JP6690997B2 - 建具 - Google Patents

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Description

本発明は、建物躯体の開口部に設置されるドアなどの建具に装着される隙間塞ぎ材を備えた建具に関する。
従来、上下枠および左右の縦枠を有する開口部枠を建物躯体に取り付け、開口部枠および建物躯体間にコーキング部を施すことが知られている(特許文献1参照)。
コーキング部を構成するコーキング剤としては、一般に、シリコーン系、ポリウレタン系などの樹脂が用いられる湿式のものであり、このコーキング剤がコーキングガンによって開口部枠と建物躯体との間に充填される。
特開2002−061458号公報
ところで、改修工事において既設の開口部枠(既設枠)にドアなどの建具を取り付ける場合には新設する建具と既設枠および建物躯体との間をシールする必要があるが、前述した湿式のコーキング剤を用いると、当該コーキング剤が乾燥するまでの養生期間が必要となる。
また、建物躯体に建具を新設する場合であっても、高いシール性が要求されない箇所には養生期間を必要とせずに速やかにシールできることが望ましい。
本発明の目的は、養生期間を必要とせずに施工できる隙間塞ぎ材を備えた建具を提供することにある。
本発明の建具は、建物躯体に固定された既設枠に取り付けられる建具であって、前記既設枠に固定される枠体と、前記枠体内に配置される扉体と、前記既設枠および前記枠体間に設置される隙間塞ぎ材とを備え、前記枠体は、当該枠体の見込み方向に沿って配置される装着片部を有し、前記装着片部の先端は、前記既設枠の室外面に対して間隔を隔てて対向して配置され、前記隙間塞ぎ材は、前記装着片部に装着される装着基部と、軟質樹脂製の止水部と、軟質樹脂製のヒレ部とを有し、前記装着基部は、前記止水部および前記ヒレ部よりも硬質な硬質樹脂製によって構成され、前記装着基部は、互いに間隔を隔てて対向する第一片部および第二片部と、前記第一片部および前記第二片部を連結するベース部とを有し、前記第一片部、前記第二片部および前記ベース部によって枠体装着用の凹溝が形成され、前記止水部は、前記ベース部のうち前記凹溝を形成する面とは反対側であって室内側に面する外面から延出し、前記ヒレ部は、前記第一片部のうち前記凹溝を形成する面とは反対側の外面から前記枠体の見付け方向外側に延出し、前記止水部は前記既設枠に当接するとともに、前記ヒレ部は前記建物躯体に当接することを特徴とする。
本発明の建具によれば、隙間塞ぎ材の装着基部を装着片部に装着し、止水部を既設枠に押し当てて圧縮変形し、かつ、ヒレ部を建物躯体側に押し当てて撓ませることで、新設する建具と既設枠および建物躯体側との間をシールでき、養生期間を必要とせずに隙間塞ぎ材を施工できる。
本発明の建具は、建物躯体に固定された既設枠に取り付けられる建具であって、前記既設枠に固定される枠体と、前記枠体内に配置される扉体と、前記既設枠および前記枠体間に設置される隙間塞ぎ材とを備え、前記枠体は、当該枠体の見付け方向に沿って配置される装着片部を有し、前記隙間塞ぎ材は、前記装着片部に装着される装着基部と、軟質樹脂製の止水部と、軟質樹脂製のヒレ部とを有し、前記装着基部は、前記止水部および前記ヒレ部よりも硬質な硬質樹脂製によって構成され、前記装着基部は、互いに間隔を隔てて対向する第一片部および第二片部と、前記第一片部および前記第二片部を連結するベース部とを有し、前記第一片部、前記第二片部および前記ベース部によって枠体装着用の凹溝が形成され、前記止水部は、前記ベース部のうち前記装着基部の第一片部に沿った部分に連続して形成され、前記ヒレ部は、前記第一片部から室内側に延出し、前記止水部は前記既設枠に当接するとともに、前記ヒレ部は前記建物躯体に当接することを特徴とする。
本発明の建具によれば、隙間塞ぎ材の装着基部を装着片部に装着し、止水部を既設枠に押し当てて圧縮変形し、かつ、ヒレ部を建物躯体側に押し当てて撓ませることで、新設する建具と既設枠および建物躯体側との間をシールでき、養生期間を必要とせずに隙間塞ぎ材を施工できる。
本発明の隙間塞ぎ材では、前記第一片部および前記第二片部のうちの少なくとも一方と前記ベース部との連続部分には、可撓性を有する可撓部が形成されることが好ましい。
