WO2006062168A1 - アレスタおよびアレスタの漏れ電流の測定方法 - Google Patents

Abstract

　アレスタは、機器ケ－ス１の開口部１ａに気密に配設されたブッシング２を備えており、このブッシング２には本発明におけるアレスタモールド体６が着脱自在に装着されている。 　ブッシング２は、硬質でかつ絶縁性のブッシング本体３と、ブッシング本体３の先端部にブッシング本体３と同心状に埋設された高圧シールド体４とを備えている。 　ブッシング本体３は、テーパ付挿入孔５３ａを有する５３を備えており、高圧シールド体４は、シールド本体４１を備えている。 　アレスタモールド体６は、酸化亜鉛を主成分とする複数個のアレスタ素子６１ａを積層して成るアレスタ素子積層体６１を備えており、アレスタ素子積層体６１の外周にはシリコーンゴムなどから成るゴムモールド体６７が設けられている。

Description

アレスタおよびアレスタの漏れ電流の測定方法

技術分野

[0001] 本発明は、アレスタに係り、特に、酸化亜鉛を主成分とする複数個の非直線抵抗素 子 (以下「アレスタ素子」という。）の積層体 (以下「アレスタ素子積層体」という。）を備 えるアレスタに関する。

背景技術

[0002] 一般に、発電所や変電所等に設置されるガス絶縁開閉装置には、落雷時等に線 路から侵入する異常電圧カゝら開閉装置や変圧器等の電気機器を保護するためにァ レスタが配設されている。

[0003] 従来、このようなアレスタとしては、図 16に示すように、アレスタ素子積層体 100を絶 縁ガスが封入されたタンク 110の底部 110aに立設し絶縁支持筒 120を介して支持し て成るもの（例えば、非特許文献 1)、若しくは、図 17に示すように、機器ケース 210 の内壁にプッシング 220を気密に取り付け、このプッシング 220にアレスタ素子積層 体 230を着脱自在に装着して成るものが知られている（例えば、特許文献 1)。なお、 図 16中、符号 140は高圧側の偏心シールド、 150は絶縁スぺーサ、 160は計装箱、 170は吸着剤を示している。

[0004] しかしながら、前者のアレスタにおいては、アレスタ素子積層体 100を構成するァレ スタ素子の電圧分担を均一化するために、アレスタ素子積層体 100の高圧側に大型 のシールド 130を配設しなければならず、このため、機器自体が大型化するという難 点があり、また、アレスタ素子積層体 100を有するガス絶縁開閉装置（以下「GIS (Ga s Insulated Switchgear)」という。）の耐電圧試験を行なう際に、アレスタ素子積層体 1 00を主回路導体 (不図示)から切り離さなければならないため、切り離し装置 (不図 示)を設ける必要があり、このため機器の構造が複雑になるという難点があった。

[0005] 一方、後者のアレスタにおいては、切り離し装置を設ける必要がないため構造が簡 素化され、また、耐電圧試験を行なう際に機器ケース 210内の絶縁ガスを回収したり 、充填したりする作業を不要とすることができるものの、次のような難点があった。 [0006] 第 1に、アレスタ素子積層体 230の一部の外周に接地体としての機器ケース 210が 存在することから、アレスタ素子 230aの電圧分担を均一にすることが困難であり、こ のため、その適用が 22Z33kV程度の中圧用の線路に制限されるという難点があつ た。

[0007] 第 2に、このようなプラグインタイプのアレスタにおいては、アレスタ素子積層体 230 の外周に絶縁榭脂のモールド体 240を設け、このモールド体 240の外面をブッシン グ 220の揷入孔の内面に密着させることで、モールド体 240の外面とプッシング 220 の挿入孔の内面間の面圧を確保し、界面での絶縁破壊を防止する必要がある。

[0008] 第 3に、前述のモールド体 240の外面とプッシング 220の揷入孔の内面間の面圧を 確保する方法としては、絶縁樹脂のモールド体 240の外面形状をプッシング 220の 挿入孔の内面形状に合わせる方法が知られている力 単に、絶縁樹脂のモールド体 240の外面形状をプッシング 220の揷入孔の内面形状に合わせて、これをブッシン グ 220の揷入孔内に挿入させる構成では、モールド体 240の外面とプッシング 220 の挿入孔の界面に有効な面圧を付与することが困難である。

[0009] 第 4に、このようなプラグインタイプのアレスタにおいては、機器の耐電圧試験の際 に、アレスタ素子積層体 230に当該アレスタ素子積層体 230の動作開始電圧を超え る電圧が印加されるため、プッシング 220からアレスタ素子積層体 230を取り外した 状態で耐電圧試験を行なう必要があるところ、プッシング 220からアレスタ素子積層 体 230を取り外した場合には、プッシング 220内部を SFガスや固体絶縁物等によつ

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て絶縁する必要がある。

[0010] 第 5に、前述のプッシング 220内部を絶縁する方法としては、図 18に示すように、モ 一ルド体 240と同形状の絶縁栓 310をプッシング 220の揷入孔内に着脱自在に装着 する方法が知られている力 このような構成の絶縁栓 310においては、プッシング 22 0の挿入孔の内面と絶縁栓 310の外面間の界面に隙間が生じないようにするため、 絶縁栓 310の外面形状をプッシング 220の揷入孔の内面形状に合わせる必要があり 、このため絶縁栓 310が必要以上に大型化するという難点があり、また、単に、絶縁 栓 310の外面形状をプッシング 220の揷入孔の内面形状に合わせた構成では、前 述のモールド体 240と同様にプッシング 220の揷入孔の内面と絶縁栓 310の外面間 の界面に有効な面圧を付与することが困難である。

[0011] 非特許文献 1 :電気学会技術報告 第 851号 7 (図 2.10)

特許文献 1 :特開平 1— 232681 (第 1図）

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0012] 本発明は、上述の難点を解決するためになされたもので、第 1に、従来のガス絶縁 タンク形アレスタにある切り離し装置を設けることがなぐ機器の構造を簡素化 '縮小 化および軽量化'低コストィ匕を図ることができ、第 2に、耐電圧試験を行なう際に、機 器ケース内の絶縁ガスを回収したり、充填したりする作業を不要とすることができ、第 3に、アレスタ素子の電圧分担の均一化を図ることで、 66/77kV級の高圧線路にも 適用することができ、第 4に、プッシングの揷入孔内面とゴムモールド体外面の間の 面圧を確保することで、界面での絶縁破壊を防止することができ、第 5に、アレスタ素 子積層体の装着時にはアレスタ素子間に所定の面圧を付与することができ、機器の 耐電圧試験の際等にはアレスタ素子積層体を容易に取り外すことができ、第 6に、ァ レスタ素子積層体を容易に主回路導体力 切り離すことができ、第 7に、アレスタに公 称放電電流を大きく超える地絡電流が流れた際にプッシング内側構成体に発生する 衝撃波がプッシングに伝播しにくくすることで、酸ィ匕亜鉛素子やプッシングの飛散を 防止することができ、第 8に、漏れ電流の測定を簡単に行うことができるアレスタおよ びアレスタの漏れ電流の測定方法を提供するアレスタを提供することを目的としてい る。

課題を解決するための手段

[0013] 本発明の第 1の態様であるアレスタは、電気機器を収容する機器ケースの開口部 に、前記開口部を気密に覆う如く配設されたプッシングと、前記プッシングの挿入孔 内に前記機器ケースの外部力 着脱自在に装着されるアレスタモールド体とを備え、 前記アレスタモールド体は、複数個のアレスタ素子を積層して成るアレスタ素子積層 体と、前記アレスタ素子積層体の外周に設けられた絶縁モールド体とを備え、前記ァ レスタモールド体は、その全長が前記プッシングの揷入孔の内部に収容されているも のである。 [0014] 本発明の第 2の態様は、第 1の態様であるアレスタにおいて、前記アレスタモールド 体は、前記プッシングの挿入孔の内部に収容された状態で、シール蓋により封止さ れているものである

本発明の第 3の態様は、第 1の態様であるアレスタにおいて、前記絶縁モールド体 は、絶縁ゴムのモールド体力 成るものである。

[0015] 本発明の第 4の態様は、第 1の態様であるアレスタにおいて、前記プッシングは硬 質のプラスチック榭脂で形成されているものである。

[0016] 本発明の第 5の態様は、第 1の態様であるアレスタにおいて、前記プッシングの頂 部には前記電気機器の主回路導体に接続される主回路接続子が設けられ、前記ァ レスタモールド体の先端部には、前記主回路接続子に接続される接続導体が前記ァ レスタモールド体と一体的に設けられているものである。

