WO2008072544A1 - 硬貨入出金機 - Google Patents

Abstract

　搬送機構の簡素化および小形化ができ、出金硬貨も識別できる硬貨入出金機を提供する。 　環状形状の硬貨通路32を形成し、硬貨通路32に沿って硬貨を搬送する１本の環状の搬送ベルト43を環状形状に支持する。硬貨通路32の内側に、入金繰出部34、金種別収納放出部35および一括一時保留部36を配置する。硬貨通路32には、入金繰出部34、金種別収納放出部35および一括一時保留部36から繰り出す硬貨を受け入れる受入搬送域39を設け、入金繰出部34、金種別収納放出部35および一括一時保留部36に硬貨を分類する分類搬送域41を設ける。受入搬送域39と分類搬送域41との間に識別部58を有する識別搬送域40を設ける。１本の環状の搬送ベルト43で入金硬貨および出金硬貨を搬送する。入金系と出金系とで搬送機構を共通化し、搬送機構を簡素化、小形化する。

Description

明 細 書

硬貨入出金機

技術分野

[0001] 本発明は、硬貨の入金および出金が可能な硬貨入出金機に関する。

背景技術

[0002] 従来、例えば、金融機関においては窓口にて、顧客との現金受け渡しを正確かつ 迅速に行うベぐ電子式金銭登録機や入出金管理機等の出納機器と電気的に接続 され、この出納機器から出力される電気信号により自動的に硬貨の入金や出金が可 能な硬貨入出金機が開発されている。

[0003] この硬貨入出金機は、入金処理時に、入金硬貨が投入された入金部から 1枚ずつ 繰り出される入金硬貨を受け入れて搬送し、搬送途中で入金硬貨を識別するととも に識別結果に応じて正規の入金硬貨を金種別に分類して金種別収納放出部へ収 納させる入金系の搬送機構と、出金処理時に、出金該当金種の金種別収納放出部 から 1枚ずつ放出される出金硬貨を受け入れて出金部に搬送する出金系の搬送機 構とを備えている。入金系の搬送機構は、機体上部側から入金硬貨が投入されるこ とや入金系の搬送機構から分類する入金硬貨は落下させて金種別収納放出部へ収 納させることなど力 機体上部側に配設されており、それに伴って、出金系の搬送機 構は、機体上部側の入金系の搬送機構の下側に配設されており、入金系と出金系と の 2系統の搬送機構が上下に重なり合って配設されている（例えば、特許文献 1、 2 参照)。

特許文献 1 :特許第 3549784号公報（第 6 8頁、図 1)

特許文献 2：特許第 3266436号公報（第 3— 5頁、図 1 2)

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] しかしながら、従来の硬貨入出機では、硬貨を搬送する搬送機構が入金系と出金 系とで 2系統あるため、搬送機構が複雑で大形になり、硬貨入出金機の大形化を招 いたり、金種別収納放出部の硬貨収納容量が少量に制限されたり、コスト高となる問 題がある。

[0005] さらに、入金系と出金系との 2系統の搬送機構が上下に重なり合って配設されるた め、組立性や保守性にも問題がある。例えば、出金系の搬送機構で硬貨の詰まりが 発生した場合、上に重なっている入金系の搬送機構があるために、出金系の搬送機 構で詰まって!/、る硬貨を目視で確認できず、上に重なって!/、る入金系の搬送機構を 開き、出金系の搬送機構での硬貨の詰まりを解除しなければならない。

[0006] また、入金系には識別部があるものの出金系には識別部がないため、金種別収納 放出部に異金種硬貨等が混入していた場合、出金処理時に、異金種硬貨等のチェ ックができず、そのまま出金してしまい、出金運用の信頼性を損なうものとなる。

[0007] 本発明は、このような点に鑑みなされたもので、入金系と出金系とで搬送機構を共 通化することにより、搬送機構の簡素化、小形化を可能とし、小形化によって出金硬 貨の収納容量を増加も可能とし、さらに、出金硬貨も識別できるレイアウトとすることが 可能とし、出金運用における信頼性も高くできる硬貨入出金機を提供することを目的 とする。

課題を解決するための手段

[0008] 請求項 1記載の硬貨入出金機は、硬貨入出金機にお!/、て、 1本の環状の搬送体と

、前記搬送体を環状形状に支持するとともにその環状方向に回転可能に支持する支 持体と、前記搬送体によって入金硬貨および出金硬貨を受け入れて搬送する搬送 手段とを具備して!/、るものである。

[0009] 請求項 2記載の硬貨入出金機は、請求項 1記載の硬貨入出金機にお!/、て、搬送手 段は、搬送体を環状方向の一方向にのみ回転させて入金硬貨および出金硬貨を搬 送するものである。

[0010] 請求項 3記載の硬貨入出金機は、請求項 1または 2記載の硬貨入出金機において 、搬送手段は、入金硬貨を分類する入金硬貨分類搬送域と、出金硬貨を受け入れる 出金硬貨受入搬送域とを有し、これら入金硬貨分類搬送域と出金硬貨受入搬送域と が搬送手段の異なる位置に配置されているものである。

[0011] 請求項 4記載の硬貨入出金機は、請求項 1ないし 3いずれか記載の硬貨入出金機 において、搬送体は、硬貨を 1枚ずつ押動搬送する複数の突起部を有しているもの である。

[0012] 請求項 5記載の硬貨入出金機は、請求項 1ないし 4いずれか記載の硬貨入出金機 において、搬送手段には、入金硬貨を受け入れる入金部と、出金硬貨を払い出す出 金部と、硬貨を識別する識別部と、硬貨を一時保留する一時保留部と、硬貨を収納 するとともに収納された硬貨を放出する収納放出部が連設されているものである。

[0013] 請求項 6記載の硬貨入出金機は、請求項 1ないし 4いずれか記載の硬貨入出金機 において、入金硬貨を受け入れる入金口部、入金硬貨を 1枚ずつ繰り出す入金繰出 部、出金硬貨を払い出す出金口部、硬貨を識別する識別部、硬貨を金種別に一時 保留する金種別一時保留部、硬貨を一括一時保留する一括一時保留部、金種別に 硬貨を収納するとともに収納された硬貨を放出する金種別収納放出部、硬貨を一括 収納するとともに収納された硬貨を放出する一括収納放出部、リジェクト硬貨を収納 するリジェクトボックス、回収硬貨を収納する回収カセット、補充硬貨を収納する補充 カセット、および搬送手段から硬貨を分岐させる分岐ゲートのうちの少なくとも 1っ以 上の機能ユニットを備えてレ、るものである。

[0014] 請求項 7記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機にお!/、て、搬送手 段には、機能ユニットが連設されているものである。

[0015] 請求項 8記載の硬貨入出金機は、請求項 5記載の硬貨入出金機にお!/、て、入金部 に非整列状態で投入された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し、搬送手段によって 硬貨を 1枚ずつ搬送し、識別部によって正常硬貨と識別された硬貨を一時保留部に 一時保留するものである。

[0016] 請求項 9記載の硬貨入出金機は、請求項 5記載の硬貨入出金機にお!/、て、収納放 出部に非整列状態で収納された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し、搬送手段によ つて 1枚ずつ硬貨を搬送し、出金部へ払い出すものである。

[0017] 請求項 10記載の硬貨入出金機は、請求項 5記載の硬貨入出金機において、収納 放出部に非整列状態で収納された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し、搬送手段 によって硬貨を 1枚ずつ搬送し、識別部によって正常硬貨と識別された硬貨を出金 部へ払い出すものである。

[0018] 請求項 11記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機にお!/、て、入金 繰出部、一括一時保留部および金種別収納放出部を少なくとも備え、これら入金繰 出部、一括一時保留部および金種別収納放出部が環状構造の搬送手段の内側に 配設されているものである。

[0019] 請求項 12記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機において、入金 繰出部、出金口部、識別部、一括一時保留部および金種別収納放出部を少なくとも 備え、前面側に入金繰出部および出金口部が配設され、前面側から奥側に向かつ て順に入金繰出部、金種別収納放出部、一括一時保留部および識別部が配設され ているものである。

[0020] 請求項 13記載の硬貨入出金機は、請求項 12記載の硬貨入出金機において、入 金繰出部、金種別収納放出部および一括一時保留部から繰り出された硬貨を搬送 手段によって同じ搬送路に沿って同一方向に搬送し、識別部によって硬貨を識別す るものである。

[0021] 請求項 14記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機において、金種 別一時保留部、一括一時保留部、金種別収納放出部および一括収納放出部は、硬 貨を非整列状態で受収するとともに、水平方向の軸で軸支された複数のローラによ つて搬送方向上流側から下流側に向かうに従って上昇傾斜するように懸架されたべ ルトと、このベルトの搬送方向下流側上方域に位置し、搬送方向へのベルトの回転 に対して逆方向に回転してベルト上の非整列状態の硬貨を 1層 1列状態に整列させ て放出させる逆転ローラと、搬送手段の搬送体に対して硬貨を 1枚ずつ受け渡す受 渡部とを備えてレ、るものである。

[0022] 請求項 15記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機において、入金 繰出部は、硬貨を非整列状態で受収するとともに、水平方向の軸で軸支された複数 のローラによって搬送方向上流側から下流側に向かうに従って上昇傾斜するように 懸架されたベルトと、このベルトの搬送方向下流側上方域に位置し、搬送方向への ベルトの回転に対して逆方向に回転してベルト上の非整列状態の硬貨を 1層 1列状 態に整列させて繰り出させる逆転ローラと、搬送手段の搬送体に対して硬貨を 1枚ず つ受け渡す受渡部と、搬送手段によって搬送される硬貨を受け入れ可能な受入口と を備えているものである。 [0023] 請求項 16記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機において、入金 口部および入金繰出部を備え、この入金口部は、入金繰出部の上部域に配設され、 機内に補充硬貨を補充する補充口部として利用可能とするものである。

[0024] 請求項 17記載の硬貨入出金機は、請求項 5記載の硬貨入出金機において、識別 部によって異常硬貨と識別された硬貨は、搬送手段によって巡回させ、識別部によ つて再度識別するものである。

