WO2009148002A1 - ガス絶縁電気機器用絶縁スペーサ - Google Patents

Abstract

信頼性が高くしかも構成が簡単で、経済的に製作できるガス絶縁電気機器用絶縁スペーサが求められている。　本発明の絶縁スペーサ１０は、中心導体１２を埋め込む成型絶縁体１１を有しており、この成型絶縁体１１部分を金属容器１、２のフランジ１Ａ、２Ａ間に配置し、複数本の締結貫通ボルト５により連結固定する。この絶縁スペーサ１０は、成型絶縁体１１の外周側をフランジ１Ａ、２Ａ寸法より短くすると共に一方の側面を薄い環状に成型した薄肉部１１Ａを設けている。成型絶縁体１１の薄肉部１１Ａには、フランジ１Ａ、２Ａ間の寸法を規定し、かつ金属容器１、２間の電流通路を形成する断面Ｌ字状の環状金具１４を嵌め合わせて配置し、環状金具１４と成型絶縁体１１の薄肉部１１Ａとを、複数の結合ボルト１５により固定している。

Description

明 細 書

ガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサ 技術分野

本発明はガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサに係り、 特に金属容器間の接続部に 配置するガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサに関する。 背景技術

一般に、 ガス絶縁開閉装置 （以下 「G I S」 と略称する。 ） 等のガス絶縁電気 機器では、 接地する円筒状の金属容器の接続部となるフランジ間に、 絶縁スぺー サを配置して連結してガス区画し、 各金属容器内に S F ₆ ガス等の絶縁ガスを、 0 . 4〜0 . 6 M P a程度の高圧で封入している。

G I Sは、 金属容器内に収納する遮断器や断路器や接地開閉器、 更には母線等 の各機器で構成され、 これら各機器間は運用や絶縁ガスの処理時間を考慮した適 切な間隔でガス区画するため、 絶縁スぺーザでガス区画を密閉している。

通常、 絶縁スぺーサは絶縁性能を満足すると共に、 高気圧ガスを密閉するため の機械的強度も必要であるため、 主としてアル ナ充填のエポキシ材料やシリカ 充填のエポキシ樹脂材料が使用されている。 しかも、 絶縁スぺーサは径方向の寸 法を小さくするため、 絶縁物の沿面方向の電界を低減するように片側が膨らみ、 反対側が窪んでいる凹凸形状の所謂コーンスぺーサと呼ばれるものや、 或いは凹 凸形状のない所謂ディスクスぺーサと呼ばれるものが使用される。

例えば日本の特許公開公報平成 3— 1 2 4 2 1 0号 （特許文献 1 ) に、 金属容 器のフランジ間に配置して連結するコーンスぺーサ形の絶縁スぺーサが記載され ている。 この絶縁スぺーサは、 スぺーサ本体となる成型絶縁体の中央部に高電圧 導体を支持し、 しかも成型絶縁体の外周部に環状金属材を配置している。 そして、 絶 スぺーサが金属容器のフランジ間に配置されて締結貫通ボルトで連結固定す るとき、 環状金属材は連結時の締付力を受け、 成型絶縁体の割れを防止している。 成型絶縁体の部分は、 環状金属材及び押圧材で挟持して金属容器のフランジ間に 固定している。

また、 例えば日本の特許公開公報 2 0 0 7 _ 1 4 0 7 0号 （特許文献 2 ) に、 ディスクスぺーサ形の絶縁スぺーザが記載されている。 この特許文献 2の絶縁ス ぺーサは、 中心部に中心導体を埋め込み、 外周部に複数の埋め込み金具を設けて 形成している。 この絶縁スぺーサは、 埋め込み金具を活用して金属製の環状フラ ンジにボルトで固定しており、 環状フランジの部分のみを金属容器のフランジ間 に配置し、 締結貫通ボルトで連結固定している。

