JP2002221866A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
定着装置および画像形成装置Info
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Abstract
にして所望する光沢度を得るようにできる定着装置を提
供する。 【解決手段】 シートS上に担持された未定着画像を定
着する装置であって、対向する展張面が互いに同方向に
移動する状態で設けられている一対の熱伝導性ベルト1
4,14’と、上記各熱伝導性ベルト14,14’にお
いて対向する展張面の展張方向で少なくとも2カ所にお
いて該熱伝導性ベルト14,14’間に挟持されるシー
トSを押圧するニップ部N11,N2とを備え、上記ニ
ップ部のうちの一方N1は上記熱伝導性ベルト14,1
4’同士が常時当接し、他方N2は熱伝導性ベルト1
4,14’同士が互いに接離する関係とされ、接離状態
に応じて上記展張面同士が対向して構成されるシートS
への熱伝達領域の長さが変更可能であることを特徴とす
る。
Description
像形成装置に関し、さらに詳しくは、ベルトを用いて記
録用紙などのシート上の未定着画像を定着するための構
成に関する。
さらには印刷機などの画像形成装置においては、記録用
紙などのシート上に転写されて担持されている未定着画
像を加熱定着することで複写物や記録物を得ることがで
きる。定着装置には、一対のローラによりシートを挟持
搬送しながら一方のローラからシート上の未定着画像を
加熱する構成がある。
に、ローラよりも熱容量が小さいベルトを加熱媒体と
し、これとローラとを組み合わせた構成がある。上記構
成では、一対のローラに掛け回されたベルトと、ローラ
の一つに対峙して当接することによりシートのニップ部
を構成する加圧ローラとを備え、ベルトにおける加圧ロ
ーラに対向する側の展張面をシートの移動方向に移動さ
せるようになっている。この構成では、ベルトが掛け回
されているローラのうちで、上記展張面の移動方向上流
側に位置するローラによりベルトを加熱し、その移動方
向に応じてシートを案内することによりニップ部にてシ
ート上の未定着画像を定着することができる。
れることで熱容量を小さくできるので、短時間での温度
上昇が可能であり、上述したローラ対のみを用いた場合
に比べて始動時での温度立ち上がりが早いという利点が
ある。
ルカラーを含む多色画像を形成できる構成を備えたもの
がある。この種、多色画像形成装置(以下、フルカラー
画像を対象としてカラー画像形成装置という)において
は、得られる画像の光沢度を異ならせる場合がある。例
えば、写真画像と文字画像とでは、写真画像の方を入射
光に対する反射光量を意味する光沢度を異ならせること
が多い。これは、文字画像に比べて写真画像の方が見栄
えの良い彩度を望まれることが多いことが理由とされ
る。
像に含まれるトナーの熱的性質が挙げられ、熱的性質の
うちでもガラス転移点に影響される。このため、従来で
は、定着装置におけるトナーへの加熱条件となる、温
度、シートの線速およびニップ圧力を異ならせるように
した構成が提案されている(例えば、(1)特開平11
−24463号公報、(2)特開平10−123863
号公報、(3)特開平5−333643号公報、(4)
特開平7−271230号公報、(5)特開平9−32
9928号公報)。
る構成において、ベルトに対してシートをガイドするガ
イド部材の角度を変更できるようにしてベルトに対する
シートの接触面積を異ならせるようにした構成が開示さ
れている。(2)の公報には、透明なトナーを用いて光
沢度を向上させる構成が開示されている。(3)の公報
には、シートの線速、圧力および温度を制御の対象とし
ていずれかを変更するようにした構成が開示されてい
る。
を行う構成が開示されている。(5)の公報には、原稿
光沢度に応じて離型剤の塗布量を変更する構成が開示さ
れている。(6)の公報には、低光沢度と高光沢度との
選択に応じてシートの線速を切り換えるようにした構成
が開示されている。
おいては、次のような問題がある。第1に、温度の切換
を行う場合、次の異なるモードに即応することができ
ず、画像形成に要する時間が長大化する。しかも、切り
換えられた温度によっては、低温の場合にはコールドオ
フセットの発生や発色不足が起こりやすく、また高温の
場合にはホットオフセットやシートの巻き付きなどが発
生する虞があるため、切り換えられる温度幅が著しく狭
くされてしまう。この結果、上述した弊害を起こすこと
がない温度範囲に切り換えようとすると、所望する光沢
度の設定ができなくなることもあり得る。
速度によっては移動に時間がかかることになり、画像形
成の際の生産性が低下してしまう。
げ剛性によっては搬送性に影響し、特に薄紙を対象とし
た場合には皺の発生や詰まりなどの弊害が発生する虞が
ある。
びこれを用いる画像形成装置における問題に鑑み、画像
への悪影響を及ぼすことなくかつ生産性を低下させるこ
となく光沢度を所望する状態に簡単に設定することがで
きる構成を備えた定着装置および画像形成装置を提供す
ることにある。特に、温度の切換や線速さらには圧力の
切換を不要にして所望する光沢度を得るようにできる定
着装置および画像形成装置を提供することにある。
シート上に担持された未定着画像を定着する装置であっ
て、対向する展張面が互いに同方向に移動する状態で設
けられている一対の熱伝導性ベルトと、上記各熱伝導性
ベルトにおいて対向する展張面の展張方向で少なくとも
2カ所において該熱伝導性ベルト間に挟持されるシート
を押圧するニップ部とを備え、上記ニップ部のうちの一
方は上記熱伝導性ベルト同士が常時当接し、他方は熱伝
導性ベルト同士が互いに接離する関係とされ、接離状態
に応じて上記展張面同士が対向して構成されるシートへ
の熱伝達領域の長さが変更可能であることを特徴として
いる。
部の位置が、上記シートの移動方向上流側に位置してい
ることを特徴としている。
トが一対のローラに掛け回されて展張面が構成され、該
ローラの一つには、加熱源が内蔵されて該熱伝導性ベル
トを加熱することを特徴としている。
トが、上記他方のニップ部の接離動作に関係なく一定速
度で移動することを特徴としている。
トは、上記他方のニップ部の接離に関係なく一定張力を
維持されていることを特徴としている。
方のニップ部が、上記シートの搬送方向に平行する熱伝
導性ベルトの移動方向に対して直角に押圧力を作用さ
せ、該押圧力の作用方向が両方のニップ部同士で平行し
ていることを特徴としている。
