WO2009088087A1 - エポキシ化触媒、エポキシ化触媒の製造方法、エポキシ化合物の製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ化触媒、エポキシ化触媒の製造方法、エポキシ化合物の製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

 本発明は、高活性でしかも目的物の選択性に優れたエポキシ化触媒を提供することを課題とする。  本発明は、多価アルケンを酸化してエポキシ化合物を製造するために有用なエポキシ化触媒を提供する。かかる本発明のエポキシ化触媒は、タングステン酸類から誘導される過酸化物体であり、且つ、赤外線吸収スペクトルにおいて815-825カイザーに特性吸収を有することを特徴とする。

Description

エポキシ化触媒、エポキシ化触媒の製造方法、エポキシ化合物の製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物
 本発明は反応性にすぐれたエポキシ化触媒およびその製造方法に関する。また、本発明は該エポキシ化触媒を用いたエポキシ化合物の製造方法に関する。更に、本発明は、該エポキシ化合物を用いた硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関する。
 一般にオレフィン類と過酸化水素との反応によるエポキシ化の反応では、オレフィンの転化率およびその選択性が低いといわれている。近年、この問題に対し、ヘテロポリ酸の過酸化物体が注目を浴びている。非特許文献1、特許文献1、特許文献2などで挙げられているヘテロポリ酸と過酸化水素の反応物を4級アンモニウム塩と反応させて得られる過酸化物体などがその一例である。これら特許文献や非特許文献で検討されているオレフィン類は、いずれも低分子であると共にそのほとんどが単官能体であり、選択性がさほど必要では無い。また本手法においては転化率、反応性は解消されているものの、触媒の活性が低く、さらなる検討が望まれている。
J.O.C vol.53,No.7,1988 日本公開特許:特開昭62-234550号公報 日本公開特許:特開平4-316566号公報
 本発明は、高活性でしかも目的物の選択性に優れたエポキシ化触媒およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は該エポキシ化触媒を用いたエポキシ化合物の製造方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、該エポキシ化合物を用いた硬化性樹脂組成物およびその硬化物を提供することを目的とする。
 本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
 すなわち本発明は下記の通りである。
(1) 多価アルケンを酸化してエポキシ化合物を製造するためのエポキシ化触媒であって、
 タングステン酸類から誘導される過酸化物体であり、且つ、赤外線吸収スペクトルにおいて815-825カイザーに特性吸収を有することを特徴とするエポキシ化触媒。
(2) タングステン酸類が、タングステン系の酸またはその塩であることを特徴とする上記(1)に記載のエポキシ化触媒。
(3) 多価アルケンを酸化してエポキシ化合物を製造するためのエポキシ化触媒の製造方法であって、
 A)タングステン酸類と該タングステン酸類量に対して10~50倍モル当量の過酸化水素とを水層中で反応させる工程と、
 B)前記A)の反応液と4級アンモニウム塩とを、水-有機層の2層系で反応させる工程と、を含むことを特徴とするエポキシ化触媒の製造方法。
(4) 前記B)工程が、前記A)の反応液と、燐酸および4級アンモニウム塩とを、水-有機層の2層系で反応させる工程であることを特徴とする上記(3)記載のエポキシ化触媒の製造方法。
(5) 上記(1)または(2)記載のエポキシ化触媒の存在下、多価アルケンを過酸化
水素により酸化することを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
(6) 上記(5)に記載の製造方法によって得られるエポキシ化合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(7) 上記(6)に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
 本発明のエポキシ化触媒は、非常に反応性に富み、多価アルケンから選択的に多価エポキシ化合物を高収率で得ることができる。またこのようにして得られるエポキシ化合物を含む本発明の硬化性脂組成物は、電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト、などの広範囲の用途に有用である。
 以下、本発明のエポキシ化触媒について説明する。
 本発明のエポキシ化触媒は、4級アンモニウムイオンとタングステン酸類との塩であって、該タングステン酸類が過酸化水素との反応によって過酸化物化された構造を有しており、強力な活性を有する。
 本発明のエポキシ化触媒は、その赤外線吸収スペクトルにおいて特異な吸収を示す。
 従来、報告されているタングステン酸類の過酸化物体はその特性吸収として540カイザーと570カイザーを挙げている(特許文献1)。一方、本発明のエポキシ化触媒においては540および570カイザーに有意な吸収を持たず、815-825カイザーに吸収を持ち、さらに好ましい条件下で得られたものでは818-823カイザーに吸収を持つ。またこの特性吸収に加え、950-960カイザーおよび/または970-980カイザーに特性吸収を有することが好ましい。
 本発明のエポキシ化触媒は、815-825カイザーに特性吸収を持つことから、高活性(高反応性)であるとともに、多価アルケンの選択的なエポキシ化を高収率で可能とする。
 過酸化物化されたエポキシ化触媒の製造方法としては非特許文献1に記載されている方法が基本であり、特許文献1、2においても非特許文献1に記載された手段で製造したものを使用している。本手法により合成された触媒を用いても、エポキシ化反応は進行し、選択率も良好ではあるが、原料オレフィンからの転化率が低く、これら製品をそのまま使用することはできず、精製工程において単離する必要があるなど、製法上の負荷が大きい。また、これらは何れも単官能のエポキシ化合物を製造する手法として用いられており、二価以上のアルケンを有するような多価アルケンにおいては原料多価アルケンから対応する多価エポキシ化合物への転化率が大幅に低下するという問題がある。
 この非特許文献1に記載の手法により得られるエポキシ化触媒は815-825カイザーに吸収ピークを持たず、本発明のエポキシ化触媒とは異なる構造である。本発明のエポキシ化触媒における本ピークが何に由来するピークかは明らかではないが、酸素-酸素結合に由来するピークがシフトしたものと考えられる。
 以下、上記本発明のエポキシ化触媒を得るための、本発明のエポキシ化触媒の製造方法について記載する。
 本発明のエポキシ化触媒は、タングステン系の酸(またはその塩)と4級アンモニウム塩の塩が過酸化水素により過酸化物化したものである。本発明のエポキシ化触媒においては、本発明のエポキシ化触媒を組成する原料は非特許文献1に記載の物と同様であるが、その製法および構成量を調整してその触媒構造を換えることによって、特性を向上させることを可能としている。