このような構成によれば、可撓部を撓めることで、第一片部と第二片部とを離間して凹溝を開くことができ、枠体の装着片部に容易に装着できる。例えば、枠体の装着片部に両面テープ等の接着材が設けられている場合には、凹溝を開いて第二片部を装着片部に沿って配置し、続いて、凹溝を閉じながら第一片部を装着片部の接着剤に接着できる。
本発明の隙間塞ぎ材では、前記ヒレ部には、前記第一片部からの延出方向に沿って並んだ切込みが形成されることが好ましい。
このような構成によれば、切込みが形成された位置でヒレ部を簡単に折曲でき、隙間塞ぎ材が装着される建具の枠体とヒレ部を当てる建物躯体側との隙間幅に対応してシールできる。
本発明によれば、養生期間を必要とせずに施工できる隙間塞ぎ材を備えた建具を提供できる。
本発明の第1実施形態に係るドアを示す外観姿図。 第1実施形態に係るドアを示す縦断面図。 第1実施形態に係るドアを示す横断面図。 第1実施形態に係るドアの隙間塞ぎ材を示す説明図。 第1実施形態に係るドアの隙間塞ぎ材の装着手順を示す説明図。 本発明の第2実施形態に係るドアを示す縦断面図。 第2実施形態に係るドアを示す横断面図。 第2実施形態に係るドアの隙間塞ぎ材を示す説明図。
[第1実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3において、本実施形態に係る建具であるドア1は、建物躯体2の開口部3に固定された既設枠4に取り付けられる改修用の玄関ドアである。ドア1は、既設枠4に固定される枠体であるドア枠5と、ドア枠5内に配置される扉体6とを備えている。ドア枠5は吊元側で丁番12を介して扉体6を開閉可能に支持している。
既設枠4は、図2,3に示すように、既設上枠41、既設下枠42および左右の既設縦枠43,44を枠組みして構成されている。
既設上枠41は、図2に示すように、室外見付け片部411と、見込み片部412と、室内見付け片部413とを有している。室外見付け片部411および室内見付け片部413の上端部は既設上枠41の見込み方向に折曲されて折曲片部414,415が形成されている。折曲片部414,415が建物躯体2への取付部材416に掛けられている。また、室外見付け片部411側の折曲片部414と建物躯体2との間には、シリコーン系、ポリウレタン系などの樹脂からなる湿式のシール材417が施されている。
なお、既設下枠42および既設縦枠43,44も既設上枠41と同様の断面形状に形成されている。既設下枠42の折曲片部414,415は、図2に示すように、既設下枠42の室外見付け片部411および室内見付け片部413の下端部が折曲されて形成されており、既設縦枠43の折曲片部414,415は、図3に示すように、既設縦枠43の室外見付け片部411および室内見付け片部413の右側端部が折曲されて形成されており、既設縦枠44の折曲片部414,415は、図3に示すように、既設縦枠44の室外見付け片部411および室内見付け片部413の左側端部が折曲されて形成されている。
ドア枠5は、図1に示すように、金属製の上枠51、下枠52および左右の縦枠53,54を枠組みして構成されている。
上枠51は、図2に示すように、見込み片部511と、見込み片部511の室外端に連続する室外見付け片部512と、室外見付け片部512の上端部から室内側に折曲された装着片部513とを有している。見込み片部511の中間部分には、溝部511Aが形成されており、この溝部511Aに気密材10が装着されている。
上枠51の見込み片部511は、ネジ11によって既設上枠41の見込み片部412に取り付けられている。上枠51の既設上枠41への取り付け状態では、上枠51の装着片部513は上枠51の見込み方向に沿って延びた状態で先端が既設上枠41の室外見付け片部411と間隔を隔てて対向して配置される。
なお、下枠52および縦枠53,54も上枠51と同様の断面形状に形成されている。
下枠52の見込み片部511は、図2に示すように、ネジ11によって既設下枠42の見込み片部412に取り付けられている。下枠52の既設下枠42への取り付け状態では、下枠52の装着片部513は下枠52の見込み方向に沿って延びた状態で先端が既設下枠42の室外見付け片部411と間隔を隔てて対向して配置される。
図3において右側に示す縦枠53の見込み片部511は、ネジ11によって既設縦枠43の見込み片部412に取り付けられている。縦枠53の既設縦枠43への取り付け状態では、縦枠53の装着片部513は縦枠53の見込み方向に沿って延びた状態で先端が既設縦枠43の室外見付け片部411と間隔を隔てて対向して配置される。