ちで、他方のニップ部が、シートに対する加熱状態の選
択に応じて接離する関係とされていることを特徴として
いる。
部での加熱状態が、上記シート上に担持されている未定
着画像の光沢度を基準として選択されることを特徴とし
ている。
トが一対のローラに掛け回されていて、その一対のロー
ラ間には、対向する展張面同士を接離させて上記シート
の熱伝達領域の長さを変更可能な領域設定部材が設けら
れていることを特徴としている。
ルト同士の接離関係を設定する領域設定用部材がローラ
で構成され、該領域設定用ローラは、上記熱伝導性ベル
ト同士の熱伝達領域が長くできる位置とその長さを設定
しない位置とに変位可能であることを特徴としている。
ローラが、上記熱伝導性ベルト同士を接触させることで
一方のニップ部で構成される加熱定着領域近傍に予熱領
域を構成することを特徴としている。
ローラが、上記シートの移動方向において上記加熱定着
領域に連続して上記予熱領域を構成できるように上記熱
伝導性ベルト同士の接触状態を設定することを特徴とし
ている。
部材には、上記熱伝導性ベルトの加熱用熱源が設けられ
ていることを特徴としている。
部材と上記一方のニップ部との間には、上記他方のニッ
プ部とは別に上記熱伝導性ベルト同士の接触状態を維持
する補助加圧部材が設けられていることを特徴としてい
る。
材が、上記熱伝導性ベルトの対向面と反対面に配置され
て当接している背圧部材で構成されていることを特徴と
している。
材が、上記熱伝導性ベルトの対向面と反対面で回転可能
かつ接離可能なローラで構成されていることを特徴とし
ている。
部材および補助加圧部材の少なくとも一つが、自身で加
熱源をなすヒートパイプで構成されていることを特徴と
している。
材をなす背圧部材は、低摩擦係数かつ低熱伝導度を有す
ることを特徴としている。
として、ヒートパイプが用いられることを特徴としてい
る。
ルトの移動方向における上記領域設定用部材または上記
補助加熱部材と上記一方のニップ部との間には、上記熱
伝導性ベルトの加熱用熱源が配置されていることを特徴
としている。
ルトの移動方向における上記領域設定部材または上記補
助加圧部材が、上記熱伝導性ベルト同士の接触時、上記
一方のニップで構成される定着加熱領域に連続してその
上流側に位置する予熱領域を構成することを特徴として
いる。
1記載の定着装置を用いることを特徴としている。
して単一色および多色画像を形成可能な構成を備えてい
ることを特徴としている。
本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施
の形態に係る定着装置を適用した画像形成装置の模式図
であり、同図に示す画像形成装置は、色分解に対応した
色の画像を形成可能な感光体を複数備え、各感光体上で
形成されたトナー像を中間転写体に重畳転写した画像を
記録用紙などのシートに対して一括転写することで多色
画像を形成可能なカラープリンタである。本発明では、
画像形成装置として、カラープリンタに限らず、カラー
複写機、ファクシミリ装置および印刷機なども含まれる
こと勿論である。
像形成部1Aが縦方向の中央部に位置し、その下方には
給紙部1Bが、さらに画像形成部1Aの上方には原稿載
置台1C1を備えた原稿走査部1Cがそれぞれ配置され
ている。画像形成部1Aには、水平方向に展張面を有す
る中間転写ベルト2が配置されており、中間転写ベルト
2の上位には、色分解色と補色関係にある色の画像を形
成するための構成が設けられている。
トナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)によ
る画像を担持可能な感光体3Y、3M、3C、3Bが中
間転写体2の展張面に沿って並置されている。各感光体
3Y、3M、3C、3Bはそれぞれ同じ方向(図1で
は、反時計方向)に回転可能なドラムで構成されてお
り、その周辺には、回転過程において画像形成処理を実
行する帯電装置4,書き込み装置5,現像装置6,1次
転写装置7,およびクリーニング装置8が配置されてい
る(便宜上、感光体3Yを対象として、各装置の符号に
Yを付して示してある)。
2Cに掛け回されて感光体との対峙位置において同方向
に移動可能な構成を備え、展張面を構成するローラ2
A、2Bとは別のローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟
んで2次転写装置9に対峙している。なお、図1中、符
号10は、中間転写ベルト2を対象としたクリーニング
装置を示している。
よび従動ローラ9Bに掛け回されて2次転写装置9が位
置する2次転写位置において中間転写ベルト2と同方向
に移動可能な転写ベルト9Cを備えており、転写ベルト
9Cを帯電駆動ローラ9Aにより帯電させることで中間
転写ベルト2に重畳された多色画像あるいは担持されて
いる単一色の画像をシートに転写することができる。
給送されるようになっている。給紙部1Bは、複数の給
紙カセット1B1と、給紙カセット1B1から繰り出さ
れるシートの搬送路に配置された複数の搬送ローラ1B
2と、2次転写位置前方に位置するレジストローラ1B
3とを備えている。本実施例では、給紙部1Bには、給
紙トレイ1B1から繰り出されるシートの搬送路に加え
て給紙カセット1B1内に収容されていない種類のシー
トを2次転写位置に向け給送できる構成が備えられてお
り、この構成は、画像形成部1Aの壁面の一部を起倒可
能に設けた手差しトレイ1A1と繰り出しコロ1A2と
を備えている。給紙カセット1B1からレジストローラ
1B3に向けたシートの搬送路途中には、手差しトレイ
1A1から繰り出されたシートの搬送路が合流し、いず
れの搬送路から給送されるシートもレジストローラ1B
3によってレジストタイミングが設定されるようになっ
ている。
る原稿載置台1C1上の原稿を走査することにより得ら
れる画像情報あるいは図示しないコンピュータから出力
される画像情報により書き込み光が制御されて感光体4
Y、4M、4C、4Bに対して画像情報に応じた書き込
み光を出射して静電潜像を形成するようになっている。
の原稿を露光走査するスキャナ1C2が備えられてお
り、さらに原稿載置台1C1の上面には、自動原稿給送
装置1C3が配置されている。自動原稿給送装置1C3
は、原稿載置台1C1上に繰り出される原稿を反転可能
な構成を備え、原稿の表裏各面での走査が行えるように
なっている。
上の静電潜像は現像装置6によって可視像処理され、中
間転写ベルト2に1次転写される。中間転写ベルト2に
対して各色毎のトナー像が重畳転写されると、2次転写
装置9によりシートに対して一括して2次転写される。
