JP2002535294A - ポリオキソフルオロメタレート及びアルケンのエポキシ化触媒としてのその使用 - Google Patents

ポリオキソフルオロメタレート及びアルケンのエポキシ化触媒としてのその使用

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JP2002535294A JP2000594572A JP2000594572A JP2002535294A JP 2002535294 A JP2002535294 A JP 2002535294A JP 2000594572 A JP2000594572 A JP 2000594572A JP 2000594572 A JP2000594572 A JP 2000594572A JP 2002535294 A JP2002535294 A JP 2002535294A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレート及び分子状酸素をアルケンと接触させることを含む、アルケンの触媒エポキシ化方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレートを触媒として用いるア
ルケンのエポキシ化に対する分子状酸素の触媒活性化に関する。より具体的には
、本発明は、アルケンの触媒エポキシ化方法、及びそれに使用し得る新規な遷移
金属置換ポリオキソフルオロメタレートに関する。
【0002】 背景技術 アルケンのエポキシ化は、酸素原子が炭素−炭素の二重結合に付加してエポキ
シドを形成する、重要な化学的トランスフォーメーションである。エポキシドは
、その後に最終化合物に変換され得る中間体としてよく利用される。具体例とし
て、但し明らかにそれに限定されるものではないが、エチレンオキシドから得た
エチレングリコール、及びポリエチレングリコール、プロピレンオキシドから得
たプロピレングリコール、スチレンオキシドから得たフェニルアセトアルデヒド
、及び2R−グリシドールから得たプロプラノロールが挙げられる。
【0003】 アルケンのエポキシ化は、数多くの技術で実施可能である。最も古くて、恐ら
く最も知られた方法は、アルケンと有機過酸を反応させること、式(1)である
【0004】
【化1】
【0005】 この技術で使用される典型的な過酸は、過安息香酸、過酢酸、過蟻酸、過フタ
ル酸、及び3−クロロ過安息香酸のごとき、置換過安息香酸を含む。そのような
酸の塩は、又、マグネシウムモノペルオキソフタレートの場合のごとき、有効な
酸化剤ともなり得る。その酸は、純粋な化合物として、又、例えば過酸化水素を
酢酸に添加して過酢酸を形成することにより、反応混合物中でその場で製造され
た状態で、使用することができる。式(1)に記載された反応に基づく方法は、
知られているが、その反応に伴う欠点がある。これらの欠点の中で、(a)エポ
キシドと、反応媒体中の水及び/又は酸との反応によりグリコール及びグリコー
ルエステルのごとき副生成物が生成する傾向があること、(b)酸共生成物を回
収、及び/又は再利用する必要があること、及び(c)有機過酸(アシルヒドロ
ペルオキシド)を使用する場合に生ずる安全上の危険性があるので、厳密な反応
制御が必要であることが挙げられる。
【0006】 酸化剤として過酸化物を使用する際の危険を最小化するために、アシルペルオ
キシドに代えてアルキル及びアリールヒドロペルオキシドを使用することが薦め
られ、又適用されている。これらの酸化剤は通常はアルケンと反応しないで、又
、式(2)に記載されたように、触媒の添加を必要とする。
【0007】
【化2】
【0008】 そのような反応において通常使用されている幾つかのヒドロペルオキシドは、
tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペリオキシド、及びエチル
ベンゼンヒドロペルオキシドである。その他の金属をベースとする多くの化合物
が効果的な触媒として記載されているが、使用される触媒は、Ti(IV)、V(
V)、Mo(VI)、又はW(VI)を含む化合物をベースとすることが最も知られ
ている。これらの反応は、有機過酸に比べて、アルキル、及びアリールヒドロペ
ルオキシドの活性がより低いので、より安全であるが、アシルヒドロペルオキシ
ドを使用することに伴うその他の欠点がある。以上のとおり、触媒の存在により
必ずしもより選択的とは言えず、又しばしば、例えば、二重結合に対する酸素付
