WO2009031702A1 - 像加熱装置 - Google Patents

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Kazuhisa Kemmochi
Takahiro Hosokawa
Keisuke Abe
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Abstract

像加熱装置は、2つの無端ベルト11・12の外周面同士を互いに当接させてニップ部を形成するとともに、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、前記ニップ部は、加圧部材13・14によるバックアップがない無端ベルトの領域同士によって形成されているプレニップ部N1と、前記加圧部材によるバックアップがある一方の無端ベルトの領域を他方の無端ベルトに当接させている加圧ニップ部N2と、を有する。高速化に対応可能な幅の広いニップ幅を確保できると共に、像ずれなどの異常画像の発生原因となる「圧抜け」がなく、十分な光沢度(グロス)を有する画像を得ることができる。

Description

明 細 書 像 加 熱 装 置 技術分野
本発明は、 電子写真複写機、 電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載され る画像加熱定着装置として用いれば好適な像加熱装置に闋する。 背景技術
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭载する画像加熱定 着装置(定着器) として、ベルト方式のものがある。ベルト方式の定着装置は、 トナー画像を担持する記録紙や OH Pシート等の記録材を挟持搬送しつつ加 熱するための二ップ部を無端 (エンドレス) 状のベルトを用いて形成するため に、 記録材搬送方向においてニップ部の幅を広く取ることが可能となる。 その ため、 記録材の搬送速度を速くしてもトナー画像を十分な時間加熱することが でき、 プリント速度を速めることができる。 ベルト方式の定着装置としては、 ベルトとローラを組み合わせた構成のものと、 2本のベルトを組み合わせた構 成のものが提案されている。 ,
ベルトとローラを組み合わせた構成の例として、 日本国特許出願特開平 1 0 一 30 7496号公報や日本国特許出願特開平 6— 3 1 800 1号公報の定 着装置が挙げられる。 これらの定着装置においては、 定着ローラと熱源を内部 に有する加熱ローラの 2つのローラに無端 (エンドレス) 状の定着ベルトを張 架している。 そしてその定着ローラと加熱ローラ間において定着ベルトの外周 面(表面)に加圧ローラを接触させることにより定着-ップ部を形成している。
2本のベルトを組み合わせた構成の例として、 日本国特許出願特開平 3— 1
3 38 7 1号公報や日本国特許出願特開 2004— 34 1 346号公報の定 着装置が挙げられる。 これらの定着装置においては、 複数のローラにかけられ た定着ベルトと複数のローラにかけられた加圧ベルトとが当接して、 加圧され ることにより定着二ップ部を形成している。 発明の開示
し力 しながら、 上記のベルトとローラを組み合わせた定着装置で、 ローラに ベルトを卷きつけて、 二ップ幅を広くした構成では、 ニップ内で記録材に熱を 伝える時間を長くできる反面、 ニップ内で加圧されている時間も長くなる。 そ のため、 記録材の中でも特に普通紙 (以下、 単に紙とする) の場合、 紙表面の 繊維上に担持されたトナー画像が、 紙の繊維に浸透してしまいやすい。
このように紙繊維にトナ一が浸透してしまうと、 紙がもともと持っている凹 凸 (地合い) が定着画像面の表面に見えてしまう。 つまり、 紙繊維がトナーに 覆われずに定着画像表面に露出してしまう状態となる。
このように紙の繊維の地合いが定着画像面の表面に見えてしまうと、 紙表面 の繊維上をトナー画像で均一の覆うことができなくなり、 高い画像濃度を達成 することが難しい。 またこれと同時に、 定着画像面の平滑性が損なわれること 力 、 高い光沢度 (ダロス) を達成することも困難である。
また、 上記のベルトとローラを組み合わせた定着装置で、 定着前加熱手段を -ップ部よりも記録材の搬送方向に対して上流側に配置し、 記録材とトナー像 を非接触で加熱する構成では、 高速で印刷する場合、 記録材とトナー像を十分 に加熱することが出来ない。 また、 二ップの幅が狭いため、 熱量不足による定 着不良が発生する。
上記の 2本のベルトを組み合わせた定着装置で、 ニップよりも記録材の搬送 方向に対して上流側で、 記録材とトナー像を定着ベルトからの輻射熱により非 接触で加熱する構成でも、 高速で定着しようとする場合には、 記録材とトナー 像を十分に加熱することが出来ない。 またエップの幅も狭いため、 熱量不足に よる定着不良が発生する。
また、 2本のベルトを組み合わせた定着装置では、 ベルトの可撓性を生かし て、 長い二ップ幅を形成し、 ベルトの長い領域で記録材を挟持することによつ てベルトを記録材とトナー像に接触させ、 ベルトの熱を積極的に伝達しょうと するものがある。
しかしこの場合、 比較的長い定着エップ全域に渡って、 ベルトとトナー像を 担持した記録材の密着性が維持されるような加圧力分布とすることが難しい。 一度加圧力が高い領域を通過し、 その後、 加圧力が弱くなる領域があると、 カロ 圧力が高い領域で中途半端に定着されたトナー像が、 加圧力の弱くなる領域で ずれてしまい、 トナー像がずれた状態で定着されてしま!/、やすレ、という問題が ある。
このような、 定着-ップの始めの方で加圧力が高い領域を通過したあとに、 弓 Iき続きこれよりも加圧力の弱い領域が続く状態は、 一般的に 「圧抜け」 と呼 ばれる。 このような 「圧抜け」 がある状態は、 ベルトと記録紙の密着性が維持 できないことによってトナー像 Tがずれた状態で定着される 「像ずれ j や、 ベ ルトと記録紙の当接状態が不安定になることによつて光沢ムラを生じるなど、 異常画像の原因となりやすい。
本発明の目的は、 高速化に対応可能な幅の広い-ップ幅を確保できると共に、 像ずれなどの異常画像の発生原因となる 「圧抜け」 がなく、 十分な光沢度 (グ ロス) を有する画像を得ることができる像加熱装置を提供することにある。 本発明の別の目的は、 第 1の無端ベルトと、 前記第 1の無端ベルトの外周面 に接触する第 2の無端ベルトと、 少なくとも前記第 1の無端ベルトと前記第 2 の無端ベルトのうちの一方を加熱する加熱部と、 前記第 1の無端ベルトの内周 面に接触する第 1の加圧部材と、 前記第 2の無端ベルトの内周面に接触する第 2の加圧部材と、 を有し、 前記第 1の加圧部材と前記第 2の加圧部材で前記第 1の無端ベルトと前記第 2の無端ベルトを挟み込んでおり、 前記第 1の無端べ ルトと前記第 2の無端ベルトの間に形成されるニップ部でトナー画像を担持 する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、 前記第 1及び第 2 の無端ベルトのうち少なくとも一方の無端ベルトは弛んだ状態で配置されて おり、 前記二ップ部は、 一方の無端ベルトの弛みによつて他方の無端ベルトと の間に形成されている第 1のニップ領域と、 前記第 1の加圧部材によるバック ァップがある前記第 1の無端ベルトの領域と前記第 2の加圧部材によるパッ クアップがある前記第 2の無端ベルトの領域同士が接触して形成されている 第 2のニップ領域と、 を有し、 前記二ップ部は、 記録材搬送方向において前記 第 1のニップ領域から始まり、 前記第 1のニップ領域の直後に前記第 2のニッ プ領域を有する像加熱装置を提供することを特徴とする。
本発明の別の目的は、 以下の詳細な説明および図面を参照すれば明らかにな るであろう。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 1に係る定着装置の一例の横断面模型図である。
図 2は、 図 1に示す定着装置の 2— 2線矢視断面図である。
図 3は、 図 1に示す定着装置の 3— 3線矢視断面図である。
図 4は、 図 1に示す定着装置の 4— 4線矢視断面図である。
図 5 Aは、 定着ベルトの層構成の一例を表わす断面図である。
図 5 Bは加圧ベルトの層構成の一例を表わす断面図である。
図 6 Aは、 定着ローラと加熱ローラとに定着ベルトをその定着ベルトの最短 経路長さで掛け回した状態を表わす図である。
図 6 Bは定着ローラと加熱ローラとに定着ベルトをその定着ベルトの最短経 路長さよりも余裕を持たせて掛け回した状態を表わす図である。
図 7 Aは、 加圧ローラとテンションローラとに加圧ベルトをその加圧ベルト の最短経路長さで掛け回した状態を表わす図である。
図 7 Bは、 加圧ローラとテンションローラとに加圧ベルトをその加圧ベルト の最短経路長さよりも余裕を持たせて掛け回した状態を表わす図である。 図 8は、 加圧二ップ部の形成に伴い定着ベルトと加圧ベルトのそれぞれの弛 み部によつて形成されるプレニップ部の説明図である。
図 9は、 実施例 1に係るプレニップ部と加圧-ップ部における定着ベルトと 加圧ベルトの当接状態を示した説明図である。
図 1 0は、 プレニップ部及び加圧ニップ部内における圧力分布を表した説明 図である。
図 1 1は、 加熱定着過程におけるプレニップ部と加圧二ップ部中でのトナー の温度変化を表した説明図である。
図 1 2 A、 1 2 B及び 1 2 Cは、 実施例 1の定着過程においての記録材とト ナー画像の溶融状態を示すモデル図である。
図 1 3は、 比較例 1の定着装置の横断面模型図である。
図 1 4は、 比較例 2の定着装置の横断面模型図である。
図 1 5は、 比較例 3の定着装置の横断面模型図である。
図 1 6は、 比較例 1の定着装置の加圧力分布及び温度プロフアイルを表した 説明図である。
図 1 7は、 比較例 2の定着装置の加圧力分布及ぴ温度プロフアイルを表した 説明図である。
図 1 8は、 比較例 3の定着装置の加圧力分布及び温度プロフアイルを表した 説明図である。
図 1 9 A、 1 9 B、 1 9 C及び 1 9 Dは、比較例 1の定着装置の定着過程にお いての記録材 Pとトナー画像の溶融状態を示すモデル図である。
図 2 0 A、 2 O B, 2 0 C及ぴ 2 0 Dは、比較例 2の定着装置の定着過程にお いての記録材 Pとトナー画像の溶融状態を示すモデル図である。 図 2 1 A、 2 1 B、 2 1 C、 2 1 D、 2 I E及び 2 1 Fは、 比較例 3の定着装 置の定着過程においての記録材 Pとトナー画像の溶融状態を示すモデル図で ある。
図 2 2は、 実施例 1に係る定着装置の定着ベルトと加圧ベルトの他の当接状 態を示した説明図である。
図 2 3は、 実施例 1に係る定着装置における他のベルト形態の概略断面図で ある。
図 2 4は、 実施例 2に係る定着装置の一例の概略断面図である。
図 2 5は、 実施例 3に係る定着装置の一例の概略断面図である。
図 2 6は、 実施例 4に係る定着装置の一例の概略断面図である。
図 2 7は、 画像形成装置の一例の構成模型図である。
図 2 8は、 実施例 5に係る定着装置の一例の横断面模型図である。
図 2 9は、 図 2 8に示す定着装置の 2 9— 2 9線矢視断面図である。
図 3 0は、 図 2 8に示す定着装置の 3 0— 3 0線矢視断面図である。
図 3 1 Aは、 定着ベルトの層構成の一例を表わす断面図である。
図 3 1 Bは、 加圧ベルトの層構成の一例を表わす断面図である。
図 3 2 Aは、 定着ローラと加熱ローラとに定着ベルトをその定着ベルトの最 短経路長さで掛け回した状態を表わす図である。
図 3 2 Bは、 定着ローラと加熱ローラとに定着ベルトをその定着ベルトの最 短経路長さよりも余裕を持たせて掛け回した状態を表わす図である。
図 3 3 Aは、 加圧ローラとテンションローラとに加圧ベルトをその加圧ベル トの最短経路長さで掛け回した状態を表わす図である。
図 3 3 Bは、 加圧ローラとテンションローラとに加圧ベルトをその加圧ベル トの最短経路長さよりも余裕を持たせて掛け回した状態を表わす図である。 図 3 4は、 加圧二ップ部の形成に伴い定着ベルトと加圧ベルトのそれぞれの 弛み部によって形成されるプレニップ部の説明図である。 図 3 5は、 プレニップ部及び加圧ニップ部内における圧力分布を表した説明 図である。
図 3 6 Aは、 普通紙モードのときの加熱定着過程におけるプレニップ部と加 圧-ップ部中での記録紙上の温度変化と圧力分布を表した説明図である。 図 3 6 Bは、 厚紙モードのときの加熱定着過程におけるプレニップ部と加圧 二ップ部中での記録紙上の温度変化と圧力分布を表した説明図である。
図 3 6 Cは、 薄紙モードのときの加熱定着過程におけるプレニップ部と加圧 二ップ部中での記録紙上の温度変化と圧力分布を表した説明図である。
図 3 7 Aは、 普通紙モードのときの定着装置におけるプレニップ部幅を表わ す説明図である。
図 3 7 Bは、 厚紙モードのときの定着装置におけるプレニップ部幅を表わす 説明図である。
図 3 7 Cは、 薄紙モードのときの定着装置におけるプレニップ部幅を表わす 説明図である。
図 3 8は、 実施例 6に係る定着装置の一例の横断面模型図である。
図 3 9 Aは、 普通紙モードのときの定着装置におけるプレニップ部幅を表わ す説明図である。
図 3 9 Bは、 厚紙モードのときの定着装置におけるプレニップ部幅を表わす 説明図である。
図 3 9 Cは、 薄紙モードのときの定着装置におけるプレニップ部幅を表わす 説明図である。
図 4 0は、 実施例 7に係る定着装置の一例の概略断面図である。 発明を実施するための最良の形態
[実施例 1 ]
( 1 ) 画像形成装置例 図 2 7は本発明に係る像加熱装置を画像加熱定着装置として搭載できる画 像形成装置の一例の構成模型図である。 この画像形成装置は、 電子写真画像形 成方式を用いて記録材 (例えば、 記録材、 O H Pシート等) に画像を形成する レーザビームプリンタである。
本実施例に示す画像形成装置 Aは、 像担持体としてのドラム型の電子写真感 光体 (以下、 感光ドラムと記す) 1 0 1を有する。 この感光ドラム 1 0 1は、 画像形成装置 Aの筐体を構成する画像形成装置本体 Bに回転自在に支持され、 駆動手段 (不図示) によって矢印方向へ所定のプロセススピードで回転駆動さ れる。 その感光ドラム 1 0 1の周囲には、 回転方向に沿って、 帯電ローラ (帯 電手段) 1 0 2、 レーザ露光装置 (露光手段) 1 0 3、 現像装置 (現像手段) 1 0 5、 転写ローラ (転写手段) 1◦ 6、 クリーユング装置 (クリーニング手 段) 1 0 7がその順に配設してある。
回転動作中において、 感光ドラム 1 0 1の外周面 (表面) は帯電ローラ 1 0 2により所定の電位及ぴ極性に一様に帯電される。 そしてその感光ドラム 1 0 1表面に対しレーザ露光装置 1 0 3から目的の画像情報に基づいたレーザ L がミラー 1 0 4等を介して走査露光される。 これによりその露光部分の電荷が 除去され、 感光ドラム 1 0 1表面に画像情報に応じた静電潜像 (静電像) が形 成される。 その静電潜像は現像ローラ 1 0 5 aを有する現像装置 1 0 5により トナー (現像剤) を用いて現像される。 即ち、 現像装置 1 0 5は現像ローラ 1 0 5 aに現像バイアスを印加し、 感光ドラム 1 0 1表面の静電潜像にトナーを 付着させる。 これによつて静電潜像はトナー画像 (現像像) として可視化 (顕 像化) される。
一方、 所定のタイミングで給送ローラ 1 0 9により給送カセット 1 0 8から 記録材 Pが給送され、 その記録材 Pは搬送ローラ 1 1 0によって感光ドラム 1 0 1と転写ローラ 1 0 6との間の転写二ップ部 T nへと搬送される。 そしてそ の記録材 Ρは転写二ップ部 Τ ηで挟持搬送され、 その搬送過程において転写口 ーラ 1 0 6に転写バイアスを印加する。 これにより感光ドラム 1 0 1表面のト ナー画像が順次記録材 Pの上に転写される。
転写二ップ部 T nでトナー画像を担持した記録材 Pは感光ドラム 1 0 1表 面から分離し搬送ガイド 1 1 1に沿って画像加熱定着装置 1 1 2へ搬送され る。 定着装置 1 1 2は記録材 P上のトナー画像に熱と圧力を付与してトナー画 像を記録材 P上に加熱定着する。 定着装置 1 1 2を出た記録材 Pは、 搬送ロー ラ 1 1 3により排出ローラ 1 1 4に搬送され、 その排出ローラ 1 1 4により装 置本体 B上の排出トレイ 1 1 5に排出される。
トナー画像転写後の感光ドラム 1 0 1表面は、 クリーニング装置 1 0 7の有 するクリーユングブレード 1 0 7 aにより転写残トナー等の付着物が除去さ れ、 次の画像形成に供される。
( 2 ) 定着装置 (定着器)
以下の説明において、 定着装置又はその定着装置を構成している部材に関し、 長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。 短手 方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。 幅とは短手 方向の寸法である。
図 1は定着装置 1 1 2の一例の横断面模型図である。 図 2は定着装置 1 1 2 の図 1に示す 2 - 2線矢視断面図である。 図 3は定着装置 1 1 2の図 1に示す 3 - 3線矢視断面図である。 図 4は定着装置 1 1 2の図 1に示す 4一 4線矢視 断面図である。