図3において左側に示す縦枠54の見込み片部511は、ネジ11によって既設縦枠44の見込み片部412に取り付けられている。縦枠54の既設縦枠44への取り付け状態では、縦枠54の装着片部513は縦枠54の見込み方向に沿って延びた状態で先端が既設縦枠44の室外見付け片部411と間隔を隔てて対向して配置される。
ドア枠5は、図1の右側が吊元側とされて丁番12が取り付けられ、図1の左側が戸先側とされており、丁番12を介してスチール製の扉体6が開閉可能に取り付けられている。
上枠51、下枠52および左右の縦枠53,54の装着片部513には、隙間塞ぎ材としての目地材20がそれぞれ装着されている。
目地材20は、図4に示すように、装着片部513に装着される装着基部21と、軟質樹脂製の止水部22と、軟質樹脂製のヒレ部23とを有している。目地材20は、装着基部21が止水部22およびヒレ部23よりも硬質(半硬質)な硬質樹脂製とされ、装着基部21と止水部22およびヒレ部23との二色成形の押出部品によって形成されている。止水部22およびヒレ部23は、弾性を有してゴム状に形成されている。
装着基部21は、互いに間隔を隔てて対向する第一片部211および第二片部212と、第一片部211および第二片部212を連結するベース部213とを有し、第一片部211、第二片部212およびベース部213によって枠体装着用の凹溝210が形成されている。
第二片部212とベース部213との連続部分には、可撓性を有する可撓部214が形成されている。可撓部214は、その凹溝210側の部分に窪み部が形成されることで肉薄とされ、装着基部21の他の部分よりも撓みやすい構成とされている。
止水部22は、ベース部213に連続して圧縮変形可能に筒状に形成されている。
ヒレ部23は、第一片部211から延出しており、第一片部211からの延出方向に沿って並んだ切込み231が複数形成されている。各切込み231が形成された部分では、ヒレ部23を二点鎖線で示すように容易に折曲可能な構成となっている。
[目地材の装着手順]
以下、第1実施形態に係るドア1における目地材20の装着手順について説明する。
第1実施形態では、図2,3に示すように上枠51および左右の縦枠53,54に目地材20を装着する。各枠への装着手順は同様であるので、以下、上枠51への目地材20の装着についてのみ説明し、左右の縦枠53,54への目地材20の装着についての説明は省略する。
先ず、図5(A)に示すように、上枠51の装着片部513の上側の面に接着材である両面テープ13を貼付する。次に、目地材20の可撓部214を撓めて凹溝210を開き、第二片部212を装着片部513の下面に沿って配置する。次に、凹溝210を閉じつつ第一片部211を両面テープ13に当てて接着する。
このようにして、目地材20を上枠51の装着片部513に装着するので、両面テープ13によって装着片部513に接着された目地材20は、施工時のハンドリング等において目地材が装着片部から脱落したり、温度条件の如何によって伸縮したり、装着基部21が装着片部513から浮き上がって波打つことを抑制できる。
[第1実施形態の効果]
(1)第1実施形態では、目地材20は、ドア枠5に装着される装着基部21と、軟質樹脂製の止水部22と、軟質樹脂製のヒレ部23とを有し、装着基部21は、止水部22およびヒレ部23よりも硬質な硬質樹脂製によって構成され、装着基部21は、互いに間隔を隔てて対向する第一片部211および第二片部212と、第一片部211および第二片部212を連結するベース部213とを有し、第一片部211、前記第二片部212およびベース部213によって枠体装着用の凹溝210が形成され、止水部22は、ベース部213に連続して形成され、ヒレ部23は、第一片部211に連続して形成されることを特徴とする。
上記構成を有するため、装着基部21をドア枠5に装着し、止水部22を建物躯体2に既設された既設枠4に押し当てて圧縮変形し、かつ、ヒレ部23を建物躯体2側に押し当てて撓ませることで、新設するドア1と既設枠4および建物躯体2側との間をシールでき、養生期間を必要とせずに施工できる。
また、改修ではなく建物躯体2の開口部3にドア1を新設する場合であっても、高いシール性が要求されない箇所、例えば、清掃などによる水の侵入を抑制できる程度のシール性があればよい箇所に対しては、前述した目地材20を設置することで、養生期間を必要とせずに速やかに施工できる。