[0017] 本発明の第 6の態様は、第 1の態様であるアレスタにおいて、前記アレスタモールド 体は、酸化亜鉛を主成分とする複数個のアレスタ素子を積層して成るアレスタ素子積 層体と、前記アレスタ素子積層体の高圧側に当接される接続導体と、前記アレスタ素 子積層体の低圧側に当接される押し金具と、前記アレスタ素子積層体の外周に設け られた絶縁モールド体とを備えるものである。

[0018] 本発明の第 7の態様は、第 6の態様であるアレスタにおいて、前記アレスタモールド 体は、前記アレスタ素子積層体の外周に設けられた絶縁モールド体により一体ィ匕さ れているものである。

[0019] 本発明の第 8の態様は、第 3の態様であるアレスタにおいて、前記アレスタモールド 体は、前記プッシングの挿入孔の内部で前記プッシングの先端部に向けて押圧され ているものである。

本発明の第 9の態様は、第 8の態様であるアレスタにおいて、前記アレスタモールド 体の後端部には、軸方向の押圧によりパネ力が付勢される後端側スプリングが配設 されているものである。

[0020] 本発明の第 10の態様は、第 8の態様であるアレスタにおいて、前記プッシングの揷 入孔の内面は、前記プッシングの先端部から後端部に向かって円錐状に広がるテー パ内面を有し、前記絶縁モールド体の外面は、前記テーパ内面と嵌合するテーパ外 面を有するものである。

本発明の第 11の態様は、第 8の態様であるアレスタにおいて、前記アレスタモールド 体の先端部には、軸方向への押圧によりパネ力が付勢される先端側スプリングが配 設され、前記アレスタモールド体の後端部には、軸方向への押圧によりパネ力が付 勢される後端側スプリングが配設されているものである。

本発明の第 12の態様は、第 11の態様であるアレスタにおいて、前記先端側スプリン グのパネ定数は、前記後端側スプリングの全体のパネ定数よりも低く設定されて!、る ものである。

本発明の第 13の態様は、第 1の態様であるアレスタにおいて、前記プッシングの挿 入孔内には、前記アレスタモールド体と交換的に、前記機器ケースの外部力も着脱 自在に絶縁栓が装着されるものである。

本発明の第 14の態様は、第 13の態様であるアレスタにおいて、前記絶縁栓は、前 記プッシングの挿入孔内に装着され、外面に前記プッシングのテーパ内面と嵌合す るテーパ外面を有する絶縁栓本体と、前記プッシングの挿入孔内に装着され、前記 高圧シールド体と前記絶縁栓本体の高圧側電極とを電気的に接触させる接触部材 と、前記プッシングの挿入孔内に装着され、前記絶縁栓本体を前記プッシングの先 端部側に向けて押圧する押圧部材とを備えて 、るものである。

本発明の第 15の態様は、第 13の態様であるアレスタにおいて、前記絶縁栓本体の 後端面と前記押圧部材の先端面間にスプリングが配設され、前記スプリングは、前記 押圧部材の前記プッシングの先端部方向への押圧によりパネ力が付勢されるもので ある。

本発明の第 16の態様は、第 1の態様であるアレスタにおいて、前記アレスタモールド 体の先端部外周は、高圧シールド体により覆われているものである。

本発明の第 17の態様は、第 16の態様であるアレスタにおいて、前記プッシングの後 端部は、前記機器ケースの開口部を通り前記機器ケースの外部に導出されているも のである。

本発明の第 18の態様は、第 17の態様であるアレスタにおいて、前記アレスタ素子積 層体の中間部の電界は、前記高圧シールド体の後端部と前記機器ケースの内面間 の間隔の調整によりコントロールされているものである。

[0021] 本発明の第 19の態様は、第 16の態様であるアレスタにおいて、前記高圧シールド 体の外周は、絶縁性のノ リャにより覆われているものである。

[0022] 本発明の第 20の態様は、第 16の態様であるアレスタにおいて、前記高圧シールド 体は、前記プッシングの先端部の形状と略同形状の金具を有し、前記金具は、前記 プッシングの先端部に前記プッシングと同心状に埋設されているものである。

[0023] 本発明の第 21の態様は、第 16の態様であるアレスタにおいて、前記高圧シールド 体は、前記プッシングの先端部外周に塗布された導電性の塗布層で形成されて 、る ものである。

[0024] 本発明の第 22の態様は、第 16の態様であるアレスタにおいて、前記高圧シールド 体は、円筒状の金具を有し、前記金具は、前記プッシングの先端部の周りに前記ブ ッシングの先端部を囲むように配設されて ヽるものである。

本発明の第 23の態様は、第 16の態様であるアレスタにおいて、前記高圧シールド 体の外周には、固体による絶縁層が設けられて ヽるものである。

本発明の第 24の態様は、第 1の態様であるアレスタにおいて、前記プッシングの後 端部は、前記機器ケースの開口部を通り前記機器ケースの外部に導出されているも のである。

[0025] 本発明の第 25の態様は、第 24の態様であるアレスタにおいて、前記プッシングの 後端部には、前記プッシングの後端部端面力も前記機器ケースの外壁に至る部分に 縁切り部が設けられて 、るものである。

[0026] 本発明の第 26の態様は、第 25の態様であるアレスタにおいて、前記プッシングの 後端部は、絶縁性の円筒状部材で形成されて 、るものである。

[0027] 本発明の第 27の態様であるアレスタの漏れ電流の測定方法は、第 24の態様乃至 第 26の態様の何れかの態様であるアレスタを備え、前記アレスタを構成する機器ケ ースと、前記アレスタを構成するアレスタ素子積層体の低圧側間に接地線を取り付け

、前記接地線に流れる電流を測定するものである。

[0028] 本発明の第 28の態様は、第 1の態様乃至第 26の態様の何れかの態様であるァレ スタにおいて、前記アレスタモールド体と前記プッシングの揷入孔間には気体層が設 けられているものである。

発明の効果

[0029] 本発明の第 1の態様乃至第 28の態様のアレスタおよびアレスタの漏れ電流の測定 方法によれば、次のような効果がある。

[0030] 第 1に、機器ケースの開口部に気密に取り付けられたプッシング内にアレスタ素子 積層体を含むアレスタモールド体を機器ケースの外部から着脱自在に装着すること ができることから、従来のガス絶縁タンク形アレスタにある切り離し装置を設ける必要 力 Sなくなり、機器の構造を簡素化'縮小化および軽量化'低コストィ匕を図ることができ ると共に、耐電圧試験を行なう際に機器ケース内の絶縁ガスを回収したり、充填した りする作業を不要とすることができる。

[0031] 第 2に、プッシングの後端部を機器ケースの外部に気密に導出することで、アレスタ 素子積層体の一部 (低圧側)を機器ケースの外部に導出することができ、機器の構造 の簡素化、小型化および軽量ィ匕を図ることができる。

[0032] 第 3に、アレスタ素子積層体を含むアレスタモールド体がプッシング内に装着され、 アレスタ素子積層体の上端部側（高圧側）の周りが上部円筒部に埋設されたシール ド本体により覆われることで、アレスタ素子の電圧分担の均一化を図ることができ、ひ いては 66Z77kV級の高圧線路にも適用することができる。

[0033] 第 4に、ゴムモールド体がプッシングの先端部に向けて押圧されることで、ブッシン グの揷入孔内面とゴムモールド体外面の間の面圧が確保され、界面での絶縁破壊を 防止することができる。

[0034] 第 5に、アレスタモールド体の後端部に後端側スプリングが配設され、当該後端側 スプリングにパネ力が付勢されることで、アレスタモールド体をプッシングの先端部に 向けて押圧することができる。

[0035] 第 6に、先端側スプリングのパネ定数を後端側スプリングの全体のパネ定数よりも低 く設定することで、アレスタモールド体の装着時には、後端側スプリングの全体の押 圧力によりアレスタモールド体をプッシングの先端部に向けて押圧することができ、ま た、アレスタモールド体の取り外しの際には、後端側スプリングの押圧を解除すること で、先端側スプリングのパネ力によりアレスタモールド体をプッシングの後端部側に 押し出すことができる。

[0036] 第 7に、プッシングのテーパ内面にゴムモールド体のテーパ外面を嵌合させること で、軸方向の押圧力を面圧として有効に作用させることができると共に、両者の界面 における絶縁性能を向上させることができる。