2次転写されたシートは、表面に担持している未定着画
像を定着装置11によって定着される。定着装置11に
関しては後で詳しく説明する。
置11の後方に配置されている搬送路切り換え爪12に
よって搬送方向が切り換えられるようになっており、排
紙トレイ13に向けた搬送路と、反転搬送路RPとに搬
送方向が選択される。
1では、原稿載置台1C1上に載置された原稿を露光走
査することにより、あるいはコンピュータからの画像情
報により、一様帯電された感光体3に対して静電潜像が
形成され、静電潜像が現像装置6によって可視像処理さ
れた後、トナー像が中間転写ベルト2に1次転写され
る。
は、単一色画像の場合にはそのまま給紙部1Bから繰り
出されたシートに対して転写され、多色画像の場合には
1次転写が繰り返されることにより重畳された後、シー
トに対して一括して2次転写される。2次転写後のシー
トは定着装置11により未定着画像を定着された後、排
紙トレイ13あるいは、反転されて再度レジストローラ
1B3に向けて給送される。
示されている。本実施例における定着装置11は、対向
する展張面が互いに等速で同方向に移動する一対の熱伝
導性ベルト14,14’を備えており、熱伝導性ベルト
14,14’の展張面においてその展張方向で少なくと
も2カ所にシートを挟持できるニップ部N1,N2(図
3参照)が設けられ、そのうちの一つのニップ部(N
2)が接離可能に構成されている。このため、熱伝導性
ベルト14,14’における展張面でのニップ部は、一
方のニップ部(N1)が、常時当接状態を維持される定
着ローラ15と加圧ローラとの対向当接位置であり、他
方のニップ部(N2)が、接離する加熱ローラ16同士
の対向位置である。ニップ部のうちで他方(N2)は、
加熱ローラ16同士が当接した際に、一方と併せて展張
面で2カ所のうちで一つのニップ部を構成することがで
き、接離状態に応じて熱伝導性ベルト14,14’の展
張面同士が接触する長さを異ならせることができる。
の画像担持面に対向する側と該画像担持面の反対側、つ
まりシートの裏面に対向する側とにシートの搬送路を挟
んで互いに対向する熱伝導性ベルト14,14’が設け
られており、画像担持面に対向する側熱伝導性ベルト1
4が定着側ベルトとされ、これと反対側が加圧側ベルト
とされ、これら両方の熱伝導性ベルト14,14’は、
互いに一定した速度で同じ方向に展張面が移動するよう
になっている。
金の表面にシリコーンゴムなどの弾性体層が設けられた
回転可能な定着ローラ15と金属製芯金で構成されて熱
源を内装している加熱ローラ16とに掛け回された無端
ベルトであり、ローラ周面に対向する側、換言すれば、
裏面側から順に少なくとも支持層と離型層とを備えてい
る。
による耐久性に優れた材料が用いられ、本実施例では、
ニッケル、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属フ
ィルムや、ポリイミド(PI)、ポリアラミド、ポリア
ミドイミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)等の高分子樹脂フィルムが用いられる。
エネルギーの小さい材料が用いられ、本実施例では、シ
リコーン樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)、テトラフルオロエチレン‐パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオ
ロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)等の高分子樹脂を含むフッ素樹脂やシリコーンゴ
ム、フッ素ゴムなどの耐熱性ゴムが用いられる。なお、
離型層として樹脂層を用いる場合には、中間層として弾
性層としての機能を有するシリコーンゴムやフッ素ゴム
などの耐熱性ゴム層を設けることで弾性変形による形状
追随性を確保することができる。この性質により定着さ
れるシートへの熱伝達性を向上させることができる。
の熱伝導性ベルト14と同様に、金属製芯金の表面にシ
リコーンゴムなどの弾性体層が設けられて加圧ローラ1
7と加熱ローラ16とに掛け回された無端ベルトで構成
されている。加圧ローラ17は、その回転軸に加圧レバ
ー18が当接しており、加圧レバー18の揺動端に係止
されているバネなどの弾性体19の付勢により定着ロー
ラ15に向けて圧接させてある。
ータ16Aが内蔵されており、熱伝導性ベルト14,1
4’の表面に当接しているサーミスタなどの温度制御素
子20によって熱伝導性ベルト14,14’の表面温度
が所定温度となるように熱源であるハロゲンヒータ16
Aの温度制御が実行されるが、本実施例では、加熱ロー
ラ16の接離に拘わらず所定温度に維持されるようにな
っている。なお、図2中、符号16Bは、熱伝導性ベル
ト14,14’の片寄りを防止するための部材を示して
いる。
動作を説明するための模式図であり、同図において、定
着装置11の加熱ローラ16は、熱伝導性ベルト14,
14’に対する一定張力を常時維持させることができる
張力付勢部材21を備えると共に、互いに接離できる構
成を備えている。
動部材22により往復動可能な作動部材23が回転軸に
連結されており、互いに接近する方向に移動した場合に
は、熱伝導性ベルト14,14’同士が当接する。な
お、加熱ローラ16同士は、通常、それらの回転軸間に
配置されているバネなどの弾性体24によって互いに離
れる向きの移動習性が付与されているようになってい
る。
当接する熱伝導性ベルト14,14’の展張面は、加熱
ローラ16同士の接近位置が規定されることでシートの
移動方向に平行するようになっており、シートの移動方
向と熱伝導性ベルト14,14’の展張面の移動方向と
が一致することによりシートを直進させることができる
ようになっている。これにより、熱伝導性ベルト14,
14’の展張面同士が接触すると、シートはこの展張面
で挟持搬送されることになるが、搬送路の向きが今まで
の移動方向に平行しているので、搬送路途中で曲げ力な
どを受けることがなく、搬送性を損ねることなく移動す
ることができる。
いに接触し展張面の展張方向で2カ所のニップ部(N
1,N2)が構成されると、そのニップ部はシートの移
動方向と直角な方向で押圧力を作用させ、その作用方向
がニップ部同士で平行している。これにより、シートの
搬送路は、シートの移動方向をそれまでの搬送方向と異
ならせることがなく、シートの直進搬送性を維持できる
ようになっている。
応じて2カ所(N1,N2)に構成されることになり、