(2)また、軟質樹脂製の止水部22を既設枠4に押し当てることで、当該止水部22の圧縮変形可能な範囲でドア枠5と既設枠4との隙間幅の施工誤差に対応できる。さらに、軟質樹脂製のヒレ部23を建物躯体2側に押し当てることで、ドア枠5と建物躯体2側との隙間幅の施工誤差に対応できる。
(3)装着基部21の第二片部212とベース部213との連続部分には、可撓性を有する可撓部214が形成される。このため、可撓部214を撓めることで、第一片部211と第二片部212とを離間して凹溝210を開くことができ、装着片部513に容易に装着できる。例えば、装着片部513に接着材として両面テープ13が設けられている場合には、凹溝210を開いて第二片部212を装着片部513に沿って配置し、続いて、凹溝210を閉じながら第一片部211を両面テープ13に接着できる。
(4)ヒレ部23には、第一片部211からの延出方向に沿って並んだ切込み231が形成される。このため、切込み231が形成された位置でヒレ部23を簡単に折曲でき、目地材20が装着されるドア枠5とヒレ部23を当てる建物躯体2側との隙間幅に対応してシールできる。
また、前記切込み231を形成することで、当該切込み231が形成された部分においてヒレ部23を裂くことも可能な構成とされている。
(5)建物躯体2に固定された既設枠4に取り付けられるドア1は、既設枠4に固定されるドア枠5と、ドア枠5内に配置される扉体6と、前述した目地材20とを備え、ドア枠5は、当該ドア枠5の見込み方向に沿って配置される装着片部513を有し、装着片部513の先端は、既設枠4の室外面に対して間隔を隔てて対向して配置され、装着片部513には、目地材20の装着基部21が装着され、目地材20のヒレ部23は、装着基部21の第一片部211からドア枠5の見付け方向外側に延出し、止水部22は既設枠4に当接するとともに、ヒレ部23は建物躯体2側に当接することを特徴とする。
このため、目地材20の装着基部21を装着片部513に装着し、止水部22を既設枠4の室外面に押し当て、かつ、ヒレ部23を建物躯体2側に押し当てることで、新設するドア1と既設枠4および建物躯体2側との間を、養生期間を必要とせずにシールできる。また、止水部22を既設枠4の室外面に押し当てることで、装着片部513の先端と既設枠4の室外面との隙間幅(ドア枠5の見込み方向における隙間幅)の施工誤差に対応できる。さらに、ドア枠5の見付け方向外側に延出したヒレ部23を建物躯体2側に押し当てることで、装着片部513と建物躯体2側との隙間幅(ドア枠5の見付け方向における隙間幅)の施工誤差に対応できる。
[第2実施形態の構成]
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図6,7において、第2実施形態に係る建具であるドア1Aは、建物躯体2の開口部3に固定された既設枠4に取り付けられる改修用の玄関ドアであり、上枠51Aと、左右の縦枠53A,54Aと、これらに装着される隙間塞ぎ材としての目地材30との構成を除いて第1実施形態に係るドア1と同様に構成されている。ドア1Aの各構成のうちドア1と同様の構成については、図に適宜同符号を付す。なお、図6に示すように、ドア1Aでは、下枠52の装着片部513に目地材20が装着されている。
上枠51Aは、図6に示すように、溝部511Aが形成された見込み片部511および室外見付け片部512を有する構成はドア1の上枠51と同様であるが、装着片部513とは異なる形状の装着片部513Aを有している。
装着片部513Aは、室外見付け片部512の上端部から室内側に折曲され、かつ、先端部分が上枠51Aの見付け方向内側(下側)に折曲されて形成されている。
上枠51Aの既設上枠41への取り付け状態では、上枠51Aの装着片部513Aの先端部分は、上枠51Aの見付け方向に沿って延びた状態で室内面が既設上枠41の室外面と間隔を隔てて対向して配置される。
なお、左右の縦枠53A,54Aも上枠51Aと同様の断面形状に形成されている。
図7において右側に示す縦枠53Aの既設縦枠43への取り付け状態では、縦枠53Aの装着片部513Aの先端部分は縦枠53Aの見付け方向に沿って延びた状態で室内面が既設縦枠43の室外面と間隔を隔てて対向して配置される。
図7において左側に示す縦枠54Aは縦枠54Aの見付け方向に沿って延びた状態で室内面が既設縦枠44の室外面と間隔を隔てて対向して配置される。
