WO2009128159A1

WO2009128159A1 - 送信装置、受信装置、制御方法及びネットワークシステム

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Publication number: WO2009128159A1
Application number: PCT/JP2008/057518
Authority: WO
Inventors: 欣哉大野
Original assignee: パイオニア株式会社
Priority date: 2008-04-17
Filing date: 2008-04-17
Publication date: 2009-10-22

Abstract

送信装置は、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する。送信装置から信号を受信した受信装置は、最も優先度の高い入力プラグに入力された信号を再生する。このように、信号種別に優先度を割当てて論理的な入力プラグと対応付けることで、ネットワーク上に伝送される各信号のどれを優先的に再生するかを制御することが可能となる。

Description

送信装置、受信装置、制御方法及びネットワークシステム

　本発明は、信号の再生を制御する方法に関する。

　映像、音声などのリアルタイムデータをアイソクロナス転送し、制御データなどをアシンクロナス（非同期）転送する高速シリアルデジタルインタフェースとしてＩＥＥＥ１３９４が知られている。ＩＥＥＥ１３９４関連規格概要を図１に示す。ＩＥＥＥ１３９４でアイソクロナス転送を行うためには、論理的な接続（コネクション）を、映像や音声などの送信装置及び受信装置間で確立する必要があり、図２に示すような、ＩＥＣ６１８８３－１にあるＣＭＰ（Connection Management Procedure）として知られている。

　コネクション確立は、ＩＥＥＥ１３９４のトランザクションを用いて、送信装置の持つ論理的な出力プラグと受信装置の持つ論理的な入力プラグの間を、チャンネル情報で関連付けすることで実現される。また、ＩＥＥＥ１３９４の伝送プロトコルは、現在までのところ、ビデオとしてＭＰＥＧ２－ＴＳ、ＢＴ．６０１、ＤＶが定義され、オーディオとしてＡ＆Ｍが定義されている。

　ＩＥＥＥ１３９４上の制御コマンド仕様としては、１３９４ＴＡ（Trade Association）にて規格化されており、「AV/C Digital Interface Command Set General Specification Version 4.2」の中では、排他制御を実現するコマンドも定義されている。このコマンドでは、優先度を設定し、その優先度に応じて排他制御を行うことも考慮されている。

　従来のカーＡＶ（Audio Video）システムなどにおいて、カーナビゲーション装置からの割込み（ガイド）音声は、Ｈ／Ｕ（Head Unit）に入力され、他の音声から割込み音声へ切り替えられる。そして、割込み音声がアンプへ転送されて再生が行われた後、再度Ｈ／Ｕで音声が切り替えられ、元の音声の再生が継続される。つまり、割込み音声の切り替え処理は、音声ソースを制御するＨ／Ｕ内で完結した処理として実行可能である。

　ＩＥＥＥ１３９４を搭載したカーＡＶシステムでは、フロントモニター（以下、「Ｆモニター」と呼ぶ。）でＤＶＤを見るときに、Ｆモニターのコントローラ（制御装置）は、映像送信装置としてＤＶＤ、映像受信装置としてＦモニター、音声送信装置としてＤＶＤ、音声受信装置としてアンプを選択し、映像信号及び音声信号を各装置へ伝送するためにコネクションを確立する。

　なお、Ｆモニターやリアモニター（以下、「Ｒモニター」と呼ぶ。）には、タッチパネルボタンなどのＨＭＩ（Human Machine Interface）が搭載され、カーＡＶシステムを制御するコントローラとして機能する。

　このような場合、ハードウェア上の制約がなければ、割込み音声の音声受信装置は、通常のＡＶ機からの音声を受信する入力プラグとは別に、割込み音声を受信するための割込み音声専用入力プラグを準備することが想定される。このように構成することで、アンプ側の内部処理切り替えにより、従来のＨ／Ｕ内で完結した割込み音声の切り替え処理と同様に処理することが可能となる。

　しかし、カーＡＶシステム上に複数の割込み信号送信装置が存在する場合、割込み信号受信装置に存在する入力プラグの競合が発生する可能性がある。そのため、例えば、ある車載器からの道路状況情報など緊急性の高い割込み音声（緊急情報の音声信号）の再生中に、カーナビゲーション装置からガイド情報の音声信号が送信されると、車載器からカーナビゲーション装置に音声用のコネクションが切り替えられ、優先度の高い緊急情報の音声信号の再生が途切れてしまうという問題が発生する。

　なお、複数の物理プラグ（ハードウェア構成により決まる映像／音声の物理的な入出力ポート）を使用する状況で、物理プラグとチャンネルに対して優先度を付加し、ハードウェア資源（Isochronous Data Path）に競合が発生しないように管理する方法が知られている（例えば、特許文献１）。しかし、特許文献１は、あくまで装置の内部状態に応じて内部の接続経路を管理する方法であって、本発明とは課題が異なる。

特開２００２－１６６２０号公報

　本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、信号種別に優先度を割当てて論理的な入力プラグと対応付けることで、ネットワーク上に伝送される各信号のどれを優先的に再生するかを制御する制御方法を提供することを課題とする。

　請求項１に記載の発明は、送信装置であって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の論理的な入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信手段を備えることを特徴とする。

　請求項３に記載の発明は、受信装置であって、信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の論理的な入力プラグを有する受信装置であって、前記入力プラグは優先度が対応付けられており、前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段と、高い優先度が対応付けられた前記入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段と、を備えることを特徴とする。

　請求項４に記載の発明は、送信装置により実行される制御方法であって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の論理的な入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信工程を備えることを特徴とする。

　請求項５に記載の発明は、制御方法であって、信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の論理的な入力プラグを有する受信装置により実行される制御方法であって、前記入力プラグは優先度が対応付けられており、前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信工程と、高い優先度が対応付けられた前記入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生工程と、を備えることを特徴とする。

　請求項６に記載の発明は、制御プログラムであって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の論理的な入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。

