JP2011079084A - 動力伝達チェーン用ピンの製造方法 - Google Patents

動力伝達チェーン用ピンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 治具セッティングの工数を削減し、研削時間を短縮することができる動力伝達チェーン用ピンの製造方法を提供する。
【解決手段】 動力伝達チェーン用ピンの製造方法は、圧入を容易とするための第1ガイド面L1,L2をピン14の両端部の一側に、圧入を容易とするための第2ガイド面U1,U2をピン14の両端部の他側に連続して形成するガイド面研削工程を有している。ガイド面研削工程は、第1ガイド面を研削する第1砥石32と第2ガイド面を同時に研削する第2砥石32とを使用し、まず、第1および第2砥石の回転軸同士をつなぐ線に対してピン軸方向が直交するように未研削ピン14Aを保持して、その両端部に第1ガイド面を同時に研削し、次いで、第1ガイド面研削済みピン14Bをこの状態のまま第2砥石側に移動させ、次いで、第1ガイド面研削済みピンを第2砥石に対向させてその両端部に第2ガイド面を同時に研削するものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、動力伝達チェーン用ピンの製造方法、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンで使用されるピンの製造方法に関する。
従来、無段変速機に適した動力伝達チェーンとして、ピンが挿通される複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンからなり、ピンにリンクを圧入することで組み立てられるものが知られており、特許文献1には、このような動力伝達チェーンにおいて、ピンの両端部にリンクの圧入を容易とするためのガイド面を形成することが開示されている。
特開2007−32820号公報(図4)
特許文献1のピンにガイド面を形成する研削方法としては、専用の保持治具を使用し、セッティングを変更しながら、平面研削盤を用いて1カ所ずつガイド面を加工するものがよく知られている。この研削方法では、研削に要する時間が長くなるため、ガイド面研削時間の短縮が課題となっている。
この発明の目的は、治具セッティングの工数を削減し、研削時間を短縮することができる動力伝達チェーン用ピンの製造方法を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーン用ピンの製造方法は、複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンからなり、ピンにリンクを圧入することで組み立てられる動力伝達チェーンで使用されるピンの製造方法であって、圧入を容易とするための第1ガイド面をピンの両端部の一側に、圧入を容易とするための第2ガイド面をピンの両端部の他側に連続して形成するガイド面研削工程を有しており、ガイド面研削工程は、ピンの両端部の一側に第1ガイド面を同時に研削する回転可能な円盤状第1砥石と、第1砥石の回転軸と平行な回転軸を有し第1砥石と所定間隔を置いて配置されてピンの両端部の他側に第2ガイド面を同時に研削する回転可能な円盤状第2砥石とを使用し、まず、第1および第2砥石の回転軸同士をつなぐ線に対してピン軸方向が直交するように未研削ピンを保持して、第2砥石に近い側から未研削ピンを第1砥石に対向させてその両端部に第1ガイド面を同時に研削し、次いで、第1ガイド面研削済みピンをこの状態のまま第1および第2砥石の回転軸同士をつなぐ線に沿って第2砥石側に移動させ、次いで、第1砥石に近い側から第1ガイド面研削済みピンを第2砥石に対向させてその両端部に第2ガイド面を同時に研削することを特徴とするものである。
ピンは、例えば、線材を所要の断面形状となるように引き抜き加工した後、傾斜状の端面がプレス加工によって形成され、さらに熱処理された後に、両端面に研磨加工が施されることにより製造される。この発明の製造方法における主要部となる研削(ガイド面研削工程)は、圧入工程における圧入を容易とするため、計4カ所のガイド面をピンの両端部に形成するもので、ピン製造工程の最終段階で実施される。
このガイド面研削工程によると、第1キャリアインデックス手段によって停止位置が制御された第1キャリアによって保持されたピンの両端部に、第1砥石によって第1ガイド面が同時に研削され、次いで、ピン移載手段によって、第1ガイド面の研削が終了したピンが第2砥石近傍に設けられた第2キャリアに移載され、第2キャリアインデックス手段によって停止位置が制御された第2キャリアによって保持されたピンの両端部に、第2砥石によって第2ガイド面が同時に研削される。こうして、動力伝達チェーン用ピンの研削工程において、計4カ所のガイド面を2カ所ずつ同時に形成することにより、治具セッティングの工数を削減し、研削時間を短縮することができる。
