WO2008047877A1 - Chaîne de transmission de puissance et dispositif de transmission de puissance équipé de celle-ci - Google Patents

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    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/18V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts in the form of links
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
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    • F16H61/662Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members
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Description

明 細 書
動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
技術分野
[0001] 本発明は、動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置に関する。
背景技術
[0002] 例えば、自動車のプーリ式無段変速機(CVT : Continuously Variable Trans mission)等の動力伝達装置に用いられる無端状の動力伝達チェーンには、チェ一 ン進行方向に隣接するリンク同士を、ピンおよびインターピースで連結したものがある (例えば、特許文献 1参照)。ピンの一対の端面のそれぞれが、プーリの対応するテ ーパディスクとそれぞれ係合して動力を伝達する。
特許文献 1 :国際公開第 WO 2005/045280 A1号パンフレット
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] 上記ピンの端面は、チェーン径方向の中間部から外側の端部に進むにしたがい先 細りとなっており、この外側の端部の面積が小さい。その結果、端面がテーパディスク に接触したとき、端面内で十分な接触面積を確保できず、端面のエッジまでがテー パディスクに接触するというエッジ当たりを生じるおそれがある。エッジ当たりが生じる と、端面の磨耗が局所的に促進されるとともに、端面がプーリとスリップして伝動効率 が低下し、好ましくない。
[0004] 本発明は、力、かる背景のもとでなされたもので、ピン端面の縁部がプーリと接触する エッジ当たりを防止することができ、且つ伝動効率に優れた動力伝達チェーンおよび 動力伝達装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0005] 上記目的を達成するため、本発明は、チェーン進行方向(X)に並ぶ複数のリンク(
2)と、複数のリンク(2)を互!/、に屈曲可能に連結する複数の長尺の連結部材( 50)と を備え、上記連結部材(50)は、プージ(60, 70)のシーブ面(62a, 63a, 72a, 73a) に動力伝達可能に接触する接触領域(21 ; 21A ; 21B ; 21C ; 21D ; 21E)が形成さ れる端面(17)を有する動力伝達部材(3)を含み、上記接触領域(21; 21A; 21B; 2 1C; 21D; 21E)が、チェーン進行方向(X)とは直交する平面(H3)に対して 0° 以 上 20° 以下の角度(E)をなす第 1の平面(HI)と交差して曲線部(Lll, L12;L11 A, L12A, L13A;L11B, L12B, L13B;L11C, L12C, L13C)を含む第 1の交 線(L1;L1A;L1B;L1C;L1E)が形成され、上記接触領域(21; 21A; 21B; 21C; 21D; 21E)が、第 1の平面(HI)とは直交する第 2の平面(H2)と交差して曲線部(L 2; L2E)を含む第 2の交線(L2; L2E)が形成され、上記第 1および第 2の交線(L1 , L2;L1A;L1B;L1C;L1E, L2E)の少なくとも一方は、複数の曲率半径(Rl, R2) を有する動力伝達チェーン(1)を提供するものである。
[0006] なお、括弧内の英数字は、後述の実施の形態における対応構成要素等を表す。以 下、この項において同じ。
本発明によれば、複数の曲率半径を有する交線が形成されるようにした結果、接触 領域に、湾曲の度合レ、の小さ!/、部分と湾曲の度合レ、の大き!/、部分とを設けることが できる。これにより、湾曲の度合いの大きい部分では、プーリとの接触面積を小さくで き、プーリとの相対摺動量を少なくしてスリップロスを低減でき、伝動効率を高くできる 。また、湾曲の度合いの小さい部分では、部分では、プーリと十分な接触面積で接触 でき、プーリとの面圧を低くできる。その結果、端面のエッジにまでプーリが接触する エッジ当たりを防止できる。