　請求項７に記載の発明は、制御プログラムであって、信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の論理的な入力プラグを有するコンピュータにより実行される制御プログラムであって、前記入力プラグは優先度が対応付けられており、前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段、高い優先度が対応付けられた前記入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。

　請求項１０に記載の発明は、信号を送信する送信装置と、前記信号を再生する受信装置とが通信可能なネットワークシステムであって、前記受信装置は、優先度が対応付けされた複数の論理的な入力プラグを有しており、前記送信装置は、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた前記入力プラグに前記信号を入力することで、前記信号を送信する信号送信手段を備え、前記受信装置は、前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段と、高い優先度が対応付けされた前記入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段と、を備えることを特徴とする。

ＩＥＥＥ１３９４関連規格の概要を示す図である。ＩＥＣ６１８８３のＣＭＰの構成を示す図である。実施例に係るカーＡＶシステムの構成例を示す図である。送信装置制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。信号種別情報のデータ構成の一例を示す図である。入力プラグ優先度情報のデータ構成の一例を示す図である。受信装置制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。信号送信処理のフローチャートである。信号再生処理のフローチャートである。変形例における優先度情報のデータ構成の一例を示す図である。変形例における信号再生処理のフローチャートである。

符号の説明

　１　カーＡＶシステム
　１０　システムバス
　１１　フロントモニター
　１２　ＤＶＤプレイヤー
　１３　カーナビゲーション装置
　１４　ＤＴＶ
　１５、１６　リアモニター
　１７　アンプ
　１８　スピーカ
　１９　車載器

　本発明の１つの観点では、送信装置は、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信手段を備えることを特徴とする。送信装置から信号を受信した受信装置は、最も優先度の高い入力プラグに入力された信号を再生する。このように、信号種別に優先度を割当てて論理的な入力プラグと対応付けることで、ネットワーク上に伝送される各信号のどれを優先的に再生するかを制御することが可能となる。

　上記送信装置の一態様では、前記優先度と前記入力プラグが対応付けされた入力プラグ優先度情報を、前記受信装置から取得する入力プラグ優先度情報取得手段を備え、前記信号送信手段は、前記入力プラグ優先度情報に基づいて、前記優先度と対応付けられた前記入力プラグに前記信号を入力することを特徴とする。これによれば、入力プラグに対応付けされた優先度が、各受信装置それぞれで異なるものであったとしても、入力プラグ優先度情報に基づいて、送信装置は、適切な入力プラグに信号を入力することができる。

　本発明の別の観点では、信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の入力プラグを有する受信装置であって、前記入力プラグは優先度が対応付けられており、前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段と、高い優先度が対応付けられた入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段と、を備えることを特徴とする。これによれば、再生手段は、信号受信手段が受信した信号の中で、最も高い優先度の入力プラグに入力された信号を再生する。よって、緊急情報などの優先度の高い信号を優先的に割込みで再生することができる。

　本発明の別の観点では、送信装置により実行される制御方法であって、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信工程を備えることを特徴とする。このような制御方法によっても、ネットワーク上に伝送される各信号のどれを優先的に再生するかを制御することが可能となる。

　本発明の別の観点では、信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の入力プラグを有する受信装置により実行される制御方法であって、前記入力プラグは優先度が対応付けられており、前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信工程と、高い優先度が対応付けられた入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生工程と、を備えることを特徴とする。このような制御方法によっても、緊急情報などの優先度の高い信号を優先的に割込みで再生することができる。

　本発明の別の観点では、制御プログラムは、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。このような制御プログラムをコンピュータ上で実行することによっても、ネットワーク上に伝送される各信号のどれを優先的に再生するかを制御することが可能となる。なお、この制御プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。

　本発明の別の観点では、信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の入力プラグを有するコンピュータにより実行される制御プログラムであって、前記入力プラグは優先度が対応付けられており、前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段、高い優先度が対応付けられた入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。このような制御プログラムをコンピュータ上で実行することによっても、緊急情報などの優先度の高い信号を優先的に割込みで再生することができる。

　本発明のさらに別の観点では、信号を送信する送信装置と、前記信号を再生する受信装置とが通信可能なネットワークシステムであって、前記受信装置は、優先度が対応付けされた複数の入力プラグを有しており、前記送信装置は、再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた前記入力プラグに前記信号を入力することで、前記信号を送信する信号送信手段を備え、前記受信装置は、前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段と、高い優先度が対応付けされた入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段と、を備えることを特徴とする。このようなネットワークシステムによっても、ネットワーク上に伝送される各信号のどれを優先的に再生するかを制御することが可能となる。

　以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。

　[カーＡＶシステム]
　まず、カーＡＶ（Audio Video）システム１の構成及び前提条件について、図３を用いて説明する。図３は、本発明の実施例に係るカーＡＶシステム１の構成例を示す図である。

　図３に示すように、カーＡＶシステム１は、フロントモニター（以下、「Ｆモニター」と呼ぶ。）１１、ＤＶＤプレイヤー１２、カーナビゲーション装置１３、ＤＴＶ（Digital Television）１４、リアモニター（以下、「Ｒモニター」とも呼ぶ。）１５、Ｒモニター１６、アンプ１７および車載器１９を備え、システムバス１０を介して相互に接続されている。

　Ｆモニター１１は、映像送信装置から受信した各種映像信号に基づいて、ディスプレイに映像を表示する映像受信装置である。Ｆモニター１１は、システムバス１０を介してコントローラや送信装置から送られる制御信号に基づいてＦモニター１１の制御を行うグラフィックコントローラと、ＶＲＡＭ（Video RAM）等のメモリからなり、即時表示可能な映像信号を一時的に記憶するバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される映像信号に基づいて、液晶、ＣＲＴ(Cathode Ray Tube)等のディスプレイを表示制御する表示制御部と、ディスプレイとを備える。ディスプレイは、例えば対角５～１０インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。

　ＤＶＤプレイヤー１２は、コントローラや送信装置による制御の下、ＤＶＤなどのディスクから、音声信号、映像信号などのコンテンツデータを読み出し、映像受信装置へ送信する映像送信装置である。また、音声受信装置へ送信する音声送信装置でもある。

