WO2009142123A1

WO2009142123A1 - 貫通ダクト部材とその部材を用いた中空壁のダクト構造

Info

Publication number: WO2009142123A1
Application number: PCT/JP2009/058786
Authority: WO
Inventors: 昭男荒井
Original assignee: Arai Akio
Priority date: 2008-05-22
Filing date: 2009-04-23
Publication date: 2009-11-26
Also published as: JP5132423B2; JP2009281057A; US20100269943A1

Abstract

中空壁の貫通孔の状態にかかわらず、確実に壁内空間を外部から遮断し気密性を保持できる貫通ダクト部材を提供する。柔軟性と弾力性を有する合成樹脂製の管材１の一方側の外周には、端部側に外部フランジ４を形成し、該外部フランジ４より中央側に内壁材２８の厚さとほぼ等しい溝幅の外周溝３を形成する内部フランジ５を一体的に設け、管材１の他方側の外周には、内部フランジ５から壁内の中空間隔よりも離れた部位に内部フランジ６を一体的に設け、該内部フランジ６よりもさらに端部側に差込ガイド部７を一体的に形成し、両内部フランジ５，６の内周面にはそれぞれ内部フランジ５，６の厚肉内に広がる内周溝８，９を形成し、両内部フランジ５，６間には、外壁材と内壁材との間隔より長く、且つ縮めたときに該間隔内に納まる長さで、且つ柔軟に変形して復元可能な厚みとした蛇腹状の伸縮部２を形成する。

Description

明細書

貫通ダク卜部材とその部材を用いた中空壁のダク卜構造技術分野

本発明は、木造住宅等の間隔を有する外壁材と内壁材から成る中空壁などの壁にェアコンなどの設備の配管、配線用に開口される貫通孔に対して、外壁材と内壁材との間の中空壁内の気密性を維持させるために装着される貫通ダク卜部材と、その貫通ダク卜部材を用いた中空壁のダク卜構造に関する。背景技術

木造住宅の壁を外壁材と内壁材とに中空間隔を設けて二重にしてその中空壁の少なくとも一方の壁内面に気密シー卜を張設し、さらにその外壁側に断熱材を配した外断熱型の中空壁構造や、内壁側に断熱材を配した内断熱型の断熱材充填壁構造にした高気密木造住宅が省エネルギー対策として多く建設されている。

このような高気密壁を備えた住宅では、エアコン等の室外機を設置する場合、壁の外壁材と内壁材に通常直径 6 5 mmの貫通孔を開け、エアコン等の室内機と室外機とを連結させる配管工事を行なっているが、孔を開けたままでは貫通孔から壁内の空間内に外気や虫等が侵入するおそれがあり、その空間内に外気が侵入すると壁の断熱が損なわれ、冷暖房に大きなエネルギーが浪費され、また虫等が入ると木材の虫食で損傷し住宅の価値を損なうことになる。

このような中空空間内への外気や虫の侵入を防ぐために室内側と室外側から貫通孔の開口隙間に合成樹脂製のパテやモルタルを充填することが行われていたが、パテでは室外から紫外線による経時変化により収縮や劣化が起こり亀裂や剥離が発生するので長期間にわたり壁内の気密性を確保することが困難であり、またモルタルでは施工時において充填後の固化に時間がかかることと、ェアコン等の装置の交換の際に固まつたモルタルを除去することが困難となる難点があった。

λ そこで、このような充填による方法の難点を解決しょうとして下記特許文献 1に記載の手法が提案されている。即ち、下記特許文献 Ίでは、モルタルを使わずに、貫通孔に螺旋管を差し込んでその螺旋管と壁との隙間には弾性シール材を配し、この弾性シール材を螺旋管に螺合した固定リングで弾性シール材を壁に対して狭圧させることで確実に隙間を塞ごうとしている。また、本発明者は先に特許文献 2の蛇腹状で長さを伸縮できる壁連通管材とその壁構造を提案している。

特許文献 1 ：特開 2 0 0 0—1 7 9 7 5 0号公報

特許文献 2 ：特許第 3 8 4 8 9 6 8号公報発明の開示

発明が解決しょうとする課題

上記特許文献 1の技術では、室内の壁面に露出される貫通孔によって室内の美観が損なわれるのを避けるため設けた貫通孔が、間柱や筋違等の耐カ構造体を損傷するのを避けて外壁材側と内壁材側の中心位置をずらして設けられている場合、硬い螺旋管では使用することができない。

そのような位置のずれた貫通孔に対して、仮に上記特許文献 1の螺旋管を用いようとしても、アルミニウムなどの金属やエンジニアプラスチックなどの硬い素材で作られた螺旋管では殆ど曲げることができず、無理に湾曲させると螺旋管に形成されている螺旋が変形して固定リングが螺合できなくなるので使用することが不可能となる。

また、この特許文献 1に記載の方法では、専用の螺旋管とその管に螺合する固定リング及び弾性シール材を使用するものなので、資材のコス卜アップと固定リングの螺着などの施工に大変手間を要する難点がある。

したがって、外壁材と内壁材との両貫通孔の中心位置をずらして設けた場合には、開口部を上記難点を有するパテ又はモルタルなどで充填する以外の有効な方法が見出せなかった。そこで、本発明者は先に上記特許文献 2の蛇腹状で長さを伸縮できる壁連通管材とその壁構造を提案し、この壁連通管材によって、エアコン等の室内機と室外機とを連結させるために壁の外壁材と内壁材に開けられている両貫通孔の中心位置がずれている場合であっても、壁内の気密性が損なわれて壁斷熱性の機能低下などが起こるのを防ぐことが可能となった。また貫通孔から壁内へ虫等が侵入して壁が損傷されて建物の価値が損なわれることがないように、両側の貫通孔の位置ずれに柔軟に対応して簡単に装着でき、壁内の空間を外部の空間から遮断することが可能となった。

そしてさらに、この壁連通管材を中空壁に用いることによって、その中空壁内部の気密性を確実に長期間保持することが可能となリ、さらにエアコン等の装置の取付工事や交換工事などの施工も容易に行うことが可能となつた。