[0007] 本発明において、上記第 1の交線(L1;L1A;L1B;L1C)の曲率半径(Rl, R2)は 、接触領域(21;21A;21B;21C;21D)に関する相対的に大きい主曲率半径を含 み、上記第 2の交線(L2)の曲率半径(R3)は、接触領域(21;21A;21B;21C;21 D)に関する相対的に小さい主曲率半径を含むことが好ましい。この場合、連結部材 の長手方向から接触領域を見て、第 1の平面に平行な方向の長さを長くすると共に、 第 2の平面に平行な方向の長さを短くできる。これにより、接触領域の面積を十分に 確保しつつ、動力伝達部材をチェーン進行方向に関して薄肉にできる。
[0008] 本発明において、上記第 1の交線(L1;L1A;L1B;L1C)は複数の曲率半径(R1 , R2)を有し、上記第 2の交線 (L2)は単一の曲率半径 (R3)を有することが好ましい 。この場合、第 1の交線が、曲率半径の小さい部分を含むようにできる。その結果、連 結部材の長手方向から接触領域を見たときにおいて、第 1の平面に平行な方向に沿 つての接触領域の全長が長くなりすぎないようにできる。これにより、接触領域を、プ 一リの径方向に関して短くでき、端面のエッジにプーリが接触することをより確実に防 止できる。また、第 2の交線が単一の曲率半径で構成されているので、接触領域の形 成を容易にできる。
[0009] 本発明において、上記接触領域(21 ; 21A; 21B ; 21C ; 21D)は、連結部材(50) の長手方向(W)から見たときに、第 1の平面(HI)に平行な方向 (J)に相対的に長い 卵形形状をなすことが好ましい。この場合、接触領域をチェーン進行方向に直交す る方向に細長くでき、その結果、動力伝達部材をチェーン進行方向に関して薄く形 成できる。
[0010] 本発明において、相対向する一対の円錐面状のシーブ面(62a, 63a, 72a, 73a) をそれぞれ有する第 1および第 2のプーリ(60, 70)と、これらのプーリ(60, 70)間に 巻き掛けられ、シーブ面(62a, 63a, 72a, 73a)に係合して動力を伝達する上記動 力伝達チェーン(1)とを備えることが好ましい。この場合、動力伝達部材の端面の摩 耗が低減された結果、耐久性および伝動効率に優れた動力伝達装置を実現できる。 図面の簡単な説明
[0011] [図 1]本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置として のチェーン式無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。
[図 2]図 1のドライブプーリ(ドリブンプーリ)およびチェーンの部分的な拡大断面図で ある。
[図 3]チェーンの要部の断面図である。
[図 4]図 3の IV— IV線に沿う要部の断面図である。
[図 5] (A)は、第 1のピンの端面をチェーン幅方向に沿って見た図であり、(B)は、図 5 (A)の VB—VB線に沿う断面図であり、(C)は、図 5 (A)の VC—VC線に沿う断面 図である。
[図 6]研削装置の概略構成を示す模式的な縦断面図である。
[図 7]図 6の VII— VII線に沿うホルダの断面図である。
[図 8]図 6の要部の拡大図である。 [図 9]本発明の別の実施の形態の要部の断面図である。
[図 10]本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。
[図 11]本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。
[図 12]本発明のさらに別の実施の形態の第 1のピンをチェーン幅方向から見た図で ある。
[図 13]本発明のさらに別の実施の形態の第 1のピンをチェーン幅方向から見た図で ある。
発明を実施するための最良の形態
[0012] 本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図 1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置と してのチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機とも!/、う)の要部構成を模 式的に示す斜視図である。図 1を参照して、無段変速機 100は、 自動車等の車両に 搭載されるものであり、第 1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ 60 と、第 2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ 70と、これらの両プー リ 60, 70間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン 1 (以下では、単にチェーン ともいう)とを備えている。なお、図 1中のチェーン 1は、理解を容易にするために一部 断面を示している。
[0013] 図 2は、図 1のドライブプーリ 60 (ドリブンプーリ 70)およびチェーン 1の部分的な拡 大断面図である。図 1および図 2を参照して、ドライブプーリ 60は、車両の駆動源に 動力伝達可能に連なる入力軸 61に一体回転可能に取り付けられるものであり、固定 シーブ 62と可動シーブ 63とを備えて!/、る。固定シーブ 62および可動シーブ 63は、 相対向する一対のシーブ面 62a, 63aをそれぞれ有している。各シーブ面 62a, 63a は円錐面状の傾斜面を含んでレ、る。