上枠51Aおよび左右の縦枠53A,54Aの装着片部513Aには、目地材30がそれぞれ装着されている。
目地材30は、図8に示すように、装着片部513Aに装着される装着基部31と、軟質樹脂製の止水部32と、軟質樹脂製のヒレ部33とを有している。目地材30は、装着基部31が止水部32およびヒレ部33よりも硬質(半硬質)な硬質樹脂製とされ、装着基部31と止水部32およびヒレ部33との二色成形の押出部品によって形成されている。
装着基部31は、互いに間隔を隔てて対向する第一片部311および第二片部312と、第一片部311および第二片部312を連結するベース部313とを有し、第一片部311、第二片部312およびベース部313によって枠体装着用の凹溝310が形成されている。ベース部313は、本実施形態では断面中空矩形状に形成されている。
第二片部312とベース部313との連続部分には、可撓性を有する可撓部314が係止されている。可撓部314は、その凹溝310の部分に窪み部が形成されることで肉薄とされ、装着基部31の他の部分よりも撓みやすい構成とされている。
止水部32は、圧縮変形可能に筒状に形成されており、ベース部313のうち第一片部311に沿った部分に連続している。
ヒレ部33は、第一片部311から室内側に延出しており、第一片部311からの延出方向に沿って並んだ切込み331が複数形成されている。各切込み331が形成された部分では、ヒレ部33を二点鎖線で示すように容易に折曲可能な構成となっている。
[目地材の装着手順]
以下、第2実施形態に係るドア1Aにおける目地材30の装着手順について説明する。
第2実施形態では、図6,7に示すように上枠51Aおよび左右の縦枠53A,54Aに目地材30を装着する。各枠への装着手順は同様であるので、以下、上枠51Aへの目地材30の装着についてのみ説明し、左右の縦枠53A,54Aへの目地材30の装着についての説明は省略する。
先ず、上枠51Aの装着片部513Aの上側の面に接着材である両面テープ(図示省略)を貼付する。次に、目地材30の可撓部314を撓めて凹溝310を開き、第二片部312を装着片部513Aの下面に沿って配置する。次に、凹溝310を閉じつつ第一片部311を両面テープに当てて接着する。
このようにして、目地材30を上枠51Aの装着片部513Aに装着するので、両面テープによって装着片部513Aに接着された目地材30は、施工時のハンドリング等において目地材30が装着片部513Aから脱落したり、温度条件の如何によって伸縮したり、装着基部21が装着片部513Aから浮き上がって波打つことを抑制できる。
[第2実施形態の効果]
(1)第2実施形態に係るドア1Aは、前述したドア1と同様の効果を発揮できる。
(2)また、上枠51Aおよび左右の縦枠53A,54Aが各枠の見付け方向に沿って配置される装着片部513Aを有し、装着片部513Aには、目地材30の装着基部31が装着され、止水部32は、ベース部313のうち装着基部31の第一片部311に沿った部分に連続して形成され、ヒレ部33は第一片部311から室内側に延出し、止水部32は既設枠4に当接するとともに、ヒレ部33は建物躯体2側に当接する。
このため、目地材30の装着基部31を装着片部513Aに装着し、止水部32を既設枠4の室外面に押し当て、かつ、ヒレ部33を建物躯体2側に押し当てることで、新設するドア1Aと既設枠4および建物躯体2側との間を、養生期間を必要とせずにシールできる。また、止水部32を既設枠4の室外面に押し当てることで、装着片部513Aの先端部分の室内面と既設枠4の室外面との隙間幅(ドア枠5の見込み方向における隙間幅)の施工誤差に対応できる。さらに、第一片部311から室内側に延出したヒレ部33を建物躯体2側に押し当てることで、装着片部513Aと建物躯体2側との隙間幅(ドア枠5の見込み方向における隙間幅)の施工誤差に対応できる。
[変形例]
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、第1実施形態では、可撓部214は、第二片部212とベース部213との連続部分に形成されているが、これに限られず、例えば、第一片部211とベース部213との連続部分に形成されていてもよい。第2実施形態では、可撓部314は、第二片部312とベース部313との連続部分に形成されているが、これに限られず、例えば、第一片部311とベース部313との連続部分に形成されていてもよい。