[0025] 請求項 18記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機において、入金 繰出部、識別部、一括一時保留部および分岐ゲートを少なくとも備え、入金承認前 の入金計数時に、入金繰出部から繰り出される硬貨を搬送手段で搬送し、識別部で の識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨を一括一時保留部の硬貨入口に対応 した分岐ゲートによって一括一時保留部へ分岐し、異常硬貨と識別された硬貨を返 却用に対応した分岐ゲートによって分岐して返却するものである。

[0026] 請求項 19記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機において、入金 繰出部、識別部、一括一時保留部および分岐ゲートを少なくとも備え、入金承認前 の入金計数時に、入金繰出部から繰り出される硬貨を搬送手段で搬送し、識別部で の識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨を一括一時保留部の硬貨入口に対応 した分岐ゲートによって一括一時保留部へ分岐し、異常硬貨と識別された硬貨を入 金繰出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって入金繰出部へ分岐させて入金 繰出部に戻し、入金繰出部から搬送手段へ繰り出して識別部で再度識別させるもの である。

[0027] 請求項 20記載の硬貨入出金機は、請求項 18または 19記載の硬貨入出金機にお いて、金種別収納放出部を備え、入金承認後の収納計数時に、一括一時保留部か ら繰り出される硬貨を搬送手段で搬送し、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識 別された硬貨を各金種別収納放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分 岐し、異常硬貨と識別された硬貨を返却用に対応した分岐ゲートによって分岐して 返却するものである。

[0028] 請求項 21記載の硬貨入出金機は、請求項 18または 19記載の硬貨入出金機にお いて、金種別収納放出部を備え、入金承認後の収納計数時に、一括一時保留部か ら繰り出される硬貨を搬送手段で搬送し、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識 別された硬貨を各金種別収納放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分 岐し、異常硬貨と識別された硬貨を入金繰出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートに よって入金繰出部へ分岐させて入金繰出部に戻し、入金繰出部から搬送手段へ繰り 出して識別部で再度識別させるものである。

[0029] 請求項 22記載の硬貨入出金機は、請求項 6記載の硬貨入出金機において、出金 口部、識別部、金種別収納放出部および分岐ゲートを少なくとも備えるとともに制御 部を備え、この制御部は、外部から出金指示された金種を該当する金種別収納放出 部から搬送手段へ放出させ、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨 は機体前面の左右に備えた出金口部の上方に対応して配設された左右!/、ずれかの 分岐ゲートによって分岐して払い出し、異常硬貨と識別された硬貨はこの硬貨を放出 した金種別収納放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分岐して元の金種 別収納放出部に戻すとともに、異常硬貨の枚数分の硬貨を当該金種別収納放出部 力、ら搬送手段へ追加放出させるものである。

発明の効果

[0030] 請求項 1記載の硬貨入出金機によれば、環状形状に支持されて回転する 1本の環 状の搬送体によって入金硬貨および出金硬貨を搬送するため、入金系と出金系とで 搬送機構を共通化でき、搬送機構の簡素化、小形化を可能とし、小形化によって出 金硬貨の収納容量の増加も可能とし、さらに、出金硬貨も識別できるレイアウトとする ことが可能となり、出金運用における信頼性も高くできる。

[0031] 請求項 2記載の硬貨入出金機によれば、請求項 1記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、搬送体を環状方向の一方向にのみ回転させて入金硬貨および出金硬貨を 搬送するため、硬貨の流れを入金と出金とで同一方向にでき、機構や制御を簡素化 できる。

[0032] 請求項 3記載の硬貨入出金機によれば、請求項 1または 2記載の硬貨入出金機の 効果に加えて、入金硬貨を分類する入金硬貨分類搬送域と出金硬貨受入搬送域と を搬送手段の異なる位置に配置しているため、入金系と出金系とを共通にしていても 、入金硬貨および出金硬貨を確実に処理できる。 [0033] 請求項 4記載の硬貨入出金機によれば、請求項 1ないし 3いずれか記載の硬貨入 出金機の効果に加えて、複数の突起部を有する搬送体を用い、この搬送体の突起 部間に硬貨を 1枚ずつ受け入れ、その硬貨を突起部で 1枚ずつ確実に押動搬送でき

[0034] 請求項 5記載の硬貨入出金機によれば、請求項 1ないし 4いずれか記載の硬貨入 出金機の効果に加えて、搬送手段に入金部、出金部、識別部、一時保留部および 収納放出部を連設し、共通の搬送手段を用いて入金処理および出金処理ができる。

[0035] 請求項 6記載の硬貨入出金機によれば、請求項 1ないし 4いずれか記載の硬貨入 出金機の効果に加えて、入金口部、入金繰出部、出金口部、識別部、金種別一時 保留部、一括一時保留部、金種別収納放出部、一括収納放出部、リジェクトボックス 、回収カセット、補充カセットおよび分岐ゲートのうちの少なくとも 1つ以上の機能ュニ ットを備え、入金処理および出金処理ができる。

[0036] 請求項 7記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、搬送手段に機能ユニットを連設したレイアウトとし、共通の搬送手段を用いて 入金処理および出金処理ができる。

[0037] 請求項 8記載の硬貨入出金機によれば、請求項 5記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、入金部に非整列状態で投入された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し、搬 送手段によって硬貨を 1枚ずつ搬送し、識別部によって正常硬貨と識別された硬貨 を一時保留部に一時保留することができ、搬送手段を通じて入金系のレイアウトを形 成できる。

[0038] 請求項 9記載の硬貨入出金機によれば、請求項 5記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、収納放出部に非整列状態で収納された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し 、搬送手段によって 1枚ずつ硬貨を搬送し、出金部へ払い出すことができ、搬送手段 を通じて出金系のレイアウトを形成できる。

[0039] 請求項 10記載の硬貨入出金機によれば、請求項 5記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、収納放出部に非整列状態で収納された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し 、搬送手段によって硬貨を 1枚ずつ搬送し、識別部によって正常硬貨と識別された硬 貨を出金部へ払い出すことができ、搬送手段を通じて出金系のレイアウトを形成でき [0040] 請求項 11記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、入金繰出部、一括一時保留部および金種別収納放出部が搬送手段の内側 に配設され、搬送手段を通じて入金系および出金系のレイアウトを容易に形成できる

[0041] 請求項 12記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、前面側に入金繰出部および出金口部が配設され、前面側から奥側に向か つて順に入金繰出部、金種別収納放出部、一括一時保留部および識別部が配設さ れ、搬送手段を通じて入金系および出金系のレイアウトを容易に形成できる。

[0042] 請求項 13記載の硬貨入出金機によれば、請求項 12記載の硬貨入出金機の効果 に加えて、入金繰出部、金種別収納放出部および一括一時保留部から繰り出された 硬貨を搬送手段によって同じ搬送路に沿って同一方向に搬送し、識別部によって硬 貨を識別するため、入金硬貨の識別、一時保留後に収納する入金硬貨の再識別、 出金硬貨の識別ができ、特に出金硬貨の識別によって出金運用における信頼性を 高くできる。

[0043] 請求項 14記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、金種別一時保留部、一括一時保留部、金種別収納放出部および一括収納 放出部は、ベルト上に硬貨を非整列状態で受収するため、硬貨収納量を増大でき、 また、硬貨放出時には、ベルトの搬送方向への回転と逆転ローラの逆方向への回転 とによりベルト上の非整列状態の硬貨を 1層 1列状態に整列させて放出させるとともに 、受渡部により搬送手段の搬送体に対して硬貨を 1枚ずつ確実に受け渡すことがで きる。

[0044] 請求項 15記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、入金繰出部は、搬送手段によって搬送される硬貨を受入口から受け入れ、 ベルト上に硬貨を非整列状態で受収するため、硬貨収納量を増大でき、また、硬貨 繰出時には、ベルトの搬送方向への回転と逆転ローラの逆方向への回転とによりべ ノレト上の非整列状態の硬貨を 1層 1列状態に整列させて繰り出せるとともに、受渡部 により搬送手段の搬送体に対して硬貨を 1枚ずつ確実に受け渡すことができる。 [0045] 請求項 16記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、入金口部を補充口部として利用し、機内に補充硬貨を補充できる。

[0046] 請求項 17記載の硬貨入出金機によれば、請求項 5記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、識別部によって異常硬貨と識別された硬貨は、搬送手段によって巡回させ、 識別部によって再度識別するため、再識別によって正常硬貨と識別される硬貨が異 常硬貨として処理されるのを低減できる。

[0047] 請求項 18記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、入金承認前の入金計数時に、入金繰出部から繰り出される硬貨を搬送手段 で搬送し、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨を一括一時保留部 の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって一括一時保留部へ分岐し、異常硬貨と識 別された硬貨を返却用に対応した分岐ゲートによって分岐して返却するため、処理 を迅速にできる。

[0048] 請求項 19記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、入金承認前の入金計数時に、入金繰出部から繰り出される硬貨を搬送手段 で搬送し、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨を一括一時保留部 の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって一括一時保留部へ分岐し、異常硬貨と識 別された硬貨を入金繰出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって入金繰出部 へ分岐させて入金繰出部に戻し、入金繰出部から搬送手段へ繰り出して識別部で 再度識別させるため、再識別によって正常硬貨と識別される硬貨が異常硬貨として 処理されるのを低減できる。

[0049] 請求項 20記載の硬貨入出金機によれば、請求項 18または 19記載の硬貨入出金 機の効果に加えて、入金承認後の収納計数時に、一括一時保留部から繰り出される 硬貨を搬送手段で搬送し、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨を 各金種別収納放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分岐し、異常硬貨と 識別された硬貨を返却用に対応した分岐ゲートによって分岐して返却するため、処 理を迅速にできる。

[0050] 請求項 21記載の硬貨入出金機によれば、請求項 18または 19記載の硬貨入出金 機の効果に加えて、入金承認後の収納計数時に、一括一時保留部から繰り出される 硬貨を搬送手段で搬送し、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨を 各金種別収納放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分岐し、異常硬貨と 識別された硬貨を入金繰出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって入金繰出 部へ分岐させて入金繰出部に戻し、入金繰出部から搬送手段へ繰り出して識別部 で再度識別させるため、再識別によって正常硬貨と識別される硬貨が異常硬貨とし て処理されるのを低減できる。

