神経因性疼痛を抑制するピロリジン類縁体及びその製造方法 技術分野
[0001] 本発明はァロディ-ァ等の神経因性疼痛を抑制するピロリジン類縁体及びその製 造方法に関する。
背景技術
[0002] 痛みは、皮膚を針で刺したとき等のような生理的疼痛、炎症による疼痛、及び神経 因性疼痛に大きく分類される。この中でも、神経因性疼痛は、神経の損傷に起因す る痛みであり、 自発痛、痛覚過敏、ァロディニァ等の症状力 なる難治性の病態であ る。この神経因性疼痛は、非ステロイド性鎮痛剤 (NSAIDs)やモルヒネ等の麻薬も効 果を奏しない。こうした神経因性疼痛の原因については未だ不明な点も多いが、神 経損傷による持続的なァロディニァの研究等から、脊髄におけるグルタミン酸受容体 が関与していることが明らかにされており、そのシグナル伝達の制御は神経因性疼痛 の抑制に繋がるものと考えられる。
[0003] また、毒キノコであるドクササコから抽出'単離されたァクロメリン酸 (置換様式の異 なるァクロメリン酸 A及びァクロメリン酸 Bがある)は中枢神経に対して神経興奮毒性を 示し、マウス髄腔内への投与により、強いァロディ-ァを誘発することが発見されてい る (非特許文献 1)。
[化 1]
ァクロメリン酸 A ァクロメリン酸 B
[0004] 上記ァクロメリン酸は、その分子構造内にグルタミン酸構造を内包しており、その作 用はグルタミン酸受容体を介して発現すると考えられて!/ヽる。
しかし、ァクロメリン酸は下部脊髄に選択性を示し、痛覚伝達の最初の中継地であ る脊髄の介在-ユーロンを特異的に破壊するなど、 in vivoでの行動'病理学的作用 において、他のグルタミン酸受容体ァゴ-ストによるものと異なる所見が報告されてお り、ァクロメリン酸が作用する新規受容体の存在の可能性が示唆されている。その一 方、 in vivoでの行動 ·病理学的作用に関する研究から、ァクロメリン酸が作用する 新規な受容体の存在を示唆する報告もなされており、その詳細は不明な部分も多い
[0005] こうしたことから、ァクロメリン酸は神経因性疼痛の原因究明や、グルタミン酸受容体 等の各種神経受容体の機能解明のための、重要な実験ツールとなる有用な化合物 であるといえる。しかし、ァクロメリン酸をドクササコ力も抽出するには、非常に手間が かかる。また、得られるァクロメリン酸は極微量であり、実験ツールとして必要とされる 量の確保は困難である (非特許文献 2、 3)。
[0006] ァクロメリン酸の化学合成もなされてはいる力 ァクロメリン酸が有するプロリン骨格 は 2位、 3位及び 4位に不斉炭素を有しており、立体ィ匕学を制御しながらの大量合成 は困難である。特に困難なのは、プロリン骨格の 4位の位置への炭素置換基の立体 選択的導入である。
[0007] 発明者らは、神経受容体の仕組みを研究すベぐァクロメリン酸とよく似た構造を有 し、光プローブとしてアジド基を導入した下記プロリン類縁体 (a)を合成し、その生理 活性について研究を行った。その結果、この化合物がァクロメリン酸と同程度のァロ ディ-ァ誘発活性を示すことを明らかにした (非特許文献 4)。
[化 2]
[0008] さらに発明者らは、ァロディ-ァ誘発活性を示すプロリン類縁体及びその製造方法
について開発し、すでに特許出願を行っている(特願 2005— 347711)。この発明 によれば、ァロディ-ァ誘発活性を示すプロリン類縁体を容易かつ多量に提供するこ とができる。このため、神経因性疼痛の原因究明や、グルタミン酸受容体等の各種神 経受容体の機能解明のため役立てることができる。
[0009] し力しながら、生体情報伝達機構の解明には、機能を担う受容体の作動薬 (ァゴ二 スト)だけでなぐ機能を抑制する遮断薬 (アンタゴ-スト)も有用なツールとなるため、 そのような機能を有する物質の開発が望まれている。また、ァクロメリン酸の作用を抑 制する物質の創製は、神経因性疼痛にかかわる受容体機能の解明に役立つ分子プ ローブとしてば力りでなぐ神経因性疼痛の治療薬あるいはその開発シーズとなると 期待される。それにもかかわらず、従来そのような抑制作用を示す物質は発見されて いなかった。なお、特許文献 1及び 2には、本発明のピロリジン誘導体と似て非なる構 造のプロリン誘導体について、疼痛障害治療薬としての使用できる旨の記載はある 力 疼痛障害治療薬としての薬理効果の実験データが全く記載されて 、な 、 (特許 文献 1、 2)。
[0010] 非特許文献 1: British Journal of Pharmacology, 2004, 142, 679—688
非特許文献 2 : Tetrahedron Letters 1983, 24, 939-942
非特許文献 3 Journal of the American Chemical Society 1988, 110, 4807-4815 非特許文献 4 : Tetrahedron Letters 2004, 45, 3933-3936
特許文献 1: WO2004/039367
特許文献 2:特表 2006 - 516115
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] 本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ァロディ-ァ誘発に対 して抑制作用を示すピロリジン類縁体及びその製造方法、並びに神経因性疼痛抑 制剤を提供することを解決すべき課題として 、る。
課題を解決するための手段
[0012] 発明者らは、ァクロメリン酸とよく似た構造を有する一連の化合物を合成し、それら がァクロメリン酸のァロディ-ァ誘発作用に及ぼす影響にっ 、て調べた。その結果、