本実施例に示す定着装置 1 1 2は、 無端ベルトとしての定着ベルト (第 1の 無端ベルト) 1 1及び加圧ベルト (第 2の無端ベルト) 1 2と、 加圧部材とし ての定着ローラ (第 1の加圧部材) 1 3及ぴ加圧ローラ (第 2の加圧部材) 1 4と、回転体としての加熱ローラ 1 6及びテンションローラ 1 7と、を有する。 また、 定着装置 1 1 2は、 加熱する手段 (加熱部) としてのハロゲンヒータ 1 5と、 温度検知手段としてのサーミスタ等の温度検知素子 1 9と、 を有する。 また、 定着装置 1 1 2は、 定着ローラ 1 3を支持する支持部材としての第 1フ レーム 3 1 L · 3 1 Rと、 加圧ローラ 1 4を支持する支持部材としての第 2フ レーム 3 3 L · 3 3 Rと、 を有する。 また、 定着装置 1 1 2は、 加熱ローラ 1 6を支持する支持部材としての第 3フレーム 3 5 L · 3 5 Rと、 テンション口 ーラ 1 7を支持する支持部材としての第 4フレーム 3 7 L · 3 7尺と、 を有す る。 - そして、 定着ベルト 1 1、 定着ローラ 1 3、 加熱ローラ 1 6、 ヒータ 1 5、 温度検知素子 1 9、 定着ローラ 1 3を支持する第 1フレーム 3 1 L · 3 1 R、 及び加熱ローラ 1 6を支持する第 3フレーム 3 5 L · 3 5 Rなどによって定着 ベルトユニット U 1を構成している。
そして、 加圧ベルト 1 2、 加圧ローラ 1 4、 テンションローラ 1 7、 加圧口 ーラ 1 4を支持する第 2フレーム 3 3 L · 3 3 R、 及ぴテンションローラを支 持する第 4フレーム 3 7 L · 3 7 Rなどによって加圧ベルトュニット U 2を構 成している。
本実施例の定着装置 1 1 2は、 定着ベルトュニット U 1において、 定着装置
1 1 2の長手方向に沿って配置した定着ベルト 1 1の内側に定着ローラ 1 3 と加熱ローラ 1 6を設け、 その定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とにより定着 ベルト 1 1を支持する構成とした。
また、 加圧ベルトュニット U 2において、 定着装置 1 1 2の長手方向に沿つ て配置した加圧ベルト 1 2の内側に加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7 を設け、 その加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7とにより加圧ベルト 1 2 を支持する構成とした。
図 5 A及ぴ 5 Bを参照して、 定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の層構成を 説明する。 図 5 Aは定着ベルト 1 1の層構成の一例を表わす断面図、 図 5 Bは 加圧ベルト 1 2の層構成の一例を表わす断面図である。
定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2は、 それぞれ、 内側にエンドレスの基層 1 1 a · 1 2 aを有し、 その基層 1 1 a · 1 2 aの外周に弾性層 1 1 b · 1 2 bを有し、 その弾性層 1 1 b · 1 2 bの外周に離型層 1 1 c · 1 2 cを有する (図 4A, 図 4B)。 基層 1 1 a · 1 2 aは、 ニッケル、 SUS等の金属製の電 鐃ベルト或いはポリイミドなどの耐熱性樹脂からなるエンドレスのベルトで ある。 基層 1 1 a · 1 2 aの厚さは、 金属製の電铸ベルトの場合には厚さが 5 0から 1 5 0マイクロミリメータ程度、 耐熱樹脂の場合には 50から 300マ イクロミリメータ程度として、 ベルト自体が適度な剛性と可撓性を有すること が好ましい。 弾性層 l l b ' 1 2 bは、 基層 l l a ' 1 2 a上に形成された厚 さ 5 0から 300マイクロミリメータ程度のシリコンゴム層である。 また、 離 型層 1 1 c · 1 2 cは、 弾性層 1 1 b · 1 2 b上に形成された厚さ 1 0から 5 0マイクロミリメータ程度の P FA、 PTFEなどのフッ素系樹脂層であり、 チューブの被覆或いはコーティング等によって弾性層 1 1 b · 1 2 b上に形成 されている。
本実施例では、 定着ベルト 1 1及ぴ加圧ベルト 1 2として、 次の構成のもの を用いている。 即ち、 厚さ 7 5μπιのニッケル層からなるエンドレスベルトを 基層 l l a ' 1 2 aとし、 その基層 1 1 a · 1 2 aの外周に弾性層 1 1 b · 1 2 bとして厚さ 30 Ομπιのシリコンゴム層を形成している。 さらにその弾性 層 1 1 b · 1 2 bに離型層 l i b ' 1 2 bとして 5 Ομπιの P F Aチューブを 被覆している。 また外径は、 定着ベルト 1 1、 加圧ベルト 1 2共に ψ 5 5mm としている。
定着ローラ 1 3及び加圧ローラ 14は、 それぞれ、 1 8の31;3製の芯金 1 3 a · 1 4 aの外周に、 厚さ 5 mmのシリコンスポンジゴム層からなる弾性 層 1 3 b · 1 4 bを設けた外径 φ 28 mmの弾性ローラである。 このときのァ スカー C硬度は 9. 8N (1 k g f ) 加重時で、 約 40。である。
本実施例においては、 定着ローラ 1 3及び加圧ローラ 14の弾性層 1 3 b -
1 4 bの長手方向の寸法は、 定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の長手方向の 寸法よりも僅かに大きい寸法に設定した (図 2 )。 定着ローラ 1 3及ぴ加圧口 ーラ 1 4の弹性層 1 3 b · 1 4 bの長手方向の寸法は、 定着ベルト 1 1及ぴ加 圧ベルト 1 2の長手方向の寸法と略同一、 或いは、 定着ベルト 1 1及ぴ加圧べ ルト 1 2の長手方向の寸法よりも短い寸法に設定しても問題ない。
上記の定着ローラ 1 3は、 芯金 1 3 aの両端部が軸受 3 2 L - 3 2 Rを介し て第 1フレーム 3 1 L · 3 1 Rに回転自在に支持される (図 2 )。
加圧ローラ 1 4は、 定着ローラ 1 3の下方において定着ローラ 1 3と並列に 配置され、 芯金 1 3 aの両端部が軸受 3 4 L · 3 4 Rを介して第 2フレーム 3 3 L · 3 3 Rに回転自在に支持される。
図 6Aおよび 6 Bは、 定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6と定着ベルト 1 1の 関係を表わす説明図である。 図 6 Aは定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とに定 着ベルト 1 1をその定着ベルト 1 1の最短経路長さで掛け回した状態を表わ す図である。 図 6 Bは定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とに定着ベルト 1 1を その定着ベルト 1 1の最短経路長さよりも余裕を持たせて掛け回した状態を 表わす図である。
加熱ローラ 1 6は、 肉厚 1 mm、 外径 φ 1 8 mmのアルミニウム製の中空円 筒体である。 この加熱ローラ 1 6は、 定着ローラ 1 3に掛け回した定着ベルト 1 1を定着ローラ 1 3から記録材搬送方向上流側の斜め上方へ張り出すよう な位置に設けられる。 つまり、 加熱ローラ 1 6は、 定着ローラ 1 3と加熱ロー ラ 1 6とに定着ベルト 1 1を掛け回したときの定着ベルト 1 1の最短経路長 さよりも定着ベルト 1 1の周長さの方が余裕を持って長くなるような位置に、 意図的に配置される。
そしてその位置において、 加熱ローラ 1 6の両端部が第 3フレーム 3 5 L · 3 5 Rに軸受 3 6 L · 3 6 R (図 4 )を介して回転自在に支持される。或いは、 加熱ローラ 1 6両端部の軸受 3 5 L · 3 5 Rが加熱ローラ 1 6の回転中心と定 着ローラ 1 3の回転中心とを結ぶ仮想直線 L 1上において定着ローラ 1 3か ら離れる方向 P I (図 1 ) にパネ等で付勢した状態に第 3フレーム 3 5 L · 3 5 Rに支持される。 つまり、 定着ベルト 1 1は、 図 6 Aのように定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とにテンションを張った状態に掛け回されるのではなく、 図 6 Bのように定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とに弛ませた状態に緩く掛け 回される。 従って、 定着ベルト 1 1には、 その定着ベルト 1 1の周方向におい て定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6との間に弛み部 1 1 aが形成される。 本実 施例においては、 定着ローラ 1 3の軸中心位置と加熱ローラ 1 6の中心位置と の距離を 2 3 [mm] に設定して、 弛み部 l i dを形成するようにした。
加熱ローラ 1 6の内部に設けられたハロゲンヒータ 1 5は、 その両端部が第 3フレーム 3 5 L · 3 5 Rに設けられたヒータ支持部 3 5 L 1 · 3 5 R 1によ り支持されている。 加熱ローラ 1 6の内面は黒色に塗装がなされ、 ハロゲンヒ ータ 1 5の輻射熱を吸収しやすくなっている。
上記の加熱ローラ 1 6は、 加熱ローラ 1 6の外周面 (表面) の一部を定着べ ルト 1 1の内周面 (内面) と接触させ、 その接触領域からハロゲンヒータ 1 5 による熱を定着ベルト 1 1に伝達して、 定着ベルト 1 1を加熱する構成である。 つまり、 定着ベルト 1 1は加熱ローラ 1 6を通じてハロゲンヒータ 1 5により 加熱される。
図 7Aおよび 7 Bは、 加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7と加圧ベルト 1 2の関係を表わす説明図である。 図 7Aは加圧ローラ 1 4とテンションロー ラ 1 7とに加圧ベルト 1 2をその加圧ベルト 1 2の最短経路長さで掛け回し た状態を表わす図である。 図 7 Bは、 加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7 とに加圧ベルト 1 2をその加圧ベルト 1 2の最短経路長さよりも余裕を持た せて掛け回した状態を表わす図である。
テンションローラ 1 7は、 外径 φ 1 8 mmのローラであって、 311 3製 1 O mmの芯金 1 7 aの外周に厚さ 4 mmのシリコンスポンジゴム層からなる 弾性層 1 7 bを設けた構成である。 弾性層 1 7 bの長手方向の寸法は、 定着口 ーラ 1 3及ぴ加圧ローラ 1 4の弾性層 1 3 b · 1 4 bの長手方向の寸法と等し レ、。 このテンションローラ 1 7は、 加圧ローラ 1 4に掛け回した加圧べノレト 1 2を加圧ローラ 1 4から記録材搬送方向上流側の斜め下方へ張り出すような 位置に設けられる。 つまり、 テンションローラ 1 7は、 加圧ローラ 1 4とテン シヨンローラ 1 7とに加圧ベルト 1 2を掛け回したときの加圧ベルト 1 2の 最短経路長さよりも加圧ベルト 1 2の周長さの方が余裕を持って長くなるよ うな位置に、 意図的に配置される。 そしてその位置において、 テンションロー ラ 1 7の芯金 1 7 aの両端部が第 4フレーム 3 7 L♦ 3 7 Rに軸受 3 8 L · 3 8 R (図 4 ) を介して回転自在に支持される。 或いは、 芯金 1 7 a両端部の軸 受 3 8 L · 3 8 Rが加圧ローラ 1 4の回転中心とテンションローラ i 7の回転 中心とを結ぶ仮想直線 L 2上において加圧ローラ 1 4から離れる方向 P 2 (図 1 ) にパネ等で付勢された状態に第 4フレーム 3 7 L · 3 7 Rに支持される。 つまり、 加圧ベルト 1 2は、 図 7Aのように加圧ローラ 1 4とテンションロー ラ 1 7とにテンションを張った状態に掛け回されるのではなく、 図 7 Bのよう に加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7とに弛ませた状態に緩く掛け回さ れる。 従って、 加圧ベルト 1 2には、 その加圧ベルト 1 2の周方向において加 圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7との間に弛み部 1 2 dが形成される。 本 実施例においては、 加圧ローラ 1 4の軸中心位置とテンションローラ 1 7の中 心位置との距離を 2 3 [mm] に設定して、 弛み部 1 2 dを形成するようにし た。
従って、 本実施例では、 2つの無端ベルトである定着ベルト 1 1と加圧ベル ト 1 2の両方に弛み部 1 1 d · 1 2 dを形成している。
次に、 定着ベルトュニット U 1の定着ベルト 1 1と加圧ベルトュニッ ト U 2 の加圧ベルト 1 2とによって形成されるニップ部の詳細について説明する。 以下、 本実施例の定着器構成において、 説明の便宜上、 二ップ部はその機能 的役割に応じて、 「プレニップ部 (第 1の-ップ領域)」、 「加圧二ップ部 (第 2 のエップ領域)」 と名称を付して説明する。 「プレニップ部」 とは、 一方の無端 ベルトの弛みによって他方の無端ベルトとの間に形成されているニップ領域 である。 本実施例の 「プレ -ップ部」 とは、 定着ベルト 11、 加圧ベルト 12 1 それぞれ定着ローラ 13、 加圧ローラ 14に接触していないベルト領域同 士によって形成されたエップ部である (図 1)。 「加圧ニップ部」 とは、 定着べ ノレト 1 1、 加圧ベルト 12の内面にそれぞれ配置した定着ローラ 13、 加圧口 ーラ 14のパックアップがある領域同士によって形成されたニップ部である (図 1)。 また、 「プレニップ部 Nl」 と 「加圧-ップ部 N 2」 を合わせた-ッ プ領域を 「トータル二ップ」 とする。 ニップ部であるトータルニップは、 2つ の無端ベルトである定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2の外周面同士を互いに 当接させることにより形成される。 二ップ部は、 記録材搬送方向においてプレ -ップ部 (第 1の-ップ領域) から始まり、 プレニップ部の直後に加圧ニップ 部 (第 2のニップ領域) を有している。
定着ベルトュニット U1と加圧ベルトュニット U 2において、 定着ローラ 1 3を支持する第一フレームと、 加圧ローラを支持する第二フレームには、 それ ぞれ、 加圧手段としての加圧バネ 41 L · 41 R, 42 L · 42 Rが配設され る (図 2)。 そしてその加圧バネ 41 L · 41 R, 42 L . 42 Rにより定着 ローラ 13と加圧ローラ 14は互いに接近する方向に付勢される。 その定着口 ーラ 1 3と加圧ローラ 14は、 それぞれの弾性層 13 b · 14 bにより定着べ ルト 1 1と加圧ベルト 12が挟まれて加圧されることにより、 定着ベルト 1 1 の外周面(表面) と加圧ベルト 12の外周面(表面) とが接触する。その結果、 定着ベルト 1 1表面と加圧ベルト 1 2表面との接触により加圧二ップ部 N 2 が形成される (図 1)。 本実施例においては、 加圧パネ 41 L · 41 R, 42 L · 42 Rによる定着ローラ 13と加圧ローラ 14への加圧力の総圧を 196 N (20 k g f)とし、これにより加圧エップ部 N 2の幅を 5 mmとしている。 図 8は、 加圧二ップ部 N 2の形成に伴い定着ベルト 1 1と加圧ベルト 12の それぞれの弛み部 1 1 d · 1 2 dによって形成されるプレニップ部 N 1の説明 図である。
上述のように、 非加圧状態における定着ベルトユエット U 1においては、 図 6 Bに示すように、 弛み部 1 1 dを有する。 また、 非加圧状態における加圧べ ルトユニット U 2においては、 図 7 Bに示すように、 弛み部 1 2 dを有する。 定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4が互いに接近する方向に付勢され、 定着ベル ト 1 1と加圧ベルト 1 2との接触より加圧二ップ部 N 2が形成される。 すると、 その加圧二ップ部 N 2の記録材搬送方向上端から、 定着ベルト 1 1と加圧ベル ト 1 2のそれぞれの弛み部 1 1 d · 1 2 dに所定の範囲で重なり合う領域、 ォ 一バーラップする領域(図 8の点線部分)が生じる。それぞれの弛み部 1 1 d · 1 2 dは、 その重なり合う領域で定着ベルト 1 1表面と加圧ベルト 1 2の表面 が接触する。 これにより、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2は周方向に平衡を 保つように適度に変形する。 これによつて、 その重なり合う領域にプレニップ 部 N 1が形成される (図 1 )。 従って、 このプレニップ部 N 1内におけるニッ プ圧は、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2が図 1に示す接触状態からそれぞれ 図 6 B、 図 7 B に示す非接触状態に戻ろうとする、 定着ベルト 1 1及び加圧べ ルト 1 2の弾性の力によるものである。
つまり、 プレニップ部 N 1内における二ップ圧は、 定着ベルト 1 1及ぴ加圧 ベルト 1 2の主にそれぞれの基層 1 1 a · 1 2 aの有する剛性及び可撓性に依 存して非接触状態での形状に戻ろうとするベルト 1 1 · 1 2自身の復元力によ るものである。 こうして形成されたプレエップ部 N 1の幅は、 およそ 1 5 mm である。
このようにして形成されるプレニップ部 N 1は、 互いに可撓性を有し変形す る定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の当接によって形成される。 そのため、 プレニップ部 N 1の範囲内においてその圧力分布はほぼ均一であり、 安定した 当接状態を維持することが可能になっている。 さらに、 このプレ-ップ部 N lは、 定着ベルト 1 1に内包される定着ローラ 1 3と加圧ベルト 1 2に内包される加圧ローラ 1 4を付勢することによって 形成される加圧-ップ部 N 2と連続して形成される。そのため、記録材を挟持、 搬送する際に、 記録材 Pと定着ベルト 1 1及ぴ加圧ベルト 1 2との密着性が、 プレニップ部 N 1と加圧二ップ部 N 2を含めたトータルニップ内において維 持されている。
このとき形成されているプレニップ部と加圧ニップ部の当接状態を図 9に 示す。