 従来法においては例えば非特許文献1に記載されている手法であれば、タングステン酸10mmolに対し、30重量%の過酸化水素水を7ml(約62mmol)を反応させ、さらに2.5mmolのリン酸を添加し、これに4級アンモニウム塩を反応させることで触媒を得ている。特公平7-47128号公報、特開平5-177143号公報、特開昭59-18793号公報についても同様の製法・割合で反応をさせている。かかる製法により得られる触媒は4級アンモニウム塩がトリオクチルメチルアンモニウムクロライドの場合、1088,1058,1035カイザーにP-Oの吸収が、975カイザーにW=Oの吸収が、856、846カイザーにO-Oの吸収が、591、523カイザーにW-O-Oカイザーの吸収が見られると報告されている。ジオクタデシルとジヘキサデシルの混合4級アンモニウム塩の場合もほぼ同様のところに吸収が見られることから、これらのピークは4級アンモニウム塩種によらず、本触媒骨格特有の吸収であることがわかる。
 本発明のエポキシ化触媒においてはタングステン酸類10mmolに対し、過酸化水素を100~500mmol(タングステン酸類に対して10~50倍モル当量)反応させることを特徴とする。好ましくは過酸化水素を100~300mmol(タングステン酸類に対して10~30倍モル当量)であり、より好ましくは100~250mmol(タングステン酸類に対して10~25倍モル当量)である。
 過酸化水素は、その取扱いの簡便さから過酸化水素濃度が10~40重量%の濃度である水溶液であることが好ましい。この濃度が40重量%を超える場合、取扱いが難しくなる他、生成したエポキシ化合物の分解反応も進行しやすくなることから好ましくない。
 本発明におけるタングステン酸類としては、タングステン系の酸およびその塩が挙げられ、例えばタングステン酸、12-タングスト燐酸、12-タングストホウ酸、18-タングスト燐酸、12-タングストケイ酸などのタングステン系の酸、およびその塩が挙げられる。
 過酸化水素とタングステン酸類の反応は30~100℃、好ましくは40~80℃で撹拌することで進行する。反応時間は1~10時間、好ましくは1~5時間である。
 反応終了後、リン酸またはリン酸塩を添加する。リン酸またはリン酸塩を水溶液として使用する場合、その濃度は10~90重量%ものが使用できる。また使用するリン酸またはリン酸塩の量としてはタングステン酸類10mmolに対し、1~10mmol(タングステン酸類に対して1~10倍モル当量)、より好ましくは2~5mmol(タングステン酸類に対して0.2~0.5倍モル当量)である。
 使用できるリン酸塩の具体例としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。
 リン酸を滴下後、さらに4級アンモニウム塩を加える。この際、使用する4級アンモニウム塩はHLB値が2~6の物が好ましく、より好ましくは2.5~5.5、特に好ましくは2.5~4.5である。
 ここでHLBとは界面活性剤の親水基と疎水基のバランスを表す数値であり、一般的にはGriffinが提唱した次式で表される。
HLB値=20×MH/M (MH:親水基部分の分子量、M:分子量)
 本発明においては、特に、鎖状アルキルアミンの4級塩が好ましい。
 具体的にはトリデカニルメチルアンモニウム塩(HLB 約3.2)、ジラウリルジメチルアンモニウム塩(HLB 約3.8)、トリオクチルメチルアンモニウム塩(HLB
 約4.0)、トリアルキルメチル(オクチル基とデカニル基の混合タイプ)アンモニウム塩(HLB 約3.7)、トリヘキサデシルメチルアンモニウム塩(HLB 約5.1)、トリメチルステアリルアンモニウム塩(HLB 約4.7)、テトラペンチルアンモニウム塩(HLB 約4.9)、セチルトリメチルアンモニウム塩(HLB 約5.1)、ベンジルトリブチルアンモニウム塩(HLB 約5.1)、トリカプリルメチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジアルキル(C16とC18の混合タイプ)ジメチルアンモニウム塩(HLB 約2.65~2.98);具体的にはジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩、ジ植物系ステアリルアルキルジメチルアンモニウム塩などが挙げられるがこれらに限定されない。特にジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、トリアルキルメチル(オクチル基とデカニル基の混合タイプ)アンモニウム塩、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩が好ましい。またこれらのアニオン種に特に限定はなく、具体的にはハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アセテートイオン、炭酸イオン、等が挙げられるが、これらに限定されない。4級アンモニウム塩の使用量としてはタングステン酸類10mmolに対し、2~200mmol(タングステン酸類に対して0.2~20倍モル当量)、好ましくは2~50mmol(タングステン酸類に対して0.2~5倍モル当量)、より好ましくは2~10mmol(タングステン酸類に対して0.2~1倍モル当量)である。
 本発明において、上記の通り4級アンモニウム塩は有機化(有機化とは有機溶剤に溶解する形とするという意味である)していることが好ましく、4級アンモニウム塩添加時に有機溶媒を加え、水―有機層の2層系で反応させることが好ましい。
 本発明の触媒の製造において使用する有機溶剤として具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン等の含ハロゲン溶剤、シクロヘキサン、ペンタン、オクタン等の脂肪族炭化水素などが挙げられる。本発明においては特に芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素類が特に好ましい。またその使用量としてはタングステン酸類10mmolに対し、50~300g、好ましくは50~200gである。また、反応温度としては20~100℃、よりこのましくは20~70℃、より好ましくは25~50℃である。
 得られた反応溶液を静置し、有機層と水層を分離する。得られた有機層を必要によりろ過し、有機溶剤類を留去することで目的とするエポキシ化触媒が得られる。
 上記本発明の製造方法によって得られるエポキシ化触媒と非特許文献1に記載された触媒とを対比させることで、その構造がドラスチックに変化することがわかる。具体的には、例えば赤外線吸収スペクトルを用いて分析した場合、好ましい条件下で製造された本発明のエポキシ化触媒は590カイザー付近、520カイザー付近、840-860カイザーには吸収ピークを有さず、815~825カイザーに非特許文献1には観られない特異な吸収ピークを有する。例えばトリオクチルメチルアンモニウム塩の場合、822カイザーに吸収を持つ。さらには、上記本発明の製造方法によって得られるエポキシ化触媒と非特許文献1とは生成するエポキシ化触媒の色味が異なり、本発明の製造方法によって得られるエポキシ化触媒は淡黄色~黄色である。この色はその構造に起因するものであり、このことは本発明のエポキシ化触媒を長期に保存した場合、色が消えて無色になることと、その触媒能力の低下からも伺える。
 以下、本発明のエポキシ化合物の製造方法について記載する。
 本発明のエポキシ化合物の製造方法は、本発明のエポキシ化触媒の存在下で多価アルケンを過酸化水素により酸化(エポキシ化)することを特徴とする。