ガイド面は、ピンを逆にしても同様の扱いが可能となるように、両端部に設けられ(圧入時に必要とされるのは一端部だけ)、その形状については、例えば、リンクの圧入時に先端側に位置する第1ガイド面は、リンクに接触しない先端側直線部と、これに連なりリンクに徐々に食い込んでいく傾斜部とからなるものとされ、第1ガイド面の180°反対側にある第2ガイド面は、リンクに徐々に食い込んでいく傾斜部のみからなるものとされる。このようにすることで、圧入時に先端部上縁に作用する力と先端部下縁に作用する力とがほぼ同じになり、圧入が容易となるとともに、圧入時の応力集中が緩和される。
砥石は、例えば、電着砥石(外周が所定形状に成形された台金上にCBN砥粒またはダイヤモンド砥粒等の超砥粒を電気メッキにより固着したもの)とされ、ドレス装置は不要とされる。
ピンの移載に際しては、シリンダと移載リフトとの間に、ロードセルを介在させて移載時の押圧力を測定・管理することが好ましい。また、移載リフトとピンとの間またはシリンダのピストンロッドと移載リフトとの間に板ばね等の付勢部材を介在させ、移載時の押圧力を付勢部材で緩和するようにしてもよい。ピンの押圧力を測定・管理または緩和することにより、高速ローディングに適したものとすることができる。
動力伝達チェーンの製造方法は、より詳細には、リンクを製造する工程と、ピンを製造する工程と、ピンとリンクとを組み立てる工程と、組み立てられたチェーンに荷重を負荷(予張)する工程とを含んでいるものとされ、ピンとリンクとを組み立てる工程は、チェーンで使用される全てのピンを組立て治具上に垂直状に保持した後、リンクを1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことで実施される。この圧入は、ピンの縁部とこれに対応するリンクのピン挿通部との間において行われ、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされる。
上記の動力伝達チェーンの製造方法は、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士のチェーン長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に圧入により固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に圧入により固定されているものである動力伝達チェーンを製造するのにより適している。
上記動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
この発明の動力伝達チェーン用ピンの製造方法によると、計4カ所のガイド面を2カ所ずつ同時に形成することにより、治具セッティングの工数を削減し、研削時間を短縮することができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーン用ピンの製造方法を実施する装置を示す正面図である。 図2は、同平面図である。 図3は、この発明が対象とする動力伝達チェーンの1例を示す平面図である。 図4は、動力伝達チェーンのピンおよびリンクの形状を示す拡大側面図である。 図5は、ピンのガイド面を示す正面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1および図2は、この発明による動力伝達チェーン用ピンの製造方法を実施する際に使用される研削装置(31)を示しており、研削装置(31)は、ピン(14)の両端部にガイド面(U1)(U2)(L1)(L2)(図5参照)を形成するためのもので、同図に示すように、第1砥石(32)と、第1砥石(32)に対向して配置された第2砥石(33)と、第1砥石(32)近傍に配置された第1キャリア(34)と、第2砥石(33)近傍に配置された第2キャリア(35)と、第1キャリア(34)を順次所定位置に移動させる第1キャリアインデックス手段(36)と、第2キャリアを順次所定位置に移動させる第2キャリアインデックス手段(37)と、第1キャリア(34)にピン(14)を供給するピン供給手段(38)と、第1砥石(32)による研削が終了したピン(14)を第1キャリア(34)から第2キャリア(35)に移載するピン移載手段(39)とを備えている。
この発明の製造方法が対象とする動力伝達チェーン(1)用ピン(14)(15)の1例を図3から図5までに示す。
動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)(21)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
この動力伝達チェーン(1)では、リンク(11)(21)については、ショートリンク(11)およびロングリンク(21)の2種類が使用されている。ショートリンク(11)とロングリンク(21)とでは、チェーン(1)の直線領域においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)間の距離(図4に符号Aで示す点とBで示す点との距離)=「ピッチ長」が異なっている。
