WO2009128162A1

WO2009128162A1 - 送信装置、制御方法及び制御プログラム

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Publication number: WO2009128162A1
Application number: PCT/JP2008/057530
Authority: WO
Inventors: 欣哉大野
Original assignee: パイオニア株式会社
Priority date: 2008-04-17
Filing date: 2008-04-17
Publication date: 2009-10-22

Abstract

送信装置は、信号を再生する受信装置と通信可能であって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する。また、送信装置は、受信装置に前記信号を送信する。さらに、送信装置は、前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する。このように、送信装置は、再生する信号の信号種別に応じて設定した優先度に基づいて、信号の再生中に受信装置を排他制御することで、受信装置が優先度の高い割込み信号を再生するように制御すること可能となる。

Description

送信装置、制御方法及び制御プログラム

　本発明は、信号の再生を制御する方法に関する。

　映像、音声などのリアルタイムデータをアイソクロナス転送し、制御データなどをアシンクロナス（非同期）転送する高速シリアルデジタルインタフェースとしてＩＥＥＥ１３９４が知られている。ＩＥＥＥ１３９４関連規格概要を図１に示す。ＩＥＥＥ１３９４でアイソクロナス転送を行うためには、論理的な接続（コネクション）を、映像や音声などの送信装置及び受信装置間で確立する必要があり、図２に示すような、ＩＥＣ６１８８３－１にあるＣＭＰ（Connection Management Procedure）として知られている。

　コネクション確立は、ＩＥＥＥ１３９４のトランザクションを用いて、送信装置の持つ論理的な出力プラグと受信装置の持つ論理的な入力プラグの間を、チャンネル情報で関連付けすることで実現される。また、ＩＥＥＥ１３９４の伝送プロトコルは、現在までのところ、ビデオとしてＭＰＥＧ２－ＴＳ、ＢＴ．６０１、ＤＶが定義され、オーディオとしてＡ＆Ｍが定義されている。

　ＩＥＥＥ１３９４上の制御コマンド仕様としては、１３９４ＴＡ（Trade Association）にて規格化されており、「AV/C Digital Interface Command Set General Specification Version 4.2」の中では、排他制御を実現するコマンドも定義されている。このコマンドでは、優先度を設定し、その優先度に応じて排他制御を行うことも考慮されている。

　従来のカーＡＶ（Audio Video）システムなどにおいて、カーナビゲーション装置からの割込み（ガイド）音声は、Ｈ／Ｕ（Head Unit）に入力され、他の音声から割込み音声へ切り替えられる。そして、割込み音声がアンプへ転送されて再生が行われた後、再度Ｈ／Ｕで音声が切り替えられ、元の音声の再生が継続される。つまり、割込み音声の切り替え処理は、音声ソースを制御するＨ／Ｕ内で完結した処理として実行可能である。

　ＩＥＥＥ１３９４を搭載したカーＡＶシステムでは、フロントモニター（以下、「Ｆモニター」と呼ぶ。）でＤＶＤを見るときに、Ｆモニターのコントローラ（制御装置）は、映像送信装置としてＤＶＤ、映像受信装置としてＦモニター、音声送信装置としてＤＶＤ、音声受信装置としてアンプを選択し、映像信号及び音声信号を各装置へ伝送するためにコネクションを確立する。

　なお、Ｆモニターやリアモニター（以下、「Ｒモニター」と呼ぶ。）には、タッチパネルボタンなどのＨＭＩ（Human Machine Interface）が搭載され、カーＡＶシステムを制御するコントローラとして機能する。

　このような場合、ハードウェア上の制約がなければ、割込み音声の音声受信装置は、通常のＡＶ機からの音声を受信する入力プラグとは別に、割込み音声を受信するための割込み音声専用入力プラグを準備することが想定される。このように構成することで、アンプ側の内部処理切り替えにより、従来のＨ／Ｕ内で完結した割込み音声の切り替え処理と同様に処理することが可能となる。

　しかし、カーＡＶシステム上に複数の割込み信号送信装置が存在する場合、割込み信号受信装置に存在する入力プラグの競合が発生する可能性がある。そのため、例えば、ある車載器からの道路状況情報など緊急性の高い割込み音声（緊急情報の音声信号）の再生中に、カーナビゲーション装置からガイド情報の音声信号が送信されると、車載器からカーナビゲーション装置に音声用のコネクションが切り替えられ、緊急情報の音声信号の再生が途切れてしまうという問題が発生する。

　なお、ネットワーク上のノードの機能又は装置に対する排他制御命令に優先度を付加する制御装置及び被制御装置に関する発明として、特許文献１が知られている。しかし、本発明と異なり、特許文献１における優先度は、装置の機能又は装置毎に設定され、制御コマンド種別（ＰＬＡＹ、ＲＥＣなど）に関連付けられている。

特開２００１－２４３６７６号公報

　本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、送信する信号の信号種別に応じて設定した優先度に基づいて、信号の再生中に受信装置を排他制御することで、受信装置が優先度の高い割込み信号を再生するように制御する制御方法を提供することを課題とする。

　請求項１に記載の発明は、信号を再生する受信装置と通信可能な送信装置であって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信手段と、前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信手段と、前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信手段と、を備えることを特徴とする。

　請求項３に記載の発明は、信号を再生する受信装置と通信可能な送信装置により実行される制御方法であって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信工程と、前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信工程と、前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信工程と、を備えることを特徴とする。

　請求項４に記載の発明は、信号を再生する受信装置と通信可能なコンピュータにより実行される制御プログラムであって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信手段、前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信手段、前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。

ＩＥＥＥ１３９４関連規格の概要を示す図である。ＩＥＣ６１８８３のＣＭＰの構成を示す図である。実施例に係るカーＡＶシステムの構成例を示す図である。実施例における制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。信号種別情報のデータ構成の一例を示す図である。カーＡＶシステムにおける信号送信処理のシーケンス図である。信号送信処理のフローチャートである。信号送信処理のフローチャートである。信号送信処理のフローチャートである。コネクション処理のフローチャートである。