上記した特許文献 1の絶縁スぺーサは、 金属容器のフランジ間に締結貫通ボル トで連結固定する際、 連結時の締付力を環状金属材で受けさせることはできる。 しかし、 絶縁スぺーザの成型絶縁体の部分を、 環状金属材及び押圧材で挟持する 構造であるため、 多数の締結貫通ボルトでの締付カ不均一や、 締結貫通ボルトを 規定トルク以上の過度の締付力によって、 成型絶縁体の部分が割れる恐れがある。 絶縁スぺーサの成型絶縁体に割れが生ずると、 ガス絶縁電気機器の金属容器内 に封入した絶縁ガスが漏れ出し、 遂には絶縁破壌事故に至り、 或いは極端な場合 には、 急激な絶縁ガスの放出で爆発事故が発生し、 ガス絶縁電気機器の信頼性が 低下することになる。 これを避けるためには、 絶縁スぺーサの主要部である成型 絶縁体の形状を変更して厚さを増し、 成型絶縁体の強度を増加させ、 更には環状 金属材と押圧材の配置等の工夫が必要となるが、 絶縁スぺーサを経済的に製作で きなくなる問題があつた。

また、 上記した特許文献 2の絶縁スぺーサは、 金属製の環状フランジにボルト で固定するものであるため、 ガス絶縁電気機器の絶縁信頼性を維持するには、 環 状フランジの寸法分だけ金属容器を大きくせねばならず、 ガス絶縁電気機器を経 済的に製作できなくなるという問題があつた。

本発明の目的は、 信頼性が高くしかも構成が簡単で、 経済的に製作できるガス 絶縁電気機器用絶縁スぺーサを提供することにある。 発明の開示

本発明は、 成型絶縁体に中心導体を埋め込んだ絶縁スぺ一サを、 前記成型絶縁 体の外周部に金属材を介在させて金属容器のフランジ間に配置し、 前記フランジ 間を複数本の締結貫通ボルトにより連結固定するガス絶縁電気機器用絶縁スぺー サを構成する際、 前記絶縁スぺーサはその外周側を前記フランジ寸法より短くす ると共に一方の側面を薄く環状に成型した薄肉部を設け、 前記薄肉部にフランジ 間の寸法を規定し、 かつ前記金属容器間の電流通路を形成する断面 L字状の環状 金具を嵌め合わせ配置し、 前記環状金具と成型絶縁体の薄肉部とを複数の結合ボ ルトにより固定して構成したことを特徴としている。

好ましくは、 前記成型絶縁体の薄肉部に、 前記締結貫通ボルトを通す u字状の 切り欠き溝を複数形成したことを特徴としている。

また好ましくは、 前記各結合ボルトは、 前記環状金具の内側平坦部に略等間隔 で配置したことを特徴としている。 発明の効果

本発明のようにガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサを構成すれば、 薄肉部を有す る成型絶縁体と断面が L字状の環状金具とを別々に製作し、 成型絶縁体の薄肉部 に環状金具を配置して結合ボルトで一体に固定して構成した絶縁スぺーサは、 金 属容器のフランジ間に配置して複数本の締結貫通ボルトにより連結固定すること ができる。 このため、 絶縁スぺーザの成型絶縁体の部分で金属容器のガス区画の 気密性能を良好に維持できると共に、 環状金具で金属容器間を接続する接続導体 を兼用して循環電流の電流通路も確保でき、 信頼性の高い絶縁スぺーサを経済的 に製作することができる。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明の一実施例であるガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサの組み立て 使用状態を示す概略縦断面図である。 図 2は、 図 1のガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサを別の位置で断面した組み立 て使用状態を示す概略縦断面図である。

図 3は、 図 1に示すガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサの端部を拡大した分解図 である。

図 4は、 図 1のガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサの組み立て状態を示す側面図 である。

図 5は、 図 2を分解して示す側面図である。

図 6は、 図 2の分解斜視図である。

図 7は、 本発明を適用した三相一括型のガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサの組 み立て状態を示す側面図である。

