JP5243123B2 - エポキシ組成物、エポキシ組成物の製造方法、硬化性樹脂組成物、および硬化物 - Google Patents
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Description
またコンポジット材、車の車体や船舶の構造材として、近年、その製造法の簡便さからRTMが使用されている。このような組成物においてはカーボンファイバー等への含浸のされやすさから低粘度のエポキシ樹脂が望まれている。
しかしながら、一般に過酸は危険性の問題から取り扱いが困難であり、より安全な手法が検討されてきている。さらには過酸により生成するカルボン酸が同時に生成されるエポキシ基と反応することでエステル構造の不純物が生成するほか、高分子量重合体が数%生成してしまうという問題がある。このような問題を解決する方法の1つが過酸化水素水を用いたアルケンの酸化方法である。報告においては、一般にタングステンやモリブデン、砒素、チタンなどといった元素を含む触媒用いて製造される。
しかしながら、これらの報告はガスクロマトグラフィーにより、そのコンバージョンや選択率を計算にて算出しているものがほとんどであり、実際に取り出し、生成物の特性を評価した報告は少ない。これは反応により使用した金属触媒の残渣を除くことが非常に難しいということが要因の1つと考えられる。
また、これら報告においては単官能(たとえばシクロヘキセン)のエポキシ化合物の製造法に関するものがほとんどであり、多価アルケンについての検討はほとんどなされていない。エポキシ化合物は、一般に各種硬化剤、あるいは硬化触媒との組み合わせた組成物として、熱、あるいは光により硬化させて硬化物とすることで種々の用途に適応される。単官能だけでは硬化物が生成されない、あるいは重合しても直鎖の化合物となり、特に強度が必要な用途においては使用が困難である。したがって、現実には良好な硬化物を製造することのできる多価エポキシ化合物が必要とされており、多価アルケンの酸化が重要である。
(2) 触媒としてのタングステン化合物の存在下、多価アルケンを酸化することによって得られることを特徴とする上記(1)記載のエポキシ組成物。
(3) 多価アルケンがシクロヘキセンカルボキシエステル構造を有する化合物またはシクロヘキセンメチルエステル構造を有する化合物であることを特徴とする上記(1)または(2)記載のエポキシ組成物。
B)工程A)の後、過酸化水素に塩基性化合物を添加して、該過酸化水素の酸化力を消失させる工程、を含むことを特徴とするエポキシ組成物の製造方法。
(6) 工程B)の後、エポキシ組成物中に残存するタングステン元素含有量が0.1〜2000ppmであることを特徴とする上記(5)記載のエポキシ組成物の製造方法。
(7) 多価アルケンがシクロヘキセンカルボキシエステル構造を有する化合物またはシクロヘキセンメチルエステル構造を有する化合物であることを特徴とする上記(5)または(6)記載のエポキシ組成物の製造方法。
(8) 多価アルケンが式(1)
(10) 上記(9)記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
また、該エポキシ組成物を含む硬化性脂組成物は、電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト等の広範囲の用途に使用でき、特に低着色性であることから、光学材料に極めて有用である。
本発明のエポキシ組成物は、多価エポキシ化合物とまたはタングステン化合物とからなり、且つ、タングステン元素含有量が0.1〜2000ppmであることを特徴とする。
かかるエポキシ組成物は、触媒としてのタングステン化合物の存在下で多価アルケンを酸化するか、多価アルケンを酸化して得られた多価エポキシ化合物に別途タングステン化合物を添加することにより得ることができる。この際の触媒を残存させたり、別途所定量添加したりすることによって、組成物中のタングステン元素量を制御することにより、多価エポキシ化合物の熱安定性を向上させるとともに低熱着色性とすることができる。
2価以上の多価アルコールとしては、アルコール性水酸基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオールなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。
また、2価以上の多価カルボン酸としては、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸などが挙げられる。
この過酸化水素水によるエポキシ化の手法においては種々の手法が適応できるが、具体的には、特開昭59−108793号公報、特開昭62−234550号公報、特開平5−213919号公報、特開平11−349579号公報、特公平1―33471号公報、特開2001−17864号公報、特公平3−57102号公報等に挙げられるような手法が適応できる。本発明において特に以下に挙げる手法を用いることが好ましい。
タングステン系の酸塩のカウンターカチオンとしては4級アンモニウムイオン、アルカリ土類金属イオン、アルカリ金属イオンなどが挙げられる。
具体的にはテトラメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン、トリデカニルメチルアンモニウムイオン、ジラウリルジメチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、トリアルキルメチル(オクチル基とデカニル基の混合タイプ)アンモニウムイオン、トリヘキサデシルメチルアンモニウムイオン、トリメチルステアリルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリブチルアンモニウムイオン、トリカプリルメチルアンモニウムイオン、ジセチルジメチルアンモニウムイオンなどの4級アンモニウムイオン、カルシウムイオンマグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属イオンなどが挙げられるがこれらに限定されない。