符号の説明

　１　カーＡＶシステム
　１０　システムバス
　１１　フロントモニター
　１２　ＤＶＤプレイヤー
　１３　カーナビゲーション装置
　１４　ＤＴＶ
　１５、１６　リアモニター
　１７　アンプ
　１８　スピーカ
　１９　車載器

　本発明の１つの観点では、信号を再生する受信装置と通信可能な送信装置であって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信手段と、前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信手段と、前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信手段と、を備えることを特徴とする。このように、送信装置は、再生する信号の信号種別に応じて設定した優先度に基づいて、信号の再生中に受信装置を排他制御することで、受信装置が優先度の高い割込み信号を再生するように制御することができる。

　上記送信装置の一態様では、前記信号は、音声信号及び映像信号を有しており、前記受信装置は、音声信号を受信する音声受信装置と映像信号を受信する映像受信装置を有するものであって、前記送信装置は、前記音声受信装置及び／又は前記映像受信装置から、前記排他制御権設定要求を受諾すること又は拒絶することを示す排他制御権設定応答を受信する設定応答受信手段を備え、前記信号送信手段は、前記映像受信装置から前記排他制御権設定要求を拒絶する排他制御権設定応答を受信した場合であっても、前記音声受信装置に、前記音声信号を送信することを特徴とする。これによれば、映像受信装置の確保に失敗した場合であっても、同種の割込み信号のうち少なくとも音声だけでも再生できるように構成することが可能となる。よって、緊急性の高い信号を再生する際に、少なくとも音声信号だけでも再生することが可能となり、割込み音声として緊急情報をユーザに通知することができる。

　本発明の別の観点では、信号を再生する受信装置と通信可能な送信装置により実行される制御方法であって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信工程と、前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信工程と、前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信工程と、を備えることを特徴とする。このような制御方法を実行することによっても、受信装置が優先度の高い割込み信号を再生するように制御することができる。

　本発明のさらに別の観点では、信号を再生する受信装置と通信可能なコンピュータにより実行される制御プログラムであって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信手段、前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信手段、前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。このような制御プログラムを実行することによっても、受信装置が優先度の高い割込み信号を再生するように制御することができる。なお、この制御プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。

　以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。

　[カーＡＶシステム]
　まず、カーＡＶ（Audio Video）システム１の構成及び前提条件について、図３を用いて説明する。図３は、本発明の実施例に係るカーＡＶシステム１の構成例を示す図である。

　図３に示すように、カーＡＶシステム１は、フロントモニター（以下、「Ｆモニター」と呼ぶ。）１１、ＤＶＤプレイヤー１２、カーナビゲーション装置１３、ＤＴＶ（Digital Television）１４、リアモニター（以下、「Ｒモニター」とも呼ぶ。）１５、Ｒモニター１６、アンプ１７および車載器１９を備え、システムバス１０を介して相互に接続されている。

　Ｆモニター１１は、映像送信装置から受信した各種映像信号に基づいて、ディスプレイに映像を表示する映像受信装置である。Ｆモニター１１は、システムバス１０を介してコントローラや送信装置から送られる制御信号に基づいてＦモニター１１の制御を行うグラフィックコントローラと、ＶＲＡＭ（Video RAM）等のメモリからなり、即時表示可能な映像信号を一時的に記憶するバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される映像信号に基づいて、液晶、ＣＲＴ(Cathode Ray Tube)等のディスプレイを表示制御する表示制御部と、ディスプレイとを備える。ディスプレイは、例えば対角５～１０インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。

　ＤＶＤプレイヤー１２は、コントローラや送信装置の制御の下、ＤＶＤなどのディスクから、音声信号、映像信号などのコンテンツデータを読み出し、映像受信装置へ送信する映像送信装置である。また、音声受信装置へ送信する音声送信装置でもある。

　カーナビゲーション装置１３は、ＧＰＳ(Global Positioning System)や、車速パルス、ジャイロなどの自立測位装置を利用し、車両の運転時にユーザに対して、現在位置の提示や目的地への誘導をはじめとする案内を行う。カーナビゲーション装置１３は、案内に必要なガイド音声などを保有しており、対応する音声信号などを読み出し、音声受信装置へ送信する音声送信装置である。また、カーナビゲーション装置１３は、案内に必要な地図データなどを保有しており、対応する映像信号などを読み出し、映像受信装置へ送信する映像送信装置である。なお、本実施例において、ガイド音声に対応する音声信号の信号種別は、ガイド情報音声であり、地図データに対応する映像信号の信号種別は、ガイド情報映像である。カーナビゲーション装置１３は、ガイド情報を割込み信号として受信装置へ送信することがある。

　ＤＴＶ１４は、デジタル変調とデジタル圧縮を使用したテレビ放送（例えば、日本における地上デジタル放送など）を受信する装置である。カーＡＶシステム１において、ＤＴＶ１４は、受信したテレビ放送の音声信号を、音声受信装置へ送信する音声送信装置である。また、ＤＴＶ１４は、受信したテレビ放送の映像信号を、映像受信装置へ送信する映像送信装置である。なお、本実施例において、テレビ放送の音声信号や映像信号の信号種別は、ＡＶ信号であって、ＤＴＶ１４は、操作音の音声信号を割込み信号として受信装置へ送信することがある。

　アンプ１７は、車載スピーカ１８に接続されており、音声送信装置から受信した各種音声信号に基づいて、車載スピーカ１８を通じて音声を出力する音声受信装置である。アンプ１７は、コントローラの制御の下、システムバス１０を介して受信する音声信号のＤ／Ａ（Digital to Analog）変換を行うＤ／Ａコンバータと、Ｄ／Ａコンバータから出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器とを備える。