加の代わりにアルケンのアリル基の炭素における置換及び酸化のごとき、その他
の副反応を惹き起こす。アシルヒドロペルオキシドの使用に類似して、アルコー
ル共生成物が回収され、再利用され、及び/又はその他に使用されなければなら
ない。
【0009】 アルケンをエポキシ化するその他の方法は、式(3)中に示されているように
酸化剤として水性過酸化水素を使用することである。
【0010】
【化3】
【0011】 そのような反応は、有機ヒドロペルオキシドを使用するのに比べて、共生成物
が水であり、又、それ故、環境に優しく、回収も再利用も必要としない点におい
て、概念的改良を示す。アルキル−及びアリール−ヒロドペルオキシドを使用す
る際に、触媒が存在することが必要であり、その触媒は、再び、とりわけTi(
IV)、V(V)、Mo(VI)又はW(VI)を含む化合物である。特定の限られた
場合のみ、アルケンのエポキシ化に対して高度の選択性が報告されている。幾つ
かの効果的且つ選択性のある触媒には、チタニウムシリカライト−1、及び他の
チタニウム置換ゼオライト、並びに[WZnMn2(ZnW919212-及び{
PO4[WO(O2243-のごときポリオキソメタレートが含まれる。多くの
場合には、反応が選択的であるとすると、過酸化水素の使用は、理想的な酸化剤
である。エポキシドが低価格であって、高価すぎる過酸化水素の使用を許さない
場合は例外となる。
【0012】 アルケンからエポキシドを合成する他の重要な方法は、式(4)に記載された
とおり、第一工程で次亜塩素酸を使用し、次いで第二工程で塩基、即ちNaOH
を使用して閉環することにより、ハロヒドリン、好ましくはクロロヒドリンを経
由するものである。
【0013】
【化4】
【0014】 これは非常に簡単な方法であるが、2つの問題を有する。第一に、次亜塩素酸
中に分子状の塩素が存在すると、ジクロル化有機化合物を形成することとなり、
それは好ましからざる副生成物であり、処理されねばならない。第二に、この方
法は、又、共生成物として多量の塩を形成し、それも又、処理ないし再利用され
なければならない。
【0015】 環境及び経済的観点の双方から、アルケンのエポキシ化のための理想的な酸化
剤は、空気中に見出される分子状酸素(二酸素)であろう。二酸素をアルケンに
添加することは速度論的に好ましくないので、触媒操作を適用することが必要と
なる。二重結合に結合するアリル炭素がない場合には、高温の銀触媒を用いて、
その二重結合に酸素を付加することができる。この方法により、エチレンオキシ
ドがエチレンから製造される。他のアルケン、1−ブテン、プロペン等に同様の
方法を適用すると、この反応は、十分な量のエポキシドを与えることができない
。アルケンのエポキシ化に二酸素を利用する場合の基本的問題は、分子状酸素分
子のラジカル特性にある。均一反応において、このラジカル特性は、いつも、ア
リル炭素原子位置の水素の置換を経由して、好ましいラジカル反応を生ずること
となる。従って、液相触媒化反応中で二酸素を利用する通常の手法では、主生成
物としてエポキシドを産生しない。ガス相反応においても状況は同様であり、ア
ルケンの活性化は、アリルタイプのカルボカチオン、カルボアニオン、又はカー
ボンラジカルを生成することとなり、再び、主な生成物としてエポキシドを形成
するのを妨げる。
【0016】 概念的には、二酸素をアルケンのエポキシ化に使用するためには、二酸素の活
性化は、酸素−酸素結合の切断後に形成される高原子価金属オキソ化合物の形成
を経由されるべきである。これらの高原子価金属−オキソ中間体は効果的なエポ
キシ化剤である。最も知られているように、事実、シトクロム P−45、又は
メタン モノオキシゲナーゼのごとき、モノオキシゲナーゼタイプの酵素を使用
することにより実施される。このような酵素は、例えば、マンガン及び鉄ポルフ
ィリンを触媒として使用することにより、擬することができる。しかしながら、
モノオキシゲナーゼ機構は、酸素−酸素結合を切断するために、還元剤から2つ
の電子を必要として、その切断は、アルケンのエポキシ化において活性である高
原子価の金属−オキソ中間体を形成することとなる。方法の観点から、還元剤は
、二酸素の代わりの反応抑制剤となり、又、その方法の活性を無効にする。
【0017】 その他の方法として、ジオキシゲナーゼタイプの機構中の二酸素の活性化があ
る。この反応において、二酸素は、2つの金属センターを用いて切断され、2つ
の高原子価の金属−オキソ種を形成することとなる。このタイプの反応は、最近