図 8は、 本発明の他の実施例であるガス絶縁電気機器用絶縁スぺーザの組み立 て使用状態を示す概略縦断面図である。

図 9は、 図 8のガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサの組み立て状態を示す側面図 である。 発明を実施するための最良の形態

本発明のガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサは、 中心導体を埋め込んだ成型絶縁 体を有している。 絶縁スぺーサは、 成型絶縁体の外周部に金属材を介在させて金 属容器のフランジ間に配置し、 複数本の締結貫通ボルトにより連結固定する。 そ して、 絶縁スぺーサは、 成型絶縁体の外周側を前記フランジ寸法より短くすると 共に一方の側面を薄く環状に成型した薄肉部を設けている。 この薄肉部には、 フ ランジ間の寸法を規定し、 かつ金属容器間の電流通路を形成する断面 L字状の環 状金具を嵌め合わせて配置し、 環状金具と成型絶縁体の薄肉部を複数の結合ボル トにより固定している。

〔実施例 1〕

以下、 本発明の一実施例のガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサを、 図 1から図 6 を用いて説明する。 図 1及び図 2に示す実施例では、 本発明を適用した絶縁スぺ ーサ 1 0を、 内部に高電圧の通電導体 3、 4を配置すると共に、 S F ₆ ガス等の 絶縁ガスを封入する円筒状の金属容器 1、 2を、 ガス区画して連結するため、 フ ランジ 1 A、 2 A間に配置したものである。

絶縁スぺーサ 1 0は、 エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて成型する成型絶 縁体 1 1と、 この内部に埋め込んだ中心導体 1 2を有しており、 中心導体 1 2は 各通電導体 3、 4と接続される。 この絶縁スぺーサ 1 0を配置した金属容器 1、 2のフランジ 1 A、 2 A間は、 図 2に示す如く複数本のスタッドポルトと称され る締結貫通ボルト 5及びナツト 6により所定の締付力で締め付け、 連結固定され る。

成型絶縁体 1 1は、 外周端面部がフランジ 1 A、 2 A間に挟持するように配置 され、 締結貫通ボルト 5及びナット 6により締め付けて固定するとき、 絶縁スぺ ーサ 1 0部分におけるガス気密を維持するため、 成型絶縁体 1 1の両面又は各フ ランジ 1 A、 2 Aに形成されるに溝内に、 Oリング 1 3を配置している。

絶縁スぺーサ 1 0の主要部をなす成型絶縁体 1 1は、 その外周端部を各フラン ジ 1 A、 2 Aの寸法より短く形成し、 しかも図 3に示す如く成型絶縁体 1 1の一 方の側面 （図 1及び図 2では右側の側面） の厚みを薄くして環状に成型した薄肉 部 1 1 Aを設けている。 この成型絶縁体 1 1の薄肉部 1 1 Aには、 断面が L字状 の環状金具 1 4を配置し、 環状金具 1 4の自由端で寸法を短くした成型絶縁体 1 1の外周端面を覆っている。

この構造とすることにより、 金属容器 1、 2のフランジ 1 A、 2 A間に絶縁ス ぺーサ 1 0を配置し、 締結貫通ポルト 5及ぴナット 6で連結固定したとき、 薄肉 部 1 1 Aに嵌め合わせ配置した L字状の環状金具 1 4によって、 図 1及び図 2の 例の如く絶縁スぺーサ 1 0の両面に形成した溝内に配置した Oリング 1 3力 過 度な変形するのを防ぐようにフランジ 1 A、 2 A間の寸法を規制している。 しか も、 環状金具 1 4で、 金属容器 1、 2間の電流通路を形成させている。

