JPH0133471B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0133471B2
JPH0133471B2 JP55097682A JP9768280A JPH0133471B2 JP H0133471 B2 JPH0133471 B2 JP H0133471B2 JP 55097682 A JP55097682 A JP 55097682A JP 9768280 A JP9768280 A JP 9768280A JP H0133471 B2 JPH0133471 B2 JP H0133471B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mol
acid
reaction
hydrogen peroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP55097682A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5618972A (en
Inventor
Bentoreruro Karuro
Aruneri Entsuo
Rana Jurio
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISUCHI GUIDO DONEGANI SpA
Original Assignee
ISUCHI GUIDO DONEGANI SpA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISUCHI GUIDO DONEGANI SpA filed Critical ISUCHI GUIDO DONEGANI SpA
Publication of JPS5618972A publication Critical patent/JPS5618972A/ja
Publication of JPH0133471B2 publication Critical patent/JPH0133471B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J10/00Chemical processes in general for reacting liquid with gaseous media other than in the presence of solid particles, or apparatus specially adapted therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/02Synthesis of the oxirane ring
    • C07D301/03Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds
    • C07D301/12Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds with hydrogen peroxide or inorganic peroxides or peracids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D303/00Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D303/02Compounds containing oxirane rings
    • C07D303/04Compounds containing oxirane rings containing only hydrogen and carbon atoms in addition to the ring oxygen atoms

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液相中での接触酸化反応によるオレ
フインのエポキシ化方法に関するものである。さ
らに詳細には、本発明は液相中において遷移金属
に基づく触媒系の存在下に過酸化水素によりオレ
フインを酸化することによるエポキシドの製造方
法に関するものである。
特に、本発明は、「相移動」と呼ばれる反応技
術を用いて、遷移金属に基づく触媒系の存在下に
オレフインと過酸化水素とから出発するエポキシ
ドの製造をその目的とする。
得られる化合物、すなわちオレフインのエポキ
シドは、工業上極めて重要な化学製品である。事
実、これらは当業者に一般に周知された広汎な用
途において、高品質尺度で工業上興味ある用途を
有する生産物である。
実際上、これは有機合成における有用な中間体
としてのみならず、主要用途として挙げうるもの
には、ウレタン製造における中間体として、発泡
製品工業において、潤滑剤、表面活性剤、可塑剤
用エステル、ポリエステル樹脂などのためのグリ
コールを製造する中間体としてなどに使用され
る。
最後に、エポキシドは熱硬化性エポキシ樹脂な
どの製造に直接使用される。オレフインのエポキ
シ化に向けられた極めて多くの方法が知られてい
るが、それらの大部分は工業的実用性がないか或
いはもはや興味が失なわれたものである。何故な
ら、それらは実用性、経済性の必要条件を充分に
備えておらず、かつまた最近ではそれらを優先的
に選択するのに必要とされる環境上の許容性など
の必要条件を充分に備えていないからである。
たとえば、この議論にはかなりの工業上の関心
もあるが、現在においてさえ、エチレンから酸化
エチレンへの直接酸化(これについてはさらに後
記する)を除き、酸化プロピレン及びいずれにせ
よエポキシド類は一般に殆んど専ら公知のクロロ
ヒドリン法によつて得られると云うことができ
る。
要約すれば、上記の方法は、オレフインを塩素
水と反応させてクロロヒドリンを得、次いでこれ
をアルカリ物質(石灰)で処理して対応のエポキ
シドを得ることからなつている。しかしながら、
この方法は工業的観点並びに経済面及び環境適応
性の観点から将来増々困難に遭遇するであろう。
この方法は実際上、現代の多少豊富な制御困難の
無機及び有機塩素化副生物を生成し、これらはそ
れ自身利用できず、その質的及び量的処分におい
て大きな問題を提起する。
これには、塩素の増加コストを加えねばなら
ず、動力消費などに厳しく制限が加えられる。
したがつて、極く最近、モリブデン、タングス
テン、バナジウムに基づく触媒の存在下に有機ヒ
ドロパーオキサイドを用いてオレフインの無水有
機相中で行なわれるエポキシ化法に関し、興味が
生ずると共に若干の実際的工業利用がなされた。
それにも拘らず、エポキシドの製造には、エポ
キシドの量に等しいか又はそれより多い量でヒド
ロパーオキサイドに対応するアルコールの生成が
付随し、これ自身の利用又は循環などがこの方法
に関係する重大な経済的負担になる。
したがつて、より直接的な酸化方法にも研究が
向けられている。
銀触媒などを用いる分子状酸素によるエポキシ
化法も研究されているが、これらはその成功がエ
チレンのみに限られ、相応する技術は興味の大き
い他のオレフイン(すなわち、プロピレン)には
応用できないことが判つた。
過酸化水素は、環境問題、汚染問題などが存在
しないその酸化作用のため、幾つかのエポキシ化
法に適していることが示酸されている。
これらの方法によれば、オレフインそのものに
対する過水化水素の活性はかなり低いか又は全く
ないので、活性化剤すなわち一般にたとえば蟻