まで、ただルテニウム置換テトラメシチルポルフィリン(RuTMP)を使用す
ることのみが知られている。エポキシドへの転化率は非常に低くて、又、その触
媒は安定性が限られている。
【0018】 ポルフィリン配位子の安定性が限られていることは、遷移金属置換ポリオキソ
メタレートが、米国特許第4,864,041号明細書(Hill)中に開示さ
れ、検討されているごときメタロポルフィリンに代替する重要な触媒となること
を示唆している。遷移金属置換ポリオキソメタレートは、一般式Xx(TM)y mz q-(式中、ヘテロ原子Xは、xが0でない場合、主族又は遷移金属であり、
付加原子Mは、モリブデン、タングステン、ニオブ、又はバナジウム、又は、そ
れらの組み合わせであり、又、TMは、一つ又は幾つかの異なる遷移金属である
。)の化合物である。幾つかの異なった構造タイプが知られている。これらの触
媒は、そのメタロポルフィリンの相対物の高活性を保持しているが、有意な程度
に、より熱的及び酸化に対して安定であり、それ故、長寿命性の触媒として、そ
れらの触媒を使用可能とする。
【0019】 米国特許第4,864,041号明細書における先行する研究では、ヨードシ
ルベンゼンのごとき、酸素ドナーを用いてアルケンをエポキシ化するための遷移
金属置換ポリオキソメタレートの適用を記載している。他に報告されている学術
的研究では、この報告から進展していて、tert−ブチルヒドロペルオキシド
、過酸化水素、及びp−シアノ−N,N−ジメチルアニリン−N−オキシドのご
とき、他の酸素ドナーを使用するアルケンエポキシ化を記載している(「有機酸
化化学におけるポリオキソメタレート錯体」:"Polyoxometalate Complexes in
Organic Oxidation Chemistry",R.Neumann、Prog.Inorg.Chem.1998,47,3
17−370)。分子状酸素によるアルケンのエポキシ化の触媒として、遷移金属置
換ポリオキソメタレートを使用することは、最近記載されている(「アルケンの
エポキシ化方法」:"A Process for of Alkenes" R. Newmann and M.Dahan, PCT
公開第WO98/54165、「分子状酸素活性化:無機ジオキシゲナーゼ触媒としての
ルテニウム置換ポリオキソメタレート」"Molecular Oxygen Activation: A Ruth
enium Substituted Polyoxometalate as an Inorganic Dioxygenase Catalyst"
R. Neumann and M. Dahan, Nature, 22997, 388, 353-355, 及び「ルテニウム置
換『サンドイッチ』タイプポリオキソメタレートによる分子状酸素の活性化」"M
olecular Oxygen Activation by a Ruthenium Substituted "Sandwich" Type Po
lyoxometalate" R. Neumann and M. Dahan, J.Am.Chem. Soc.,1998, 120, 11969
-11979)。これらの研究の中で、遷移金属置換ポリオキソメタレート、特に、Q 11 WZnRu2(ZnW9192(式中、Qは、トリカプロメチルアンモニウムのご
とき、四級アンモニウムである。)が、ジオキシゲナーゼモード中で活性分子状
酸素に対して使用できることが示された。以上のとおり、Q11WZnRu2(ZnW 9192と分子状酸素との反応は、酸素をアルケンに移行させてエポキシドを産
生することのできる、ルテニウム(IV)−オキソ部分であると考えられる中間体
種を導出させる。
【0020】 一般に、この方法は、その利用性を制約する、2つの分離された反応段階、第
一のQ11WZnRu2(ZnW9192と分子状酸素との反応、及びその後の、エポ
キシドを産生するアルケンとの第二の反応を必要とする。
【0021】 発明の開示 以上のとおり、本発明の目的は、酸化剤として分子状酸素を用いて、遷移金属
置換ポリオキソフルオロメタレートを用いて、アルケンを触媒により一段階でエ
ポキシ化する方法を提供することである。又、本発明の目的は、幾つかの遷移金
属置換ポリオキソフルオロメタレートの製造方法を提供することである。更なる
本発明の目的は、新規な遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレートを提供する
ことである。