[0014] 各シーブ面 62a, 63aは、ドライブプーリ 60の中心軸泉 A1に直交する平面 B1に対 して傾斜しており、各シーブ面 62a, 63aの母線と上記平面 B1とのなす角(プーリ半 角 C1 )は、例えば、 11° に設定されている。これらシーブ面 62a, 63a間に溝が区画 され、この溝によってチェーン 1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ 63には、溝幅を変更するための油圧ァクチユエータ(図示せず) が接続されており、変速時に、入力軸 61の軸方向(図 2の左右方向)に可動シーブ 6 3を移動させることにより、溝幅を変化させるようになつている。それにより、入力軸 61 の径方向(図 2の上下方向)にチェーン 1を移動させて、プーリ 60のチェーン 1に関す る有効半径を変更できるようになってレ、る。
[0015] 一方、ドリブンプーリ 70は、図 1および図 2に示すように、駆動輪(図示せず)に動力 伝達可能に連なる出力軸 71に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ 6 0と同様に、チェーン 1を強圧で挟む溝を形成するための相対向する一対のシーブ 面 73a, 72aをそれぞれ有する固定シーブ 73および可動シーブ 72を備えている。 各シーブ面 73a, 72aは、ドリブンプーリ 70の中心軸泉 A2に直交する平面 B2に対 して傾斜しており、各シーブ面 73a, 72aの母線と上記平面 B2とのなす角(プーリ半 角 C2)は、例えば、 11° に設定されている。ドライブプーリ 60のプーリ半角 C1とドリ ブンプーリ 70のプーリ半角 C2とは等しい(C1 = C2)。
[0016] ドリブンプーリ 70の可動シーブ 72には、ドライブプーリ 60の可動シーブ 63と同様に 油圧ァクチユエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、この可動シーブ 72を 移動させることにより溝幅を変化させるようになつている。それにより、チェーン 1を移 動させて、プーリ 70のチェーン 1に関する有効半径を変更できるようになつている。 図 3は、チェーン 1の要部の断面図である。図 4は、図 3の IV— IV線に沿う要部の断 面図である。図 3および図 4を参照して、チェーン 1は、複数のリンク 2と、これらのリン ク 2を互いに屈曲可能に連結する複数の長尺の連結部材 50とを備えている。
[0017] 以下では、チェーン 1の進行方向に平行な方向をチェーン進行方向 Xといい、チェ ーン進行方向 Xに直交する方向のうち連結部材 50の長手方向に平行な方向をチェ ーン幅方向 Wと!/、い、チェーン進行方向 Xおよびチェーン幅方向 Wの双方に直交す る方向を直交方向 Vという。
各リンク 2は板状に形成された鋼板製の部材であり、チェーン進行方向 Xの前後に 並ぶ一対の端部としての前端部 5および後端部 6を含んで!/、る。前端部 5および後端 部 6には、第 1の貫通孔としての前貫通孔 9と、第 2の貫通孔としての後貫通孔 10とが それぞれ形成されている。リンク 2は、チェーン進行方向 Xに並んでいるとともにチェ ーン幅方向 Wに並んで!/、る。 [0018] チェーン進行方向 Xに隣接するリンク 2同士は、相対的にチェーン進行方向 Xの後 方側にあるリンク 2の前貫通孔 9と、相対的にチェーン進行方向 Xの前方側にあるリン ク 2の後貫通孔 10と力 チェーン幅方向 Wに並んで互いに対応している。これら対応 する貫通孔 9, 10を揷通する連結部材 50によって、チェーン進行方向 Xに隣り合うリ ンク 2同士が屈曲可能に連結されており、全体として無端状をなすチェーン 1が形成 されている。
[0019] 各連結部材 50は、動力伝達部材としての第 1のピン 3と、対偶部材としての第 2のピ ン 4とを含んでいる。これら対をなす第 1および第 2のピン 3, 4は、対応するリンク 2間 の屈曲に伴い、互いに転がり摺動接触するようになっている。転がり摺動接触とは、 転力 Sり接触およびすベり接触の少なくとも一方を含む接触状態をいう。
第 1のピン 3は、チェーン幅方向 Wに延びる長尺の部材であり、チェーン進行方向 Xに関する長さが例えば 2. 5mm〜5. Omm程度、直交方向 Vに関する長さが例え ば 5. 5mm〜; 10. 0mm程度とされている。
[0020] 第 1のピン 3の周面 11は、チェーン幅方向 Wと平行に延びる滑らかな面に形成され ており、チェーン進行方向 Xの前方を向く対向部としての前部 12と、チェーン進行方 向 Xの後方を向く後部 13と、直交方向 Vに相対向する一対の端部としての一端部 14 および他端部 15とを有している。前部 12は、対をなす第 2のピン 4と対向しており、第 2のピン 4の後述する後部 19と接触部 T (チェーン幅方向 Wからみて、接触点)で転 力 Sり摺動接触している。
[0021] 図 2および図 4を参照して、一端部 14は、周面 11のうちプーリ 60, 70の径方向 RP 1 , RP2の外方に相当する直交方向 Vの一方 VI側の端部を構成している。他端部 1 5は、周面 11のうちプーリ 60, 70の径方向 RP1 , RP2の内方に相当する直交方向 V の他方 V2側の端部を構成して!/、る。