図4に示すように、ショートリンク(11)(ロングリンク(12)も同じ)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下(図4の上下をいうものとする、以下同じ)の縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)を連結するに際しては、一のリンク(11)(21)の前挿通部(12)と他のリンク(11)(21)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)(21)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)(21)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)(21)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート曲線とされ、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)(21)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を組立て治具上に垂直状に保持した後、リンク(11)(21)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には、予張工程において、適切な張力が付与される。
ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間の圧入が容易に行われるとともに、圧入時の応力集中が緩和されるように、ピン(14)およびインターピース(15)の両端部には、図3および図5に示すように、上下それぞれに計4カ所のガイド面(U1)(U2)(U3)(U4)(L1)(L2)が設けられている。
ピン(14)に設けられているガイド面(U1)(U2)(L1)(L2)の詳細を図5に示す。同図において、リンク(11)(21)の圧入時に先端側に位置する上ガイド面(U1)(U2)は、リンク(11)(21)に接触しない先端側直線部(U1a)(U2a)と、これに連なりリンク(11)(21)に徐々に食い込んでいく傾斜部(U1b)(U2b)とからなるものとされ、上ガイド面(U1)(U2)の180°反対側にある下ガイド面(L1)(L2)は、リンク(11)(21)に徐々に食い込んでいく傾斜部のみからなるものとされている。ここで、下ガイド面(L1)(L2)の傾斜部先端は、上ガイド面(U1)(U2)の傾斜部先端(U1b)(U2b)よりも軸方向外側(先端側)にあり(下ガイド面(L1)(L2)が先にリンク(11)(21)に当接しやすくなっており)、上ガイド面(U1)(U2)の傾斜部(U1b)(U2b)の最終位置は、下ガイド面(L1)(L2)の傾斜部の最終位置よりも軸方向内側にある(圧入最終段階では、上ガイド面(U1)(U2)の傾斜部(U1b)(U2b)がリンク(11)(21)に食い込んでいく)。
以下に、研削装置(31)の詳細を示す。なお、研削装置(31)の説明における左右は、図1および図2の左右をいい、上下は、図2の上下をいうものとする。また、未研削ピンについては符号(14A)を付し、第1砥石(32)による研削が終了した1次研削済みピンについては符号(14B)を付して、研削完了済みのピン(14)と区別している。
第1砥石(32)および第2砥石(33)は、いずれも外周面下縁および上縁にそれぞれ研削面(32a)(32b)(33a)(33b)とする円盤状となされており、その軸方向が互いに平行になるように所定間隔をおいて左右に配置されている。
第1キャリア(34)および第2キャリア(35)は、いずれも略円盤状とされており、その軸方向が互いに平行になるように所定間隔をおいて各砥石(32)(33)の左右方向内側に配置されている。第1キャリア(34)および第2キャリア(35)の回転軸は、第1砥石(32)および第2砥石(33)の回転軸と平行であり、これらの回転軸は、すべて同一平面に配置されている。各キャリア(34)(35)には、図2に示すように、径方向外方に開口する略台形状に形成された複数のポケット(41)(42)が周方向に所定間隔で設けられている。
第1砥石(32)には、未研削ピン(14A)の両端部に第1ガイド面(図5における下ガイド面)(L1)(L2)を同時に研削する研削面(32a)(32b)が形成されており、第2砥石(33)には、1次研削済みピン(14B)の両端部に第2ガイド面(図5における上ガイド面)(U1)(U2)を同時に研削する研削面(33a)(33b)が形成されている。第1砥石(32)は、図1において反時計方向に、第2砥石(33)は、図1において時計方向に、それぞれ適当な回転駆動装置(図示略)によって回転させられる。