【0022】 以上のとおり、本発明によれば、遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレート
及び分子状酸素とをアルケンと接触させることを含む、アルケンの触媒エポキシ
化方法を提供することである。
【0023】 本発明の好ましい実施形態において、本方法は、一般式Ia:Qq[Xx(TM
y(O)ymnzq、又はIb:Qq[Xx(TM)y(H2O)ymnz q (式中、Xは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、主族元素及び遷移金
属、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され、Mは、モリブデン、タ
ングステン、ニオブ、バナジウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択
され、TMは、遷移金属であり、xは0、又は1〜6であり、yは1〜4であり
、mは、4〜200であり、nは、1〜10であり、zは5〜600であり、又
、Qは、電荷q-に対する対カチオンであり、その対カチオンは、それに限定さ
れないが、アルカリ及びアルカリ土類金属カチオン、非置換及び置換四級アンモ
ニウム、ホスホニウム、又はアルセニウムカチオン、及び類似のものを含む全て
の適切なカチオンである。)のポリオキソフルオロメタレートにより実施される
。好ましい実施形態において、対カチオンは、Na又はKのごときアルカリ金属
カチオンであるか、トリカプリルメチルアンモニウムのごとき四級アンモニウム
である。
【0024】 本明細書及び請求の範囲において用いられるとき、用語「アルカリ金属」は、
Na、K、Li、Rb、及びCsを含み、又Naが好ましい。用語「アルカリ土
類金属」は、Ca、Ba、Mg、及びSrを含む。用語「主族元素」は、元素周
期律表の欄III a、IVa、Va、及びVIaの全ての元素、例えば、これに限定さ
れないが、B、Al、Ga、C、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、B
i、S、Se、及びTeを含む。用語「遷移金属」は、元素周期律表の欄Ib〜
VII b、及びVIIIの全ての遷移元素を含む。xの定義に関して、それに限定され
ないが、好ましくはSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Y、Zr、及びCdを含む。又、TMの定義に関して、それに限定されない
が、好ましくはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、及び貴
金属、Ru、Pd、Rh、Ir、Os、Ptを含む。好ましい実施形態において
、遷移金属TMは、Ti、V、Ru、Pt、Pd、Os、Ir、及びRhから選
択され、又、最も好ましくは、Ruである。
【0025】 本発明の一面である好ましい実施形態において、アルケンの触媒エポキシ化に
使用されるポリオキソフルオロメタレートは、一般式Ia’:Qq[NaH2(T
M)(O)M17655q、及びIb’:Qq[NaH2(TM)(H2O)M17
655q、及び、図1に記載された分子構造(ここで、水平線の付された円は
Naを表し、空白の円は酸素を表し、水平線と垂直線の双方が付された円はFを
表し、垂直線の付された円はHを表し、塗りつぶされた円は、Mo、W、Nb、
V、又はそれらの組み合わせから選択される金属M原子、及び、それに限定され
るものではないが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、及
び、貴金属Ru、Pd、Rh、Ir、Os及びPtを含む1〜4遷移金属TM原
子を表す。)を有する。
【0026】 本発明の別の側面において、上記式Ib’のポリオキソフルオロメタレートの
二段階の製造方法であって、下記の工程を含む方法が提供される。 (i)タングステートとHFとを反応させて、酢酸亜鉛のごとき亜鉛塩をその
反応混合物に添加することにより、式Ib’ (式中、MはWであり、又、TM
はZnである。)のポリオキソフルオロメタレートを製造する工程、及び (ii)それに限定されないが、好ましくはTi、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、及び貴金属、Ru、Pd、Rh、Ir、Os、及びPt
を含む遷移金属の塩を添加することにより、工程(i)で得られたポリオキソフ
ルオロメタレート中のZnを置換する工程。