 本発明における多価アルケンとしては、分子内に2つ以上の二重結合を有する多価アルケンを使用する。分子中に2つ以上の二重結合を有する化合物であれば特に限定はされないが、本発明においては特に二重結合がシクロ環中にあることが好ましく、特に分子内にシクロヘキセン構造を有する化合物がより好ましく、さらにはシクロヘキセンカルボキシエステル構造を有する化合物またはシクロヘキセンメチルエステル構造を有する化合物が好ましい。具体的な化合物としては、シクロヘキセンカルボン酸と2価以上の多価アルコールとのエステル化反応あるいはシクロヘキセンメタノールと2価以上の多価カルボン酸とのエステル化反応(Tetrahedron vol.36 p.2409 (1980)、Tetrahedron Letter p.4475 (1980))、あるいはシクロヘキセンアルデヒドのティシェンコ反応(特開2003-170059、特開2004-262871)、さらにはシクロヘキセンカルボン酸エステルのエステル交換反応(特開2006-052187)によっても製造できる。
 2価以上の多価アルコールとしては、アルコール性水酸基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2-ヒドロキシメチル-1,4-ブタンジオールなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。
 また2価以上の多価カルボン酸としてはシュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸などが挙げられる。
 本発明における多価アルケンとしては、特に下記式(1)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 
もしくは式(2)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 
で表される構造の化合物が好ましい。
 具体的には、原料である多価アルケンと本発明のエポキシ化触媒を、過酸化水素水および有機溶剤からなる水-有機層の2層系中で撹拌し、分液、必要に応じて精製を行う。また、この際、有機層を、有機溶剤を使用しない反応基質のみかなる層としてもよい。
 本発明においては、必要に応じて、共触媒としてヘテロポリ酸類を添加することができる。ヘテロポリ酸としてはタングステン系、モリブデン系、バナジウムなどの金属中心系のヘテロポリ酸が挙げられるが、特に本発明においてはタングステン系が好ましく、タングステン酸塩類の使用が特に好ましい。
 具体的な化合物としては、タングステン酸、12-タングスト燐酸、12-タングストホウ酸、18-タングスト燐酸、12-タングストケイ酸、などのタングステン系の酸、モリブデン酸、リンモリブデン酸等のモリブデン系の酸、もしくはその塩が挙げられる。
 これらの塩のカウンターカチオンとしては4級アンモニウムイオン、アルカリ土類金属イオン、アルカリ金属イオンなどが挙げられる。
 具体的にはテトラメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン、トリデカニルメチルアンモニウムイオン、ジラウリルジメチルアンモニウムイオン、ト
リオクチルメチルアンモニウムイオン、トリアルキルメチル(オクチル基とデカニル基の混合タイプ)アンモニウムイオン、トリヘキサデシルメチルアンモニウムイオン、トリメチルステアリルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリブチルアンモニウムイオン、トリカプリルメチルアンモニウムイオン、ジセチルジメチルアンモニウムイオンなどの4級アンモニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属イオンなどが挙げられるがこれらに限定されない。
 これらヘテロポリ酸類を加える場合はそれ単独で添加しても、緩衝液中、または過酸化水素水中、あるいはその両者の混合物に溶解させて使用しても構わない。特に本反応においては反応系中のpHが重要になることから、予め緩衝液中でpHを調整した後に加えることが好ましい。
 使用量としては本発明のエポキシ化触媒10重量部に対し、0.1~15重量部、より好ましくは1~10重量部である。
 本発明においては緩衝溶液を使用することが好ましい。本反応は、特にpH3~6で行なうことが好ましく、pH4~5がより好ましい。使用する緩衝溶液は特に限定されないが、リン酸ナトリウム系の緩衝溶液を使用することが簡便であることから好ましい。
 本発明において使用する過酸化水素水は濃度5~40重量%が好ましく、特に好ましくは30重量%以下である。過酸化水素水の濃度を低下させるために、前述の緩衝液で予め希釈し反応系に加えることは好ましい。また場合によっては共触媒も同時に溶解させ使用することも工程の簡略化の意味からも好ましい。
 過酸化水素の使用量としては多価アルケンのアルケン1モルに対し、1.0~1.5モル、好ましくは1.01~1.4モル、より好ましくは1.01~1.3モルである。過酸化水素はあまりに過剰に含まれるとエポキシ基の加水分解を進行させてしまうことから好ましくない。
 本反応は有機溶剤を使用しても構わない。使用する有機溶剤の量としては、反応基質である多価アルケン1に対し、重量比で0.3~10であり、好ましくは0.3~5、より好ましくは0.5~2.5である。重量比で10を超える場合、反応の進行が極度に遅くなることから好ましくない。使用できる有機溶剤の具体的な例としてはヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類等が挙げられる。また、場合によっては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、アノン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチルなどのエステル化合物、アセトニトリル等のニトリル化合物なども使用可能である。
 具体的な反応操作方法としては、例えばバッチ式の反応釜で反応を行う際は、多価アルケン化合物、過酸化水素、本発明のエポキシ化触媒、緩衝液、必要に応じて共触媒、有機溶剤を加え、二層とする。撹拌速度に特に指定は無いが、二層がエマルジョン化する程度の撹拌速度が必要となり、二層分離の状態では反応の進行が大幅に低下する。
 反応に際し、本発明のエポキシ化触媒の使用量は、原料である多価アルケン1モルに対し、通常0.5~10重量部、好ましくは1.0~5重量部である。
 反応温度は特に限定されないが0~90℃が好ましく、さらに好ましくは0~75℃、特に15℃~75℃が好ましい。水溶液中の酸性度が高い場合、特にpHが4.0以下である場合、反応温度は60℃以下であることが好ましい。
 また反応時間は反応温度、触媒量等にもよるが、工業生産という観点から、長時間の反応は多大なエネルギーを消費することになるため好ましくはない。好ましい範囲としては1~100時間、好ましくは3~72時間、さらに好ましくは5~48時間である。
 反応終了後、過剰な過酸化水素のクエンチ処理を行う。過酸化水素のクエンチの手法としては、還元剤の使用ができる他、塩基性化合物によりクエンチを行っても構わない。本発明では、塩基性化合物によりクエンチを行なうことが好ましい。塩基性化合物によってクエンチを行なうことで、触媒であるヘテロポリ酸塩類の残存量を大幅に低減できる。また、還元剤と塩基性化合物を併用することも好ましい。
 還元剤としては亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドラジン、シュウ酸などが挙げられる。還元剤の使用量としては過剰分の過酸化水素のモル数に対し、通常0.01~20倍モル、より好ましくは0.05~10倍モル、さらに好ましくは0.05~3倍モルである。
 塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸塩、協和化学工業製キョーワード500のような複合金属塩、イオン交換樹脂、アルミナ等の塩基性固体が挙げられる。