酸、酢酸などのような有機酸を有機溶媒中で使用
する必要があり、これら酸類は過酸としてその場
で反応性エポキシ化剤を形成する。
これらの方法も、何らの実際的成功を収めなか
つたと思われる。何故なら、過酸を得るのが困難
でありかつ酸性媒体中においてエポキシドが不安
定であつて、かなり面倒な操作条件を必要とする
からである。
モリブデン、バナジウム、タングステンに基づ
く触媒の存在下に、第一級若しくは第二級アルコ
ールを含有する水溶液において、水溶性オレフイ
ンを過酸化水素でエポキシ化することにより、エ
ポキシ−アルコール(グリシドール)を製造する
ため選択的に使用しうるものとして、他の方法も
記載されている。
この場合、これはグリシドール、すなわち限ら
れた興味しかない化合物のみに実質的に向けられ
た技術であるという問題がある。他方、過水化水
素によるオレフインのエポキシ化反応は水の生成
をもたらし、これは特に金属触媒を過酸化物の状
態で使用する場合その蓄積と共に反応自体を阻害
する。
この欠点に対し、過酸化水素の濃度溶液を使用
すると共に強力な触媒系を使用することにより、
除去することが試みられた。
たとえば、元素周期律表の第、及びB
(Ti、V、Mo、W)族の元素とPd、Sn、As、
Sb、Bi、Hgなどから選択される元素とを組合せ
てなる可溶性の触媒系の存在下に、均質な実質的
に有機の液相において高濃度の過酸化水素と反応
させることによりオレフインを酸化しうることが
記載されている。
この結果は実用レベルの期待に合致しない。何
故なら、反応が遅く、かつ一般に有機媒体中に可
溶性であることが必要な極めて複雑な有機金属化
合物よりなる触媒系は高価であるからである。
さらに、高濃度(>70%)の過酸化水素を使用
することは、安全性の観点から若干の危険があ
り、これは経済的には容易に克服することができ
ない。
上記の技術において、タングステン若しくはモ
リブデンと砒素若しくは硼素とに基づく触媒を過
剰のオレフインと共に使用し、一般に阻害性の水
を連続蒸留する技術と組合せることにより、改良
が達成されうると記載されている。
この場合にも、過酸化水素の濃厚溶液(>70
%)を使用することが実際上要求され、これは相
応の処理問題を伴ない、装置の安全性に関し既述
した通りである。さらに、過酸化水素自身により
導入される水の他、反応水の連続除去は、初期の
高過酸化水素濃度から実際上必要となる操作であ
り、方法の経済性に関し特に負担となる。
他方、過酸化水素によるオレフインの酸化は操
作条件により生ずる固有の矛盾があり、すなわち
触媒系と過酸化水素とに関して最良には水性媒
体、できれば酸性媒体を必要とする一方、酸化反
応とエポキシドの安定性は好ましくは中性の有機
媒体を必要とする。
過酸化水素を使用する全ての前記した従来技術
は、少なくともこれら方法を実際的に工業上稼動
させる観点から、実質的に何らかの方法で反応媒
体を均質にするよう留意すると共に水の阻害的蓄
積を避けるよう留意するが、その結果はかなり不
確定となる。
したがつて、本発明の目的は、酸化剤として過
酸化水素を使用し、容異かつ経済的に実現できし
かも上記従来技術に見られる欠点を持たないオレ
フインの接触エポキシ化方法を提供することであ
る。
特に本発明の目的は、希釈過酸化水素によるオ
レフインの接触エポキシ化方法を提供することで
あり、この方法は効果的な長寿命触媒系により得
られる所望のエポキシドに対し高度の選択性を有
し、しかも反応水の面倒な連続的蒸留を必要とし
ないことを特徴とする。
実際、本発明にすれば、通常の操作条件による
上記の矛盾は、水性−有機液体の2相中で行なわ
れる反応技術を用いて効果的に克服される。
事実、この技術は、極性の異なる二種の非混和
性若しくは難混和性の反応手段を使用し、したが
つてPH調整並びに過酸化水素の濃度及び反応水の
除去は本方法の効果に対し殆んど制限とならない
ことが判つた。
いわゆる「二相」技術によれば、化学反応は一
般にイオン交換に基づいて実質的に行なわれるこ
とが、文献から周知されている。
他方、二相において、タングステン及びモリブ
デンに基づく無機誘導体の存在下に、過酸化水素
によりオレフインをエポキシ化しうることも記載
されている。しかしながら、出願人はこの方法に
何らの実際的興味を持たない。何故なら、出願人
により確証されたところでは、触媒の効率が悪
く、二相技術は決して便利とは思えないからであ
る。
今回、過酸化水素によるオレフインのエポキシ
化反応は、遷移金属に基づく化合物により触媒さ
れ、特定の触媒系の使用により便利となり、この
触媒系はエポキシ化反応を予想外に高め、オレフ
インのエポキシ化反応を「二相」技術により経済
的に操作上容易に行なわせうることが見出され、
これが本発明の目的を構成する。
要するに、本発明は、或る方法において、従来
技術に存在する偏見、すなわち触媒の存在下かつ
二相技術により行なわれる過酸化水素によるオレ
フインのエポキシ化反応は実用的応用結果を与え
ないという偏見を見事に克服する。この状況は、
当業者がこの分野でさらに研究するのを思いとど
まらせると共に、本発明の方法により得られる驚
異的に良好な結果を当業者に予測させないであろ
う。
以下の記載から当業者にはより明白となるが、
これら及びその他の目的は、本発明によれば、詳
細に後記するように、「オニウム」塩を用いる
「二相」技術に従う、過酸化水素との反応による
オレフインの接触エポキシ化方法により達成さ
れ、この方法は反応を、 (a) 実質的にオレフインを含有する有機相と、 (b) 実質的に過酸化水素を含有する酸性水相と、
からなる二相の水性−有機液体系において、
W、Mo及びVから選択される少なくとも一種
の元素若しくはその誘導体の一種と、P及び
Asから選択される少なくとも一種の誘導体と
からなる触媒系の存在下で行なうことを特徴と
する。
この反応は、式 によつて表わすことができる。
上記したように、反応は、二相の水性−有機系
において上記した触媒系の存在下に、激しく撹拌
しながら行なわれる。有機相はオレフインとでき
れば有機溶媒とからなり、水相は過酸化水素から
なる。
実際上、温度及び操作圧力は、反応性、オレフ
インの性質、過酸化水素及び有機媒体中に使用さ
れる「オニウム」塩の安定性などにより決定され
る。
通常、0゜〜120℃の温度及び大気圧乃至約100気
圧の圧力が考えられ、充分に使用できる。
本発明によりエポキシ化反応にかけるオレフイ
ンは、式 によつて示すことができ、この式中R1、R2、R3
及びR4は反応条件下で不活性な官能基で置換さ
れていてもよく、それぞれ独立して水素原子又は
ヒドロカルビル基、たとえば30個までの炭素原子
を有するアルキル及びアルケニル、3〜12個の炭
素原子を有するシクロアルキル及びシクロアルケ
ニル、6〜12個の炭素原子を有する分枝してもよ
いアリール、アルキル−アリール及びアルケニル
−アリールを示し、さらにR1、R2、R3及びR4
隣接する基と共同して1〜12個の炭素原子を有す
る環式のアルキル又はアルケニルを示す。
反応条件下で不活性の置換基は、たとえばヒド
ロキシル基、ハロゲン(Cl、Br、F、I)、ニト
ロ、アルコキシル、アミノ、カルボニル、カルボ
キシル、エステル、アミド、ニトリル基などであ
る。
上記したように、R1、R2、R3及びR4基はアル
ケニルであつてもよく、換言すれば本発明による
方法はたとえばジエン及びトリエン(共役でも非
共役でもよい)のようなポリオレフインにも適用
することができる。
本発明によるエポキシ化に適するオレフインは