【0027】 本発明において使用することができる遷移金属塩の例として、VOSO4、酢
酸マンガン、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、及びジメチルスルホキシドとRuと
の塩{Ru(DMSO)4}Cl2が含まれるが、それに限定されない。
【0028】 遷移金属TMがZn、Co、Ni、Mn、及びFeである、上記式Ib’の化
合物は、知られている(Wasfi et al., Inorg. Chem. 1991, 30, 1788; Jorris,
T.L., Ph.D. Thesis, Georgetown University, 1987)。遷移金属TMがCo、
Ni、Mn、及びFeであるこれらの化合物は、本発明の二段階法とは異なる一
段階法により製造された。そして、これらの構造が、TMがCo、Ni、Mn、
及びFeである、本発明の式Ib’の化合物の構造と同じであるか否かは確かで
はない。
【0029】 以上のとおり、本発明の第3の側面は、一般式Ib’:Qq[NaH2(TM)
(H2O)M17655q、及び、図1に記載された分子構造(ここで、水平線
の付された円はNaを表し、空白の円は酸素を表し、水平線と垂直線の双方が付
された円はFを表し、垂直線の付された円はHを表し、塗りつぶされた円は、M
o、W、Nb、V、又はそれらの組み合わせから選択される金属M原子、並びに
Ti、V、Cr、及び、貴金属Ru、Pd、Rh、Ir、Os及びPtから選択
される1〜4遷移金属TM原子を表す。)を有する新規なポリオキソフルオロメ
タレートに関する。一つの好ましい実施形態において、金属原子Mは、タングス
テン(W)であり、遷移金属はRuであり、又、ポリオキソフルオロメタレート
は、式Q9[NaH2(Ru)(H2O)W176559を有する。
【0030】 上記に示したごとく、本発明の方法は、下式(5)に従って、(a)遷移金属
置換ポリオキソフルオロメタレート(TMSPFOM)を製造し、(b)分子状
酸素によるアルケンのエポキシ化を触媒することに関する。
【0031】
【化5】
【0032】 ポリオキソフルオロメタレートは、タングステン、モリブデン、ニオブ、若し
くはバナジウム、又はそれらの組み合わせの付加物をベースとする定義された構
造の、混合オリゴマーオキシド及びフロリドである。より具体的には、遷移金属
置換ポリオキソフルオロメタレートは、既述のとおりの一般式Ia又はIbの化
合物である。本発明の方法により製造され、又使用される、図1に記載された特
定のクラスの遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレート、[TM(H2O)H26NaW1755q-は、ポリオキソメタレートに通常認められる酸素原子を置
換する6個のフッ素原子を含む、中心コアを有することにより特徴付けられる。
式[TM(H2O)W11x39-xq-(ここで、xは1〜6である。)である他
の遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレートも、又使用できる。遷移金属カチ
オンは、末端位置に位置し、水のごとき、少なくとも一つの不安定な配位子に六
座配位されているものと推定される。この方法とって好ましい遷移金属置換ポリ
オキソフルオロメタレートは、[Ru(H2O)H26NaW1755q-である
。遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレート、又は、より具体的には、上述し
、上に示した一般構造を有する遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレートは、
分子状酸素によるアルケンのエポキシ化のための触媒としてこれまで使用されて
いない。
【0033】 式(5)で記載したとおりの触媒反応は、前記触媒と分子状酸素及びアルケン
を接触させることにより行われる。前記触媒は、分子状酸素及びアルケンの双方
に同時に接触される。前記触媒と反応物(アルケン及び分子状酸素)の間の反応
又は接触は、液相に溶解された触媒中に反応物を加えることにより、溶媒中で行
なわれる。幾つかの典型的な溶媒は、脂肪族、芳香族、又はハロゲン化された炭
化水素である。これらの類の幾つかの触媒の例示としては、1,2−ジクロロエ
タン、ヘプタン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、又はこれらの混合物が