しかしながら、壁材に開けられた貫通孔の状態は、実際には真円ではなく形が変形したり崩れていた場合も多くあり、蛇腹状の復元力だけによる押圧程度では、貫通孔と壁連通管材との間を完全に遮断させることが難しく、結果として発生した隙間によって気密性が損なわれてしまうという場合もあった。

そこで、本発明は貫通孔の状態にかかわらず、より確実に壁内の空間を外部の空間から遮断することが可能となる貫通ダク卜部材と、その貫通ダク卜部材を使用した気密性の優れた中空壁のダク卜構造を提供することを目的とする。課題を解決するための手段

以上の課題を解決するため、請求項 1に記載の本発明は、内壁材と外壁材とから成る中空壁の貫通孔に対して貫着可能に柔軟性と弾力性を有する合成樹脂製の管材で一体的に形成した貫通ダクト部材において、前記管材の一方側の外周には、端部側に前記貫通孔よりも大径の外部フランジを形成し、該外部フランジより中央側に前記内壁材又は外壁材のいずれか一方の厚さとほぼ等しい溝幅の外周溝を形成する内部フランジを前記貫通孔よりも大径に形成し、前記管材の他方側の外周には、前記内部フランジから壁内の中空間隔よりも離れた部位に前記貫通孔ょリも大径の内部フランジを設け、該内部フランジよりもさらに端部側に前記中空間隔よりも長い差込ガイド部を形成し、前記管材の外周径を、前記外周溝部分では上記一方側の内壁材又は外壁材の貫通孔とほぼ等しい外径に形成し、前記差込ガイド部側の内部フランジ寄リ部位では前記他方側の貫通孔とほぼ等しい外径に形成し、前記両内部フランジの内周面にはそれぞれ内部フランジの厚肉内に広がる内周溝を形成し、前記両内部フランジ間には、貫通孔とほぼ等しい内径で、前記外壁材と内壁材との間隔より長く、縮めたときに該間隔内に納まる長さで、指の力で柔軟に変形し且つ復元可能な厚みとした蛇腹状の伸縮部を形成したことを特徵とする。

請求項 2に記載の発明は、上記発明において、前記内周溝の溝内に、該内周溝の溝幅とほぼ同厚とした弾力性を備えた柔軟なリング状充填部材を充填したことを特徴とする。

請求項 3に記載の発明は、上記発明において、前記内周溝の溝内に充填されたリング状充填部材を、一方の半周側は前記内周溝内に固定し、固定させない他方の半周側は前記内周溝から溝外に引き出し可能に納めたことを特徴とする。

請求項 4に記載の発明は、請求項 1乃至 3のうちいずれかに記載の貫通ダク卜部材の管材の端部から差し込んで、中空壁の貫通孔に管材の端部を固定する端部押さえ部材を備えた貫通ダクト部材であって、前記端部押さえ部材が、前記管材のいずれか一方又は両方の端部の内周径とほぼ同径の外周径とした筒体の基端部にはフランジ部を備え、該筒体の先端部には、外周面に前記フランジ部が前記外壁材又は内壁材の外面に接合状態で前記管材の内周溝内に係合可能な凸部を形成し、該筒体の周方向に間隔を置いて先端部から前記凸部のある位置よりも深い部位に達する割溝を形成したことを特徴とする。

請求項 5に記載の発明は、請求項 1乃至 3のうちいずれかに記載の貫通ダク卜部材の管材の端部から差し込んで、中空壁の貫通孔に管材の端部を固定する端部押さえ部材を備えた貫通ダク卜部材であって、前記端部押さえ部材が、前記管材のいずれか一方又は両方の端部の内周径とほぼ同径の外周径とした筒体の基端部には外周面に雄螺部を形成し、該雄螺部に螺合する雌螺部を形成したフランジ部材を螺着可能に備え、該筒体の先端部には、外周面に前記フランジ部が前記外壁材又は内壁材の外面に接合状態で前記管材の内周溝内に係合可能な凸部を形成し、該筒体の周方向に間隔を置いて先端部から前記凸部のある位置よりも深い部位に達する割溝を形成したことを特徴とする。

請求項 6に記載の発明は、請求項 5に記載の端部押さえ部材のフランジ部材が、筒部とその先端に形成されたフランジ部とから成り、該フランジ部の基端部側の内周面には、前記端部押さえ部材の外周面に形成された雄螺部に螺合する雌螺部を形成し、前記フランジ部の先端部側の内周面には、前記管材の差込ガイド部を挿入可能とする差込み溝を形成したことを特徴とする。

請求項 7に記載の発明は、外壁材と内壁材とから成る中空壁の少なくとも一方の壁内面に気密シ一卜が張設され、それらの各材を貫通したほぼ同径の貫通孔に対して請求項 1乃至 3のうちいずれかに記載の貫通ダク卜部材を使用したダク卜構造であって、前記外壁材又は内壁材に設けた貫通孔に前記貫通ダク卜部材が、差込ガイド部を先にして一方から差し込まれ、前記貫通ダク卜部材の外周溝が差込側の壁材に嵌合固定されるとともに先方の内部フランジが壁の中空内に残って前記差込ガイド部が前記貫通孔から外側に突出され、前記貫通ダク卜部材の両内部フランジ間の蛇腹状の伸縮部の復元力で前記両内部フランジが外壁材と内壁材の中空内壁面を押圧して両貫通孔と管材の外周との間を遮断し、外壁材と内壁材間の中空空間の気密性を維持可能としたことを特徴とする。