例として、脂肪族、脂環式、アルキルアリール不
飽和炭化水素、たとえばプロピレン、ブテン、ペ
ンテン及び20個までの炭素原子を有する一般に線
状若しくは分枝状のモノ−及びジ−オレフイン、
シクロヘキセン、ノルボルネン、リモネン、カン
フエン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、イン
デン、スチルベンなど;不飽和アルキルハライ
ド、たとえばアリルハライド;不飽和酸及びその
エステル、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、オレイン酸など;不飽和アルコール
及びそのエステル、たとえばアリルアルコールな
ど;不飽和アルデヒド及びケトン、たとえばメチ
ルアリルアセトンなどを包含することができる。
確実な酸性PH値は過酸化水素の安定性を増大さ
せるが、エポキシドを不安定にさせる。したがつ
て、便利なPH値は約2〜6である。実際上、この
PH値の範囲は反応体と使用触媒とからなる系の存
在により直接に得られ、或いは必要に応じこの目
的で鉱酸(HC1など)を使用することもできる。
他方、上記したように、採用した二相反応技術
は、本方法の操作をPH値の変動に対し大して鋭敏
でなくする。
反応の持続時間は、触媒の性質及び量、溶媒並
びに本方法に使用するオレフインに依存する。一
般に、反応を完結するには、数分間乃至数時間と
いう時間で充分であろう。
本方法に使用される第四級「オニウム」塩は式 (R′1、R′2、R′3、R′4、M)+X- 〔式中Mは周期律表のVA族に属する五価の元素
であり、X-はたとえばCl、Br、HSO4 -、NO3 -
などのような安定陰イオンであり、R′1、R′2
R′3及びR′4は70個まで、好ましくは25〜40個の総
数の炭素原子を有する一価のヒドロカルビル基を
示す〕 の範囲に入る公知の塩である。
MがN、P、As、Sbの原子であるかどうかに
応じて、対応する「オニウム」塩、すなわちアン
モニム(N)、ホスホニウム(P)、アルソニウム
(As)又はスチボニウム(Sb)塩が得られる。
本発明によれば、触媒系は、W、Mo、Vから
選択され、好ましくはWである少なくとも一種の
元素又は少なくとも一種のその無機、有機若しく
は金属有機誘導体よりなる第一の成分を含み、こ
れはその場で反応条件下に触媒活性の化合物に変
化することができる。
このような特性を有するこの種の元素の誘導体
は、酸化物、混成酸化物又は塩−酸化物、オキシ
酸、ホモポリ酸及びその塩、ヘテロポリ酸(珪−
モリブデン酸、珪−タングステン酸など)及びそ
の塩;無機水素酸(たとえばHClなど)から誘導
される塩;ナフテン酸塩、アセチルアセトネー
ト、カルボニル誘導体などである。
特に有効であると考えられる効果的なものは、
たとえばW、Mo及びVのような元素の他、タン
グステン酸、モリブデン酸、バナジン酸並びにア
ルカリ土類金属の対応する中性塩又は酸性塩、金
属カルボニルW(CO)6、Mo(CO)6、酸化物
MoO2、Mo2O5、Mo2O3、MoO3、WO2、W2O5
WO6、VO2、V2O3、V2O5など、硫化物WS2
WS3など、モリブデン、タングステン、バナジウ
ムのオキシ塩化物、塩化物、ナフテン酸塩、ステ
アリン酸塩などである。
本発明による触媒系の第二の成分は、燐および
砒素から選択される元素の少なくとも一種の無
機、有機、金属有機誘導体からなり、反応条件下
において第一の前記した成分と連携して触媒活性
となりうる。
このような特性を有する誘導体は酸化物、オキ
シ酸及びその塩;硫化物、水素酸(HClなど)か
ら誘導される塩、式R″1、R″2M(=O)X、
R″3M(=O)XY〔式中、Mは上記の元素であり、
R″1、R″2及びR″3はそれぞれ水素原子、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール、12個までの炭
素原子を有するアルキルアリール基を示し、X及
びYはそれぞれ水素、ヒドロカルビル(アルキ
ル、アリールなど)、ハロゲン(塩素)、ヒドロキ
シ、アルコキシ、カルボキシ基、無機オキシ酸な
どを示す〕の化合物である。
特に有効なものは、燐酸、亜燐酸、ポリ燐酸、
ピロ燐酸、亜砒酸、砒酸、ホスホン酸、アルソン
酸及びそれらのアルカリ塩、酸化物P2O3、P2O5
As2O3、As2O5、オキシ塩化物、弗化物、燐及び
砒素塩化物と考えることができる。
本発明の方法に使用される触媒系の二種若しく
はそれ以上の元素成分は異なる分子に属すること
ができ、或いはそれらは二種若しくはそれ以上の
元素成分からなる同一の錯体分子の一部とするこ
ともできる。
その場合、燐タングステン酸、砒素タングステ
ン、燐モリブデンヘテロポリ酸など又はそれらの
アルカリ、アルカリ土類塩として知られるヘテロ
ポリ酸を使用することができる。
それらは、公知方法に従い、たとえばタングス
テンよりなる及び酸化の適当な状態における錯体
の中心原子の塩よりなる溶液を加熱しかつ酸性化
することにより容易に得られる。
同様に、上記したような式 R″1R″2M(=O)X及びR″3M(=0)XY の化合物は市場で入手しうるか、或いは公知若し
くは通常の技術により製造することができる。
触媒系の二種若しくはそれ以上の成分は相互の
原子比に従つて使用され、この原子比は上記した
元素の第二の群に属する金属の総量に対し第一の
群に属する金属の総量として表わされ、12〜0.1
の範囲、好ましくは約1.5〜0.25である。
さらに、触媒系は、過酸化水素1モル当り
0.0001〜1g原子の金属若しくは元素の第一群に
属する全金属からなる量、好ましくは約1モルに
対して0.005〜0.2g原子からなる量にて使用され
る。
また、上記したように、触媒系について示した
組成内で元素及び(又は)それから誘導された触
媒の混合物を使用することもできる。
不均質系中に存在する第四級若しくは「オニウ
ム」塩の量は広範囲で変化することができる。い
ずれにせよ、第一成分又は第一成分の合計に関
し、触媒1g原子当り約0.01〜2モル、好ましく
は1g原子当り0.1〜1モルの「オニウム」塩を
使用することにより、有効な結果が達成される。
効果的な「オニウム」塩はジセチルジメチルア
ンモニウムクロライド、トリカプリルメチルアン
モニウムクロライドなどであることが判つた。
反応体はほぼ等モル比で使用されるが、反応体
の一方を他方に対し或る程度過剰に又は不足して
使用しても反応過程に悪影響を与えない。
上記した目的で、使用しうる操作値は過酸化水
素1モル当り0.1〜約50モルのオレフインからな
る比と考えることができ、好ましくは約1〜20か
らなる値で操作される。
反応は、前記したように、二重層技術によつて
行なわれる。さらに詳細には、有機相(a)は適当過
剰で使用される反応性オレフイン自身からなるこ
とができ、或いは実際の適切な有機溶媒中に溶解
させた反応性オレフインとすることもできる。
有機相用の溶媒としては、水相に対し実質的に
不混和性の不活性溶媒が使用され、実用上有効な
結果は脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、たと
えばヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなど;塩素化炭素水
素、たとえばジクロロメタン、トリクロロメタ
ン、クロロエタン、クロロプロパン、ジクロロエ
タン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、