熱伝導性ベルト14,14’により挟持搬送されるシー
トに対する熱伝達領域の長さが変更できるようになって
いる。
求められる光沢度に応じて設定するようになっており、
文字画像の場合には通常光沢度として熱伝達領域が短い
場合を選択できるようにし、多色画像の場合には高光沢
度として熱伝達領域を長くする場合を選択できるように
なっている。
熱伝導性ベルト14,14’同士が接触した状態が相当
する熱伝達領域の長さを長くした場合には、他方のニッ
プ部(N2)側から熱伝導性ベルト14,14’同士が
接触している範囲をシートが移動する過程でトナーの温
度がTg〜Tmの範囲に設定され、一方のニップ部(N
1)において、圧力の作用を受けて定着されるようにな
っている。
が接触する範囲は、一方のニップ部(N1)に対してシ
ートの移動方向上流側に位置していることから、一方の
ニップ部での定着加熱領域に対して予熱領域を構成して
いる。
温することになるが、ニップ部とは違って圧力の影響が
少ない。しかし、昇温した状態で溶融し、粘度が低下し
ているので、一方のニップ部(N1)において圧力の作
用を受けることで定着性が得られると共にガラス転移点
への昇温によって光沢度を確保されることになる。上記
温度範囲のうちで、上限温度Tm°を越えた場合、熱伝
導性ベルト14,14’の離型性によってはホットオフ
セットが生じるので、このような現象が発生しない受熱
量が得られる熱伝達領域の長さとすることが望ましい。
は、上述した予熱領域が構成されないので、一方のニッ
プ部(N1)における定着加熱領域での受熱量のみがト
ナーに付与されることになる。
度を変更する際には、画像の光沢度を変更する際の要因
である未定着画像に対する受熱量を熱伝導性ベルトの接
離動作により切り換えるだけですむので、シートの移動
速度、所謂、線速さらには温度の切り換えや圧力の変更
などを要しないようにすることができる。
おける熱伝達領域の長さを変更するための構成に関する
別実施例を図4において説明する。図4に示す実施例
は、熱伝導性ベルト14,14’における展張面で定着
ローラおよび加圧ローラとの対向位置である一方のニッ
プ部(N1)、そして加熱ローラ同士が接離する他方の
ニップ部の他にニップ部(便宜上、図5において符号N
2’で示すニップ部)を設け、このニップ部での接離動
作に応じて熱伝達領域の長さを変更できるようにした構
成が特徴である。図4において、定着側の熱伝導性ベル
ト14におけるニップ部間、および定着側と対応して加
圧側の熱伝導性ベルト14’におけるニップ部間には、
熱伝導性ベルト14,14’同士の展張面を接離させる
領域設定用部材(便宜上、定着側に位置する部材を符号
25により、加圧側に位置する部材を符号25’により
それぞれ示す)が設けられている。領域設定用部材2
5,25’は、互いに接離する方向に移動することで熱
伝導性ベルト14,14’の展張面における熱伝達領域
の長さを変更できるようになっている。
ベルト14,14’の裏面に当設して連動回転可能なロ
ーラで構成されており、熱伝導性ベルト14,14’同
士の熱伝達領域を長くする押圧位置と、その長さを設定
しない非押圧位置とに往復動できる部材である。以下、
領域設定用部材25,25’の接離動作に係る構成を説
明する。図4において、符号26は、加熱ローラ16の
回転軸を軸支しながら定着ローラ15および加圧ローラ
17に対して加熱ローラ16との軸間距離を大きくさせ
る習性をバネなどの弾性体27によって付与されている
軸支部材であり、領域設定用部材25,25’の接離動
作に関係なく熱伝導性ベルト14,14’の張力を一定
に保持するようになっている。その作用は次の通りであ
る。
部材25,25’の接近により互いに接触すると熱伝導
性ベルト14,14’の対向する展張面が図4に示す直
線状から図5に示すように相手側の熱伝導性ベルトの展
張面に向けて膨出することになる。このため、加熱ロー
ラ16には、熱伝導性ベルト14,14’の展張面同士
が接触する向きに負荷を受ける。加熱ローラ16が熱伝
導性ベルト14,14’の膨出方向への動きを規制され
ていると熱伝導性ベルト14,14’の張力が変化して
しまう。
4’の接離動作に関係なく一定張力を維持するための構
成として、図4において加熱ローラ16に掛け止められ
たバネなどの弾性体28を用いることにより熱伝導性ベ
ルト14,14’の膨出方向とは反対側に加熱ローラ1
6を常時牽引するようになっている。これにより、熱伝
導性ベルト14,14’同士を接触させる際に展張面の
一部が互いに接触する向きに膨出すると、その膨出方向
への負荷が加熱ローラ16に作用することになるので、
加熱ローラ16が弾性体28の付勢に抗して移動するこ
とができ、張力の増加を防ぐようになっている。
ベルト14,14’同士を接触させた際に加熱ローラ1
6よりも互いに接触する熱伝導性ベルト14,14’の
展張面側に位置するようになっている。これにより、展
張面でのシート導入側は、加熱ローラ16から張り出さ
れる展張面同士が楔状の空間を構成する。
ートの移動方向前方側が先細となる空間での開き角度が
10°以上、好ましくは10〜30°に設定できるよう
に加熱ローラ16の位置と接近状態にある領域設定部材
25,25’の位置とが規定されている。これにより、
両方の熱伝導性ベルト14,14’の開口角度が小さい
場合に起こりがちなシートのばたつきを防止して定着前
の画像が擦られてしまうのを防止することができる。
ら、高光沢度が選択された場合には、熱伝導性ベルト1
4,14’同士が接触するように加熱ローラ16同士を
接近させる。熱伝導性ベルト14,14’同士が接触す
ると、図6に示すように、各ニップ部(N1,N2)間
でシート上の未定着画像に対する予熱領域L2および一
方のニップ部(N1)における定着加熱領域L1が構成
される。これにより、未定着画像中のトナーの温度がT
g〜Tmに設定され、予熱領域L2においてトナー層が
十分に溶融してトナーの粘度を下げることができ、この
状態で一方のニップ部(N1)において圧力を作用させ
ることで画像の光沢度を上昇させることができる。
の長さは同じではなく、各領域での機械的な条件が異な
ることでシートに対する受熱量も異なっているので、受
熱量を均衡させるために、各領域間での長さの関係を設
定することが望ましい。本実施例においては、熱伝導性
ベルト14,14同士のみの圧接である予熱領域の方
が、互いに圧力と熱の作用を受ける定着加熱領域よりも
受熱量が少ない。このため、予熱領域での熱伝達領域の
長さを定着加熱領域での熱伝達領域の長さに対して1.
