操作者によって表示操作部５２により制御部５０に対して入力されると、各収納部３０および収納部３４に収納された紙幣は１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、搬送部１６により１枚ずつ搬送される。そして、搬送部１６に繰り出された紙幣は識別部１８を通り、この識別部１８により紙幣の識別が行われる。識別部１８により識別された紙幣は精査用収納部３２に送られ、精査用収納部３２において紙幣が収納されることとなる。その後、精査用収納部３２に収納された紙幣が搬送部１６に１枚ずつ繰り出され、この搬送部１６に繰り出された紙幣は各収納部３０、収納部３４、または帯封部３８に振り分けられる。

　なお、上述の動作は、金種別に行われる。すなわち、まず、１ドル紙幣が収納部３０から１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、識別部１８により１ドル紙幣の識別が行われる。そして、識別部１８により識別された１ドル紙幣は精査用収納部３２に送られ、精査用収納部３２において１ドル紙幣が収納される。収納部３０から精査用収納部３２に１ドル紙幣が全て移されると、精査用収納部３２に収納された１ドル紙幣は搬送部１６に１枚ずつ繰り出され、この搬送部１６に繰り出された１ドル紙幣は収納部３０または帯封部３８に振り分けられる。その後、他の金種の紙幣について同様の処理が金種別に行われる。

　上述のような動作において、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が１０ドル紙幣、５０ドル紙幣または１００ドル紙幣である場合には、この紙幣の金種は準備紙幣の金種ではないため振分用収納部３６、４０に送られることなく収納部３４に送られる。一方、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が１ドル紙幣である場合は、この紙幣は帯封部３８に送られ、この帯封部３８で一時的に保留される。なお、帯封部３８に送られた１ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり１０枚×１０台＝１００枚）に達したときには、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は１ドル紙幣に対応する収納部３０に送られる。また、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が５ドル紙幣である場合は、この紙幣は帯封部３８に送られ、この帯封部３８で一時的に保留される。なお、帯封部３８に送られた５ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり５枚×１０台＝５０枚）に達したときには、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は５ドル紙幣に対応する収納部３０に送られる。また、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣が２０ドル紙幣である場合は、この紙幣は帯封部３８に送られ、この帯封部３８で一時的に保留される。なお、帯封部３８に送られた２０ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり５枚×１０台＝５０枚）に達したときには、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は２０ドル紙幣に対応する収納部３０に送られる。ここで、精査用収納部３２から搬送部１６に繰り出された紙幣は、直接的に帯封部３８に送られてもよく、あるいは振分用収納部３６に一度送られ、振分用収納部３６に一時的に収納された後に振分用収納部３６から搬送部１６に繰り出されて帯封部３８に送られてもよい。

　その後、帯封部３８は、当該帯封部３８に送られて一時的に保留された紙幣の帯封を行う。より具体的には、帯封部３８はレジ毎に紙幣の帯封を行う。言い換えると、帯封部３８は、１ドル紙幣１０枚、５ドル紙幣５枚、２０ドル紙幣５枚を１つのグループとして、このグループ毎に紙幣の帯封を行う。なお、帯封部３８は、レジ毎に紙幣の帯封を行う代わりに、金種毎に紙幣の帯封を行うようになっていてもよい。この場合、帯封部３８は、１００枚の１ドル紙幣の束、５０枚の５ドル紙幣の束、および５０枚の２０ドル紙幣の束の帯封をそれぞれ行うこととなる。

　帯封部３８により帯封が行われた帯封紙幣は振分用収納部４０に送られる。そして、紙幣の精査処理が完了すると、操作者は振分用収納部４０から帯封紙幣を準備紙幣として取り出す。

　以上のように本実施の形態の紙幣処理機１によれば、搬送部１６に接続され、各収納部３０、３４内の紙幣の精査処理（すなわち、各収納部３０、３４内の紙幣を搬送部１６に繰り出し、この繰り出された紙幣を識別部１８で識別して精査用収納部３２に送り、その後精査用収納部３２から紙幣を各収納部３０、３４に戻すような処理）を行う際に所定の条件の紙幣が送られる振分用収納部３６、４０が設けられており、制御部５０は、紙幣の精査処理を行う際に、所定の条件の紙幣を搬送部１６により振分用収納部３６、４０に送るよう制御を行うようになっている。このことにより、紙幣の精査処理を行う間に紙幣の出金処理を同時に行うことができ、このため紙幣の出金処理を効率良く行うことができる。また、一般的には夜間に自動で行う精査処理を利用して、次の日に使用する紙幣を夜の間にあらかじめ用意しておくことができるので、非常に効率が良い。更に、出金した紙幣を振分用収納部３６、４０に一時的に収納することができるので、出金した貨幣が紙幣投出部１４等の出金口に集積されてしまいこの出金口にある貨幣が盗難されてしまうことを防止することができる。