 その使用量としては水、あるいは有機溶剤(例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類など、各種溶剤)に溶解するものであれば、その使用量は過剰分の過酸化水素のモル数に対し、通常0.01~20倍モル、より好ましくは0.05~10倍モル、さらに好ましくは0.05~3倍モルである。これらは水、あるいは前述の有機溶剤の溶液として添加しても単体で添加しても構わない。
 水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合、系中に残存する過酸化水素の量に対し、重量比で1~1000倍の量を使用することが好ましい。より好ましくは10~500倍、さらに好ましくは10~300倍である。水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合は、後に記載する水層と有機層の分離の後、処理を行っても構わない。
 過酸化水素のクエンチ後(もしくはクエンチを行う前に)、有機層と水層を分離する。この際、有機層と水層が分離しない、もしくは有機溶剤を使用していない場合は前述の有機溶剤を添加して操作を行い、水層より反応生成物の抽出を行う。この際使用する有機溶剤は得られる原料多価アルケン化合物に対し、重量比で0.5~10倍、好ましくは0.5~5倍である。この操作を必要により数回繰り返した後分離した有機層を、必要に応じて水洗して精製する。
 得られた有機層は必要に応じてイオン交換樹脂や金属酸化物で処理を行う。本発明においては特に金属酸化物を使用するのが好ましく、その具体例としてはMgO、CaO、SrO、BaO、BeO、ZnO、CeO、Ce、Al、TiO、Ti、TiO、TiO、Ti、SiO、ZrO、FeO、Fe、Fe、ZrO、NiO、CoO、Co、CuO、CuO、AgO、AgO、TiO-Al、TiO-SiO、TiO-ZrO、TiO-MgO、TiO-Al、TiO-WO、TiO-MoO、ZnO-SiO、Al-SiO、Al-ZrO、SiO-MgO、SiO-WO、SiO-ZrO、シャバサイト、エリオナイト、オフレタイト、モルデナイト、フェリエライト、クライノタイロライト、アナルサイム、カンクリナイト、ジスモンディン、グメリナイト、ローモンタイト、リュウサイト、スコレサイト、ソーダライト、トムソナイト、フィリップサイト、ハーモトーム、メルリノイト、アミサイト、ガローナイト、ポ
ーリンジャイト、ユガワラライト、レビナイト、マッザイト、ホージャサイト、ナトロライト、メソライト、トムソナイト、ゴンナルダイト、エディングトナイト、ダッキャルダイト、エピスティルバイト、ピキタイト、ヒューランダイト、クリノプチロライト、スティルバイト、ステレライト、バレライト、バリューステライト、カウレサイト、ワイラカイト、ポルーサイト、アシュクロフィン、モレキュラシーブス、モンモリロナイト、ハロイサルト、アタパルジェイド、セピオライト、アロフェン、酸性白土、活性白土、ケイソウ土などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。これらの金属酸化物は天然物または合成物のいずれでも良い。本発明においてはメソポーラス体やその活性体(例えば活性SiO等)が好ましい。金属酸化物による処理は有機溶剤中に残存する触媒の量を低減するのに効果がある。得られた有機層より溶剤を留去することで目的とするエポキシ化合物を得ることができる。場合によってはさらに蒸留により精製しても構わない。蒸留方法としては薄膜、回転式分子蒸留等が挙げられる。
 このような手法で得られるエポキシ化合物は、反応終了時の段階で転化率が90%以上、特に95%以上、特に好ましい条件で行った場合、98%以上となる。またエポキシ選択率も90%以上、特に93%以上、特に好ましい条件で行った場合97%以上となる(本発明において、転化率および選択率はガスクロマトグラフィーで原料と目的とするエポキシ化合物のピーク面積比から算出する)。
 得られたエポキシ化合物は、例えばエポキシアクリレートおよびその誘導体、オキサゾリドン系化合物、環状カーボネート化合物等の各種樹脂原料として使用できる。
 以下、上記のようにして得られたエポキシ化合物(本発明のエポキシ化合物という)を含む本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。
 本発明の硬化性樹脂組成物は本発明のエポキシ化合物を含有する。本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)と酸を硬化触媒とするカチオン硬化(硬化性樹脂組成物B)の二種の方法が適応できる。
 硬化性樹脂組成物Aと硬化性組樹脂成物Bにおいて本発明のエポキシ化合物は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ化合物の全エポキシ樹脂(本発明のエポキシ化合物と他のエポキシ樹脂;以下、同様)中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。ただし、本発明のエポキシ化合物を硬化性樹脂組成物の改質剤として使用する場合は、1~30重量%の割合で添加する。
 本発明のエポキシ化合物と併用できる他のエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、3,3’,5,5’-テトラメチル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、o-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシアセトフェノン、o-ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’-ビス(クロルメチル)-1,1’-ビフェニル、4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル、1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類またはアルコール類から誘導される、それらのグリシジルエーテル化物;脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
 以下、それぞれの硬化性樹脂組成物について説明する。
 硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)
 本発明の硬化性樹脂組成物Aが含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いることができる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、3,3’,5,5’-テトラメチル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、o-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシアセトフェノン、o-ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’-ビス(クロロメチル)-1,1’-ビフェニル、4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル、1,4’-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’-ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、トリフルオロボラン-アミン錯体、グアニジン誘導体、テルペンとフェノール類の縮合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