また、特にこれらタングステン系の酸を有機化した触媒を使用することが望ましく、特にエポキシ樹脂との相溶性に優れるように有機化されたものが望ましい。有機化とは有機溶剤に溶解する(可溶な)形、好ましくは芳香族炭化水素化合物に溶解する(可溶な)形とするという意味である。有機化された触媒は、転化率の面で好ましい。
有機化の具体的な手法としては、タングステン系の酸(あるいはその塩)と4級アンモニウム塩の反応により触媒を製造する方法が挙げられる。この際、使用する4級アンモニウム塩はHLB値が3〜6の物が好ましく、より好ましくは3.5〜5.5、特に好ましくは3.5〜4.5である。
ここでHLBとは界面活性剤の親水基と疎水基のバランスを表す数値であり、一般的にはGriffinが提唱した次式で表される。
HLB値=20×MH/M (MH:親水基部分の分子量、M:分子量)
本発明では、特に鎖状アルキルアミンの4級塩が好ましく、具体的には、トリデカニルメチルアンモニウム塩(HLB 約3.2)、ジラウリルジメチルアンモニウム塩(HLB 約3.8)、トリオクチルメチルアンモニウム塩(HLB 約4.0)、トリアルキルメチル(オクチル基とデカニル基の混合タイプ)アンモニウム塩(HLB 約3.7)、トリヘキサデシルメチルアンモニウム塩(HLB 約5.1)、トリメチルステアリルアンモニウム塩(HLB 約4.7)、テトラペンチルアンモニウム塩(HLB 約4.9)、セチルトリメチルアンモニウム塩(HLB 約5.1)、ベンジルトリブチルアンモニウム塩(HLB 約5.1)、トリカプリルメチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩などが挙げられるがこれらに限定されない。特にジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、トリアルキルメチル(オクチル基とデカニル基の混合タイプ)アンモニウム塩が好ましい。
またこれらの塩のアニオン種に特に限定はなく、具体的にはハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アセテートイオン、炭酸イオン等が挙げられるが、これらに限定されない。
HLB値が3を下回ると疎水性が強くなりすぎて、できた触媒の有機層への溶解性が悪くなり、HLB値が6を超えると親水性が強くなり、同じく触媒の有機層への相溶性が悪くなり、好ましくない。
具体的にはタングステン系の酸を溶解した水溶液を攪拌しながら、4級アンモニウム塩を添加する。反応の進行が遅い場合は加熱(40〜90℃)すると反応は進行しやすい。生成する有機化されたタングステン系の触媒は水層より析出する。析出した塩をろ過、あるいは有機溶剤で抽出、分液することで目的とするタングステン系の触媒が得られる。その形状としては結晶状の物もあれば樹脂状のものもあり、様々である。
またこの際、工程の簡略化のために、得られる触媒を単離せずそのまま多価アルケン等を加え、酸化反応(エポキシ化反応)を行っても構わない。
ここで得られるタングステン系触媒の構造は明確ではないが、タングステン酸類のカウンターカチオンとしてプロトン、4級アンモニウムカチオン、pH調整に使用した緩衝液の金属イオンが関与するような骨格となる。
反応に際して、触媒の使用量は多価アルケン中の二重結合1モルに対して、触媒中のタングステン原子が通常1〜20ミリモル、好ましくは2〜15ミリモル、特に好ましくは2.5〜10ミリモルである。また過酸化水素(水)の使用量は、多価アルケン中の二重結合1モルに対して、過酸化水素が通常1.01〜1.11モルである。
使用する燐酸−燐酸塩水溶液は使用する過酸化水素に対し、0.1〜10モル当量の燐酸(あるいは燐酸二水素ナトリウム等の燐酸塩)を使用し、塩基性化合物(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等)でpH調整を行うという方法が挙げられるがこれに限らない。ここでpHは過酸化水素を添加した際に前述のpHになるように添加することが好ましい。このようなpHに調整するための燐酸−燐酸塩水溶液のpHの範囲は3.5〜6.5、好ましくは4.0〜6.0である。また燐酸塩の濃度は0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
またタングステン系の触媒は予め作成したものを添加しても、反応系中で作成した後、そのまま反応に使用してもよい。
その使用量としては水、あるいは有機溶剤(例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類など、各種溶剤)に溶解するものであれば、その使用量は過剰分の過酸化水素のモル数に対し、通常0.01〜20倍モル、より好ましくは0.05〜10倍モル、さらに好ましくは0.05〜3倍モルである。これらは水、あるいは有機溶剤(前述)の溶液として添加しても単体で添加しても構わない。
水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合、系中に残存する過酸化水素の量に対し、重量比で1〜1000倍の量を使用することが好ましい。より好ましくは10〜500倍、さらに好ましくは10〜300倍である。水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合は、後に記載する水層と有機層の分離の後、処理を行っても構わない。