本実施形態においては、 定着ベルト 1 1と加圧ベルトは同じ仕様であり、 ま た、 定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4は共に同じ仕様の弾性ローラであるので、 付勢された荷重による変形量は同じとなる。 変形量が同じであるということは、 定着ベルト 1 1内に配置された定着ローラ 1 3が定着ベルト 1 1内面に接し ている長さと、 加圧ベルト 1 2内に配置された加圧ローラ 1 4が加圧ベルト 1 2内面に接している長さがほぼ等しい。 つまり、 定着ローラ 1 3が定着ベルト 1 1をバックアップしている長さと、 加圧ローラ 1 4が加圧ベルト 1 2をノ ッ クアップしている長さはほぼ等しい。従って、加圧二ップ部 N 2の領域内には、 加圧部材である定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4とによるバックアップがあ る無端ベルト領域同士、 即ち定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 4の領域同士に よって形成された部分を有する。 本実施例では、 その部分は加圧二ップ部 N 2 全域である。 従って、 このときの状態は、 図 9に示すように、 記録材搬送方向 上流側から、 ベルト同士の当接によって形成されたプレニップ部 N 1がある。 そしてそのプレニップ部 N 1に引き続き、 各ローラにバックアップされたベル ト同士の接触によって形成される加圧ニップ部 N 2が連続して形成された状 態となる。 つまり、 トータルニップは、 プレエップ部 N 1から始まり、 記録材 搬送方向下流側に連続して加圧二ップ部 N 2が形成されるよう、 2つの無端べ ルトである定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2を支持する。 プレニップ部 N 1と加圧二ップ部 N 2とで形成される、 本実施形態における トータル-ップの圧力分布について、 ユッタ (株) 製の圧力分布測定システム P I N C Hを用いて測定を行った。 図 1 0に測定された圧力分布の様子を示す。 図 1 0に示すように、 定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4とが互いに接近する 方向に付勢されていることから、 この部分に相当する位置で定着ベルト 1 1と 加圧ベルト 1 2が接触して形成される加圧二ップ部 N 2において加圧力が最 も高くなる。
これに対して、 プレニップ部 N 1においては、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2との弾性力 (復元力) のみで定着ベルト 1 1表面と加圧ベルト 1 2表面と が接触しているために、加圧-ップ部 N 2の加圧力に比べて非常に低い。また、 プレニップ部 N 1においては、 剛性を有するエンドレスベルトを基層 1 1 a · 1 2 aとして備える定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2同士の接触となってい ることから、 均一な圧力分布となっている。
( 3 ) 定着装置の加熱定着動作
加圧ローラ 1 4の芯金 1 4 aの端部に設けられた駆動ギア G (図 2 ) が定着 モータ Mにより回転駆動されることによって、 加圧ローラ 1 4は所定の周速度 にて矢印方向に回転される (図 1 )。 加圧ローラ 1 4が回転すると、 加圧ニッ プ部 N 2においてその加圧ローラ 1 4の回転が加圧ベルト 1 2に伝達され、 加 圧ベルト 1 2は加圧ローラ 1 4の回転に伴い加圧ローラ 1 4とテンションロ ーラ 1 7の周囲を矢印方向に周回移動する。 その加圧ベルト 1 2の回転がテン シヨンローラ 1 7に伝達され、 テンションローラ 1 7は加圧ベルト 1 2の回転 に伴い矢印方向に従動回転する。 また、 加圧二ップ部 N 2においてその加圧べ ルト 1 2の回転が定着ベルト 1 1表面に伝達され、 定着ベルト 1 1は加圧ベル ト 1 2の回転に伴い定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6の周囲を加圧ベルト 1 2と等速度で矢印方向に周回移動する。 その定着ベルト 1 1の回転が加熱ロー ラ 1 6に伝達され、 加熱ローラ 1 6は定着ベルト 1 1の回転に伴い矢印方向に 従動回転する。 本実施例では、 加圧ベルト 1 2及び定着ベルト 1 1の周回移動 速度 (走行速度) は 2 0 0 mm/ sである。
本実施例のように定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2を意図的に弛ませた状 態 (図 6 B、 図 7 B) においても、 その定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2は、 そ れぞれ、 基層 1 1 a · 1 2 aが剛性及ぴ可撓性を有する。 従って、 その定着べ ルト 1 1と加圧ベルト 1 2は、 それぞれ、 その弛ませた状態を維持しながら回 転する。
加熱定着動作時においても定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2は弛んだ形 状を維持した状態で回転する。 そのため、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2が テンションを張った状態 (図 6A、 図 7A) で回転する場合に比べ、 波打ち (ベ ノレト長手方向のうねり) が発生しにくくなる。 従って、 定着ベルト 1 1表面を 記録材 Pに均一に接触させることができるという利点がある。
ヒータ 1 5には、 加圧ローラ 1 4の回転駆動と前後して、 或いはこれと同時 に、 通電制御手段としての通電制御部 4 1 (図 4 ) により通電を行う。 これに よりヒータ 1 5が発熱し、 そのヒータ 1 5によって回転動作中の加熱ローラ 1 6を加熱し、 その加熱ローラ 1 6によって回転動作中の定着ベルト 1 1を加熱 する。 その定着ベルト 1 1の熱は加圧二ップ部 N 2及ぴプレニップ部 N 1を通 じて回転動作中の加圧ベルト 1 2に伝わり、 加圧ベルト 1 2が加熱される。 加 熱ローラ 1 6の温度は温度検知素子 1 9 (図 1 ) により検知され、 その温度検 知素子 1 9からの出力信号 S 1に基づいて通電制御部 4 1がヒータ 1 5に通 電する電力を制御して、 ヒータ 1 5の温度制御を行う。 即ち、 通電制御部 4 1 は、 プレニップ部 N 1においてトナー像 Tをフローテスターにおける略流出開 始温度以上の温度に加熱する所定の設定温度 (目標温度) を維持するように温 度検知素子 1 9からの出力信号 S 1に基づいてヒータ 1 5への通電を制御す る。
本実施例で用いているフローテスターにおける流出開始温度 T f bは、 以下 の条件で求めたものである。
フローテスター CFT— 500D (島津製作所製) を使用し、 ダイ穴径: 1
[mm], 荷重値: 405 [k g f ]、 昇温速度 4 [°C/m i n.] の条件下で、 トナーペレットを加熱して溶融流出させる。 このとき、 トナーがダイの穴から 流出を開始した時点での温度を 「流出開始温度 T f b」 とした。
上記の定着ローラ 1 3、 加圧ローラ 1 4及ぴテンションローラ 1 7において、 弾性層 1 3 b - 1 4 b - 1 7 bは断熱性を有するシリコンスポンジゴム層で形 成されている。 そのため、 記録材 Pにトナー画像 Tを加熱定着するための定着 ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の加熱に必要な上記部材 1 3 · 14 · 1 7の熱 容量を小さくすることができる。 従って、 本実施例の定着装置 1 1 2を搭載す る画像形成装置 Aは、 プリンタ指令の入力後、 1枚目の画像を出力するまでの 時間 (F POT : F i r s t P r i n t ou t T i me) を短くできる。 つまり、 ウォームアップ時間を短くすることができる。 また、 本実施例の定着 装置 1 1 2は、 プリンタ指令を待つ待機中の消費電力を少なくすることができ る。
上記のように加圧ベルト 1 2及び定着ベルト 1 1の回転とヒータ 1 5への 通電を行わせた状態において、 トナー画像 Tを担持する記録材 Pがプレニップ 部 N 1にトナー画像担持面を上向きにして導入される。
その記録材 Pは、 プレニップ部 N 1において、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2とにより、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2の弾性 (復元力) によって弱 く均一に挟持されその状態に搬送される。
同時に、 予熱されている定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2によって、 記録 材 Pは定着ベルト 1 1側のトナー画像担持面と加圧ベルト 1 2側のトナー画 像非担持面の両面から予熱される。 このプレニップ部 N 1は、 図 3に示すよう に定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2の接触のみで形成されているため、 記録材 Pを挟持している状態では定着ベルト 1 1と加圧ベルトはそれぞれ記録材の みと接触している領域である。
即ち、 プレニップ部 N 1における定着ベルト 1 1は、 記録材 Pのトナー画像 担持面にのみ接触することとなり、 定着ローラ 1 3や他の構成部材とは接触し ていない。
また、 プレニップ部 N 1における加圧ベルト 1 2は、 記録材 Pのトナー画像 非担持面にのみ接触し、 加圧ローラ 1 4や他の構成部材とも接触していない。 従って、 定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2が保持している熱は、 記録材 Pに 対して効率よく伝達することができるようになつている。
このように記録材 Pは定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の弾性により定 着ベルト 1 1表面と加圧ベルト 1 2表面とによって挟持されることから、 記録 材 P面は全域に渡って均一に弱く加圧され、 且つ均一に予熱される。
記録材 Pに担持されたトナー画像 Tは、 プレニップ部 N 1において略流出開 始温度以上に十分に加熱され、 引き続き加圧二ップ部 N 2で定着ベルト 1 1表 面と加圧ベルト 1 2表面とにより挟持搬送されながら加圧される。
これにより、 記録材 Pに担持されたトナー画像 Tは、 十分な定着性、 光沢度 (ダロス) を有する定着画像として記録材 P面に加熱定着される。
つまり、 プレニップ部 N 1でトナー画像 Tが十分に溶融する時間を確保して から加圧二ップ部 N 2でトナー画像 Tを記録材 Pに加圧定着する温度分布と 圧力分布をプレニップ部 N 1と加圧-ップ部 N 2とにより得ることができる。 これにより、 トナー画像 Tの定着不良、 プリスター、 オフセット等の発生を大 幅に低減できる。 そしてその記録材 Pは加圧二ップ部 N 2から排出される。 このプレニップ部 N 1、 加圧二ップ部 N 2を通過する加熱定着過程を通して、 記録材 P上に担持されたトナー画像丁のトータル二ップ內の各地点における トナー画像 Tの温度変化の様子を測定した。
温度プロファイルの測定は、 次のようにして行った。 温度検知部の熱容量が 小さい熱電対 (例えば、 安立計器 (株) 製 K型熱電対線径 5 Ο μηι) を記録材 P上に貼り付け、 その記録材 Pを上記温度制御した定着装置 1 1 2のプレニッ プ部 N 1と加圧-ップ部 N 2で挟持搬送させた。 そしてそのときの熱電対から 電位差信号を日置電機(株)製メモリハイコーダ一(8 8 4 2 )にて測定した。 このようにして、 二ップ部通過時における、 時間に対する温度変化の様子を 測定することができるが、 これに記録材の搬送速度を乗ずることによって、 ト 一タル-ップ内の各位置における温度プロファイルとすることができる。
このようにして測定した本実施例の定着装置 1 1 2のプレニップ部 N 1と 加圧エップ部 N 2における温度プロファイルを図 1 1に示す。 この図中には、 図 1 0に示した加圧力の分布を、 トータル二ップの各地点における位置を横軸 方向で合わせた上で、 温度プロファイルと重ねて示している。
また、 溶融、 定着過程を説明するために、 この定着工程における記録材 Pと トナー画像 Tの状態を示すモデル図を図 1 2A、 1 2 B及ぴ 1 2 Cに示す。
図 1 2Aの凡例は、 以降のトナー層のモデル図におけるそのトナーの状態の 違いを模様の違いで表している。
図 1 2Aは、 プレニップ部 N 1突入前の記録材 Pとトナー画像 Tの状態を示 す図である。同様に図 1 2 Bはプレニップ部 N 1通過直後における状態である。 図 1 2 Cは、 加圧二ップ部 N 2通過直後における状態を示すモデル図である。 以下に、 本実施例の定着器をもってトナー画像 Tが定着される過程を、 図 1 1の温度プロファイル、 加圧力の分布、 図 1 2A、 1 2 B及び 1 2 Cの記録材 Pとトナー画像 Tの状態を示すモデル図から説明する。
まず、 トナー画像 Tを担時した記録材 (記録紙) Pは、 プレニップ部 N 1に 導入される。
プレニップ部 N 1では図 1 1に示すように、 トナー画像 Tは次第に予熱され、 その温度が上昇する。 このとき、 プレニップ部 N 1での温度プロファイルは、 上昇し、 その傾きはプレニップ部 N 1の後半に至るにつれて次第に緩やかにな り、 飽和する傾向を示す。 このとき、 その温度は図 1 1に示すように、 プレニップ部 N 1の範囲内にお いて、 フローテスターにおける略流出開始温度以上に到達している。
まず、 フローテスターにおける略流出開始温度以上とするのが好ましいとす るのは以下のような理由からである。
トナー画像 Tが、 実際に記録紙 Pに十分な強度をもって定着される為には、 少なくとも紙繊維に浸透させ、 繊維間に埋め込み固着させる、 アンカー効果を もって定着しなければならない。 そして、 このように紙,繊維に浸透させるため には、 まずトナーが溶融し、 変形する状態になっていなければならない。
フローテスターにおける流出開始温度 T f bは、 その測定原理から、 まさに このようにトナーが溶融し変形し始める温度を示している。
即ち、 フローテスターにおいて、 一定荷重を加えた状態のトナーペレットに 対し徐々に温度を上げていった際にトナーがダイ穴から流出し始める温度は、 トナーの溶融、 変形し始めた温度を示している。 このことは実験的にも以下の ように確かめられた。
トナー画像 Tを担持した記録紙 Pを無加圧の状態で、 流出開始温度 T f b以 下の環境下に放置した場合、 記録紙上に担持されたトナー画像 Tは全く変化し なかった。
一方、 流出開始温度 T f b以上の環境下に放置した場合には、 記録紙上に担 持されだトナー画像 Tが溶融し始めており、 明らかに記録紙に対する付着力の 向上が認められた。
次に、 トナー画像 Tの温度を、 特にプレニップ部 N 1において、 T f b以上 にすることが望ましい理由は、 加圧力のかかる加圧エップ部 N 2に至る前に、 十分に溶融した状態を作っておく為である。
トナー画像 Tを担持した記録紙 Pは、 引き続き、 加圧力のかかっている加圧 二ップ部 N 2で加圧力を受けて記録紙の紙繊維にトナー像 Tを適度に浸透さ せ、 定着画像を得る。 このとき、 プレニップ部 N 1内において、 すでに T f b以上の温度に到達し ていれば、 加圧力のかかっている加圧エップ部 N 2内全域に渡って、 トナー画 像 Tは略流出開始温度以上の温度を維持できることになる。 つまり、 トナー画 像 Tは加圧二ップ部 N 2内全域に渡って、 溶融変形する状態にあるので、 加圧 ニップ N 2で付与された加圧力は、 無駄なく、 トナー画像 Tを記録紙 Pへ浸透 させるのに使われる。
—方、 加圧二ップ内 N 2でトナーは流出開始温度 T f b以上の温度に達して いない部分があると、 トナー画像 Tは変形しない状態にある。 そのため、 その 部分で付与された加圧力は、 粒子状のトナーを記録紙へ押し付ける力として無 駄に使われ、 記録紙 Pへ効果的に浸透させる力が減少する。
このように、 付与した加圧力を効果的に使い、 必要最小限の加圧力でトナー 画像 Tを定着させる為には、 加圧力のかかっている加圧二ップ部 N 2内全域に 渡って、 トナー画像 Tを T f b以上の温度とする。 つまり、 プレニップ部 N 1 内において、 トナー画像 Tの温度をフローテスターにおける流出開始温度 T f b以上とするのが好ましい。
言うまでもないが、 トナー画像 Tの温度がプレニップ部 N 1において、 T f bに到達していないことによって、効果がなくなるわけではない。その場合も、 プレニップ部 N 1内においてできるだけトナー画像 Tの温度を上げておくこ とによって、 最も効果の出る状態に近づけることができる。
このように時間をかけて予熱されることによって、 トナー画像 Tは、 その厚 さ方向内においても、 ほぼ均一に溶融し、 トナー層の上層から下層に渡って、 良好な溶融状態となっている。 同時にこのプレニップ部 N 1内では圧力はほと んどかかっていないため、 記録紙 P上のトナー画像 Tは図 1 2 Bに示すように 記録紙 Pにあまり浸透することなく溶融した状態で存在する。
このようにプレニップ部 N 1において、 十分に溶融した状態となった後、 記 録紙 Pは加圧二ップ部 N 2に至り、 図 1 1に示されるような加圧力を受ける。 このとき、 トナー画像 Tはプレニップ部 N 1において流出開始温度 T f b以 上に到達しており、 トナー画像 Tはその厚さ方向に渡って十分に溶融していこ と力 ら、 加えられた加圧力はトナー画像 Tを記録紙 Pに適度に浸透させるため に効果的に作用させることができる。 即ち、 トナー画像 Tが十分溶融している こと力 ら、 高い加圧力を加えなくとも、 紙繊維に適度に浸透して定着性を確保 できる。 このとき、 高い加圧力は必要ないので、 トナー画像 Tは過度に紙繊維 に浸透することはない。