ピン(未研削ピン(14A)、1次研削済みピン(14B)および研削完了済みピン(14))は、その軸方向が各砥石(32)(33)の軸方向と平行になるように対応するキャリア(34)(35)に支持されており、各ポケット(41)(42)の周方向の一側には、これらのピン(14A)(14B)(14)を収めるためのピン収容部(43)(44)が形成されている。各キャリア(34)(35)の厚みは、ピン(14A)(14B)(14)の軸方向長さよりも小さいものとされており、これにより、ピン(14A)(14B)(14)は、その両端部を突出させて、ポケット(41)(42)に挿通されて、そのピン収容部(43)(44)に収容される。
ピン収容部(43)(44)は、各ポケット(41)(42)の周方向一側の面において、径方向外側の部分が径方向内側の部分に対して凹まされることで形成されており、径方向外側の部分と内側の部分との間の段差面(45)(46)がピン(14A)(14B)(14)の上下面のいずれか一方を受け止める径方向位置決め面(45)(46)となり、周方向に凹まされた径方向外側面(47)(48)がピン(14A)(14B)(14)の前後面のいずれか一方を受け止める周方向位置決め面(47)(48)となっている。ピン収容部(43)(44)に収められたピン(14A)(14B)(14)は、ピン(14A)(14B)(14)を周方向位置決め面(47)(48)に押し付けるピン押さえ部材(49)によってピン収容部(43)(44)からの脱落が防止されている。ピン押さえ部材(49)は、ピン(14A)(14B)(14)に当接する鋼球(49a)を有しており、ねじ(50)によってポケット(41)(42)に固定されている。
第1キャリア(34)のピン収容部(43)の周方向位置決め面(47)は、反時計方向に回転する第1砥石(32)の回転方向の力を受けることができるように、ポケット(41)の時計方向側の面に設けられており、第2キャリア(35)のピン収容部(44)の周方向位置決め面(48)は、時計方向に回転する第2砥石(33)の回転方向の力を受けることができるように、ポケット(42)の反時計方向側の面に設けられている。
ピン供給手段(38)は、未研削ピン(14A)を第1キャリア(34)のピン収容部(43)に供給するための供給治具(38a)を有している。
第1キャリアインデックス手段(36)は、第1キャリア(34)をインデックス回転させて、空のピン収容部(43)がピン供給手段(38)に対向する供給位置と、次の空のピン収容部(43)がピン供給手段(38)に対向する次の供給位置と、2つの供給位置の中間位置とに第1キャリア(34)を順次停止させる。第1キャリア(34)が2つの供給位置の中間位置にあるときには、未研削ピン(14A)を収容するピン収容部(43)の1つが第1砥石(32)に対向するようになされており、これにより、ピン供給手段(38)による未研削ピン(14A)の供給と第1砥石(32)による未研削ピン(14A)に対する第1ガイド面(L1)(L2)の研削とが交互に繰り返されるようになされている。
第2キャリアインデックス手段(37)は、第1キャリアインデックス手段(36)と類似の構成とされており、第2キャリア(35)の供給位置は、ピン収容部(44)が第2砥石対向位置から180°逆方向に回転した位置とされている。これにより、ピン移載手段(39)による1次研削済みピン(14B)の供給と第2砥石(33)による1次研削済みピン(14B)に対する第2ガイド面(U1)(U2)の研削とが交互に繰り返されるようになされている。
ピン移載手段(39)は、1次研削済みピン(14B)を支持するフォーク(51a)を有する移載リフト(51)と、移載リフト(51)を左右方向に往復移動させるシリンダ(52)とを備えており、第1キャリア(34)のピン収容部(43)にある1次研削済みピン(14B)を移載リフト(51)によって保持して、これを第2キャリア(35)のピン収容部(44)に供給する。
シリンダ(52)のピストンロッド(53)の先端部(53a)と移載リフト(51)との間には、ロードセル(54)が設けられており、シリンダ(52)の駆動力がロードセル(54)を介して移載リフト(51)に伝達されることで、1次研削済みピン(14B)を移載する際の押し付け力を管理することができる。
移載リフト(51)の移動方向には、図2に示すように、これを案内する左右にのびる上下のレール(55)(56)が設けられている。上側のレール(55)は、固定レール(55)とされ、下側のレール(56)は、レール支持部材(57)上を所定範囲内で上下方向に移動可能な可動レール(56)とされている。可動レール(56)は、レール支持部材(57)に取り付けられた圧縮ばね(付勢部材)(58)によって上向きに付勢されており、適宜な弾性力を有する上下のレール(55)(56)によって1次研削済みピン(14B)が軸方向両側から挟持されることにより、1次研削済みピン(14B)の上下方向のずれが防止されるようになっている。