　また、本実施の形態の紙幣処理機１において、制御部５０は、紙幣の精査処理を行う際に、各収納部３０、３４内の紙幣をまず精査用収納部３２に送り、その後、精査用収納部３２に送られた紙幣を各収納部３０、３４または振分用収納部３６、４０に振り分けて送るよう制御を行うようになっている。

　また、本実施の形態の紙幣処理機１において、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣は、紙幣処理機１以外の機器等、具体的には例えば店舗のレジ等において、釣銭機で使用されたり、あるいはレジに手持ちで所有されたりする準備紙幣であり、制御部５０において、前述の所定の条件として準備紙幣の金種および金種毎の枚数が設定され、制御部５０は、紙幣の精査処理を行う際に、この金種毎の枚数分の紙幣を振分用収納部３６、４０に送るよう制御を行うようになっている。ここで、レジ等で使用される準備紙幣は、例えば釣銭準備金である。

　また、本実施の形態の紙幣処理機１においては、振分用収納部３６は複数設けられており、制御部５０は、紙幣の精査処理の第１の方法を行ったときに、複数の振分用収納部３６に対して紙幣を金種毎に送るよう制御を行うようになっている。

　また、本実施の形態の紙幣処理機１においては、制御部５０は、紙幣の精査処理の第２の方法を行ったときに、１つの振分用収納部３６（例えば、上段の振分用収納部３６）に対して複数の金種の紙幣を送るよう制御を行うようになっている。この際に、制御部５０は、１つの振分用収納部３６に対して、金種毎に分けられた状態で紙幣を送るよう制御を行ってもよい。あるいは、制御部５０は、１つの振分用収納部３６に対して、複数の金種を含むグループ毎に（すなわち、例えばレジ毎に）分けられた状態で紙幣を送るよう制御を行ってもよい。

　また、本実施の形態の紙幣処理機１においては、積層状態の複数の紙幣の帯封を行うための帯封部３８が設けられており、紙幣の精査処理の第３の方法を行ったときに、帯封部３８により帯封された帯封紙幣が振分用収納部４０に送られるようになっている。

　なお、本実施の形態による紙幣処理機１の構成および動作は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。例えば、紙幣処理機１において、紙幣の精査処理を行う際に、各収納部３０、３４内の紙幣をまず精査用収納部３２に送り、その後、精査用収納部３２に送られた紙幣を各収納部３０、３４または振分用収納部３６、４０に振り分けて送る代わりに、各収納部３０、３４から搬送部１６に繰り出され識別部１８により識別が行われた紙幣をまず精査用収納部３２または振分用収納部３６、４０に振り分けて送り、その後、精査用収納部３２から紙幣を各収納部３０、３４に戻すようにしてもよい。

　紙幣の精査処理を行う際に、各収納部３０、３４から搬送部１６に繰り出され識別部１８により識別が行われた紙幣をまず精査用収納部３２または振分用収納部３６、４０に振り分けて送るような態様について、紙幣の精査処理の第１の方法を例として説明する。

　操作者が表示操作部５２により紙幣の精査処理の第１の方法を選択するとともに、レジ台数が１０台であり１台のレジ当たりの準備紙幣が１ドル紙幣１０枚、５ドル紙幣５枚であることを制御部５０に対して入力すると、まず、１ドル紙幣が収納部３０から１枚ずつ搬送部１６に繰り出され、識別部１８により１ドル紙幣の識別が行われる。そして、識別部１８により識別された１ドル紙幣は、２つの振分用収納部３６のうち上段の振分用収納部３６に送られる。なお、上段の振分用収納部３６に収納された１ドル紙幣の枚数が、出金すべき準備紙幣の枚数（すなわち、１レジ当たり１０枚×１０台＝１００枚）に達したときには、識別部１８により識別された１ドル紙幣は精査用収納部３２に送られる。その後、収納部３０から精査用収納部３２または上段の振分用収納部３６に１ドル紙幣が全て移されると、精査用収納部３２に収納された１ドル紙幣は搬送部１６に１枚ずつ繰り出され、この搬送部１６に繰り出された１ドル紙幣は収納部３０に送られる。その後、他の金種の紙幣について同様の処理が金種別に行われる。

　このようにして紙幣の精査処理が完了すると、上段の振分用収納部３６には１００枚の１ドル紙幣が収納されるとともに、下段の振分用収納部３６には５０枚の５ドル紙幣が収納されることとなる。その後、操作者は各振分用収納部３６から１ドル紙幣の束および５ドル紙幣の束をそれぞれ準備紙幣として取り出す。そして、操作者は、手動により、または紙幣処理機１とは別に設けられた簡易式紙幣計数機により、各レジ用に１ドル紙幣の束および５ドル紙幣の束を仕分ける。