[0037] 第 8に、後端側スプリングのパネ力および先端側スプリングのパネ力の相乗効果に より、アレスタ素子と接続導体間、アレスタ素子間、アレスタ素子と押圧部間に所定の 面圧を付与することができる。

[0038] 第 9に、機器の耐電圧試験等を行なう際におけるシール蓋の取り外しにより、アレス タモールド体が先端側スプリングのパネ力によりプッシングの後端部側に押し出され ることで、アレスタモールド体の取り外しを容易に行なうことができる。

[0039] 第 10に、機器ケースの外部に導出されたプッシングの後端部がエポキシ榭脂等の 絶縁部材で形成され、かつプッシング内にアレスタ素子積層体を含むアレスタモー ルド体が装着されることで、機器ケースの外壁とアレスタ素子積層体の低圧側間に縁 切り部を設けることができる。

[0040] 第 11に、絶縁モールド体とプッシングの挿入孔間に空気、窒素などの気体層を設 けることで、アレスタに公称放電電流を大きく超える地絡電流が複数回流れアレスタ 素子が破損した際に発生する衝撃波が気体層を介してプッシングのシール部分の 隙間等力も放出 (放圧)することができ、ひいては、当該衝撃波がプッシングに伝播し に《なることでアレスタ素子の飛散を防止することができる。

[0041] 第 12に、機器の耐電圧試験等を行なう際に、プッシングの挿入孔内にアレスタモー ルド体と交換的に所定の構成の絶縁栓を装着することで、アレスタモールド体を外し た状態におけるプッシングの挿入孔内の絶縁を確保することができると共に、電界が 集中する高圧シールド体の後端側端部の内側に絶縁栓を位置させることで、絶縁栓 を装着した状態における電界のコントロールを有効に行なうことができ、また、高圧シ 一ルド体の後端側端部付近の内側のみを封止することで、プッシングの挿入孔内の 絶縁を確保できるため、絶縁栓の小型化を図ることができる。

[0042] 第 13に、金具力も成る高圧シールド体に代えて導電性の塗布層を設けることで、ァ レスタの軽量化 ·低コストィ匕を図ることができる。 [0043] 第 14に、円筒状の金具の周りに絶縁性のバリヤ部材を配置することで、相間の絶 縁距離、若しくは機器ケースとの絶縁距離を短くすることができ、ひいては、機器の縮 小化を図ることができる。

[0044] 第 15に、電界が集中する高圧シールド体の後端側端部の内側に、面圧が有効に 作用するテーパ内面を位置させることで、界面での絶縁破壊を防止することができる

[0045] 第 16に、アレスタモールド体の先端部に一体的に設けられた接続導体に円筒部を 設けることで、当該円筒部に先端側スプリングを容易に配設することができ、また、主 回路接続子に接続導体挿入部を設けることで、当該接続導体挿入部に先端側スプリ ングを配設した円筒部を容易にプラグイン接続することができる。

[0046] また、本発明の第 27の態様のアレスタの漏れ電流の測定方法によれば、機器ケー スの外壁とアレスタ素子積層体の低圧側間に縁切り部を設けることができることから、 機器ケースの外部において、縁切りされた機器ケースの外壁とアレスタ素子積層体 の低圧側間に接地線を取り付けることで簡単にアレスタ素子積層体の漏れ電流を測 定することができ、ひいては、漏れ電流を測定する際に機器ケース内の絶縁ガスを回 収したり、充填したりする作業を不要とすることができ、また、機器ケース内に碍子を 配設する必要がな!ヽことから、機器の小型化 '簡素化および軽量化 ·低コスト化を図 ることがでさる。

図面の簡単な説明

[0047] [図 1]本発明の第 1の実施例におけるアレスタの一部断面図。

[図 2]本発明の第 1の実施例におけるアレスタモールド体の一部断面図。

[図 3]本発明の第 1の実施例におけるアレスタの等電位分布図。

[図 4]本発明の第 2の実施例におけるアレスタの一部断面図。

[図 5]本発明の第 3の実施例におけるアレスタの一部断面図。

[図 6]本発明の第 3の実施例におけるアレスタの等電位分布図。

[図 7]本発明の第 4の実施例における絶縁栓の一部断面図。

[図 8]本発明の第 4の実施例における絶縁栓の等電位分布図。

[図 9]本発明の第 5の実施例におけるアレスタの一部断面図。 [図 10]本発明の第 5の実施例におけるアレスタの等電位分布図。

[図 11]本発明の第 6の実施例におけるアレスタの一部断面図。

[図 12]本発明の第 6の実施例におけるアレスタの等電位分布図。

[図 13]本発明の第 7の実施例におけるアレスタの一部断面図。

[図 14]本発明の第 7の実施例におけるアレスタの等電位分布図。

[図 15]本発明の第 8の実施例におけるアレスタの一部断面図。

[図 16]従来のアレスタの一部断面図。

[図 17]従来のアレスタの一部断面図。

[図 18]従来の絶縁栓の一部断面図。

符号の説明

[0048] 1···機器ケース

1&···開口部

2··，プッシング

4···高圧シールド体

6·· 'アレスタモールド体

61···アレスタ素子積層体

67· . 'ゴムモールド体（絶縁モールド体）

67(1···絶縁モールド体

G…気体層

11···円筒状の金具

20···絶縁栓

21···絶縁栓本体

22···接触部材

23···押圧部材

75···導電性の塗布層

9 lb…絶縁性のノリャ

発明を実施するための最良の形態

[0049] 以下、本発明のアレスタを適用した好ましい実施の形態例について、図面を参照し て説明する。なお、以下の説明において、アレスタモールド体の「先端部」、アレスタ 素子積層体の「先端部」、プッシングの「先端部」とは、アレスタモールド体、アレスタ 素子積層体、プッシングそれぞれの高圧側の端部をいい、図中では上方向に相当 する。また、アレスタモールド体の「後端部」、アレスタ素子積層体の「後端部」、ブッシ ングの「後端部」は、先端部と反対側の端部をいい、図中では下方向に相当する。

[実施例 1]

図 1は、 66Z77kV級の本発明のアレスタの一例を示す一部断面図である。

[0050] 同図において、本発明のアレスタを有する電気機器は、開閉器等の電気機器 (不 図示）を気密に収容する機器ケース 1を備えており、機器ケース 1内には例えば SF

6 ガスなどの絶縁ガスが充填されている。また、機器ケース 1の底部には開口部 laが設 けられており、この開口部 laにはそれ自身の先端部を機器ケース 1内に位置させ、 かつそれ自身の後端部で開口部 laを気密に覆う如くプッシング 2が配設され、このブ ッシング 2内には後述するアレスタ素子積層体 61を含むアレスタモールド体 6が着脱 自在に装着されている。

[0051] プッシング 2は、エポキシ榭脂のモールド体等から成る硬質でかつ絶縁性のブッシ ング本体 3と、プッシング本体 3の先端部にプッシング本体 3と同心状に埋設された高 圧シールド体 4とを備えて 、る。

[0052] プッシング本体 3は、アレスタモールド体 6の上半部を収容するための揷入孔 (以下 「上部挿入孔」という。）51aを有する上端閉鎖の円筒部 (以下「上部円筒部」という。 )5 1と、アレスタモールド体 6の下半部を収容するための挿入孔 (以下「下部挿入孔」とい う。）52aを有する円筒部 (以下「下部円筒部」という。）52と、アレスタモールド体 6の後 述する円錐状部 67bを収容するための挿入孔 (以下「テーパ付挿入孔」 t 、う。）53a を有する円筒部 (以下「中間円筒部」という。）53とを備えており、下部円筒部 52の上 部位置の外周には径方向に突出する環状の取付フランジ 52bが連設されて 、る。こ こで、下部挿入孔 52aの口径は、上部挿入孔 51aの口径よりも大径とされ、また、テ ーパ付挿入孔 53aは、プッシング 2の先端部力も後端部に向力つて円錐状に広がる テーパ内面 53bを有しており、このテーパ内面 53bを介して上部揷入孔 51aおよび 下挿入孔 52aが連通されている。さらに、下部円筒部 52の外径は機器ケース 1の開 口部 laの口径と略同径若しくはこれより若干小径とされ、取付フランジ 52bの外径は 機器ケース 1の開口部 laの口径より大径とされて 、る。

[0053] 高圧シールド体 4は、上部円筒部 51にその閉鎖部 51bから上部円筒部 51の後端 部に跨って上部円筒部 51と同心状に埋設される釣鐘状のシールド本体 41と、シー ルド本体 41の水平部中央に閉鎖部 51bの上方に突出させた筒状部（以下「接続導 体挿入部」という。）42と、接続導体挿入部 42の上部に連設され主回路導体 (不図示 )に接続される主回路接続子 43とを備えている。