一概には言えないが、塩基性が強いほど最終的なタングステン量を減らすことができる傾向が見られる。また塩基性化合物の濃度が濃い方が、効果が見られる傾向にある。ただし、多価アルケンがエステル構造を分子内に有する場合、pHが12を超える、あるいは加温するといったような操作は加水分解を進行させるため好ましくない。これら条件は多価アルケンの構造により適宜検討する必要がある。
得られた有機層は必要に応じてイオン交換樹脂や金属酸化物で処理を行う。本発明においては特に金属酸化物を使用するのが好ましく、その具体例としてはMgO、CaO、SrO、BaO、BeO、ZnO、CeO2、Ce2O3、Al2O3、TiO、Ti2O3、TiO2、TiO3、Ti3O5、SiO2、ZrO2、FeO、Fe2O3、Fe3O4、ZrO2、NiO、CoO、Co3O4、CuO、Cu2O、AgO、Ag2O、TiO2−Al2O3、TiO2−SiO2、TiO2−ZrO2、TiO2−MgO、TiO2−Al2O3、TiO2−WO3、TiO2−MoO3、ZnO−SiO2、Al2O3−SiO2、Al2O3−ZrO2、SiO2−MgO、SiO2−WO3、SiO2−ZrO2、シャバサイト、エリオナイト、オフレタイト、モルデナイト、フェリエライト、クライノタイロライト、アナルサイム、カンクリナイト、ジスモンディン、グメリナイト、ローモンタイト、リュウサイト、スコレサイト、ソーダライト、トムソナイト、フィリップサイト、ハーモトーム、メルリノイト、アミサイト、ガローナイト、ポーリンジャイト、ユガワラライト、レビナイト、マッザイト、ホージャサイト、ナトロライト、メソライト、トムソナイト、ゴンナルダイト、エディングトナイト、ダッキャルダイト、エピスティルバイト、ピキタイト、ヒューランダイト、クリノプチロライト、スティルバイト、ステレライト、バレライト、バリューステライト、カウレサイト、ワイラカイト、ポルーサイト、アシュクロフィン、モレキュラシーブス、モンモリロナイト、ハロイサルト、アタパルジェイド、セピオライト、アロフェン、酸性白土、活性白土、ケイソウ土などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。これらの金属酸化物は天然物または合成物のいずれでも良い。本発明においてはメソポーラス体やその活性体(例えば活性SiO2等)が好ましい。金属酸化物による処理は有機溶剤中に残存する触媒の量を低減するのに効果がある。得られた有機層より溶剤を留去することで目的とするエポキシ化合物を得ることができる。場合によってはさらに蒸留により精製しても構わない。蒸留方法としては薄膜、回転式分子蒸留等が挙げられる。
残存させる量あるいは添加量としては、エポキシ組成物中、タングステン元素含有量として0.1〜2000ppmであり、より好ましくは0.2〜1500ppm、更に好ましくは0.2〜1000ppmであり、最も好ましい範囲としては0.2〜500pmである。エポキシ組成物中のタングステン元素含有量が0.1ppmよりも少量である場合には、熱安定性の向上効果がほとんど見られない。一方、2000ppmを超える場合には、加熱条件での着色が激しくなる。例えば上記式(1)のエポキシ化合物を150℃で空気中に放置した場合、5分程度で着色が始まり、オレンジ色、褐色へ変化していく。タングステン量が2000ppm以下、特に1500ppm以下であればこの変化が少ない。
本発明におけるエポキシ組成物中のタングステン元素含有量は、エポキシ組成物を灰化法(JISK4101:1993)に準じて処理したものを、特開2001−217000に記載のようにアルカリ処理と塩酸処理をした後、発光分光分析法にて測定した含有量を意味する。
また、上記製法により得られるエポキシ組成物につきガスクロマトグラフィー(カラム:島津製作所製 HP−5)にてジエポキシ体のピーク濃度とモノエポキシ体のピーク濃度の合計に対するモノエポキシ体のピーク濃度(面積比)を計算すると通常10%以下であり、好ましい条件下で得られたものにおいては7%、さらに好ましい条件下で得られたものにおいては5%となる。
さらにその粘度は一般に製造現場で使用されている過酢酸で製造したエポキシ化合物と比較しても小さくなる。具体的には上記式(1)の化合物のエポキシ化物は市販品(ダウケミカル社製 ERL−4221 成分分析よりアセチル体が検出されていることから過酢酸を使用していることが判る)と比較した場合、市販品が約450mPa・s(E型粘度計 25℃)であるのに対し、上記製法で合成された同骨格のエポキシ化合物はその粘度が約240mPa・sと大幅に低い。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明のエポキシ組成物を必須成分として含有する。本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)と酸を硬化触媒とするカチオン硬化(硬化性樹脂組成物B)の二種の方法が適応できる。
(1)硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)
本発明の硬化性樹脂組成物Aが含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体、テルペンとフェノール類の縮合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を酸性硬化触媒で硬化させる場合には、本発明の硬化性樹脂組成物には、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を含有させる。さらに、硬化性樹脂組成物Bは、必要に応じて、希釈剤、重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合開始補助剤、光増感剤、無機充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、シランカップリング材、離型剤、各種熱硬化性樹脂等の各種公知の化合物、材料等を含有していてもよい。