ある。それに代えて、前記触媒は、担体上に担持され、又は単純固体として使用
され、その後に、前記反応物を添加される。前記触媒に対して使用される担体は
、とりわけ、シリカ、アルミナ、及び他のオキシドを含む、不均一触媒中で使用
される、どのような担体でも良い。
【0034】 本方法における反応物として適用できるアルケンは、公知のいかなるタイプの
アルケンでも良い。これには、単純末端の、又線状のアルケン、例えば、エテン
、プロペン、1−ブテン、1−オクテン、等が含まれる。前記アルケンは、内部
分枝化、又は線状アルケン、例えば、2−ブテン、2−オクテン、2−メチル−
2−ヘプテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、等でもよい。前記アルケンは、
又、環状、例えば、シクロヘキセン、シクロオクテン、ノルボルネン、等でもよ
い。分子状酸素は、純粋のもの、空気、酸素を豊富にした空気、又は、酸素を減
らした空気として使用することができる。不活性ガスを加えることができる。勧
められる反応温度範囲は、0〜300℃であり、より好ましくは、25〜250
℃であり、又、最も好ましくは、60〜180℃である。この反応は、大気圧、
大気圧未満、大気圧超の圧力で実施され得る。最も好ましくは、この反応は、大
気圧を超える圧力で実施される。
【0035】 本発明の側面がより完全に理解でき、又評価できるように以下の実施例におけ
る実施形態に則して、本発明を以下に説明するが、本発明をこれらの特定の実施
形態に限定することを意図するものではない。反対に、本特許請求の範囲によっ
て定義されるとおりの本発明の範囲に入るものと、同等のもの、代替できるもの
、修飾したものを包含することを意図するものである。以上のとおり、好ましい
実施形態を含む、下記の実施例は、本発明の実施を説明するのに役立つものであ
り、又、詳細は、本発明の好ましい実施形態を説明しながら検討することのみを
目的として実施例により示し、又、本発明の製造手順、並びに原理、概念的態様
を最も有用で、又、直ちに理解し易い説明と考えられるものを提供する目的で紹
介するものであることが理解されるべきである。
【0036】 好ましい実施形態の説明 実施例 A.ポリオキソフルオロメタレートの製造 1. K9[Zn(H2O)H26NaW1755]を(Thomas L. Jorris, Ph.D
. 学位論文、1987に従って)下記のとおり製造した。テフロン(登録商標) のビーカー中の水100mL中にNaWO4×2H2Oを44g溶解し、80℃に した。49%HFをpHが4.5になるまで滴加した。白色の沈殿物をろ過によ り除去して、ろ過物を80℃に再加熱した。5mLの水中に溶解した7グラムの Zn(OOCCH32を、pHを4.5に保ちながらゆっくり添加した。その溶 液を80℃で更に一時間撹拌して、KClを3g添加後、冷却した。白色の沈殿 物をろ過して、水から再結晶化した。収量は9.6gであった。
【0037】 2. K7[H26NaVW1756]を下記のとおり製造した。アセテート緩
衝液(pH5)5mL中に溶解したVOSO40.326gを50℃において、
アセテート緩衝液(pH5)40mL中のK9[Zn(H2O)H26NaW17 55 ]4.8g溶液にゆっくり添加した。その溶液は、即座に紫になった。30分
間撹拌後、溶液を冷却し、ろ過した。そのろ過物に、飽和KCl溶液を添加して
、形成された沈殿物をろ過し、再結晶化した。収量は2.4gであった。
【0038】 3. K9[Mn(H2O)H26NaW1755]を下記のとおり製造した。ア
セテート緩衝液(pH5)5mL中に溶解した酢酸マンガン四水和物0.4gを
50℃において、アセテート緩衝液(pH5)40mL中のK9[Zn(H2O)
26NaW1755]4.8g溶液にゆっくり添加した。その溶液は、即座にピ
ンク色になった。30分間撹拌後、溶液を冷却し、ろ過した。そのろ過物に、飽
和KCl溶液を添加して、形成された沈殿物をろ過し、再結晶化した。収量は3
gであった。
【0039】 4. K9[Ni(H2O)H26NaW1755]を下記のとおり製造した。ア
セテート緩衝液(pH5)5mL中に溶解した硝酸ニッケル六水和物0.4gを
50℃において、アセテート緩衝液(pH5)40mL中のK9[Zn(H2O)
26NaW1755]4.8g溶液にゆっくり添加した。その溶液は、即座に淡
緑色になった。30分間撹拌後、溶液を冷却し、ろ過した。そのろ過物に、飽和
KCl溶液を添加して、形成された沈殿物をろ過し、再結晶化した。収量は0.