[0054] ここで、シールド本体 41の側壁部 41aは先端部から後端部に向かって円錐状に広 力 ¾ように形成され、また、その軸方向の長さは上部円筒部 51の閉鎖部 51bから中 間円筒部 53の先端部近傍に至る長さ、すなわち、シールド本体 41の側壁部 41aの 後端側端部の内側に前述のテーパ内面 53bの先端部が位置するような長さとされて いる。なお、接続導体挿入部 42はアレスタモールド体 6の後述する接続導体 62の挿 入孔としての機能を有し、接続導体挿入部 42の先端部に設けられた主回路接続子 4 3はアレスタモールド体 6の後述するコイル状のスプリング 63のストッパとしての機能も 有している。

[0055] このような構成の高圧シールド体 4は、図に示すように、主回路接続子 43を上部円 筒部 51の閉鎖部 51bより突出させ、側壁部 41aが上部円筒部 51の側壁部 51b内に 位置する如くして上部円筒部 51と同心状に埋設されている。

[0056] このような構成のプッシング 2は、プッシング 2の上部円筒部 51および中間円筒部 5 3が機器ケース 1内に位置し、下部円筒部 52が開口部 laを通り機器ケース 1の外部 に導出されることで、取付フランジ 52bの上面が機器ケース 1の開口部 laの周縁部の 下面に当接される。そこで、機器ケース 1の開口部 laの周縁部に設けられた環状の 凹溝 lbに Oリング P 1を介在させ、取付フランジ 52bに配設したボルト VIを締結する ことにより、プッシング 2を機器ケース 1の開口部 laに気密に取り付けることができる。

[0057] アレスタモールド体 6は、図 2に示すように、酸化亜鉛を主成分とする複数個のァレ スタ素子 6 laを積層して成るアレスタ素子積層体 61と、アレスタ素子積層体 61の先 端部側 (高圧側）に配設される接続導体 62と、接続導体 62の先端部側 (高圧側）に 配設されるコイル状のスプリング (以下「先端側スプリング」という。）63と、アレスタ素子 積層体 61の後端部側 (低圧側）に配設される押し金具 64と、押し金具 64の下面側 に配設されるコイル状のスプリング (以下「後端側スプリング」という。）66と、アレスタ素 子積層体 61の外周に接続導体 62および押し金具 64に跨って一体的にモールドさ れるシリコーンゴムなどから成るゴムモールド体 67とを備えている。

[0058] ここで、ゴムモールド体 67の外面形状はプッシング 2の揷入孔（上部揷入孔 5 la、 下部挿入孔 52a、テーパ付挿入孔 53a)の内面形状と対応するように形成されている 。具体的には、ゴムモールド体 67の先端部側（高圧側)側には上部挿入孔 51aの内 面に当接する小径部 67aが、中間部にはテーパ付挿入孔 53aのテーパ内面 53bに 当接するテーパ外面 67cを有する円錐状部 67bが、後端部側 (低圧側）には下部挿 入孔 52aの内面に当接する大径部 67dがそれぞれ設けられている。また、先端側ス プリング 63のパネ定数は、後端側スプリング 66の全体のパネ定数 (複数の後端側ス プリング 66の合計のパネ定数)よりも低く設定されている。なお、アレスタ素子 61aは 、所定のバリスタ電圧を考慮して系統電圧に対応した個数が決定される。本実施例 は、 77kVの高圧線路に適用するものである。

[0059] 接続導体 62は、アレスタ素子積層体 61の高圧側に当接されるアレスタ素子 61aと 略同形の円板部 62aと、この円板部 62aの上面中央部に上方に向けて突設された円 筒部 62bとを備えており、円筒部 62bの外周には図示しないテープ状の導体接続子 (マルチコンタクト)を嵌着するための環状の凹溝 62cが設けられている。

[0060] 押し金具 64は、ゴムモールド体 67の後端部側 (低圧側）の外径より若干小径とされ た環状部材 65aを備えており、この環状部材 65aの上面中央部にはアレスタ素子 61 aと略同形の円盤状の押圧部 65bが設けられ、下面側外周縁近傍には、例えば 12個 の凹陥部 65cが円周方向に沿って等配する如くして設けられている。なお、図中 65d は、環状部材 65aの内周縁側に円周方向に沿って等配する如く設けられた例えば 4 個のネジ孔、 65eは環状部材 65aの下面側中央部に設けられた大径の凹陥部を示 している。

[0061] このような構成のアレスタ素子積層体 61の外周には、その先端部に接続導体 62の 円板部 62aの下面を当接し、後端部に押し金具 64の押圧部 65bを当接した状態で、 接続導体 62の円板部 62aの上面部および押し金具 64の外周に跨ってシリコーンゴ ムなどのゴムモールド体 67が設けられ、このゴムモールド体 67により、アレスタ素子 積層体 61が接続導体 62および押し金具 64と共に一体化される。

[0062] 次に、アレスタモールド体 6をプッシング 2内に着脱自在に装着する方法について 説明する。

[0063] 先ず、接続導体 62の円筒部 62bに先端側スプリング 63をその上半部が円筒部 62 bから突出するように配設し、また、押し金具 64の凹陥部 65cに後端側スプリング 66 をその下半部が凹陥部 65cから突出するように配設する。そして、先端側スプリング 6 3および後端側スプリング 66にそれぞれパネ力が付与されて ヽな 、状態で、図 1に 示すように、アレスタモールド体 6の先端部（高圧側）をプッシング 2内に挿入し、先端 側スプリング 63の先端部が主回路接続子 43の内壁面に当接するまで押し込む。こ れにより、円筒部 62bに配設した導体接続子 (マルチコンタクト）を構成する舌片 (不 図示）が接続導体挿入部 42の内周面に電気的に接触すると共に、ゴムモールド体 6 7の小径部 67aがプッシング 2の上部揷入孔 51aの内周面に、ゴムモールド体 67の 円錐状部 67bがテーパ付揷入孔 53cの内周面に、ゴムモールド体 67の大径部 67c が下部挿入孔 52aの内周面に当接される。

[0064] ここで、先端側スプリング 63の外径は接続導体 62の円筒部 62bの内径と略同径と され、後端側スプリング 66の外径は押し金具 64の凹陥部 65cの内径と略同径とされ ている。

[0065] 次に、プッシング 2の下部円筒部 52の下面に円盤状の金具力 成るシール蓋 Fを 当接し、これをシール蓋 Fの外周縁近傍に円周方向に沿って配設した複数本のボル ト V2で下部円筒部 52の下面に締結する。これにより、後端側スプリング 66が凹陥部 65cの奥部とシール蓋 Fの上面間で圧縮されて、後端側スプリング 66に軸方向のバ ネ力が付勢される。この後端側スプリング 66のパネ力によりアレスタモールド体 6がブ ッシング 2の先端部に向かってさらに押し込まれ、これにより、ゴムモールド体 67の円 錐状部 67bとテーパ付挿入孔 53cの内周面間に所定の面圧が付与されると共に先 端側スプリング 63が円筒部 62bの閉鎖部 (接続導体 62の上面）と主回路接続子 43 の内壁面間で圧縮されて、先端側スプリング 63に軸方向のパネ力（アレスタモールド 体 6に向力う反力）が付勢される。なお、図 1中、符号 Nはプッシング 2の下部円筒部 5 2の下面に埋設したネジ孔を示しており、このネジ孔 Nにボルト V2の先端部が螺着さ れる。

[0066] 図 3は、本実施例におけるアレスタの等電位分布図を示している。同図より、アレス タ素子積層体 61の先端部は高圧シールド体 4により遮蔽されることで、当該アレスタ 素子積層体 61の先端部に電界が集中せず、また、アレスタ素子積層体 61の後端部 は接地体としての機器ケース 1の外部に配設されることで、当該アレスタ素子積層体 61の後端部にも電界が集中せず、さらに、アレスタ素子積層体 61の中間部は高圧 シールド体 4と接地体としての機器ケース 1間の間隔の調整により電界が適正にコン トロールされることで、当該アレスタ素子積層体 61の中間部にも電界が集中していな いことが判る。