　車載器１９は、電話機や車載カメラシステムなどであって、電話の着信音や前方に人がいることを知らせる音声を、音声信号として音声受信装置へ送信する音声送信装置である。また、車載器１９は、前方に人がいることを知らせる映像を、映像信号として映像受信装置へ送信する映像送信装置である。なお、本実施例において、電話機の着信音や前方に人がいることを知らせる音声に対応する音声信号の信号種別は、緊急情報音声であり、前方に人がいることを知らせる映像に対応する映像信号の信号種別は、緊急情報映像である。

　Ｒモニター１５及び１６は、Ｆモニター１１と同様の映像受信装置であるが、車内の後方に装着される。また、Ｒモニター１５及び１６は、アンプ１７と同様に音声受信装置としても機能する。

　なお、Ｆモニター１１、Ｒモニター１５及び１６には、タッチパネル、ボタンなどのＨＭＩ（Human Machine Interface）が搭載され、カーＡＶシステム１を制御するコントローラとしても機能する。コントローラは、基本的にモニターやＨ／Ｕ（Head Unit）に存在する。本実施例において、コントローラは、Ｆモニター１１、Ｒモニター１５及び１６としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、コントローラとして機能する装置は任意に設定することができる。

　各コントローラや送信装置は、それぞれ独立に動作可能であって、ネットワーク上（システムバス１０）上の装置認識、自身が操作対象とした装置のコネクション管理、装置制御、ネットワーク上の装置動作状態監視などを行うものである。各装置間のコネクションを確立させるコントローラや送信装置は、ネットワーク上に複数存在する。そのため、例えば、Ｆモニター１１がコントローラとして機能し、Ｒモニター１５の視聴ソースを選択することも可能である。なお、コントローラは、リモコンライクな操作性を確保しており、後から行われた操作が有効となる後勝ちの性質を有している。

　このように、本実施例に係るカーＡＶシステム１は、ネットワーク上に複数の映像送信装置、音声送信装置、映像受信装置、音声受信装置が混在する。映像信号と音声信号は、別々に伝送することも想定されており、それぞれが別々の映像受信装置及び音声受信装置（例えば、Ｆモニター１１及びアンプ１７）に入力されることもあれば、同じ装置（例えば、Ｒモニター１５）に入力されることもある。

　[制御ユニット]
　続いて、送信装置の構成要素により構成される制御ユニット２００について、図４を参照して説明する。図４は、制御ユニット２００のブロック図である。

　制御ユニット２００は、送信する信号の信号種別に応じて設定した優先度に基づいて、信号の再生中に受信装置を排他制御することで、受信装置が優先度の高い割込み信号を再生するように制御する。

　図４に示すように、制御ユニット２００は、信号送信イベント検出部２０１、信号送信部２０２、装置認識部２０３、受信装置設定部２０４、信号種別情報記憶部２０５、信号種別優先度判定部２０６、コネクション管理部２０７、排他制御管理部２０８、コネクション制御部２０９、コマンド送受信部２１０及びプラグレジスタ管理部２１１を備える。

　信号送信イベント検出部２０１は、割込み信号を送信するイベントが発生したことを検出する。例えば、送信装置がカーナビゲーション装置１３であれば、「右に曲がります」といったガイド音声の音声信号を送信するタイミングで、信号送信イベント検出部２０１は、信号を送信するイベントが発生したことを検出する。

　信号送信部２０２は、映像信号や音声信号を、コネクションを介して入力プラグに入力することで、受信装置に送信する。具体的に、信号送信部２０２は、後述するコネクション制御部２０９により確立されたコネクションによって、信号送信の開始を通知する信号送信開始通知とともに映像信号や音声信号を受信装置に送信する。また、信号送信部２０２は、映像信号や音声信号の送信を終了する際、信号送信の終了を通知する信号送信終了通知を送信する。なお、送信装置は、各種信号を、ディスクから読み出す、テレビ放送により受信する、予め記憶しておくなどの様々な方法により保有している。信号送信部２０２は、本発明における信号送信手段として機能する。

　装置認識部２０３は、ネットワーク上で送信装置が接続している装置を認識する。

　受信装置設定部２０４は、装置認識部２０３により認識されている受信装置に関する情報を取得し、映像信号や音声信号の送信先となる受信装置を設定する。

　信号種別情報記憶部２０５は、信号の信号種別と、受信装置において再生する優先度とを対応付けた信号種別情報を記憶する。図５は、信号種別情報のデータ構成の一例を示す図である。図５に示すように、本実施例において信号種別は、緊急情報音声、緊急情報映像、ガイド情報音声、ガイド情報映像及びＡＶ信号音声／映像である。優先度は、緊急情報音声に最も高い優先度の「１」、緊急情報映像に「２」、ガイド情報音声に「３」、ガイド情報映像に「４」、ＡＶ信号音声／映像に最も低い優先度の「５」が対応付けられている。信号種別情報記憶部２０５は、ＲＡＭやＲＯＭなどのメモリにより構成される。なお、信号種別や優先度は、これに限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。

　図５に示すように、緊急情報及びガイド情報の優先度について、映像信号よりも音声信号を高く設定することにより、少なくとも音声だけでも再生できるようにする。これによれば、後述する排他制御管理部２０８において、映像受信装置の排他制御権の確保に失敗した場合、もしくはコネクション制御部２０９において、アイソクロナスリソース（帯域、チャンネル）が確保できずにコネクションの確立に失敗した場合であっても、同種の割込み信号のうち少なくとも音声だけでも再生できるように構成することが可能となる。よって、緊急性の高い信号を再生する際に、少なくとも音声信号だけでも再生することが可能となり、割込み音声として緊急情報をユーザに通知することができる。

　信号種別優先度判定部２０６は、信号送信部２０２が送信する信号の信号種別に基づいて、信号種別情報記憶部２０５に記憶された信号種別情報を参照することで、当該信号の優先度を判定する。例えば、信号送信部２０２が送信する信号の信号種別が「緊急情報音声」である場合、信号種別優先度判定部２０６は、図５に示すような信号種別情報を参照し、当該信号の優先度を「１」と判定する。