請求項 8に記載の発明は、外壁材と内壁材とから成る中空壁の少なくとも一方の壁内面に気密シー卜が張設され、それらの各材を貫通したほぼ同径の貫通孔に対して請求項 4乃至 6のうちいずれかに記載の貫通ダク卜部材を使用したダク卜構造であって、前記外壁材又は内壁材に設けた貫通孔に前記貫通ダク卜部材が、差込ガイド部を先にして一方から差し込まれ、前記貫通ダク卜部材の外周溝が差込側の壁材に嵌合固定されるとともに先方の内部フランジが壁の中空内に残って前記差込ガイド部が前記貫通孔から外側に突出され、前記貫通ダク卜部材の両内部フランジ間の蛇腹状の伸縮部の復元力で、前記両内部フランジが外壁材と内壁材の中空内壁面を押圧して両貫通孔と管材の外周との間を遮断し、前記貫通ダク卜部材の一方側に形成された外部フランジ部から管内に請求項 4に記載の端部押さえ部材を差し込んで、管材の端部を前記貫通孔に固定し、外壁材と内壁材間の中空空間の気密性を維持可能としたことを特徴とする。

請求項 9に記載の発明は、請求項 7又は 8に記載の貫通ダク卜部材を使用した中空壁のダク卜構造であって、差込ガイド部側の貫通孔から外側に突出した差込ガイド部を切除し、請求項 4乃至 6のいずれかに記載の端部押さえ部材の凸部を切除した差込ガイド部側から管材内周面の内周溝に差し込んで係合させ、前記端部押さえ部材の筒体に螺着しているフランジ部を回転させて壁外面に強く当接させ、管材の内部フランジと前記端部押さえ部材のフランジ部材とで壁材を挟みつけて管材の差込ガイド部側の端部を前記貫通孔に固定し、管材の両側で外壁材と内壁材間の中空空間の気密性を維持可能としたことを特徴とする。

請求項 1 0に記載の発明は、請求項 7乃至 9のうちいずれかに記載の中空壁のダク卜構造において、貫通孔に装着した管材内を通過させて配設した線類及び管類との間に生じた管材内の室内側と室外側の開口隙間に充填材を充填して、室内側と室外側を遮断したことを特徴とする。発明の効果

本発明の貫通ダク卜部材は、内壁材及び外壁材の貫通孔へ装着する際に柔軟性があるので指で押し潰すように細く変形させることによって内部フランジまでを内壁材又は外壁材の一方向の貫通孔から中空空間に差込み、両貫通孔の中心が大きくずれていても容易に装着することが可能となる。その際に、外壁材と内壁材との中空間隔よりも差込ガイド部が長いので、その差込ガイド部が他方の貫通孔へ届くので、そのまま全体を中空内に深く差し込んで一方向から容易に装着することが可能となる。

そして、前記両内部フランジ間の蛇腹状の伸縮部には復元力があるので前記両内部フランジが外壁材と内壁材の中空内壁面を押圧し、両貫通孔と管材の外周との間にたとえ貫通孔に変形があつたとしても隙間が発生しないように密着させ中空空間の気密性を維持させることが可能となる。また、請求項 2に記載の前記内周溝の溝内に、柔軟なリング状充填部材を充填した形態では、外壁材と内壁材の中空内壁面をリング状充填部材のクッション性を伴って両内部フランジ面で押圧するので、たとえ貫通孔に大きな変形があつたとしても貫通孔の変形に追従して中空内壁面に密着でき、その結果、中空空間のより高い気密性を維持することが可能となる。

また、請求項 3に記載の発明では、貫通孔に両内部フランジを挿入させる際に、リング状充填部材の前記内周溝の溝内に充填されたリング状充填部材の固定させない半周側を前記内周溝から溝外に引き出すことで、両内部フランジ部分が折り曲げて径を小さく変形させやすくなり、また、両内部フランジの復元も速やかにでき、その後に溝内へリング状充填部材を戻す作業も、リング状充填部材の一方側が溝内に固定されているので容易に行うことが可能となる。これにより、貫通孔への貫通ダクト部材の挿入と復元して固定する工程がもたつくことなく行えるので作業時間の短縮が実現できる。

請求項 4に記載の発明では、貫通孔に貫通ダク卜部材を管材の端部から差し込んで、中空壁の貫通孔に管材を固定した後、その管材の端部を端部押さえ部材で、前記管材の内周溝に凸部を係合させ、フランジ部で外部フランジを押さえつけるようにして、貫通孔に貫通ダク卜部材をより強固に固定することが可能となる。

請求項 5に記載の発明では、壁材の厚さが種々であっても、その厚さにフランジ部の螺着位置を移動させることで厚さに自由に対応させて管材の端部を貫通孔に固定することが可能となる。このため、前記管材の差込ガイド部側に装着すれば、前記管材の両側ともに端部押さえ部材のフランジ部と両内部フランジとで壁材を挟みつけて、貫通孔に貫通ダク卜部材をより確実に固定することが可能となる。

請求項 6に記載の発明では、前記管材の差込ガイド部側の貫通孔から外側に突出した差込ガイド部を、壁材の外表面から突出させた状態で切除でき、この突出部分を、差込み溝を挟んで前記端部押さえ部材のフランジ部を壁材の外表面に密着状態に螺着させて、貫通孔に貫通ダクト部材をさらに確実に固定することが可能となり、差込ガイド部側の気密性についてもより確実に保持できるようになる。また、請求項 7乃至 9に記載の発明は、外壁材と内壁材とから成る中空壁の少なくとも一方の壁内面に気密シ一卜が張設され、それらの各材を貫通したほぼ同径の貫通孔に対して請求項 1乃至 3のうちいずれかに記載の貫通ダク卜部材を使用したダク卜構造である。

請求項 7に記載の発明では、前記両内部フランジ間の蛇腹状の伸縮部の復元力で前記両内部フランジが外壁材と内壁材の中空内壁面を押圧して両貫通孔と管材の外周との間を遮断し、外壁材と内壁材間の中空空間の気密性が維持できる。

請求項 8に記載の発明では、前記両内部フランジが外壁材と内壁材の中空内壁面を押圧して両貫通孔と管材の間を遮断し、前記貫通ダク卜部材の端部を内周溝に凸部を係合させた端部押さえ部材で前記貫通孔に管材端部が確実に固定できる。