[0051] 請求項 22記載の硬貨入出金機によれば、請求項 6記載の硬貨入出金機の効果に 加えて、外部から出金指示された金種を該当する金種別収納放出部から搬送手段 放出させ、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨は機体前面の左 右に備えた出金口部の上方に対応して配設された左右いずれかの分岐ゲートによつ て分岐して払い出し、異常硬貨と識別された硬貨はこの硬貨を放出した金種別収納 放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分岐して元の金種別収納放出部 に戻すとともに、異常硬貨の枚数分の硬貨を当該金種別収納放出部から搬送手段 追加放出させるため、出金運用における信頼性を高くできる。

図面の簡単な説明

[0052] [図 1]本発明の硬貨入出金機の一実施の形態を示す硬貨処理装置の平面図である

[図 2]同上硬貨処理装置の斜視図である。

[図 3]同上硬貨処理装置の断面図である。

[図 4]同上硬貨処理装置の硬貨通路を示し、（a)は図 1の a— a断面図、（b)は図 1の b— b断面図、（c)は図 1の c— c断面図、（d)は図 1の d— d断面図、（e)は図 1の e— e断面図 （ί)は図 1の f f断面図である。

[図 5]同上硬貨処理装置の入金繰出部を示し、（a)は断面図、（b)は平面図である。

[図 6]同上硬貨処理装置の小径硬貨用の金種別収納放出部を示し、（a)は断面図、（b )は平面図である。

[図 7]同上硬貨処理装置の受渡部による大径硬貨の受け渡し動作を (a)〜(h)の順に 説明する平面図である。

[図 8]同上硬貨処理装置の受渡部による小径硬貨の受け渡し動作を (a)〜(h)の順に 説明する平面図である。

園 9]同上硬貨入出金機としての貨幣処理機の斜視図である。

符号の説明

15, 16 出金口部としての硬貨出金口

17, 18 出金部と 1 ^ての出金ボックス

33 搬送手段

34 入金部として ⁽ «入金繰出部

35 収納放出部と ：しての金種別収納放出部

36 一時保留部と 'しての一括一時保留部

39 出金硬貨受入搬送域としての受入搬送域

41 入金硬貨分類搬送域としての分類搬送域

43 搬送体としての搬送ベルト

44 支持体として ( 。プーリ

46 突起部

58 識別部

78 ベルトとして )平ベルト

79 逆転ローラ

81 受渡部

82, 83 ローラ

82a, 83a 軸

90 受入口

131 制御部

C 7ΓΒ

発明を実施するための最良の形態

[0054] 以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。

[0055] 図 9に、硬貨入出金機としての貨幣処理機の斜視図を示す。この貨幣処理機は、 硬貨入出金機と紙幣入出金機とが一体化されたもので、機体 10の上部側に硬貨を 入出金処理する硬貨入出金装置である硬貨処理装置 11が配置され、下部側に紙幣 を入出金処理する図示しない紙幣処理装置が配置されている。そして、この貨幣処 理機は、金融機関の窓口などにおいて、左右の 2人のテラー間に設置されるとともに 、各テラーによって操作される 2台の端末に接続されて、両テラーによって共用される

[0056] 機体 10は、縦型で、機体 10の左右方向である幅方向の寸法が小さぐ前後方向に 長く構成されている。機体 10の上面前側の幅方向の略中央域に硬貨入金口 12が配 設され、この硬貨入金口 12の前側に紙幣入金口 13が配設され、この紙幣入金口 13 の下側に紙幣出金口 14が配設され、この紙幣出金口 14の両側には出金口部として の左側の硬貨出金口 15および右側の硬貨出金口 16がそれぞれ配設されている。各 硬貨出金口 15, 16には、機体 10内から出金する硬貨を収納する出金部としての出金 ボックス 17, 18が着脱可能に配置されている。

[0057] 機体 10の上面でかつ硬貨入金口 12および紙幣入金口 13の両側には、複数の操作 キーや表示器などを含む左側の操作部 19および右側の操作部 20が配設されている

[0058] 機体 10の前面下部域には前面扉 21が開閉可能に配設され、この前面扉 21には機 体 10に対して閉鎖状態で施錠、解錠する扉キー 22が配設されている。前面扉 21で開 閉される機体 10の内部には、硬貨処理装置 11から回収する硬貨を収納する図示しな い回収カセットが着脱可能に配設されて!/、る。

[0059] 次に、図 1に硬貨処理装置の平面図、図 2に硬貨処理装置の斜視図を示す。この 硬貨処理装置 11は、機体 10に対して前方へ引出可能とする前後方向に長い四角形 枠状のフレーム 31を有している。このフレーム 31上には、フレーム 31の左側、後側、 右側、前側の四辺に沿って略四角形に、環状の硬貨通路 32が形成されているととも に、図 1および図 2における時計回り方向に対応した搬送方向へ向けて硬貨通路 32 内の硬貨を搬送する環状構造の搬送手段 33が配設されている。

[0060] これら硬貨通路 32および搬送手段 33の内側域には、硬貨入金口 12から受け入れ た硬貨を硬貨通路 32に 1枚ずつ繰り出す入金部としての入金繰出部 34、金種別の硬 貨を収納して硬貨通路 32に 1枚ずつ繰り出す収納放出部としての金種別収納放出 部 35、入金時の識別後の硬貨を一括して一時保留するとともに硬貨通路 32に 1枚ず つ繰り出す一時保留部としての一括一時保留部 36を含む各機能ユニットが、前面側 力、ら奥側に向かって順に配設されている。入金繰出部 34、金種別収納放出部 35、一 括一時保留部 36は、基本的な構成が同じであり、いずれも、硬貨を非整列状態で収 納して 1枚ずつ繰り出す硬貨収納繰出部あるいは硬貨収納繰出装置として構成され ている。

[0061] そして、硬貨通路 32および搬送手段 33によって、次の硬貨を搬送する搬送域が形 成されている。フレーム 31の一側である左側の辺に沿って前側から奥側に向力、ぅ領 域に、入金繰出部 34、各金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36から 1枚ず つ繰り出される硬貨を受け入れて搬送する受入搬送域 39が形成されている。フレー ム 31の後側の辺に沿って左側から右側に向力、う領域に、硬貨を搬送しながら識別す る識別搬送域 40が形成されて!/、る。フレーム 31の他側である右側の辺に沿って奥側 力 前側に向力、う領域に、硬貨を搬送しながら分類する分類搬送域 41が形成されて いる。フレーム 31の前側の辺に沿って右側から左側に向力、う領域に、硬貨を左側の 硬貨出金口 15に払い出すために搬送する出金搬送域 42が形成されている。なお、 出金硬貨受入搬送域が受入搬送域 39で構成され、入金硬貨分類搬送域が分類搬 送域 41で構成されている。

[0062] 搬送手段 33は、 1本の環状の搬送体としての搬送ベルト 43、およびこの搬送ベルト 4 3を硬貨通路 32に沿って回転可能に支持する複数の支持体としてのプーリ 44を有し ている。各プーリ 44は、硬貨通路 32の各辺の端部であって四角形状の硬貨通路 32の 各角部の内側位置に、鉛直方向の軸で水平方向に回転可能に軸支されており、搬 送ベルト 43を硬貨通路 32に沿って四角形状に掛け回している。左前側のプーリ 44の 近傍には、搬送ベルト 43の外側をガイドするプーリ 45が配置されて!/、る。

[0063] 搬送ベルト 43には内周に複数の歯を有するタイミングベルトが用いられ、プーリ 44 にも外周に複数の歯を有するタイミングプーリが用いられて!/、る。レ、ずれか 1つのプ ーリ 44が図示しない駆動部としてのモータによって回転駆動され、搬送ベルト 43が搬 送方向に回転する。また、搬送ベルト 43の内周には溝が設けられ、プーリ 44の外周 には搬送ベルト 43の溝に係合する突出部が設けられており、複数のプーリ 44で搬送 ベルト 43の高さ方向の位置が規制され、搬送ベルト 43と硬貨通路 32の上面との間隔 が処理する硬貨のうちの最大厚み硬貨の厚みよりも広レ、寸法に保たれてレ、る。

[0064] 搬送ベルト 43には、図 3および図 4、図 7および図 8に示すように、搬送ベルト 43の 下面から下方へ向かって突出して硬貨通路 32内の硬貨を 1枚ずつ押動搬送する複 数の突起部 46がベルト長手方向に沿って所定の間隔毎に設けられている。複数の 突起部 46の間隔は、搬送方向前後の突起部 46間に硬貨を 1枚ずつ受け入れて搬送 可能とする寸法とされている。突起部 46と硬貨通路 32の上面との間には、処理する最 小厚み硬貨の厚みよりも小さい寸法の間隙があけられている。なお、図中に示す符 号 Cは硬貨を示している。

[0065] また、硬貨通路 32の受入搬送域 39には、図 4(a)(b)(c)に示すように、入金繰出部 34 、各金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36から 1枚ずつ繰り出される硬貨が 上昇傾斜する傾斜姿勢であることに対応して、それら入金繰出部 34、各金種別収納 放出部 35および一括一時保留部 36が連設される内側の側部が低ぐ反対の外側の 側部が高くなるように通路幅方向に傾斜した傾斜通路面 49が形成されている。この 傾斜通路面 49の内側および外側の側部に沿って硬貨の周縁をガイドする内側ガイド 50および外側ガイド 51が形成され、これら内側ガイド 50と外側ガイド 51との間で形成さ れる通路幅が処理する最大径硬貨の 1枚の直径分の寸法より広ぐ最小径硬貨の 2 枚の直径分の寸法より狭く形成されている。傾斜通路面 49の中央域には、搬送ベル ト 43の突起部 46に対して接触しないように逃げる溝状の逃げ部 52が形成されている。

[0066] 受入搬送域 39の最下流部であって、一括一時保留部 36からの硬貨の繰出位置より 下流位置には、傾斜通路面 49によって傾斜姿勢にある硬貨を水平姿勢に変換する 変換通路面 53が形成されている。この変換通路面 53は、図 4(dXe)(i)に示すように、 搬送方向下流側へ向かって、傾斜通路面 49の低い側である内側が高くなるように、 かつ傾斜通路面 49の高い側である外側が低くなるように変位し、最終的に水平通路 面 54となる。したがって、受入搬送域 39の傾斜通路面 49より下流側に位置する識別 搬送域 40、分類搬送域 41および出金搬送域 42の通路面は硬貨を水平姿勢で搬送 する水平通路面 54に形成されて!/、る。