35gであった。
【0040】 5. K9[Co(H2O)H26NaW1755]を下記のとおり製造した。ア
セテート緩衝液(pH5)5mL中に溶解した硝酸コバルト六水和物0.4gを
50℃において、アセテート緩衝液(pH5)40mL中のK9[Zn(H2O)
26NaW1755]4.8g溶液にゆっくり添加した。その溶液は、即座に濃
赤色になった。30分間撹拌後、溶液を冷却し、ろ過した。そのろ過物に、飽和
KCl溶液を添加して、形成された沈殿物をろ過し、再結晶化した。収量は2g
であった。
【0041】 6. K9[Ru(H2O)H26NaW1755]を下記のとおり製造した。ア
セテート緩衝液(pH5)50mL中に溶解したRu(DMSO)4Cl20.4
3gを50℃において、アセテート緩衝液(pH5)40mL中のK9[Zn(
2O)H26NaW1755]4.8g溶液にゆっくり添加した。その溶液は、
即座に淡茶色になった。60℃において5時間撹拌後、溶液を冷却し、ろ過した
。そのろ過物に、飽和KCl溶液を添加して、形成された沈殿物をろ過し、再結
晶化した。収量は1.7gであった。
【0042】 7. Q9[Ru(H2O)H26NaW1755](式中Qは、トリカプリルメ
チルアンモニウムである。)を、100mLの水中に上記実施例6のK9[Ru
(H2O)H26NaW1755]1ミリモルを溶解し、75mLのジクロロメタ
ン中に溶解したトリカプリルメチルアンモニウムクロリド9ミリモルを添加する
ことにより製造した。この相を30分間力強く撹拌混合した。有機相を分離し、
硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸散させた。収量は98%であった。
【0043】 B.アルケンのエポキシ化 1. 1ミリモルのシクロオクテン、及び10マイクロモルのQ9[Ru(H2 O)H26NaW1755](式中Qは、トリカプリルメチルアンモニウムである
。)を含む、脱ガスされた1.2−ジクロロエタンの1mL溶液を、80℃にお
いて24時間、1.5気圧の分子状酸素下に保った。その溶液を冷却後、溶液を
分析すると、シクロオクテンオキシドへの転化は88.5%であった。
【0044】 2. 1ミリモルの1−オクテン、及び10マイクロモルのQ9[Ru(H2
)H26NaW1755](式中Qは、トリカプリルメチルアンモニウムである。
)を含む、脱ガスされた1.2−ジクロロエタンの1mL溶液を、80℃におい
て24時間、1.5気圧の分子状酸素下に保った。その溶液を冷却後、溶液を分
析すると、1−オクテンオキシドへの転化は8.5%であった。
【0045】 3. 1ミリモルの1−オクテン、及び10マイクロモルのQ9[Ru(H2
)H26NaW1755](式中Qは、トリカプリルメチルアンモニウムである。
)を含む、脱ガスされた1.2−ジクロロエタンの1mL溶液を、120℃にお
いて24時間、1.5気圧の分子状酸素下に保った。その溶液を冷却後、溶液を
分析すると、1−オクテンオキシドへの転化は22.1%であった。
【0046】 4. 1ミリモルの1−デセン、及び10マイクロモルのQ9[Ru(H2O)
26NaW1755](式中Qは、トリカプリルメチルアンモニウムである。)
を含む、脱ガスされた1.2−ジクロロエタンの1mL溶液を、120℃におい
て24時間、1.5気圧の分子状酸素下に保った。その溶液を冷却後、溶液を分
析すると、1−デセンオキシドへの転化は24.3%であった。
【0047】 5. 1ミリモルの2−オクテン、及び10マイクロモルのQ9[Ru(H2
)H26NaW1755](式中Qは、トリカプリルメチルアンモニウムである。
)を含む、脱ガスされた1.2−ジクロロエタンの1mL溶液を、120℃にお
いて24時間、1.5気圧の分子状酸素下に保った。その溶液を冷却後、溶液を
分析すると、2−オクテンオキシドへの転化は33.4%であった。
【0048】 本発明は、前記説明のための実施例の詳細事項に限定されるものではないこと
、及び本発明は、その必須の属性から離れないで他の具体的形態で実施化され得
ることは、当業者にとって明らかなことである。それ故、本実施形態及び実施例
は、全ての点で説明のためのものであって、それに限定されるものではなく、前
記説明ではなくて、特許請求の範囲が参照されるべきことが所望され、そして特
許請求の範囲に均等の意味、及び均等の範囲に入る全ての変更が、それに包含さ
れるべきことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図は、本発明の遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレートの分子構造を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ベン−ダニエル,リバイタル イスラエル国,モディーン 71700,エメ ク ハチュラ 62 Fターム(参考) 4C048 AA02 BB01 BC01 CC01 UU03 XX02 4G069 AA02 BB08A BB08B BC01A BC02A BC02B BC03A BC03B BC08A BC29A BC31A BC35A BC35B BC50A BC54A BC54B BC55A BC58A BC59A BC60A BC60B BC62A BC62B BC66A BC67A BC67B BC68A BC68B BC69A BC70A BC70B BC71A BC72A BC73A BC74A BC75A BD01A BD01B BD15A BD15B CB07 CB08 CB09 CB73 FC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレート及び分子状酸素