　カーナビゲーション装置１３は、ＧＰＳ(Global Positioning System)や、車速パルス、ジャイロなどの自立測位装置を利用し、車両の運転時にユーザに対して、現在位置の提示や目的地への誘導をはじめとする案内を行う。カーナビゲーション装置１３は、案内に必要なガイド音声などを保有しており、対応する音声信号などを読み出し、音声受信装置へ送信する音声送信装置である。また、カーナビゲーション装置１３は、案内に必要な地図データなどを保有しており、対応する映像信号などを読み出し、映像受信装置へ送信する映像送信装置である。なお、本実施例において、ガイド音声に対応する音声信号の信号種別は、ガイド情報音声であり、地図データに対応する映像信号の信号種別は、ガイド情報映像である。カーナビゲーション装置１３は、ガイド情報を割込み信号として受信装置へ送信することがある。

　ＤＴＶ１４は、デジタル変調とデジタル圧縮を使用したテレビ放送（例えば、日本における地上デジタル放送など）を受信する装置である。カーＡＶシステム１において、ＤＴＶ１４は、受信したテレビ放送の音声信号を、音声受信装置へ送信する音声送信装置である。また、ＤＴＶ１４は、受信したテレビ放送の映像信号を、映像受信装置へ送信する映像送信装置である。なお、本実施例において、テレビ放送の音声信号や映像信号の信号種別は、ＡＶ信号であって、ＤＴＶ１４は、操作音の音声信号を割込み信号として受信装置へ送信することがある。

　アンプ１７は、車載スピーカ１８に接続されており、音声送信装置から受信した各種音声信号に基づいて、車載スピーカ１８を通じて音声を出力する音声受信装置である。アンプ１７は、コントローラの制御の下、システムバス１０を介して受信する音声信号のＤ／Ａ（Digital to Analog）変換を行うＤ／Ａコンバータと、Ｄ／Ａコンバータから出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器とを備える。

　車載器１９は、電話機や車載カメラシステムなどであって、電話の着信音や前方に人がいることを知らせる音声を、音声信号として音声受信装置へ送信する音声送信装置である。また、車載器１９は、前方に人がいることを知らせる映像を、映像信号として映像受信装置へ送信する映像送信装置である。なお、本実施例において、電話機の着信音や前方に人がいることを知らせる音声に対応する音声信号の信号種別は、緊急情報音声であり、前方に人がいることを知らせる映像に対応する映像信号の信号種別は、緊急情報映像である。

　Ｒモニター１５及び１６は、Ｆモニター１１と同様の映像受信装置であるが、車内の後方に装着される。また、Ｒモニター１５及び１６は、アンプ１７と同様に音声受信装置としても機能する。

　なお、Ｆモニター１１、Ｒモニター１５及び１６には、タッチパネル、ボタンなどのＨＭＩ（Human Machine Interface）が搭載され、カーＡＶシステム１を制御するコントローラとしても機能する。コントローラは、基本的にモニターやＨ／Ｕ（Head Unit）に存在する。本実施例において、コントローラは、Ｆモニター１１、Ｒモニター１５及び１６としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、コントローラとして機能する装置は任意に設定することができる。

　各コントローラや送信装置は、それぞれ独立に動作可能であって、ネットワーク（システムバス１０）上の装置認識、自身が操作対象とした装置のコネクション管理、装置制御、ネットワーク上の装置動作状態監視などを行うものである。各装置間のコネクションを確立するコントローラや送信装置は、ネットワーク上に複数存在する。そのため、例えば、Ｆモニター１１がコントローラとして機能し、Ｒモニター１５の視聴ソースを選択することも可能である。なお、コントローラは、リモコンライクな操作性を確保しており、後から行われた操作が有効となる後勝ちの性質を有している。

　このように、本実施例に係るカーＡＶシステム１は、ネットワーク上に複数の映像送信装置、音声送信装置、映像受信装置、音声受信装置が混在する。映像信号と音声信号は、別々に伝送することも想定されており、それぞれが別々の映像受信装置及び音声受信装置（例えば、Ｆモニター１１及びアンプ１７）に入力されることもあれば、同じ装置（例えば、Ｒモニター１５）に入力されることもある。

　[送信装置制御ユニット]
　続いて、送信装置の構成要素により構成される送信装置制御ユニット２００について、図４を参照して説明する。図４は、送信装置制御ユニット２００のブロック図である。

　送信装置制御ユニット２００は、割込み信号の信号種別に優先度を割付け、当該優先度と対応付けられた受信装置の入力プラグに当該信号を入力することで、ネットワーク上に伝送される各信号のどれが優先的に再生されるかを制御する。

　図４に示すように、送信装置制御ユニット２００は、信号送信イベント検出部２０１、信号送信部２０２、装置認識部２０３、受信装置設定部２０４、信号種別情報記憶部２０５、入力プラグ優先度情報取得部２０６、信号種別優先度設定部２０７、入力プラグＩＤ決定部２０８、コネクション管理部２０９、コマンド送受信部２１０及びプラグレジスタ管理部２１１を備える。

　信号送信イベント検出部２０１は、割込み信号を送信するイベントが発生したことを検出する。例えば、送信装置がカーナビゲーション装置１３であれば、「右に曲がります」といったガイド音声の音声信号を送信するタイミングで、信号送信イベント検出部２０１は、信号を送信するイベントが発生したことを検出する。

　信号送信部２０２は、映像信号や音声信号を、コネクションを介して入力プラグに入力することで、受信装置に送信する。具体的に、信号送信部２０２は、後述するコネクション管理部２０８により確立されたコネクションによって、信号送信の開始を通知する信号送信開始通知とともに映像信号や音声信号を受信装置に送信する。また、信号送信部２０２は、映像信号や音声信号の送信を終了する際、信号送信の終了を通知する信号送信終了通知を送信する。なお、送信装置は、各種信号を、ディスクから読み出す、テレビ放送により受信する、予め記憶しておくなどの様々な方法により保有している。信号送信部２０２は、本発明における信号送信手段として機能する。

