WO2010001511A1

WO2010001511A1 - ディスプレイ装置のヒンジ機構

Info

Publication number: WO2010001511A1
Application number: PCT/JP2009/001659
Authority: WO
Inventors: 幾波孝浩
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2008-07-02
Filing date: 2009-04-09
Publication date: 2010-01-07
Also published as: US8256065B2; JPWO2010001511A1; US20110061195A1

Abstract

　ディスプレイ３の側方に突出するシャフト１３の外周部を包む円筒状のホルダ１４の内面に凸状部１９を設けると共に、前記シャフト１３の外周面に、前記凸状部１９と係合する複数の平坦面２０、２１、２２を設けてなる。

Description

ディスプレイ装置のヒンジ機構

　この発明は、ディスプレイ装置におけるディスプレイを回動可能に支持するヒンジ機構に関する。

　近年の乗用車では、後部座席の乗員のために、テレビ、ＤＶＤ、ゲームなどのためのディスプレイ装置が設置されているものがある。３列シートや対面シートなどを備えている車両においては、ディスプレイ装置は車両の天井に備えられる。このようなディスプレイ装置は、ディスプレイ装置本体とこのディスプレイ装置本体に対し回動可能なディスプレイ（モニタ）とからなる。ディスプレイは、ディスプレイ装置本体に対し所定の角度に保持して使われる。

　ディスプレイは、ディスプレイに設けられたシャフトを、ディスプレイ装置本体側に固定されるブラケットで支持するヒンジ機構により回動可能に支持される。通常のヒンジ機構は、ディスプレイのシャフトをブラケットに回動可能に通し、ブラケットを、ディスプレイ装置本体側に固定して構成される。ディスプレイを所定の開いた位置に位置決めするため、シャフトに、凸部を有するクリックプレートを設け、ブラケット側に、クリックプレートの凸部が嵌合する凹部を複数設ける。クリックプレートをシャフト上に位置決め固定するためにはスペーサなどが使われている。また、シャフトをブラケットに留めるためシャフトの端部に留め部材が設けられる。

　通常のヒンジ機構は、上述のように多数の部材が必要であることから、部品点数の低減を目的として特許文献１に記載のヒンジ構造が提案されている。このヒンジ構造は、ブラケット部と、このブラケット部に連続形成され、かつ二つ折り方向に折り返し形成された折り返し片部を有するヒンジ片部と、このヒンジ片部における折り返し片部に形成され、ディスプレイと一体のシャフトを回動可能にクランプする軸ホルダ部とを、弾性部材で一体形成し、ヒンジ片部と折り返し片部とを締結して軸ホルダ部でディスプレイのシャフト（回転軸）にトルクを付与するように構成したものである。

特開２００６－２８２１００号公報

　特許文献１に記載のヒンジ機構は、ディスプレイが開閉ヒンジ構造により一体となっており、ディスプレイの開角度はディスプレイのシャフトを挟んでいる弾性部材の折り返し片部により一定の荷重が与えられ、使用者が任意の角度まで手で動かして保持する構造となっている。この構造では、ディスプレイ回動軸にディスプレイを保持する荷重が絶えずかかっているため開閉操作力が重たいという課題がある。

　この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ディスプレイのシャフトに所定の角度以外では荷重をかけず、所定の角度のみでディスプレイを保持するようにすることを目的とする。

　この発明に係るディスプレイ装置のヒンジ機構は、ディスプレイの側方に突出するシャフトの外周部を包む円筒状のホルダの内面に凸状部を設けると共に、シャフトの外周面に、前記凸状部と係合する位置決め係合部を設けてなることを特徴とする。

　この発明に係るディスプレイ装置のヒンジ機構によれば、ホルダでシャフトを支持すると共に、ホルダに設けた凸状部とシャフト側に設けた位置決め係合部との係合により位置決めするようにしたので、凸状部と位置決め係合部との係合状態では大きな保持力が生じるが、それ以外の箇所では、凸状部とシャフトの円弧部分との接触となるのでディスプレイの回動動作を軽くすることができると共に、部品点数を減らすことができる。

実施の形態１に係るヒンジ機構を備えたディスプレイ装置の、ディスプレイを閉じた状態の側面に沿う概略断面図である。実施の形態１に係るヒンジ機構を備えたディスプレイ装置の、ディスプレイを開いた状態の側面に沿う概略断面図である。実施の形態１に係るヒンジ機構の斜視図である。図３Ａに示したヒンジ機構の側面図である。図３Ａに示したヒンジ機構の平面図である。図３Ａ、３Ｂ、３Ｃに示した実施の形態１の係合面を増やした例の図３Ｂと同様の側面図である。実施の形態２に係るヒンジ機構の斜視図である。図５Ａに示したヒンジ機構の側面図である。図５Ａに示したヒンジ機構の平面図である。