それらの化合物のうち、ある一定の構造を有するものは、ァロディ-ァ誘発に対して 抑制作用を示すという驚くべき事実を発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第 1発明のピロリジン類縁体は、下記一般式 (I)の化合物、該化合物の 塩又は該化合物のエステルであることを特徴とする(式中、 HOOC— φはベンゼン 環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基を示す)。
[0013] [化 3]
[0014] 第 1発明のピロリジン類縁体は、ァクロメリン酸と同様ピロリジン骨格を有する力 ピロ リジン環の 4位の置換基が 2位のカルボキシ基とシス配置になっていることが特徴であ る。そして、 4位には酸素原子を介してベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が 結合した芳香族置換基が結合して 、ることが必要とされる。発明者らの試験結果によ れば、このような構造を有するピロリジン類縁体は、ラットに対しァクロメリン酸と同時 に投与することにより、ァクロメリン酸によるァロディ-ァ誘発に対して抑制作用を示す 。このため、神経因性疼痛に力かわる受容体機能の解明に役立つ分子プローブとし てば力りでなぐ神経因性疼痛の治療薬あるいはその開発シーズとなると期待される なお、 HOOC— φは、ベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基を有することが 要件とされる力 さらに置換基 (例えば、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、ァシルアミ ノ基、シァノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アル力 ノィル基等)が結合して 、てもよ 、。
[0015] 第 1発明のピロリジン類縁体は、以下のようにして製造することができる。
すなわち、下記一般式(1)のピロリジン誘導体 (式中、 R1はァミノ基の保護基を示し 、 COOR2及び COOR3はエステル基を示す)と、下記一般式(2)のベンゼン誘導体( 式中、 Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、少なくとも一つのシ ァノ基力 ¾のオルトまたはパラ位に結合して 、る)又は下記一般式(2' )のベンゼン誘
導体 (式中、 Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、 Yは Xのオル ト位又はパラ位に結合した電子求引基を示し、 Y'はカルボキシ基に変換可能であつ て芳香族求核置換反応を阻害しな 、置換基でベンゼン環の 、ずれの位置にあって もよいが、 Yがシァノ基の場合は Y'がなくてもよい)又はそれらのベンゼン誘導体の ベンゼン環にさらに芳香族求核置換反応を阻害しない他の置換基が結合した誘導 体とを塩基性条件下で芳香族求核置換反応を行う求核置換工程と、該求核置換ェ 程後にエステル基及びシァノ基の加水分解並びに R1の脱保護反応を行う脱保護ェ 程とを備えることを特徴とするピロリジン類縁体の製造方法である。
[化 4]
この製造方法によれば、第 1発明のピロリジン類縁体を市販されているトランス— 4 ーヒドロキシー L プロリンを出発物質として、容易かつ多量に製造することができる 例えば、上記一般式(1)のピロリジン誘導体と、上記一般式(2)又は(2' )のべンゼ ン誘導体とから、下記反応式によりァロディニァ誘発に対して抑制作用を示すピロリ ジン誘導体 (4)を得ることができる。構造式中の Xとしては、例えば、ニトロ基、ハロゲ ン等の脱離基が挙げられる。また、 Yとしては、ニトロ基やシァノ基等力 Y'としては シァノ基、アルコキシカルボ-ル基、アルキル力ルバモイル基等が挙げられる力 Y がシァノ基等のようにカルボキシ基に変換できる置換基の場合には、 Y'は水素,ァ ルキル基,ハロゲン,アルカノィル基,カルボキサミド基,アルコキシ基,ニトロ基等で あっても良い。反応式中の化合物(4)の Zとしては、上記の Yや Υ' ,及びそれらから 誘導可能な置換基,例えばカルボキシ基、カルボキサミド基、アルキル力ルバモイル 基、アミノ基、ァシルァミノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ァ ルカノィル基,ニトロ基等が挙げられる。さらに、ァミノ基の保護基である R1としては、 例えば、ァセチル基、ベンゾィル基、 tert ブトキシカルボ-ル基、ベンジルォキシカ
ルポニル基等が挙げられる
[化 5]
( 4 )
[0017] また、上記ベンゼン誘導体(2)やベンゼン誘導体(2' )の替わりに、それらのベンゼ ン誘導体のベンゼン環にさらに他の置換基が結合した誘導体を用いることもできるこ とから、様々なノ リエーシヨンのものを合成することもできる。
[0018] 第 1発明のピロリジン類縁体は、以下のようにして製造することもできる。
すなわち、下記一般式 (5)のピロリジン誘導体 (式中、 R1はァミノ基の保護基を示し 、 COOR2及び COOR3はエステル基を示す)と、下記一般式(6)のフ ノール誘導体 (式中、 R'はカルボキシ基に変換可能であって光延反応を阻害しない置換基を示し 、例えば、アルコキシカルボ-ル基、ァリールォキシカルボ-ル基、シァノ基、カルボ キサミド基、アルキル力ルバモイル基等が挙げられる。)又は該フエノール誘導体の ベンゼン環にさらに光延反応を阻害しない他の置換基 Z' (置換基 Z'としては、水素 ,アルコキシカルボ-ル基、ニトロ基、アミノ基、ァシルァミノ基、シァノ基、力ルバモイ ル基,ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノィル基 等が挙げられる)が結合した誘導体とを光延反応させて立体反転したエーテル誘導 体とする光延反応工程と、該エーテル誘導体のエステル基の加水分解と、 R1の脱保
護反応と、該置換基のカルボキシ基への変換とを行う脱保護工程とを備えることを特 徴とする製造方法である。
[化 6]