そして、 成型絶縁体 1 1の他方の側面から、 結合ボルト 1 5を環状金具 1 4に ねじ込むことにより、 図 3に示す如く環状金具 1 4を成型絶縁体 1 1の薄肉部 1 1 Aに一体に固定している。 なお、 断面が L字状の環状金具 14は、 例えば後述 するような所定厚さ寸法の一枚の金属板を、 切削加工することにより容易に製作 することができる。

図 3に、 絶縁スぺーサ 10の成型絶縁体 1 1と、 断面が L字状の環状金具 14 との寸法関係を示している。 成型絶縁体 1 1の厚さ寸法 L 1であるとき、 環状金 具 14の配置や結合ボルト 15の配置を考慮して薄肉部 1 1 Aは、 厚さ寸法 L 2 に成型している。 また、 結合ポルト 15は、 過大な締め付けによる押付力が働い た場合は、 成型絶縁体 1 1の割れを引き起こし、 或いは成型絶縁体 1 1に残留応 力が残り、 経年劣化により残留応力の存在する部分から割れが発生する恐れがあ る。

これらを防ぐため、 結合ボルト 15の過大な押付力が働かぬように、 ねじ溝の ない部分の長さ寸法 L 4とワッシャー 1 5 Aの厚さ寸法 L 5から決まる有効長さ (L4-L 5) と、 成型絶縁体 1 1の薄肉部 1 1 Aの厚さ寸法 L 2とは、 （L4 一 L 5) ≤L 2の関係となるようにする必要がある （ワッシャー 15 Aなしのと きは、 L 4≤ L 2) 。

結合ポルト 15による締め付け固定にあたっては、 結合ポルト 15の有効長さ (L4-L 5) と成型絶縁体 1 1の厚さ L 2との関係が、 （L4— L 5) =L 2 となるようにすれば良いものである。 成型絶縁体 1 1と環状金具 14は、 完全に 密着して固定される必要はないし、 この間に微小ギャップが存在していても性能 上は問題ない。 絶縁性能については、 結合ボルト 15が環状金具 14と完全に固 定されて導通されるため、 結合ボルト 15は電気的に接続されることから、 絶縁 低下の恐れもなくなる。

また、 金属容器 1、 2間のガス区画の維持は、 フランジ 1A、 2 Aと成型絶縁 体 1 1が Oリング 13により気密を保持されているから、 成型絶縁体 1 1の厚み と環状金具 14の厚みを管理すれば、 気密維持の性能は確保できる。 例えば、 J I S規格の高気圧気密に適用する Oリング （P 300) の変形量は、 1. 3mm 〜1. 7mmである。 このことから、 成型絶縁体 1 1の厚さ寸法 L 1と環状金具 1 4の厚さ寸法 L 3の差が、 両接触面を考慮して、 0 < ( L 3— L 1 ) ≤0 . 2 mmの公差で管理されていると、 Oリング 1 3の変形量から考えれば、 十分に気 密を維持できる。

この成型絶縁体 1 1の厚さ寸法 L 1と、 薄肉部 1 1 Aに配置すると共に成型絶 縁体 1 1の端面を覆う環状金具 1 4の自由端側の厚さ寸法 L 3は、 上記した略等 しい寸法関係に形成する。 これにより、 図 2に示す如く環状金具 1 4を成型絶縁 体 1 1の薄肉部 1 1 Aに固定した絶縁スぺーサ 1 0を、 フランジ 1 A、 2 A間に 配置し、 締結貫通ポルト 5を挿入してナツト 6により締め付けることで一体に固 定するとき、 環状金具 1 4と金属容器 1、 2のフランジ 1 A、 2 Aは、 完全に密 着固定される。

この結果、 環状金具 1 4と金属容器 1、 2のフランジ 1 A、 2 A間は、 電気的 には非常に小さい例えば 1 m Ω以下の接触抵抗で接続された電流通路が形成され る。 このため、 ガス絶縁機器の通常の運用中に、 通電導体 3、 4を数千 Aの商用 定格電流が流れるとき、 商用定格電流で発生する磁束を打ち消すように、 通電導 体 3、 4に流れる電流と同程度の循環電流が、 環状金具 1 4により電気的に接続 された金属容器 1、 2を流れるようにすることができる。