　コネクション管理部２０７は、信号再生中の受信装置に対する排他制御や、信号を伝送するためのコネクションの確立及び切断などを管理する。コネクション管理部２０７は、排他制御管理部２０８及びコネクション制御部２０９を有する。

　排他制御管理部２０８は、受信装置設定部２０４により設定された受信装置に対する排他制御を管理しており、排他制御権設定要求部、排他制御権設定応答部、排他制御権解除要求部及び排他制御権解除応答部を有する。

　排他制御権設定要求部は、受信装置設定部２０４により設定された受信装置に、他の送信装置やコントローラの介入を排除するための排他制御権を設定するため、排他制御権設定要求を送信する。このとき、排他制御権設定要求部は、信号種別優先度判定部２０６により判定された優先度を設定した排他制御権設定要求を送信する。排他制御権設定要求部は、本発明における設定要求送信手段として機能する。

　なお、受信装置は、優先度が設定された排他制御権設定要求を受信すると、当該優先度に応じて、排他制御権設定要求を受諾するか、拒絶するか判断する。つまり、優先度「３」が設定された排他制御権設定要求を受信しても、既に優先度「１」が設定された排他制御権設定要求により排他制御を行っていれば、受信装置は、優先度「３」が設定された排他制御権設定要求を拒絶する。一方、優先度「４」が設定された排他制御権設定要求により排他制御を行っている場合であっても、優先度「３」が設定された排他制御権設定要求を受信すれば、受信装置は、優先度「３」が設定された排他制御権設定要求を受諾する。

　排他制御権設定応答部は、排他制御権設定要求を送信した受信装置から、排他制御権設定要求が受諾されて排他制御権が設定されたこと（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）又は排他制御権設定要求が拒絶されて排他制御権が設定されなかったこと（ＲＥＪＥＣＴＥＤ）を示す排他制御権設定応答を受信する。

　排他制御権解除要求部は、信号送信部２０２による信号の送信が終了すると、即ち、受信装置による信号の再生が終了すると、排他制御権設定要求を送信した受信装置に、排他制御権を解除する排他制御権解除要求を送信する。排他制御権解除要求部は、本発明における解除要求送信手段として機能する。

　排他制御権解除応答部は、排他制御権解除要求を送信した受信装置から、排他制御権解除要求が受諾されて排他制御権が解除されたこと（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）又は排他制御権解除要求が拒絶されて排他制御権が解除されなかったこと（ＲＥＪＥＣＴＥＤ）を示す排他制御権解除応答を受信する。

　なお、本実施例において、コネクション操作を排他制御する排他制御権を設定するために、１３９４ＴＡ（Trade Association）にて規格化されており、「AV/C Digital Interface Command Set General Specification Version 4.2」の中で定義されたＲＥＳＥＲＶＥコマンドや、「AV/C Connection and Compatibility Management Specification 1.0」に定義されたＩＥＣ６１８８３－１のコネクションを、ＡＶ／Ｃコマンドを用いて受信装置側で確立するためのコマンドセットを使用することを想定している。しかし、このようなコマンドでは、コネクション操作のみならず全ての操作を排他制御するため、例えば、排他制御中は、ユーザにとって必要なボリューム操作などもできなくなってしまう。そのため、本発明はこれに限定されるものではなく、コネクション操作のみを排他制御する新たなコマンドを使用することとしてもよい。

　コネクション制御部２０９は、受信装置設定部２０４により設定された受信装置に、信号送信部２０２が信号を送信するために必要なコネクションの確立及び切断を制御しており、コネクション状態確認部、コネクション確立要求部、コネクション確立応答部、コネクション切断要求部及びコネクション切断応答部を有する。コネクションの確立は、ＩＥＥＥ１３９４のトランザクションを用いて、送信装置の持つ論理的な出力プラグ（ｏＰＣＲ[ｉ]）と受信装置の持つ論理的な入力プラグ（ｉＰＣＲ[ｉ]）の間をチャンネル情報で関連付けることで実現される。

　コネクション状態確認部は、排他制御管理部２０８により排他制御権設定要求を行った受信装置が、既にコネクションを確立しているか否かを確認するコネクション状態確認要求を送信する。また、コネクション状態確認部は、コネクション状態確認要求を送信した受信装置から、要求を受けた時点でのコネクション状態を示すコネクション状態確認応答を受信する。例えば、受信装置がアンプ１７であって、既にＤＴＶ１４とコネクションを確立している場合、ＤＴＶ１４とコネクションを確立している旨（例えば、「ＤＴＶ－アンプ」等）のコネクション状態確認応答を受信する。一方、受信装置がコネクションを確立していない場合、コネクションを確立していない旨（例えば、「接続なし」等）のコネクション状態確認応答を受信する。

　コネクション確立要求部は、受信装置設定部２０４により設定された受信装置、換言すると、排他制御管理部２０８により排他制御権設定要求を行った受信装置に、自身、即ち送信装置とのコネクションを確立することを要求するコネクション確立要求を送信する。コネクション確立要求部には、信号送信部２０２により送信する信号の信号種別が含まれており、受信装置は、コネクション確立要求に基づいて、信号種別に対応する当該受信装置の入力プラグと送信装置の出力プラグとの間のコネクションを確立する。このように、コネクション確立要求部は、映像信号及び音声信号のそれぞれを伝送するためのコネクションを確立させる。

　コネクション確立応答部は、コネクション確立要求を送信した受信装置から、コネクション確立要求が受諾されてコネクションが確立されたこと（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）又はコネクション確立要求が拒絶されてコネクションが確立されなかったこと（ＲＥＪＥＣＴＥＤ）を示すコネクション確立応答を受信する。