　また、本実施の形態の紙幣処理機１において、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣は、紙幣処理機１以外の機器等、具体的には例えばレジ等で使用される準備紙幣に限定されることはない。例えば、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣は、銀行のテラーに渡されるようになっていてもよい。この場合、操作者が表示操作部５２によって振分用収納部３６、４０に送られる紙幣の枚数の設定を行うにあたり、レジの台数ではなくテラーの人数を操作者は表示操作部５２によって制御部５０に入力することとなる。

　また、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣は、銀行等に設けられる現金自動預け払い機（ＡＴＭ）に装填されるようになっていてもよい。このようなＡＴＭ装填用紙幣は、通常の紙幣よりもきれいなものでなければならない。このため、制御部５０は、紙幣の精査処理を行う際に、識別部１８による紙幣の識別結果における紙幣の汚損レベルが所定のレベル以上の紙幣を振分用収納部３６、４０に送るよう制御を行う。なお、紙幣の汚損レベルについて説明すると、この汚損レベルが高ければ高いほどきれいな紙幣であり、紙幣が汚損していればするほど紙幣の汚損レベルは低くなる。

　また、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣は、損券として紙幣処理機１から回収されるようになっていてもよい。このような損券は、通常の紙幣よりも酷く汚損しているものである。このため、制御部５０は、紙幣の精査処理を行う際に、識別部１８による紙幣の識別結果における紙幣の汚損レベルが所定のレベル以下の紙幣を振分用収納部３６、４０に送るよう制御を行う。なお、紙幣が損券であるか否かを判定するために用いられる汚損レベルの基準は、紙幣がＡＴＭ装填用紙幣であるか否かを判定するために用いられる汚損レベルの基準よりも低くなっている。

　また、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣は、旧券として紙幣処理機１から回収されるようになっていてもよい。紙幣処理機１から回収された旧券は、中央銀行等に送られるようになっている。この場合、制御部５０は、紙幣の精査処理を行う際に、識別部１８により旧券であると識別された紙幣を振分用収納部３６、４０に送るよう制御を行う。

　また、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣は、余剰紙幣として紙幣処理機１から回収されるようになっていてもよい。すなわち、紙幣処理機１の筐体１０内の紙幣の在高が所定の金額よりも大きい場合には、この所定の金額分の紙幣が余剰紙幣として紙幣処理機１から回収される。この場合、制御部１８は、紙幣の精査処理を行う際に、紙幣処理機１内にある紙幣の合計金額が所定の金額よりも大きい場合には余剰分の紙幣を振分用収納部３６、４０に送るよう制御を行う。このことにより、紙幣処理機１の筐体１０内の紙幣の在高が所定の金額となる。

　なお、本実施の形態の紙幣処理機１においては、上述のような紙幣処理機１の動作を行う際に、操作者が表示操作部５２により制御部５０に指令を与える代わりに、上位装置からインターフェース５４を介して制御部５０に指令が与えられるようになっていてもよい。例えば、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣が、紙幣処理機１以外の機器等、具体的には例えばレジ等において、釣銭機で使用されたり、あるいはレジに手持ちで所有されたりする釣銭準備金等の準備紙幣である場合において、あるレジで１ドル紙幣が２５枚不足しているときに、この情報がレジから上位装置に送られ、上位装置はインターフェース５４を介して制御部５０に対して２５枚の１ドル紙幣を振分用収納部３６、４０に送るよう指令を与える。そして、紙幣処理機１において紙幣の精査処理を行う際に、制御部５０は２５枚の１ドル紙幣を振分用収納部３６、４０に送るよう各構成要素の制御を行う。このことにより、操作者は振分用収納部３６、４０から２５枚の１ドル紙幣を取り出すことにより、この取り出した１ドル紙幣を準備紙幣としてレジに送ることができるようになる。

　また、紙幣の精査処理を行う際に振分用収納部３６、４０に送られる紙幣が、紙幣処理機１以外の機器、具体的には例えばレジ等で使用される釣銭準備金等の準備紙幣である場合において、振分用収納部３６、４０に送られる紙幣の金種および金種毎の枚数は、予め設定されていてもよい。この場合、操作者は、紙幣の精査処理を行う際に、振分用収納部３６、４０に送られるべき紙幣の金種および金種毎の枚数を表示操作部５２により都度設定しなくともよくなり、操作者にとっての操作性が向上する。