( 5 ) ( 6 )
[0019] この製造方法によっても、第 1発明のプロリン類縁体を市販されているトランスー4 ヒドロキシ L—プロリンを出発物質として、容易かつ多量に製造することができる。 この製造方法を反応式で示せば、以下のとおりである。反応式中の生成物(8)の置 換基 Z"としては、上記の Ζ' ,及びそれらから誘導可能な置換基,例えば,カルボキ シ基、アミノ基、ァシルァミノ基、シァノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アル コキシ基、アミド基、アルカノィル基,等が挙げられる。
(6) 置換基変換
(8)
[0020] 第 2発明のピロリジン類縁体は、下記一般式 (II)の化合物、該化合物の塩又は該 化合物のエステルであることを特徴とする(式中、 HOOC— φは p—カルボキシフエ -ル基を除ぐベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基 を示す)。
( Π )
[0021] 第 2発明のピロリジン類縁体は、第 1発明のピロリジン類縁体と似た骨格を有するが 、 3位の位置にカルボキシメチル基を有していないことが特徴である。そして、 4位の 炭素には、酸素原子を介してベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した 芳香族置換基が結合していることが必要とされる。なお、 φに結合する置換基として 一つのカルボキシ基以外にさらに、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、ァシルァミノ基 、シァノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノィ ル基等の置換基が結合して 、てもよ 、。
発明者らの試験結果によれば、このような構造を有するピロリジン類縁体は、ァロデ ィニァ誘発に対して抑制作用を示すため、神経因性疼痛抑制剤として用いることがで きる。また、上記一般式(II)における HOOC— φ力 —カルボキシフエ-ル基である ピロリジン類縁体も、神経因性疼痛抑制剤として用いることができる。
[0022] 第 2発明のピロリジン類縁体は、以下のようにして製造することができる。
すなわち、下記一般式 (9)のピロリジン誘導体 (式中、 R1はァミノ基の保護基を示し 、 COOR2はエステル基を示す)と、下記一般式(2)のベンゼン誘導体 (式中、 Xは芳 香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、少なくとも一つのシァノ基が Xの オルトまたはパラ位に結合して 、る)又は下記一般式(2' )のベンゼン誘導体 (式中、 Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、 Yは Xのオルト位又はパラ 位に結合した電子求引基を示し、 Y'はカルボキシ基に変換可能であって芳香族求 核置換反応を阻害しな 、置換基でベンゼン環の 、ずれの位置にあってもょ 、が、 Y がシァノ基の場合は Y,がなくてもよ!/ヽ)又はそれらのベンゼン誘導体のベンゼン環に さらに芳香族求核置換反応を阻害しない他の置換基が結合した誘導体とを塩基性 条件下で芳香族求核置換反応を行う求核置換工程と、該求核置換工程後にエステ ル基及びシァノ基の加水分解並びに R1の脱保護反応を行う脱保護工程とを備えるこ
とを特徴とするピロリジン類縁体の製造方法である。
[化 9]
(11 ) 第 2発明のピロリジン類縁体の他の製造方法として、下記反応式に示すように、ピロ リジン誘導体(12)と、下記一般式 (6)のフエノール誘導体 (式中、 R'はカルボキシ基 に変換可能であって光延反応を阻害しない置換基を示し、例えば、アルコキシカル ボニル基、ァリールォキシカルボ-ル基、シァノ基、カルボキサミド基、アルキルカル バモイル基などが挙げられる。 )又は該フ ノール誘導体のベンゼン環にさらに他の 置換基 Z' (置換基 Z'としては、水素,アルコキシカルボ-ル基、ニトロ基、アミノ基、 ァシルァミノ基、シァノ基、力ルバモイル基,ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、ァ ルコキシ基、アミド基、アルカノィル基等が挙げられる)が結合した誘導体を光延反応 により 4位の炭素に立体反転させながらエーテル結合させた後、脱保護 '加水分解及 びカルボキシ基の生成によって製造することもできる。反応式中のピロリジン類縁体 ( 14)の Z"としては、上記の Z'及びそれら力 誘導可能な置換基,例えば,カルボキ シ基、アミノ基、ァシルァミノ基、シァノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アル コキシ基、アミド基、アルカノィル基等が挙げられる。
(6) 3) 置換基変換
(14)
[0024] 第 3発明のピロリジン類縁体は、下記一般式 (III)の化合物、該化合物の塩又は該 化合物のエステルであることを特徴とする(式中、 φはフエ-ル基及び 2—メトキシフ ェニル基を除く、カルボキシ基を有さな ヽ芳香族置換基を示す)。
[0025] 第 3発明のピロリジン類縁体は、第 1発明のピロリジン類縁体と類似の構造を持つ力 S 、ピロリジン環の 4位の炭素に結合する原子が酸素ではなくィォゥであり、 4位の立体 配置も逆である。さらには、このィォゥに結合する芳香族置換基にはカルボン酸を有 していない点で第 1発明のピロリジン類縁体と異なる。発明者らの試験結果によれば 、このような構造を有するピロリジン類縁体も、ァロディ-ァ誘発抑制作用を示すため 、神経因性疼痛抑制剤として用いることができる。ここで、 Φとしては、ベンゼン環に カルボキシ基を除ぐ水素又は水素以外の置換基 (例えば、ニトロ基、アミノ基、ァシ ルァミノ基、シァノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、 アルカノィル基等)である。また、上記一般式 (III)における φがフエ-ル基ゃ 2—メト キシフエ-ル基であるピロリジン類縁体も、神経因性疼痛抑制剤として用いることがで きる。