　装置認識部２０３は、ネットワーク上で送信装置が接続している装置を認識する。

　受信装置設定部２０４は、装置認識部２０３により認識されている受信装置に関する情報を取得し、映像信号や音声信号の送信先となる受信装置を設定する。

　信号種別情報記憶部２０５は、信号の信号種別と、受信装置において再生する優先度とを対応付けた信号種別情報を記憶する。図５は、信号種別情報のデータ構成の一例を示す図である。図５に示すように、本実施例において信号種別は、緊急情報音声、緊急情報映像、ガイド情報音声、ガイド情報映像及びＡＶ信号音声／映像である。優先度は、緊急情報音声に最も高い優先度の「１」、緊急情報映像に「２」、ガイド情報音声に「３」、ガイド情報映像に「４」、ＡＶ信号音声／映像に最も低い優先度の「５」が対応付けられている。このように、緊急情報及びガイド情報の優先度について、映像信号よりも音声信号を高く設定することにより、少なくとも音声だけでも再生できるようにする。信号種別情報記憶部２０５は、ＲＡＭやＲＯＭなどのメモリにより構成される。

　なお、信号種別や優先度は、これに限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。

　入力プラグ優先度情報取得部２０６は、優先度と、受信装置の持つ論理的な入力プラグを識別するプラグＩＤとを対応付けた入力プラグ優先度情報を、受信装置設定部２０４により設定された受信装置から取得する。本実施例において、入力プラグ優先度情報は、各受信装置それぞれで異なるため、入力プラグ優先度情報取得部２０６は、各受信装置からそれぞれに対応する入力プラグ優先度情報を取得する必要がある。

　図６は、アンプ１７の入力プラグ優先度情報のデータ構成の一例を示す図である。図６に示すように、本実施例における入力プラグ優先度情報は、優先度「１」及び「２」にプラグＩＤ「２」、優先度「３」及び「４」にプラグＩＤ「１」、優先度「５」にプラグＩＤ「０」が対応付けられている。なお、１度取得した入力プラグ優先度情報は、ＲＡＭやＲＯＭなどのメモリに記憶して、利用することとしてもよい。入力プラグ優先度情報取得部２０６は、本発明における入力プラグ優先度情報取得手段として機能する。

　信号種別優先度設定部２０７は、信号送信部２０２が送信する信号の信号種別に基づいて、信号種別情報記憶部２０５に記憶された信号種別情報を参照することで、当該信号の優先度を設定する。例えば、信号送信部２０２が送信する信号の信号種別が「緊急情報音声」である場合、信号種別優先度設定部２０７は、図５に示すような信号種別情報を参照し、当該信号の優先度「１」を設定する。

　入力プラグＩＤ決定部２０８は、信号種別優先度設定部２０７が設定した優先度に基づいて、入力プラグ優先度情報取得部２０６が取得した入力プラグ優先度情報を参照することで、信号を入力する入力プラグの入力プラグＩＤを決定する。例えば、信号種別優先度設定部２０７が優先度「１」を設定した場合、入力プラグＩＤ決定部２０８は、図６に示すような入力プラグ優先度情報を参照し、信号を入力する入力プラグの入力プラグＩＤ「２」を決定する。

　コネクション管理部２０９は、送信装置の持つ論理的な出力プラグと受信装置の持つ論理的な入力プラグとの間をチャンネル情報で関連付けることで確立されるコネクションを管理する。コネクション管理部２０９は、コネクション確立要求部及びコネクション切断要求部を有する。

　コネクション確立要求部は、受信装置設定部２０４が設定した受信装置にコネクション確立要求を送信することで、自身、即ち送信装置の出力プラグと、当該受信装置の入力プラグとの間でコネクションを確立させる。ここで、受信装置の入力プラグとは、入力プラグＩＤ決定部２０８が決定した入力プラグＩＤが割り当てられた入力プラグである。このように、コネクション確立要求部は、受信装置の入力プラグとの間で、映像信号及び音声信号のそれぞれを伝送するためのコネクションを確立させる。一方、コネクション切断要求部は、受信装置にコネクション切断要求を送信することで、確立されている任意のコネクションを切断する。

　コマンド送受信部２１０は、コネクション管理を行うためのコマンドの送受信を行う。例えば、コマンド送受信部２１０は、受信装置に、コネクション確立要求やコネクション切断要求といったコマンドを送信する。また、コマンド送受信部２１０は、受信装置から、後述するコネクション確立応答やコネクション切断応答といったコマンドを受信する。

　プラグレジスタ管理部２１１は、送信装置が持つ論理的な出力プラグを管理する。例えば、本実施例では図４に示すように、プラグレジスタ管理部２１１は、プラグＩＤ「０」の出力プラグ（ｏＰＣＲ[０]）と、プラグＩＤ「１」の出力プラグ（ｏＰＣＲ[１]）を管理している。プラグＩＤ「０」の出力プラグは、信号種別がＡＶ信号の信号を出力し、プラグＩＤ「１」の出力プラグは、信号種別がガイド情報や映像情報の信号を出力する。

　なお、上述の各部は、送信装置のＣＰＵが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。

　[受信装置制御ユニット]
　続いて、受信装置の構成要素により構成される受信装置制御ユニット３００について、図７を参照して説明する。図７は、受信装置制御ユニット３００のブロック図である。

　受信装置制御ユニット３００は、入力プラグに対応付けられた優先度に基づいて、受信した各信号のどれを優先的に再生するかを制御する。

　図７に示すように、受信装置制御ユニット３００は、コネクション処理実行部３０１、コマンド送受信部３０２、プラグレジスタ管理部３０３、信号種別情報記憶部３０４、入力プラグ優先度情報記憶部３０５、入力プラグ優先度判定部３０６、再生信号設定部３０７及び再生部３０８を備える。