5〜2.0倍となる関係を設定し、これに基づき、予熱
領域の長さ、還元すれば、領域設定用部材25,25’
の配置位置を規定している。
機構に関する構成の変形例を説明する。図7において、
領域設定用部材25,25’の回転軸には加熱ローラ1
6の回転軸を支点とする揺動レバー29,29’の揺動
端の一方が係合している。揺動レバー29,29’の揺
動端の他方には領域設定用駆動源となる領域用ソレノイ
ド30,30’のアクチュエータが連結されている。揺
動端の他方には、アクチュエータが連結される側と反対
側にバネ31の一端が掛け止められており、領域用ソレ
ノイド30,30’の非励磁時には定着側の揺動レバー
29を図4において時計方向に、そして加圧側の揺動レ
バー29’を反時計方向に揺動させる習性が付与されて
いる。
設定用部材25,25’は、領域用ソレノイド30,3
0’の非励磁時が相当する初期状態の時において、熱伝
導性ベルト14,14’同士が離れる位置に位置決めさ
れ、領域用ソレノイド30,30’が励磁されると、バ
ネ31の習性に抗して熱伝導性ベルト14,14’同士
を接触させることができる位置に位置決めされる。
5,25’が熱伝導性ベルト14,14’同士を接触さ
せる場合、熱伝導性ベルト14,14’の張り出しによ
る加熱ローラ16の軸心位置を自動的に調整して、熱伝
導性ベルト14,14’同士が接触した場合においても
非接触の時と同様な張力を維持できるようになってい
る。
装備されている軸支持部材26は、左向きのT字状をな
すアンカー部材32に対して弾性体27を介して連動で
きるようになっており、さらにアンカー部材32の中央
部には、加熱ローラ16を定着ローラ15および加圧ロ
ーラ17から引き離す方向に付勢する引張りバネ33が
不動部との間に掛け止められている。
力調整用ソレノイド34のアクチュエータが連結されて
いる。
16が接離するのに応じてアンカー部材32を往復動さ
せるための駆動源であり、領域用ソレノイド30,3
0’の動作に連動して励磁態位が設定される。張力調整
用ソレノイド34は、通常、領域用ソレノイド30,3
0’の非励時タイミングと同期して非励時の状態が維持
されている。
ベルト14,14’の張力一定化は次の原理に基づき実
行される。弾性体27と引張バネ33とは同じ方向に付
勢力を有し、その付勢力、つまり、弾性復元力(P1,
P2)は、P1<P2とされている。これによって、張
力調整用ソレノイド34の非励磁時には、弾性体27お
よび引張りバネ33の弾性力との差が軸支持部材26に
作用することで加熱ローラ16を定着ローラ15および
加圧ローラ17から離す方向に牽引することができる。
このときには、領域用ソレノイド30,30’が非励時
状態にあるので、領域設定用部材25,25’がバネ3
1に牽引されて互いに離れているので、熱伝導性ベルト
14,14’は弛みを生じることなく一定張力を付与さ
れる。
と、張力調整用ソレノイド34におけるアクチュエータ
を引き動かす力(F)が弾性体27および引張りバネ3
3の弾性力以上に発生することで、アンカー部材32が
張力調整用ソレノイド34の引力(F)と弾性体27お
よび引張りバネ33との間での力の差との違いにより、
アンカー部材32が張力調整用ソレノイド34の引力発
生方向に移動する。これにより、加熱ローラ16が定着
ローラ15および加圧ローラ17側に接近することがで
き、熱伝導性ベルト14,14’に弛みを与えるが、熱
伝導性ベルト14,14’は領域用ソレノイド30,3
0’の励磁が行われていることにより領域設定用部材2
5,25’が熱伝導性ベルト14,14’の対向展張面
同士を接触させる向きに膨出させるので、熱伝導性ベル
ト14,14’の張力は領域設定用部材25,25’同
士が接近しない場合と略同じ張力に維持されることにな
る。
調整用ソレノイド34が励磁されると、領域設定用部材
25,25’同士が接近するので、一方のニップ部N1
に連続してシートSの移動方向前方に熱伝導性ベルト1
4,14’同士の接触による予熱領域が構成される。
調整用ソレノイド34は、図8に示す制御部によって駆
動態位が設定される。図8において制御部35は、画像
形成部での画像形成処理制御を行うマイクロコンピュー
タにより主要部が構成されており、図示しないI/Oイ
ンターフェースを介して入力側には本実施例に関係する
部材として熱伝導性ベルト14,14’の温度を検知す
るサーミスタ20、操作パネル36およびシートの通過
を検知するセンサ類(図5では、便宜上、シート検知セ
ンサと表示する)が接続され、出力側には画像形成部で
の処理に陥られる駆動部(図5においては纏めて駆動部
と表示してある)、領域用ソレノイド30,30’、張
力調整用ソレノイド34が接続されている。操作パネル
36には、モード選択スイッチが設けられており、モー
ド選択スイッチは、ユーザによる画像の光沢度を選択す
るために設けられている。
度(低光沢モード)が設定されており、ユーザによりこ
の光沢度以上(高光沢モード)を選択できるようになっ
ている。光沢度に関しては、文字画像および写真画像い
ずれの場合にも選択できるが、とくに、カラー画像を要
望されることが多い写真画像の場合には、低光沢モード
の場合に反射率が20〜30%とされ、高光沢モードの
場合には50〜60%の反射率を設定できるようになっ
ている。制御部35では、操作パネル36で行われる1
ジョブ毎の光沢度選択に応じてシートに対するニップの
形成状態を設定し、熱伝導性ベルト14,14’による
熱伝達領域の長さを設定するようになっている。
制御部35の動作を示す図9のフローチャートに基づき
作用を説明すると次の通りである。図9においてユーザ
による高光沢モードの選択有無が判別される(ST
1)。ステップST1において高光沢モードが選択され
ると、領域用ソレノイド30,30’および張力調整用
ソレノイド34のいずれもが励磁(ON)される(ST
2)。
調整用ソレノイド34がそれぞれ励磁されると、図7に
示すように、領域設定用部材25,25’が互いに接近
する方向に移動し、熱伝導性ベルト14,14’同士を
接触させる。これに伴い、加熱ローラ16の軸支持部材
26は、アンカー部材32の変位に応じて領域設定用部
材25,25’による熱伝導性ベルト14,14’の膨
出を許容するように熱伝導性ベルト14,14’に弛み
を与えることができ、領域設定用部材25,25’が互
いに接近した際の熱伝導性ベルト14,14’の張力を
熱伝導性ベルト14,14’により予熱領域が構成され
ない初期状態と同様な張力に維持する。
ニップ部N1に加えて、領域設定用部材25,25’に
よって他方のニップ部(便宜上、図7中、符号N2’で
示す)に連続する予熱領域が熱伝導性ベルト14,1
4’同士の接触範囲に構成され、さらに熱伝導性ベルト
14,14’におけるシートが導入される側の展張面が
シートの移動方向に沿って前方から後方に向け先細とな
る錘状空間とされる。これにより、加熱ローラ16から