 本発明の硬化性樹脂組成物Aにおいて硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7~1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。エポキシ当量は、JIS K-7236に準じて測定できる。
 本発明の硬化性樹脂組成物Aにおいては、硬化剤とともに硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いることができる硬化促進剤の具体例としては2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾ-ル類、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤を用いる場合は、全エポキシ樹脂100重量部に対して0.1~5.0重量部が必要に応じ用いられる。
 本発明の硬化性樹脂組成物Aには、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有させることもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル-2,6-ジキシリレニルホスフェート、1,3-フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4-フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'-ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル類;9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、10(2,5-ジヒドロキシフェニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ化合物、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ化合物が好ましく、1,3-フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4-フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'-ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ化合物が特に好ましい。リン含有化合物の含有量はリン含有化合物/全エポキシ樹脂=0.1~0.6(重量比)が好ましい。0.1未満では難燃性が不十分であり、0.6超では硬化物の吸湿性、誘電特性に悪影響を及ぼす懸念がある。
 さらに本発明の硬化性樹脂組成物Aには、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ-ナイロン系樹脂、NBR-フェノール系樹脂、エポキシ-NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、樹脂成分100重量部に対して通常0.05~50重量部、好ましくは0.05~20重量部が必要に応じて用いられる。
 本発明の硬化性樹脂組成物Aには、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物A中において0~95重量%を占める量が用いられる。更に本発明の硬化性樹脂組成物Aには、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
 本発明の硬化性樹脂組成物Aは、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明の硬化性樹脂組成物Aは従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ化合物と硬化剤並びに必要により硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填剤及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニ-ダ、ロ-ル等を用いて均一になるまで充分に混合して硬化性樹脂組成物を得、その硬化性樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80~200℃で2~10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
 また本発明の硬化性樹脂組成物Aをトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、硬化性樹脂組成物ワニスとし、ガラス繊維、カ-ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物Aの硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物Aと該溶剤の混合物中で通常10~70重量%、好ましくは15~70重量%を占める量を用いる。また液状組成物のままRTM方式でカーボン繊維を含有するエポキシ樹脂硬化物を得ることもできる。
 また本発明の硬化性樹脂組成物Aをフィルム型組成物の改質剤としても使用できる。具体的にはB-ステージにおけるフレキ性等を向上させる場合に用いることができる。このようなフィルム型の樹脂組成物は、本発明の硬化性樹脂組成物Aを前記硬化性樹脂組成物ワニスとして剥離フィルム上に塗布し、加熱下で溶剤を除去した後、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤として得られる。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。
 更に、本発明の硬化性樹脂組成物Aは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途に用いることができ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止材の他、封止材、基板用のシアネート樹脂組成物や、レジスト用硬化剤としてアクリル酸エステル系樹脂等、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
 接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
 封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)などを挙げることができる。
 (2)酸性硬化触媒によるカチオン硬化(硬化性樹脂組成物B)
 本発明の硬化性樹脂組成物を酸性硬化触媒で硬化させる場合には、本発明の硬化性樹脂組成物Bには、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を含有させる。さらに、硬化性樹脂組成物Bは、必要に応じて、希釈剤、重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合開始補助剤、光増感剤、無機充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、シランカップリング材、離型剤、各種熱硬化性樹脂等の各種公知の化合物、材料等を含有していてもよい。
 更に、本発明の硬化性樹脂組成物Bが必要に応じて含有する無機充填剤及び離型剤の具体例としては、硬化性樹脂組成物Aと同様なもの等が挙げられる。