加圧二ップ部 N 2において加圧された記録紙 Pは、 トナー画像 Tが適度に浸 透したあと加圧二ップ部 N 2から排出されることによって、 十分な定着性を有 する定着画像を得られる (図 1 2 C)。
以上のような過程を経て定着される本実施例の定着器で実現している定着 プロセスの特 5 [は以下の 3点である。
本実施例の定着器を用いた定着プロセスにおける特徴の 1つ目は、 トナー画 像 Tの温度が十分に上昇するまではほとんど加圧力を付与しない点である。
トナーが溶融していない状態で加圧した場合、 その加圧力は、 粉体状のトナ 一を記録紙 Pに押し付けるだけになつてしまうため、 全く定着に寄与しなレ、。 このときの加圧力は無駄になってしまう。即ち、効率よく定着を行うためには、 トナー画像 Tが十分に溶融した状態で加圧力を加えることが必要である。
図 1 1に示すように、 トナー画像 Tを加熱昇温させている過程であるプレニ ップ部 N 1の範囲では加圧力がかかっていない。
本実施例では、 プレニップ部 N 1の領域内でトナー画像 Tを担時した記録紙 Pに対して積極的に加圧力を加えることなく予熱を行う構成を、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2で挟持されるプレニップ部 N 1をもって形成することに よって実現している。
本実施例の定着器における特徴の 2つ目は、 加圧力のかかっている加圧ニッ プ部 N 2領域内に渡って、 トナー画像 Tの温度がフローテスターにおける流出 開始温度 T f b以上に維持されていることにある。
図 1 1に示すように加圧力のかかっている加圧二ップ部 N 2の領域内にお いてそのトナー画像 Tの温度はフローテスターにおける流出開始温度 T f b 以上の温度を維持している。
これにより、 トナー画像 Tの温度が T f b以上に達し、 十分に溶融した状態 で加圧することによって、 必要最小限の加圧力で記録材 Pへの定着を行うこと ができる。
加圧-ップ部 N 2内において、 特に 「フローテスターにおける流出開始温度 T f b」 以上とすることが望ましい理由は前述の通りである。
このように、 トナーが十分に溶融状態で加圧することによって、 その加圧力 を無駄にすることなく、 溶融したトナーを適度に紙繊維に浸透させ、 効率的に 定着させることができる。
本実施例の定着器における特徴の 3つ目は、 トナー画像 T上層の温度とトナ 一画像 T下層の温度の差が少ない状態、 即ち、 トナー画像 Tの厚さ方向で均一 に近!/ヽトナ一の溶融状態となったところで加圧するという点である。
本実施例の定着器の温度プロファイルは、 図 1 1に示すように、 プレニップ N 1においてそのトナー画像 Tの温度が上昇し、 T f b以上に到達する。 トナ 一画像 Tの温度変化の傾きはプレニップ部 N 1の後半に至るにつれて次第に 緩やかになり、 飽和する傾向を示している。
このように温度変化が飽和する傾向を示しているということは、 その付近で の温度勾配が少なくなつていることを示している。
つまり、 定着ベルト 1 1の熱が十分に記録紙 P側へと伝達されて、 定着ベル ト 1 1と記録紙 Pの温度差が小さくなつてきていることを示している。
このことは同時に、 記録紙 Pの厚さ層方向についてもあてはまる。
つまり、 このとき、 記録紙 Pの厚さ層方向での温度分布、 実際にトナー画像
Tを担持した状態であればそのトナー像 Tの厚さ方向での温度分布が小さく なっていることを示している。
トナー画像 Tの厚さ方向での温度分布が小さくなつているということは、 即 ち、 トナー画像 T上層と下層でのトナーの溶融状態が近く、 厚さ方向でほぼ均 —に溶融させることができているということを示している (図 1 2 B )。
トナー画像 Tがこのように上層と下層で同じような溶融状態なつたところ で加圧ニップ N 2において加圧されることにより、 溶融したトナーを適度に紙 に浸透させ、 同時に十分なグロスを実現している。
以上説明したように、 本実施例の定着装置は、 プレニップ部 N 1において、 トナー画像 Tを担持した記録紙 Pを十分に予熱し、 トナー画像 T上層の温度と、 トナー画像 T下層の温度の差の少ない状態とする。 即ち、 トナー画像 Tの厚さ 方向でほぼ均一なトナーの溶融状態とする。 そしてトナーの溶融状態となった 後に、 加圧二ップ部 N 2において加圧することによって、 溶融したトナーを適 度に紙に浸透させて定着し、 十分なダロスを出すことを実現している。
以上のような効果は、 実際にはフローテスターにおける流出開始温度 T f b に対して、 およそ ± 5 °C程度の範囲内でも得ることができた。
従って、 流出開始温度 T f b ± 5 °C程度の 「略流出開始温度」 とすれば同様 の効果が得られる。
本実施例の定着装置 (定着器) 1 1 2と比較するために作製した比較例 1、 比較例 2、 比較例 3の定着装置 (定着器) の断面図を図 1 3、 1 4、 1 5に示 す。 ここで本実施例の定着器 1 1 2と同一の部材 ·部分には同じ符号を付して 再度の説明を省略する。
比較例 1として図 1 3に示す定着器は、 図 6 Aに示すようにベルトを掛け回 した定着ベルトュニット U 1と、 表層に離型層を有するローラ 5 0によって、 二ップ部 N 1 aを形成したものである。 このとき、 記録材 Pをガイドする定着 入口ガイド 5 1を、 定着ベルト 1 1に沿うように配置し、 定着ベルト 1 1から の輻射熱でトナー画像 Tと記録材 Pの予熱を行おうとしたものである。 比較例 2として図 1 4に示す定着器は、 本実施例の定着器と同様、 2つの無 端ベルトを各々 2つのローラ 1 3 · 1 6、 1 4 · 1 7に掛け回しその無担ベル ト 1 1 . 1 2同士を互いに圧接させて-ップ部 N l b · N 2 b · N 3 bを形成 したものであるが、 加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7に相当するローラ が互いに当接する方向に付勢され、 加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7に 卷きかけられた各ベルト 1 1 · 1 2表面同士が接触している点が本実施例の定 着器と異なる。
比較例 3として図 1 5に示す定着器は、 本実施例の定着器の加圧ベルトュニ ット U 2の代わりに、 表層に離型層を有するローラ 5 0を用い、 定着ベルトュ ニット U 1の定着ベルト 1 1をローラ 5 0の円周上に卷き掛けるようにして、 比較例 1の熱ローラ定着器に対して比較的長い-ップ幅を形成したものであ る。
上記の比較例 1〜 3のそれぞれの定着器について、 本実施例の定着器と同様 の方法にて加圧力分布及び、 温度プロファイルの測定を行った。
図 1 6から図 1 8はそれぞれ比較例 1カゝら 3における加圧力分布、 温度プロ フアイルの測定結果である。 また、 図 1 9 Aから図 2 1 Fはそれぞれ比較例 1 から 3における記録材 Pとトナー画像 Tの溶融状態を示すモデル図である。 まず図 1 3に示す比較例 1の定着器において、 定着動作を行った結果につい て説明する。
図 1 9 Aは、 比較例 1の定着器において、 二ップ部 N 1 aに突入する直前に おける記録紙 Pとトナー画像 Tの状態を示す図であり、 同様に図 1 9 Bはニッ プ部 N 1 aを出た後の状態を示すモデル図である。
この比較例 1の定着器では、 トナ 画像 Tを担持した記録紙 Pは、 まず定着 入口ガイド 5 1に沿って搬送される。 このとき、 記録紙 Pの温度はトナー画像 T担持面側から、 輻射熱によって加熱されるが、 輻射による熱の伝達はわずか であるので、 記録紙 Pの温度はほとんど上昇しない。 引き続き、 トナー画像 T を担持した記録紙 Pは二ップ部 N 1 aに突入し、 定着ベルト 1 1と接触して熱 の付与を受け、 同時に加圧され、 排出される。
この比較例 1の定着器で本実施例に用いたものと同じトナー画像 Tを定着 させたが、 本実施例の定着器で得られた定着画像と同等以上のダロスを有する 定着画像を得ることはできなかつた。
この比較例 1の定着器で得られた定着画像を観察した。 すると、 記録紙 Pが 有する凹凸の凸部分に位置するトナーが記録紙 Pに浸透して、 紙繊維の地合い が見えてやすくなってしまい、 定着したトナー画像 Tと紙の地合いが混在して 見える不均一な定着画像となってしまっていた。 これにより、 本実施例の定着 器による定着画像と同等の光沢度 (グロス) を実現することができていなかつ た。
これは、 以下のようなメカニズムによるものと推察される。
図 1 6は比較例 1の定着器における加圧力分布、 温度プロフアイルの測定結 果であるが、 この比較例 1の定着器と本実施例の定着器において大きく異なる 点は、 加圧力がかかっている二ップ部 N 1 a領域内での温度である。
まず、 この比較例 1の定着器においては N 1 aに到達するまではトナー画像 Tの温度はほとんど上昇しないため、 本実施例の定着器におけるトータルニッ プ幅よりも短い二ップ部 N 1 a領域で熱の付与を行う必要がある。 短いニップ 幅で熱を伝達するためには、 記録紙に対する温度勾配を大きくする、 つまり、 比較例 1の定着ベルトの温度を本実施例の定着器の定着ベルト 1 1温度より も高い温度に設定する必要がある。
しかしこのように、 急激に熱を伝達しょうとすると、 トナー画像の層方向で の温度差が生じやすくなることは明らかである。 つまり、 トナー画像 T上層の 温度とトナー画像 T下層の温度の差が大きい状態となる。 これは即ち、 トナー 画像 T上層と下層の溶融状態が大きく異なることを意味している。
このように、 トナー画像の上層と下層で溶融状態が大きく異なっているタイ ミングで圧力を掛けた場合のモデル図が図 1 9 Aおよび 1 9 Bである。
図 1 9 Aは二ップ部 N 1 a内でのトナー画像 Tの状態である。 図 1 9 Bは- ップ部 N 1 aを出た直後のトナー画像 Tの状態を示している。
この図 1 9 Aに示すように、 二ップ部 N 1 a領域において、 トナー下層温度 が適度に紙に浸透するのに最適な状態になったときには、 トナー画像 T上層は すでに過溶融の状態になってしまっている。 このため、 この状態で圧力を掛け るとトナー画像上層のトナーは紙の繊維に過剰に浸透してしまうため、 紙繊維 の地合いが定着画像面表面に露出してしまう。
紙の繊維の地合いが定着画像面の表面に見えてしまうと、 紙繊維の凸部分は トナー画像で覆われなくなり、 「透け」 が発生するのと同時に、 紙表面の繊維 上をトナー画像で均一に覆うことができていないことから、 高い画像濃度を達 成することが難しい。
また、 定着画像面の平滑性が損なわれることから、 高い光沢度 (ダロス) を 達成することも困難である。
一方で、 このようなトナー画像 T上層の過溶融を抑えるために、 トナー画像
Tの上層の温度がこれよりも低下するように定着ベルトの温度を下げて定着 を試みた。
このときのトナー層の溶融状態を示すモデル図が図 1 9 Cおよび 1 9 Dで ある。 図 1 9 Aおよび 1 9 Bと同様に、 図 1 9 Cは二ップ部 N 1 a領域内での トナー画像 Tの状態、 図 1 9 Dは二ップ部 N 1 a領域を出た直後のトナー画像 Tの状態を示している。
この場合は、 トナー画像 T上層のトナーは過溶融する温度まで到達すること はなく、 透けてしまう状態になることはなかった。 し力 し、 同時に紙繊維下層 の温度が低下するために紙繊維下層のトナーが十分に溶融せず、 コールドオフ セットが発生してしまった (図 1 9 Cおよび 1 9 D)。
このように、 比較例 1の定着器においては、 定着ベルト 1 1の温度を変化さ せたとしても、 トナー画像 Tの過溶融による記録紙 Pへの浸透による光沢度の 低下、 一方でのトナーの溶融不足によるコールドオフセットの発生という課題 がある。 従って、 比較例 1の定着器においては、 その 2つの課題の狭間で、 十 分な光沢度 (ダロス) を有する定着画像を得ることはできなかった。
次に比較例 2の定着器において、 定着を行った結果について説明する。
比較例 2の定着器では、 本実施例の定着器における-ップ部 (プレニップ部 N 1、 加圧二ップ部 N 2 ) に加えて、 加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7 に巻きかけられたベルト部分の当接で形成されるニップ領域を有する。
図 1 4に示す比較例 2の定着器では、 記録材搬送方向上流から順に、 加熱口 ーラ 1 6とテンションローラ 1 7に卷きかけられたベルト 1 1 · 1 2部分で形 成される二ップ部を N 1 b、 ベルト 1 1 · 1 2部分同士が接触しているニップ 部を N 2 bとする。 そして定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4に卷きかけられた ベルト 1 1 · 1 2部分が接触している二ップ部を N 3 bとする。
図 2 O Aはニップ部に突入する直前における記録紙 Pとトナー画像 Tの状 態を示す図であり、 図 2 0 B , 2 0 C及び 2 0 Dは、 それぞれの二ップ部 N 1 b , N 2 b, N 3 bを通過した直後における記録紙 Pとトナー画像 Tの状態を 示すモデル図である。
この比較例 2の定着器を用いて定着を行った際の工程を、 順に説明する。 まずトナー画像 Τを担持した記録紙 Ρは、 加熱ローラ 1 6とテンションロー ラ 1 7に卷きかけられたベルト 1 1 · 1 2部分で形成される二ップ部 Ν 1 bに 導入され図 1 7に示すように、 熱の付与を受ける。 これと同時にベルト 1 1 · 1 2を介して付勢された加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7によって加 圧されることにより、 トナー画像 Tはある程度溶融を開始し、 記録紙 Pに浸透 し始める (図 2 0 B )。 引き続いて二ップ部 N 2 bに記録紙 Pが到達すると、 この-ップ部 N 2 b領域では記録紙 Pを挟み込む力が弱くなるため、 ニップ部 N l bに対して圧力が低くなつてしまう。 即ち、 ベルト 1 1 · 1 2同士と記録 紙 Pとの密着性が不足し、 いわゆる圧抜けが生じる (図 2 0 C)。 このような 圧抜けが生じてしまうと、 トナー画像 Tの温度にかかわらず像ずれが発生する。 一度定着ベルト 1 1が記録紙 Pに対して押圧され、 再び離れることになると、 記録紙 P上に担持されていたトナー画像 Tは、 記録紙 P側に付着するものと、 ベルト 1 1側に付着するものに分かれてしまう。 これはトナーが溶融しておら ず粒子状態であつたとしても、 或いは溶融した状態であったとしても同じであ る。
二ップ部 N 2 b内においては記録紙 Pは絶えず熱の付与をうけていること から、 記録紙 Pには収縮しょうとする力が働いている。 この状態で、 定着ベル ト 1 1が紙を押圧する力が弱くなると、 相対的に収縮度合いの異なる定着ベル ト 1 1と紙との間で、 位置のずれが生じる。
この乱された画像状態のまま二ップ部 N 3 bで加圧され定着されることに なる (図 2 0 D )。 このため、 定着後の画像はいわゆる 「像ずれ」 という異常 画像なり、 不均一な定着画像となってしまった。
このように比較例 2の構成の定着器においては、 長い二ップ幅を実現できる ものの、 そのニップ内にぉレ、て加圧力の分布に谷間が生じるために圧抜けが生 じてしまい、 像ずれを防ぐことが非常に困難であった。
次に比較例 3の定着器において、 定着を行った結果について説明する。
図 1 5に示す比較例 3の定着器では、 本実施例の定着器における定着ベルト ユニット U 1に対し、 比較例 1の定着器と同様に表面に離型層を有するローラ 5 0を当接させて-ップ部を形成したものである。 その際に、 定着ベルトュニ ット U 1の定着ベルト 1 1をローラ 5 0に卷きつけるように配置している。 こ れによって、 定着ベルト 1 1に内包された定着ローラ 1 3とローラ 5 0との圧 接領域で形成されている二ップ部 N 2 cの記録材搬送方向上流側に、 定着ベル ト 1 1表面とローラ 5 0表面との接触とで二ップ部 N 1 cを形成する。
このように比較例 3の定着器は、 二ップ部 N 2 cの記録材搬送方向上流側に 二ップ部 N l cを形成することにより、 定着器全体として幅の広い二ップ幅を 確保しようとしたものである。
比較例 3の定着器において、 定着ベルト 1 1を卷きつける際に、 より密着さ せて-ップ部 N 1 cを形成するため、 定着ベルト 1 1は定着ローラ 1 3と加熱 ローラ 1 6とで適度に張った状態になるように保持されている。 また、 定着べ ルト 1 1に内包された定着ローラ 1 3は、 ローラ 5 0に対して付勢され、 定着 に必要な加圧力をかけるようになつている。
図 2 1 Aは二ップ部 N l c内における記録紙 Pとトナー画像 Tの状態を示 す図である。 図 2 1 B及び 2 1 Cは、 それぞれ二ップ部 N 2 c内における記録 紙 Pとトナー画像 Tの状態、 エップ部 N 2 cを通過した直後における記録紙 P とトナー画像 Tの状態を示すモデル図である。
この比較例 3の定着器を用いて定着を行った際の定着工程、 及びその定着ェ 程で得られた定着画像の特徴について、 順に説明する。 まずトナー画像 Tを担 持した記録紙 Pは、 定着ベルト 1 1とローラ 5 0とで形成される二ップ部 N 1 cに導入される。 ここでトナー画像 Tを担持した記録紙 Pはベルト 1 1からの 熱の付与を受ける。 これと同時に、 図 1 8に示すようにベルト 1 1の卷きつけ 部分である二ップ部 N 1 cにおいてもある程度の加圧力がかかっていること から、 トナーは溶融を開始すると同時に、 記録紙 P上に押し付けられる。 引き 続いて、 二ップ部 N 2 cに入り、 図 1 8の加圧力分布に現れている加圧カを受 けると同時に、 トナーの温度も上昇してくるので、 トナーは次第に溶融が進み、 記録紙 Pに浸透し定着することとなる。