[0026] 第 3発明のピロリジン類縁体は、以下の方法によって製造することができる。
すなわち、下記一般式(1)のピロリジン誘導体 (式中、 R1はァミノ基の保護基を示し 、 COOR2及び COOR3はエステル基を示す)と、ジフエ-ルジスルフイド又はジフエ- ルジスルフイド誘導体(15) (式中, R' 'としては水素、ニトロ基、アミノ基、ァシルァミノ 基、シァノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノ ィル基,力ルバモイル基,スルフォ-ル基,スルファ-ル基等が挙げられる)と、をホス フィン試薬存在下でカップリングさせて 4位の炭素を立体反転させながらチォエーテ ル誘導体とするカップリング工程と、該チォエーテル誘導体のエステル基の加水分 解並びに R1の脱保護反応を行う脱保護工程とを備えることを特徴とするプロリン類縁 体の製造方法である。
[化 12]
(1) (15)
(16) (17)
[0027] あるいは、下記一般式(1)のピロリジン誘導体 (式中、 R
1はァミノ基の保護基を示し 、 COOR
2及び COOR
3はエステル基を示す)と、チォフエノール又は置換チオフエノ ール(18) (式中, R' 'としては水素、ニトロ基、アミノ基、ァシルァミノ基、シァノ基、ハ ロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノィル基,カルバモ ィル基,スルフォ-ル基,スルファニル基等が挙げられる)とを光延反応により 4位の 炭素を立体反転させながらカップリングさせてチォエーテル誘導体とするカップリング 工程を行ってから、同様の脱保護'加水分解を行ってもよい。
(17)
[0028] この製造方法を用いても、第 3発明のプロリン類縁体を市販されているトランス 4 ーヒドロキシー L プロリンを出発物質として、容易かつ多量に製造することができる 。また、様々なジフエユルジスルフイド誘導体や置換チォフエノールを用いることによ り、様々なノ リエーシヨンのものを合成することもできる。また,カップリング反応や光 延反応後にベンゼン環上の置換基を変換して誘導体を合成することもできる。ァミノ 基の保護基である R1としては、例えば、ァセチル基、ベンゾィル基、 tert ブトキシカ ルボニル基、ベンジルォキシカルボ-ル基等が挙げられる。また、ホスフィン試薬とし ては、トリアルキルホスフィン,トリフエ-ルホスフィン等を挙げることができる。さらに、 ジフエ-ルジスルフイド誘導体及び置換チォフエノールとしては、カップリング反応を 阻害しなければ、どのような置換基を有して 、てもよ!/、。
[0029] 第 4発明のピロリジン類縁体は、下記一般式 (IV)の化合物、該化合物の塩又は該 化合物のエステルであることを特徴とする (式中、 φは芳香族置換基を示す)。
[化 14]
(IV)
[0030] 第 4発明のピロリジン類縁体は、第 3発明のピロリジン類縁体と類似の構造を持つが 、ピロリジン環の 3位の炭素にカルボキシメチル基を有して 、な 、ことが特徴である。
そして、 4位の炭素には、ィォゥ原子を介して芳香族置換基が結合していることが必 要とされる。なお、 φに結合する置換基として、例えば、ニトロ基、アミノ基、ァシルアミ ノ基、シァノ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基,アミド基、アル力 ノィル基,力ルバモイル基,スルフォ-ル基,スルファ-ル基等の置換基が結合して いてもよい。
発明者らの試験結果によれば、このような構造を有するピロリジン類縁体は、ァロデ ィニァ誘発に対して特に強力な抑制作用を示すため、神経因性疼痛抑制剤として用 いることがでさる。
[0031] 第 4発明のピロリジン類縁体は、以下の方法によって製造することができる。
すなわち、下記一般式 (9)のピロリジン誘導体 (式中、 R1はァミノ基の保護基を示し 、 COOR2はエステル基を示す)と、ジフヱ-ルジスルフイド又はジフヱ-ルジスルフィ ド誘導体(15) (式中, R' 'としては水素、ニトロ基、アミノ基、ァシルァミノ基、シァノ基 、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノィル基,カル バモイル基,スルフォ-ル基,スルファ-ル基等が挙げられる)とをホスフィン試薬存 在下で 4位の炭素を立体反転させながらカップリングさせてチォエーテル誘導体とす るカップリング工程と、該チォエーテル誘導体のエステル基の加水分解並びに R1の 脱保護反応を行う脱保護工程とを備えるプロリン類縁体の製造方法である。
[化 15]
(15)
(20)
[0032] あるいは、下記一般式(9)のピロリジン誘導体 (式中、 R1はァミノ基の保護基を示し
、 COORはエステル基を示す)と、チォフエノール又は置換チォフエノール(18) (式
中, R,,としては水素、ニトロ基、アミノ基、ァシルァミノ基、シァノ基、ハロゲン、アル キル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノィル基,力ルバモイル基,ス ルフォ- 基,スルファニル基等が挙げられる)とを光延反応により 4位の炭素を立体 反転させながらカップリングさせてチォエーテル誘導体とするカップリング工程を行つ てから、同様の脱保護'加水分解を行ってもよい。
(18)
(20)
[0033] この製造方法を用いても、第 4発明のプロリン類縁体を市販されているトランスー4 ーヒドロキシー L プロリンを出発物質として、容易かつ多量に製造することができる 。また、様々なジフエユルジスルフイド誘導体や置換チォフエノールを用いることによ り、様々なノ リエーシヨンのものを合成することもできる。また,カップリング反応や光 延反応後にベンゼン環上の置換基を変換して誘導体を合成することもできる。