1)エポキシ当量:JIS K−7236に準じて測定。
2)粘度:25℃においてE型粘度計を使用して測定。
3)ガスクロマトグフィー:
カラム ; HP-5MS 15m-0.25mm-0.25μm
キャリアガス ; ヘリウム 1.0mL/min. (constant flow mode)
オーブン ; 100℃−15℃/min.−300℃(15min.保持)
インジェクション; 1μL,split比 50:1,300℃
イオン化方法 ; EI(EIイオン源)
測定サンプル ; 有機層より0.2mLのサンプルをとり、5mLのトルエンで希釈。
4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
カラム ; showdex KF-801、KF-802、KF-802.5、KF-803
カラム温度 ; 40℃
溶剤 ; テトラヒドロキシフラン(THF)
流量 ; 1.0ml/min
測定サンプル ; 有機層より0.2mLのサンプルをとり、10mLのTHFで希釈。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら水60部、12−タングスト燐酸1.7部を加え室温で溶解後、燐酸2.8部を加え、pH1に設定した後、水酸化カリウムでpHが5に調整した。ここにトリアルキルメチルアンモニウムクロライド(前記アルキルがオクチルものとデカニルのものの混合体、東京化成工業株式会社製 商品名;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド)2.8部を加え、50℃に昇温し、30分激しく攪拌した。攪拌終了後、水面に白色の析出物が浮いていることを確認した。ここにトルエン300部を加え、析出物を溶解した。次いで水層を分離し、得られた有機層をロータリーエバポレータで溶剤を留去することで、本発明で使用するタングステン酸系触媒(cat−1)を4.0部得た。得られた触媒は淡黄色半固形物質であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら水12部、燐酸0.56部を加え、炭酸ナトリウムを用いて、pHを5.5に調整した。さらにトルエン30部、上記式(1)の化合物22部、タングステン酸系触媒(cat−1)0.5部を加え、攪拌することで2層系の懸濁液とした。この溶液を50℃に昇温し、激しく攪拌しながら、30重量%過酸化水素水24.8部を加えた。反応系中のpHを測定したところpHは4.0であった。そのまま50℃で12時間攪拌した。
室温まで冷却後、反応系中に含まれるタングステン含有量を測定したところ、有機層に5800ppm、水層に75ppm含まれていることが確認され、本発明に使用しているタングステン系触媒は有機層に存在することが明らかである。また反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体3%、ジエポキシ体95%、水付加体2%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ97%であることが分かった。次いで1重量%水酸化ナトリウム水溶液20部、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液10部を加え1時間攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、更に得られた水層に30部のトルエンを加え、水層中の有機物を抽出した。これをさらに2回繰り返し、得られた有機層を混合した。ここにシリカゲル60部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過、さらに残渣シリカをトルエン50部で洗浄後、ロータリーエバポレータを用い、有機溶剤を留去することで、目的とするエポキシ組成物(EP1)22部を得た。得られたエポキシ組成物は無色であり、エポキシ当量は138g/eq.、粘度は244mPa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は1200ppmであった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら水12部、12−タングスト燐酸0.38部、燐酸0.56部、炭酸ナトリウムを加え、pHを5.0に調整した。更にトリオクチルメチルアンモニウムアセテート0.6部(ライオン・アクゾ製 トリオクチルメチルアンモニウムアセテートのキシレン溶液から溶剤を除去したもの。)を加え、タングステン酸系触媒を精製させた後、トルエン35部を加え溶解、2層系溶液とし、激しく室温で1時間攪拌をする。
攪拌終了後、上記式(1)の化合物22部を加え、さらに再度攪拌することで2層系の懸濁液とした。この溶液を70℃に昇温し、激しく攪拌しながら、30重量%過酸化水素水24.8部を加えた。反応系中のpHを測定したところpHは4.0であった。そのまま70℃で5時間攪拌した。反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体5%、ジエポキシ体95%、水付加体<1%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ96%であることが分かった。室温まで冷却後、反応系中に含まれるタングステン含有量を測定したところ、有機層に4900ppm、水層に120ppm含まれていることが確認され、本発明に使用しているタングステン系触媒は有機層に存在することが明らかである(以下の実施例においても同様の方法により、有機層にタングステン系触媒が存在することを確認した)。