　コネクション切断要求部は、排他制御管理部２０８により排他制御権設定要求を行った受信装置に、コネクションを切断することを要求するコネクション切断要求を送信する。

　コネクション切断応答部は、コネクション切断要求部によりコネクション切断要求を送信した受信装置から、コネクション切断要求が受諾されてコネクションが切断されたこと（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）又はコネクション切断要求が拒絶されてコネクションが切断されなかったこと（ＲＥＪＥＣＴＥＤ）を示すコネクション切断応答を受信する。

　コマンド送受信部２１０は、排他制御管理部２０８による排他制御の管理や、コネクション制御部２０９によるコネクションの制御を行うためのコマンドの送受信を行う。例えば、コマンド送受信部２１０は、受信装置に、排他制御権設定要求、排他制御権解除要求、コネクション確立要求、コネクション切断要求などに対応するコマンドを送信する。また、コマンド送受信部２１０は、受信装置から、排他制御権設定応答、排他制御権解除応答、コネクション確立応答、コネクション切断応答などに対応するコマンドを受信する。

　プラグレジスタ管理部２１１は、送信装置が持つ論理的な出力プラグを管理する。例えば、本実施例では図４に示すように、プラグレジスタ管理部２１１は、プラグＩＤ「０」の出力プラグ（ｏＰＣＲ[０]）と、プラグＩＤ「１」の出力プラグ（ｏＰＣＲ[１]）を管理している。プラグＩＤ「０」の出力プラグは、信号種別がＡＶ信号の信号を出力し、プラグＩＤ「１」の出力プラグは、信号種別がガイド情報や映像情報の信号を出力する。

　なお、上述の各部は、送信装置のＣＰＵが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。

　[信号送信処理]
　次に、図６乃至図１０を参照し、本実施例の送信装置による信号送信処理について説明する。図６は、カーＡＶシステム１における信号送信処理のシーケンス図である。図７乃至図９は、送信装置による信号送信処理のフローチャートであり、図１０は、信号送信処理において実行されるコネクション処理のフローチャートである。

　信号送信処理は、送信する信号の信号種別に応じて設定した優先度に基づいて、受信装置を排他制御した上で、当該受信装置に信号を送信する処理である。本実施例では、車載器１９が緊急情報の送信イベントを検知し、緊急情報の映像信号をＦモニター１１に、緊急情報の音声信号をアンプ１７に送信するものとする。これにより、ユーザは、Ｆモニター１１及びアンプ１７を用いて緊急情報を視聴することが可能となる。

　送信装置として機能する車載器１９が有する制御ユニット２００の信号送信イベント検出部２０１は、まず、割込み信号として緊急情報の映像信号及び音声信号を送信するイベントが発生したことを検出する（ステップＳ１）。すると、受信装置設定部２０４は、装置認識部２０３により認識されている受信装置に関する情報を取得し、割込み信号である映像信号及び音声信号の送信先となる受信装置を設定する（ステップＳ２）。このとき、受信装置設定部２０４は、排他制御管理部２０８により排他制御権を設定する受信装置に対して、排他制御権設定要求を送信する順番を設定することとしてもよい。この場合、排他制御管理部２０８は、設定した順番に従って、受信装置に排他制御権設定要求を送信することとなる。これによれば、ネットワーク上で競合の発生しやすい装置の排他制御権をはじめに確保することが可能となる。換言すると、他のコントローラと処理のタイミングが重なった場合には、競合の発生しやすい装置の排他制御権の確保で失敗するため、それ以降の処理を行わずに済み、冗長な処理を省略することができる。

　続いて、信号種別優先度判定部２０６は、信号送信部２０２が割込み信号として送信する映像信号及び音声信号の信号種別に基づいて、信号種別情報記憶部２０５に記憶された信号種別情報を参照することで、信号の優先度を判定する（ステップＳ３）。

　そして、排他制御管理部２０８の排他制御権設定要求部は、受信装置設定部２０４により設定された受信装置に、信号種別優先度判定部２０６により判定された優先度を設定した排他制御権設定要求を送信する（ステップＳ４）。即ち、送信装置は、信号の送信先である受信装置に、送信する信号の信号種別に応じた優先度が設定された排他制御権設定要求を送信することで、受信装置に排他制御を設定する。続いて、排他制御権設定要求部は、受信装置設定部２０４により設定された全ての受信装置に、排他制御権設定要求を送信したか否かを判定する（ステップＳ５）。全ての受信装置に排他制御権設定要求を送信していない場合（ステップＳ５；Ｎｏ）、排他制御権設定要求部は、ステップＳ２及びＳ５の処理を繰り返し行う。一方、全ての受信装置に排他制御権設定要求を送信した場合（ステップＳ５；Ｙｅｓ）、排他制御権設定応答部は、受信装置から、排他制御権設定要求が受諾されたこと又は拒絶されたことを示す排他制御権設定応答を受信する（ステップＳ６）。

　排他制御管理部２０８は、受信装置から受信した排他制御権設定応答に基づいて、排他制御権設定要求が受諾されたか否かを判定する（ステップＳ７）。排他制御権設定要求が拒絶された場合（ステップＳ７；Ｎｏ）、制御ユニット２００は、排他制御失敗処理として、ステップＳ１７へ進む（ステップＳ１０）。一方、排他制御権設定要求が受諾された場合（ステップＳ７；Ｙｅｓ）、排他制御管理部２０８は、排他制御権設定状態を登録する（ステップＳ８）。そして、排他制御権設定応答部は、全ての受信装置から排他制御権設定応答を受信したか否かを判定する（ステップＳ９）。全ての受信装置からは排他制御権設定応答を受信していない場合（ステップＳ９；Ｎｏ）、排他制御管理部２０８は、ステップＳ６乃至Ｓ９の処理を繰り返し行う。一方、全ての受信装置から排他制御権設定応答を受信した場合（ステップＳ９；Ｙｅｓ）、制御ユニット２００は、コネクション処理を実行する。