ァミノ基の保護基である R1としては、例えば、ァセチル基、ベンゾィル基、 tert ブト キシカルボ-ル基、ベンジルォキシカルボ-ル基等が挙げられる。また、ホスフィン試 薬としては、トリアルキルホスフィンやトリフエ-ルホスフィン等を挙げることができる。さ らに、ジフエ-ルジスルフイド誘導体や置換チォフエノールとしては、カップリング反応 を阻害しなければ、どのような置換基を有して 、てもよ 、。
[0034] 本発明のピロリジン類縁体及び本発明の神経因性疼痛抑制剤において、ベンゼン 環に分子プローブ機能を有する官能基が結合して 、ることとしてもよ 、。こうであれば 、分子プローブ機能を有する置換基を手がかりとして、標的受容体の機能解析を容
易に行うことができる。また、ベンゼン環への分子プローブ機能を有する置換基の導 入は容易に行うことができるため、大量合成も可能である。分子プローブ機能を有す る置換基としては、蛍光を発する置換基やピオチン基,光親和性標識機能を持つ置 換基の導入や、 uc等のアイソトープ元素で標識ィ匕した置換基等が挙げられる。 図面の簡単な説明
[0035] [図 1]実施例 1、 18におけるピロリジン類縁体の投与量とァロディ-ァ誘発率との関係 を示すグラフである。
[図 2]実施例 5、 9、 13及び比較例 1〜4におけるピロリジン類縁体の投与量とァロディ ニァ誘発率との関係を示すグラフである。
[図 3]実施例 8、 14、 19及び比較例 5、 6におけるピロリジン類縁体の投与量とァロデ ィニァ誘発率との関係を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
[0036] 本発明のピロリジン類縁体は、遊離のカルボン酸や遊離のァミンとしてのみならず、 それらの塩、及びエステルを含む。また、それらを構成する元素は同位体を含んでい てもよい。
このような例としては、例えば水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素 の同位体として、 2H、 3H、 13C、 "C、 1 5N、 170、 180、 31P、 3 2P、 3 5S、 1 8F及び36 CI等が 挙げられる。これらの同位元素によって標識ィ匕された本発明のピロリジン類縁体は、 薬物や基質が細胞や生体組織内においてどのように分布するのかを研究するため に極めて有用である。また、同位体として陽電子放出同位体 (例えば11 C、 18F、 150お よび13 N)を用いた場合、陽電子放射断層撮影 (PET)を行うことができるため、生体内 での動態解析や基質の受容体占有率を調べる等の研究にお 、て極めて有用となる 一般に、同位体元素によって標識化された本発明のピロリジン類縁体は、当業者に 知られている慣用の技術により、あるいは実施例に記載されたものと類似の方法にお V、て、同位元素で標識化された試薬を用いて製造することができる。
[0037] 本発明のピロリジン類縁体は、両性の化合物であるアミノ酸としての構造を有してい るため、無機酸や有機酸や塩基の塩とすることができる。カルボン酸塩の形式として
は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸 塩、リン酸水素塩、酢酸塩、フマル酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、マレイン酸塩、クェン 酸塩、コハク酸塩、等が挙げられる。
[0038] また、塩基性塩としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシゥ ム、亜鉛、アルキルアミン及びアミノ酸の塩が含まれる。また、両性イオンとすることも できる。
[0039] 本発明のピロリジン類縁体として好適な塩は、塩酸塩である。適切な塩の概説につ いては、 btahl and Wermuth, Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, selection , and Use ,Wiley- VCH,Weinheim,Germany(2002)を参照されたい。
[0040] また、本発明のピロリジン類縁体を経口投与の医薬品として用いる場合には、第四 級アンモ-ゥムイオンを有する塩とすることも好まし 、と考えられる。特許文献 1及び 特許文献 2に記載されているように、薬物の経口吸収は、「軟ら力い」第四級アンモ- ゥム塩を製造することによって高められることが知られて 、る。その第四級アンモ-ゥ ム塩のなかでも、「ソフト」な第四級アンモ-ゥム塩が好ましい。、「ソフト」な第四級ァ ンモ-ゥム塩は、普通の第四級アンモ-ゥム塩 (例えば R— N+(CH;) )とは異なり、加
3 3
水分解されて活性薬物を放出することができるからである。また、「ソフト」な第四級ァ ンモ-ゥム塩は、腸からの薬物の吸収も高いことが知られている。その理由は、おそ らく「ソフト」な第四級アンモ-ゥム塩が界面活性的性質を有し、ミセルを形成して胆 汁酸等と共にイオン化されてないイオン対を形成することができ、これによつてより効 果的に腸上皮を貫通することができるからである。プロドラッグは、吸収後、急速に加 水分解されて活性な親薬物を放出する。
[0041] 本発明のピロリジン類縁体を塩の形態とするためには、酸または塩基とを一緒に混 合することによって容易に製造することができる。塩は、溶液から沈殿させて濾過して 集める力、または溶媒を蒸発させることによって回収することができる。また、それらの 塩は水等によって溶媒和されて 、てもよく、複合塩とされて 、てもよ 、。