[0067] また、図 1および図 2に示すように、硬貨通路 32の識別搬送域 40には、受入搬送域 39から連続して、水平通路面 54である通路面 55、内側ガイド 56および外側ガイド 57が 形成されて!/、る。硬貨通路 32および搬送手段 33の内側であって内側ガイド 56側には 、硬貨の材質、径などを検知して金種を識別する識別部 58が配設されている。この識 別部 58に対向する硬貨通路 32および搬送手段 33の外側であって外側ガイド 57側に は、識別搬送域 40内を搬送する硬貨を内側ガイド 56側つまり識別部 58側に幅寄せす る幅寄せ部材 59が配設されている。この幅寄せ部材 59は、例えば樹脂製で、基端が 鉛直方向の軸によって外側ガイド 57側に回動可能に軸支され、先端が通路内方に 突出するとともに突出方向にばねによって付勢されている。

[0068] また、硬貨通路 32の分類搬送域 41には、識別搬送域 40から連続して、水平通路面 54である通路面 60、内側ガイド 61および外側ガイド 62が形成されている。この分類搬 送域 41には、一括一時保留部 36、各金種別収納放出部 35、入金繰出部 34、右側の 硬貨出金口 16に対して硬貨を選択的に分岐する分岐部 63が形成されている。各分 岐部 63は、通路面 60に開口されて硬貨が落下可能とする分岐口 64を有し、この分岐 口 64に硬貨を選択的に分岐する分岐ゲート 65が配設されている。この分岐ゲート 65 は、搬送ベルト 43と接触しないように搬送ベルト 43の両側に分割して配置されている とともに、搬送方向下流側で水平方向の軸 66を支点として軸支され、分岐駆動部とし てのソレノイド 67により分岐ゲート 65が水平となって分岐口 64を閉塞する閉塞位置と 分岐ゲート 65の搬送方向上流側の先端が上方に移動して分岐口 64を開放する開放 位置との間で開閉する。そして、分岐ゲート 65の閉塞位置では、搬送ベルト 43で搬送 してくる硬貨が分岐口 64および分岐ゲート 65上を通過し、また、分岐ゲート 65の開放 位置では、搬送ベルト 43で搬送してくる硬貨を分岐ゲート 65で強制的に分岐口 64に 落とし込む。

[0069] 右側の硬貨出金口 16に対応した分岐部 63の下方には図示しない切換手段が配設 され、この切換手段によって分岐部 63で分岐した硬貨を硬貨出金口 16または機体 10 内の下部側に配置される回収カセットに導くことができる。

[0070] また、硬貨通路 32の出金搬送域 42には、分類搬送域 41から連続して、水平通路面 54である通路面 68、内側ガイド 69、外側ガイド 70が形成されている。出金搬送域 42の 末端には、左側の硬貨出金口 15に硬貨を分岐する分岐部 71が配設されている。この 分岐部 71は、通路面 68に開口されて硬貨が落下可能とする分岐口 72を有し、この分 岐ロ 72に硬貨を落とし込む分岐ゲート 73が固定位置に配設されている。

[0071] また、硬貨通路 32上には、搬送ベルト 43で搬送する各硬貨の位置を検知する複数 のセンサが配設されている。

[0072] 次に、図 1ないし図 3、図 5に示すように、入金繰出部 34は、上方の硬貨入金口 12か ら投入される硬貨および硬貨通路 32から送り込まれる硬貨を非整列状態で受収する 収納枠 77、この収納枠 77の底面に硬貨処理装置 11の左右方向である装置幅方向に 沿って配設された無端状のベルトとしての平ベルト 78、およびこの平ベルト 78の搬送 方向下流側上方域に配設され搬送方向への平ベルト 78の回転に対して逆方向に回 転して平ベルト 78上の非整列状態の硬貨を 1層 1列状態に整列させて繰り出させる 逆転ローラ 79、この逆転ローラ 79を通過した硬貨を硬貨通路 32の受入搬送域 39に繰 り出す繰出通路部 80、この繰出通路部 80から 1枚ずつ繰り出す硬貨を搬送ベルト 43 の突起部 46に受け渡す受渡部 81を有している。

[0073] そして、平ベルト 78は、水平方向の軸 82a, 83aで軸支された搬送方向上流側の口 ーラ 82と搬送方向下流側のローラ 83とによって搬送方向上流側から搬送方向下流側 に向かうに従って上昇傾斜する直線状の傾斜搬送面 84を形成するように懸架されて いる。この平ベルト 78の幅は、硬貨 1枚の直径分の寸法より広ぐ硬貨 2枚の直径分 の寸法より狭く形成されて!/、る。

[0074] 平ベルト 78の搬送方向下流側のローラ 83は、硬貨通路 32の受入搬送域 39における 傾斜通路面 49の内側の側部に臨む近傍位置に配置されている。そして、これら平べ ノレト 78の傾斜搬送面 84と硬貨通路 32の傾斜通路面 49とは同じ角度で傾斜する関係 を有しており、平ベルト 78の傾斜搬送面 84から傾斜姿勢で繰り出す硬貨を、その傾 斜姿勢のまま硬貨通路 32の傾斜通路面 49に受け入れて搬送可能としている。

[0075] 平ベルト 78の傾斜搬送面 84の下側において、この平ベルト 78が複数のローラ 85お よび駆動用のローラ 86に掛け回されている。複数のローラ 85のうちの 1つのローラ 85a は搬送方向下流側のローラ 83の位置よりさらに搬送方向下流側でかつ下側に配置さ れ、ローラ 83からローラ 85aにわたつて平ベルト 78が下方へ傾斜されている。駆動用 のローラ 86は、入金繰出部 34、各金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36に 共通の駆動手段としてのモータ 87によって回転駆動される。したがって、モータ 87の 駆動によって、平ベルト 78が搬送方向へ向けて回転駆動される。

[0076] また、収納枠 77は、平ベルト 78のベルト幅方向の両側に配置される側面部 88、およ び搬送方向上流側の端面に配置される端面部 89を有している。収納枠 77の搬送方 向上流側の上方域には、硬貨通路 32の分類通路域 41の分岐部 63が配置され、その 分岐部 63で分岐された硬貨を受け入れる硬貨受入位置に受入口 90が形成されてい

[0077] 収納枠 77の内側には、この収納枠 77の一部を構成するとともに平ベルト 78の傾斜 搬送面 84をガイドするガイド体 91が配設されている。このガイド体 91は、平ベルト 78の 傾斜搬送面 84を一定高さに支持する平面状の支持面 92、および平ベルト 78の両側 に沿って配置される両側のガイド部 93を有している。これら両側のガイド部 93には、 平ベルト 78側に対向するガイド面縁部 94から平ベルト 78側と反対の外側に向力、うに 従って高くなるガイド面 95が形成されている。ガイド面 95には、ガイド面縁部 94から平 ベルト 78の傾斜搬送面 84と平行に形成される平坦面 95a、およびこの平坦面 95aの外 側から斜め上方に向かって傾斜状に形成される傾斜面 95bが含まれる。

[0078] 両側のガイド部 93は、受入口 90の下方位置よりも搬送方向下流側でかつ逆転ロー ラ 79の位置よりも搬送方向上流側の領域 A1において、ガイド面縁部 94の高さ位置が 平ベルト 78の傾斜搬送面 84の表面高さ以下でかつ裏面高さ以上つまりベルト厚み寸 法以内の位置に配置されている。一方、受入口 90の下方位置である搬送方向上流 側の領域 A2と、逆転ローラ 79の位置を含む搬送方向下流側の領域 A3とにお!/、て、 ガイド面縁部 94の高さ位置が平ベルト 78の傾斜搬送面 84の表面高さ以上に配置さ れている。

[0079] また、逆転ローラ 79は、収納枠 77内力、ら繰り出される硬貨の出口域で、平ベルト 78 の傾斜搬送面 84の上方域に平ベルト 78に載った厚み方向 1枚の硬貨のみが通過し 得る間隔を形成して配設されている。この逆転ローラ 79は、平ベルト 78を駆動するモ ータ 87であって、入金繰出部 34、各金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36 に共通のモータ 87により、搬送方向への平ベルト 78の回転に対して逆方向に回転し 、平ベルト 78上の非整列状態の硬貨を 1層 1列状態に整列させて繰り出させる。

[0080] また、繰出通路部 80は、逆転ローラ 79の位置より搬送方向下流側において、平べ ルト 78の傾斜搬送面 84上、および平ベルト 78の一側に配設された通路板 96上に形 成されている。通路板 96は、平ベルト 78の傾斜搬送面 84と同じ傾斜をもって面一に 配設されている。繰出通路部 80の両側には、硬貨の周縁をガイドするガイド部材 97, 98が配設されている。これらガイド部材 97, 98は、硬貨通路 32での搬送方向に対応し て、硬貨を一側に幅寄せするように斜めに配置されて!/、る。

[0081] この繰出通路部 80には、硬貨を幅寄せする一方のガイド部材 97側の搬送方向下流 側の位置に、硬貨とともに平ベルト 78で繰り出されてきた異物を下方へ排除する異物 排除孔 99が開口形成されている。この異物排除孔 99は、一方のガイド部材 97と、ロー ラ 83からローラ 85aにわたつて掛け回されて下方へ傾斜する平ベルト 78の傾斜部分と 、硬貨通路 32の傾斜通路面 49の始端部との間に形成されている。この異物排除孔 99 の下方に、異物を収納する異物収納箱が配置される。

[0082] 硬貨通路 32には、繰出通路部 80の硬貨繰出口 80aが接続される位置に対応して内 側ガイド 50が設けられておらず、繰出通路部 80の硬貨繰出口 80aから繰り出される硬 貨の傾斜通路面 49への受け入れが可能となっている。

[0083] また、受渡部 81は、繰出通路部 80の他側のガイド部材 97側であって、硬貨通路 32 の搬送方向下流側に対応した繰出通路部 80の側部に、平ベルト 78の傾斜搬送面 84 に対して垂直方向の軸 101で水平方向に回転可能に軸支された円形状のカム 102を 有している。このカム 102は、受渡駆動部としてのパルスモータ 103によって硬貨の受 け渡し方向（図中時計回り方向）に回転駆動される。