また、装着基部21,31から可撓部214,314の構成を省略してもよい。
第1,2実施形態では、止水部22,32は筒状に形成されているが、これに限られず、例えばヒレ状等に形成されていてもよい。
第1,2実施形態では、ヒレ部23,33に切込み231,331が形成されているが、切込み231,331の構成を省略してもよい。
1,1A…ドア(建具)、10…気密材、11…ネジ、12…丁番、13…両面テープ(接着材)、2…建物躯体、20,30…目地材(隙間塞ぎ材)、21,31…装着基部、210,310…凹溝、211,311…第一片部、212,312…第二片部、213,313…ベース部、214,314…可撓部、22,32…止水部、23,33…ヒレ部、231,331…切込み、3…開口部、4…既設枠、41…既設上枠、411,512…室外見付け片部、412,511…見込み片部、413…室内見付け片部、414,415…折曲片部、416…取付部材、417…シール材、42…既設下枠、43…既設縦枠、44…既設縦枠、5…ドア枠(枠体)、51,51A…上枠、511A…溝部、513,513A…装着片部、52…下枠、53,53A…縦枠、54,54A…縦枠、6…扉体。

Claims (4)

  1. 建物躯体に固定された既設枠に取り付けられる建具であって、前記既設枠に固定される枠体と、前記枠体内に配置される扉体と、前記既設枠および前記枠体間に設置される隙間塞ぎ材とを備え、
    前記枠体は、当該枠体の見込み方向に沿って配置される装着片部を有し、
    前記装着片部の先端は、前記既設枠の室外面に対して間隔を隔てて対向して配置され、
    前記隙間塞ぎ材は、前記装着片部に装着される装着基部と、軟質樹脂製の止水部と、軟質樹脂製のヒレ部とを有し、
    前記装着基部は、前記止水部および前記ヒレ部よりも硬質な硬質樹脂製によって構成され、
    前記装着基部は、互いに間隔を隔てて対向する第一片部および第二片部と、前記第一片部および前記第二片部を連結するベース部とを有し、前記第一片部、前記第二片部および前記ベース部によって枠体装着用の凹溝が形成され、
    前記止水部は、前記ベース部のうち前記凹溝を形成する面とは反対側であって室内側に面する外面から延出し、
    前記ヒレ部は、前記第一片部のうち前記凹溝を形成する面とは反対側の外面から前記枠体の見付け方向外側に延出し、
    前記止水部は前記既設枠に当接するとともに、前記ヒレ部は前記建物躯体に当接する
    ことを特徴とする建具。
  2. 建物躯体に固定された既設枠に取り付けられる建具であって、前記既設枠に固定される枠体と、前記枠体内に配置される扉体と、前記既設枠および前記枠体間に設置される隙間塞ぎ材とを備え、
    前記枠体は、当該枠体の見付け方向に沿って配置される装着片部を有し、
    前記隙間塞ぎ材は、前記装着片部に装着される装着基部と、軟質樹脂製の止水部と、軟質樹脂製のヒレ部とを有し、
    前記装着基部は、前記止水部および前記ヒレ部よりも硬質な硬質樹脂製によって構成され、
    前記装着基部は、互いに間隔を隔てて対向する第一片部および第二片部と、前記第一片部および前記第二片部を連結するベース部とを有し、前記第一片部、前記第二片部および前記ベース部によって枠体装着用の凹溝が形成され、
    前記止水部は、前記ベース部のうち前記装着基部の第一片部に沿った部分に連続して形成され、
    前記ヒレ部は、前記第一片部から室内側に延出し、
    前記止水部は前記既設枠に当接するとともに、前記ヒレ部は前記建物躯体に当接する
    ことを特徴とする建具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の建具において、
    前記第一片部および前記第二片部のうちの少なくとも一方と前記ベース部との連続部分には、可撓性を有する可撓部が形成される
    ことを特徴とする建具
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の建具において、
    前記ヒレ部には、前記第一片部からの延出方向に沿って並んだ切込みが形成される
    ことを特徴とする建具
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