[0042] 本発明のピロリジン類縁体は、プロドラッグや同位元素的に標識ィ匕されたものも含 む。ここで「プロドラッグ」とは、それ自体は薬理活性をほとんど又はまったく有しない 1S 身体中にまたは身体上へ投与された時に、例えば加水分解的切断または酸ィ匕
的代謝によって所望の活性を有する化合物に転ィ匕されるものをいう。プロドラッグの 使用についての詳細は、 'Pro- drugs as Novel Delivery Systems,Vol.l4,ACS Symposi um Series (T Higuchiand W Stella)および' Bioreversible Carriers in Drug Design' ,Pe rgamon Press, 1987(ed.E B Roche, American Pharmaceutical Association)に己載され ている。
プロドラッグの製造方法としては、官能基を" Design of ester pro-drug stoenhance o ral absorption of poorly permeable compounds , K.Beaumont et al, Current Drug Met abolism,2003 and"Design of Pro— drugs,,,H.Bundgaard(Elsevier)1985に己載された「 前駆部分 (pr0-m0ieties)」のような当業者に知られているある種の部分で置換する方 法等が挙げられる。本発明のピロリジン類縁体の製造法におけるカップリング工程で 得られた中間体,又は中間体における保護基の一部を脱保護したィ匕合物をプロドラ ッグとして用いることちでさる。
[0043] プロドラッグのいくつかの例としては、例えばカルボン酸官能基 (一 COOH)のエス テル、カルボキサミド(例えば— CONH、— CONHRまたは— CONRR'、 Rおよび R
2
'、ここで Rおよび R'はそれぞれ独立した (C1 C6)アルキル)が挙げられる。
また、アミノアシルーダリコール酸および乳酸エステルは、アミノ酸のプロドラッグとし て知られている (Wermuth C.G., Chemistry and Industry, 1980:433-435)。アミノ酸の力 ルポニル基は、周知の手段によってエステルイ匕することができる。プロドラッグは、当 分野で知られている (PalominoE.,Drugs of the Future, 1990;15(4):361- 368)。
その他のプロドラッグの例として、特許文献 1及び特許文献 2に記載されて 、るものも 含まれる。
[0044] 以下、本発明をさらに具体ィ匕した実施例について詳細に述べる。
<置換フエノキシピロリジン類縁体 (I)の合成 (その 1) >
下記反応式に従って、第 1発明のピロリジン類縁体である、置換フエノキシピロリジ ン類縁体 (4) (この化合物は、前述した一般式 (I)の範疇に含まれる化合物である)を 合成した。
(1) (2) (2')
(3) (3') 置換基変換
(4)
[0045] (求核置換工程)
すなわち、まず求核置換工程として、文献既知の方法により合成した 4-ヒドロキシプ 口リン誘導体(1) (Baldwin, J. E. et al. Tetrahedron, 1997, 53, 5233; Furuta, K. et al . Tetrahedron Lett., 2004, 45, 3933)を DMF中で水素化ナトリウムと反応させたのち 、巿販もしくは文献既知の方法で合成したベンゾ-トリル誘導体の DMF溶液をカ卩えて 反応させることにより上記置換体 (3)又は(3 ' )を得る。
[0046] (脱保護工程)
次に、脱保護工程として、上記求核置換工程で合成した置換体 (3)又は(3 ' )に塩酸 を加え、加熱還流させることにより保護基 R1の脱離とエステル基及びシァノ基の加水 分解反応が進行し、置換フエノキシピロリジン類縁体 (4)が得られる。なお、置換基 Y がシァノ基の場合には、 Yもカルボキシ基へ変換される。
[0047] 上記の置換フエノキシピロリジン類縁体 (4)の合成方法について、さらに具体的に 反応を行つた実施例 1〜4につ ヽて詳述する。
[0048] (実施例 1)
実施例 1では、以下に示す方法により、(2S,3R,4S)-3-カルボキシメチル- 4-(4-カル
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次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、求核置換工程で得られ た (2S,3R,4S)-1-ベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) -4-(4-シァノフエノキ シ)ピロリジン- 2-カルボン酸メチル (25.0 mg, 53.8 μ mol)に 6 M塩酸 (0.8 mL)を加え、 110 °Cにて 20時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロ口ホルムにて洗 浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー (Dowex 50WX8)にて 精製して目的化合物 (la) (12.4 mg, 75%)を得た。以下、この化合物の
1 H NMRのデー タを示す。
JH NMR (400 MHz, D Ο): δ (ppm) 2.22 (dd, J = 10 and 15.6 Hz, 1H), 2.39 (dd, J =
2
6 and 15.6 Hz, 1H), 2.98〜3.06 (br, 1H), 3.58 (br s, 1H), 3.85 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.89 (br s, 1H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 8.4 Hz, 2H).