ついで1重量%水酸化ナトリウム水溶液20部、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液10部を加え1時間攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、更に得られた水層に30部のトルエンを加え、水層中の有機物を抽出した。これをさらに2回繰り返し、得られた有機層を混合した。ここにシリカゲル60部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過、さらに残渣シリカゲルをトルエン50部で洗浄後、ロータリーエバポレータを用い、有機溶剤を留去することで、目的とするエポキシ組成物(EP2)21部を得た。得られたエポキシ組成物は淡黄色であり、エポキシ当量は140g/eq.、粘度は242mPa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は約1100ppmであった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、水12部、12−タングスト燐酸0.38部、燐酸0.56部、炭酸ナトリウムを加え、pHを5.0に調整した。更にトルエン35部、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド0.6部(東京化成工業株製)を加え、激しく40℃で1時間攪拌をすることでタングステン酸系触媒の溶液が得られた。
攪拌終了後、上記式(1)の化合物22部を加え、さらに再度攪拌することで2層系の懸濁液とした。この溶液を40℃に昇温し、激しく攪拌しながら、30重量%過酸化水素水24.8部を加えた。そのまま40℃で48時間攪拌した。反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体<1%、ジエポキシ体>98%、水付加体<1%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ98%であることが分かった。
室温まで冷却後、トリポリ燐酸ナトリウム2部、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液10部を加え1時間攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、更に得られた水層に30部のトルエンを加え、水層中の有機物を抽出した。これをさらに2回繰り返し、得られた有機層を混合した。ここにシリカゲル100部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過、さらに残渣シリカをトルエン50部で洗浄後、ロータリーエバポレータを用い、有機溶剤を留去することで、目的とするエポキシ組成物(EP3)18部を得た。得られたエポキシ組成物は無色であり、エポキシ当量は138g/eq.、粘度は242mPa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は約450ppmであった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら水24部、タングスト燐酸0.76部、燐酸0.56部、炭酸ナトリウムを加え、pHを4.0に調整した。更にトルエン35部、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイド1.0部を加え、激しく40℃で1時間攪拌をすることでタングステン酸系触媒の溶液が得られた。
攪拌終了後、上記式(1)の化合物22部を加え、さらに再度攪拌することで2層系の懸濁液とした。この溶液を40℃に昇温し、激しく攪拌しながら、30重量%過酸化水素水27.2部を加えた。そのまま40℃で48時間攪拌した。反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体4%、ジエポキシ体96%、水付加体<1%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ97%であることが分かった。
室温まで冷却後、1重量%水酸化ナトリウム水溶液20部、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液10部を加え1時間攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、更に得られた水層に30部のトルエンを加え、水層中の有機物を抽出した。これをさらに2回繰り返し、得られた有機層を混合した。ここに活性炭0.5部、シリカゲル100部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過、さらに残渣シリカゲルをトルエン50部で洗浄後、ロータリーエバポレータを用い、有機溶剤を留去することで、目的とするエポキシ組成物(EP4)19部を得た。得られたエポキシ組成物は無色であり、エポキシ当量は138g/eq.、粘度は245mPa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は約1500ppmであった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトルエン100部、シクロヘキサ−3−エンカルボン酸126部、1,4−シクロヘキサンジメタノール72部、メタンスルホン酸3部を加え、650〜750torrの減圧条件下、100℃で15時間反応を行った。反応終了後、トリポリ燐酸ナトリウム5部を加え、100℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン300部を加え、水300部で3回水洗を行い、得られた有機層にシリカゲル100部、活性炭(二村化学株式会社製、太閤K)1部を加え、室温で2時間攪拌した後、ろ過を行った。