この比較例 3の定着器で得られた定着画像を観察したところ、 比較例 1の定 着器と同様であった。 即ち、 記録紙 Pが有する凹凸の凸部分が位置するトナー が記録紙 Pに過剰に浸透していて、 紙繊維の地合いが見えてやすくなってしま い、 「透け」 が発生するのと同時に、 定着したトナー画像 Tと紙の地合いが混 在して見える不均一な定着画像となってしまっていた。 このように紙の地合い が定着画像面に露出して見えてしまうと、 定着画像面の平滑性が損なわれる為、 当然のことながら光沢度 (グロス) も低くなりがちである。
このため、 この比較例 3の定着器で得られた定着画像は、 本実施例の定着器 による定着画像と同等の光沢度(ダロス)を実現することができていなかった。 この比較例 3の定着器で得られた定着画像がこのような定着画像面になつ てしまうのは、 以下のような理由によるものであると考えられる。
図 1 8は比較例 3の定着器における加圧力分布、 温度プロファイルである力 本実施例の定着器に対して大きく異なる点は、 本実施例で実現しているトータ ルニップ幅に対して、 二ップ部 N l cとエップ部 N 2 cとで形成される-ップ 幅が短いという点である。
加圧力がかかっている二ップ部 N 2 cは、 加圧力の調整等によって、 本実施 例の加圧二ップ幅 N 2と同等の長さを形成することは可能である。 しかしなが ら、 比較例 3の定着器においては二ップ部 N 2 cの記録材搬送方向上流側で形 成されている二ップ部 N 1 cを本実施例のプレニップ部 N 1と同等以上に形 成することが困難である。
これは、 比較例 3の定着器はベルト 1 1をローラ 5 0に卷きつけることによ つて-ップ部 N l cを形成しているためであり、 容易にこの二ップ部 N l cを 長くすることができない。 この N 1 cを長くする手段としては、 定着ベルト 1 1をローラ 5 0にさらに卷きつけることが考えられるが、 このような方法では 定着の過程で記録紙を長い領域で湾曲させることになるため、 定着後の紙の力 ールが悪化してしまう。
他の手段としては、 ローラ 5 0の外径を大きくすることによって、 曲率を小 さく保ったまま、 N 1 cを長くする方法が考えられる。 しかしながらこの場合 も、定着器が大型化すると共に、ローラ 5 0の大径化に伴って熱容量が増大し、 ウォームアップ時間の増加、 放熱面積の増加などによって、 定着器の省エネ性 が低下するという弊害が発生してしまう。 このように、 比較例 3の定着器構成においては、 弊害を誘発することなく、 本実施例の定着器と同等以上の長さの二ップ幅を形成することが困難である。 従って、 比較例 3の定着器構成においては本実施例の定着器におけるトータ ルニップ幅よりも短い二ップ部 N 1 c · N 2 cで熱の付与を行う必要がある。 短いニップ幅で熱を伝達するためには、 比較例 1と同様に記録紙に対する温 度勾配を大きくする、 つまり、 比較例 3の定着ベルトの温度を本実施例の定着 器の定着ベルト 1 1温度よりも高い温度に設定する必要がある。
しかしこのように、 急激に熱を伝達しょうとする、 つまり定着ベルト 1 1と 記録紙 Pの温度勾配を大きくしょうとすると、 同時に、 被加熱材であるトナー 画像 T、 記録紙 Ρの層方向内部での温度差が生じやすくなることは明らかであ る。 つまり、 図 2 1 Α及び 2 1 Βに示すように、 二ップ部 N l c、 N 2 c領域 内おいてトナー画像 Tの上層と下層で温度の差が生じ、 厚さ方向全体を十分に 暖めておくことができていない。
図 2 1 A及ぴ 2 1 Bに示すように、 トナー画像 T下層温度が紙に浸透するの に最適な状態になったときには、 トナー像 T上層はすでに過溶融の状態になつ てしまっている。
これにより、 トナー画像 T上層のトナーは紙の繊維に過剰に浸透してしまう ため、 紙繊維の地合いが定着画像面に露出して。 「透け」 が発生する (図 2 1 C ) のと同時に紙表面の繊維上をトナー画像で均一の覆うことができていない ことから、 高い画像濃度を達成することができなかった。
また、 同時に定着画像面の平滑性が損なわれることから、 本実施例の定着器 のよる定着画像と同等の高い光沢度(グロス)を達成することもできなかった。 一方、 このようなトナー画像 T上層の過溶融を抑えるために、 トナー画像 T の上層の温度がこれよりも低下するように定着ベルト 1 1の温度を下げて定 着を試みた。 このときのトナー画像の溶融状態を示すモデル図が図 2 1 D , 2 1 E及び 2 1 Fである。 図 2 I Dは、 定着ベルト 1 1の温度を下げて定着を行った際の、 二ップ部 N 1 c内における記録紙 Pとトナー画像 Tの状態を示すモデル図である。 図 2 1 Eは、 定着ベルト 1 1の温度を下げて定着を行った際の、 -ップ部 N 2 c内に おける記録紙 Pとトナー画像 Tの状態を示すモデル図である。 図 2 1 Fは、 定 着ベルト 1 1の温度を下げて定着を行った際の、 二ップ部 N 2 cを通過した直 後における記録紙 Pとトナー画像 Tの状態を示すモデル図である。
この場合は、 トナー画像 T上層のトナーは過溶融する温度まで到達すること はなく (図 2 1 D, 図 2 1 E )、 透けてしまう状態になることはなかった。 し かし、 同時に紙繊維下層の温度が低下するために紙繊維下層のトナーが十分に 溶融せず、 コールドオフセットが発生してしまった (図 2 1 F )。
このように、 比較例 3の定着器構成においても、 比較例 1と同様、 二ップ部 内でトナー画像 Tの上層と下層部分での温度差が生じた状態で加圧すること になる。 そのため、 比較例 3の定着器においても、 トナー画像 Tの過溶融によ る記録紙 Pへの浸透による光沢度の低下、 一方でトナーの溶融不足によるコー ルドオフセッ トの発生という課題の狭間で、 十分な光沢度 (ダロス) を有する 定着画像を得ることはできない。
以上説明したように、 本実施例の定着装置 1 1 2は、 意図的に、 弛み部分を 有する定着ベルトユニット U 1 (図 6 B ) と、 加圧ベルトユニット U 2 (図 7 B ) を互いに当接させて、 ベルトの弾性のみによって形成されるプレニップ部 N 1を作っている。 このため本実施例の定着器を用いた定着プロセスは、 下記
(i)から (iii)の特徴を有する図 1 1に示すような加圧力分布、 温度プロファイル を実現することが可能になった。
( i ) トナー画像 Tの温度が十分に上昇するまではほとんど加圧力を付与しな レ、。
( i i ) 加圧力のかかっている加圧二ップ部 N 2領域内に渡って、 トナー画像
Tの温度がフローテスターにおける略流出開始温度 T f b以上に維持されて レヽる。
( i i i ) トナー画像 T上層の温度とトナー画像 T下層の温度の差少ない状態、 即ち、 トナー画像 Tの厚さ方向で均一に近レ、トナ一の溶融状態となったタイミ ングで加圧する。
このような加圧力分布、 温度プロファイル実現することによって、 高速化に 対応可能な幅の広レ、二ップ幅を実現できると同時に、 像ずれなどの異常画像の 発生原因となる圧抜けがなく、 十分な光沢度 (ダロス) を有する定着画像を得 ることができる。
本実施例では、 互いに弛み部を有する定着ベルトユニット U 1 (図 6 B) と 加圧ベルトユニット U 2 (図 7 B) とで構成された定着器構成について説明し たが、 定着器構成はこれに限られない。 即ち、 ベルト 1 1 · 1 2同士の弾十生の みによつて形成されるプレニップ部 N 1力 加圧二ップ部 N 2の記録材搬送方 向上流側に形成されている定着装置であれば、 同様の作用効果を得ることがで さる。
本実施例の定着装置 1 1 2においては、 図 9に示したように、 定着ベルト 1
1と加圧ベルト 1 2は同じ仕様であり、 また、 定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4が共に同じ仕様である場合について説明した。
この定着装置 1 1 2は、 記録材搬送方向上流側から、 定着ベルト 1 1と加圧 ベルト 1 2力 それぞれ定着ローラ 1 3、 加圧ローラ 1 4のバックアップなし で当接することによって形成されたプレニップ部 N 1を有する。 そしてそのプ レニップ部 N 1に引き続き、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2が、 それぞれ定 着ローラ 1 3加圧ローラ 1 4によってバックアップされた状態で当接するこ とによって加圧二ップ部 N 2をプレニップ部 N 1と連続して有するものであ つた。
—方で、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2が例えば図 2 2のような当接状態 になっていたとしても同様の作用効果を得ることができる。 図 2 2は本実施例の定着装置 1 1 2の定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2と の他の当接状態を示した説明図であって、 トータルニップ内での定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の当接状態を示した図である。 図 2 2において、 加圧口 ーラ 1 4として外径を φ 2 8 mm、 ァスカー C硬度 (9 . 8 N荷重時) で 4 0 ° の 3攀性ローラを用いている。 定着ローラ 1 3として外径を φ 3 6 mm、 ァスカ 一 C硬度 (9 . 8 N荷重時) で 4 0 °の弹 1"生ローラを用いている。
この場合、 定着ローラ 1 3の外径が加圧ローラ 1 4の外径よりも大きいこと 力 ら、 定着ローラ 1 3が定着ベルト 1 1の内面に接触してパックアップしてい る長さは、 加圧ローラ 1 4が加圧ベルト 1 2をバックアップしている長さに対 してわず力 こ長くなる。
これによつて、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2がそれぞれ定着ローラ 1 3、 加圧ローラ 1 4のバックアツプなしで当接することによつて形成されるプレ 二ップ部 N 1のあとには、 中間二ップ部 N 2— aが形成される。 その中間ニッ プ部 N 2— aは、 裏面から加圧ローラ 1 4にバックアップされていなレ、加圧べ ノレト 1 2の領域と、 裏面から定着ローラ 1 3にバックアップされている定着べ ルト 1 1の領域と、 が当接することによって形成されている。 裏面から加圧口 ーラ 1 4にバックアップされていない加圧ベルト 1 2の領域はベルトの弛み により形成されているので、 中間-ップ部 N 2— aも第 1のニップ領域に相当 する。
そして、 これに引き続いて裏面から加圧ローラ 1 4にバックアップされてい る加圧ベルト 1 2の領域と、 裏面から定着ローラ 1 3にパックアップされてい る定着ベルト 1 1の領域と、 が当接する本二ップ部 (第 2のニップ領域) N 2 一 bが形成される。 従って、 加圧二ップ部 N 2の領域内には、 加圧部材である 定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4とによるパックアップがある無端ベルト領 域同士、 即ち定着ベルト 1 1及ぴ加圧ベルト 1 4の領域同士によって形成され た部分として、 本二ップ部 N 2— bを有する。 つまり、 プレニップ部 N 1に引 き続いて形成される加圧ニップ N 2として、 中間二ップ部 N 2 _ aと本ニップ 部 N 2 _ bが形成されている状態である。
この場合は記録材搬送方向上流側から、 バックアップのないベルト 1 1 · 1 2同士の当接によつて形成されたプレニップ部 N 1があり、 次にパックアップ がある定着ベルト 1 1とパックアップのない加圧ベルト 1 2の接触で形成さ れた中間ニップ N 2— aがある。 そしてその中間エップ N 2— aに引き続き、 各ローラ 1 3 · 1 4にバックアップされたベルト 1 1 · 1 2同士の接触によつ て形成される加圧二ップ部 N 2— bが中間ニップ N 2— aと連続して形成さ れた状態となる。
図 2 2に示すトータルニップ内での定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2の他 の当接状態は、 図 2 3、 図 2 4、 図 2 5、 図 2 6に示す各定着装置 1 1 2にも 適用してよい。
このような当接状態であっても、 本実施例の定着装置 1 1 2においては、 バ ックアップのないベルト 1 1 · 1 2同士の接触によりプレ-ップ部 N 1を形成 している。 これによつて、 トナー画像 Tを担持した記録紙 Pを十分に予熱し、 トナー画像 T上層の温度とトナー画像 T下層の温度の差が少ない状態とする ことができる。 即ち、 トナー画像 Tの厚さ方向でほぼ均一なトナーの溶融状態 とすることができる。 そしてトナーの溶融状態となった後に、 加圧二ップ部 N 2において加圧することによって、 溶融したトナ一を適度に紙に浸透させて定 着する。 つまり、 プレニップ部 N 1でトナー画像 Tを担持した記録紙 Pを十分 に予熱してトナーを溶融状態とし、 加圧-ップ部 N 2で溶融したトナーを適度 に紙に浸透させて定着することが本質であること力 ら、 図 9に示すものと全く 同様の作用効果を得ることができる。
即ち、 高速化に対応可能な幅の広いエップ幅を実現できると同時に、 像ずれ などの異常画像の発生原因となる圧抜けがなく、 十分な光沢度 (ダロス) を有 する定着画像を実現するという効果に変わりはない。 また、 ここでは、 中間-ップ部 N 2— aが裏面から加圧ローラ 1 4にバック アップされていない加圧ベルト 1 2の領域と、 裏面から定着ローラ 1 3にパッ クアップされている定着ベルト 1 1の領域と、 が当接することによって形成さ れている場合について述べた。
これとは逆に、 裏面から加圧ローラ 1 4にバックアップされている加圧ベル ト 1 2の領域と、 裏面から定着ローラ 1 3にパックアップされていない定着べ ルト 1 1の領域と、 が当接することによって形成されている場合でも、 プレニ ップ部 N 1が形成されていればよい。 このような定着器構成であっても、 本質 的に作用効果は変わりはない。
一方、 図 2 2に示したような当接状態、 つまり、 バックアップのないベルト
1 1 · 1 2同士の当接によって形成されたプレニップ部 N 1があり、 次にバッ クアップがあるベルト 1 1とバックアップのないベルト 1 2の接触で形成さ れた中間二ップ部 N 2 - aがある。 そしてその中間二ップ部 N 2— aに引き続 き、 各ローラ 1 3 · 1 4にバックアップされたベルト 1 1 · 1 2同士の接触に よって形成される本二ップ部 N 2 _ bが中間二ップ部 N 2— aと連続して形 成される例としては、 以下のような場合も挙げられる。
•定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4で外径が異なる場合
•定着ローラ 1 3と加圧ローラ 1 4とで硬度が異なる場合
•定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2とで外径が異なる場合
.定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2とで層構成が異なり、 それぞれの剛性が異 なる場合
'テンションローラ 1 7、 加熱ローラ 1 6の外径、 配置を本実施例から変えた 口
上記、 いずれの場合にも、 バックアップのないベルト 1 1 . 1 2同士の接触 によりプレニップ部 N 1を形成することが本質であることから、 上で説明した ように同様の作用効果を得ることができる。 例えば、 図 6 Aに示した定着ベルト 1 1を張架した状態の定着ベルトュニッ ト U 1と、 図 7 Bに示した加圧ベルト 1 2を弛ませた状態の加圧ベルトュニッ ト U 2と、 を用いた場合にも、 互いのベルト 1 1 · 1 2がオーバーラップする 領域が形成されることになる。 そのため、 ベルト 1 1 · 1 2は弹性によって当 接し、 プレニップ部 N 1が形成される。
つまり、 2つの無端ベルトである定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2のうち、 少なくとも一方のペルトに弛み部を形成し、 その弛み部を他方のベルトに当接 させた 「弛み当接部」 であるプレニップ部 N 1をエップ部としてのトータル二 ップに有している。 そしてそのプレニップ部 N 1をトータル二ップの記録材搬 送方向の最上流側に形成している。
逆に、 図 6 Bに示した定着ベルト 1 1を弛ませた状態の定着ベルトユニット U 1と、 図 7Aに示した加圧ベルト 1 2を張架した状態の加圧ベルトユエット U 2と、 を組み合わせた場合も同様である。 この場合には、 定着ベルト 1 1と 加圧ベルト 1 2のうち、 記録材上のトナー画像担持面に対向する定着ベルト 1 1に弛み部を形成している。
また、 ベルト 1 1 · 1 2同士の当接領域全体に渡ってわずかに湾曲している 場合においても同様の作用効果を得ることができる。
例えば、 図 6 Bに示した定着ベルト 1 1を弛ませた状態の定着ベルトュニッ ト U 1と、 図 2 3に示すような、 加圧ベルト 1 2が共に同じ向きに凹形状にな る状態で弛んでいるベルトユニット U 2と、 を互いに接近するよう付勢して設 置する。 そしてバックアップのないベルト 1 1 · 1 2同士の接触でプレニップ 部 N 1が形成されていれば同様の作用効果を得ることができる。
本実施例の定着装置においては、 加熱源としてハロゲンヒータ 1 5を用い、 そのヒータ 1 5を定着ベルトュニット U 1の加熱ローラ 1 6内に配置し、 定着 ベルト 1 1を加熱するようにしたがヒータ 1 5の配置はこれに限定されない。 例えば、 ヒータ 1 5を定着ローラ 1 3の位置に配置してもよい。 また、 定着べ ルト 1 1を掛け回す複数のローラ (不図示) 内にヒータ 1 5を設けてもなんら 問題ない。