[0084] カム 102の下面には、図 7および図 8に示すように、周縁部の円周上の対称位置に 一対の突出部 104が下方へ向けて突出形成され、これら突出部 104間に溝部 105が 形成されている。突出部 104と傾斜搬送面 84との間隔は硬貨が進入し得ない寸法に 形成され、溝部 105と傾斜搬送面 84との間隔および一対の突出部 104間の溝部 105の 幅はそれぞれ硬貨 1枚が進入し得る寸法に形成されている。

[0085] 各突出部 104の回転方向に対向する縁部は、溝部 105内に進入した硬貨の周縁を 押してその硬貨を搬送ベルト 43の突起部 46に受け渡す押出部 106として構成され、ま た、各突出部 104の回転方向に対して反対方向に対向する縁部、および各突出部 10 4の外周面は、受け渡す硬貨に対して後続の硬貨を次の受け渡しタイミングまで分離 して留めておく抑止部 107として構成されている。したがって、受渡部 81は、入金繰出 部 34からの硬貨の繰出を停止させる停止手段としても機能する。

[0086] そして、図 7(a)または図 8(a)に示すように、カム 102は、硬貨が一方の溝部 105に進 入して一方の抑止部 107に当接して停止する位置を定位置とし、搬送ベルト 43の突 起部 46の位置に応じてその突起部 46に硬貨を受け渡すことができるタイミングで 180 ° 回動し、後続の硬貨が他方の溝部 105に進入して他方の抑止部 107に当接して停 止する位置、つまり次の定位置で停止し、次の受け渡し動作に待機するように制御さ れる。カム 102の定位置は、軸 101に取り付けられた検知板 108の円周上の 2箇所に設 けられた切欠部で定位置検知手段としての光学式のセンサ 109が透光状態となること で検知できる。

[0087] 繰出通路部 80内で、平ベルト 78の側部位置には、カム 102の溝部 105に硬貨が進入 していることを検知する光学式のセンサ 110が配設されている。カム 102には、各定位 置で、センサ 110による硬貨の検知を妨げな!/、ようにするために切欠部 111が形成さ れている。

[0088] 次に、図 1および図 2に示すように、各金種別収納放出部 35および一括一時保留 部 36は、基本的な構成が入金繰出部 34の構成と同じであり、すなわち、収納枠 77、 平ベルト 78、逆転ローラ 79、繰出通路部 80、および受渡部 81などを備えている。そし て、各金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36からは硬貨通路 32の受入搬 送域 39に硬貨を 1枚ずつ繰出可能とし、各金種別収納放出部 35および一括一時保 留部 36には硬貨通路 32の分類搬送域 41の対応する各分岐部 63で分岐される硬貨を 受け入れて収納可能としている。そのため、同じ構成についての説明は省略し、異な る点のみを説明する。

[0089] 金種別収納放出部 35は、収納枠 77、平ベルト 78、逆転ローラ 79などが 3金種分ず つ一体にユニット化されている。そのため、この硬貨処理装置 11では、 2つのユニット が用いられている。そして、入金繰出部 34、各金種別収納放出部 35、および一括一 時保留部 36の駆動用のローラ 86が図示しないカップリングで互いに連結されていると ともに逆転ローラ 79がカップリング 121で互いに連結されている。したがって、入金繰 出部 34、各金種別収納放出部 35、および一括一時保留部 36の平ベルト 78および逆 転ローラ 79が共通のモータ 87の駆動により一体的に回転するように構成されている。

[0090] 図 5には入金繰出部 34を示したが、大径金種用の金種別収納放出部 35、および一 括一時保留部 36も同じ構造としている。また、図 6には小径金種用の金種別収納放 出部 35を示し、大径金種用の金種別収納放出部 35に比べて、平ベルト 78の幅は同 じであるが、収納枠 77の横幅が狭く形成されており、ガイド部 93の平坦面 95aが短くな るか設けられていない。例えば、 日本国硬貨の場合には、大径金種を 5円、 10円、 1 00円および 500円とし、小径金種を 1円および 50円として!/、る。

[0091] また、図 7および図 8に示すように、各金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36の繰出通路部 80から硬貨通路 32に硬貨を繰り出す繰出通路部 80の硬貨繰出口 8 0aには、この硬貨繰出口 80aを硬貨の繰出動作に伴って開閉するガイド体としてのガ イドレバー 122が配設されている。このガイドレバー 122は、硬貨通路 32の搬送方向上 流側の軸 123を支点として硬貨繰出口 80aを閉塞する位置と硬貨通路 32内に突出す る位置との間で回動可能とし、図示しないばねによって硬貨繰出口 80aを閉塞する方 向に付勢されている。そして、ガイドレバー 122で硬貨繰出口 80aを閉塞する状態で、 硬貨通路 32内を搬送方向上流側から搬送してくる硬貨を搬送方向下流側に案内し、 また、硬貨繰出口 80aから繰り出される硬貨でばね付勢に杭して硬貨通路 32内に突 出して硬貨繰出口 80aから硬貨通路 32への硬貨の繰り出しを可能とする。

[0092] また、硬貨入出金機は、硬貨処理装置 11による硬貨処理動作を含む各動作を制御 する制御部 131を備えている。

[0093] 次に、硬貨処理装置 11の作用を説明する。

[0094] まず、硬貨入金処理について説明する。

[0095] 左右のいずれかのテラーが端末などで硬貨入金処理を指令し、入金硬貨を硬貨入 金口 12から入金繰出部 34に投入する。入金繰出部 34内の硬貨の有無を検知する図 示しないセンサで、入金繰出部 34に入金硬貨が投入されたことを検知することにより 、入金処理を開始する。

[0096] 入金繰出部 34では、平ベルト 78が搬送方向に回転するとともに逆転ローラ 79が逆 方向に回転し、平ベルト 78上の非整列状態の入金硬貨を逆転ローラ 79で 1層 1列に 整列させて繰出通路部 80に搬送する。繰出通路部 80では、受渡部 81により入金硬 貨を 1枚ずつ硬貨通路 32の受入搬送域 39を回転している搬送ベルト 43の突起部 46 に受け渡す。

[0097] このとき、繰出通路部 80には、硬貨を幅寄せする一方のガイド部材 97側の搬送方 向下流側の位置に異物排除孔 99が開口形成されているため、硬貨と一緒に投入さ れた異物が繰出通路部 80内に平ベルト 78で繰り出されても、その異物を異物排除孔 99から下方へ排除することができる。そのため、異物が硬貨通路 32に入り込むのを防 止でき、硬貨通路 32での異物を原因とする異常発生を防止できる。

[0098] 搬送ベルト 43の突起部 46で入金硬貨を押動して硬貨通路 32の受入搬送域 39から 識別搬送域 40に搬送し、識別搬送域 40の識別部 58で入金硬貨を識別する。このとき 、搬送ベルト 43の突起部 46で入金硬貨を押動して搬送しているため、硬貨通路幅方 向における入金硬貨の位置が一定ではないため、幅寄せ部材 59によって入金硬貨 を識別部 58側に幅寄せすることにより、識別部 58で正確に識別できる。しかも、この 幅寄せ部材 59を樹脂製として!/、るため、識別部 58に磁気センサを用レ、て!/、る場合に 誤識別するのを防止できる。

[0099] 識別部 58での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、識別搬送域 40から分類 搬送域 41に搬送し、一括一時保留部 36に対応した分岐部 63で分岐し、一括一時保 留部 36に収納する。

[0100] なお、各金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36では、受渡部 81で硬貨の 繰り出しを停止した状態を維持するため、平ベルト 78および逆転ローラ 79が回転して も収納して!/、る硬貨を繰り出することはなレ、。

[0101] 識別部 58での識別の結果、識別不能などのリジェクト硬貨と識別された場合、リジェ タト硬貨の再識別が設定されていれば、リジェクト硬貨は、識別搬送域 40から分類搬 送域 41に搬送し、入金繰出部 34に対応した分岐部 63で分岐し、入金繰出部 34に戻 すことにより、この入金繰出部 34から硬貨通路 32に再度繰り出して識別部 58で再識 別する。この再識別によって正常硬貨と識別される硬貨カ^ジェタト硬貨として処理さ れるのを低減できる。

[0102] リジェクト硬貨のみが入金繰出部 34や硬貨通路 32上に残るような場合であって識別 部 58でリジェクト硬貨が連続して予め設定された所定回数以上検知した場合や、リジ ェクト硬貨の再識別が設定されていない場合には、リジェクト硬貨を返却する。すなわ ち、リジェクト硬貨は、識別搬送域 40から分類搬送域 41に搬送し、右側のテラーによ る入金処理の場合には、右側の硬貨出金口 16に対応した最下流の分岐部 63で分岐 し、右側の硬貨出金口 16に払い出し、一方、左側のテラーによる入金処理の場合に は、分類搬送域 41から出金搬送域 42に搬送し、左側の硬貨出金口 15に対応した分 岐部 71で分岐し、左側の硬貨出金口 15に払い出す。硬貨出金口 15, 16に払い出し たリジェクト硬貨は出金ボックス 17, 18に収容し、この出金ボックス 17, 18を機体 10から 引き出すことで、リジェクト硬貨を取り出すことができる。

[0103] 入金繰出部 34から全ての入金硬貨を繰り出して入金繰出部 34内に硬貨が無くなつ たことをセンサで検知し、かつ識別部 58で硬貨を所定時間検知しなければ、入金承 認前の入金計数が完了したものとし、搬送ベルト 43、平ベルト 78および逆転ローラ 79 を停止する。

[0104] そして、計数結果が承認され、収納が指令された場合には、一時保留硬貨を金種 別に収納する。一括一時保留部 36では、上述した入金繰出部 34と同様の硬貨繰出 動作によって一時保留している硬貨を 1枚ずつ繰り出し、受渡部 81により硬貨を硬貨 通路 32の受入搬送域 39を回転している搬送ベルト 43の突起部 46に受け渡す。

[0105] 搬送ベルト 43の突起部 46で硬貨を押動して硬貨通路 32の受入搬送域 39から識別 搬送域 40に搬送し、識別搬送域 40の識別部 58で硬貨を識別する。

[0106] 識別部 58での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、識別搬送域 40から分類 搬送域 41に搬送し、該当する金種の金種別収納放出部 35に対応した分岐部 63で金 種別に分岐し、金種別収納放出部 35に金種別に収納する。