 硬化性樹脂組成物Bでは、カチオン重合が好ましく、光カチオン重合が特に好ましい。カチオンの触媒(以下、単に「光カチオン重合開始剤」という)としてはヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩が挙げられ、これらは単独または2種以上で使用することができる。該光カチオン重合開始剤の使用量は、全エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは、0.01~50重量部であり、より好ましくは、0.1~10重量部である。
 さらに、これらの光カチオン重合開始剤と公知の重合開始補助剤および光増感剤の1種または2種以上を同時に使用することが可能である。重合開始補助剤の例としては、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノールプロパン-1-オン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2
-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-イソプロピルチオキサトン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。光ラジカル重合開始剤等の重合開始補助剤の使用量は、光ラジカル重合可能な成分100重量部に対して、0.01~30重量部であり、好ましくは0.1~10重量部である。
 光増感剤の具体例としては、アントラセン、2-イソプロピルチオキサトン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、アクリジン オレンジ、アクリジン イエロー、ホスフィンR、ベンゾフラビン、セトフラビンT、ペリレン、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。光増感剤の使用量は、全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.01~30重量部であり、好ましくは0.1~10重量部である。
 本発明の硬化性樹脂組成物Bは、各成分を均一に混合することにより得られる。またポリエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノンまたはγブチロラクトン等の有機溶剤に溶解させ、均一とした後、乾燥により溶剤を除去して使用することも可能である。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物Bと該溶剤の混合物中で通常10~70重量%、好ましくは15~70重量%を占める量を用いる。本発明の硬化性樹脂組成物Bは紫外線照射することにより硬化できるが、その紫外線照射量については、硬化性樹脂組成物の組成等により変化するため、それぞれの硬化条件によって、決定される。光硬化型硬化性樹脂組成物が硬化する照射量であれば良く、硬化物の接着強度が良好である硬化条件を満たしていれば良い。この硬化の際、光が細部まで透過することが必要であることから本発明のエポキシ化合物、および硬化性樹脂組成物Bにおいては透明性の高いものが望まれる。また、これらエポキシ樹脂系の光硬化では光照射のみでは完全に硬化することが難しく、耐熱性が求められる用途においては光照射後に加熱により完全に硬化を終了させる必要がある。
 前記、光照射後の加熱は通常の硬化性樹脂組成物Bの硬化温度域で良い。例えば常温~150℃で30分~7日間の範囲が好適である。硬化性樹脂組成物Bの配合により変化するが、特に高い温度域であればあるほど光照射後の硬化促進に効果があり、短時間の熱処理で効果がある。このような熱アフターキュアすることで、エージング処理になるという効果も出る。
 また、これら硬化性樹脂組成物Bを硬化させて得られる硬化物の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えばフィルム状、シート状、バルク状などの形状とすることもできる。成形する方法は適応する部位、部材によって異なるが、例えば、キャスト法、注型法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレー法、転写法、ディスペンサー方式などの成形方法を適用することができるなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用することができる。
 例えばカチオン硬化性のレジストに使用する際においては、まず、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、あるいはγブチロラクトン等の有機溶剤に溶解させた光カチオン性の本発明の硬化性樹脂組成物Bを、銅張積層板、セラミック基板またはガラス基板等の基板上に、スクリーン印刷、スピンコート法などの手法によって、5~160μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を形成する。そして、該塗膜を60~110℃で予備乾燥させた後、所望のパターンの描かれたネガフィルムを通して紫外線(例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、レーザー光等)を照射し、ついで、70~120℃で露光後ベーク処理を行う。その後ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等の溶剤で未露光部分を溶解除去(現像)した後、さらに必要があれば紫外線の照射及び/または加熱(例えば100~200℃で0.5~3時間)によって十分な硬化を行い、硬化物を得る。このようにしてプリント配線板を得ることも可能である。
 本発明の硬化性樹脂組成物Aおよび硬化性樹脂組成物Bを硬化してなる硬化物は光学部品材料をはじめ各種用途に使用できる。光学用材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中を通過させる用途に用いる材料一般を示す。より具体的には、ランプタイプ、SMDタイプ等のLED用封止材の他、以下のようなものが挙げられる。液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏光板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルムなどの液晶用フィルムなどの液晶表示装置周辺材料である。また、次世代フラットパネルディスプレイとして期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の封止材、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またLED表示装置に使用されるLEDのモールド材、LEDの封止材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またプラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏光板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム、また有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またフィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤である。光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD-ROM、CD-R/RW、DVD-R/DVD-RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。