の熱は、予熱領域にも至り、シートが予熱領域において
予熱され、トナーの温度が上限温度であるT1/2f°に
近づけられる。
が開始され(ST3)、画像形成処理が実行されてシー
トに対してトナー像の転写が行われる(ST4)。画像
形成処理後、定着装置11に向けてシートが導入される
のを導入検知センサにより検知する(ST5)。この検
知は、搬送過程においてシートの搬送不良が発生した場
合、接触している状態に維持されている熱伝導性ベルト
14,14’を離すためである。なお、このような処理
は、加熱ローラ16でのサーミスタの温度管理が厳密で
あって、熱伝導性ベルト14,14’に過熱状態が発生
しないのであれば、必ずしも必要ではない。
シート検知センサを用いて検知した場合(ST6)に
は、1ジョブあたりでの設定枚数の判別が行われ(ST
7)、設定枚数の達するまでの間、熱伝導性ベルト1
4,14’の接触状態が維持され、設定枚数に達する
と、領域用ソレノイド30,30’および張力調整用ソ
レノイド34の励磁状態が解除されて初期状態に復帰し
(ST8)、領域設定用部材25,25’が互いに離
れ、熱伝導性ベルト14,14’同士が離れる。
ルト14,14’同士が接触して予熱領域を構成した場
合には、ベルト同士が同じ方向に同一速度で移動するの
で、シートの表裏両面で相対的な速度差を生じることが
なく、これにより、定着途中で未定着画像が擦られて乱
れてしまうのを防止することができる。
ついて説明する。図10は、他の実施例を示す定着装置
の模式図であり、同図に示されている実施例は、熱伝導
性ベルト14,14’のニップ間にベルト同士の接触状
態を維持するための補助加圧部材を各ベルトの裏面側に
設けたことを特徴としている。
は、熱伝導性ベルト14,14’の展張面における一方
のニップ部N1と領域設定部材25,25’同士が接近
してベルト14,14’を押圧することで得られる他方
のニップ部N2’との間に配置された背圧部材(以下、
図10に示す補助加圧部材を背圧部材と称する)で構成
されており、背圧部材37、37’は、低摩擦係数で熱
伝導性が低い材質からなり、熱伝導性ベルト14,1
4’の裏面で予熱領域の略全域に面接触することができ
るようになっている。
14’同士のみの接触によりシートに対する熱伝達を行
う際に、熱伝導性ベルト14,14’とシートとの密着
性を高めて熱伝達効率を向上させることができる。特に
背圧部材37により予熱領域での熱伝導性ベルト14,
14’の浮き上がりを防止してシートを挟持搬送するこ
とができるので、シートが直進する際の抵抗となること
がなく、搬送性を良好に維持することができる。
形例を示す図であり、同図に示す補助加圧部材38、3
8’はローラで構成されている。ローラで構成されてい
る補助加圧部材38,38’は、予熱領域において単一
もしくは複数並置して設けられ、熱伝導性ベルト14,
14’の移動に連動して回転しながらシートの挟持搬送
を可能にしている。図11に示す構成によれば、補助加
圧部材38,38’の当接時には熱伝導性ベルト14,
14’の移動を阻害しないで回転するので、ベルト同士
での速度差を生じることがなく、トナーへの擦れ現象の
発生を防止しながら予熱領域での加熱伝達が可能とな
る。
例について説明する。図12に示す実施例は、熱伝導性
ベルト14,14’のニップ間に位置する予熱領域を加
熱することを特徴としている。
設定用部材25,25’におけるシートSの未定着画像
面に対向する側の領域設定用部材25には、熱源25A
が内蔵されている。これにより、加熱ローラ16によっ
て加熱されて温度の維持が行われている熱伝導性ベルト
14,14’に対してシートSが導入された際に発生す
る温度降下を抑えることができる。つまり、予熱領域に
シートが導入されるとそれまで予熱に必要な温度に維持
されている熱伝導性ベルトの温度が下降し、熱伝導性ベ
ルト14,14に熱容量不足が生じる。特に熱伝導性ベ
ルト14,14’は、金属製ローラ同士によりシートを
加熱する場合と違って熱容量が小さいためにシートと接
触した際に急激な温度下降が生じる。そこで、図12に
示す実施例では、領域設定用部材25に熱源25Aを内
蔵させて予熱領域での温度下降を防止している。
長くできる部材である領域設定用部材25を予熱領域で
の加熱源とすることができるので、最も温度降下が顕著
となる領域設定用部材25,25’同士の対向当接位置
で温度低下による未定着画像への熱量不足を防止して定
着加熱領域での設定温度との差を小さくし、光沢度を高
めることが可能となる。特に連続通紙が行われた際に
は、複数枚のシートの給送が行われると予熱領域での温
度降下が顕著となりやすいが、本実施例では、温度降下
が抑えられるので、連続通紙においても安定した光沢度
を得るための受熱状態を維持することができる。
に示した領域設定用部材の一つ(図12中、符号25で
示す領域設定用部材)にのみ熱源25Aを設けることに
限らず、図13、図14に示すように、予熱領域内に配
置されている補助加圧部材37,38に熱源を設けるこ
とも可能である。この場合には、実際に未定着画像に接
触する側の熱伝導性ベルト14の裏面に位置する補助加
圧部材37あるいは38において熱源37Aあるいは3
8Aを内蔵すればよい。さらに、領域設定用部材および
または補助加圧部材を対象として加熱源を設けることも
可能である。
実施例について説明する。
る領域設定用部材25,25’あるいは補助加圧部材3
7,38とは別に予熱領域での熱伝導性ベルト14の加
熱を行う構成を備えたことを特徴としている。図15に
おいて、予熱領域におけるシートの画像面に対向する位
置で、一方のニップ部(N1)近傍には、シートの移動
方向において定着加熱領域をなすニップ部(N1)の前
方に相当する位置に、画像面に対向する熱伝導性ベルト
14の裏面側からベルト14を輻射加熱するヒータ39
が設けられている。
においてシートの導入により温度降下している熱伝導性
ベルト14を加熱するので、定着加熱領域である一方の
ニップ部(N1)に達する直前で上限温度との差を小さ
くして定着加熱領域での上限温度への到達時間を短くし
て光沢度を高めることが可能となる。
造の変形例を説明する。図16に示す構成は、予熱領域
を構成する他方のニップ部(N2)に位置する領域設定
用部材のうちで、未定着画像に対向する領域設定用部材
25にヒートパイプ40を装備したことを特徴としてい
る。領域設定用部材25においては、シートの移動方向
と直角な方向に相当する幅方向で均一の温度分布が要求
される。特に、熱伝導性ベルト14,14’の幅に対し
てこれよりも狭い幅の小サイズのシートを給送する際に
は、幅方向端部において230℃程度に温度上昇する場
合があり、このような場合には領域設定用部材25の熱
的劣化や大判サイズでの幅方向での温度偏差による光沢
度の偏差の発生、さらには、ホットオフセットの発生と
いう不具合がある。
4に直接接触する領域設定用部材25をヒートパイプ