[0107] 識別部 58での識別の結果、識別不能などのリジェクト硬貨と識別された場合、リジェ タト硬貨の再識別が設定されていれば、リジェクト硬貨は、識別搬送域 40から分類搬 送域 41に搬送し、入金繰出部 34に対応した分岐部 63で分岐し、入金繰出部 34に戻 すことにより、この入金繰出部 34から硬貨通路 32に再度繰り出して識別部 58で再識 別する。この再識別によって正常硬貨と識別される硬貨カ^ジェタト硬貨として処理さ れるのを低減できる。

[0108] リジェクト硬貨のみが入金繰出部 34や硬貨通路 32上に残るような場合であって識別 部 58でリジェクト硬貨が連続して予め設定された所定回数以上検知した場合や、リジ ェクト硬貨の再識別が設定されていない場合には、リジェクト硬貨を返却する。すなわ ち、リジェクト硬貨は、識別搬送域 40から分類搬送域 41に搬送し、右側のテラーによ る入金処理の場合には、右側の硬貨出金口 16に対応した最下流の分岐部 63で分岐 し、右側の硬貨出金口 16に払い出し、一方、左側のテラーによる入金処理の場合に は、分類搬送域 41から出金搬送域 42に搬送し、左側の硬貨出金口 15に対応した分 岐部 71で分岐し、左側の硬貨出金口 15に払い出す。硬貨出金口 15, 16に払い出し たリジェクト硬貨は出金ボックス 17, 18に収容し、この出金ボックス 17, 18を機体 10から 引き出すことで、リジェクト硬貨を取り出すことができる。

[0109] また、計数結果が承認されず、返却が指令された場合には、一時保留硬貨を返却 する。一括一時保留部 36では、上述した入金繰出部 34と同様の硬貨繰出動作によつ て一時保留している硬貨を 1枚ずつ繰り出し、受渡部 81により返却硬貨を硬貨通路 3 2の受入搬送域 39を回転している搬送ベルト 43の突起部 46に受け渡す。

[0110] 搬送ベルト 43の突起部 46で返却硬貨を押動して硬貨通路 32の受入搬送域 39から 識別搬送域 40に搬送し、識別搬送域 40の識別部 58で返却硬貨を識別する。

[0111] 識別した返却硬貨は、識別搬送域 40から分類搬送域 41に搬送し、右側のテラーに よる入金処理の場合には、右側の硬貨出金口 16に対応した最下流の分岐部 63で分 岐し、右側の硬貨出金口 16に返却し、一方、左側のテラーによる入金処理の場合に は、分類搬送域 41から出金搬送域 42に搬送し、左側の硬貨出金口 15に対応した分 岐部 71で分岐し、左側の硬貨出金口 15に返却する。硬貨出金口 15, 16に返却され た返却硬貨は出金ボックス 17, 18に収容し、この出金ボックス 17, 18を機体 10から引 き出すことで、返却硬貨を取り出すことができる。

[0112] 次に、硬貨出金処理について説明する。

[0113] 左右いずれかのテラーにより、端末で出金処理を指令するとともに出金金額や出金 希望金種および枚数を入力することにより、硬貨出金処理を開始する。

[0114] 出金金種に該当する金種別収納放出部 35では、上述した入金繰出部 34と同様の 硬貨繰出動作によって出金用に収納している硬貨を 1枚ずつ繰り出し、受渡部 81に より出金硬貨を硬貨通路 32の受入搬送域 39を回転している搬送ベルト 43の突起部 4 6に受け渡す。また、出金金種に該当しない金種別収納放出部 35、および出金金種 に該当しても出金枚数分の硬貨を繰り出し終えた金種別収納放出部 35では、受渡 部 81で硬貨の繰り出しを停止した状態を維持するため、平ベルト 78および逆転ローラ 79が回転しても収納して!/、る硬貨を繰り出すことはな!/、。

[0115] 搬送ベルト 43の突起部 46で出金硬貨を押動して硬貨通路 32の受入搬送域 39から 識別搬送域 40に搬送し、識別搬送域 40の識別部 58で硬貨を識別する。

[0116] 識別部 58での識別の結果、正常硬貨と識別された出金硬貨は、識別搬送域 40力 分類搬送域 41に搬送し、右側のテラーによる出金処理の場合には、右側の硬貨出 金口 16に対応した最下流の分岐部 63で分岐し、右側の硬貨出金口 16に払い出し、 一方、左側のテラーによる出金処理の場合には、分類搬送域 41から出金搬送域 42 に搬送し、左側の硬貨出金口 15に対応した分岐部 71で分岐し、左側の硬貨出金口 1 5に払い出す。硬貨出金口 15, 16に払い出した出金硬貨は出金ボックス 17, 18に収 容する。

[0117] 識別部 58での識別の結果、識別不能などの異常硬貨と識別された場合、その異常 硬貨は、識別搬送域 40から分類搬送域 41に搬送し、元の金種別収納放出部 35に対 応した分岐部 63で分岐し、元の金種別収納放出部 35に戻す。そして、不足分の硬貨 をその金種別収納放出部 35から硬貨通路 32に再度繰り出す。

[0118] 出金分の出金硬貨を硬貨出金口 15, 16に払い出した後、出金ボックス 17, 18を機 体 10から引き出すことで、出金硬貨を取り出すことができる。

[0119] 次に、硬貨補充処理について説明する。

[0120] 硬貨補充処理では、補充硬貨を補充口部として利用する硬貨入金口 12から入金 繰出部 34に投入する。入金繰出部 34では、上述した硬貨繰出動作によって補充硬 貨を 1枚ずつ繰り出し、受渡部 81により補充硬貨を硬貨通路 32の受入搬送域 39を回 転している搬送ベルト 43の突起部 46に受け渡す。

[0121] 搬送ベルト 43の突起部 46で硬貨を押動して硬貨通路 32の受入搬送域 39から識別 搬送域 40に搬送し、識別搬送域 40の識別部 58で硬貨を識別する。

[0122] 識別部 58での識別の結果、正常硬貨と識別された補充硬貨は、識別搬送域 40力 分類搬送域 41に搬送し、該当する金種の金種別収納放出部 35に対応した分岐部 63 で金種別に分岐し、金種別収納放出部 35に金種別に収納する。

[0123] 識別部 58での識別の結果、識別不能などの異常硬貨と識別された場合、異常硬貨 の再識別が設定されていれば、異常硬貨は、識別搬送域 40から分類搬送域 41に搬 送し、入金繰出部 34に対応した分岐部 63で分岐し、入金繰出部 34に戻すことにより、 この入金繰出部 34から硬貨通路 32に再度繰り出して識別部 58で再識別する。この再 識別によって正常硬貨と識別される硬貨が異常硬貨として処理されるのを低減できる

[0124] 異常硬貨のみが入金繰出部 34や硬貨通路 32上に残るような場合であって識別部 5 8で異常硬貨が連続して予め設定された所定回数以上検知した場合や、異常硬貨 の再識別が設定されていない場合には、異常硬貨を返却する。すなわち、異常硬貨 は、識別搬送域 40から分類搬送域 41に搬送し、右側のテラーによる補充処理の場合 には、右側の硬貨出金口 16に対応した最下流の分岐部 63で分岐し、右側の硬貨出 金口 16に払い出し、一方、左側のテラーによる補充処理の場合には、分類搬送域 41 力、ら出金搬送域 42に搬送し、左側の硬貨出金口 15に対応した分岐部 71で分岐し、 左側の硬貨出金口 15に払い出す。硬貨出金口 15, 16に払い出した異常硬貨は出金 ボックス 17, 18に収容し、この出金ボックス 17, 18を機体 10から引き出すことで、異常 硬貨を取り出すことができる。

[0125] 次に、硬貨回収処理について説明する。

[0126] 硬貨回収処理では、 1金種ずつ金種別収納放出部 35から硬貨を繰り出す。硬貨を 繰り出す金種別収納放出部 35では、上述した入金繰出部 34と同様の硬貨繰出動作 によって収納している硬貨を 1枚ずつ繰り出し、受渡部 81により出金硬貨を硬貨通路 32の受入搬送域 39を回転している搬送ベルト 43の突起部 46に受け渡す。

[0127] 搬送ベルト 43の突起部 46で出金硬貨を押動して硬貨通路 32の受入搬送域 39から 識別搬送域 40に搬送し、識別搬送域 40の識別部 58で硬貨を識別する。

[0128] 識別部 58での識別の結果、正常硬貨と識別された出金硬貨は、識別搬送域 40力 分類搬送域 41に搬送し、右側の硬貨出金口 16に対応した最下流の分岐部 63で分岐 し、右側の硬貨出金口 16に払い出し、切換手段を介して機体 10内の下部側に配置さ れた回収カセットに収納する。 [0129] 識別部 58での識別の結果、識別不能などで異常硬貨と識別された場合、異常硬貨 の再識別が設定されていれば、その異常硬貨は、識別搬送域 40から分類搬送域 41 に搬送し、元の金種別収納放出部 35に対応した分岐部 63で分岐し、元の金種別収 納放出部 35に戻すことにより、その金種別収納放出部 35から硬貨通路 32に再度繰り 出し、識別部 58で再識別する。この再識別によって正常硬貨と識別される硬貨が異 常硬貨として処理されるのを低減できる。

[0130] 異常硬貨のみが金種別収納放出部 35や硬貨通路 32上に残るような場合であって 識別部 58で異常硬貨が連続して予め設定された所定回数以上検知した場合や、異 常硬貨の再識別が設定されていない場合には、異常硬貨を硬貨出金口 15, 16に払 い出すなどの所定の処理をする。

[0131] 全ての金種別収納放出部 35から硬貨を回収したら、機体 10の前面扉 21を開き、回 収カセットを取り出す。

[0132] 次に、硬貨精査処理について説明する。

[0133] 硬貨精査処理では、各金種別収納放出部 35に収納されている硬貨を確認するた めに精査するものである。

[0134] 1つの金種別収納放出部 35から、上述した入金繰出部 34と同様の硬貨繰出動作に よって収納している硬貨を 1枚ずつ繰り出し、受渡部 81により硬貨を硬貨通路 32の受 入搬送域 39を回転して!/、る搬送ベルト 43の突起部 46に受け渡す。搬送ベルト 43の突 起部 46で硬貨を押動して硬貨通路 32の受入搬送域 39から識別搬送域 40に搬送し、 識別搬送域 40の識別部 58で硬貨を識別する。識別した硬貨を、識別搬送域 40から 分類搬送域 41に搬送し、一括一時保留部 36に対応した分岐部 63で分岐し、一括一 時保留部 36に収納する。