 光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部である。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダーである。またプロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。光センシング機器のレンズ用材料、封止材、接着剤、フィルムなどである。光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止材、接着剤などである。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止材、接着剤などである。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、LEDの封止材、CCDの封止材、接着剤などである。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、接着剤などである。光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー類、表示・標識類など、また通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーである。半導体集積回路周辺材料では、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料である。自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品である。また、鉄道車輌用の複層ガラスである。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コートである。建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料である。農業用では、ハウス被覆用フィルムである。次世代の光・電子機能有機材料としては、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光-光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、接着剤などである。
 光学用材料の他の用途としては、硬化性樹脂組成物Aが使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
 接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
 封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィル)などを挙げることができる。
 本発明の硬化性樹脂組成物Aおよび硬化性樹脂組成物Bは、光半導体装置にも適用することが可能である。かかる光半導体装置は、本発明の硬化性樹脂組成物で光半導体素子(光半導体チップ)を封止することによって製造することができる。その封止法としてはキャスティングやポッティングあるいは印刷等の方法で光半導体素子を封止する封止樹脂を成形(注型及び硬化)する方法が採用できる。成形条件は従来から行われている硬化性樹脂組成物による半導体素子の封止成形における成形条件をそのまま採用することができ、光半導体封止用硬化性樹脂組成物の組成等により適宜設定すればよい。
 次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において「部」は特に断わりのない限り重量部であり、部の標記に続く「mmol」または「mmol当量」は、「部」を「g(グラム)」とした場合の換算値である。
 尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例において、各物性値は下記のようにして測定した。
1)赤外線吸収スペクトル:
  測定装置    ; SHIMADZU 8400S((株)島津製作所)
  測定方法    ; KBr法
2)ガスクロマトグラフィー:
  カラム     ; HP-5MS((株)島津製作所製) 15m-0.25mm-0.25μm
  キャリアガス  ; ヘリウム 1.0mL/min. (constant flow mode)
  オーブン    ; 100℃-15℃/min.-300℃(15min.保持)
  インジェクション; 1μL,split比 50:1,300℃
  イオン化方法  ; EI(EIイオン源)
  測定サンプル  ; 有機層より0.2mLのサンプルをとり、5mLのトルエンで希釈。
3)元素分析:EDS法(エネルギー分散形X線分光法)、CHN元素分析及びICP発光分光分析を併用
4)エポキシ当量:JIS K-7236
実施例1
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、30重量%過酸化水素水31.6部(279mmol当量)、タングステン酸5部(20mmol当量)を加え65℃で1時間撹拌を行った後、35℃に冷却した。冷却後、40重量%のリン酸1.23部(5mmol)、水30部、塩化メチレン50部を加え、35℃で1時間撹拌、ついでトリオクチルメチルアンモニウムクロライド4.1部(10mmol)を滴下し、そのままさらに2時間撹拌した。撹拌終了後、二層に分離した有機層を取り出し、溶剤類を留去することで目的とする触媒(C1)を得た。得られた触媒の形状は淡黄色の固体であった。
 IRを測定したところ、非特許文献1において観測される840-860カイザーには吸収ピークを有さず、822カイザーに特異な吸収ピークを有することを確認した。
 また、得られた触媒(C1)の元素比を評価したところ、W22.91.033.06.01.4であった。
実施例2
 実施例1においてトリオクチルメチルアンモニウムクロライドをジラウリルジメチルアンモニウムブロマイドに変えた以外は同様の操作、同様の量比で行った。得られた触媒(C2)は橙色の樹脂状固体であり、IRを測定したところ、C1と同様、840-860カイザーには吸収ピークを有さず、822カイザーに特異な吸収ピークを有することを確認した。
比較例1
 非特許文献1に記載されている手法を用いてタングステン酸、トリオクチルメチルアンモニウムクロライドのエポキシ化触媒を製造した。得られた触媒(C3)は無色状半固形物であり、IRを測定したところ、822カイザーには吸収ピークが見られなかった。
実施例3、4、比較例2
 下記の製造例に従い、C1~C3の触媒を使用してエポキシ化を行った。結果を表1に示す。
<製造例>
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、30重量%過酸化水素水20.4部、水19.7部、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.6部、85重量%リン酸0.88部を加え均一に溶解した後、水酸化ナトリウムでpH4.5程度に調整し、過酸化水素含有緩衝液を得た。得られた過酸化水素含有緩衝液から、28部を取り出し、滴下漏斗に仕込んだ。
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、前述の滴下漏斗を備えたフラスコに、トルエン20部、エポキシ化触媒(C1~C3のいずれか)0.45部、上記式(1)の化合物11部を加え、60℃に昇温した。ここに滴下漏斗を用い、約60分かけて上記過酸化水素含有緩衝液を滴下し、そのまま60℃で4時間撹拌した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにて分析することでその転化率、選択率を算出した。