[実施例 2 ]
定着装置の他の例を説明する。
実施例 1の定着装置 1 1 2と同一の部材 .部分には同じ符号を付して再度の 説明を省略する。 実施例 3から実施例 5についても同様とする。
図 2 4は本実施例に係る定着装置の一例の横断面模型図である。
本実施例に示す定着装置 1 1 3は、 実施例 1の定着装置 1 1 2において回転 自在の定着ローラ 1 3に代えて長手方向 (記録材搬送方向に対して直交する方 向) に細長い固定部材 (加圧部材) 2 0を用いた点を除いて、 実施例 1の定着 装置 1 1 2と同じ構成としてある。
実施例 1の定着装置 1 1 2における定着ローラ 1 3は定着ベルト 1 1と接 触して回転するが、 本実施例の定着装置 1 1 2における固定部材 2 0は定着べ ルト 1 1と摺動する構成となっている。 これにより、 本実施例の定着装置 1 1 2においては熱容量を下げることができ、 定着器としての立上がり時間を早く することができた。
このように、 実施例 1の定着装置 1 1 2における定着ローラ 1 3を固定部材 2 0としたとしても、 ベルト同士の弾'!"生のみによって形成されるプレニップ部 N 1が、 加圧二ップ部 N 2の記録材搬送方向上流側に形成されていれば、 同様 の作用効果を得ることができる。
また、 固定部材 2 0を用いるのは、 実施例 1の定着装置 1 1 2の定着ローラ 1 3の相当する部分に限らず、 ベルトを支持する他のローラを固定部材に変更 したとしても何ら問題はなく、 実施例 1の定着装置 1 1 2と同様の作用効果を 得ることができる。
[実施例 3 ]
定着装置の他の例を説明する。 図 2 5は本実施例に係る定着装置の一例の横断面模型図である。
本実施例に示す定着装置 1 1 2は、 実施例 1の定着装置 1 1 2において加熱 ローラ 1 6を廃し、 代わりに定着ローラ 1 3の外周面上に加熱源としてのハロ ゲンヒータ 1 5を内包した加熱ローラ 2 2を当接するように配置したもので あな。
この加熱ローラ 2 2は、 トナー画像 Tを担持した記録材 Pに直接接触する定 着ベルト 1 1の外周面(表面) と接することから、加熱ローラ 2 2の外周面(表 面) に離型層を有する。 そしてその加熱ローラ 2 2は、 定着ベルト 1 1表面と 接している位置において定着ベルト 1 1の内周面を定着ローラ 1 3表面に当 接させる。 これによつて、 定着ベルト 1 1の回転軌跡が規制され、 定着ベルト 1 1の回転が安定する。
このように、 定着ローラ 1 3の外周面上に定着ベルト 1 1を加熱し、 かつ定 着ベルト 1 1の回転軌跡を規制するような加熱ローラ 2 2を配置することに よっても、 実施例 1の定着装置と同様、 ベルト 1 1 · 1 2同士の弾性のみによ つてプレニップ部 N 1が形成できる。 そしてそのプレニップ部が加圧エップ部 の記録材搬送方向上流側に形成されているので、 実施例 1の定着装置 1 1 2と 同様の作用効果を得ることができる。
[実施例 4 ]
定着装置の他の例を説明する。
図 2 6は本実施例に係る定着装置の一例の横断面模型図である。
本実施例に示す定着装置 1 1 2は、 実施例 1の定着装置 1 1 2において、 加 熱手段を誘導加熱方式としたものである。
即ち、 実施例 1の定着装置 1 1 2における加熱ローラ 1 6を、 S U S (ステ ンレス) 製 φ 1 O mmの芯金 1 7 aの外周に厚さ 4 mmのシリコンスポンジゴ ム層からなる弾性層 1 7 bを設けた上テンションローラ 1 7に変更したもの である。 また、 定着ベルト 1 1外周面に沿って、 磁束発生手段としての電磁誘 導加熱部 8 0を配置したものである。 その 2つ点を除いて、 実施例 1の定着装 置 1 1 2と同じ構成としてある。
上テンションローラ 1 7は、 実施例 1の定着装置 1 1 2の加熱ローラ 1 6と 同様、 第 3フレーム 3 5 L · 3 5 Rに回動可能に支持されている。
電磁誘導加熱部 8 0は、 図示していないが、 電気絶縁性の樹脂によって形成 された誘導加熱部筐体及び、 前記誘導加熱部筐体に内蔵された磁性体コア (以 下、 コアと略記する) と誘導加熱コイル (以下、 コイルと略記する) とを備え ている。 コアは、 例えば、 フェライトコアや積層コアから形成されている。 コ ィルは、 例えば、 表面に融着層と絶縁層とを持つ銅線が複数回巻かれて構成さ れている。
この電磁誘導加熱部 8 0は、 例えばリッッ線を横長 ·扁平のシート状渦卷き 状に卷回してなるコイルと、 このコィルを覆わせたコアとを電気絶縁性の樹脂 により形成された誘導加熱部筐体に収納した横長 ·薄板状の部材である。 誘導 加熱部筐体内において、 コアは、 定着ベルト 1 1に対向領域面以外に磁束が漏 れることのないように配置されている。 この電磁誘導加熱部 8 0は、 定着ベル ト 1 1の外周面に対して所定の距離だけ離した状態で近接配置されている。 誘導加熱方式においては、 磁束を発生させる電磁誘導加熱部と、 磁束を吸収 して発熱する被加熱体の距離によって、 発熱量が変動しやすい。 そこで、 この 電磁誘導加熱部 8 0は、 上テンションローラ 1 7を支持する第 3フレーム 3 5 L · 3 5 Rに対して固定することにより上テンションローラ 1 7外周面から電 磁誘導加熱部 8 0の £巨離が変動しないようにする。 これと同時に、 上テンショ ンローラ 1 7に掛け回される定着ベルト 1 1と上テンションローラ 1 7の接 触する部分とが、 電磁誘導加熱部 8 0からの発生磁束で発熱する領域と重なる ように配置した。
本実施例の定着装置 1 1 2は、 定着動作時には不図示の励磁回路からコイル に 1 0 k〜 1 MH zの交番電流を流すことによって金属製の定着ベルト 1 1 の基層 1 1 aを誘導加熱している。 即ち、 コイルに対する通電により、 定着べ ルト 1 1に供給される磁束が発生する。 この磁束は、 電磁誘導加熱部 8 0と定 着ベルト 1 1との対向領域部において、 定着ベルト 1 1の発熱層である基層 1 1 aに吸収され、 その基層 1 1 aに渦状の誘導電流が発生し、 該基層 1 1 aが その固有抵抗により発熱するものである。
本実施形態のように、 加熱手段を誘導加熱方式としても、 ベルト 1 1 · 1 2 同士の弾性のみによって形成されるプレニップ部 N 1力 加圧-ップ部 N 2の 記録材搬送方向上流側に形成されているので、 実施例 1の定着装置 1 1 2と同 様の作用効果を得ることができる。
[その他]
1 ) 定着ベルト 1 1、 加圧ベルト 1 2、 定着ローラ 1 3、 加圧ローラ 1 4、 カロ 熱ローラ 1 5、 テンションローラ 1 7などの各部材に関する層構成、 厚さ、 外 径等は本実施例の限定されるものでなく、 実際に製品化される定着装置に応じ て適宜設定されるものである。
2 ) 定着ベルト 1 1表面への熱供給も、 輻射熱による加熱、 熱風による加熱、 ベルト基層が金属である場合には、 誘導加熱による加熱であっても良い。
3 ) 定着ローラ 1 3、 加圧ローラ 1 4の構成についても、 実際に製品化される 定着装置のスペックの要求に応じて、 外径、 芯金径、 弾性層の材質、 厚さ等を 適宜変更することにより、 加圧二ップ部 N 1幅を変更することが可能であるこ とはいうまでもない。
[実施例 5 ]
次に、 記録材の種類に拘わらず良好な像加熱を行える像加熱装置の実施例を 説明する。
以下の説明において、 定着装置又はその定着装置を構成している部材に関し、 長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。 短手 方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。 幅とは短手 方向の寸法である。
図 2 8は定着装置 1 1 2の一例の横断面模型図である。 図 2 9は定着装置 1 1 2の図 2 8に示す 2 9 - 2 9線矢視断面図である。 図 3 0は定着装置 1 1 2 の図 2 8に示す 3 0— 3 0線矢視断面図である。
本実施例に示す定着装置 1 1 2は、 無端ベルトとしての定着ベルト 1 1及ぴ 加圧ベルト 1 2と、 加圧部材としての定着ローラ 1 3及び加圧ローラ 1 4と、 支持部材としての加熱ローラ 1 6及ぴテンションローラ 1 7と、 を有する。 ま た、 定着装置 1 1 2は、 加熱手段としてのハロゲンヒータ 1 5と、 温度検知手 段としてのサーミスタ等の温度検知素子 1 8と、 支持部材としての第 1フレー ム 2 1い 2 1 R及び第 2フレーム 2 2 L · 2 2 Rと、 を有する。 そして、 定 着ベルト 1 1と、 定着ローラ 1 3と、 加熱ローラ 1 6と、 ヒータ 1 5と、 温度 検知素子 1 8と、 第 1フレーム 2 1 L · 2 1 と、 によって定着ベルトュニッ ト U 1を構成している。 そして、 加圧ベルト 1 2と、 加圧ローラ 1 4と、 テン ションローラ 1 7と、 第 2フレーム 2 2 L · 2 2 Rと、 によって加圧ベルトュ ニット U 2を構成している。
本実施例の定着装置 1 1 2は、 定着ベルトュニット U 1において、 定着装置 1 1 2の長手方向に沿って配置した定着ベルト 1 1の内側に定着ローラ 1 3 と加熱ローラ 1 6を設け、 その定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とにより定着 ベルト 1 1を支持する構成とした。 また、 加圧ベルトユニット U 2において、 定着装置 1 1 2の長手方向に沿って配置した加圧ベルト 1 2の内側に加圧口 ーラ 1 4とテンションローラ 1 7を設け、 その加圧ローラ 1 4とテンションロ ーラ 1 7とにより加圧ベルト 1 2を支持する構成とした。
図 3 1 A及び 3 1 Bを参照して、 定着ベルト 1 1及ぴ加圧ベルト 1 2の層構 成を説明する。
図 3 1 Aは定着ベルト 1 1の層構成の一例を表わす断面図である。 図 3 1 B は加圧ベルト 1 2の層構成の一例を表わす断面図である。 定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 12は、 それぞれ、 内側にェンドレスの基層 1 1 a · 12 aを有し、 その基層 1 1 a · 1 2 aの外周に弾性層 1 1 b · 12 を有し、 その弾性層 1 1 b · 12 bの外周に離型層 1 1 c · 12 cを有する (図 31A及び 31B)。 基層 1 1 a · 12 aは、 ニッケル、 S US等の金属製 の電錶ベルト或いはポリイミ ドなどの耐熱性樹脂からなるエンドレスのベル トである。 基層 1 1 a · 12 aの厚さは、 金属製の電铸ベルトの場合には厚さ が 50から 1 50マイクロメータ程度、 耐熱樹脂の場合には 50から 300マ ィクロメータ程度として、 ベルト自体が適度な剛性と可撓性を有することが好 ましい。 弾性層 l l b ' 12 bは、 基層 l l a ' 12 a上に形成された厚さ 5 0から 300マイクロメータ程度のシリコンゴム層である。 また、 離型層 1 1 c · 12 cは、 弾性層 1 1 b · 12 b上に形成された厚さ 10から 50マイク 口メータ程度の PFA、 PTFEなどのフッ素系榭脂層であり、 チューブの被 覆或いはコーティング等によって弾性層 1 1 b · 12 b上に形成されている。 本実施例では、 定着ベルト 1 1及ぴ加圧ベルト 12として、 次の構成のもの を用いている。 即ち、 厚さ 75μηιのニッケル層からなるエンドレスベルトを 基層 1 1 a · 12 aとし、 その基層 1 1 a · 12 aの外周に弾性層 1 1 b · 1 2 bとして厚さ 30 Ομπιのシリコンゴム層を形成している。 さらにその弾十生 層 1 1 b · 1 2 bに離型層 1 l b · 12 bとして 5 Ομιηの PFAチューブを 被覆している。 また外径は、 定着ベルト 1 1、 加圧ベルト 12共に φ 6 Omm としている。
定着ローラ 1 3及び加圧ローラ 14は、 それぞれ、 φ 20の S US製の芯金 13 a · 14 aの外周に、 厚さ 5 mmのシリコンスポンジゴム層からなる弾个生 層 13 b · 14 bを設けた外径 φ 3 Ommの弓攀 "生ローラである。 このときのァ スカー C硬度は 9. 8N (1 k g f ) 加重時で、約 50°である。 定着ローラ 1 3の外径は定着ベルト 1 1の内径よりも小さレ、。 従って、 定着ローラ 1 3には 定着ベルト 1 1が緩く外嵌されている。 また、 加圧ローラ 14の外径は加圧べ ルト 1 2の内径よりも小さい。 従って、 加圧ローラ 1 4には加圧ベルト 1 2が 緩く外嵌されている。 定着ローラ 1 3及ぴ加圧ローラ 1 4の弾性層 1 3 b · 1 4 bの長手方向の寸法は、 定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の長手方向の寸 法よりも僅かに大きい寸法に設定される (図 2 9 )。 或いは、 定着ローラ 1 3 及び加圧ローラ 1 4の弾性層 1 3 b . 1 4 bの長手方向の寸法は、 定着ベルト 1 1及ぴ加圧ベルト 1 2の長手方向の寸法と略同一に設定される。
上記の定着ローラ 1 3は、 芯金 1 3 aの両端部が軸受 3 2 L · 3 2 Rを介し て第 1フレーム 3 1 L · 3 1 Rに回転自在に支持される (図 2 9 )。 加圧ロー ラ 1 4は、 定着ローラ 1 3の下方において定着ローラ 1 3と並列に酉 S置され、 芯金 1 3 aの両端部が軸受 3 4 L · 3 4 Rを介して第 2フレーム 3 3 L · 3 3 Rに回転自在に支持される。
図 3 2 A及び 3 2 Bは定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6と定着ペルト 1 1の 関係を表わす説明図である。 図 3 2 Aは定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とに 定着ベルト 1 1をその定着ベルト 1 1の最短経路長さで掛け回した状態を表 わす図である。 図 3 2 Bは定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とに定着ベルト 1 1をその定着ベルト 1 1の最短経路長さよりも余裕を持たせて掛け回した状 態を表わす図である。
加熱ローラ 1 6は、 厚さ l mm、 外径 φ 1 8 mmのアルミニウム製の中空円 筒体である。 この加熱ローラ 1 6は、 定着ローラ 1 3に掛け回した定着ベルト 1 1を定着ローラ 1 3から記録材搬送方向上流側の斜め上方へ張り出すよう な位置に設けられる。 つまり、 加熱ローラ 1 6は、 定着ローラ 1 3と加熱ロー ラ 1 6とに定着ベルト 1 1を掛け回したときの定着ベルト 1 1の最短経路長 さよりも定着ベルト 1 1の周長さの方が余裕を持って長くなるような位置に、 意図的に配置される。 即ち、 定着ベルト 1 1は、 図 3 2 Aのように定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とにテンションを張った状態に掛け回されるのではな く、 図 3 2 Bのように定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6とに弛ませた状態に緩 く掛け回される。 従って、 定着ベルト 1 1には、 その定着ベルト 1 1の周方向 において定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6との間に弛み部 1 1 dが形成され る。 そしてその位置において、 加熱ローラ 1 6は、 定着ローラ 1 3の回転中心 と加熱ローラ 1 6の回転中心とを結ぶ仮想直線 L 1に沿って変位するように 第 1フレーム 3 1 L · 3 1 Rに支持されている。 即ち、 加熱ローラ 1 6の両端 部には、 加熱ローラ 1 6を回転自在に支持する軸受 3 5 L · 3 5 R (図 3 0 ) が設けてある。 そして仮想直線 L 1に沿って定着ローラ 1 3に対し接近又は離 隔するように第 1フレーム 3 1 L · 3 1 Rに移動自在に設けられた移動部材と してのスライダ S L 1 · S R 1に加熱ローラ 1 6の両端部を軸受 3 5 L · 3 5 Rを介して支持させている。
加熱ローラ 1 6の内部に設けられたハロゲンヒータ 1 5は、 その両端部がス ライダ S L 1 . S R 1に設けられたヒータ支持部 3 1 L 1 · 3 1 R 1により支 持されている。 加熱ローラ 1 6の内面は黒色に塗装がなされ、 ハロゲンヒータ 1 5の輻射熱を吸収しやすくなつている。
上記の加熱ローラ 1 6は、 加熱ローラ 1 6の外周面 (表面) の一部を定着べ ルト 1 1の内周面 (内面) と接触させ、 その接触領域からハロゲンヒータ 1 5 による熱を定着ベルト 1 1に伝達して、 定着ベルト 1 1を加熱する構成である。 つまり、 定着ベルト 1 1は加熱ローラ 1 6を通じてハロゲンヒータ 1 5により 加熱される。 また、 定着ベルト 1 1内面と接触する加熱ローラ 1 6表面の接触 領域により定着ベルト 1 1の回転による長手方向への走行位置の変化 (定着べ ルト 1 1の片寄り) を規制している。
図 3 3A及び 3 3 Bは加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7と加圧ベルト 1 2の関係を表わす説明図である。 図 3 3 Aは加圧ローラ 1 4とテンション口 ーラ 1 7とに加圧ベルト 1 2をその加圧ベルト 1 2の最短経路長さで掛け回 した状態を表わす図である。 図 3 3 Bは加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7とに加圧ベルト 1 2をその加圧ベルト 1 2の最短経路長さよりも余裕を持 たせて掛け回した状態を表わす図である。