第 1のピン 3の長手方向の一対の端部 16は、各リンク 2のうちチェーン幅方向 Wの 一対の端部に配置されるリンク 2a, 2bに対して、チェーン幅方向 Wの外側にそれぞ れ突出している。これら一対の端部 16に、端面 17がそれぞれ設けられている。各端 面 17は、対応するシーブ面 62a, 63a, 72a, 73a側に向けて突出する凸湾曲形状 をなしている。第 1のピン 3の周面 11の一端部 14は、他端部 15よりもチェーン幅方向 wに幅広に形成されている。
[0022] 図 5 (A)は、第 1のピン 3の端面 17をチェーン幅方向 Wに沿って見た図である。図 5
(B)は、図 5 (A)の VB—VB線に沿う断面図である。図 5 (C)は、図 5 (A)の VC— V C線に沿う断面図である。
図 2および図 5 (A)を参照して、第 1のピン 3の一対の端面 17には、接触領域 21が それぞれ形成されている。接触領域 21は、各プーリ 60, 70の対応するシーブ面 62a , 63a, 72a, 73aに、薄い潤滑油膜を介して動力伝達可能に接触(摩擦係合)するよ うになつている。
[0023] 第 1のピン 3は、上記対応するシーブ面 62a, 63a, 72a, 73a間に挟持され、これに より、第 1のピン 3と各プーリ 60, 70との間で動力が伝達される。第 1のピン 3は、その 端面 17の接触領域 21が直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2) 等の高強度耐摩耗材料で形成されて!/、る。
図 3および図 4を参照して、第 2のピン 4 (ストリップ、またはインターピースともいう)は 、第 1のピン 3と同様の材料により形成された、チェーン幅方向 Wに延びる長尺の部 材である。
[0024] 第 2のピン 4は、その一対の端部が上記各プーリのシーブ面に接触しないように、第
1のピン 3よりも短く形成されており、対をなす第 1のピン 3に対して、チェーン進行方 向 Xの前方に配置されてレ、る。
第 2のピン 4の周面 18は、チェーン幅方向 Wと平行に延びる滑らかな面とされてお り、チェーン進行方向 Xの後方を向く対向部としての後部 19を有している。後部 19は 、直交方向 Vに関する中間部力 チェーン進行方向 Xと直交する平坦面に形成され ており、対をなす第 1のピン 3の前部 12と対向している。
[0025] チェーン 1は、いわゆる圧入タイプのチェーンとされている。具体的には、各リンク 2 の前貫通孔 9には、対応する第 1のピン 3が遊嵌されているとともに、対応する第 2の ピン 4が圧入固定され、各リンク 2の後貫通孔 10には、対応する第 1のピン 3が圧入固 定されて!/、るとともに、対応する第 2のピン 4が遊嵌されて!/、る。
上記の構成により、第 1のピン 3の前部 12と対をなす第 2のピン 4の後部 19とは、対 応するリンク 2間の屈曲に伴って移動する接触部 T上で、互いに転がり摺動接触する 。なお、圧入固定された各第 1および第 2のピン 3, 4は、対応する前貫通孔 9および 後貫通孔 10にそれぞれ遊嵌されて!/、てもよ!/、。
[0026] また、チェーン 1は、いわゆるインポリュートタイプのチェーンとされている。具体的に は、第 1のピン 3の前部 12に曲面部 20が設けられている。曲面部 20のうち、直交方 向 Vの他方 V2側の端部は、所定の起部 F (チェーン幅方向 Wからみて、所定の起点 )とされている。
起部 Fの位置は、チェーン 1の直線領域における第 1のピン 3の接触部 T1の位置と 一致している。この起部 Fは、前部 12のうち、他端部 15に近い側に配置されている。
[0027] チェーン幅方向 Wからみて、曲面部 20は、所定の起部 F (起点)をもつインポリュー ト曲線とされている。このインポリュート曲線は、基礎円 Gに基づいている。基礎円 G は、中心 Gl、半径 G2 (基礎円半径)を有する円である。
中心 G1は、チェーン進行方向 Xに直交し且つ第 1のピン 3の接触部 T1を含む平面 上において、上記接触部 T1から直交方向 Vの他方側 V2に進んだところに位置して いる。基礎円 Gと起部 Fとは、交差している。
[0028] 上記の構成により、チェーン幅方向 Wからみて、対応するリンク 2間の屈曲に伴う接 触部 Tの移動軌跡は、第 1のピン 3を基準としてインポリュート曲線となる。
図 2および図 5 (A)を参照して、接触領域 21は、各プーリ 60, 70の対応するシーブ 面 62a, 63a, 72a, 73a側に向けてそれぞれ突出しており、対応するシーブ面 62a, 63a, 72a, 73a側に最も突出した部分力 S、接触領域 21の頂部 22となっている。チェ ーン幅方向 Wから見たときの端面 17の図心と、頂部 22とは一致している。接触領域 21において、対応するシープ、面 62a, 63a, 72a, 73aとの接角虫圧は、頂き で最も 高くなる。
[0029] 図 5 (A)〜図 5 (C)を参照して、第 1のピン 3の後部 13は、第 1の平面 HIの一部を 含んでいる。第 1の平面 HIは、チェーン進行方向 Xとは直交する平面としての直交 平面 H3に対して、所定の迎え角 Eを有している。
迎え角 Eは、例えば 5° 〜12° 程度に設定されている。なお、迎え角 Eは、 20° 以 下 (零を含む、すなわち、 0° 以上 20° 以下)の範囲に設定される。迎え角 Eが 20° を超えると、第 1のピン 3の傾きが大きくなりすぎ、リンクに対するレイアウト上、現実的 ではないからである。