ジ−及びトリ−クロロプロパン、テトラクロロプ
ロパン、クロロベンゼン;アルキルエステル、た
とえば酢酸エチル;又はそれらの適当な混液の使
用により得られる。
有機相(a)の種類の選択は、出発オレフインの反
応性及び各場合に使用されるパラメータに応じ
て、場合場合により当業者には判るであろう。有
機相中に上記の不溶性溶媒を使用する場合、溶媒
中のオレフインの濃度は本方法の性能に関し臨界
的でない。
有機相中のオレフイン濃度に関し使用しうる値
は5〜約95重量%であるが、それより高い又は低
い値も実用性の範囲内において使用できる。水相
中の過酸化水素の濃度は0.1〜約70%に維持する
ことができる。
しかしながら、本発明による方法では、過酸化
水素の低濃度値を用いても操作できるという利点
を与える。1%〜約10%からなる過酸化水素の濃
度が効果的であると判明したが、1%以下の値も
使用しうることが判つた。このことは、従来技術
から公知の70%より大きい濃度の溶液を高価調製
することに比べ、しかもこの高濃度を反応過程中
ずつと維持する必要があることに比較して、本発
明の好ましい経済面を与えると共に、前記したよ
うに安全性の要求をも成就するものである。
本発明の実用的具体例によれば、本発明の方法
は次のようにして行なわれる。
撹拌機と加熱制御系と還流冷却器とを備えた反
応器に、所定の量及び比で反応体(H2O2及び溶
媒中のオレフイン)を導入する。その後、触媒系
と残余の溶媒とを所望量の「オニウム」塩と共に
導入する。激しく撹拌機しながら、不均質混合物
を反応温度に所望時間保つ。終了したら、相を分
離させかつ冷却などを行なつた後、エポキシドと
反応体とを常法(たとえば蒸留など)により分離
する。
この方法は、緩和かつ簡単な操作条件のため特
に便利であることが判つた。
さらに詳細には、溶媒中の高濃度のオレフイン
を使用して、或いは溶媒の不存在でされ効果的に
操作することができ、それによりそれ相応の技術
的及び経済的利点が得られる。
溶媒を使用せずかつ濃H2O2により均質相で行
なわれる公知の方法においては大過剰の出発オレ
フインが使用され、これは操作安全性の合理的限
界を確保するのに必要である。この状況は本発明
方法の場合当てはまらず、寧ろ安全性と同様に重
要な局面に関する困難が二相技術によつて克服さ
れる。
その他の利点は、過酸化水素を低濃度で使用し
うることに見られ、これは市場で容易かつ経済的
に得られ、或いは操作安全上の危険を伴なわずに
容易に製造することができる。
最後に、上記した利点と共に得られる高収率及
び高選択性は、本方法に対し工業的利用に関する
著しい利益を確保する。
本発明を以下の例によりさらに説明するが、本
発明はこれらのみに限定されるものではない。
例4、6、18及び19は、従来技術に含まれる条
件下での結果と対比するため、比較目的で示した
ものである。記号w/vは重量/容量を示す。
例 1 撹拌機と温度計とを取り付けかつ還流冷却器を
備えた四つ口フラスコに、22.1gのオクテン−1
(0.197モル)と0.8gのトリカプリルメチルアン
モニウムクロライド(0.002モル)と40mlの水と
1.65gのNa2WO4・2H2O(0.005モル)と0.83gの
NaH2PO4・H2O(0.006モル)と2mlの14.7w/v
%のH3PO4(0.003モル)と10.96gの38.2%H2O2
(0.123モル)と16mlの1,2−ジクロロエタンと
を導入した。その後、混合物に1.30mlの31.7%
H2SO4を加え、激しく撹拌しながら混合物を急
速に70℃となし、この温度に45分間保つた。反応
後、反応媒体中には沃素測定法により0.0023モル
の未反応H2O2とガスクロマトグラフイー
(LGC)により0.102モルのエポキシオクタンとが
移行し、これは98.1%に等しいH2O2の転化率と
84.5%のエポキシオクタンに対する選択率に相当
した。
例 2 撹拌機を取り付けかつ温度計と還流冷却器とを
備えた四つ口フラスコに35.61gのオクテン−1
(0.318モル)と60mlのベンゼンと1.06gのジセチ
ルジメチルアンモニウムクロライド(0.002モル)
と40mlの水と3.3gのNa2WO4・2H2O(0.010モル)
と7.0mlの14.7w/v%のH3PO4(0.0105モル)と
11.47gの38.2%濃度のH2O2(0.129モル)とを導
入した。その後、この混合物を激しい撹拌下に急
速に70℃となし、次いでこの温度に2時間保つ
た。反応が終ると、反応媒体中には沃素測定法に
より0.0097モルの未反応H2O2とガスクロマトグ
ラフイーにより0.1014モルのエポキシオクタンと
が移行し、これは92.4%の過酸化水素の転化率と
86.4%のエポキシオクタンに対する選択率に相当
した。
例 3 撹拌機と温度計と還流冷却器とを備える四つ口
フラスコに、22.1gのオクテン−1(0.197モル)
と1.06gのジセチルメチルアンモニウムクロライ
ド(0.002モル)と40mlのH2Oと1.65gの
Na2WO4・2H2O(0.005モル)と0.83gの
NaH2PO4・H2O(0.006モル)と2mlの14.7w/v
%のH3PO4(0.003モル)と10.96gの38.2%H2O2
(0.123モル)とを導入した。その後、0.95mlの
31.7%H2SO4を加え、激しく撹拌しながらこの混
合物を急速に70℃となし、次いでこの温度に45分
間保つた。反応が終ると、反応媒体中には沃素測
定法により0.006モルの未反応H2O2と液体ガスク
ロマトグラフイー(LGC)より0.0936モルのエポ
キシオクタンとが移行し、これは95%のH2O2
転化率と80%のエポキシオクタンに対する選択率
に相当した。
例 4(比較例) H3PO4の代りに当量のH2SO4を使用した以外
は、例2を反復した。2時間の反応後、反応媒体
中には0.0986モルの未反応過酸化水素と0.007モ
ルのエポキシオクタンとが移行し、これは23.5%
の過酸化水素の転化率と23.2%のエポキシオクタ
ンに対する選択率に相当した。
例 5 撹拌機と温度計と還流冷却器とを備える四つ口
フラスコに、22.1gのオクテン−1(0.197モル)
と0.8gのトリカプリルメチルアンモニウムクロ
ライド(0.002モル)と40mlのH2Oと1.65gの
Na2WO4・2H2O(0.005モル)と3.12g(0.010モ
ル)のNa2HAsO4・7H2Oと10.96g(0.123モル)
の38.2%H2O2と16mlの1,2−ジクロロエタン
とを導入した。その後、約3mlの31.7%H2SO4
加え、激しく撹拌しながら混合物を急速に70℃と
なし、この温度に45分間保つた。反応が終ると、
反応媒体中には0.0047モルの未反応H2O2(転化率
96.2%)と0.0978モルのエポキシオクタン(選択
率82.6%)とが移行した。
例 6(比較例) この例においては、例5と同様に操作したが、
タングステン酸塩の完全な不存在下に2.40mlの
31.7%H2SO4を使用して行なつた。60分間の反応
の後、反応媒体中には初めに導入した量に等しい
量のH2O2が移行した。LGCはエポキシオクタン
の存在を全く示さなかつた。
例 7 この例においては、例1におけると同様に操作
したが、第四級アンモニウム塩の代りに0.93gの
ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド
(0.002モル)を使用した。60分間の反応の後、反