　以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態１
　実施の形態１は、この発明を、車両の天井面に設置されるディスプレイ装置に適用したものである。図１及び図２は、実施の形態１に係るディスプレイ装置の側面に沿う概略断面図で、ディスプレイを閉じた状態、開いた状態をそれぞれ示す。図３Ａは、そのヒンジ構造の斜視図であり、図３Ｂはその側面図、図３Ｃは平面図である。

　ディスプレイ装置１は、図１及び図２に示すように、ディスプレイ装置本体２と、ディスプレイ装置本体２に対し開閉可能に組み付けられたディスプレイ３とからなる。このディスプレイ装置１は、車両のルーフ４の内側に設けられるルーフライニング５に取り付けられる。ルーフライニング５に設けられた取付穴６にディスプレイ装置本体２を嵌め込みねじ止めするなどして取り付けられる。

　ディスプレイ装置本体２は、金属製のベース１１にディスプレイ装置１に必要な機器（コントローラなど）を組み付け、それらをインナーカバー１２で覆った構造となっている。インナーカバー１２は、ベース１１上の機器を覆う機器収容部１２ａと、凹状となり、ディスプレイ３を収容するディスプレイ収容部（空間）１２ｂとからなっている。インナーカバー１２は、例えばプラスチックなどで成形される。

　ディスプレイ３の基部の両側面には側方にシャフト１３が突出し、シャフト１３は、ホルダ１４に回転可能に支持される。ホルダ１４は、ディスプレイ装置本体２のベース１１にねじ１５により固定される。シャフト１３、ホルダ１４によりディスプレイ３を回動可能とするヒンジ機構１６が構成されている。

　ヒンジ機構１６を構成するホルダ１４は板金などの弾性材を塑性加工することにより作られており、図３Ａ、３Ｂ、３Ｃに示すように、一端がベース１１への取り付け部１７ａとなっているＬ字形の脚部１７と、この脚部１７の他端部に一体に形成されている筒状のシャフト支持部１８とからなっている。シャフト支持部１８は完全な円筒とはなっておらず、脚部１７の端部との間に隙間１７ｂをあけて弾性力を発揮するようにしてある。シャフト支持部１８の中にシャフト１３が通され支持される。

　シャフト支持部１８には、内側面に突出させて凸状部１９が設けられている。この凸状部１９は、例えば、シャフト支持部１８の外側から打撃を与えてその部分を内側に突出させることにより形成される。この実施の形態１では、凸状部１９は、シャフト支持部１８の中心を通る水平（図３Ａ、図３Ｂに示す状態で）な中心軸方向に形成されている。

　一方、シャフト１３には、ディスプレイ３をインナーカバー１２のディスプレイ収容部１２ｂに収納した状態、１２０度開いた状態のときに凸状部１９に対応する位置に位置決め係合部として０度係合面２０、１２０度係合面２１が形成されている。これらの係合面２０、２１は、シャフト１３の外周面を平坦面に削って形成されている。筒状のシャフト支持部１８は、凸状部１９が係合面２０、２１に当接した状態でディスプレイ３を保持できる弾性力が発揮できるように直径などが定められる。

　ディスプレイ３を開いて１２０度の位置にすれば、シャフト支持部１８の凸状部１９にシャフト１３の１２０度係合面２１が当たり、ディスプレイ３は１２０度開いた状態に位置決め保持される（図２）。ディスプレイ３を閉じてインナーカバー１２のディスプレイ収容部１２ｂに収めれば、シャフト１３の０度係合面２０が凸状部１９に当たり、ディスプレイ３は収納状態で保持される（図１）。

　インナーカバー１２の機器収容部１２ａからディスプレイ収容部１２ｂに向けてラッチ２３が設けられている。ラッチ２３はばねにより弾力的に出入り可能となっている。機器収容部１２ａの表面には、操作ボタン２４が設けられており、この操作ボタン２４を押すことによりラッチ２３は、機器収容部１２ａ側に引き込まれるようになっている。一方、ディスプレイ３の回動側の端面には、ラッチ係合穴２５が設けられている。ディスプレイ３を閉じたとき、ラッチ係合穴２５にラッチ２３が嵌合し、ディスプレイ３は保持される。操作ボタン２４を押してラッチ２３をラッチ係合穴２５から引き抜くことによりディスプレイ３は回動可能となる。