　コネクション処理実行部３０１は、受信装置の持つ論理的な入力プラグと送信装置の持つ論理的な出力プラグとの間をチャンネル情報で関連付けることによりコネクションを確立したり、当該コネクションを切断したりする処理を行う。コネクション処理実行部３０１は、コネクション確立部及びコネクション切断部を有する。

　コネクション確立部は、送信装置やコントローラから受信したコネクション確立要求により、指定された送信装置の出力プラグと、受信装置の入力プラグとの間でコネクションを確立する。このとき、コネクション確立部は、コネクション確立要求で指定された入力プラグＩＤが割り当てられた入力プラグＩＤにコネクションを確立する。即ち、受信する信号の信号種別に応じた入力プラグにコネクションを確立する。具体的に、コネクション確立部は、コネクション確立要求に基づいて、映像送信装置の出力プラグと映像受信装置の入力プラグの間にコネクションを確立する。また、コネクション確立部は、コネクション確立要求に基づいて、音声送信装置の出力プラグと音声受信装置の入力プラグの間にコネクションを確立する。さらに、コネクション確立部は、コネクション確立要求を受諾してコネクションを確立したこと又はコネクション確立要求を拒絶してコネクションを確立しなかったことを示すコネクション確立応答を、コネクション確立要求を送信した送信装置やコントローラに送信する。このように、コネクション確立部は、送信装置やコントローラからのコネクション確立要求に基づいて、映像信号及び音声信号それぞれを伝送するためのコネクションを確立する。

　一方、コネクション切断部は、送信装置やコントローラからコネクション切断要求を受信した場合に、指定されたコネクションを切断する。また、コネクション切断部は、コネクション切断要求を受諾してコネクションを切断したこと又はコネクション切断要求を拒絶してコネクションを切断しなかったことを示すコネクション切断応答を、コネクション切断要求を送信した送信装置やコントローラに送信する。

　コマンド送受信部３０２は、コネクション処理を実行するためのコマンドの送受信を行う。例えば、コマンド送受信部３０２は、送信装置やコントローラから、コネクション確立要求やコネクション切断要求といったコマンドを受信する。また、コマンド送受信部３０２は、送信装置やコントローラに、コネクション確立応答やコネクション切断応答といったコマンドを送信する。

　プラグレジスタ管理部３０３は、受信装置が持つ論理的な入力プラグを管理する。例えば、本実施例では図７に示すように、プラグレジスタ管理部３０３は、プラグＩＤ「０」の入力プラグ（ｉＰＣＲ[０]）と、プラグＩＤ「１」の入力プラグ（ｉＰＣＲ[１]）と、プラグＩＤ「２」の入力プラグ（ｉＰＣＲ[２]）とを管理している。例えば、アンプ１７では、図６に示す入力プラグ優先度情報のとおり、プラグＩＤ「０」の入力プラグに優先度「５」、プラグＩＤ「１」の入力プラグに優先度「４」及び「３」、プラグＩＤ「２」の入力プラグに優先度「２」及び「１」がそれぞれ対応付けられている。各優先度に対応付けされた信号種別は、図５に示す信号種別情報のとおりであるため、換言するとアンプ１７では、プラグＩＤ「０」の入力プラグに信号種別がＡＶ信号の信号が入力され、プラグＩＤ「１」の入力プラグに信号種別がガイド情報の信号が入力され、プラグＩＤ「２」の入力プラグに信号種別が緊急情報の信号が入力される。プラグレジスタ管理部３０３は、管理している入力プラグの状態を常に監視しており、入力プラグの状態変化を検出すると、入力プラグ優先度判定部３０６に入力プラグ状態変化通知及び入力プラグ選択命令を行う。

　信号種別情報記憶部３０４は、例えば図５に示すような、信号の信号種別と、受信装置において再生する優先度とを対応付けた信号種別情報を記憶する。

　入力プラグ優先度情報記憶部３０５は、例えば図６に示すような、優先度と、自身（受信装置）の持つ論理的な入力プラグを識別するプラグＩＤとを対応付けた入力プラグ優先度情報を記憶する。

　信号種別情報記憶部３０４及び入力プラグ優先度情報記憶部３０５は、ＲＡＭやＲＯＭなどのメモリにより構成される。

　入力プラグ優先度判定部３０６は、プラグレジスタ管理部３０３から入力プラグ状態変化通知及び入力プラグ選択命令を受信すると、全入力プラグの入力プラグ情報に基づいて、入力プラグの優先度判定を行い、コネクションが確立されている入力プラグの中で最も優先度の高い入力プラグを選択する。入力プラグ情報とは、プラグＩＤ、優先度、プラグステータスの情報である。ここで、優先度は、入力プラグ優先度情報において、プラグＩＤに対応付けされている優先度である。プラグステータスは、プラグＩＤが示す入力プラグがオンライン且つコネクションを確立している（アクティブ）か否かを示す情報である。

　再生信号設定部３０７は、コネクションを介して送信装置から入力プラグに入力された映像信号や音声信号を受信する。また、入力プラグ優先度判定部３０６が選択した最も優先度の高い入力プラグに入力された信号を、再生部３０８により再生する再生信号に設定する。

　再生部３０８は、再生信号設定部３０７により再生信号に設定された信号を再生することで、スピーカ又はディスプレイに音声又は映像を出力する。

　入力プラグ優先度判定部３０６、再生信号設定部３０７及び再生部は、本発明における信号受信手段及び再生手段として機能する。

　なお、上述の各部は、受信装置のＣＰＵが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。

　[信号送信処理]
　次に、図８を参照し、本実施例の送信装置による信号送信処理について説明する。図８は、送信装置による信号送信処理のフローチャートである。

　信号送信処理は、割込み信号の信号種別に優先度を割付け、当該優先度と対応付けられた受信装置の入力プラグに入力することで、当該割込み信号を送信する処理である。本実施例において、送信装置はカーナビゲーション装置１３、受信装置はアンプ１７であって、送信装置は、信号種別がガイド情報音声である音声信号を、受信装置に送信するものとする。これによれば、アンプ１７から、ガイド情報の音声が割込みで再生される。