それ故、 絶縁スぺーサ 1 0の簡単な構造の変更で、 図 3に示す如く成型絶縁体 1 1の厚さ寸法 L 1及び環状金具 1 4の厚さ寸法 L 3を、 適切に管理することに より、 金属容器 1、 2のガス区画の気密性能を維持できると共に、 絶縁スぺーサ 1 0の連結固定時に循環電流の電流通路も確保できるため、 信頼性が高く簡単な 構造の絶縁スぺーサ 1 0を経済的に製作できる。

図 4に示すように成型絶縁体 1 1と断面が L字状の環状金具 1 4とは、 所定の 間隔で配置する複数本 （図 4では環状金具 1 4の内側平坦部に 1 2 0度の略等間 隔で配置する 3本） の結合ポルト 1 5により締め付けて一体に固定し、 両者が分 離されない絶縁スぺーサ 1 0の構成にする。

絶縁スぺーサ 1 0の製作にあたっては、 成型絶縁体 1 1と環状金具 1 4のそれ ぞれを、 図 5のように分離して製作しておき、 これら両者を図 6に示す如く嵌め 合わせ、 その後図 4に示す如く複数本の結合ポルト 1 5で一体に固定すれば、 容 易に構成することができる。

図 5に示すように、 L字状の環状金具 1 4は、 成型絶縁体 1 1の薄肉部 1 1 A に接する内側平坦部に、 締結貫通ボルト 5を通すためのボルト穴 1 4 Aと、 結合 ボルト 1 5用のボルト穴 1 4 Bを、 それぞれ予め定めた所定の間隔で形成してい る。 また、 同様に成型絶縁体 1 1の薄肉部 1 1 Aに、 締結貫通ポルト 5用のボル ト穴 1 1 B、 及び結合ボルト 1 5用のボルト穴 1 1 Cを形成している。 なお、 ポ ノレト穴 1 1 Cの部分は、 結合ボルト 1 5の頭部が成型絶縁体 1 1の寸法内に収ま るようにするため、 収納座 1 1 Dを形成している。

本発明に用いる L字形状の環状金具 1 4は、 1個で一体に構成されているため、 厚みの公差管理が厳しくないから、 環状金具 1 4の過大な加工精度が必要なく、 製作した環状金具 1 4に対する不良率も小さくでき、 経済的に製作できる。 その ために、 低価格な絶縁スぺーサの提供が可能となる。

また、 絶縁スぺーサ 1 0の取り付け時等に加わる不慮の衝撃を考慮した場合、 結合ボルト 1 5のワッシャー 1 5 Aは、 衝撃を吸収できるテフロン （登録商標） やゴム材などの柔らかい緩衝材料を使用すると、 更にスぺーサ割れに对する安全 性が高くなる。 また、 成型絶縁体 1 1と環状金具 1 4の間にも、 緩衝材を挿入す ることができる。 この場合、 結合ボルト 1 5の締め付けにより、 緩衝材の厚みは 薄くなるため、 薄くなつたときの実際の厚さ寸法 L 5 Aを考慮して、 これらの寸 法関係を、 （L 4— L 5 A) ≤L 2≤L 4となるように調整する。