テンションローラ 1 7は、 外径 φ 1 8 mmのローラであって、 3 3製 1 4 mmの芯金 1 7 aの外周に厚さ 2 mmのシリコンスポンジゴム層からなる 弾性層 1 7 bを設けた構成である。 弾性層 1 7 bの長手方向の寸法は、 定着口 ーラ 1 3及び加圧ローラ 1 4の弾性層 1 3 b · 1 4 bの長手方向の寸法と等し レ、。 このテンションローラ 1 7は、 加圧ローラ 1 4に掛け回した加圧ベルト 1 2を加圧ローラ 1 4から記録材搬送方向上流側の斜め下方へ張り出すような 位置に設けられる。 つまり、 テンションローラ 1 7は、 加圧ローラ 1 4とテン シヨンローラ 1 7とに加圧ベルト 1 2を掛け回したときの加圧ベルト 1 2の 最短経路長さよりも加圧ベルト 1 2の周長さの方が余裕を持って長くなるよ うな位置に、 意図的に配置される。 即ち、 加圧ベルト 1 2は、 図 3 3 Aのよう に加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7とにテンションを張った状態に掛 け回されるのではなく、 図 3 3 Bのように加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7とに弛ませた状態に緩く掛け回される。 従って、 加圧ベルト 1 2には、 そ の加圧ベルト 1 2の周方向において加圧ローラ 1 4とテンションローラ 1 7 との間に弛み部 1 2 dが形成される。 そしてその位置において、 テンション口 ーラ 1 7は、 加圧ローラ 1 4の回転中心とテンションローラ 1 7の回転中心と を結ぶ仮想直線 L 2に沿って変位するように第 2フレーム 3 3 L · 3 3 Rに支 持されている。 即ち、 テンションローラ 1 7の両端部には、 テンションローラ 1 7を回転自在に支持する軸受 3 6 L · 3 6 R (図 3 0 ) が設けてある。 そし て仮想直線 L 2に沿って加圧ローラ 1 4に対し接近又は離隔するように第 2 フレーム 3 3 L · 3 3 Rに移動自在に設けられた移動部材としてのスライダ S L 2 · S R 2にテンションローラ 1 7の両端部を軸受 3 6 L · 3 6 Rを介して 支持させている。
上記のテンションローラ 1 7は、 加圧ベルト 1 2の内周面 (内面) と接触す る弾性層 1 7 bの外周面 (テンションローラ 1 7の表面) の接触領域により加 圧ベルト 1 2の回転による長手方向への走行位置の変化 (加圧ベルト 12の片 寄り) を規制している。
次に、 定着ベルトュニット U 1の定着ベルト 1 1と加圧ベルトュニット U2 の加圧ベルト 12とによって形成されるニップ部について説明する。
定着ベルトユニット U1と加圧ベルトユニット U 2において、 定着ローラ 1
3の芯金 1 3 aの両端部、 及ぴ加圧ローラ 14の芯金 14 aの両端部には、 そ れぞれ、 加圧手段としての加圧パネ 41 L · 41 R, 42 L · 42 Rが配設さ れる (図 29)。 そしてその加圧バネ 41 L · 41 R, 42 L · 42Rにより 定着ローラ 1 3と加圧ローラ 14は互いに接近する方向に付勢される。 その定 着ローラ 1 3と加圧ローラ 14は、 それぞれの弾性層 13 b * 14 bにより定 着ベルト 13と加圧ベルト 14が挟まれて加圧されることにより、 定着ベルト 13の外周面 (表面) と加圧ベルト 14の外周面 (表面) とが接触する。 その 定着べノレト 1 3表面と加圧ベルト 14表面とによりニップ部としての加圧二 ップ部 N 2が形成される (図 28)。 本実施例においては、 加圧パネ 41 L · 41 R, 42 L · 42 Rによる定着ローラ 13と加圧ローラ 14への加圧力の 総圧を 196N (20 k g f ) とし、 これにより加圧-ップ部 N 2の幅を 5 m mとしている。つまり、加圧部材としての定着ローラ 13と加圧ローラ 14は、 2つの無端ベルトである定着ベルト 1 3と加圧ベルト 14の外周面同士を接 触させて加圧二ップ部 N 2を形成するように定着ベルト 1 3と加圧ベルト 1 4を支持している。
図 34は、 加圧二ップ部 N 2の形成に伴い定着ベルト 1 1と加圧ベルト 12 のそれぞれの弛み部 1 1 d · 12 dによって形成される第 1のエップ領域とし てのプレニップ部 N 1の説明図である。
上述のように、 定着ベルト 11と加圧ベルト 12は、 それぞれ、 弛み部 1 1 d · 12 dを有する。 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 12とにより加圧二ップ部 N 2が形成されると、 その加圧二ップ部 N 2の記録材搬送方向上端から定着べ ルト 1 1と加圧ベルト 1 2のそれぞれの弛み部 1 1 d · 1 2 dに所定の範囲で 重なり合う領域 (図 3 4の点線部分) が生じる。 それぞれの弛み部 1 1 d · 1 2 dは、 その重なり合う領域で定着ベルト 1 1表面と加圧ベルト 1 2表面が直 線状に接触する。 これにより、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2は周方向に平 衡を保つように適度に変形する。 これによつて、 その重なり合う領域にプレニ ップ部 N 1が形成される (図 2 8 )。 従って、 このプレニップ部 N 1内におけ る二ップ圧は、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2が図 1に示す接触状態から図 3 2 B及び 3 3 Bに示す非接触状態に戻ろうとする、 定着ベルト 1 1及び加圧 ベルト 1 2の弾性の力によるものである。 つまり、 プレニップ部 N 1内におけ る二ップ圧は、 定着ベルト 1 1及ぴ加圧ベルト 1 2のそれぞれの基層 1 1 a · 1 2 aの有する剛性及び可撓性に依存して非接触状態に戻ろうとするベルト 1 1 , 1 2自身の復元力によるものである。 こうして形成されたプレニップ部 N 1の幅は、 およそ 1 5 mmである。 プレニップ部 N 1は直線状である必要は なく、 弧状に湾曲していてもよい。
プレニップ部 N 1及び加圧二ップ部 N 2内における圧力分布について、 ニッ タ (株) 製の圧力分布測定システム P I N C Hを用いて測定を行った。 図 3 5 にプレニップ部 N 1及び加圧二ップ部 N 2内における圧力分布の様子を示す。 図 3 5に示すように、 加圧エップ部 N 2においては、 定着ローラ 1 3と加圧 ローラ 1 4とにより定着ベルト 1 1表面と加圧ベルト 1 2表面とが加圧状態 に接触されるために、 その定着ベルト 1 1表面と加圧ベルト 1 2表面との接触 位置で加圧力はピークとなる。 これに対して、 プレニップ部 N 1においては、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2との弾性力 (復元力) のみで定着ベルト 1 1 表面と加圧ベルト 1 2表面とが接触しているために、 加圧-ップ部 N 2の加圧 力に比べて非常に低い。 また、 プレニップ部 N 1においては、 剛性を有するェ ンドレスベルトを基層 1 1 a · 1 2 aとして備える定着ベルト 1 1と加圧ベル ト 1 2同士の接触となっていることから、 均一な圧力分布となっている。 定着装置の加熱定着動作
加圧ローラ 1 4の芯金 1 4 aの端部に設けられた駆動ギア (図 2 9 ) が定着 モータ Mにより回転駆動されることによって加圧ローラ 1 4は所定の周速度 にて矢印方向に回転される (図 2 8 )。 加圧ローラ 1 4が回転すると、 加圧二 ップ部 N 2においてその加圧ローラ 1 4の回転が加圧ベルト 1 2に伝達され、 加圧ベルト 1 2は加圧ローラ 1 4の回転に伴い加圧ローラ 1 4とテンション ローラ 1 7の周囲を矢印方向に周回移動する。 その加圧ベルト 1 2の回転がテ ンションローラ 1 7に伝達され、 テンションローラ 1 7は加圧ベルト 1 2の回 転に伴い矢印方向に従動回転する。 また、 加圧-ップ部 N 2においてその加圧 ベルト 1 2の回転が定着ベルト 1 1表面に伝達され、 定着ベルト 1 1は加圧べ ルト 1 2の回転に伴い定着ローラ 1 3と加熱ローラ 1 6の周囲を加圧ベルト 1 2と等速度で矢印方向に周回移動する。 その定着ベルト 1 1の回転が加熱口 ーラ 1 6に伝達され、 加熱ローラ 1 6は定着ベルト 1 1の回転に伴い矢印方向 に従動回転する。 本実施例では、 加圧ベルト 1 2及び定着ベルト 1 1の周回移 動速度 (走行速度) は 2 0 0 mmZ sである。
本実施例のように定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2を意図的に弛ませた状 態(図 3 2 B、図 3 3 B)においても、その定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2は、 それぞれ、 基層 1 1 a · 1 2 aが剛个生及び可撓性を有することから、 その弛ま せた状態を維持しながら回転する。 そのため、 本実施例に示す定着ベルト 1 1 と加圧ベルト 1 2は、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2がテンションを張った 状態 (図 3 2A、 図 3 3 A) で回転する場合に比べ、/ルト自体に波打ちが発生 しにくくなる。 従って、 定着ベルト 1 1表面を記録材 Pの未定着トナー画像 T の担持面に均一に接触させることができるという利点がある。 よって、 記録材 P上の未定着トナー画像 Tに画像乱れなどが起きにくい。
ヒータ 1 5には、 加圧ローラ 1 4の回転駆動と前後して、 或いはこれと同時 に、 通電制御手段としての通電制御部 4 1 (図 3 0 ) により通電を行う。 これ によりヒータ 15が発熱し、 そのヒータ 1 5によって回転動作中の加熱ローラ 16を加熱し、 その加熱ローラ 16によって回転動作中の定着ベルト 11を加 熱する。 その定着ベルト 1 1の熱は加圧二ップ部 N 2及びプレニップ部 N 1を 通じて回転動作中の加圧ベルト 1 2に伝わり、 加圧ベルト 1 2が加熱される。 加熱ローラ 16の温度は温度検知素子 18 (図 28) により検知され、 その温 度検知素子 1 8からの出力信号 S 1に基づいて通電制御部 41がヒータ 1 5 に通電する電力を制御して、 ヒータ 15の温度制御を行う。 即ち、 通電制御部 41は、 プレエップ部 N 1において未定着トナー画像 Tを流出開始温度 T f b (図 36 A) 以上の温度に加熱する所定の設定温度 (目標温度) を維持するよ うに温度検知素子 18からの出力信号 S 1に基づいてヒータ 1 5への通電を 制御する。
上記の定着ローラ 13、 加圧ローラ 14及びテンションローラ 17において、 弾性層 13 b - 14 b - 17 bは断熱性を有するシリコンスポンジゴム層で形 成されている。 そのため、 記録材 Pに未定着トナー画像 Tを加熱定着するため の定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の加熱に必要な上記部材 13 · 14 · 1 7の熱容量を小さくすることができる。 従って、 本実施例の定着装置 1 12を 搭載する画像形成装置 Aは、 プリンタ指令の入力後、 1枚目の画像を出力する までの時間 (FPOT : F i r s t P r i n tou t T ime) を短くで きる。 つまり、 ウォームアップ時間を短くすることができる。 また、 本実施例 の定着装置 1 12は、 プリンタ指令を待つ待機中の消費電力を少なくすること ができる。
上記のように加圧ベルト 1 2及び定着ベルト 1 1の回転とヒータ 1 5への 通電を行わせた状態において、 未定着トナー画像を担持する記録材 Pがプレニ ップ部 N 1にトナー画像担持面を上向きにして導入される。 その記録材 Pは、 プレニップ部 N 1において、 定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2とにより、 定着 ベルト 1 1と加圧ベルト 12の弾性 (復元力) によって弱く均一に挟持されそ の状態に搬送される。 同時に、 予熱されている定着ベルト 1 1及ぴ加圧ベルト 1 2によって、 記録材 Pは定着ベルト 1 1側のトナー画像担持面と加圧ベルト 1 2側のトナー画像非担持面の両面から予熱される。 このように記録材 Pは定 着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の弾性により定着ベルト 1 1表面と加圧べ ノレト 1 2表面とによって挟持されることから、 記録材 P面は全域に渡って均一 に弱くカロ圧され、 且つ均一に予熱される。
記録材 Pに担持された未定着トナー画像 Tは、 プレニップ部 N 1において流 出開始温度 T f b以上に十分に加熱され、 弓 Iき続き加圧エップ部 N 2で定着べ ルト 1 1表面と加圧ベルト 1 2表面とにより挟持搬送されながら加圧される。 加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7の変位制御
本実施例の定着装置 1 1 2は、 記録材 Pとして厚みの異なる薄紙、 普通紙、 厚紙などの各種の記録紙が用いられた場合に、 その記録紙の種類に応じてプレ 二ップ部 N 1の記録材搬送方向における二ップ幅を変更できる。 つまり、 第 1 のニップ領域の記録材搬送方向の長さを変位させる機構を有する。 以下に、 プ レニップ部 N 1幅を変更する加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7の変位 制御について説明する。
加熱ローラ 1 6を支持するスライダ S L 1 · S R 1には駆動手段としての所 定の駆動機構 M lが、 テンションローラ 1 7を支持するスライダ S L 2 · S R
2には駆動手段としての所定の駆動機構 M 2が、 それぞれ、 結合されている。 駆動機構 M l · Μ 2は、 それぞれ、 画像形成装置 Α全体の制御を行う制御手段 としての M P U (マイクロプロセッサュ-ット) によって駆動制御される。
MP Uは、 画像形成装置 Aの有するオペレーションパネルや、 パーソナルコ ンピュータから出力されるプリント信号に基づいて画像形成を行う際、 そのプ リ,ント信号に応じた記録材 Pの指定信号に基づいてその指定された記録材 P の坪量を求める。 つまり、 記録材 Pの指定信号に基づいてその指定された記録 材 Pの種類と対応する記録材 Pの坪量を所定のテーブル等を用いて求める。 そ して MP Uは、 その坪量に基づいてその指定された記録材 Pに画像形成を行う ためのモードを実行する。 例えば、 記録材 Pとして普通紙が指定された場合に は、 普通紙の指定信号に基づいて普通紙の坪量を求め、 その坪量に基づき普通 紙に画像形成を行うための普通紙モードを実行する。 記録材 Pとして厚紙が指 定された場合には、 厚紙の指定信号に基づいて厚紙の坪量を求め、 その坪量に 基づき厚紙に画像形成を行うための厚紙モードを実行する。 記録材 Pとして薄 紙が指定された場合には、 薄紙の指定信号に基づいて薄紙の坪量を求め、 その 坪量に基づき薄紙に画像形成を行うための薄紙モードを実行する。 普通紙モー ドでは、 坪量 7 0〜1 5 0 g Zm 2の記録材 Pに画像形成がなされる。 厚紙モ 一ドでは、 記録材 Pとして坪量 1 5 0 g Zm 2よりも大きい記録材 Pに画像形 成がなされる。 薄紙モードでは、 記録材 Pとして坪量 7 0 g /m 2よりも小さ い記録材 Pに画像形成がなされる。 普通紙モード、 厚紙モード及び薄紙モード の実行する際に、 M P Uは、 その各モードに応じて、 駆動機構 M l · Μ 2を駆 動しスライダ S L 1 . S R 1 , S L 2 · S R 2を仮想直線 L 1 · L 2に沿って 所定の方向へ所定量移動させる制御を行う。 そのスライダ S L 1 · S R 1, S L 2 · S R 2の移動に応じて加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7が仮想直 線 L 1 · L 2に沿って所定の方向へ所定量変位する。
このように、 加熱口一ラ 1 6及ぴテンションローラ 1 7を仮想直線 L 1 · L 2に沿って変位することにより、 定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2にかける 張力を変更することができる。 従って、 記録材 Ρの種類に応じて定着ベルト 1 1及び加圧ベルト 1 2の弛み部 1 1 d · 1 2 dの弛み具合が調節され、 これに よつて加圧二ップ部 N 2の加圧力を変えることなく、 プレエップ部 N 1の記録 材搬送方向におけるニップ幅のみが変更される。
図 3 7 Aは普通紙モードのときの定着装置 1 1 2におけるプレニップ部 N 1幅を表わす説明図である。 図 3 7 Bは厚紙モードのときの定着装置 1 1 2に おけるプレニップ部 N 1幅を表わす説明図である。 図 3 7 Cは薄紙モードのと きの定着装置 1 12におけるプレニップ部 N 1幅を表わす説明図である。 また、 本実施例の定着装置 1 1 2は、 例えば比較的使用頻度の高い普通紙モードのと きの加熱ローラ 16とテンションローラ 17の位置をホームポジション (図 2 8) に設定している。 そしてその位置から加熱ローラ 16とテンションローラ 1 7を厚紙モード、 薄紙モードに応じて変位させている。 普通紙モードのとき のプレエップ部 N 1幅は約 1 5 mmである。 厚紙モードのときは、 加熱ローラ 16とテンションローラ 17を仮想直線 L 1 · L 2に沿ってスライダ S L 1 · SR1, SL2 · SR 2により定着ローラ 11と加圧ローラ 14に近づく方向 に変位させてプレ-ップ部 N 1幅を約 2 Ommに設定する。 薄紙モードのとき は、 加熱ローラ 16とテンションローラ 1 7を仮想直線 L 1 · L 2に沿ってス ライダ SL l ' SR l, S L 2 · SR 2により定着ローラ 1 1と加圧ローラ 1 4から離れる方向に変位させてプレニップ部 N 1幅を約 5 mmに設定する。 加 圧ニップ部 N 2の記録材搬送方向における-ップ幅は約 5 m mである。 この- ップ幅は、 普通紙モード、 厚紙モード及び薄紙モードの各モードにおいて共通 である。