　送信装置が有する送信装置制御ユニット２００の信号送信イベント検出部２０１は、割込み信号を送信するイベントが発生したことを検出する（ステップＳ１）。すると、受信装置設定部２０４は、装置認識部２０３により認識されている受信装置に関する情報を取得し、割込み信号である音声信号の送信先となる受信装置を設定する（ステップＳ２）。本実施例において、受信装置設定部２０４は、受信装置としてアンプ１７を設定する。

　入力プラグ優先度情報取得部２０６は、受信装置設定部２０４により設定された受信装置から、当該受信装置に対応する入力プラグ優先度情報を取得する（ステップＳ３）。即ち、入力プラグ優先度情報取得部２０６は、アンプ１７から、当該アンプ１７に対応する入力プラグ優先度情報を取得する。そして、信号種別優先度設定部２０７は、信号送信部２０２が割込み信号として送信する信号の信号種別に基づいて、信号種別情報記憶部２０５に記憶された信号種別情報を参照することで、当該信号の優先度を設定する（ステップＳ４）。本実施例において、割込み信号として送信する信号の信号種別はガイド情報音声であるため、信号種別優先度設定部２０７は、図５に示すような信号種別情報を参照することで、当該信号の優先度「３」を設定する。

　続いて、入力プラグＩＤ決定部２０８は、信号種別優先度設定部２０７が設定した優先度に基づいて、入力プラグ優先度情報取得部２０６が取得した入力プラグ優先度情報を参照することで、信号を入力する入力プラグの入力プラグＩＤを決定する（ステップＳ５）。本実施例において、信号種別優先度設定部２０７は割込み信号に優先度「３」を設定したため、入力プラグＩＤ決定部２０８は、図６に示すような入力プラグ優先度情報を参照することで、信号を入力する入力プラグの入力プラグＩＤ「１」を決定する。入力プラグＩＤが決定すると、コネクション管理部２０９のコネクション確立要求部は、受信装置設定部２０４が設定した受信装置に、入力プラグＩＤ決定部２０８が決定したプラグＩＤの入力プラグＩＤとコネクションを確立することを要求するコネクション確立要求を送信する（ステップＳ６）。具体的に、コネクション確立要求部は、受信装置設定部２０４が設定したアンプ１７に、ガイド情報を出力する出力プラグ（ｏＰＣＲ[１]）と、入力プラグＩＤ決定部２０８が決定したプラグＩＤ「１」の入力プラグ（ｉＰＣＲ[１]）との間のコネクションを確立することを要求するコネクション確立要求を送信する。コネクション確立要求を受信した受信装置は、送信装置とのコネクションを確立する。

　コネクション確立要求によりコネクションが確立されると、信号送信部２０２は、当該コネクションにより信号送信開始通知とともに割込み信号を受信装置に送信する（ステップＳ７）。即ち、信号送信部２０２は、コネクションにより信号開始通知とともに、信号種別がガイド情報音声である音声信号をアンプ１７に送信する。そして、信号送信部２０２は、割込み信号の送信が終了したか否かを判定する（ステップＳ８）。割込み信号の送信が終了していない場合（ステップＳ８；Ｎｏ）、信号送信部２０２は、ステップＳ７及びＳ８の処理を繰り返し行う。一方、割込み信号の送信が終了した場合（ステップＳ８；Ｙｅｓ）、信号送信部２０２は受信装置に信号送信終了通知を送信する。割込み信号の送信が終了すると、コネクション管理部２０９のコネクション切断要求部は、受信装置にコネクション切断要求を送信する。これにより、信号送信処理は完了する。なお、コネクション切断要求を受信した受信装置は、送信装置とのコネクションを切断する。

　このように、送信装置は、信号送信処理によって、割込み信号の信号種別に優先度を割付け、当該優先度と対応付けられた入力プラグとのコネクションによって、受信装置に割込み信号を送信する。

　[信号再生処理]
　次に、図９を参照し、本実施例の受信装置による信号再生処理について説明する。図９は、受信装置による信号再生処理のフローチャートである。

　信号再生処理は、入力プラグに対応付けられた優先度に基づいて、受信した各信号を再生する処理である。本実施例において、送信装置はカーナビゲーション装置１３、受信装置はアンプ１７であって、受信装置は、信号種別がガイド情報音声である音声信号を、送信装置から受信するものとする。これによれば、アンプ１７は、ガイド情報の音声を割込みで再生する。

　受信装置が有する受信装置制御ユニット３００において、コネクション処理実行部３０１のコネクション確立部は、送信装置からコネクション確立要求を受信すると、当該送信装置の出力プラグと、指定された入力プラグＩＤが示す入力プラグとの間でコネクションを確立する。本実施例において、コネクション確立部は、カーナビゲーション装置１３から、ガイド情報を出力する出力プラグ（ｏＰＣＲ[１]）と、アンプ１７の持つプラグＩＤ「１」の入力プラグ（ｉＰＣＲ[１]）との間のコネクションを確立することを要求するコネクション確立要求を受信する。よって、コネクション確立部は、カーナビゲーション装置１３の持つ出力プラグ（ｏＰＣＲ[１]）と、アンプ１７の持つ入力プラグ（ｉＰＣＲ[１]）との間のコネクションを確立する。

　受信装置の持つオンライン状態の入力プラグに新たなコネクションが確立されると、プラグレジスタ管理部３０３は、入力プラグの状態変化を検出する（ステップＳ１１）。すると、プラグレジスタ管理部３０３は、入力プラグ優先度判定部３０６に、入力プラグ状態変化通知及び入力プラグ選択命令を行う。