得られたろ液より溶剤等を除去することで上記式(2)の化合物を146部得た。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら水12部、燐酸0.56部を加え、炭酸ナトリウムを用いて、pHを5.0に調整した。さらにトルエン30部、上記式(2)の化合物36部、タングステン酸系触媒(cat−1)0.5部を加え、攪拌することで2層系の懸濁液とした。この溶液を50℃に昇温し、激しく攪拌しながら、30重量%過酸化水素水24.8部を加えた。反応系中のpHを測定したところpHは4.0であった。そのまま50℃で24時間攪拌した。反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体5%、ジエポキシ体93%、水付加体2%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ94%であることが分かった。1重量%水酸化ナトリウム水溶液20部、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液10部を加え1時間攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、更に得られた水層に30部のトルエンを加え、水層中の有機物を抽出した。これをさらに2回繰り返し、得られた有機層を混合した。ここにシリカゲル60部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過、さらに残渣シリカをトルエン50部で洗浄後、ロータリーエバポレータを用い、有機溶剤を留去することで、目的とするエポキシ組成物(EP5)35部を得た。得られたエポキシ組成物は淡黄色であり、エポキシ当量は239g/eq.、粘度は18Pa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は1600ppmであった。
実施例2において、反応基質である式(1)を上記式(2)の化合物36部に変えた以外は同様の操作を行った。その結果、反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体5%、ジエポキシ体93%、水付加体2%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ94%であることが分かった。また得られたエポキシ組成物(EP6)は黄色であり、エポキシ当量は239g/eq.、粘度は18Pa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は1600ppmであった。
上記式(1)で表される多価アルケンのエポキシ化物(EP7;商品名 ERL−4221 ダウケミカル株式会社製、 EP8;商品名 セロキサイド2021P ダイセル化学工業株式会社製)に以下の添加剤を加え、実施例7〜16、比較例3のエポキシ組成物をそれぞれ作成した。
添加剤1; 合成例1で製造した触媒 cat−1
添加剤2; 12−タングスト燐酸ナトリウム(12−タングスト燐酸を燐酸ナトリウムでナトリウム塩化したもの)
添加剤3; 合成例1においてトリオクチルメチルアンモニウムクロライドをジラウリルメチルアンモニウムブロマイドに変えたもの
添加剤4; 合成例1においてトリオクチルメチルメチルアンモニウムクロライドをトリオクチルメチルアンモニウムアセテートに変えたもの
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、水18部、12−タングスト燐酸1.9部、燐酸2.8部、炭酸ナトリウムを加え、pHを5.0に調整した。更にトルエン160部、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド3部(東京化成工業株製)を加え、激しく40℃で1時間攪拌をすることでタングステン酸系触媒の溶液が得られた。
攪拌終了後、上記式(1)の化合物110部を加え、再度攪拌することで2層系の懸濁液とした。この溶液を50℃に昇温し、激しく攪拌しながら、35重量%過酸化水素水106部を加えた。そのまま50℃で12時間攪拌した。反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体<1%、ジエポキシ体>98%、水付加体<1%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ98%であることが分かった。
室温まで冷却後、30重量%水酸化ナトリウム水溶液3.3部、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液50部を加え1時間攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を水洗し、得られた有機層にシリカゲル100部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過、さらに残渣シリカをトルエン50部で浄後、ロータリーエバポレータを用い、有機溶剤を留去することで、目的とするエポキシ組成物(EP9)18部を得た。得られたエポキシ組成物は淡黄色であり、エポキシ当量は133g/eq.、粘度は229mPa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は約105ppmであった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、水18部、12−タングスト燐酸1.9部、燐酸2.8部、炭酸ナトリウムを加え、pHを5.0に調整した。更にトルエン160部、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド3部(東京化成工業株製)を加え、激しく40℃で1時間攪拌をすることでタングステン酸系触媒の溶液が得られた。