応媒体中には0.0051モルの未反応H2O2(転化率
95.9%)と0.0892モルのエポキシオクタン(選択
率75.6%)とが移行した。
例 8 触媒として2.46gの燐タングステン酸ナトリウ
ム(0.010g原子のW)を使用し、かつ反応系に
1.9mlの35%濃度のNaOHを加えることにより、
例2を反復した。2時間の反応の後、例1と同様
に、反応媒体中には0.0376モルの未反過酸化水素
と0.0568モルのエポキシオクタンとが移行し、こ
れは70.8%の過酸化水素の転化率62.1%のエポキ
シオクタンに対する選択率に相当した。
例 9 撹拌機と温度計と還流冷却器とを備えた四つ口
フラスコ中に、31.1g(0.379モル)のシクロヘ
キセンと0.53g(0.001モル)のジセチルジメチ
ルアンモニウムクロライドと40mlのH2Oと0.66g
(0.002モル)のNa2WO4・2H2Oと1.1mlの
(0.0015モル)の14.7w/v%H3PO4と10.96g
(0.123モル)の38.2%H2O2と40mlのベンゼンとを
導入した。この混合物を、激しい撹拌にかけ、急
急速に70℃となしてこの温度に15分間保つた。こ
の期間が終ると反応媒体中には0.009モルの未反
応H2O2と0.096モルのエポキシシクロヘキサンと
が移行し、これは92.6%の過酸化水素の転化率と
84%のエポキシシクロヘキサンに対する選択率に
相当した。
例 10 撹拌機と温度計と還流冷却器とを備える四つ口
フラスコ中に、16.2gのシクロヘキセン(0.197
モル)と60mlのベンゼンと1.06gのジメチルアン
モニウムクロライド(0.002モル)と40mlの水と
3.3g(0.010モル)のNa2WO4・2H2Oと4.62ml
(0.0069モル)の14.7w/v%H3PO4と11.47g
(0.129モル)の38.2%H2O2とを導入した。次い
で、この混合物を激しい撹拌下に急速に70℃まで
高め、次いでこの温度に30分間保つた。
反応が終ると、反応媒体中には0.015モルの未
反応H2O2と0.099モルのエポキシシクロヘキサン
とが移行し、これは88.4%の過酸化水素の転化率
と86.8%のエポキシシクロヘキサンに対する選択
率に相当した。
例 11 撹拌機と温度計と還流冷却器とを備えた四つ口
フラスコ中に、30.2g(0.368モル)のシクロヘ
キセンと0.56g(0.001モル)のジセチルジメチ
ルアンモニウムクロライドと40mlのH2Oと0.66g
(0.002モル)のNa2WO4・2H2Oと1.1mlの
14.7w/v%H3PO4(0.0015モル)と11.2g(0.126
モル)の38.2%H2O2とを導入した。次いで激し
い撹拌下にこの混合物を70℃まで高め、この温度
に15分間保つた(初期において反応は発熱的であ
つた)。反応が終ると、反応媒体中には、0.0057
モルの未反応H2O2(転化率95.5%)と0.0985モル
のエポキシシクロヘキサン(H2O2に対する選択
率81.9%)とが移行した。
例 12 撹拌機と温度計と還流冷却器とを備えた四つ口
フラスコ中に、29.1g(0.355モル)シクロヘキ
センと20mlの1,2−ジクロロエタンと0.4g
(0.001モル)のトリカプリルメチルアンモニウム
クロライドと40mlの水と0.66g(0.002モル)の
Na2WO4・2H2Oと1.1ml(0.0015モル)の
14.7w/v%H3PO4と10.96g(0.123モル)の38.2
%H2O2とを導入した。
次いで、反応混合物を急速に70℃まで高め、そ
の温度に45分間保つた。この期間が終ると反応媒
体中には0.004モルの未反応H2O2と0.099モルのエ
ポキシシクロヘキサンとが移行し、これは96.7%
の過酸化水素の転化率と83%のエポキシシクロヘ
キサンに対する選択率に相当した。
例 13 この例においては、4.9mlの14.7w/v%H3PO4
(0.0074モル)を使用しかつ50℃で操作して、例
10を反復した。30分間の反応の後、反応媒体中に
は0.037モルの未反応H2O2と0.0848モルのエポキ
シシクロヘキサンとが移行し、これは71.3%の過
酸化水素の転化率と92.1%のエポキシシクロヘキ
サンに対する選択率に相当した。
例 14 反応時間を1時間にして例13を反復した。かく
して、反応媒体中には、0.0122モルの未反応過酸
化水素と0.0951モルのエポキシシクロヘキサンと
が移行し、これは90.5%の過酸化水素の転化率と
81.4%に等しいエポキシシクロヘキサンに対する
選択率に相当した。
例 15 Na2WO4・2H2Oの代りに3.96gのWCl6(0.010
モル)と、H3PO4の代りに3.58gのNa2HPO4
12H2O(0.010モル)とを使用して例10を反復し
た。次いで、この反応物に8.5mlの35%NaOHを
加えた。30分間の反応の後、反応媒体中には
0.01057モルの未反応過酸化水素と0.0688モルの
エポキシシクロヘキサンとが移行し、これは91.6
%の過酸化水素の転化率と55.9%のエポキシシク
ロヘキサンに対する選択率に相当した。
例 16 例10を反復したが、ただしNa2WO4・2H2Oの
代りに3.52gのW(CO)6(0.010モル)とH3PO4
代りに3.58gのNa2HPO4・12H2O(0.010モル)
とを使用した。次いで、この混合物に31.7%濃度
のH2SO42mlを加えた。30分間の反応の後、
0.00506モルの未反応過酸化水素と0.0565モルの
エポキシシクロヘキサンとが存在し、これは96.1
%の過酸化水素の転化率と43.6%のエポキシシク
ロヘキサンに対する選択率とに相当した。
例 17 例10を反復したが、この場合4.4mlの14.7w/v
%H3PO4(0.0066モル)を使用し、温度50℃で操
作しかつ反応時間を1時間まで延長して行なつ
た。その後、0.0407モルの未反応過酸化水素と
0.0805モルのエポキシシクロヘキサンとが存在
し、これは68.4%の過酸化水素の転化率と91.1%
のエポキシシクロヘキサンに対する選択率に相当
した。
例 18(比較例) この例においては、例17におけると同様に操作
したが、燐酸の代りに当量のH2SO4を使用した。
30分間の反応の後、反応媒体中には0.00413モル
のエポキシシクロヘキサンが移行した。
例 19(比較例) 例17におけると同様に操作したが、Na2WO4
2H2Oの不存在下かつH3PO4の代りに0.9g
(0.006モル)のNaH2PO4・H2Oを使用して行な
つた。
30分間の反応の後、過酸化水素は未変化のまま
であることが判明し、エポキシシクロヘキサンの
存在はLGCにより検出されなかつた。
例 20 例13を反復したが、この場合Na2WO4・2H2O
の代りに2.42g(0.010モル)のNa2MoO4
2H2Oを使用しかつ5.1g(0.0077モル)の
14.7w/v%のH3PO4を使用して行なつた。
30分間の反応の後、反応媒体中には0.1088モル
の未反応過酸化水素と0.0100モルのエポキシシク
ロヘキサンとが移行し、これは15.6%の過酸化水
素の転化率と49.5%のエポキシシクロヘキサンに
対する選択率に相当した。
例 21 例10を反復したが、この場合Na2WO4・2H2O
とH3PO4との代りに2.46gの2Na3PO4
24WO3・H2O(燐タングステン酸ナトリウム)を
使用し、これは0.010g原子のWと0.0008g原子
のPに等しい。
次いでこの混合物に1.9mlの35%NaOHを加え