請求項 9に記載の発明では、差込ガイド部側の貫通孔から外側に突出した差込ガイド部を切除し、前記貫通ダクト部材の端部を内周溝に凸部を係合させた端部押さえ部材でフランジ部を壁外面に強く螺着させることができ、この結果、管材端部と外壁材と内壁材との間のより高い気密性が得られる。この形態では、壁の貫通孔部分の壁材の厚さが種々大きく異なっていたとしても、雄螺部の長さ範囲で筒体に螺着しているフランジ部材の位置を移動させ、壁材の実際の厚さに自由に対応して調節することが可能となる。

その後、請求項 1 0に記載の発明では、エアコン等の装置の取付工事や交換工事などの施工が終了したら、パテ材などに充填材で貫通ダク卜部材と配管の隙間が充填され室内と室外とは完全に遮断される。このように室内と室外とを遮断する方法として、前記貫通ダク卜部材の差込ガイド部を切除せずに置いて、エアコン等の装置の取付工事や交換工事などの施工が終了してから差込ガイド部を絞って、その周囲を粘着テープ又は針金など結束する方法を採れば、一方側には充填材を使用せずに室内と室外の空間の遮断が可能となる。

以上のように本発明は、気密シー卜を張った外壁材と内壁材の中空空間を外部空間から遮断させることができ、この結果、中空空間への湿気の侵入が防止され、結露の発生を防止可能にし、壁を開口させることで損なわれる中空壁の断熱効果の低下を防止して、室内温度を一定に維持するための冷暖房費の大幅な節約を実現し、熱エネルギーの消費を抑えることによって地球環境の維持にも貢献することが可能となる。発明を実施するための最良の形態

本発明は、中空壁用の貫通ダクト部材と、その貫通ダクト部材を使用した中空壁のダク卜構造である。

前記貫通ダクト部材は、図 6に示すように、中空間隔 Wを有する外壁材 2 9と内壁材 2 8とから成る中空壁に設けられた貫通孔 3 1 ， 3 2 (室内のエアコン 3 4と外の室外機 3 3とを繋ぐ冷媒管ゃ配水管 3 5及び電線 3 6など通すための貫通孔）に装着されるものなので、構成される各部分がその壁の構造との関係を有する。

即ち本発明の貫通ダクト部材は、図 1 0に示すように、間柱の幅で決まる中空間隔 Wを有する内壁材 2 8と外壁材 2 9により、中空間隔 Wを有する中空空間が形成された壁に設けた貫通孔 3 1 、 3 2に対して、室外機 3 3への配管側の空間と壁内の中空空間とを仕切るために貫着させる管状の壁面貫通部材である。

前記外壁材 2 9は、気密シ一卜 3 0の次の内側から順に石膏ボード 2 9 c、発泡樹脂製断熱材 2 9 b、セメント系外壁材 2 9 aとで構成される。

このような中空壁との関係とともにその構成を以下に詳説する。

先ず、貫通ダク卜部材の形態から説明する。

本発明の基本的な貫通ダクト部材は、例えば図 1の（a ) 、（b ) 、 ( c ) に示すように、中央の蛇腹状の伸縮部 2の両側に内部フランジ 5、 6が備わり、一方側の内部フランジ 5の外側には外周溝 3を挟んで外部フランジ 4が形成され、他方側の内部フランジ 6の外側には差込ガイド部 7がー体的に形成されている。

前記貫通ダク卜部材は、図 1の（a ) の力が加わっていない状態から、力が加わつて（b ) の曲がった状態、（c ) の縮んだ状態などに変形する柔軟性と、元の状態に復元する弾力性を有する合成樹脂製の管材 1で一体的に形成されている。そして、この変形は指で押し変形させ潰すことができる程度までの柔軟性を備える。その素材として、ポリエチレンフィル厶ゃゴム状の合成樹脂が使用できる。

この貫通ダク卜部材の寸法は、上記のように取り付ける内壁材 2 8と外壁材 2 9とから成る中空壁の貫通孔によって、制約を受けた構成となる <i

図 1に示すように、前記管材 1の一方側の外周には端部側に前記内壁材 2 8の貫通孔 3 1よりも大径の外部フランジ 4を形成し、該外部フランジ 4より中央側に前記内壁材 2 8の厚さとほぼ等しい溝幅の外周溝 3を形成する内部フランジ 5を一体的に設ける。

前記外周溝 3は、例えば図 1では、内壁材 2 8に対応させるために、外部フランジ 4と内部フランジ 5の間は石膏ボードなどの標準板厚 1 2 m mとし、内壁材 2 8の両面から外部フランジ 4と内部フランジ 5とが気密状態に嵌合できるように、外周溝 3の幅を 1 2 m mとする。そして、前記内部フランジ 5も前記貫通孔 3 1よりも大径とする。

また、前記管材 1の他方側の外周には、前記内部フランジ 5から壁内の中空間隔 W よりも離れた部位に前記外壁材 2 9の貫通孔 3 2よりも大径の内部フランジ 6を一体的に設け、該内部フランジ 6よりもさらに端部側に前記中空間隔 Wよりも長い差込ガイド部 7を一体的に形成する。

前記差込ガイド部 7が長いので、先端がガイド役となって円滑に内壁材 2 8の貫通孔から差し込んで外壁材 2 9の貫通孔から外に抜き出させることが可能となる。

該差込ガイド部 7は、壁に装着後、中に通過させて配設した線類及び管類を絞り着けその周囲を粘着テープ又は針金で結束することも可能であるが、その場合、あまり長いと機器の線類及び管類を通しにくくなるので、粘着テープなどでの結束が可能な範囲の長さにできるだけ短くすると良い。しかし、前記中空間隔 Wよりも短いと貫通孔から差し込んだ先端が他の貫通孔まで届かないので全体が差し込みにくくなるので好ましくない。

また、前記管材 1の外周径は、前記外部フランジ 4と内部フランジ 5との間に形成される外周溝 3部分では前記内壁材 2 8の貫通孔 3 1とほぼ等しい径に形成し、前記差込ガイド部 7では前記他方側の外壁材 2 9の貫通孔 3 2とほぼ等しい径に形成する。