[0135] 1つの金種別収納放出部 35内の硬貨を全て繰り出し、識別後に一括一時保留部 3 6に収納し終えたら、一括一時保留部 36から、上述した入金繰出部 34と同様の硬貨 繰出動作によって収納している硬貨を 1枚ずつ繰り出し、受渡部 81により硬貨を硬貨 通路 32の受入搬送域 39を回転している搬送ベルト 43の突起部 46に受け渡す。搬送 ベルト 43の突起部 46で硬貨を押動して硬貨通路 32の受入搬送域 39から識別搬送域 40に搬送し、識別搬送域 40の識別部 58で硬貨を識別する。識別した硬貨を、識別搬 送域 40から分類搬送域 41に搬送し、元の金種別収納放出部 35に対応した分岐部 63 で分岐し、元の金種別収納放出部 35に収納する。

[0136] したがって、 1回の精査動作で硬貨が識別部 58を 2回通過して 2回識別でき、精査 の精度を高めることができる。また、金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36 と硬貨通路 32との間での硬貨を循環させるだけであるため、精査の搬送ルートを短く できる。

[0137] そして、このような精査動作を全ての金種別収納放出部 35について行う。

[0138] このように、硬貨処理装置 11では、環状形状の硬貨通路 32に沿って支持されて回 転する 1本の環状の搬送ベルト 43によって入金、出金、補充、回収、精査の硬貨を搬 送するため、入金系や出金系を含む各処理系の搬送機構を共通化でき、搬送機構 の簡素化、小形化ができる。

[0139] 硬貨通路 32に配設した 1つの識別部 58で入金、出金、補充、回収、精査の全ての 硬貨を識別でき、特に出金硬貨を識別できるために出金運用における信頼性を高く できる。

[0140] 金種別収納放出部 35から繰り出した硬貨を識別部 58で識別できるため、金種別収 納放出部 35の出口部での金種判定が必要なくなり、金種別収納放出部 35の出口部 の形状を共通化できる。さらに、一括一時保留部 36の出口部も共通化できる。また、 全ての分岐部 63の構成も共通である。そのため、金種別収納放出部 35と一括一時保 留部 36とを共通化でき、金種別収納放出部 35や一括一時保留部 36を任意の位置に 配置できる。

[0141] 搬送ベルト 43を環状方向の一方向にのみ回転させて入金硬貨および出金硬貨を 搬送するため、硬貨の流れを入金や出金を含む各処理で同一方向にでき、機構や 制御を簡素化できる。

[0142] 硬貨通路 32に出金硬貨を受け入れる受入搬送域 39と、入金硬貨を分類する分類 搬送域 41とを、硬貨通路 32の異なる位置に配置しているため、入金系と出金系とを 共通にしていても、入金硬貨および出金硬貨を確実に処理できる。

[0143] また、入金繰出部 34、金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36を硬貨通路 3 2および搬送ベルト 43の内側に配設しているため、上部に重なる機構を開放しなくて も、入金繰出部 34、金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36のメンテナンスを 容易にできる。

[0144] また、前面側から奥側に向かって順に入金繰出部 34、金種別収納放出部 35、一括 一時保留部 36および識別部 58を配設しており、一括一時保留部 36と識別部 58とが 近い位置関係にあるため、入金硬貨の識別から一時保留に至るまでの搬送距離、一 時保留硬貨の識別および収納に至るまでの搬送距離を短くでき、処理時間を短縮し 、搬送による硬貨詰まりの可能性を低減できる。

[0145] また、入金繰出部 34、金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36は、平ベルト 78上に硬貨を非整列状態で受収するため、硬貨収納量を増大でき、また、硬貨放出 時には、平ベルト 78の搬送方向への回転と逆転ローラ 79の逆方向への回転とにより 平ベルト 78上の非整列状態の硬貨を 1層 1列状態に整列させて放出させるとともに、 受渡部 81により搬送ベルト 43の突起部 46に対して硬貨を 1枚ずつ確実に受け渡すこ と力 Sできる。

[0146] 次に、入金繰出部 34からの硬貨の繰出動作について説明する。なお、同構造を有 する金種別収納放出部 35および一括一時保留部 36からの硬貨の繰出動作も同様で ある。

[0147] 図 5および図 6に示すように、平ベルト 78に対向する両側のガイド部 93のガイド面縁 部 94の高さ位置を平ベルト 78の傾斜搬送面 84の表面高さ以下でかつ裏面高さ以上 に配置しているため、平ベルト 78の回転により、搬送方向上流側の硬貨が搬送方向 下流側の硬貨を平ベルト 78の傾斜搬送面 84上力 側方のガイド部 93側に斜めに押 し出して移動させ、平ベルト 78の傾斜搬送面 84上の硬貨を攪拌できる。

[0148] 平ベルト 78の傾斜搬送面 84上の硬貨を攪拌して搬送方向下流側に送り込むことが できるため、硬貨収納量を多くでき、攪拌のための特別な機構が必要なぐ構造を簡 素化できる。

[0149] 平ベルト 78の幅を、硬貨 1枚の直径分の寸法より広ぐ硬貨 2枚の直径分の寸法より 狭くしているため、平ベルト 78の傾斜搬送面 84上に硬貨が千鳥状に並び、搬送方向 上流側の硬貨が搬送方向下流側の硬貨を平ベルト 78の傾斜搬送面 84上から側方の ガイド部 93側に斜めに押し出しやすぐ硬貨の攪拌効果を高めることができる。 [0150] 図 3に示すように、ガイド部 93は、受入口 90の下方位置よりも搬送方向下流側でか つ逆転ローラ 79の位置よりも搬送方向上流側の領域 A1において、ガイド面縁部 94の 高さ位置が平ベルト 78の傾斜搬送面 84の表面高さ以下でかつ裏面高さ以上つまり ベルト厚み寸法以内の位置に配置することにより、硬貨を攪拌できる。

[0151] 一方、受入口 90の下方位置である搬送方向上流側の領域 A2において、ガイド面縁 部 94の高さ位置が平ベルト 78の傾斜搬送面 84の表面高さ以上に配置することにより 、両側のガイド部 93のガイド面縁部 94間で平ベルト 78の傾斜搬送面 84上の硬貨を規 制し、搬送方向下流側への硬貨の繰出効率を確保できる。同様に、逆転ローラ 79の 位置を含む搬送方向下流側の領域 A3とにおいて、ガイド面縁部 94の高さ位置が平 ベルト 78の傾斜搬送面 84の表面高さ以上に配置することにより、両側のガイド部 93の ガイド面縁部 94間で平ベルト 78の傾斜搬送面 84上の硬貨を規制し、硬貨を 1層 1列 状態で確実に搬送することができる。

[0152] また、図 3に示すように、入金繰出部 34の平ベルト 78を搬送方向上流側から搬送方 向下流側に向かうに従って上昇傾斜する傾斜搬送面 84を形成するように懸架し、硬 貨通路 32には平ベルト 78の傾斜搬送面 84と同じ角度をもって傾斜する傾斜通路面 4 9を設けている。そして、この傾斜通路面 49上に平ベルト 78の傾斜搬送面 84から繰り 出された硬貨を受け入れて傾斜姿勢のまま搬送する。そのため、従来のように平べ ルトの途中に屈曲部を設けて搬送方向下流側を水平にする必要がなぐ入金繰出部 34の構造を簡素化でき、屈曲部を原因とする硬貨詰まりの発生を解消できる。

[0153] 平ベルト 78の途中に屈曲部を設けないことにより、平ベルト 78の搬送方向下流側の 位置が、平ベルト 78の途中に屈曲部を設けて水平にした場合に比べて高くなる。そ のため、硬貨通路 32の高さが高くなり、この硬貨通路 32から入金繰出部 34に硬貨を 受け入れる高さ位置を高くでき、その高くなる分だけ入金繰出部 34内の硬貨収納量 を多くできる。

[0154] 硬貨通路 32では、傾斜通路面 49に沿って傾斜姿勢で搬送する硬貨を変換通路面 53によって水平姿勢に変換し、この水平姿勢の硬貨を水平通路面 54で搬送するた め、水平通路面 54となる識別搬送域 40、分類搬送域 41での識別や分岐などの処理 を確実にできる。 [0155] 硬貨通路 32の傾斜通路面 49には、搬送ベルト 43の突起部 46に対して逃げる逃げ 部 52を形成しているため、突起部 46が傾斜通路面 49に接触せず、突起部 46で硬貨 を 1枚ずつ確実に押動搬送できる。

[0156] また、受渡部 81による硬貨の受け渡し動作を図 7および図 8を参照して説明する。

図 7は大径硬貨の受け渡し動作を、図 8は小径硬貨の受け渡し動作を示す。なお、 図には、硬貨繰出口 80aにガイドレバー 122を有する金種別収納放出部 35または一 括一時保留部 36を示すが、受渡部 81による硬貨の受け渡し動作は入金繰出部 34も 同様である。

[0157] 図 7(a)および図 8(a)に示すように、受渡部 81のカム 102が定位置に位置する場合、 平ベルト 78に載って一方のガイド部材 97に当接しながら移動する硬貨がカム 102の一 方の溝部 105に進入して一方の突出部 104の抑止部 107に当接して停止する。

[0158] 図 7(b)および図 8(b)に示すように、カム 102で停止させている硬貨に続く後続の硬 貨は、カム 102で停止させている硬貨に当接して停止する。

[0159] 図 7(c)および図 8(c)に示すように、カム 102で停止させている硬貨をセンサ 110で検 知することにより、搬送ベルト 43の突起部 46の位置に応じてその突起部 46に硬貨を 受け渡すことができる所定のタイミングでカム 102が受渡方向に回動する。

[0160] 図 7(d)(e)(f)および図 8(d)(e)(f)に示すように、カム 102が回動し始めると、他方の突出 部 104の押出部 106で先の受け渡す硬貨を硬貨通路 32内に押し出しながら、他方の 突出部 104が先の受け渡す硬貨と後続の硬貨との間に進入し、他方の突出部 104の 外周面である抑止部 107で後続の硬貨の進行を停止させる。

[0161] 図 7(g)および図 8(g)に示すように、他方の突出部 104の押出部 106で先の受け渡す 硬貨を、搬送ベルト 43の突起部 46に受け渡し可能とする硬貨通路 32内の位置まで押 し出す。