た。30分間の反応の後、反応媒体中には0.0877モ
ルの未反応過酸化水素と0.0245モルのエポキシシ
クロヘキサンとが移行し、これは32.1%の過酸化
水素の転化率と59.3%のエポキシシクロヘキサン
に対する選択率に相当した。
例 22 この例においては例2を反復したが、
Na2WO4・2H2Oの代りに2.42g(0.010モル)の
Na2MoO4・2H2Oを使用しかつベンゼンの代り
に60mlの1,2−ジクロロエタンを溶媒として使
用した。2時間の反応の後、反応媒体中には沃素
測定法により0.1105モルの未反応過酸化水素と
0.0081モルのエポキシオクタンとが移行し、これ
は14.3%の過酸化水素の転化率と43.8%のエポキ
シオクタンに対する選択率に相当した。
例 23 再度、例1を反復したが、オクテン−1の代り
に33.35g(0.1985モル)のドデセン−1を使用
した。1時間後、反応媒体中には0.0059モルの過
酸化水素と0.0958モルの1,2−エポキシドデカ
ンとが移行し、これは91.9%の過酸化水素の転化
率と80.7%のエポキシドデカンに対する選択率に
相当した。
例 24 ガラスライニングを施こしかつ磁気撹拌機を備
えた1容量のオートクレーブ中に、2.48g
(0.0075モル)のNa2WO4・2H2Oと1.25g(0.009
モル)のNa2H2PO4・H2Oと2.9ml(0.0044モル)
の14.7w/v%のH3PO4と0.25mlの31.7%濃度の
H2SO4と50mlの1,2−ジクロロエタンと1.3g
(0.0032モル)のトリカプリルメチルアンモニウ
ムクロライドと32.35g(0.363モル)の38.2%濃
度のH2O2とを導入した。オートクレープから空
気を除去した後、これに最終的に72gのプロピレ
ン(1.714モル)を充填した。その後、反応物を
激しい撹拌下に60℃まで加熱し、それにより18気
圧の圧力を得た。次いで反応混合物をこの温度に
1時間保つた。この期間が終つて冷却すると、
6.32g(0.186モル)の未反応H2O2と673g
(0.116モル)の酸化プロピレンとが検出され、こ
れは48.76%の過酸化水素の転化率と65.5%の酸
化プロピレンに対する選択率とに相当した。さら
に、0.63g(0.008モル)のプロピレングリコー
ルも得られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式: (R′1、R′2、R′3、R′4M)+X-(ここでMは、周期
    律表の第VA族に属する5価の元素であり、X-
    Cl、Br、HSO4 -およびNO3 -より選ばれるアニオ
    ンであり、R′1、R′2、R′3、およびR4は炭素原子
    の総数において70までの1価ヒドロカルビル基を
    表わす)の「オニウム」塩を用いた2相法による
    過酸化水素との反応によつてオレフインを接触エ
    ポキシド化させるに当り、 (a) 実質的にオレフインを含有する有機相と、 (b) 実質的に過酸化水素を含有する酸性水相より
    なる水性−有機液体2相系において、タングス
    テン、モリブデンおよびバナジウムより選ばれ
    る少くとも1種の元素又はその誘導体よりなる
    第一成分と、りんおよびひ素の誘導体より選ば
    れる少くとも1種の誘導体よりなる第二成分と
    からなる触媒系の存在で前記反応を行なうこと
    を特徴とする方法。 2 反応を約0℃〜120℃範囲の温度で実施する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方
    法。 3 反応を約1〜100atm範囲の圧力で実施する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は2項
    記載の方法。 4 オレフインが式: によつて表わされることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項〜3項のいずれか一項記載の方法[但
    し、式中R1、R2、R3およびR4は反応条件下で不
    活性な官能基で置換され或は置換されてない基に
    して、個々、炭素原子30個までのアルキルおよび
    アルケニル、炭素原子3〜12個のシクロアルキル
    およびシクロアルケニル(枝分れしていてもよ
    い)、並びに炭素原子6〜12個のアリール、アル
    キルアリールおよびアルケニルアリールより選ば
    れるヒドロカルビル基か或は水素原子を表わし、
    或はR1、R2、R3およびR4は隣接基と一緒になつ
    て、形成される環内で炭素原子12個までのアルキ
    ル又はアルケニル基を表わす]。 5 オレフインに置換しうる不活性官能基が、ヒ
    ドロキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アルコキシ
    ル基、アミン基、カルボニル基、カルボキシル
    基、エステル基、アミド基およびニトリル基より
    選ばれる少くとも1種の基であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第4項記載の方法。 6 オレフインが、炭素原子20個までのアルキ
    ル、脂環式、アルキルアリール性不飽和炭化水
    素、不飽和アルキルハロゲン化物、不飽和酸およ
    びそのエステル、不飽和アルコールおよびそのエ
    ステル、並びに不飽和アルデヒドおよびケトンよ
    り選ばれることを特徴とする特許請求の範囲第4
    項又は5項記載の方法。 7 反応を約2〜6範囲のPH値で行なうことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項〜6項のいずれか
    一項記載の方法。 8 第一触媒成分が、タングステン、モリブデ
    ン、およびバナジウムより選ばれる少くとも1種
    の元素(好ましくは、反応条件下で触媒活性種又
    は化合物に「現場」変換することができるタング
    ステン)、又は該元素の無機、有機ないし金属有
    機誘導体よりなることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項〜7項のいずれか一項記載の方法。 9 第一触媒成分が、酸化物、混成酸化物、オキ
    シ酸、ホモポリ酸およびその塩、エテロポリ酸お
    よびその塩、無機水素酸より誘導される塩、ナフ
    テン酸塩、アセチルアセトン酸、並びに元素W、
    MoおよびVのカルボニル誘導体より選ばれるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第8項記載の方
    法。 10 第一触媒成分が、金属状のW、Moおよび
    V、タングステン酸、モリブデン酸、バナジウム
    酸、アルカリ若しくはアルカリ土類金属の対応す
    る、中性ないし酸性塩、金属カルボニルW
    (CO)6、Mo(CO)6、酸化物すなわちMoO2
    Mo2O5、Mo2O3、MoO3、WO2、W2O5、WO6
    VO2、V2O3およびV2O5、硫化物すなわちWS2
    よびWS3、並びにモリブデン、タングステンおよ
    びバナジウムの塩化物、オキシ塩化物、ナフテン
    酸塩およびステアリン酸塩より選ばれることを特
    徴とする特許請求の範囲第8項又は9項記載の方