外径を前記貫通孔 3 1、 3 2の径ととほぼ等しい径に形成したのは、前記貫通孔 3 1 、 3 2の径ょリ小径の場合には貫通孔 3 1 、 3 2との間にその分だけ隙間が生じ、貫通孔 3 1 、 3 2の口縁の密閉性が低下するおそれがあり、逆に外径が前記貫通孔 3 1 、 3 2の径ょリ大径の場合では装着されたときの変形が復元しきれずに隙間が発生するおそれがあるためである。

通常、エアコン用では貫通孔は 6 5 m mとする場合が多い。したがって、そのサイズの貫通孔では、前記外部フランジ 4と内部フランジ 5、 6の外径は、貫通孔の変形を考慮して約 8 O m mから 1 0 0 m m程度であれば良い。

そして、前記両内部フランジ 5、 6の内周面にはそれぞれ内部フランジ 5、 6の肉厚内に広がる内周溝 8、 9を形成する。

該内周溝 8、 9の溝内には、図 2に示すように、該内周溝 8、 9の溝幅とほぼ同厚とした弾力性を備えた柔軟なスポンジで作られた、図 5に示すリング状充填部材 1 0を充填する。

そして、前記内周溝 8、 9の溝内に充填されたリング状充填部材 1 0を、一方の半周側は前記内周溝 8、 9内に固定し、固定させない他方の半周側は前記内周溝 8、 9から溝外に引き出し可能に納める。

前記リング状充填部材 1 0は、内周溝 8、 9側から内部フランジ 5、 6の内壁材 2 8又は外壁材 2 9からの押圧を受けて、内部フランジ 5、 6とそれらの壁材の内面との密着性を高めるために装着するものである。

なお、上記貫通ダクト部材の周囲を断熱材で覆うことで、中空空間と外部との断熱効果を高めることも可能である。

前記両内部フランジ 5、 6間には蛇腹状の伸縮部 2を形成し、貫通孔が 6 5 m mの場合には、蛇腹はその貫通孔とほぼ等しい 6 5 m mの内径で外径は 8 O m mとする。そして蛇腹状の伸縮部 2は、前記内壁材 2 8と外壁材 2 9との中空間隔 Wより長く、且つ縮めたときに該間隔内に納まる長さで、且つ指の力で柔軟に変形し、復元可能な約 2 m mの厚みとする。

外部フランジ 4は円板状、半円形板状や多角形板状など自由な形状の板状に形成できる。さらに、パテによる充填を考慮してパテの付け代の形状や、パテによる充填をしない場合には室内壁面に目立たないような色や形状にしても良い。また、エアコンの後ろに隠した貫通孔がエアコンの外周際にある場合に外部フランジ 4の一部分がはみ出す場合には、その部分を取り付け場所の状況に合わせて鋏やカツ夕一で切除するなど、材質が柔軟性の合成樹脂なので自由に加工することができる。

前記貫通ダク卜部材は上記管材のみでも使用は可能であるが、図 3及び図 4に示すように、管材の端部から差し込んで、中空壁の貫通孔に管材の端部を固定する端部押さえ部材を組み合わせて用いることができる。

該端部押さえ部材では、例えば、図 4の（a ) に示すように、管材 1より硬質な弾性体を用い、前記管材 1の端部の内周径とほぼ同径の外周径とした筒体 1 3の一方端部に、フランジ部 1 4を備えた端部押さえ部材 1 2が使用できる。

図 4の（a ) に示す端部押さえ部材 1 2は、前記管材 Ίのいずれか一方又は両方の端部の内周径とほぼ同径の外周径とした筒体 1 3の基端部にはフランジ部 1 4を備え、該筒体 1 3の先端部には、外周面に前記フランジ部 1 4が前記外壁材 2 9又は内壁材 2 8の外面に接合状態で前記管材 1の内周溝 8、 9内に係合可能な凸部 1 5が形成され、該筒体 1 3の周方向に間隔を置いて先端部から前記凸部 1 5のある位置よりも深い部位に達する割溝 1 6が形成されている。

また、これとは別に図 3に示す端部押さえ部材 1 7は、前記管材 1のいずれか一方又は両方の端部の内周径とほぼ同径の外周径とした筒体 1 8の基端部に外周面に雄螺部 2 0を形成し、該雄螺部 2 0に螺合する雌螺部 2 1を形成したフランジ部材 1 9を螺着可能に備え、該筒体 1 8の先端部には、外周面に前記フランジ部 1 4が前記外壁材 2 9 又は内壁材 2 8の外面に接合状態で前記管材 1の内周溝 8、 9内に係合可能な凸部 2 2 が形成され、該筒体 1 8の周方向に間隔を置いて先端部から前記凸部 2 2のある位置よリも深ヽ部位に達する割溝 2 3が形成されている。

前記端部押さえ部材 1 7では、別の形態のフランジ部材 1 9を使用できる。

その形態は、図 4の（b ) 及び（c ) に示すように、筒部 2 4とその先端に形成されたフランジ部 2 5とから成り、該フランジ部 2 5の基端部側の内周面には、前記端部押さえ部材 1 7の外周面に形成された雄螺部 2 0に螺合する雌螺部 2 6を形成し、前記フランジ部 2 5の先端部側の内周面には、前記管材 1の差込ガイド部 7を挿入可能とする差込み溝 2 7を形成したものである。

前記端部押さえ部材 1 7の筒体の先端部に外周に突出させた凸部 1 5、 2 2は、筒体の先端部から該凸部 1 5、 2 2のある位置よりも深く切欠した割溝 1 6、 2 3によつて、凸部 1 5、 2 2の突出部分がそれよりも狭い筒体の内周面を通過するときに内側に湾曲することで、筒体に装着しやすくなるとともに、前記内周溝 8、 9に嵌合して抜けにくくなリ貫通ダク卜部材の端部のフランジを壁材に対して確実に固定することができるようになる。

次に前記外壁材 2 9と内壁材 2 8とから成る中空壁の少なくとも一方の壁内面に気密シー卜 3 0が張設され、それらの各材を貫通したほぼ同径の貫通孔に対して上記貫通ダク卜部材を使用したダク卜構造について説明する。