    をアルケンと接触させることを含む、アルケンの触媒エポキシ化方法。
  2. 【請求項2】 そのポリオキソフルオロメタレートが一般式Ia:Qq[Xx
    (TM)y(O)ymnzq、又はIb:Qq[Xx(TM)y(H2O)ym nzq(式中、Xは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、主族元素及び
    遷移金属、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され、Mは、モリブデ
    ン、タングステン、ニオブ、バナジウム、及びそれらの組み合わせからなる群か
    ら選択され、TMは、遷移金属であり、xは、0、又は1〜6であり、yは、1
    〜4であり、mは、4〜200であり、nは、1〜10であり、zは、5〜60
    0であり、又、Qは、電荷q-の対カチオンである。)を有する、請求項1に記
    載された方法。
  3. 【請求項3】 遷移金属TMが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni
    、Cu、Zn、及び貴金属Ru、Pd、Rh、Ir、Os及びPtから選択され
    る、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 遷移金属TMが、Ti、V、Ru、Pt、Pd、Os、Ir
    及びRhから選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 そのポリオキソフルオロメタレートが、一般式Ia’:Qq
    NaH2(TM)(O)M17655q、又はIb’:Qq[NaH2(TM)(
    2O)M17655q、及び、図1に記載された分子構造(水平線の付された
    円はNaを表し、空白の円は酸素を表し、水平線と垂直線の双方が付された円は
    Fを表し、垂直線の付された円はHを表し、塗りつぶされた円は、Mo、W、N
    b、V、又はそれらの組み合わせから選択される金属M原子、並びにTi、V、
    Cr、及び、貴金属Ru、Pd、Rh、Ir、Os及びPtから選択される1〜
    4遷移金属TM原子を表し、又、Qは対カチオンを表している。)を有する、請
    求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 遷移金属がルテニウムである、請求項1〜5のいずれかに記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 一般式Ib’:Qq[NaH2(TM)(H2O)M17655q、及び、図1に記載された分子構造を有するポリオキソフルオロメタレート
    の製造方法であって、下記の工程を含む方法。 (i)タングステートとHFとを反応させ、その反応混合物へZn塩を添加する
    ことによる、式Ib’(式中、MはWであり、TMはZnである。)のポリオキ
    ソフルオロメタレートを製造する工程、及び (ii)工程(i)により得られるポリオキソフルオロメタレート中のZnを、T
    i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、及び貴金属Ru、Pd、
    Rh、Ir、Os及びPtから選択される遷移金属の塩の添加により置換する工
    程。
  8. 【請求項8】 一般式Ib’:Qq[NaH2(TM)(H2O)M17655q、及び、図1に記載された分子構造(水平線の付された円はNaを表し、空
    白の円は酸素を表し、水平線と垂直線の双方が付された円はFを表し、垂直線の
    付された円はHを表し、塗りつぶされた円は、Mo、W、Nb、V、又はそれら
    の組み合わせから選択される金属M原子、並びにTi、V、Cr、及び、貴金属
    Ru、Pd、Rh、Ir、Os及びPtから選択される1〜4遷移金属TM原子
    を表し、又、Qは対カチオンを表している。)を有する、遷移金属置換ポリオキ
    ソフルオロメタレート。
  9. 【請求項9】 遷移金属TMがTi、V、Ru、Pd、Ir、Os又はPt
    である、請求項8に記載の遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレート。
  10. 【請求項10】 金属原子Mがタングステン(W)であり、又遷移金属がR
    uである、請求項9に記載の遷移金属置換ポリオキソフルオロメタレート。
  11. 【請求項11】 式Q9[NaH2(Ru)(H2O)W17655q-(式中
    、Qは対カチオンである。)を有する、請求項10に記載の遷移金属置換ポリオ
    キソフルオロメタレート。
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