[0067] ここで、シールド本体 41と接地体としての機器ケース 1がアレスタ素子積層体 61に 及ぼす影響について説明する。先ず、シールド本体 41の後端部と機器ケース 1の上 面との間隔を短くすると、シールド本体 41および機器ケース 1の影響によりアレスタ素 子積層体 61の中間部における電界が密になり、これと反対に、両者の間隔を広くす ると、当該中間部における電界が疎になるという関係がある。従って、単に、両者の間 隔を広げた構成にすることのみでは、アレスタ素子 6 laの電圧分担を均一化させるこ とが困難になる。この点、本実施例においては、アレスタ素子積層体 61の先端部（ァ レスタ素子積層体 61の 1Z3程度の長さ）および中間部（アレスタ素子積層体 61の 1 Z3程度の長さ）を機器ケース 1内に位置させ、アレスタ素子積層体 61の後端部 (ァ レスタ素子積層体 61の 1Z3程度の長さ）を機器ケース 1の外部に位置させることで、 高圧シールド体 4と接地体としての機器ケース 1との間隔が適正に調整され、アレスタ 素子積層体 61の中間部における電界を適正にコントロールすることができ、ひいて はアレスタ素子 61aの電圧分担の均一化を図ることができる。

[0068] 以上のように、このような構成のアレスタによれば、第 1に、機器ケース 1の開口部 la に気密に取り付けられたプッシング 2内にアレスタ素子積層体 61を機器ケース 1の外 部から着脱自在に装着することができることから、従来のガス絶縁タンク形アレスタに ある切り離し装置を設ける必要がなくなり、機器の構造を簡素化することができ、第 2 に、耐電圧試験を行なう際に機器ケース 1内の絶縁ガスを回収したり、充填したりする 作業を不要とすることができ、第 3に、アレスタ素子積層体 61の一部 (低圧側)を機器 ケース 1の外部に導出させることで、機器の縮小化を図ることができ、第 4に、アレスタ 素子積層体 61を含むアレスタモールド体 6をプッシング 2内に装着することで、アレス タ素子積層体 61の上端部側（高圧側）の周りが上部円筒部 51に埋設されたシールド 本体 41により覆われることから、アレスタ素子 61aの電圧分担の均一化を図ることが でき、ひいては 66Z77kV級の高圧線路にも適用することができ、第 5に、ゴムモー ルド体がプッシングの先端部に向けて押圧されることで、プッシングの挿入孔内面と ゴムモールド体外面の間の面圧が確保され、界面での絶縁破壊を防止することがで き、第 6に、アレスタモールド体 6の後端部に後端側スプリング 66が配設され、当該後 端側スプリング 66にパネ力が付勢されることで、アレスタモールド体 6をプッシング 2 の先端部に向けて押圧することができ、第 7に、プッシング 2のテーパ内面にゴムモー ルド体 67のテーパ外面を嵌合させることで、軸方向の押圧力を面圧として有効に作 用させることができ、すなわちゴムモールド体 67の円錐状部 67bとテーパ付揷入孔 5 3cの内周面間の界面に所定の面圧を付与することで、両者の界面における絶縁性 能を向上させることができ、第 8に、後端側スプリング 66のパネ力および先端側スプリ ング 63のパネ力の相乗効果により、アレスタ素子 61aと接続導体 62間、アレスタ素子 61a間、アレスタ素子 61aと押圧部 65b間に所定の面圧を付与することができ、第 9 に、機器の耐電圧試験等を行なう際におけるシール蓋 Fの取り外しにより、アレスタモ 一ルド体 6が先端側スプリング 63のパネ力によりプッシング 2の後端部側に押し出さ れること力ら、アレスタモールド体 6の取り外しを容易に行なうことができる。

[実施例 2]

図 4は、本発明の第 2の実施例におけるアレスタの一部断面図を示している。なお、 同図において、図 1と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する この実施例にお 、ては、プッシング 2をエポキシ榭脂などの絶縁性の材料で形成す ることで、機器ケース 1の外部に導出されたプッシング 2の後端部に縁切り部 Zが形成 されている。具体的には、絶縁性の円筒状部材としての下部円筒部 52の後端部端 面から機器ケース 1の外壁に至る部分に縁切り部 Zが形成されている。 [0070] このような構成のアレスタにおいては、機器ケース 1の外部において、プッシング 2 の後端部に設けられた縁切り部 Zに、すなわち、機器ケース 1の外壁とアレスタ素子 積層体 61の低圧側間に接地線 Eを取り付けることで、アレスタ素子積層体 61の漏れ 電流を簡単に測定することができる。具体的には、接地線 Eの一端側を機器ケース 1 と同電位のボルト VIに、他端側をアレスタ素子積層体 61の低圧側と押し金具 64お よびシール蓋 Fを介して同電位とされたボルト V2に取り付け、当該接地線 Eに流れる 電流を変流器 Hで検出することによりアレスタ素子積層体 61の漏れ電流を測定する ことができる。

[0071] 以上のように、このような構成のアレスタによれば、機器ケース 1の外部に導出され たプッシング 2の後端部（下部円筒部 52)がエポキシ榭脂等の絶縁部材で形成され、 かつプッシング 2内にアレスタ素子積層体 61を含むアレスタモールド体 6が装着され ていることから、機器ケース 1の外壁とアレスタ素子積層体 61の低圧側間に縁切り部 Zを設けることができ、また、機器ケース 1の外部において、縁切りされた機器ケース 1 の外壁とアレスタ素子積層体 61の低圧側間に接地線 Eを取り付けることで簡単にァ レスタ素子積層体 61の漏れ電流を測定することができる。従って、このような構成の アレスタによれば、漏れ電流を測定する際に機器ケース 1内の絶縁ガスを回収したり 、充填したりする作業を不要とすることができ、また、機器ケース 1内に碍子を配設す る必要がな 、ことから、機器の小型化 '簡素化および軽量化 ·低コストィ匕を図ることが できる。

[実施例 3]

図 5 (a)は、本発明の第 3の実施例におけるアレスタの一部断面図、図 5 (b)は、同 実施例におけるシール蓋の平面図を示している。なお、同図において、図 1と共通す る部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

[0072] 図 5 (a)にお!/、て、アレスタモールド 6は、酸化亜鉛を主成分とする複数個のアレス タ素子 6 laを積層して成るアレスタ素子積層体 61と、アレスタ素子積層体 61の先端 部側 (高圧側）に配設される接続導体 62と、アレスタ素子積層体 61の後端部側 (低 圧側）に配設される円柱状の押し金具 64と、アレスタ素子積層体 61の外周に接続導 体 62および押し金具 64に跨って一体的にモールドされるシリコーンゴムなど力 成 る絶縁モールド体 67dとを備えており、絶縁モールド体 67dとプッシング 2の揷入孔間 には気体層 Gが設けられて!/、る。

[0073] 前述の絶縁モールド体 67dは、アレスタ素子積層体 61、接続導体 62および押し金 具 64を一体化するに十分な厚さとされ、当該厚さを可及的に薄くすることで、アレス タモールド体 6をプッシング 2内部に収容した状態にお!、て、アレスタモールド体 6と プッシング 2の挿入孔 (先端部挿入孔 5 la、中間部挿入孔 53a、下部挿入孔 52a)間 に気体層 Gが形成されることになる。また、このような絶縁モールド体 67dをアレスタ 素子積層体 61の外周に設けることで、アレスタ素子積層体 61の外表面の電界を緩 禾ロすることができる。

[0074] ここで、絶縁モールド体 67dはシリコーンゴムによるモールド体に代えてエポキシ榭 脂等のゴム、プラスチック榭脂によるモールド体で形成してもよい。なお、図 5中、符 号 68はプッシング 2の下部円筒部 52の下面に下部挿入孔 52aを閉塞するように取り 付けられる円盤状のシール蓋を示しており、当該シール蓋 68はアルミニウム金具等 の金具で形成されている。また、このシール蓋 68の上面中央部には押し金具 64と略 同形の円形状の凹陥部 68aが設けられ、外周縁近傍には、図 5 (b)に示すように、例 えば 4個のボルト揷通孔 H3が円周方向に沿って等配する如くして設けられている。さ らに、プッシング 2の下部円筒部 52の下面側には、シール蓋 68のボルト揷通孔 H3と 対応する位置にネジ孔を有する埋込金具 Nが埋設されている。なお、図 5 (b)中符号 H4は、接地端子を挿入するためのボルト揷通孔を示して!/ヽる。