　また、本実施の形態の紙幣処理機１においては、釣銭準備金等の準備紙幣は振分用収納部３６に収納されるようになっているが、振分用収納部３６から準備紙幣を取り出すときは、所定の権限を有する操作者しか振分用収納部３６から準備紙幣を取り出すことができないよう、紙幣処理機１においてＩＤカード等により操作者の識別を行うようになっていてもよい。具体的には、例えば紙幣処理機１にカードリーダが設けられており、このカードリーダにより操作者が所有するＩＤカードのＩＤ情報を読み取ることにより、操作者が所定の権限を有するか否かを判定する。このような紙幣処理機１によれば、セキュリティ性を向上させることができる。

　なお、本発明における貨幣処理機は、紙幣の処理を行うような紙幣処理機１に限定されることはない。本発明における貨幣処理機は、硬貨の処理を行うような硬貨処理機であってもよく、紙幣および硬貨の両方の処理を行うような装置であってもよい。

Claims

　筐体と、
　前記筐体の内部に設けられ、当該筐体の内部で貨幣の搬送を１枚ずつ行う搬送部と、
　前記搬送部に接続され、当該搬送部から送られた貨幣を収納するとともに収納された貨幣を前記搬送部に繰り出し可能な収納部と、
　前記搬送部に設けられ、当該搬送部で搬送される貨幣の識別を行う識別部と、
　前記搬送部に接続され、前記収納部内の貨幣の精査処理を行う際に当該収納部から貨幣が送られるとともにこの送られた貨幣を前記搬送部に繰り出し可能な精査用収納部と、
　前記搬送部に接続され、前記収納部内の貨幣の精査処理を行う際に所定の条件の貨幣が送られる振分用収納部と、
　前記搬送部、前記収納部および前記精査用収納部の制御を行う制御部であって、前記収納部内の貨幣を前記搬送部に繰り出し、この繰り出された貨幣を前記識別部で識別して前記精査用収納部に送り、その後前記精査用収納部から貨幣を前記収納部に戻すような貨幣の精査処理を行う際に、所定の条件の貨幣を前記搬送部により前記振分用収納部に送るよう制御を行うような制御部と、
　を備えたことを特徴とする貨幣処理機。
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記収納部内の貨幣をまず前記精査用収納部に送り、その後、前記精査用収納部に送られた貨幣を前記収納部または前記振分用収納部に振り分けて送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記収納部から繰り出され前記識別部により識別が行われた貨幣をまず前記精査用収納部または前記振分用収納部に振り分けて送り、その後、前記精査用収納部から貨幣を前記収納部に戻すよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　前記制御部に対して指令を与えるための操作部を更に備え、
　前記所定の条件は、前記操作部によって前記制御部に与えられるようになっていることを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　外部装置と通信可能なインターフェースを更に備え、
　前記所定の条件は、前記外部装置から前記インターフェースを介して前記制御部に与えられるようになっていることを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　前記所定の条件は、前記制御部において予め設定されていることを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、前記貨幣処理機以外で使用される準備貨幣であり、
　前記制御部において、前記所定の条件として準備貨幣の金種および金種毎の枚数が設定され、前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、この金種毎の枚数分の貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　前記準備貨幣は、釣銭準備金であることを特徴とする請求項７記載の貨幣処理機。
　貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、現金自動預け払い機に装填されるようになっており、
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記識別部による貨幣の識別結果における貨幣の汚損レベルが所定のレベル以上の貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、損券として前記貨幣処理機から回収されるようになっており、
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記識別部による貨幣の識別結果における貨幣の汚損レベルが所定のレベル以下の貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、旧券として前記貨幣処理機から回収されるようになっており、
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記識別部により旧券であると識別された貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　貨幣の精査処理を行う際に前記振分用収納部に送られる貨幣は、余剰貨幣として前記貨幣処理機から回収されるようになっており、
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、前記貨幣処理機内にある貨幣の合計金額が所定の金額よりも大きい場合には余剰分の貨幣を前記振分用収納部に送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　前記振分用収納部は複数設けられており、
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、複数の振分用収納部に対して貨幣を金種毎に送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　前記振分用収納部は１または複数設けられており、
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、１つの振分用収納部に対して複数の金種の貨幣を送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、１つの振分用収納部に対して、金種毎に分けられた状態で貨幣を送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１４記載の貨幣処理機。
　前記制御部は、貨幣の精査処理を行う際に、１つの振分用収納部に対して、複数の金種を含むグループ毎に分けられた状態で貨幣を送るよう制御を行うことを特徴とする請求項１４記載の貨幣処理機。
　前記搬送部には、積層状態の複数の貨幣の帯封を行うための帯封部が接続されており、
　前記振分用収納部には、前記帯封部により帯封された帯封貨幣が送られるようになっていることを特徴とする請求項１記載の貨幣処理機。