    法。 11 第二触媒成分が、反応条件下で特許請求の
    範囲第9項〜11項に記載せる第一触媒成分と触
    媒活性結合することのできるりんおよびひ素より
    選ばれる要素の無機、有機若しくは金属有機誘導
    体よりなることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項〜10項のいずれか一項記載の方法。 12 第二触媒成分が、りんおよびひ素の酸化
    物、オキシ酸およびその塩、硫化物、水素酸誘導
    塩、式R″1R″2M(=O)XおよびR″3M(=O)
    XY(ここでMはPおよびAsより選ばれる元素で
    あり、R″1、R″2およびR″3は別個に、水素原子、
    炭素原子12個までのアルキル、シクロアルキル、
    アリール又はアルキルアリール基を表わし、Xお
    よびYは別個に、水素、アルキル、アリール、ア
    ラールキル、ヒドロキシ基、ハロゲン、アルコキ
    シ、カルボキシル基又は無機オキシ酸を表わす)
    の化合物より選ばれることを特徴とする特許請求
    の範囲第11項記載の方法。 13 第二触媒成分が、亜りん酸、りん酸、ポリ
    りん酸、ピロりん酸、亜ひ酸、ひ酸、ホスホン
    酸、アルソン酸およびこれらのアルカリ塩、酸化
    物すなわちP2O3、P2O5、AS2O3、AS2O5、並び
    にりんおよびひ素のオキシ塩化物、ふつ化物およ
    び塩化物より選ばれることを特徴とする特許請求
    の範囲第11項又は12項記載の方法。 14 2種又はそれ以上の触媒構成要素が、該要
    素を組み込んだ全く同一の錯体分子の一部分であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第8項〜13
    項のいずれか一項記載の方法。 15 2種又はそれ以上の触媒構成要素が、りん
    タングステン酸、ひタングステン酸、りんモルブ
    デンヘテロポリ酸、並びにこれらのアルカリ塩お
    よびアルカリ土類塩より選ばれるヘテロポリ酸の
    誘導体の一部分であることを特徴とする特許請求
    の範囲第14項記載の方法。 16 触媒系の2種又はそれ以上の成分の相互原
    子比を第二要素の群に属する金属類の総量に対す
    る第一要素群に属する金属類の総量として表わす
    とき12〜0.1好ましくは1.5〜約0.25範囲になるよ
    うに、前記成分を用いることを特徴とする特許請
    求の範囲第8項〜15項のいずれか一項記載の方
    法。 17 第一要素群に属する全金属量が過酸化水素
    1モル当り0.0001〜1g原子範囲好ましくは約
    0.005〜0.2g原子範囲となるように、触媒系を用
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項〜1
    6項のいずれか一項記載の方法。 18 触媒系が、触媒要素および(又は)その誘
    導体の混合物よりなることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項〜17項のいずれか一項記載の方
    法。 19 「オニウム」塩の使用量が触媒1g原子当
    り「オニウム」塩0.01〜2モル範囲であり、好ま
    しくは単数ないし複数種の第一触媒成分の全量に
    関し、触媒1g原子当り0.1〜1モル範囲である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項〜18項
    のいずれか一項記載の方法。 20 「オニウム」塩が、ジセチルジメチルアン
    モニウム塩化物およびトリカプリルメチルアンモ
    ニウム塩化物より選ばれることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項〜19項のいずれか一項記載の
    方法。 21 過酸化水素に関するオレフインの比が、過
    酸化水素1モル当りオレフイン0.1〜50モル好ま
    しくは1〜20モル範囲となるように、オレフイン
    を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    〜20項のいずれか一項記載の方法。 22 有機相中のオレフイン濃度が5〜95重量%
    範囲であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項〜21項のいずれか一項記載の方法。 23 水性相中の過酸化水素濃度が約0.1〜70%
    範囲であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項〜22項のいずれか一項記載の方法。 24 水性相中の過酸化水素濃度が好ましくは約
    1〜10%範囲であることを特徴とする特許請求の
    範囲第23項記載の方法。 25 有機相が出発オレフインよりなることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項〜24項のいずれ
    か一項記載の方法。 26 オレフイン有機相のため溶剤として、水性
    相とは事実上混和し得ない不活性の溶剤好ましく
    は、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素、塩素
    化炭化水素、アルキルエステルおよびこれらの混
    合物より選ばれる不活性溶剤を用いることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項〜25項のいずれか
    一項記載の方法。 27 溶剤をベンゼンおよび1,2−ジクロルエ
    タンより選択することを特徴とする特許請求の範
    囲第26項記載の方法。
JP9768280A 1979-07-19 1980-07-18 Olefin catalytic epoxylation by hydrogen peroxide Granted JPS5618972A (en)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT7924478A IT1122214B (it) 1979-07-19 1979-07-19 Processo per l'epossidazione catalitica di olefine con acqua ossigenata

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5618972A JPS5618972A (en) 1981-02-23
JPH0133471B2 true JPH0133471B2 (ja) 1989-07-13

Family

ID=11213682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9768280A Granted JPS5618972A (en) 1979-07-19 1980-07-18 Olefin catalytic epoxylation by hydrogen peroxide

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPS5618972A (ja)
BE (1) BE884396A (ja)