　具体的にここまでの処理において、受信装置設定部２０４は、映像受信装置としてＦモニター１１、音声受信装置としてアンプ１７を設定する。続いて、信号種別優先度判定部２０６は、割込み信号として送信する映像信号の信号種別が緊急情報映像であるため、図５に示すような信号種別情報を参照することで、当該信号の優先度を「２」と判定する。また、割込み信号として送信する音声信号の信号種別が緊急情報音声であるため、信号種別優先度判定部２０７は、図５に示すような信号種別情報を参照することで、当該信号の優先度を「１」と判定する。そして、排他制御権設定要求部は、図６に示すように、音声受信装置として設定されたアンプ１７に、排他制御権設定要求を送信する。アンプ１７が排他制御権設定要求を受諾すると、排他制御権設定応答部は、アンプ１７から、受諾したことを示す排他制御権設定応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を受信する。続いて、排他制御権設定要求部は、Ｆモニター１１に排他制御権設定要求を送信する。Ｆモニター１１が排他制御権設定要求を受諾すると、排他制御権設定応答部は、Ｆモニター１１から、受諾したことを示す排他制御権設定応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を受信する。このように、受信装置設定部２０４が設定した全ての受信装置から、受諾したことを示す排他制御権設定応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を受信すると、制御ユニット２００は、コネクション処理を実行する。

　コネクション処理において、図１０に示すように、制御ユニット２００のコネクション状態確認部は、排他制御権の設定に成功したすべての受信装置に、コネクション状態確認要求を送信する（ステップＳ５１）。すると、コネクション状態確認部は、受信装置から、コネクション状態を示すコネクション状態確認応答を受信する（ステップＳ５２）。そして、コネクション状態確認部は、受信装置から受信したコネクション状態確認応答に基づいて、当該受信装置が既に他の装置とコネクションを確立、即ち接続しているか否かを判定する（ステップＳ５３）。接続していない場合（ステップＳ５２；Ｎｏ）、制御ユニット２００は、ステップＳ５７へ進む。一方、接続している場合（ステップＳ５２；Ｙｅｓ）、コネクション切断要求部は、受信装置に、既に確立しているコネクションを切断することを要求するコネクション切断要求を送信する（ステップＳ５４）。受信装置は、コネクション切断要求を受信すると、その時点で確立しているコネクションを切断する。そして、受信装置は、コネクション切断要求を受諾してコネクションを切断したこと又はコネクション切断要求を拒絶してコネクションを切断しなかったことを示すコネクション切断応答を送信する。

　コネクション切断応答部は、受信装置からコネクション切断応答を受信する（ステップＳ５５）。続いて、コネクション切断応答部は、受信装置から受信したコネクション切断応答に基づいて、コネクション切断要求が受諾されたか否かを判定する（ステップＳ５６）。コネクション切断要求が拒絶された場合（ステップＳ５６；Ｎｏ）、制御ユニット２００は、コネクション切断要求が受諾されるまで、ステップＳ５４乃至Ｓ５６の処理を繰り返し行う。もしくは、コネクション状態確認要求（ステップＳ５１）まで戻り再度他の装置と接続されているか確認してもよい。一方、コネクション切断要求が受諾された場合（ステップＳ５６；Ｙｅｓ）、コネクション確立要求部は、受信装置に、自身、即ち送信装置とのコネクションを確立することを要求するコネクション確立要求を送信する（ステップＳ５７）。受信装置は、コネクション確立要求を受信すると、自身の持つ入力プラグと当該送信装置の持つ出力プラグの間のコネクションを確立する。そして、受信装置は、コネクション確立要求を受諾してコネクションを確立したこと又はコネクション確立要求を拒絶してコネクションを確立しなかったことを示すコネクション確立応答を送信する。

　コネクション確立応答部は、受信装置からコネクション確立応答を受信する（ステップＳ５８）。続いて、コネクション確立応答部は、受信装置から受信したコネクション確立応答に基づいて、コネクション確立要求が受諾されたか否かを判定する（ステップＳ５９）。コネクション確立要求が拒絶された場合（ステップＳ５９；Ｎｏ）、制御ユニット２００は、コネクション確立要求が受諾されるまで、ステップＳ５７乃至Ｓ５９の処理を繰り返し行う。ただし、コネクション確立要求が拒絶された場合の繰り返し処理（ステップＳ５７乃至Ｓ５９）は、所定のリトライ回数を設け、それでも拒絶され続けた場合にはコネクション処理を終了してもよい。一方、コネクション確立要求が受諾された場合（ステップＳ５９；Ｙｅｓ）、制御ユニット２００は、排他制御権の設定に成功したすべての受信装置に対してコネクション処理を実行したか否かを判定する（ステップＳ６０）。すべての受信装置に対してコネクション処理を実行していない場合（ステップＳ６０；Ｎｏ）、制御ユニット２００は、ステップＳ５１乃至６０の処理を繰り返し行い、まだ実行していない受信装置に対してコネクション処理を実行する。一方、すべての受信装置に対してコネクション処理を実行した場合（ステップＳ６０；Ｙｅｓ）、制御ユニット２００は、コネクション処理を終了し、信号送信処理のステップＳ１２へ進む。

　具体的にコネクション処理において、コネクション状態確認部は、図６に示すように、音声受信装置であるアンプ１７に、コネクション状態確認要求を送信する。この場合、アンプ１７は、いずれの装置ともコネクションを確立していないため、その旨のコネクション状態確認応答（例えば、「接続なし」）を送信する。即ち、コネクション状態確認部は、アンプ１７から、いずれの装置ともコネクションを確立していないことを示すコネクション状態確認応答を受信する。また、コネクション状態確認部は、映像受信装置であるＦモニター１１に、コネクション状態確認要求を送信する。この場合、Ｆモニター１１は、いずれの装置ともコネクションを確立していないため、その旨のコネクション状態確認応答（例えば、「接続なし」）を送信する。即ち、コネクション状態確認部は、Ｆモニター１１から、いずれの装置ともコネクションを確立していないことを示すコネクション状態確認応答を受信する。