(便宜上、符号40で示す)で構成してある。このよう
な構成によれば、幅方向での温度勾配を均一化すること
ができ、特にシートを連続して給送する際に発生する温
度降下による温度差が生じた場合でも、温度勾配を均し
て幅方向での温度差をなくすことができる。さらに、こ
の変形例としては、図示しないが、領域設定用部材25
だけでなく、補助加圧部材30に対しても同様な構成と
することも可能である。
35は、図7に示した構成における領域設定用部材の接
離制御に限らず、図示はしてないものの、動作原理が同
じである図4に示した領域設定用部材を対象とした接離
制御に用いることも可能である。また、各実施例におい
ては、シートの片面に担持されている未定着画像の定着
を対象として説明しているが、本発明では、シートの両
面に未定着画像が存在する場合も対象とすることも勿論
可能である。この場合には、定着ローラと加圧ローラと
が本発明の実施形態において挙げられているように同じ
構成であると、ニップ形態の水平状態となり、薄紙の搬
送性が良好で皺などの発生が見られないが、両面定着時
には紙種によって加圧ローラ側に巻き付くこともあり得
る。そこで、このような場合には、定着ローラ側のゴム
硬度を低くして軟らかくしたりあるいは定着ローラ側の
厚みをやや厚くして一方のニップ部でのニップ形態をシ
ートの放出方向がやや加圧ローラ側に向くようにして上
述した巻き付きなどを起こりにくくして必要な受熱状態
と搬送性とを得るようにすることもできる。
方向に移動する加熱ベルトの展張方向で少なくとも2カ
所に設けられているニップ部のうちで、一方を常時当接
するニップ部とし、他方を接離する関係とするという構
成により、直接シートに接触可能な熱伝導性ベルトにお
ける熱伝導領域の長さを変更することができる。これに
より、シートと熱伝導性ベルトとの間での直接接触によ
る熱伝導によって光沢度を異ならせる場合においても、
同方向に移動する加熱ベルトにより挟まれることで略直
線状にシートが移動することでシートの搬送性を悪化さ
せることないばかりでなく、シートに対する温度、圧力
および線速への変更を加えることなく未定着画像への受
熱量を変えることで異なるモードへの迅速な温度上での
対応および生産性の悪化の防止が可能となる。
プ部をシートの移動方向上流側に位置させることでシー
トに対する予熱時間を変更することが可能となる。
ルトをローラの一つにより加熱するので、熱伝導性ベル
トの移動過程で定着温度の設定が可能となる。
いに移動する熱伝導性ベルトがニップ部の接離動作に関
係なく一定速度であるので、移動速度が相対的に異なる
ことがなく、相対的に異なる場合に発生しやすい画像の
擦れを確実に防止して画像品質を低下させないようにす
ることが可能となる。
ルトの展張方向に設けられているニップ部がベルトの移
動方向と直角な方向にシートを押圧し、お互いのニップ
部における押圧力の作用方向が平行しているので、ニッ
プ部間でのシート搬送路が直線状とされる。これによ
り、シートの搬送方向を変更することがなく、搬送性の
悪化を防止して高速搬送が可能となる。
方のニップ部での接離する関係およびその関係による過
熱状態が画像の光沢度に応じて変更できるので、所望す
る光沢度を熱伝導性ベルトでの温度を一定とした状態で
シート側での受熱状態を変更するだけの簡単な構成によ
り得ることが可能となる。
ルトの展張面を構成するローラ間には、展張面同士を接
離させる領域設定部材を用いるだけで、温度、圧力およ
び線速を変更しない状態でシートに対する加熱領域を変
えることができ、換言すれば、シート側での受熱状態が
変えられるだけで所望する光沢度を得ることができる。
この結果、異なるモードへの温度の変更遅延や搬送性の
悪化および生産性の悪化を生じることなく光沢度を変更
することが可能となる。
部材が熱伝導性ベルトの熱伝導領域を長くする一とその
長さを設定しない位置とに変位可能なローラで構成され
ているので、熱伝導性ベルトに接触した場合にはこの移
動に連動して回転することができる。これにより、温
度、圧力および線速の変更を行わないままで画像に対す
る受熱状態を変えて光沢度を設定する際に熱伝導性ベル
トの移動を阻害しないようにすることが可能となる。
ば、領域設定部材が一方のニップ部近傍でそのニップ部
で構成される加熱定着領域に連続する予熱領域を構成す
ることができるので、シートは予熱領域を通過する際に
ベルト同士に挟持されてベルトから直接熱伝達される。
これにより、空間を介した熱伝達と違って、直接接触す
るベルトと未定着画像との間での熱伝導関係が得られ、
加熱効率を向上させて所望する光沢度を設定することが
可能となる。
部材に熱伝導性ベルトへの加熱源が設けられているの
で、予熱領域を設定した場合での加熱効率を向上させて
光沢度の設定を容易にすることが可能となる。
間に他方のニップ部とは別に熱伝導性ベルト同士の接触
状態を維持する補助加圧部材が設けられているので、互
いに同方向に移動する熱伝導性ベルトを用いたシートの
直接加熱における熱伝達効率を向上させて線速を変更し
ない状態での光沢度の設定を容易にすることが可能とな
る。
ば、補助加圧部材が低摩擦および低熱伝導性の背圧部材
で構成されているので、熱伝導性ベルトへの背圧範囲を
高めて温度の切換を行わなくてもシートに対する熱伝達
性を向上させることが可能となる。
部材が熱伝導性ベルトに対して回転可能なローラで構成
されているので、熱伝導性ベルトの移動を妨げることな
く、換言すればシートの搬送性を損ねることなくシート
に対する熱伝達効率を向上させることが可能となる。
ップ部および補助加熱部材の少なくとも一方に加熱源を
設けたので、熱伝導性ベルトとシート殿の接触範囲であ
る熱伝導領域での受熱効率を高めることが可能となる。
源として領域設定用部材および補助加圧部材の少なくと
も一つを自身が加熱源をなすヒートパイプとし、これを
用いるので、シートの移動方向と直角な方向に相当する
幅方向全域に接触する上記部材により幅方向全域での温
度差をなくして画像の光沢度に関する偏差やホットオフ
セットの発生を解消することが可能となる。
ベルトの移動方向における領域設定用部材または補助加
熱部材と一方のニップ部との間に熱伝導性ベルトの加熱
用熱源を配置しているので、熱伝導性ベルトの移動過程
において所定温度に加熱された熱伝導性ベルトの温度低
下を防止して一定温度条件下での光沢度の設定が可能と
なる。
部材または補助加熱部材が熱伝導性ベルトの接触時に一
方のニップ部で構成される定着加熱領域に連続してその
上流側に位置する予熱領域を構成するので、熱伝導性ベ
ルト同士がシートに直接接触した際に未定着画像への受
熱状態を向上させて温度の切り換えや線速および圧力の
変更を行うことなく所望の光沢度を設定することが可能
となる。
ば、形成される単一色あるいは多色画像に対応した光沢
度を設定する際に、シートの搬送性の悪化や生産性の悪
化および画像形成時間の長大化を防止しながら所望する