[0075] この実施例においても、接続導体 62の円筒部 62b内に円筒部 62bの内径と略同 径のコイル状の先端側スプリング 63をその上半部が突出する如くして装着し、この状 態でアレスタ素子積層体 6の先端部（高圧側）をプッシング 2内に挿入し、先端側スプ リング 63の先端部が主回路接続子 43の内壁面 43aに当接するまで押し込む。これ により、接続導体 62の凹溝 62cに配設した導体接続子 (マルチコンタクト）を構成する 舌片（不図示）が接続導体挿入部 42の内周面に電気的に接触すると共に、アレスタ 素子積層体 6がプッシング 2の挿入孔内に着脱自在に挿入される。

[0076] 次に、シール蓋 68の凹陥部 68aに押し金具 64の下半部を装着すると共に、当該シ ール蓋 68の上面側をプッシング 2の下部円筒部 52の下面に当接し、シール蓋 68の 下面側より揷通させた締付ボルト VIの先端部をプッシング 2の埋込金具 Nのネジ孔 に螺合させることで、すなわち、シール蓋 68を下部円筒部 52の下面へ当接 ·固定す ることで、アレスタ素子積層体 6がプッシング 2の先端部に向けて押圧され、アレスタ 素子積層体 6の先端部に配置した先端側スプリング 63が軸方向に押圧され、当該先 端側スプリング 63に所定のパネ力が付勢される。これにより、アレスタ素子 61aと接続 導体 62間、アレスタ素子 61a間、アレスタ素子 61aと押し金具 64間に所定の面圧が 付与され、これらの部材間が確実に接触することになる。

[0077] 図 6は、本実施例におけるアレスタの等電位分布図を示している。同図より、アレス タ素子積層体 6の先端部は高圧シールド体 4により遮蔽されることで、当該先端部に 電界が集中せず、また、アレスタ素子積層体 6の後端部は接地体としての機器ケース 1の外部に配設されることで、当該後端部にも電界が集中せず、さらに、アレスタ素子 積層体 6の中間部は高圧シールド体 4と接地体としての機器ケース 1間の間隔の調 整により電界が適正にコントロールされることで、当該中間部にも電界が集中しないこ とが判る。

[0078] 以上のように、このような構成のアレスタによれば、絶縁モールド体 67dとプッシング 2の挿入孔間に気体層 Gが設けられていることから、アレスタに公称放電電流を大き く超える地絡電流が流れた際に発生する衝撃波が気体層 Gを介してプッシング 2の シール部分の隙間等力も放出 (放圧)されることで、すなわち、アレスタ素子の故障に 伴って生じるプッシング 2の内部圧力の瞬間的な上昇によってプッシング 2の下部円 筒部 52の下面とシール蓋 68間に配設されたシール用の Oリング P2やシール蓋 68 自身が変形し、この変形によって生じたプッシング 2の下部円筒部 52の下面とシール 蓋 68間の隙間から衝撃波が放出 (放圧)することで、当該衝撃波がプッシングに伝播 しにくくなり、ひいてはアレスタ素子の飛散を防止することができる。

[実施例 4]

図 7は、機器の耐電圧試験を行なう際に、前述のアレスタモールド体 6と交換的に、 プッシング内に着脱自在に装着される絶縁栓の一部断面図を示している。なお、同 図において、図 1および図 2と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を 省略する。 [0079] 図 7において、本発明における絶縁栓 20は、プッシング 2のテーパ付揷入孔 53a内 に装着される絶縁栓本体 21と、絶縁栓本体 21の上方に位置しかつプッシング 2の上 部挿入孔 51a内に上部円筒部 51と同心状に装着される円筒状の接触部材 22と、絶 縁栓本体 21の下方に位置しかつプッシング 2の下部挿入孔 52a内に下部円筒部 52 と同心状に装着される上端閉鎖の円筒状の押圧部材 23とを備えている。ここで、接 触部材 22はアルミニウム合金等の金具で形成され、その外径はプッシングの上部挿 入孔の口径よりも小径とされ、また、その軸方向の長さは高圧シールド 4の頂部内壁 4 lbと後述する高圧側電極 27の上壁 27b間の間隔と等しい長さとされている。具体的 には、接触部材 22の軸方向の長さは、絶縁栓 20がプッシング 2内に正規位置に装 着された状態において、接触部材 22の先端部が高圧シールド 4の頂部内壁 41bに 電気的に接触し、後端部が高圧側電極 27の上壁 27bに電気的に接触するような長 さとされている。また、押圧部材 23はアルミニウム合金等の金具で形成され、円筒部 の一部には軸方向に沿って厚肉部 23aが設けられている。さらに、押圧部材 23の閉 鎖部 23bには複数個のボルト揷通孔 23cが円周方向に沿って等配する如く設けられ 、厚肉部 23aの後端面には必要に応じてねじ孔 23dが設けられて 、る。

[0080] 絶縁栓本体 21は、プッシング 2の下部揷入孔 52aの口径と略同径の外径を有する 円柱状部 24と、当該円柱状部 24の先端部に連接されプッシング 2のテーパ付挿入 孔 53aに配設される円錐状部 25と、円柱状部 24の後端部に球面状凸部 26aを先端 部に向けて埋設された半球状の低圧側電極 26と、円錐状部 25の先端部に球面状 凸部 27aを低圧側電極 26と対向するように埋設された半球状の高圧側電極 27とを 備えている。

[0081] ここで、円錐状部 25の外面はプッシング 2のテーパ内面 53bと嵌合するテーパ外面 25aを有しており、また、低圧側電極 26の直径は円柱状部 24の直径よりも若干小径 とされ、さらに、その下端面は円柱状部 24の下端面と面一になるように埋設され、当 該低圧側電極 26の下端面には複数個のスプリング収納孔 26bと複数個のねじ孔 26 cが円周方向に沿って等配するように設けられて 、る。

[0082] 円柱状部 24および円錐状部 25はエチレンプロピレンゴム等の絶縁材料力も成り、 低圧側電極 26および高圧側電極 27と一体的にモールドされている。 [0083] 次に、このように構成された絶縁栓 20をプッシング 2内に着脱自在に装着する方法 について説明する。

[0084] 先ず、図 1に示すボルト V2を取り外し、プッシング 2の下部円筒部 52からシール蓋 Fを取り外して、プッシング 2内力 アレスタモールド体 6を取り外す。

[0085] 次に、図 7に示すように、低圧側電極 26のスプリング収納孔 26bにスプリング 28を その下半部がスプリング収納孔 26bから突出する如くして配設し、次いで、ボルト 29 をボルト揷通孔 23cに挿通しその先端部を低圧側電極 26のねじ孔 26cに取り付ける 。これにより、押圧部材 23がボルト 29の軸部 29aを介して進退自在に低圧側電極 26 に取り付けられる。そして、スプリング 28にパネ力が付勢されていない状態で、接触 部材 22、絶縁栓本体 21および押圧部材 23をプッシング 2内に挿入し、接触部材 22 の先端部が高圧シールドの頂部内壁面 4 lbに当接するまで押し込む。これにより、 絶縁栓本体 21の円錐状部 25のテーパ外面 25aがプッシング 2のテーパ内面 53bに 当接する。

[0086] 次いで、プッシング 2の下部円筒部 52の下面に、前述と同様に、シール蓋 Fを当接 し、これを複数本のボルト V2で下部円筒部 52の下面に締結する。これにより、押圧 部材 23の上端面がボルト 29の軸部 29aを介して低圧側電極 26の下端面に当接す る位置まで押し込まれ、これと共に、スプリング 28が軸方向に押圧され当該スプリン グ 28に軸方向のパネ力が付勢される。

[0087] そして、スプリング 28に軸方向のパネ力が付勢されると、絶縁栓 20を構成する押圧 部材 23がプッシング 2の先端部に向力つて押圧されることで、絶縁栓本体 21のテー パ外面 25aとプッシング 2のテーパ内面 53bとの嵌合部に所定の面圧が付与される。

[0088] 図 8は、本実施例における絶縁栓の等電位分布図を示している。同図より、絶縁栓 20をプッシング 2内の正規位置に装着することで、絶縁栓 20を構成する絶縁栓本体 21の先端部の外周が高圧シールド体 4により覆われることから、絶縁栓本体 21にお ける電界が適正にコントロールされていることが判る。

[0089] 以上のように、このような構成の絶縁栓によれば、機器の耐電圧試験等を行なう際 に、プッシング 2の揷入孔内にアレスタモールド体 6と交換的に絶縁栓 20を装着する ことで、アレスタモールド体 6を外した状態におけるプッシング 2の揷入孔内の絶縁を 確保することができる。また、電界が集中する高圧シールド体 4の後端側端部の内側 に絶縁栓 20を位置させることで、絶縁栓 20を装着した状態における電界のコント口 ールを有効に行なうことができ、さらに、また、高圧シールド体 4の後端側端部付近の 内側のみを封止することで、プッシング 2の揷入孔内の絶縁を確保できるため、絶縁 栓 20の小型化を図ることができる。