[0162] 図 7(h)および図 8(h)に示すように、硬貨通路 32内に押し出した硬貨を搬送ベルト 43 の突起部 46で押動搬送する。カム 102は 180° 回動して次の定位置に復帰したら停 止する。また、後続の硬貨が他方の溝部 105に進入し、その硬貨をセンサ 110で検知 することにより、搬送ベルト 43の次の突起部 46の位置に応じてその突起部 46に硬貨 を受け渡すことができる所定のタイミングでカム 102が受渡方向に回動する。 [0163] このように、カム 102の押出部 106で硬貨の周縁を押してその硬貨を搬送ベルト 43の 突起部 46に受け渡し、カム 102の抑止部 107で後続の硬貨を次の受け渡し動作まで 分離して留めておくため、搬送ベルト 43の突起部 46に硬貨を 1枚ずつ確実に受け渡 すこと力 Sでさる。

[0164] なお、硬貨通路 32の出金搬送域 42の末端を受入搬送域 39の始端には連続させ、 硬貨通路 32を環状に形成してもよ!/、。

[0165] また、搬送体としては、搬送ベルト 43に限らず、例えばワイヤやチェーンなどでもよく

、この場合、回転体としては、ローラに限らず、スプロケットなどを用いることができる。

[0166] また、金種別収納放出部 35は、 6つに限定されるものではない。

[0167] また、各金種別収納放出部 35に収納する金種は任意に設定可能である。例えば、 出金に使用しない金種や満杯になった金種の硬貨を複数金種混合で収納することも 可能である。

[0168] また、搬送手段 33に連設される機能ユニットとしては、硬貨を金種別に一時保留す る金種別一時保留部、硬貨を一括収納するとともに収納された硬貨を放出する一括 収納放出部、リジェクト硬貨を収納するリジェクトボックス、回収硬貨を収納する回収 カセット、補充硬貨を収納する補充カセットなどでもよレ、。

産業上の利用可能性

[0169] 本発明は、硬貨のみを入出金する硬貨入出金機、硬貨を入出金する硬貨入出金 機と紙幣を入出金する紙幣入出金機とが一体化された貨幣処理機などに利用される

Claims

請求の範囲

[1] 硬貨入出金機において、

1本の環状の搬送体と、

前記搬送体を環状形状に支持するとともにその環状方向に回転可能に支持する支 持体と、

前記搬送体によって入金硬貨および出金硬貨を受け入れて搬送する搬送手段と を具備してレ、ることを特徴とする硬貨入出金機。

[2] 搬送手段は、搬送体を環状方向の一方向にのみ回転させて入金硬貨および出金 硬貨を搬送する

ことを特徴とする請求項 1記載の硬貨入出金機。

[3] 搬送手段は、入金硬貨を分類する入金硬貨分類搬送域と、出金硬貨を受け入れる 出金硬貨受入搬送域とを有し、これら入金硬貨分類搬送域と出金硬貨受入搬送域と が搬送手段の異なる位置に配置されてレ、る

ことを特徴とする請求項 1または 2記載の硬貨入出金機。

[4] 搬送体は、硬貨を 1枚ずつ押動搬送する複数の突起部を有している

ことを特徴とする請求項 1ないし 3いずれか記載の硬貨入出金機。

[5] 搬送手段には、入金硬貨を受け入れる入金部と、出金硬貨を払い出す出金部と、 硬貨を識別する識別部と、硬貨を一時保留する一時保留部と、硬貨を収納するととも に収納された硬貨を放出する収納放出部が連設されている

ことを特徴とする請求項 1ないし 4いずれか記載の硬貨入出金機。

[6] 入金硬貨を受け入れる入金口部、入金硬貨を 1枚ずつ繰り出す入金繰出部、出金 硬貨を払い出す出金口部、硬貨を識別する識別部、硬貨を金種別に一時保留する 金種別一時保留部、硬貨を一括一時保留する一括一時保留部、金種別に硬貨を収 納するとともに収納された硬貨を放出する金種別収納放出部、硬貨を一括収納する とともに収納された硬貨を放出する一括収納放出部、リジェクト硬貨を収納するリジェ タトボックス、回収硬貨を収納する回収カセット、補充硬貨を収納する補充カセット、 および搬送手段から硬貨を分岐させる分岐ゲートのうちの少なくとも 1つ以上の機能 ユニットを備えている ことを特徴とする請求項 1ないし 4いずれか記載の硬貨入出金機。

[7] 搬送手段には、機能ユニットが連設されている

ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。

[8] 入金部に非整列状態で投入された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し、搬送手段 によって硬貨を 1枚ずつ搬送し、識別部によって正常硬貨と識別された硬貨を一時 保留部に一時保留する

ことを特徴とする請求項 5記載の硬貨入出金機。

[9] 収納放出部に非整列状態で収納された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し、搬送 手段によって 1枚ずつ硬貨を搬送し、出金部へ払い出す

ことを特徴とする請求項 5記載の硬貨入出金機。

[10] 収納放出部に非整列状態で収納された硬貨を 1枚ずつ搬送手段へ繰り出し、搬送 手段によって硬貨を 1枚ずつ搬送し、識別部によって正常硬貨と識別された硬貨を 出金部へ払い出す

ことを特徴とする請求項 5記載の硬貨入出金機。

[11] 入金繰出部、一括一時保留部および金種別収納放出部を少なくとも備え、これら 入金繰出部、一括一時保留部および金種別収納放出部が環状構造の搬送手段の 内側に配設されている

ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。

[12] 入金繰出部、出金口部、識別部、一括一時保留部および金種別収納放出部を少 なくとも備え、前面側に入金繰出部および出金口部が配設され、前面側から奥側に 向かって順に入金繰出部、金種別収納放出部、一括一時保留部および識別部が配 設されている

ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。

[13] 入金繰出部、金種別収納放出部および一括一時保留部から繰り出された硬貨を 搬送手段によって同じ搬送路に沿って同一方向に搬送し、識別部によって硬貨を識 別する

ことを特徴とする請求項 12記載の硬貨入出金機。

[14] 金種別一時保留部、一括一時保留部、金種別収納放出部および一括収納放出部 は、硬貨を非整列状態で受収するとともに、水平方向の軸で軸支された複数のロー ラによって搬送方向上流側から下流側に向かうに従って上昇傾斜するように懸架さ れたベルトと、このベルトの搬送方向下流側上方域に位置し、搬送方向へのベルトの 回転に対して逆方向に回転してベルト上の非整列状態の硬貨を 1層 1列状態に整列 させて放出させる逆転ローラと、搬送手段の搬送体に対して硬貨を 1枚ずつ受け渡 す受渡部とを備えている

ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。

[15] 入金繰出部は、硬貨を非整列状態で受収するとともに、水平方向の軸で軸支され た複数のローラによって搬送方向上流側から下流側に向かうに従って上昇傾斜する ように懸架されたベルトと、このベルトの搬送方向下流側上方域に位置し、搬送方向 へのベルトの回転に対して逆方向に回転してベルト上の非整列状態の硬貨を 1層 1 列状態に整列させて繰り出させる逆転ローラと、搬送手段の搬送体に対して硬貨を 1 枚ずつ受け渡す受渡部と、搬送手段によって搬送される硬貨を受け入れ可能な受入 口とを備えている

ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。

[16] 入金口部および入金繰出部を備え、この入金口部は、入金繰出部の上部域に配 設され、機内に補充硬貨を補充する補充口部として利用可能とする

ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。

[17] 識別部によって異常硬貨と識別された硬貨は、搬送手段によって巡回させ、識別 部によって再度識別する

ことを特徴とする請求項 5記載の硬貨入出金機。

[18] 入金繰出部、識別部、一括一時保留部および分岐ゲートを少なくとも備え、入金承 認前の入金計数時に、入金繰出部から繰り出される硬貨を搬送手段で搬送し、識別 部での識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨を一括一時保留部の硬貨入口に 対応した分岐ゲートによって一括一時保留部へ分岐し、異常硬貨と識別された硬貨 を返却用に対応した分岐ゲートによって分岐して返却する

ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。

[19] 入金繰出部、識別部、一括一時保留部および分岐ゲートを少なくとも備え、入金承 認前の入金計数時に、入金繰出部から繰り出される硬貨を搬送手段で搬送し、識別 部での識別に応じて、正常硬貨と識別された硬貨を一括一時保留部の硬貨入口に 対応した分岐ゲートによって一括一時保留部へ分岐し、異常硬貨と識別された硬貨 を入金繰出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって入金繰出部へ分岐させて 入金繰出部に戻し、入金繰出部から搬送手段へ繰り出して識別部で再度識別させる ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。

[20] 金種別収納放出部を備え、入金承認後の収納計数時に、一括一時保留部から繰 り出される硬貨を搬送手段で搬送し、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別さ れた硬貨を各金種別収納放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分岐し、 異常硬貨と識別された硬貨を返却用に対応した分岐ゲートによって分岐して返却す る

ことを特徴とする請求項 18または 19記載の硬貨入出金機。

[21] 金種別収納放出部を備え、入金承認後の収納計数時に、一括一時保留部から繰 り出される硬貨を搬送手段で搬送し、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別さ れた硬貨を各金種別収納放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分岐し、 異常硬貨と識別された硬貨を入金繰出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって 入金繰出部へ分岐させて入金繰出部に戻し、入金繰出部から搬送手段へ繰り出し て識別部で再度識別させる

ことを特徴とする請求項 18または 19記載の硬貨入出金機。

[22] 出金口部、識別部、金種別収納放出部および分岐ゲートを少なくとも備えるととも に制御部を備え、この制御部は、外部から出金指示された金種を該当する金種別収 納放出部から搬送手段へ放出させ、識別部での識別に応じて、正常硬貨と識別され た硬貨は機体前面の左右に備えた出金口部の上方に対応して配設された左右!/、ず れかの分岐ゲートによって分岐して払い出し、異常硬貨と識別された硬貨はこの硬 貨を放出した金種別収納放出部の硬貨入口に対応した分岐ゲートによって分岐して 元の金種別収納放出部に戻すとともに、異常硬貨の枚数分の硬貨を当該金種別収 納放出部から搬送手段へ追加放出させる

ことを特徴とする請求項 6記載の硬貨入出金機。