[0030] なお、迎え角 Eは、各プーリ 60, 70のチェーン 1に関する有効半径や第 1のピン 3 の配置ピッチに依存しており、チェーン 1がとり得る上記有効半径の全ての範囲で、 接触領域 21が端面 17の縁部(エッジ)に至らな!/、ように設定される。
この第 1の平面 HIは、第 2の平面 H2と直交している。チェーン幅方向 Wから見たと きの第 1のピン 3の縦方向 J (以下、単に縦方向 Jともいう)は、第 1の平面 HIの延びる 方向に沿っている。チェーン幅方向 Wから見たときの第 1のピン 3の横方向 K (以下、 単に横方向 Kともいう)は、第 2の平面 H2の延びる方向に沿っている。
[0031] チェーン幅方向 Wから見たとき、接触領域 21は、卵形形状をなしており、頂部 22を 通る第 1の平面 Hlaに平行な方向(縦方向 J)に相対的に長ぐ頂部 22を通る第 2の 平面 H2aに平行な方向(横方向 K)に相対的に短くされている。この接触領域 21は、 第 2の平面 H2aを中心としたときに非対称な形状をなしている。縦方向 Jに関して、接 触領域 21の一端部 21 aと頂部 22との間の距離が、当該接触領域 21の他端部 211^ 頂部 22との距離に比べて短くされて!/、る。
[0032] この接触領域 21は、第 2の平面 H2aに対して縦方向 Jの一方側に位置する半円状 部 23と、第 2の平面 H2aに対して縦方向 Jの他方側に位置する半楕円状部 24とを含 んでいる。半円状部 23と半楕円状部 24とは、滑らかに(正接に)接続されている。 接触領域 21が第 1の平面 HIと交差して第 1の交線 L1が形成されると共に、接触領 域 21が第 2の平面 H2と交差して第 2の交線 L2が形成されている。
[0033] すなわち、第 1の交線 L1は、任意の第 1の平面 HIと接触領域 21との交線である( 図 5 (B)において、頂部 22を含む交線 Llaを例示。)。第 2の交線 L2は、任意の第 2 の平面 H2と接触領域 21との交線である(図 5 (C)において、頂部 22を含む交線 L2a を例示。)。
本実施の形態の特徴の 1つは、第 1および第 2の交線 LI , L2の少なくとも一方とし ての第 1の交線 L1が、複数の曲率半径 Rl , R2を有している点にある。
[0034] 第 1の交線 L1は、曲率半径の相異なる曲線部としての第 1の部分 L11および第 2 の部分 L12を含んでおり、偶数個(2つ)の曲率半径 Rl , R2を有している。第 1の部 分 L11の曲率半径 R1は、接触領域 21の中で最も大きい曲率半径としての第 1の主 曲率半径とされており、例えば、 150mmに設定されている。この第 1の部分 L11は、 第 2の平面 H2aに対して、縦方向 Jの他方側に配置されており、半楕円状部 24の一 部を構成している。
[0035] 第 2の部分 L12の曲率半径 R2は、曲率半径 R1と比べて小さい曲率半径 R2 (例え ば 50mm)とされている。この第 2の部分 L12は、第 2の平面 H2aに対して、縦方向 J の一方側に配置されており、半円状部 23の一部を構成している。第 1の部分 L11と 第 2の部分 L12とは、頂部 22を通る第 2の平面 H2aで互いに接続されている。
第 2の交線 L2は、曲線部として設けられており、単一の曲率半径 R3を有している。 この曲率半径 R3は、接触領域 21の中で最も小さい曲率半径としての第 2の主曲率 半径とされており、例えば、 50mmとされている。曲率半径 R3は、上記第 2の部分 L1 2の曲率半径 R2と同じである。なお、曲率半径 R3は、曲率半径 R2以下(R3≤R2) であればよぐ曲率半径 R2より小さい値(R3<R2)に設定されていてもよい。
[0036] 上記の構成により、チェーン幅方向 Wに沿って見て、半円状部 23は、頂部 22を曲 率中心とした、第 2の主曲率半径 (例えば、 50mm)を有する半円をなし、半楕円状 部 24は、頂部 22で長軸と短軸とが交差し、且つ長軸半径が第 1の主曲率半径 (例え ば、 150mm)とされ且つ短軸半径が第 2の主曲率半径とされた半楕円をなしている。 チェーン幅方向 Wと直交する平面 Nに対して前記プーリ半角 C1だけ傾斜した任意 の傾斜面 Pと、端面 17との交線 Qは、接触領域 21の外周縁 21cまたは外周縁 21cに 相似な形状と一致する(図 5 (A)において、外周縁 21cに一致する交線 Qとその外側 にある交線 Qの、 2つの交線 Qを例示している)。
[0037] 図 4を参照して、本実施の形態の特徴の 1つは、複数種類の第 1のピン 3として、第 1の部材としての第 1種ピン 3aと、第 2の部材としての第 2種ピン 3bとが設けられてお り、これら第 1種ピン 3aおよび第 2種ピン 3bがチェーン進行方向 Xにランダムに配列さ れている点にある。なお、図 5 (A)、図 5 (B)および図 5 (C)は、それぞれ、第 1のピン 3の第 1種ピン 3aを示して!/、る。
[0038] 再び図 4を参照して、第 1種ピン 3aと第 2種ピン 3bとの相違点は、以下の通りである 。すなわち、チェーン幅方向 Wに沿って見て、第 1種ピン 3aの前部 12aのインボリュ ート曲線の基礎円 Gaの曲率半径 G2aが相対的に大きくされ、第 2種ピン 3bの前部 1 2bのインポリュート曲線の基礎円 Gbの曲率半径 G2bが相対的に小さくされている。