[実施例 5]

図 9は、本発明の第 5の実施例におけるアレスタの一部断面図を示している。なお、 同図において、図 1と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する

[0090] 図 9において、この実施例においては、プッシング 7の先端部の外周面に点線で示 すように導電性の塗布層 75が設けられて 、る。

[0091] ここで、第 5の実施例におけるプッシング 7は、それ自身の上面の外周縁近傍に環 状の凹陥部 71aが設けられた中間円筒部 71と、中間円筒部 71の上端部に中間円 筒部 71と同心状に連接され中間円筒部 71の外径より小径でかつ先細り状の円錐状 部 72aを有し上端部が閉鎖された上部円筒部 72と、中間円筒部 71の下面の外周縁 近傍に中間円筒部 71と同心状に連接され中間円筒部 71の外径よりも小径の下部円 筒部 73と、上部円筒部 72の閉鎖部 72bの中央部にそれ自身の先端部を閉鎖部 72 bから突設するように埋設した主回路接続子 74とを備えている。なお、この実施例に おけるプッシング 7は下部円筒部 73の外径が機器ケース 1の開口部 laより大径とさ れ、下部円筒部 73の外周縁の下面が機器ケース 1の上面に気密に載置 ·固定され ている。

[0092] 符号 75は、高圧シールド体としての導電性の塗布層（例えば、銀ペイントから成る 塗布層）を示しており、この導電性の塗布層 75は、上部円筒部 72の閉鎖部 72bの外 表面から円錐状部 72aの外周面および中間円筒部 71の凹陥部 71aを構成する半円 状部分 71bの外周面に跨って設けられて 、る。

[0093] 図 10は、第 5の実施例におけるアレスタの電位分布を示している。同図より、この実 施例においても、第 1の実施例におけるアレスタと同様に、アレスタ素子積層体 61の 先端部は高圧シールド体としての導電性の塗布層 75により遮蔽されることで、当該 先端部に電界が集中せず、また、アレスタ素子積層体 61の後端部は接地体としての 機器ケース 1の外部に配設されることで、当該後端部にも電界が集中せず、さらに、 アレスタ素子積層体 61の中間部は導電性の塗布層 75と接地体としての機器ケース 1間の間隔の調整により電界がコントロールされることで、当該中間部にも電界が集 中していないことが判る。

[0094] 以上のように、第 5の実施例におけるアレスタにおいても、アレスタ素子 61aの電圧 分担を均一化させることができる。また、この実施例においては、第 1の実施例におけ る金具力 成る高圧シールド体 4に代えて導電性の塗布層 75が設けられていること から、第 1の実施例におけるアレスタよりも軽量ィ匕および低コストィ匕を図ることができる 。なお、この実施例におけるアレスタは、ガス絶縁や空気絶縁タイプの電気機器に好 適する。

[実施例 6]

図 11は、本発明の第 6の実施例におけるアレスタの一部断面図を示している。なお 、同図において、図 1と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略す る。

[0095] 図 11において、この実施例においては、プッシング 8の先端部に別体の高圧シー ルド体 10が載置 ·固定されている。

[0096] ここで、第 6の実施例におけるプッシング 8は、先細り状の中間円筒部 81と、中間円 筒部 81の上端部に中間円筒部 81と同心状に連接され中間円筒部 81の外径より小 径の上部円筒部 82と、中間円筒部 81の下端部に中間円筒部 81と同心状に連接さ れ中間円筒部 81の下端部外径と略同径の下部円筒部 83とを備えており、下部円筒 部 83の先端部位置の外周には環状の取付フランジ 83aが連設されて 、る。

[0097] 高圧シールド体 10は、上端閉鎖の円筒状の金具 11と、金具 11の閉鎖部 12中央 に閉鎖部 12から上方に向けて立設された主回路接続子 13とを備えている。

[0098] このような構成の高圧シールド体 10は、図に示すように、主回路接続子 13を上部 円筒部 82の上方位置に配置し、金具 11の側壁部 14が上部円筒部 82の側壁部 82a の周りに位置する如くして上部円筒部 82の先端部に上部円筒部 82と同心状に載置 •固定されている。 [0099] 図 12は、第 6の実施例におけるアレスタの電位分布を示している。同図より、この実 施例においても、第 1の実施例におけるアレスタと同様に、アレスタ素子積層体 61の 先端部は高圧シールド体 10を構成する円筒状の金具 11により遮蔽されることで、当 該先端部に電界が集中せず、また、アレスタ素子積層体 61の後端部は接地体として の機器ケース 1の外部に配設されることで、当該後端部にも電界が集中せず、さらに 、アレスタ素子積層体 61の中間部は円筒状の金具 11と接地体としての機器ケース 1 間の間隔の調整により電界がコントロールされることで、当該中間部にも電界が集中 していないことが判る。

[0100] 以上のように、第 6の実施例におけるアレスタにおいても、全体としてアレスタ素子 6 laの電圧分担を均一化させることができる。なお、この実施例におけるアレスタは、 油絶縁、ガス絶縁若しくは空気絶縁タイプの電気機器に好適する。

[実施例 7]

図 13は、本発明の第 7の実施例におけるアレスタの一部断面図を示している。なお 、同図において、図 1および図 11と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説 明を省略する。

[0101] 図 13において、この実施例においては、プッシング 9の先端部に図 11に示す高圧 シールド体 10が載置.固定され、また、次のようにして、高圧シールド体 10の回りが 絶縁性のバリヤ 9 lbで覆われて 、る。

[0102] ここで、第 7の実施例におけるプッシング 9は、それ自身の上面の外周縁近傍に環 状の凹陥部 91aが設けられた上部円筒部 91と、上部円筒部 91の下端部に上部円 筒部 91と同心状に連接され上部円筒部 91の外径より小径の下部円筒部 92とを備え ている。そして、図 11に示すものと同様の構成の高圧シールド体 10は、その側壁部 14が上部円筒部 91の凹陥部 91a内に位置するように上部円筒部 91と同心状に配 設されている。なお、この実施例におけるプッシング 9は上部円筒部 91の外径が機 器ケース 1の開口部 laより大径とされ、上部円筒部 91の外周縁の下面が機器ケース 1の内面に気密に載置 ·固定されている。

[0103] 図 14は、第 7の実施例におけるアレスタの電位分布を示している。同図より、この実 施例においても、第 1の実施例におけるアレスタと同様に、アレスタ素子積層体 61の 先端部は高圧シールド体としての円筒状の金具 11により遮蔽されることで、当該先 端部に電界が集中せず、また、アレスタ素子積層体 61の後端部は接地体としての機 器ケース 1の外部に配設されることで、当該後端部にも電界が集中せず、さらに、ァ レスタ素子積層体 61の中間部は円筒状の金具 11と接地体としての機器ケース 1間 の間隔の調整により電界がコントロールされることで、当該中間部にも電界が集中し ていないことが判る。

[0104] 以上のように、第 7の実施例におけるアレスタにおいても、全体としてアレスタ素子 積層体 61の電圧分担を均一化させることができる。また、この実施例におけるアレス タにおいては、高圧シールド体 10の側壁部 14が上部円筒部 91の凹陥部 91aに配 設されることで、円筒状の金具 11の周りに絶縁性のノ リャ部材 91bが配置されること になるから、相間の絶縁距離、若しくは機器ケース 1との絶縁距離を短くすることがで き、ひいては、機器の縮小化を図ることができる。なお、この実施例におけるアレスタ は、油絶縁、ガス絶縁若しくは空気絶縁タイプの電気機器に好適する。

[実施例 8]

図 15は、本発明の第 8の実施例におけるアレスタの一部断面図を示している。なお 、同図において、図 1および図 2と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明 を省略する。

[0105] 図 15において、この実施例においては、次のようにして、アレスタモールド体 6の先 端部に高圧シールド体 20が埋設されて 、る。

[0106] ここで、第 8の実施例におけるプッシング 30は、上部円筒部 51の閉鎖部 51b中央 に図 1に示す接続導体挿入部 42が埋設され、接続導体挿入部 42の先端部には図 1 に示す主回路接続子 43が連設されている。また上部円筒部 51の内周には閉鎖部 5 lbから下端部に向力つて円錐状に広がるテーパ孔 31が設けられ、このテーパ孔 31 は図 1に示す下部挿入孔 52aと同径の中間部挿入孔 32と連通して 、る。