攪拌終了後、上記式(1)の化合物110部を加え、再度攪拌することで2層系の懸濁液とした。この溶液を50℃に昇温し、激しく攪拌しながら、35重量%過酸化水素水106部を加えた。そのまま50℃で12時間攪拌した。反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体<1%、ジエポキシ体>98%、水付加体<1%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ98%であることが分かった。
室温まで冷却後、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液50部を加え1時間攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を水洗した後、得られた有機層にシリカゲル30部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過、さらに残渣シリカをトルエン50部で浄後、ロータリーエバポレータを用い、有機溶剤を留去することで、目的とするエポキシ組成物(EP10)21部を得た。得られたエポキシ組成物は黄色であり、エポキシ当量は136g/eq.、粘度は264mPa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は約2900ppmであった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、水18部、12−タングスト燐酸1.9部、燐酸2.8部、炭酸ナトリウムを加え、pHを5.0に調整した。更にトルエン160部、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド3部(東京化成工業株製)を加え、激しく40℃で1時間攪拌をすることでタングステン酸系触媒の溶液が得られた。
攪拌終了後、上記式(1)の化合物110部を加え、再度攪拌することで2層系の懸濁液とした。この溶液を50℃に昇温し、激しく攪拌しながら、35重量%過酸化水素水106部を加えた。そのまま50℃で12時間攪拌した。反応終了後の基質のコンバージョンは>99%、うちモノエポキシ体<1%、ジエポキシ体>98%、水付加体<1%(ガスクロマトグフィーにて確認)であり、GPCによる本体純度測定を行ったところ98%であることが分かった。
室温まで冷却後、20重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液50部を加え1時間攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を水洗した後、ロータリーエバポレータを用い、有機溶剤を留去することで、目的とするエポキシ組成物(EP11)118部を得た。得られたエポキシ組成物は黄色であり、エポキシ当量は138g/eq.、粘度は270mPa・sであった。また残存するタングステンの量(灰化法)は約5600ppmであった。
上記で得られた実施例1〜17及び比較例1〜5のエポキシ組成物について、それぞれDSC(示唆熱分析)による発熱開始温度を確認した。結果を表1に示す。
(DSC測定条件)
温度範囲 30〜350℃
昇温速度 10min/℃
サンプル量 1.0〜3.0mg
上記で得られた実施例1〜6、17及び比較例1〜5のエポキシ組成物について耐熱着色試験を行った。耐熱着色試験の評価は、加熱前と加熱後の色みの変化を目視で観察することにより行なった。サンプルは1mLのガラスのサンプル瓶に0.5gのサンプルを入れ、ホットプレートで加熱を行う。加熱条件150℃、加熱時間は15分、30分、1時間である。結果を表2に示す。
実施例1〜4で得られたエポキシ組成物(EP1〜EP4)について、過酢酸により製造されたエポキシ化合物(EP7)(ダウケミカル製 ERL−4221 アセチル体が成分に含まれていることから過酢酸で製造されていることが分かる。)を粘度において比較を行った。その結果EP7の粘度が443mPa・sであり、EP1〜EP4の粘度が230〜250mPa・sであることから、過酢酸を用いて製造したエポキシ化合物に比べ低粘度であることが確認できた。これは、選択的に2官能エポキシ化合物ができているためであると考えられる。
Claims (4)
- 多価エポキシ化合物とタングステン化合物とからなり、且つ、タングステン元素含有量が0.1〜2000ppmであることを特徴とするエポキシ組成物において、
多価エポキシ化合物が、分子内にシクロヘキセン構造を有することで分子中に2つ以上の二重結合を有する、シクロヘキセンカルボキシエステル構造を有する化合物またはシクロヘキセンメチルエステル構造を有する化合物であり、
多価アルケン化合物を触媒としてのタングステン化合物の存在下で酸化することによって得られるものであるエポキシ組成物。 - 多価アルケンが式(1)
もしくは式(2)
で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のエポキシ組成物。 - 請求項1または2に記載のエポキシ組成物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項3記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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