[0039] 第 1種ピン 3aのうち、縦方向 Jの一方側の端部近傍が、横方向 K (チェーン進行方 向 X)に関して相対的に厚肉となっており、第 2種ピン 3bのうち縦方向 Jの一方側の端 部近傍力、横方向 Kに関して相対的に薄肉となっている。
上記の構成により、第 1種ピン 3aを基準とした当該第 1種ピン 3aの接触部 Tの転が り摺動接触の軌跡と、第 2種ピン 3bを基準とした当該第 2種ピン 3bの接触部 Tの転が り摺動接触の軌跡とは、相異なる。
[0040] 前述したように、第 1および第 2種ピン 3a, 3bは、チェーン進行方向 Xにランダムに 配列されており、各第 1のピン 3が各プーリに対して順次に接触するときの接触周期 力 Sランダム化されている。
「ランダムに配列」とは、第 1種ピン 3aおよび第 2種ピン 3bの少なくとも一方力 チェ ーン進行方向 Xの少なくとも一部に不規則に配置されていることを意味するものであ る。なお、「不規則」とは、周期性および規則性の少なくとも一方がないことをいう。
[0041] 例えば、第 1種ピン 3aを「a」、第 2種ピン 3bを「b」として表したときに、チェーン進行 方向 Xに つて、これらのピン 3a, 3b力 「a, b, b, a, b, b, b, a, b, b, b, b, b, a, b, b, b, b, b, b, bj (個別の「」は省略)という順番で配列されている。
以上が無段変速機の概略構成である。以下では、上記第 1のピン 3の端面 17を形 成する方法について説明する。図 6は、研削装置 30の概略構成を示す模式的な縦 断面図である。図 6を参照して、研削装置 30は、環状の砥面 31を有するカップ状部
32と、第 1のピン 3の製造中間体 33を砥面 31に対して摺動可能に保持するホルダ 3
4とを備えている。
[0042] 製造中間体 33は、例えば、長尺の棒状の軸受用鋼に所定の熱処理を施したもの である。カップ状部 32は、砥面 31を含む少なくとも一部が砥石を用いて形成されて おり、カップ状部 32の内側の周面に砥面 31が配置されている。砥面 31は、すり鉢状 に形成されており、カップ状部 32の軸方向の一端から他端に進むにしたがい小径と なっている。カップ状部 32の底部には、ホルダ 34の一部が揷通される揷通孔 35が 形成されている。
[0043] 図 7は、図 6の VII— VII線に沿うホルダ 34の断面図である。図 6および図 7を参照し て、ホルダ 34は、軸部 36と、軸部 36に一体回転可能に設けられた円板部 37とを含 んでいる。
軸部 36の軸線 S 1 (以下、単にホルダ 34の軸線 S 1ともいう。)は、鉛直線 S2に対し て、 0° 〜90° の範囲の所定の角度(本実施の形態において、例えば、プーリ半角 C1)をなして傾斜している。
[0044] 軸部 36は、駆動モータ(図示せず)等を用いて軸線 S1回りに回転可能となってい る。軸部 36の一端は、ホルダ 34の揷通孔 35に揷通されている。砥面 31の母線は、 軸線 S 1に対して、概ねプーリ半角 C1だけ傾斜して!/、る。
円板部 37には、製造中間体 33を収容して保持する保持溝 38が複数 (本実施の形 態において、例えば、 18)形成されている。保持溝 38は、円板部 37の周方向に等間 隔に配置されて放射状をなしている。各保持溝 38には、製造中間体 33が保持され ており、当該製造中間体 33の端面 33aを含む一部が、円板部 37の径方向外方に突 出している。製造中間体 33の長手方向が水平方向に対してプーリ半角 C1だけ傾斜 している。
[0045] 図 8は、図 6の要部の拡大図である。図 8を参照して、カップ状部 32の砥面 31が、 ホルダ 34の軸線 S1を含む平面と交差して、第 1の交線 Llaが形成されている。すな わち、第 1のピン 3の第 1の交線 Lla (図 5 (B)参照)と同様の形状をなす交線 Llaが 形成されている。
図 8を参照して、砥面 31の第 1の交線 Llaの第 1の部分 L11は、頂部 22に対して力 ップ状部 32の底部側に配置されている。第 2の部分 L12は、頂部 22に対してカップ 状部 32の上端側に配置されている。
[0046] 頂部 22の曲率中心 22aは、ホルダ 34の軸線 S1上に位置しており、この曲率中心 2 2aと頂部 22とを繋いだ直線 U1は、ホルダ 34の軸線 S1と直交し且つ頂部 22を通る 直線 U2に対して、プーリ半角 C1だけ傾斜している。この直線 U2の長さは、 R3cos ( C1 X π /180) (mm)である。
図 6を参照して、円板部 37の径方向に関する保持溝 38の内側の端面 37aは、ホル ダ 34の軸線 S 1に対してプーリ半角だけ傾斜している。これにより、保持溝 38におけ る製造中間体 33の位置決めを確実且つ容易に行うことができ、製造中間体 33の一 対の端面 33aを片側ずつ研削しても、一対の端面 33a, 33aの頂部間の距離や、当 該頂部間の相対位置を精度よく合わせることができる。
[0047] 製造中間体 33の端面 33aを加工する際は、プーリ半角 C1だけ傾斜したホルダ 34 を軸線 S 1回りに回転させた状態で、端面 33aを砥面 31に摺接して、当該端面 33aを 切削する。製造中間体 33の反対側の端面 33aも同様に切削され、これにより、製造 中間体 33が第 1のピン 3となる。