　すると、コネクション確立要求部は、アンプ１７に、自身、即ち車載器１９とのコネクションを確立することを要求するコネクション確立要求（音声コネクション確立要求）を送信する。コネクション確立要求を受信したアンプ１７は、信号種別に基づいて、自身の持つ入力プラグと、車載器１９の持つ出力プラグとの間でコネクションを確立する音声コネクション確立操作を行う。そして、アンプ１７は、コネクション確立要求を受諾してコネクションを確立したことを示すコネクション確立応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を送信する。即ち、コネクション確立応答部は、アンプ１７から、自身、即ち車載器１９とのコネクションが確立されたことを示すコネクション確立応答（音声コネクション確立応答）を受信する。

　また、コネクション確立要求部は、Ｆモニター１１に、自身、即ち車載器１９とのコネクションを確立することを要求するコネクション確立要求（映像コネクション確立要求）を送信する。コネクション確立要求を受信したＦモニター１１は、信号種別に基づいて、自身の持つ入力プラグと、車載器１９の持つ出力プラグとの間でコネクションを確立する映像コネクション確立操作を行う。そして、Ｆモニター１１は、コネクション確立要求を受諾してコネクションを確立したことを示すコネクション確立応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を送信する。即ち、コネクション確立応答部は、Ｆモニター１１から、車載器１９とのコネクションが確立されたことを示すコネクション確立応答（映像コネクション確立応答）を受信する。

　コネクション処理が終了すると、図８に示すように、信号送信部２０２は、コネクション制御部２０９により確立されたコネクションを介して、受信装置に信号を送信する（ステップＳ１２）。そして、信号送信部２０２は、受信装置への信号送信が終了したか否かを判定する（ステップＳ１３）。受信装置への信号送信が終了していない場合（ステップＳ１３；Ｎｏ）、信号送信部２０２は、受信装置への信号送信が終了するまで、ステップＳ１２及びＳ１３の処理を繰り返し行う。受信装置は、受信した信号を再生することで、ディスプレイ又はスピーカから映像又は音声を出力する。

　受信装置への信号送信が終了した場合（ステップＳ１３；Ｙｅｓ）、信号送信部２０２は、すべての信号を送信したか否かを判定する（ステップＳ１４）。すべての信号を送信していない場合（ステップＳ１４；Ｎｏ）、ステップＳ１２乃至Ｓ１４の処理を繰り返し行い、まだ送信していない信号を受信装置へ送信する。一方、すべての信号を送信した場合（ステップＳ１４；Ｙｅｓ）、コネクション切断要求部は、排他制御管理部２０８により排他制御権設定要求を行った受信装置に、コネクションを切断することを要求するコネクション切断要求を送信する（ステップＳ１５）。受信装置は、コネクション切断要求を受信すると、送信装置とのコネクションを切断する。そして、受信装置は、コネクション切断要求を受諾してコネクションを切断したこと又はコネクション切断要求を拒絶してコネクションを切断しなかったことを示すコネクション切断応答を送信する。

　コネクション切断応答部は、受信装置からコネクション切断応答を受信する（ステップＳ１６）。続いて、コネクション切断応答部は、受信装置から受信したコネクション切断応答に基づいて、コネクション切断要求が受諾されたか否かを判定する（ステップＳ１７）。コネクション切断要求が拒絶された場合（ステップＳ１７；Ｎｏ）、コネクション制御部２０９は、コネクション切断要求が受諾されるまで、ステップＳ１５乃至Ｓ１７の処理を繰り返し行う。ただし、コネクション切断要求が拒絶された場合の繰り返し処理（ステップＳ１５乃至Ｓ１７）は、所定のリトライ回数を設けて、それでも拒絶され続けた場合にはコネクション切断処理を終了してもよいし、随時コネクション状態確認要求を送信し、所望のコネクションの切断が確認でき次第コネクション切断処理を終了してもよい。

　コネクション切断要求が受諾された場合（ステップＳ１７；Ｙｅｓ）、コネクション制御部２０９は、排他制御権の設定に成功したすべての受信装置でコネクション切断要求が受諾されたか否かを判定する（ステップＳ１８）。即ち、排他制御権の設定に成功したすべての受信装置でコネクションが切断されたか否かを判定する。すべての受信装置でコネクション切断要求が受諾されていない場合（ステップＳ１８；Ｎｏ）、コネクション制御部２０９は、ステップＳ１５乃至Ｓ１８の処理を繰り返し行い、コネクションが切断されていない受信装置に対してコネクション切断処理を実行する。一方、すべての受信装置でコネクション切断要求が受諾された場合（ステップＳ１８；Ｙｅｓ）、排他制御管理部２０８は、図９に示すように、信号送信処理において設定した全ての排他制御権を解除したか否かを判定する（ステップＳ１９）。全ての排他制御権を解除した場合（ステップＳ１９；Ｙｅｓ）、制御ユニット２００は、信号送信処理を終了する。一方、全ての排他制御権を解除していない場合（ステップＳ１９；Ｎｏ）、排他制御権解除要求部は、排他制御権を解除していない受信装置に、排他制御権解除要求を送信する（ステップＳ２０）。即ち、排他制御権を解除する。