そのダクト構造の施工は、図 8に示すように、内壁材 2 8の貫通孔 3 1から、管材 1の差込ガイド部 7を先にして差込み、さらに、図 9に示すように、内壁材 2 8の貫通孔 3 1に管材 1を変形させつつ差込ガイド部 7の端部を外壁材 2 9の貫通孔 3 2に掛け渡して外周溝 3までを差し込む。

図 8の場合、内壁材 2 8側から差し込んで装着する方法を示しているが、外壁材 2 9の貫通孔 3 2から管材 1を変形させつつ差込ガイド部 7の端部を貫通孔 3 1に掛け渡して差し込むこともできる。

そして、図 9に示すように、内壁材 2 8の貫通孔 3 1から管材 1を押し込めようとすると、外壁材 2 9に差込ガイド部 7側の内部フランジ 6が当たり、さらに押し込めると、蛇腹状の伸縮部 2の内部フランジ 5、 6間の長さが縮み、内部フランジ 5が中空空間に入って管材 1の外周溝 3が内壁材 2 8に密着状態に嵌合し、さらにその先方の内部フランジ 6が壁の中空内に残って差込ガイド部 7が貫通孔 3 2から外側に突出される。

これによつて、前記両内部フランジ 5、 6間の蛇腹状の伸縮部 2の復元力で内部フランジ 5、 6が外壁材 2 9と内壁材 2 8の中空内壁面を押圧して両貫通孔と管材 1の外周との間を遮断し、中空空間の気密性が維持できるようになる。

次に、図 1 0に示すように、外壁材 2 9から外に突出した差込ガイド部 7の部分を切除した後、管材 1の端部に端部押さえ部材を嵌め込んで貫通ダク卜部材の端部を固定する構造を説明する。この端部押さえ部材は、図 1 1に示すように、管材 1の端部の両側に固定する場合と、いずれか一方のみに固定する場合とがある。

管材 1の端部の両側に固定する場合を示す図 1 1で、一方側の前記端部押さえ部材 1 2を使用したダクト構造を説明する。

図 1 1に示す端部押さえ部材 1 2は内壁材 2 8側のように壁材の厚さが決まっている場合に使用され、筒体部分の長さ調節を要しない場合の構造であり、前記貫通ダク卜部材に形成された外部フランジ 4から管材 1内に差し込んで、管材 1の端部を前記貫通孔 3 1に固定するものである。

前記端部押さえ部材 1 2は、外部フランジ 4側から管材 1 に差し込んでその内周溝 8に端部押さえ部材 1 2の凸部 1 5を係合させる。

この端部押さえ部材 1 2の装着は筒体 1 3の先端部凸部 1 5が外周溝 3部分の内周面に押されて割溝 1 6による変形でスムーズに差し込まれ、内周溝 8に到って復元し、内周溝 8内に凸部 1 5が嵌合して抜けにくくなり、壁に貫通ダクト部材が確実に固定される。

即ち、管材 1の内部フランジ 5と前記端部押さえ部材のフランジ部 1 4とで内壁材 2 8と外部フランジ 4とが一緒に挟みつけられて貫通孔 3 1に固定される。

また、図 1 1に示す外壁材 2 9側の端部押さえ部材 1 7は、壁材の厚さが種々で異なっている場合、筒体に螺着しているフランジ部材の位置の移動で壁材の各種の厚さに自由に対応可能とするものである。管材 1の差込ガイド部 7側の外壁材 2 9の貫通孔 3 2から外側に突出した差込ガイド部 7を全部切除した後に、差込ガイド部 7から管材 1 内に、図 3に示す端部押さえ部材 1 7を差し込んで、その差込ガイド部 7側の端部を前記貫通孔 3 2に固定する。この端部押さえ部材 1 7は、切除した差込ガイド部 7側から管材 1に差し込んでその内周溝 9に端部押さえ部材〗 7の凸部 2 2を係合させる。

この場合も端部押さえ部材 1 7の装着は、筒体 1 8の先端部の凸部 2 2が差込ガイド部 7の内周面に押されて割溝 2 3による変形でスムーズに差し込まれ、内周溝 9に到つて復元し、内周溝 9内に凸部 2 2が嵌合して抜けにくくなリ、壁に貫通ダクト部材が確実に固定される。

そして、前記端部押さえ部材 1 7の筒体 1 8の雄螺部 2 0にフランジ部材 1 9内周の雌螺部 2 1で螺着し、前記フランジ部材 1 9を回転させて外壁の外面に強く当接させ、管材 1の内部フランジ 6と前記端部押さえ部材 1 7のフランジ部材 1 9とで外壁材 2 9 及び気密シー卜 3 0を挟みつけて管材 1の差込ガイド部 7側の端部を前記貫通孔 3 2に確実に固定する。

上記の如く、図 1 1に示す形態では、内壁材 2 8側の端部押さえ部材 1 2と外壁材 2 9側の端部押さえ部材 1 7との管材 1の両側で、外壁材 2 9と内壁材 2 8間の中空空間の気密性が維持される。

そして、管材 1より硬い合成樹脂製の端部押さえ部材 1 7の補強で管材〗の両側で貫通孔 3 1 、 3 2との隙間が塞がれるとともに、柔らかい合成樹脂製の管材 1の内周方向への変形が防止されるので、より確実に固定される。

図 1 2に示すこれとは別の形態は、管材 1の差込ガイド部 7側の貫通孔 3 2から外側に突出した差込ガイド部 7をその一部を少し突出させてカツ夕一などで切除した後に、差込ガイド部 7から管材 1内に、図 4に示す端部押さえ部材 1 7を差し込んで、その差込ガイド部 7側の端部を前記貫通孔 3 2に固定するものである。

該端部押さえ部材 1 7は、前記差込ガイド部 7側から管材 1に差し込んでその内周溝 9に端部押さえ部材 1 7の凸部 2 2を係合させる。

この形態でも、端部押さえ部材 1 7の装着は、筒体 1 8の先端部の凸部 2 2が差込ガイド部 7の内周面に押されて割溝 2 3による変形でスムーズに差し込まれ、内周溝 9 に到って復元し、内周溝 9内に凸部 2 2が嵌合して抜けにくくなリ、壁に貫通ダクト部材が確実に固定される。