(実施例 2)
実施例 2では、実施例 1における求核置換工程で用いた 4-ニトロべンゾ-トリルの 代わりに 4-フルォ口べンゾ-トリルを用い、(2S,3R,4S)-1-ベンゾィル - 3-(tert-ブトキシ カルボ-ルメチル) -4-(4-シァノフエノキシ)ピロリジン- 2-カルボン酸メチルを合成した すなわち、アルゴン雰囲気下、—35°Cに冷却した Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF, 90 L)と水素化ナトリウム(60% dispersion, 1.8 mg, 45 mol)の懸濁液に (2S,3R,4S) -1-ベンゾィル -3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) -4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボ ン酸メチル(16.1 mg, 44.3 mol)の DMF (140 L)溶液を滴下し, 15分間攪拌した。 続いて、 DMF (110 μ L)に溶解した 4-フルォ口べンゾ-トリル(7 mg,57.8 μ mol)をカロ え、反応溶液を— 35 °Cにて 14時間撹拌した。反応混合物を硫酸水素カリウム水溶液 (5%)中に注ぎ、生成物をエーテルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し たのち、濾過、減圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー (シリカゲル 60, 0.5 mm,へ キサン/酢酸ェチル = 1/1, 2度展開)にて精製し、 目的化合物(3.6 mg, 17%)を得た。
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68 090/L00ZdT/13d zz 8Z0ひ動 OAV
この化合物を実施例 1と同様にして脱保護工程を行えば、シァノ基及びエステル基 はカルボキシ基となり、窒素に結合する保護基も脱離してアミノ基となり、本発明のピ 口リジン類縁体となる。
[0052] <置換フエノキシピロリジン類縁体 (I)の合成(その 2) >
置換フエノキシピロリジン類縁体は、下記反応式に示すように、 4-ヒドロキシプロリン 誘導体(1)と 4位の立体配置が逆の化合物(5)を用いて置換フ ノール (6)と光延反 応工程を行った後、脱保護工程を行うことにより合成することもできる。ここで、式中の 化合物(8)は前述した一般式 (I)の範疇に含まれる化合物である。
[化 20]
[0053] 1)光延反応工程
実施例 1〜4の出発物質として用いたィ匕合物(1)から調整した上記化合物(5)と、ト リフエ-ルホスフィンと、巿販もしくは文献既知の方法で合成したフエノール誘導体 (6 )との THFまたは DMF溶液に室温でァゾジカルボン酸ジアルキルを数分から 1時間か けて滴下した後、室温から 50 °Cにて反応させることでィ匕合物(7)が得られる。あるい は、フエノール誘導体(6)とトリフエ-ルホスフィンのトルエン溶液を 60 °Cから 90でに 加熱しながら化合物(5)とァゾジカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液を 1〜数時 間かけて滴下し反応させることでィ匕合物(7)が得られる。フ ノール誘導体の酸性が 低い場合は後者の方法がより望ましい。
2)脱保護工程
次に、上記光延反応で合成した化合物(7)に 6 M力ら 12 Mの塩酸を加え、 100 °C
から 110 °Cにて数時間から 24時間加熱還流させることで脱保護した化合物が得られ る。化合物(7)のベンゼン環上にアミド基など酸加水分解に弱い置換基が存在する 場合, R1が tert-ブトキシカルボ-ル基であれば、化合物(7)をメタノールに溶解し、 水酸化リチウム水溶液または水酸ィ匕ナトリウム水溶液を加え、室温にて数時間から数 日間反応させ,メチルエステルを加水分解する。続いて,得られたィ匕合物に 0 °Cにて トリフルォロ酢酸を加え、室温に昇温して 30分から 2時間反応させることで脱保護体が 得られる。 R1がべンジルォキシカルボニル基であれば,パラジウム触媒による水素化 分解によりァミノ基の脱保護をしたのち,アルカリ加水分解によって目的の脱保護体 ( 8)が得られる.なお,置換基 Z"は Z 'であるか,または脱保護及び加水分解の工程 で変換された官能基を示す。
[0054] 光延反応を利用した上記の置換フエノキシピロリジン類縁体の合成方法にっ 、て、 さらに具体的に反応を行った実施例 5〜7について詳述する。
[0055] なお、実施例 5〜7にお!/、て出発物質となる (2S,3R,4R)- 1-ベンゾィル - 3- (tert-ブト キシカルボ-ルメチル)- 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチルは以下に示す光 延反応を利用した合成経路によって合成した。
[化 21]
すなわち、(2S,3R,4S)-1-ベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル)- 4-ヒドロキ シピロリジン- 2-カルボン酸メチル(20.0 mg, 55.0 μ mol)の THF溶液 (250 μ L)にトリフ ェ-ルホスフィン (17.3 mg, 66 mol)および 3,5-ジ-トロ安息香酸 (14.0 mg, 66 ^ mol )を加えた.この溶液に 0 °Cでァゾジカルボン酸ジイソプロピル (12.5 μ ^ 63 μ mol)を
滴下したのち昇温し,室温にて 2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を薄層ク 口マトグラフィー(シリカゲル 60, 0.5 mm,へキサン/酢酸ェチル = 1/1)にて精製して力 ップリング体を得た。
カップリング体をメタノール(900 μ L)に懸濁させ、炭酸カリウム(3.8 mg, 27.5 μ mol )を加えて 10分間攪拌した。反応溶液に 5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて酸性とし たのち生成物を酢酸ェチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾 過、減圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 60, 0.5 mm,へキサン/酢 酸ェチル = 1/2, 2度展開)にて精製して目的の化合物(16 mg, 80%)を得た。以下、こ の化合物の1 H NMRのデータを示す。
JH NMR (400 MHz, CDC1 )(major rotamer) δ (ppm) 1.47 (9H), 2.42 (br, 1H),2.59〜2
3
.74 (complex, 3H), 3.61 (d, J = 11.6 Hz, 1H),3.80 (s,3H),3.91(dd, J = 3.6 and 11.6 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.47 (br q J = 3.6 Hz, 1H), 7.37〜7.47 (complex, 3H), 7.58 (br d, J = 7.2 Hz, 2H).