　入力プラグ状態変化通知及び入力プラグ選択命令を受けた入力プラグ優先度判定部３０６は、プラグレジスタ管理部３０３から、受信装置の持つ全入力プラグの入力プラグ情報を取得する（ステップＳ１２）。そして、入力プラグ優先度判定部３０６は、入力プラグ情報に基づいて、入力プラグの優先度判定を行う。本実施例の入力プラグの優先度判定において、入力プラグ優先度判定部３０６は、まず、プラグＩＤを最大プラグＩＤに設定し、優先度を最低に設定する（ステップＳ１３）。本実施例のアンプ１７において最大プラグＩＤは「２」であり、最も低い優先度は「５」であるため、入力プラグ優先度判定部３０６は、プラグＩＤを最大プラグＩＤ「２」に設定し、優先度を最低「５」に設定する。

　続いて、入力プラグ優先度判定部３０６は、設定したプラグＩＤに対応する入力プラグ情報に含まれるプラグステータスが、アクティブであるか否かを判定する（ステップＳ１４）。即ち、プラグＩＤ「２」が示す入力プラグがオンライン且つコネクションが確立されているか否かを判定する。プラグステータスがアクティブでない場合（ステップＳ１４；Ｎｏ）、入力プラグ優先度判定部３０６は、ステップＳ１７へ進む。

　プラグステータスがアクティブである場合（ステップＳ１４；Ｙｅｓ）、設定したプラグＩＤに対応する入力プラグ情報に基づいて、ステップＳ１３において設定した優先度が、設定したプラグＩＤに対応する優先度より低いか否かを判定する（ステップＳ１５）。設定した優先度が、設定したプラグＩＤに対応する優先度より高い場合（ステップＳ１５；Ｎｏ）、入力プラグ優先度判定部３０６は、ステップＳ１７へ進む。一方、設定した優先度が、設定したプラグＩＤに対応する優先度より低い場合（ステップＳ１５；Ｙｅｓ）、入力プラグ優先度判定部３０６は、最大優先度プラグＩＤを当該プラグＩＤに設定し、最大優先度を当該プラグＩＤに対応する優先度に設定する（ステップＳ１６）。

　入力プラグ優先度判定部３０６は、プラグＩＤから１引いたものを、改めてプラグＩＤに設定する（ステップＳ１７）。そして、入力プラグ優先度判定部３０６は、設定したプラグＩＤが０以上か否かを判定する（ステップＳ１８）。設定したプラグＩＤが０以上である場合（ステップＳ１８；Ｙｅｓ）、入力プラグ優先度判定部３０６は、ステップＳ１４乃至Ｓ１８の処理を繰り返し行う。一方、設定したプラグＩＤが０より小さい場合（ステップＳ１８；Ｎｏ）、受信装置の持つ全ての入力プラグについて優先度判定を行ったものとし、入力プラグ優先度設定部３０６は、その時点で最大優先度プラグＩＤに設定されているプラグＩＤの入力プラグを、コネクションが確立されている入力プラグの中で最も優先度の高い入力プラグとして選択する。本実施例において、アンプ１７は、プラグＩＤ「１」の入力プラグを、最も優先度の高い入力プラグとして選択する。

　再生信号設定部３０７は、入力プラグ優先度判定部３０６が選択した入力プラグに入力された信号を、再生信号に設定する（ステップＳ１９）。即ち、再生信号設定部３０７は、プラグＩＤ「２」の入力プラグ（ｉＰＣＲ[１]）に入力された信号種別がガイド情報音声である音声信号を、再生信号に設定する。そして、再生部３０８は、再生信号設定部３０７により再生信号に設定された信号を再生することで、スピーカ又はディスプレイに音声又は映像を出力する（ステップＳ２０）。即ち、再生部３０８は、信号種別がガイド情報音声である音声信号を再生することで、スピーカ１８から、カーナビゲーション装置１３から受信したガイド情報の音声を出力する。これにより、信号再生処理は完了する。

　このように、受信装置は、入力プラグに対応付けられた優先度に基づいて、送信装置から受信した各信号を再生する。

　本実施例におけるカーＡＶシステム１によれば、ＡＶコンテンツ再生時などの通常の音声信号又は映像信号に対して、カーナビゲーション装置１３などのガイド情報の音声信号、さらには、緊急情報の音声信号などの重要度の高い音声信号又は映像信号には、高い優先度を割り当てる。即ち、各信号種別にそれぞれ優先度を割り当てる。また、映像受信装置及び／又は音声受信装置において、複数の論理的な入力プラグ（ｉＰＣＲ）を準備し、その論理的な入力プラグ毎に優先度を対応付ける。受信装置では、同時に複数の信号が入力された際、高優先度の入力プラグの信号を優先して再生する。送信装置は、受信装置からプラグＩＤと優先度が対応付けされた入力プラグ優先度情報を取得し、自身が送信する割込み信号の優先度を認識し、どの論理的な入力プラグにコネクションを確立すべきかを判断して、接続する。

　このように、信号種別に優先度を割当てて論理的な入力プラグと対応付けることで、ネットワーク上に伝送される各信号のどれを優先的に再生するかを制御することが可能となる。

　なお、受信装置において、ＡＶ信号が入力されている際に、それ以外の入力プラグに入力された割込み音声信号を、ミキシングして再生することとしてもよい。同様に、割込み映像信号を、ＰｉｎＰ（Picture in Picture）で表示することとしてもよい。これによれば、ＡＶ信号を途切れさせることなく、割込み信号を再生することができる。

　[変形例]
　上記実施例では、受信装置毎に入力プラグと優先度との対応付けが異なるものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ネットワーク内における全ての受信装置の入力プラグと優先度との対応付けを共通させることとしてもよい。つまり、図１０に示すように、信号種別と、優先度と、プラグＩＤとを関連付けた優先度情報を、ネットワーク内で共通して使用することとしてもよい。図１０は、優先度情報のデータ構成の一例を示す図である。本変形例では、図示のように、高い優先度ほど数値の大きいプラグＩＤに関連付けされているものとする。

　ここで、図１１を参照し、変形例の受信装置による信号再生処理について説明する。図１１は、変形例の受信装置による信号再生処理のフローチャートである。変形例の受信装置が有する受信装置制御ユニットは、実施例と異なり、信号種別情報記憶部３０４及び入力プラグ優先度情報記憶部３０５の代わりに、図１０に示すような優先度情報を記憶する優先度情報記憶部を有する。