そして、前記端部押さえ部材 1 7の筒体 1 8の雄螺部 2 0に、図 4に示すフランジ部材 1 9が雌螺部 2 6で螺着され、前記フランジ部材 1 9を回転させて外壁の外面に強く当接させる。

この際、前記フランジ部材 1 9の基端部側の内周面には、図 4に示すように、前記端部押さえ部材 1 7の外周面に形成された雄螺部 2 0に螺合する雌螺部 2 6が形成され、そのフランジ部材 1 9の先端部側の内周面には、前記管材 1の差込ガイド部 7を揷入可能とする差込み溝 2 7が形成されており、この差込み溝 2 7に差込ガイド部 7が差し込まれて、前記フランジ部材 1 9が外壁材 2 9の外面に当接できるように螺着可能となる。

そして、前記管材 1の内部フランジ 6と前記端部押さえ部材 1 7のフランジ部材 1 9とで外壁材 2 9及び気密シ一卜 3 0を強く挟みつけて管材 1の差込ガイド部 7側の端部を前記貫通孔 3 2に確実に固定することが可能となる。

図 1 1及び図 1 2のダクト構造においては、貫通ダクト部材の内周溝 8、 9内に、発泡樹脂製の柔軟性リング状充填部材 1 0を装着した形態を示している。

この形態では、中空空間内の内部フランジ 5、 6が、前記リング状充填部材 1 0のバックアップで壁材の貫通孔周囲の内表面に押し付けられ密着されるので、貫通孔と管材との隙間が確実に遮断される。即ち内周溝 8、 9側から内部フランジ 5、 6の内壁材 2 8と外壁材 2 9からの押圧を受けて内部フランジ 5、 6と内壁材 2 8と外壁材 2 9の内面との密着性が高められる。

その結果、室内及び室外の空間と壁内の中空空間とをより確実に遮断し、壁の断熱性低下や壁内部の結露が防止される。

そして、図 1 3に示すように、両貫通孔 3 1 、 3 2に装着した管材 1内を通過させて配設した線類及び管類との間に生じた管材 1内の室内側と室外側の開口隙間にパテなどの充填材 3 7を充填して室内側と室外側とを遮断し、エアコンなどのダク卜取付工事が終了する。図面の簡単な説明

図 1の（a ) は本発明の貫通ダクト部材のカを加えない状態、（b ) は本発明の貫通ダク卜部材の曲げた状態、（ c ) は本発明の貫通ダク卜部材の縮めた状態を示す斜視図である。

図 2は図 1の（ c ) の縦断側面図である。

図 3の（a ) は端部押さえ部材の筒体側、（b ) は端部押さえ部材のフランジ部を示す縦断斜視図である。

図 4の（a ) は端部押さえ部材のフランジ付き筒体の形態を示し、（b ) は端部押さえ部材のフランジを螺着した筒体側、（ c ) は端部押さえ部材のそのフランジ部を示す縦断斜視図である。

図 5の（a ) はリング状充填部材の斜視図、（b ) はリング状充填部材の縦断斜視図である。

図 6は中空壁構造の貫通孔を示す縦断側面図である。

図 7は貫通ダク卜部材を装着した中空壁のダク卜構造を示す縦断側面図である。図 8は図 7における施工工程を示す縦断側面図である。

図 9は図 8の次の施工工程を示す縦断側面図である。

図 1 0は貫通ダク卜部材を装着した中空壁のダク卜構造を示す縦断側面図である。図 1 1は端部押さえ部材を装着した中空壁のダク卜構造を示す縦断側面図である。図 1 2は別の形態の端部押さえ部材を装着した中空壁のダク卜構造を示す縦断側面図である。

図 1 3は充填材での貫通ダク卜部材の両側を塞いだエアコン装着後のダク卜構造を示す縦断側面図である。

符号の説明

W 壁の中空空間の間隔

1 管材 2 伸縮部

3 外周溝

4 外部フランジ

5 内部フランジ

6 内部フランジ

7 差込ガイド部

8 内周溝

9 内周溝

1 0 リング状充填部材

1 2 端部押さえ部材

1 3 筒体

1 4 フランジ部

1 5 凸部

1 6 割溝

1 7 端部押さえ部材

1 8 筒体

1 9 フランジ部材

2 0 雄螺部

2 1 雌螺部

2 2 凸部

2 3 割溝

2 4 筒部

2 5 フランジ部

2 6 雌螺部

2 7 差込み溝

2 8 内壁材

2 9 外壁材

2 9 a セメント系外壁材

2 9 b 発泡樹脂製断熱材

2 9 c 石膏ボード

3 0 気密シー卜

3 7 充填材産業上の利用可能性

本発明は貫通ダク卜部材とその貫通ダク卜部材を用いた中空壁のダク卜構造であるが、本貫通ダクト部材は壁面、床面、天井面などで間隔を開けて二重構造を成した部分に貫通孔を設ける場合はその内部の気密性を保持目的で使用することが可能である。

Claims

請求の範囲

Ί . 内壁材と外壁材とから成る中空壁の貫通孔に対して貫着可能に柔軟性と弾力性を有する合成樹脂製の管材で一体的に形成した貫通ダク卜部材において、

前記管材の一方側の外周には、端部側に前記貫通孔ょりも大径の外部フランジを形成し、該外部フランジより中央側に前記内壁材又は外壁材のいずれか一方の厚さとほぼ等しい溝幅の外周溝を形成する内部フランジを前記貫通孔よりも大径に形成し、前記管材の他方側の外周には、前記内部フランジから壁内の中空間隔よりも離れた部位に前記貫通孔ょリも大径の内部フランジを設け、該内部フランジよりもさらに端部側に前記中空間隔よりも長い差込ガイド部を形成し、