本発明の絶縁スぺーサ 1 0を、 金属容器 1、 2のフランジ 1 A、 2 A間に取り 付けてガス絶縁電気機器を組み立てる場合を説明する。 まず、 図 1に示すように 環状金具 1 4と成型絶縁体 1 1を結合ボルト 1 5で一体に固定した絶縁スぺーサ 1 0を、 フランジ 1 A、 2 A間に配置してから、 複数本の締結貫通ボルト 5を通 し、 各締結貫通ボルト 5の両側に設けるナット 6により締結して固定する。 この ように組み立てると、 絶縁性能と絶縁ガスの気密性能を満足する構造にすること ができる。 上記の例では、 本発明を単相形の絶縁スぺーサ 1 0に適用したもので説明した 力 図 7に示すように三相一括形の絶縁スぺーサ 1 0にも簡単に適用することが できる。 三相一括形の絶縁スぺーサ 1 0は、 中心導体 1 2の 3本が成型絶縁体 1 1に埋め込まれるようになるだけであって、 他の部分は単相形と同一の構成であ り、 同様の効果を達成することができる。

〔実施例 2〕

図 8及び図 9に、 本発明を適用した絶縁スぺーサ 1 0の他の例を示している。 この絶縁スぺーサ 1 0は、 成型絶縁体 1 1の薄肉部 1 1 Aに、 締結貫通ボルト 5 を通す複数個のボルト穴を設けることに替えて、 U字状の切り欠き溝 1 6を形成 したものである。

成型絶縁体 1 1の薄肉部 1 1 Aにボルト穴を設ける場合、 薄肉部 1 1 A付近の 機械的強度を十分にするため、 この部分を厚くする必要があり、 組み立て時など で万が一衝撃が加わった場合、 薄肉部 1 1 Aが割れる恐れがある。 これに対し、 成型絶縁体 1 1の薄肉部 1 1 Aに、 U字状の切り欠き溝 1 6を形成する場合は、 薄肉部 1 1 Aで割れる恐れもなく信頼性も高まるし、 成型絶縁体 1 1全体の直径 を小さくできるため、 より経済的に絶縁スぺーサ 1 0を製作することができる。 また、 成型絶縁体 1 1の結合ボルト 1 5の頭部を収める部分も、 円形にザダリ した形状に替えて、 U字状の収納座 1 1 Dに形成すれば、 上記と同様に成型絶縁 体 1 1の薄肉部 1 1 Aの機械的強度の低下を抑制することができる。

なお、 絶縁スぺーサ 1 0は、 ディスクスぺーサ形では両側面が対象であるので 問題とならないが、 コーンスぺーサ形では凹面と凸面が存在するために、 取り付 け向きの自由度も必要になる。 絶縁スぺーサ 1 0の取り付け向きの自由度をあげ るためには、 結合ボルト 1 5のボルト穴を絶縁スぺーサ面の向きに対して交互に 設ける構造となるように成型すると、 1種類の成型絶縁体 1 1で、 どちらの取り 付け面でも対応させることができる。 産業上の利用可能性 本発明のガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサは、 金属容器の内部に絶縁ガスを封 入して構成するガス絶縁開閉装置やガス絶縁母線等に適用できるから、 ガス絶縁 電気機器の信頼性を一層向上させることができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 成型絶縁体に中心導体を埋め込んだ絶縁スぺーサを、 前記成型絶縁体の外周 部に金属材を介在させて金属容器のフランジ間に配置し、 前記フランジ間を複数 本の締結貫通ボルトにより連結固定するガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサにおい て、 前記絶縁スぺーサはその外周側を前記フランジ寸法より短くすると共に一方 の側面を薄く環状に成型した薄肉部を設け、 前記薄肉部にフランジ間の寸法を規 定し、 かつ前記金属容器間の電流通路を形成する断面 L字状の環状金具を嵌め合 わせ配置し、 前記環状金具と成型絶縁体の薄肉部を複数の結合ボルトにより固定 して構成したことを特徴とするガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサ。

2 . 請求項 1において、 前記成型絶縁体の薄肉部に、 前記締結貫通ポルトを通す U字状の切り欠き溝を複数形成したことを特徴とするガス絶縁電気機器用絶縁ス ベーサ。

3 . 請求項 1において、 前記各結合ボルトは、 前記環状金具の内側平坦部に略等 間隔で配置したことを特徴とするガス絶縁電気機器用絶縁スぺーサ。