この研削装置(31)による研削において、未研削ピン(14A)は、ピン供給手段(38)の供給治具(38a)によって第1キャリア(34)に供給され、この際、図1にXで示すピン収容部(43)に供給される。第1キャリア(34)は、第1キャリアインデックス手段(36)によって、このピン供給位置と第1砥石(32)による第1ガイド面研削位置とにインデックス回転させられる。第1砥石(32)による研削が終了したピン(14B)は、図1にYで示す位置において、ピン移載手段(39)の移載リフト(51)に受け渡される。この後、移載リフト(51)は、左方に移動し、図1にZで示す位置にある第2キャリア(35)のピン収容部(44)に1次研削済みピン(14B)を供給する。
また、第1砥石(32)による研削は、図2に示すように、Pで示す位置において、未研削ピン(14A)の右部(図5における下部)に第1ガイド面(L1)(L2)を形成するようになっている。そして、研削位置Pから移載位置Qに移動するまでに第1キャリア(34)が180°回転することにより、図2にQで示す移載リフト(51)への移し替え位置では、1次研削済みピン(14B)の第1ガイド面(L1)(L2)が形成された部分が左方を向いている。移載リフト(51)は、1次研削済みピン(14B)をこの状態に保ったままで、第2キャリア(35)位置まで移動し、図2にRで示す移載位置で、第2キャリア(35)に移し替える。第2キャリア(35)は、第2キャリアインデックス手段(37)によって、この移載位置Rと第2砥石(33)による第2ガイド面研削位置とにインデックス回転させられる。移載位置Rから研削位置Sに移動するまでに、第2キャリア(35)が180°回転することにより、第2砥石(33)による研削が行われるSの位置では、第1ガイド面(L1)(L2)が形成された部分が右方(第2ガイド面(U1)(U2)が形成されるべき部分が左方)を向いており、第2砥石(33)は、1次研削済みピン(14B)の左部(図5における上部)に第2ガイド面(U1)(U2)を研削する。こうして、動力伝達チェーン用ピン(14)に計4カ所のガイド面(U1)(U2)(L1)(L2)が2カ所ずつ同時に形成される。インターピース(15)についても、同様に研削することができる。
上記研削装置(31)を使用したピンの製造方法によると、平面研削盤を用いて1カ所ずつガイド面(U1)(U2)(L1)(L2)を研削する従来の方法に比べて、治具セッティングの工数が減少するとともに、製品精度が安定する。そして、図5に示すピン(14)の両端部にガイド面(U1)(U2)(L1)(L2)を研削する場合、この研削装置(31)を使用することにより、従来45秒程度かかっていた研削を3.7秒まで大幅に短縮することができる。
なお、この動力伝達チェーン用ピンの製造方法は、リンク、ピンおよびインターピースの形状に限定されることはなく、圧入タイプの種々の動力伝達チェーン用ピンの製造に適用することができる。
(1) 動力伝達チェーン
(11) リンク
(14) ピン(第1ピン)
(14A) 未研削ピン
(14B) 1次研削済みピン
(15) インターピース(第2ピン)
(31) 研削装置
(32) 第1砥石
(33) 第2砥石
(34) 第1キャリア
(35) 第2キャリア
(36) 第1キャリアインデックス手段
(37) 第2キャリアインデックス手段
(38) ピン供給手段
(39) ピン移載手段
(43) ピン収容部
(44) ピン収容部
(L1)(L2) 下ガイド面(第1ガイド面)
(U1)(U2) 上ガイド面(第2ガイド面)

Claims (1)

  1. 複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンからなり、ピンにリンクを圧入することで組み立てられる動力伝達チェーンで使用されるピンの製造方法であって、
    圧入を容易とするための第1ガイド面をピンの両端部の一側に、圧入を容易とするための第2ガイド面をピンの両端部の他側に連続して形成するガイド面研削工程を有しており、ガイド面研削工程は、ピンの両端部の一側に第1ガイド面を同時に研削する回転可能な円盤状第1砥石と、第1砥石の回転軸と平行な回転軸を有し第1砥石と所定間隔を置いて配置されてピンの両端部の他側に第2ガイド面を同時に研削する回転可能な円盤状第2砥石とを使用し、まず、第1および第2砥石の回転軸同士をつなぐ線に対してピン軸方向が直交するように未研削ピンを保持して、第2砥石に近い側から未研削ピンを第1砥石に対向させてその両端部に第1ガイド面を同時に研削し、次いで、第1ガイド面研削済みピンをこの状態のまま第1および第2砥石の回転軸同士をつなぐ線に沿って第2砥石側に移動させ、次いで、第1砥石に近い側から第1ガイド面研削済みピンを第2砥石に対向させてその両端部に第2ガイド面を同時に研削することを特徴とする動力伝達チェーン用ピンの製造方法。
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