前記管材の外周径を、前記外周溝部分では上記一方側の内壁材又は外壁材の貫通孔とほぼ等しい外径に形成し、前記差込ガイド部側の内部フランジ寄り部位では前記他方側の貫通孔とほぼ等しい外径に形成し、

前記両内部フランジの内周面にはそれぞれ内部フランジの厚肉内に広がる内周溝を形成し、

前記両内部フランジ間には、貫通孔とほぼ等しい内径で、前記外壁材と内壁材との間隔より長く、縮めたときに該間隔内に納まる長さで、指の力で柔軟に変形し且つ復元可能な厚みとした蛇腹状の伸縮部を形成したことを特徴とする貫通ダク卜部材。

2 . 内周溝の溝内に、該内周溝の溝幅とほぼ同厚とした弾力性を備えた柔軟なリング状充填部材を充填したことを特徴とする請求項 1に記載の貫通ダク卜部材。

3 . 内周溝の溝内に充填されたリング状充填部材を、一方の半周側は前記内周溝内に固定し、固定させない他方の半周側は前記内周溝から溝外に引き出し可能に納めたことを特徴とする請求項 2に記載の貫通ダク卜部材。

4 . 請求項 1乃至 3のいずれかに記載の貫通ダク卜部材の管材の端部から差し込んで、中空壁の貫通孔に管材の端部を固定する端部押さえ部材を備えた貫通ダク卜部材であって、前記端部押さえ部材が、前記管材のいずれか一方又は両方の端部の内周径とほぼ同径の外周径とした筒体の基端部にはフランジ部を備え、該筒体の先端部には、外周面に前記フランジ部が前記外壁材又は内壁材の外面に接合状態で前記管材の内周溝内に係合可能な凸部を形成し、該筒体の周方向に間隔を置いて先端部から前記凸部のある位置よりも深い部位に達する割溝を形成したことを特徴とする貫通ダク卜部材。

5 . 請求項 1乃至 3のうちいずれかに記載の貫通ダク卜部材の管材の端部から差し込んで、中空壁の貫通孔に管材の端部を固定する端部押さえ部材を備えた貫通ダク卜部材であって、前記端部押さえ部材が、前記管材のいずれか一方又は両方の端部の内周径とほぼ同径の外周径とした筒体の基端部には外周面に雄螺部を形成し、該雄螺部に螺合する雌螺部を形成したフランジ部材を螺着可能に備え、該筒体の先端部には、外周面に前記フランジ部が前記外壁材又は内壁材の外面に接合状態で前記管材の内周溝内に係合可能な凸部を形成し、該筒体の周方向に間隔を置いて先端部から前記凸部のある位置よりも深い部位に達する割溝を形成したことを特徴とする貫通ダク卜部材。請求項 5に記載の端部押さえ部材のフランジ部材が、筒部とその先端に形成されたフランジ部とから成り、該フランジ部の基端部側の内周面には、前記端部押さえ部材の外周面に形成された雄螺部に螺合する雌螺部を形成し、前記フランジ部の先端部側の内周面には、前記管材の差込ガイド部を挿入可能とする差込み溝を形成したことを特徴とする貫通ダク卜部材。外壁材と内壁材とから成る中空壁の少なくとも一方の壁内面に気密シー卜が張設され、それらの各材を貫通したほぼ同径の貫通孔に対して請求項 1乃至 3のうちいずれかに記載の貫通ダク卜部材を使用したダク卜構造であって、

前記外壁材又は内壁材に設けた貫通孔に前記貫通ダク卜部材が、差込ガイド部を先にして一方から差し込まれ、

前記貫通ダク卜部材の外周溝が差込側の壁材に嵌合固定されるとともに先方の内部フランジが壁の中空内に残って前記差込ガイド部が前記貫通孔から外側に突出され、前記貫通ダク卜部材の両内部フランジ間の蛇腹状の伸縮部の復元力で、前記両内部フランジが外壁材と内壁材の中空内壁面を押圧して両貫通孔と管材の外周との間を遮断し、外壁材と内壁材間の中空空間の気密性を維持可能としたことを特徴とする中空壁のダク卜構造。外壁材と内壁材とから成る中空壁の少なくとも一方の壁内面に気密シ一卜が張設され、それらの各材を貫通したほぼ同径の貫通孔に対して請求項 4乃至 6のうちいずれかに記載の貫通ダク卜部材を使用したダク卜構造であって、

前記貫通ダク卜部材の外周溝が差込側の壁材に嵌合固定されるとともに先方の内部フランジが壁の中空内に残って前記差込ガイド部が前記貫通孔から外側に突出され、前記貫通ダク卜部材の両内部フランジ間の蛇腹状の伸縮部の復元力で、前記両内部フランジが外壁材と内壁材の中空内壁面を押圧して両貫通孔と管材の外周との間を遮断し、前記貫通ダク卜部材の一方側に形成された外部フランジ部から管内に請求項 4に記載の端部押さえ部材を差し込んで、管材の端部を前記貫通孔に固定し、外壁材と内壁材間の中空空間の気密性を維持可能としたことを特徴とする中空壁のダク卜構造。請求項 7又は 8に記載の貫通ダク卜部材を使用した中空壁のダク卜構造であって、差込ガイド部側の貫通孔から外側に突出した差込ガイド部を切除し、請求項 4乃至 6のいずれかに記載の端部押さえ部材の凸部を切除した差込ガイド部側から管材内周面の内周溝に差し込んで係合させ、前記端部押さえ部材の筒体に螺着しているフランジ部を回転させて壁外面に強く当接させ、管材の内部フランジと前記端部抻さえ部材のフランジ部材とで壁材を挟みつけて管材の差込ガイド部側の端部を前記貫通孔に固定し、

管材の両側で外壁材と内壁材間の中空間隔の気密性を維持可能としたことを特徴とする中空壁のダク卜構造。 . 請求項 7乃至 9のうちいずれかに記載の中空壁のダクト構造において、貫通孔に装着した管材内を通過させて配設した線類及び管類との間に生じた管材内の室内側と室外側の開口隙間に充填材を充填して、室内側と室外側を遮断したことを特徴とする中空壁のダク卜構造。