 反応終了後、それぞれ1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、中和した後、20重量%のチオ硫酸ナトリウム水溶液10部を加え、残存する過剰の過酸化水素をクエンチし、水層を廃棄した。得られた有機層を水10部で3回水洗し、トルエン等をロータリーエバポレータにて留去することで目的とするエポキシ化合物が得られた。得られたエポキシ化合物の特性値を以下の表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 
式(3)(4)(5)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 
式(3);構造(A)の片方が(B)、片方が(C)
式(4);構造(A)の両方が(C)
式(5);構造(A)の片方が(C)、片方が(D)
実施例5、6
 得られたエポキシ樹脂についてそれぞれ硬化物を作成した。すなわち、実施例3,4で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP1)、(EP2)、比較例2として得られたエポキシ樹脂(EP3)についてメチルヘキサヒドロフタル酸(新日本理化株式会社製 MH-700G)を硬化剤とし、触媒として、トリメチルオクチルアンモニウムヒドロオキシドを使用し、下記表2に示す配合比(重量部)で配合し熱板上で溶融、注型を行い、これをさらに120℃で1時間、更に150℃で3時間かけて硬化させた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 
 このようにして得られた硬化物の物性を測定した結果を表3に示す。
 なお、物性値の測定は以下の規格に準拠して行った。
・ガラス転移温度(DMA) :JIS K-7244
・ショアーD : JIS-K7215
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 
合成例1
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトルエン100部、シクロヘキ-3-センカルボン酸126部、1,4-シクロヘキサンジメタノール72部、メタンスルホン酸3部を加え、650~750torrの減圧条件下、100℃で15時間反応を行った。反応終了後、トリポリ燐酸ソーダ5部、を加え、100℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン300部を加え、水300部で3回水洗を行い、得られた有機層にシリカゲル100部、活性炭1部を加え、室温で2時間攪拌した後、ろ過を行った。得られたろ液より、溶剤等を除去することで式(2)の化合物を146部得た。
実施例7
 前記の製造例において式(1)の化合物11部を、合成例1で得られた式(2)の化合物18部、反応時間を6時間に変えた以外は同様に反応を行った。なお、使用した触媒はC1である。得られた反応液につき、ガスクロマトグラフィーにて分析することでその転化率、選択率を求め表4に記載した。反応の結果、目的とするエポキシ樹脂が効率よく得られることが明らかである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 
式(6)(7)(8)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 
式(6);構造(A)の片方が(B)、片方が(C)
式(7);構造(A)の両方が(C)
式(8);構造(A)の片方が(C)、片方が(D)
 反応終了後、1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、中和した後、20重量%のチオ硫酸ナトリウム水溶液10部を加え、残存する過剰の過酸化水素をクエンチし、水層を廃棄した。得られた有機層を水10部で3回水洗し、トルエン等をロータリーエバポレータにて留去することで目的とするエポキシ化合物が収率89%で得られた。得られたエポキシ化合物はエポキシ当量が206g/eq.25℃における粘度は4200mP・sであった。
 以上の結果より、本発明のエポキシ化触媒を用いれば、高い転化率、高い選択率でエポキシ化ができる。
 更に、本発明のエポキシ化触媒の他の一例を下記に示す。
実施例8
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、30重量%過酸化水素水42部(370mmol当量)、タングステン酸5部(20mmol当量)を加え65℃で1時間撹拌を行った後、35℃に冷却した。冷却後、40重量%のリン酸1.23部(5mmol)、水30部、トルエン50部を加え、35℃で1時間撹拌、ついでジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド5.6部(約10mmol 純度90% ライオン製アカード2HTフレーク)を添加し、そのままさらに2時間撹拌した。撹拌終了後、二層に分離した有機層を取り出し、溶剤類を留去することで目的とする触媒(C4)を得た。得られた触媒の形状は黄褐色の樹脂状固体であった。IRを測定したところ、825カイザーに特異な吸収ピークを有することを確認した。また、得られた触媒(C4)の元素比を評価したところ、W23.21.145.07.91.5であった。
 本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
 なお、本出願は、2008年1月10日付けで出願された日本特許出願(特願2008-3625)、2008年9月22日付けで出願された日本特許出願(特願2008-242421)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。

Claims (7)

  1.  多価アルケンを酸化してエポキシ化合物を製造するためのエポキシ化触媒であって、
     タングステン酸類から誘導される過酸化物体であり、且つ、赤外線吸収スペクトルにおいて815-825カイザーに特性吸収を有することを特徴とするエポキシ化触媒。
  2.  タングステン酸類が、タングステン系の酸またはその塩であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ化触媒。
  3.  多価アルケンを酸化してエポキシ化合物を製造するためのエポキシ化触媒の製造方法であって、
     A)タングステン酸類と該タングステン酸類量に対して10~50倍モル当量の過酸化水素とを水層中で反応させる工程と、
     B)前記A)の反応液と4級アンモニウム塩とを、水-有機層の2層系で反応させる工程と、を含むことを特徴とするエポキシ化触媒の製造方法。
  4.  前記B)工程が、前記A)の反応液と、燐酸および4級アンモニウム塩とを、水-有機層の2層系で反応させる工程であることを特徴とする請求項3記載のエポキシ化触媒の製造方法。
  5.  請求項1または2記載のエポキシ化触媒の存在下、多価アルケンを過酸化水素により酸化することを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
  6.  請求項5に記載の製造方法によって得られるエポキシ化合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  7.  請求項6に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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