なお、ホルダ 34を軸線 S 1回りに回転させつつ、ホルダ 34と砥面 31とを鉛直方向お よび水平方向に相対移動させて研削を行ってもよい。また、ホルダ 34の回転を停止 した状態で、ホルダ 34と砥面 31とを鉛直方向および水平方向に相対移動させて研 削を行ってもよい。
[0048] 製造中間体 33を研削して第 1のピンが形成されると、この第 1のピンは、第 2のピン と共にリンクに組み込まれ、チェーン 1 (図 1参照)が形成される。このチェーン 1は、一 対のプーリ 60, 70と同様の形状をなす治具(図示せず)に巻き掛けられ、この治具に よって、チェーン 1に定格荷重の 2倍〜 3倍の引っ張り荷重(予張力)が与えられる。こ れにより、チェーン 1の各リンク 2が加工硬化して強度が向上する。
[0049] 本実施の形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、第 1の 交線 L1が、複数の曲率半径 Rl , R2を有するようにされた結果、接触領域 21に、湾 曲の度合レ、の小さレ、半楕円状部 24と湾曲の度合!/、の大き!/、半円状部 23とを設ける こと力 Sでさる。
これにより、半円状部 23では、各プーリ 60, 70との接触面積を小さくでき、当該プ ーリ 60, 70との相対摺動量を少なくしてスリップロスを低減でき、伝動効率を高くでき る。また、半楕円状部 24では、各プーリ 60, 70と十分な接触面積で接触でき、当該 プーリ 60, 70との面圧を低くできる。その結果、第 1のピン 3の端面 17のエッジにまで プーリ 60, 70が接触するエッジ当たりを防止できる。
[0050] また、第 1の交線 L1の第 1の部分 L11の曲率半径 R1が第 1の主曲率半径とされて おり、第 2の交線 L2の曲率半径 R3が、第 2の主曲率半径とされている。これにより、 チェーン幅方向 W力も接触領域 21を見て、縦方向 Jの長さを長くすると共に、横方向 Kの長さを短くできる。これにより、接触領域 21の面積を十分に確保しつつ、第 1のピ ン 3をチェーン進行方向 X(横方向 K)に関して薄肉にできる。
[0051] さらに、第 1の交線 L1が、曲率半径の小さい部分(第 2の部分 L12)を含むようにさ れている。その結果、チェーン幅方向 Wから接触領域 21を見たときにおいて、縦方 向 Jに沿っての接触領域 21の全長が長くなりすぎないようにできる。これにより、接触 領域 21を、各プーリ 60, 70の径方向に関して短くでき、端面 17のエッジに各プーリ 60, 70が接触することをより確実に防止できる。また、第 2の交線 L2が単一の曲率半 径 R3で構成されているので、接触領域 21の形成を容易にできる。
[0052] また、接触領域 21は、チェーン幅方向 Wから見たときに、縦方向 Jに相対的に長い 卵形形状をなしている。これにより、接触領域 21をチェーン進行方向 Xに直交する方 向(直交方向 V)に細長くでき、その結果、第 1のピン 3をチェーン進行方向 X (横方向 K)に関して薄く形成できる。
以上より、第 1のピン 3の端面 17の摩耗や振動が低減された結果、耐久性および静 粛性に優れ、且つ伝動効率に優れた無段変速機 100を実現できる。
[0053] ところで、従来のピンの端面は、当該ピンをチェーン幅方向からみて、ピンの縦方向 および横方向のそれぞれに沿う方向の曲率半径が単一とされていた。このような端面 形状として、縦方向に細長い形状や、横方向に細長い形状や、球面の一部からなる 形状を例示できる。
このうち、縦方向に細長い形状の場合には、接触領域が、プーリ径方向に長い形 状となる。その結果、ピン端面がプーリに接触する際、およびプーリから離れる際のそ れぞれにおいて、接触領域の長手方向の一端とプーリとの相対速度と、長手方向の 他端とプーリとの相対速度との差 (線速度の差)が大きくなり、摩擦抵抗が大きくなつ て伝動効率が低下してしまう。
[0054] また、ピン端面が横方向に細長い形状の場合には、ピン端面を横方向に薄肉にし ようとすると、接触領域がピン端面のエッジにまで達するエッジ当たりが生じてしまう。 さらに、ピン端面が球面の一部からなる場合には、接触領域がプーリと相対摺動する 量が多くなる結果、両者が互いにこじられる現象が生じ、伝動効率が低下してしまう。 本実施の形態によれば、前述したように、伝動効率の低下や、エッジ当たりの発生 といった課題を解決することができ、上記従来のピンに比べて優れている。 [0055] なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなぐ特許請求の範囲に 記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、図 9に示すように、 3種類以上の曲率半径を有する第 1の交線 L1Aを設け てもよい。なお、図 9は、頂部 22Aを通る第 1の交線 LlaAを示している。この場合、 第 1の交線 L1Aは、第 1の部分 L11Aと、第 2の部分 L12Aと、第 3の部分 L13Aとを 含んでおり、第 1の交線 L1Aに含まれる曲率半径の数が、奇数となっている。第 1お よび第 2の部分 Ll lA, L12Aは、互いに滑らかに接続されている。第 2および第 3の 部分 L12A, L13Aは、互いに滑らかに接続されている。