図 36 Aは普通紙モード時における上記の加熱定着過程におけるプレニッ プ部 N 1と加圧二ップ部 N 2中での記録材 P上の温度変化を示した図である。 図 36 Bは厚紙モ一ド時における上記の加熱定着過程におけるプレニップ部 N 1と加圧二ップ部 N 2中での記録材 P上の温度変化と加圧力の分布を示し た図である。 図 36 Cは薄紙モード時における上記の加熱定着過程におけるプ レニップ部 N 1と加圧二ップ部 N 2中での記録材 P上の温度変化と加圧力の 分布を示した図である。 これらの図中には、 図 35に示したような加圧力の分 布を、 二ップの各地点における位置を横軸方向で合わせた上で、 温度プロファ ィルと重ねて示している。
図 36A、 36B及び 36Cの Τ ί bは、 フローテスターにおけるトナーの 流出開始温度である。 フローテスタ一 C FT— 500D (島津製作所製) を使 用し、 ダイ穴径: 1 [mm:]、 荷重値: 3969N (405 [k g f ])、 畀温 速度 4 [°C/m i n.] の条件下で、 トナーペレッ トを加熱して溶融流出させ た。 そのときトナーがダイの穴から流出を開始した時点の温度を 「流出開始温 度 T f b」 とした。
図 36A、 36B及ぴ 36 Cの記録材 P上の温度測定は次のようにして行つ た。
温度検知部の熱容量が小さい熱電対 (例えば、 安立計器 (株) 製 K型熱電対 泉径 50μπι) を記録材上に貼り付け、 その記録材を上記温度制御した定着装 置 112のプレニップ部 N1と加圧-ップ部 Ν 2で挟持搬送させた。 そして熱 電対から電位差信号を日置電機 (株) 製メモリハイコーダ一 (8842) にて 測定した。 その結果、 図 36Α、 36Β及ぴ 36Cに示されるように、 記録材 上の温度は、 加圧-ップ部 Ν 2に入る前にフローテスターにおけるトナーの流 出開始温度以上に上昇していることが分かる。
記録材 Ρが上記のプレニップ部 Ν 1'と加圧-ップ部 Ν 2とを通過すること により未定着トナ一画像 Τは、 十分な定着性、 光沢 (ダロス) を有する定着画 像として記録材 Ρ面に加熱定着される。 つまり、 プレニップ部 Ν 1で未定着ト ナー画像 Τが十分に溶融する時間を確保してから加圧-ップ部 Ν 2で未定着 トナー画像 Τを記録材 Ρに加圧定着する温度分布と圧力分布をプレニップ部 N1と加圧二ップ部 Ν 2とにより得ることができる。 これにより、 未定着トナ —画像 Τの定着不良、 ブリスター、 オフセット等の発生を大幅に低減できる。 そしてその記録材 Ρは加圧二ップ部 Ν 2から排出される。
厚紙モードでは、 図 36 Βに示されるように、 厚紙上の温度は普通紙と比べ て緩やかに上昇するが、 プレニップ部 N1での紙の加熱距離を長くし、 トナー 画像 Τを加熱する時間を長くすることで、 普通紙と同じ目標とする適度なトナ —画像の光沢を得ることができる。 一方、 薄紙モードでは、 図 36Cに示され るように、 薄紙上の温度は普通紙比べて急激に上昇する。 し力 し、 プレニップ 部 N lでの紙の加熱距離を短くし、 トナー画像 Tを加熱する時間を短くするこ とにより、 トナー画像 Tが過度に溶融せず、 普通紙と同じ目標とする適度なト ナー画像の光沢を得ることができる。 従って、 記録材 Pの種類が変化しても、 記録材 Pの搬送速度や、 未定着トナー画像 Tを加熱する所定の設定温度を変更 する必要がなく、 加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7を変位させプレニッ プ部 N 1幅を変更する。 これにより、 記録材 Pが担持するトナー画像 Tを目標 とする最適な光沢度に維持することができる。
以上説明したように、 本実施例の定着装置 1 1 2によれば、 次のような作用 効果を得ることができる。 即ち、 記録材 Pの種類に応じて加熱ローラ 1 6とテ ンシヨンローラ 1 7を仮想直線 L 1 · L 2に沿つて変位することにより、 加圧 ェップ部 N 2の加圧力を変えることなく、 プレニップ部 N 1の記録材搬送方向 におけるニップ幅のみを変更できる。 これによつて、 記録材 Pが担持するトナ 一画像 Tを目標とする最適な光沢度に維持することができる。
[実施例 6 ]
定着装置の他の例を説明する。
本実施例では、 実施例 5の定着装置 1 1 2と共通する部材'部分には同じ符 号を付して再度の説明を省略する。
図 3 8は本実施例に係る定着装置 1 1 2の一例の横断面模型図である。
本実施例に示す定着装置 1 1 2は、 加熱ローラ 1 7とテンションローラ 1 7 を仮想直線 L 1 · L 2と直交 (交差) する方向に沿って変位させるように構成 した点を除いて、実施例 1の定着装置 1 1 2と同じ構成としてある。そのため、 仮想直線 L 1 · L 2と直交 (交差) する方向に沿って第 1フレーム 3 1 L · 3 1 R (不図示) に移動自在に設けられたスライダ S L 1 · S R 1に、 加熱ロー ラ 1 6両端部の軸受 3 5 L · 3 5 R (不図示) を支持させている。 また、 仮想 直線 L I * L 2と直交 (交差) する方向に沿って第 2フレーム 3 3 L · 3 3 R (不図示) に移動自在に設けられたスライダ S L 2 · S R 2に、 テンション口 ーラ 1 7両端部の軸受 3 6 L · 3 6 R (不図示) を支持させている。
図 3 9 Aは普通紙モードのときの定着装置 1 1 2におけるプレニップ部 N 1幅を表わす説明図である。 図 3 9 Bは厚紙モードのときの定着装置 1 1 2に おけるプレニップ部 N 1幅を表わす説明図である。 図 3 9 Cは薄紙モードのと きの定着装置 1 1 2におけるプレニップ部 N 1幅を表わす説明図である。
本実施例の定着装置 1 1 2は、 例えば比較的使用頻度の高い普通紙モードの ときの加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7の位置をホームポジション (図 3 8 ) に設定している。 そしてその位置から加熱ローラ 1 6とテンションロー ラ 1 7を厚紙モード、 薄紙モードに応じて変位させている。 普通紙モードのと きのプレニップ部 N 1幅は約 1 5 mmである。 厚紙モードのときは、 加熱ロー ラ 1 6とテンションローラ 1 7を仮想直線 L 1 · L 2と直交する方向に沿って スライダ S L 1 · S R 1 , S L 2 . S R 2により互いに近づく方向に変位させ てプレニップ部 N 1幅を約 2 0 mmに設定する。 薄紙モードのときは、 加熱口 ーラ 1 6とテンションローラ 1 7を仮想、直,锒 L 1 · L 2と直交する方向に沿つ てスライダ S L 1 · S R 1, S L 2 · S R 2により互いに離れる方向に変位さ せてプレニップ部 N 1幅を約 5 mmに設定する。 加圧二ップ部 N 2の記録材搬 送方向におけるエップ幅は約 5 mmである。 このエップ幅は、 普通紙モード、 厚紙モード及び薄紙モードの各モードにおいて共通である。
本実施例の定着装置 1 1 2は、 記録材 Pの種類に応じて加熱ローラ 1 6とテ ンシヨンローラ 1 7を仮想直線 L 1 · L 2と直交する方向に沿って変位する。 これによつて、 加圧二ップ部 N 2の加圧力を変えることなく、 プレニップ部 N 1の記録材搬送方向におけるニップ幅のみを変更できる。
また、 本実施例の定着装置 1 1 2は、 記録材 Pの搬送速度や、 未定着トナー 画像 Tを加熱する所定の設定温度を変更する必要がなく、 加熱ローラ 1 6とテ ンシヨンローラ 1 7を変位させるだけでプレニップ部 N 1幅を変更できる。 そ のため、 記録材 Pの種類が変化しても、 目標とする最適なトナー画像の光沢を 得ることができる。
従って、 本実施例の定着装置 1 12においても、 実施例 1の定着装置 1 12 と同じ作用効果を得ることができる。
[実験例]
実施例 5及び実施例 6の各定着装置 1 1 2によつて記録材 Pに加熱定着さ れたトナー画像の光沢等を確認するために、 その各定着装置 1 12と比較例の 定着装置とを用いて次のような実験を行った。
比較例の定着装置は、 実施例 5の定着装置 1 12において、 加熱ローラ 16 及ぴテンションローラ 1 7を変位させる機能がなく、 かつプレニップ部 N1及 び加圧二ップ部 N 2の幅をそれぞれ普通紙モードの幅に保持させるように構 成したものである。 その他の構成は実施例 5の定着装置と同じである。
〔評価〕
トナー画像定着性の評価
上記の各定着装置について、 以下のトナー画像定着性の評価を行なった。 評価の条件は、定着ベルトの表面温度を 170 °Cに温調した。記録材として、 坪量 40 gZm2、 64 gZm2、 80 g/m2、 105 gZm2、 160 g/m 2、 200 gZm2の A 4サイズの普通紙を用いた。 そしてその記録材の上に力 ラートナー乗り量 1. Omg/ cm2になるように出力し、 画像縦 2 cm '横 5 cmの色パッチとして形成させた。 そのトナー画像をプロセススピード 30 Omm/sで、 上記の各定着装置に導入させて、 トナー画像定着性の評価を行 なった。
定着性の評価には、 定着後のトナー画像部の光沢度を、 (株) 日本電色のグ ロス計 PG— 1M (75°) で計測して求めた。 好ましい画像の光沢度は、画像 の種類や人の見方によ ¾り違いはあるが、 一般的に普通紙で出力される図を含む ようなビジネス文書や技術報告書などは、 トナー画像の光沢が低いと高級感が なく、 好ましくない。 またトナー画像の光沢が高すぎても、 トナー画像部と紙 表面との光沢の差が大きなり、 まぶしく感じ好ましくない。 そこで、 本実験例 においては、 下記基準により定着性を評価した。 〇以上が実用上好ましい。
〔評価基準〕
〇:光沢度が 1 0以上 3 0未満である。
△:光沢度が 1 0未満または、 3 0以上である。
X :高温オフセットまたは低温オフセットが発生する。
表 1の結果は、 定着ベルトが目的の温度に立ち上がった後、 未定着のトナー の記録材を 1 0枚連続して定着装置に導入し、 その 1 0枚のトナー画像の光沢 を評価したものである。
[表 1 ]
Figure imgf000064_0001
* 1 :薄紙モードで出力 * 2 :普通紙モードで出力 * 3 :厚紙モード で出力 表 1の薄紙の結果より、 比較例では、 薄紙 4 0 g /m 2で高温オフセットが 発生し、 薄紙 6 4 g Zm2で光沢度の高すぎるトナー画像になっている。 しか し、 実施例 5及び実施例 6の薄紙モードでは、 比較例と比べてプレニップ部 N 1の幅が約 5 mmと小さくなっているため、 薄紙 4 0 g Zm 2と薄紙 6 4 g / m 2のトナーは加熱されすぎることはない。 そのため、 高温オフセットが改善 され、 適度な光沢のトナー画像に改善されている。
表 1の厚紙の結果より、 比較例では、 厚紙 2 0 0 g Zm 2で低温オフセット が発生し、 厚紙 1 6 0 g Zm 2で光沢度の低すぎるトナー画像になっている。 しかし、 実施例 5及ぴ実施例 6の厚紙モードでは、 比較例と比べてプレニップ 部 N 1の幅が約 2 O mmと大きくなっているため、 厚紙 1 6 0 g Zm 2と厚紙 2 0 0 g /m2のトナーは加熱時間が十分に取れる。 そのため、 低温オフセッ トが改善され、 適度な光沢のトナー画像に改善されている。
[実施例 7 ]
定着装置の他の例を説明する。
図 4 0は本実施例に係る定着装置の一例の横断面模型図である。
実施例 5乃至実施例 6の定着装置 1 1 2では、 プレュップ部 N 1を形成する ために定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2の双方に弛み部 1 1 d · 1 2 dを形成 したが、 弛み部は定着ベルト 1 1と加圧ベルト 1 2のいずれか一方に形成して もよい。 つまり、 いずれか一方のベルトが図 3 2 A及び 3 3 Aのように掛け回 され、 他方のベルトが図 3 2 B及び 3 3 Bのように弛み部を有するように掛け 回されている場合でも、 加圧エップ部 N 2の記録材搬送方向よりも上流側にプ レニップ部 N 1を形成できる。
本実施例の定着装置 1 1 2は、 図 3 3 Bのように掛け回された加圧ベルト 1 2の弛み部 1 2 dの表面を、 図 3 2 Aのように掛け回された定着ベルト 1 1の 表面に接触させてプレニップ部 N 1を形成したものである。 図示していないが、 これとは逆に、 図 3 2 Bのように掛け回された定着ベルト 1 1の弛み部 1 1 d の表面を、 図 3 3 Aのように掛け回された加圧ベルト 1 2の表面に接触させて プレニップ部 N 1を形成してもよい。 そして、 記録材 Pの種類に応じて加熱口 ーラ 1 6とテンションローラ 1 7の双方を、 仮想直線 L 1 · L 2に沿って変位 する。 或いは、 記録材 Pの種類に応じて加熱ローラ 1 6とテンションローラ 1 7の双方を、 仮想直線 L 1 · L 2と直交 (交差) する方向に沿って変位する。 これにより、 加圧エップ部 N 2の加圧力を変えることなく、 プレニップ部 N 1 の記録材搬送方向におけるニップ幅のみを変更できる。
本実施例の定着装置 1 1 2においても、 プレニップ部 N 1の記録材搬送方向 におけるニップ幅を変更できるので、 実施例 5の定着装箧 1 1 2と同じ作用効 果を得ることができる。
[その他]
上述の各定着装置 1 1 2は、 記録材 Pの種類に応じて加熱ローラ 1 6とテン シヨンローラ 1 7のいずれか一方を、 仮想直線 L 1 · L 2に沿って、 或いは仮 想直線 L 1 · L 2と直交する方向に沿って変位するように構成してもよレ、。 そ のような構成の定着装置 1 1 2においても、 プレニップ部 N 1の記録材搬送方 向における二ップ幅を変更できる。
本発明によれば、 高速化に対応可能な幅の広い二ップ幅を確保できると共に 像ずれなどの異常画像の発生原因となる 「圧抜け」 がなく、 十分な光沢度 (グ ロス) を有する画像を得ることができる像加熱装置の提供が可能となる。
この出願は 2 0 0 7年 9月 6日に出願された日本国特許出願第 2 0 0 7 - 2 3 1 3 1 7号及び 2 0 0 7年 9月 1 4日に出願された日本国特許出願第 2 0 0 7— 2 3 8 8 4 0からの優先権を主張するものであり、 その内容を引用し てこの出願の一部とするものである。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 第 1の無端ベルトと、 前記第 1の無端ベルトの外周面に接触する第 2の 無端ベルトと、 少なくとも前記第 1の無端ベルトと前記第 2の無端ベルトのう ちの一方を加熱する加熱部と、 前記第 1の無端ベルトの内周面に接触する第 1 の加圧部材と、 前記第 2の無端ベルトの内周面に接触する第 2の加圧部材と、 を有し、 前記第 1の加圧部材と前記第 2の加圧部材で前記第 1の無端ベルトと 前記第 2の無端ベルトを挟み込んでおり、 前記第 1の無端ベルトと前記第 2の 無端ベルトの間に形成されるニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持 搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
前記第 1及び第 2の無端ベルトのうち少なくとも一方の無端ベルトは弛ん だ状態で配置されており、 前記二ップ部は、 一方の無端ベルトの弛みによって 他方の無端ベルトとの間に形成されている第 1のニップ領域と、 前記第 1の加 圧部材によるバックアツプがある前記第 1の無端ベルトの領域と前記第 2の 加圧部材によるパックアツプがある前記第 2の無端ベルトの領域同士が接触 して形成されている第 2のエップ領域と、 を有し、 前記-ップ部は、 記録材搬 送方向において前記第 1のニップ領域から始まり、 前記第 1のニップ領域の直 後に前記第 2のニップ領域を有することを特徴とする像加熱装置。
2 . 少なくともトナー像と接触する側の無端ベルトが弛んだ状態で配置され ていることを特徴とする請求項 1に記載の像加熱装置。
3 . 前記第 1の二ップ領域の記録材搬送方向の長さを変位させる機構を有す ることを特徴とする請求項 1に記載の像加熱装置。
4 . 前記機構は記録材の種類に応じて前記第 1のエツプ領域の長さを変位さ せることを特徴とする請求項 3に記載の像加熱装置。
5. 前記第 1の無端ベルトの内周面に接触し前記第 1の無端ベルトを支持す る第 1の支持部材と、 前記第 2の無端ベルトの內周面に接触し前記第 2の無端 ベルトを支持する第 2の支持部材と、 を有し、 前記第 1及ぴ第 2の支持部材の 少なくとも一方が前記支持部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ仮想直 線に沿つて変位することによつて前記第 1のニップ領域の長さが変位するこ とを特徵とする請求項 3に記載の像加熱装置。
6 . 前記第 1の無端ベルトの內周面に接触し前記第 1の無端ベルトを支持す る第 1の支持部材と、 前記第 2の無端ベルトの内周面に接触し前記第 2の無端 ペルトを支持する第 2の支持部材と、 を有し、 前記第 1及び第 2の支持部材の 少なくとも一方が前記支持部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ仮想直 線と交差する方向に沿って変位することによって前記第 1のニップ領域の長 さが変位することを特徴とする請求項 3に記載の像加熱装置。
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