　シャフト１３に設ける、ディスプレイ３を開いたときに位置決めする係合面は１２０度係合面２１一つである必要はなく、増やすこともできる。図４には、９０度係合面２２を設けた例を示す。ディスプレイ３を開いてシャフト１３の９０度係合面２２をホルダ１４の凸状部１９と係合させることにより、ディスプレイ３を９０度開いた状態に保持することができる。操作者は、自分の姿勢等に合わせて開角度（９０度又は１２０度）を選択することができる。

　なお、ホルダ１４のシャフト支持部１８の凸状部１９とシャフト１３の係合面２０、２１、２２は、上述の位置関係に限らず、所定の位置関係、例えばディスプレイ３を閉じた状態、９０度開いた状態、１２０度開いた状態を確保できるのであれば、どのような配置で設けてもよい。

　この実施の形態１に係るディスプレイ装置のヒンジ機構１６は、ホルダ１４の全内周面がシャフト１３の全外周面を抱持するのではなく凸状部１９のみがシャフト１３の外周面に当接する構造となっているので、ディスプレイ３を回動させるときの操作力は小さくて済み、操作するときに重く感じることはなく操作感に優れる。また、ディスプレイ３の閉位置及び所定の開位置では、凸状部１９が平坦面である係合面２０、２１、２２に係合するので強い保持力が得られる。更に、部品点数が少なく構造が簡単であることから、組立工数が簡素化されて生産性が上がり、コストダウンともなる。ホルダ１４側の局部的な凸状部１９に対しシャフト１３側には長さの長い係合面２０、２１、２２を設けるので、両者のシャフト軸方向の微妙な位置合わせ不要となり、この面でも組み付けは容易となる。

実施の形態２．
　図５Ａ、５Ｂ、５Ｃには実施の形態２に係るディスプレイ装置のヒンジ機構３１の斜視外観、側面、平面を示す。このヒンジ機構３１は、ホルダ１４に設ける凸状部をホルダ１４の全長に亘るリブ状凸状部３２としたものである。リブ状凸状部３２は、例えばプレスなどの塑性加工により形成される。シャフト１３側には、図４と同様に、係合部として０度係合面２０、１２０度係合面２１、９０度係合面２２が設けられる。

　このヒンジ機構３１では、ディスプレイ３を開閉し、シャフト１３の０度係合面２０、１２０度係合面２１、９０度係合面２２をホルダ１４側のリブ状凸状部３２に当接させることにより、ディスプレイ３はそれぞれの位置に位置決め保持される。

　この実施の形態２に係るディスプレイ装置によれば、実施の形態１に係るヒンジ機構１６と同様に、ホルダ１４の全内周面がシャフト１３の全外周面を抱持するのではなくリブ状凸状部３２のみがシャフト１３の外周面に当接する構造となっているので、ディスプレイ３を回動させるときの操作力は小さくて済み、操作するときに重く感じることはなく操作感に優れる。部品点数が少なく構造が簡単であることから、組立工数が簡素化されて生産性が上がり、コストダウンともなる。ホルダ１４側のリブ状凸状部３２とシャフト１３側の平坦面である係合面２０、２１、２２との係合であるので、両者のシャフト軸方向の微妙な位置合わせ不要となる。更に、凸状部をリブ状凸状部３２としたので、シャフト１３側の平坦な係合面２０、２１、２２との接触面積が大きくなり、位置決め保持力が強くなる。

　上記の実施の形態１、２では、シャフト１３側に設ける位置決め係合部を平坦面２０、２１、２２としたが、位置決め係合部としては平坦面である必要はなく、ホルダ１８側の凸状部１９と係合する凹部であってもよい。その凹部も凸状部１９と同じ幅ではなく、ある程度細長いものとすることにより、組み付け時の凸状部１９との位置合わせも容易となる。

　以上のように、この発明に係るディスプレイ装置のヒンジ機構は、ディスプレイのシャフトに所定の角度以外では荷重をかけず、所定の角度のみでディスプレイを保持するようにするために、ディスプレイの側方に突出するシャフトの外周部を包む円筒状のホルダの内面に凸状部を設けると共に、シャフトの外周面に、前記凸状部と係合する位置決め係合部を設けるよう構成したので、近年の乗用車において後部座席の乗員のために用いられるディスプレイ装置のヒンジ機構などに用いるのに適している。

Claims

　ディスプレイの側方に突出するシャフトの外周部を包む円筒状のホルダの内面に凸状部を設けると共に、シャフトの外周面に、前記凸状部と係合する位置決め係合部を設けてなることを特徴とするディスプレイ装置のヒンジ機構。
　前記位置決め係合部が、前記シャフトの外周面に形成された平坦部であることを特徴とする請求項１に記載のディスプレイ装置のヒンジ機構。