　さらに、排他制御権解除要求部は、排他制御権を解除していない全ての受信装置に、排他制御権解除要求を送信したか否かを判定する（ステップＳ２１）。全ての受信装置に送信していない場合（ステップＳ２１；Ｎｏ）、排他制御権解除要求部は、ステップＳ２０及びＳ２１の処理を繰り返し行う。一方、全ての受信装置に送信した場合（ステップＳ２１；Ｙｅｓ）、排他制御権解除応答部は、受信装置から、排他制御権解除要求を受諾したこと又は排他制御権解除要求を拒絶したことを示す排他制御権解除応答を受信する（ステップＳ２２）。すると、排他制御権解除応答部は、受信装置から受信した排他制御権解除応答に基づいて、排他制御権解除状態を登録する（ステップＳ２３）。そして、排他制御権解除応答部は、排他制御権を設定した全ての受信装置から、排他制御権解除応答を受信したか否かを判定する（ステップＳ２４）。全ての受信装置から受信していない場合（ステップＳ２４；Ｎｏ）、排他制御権解除応答部は、ステップＳ２２乃至Ｓ２４の処理を繰り返し行う。一方、全ての受信装置から受信した場合（ステップＳ２４；Ｙｅｓ）、制御ユニット２００は、信号送信処理を完了する。

　具体的にここまでの処理において、コネクション切断要求部は、図６に示すように、受信装置への信号送信が終了すると、Ｆモニター１１に、映像コネクションを切断することを要求するコネクション切断要求（映像コネクション切断要求）を送信する。Ｆモニター１１は、映像コネクション切断要求を受信すると、車載器１９との映像コネクションを切断する切断操作を行う。そして、Ｆモニター１１は、映像コネクション切断要求を受諾して映像コネクションを切断したことを示すコネクション切断応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を車載器１９に送信する。即ち、車載器１９のコネクション切断応答部は、Ｆモニター１１から、自身、即ち車載器１９とのコネクションが切断されたことを示すコネクション切断応答（映像コネクション切断応答）を受信する。また、コネクション切断要求部は、アンプ１７に、音声コネクションを切断することを要求するコネクション切断要求（音声コネクション切断要求）を送信する。アンプ１７は、音声コネクション切断要求を受信すると、車載器１９との音声コネクションを切断する切断操作を行う。そして、アンプ１７は、音声コネクション切断要求を受諾して音声コネクションを切断したことを示すコネクション切断応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を車載器１９に送信する。即ち、車載器１９のコネクション切断応答部は、アンプ１７から、自身、即ち車載器１９とのコネクションが切断されたことを示すコネクション切断応答（音声コネクション切断応答）を受信する。

　さらに、図６に示すように、排他制御権解除要求部は、Ｆモニター１１に、排他制御権を解除することを要求する排他制御権解除要求を送信する。排他制御権が解除されると、排他制御権応答部は、Ｆモニター１１から、排他制御権解除要求を受諾して排他制御権を解除したことを示す排他制御権解除応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を受信する。また、排他制御権解除要求部は、アンプ１７に、排他制御権を解除することを要求する排他制御権解除要求を送信する。排他制御権が解除されると、排他制御権応答部は、アンプ１７から、排他制御権解除要求を受諾して排他制御権を解除したことを示す排他制御権解除応答（ＡＣＣＥＰＴＥＤ）を受信する。これにより、制御ユニット２００は、信号送信処理を完了する。

　このように、送信装置における割込み信号送信中、即ち、受信装置における割込み信号再生中に他の送信装置やコントローラからの制御命令を受け付けないように、送信装置は、コネクション確立、信号再生、コネクション切断までの一連の期間が、排他期間となるように制御する。また、送信装置は、送信する信号の信号種別に応じて設定した優先度に基づいて、受信装置を排他制御することで、受信装置が優先度の高い割込み信号を再生するように制御する。

　これによれば、例えば図６に示すように、Ｆモニター１１及びアンプ１７で緊急情報の音声信号を再生中に、カーナビゲーション装置１３から、信号種別がガイド情報音声、即ち優先度「３」が設定された排他制御権設定要求を受信したとしても、アンプ１７には、優先度「１」が設定された排他制御権設定要求により排他制御権が確保されている。よって、アンプ１７は、カーナビゲーション装置１３に、排他制御権設定要求を拒絶することを示す排他制御権設定応答（ＲＥＪＥＣＴＥＤ）を送信する。このように、優先度の高い緊急情報の音声信号を再生中であれば、アンプ１７は、それより優先度の低い排他制御権設定要求を拒絶する。即ち、優先度の高い緊急情報の音声信号再生中に、それより優先度の低いガイド情報の音声信号が再生されることはない。

　本発明は、送信する信号の信号種別に応じて設定した優先度に基づいて、信号の再生中に受信装置を排他制御することで、受信装置が優先度の高い割込み信号を再生するように制御する制御方法を提供としてカーＡＶシステムなどで利用することができる。

Claims

　信号を再生する受信装置と通信可能な送信装置であって、
　再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信手段と、
　前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信手段と、
　前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信手段と、を備えることを特徴とする送信装置。
　前記信号は、音声信号及び映像信号を有しており、
　前記受信装置は、音声信号を受信する音声受信装置と映像信号を受信する映像受信装置を有するものであって、
　前記送信装置は、
　前記音声受信装置及び／又は前記映像受信装置から、前記排他制御権設定要求を受諾すること又は拒絶することを示す排他制御権設定応答を受信する設定応答受信手段を備え、
　前記信号送信手段は、前記映像受信装置から前記排他制御権設定要求を拒絶する排他制御権設定応答を受信した場合であっても、前記音声受信装置に、前記音声信号を送信することを特徴とする請求項１に記載の送信装置。
　信号を再生する受信装置と通信可能な送信装置により実行される制御方法であって、
　再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信工程と、
　前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信工程と、
　前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信工程と、を備えることを特徴とする制御方法。
　信号を再生する受信装置と通信可能なコンピュータにより実行される制御プログラムであって、
　再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた排他制御権設定要求を、前記受信装置に送信する設定要求送信手段、
　前記受信装置に、前記信号を送信する信号送信手段、
　前記信号の再生終了により、前記受信装置に、排他制御権解除要求を送信する解除要求送信手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする制御プログラム。
　請求項４に記載の制御プログラムを記憶したことを特徴とする記録媒体。