[0107] 高圧シールド体 20は、円盤状の水平部 21aと、水平部 21の外周縁から円錐状に 広がるように垂設された側壁部 21bとを有する逆コップ状のシールド本体 21を備えて おり、このシールド本体 21の水平部 21aの上部中央には図 2に示す円筒部 62bが突 設されている。 [0108] このような構成の高圧シールド体 20は、図に示すように、水平部 21aがアレスタ素 子積層体 61の先端部側 (高圧側）に当接され、この状態においてアレスタ素子積層 体 61の外周に設けられたゴムモールド体 67により一体化されている。なお、ゴムモー ルド体 67の先端部外周にはテーパ孔 31の内周面に当接する円錐状部 67dが設け られている。

[0109] 以上のように、この実施例においても、アレスタ素子積層体 61の先端部外周が高 圧シールド体 20により覆われていることから、アレスタ素子 6 laの電圧分担を均一化 させることがでさる。

[0110] なお、第 8の実施例においては、高圧シールド体 20をゴムモールド体 67に埋設し た場合にっ 、て説明して 、るが、当該高圧シールド体 20はゴムモールド体 67の外 周に配設してもよい。

産業上の利用可能性

[0111] 本発明は、特許請求の範囲内で、次のように、変更、修正をカ卩えることができる。

[0112] 第 1に、前述の実施例においては、機器ケース 1の底部にプッシングを配設した場 合にっ 、て説明して 、るが、機器ケース 1の側壁にプッシングを配設してもよ!、。

[0113] 第 2に、前述の実施例においては、 66/77kVの高圧線路に本発明のアレスタを 適用する場合について説明している力 66kV未満の線路若しくは 77kVを超える高 圧線路に本発明のアレスタを適用してもよい。

Claims

請求の範囲

[1] 電気機器を収容する機器ケースの開口部に、前記開口部を気密に覆う如く配設さ れたプッシングと、前記プッシングの挿入孔内に前記機器ケースの外部力も着脱自 在に装着されるアレスタモールド体とを備え、

前記アレスタモールド体は、複数個のアレスタ素子を積層して成るアレスタ素子積 層体と、前記アレスタ素子積層体の外周に設けられた絶縁モールド体とを備え、 前記アレスタモールド体は、その全長が前記プッシングの揷入孔の内部に収容さ れて 、ることを特徴とするアレスタ。

[2] 前記アレスタモールド体は、前記プッシングの挿入孔の内部に収容された状態で、 シール蓋により封止されていることを特徴とする請求項 1記載のアレスタ。

[3] 前記絶縁モールド体は、絶縁ゴムのモールド体力 成ることを特徴とする請求項 1 記載のアレスタ。

[4] 前記プッシングは硬質のプラスチック榭脂で形成されて 、ることを特徴とする請求 項 1記載のアレスタ。

[5] 前記プッシングの頂部には前記電気機器の主回路導体に接続される主回路接続 子が設けられ、

前記アレスタモールド体の先端部には、前記主回路接続子に接続される接続導体 が前記アレスタモールド体と一体的に設けられていることを特徴とする請求項 1記載 のアレスタ。

[6] 前記アレスタモールド体は、酸化亜鉛を主成分とする複数個のアレスタ素子を積層 して成るアレスタ素子積層体と、前記アレスタ素子積層体の高圧側に当接される接続 導体と、前記アレスタ素子積層体の低圧側に当接される押し金具と、前記アレスタ素 子積層体の外周に設けられた絶縁モールド体とを備えることを特徴とする請求項 1記 載のアレスタ。

[7] 前記アレスタモールド体は、前記アレスタ素子積層体の外周に設けられた絶縁モ 一ルド体により一体ィ匕されていることを特徴とする請求項 6記載のアレスタ。

[8] 前記アレスタモールド体は、前記プッシングの揷入孔の内部で前記プッシングの先 端部に向けて押圧されて 、ることを特徴とする請求項 3記載のアレスタ。

[9] 前記アレスタモールド体の後端部には、軸方向の押圧によりパネ力が付勢される後 端側スプリングが配設されていることを特徴とする請求項 8記載のアレスタ。

[10] 前記プッシングの挿入孔の内面は、前記プッシングの先端部から後端部に向かつ て円錐状に広がるテーパ内面を有し、

前記絶縁モールド体の外面は、前記テーパ内面と嵌合するテーパ外面を有するこ とを特徴とする請求項 8記載のアレスタ。

[11] 前記アレスタモールド体の先端部には、軸方向への押圧によりパネ力が付勢される 先端側スプリングが配設され、

前記アレスタモールド体の後端部には、軸方向への押圧によりパネ力が付勢される 後端側スプリングが配設されていることを特徴とする請求項 8記載のアレスタ。

[12] 前記先端側スプリングのパネ定数は、前記後端側スプリングの全体のパネ定数より も低く設定されて 、ることを特徴とする請求項 11記載のアレスタ。

[13] 前記プッシングの挿入孔内には、前記アレスタモールド体と交換的に、前記機器ケ ースの外部力 着脱自在に絶縁栓が装着されることを特徴とする請求項 1記載のァ レスタ。

[14] 前記絶縁栓は、前記プッシングの挿入孔内に装着され、外面に前記プッシングの テーパ内面と嵌合するテーパ外面を有する絶縁栓本体と、前記プッシングの挿入孔 内に装着され、前記高圧シールド体と前記絶縁栓本体の高圧側電極とを電気的に 接触させる接触部材と、前記プッシングの挿入孔内に装着され、前記絶縁栓本体を 前記プッシングの先端部側に向けて押圧する押圧部材とを備えていることを特徴とす る請求項 13記載のアレスタ。

[15] 前記絶縁栓本体の後端面と前記押圧部材の先端面間にスプリングが配設され、前 記スプリングは、前記押圧部材の前記プッシングの先端部方向への押圧によりパネ 力が付勢されることを特徴とする請求項 13記載のアレスタ。

[16] 前記アレスタモールド体の先端部外周は、高圧シールド体により覆われていること を特徴とする請求項 1記載のアレスタ。

[17] 前記プッシングの後端部は、前記機器ケースの開口部を通り前記機器ケースの外 部に導出されていることを特徴とする請求項 16記載のアレスタ。

[18] 前記アレスタ素子積層体の中間部の電界は、前記高圧シールド体の後端部と前記 機器ケースの内面間の間隔の調整によりコントロールされていることを特徴とする請 求項 17記載のアレスタ。

[19] 前記高圧シールド体の外周は、絶縁性のノリャにより覆われていることを特徴とす る請求項 16記載のアレスタ。

[20] 前記高圧シールド体は、前記プッシングの先端部の形状と略同形状の金具を有し

、前記金具は、前記プッシングの先端部に前記プッシングと同心状に埋設されている ことを特徴とする請求項 16記載のアレスタ。

[21] 前記高圧シールド体は、前記プッシングの先端部外周に塗布された導電性の塗布 層で形成されていることを特徴とする請求項 16記載のアレスタ。

[22] 前記高圧シールド体は、円筒状の金具を有し、前記金具は、前記プッシングの先 端部の周りに前記プッシングの先端部を囲むように配設されて 、ることを特徴とする 請求項 16記載のアレスタ。

[23] 前記高圧シールド体の外周には、固体による絶縁層が設けられていることを特徴と する請求項 16記載のアレスタ。

[24] 前記プッシングの後端部は、前記機器ケースの開口部を通り前記機器ケースの外 部に導出されていることを特徴とする請求項 1項記載のアレスタ。

[25] 前記プッシングの後端部には、前記プッシングの後端部端面力も前記機器ケース の外壁に至る部分に縁切り部が設けられていることを特徴とする請求項 24記載のァ レスタ。

[26] 前記プッシングの後端部は、絶縁性の円筒状部材で形成されて 、ることを特徴とす る請求項 25記載のアレスタ。

[27] 請求項 24乃至請求項 26何れか 1項記載のアレスタを備え、前記アレスタを構成す る機器ケースと、前記アレスタを構成するアレスタ素子積層体の低圧側間に接地線を 取り付け、前記接地線に流れる電流を測定することを特徴とするアレスタの漏れ電流 の測定方法。

[28] 前記アレスタモールド体と前記プッシングの揷入孔間には気体層が設けられている ことを特徴とする請求項 1乃至請求項 26何れか 1項記載のアレスタ。