[0056] 第 1の部分 L11Aの一端と第 1の部分 L11の曲率中心 Y1Aとを結ぶ線 Z1A、第 1 の部分 L11Aの他端と上記曲率中心 Y1Aとを結ぶ線 Z2A、および第 1の部分 Ll lA で囲まれた領域が、扇形形状をなしている。第 1の部分 L11Aに頂部 22Aが設けら れており、この頂部 22Aと曲率中心 Y1Aとはチェーン幅方向 Wに並んでいる。
線 Z2A上に、第 2の部分 L12Aの曲率中心 Y2Aが配置されている。第 2の部分 L1 2Aの曲率半径は、第 1の部分 Ll l Aの曲率半径よりも小さい。線 Z2A、第 2の部分 L 12Aの一端と上記曲率中心 Y2Aとを結ぶ線 Z3A、および第 2の部分 L12Aで囲ま れた領域が、扇形形状をなしている。
[0057] 線 Z3A上に、第 3の部分 L13Aの曲率中心 Y3Aが配置されている。第 3の部分 L1 3Aの曲率半径は、例えば、第 1および第 2の部分 Ll lA, L12Aの曲率半径と比べ て小さくされている。線 Z3A、第 3の部分 L13Aの一端と第 3の部分 L13Aの曲率中 心 Y3Aとを結ぶ線 Z4A、および第 3の部分 L13Aで囲まれた領域が扇形形状をなし ている。
[0058] この場合、曲率半径がより多く(3つ)設けられていることにより、接触領域 21Aの形 状をより最適化できる。
なお、図 9に示す形状に代えて、図 10に示す形状を採用してもよい。この場合、第 2の部分 L12Bの曲率半径は、第 1〜第 3の部分 L11B〜L13Bの中で最も小さい値 とされている。
[0059] また、図 9に示す形状に代えて、図 11に示す形状を採用してもよい。この場合、第 2 の部分 L12Cの曲率半径は、第 1〜第 3の部分 L11C〜L13Cの中で最も大きい値と されている。
また、図 5 (A)に示す接触領域 21を、頂部 22を中心として約 180° 回転させて、図 12に示す接触領域 21Dとしてもよい。さらに、図 5 (A)に示す接触領域 21を、頂部 2 2を中心として約 90° 回転させて、図 13に示す接触領域 21Eとしてもよい。この場合 、第 1の交線 LIEが単一の曲率半径を有し、第 2の交線 L2Eが複数の曲率半径を有 することとなる。
[0060] また、上記各実施の形態において、第 1の交線 L1および第 2の交線 L2の双方に、 複数の曲率半径を設定してもよい。
さらに、製造中間体 33の一対の端面 33aを同時に研削加工してもよい。また、ェン ドミル等の工具を用いて製造中間体 33の端面 33aを研削してもよい。
また、チェーン幅方向 Wから見た、第 1のピン 3の曲面部 20は、インポリュート曲線 以外の曲線 (例えば、単一または複数の曲率半径を有する曲線)をなして!/、てもよ!/、 。さらに、第 1のピンの一対の端部のそれぞれの近傍に、当該第 1のピンの端面と同 様の動力伝達部を有する部材が配置された、 V、わゆるブロックタイプの動力伝達チェ 一ンに本発明を適用してもよい。
[0061] また、ドライブプーリ 60およびドリブンプーリ 70の双方の溝幅が変動する態様に限 定されるものではなぐ何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅 にした態様であっても良い。さらに、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態 様について説明したが、段階的に変動したり、固定式 (無変速)である等の他の動力 伝達装置に適用しても良い。
産業上の利用性
[0062] 本発明によれば、ピン端面の縁部がプーリと接触するエッジ当たりを防止することが でき、且つ伝動効率に優れた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供すること を目的とする。

Claims

請求の範囲
[1] チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、
複数のリンクを互!/、に屈曲可能に連結する複数の長尺の連結部材とを備え、 上記連結部材は、プーリのシーブ面に動力伝達可能に接触する接触領域が形成 される端面を有する動力伝達部材を含み、
上記接触領域が、チェーン進行方向とは直交する平面に対して 0° 以上 20° 以下 の角度をなす第 1の平面と交差して曲線部を含む第 1の交線が形成され、上記接触 領域が、第 1の平面とは直交する第 2の平面と交差して曲線部を含む第 2の交線が 形成され、
上記第 1および第 2の交線の少なくとも一方は、複数の曲率半径を有する 動力伝達チェーン。
[2] 請求項 1において、上記第 1の交線の曲率半径は、接触領域に関する相対的に大 きい主曲率半径を含み、上記第 2の交線の曲率半径は、接触領域に関する相対的 に小さい主曲率半径を含む動力伝達チェーン。
[3] 請求項 1において、上記第 1の交線は複数の曲率半径を有し、上記第 2の交線は 単一の曲率半径を有する動力伝達チェーン。
[4] 請求項 1において、上記接触領域は、連結部材の長手方向から見たときに、第 1の 平面に平行な方向に相対的に長い卵形形状をなす動力伝達チェーン。
[5] 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第 1および第 2のプーリと
、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項 1に 記載の動力伝達チェーンとを備える動力伝達装置。
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