IT (1) IT1122214B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009088087A1 (ja) * 2008-01-10 2009-07-16 Nipponkayaku Kabushikikaisha エポキシ化触媒、エポキシ化触媒の製造方法、エポキシ化合物の製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP2009185274A (ja) * 2007-12-28 2009-08-20 Nippon Kayaku Co Ltd エポキシ組成物、エポキシ組成物の製造方法、硬化性樹脂組成物、および硬化物

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5839676A (ja) * 1981-09-04 1983-03-08 Mitsubishi Gas Chem Co Inc オレフインオキシドの製造法
JP2794678B2 (ja) 1991-08-26 1998-09-10 株式会社 半導体エネルギー研究所 絶縁ゲイト型半導体装置およびその作製方法
BE1011456A3 (fr) * 1997-09-18 1999-09-07 Solvay Procede de fabrication d'un oxiranne.
JP2003073323A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Nippon Shokubai Co Ltd 有機化合物の酸化方法
WO2011010614A1 (ja) * 2009-07-24 2011-01-27 荒川化学工業株式会社 エポキシ化合物の製造方法及び炭素-炭素二重結合のエポキシ化方法
CN107082870A (zh) 2012-03-30 2017-08-22 三菱化学株式会社 环氧组合物
DE102014209421A1 (de) * 2014-05-19 2015-11-19 Evonik Degussa Gmbh Membrangestützte Katalysatorabtrennung bei der Epoxidierung von cyclischen, ungesättigten C12-Verbindungen zum Beispiel Cyclododecen (CDEN)
EP3380448B1 (de) * 2015-11-25 2019-08-28 Evonik Degussa GmbH Verfahren zur herstellung von 1,2-propandiol aus propen und wasserstoffperoxid

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009185274A (ja) * 2007-12-28 2009-08-20 Nippon Kayaku Co Ltd エポキシ組成物、エポキシ組成物の製造方法、硬化性樹脂組成物、および硬化物
WO2009088087A1 (ja) * 2008-01-10 2009-07-16 Nipponkayaku Kabushikikaisha エポキシ化触媒、エポキシ化触媒の製造方法、エポキシ化合物の製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JPWO2009088087A1 (ja) * 2008-01-10 2011-05-26 日本化薬株式会社 エポキシ化触媒、エポキシ化触媒の製造方法、エポキシ化合物の製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5618972A (en) 1981-02-23
IT1122214B (it) 1986-04-23
BE884396A (fr) 1981-01-19
IT7924478A0 (it) 1979-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5274140A (en) Process for catalytically epoxidizing olefin with hydrogen peroxide
CA1175055A (en) Process for catalytically epoxydizing olefins with hydrogen peroxide
EP0109273B1 (en) Peroxide compositions based on tungsten and phosphorus or arsenic, and a process for preparing the same
EP0179664B1 (en) Preparation of soluble molybdenum catalysts for epoxidation of olefins
JPH0133471B2 (ja)
JPWO2009107754A1 (ja) エポキシ化合物の製造方法
JP3920020B2 (ja) 含酸素有機化合物製造用触媒および含酸素有機化合物の製造方法
JP3662038B2 (ja) エポキシ化合物の製造方法
US5324849A (en) Class of peroxy compounds based on tungsten and diphosphonic acids and process for obtaining them
US4026908A (en) Catalytic epoxidation process
JP2002535294A (ja) ポリオキソフルオロメタレート及びアルケンのエポキシ化触媒としてのその使用
JPS6134431B2 (ja)
US4410715A (en) Process for the epoxidation of olefins using a group V metal co-catalyst I and a phenolic hydrocarbon co-catalyst II
JP4030317B2 (ja) エポキシ化合物を製造するための触媒及びそれを使用するエポキシ化合物の製造方法
US4758681A (en) Method of making molybdenum/alkylene glycol complexes useful as epoxidation catalysts
US5107067A (en) Catalytic reaction of propyelne with tertiary butyl hydroperoxide
JP2002316055A (ja) エポキシ化合物の製造方法および製造用触媒
JP5801727B2 (ja) ペルオキソ錯体
JPH04145073A (ja) スチレンオキサイドの製造方法
JP3550716B2 (ja) エポキシ化触媒
JPS58219172A (ja) オレフインのエポキシ化法
JP2002201156A (ja) β−ヒドロキシヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類の製造法とその触媒
EP0058473A1 (en) Preparation of soluble molybdenum catalysts for epoxidation of olefins
JPS5839676A (ja) オレフインオキシドの製造法
JPS60178872A (ja) オキシランの製法