　受信装置が有する受信装置制御ユニット３００において、コネクション処理実行部３０１のコネクション確立部は、送信装置からコネクション確立要求を受信すると、指定された送信装置の出力プラグと、受信装置の入力プラグとの間でコネクションを確立する。

　受信装置の持つ入力プラグに新たなコネクションが確立されると、プラグレジスタ管理部３０３は、入力プラグの状態変化を検出する（ステップＳ２１）。すると、プラグレジスタ管理部３０３は、入力プラグ優先度判定部３０６に、入力プラグ状態変化通知及び入力プラグ選択命令を行う。

　入力プラグ状態変化通知及び入力プラグ選択命令を受けた入力プラグ優先度判定部３０６は、プラグレジスタ管理部３０３から、受信装置の持つ全入力プラグの入力プラグ情報を取得する（ステップＳ２２）。ここで、変形例における入力プラグ情報は、プラグＩＤ及びプラグステータスの情報である。そして、入力プラグ優先度判定部３０６は、入力プラグ情報に基づいて、入力プラグの優先度判定を行う。変形例の入力プラグの優先度判定において、入力プラグ優先度判定部３０６は、まず、プラグＩＤを最大プラグＩＤに設定する（ステップＳ２３）。変形例において最大プラグＩＤは「２」であるため、入力プラグ優先度判定部３０６は、プラグＩＤを最大プラグＩＤ「２」に設定する。

　続いて、入力プラグ優先度判定部３０６は、設定したプラグＩＤに対応する入力プラグ情報に含まれるプラグステータスが、アクティブであるか否かを判定する（ステップＳ２４）。即ち、プラグＩＤ「２」が示す入力プラグにコネクションが確立されているか否かを判定する。

　プラグステータスがアクティブでない場合（ステップＳ２４；Ｎｏ）、入力プラグ優先度判定部３０６は、プラグＩＤから１引いたものを、改めてプラグＩＤに設定する（ステップＳ２５）。そして、入力プラグ優先度判定部３０６は、設定したプラグＩＤが０であるか否かを判定する（ステップＳ２６）。設定したプラグＩＤが０以上である場合（ステップＳ２６；Ｙｅｓ）、入力プラグ優先度判定部３０６は、ステップＳ２４乃至Ｓ２６の処理を繰り返し行う。一方、設定したプラグＩＤが０より小さい場合（ステップＳ２６；Ｎｏ）、入力プラグ優先度判定部３０６は、信号再生処理を終了する。

　プラグステータスがアクティブである場合（ステップＳ２４；Ｙｅｓ）、入力プラグ優先度判定部３０６は、設定したプラグＩＤの入力プラグを、コネクションが確立されている入力プラグの中で最も優先度の高い入力プラグとして選択する。再生信号設定部３０７は、入力プラグ優先度判定部３０６が選択した入力プラグに入力された信号を、再生信号に設定する（ステップＳ２７）。そして、再生部３０８は、再生信号設定部３０７により再生信号に設定された信号を再生することで、スピーカ又はディスプレイに音声又は映像を出力する（ステップＳ２８）。これにより、変形例における信号再生処理は終了する。

　このように、ネットワーク内における全ての受信装置の入力プラグと優先度との対応付けを共通させることで、送信装置は、送信する割込み信号の信号種別に対応した優先度に応じた入力プラグを、どの受信装置かに関わらず、プラグＩＤのみで判断できるため、信号再生処理を簡単に実現することが可能となる。

　本発明は、信号種別に優先度を割当てて論理的な入力プラグと対応付けることで、ネットワーク上に伝送される各信号のどれを優先的に再生するかを制御する制御方法としてカーＡＶシステムなどで利用することができる。

Claims

　再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の論理的な入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信手段を備えることを特徴とする送信装置。
　前記優先度と前記入力プラグが対応付けされた入力プラグ優先度情報を、前記受信装置から取得する入力プラグ優先度情報取得手段を備え、
　前記信号送信手段は、前記入力プラグ優先度情報に基づいて、前記優先度と対応付けられた前記入力プラグに前記信号を入力することを特徴とする請求項１に記載の送信装置。
　信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の論理的な入力プラグを有する受信装置であって、
　前記入力プラグは優先度が対応付けられており、
　前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段と、
　高い優先度が対応付けられた前記入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段と、を備えることを特徴とする受信装置。
　送信装置により実行される制御方法であって、
　再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の論理的な入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信工程を備えることを特徴とする制御方法。
　信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の論理的な入力プラグを有する受信装置により実行される制御方法であって、
　前記入力プラグは優先度が対応付けられており、
　前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信工程と、
　高い優先度が対応付けられた前記入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生工程と、を備えることを特徴とする制御方法。
　再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた受信装置の論理的な入力プラグに前記信号を入力することで、当該信号を送信する信号送信手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする制御プログラム。
　信号を送信する送信装置と通信可能であり、複数の論理的な入力プラグを有するコンピュータにより実行される制御プログラムであって、
　前記入力プラグは優先度が対応付けられており、
　前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段、
　高い優先度が対応付けられた前記入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする制御プログラム。
　請求項６に記載の制御プログラムを記憶したことを特徴とする記録媒体。
　請求項７に記載の制御プログラムを記憶したことを特徴とする記録媒体。
　信号を送信する送信装置と、前記信号を再生する受信装置とが通信可能なネットワークシステムであって、
　前記受信装置は、優先度が対応付けされた複数の論理的な入力プラグを有しており、
　前記送信装置は、
　再生する信号の信号種別に応じて優先度を割付け、前記優先度と対応付けられた前記入力プラグに前記信号を入力することで、前記信号を送信する信号送信手段を備え、
　前記受信装置は、
　前記送信装置により前記入力プラグに入力された信号を受信する信号受信手段と、
　高い優先度が対応付けされた前記入力プラグに入力された信号を、優先的に再生する再生手段と、を備えることを特徴とするネットワークシステム。