光沢度を得ることが可能となる。
説明するための模式図である。
置の全体構成を説明するための模式図である。
模式図である。
置を示す模式図である。
模式図である。
ための模式図である。
域設定用部材の接離機構を説明するための模式図であ
る。
る制御部の構成を説明するブロック図である。
ローチャートである。
れる補助加圧部材の一例を示す模式図である。
模式図である。
熱構造を説明するための模式図である。
図である。
す模式図である。
す模式図である。
の実施例を説明するための模式図である。
ノイド 37,37’,38,38’ 補助加圧部材 N1 定着ローラと加圧ローラとが常時当接している
一方のニップ部 N2 加熱ローラ同士が接離する他方のニップ部 N2’ 領域設定用部材同士が接離する他方のニップ部 L1 定着加熱領域 L2 予熱領域 S シート
Claims (23)
- 【請求項1】シート上に担持された未定着画像を定着す
る装置であって、 対向する展張面が互いに同方向に移動する状態で設けら
れている一対の熱伝導性ベルトと、 上記各熱伝導性ベルトにおいて対向する展張面の展張方
向で少なくとも2カ所において該熱伝導性ベルト間に挟
持されるシートを押圧するニップ部とを備え、 上記ニップ部のうちの一方は上記熱伝導性ベルト同士が
常時当接し、他方は熱伝導性ベルト同士が互いに接離す
る関係とされ、接離状態に応じて上記展張面同士が対向
して構成されるシートへの熱伝達領域の長さが変更可能
であることを特徴とする定着装置。 - 【請求項2】請求項1記載の定着装置において、 上記他方のニップ部の位置は、上記シートの移動方向上
流側に位置していることを特徴とする定着装置。 - 【請求項3】請求項1または2記載の定着装置におい
て、 上記熱伝導性ベルトは一対のローラに掛け回されて展張
面が構成され、該ローラの一つには、加熱源が内蔵され
て該熱伝導性ベルトを加熱することを特徴とする定着装
置。 - 【請求項4】請求項1乃至3のうちの一つに記載の定着
装置において、 上記熱伝導性ベルトは、上記他方のニップ部の接離動作
に関係なく一定速度で移動することを特徴とする定着装
置。 - 【請求項5】請求項1乃至3のうちの一つに記載の定着
装置において、 上記熱伝導性ベルトは、上記他方のニップ部の接離に関
係なく一定張力を維持されていることを特徴とする定着
装置。 - 【請求項6】請求項1乃至5のうちの一つに記載の定着
装置において、 上記一方および他方のニップ部は、上記シートの搬送方
向に平行する熱伝導性ベルトの移動方向に対して直角に
押圧力を作用させ、該押圧力の作用方向が両方のニップ
部同士で平行していることを特徴とする定着装置。 - 【請求項7】請求項1乃至6のうちの一つに記載の定着
装置において、 上記ニップ部のうちで、他方のニップ部は、シートに対
する加熱状態の選択に応じて接離する関係とされている
ことを特徴とする定着装置。 - 【請求項8】請求項7記載の定着装置において、 上記他方のニップ部での加熱状態は、上記シート上に担
持されている未定着画像の光沢度を基準として選択され
ることを特徴とする定着装置。 - 【請求項9】請求項1乃至8のうちの一つに記載の定着
装置において、 上記熱伝導性ベルトは一対のローラに掛け回されてい
て、その一対のローラ間には、対向する展張面同士を接
離させて上記シートの熱伝達領域の長さを変更可能な領
域設定部材が設けられていることを特徴とする定着装
置。 - 【請求項10】請求項1乃至9のうちの一つに記載の定
着装置において、 上記熱伝導性ベルト同士の接離関係を設定する領域設定
用部材はローラで構成され、該領域設定用ローラは、上
記熱伝導性ベルト同士の熱伝達領域が長くできる位置と
その長さを設定しない位置とに変位可能であることを特
徴とする定着装置。 - 【請求項11】請求項10記載の定着装置において、 上記領域設定用ローラは、上記熱伝導性ベルト同士を接
触させることで一方のニップ部で構成される加熱定着領
域近傍に予熱領域を構成することを特徴とする定着装
置。 - 【請求項12】請求項11記載の定着装置において、 上記領域設定用ローラは、上記シートの移動方向におい
て上記加熱定着領域に連続して上記予熱領域を構成でき
るように上記熱伝導性ベルト同士の接触状態を設定する
ことを特徴とする定着装置。 - 【請求項13】請求項8乃至12のうちの一つに記載の
定着装置において、 上記領域設定用部材には、上記熱伝導性ベルトの加熱用
熱源が設けられていることを特徴とする定着装置。 - 【請求項14】請求項8乃至13のうちの一つに記載の
定着装置において、 上記領域設定用部材と上記一方のニップ部との間には、
上記他方のニップ部とは別に上記熱伝導性ベルト同士の
接触状態を維持する補助加圧部材が設けられていること
を特徴とする定着装置。 - 【請求項15】請求項14記載の定着装置において、 上記補助加圧部材は、上記熱伝導性ベルトの対向面と反
対面に配置されて当接している背圧部材で構成されてい
ることを特徴とする定着装置。 - 【請求項16】請求項14記載の定着装置において、 上記補助加圧部材は、上記熱伝導性ベルトの対向面と反
対面で回転可能かつ接離可能なローラで構成されている
ことを特徴とする定着装置。 - 【請求項17】請求項14記載の定着装置において、 上記領域設定用部材および上記補助加圧部材の少なくと
も一方には上記熱伝導性ベルトの加熱用熱源が設けられ
ていることを特徴とする定着装置。 - 【請求項18】請求項15記載の定着装置において、 上記補助加圧部材をなす背圧部材は、低摩擦係数かつ低
熱伝導度を有することを特徴とする定着装置。 - 【請求項19】請求項17記載の定着装置において、 上記領域設定用部材および補助加圧部材の少なくとも一
つが、自身で加熱源をなすヒートパイプで構成されてい
ることを特徴とする定着装置。 - 【請求項20】請求項9,14乃至19のうちの一つに
記載の定着装置において、 上記熱伝導性ベルトの移動方向における上記領域設定用
部材または上記補助加熱部材と上記一方のニップ部との
間には、上記熱伝導性ベルトの加熱用熱源が配置されて
いることを特徴とする定着装置。 - 【請求項21】請求項20記載の定着装置において、 上記熱伝導性ベルトの移動方向における上記領域設定部
材または上記補助加圧部材は、上記熱伝導性ベルト同士
の接触時、上記一方のニップで構成される定着加熱領域
に連続してその上流側に位置する予熱領域を構成するこ
とを特徴とする定着装置。 - 【請求項22】請求項1乃至21のうちの一つに記載の
定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項23】請求項22記載の画像形成装置として、
単一色および多色画像を形成可能な構成を備えているこ
とを特徴とする画像形成装置。
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