(実施例 5)
実施例 5では、以下に示す方法により、(2S,3R,4S)-3- (カルボキシメチル) -4-(2-力 ルボキシフエノキシ)ピロリジン- 2-カルボン酸(lb)を合成した。
1)光延反応工程
[化 22]
まず、上記の光延反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、 2-ヒドロキシ安息 香酸メチル (8.70 n 67.1 mol)のトルエン溶液 (130 L)にトリフ -ルホスフィン( 19.3 mg, 73.6 mol)を加え,反応溶液を 80 °Cに昇温したのち、(2S,3R,4R)- 1-ベン ゾィル -3-(tert-ブトキシカルボ二ルメチル)- 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチ ル(21.6 mg, 59.4 mol)とァゾジカルボン酸ジイソプロピル (15 μ L, 76.2 ^ mol)のト
ルェン (380 /z L)と THF (150 L)の混合溶液を 3時間かけて滴下し、さらに 24時間撹 拌した。反応液を室温まで冷却後,減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー (シリ 力ゲル 60,へキサン/酢酸ェチル = 3/2)および薄層クロマトグラフィー (シリカゲル 60, 0 .5mm,へキサン/酢酸ェチル = 3/2, 2度展開)にて順次精製して目的化合物(9.1 mg , 31%)を得た。以下、この化合物の 1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl ): (two rotamers) δ (ppm) 1.41 and 1.44 (s, 9H), 2.35 (d
3
d, J = 8.6 and 16 Hz) and 2.46 (dd, J = 6.8 and 16 Hz) (IH), 2.56 (dd, J = 6.4 and 1 6 Hz) and 2.60 (dd, J = 6.8 and 16 Hz) (2H), 3.1〜3.2 (m) and 3.24〜3.32 (br m) (1 H), 3.63 and 3.78 and 3.89 (s, 6H), 3.82〜3.96 (complex), 4.32 (dd, J = 5.8 and 13. 8 Hz), 4.37 (br s), 4.71 (d J = 5.6 Hz), 4.73〜4.82 (complex), 6.91 (d, J = 8 Hz) and 6.94 (d, J = 8.4 Hz) (IH), 6.99〜7.07 (cmplex, IH), 7.34〜7.5 (complex, 5H), 7.59 (d, J = 8 Hz, IH), 7.77 (t, J = 8 Hz, IH).
2)脱保護工程
[化 23]
次に、脱保護工程として上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4S)-トベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) -4-[2- (メトキシカルボ-ル)フエノキシ]ピロリジン- 2-カルボン酸メチル(9.1 mg, 18.3 mol)に 6 M塩酸 (0.6 mL)をカ卩え、 110 °Cにて 7 時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロ口ホルムにて洗浄し、凍結乾 燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー (Dowex 50WX8)にて精製して目 的化合物(lb) (3.9 mg, 69%)を得た。以下、この化合物の 1H NMRのデータを示す。 1H NMR (400 MHz, D 0): δ (ppm) 2.38 (dd, J = 8.6 and 16.2 Hz, IH), 2.52 (dd, J =
2
5.2 and 16.2 Hz, IH), 2.92 (br, IH), 3.46〜3.59 (complex, 2H), 3.83 (d, J = 5.2 Hz , IH), 4.7 (IH), 6.89〜6.97 (br, 2H), 7.24 (t, J = 7.6 Hz, IH), 7.30 (d, J = 7.6 Hz, 1
H).
(実施例 6)
実施例 6では、以下に示す方法により、(2S,3R,4S)-3- (カルボキシメチル) -4-(3-力 ルボキシフエノキシ)ピロリジン- 2-カルボン酸(Ic)を合成した。
1)光延反応工程
[化 24]
まず、上記の光延反応工程を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、 3-ヒドロキシ 安息香酸メチル (18.7 mg, 123 mol)のトルエン溶液 (250 L)にトリフエ-ルホスフィ ン (35.7 mg, 136 mol)を加え,反応溶液を 80 °Cに昇温したのち、(2S,3R,4R)- 1-ベ ンゾィル- 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) -4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メ チル(40 mg, 110 mol)とァゾジカルボン酸ジイソプロピル (26.3 μし, 133 /z mol)のト ルェン (700 /z L)と THF (200 L)の混合溶液を 4時間かけて滴下し、さらに 40時間撹 拌した。反応液を室温まで冷却後,減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー (シリ 力ゲル 60,へキサン/酢酸ェチル = 3/2)および薄層クロマトグラフィー (シリカゲル 60, 0. 5 mm,へキサン/酢酸ェチル = 3/2, 3度展開)にて順次精製して目的化合物(24.6 m g, 45%)を得た。以下、この化合物の1 H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.42 and 1.46 (s, 9H), 2.34 (d
3
d, J = 8.8 and 15.8 Hz) and 2.46 (dd, J = 6.4 and 15.8 Hz) and 2.50 (dd, J = 7.6 and 16.4 Hz) and 2.59 (dd, J = 6.8 and 16.4 Hz) (2H), 3.07〜3.16 and 3.17〜3.25 (com plex, 1H), 3.67 and 3.79 and 3.89 and 3.92 (s, 6H), 3.73〜3.83 (complex), 3.86〜3.
95 (complex), 4.22〜4.29 (m), 4.36 (br s), 4.69 (d, J = 5.2 Hz), 4.76〜4.84 (complex
, 1H), 7.01〜7.08 (m, 1H), 7.28〜7.46 (complex, 5H), 7.48 (s, 1H), 7.57 (br d, 1H), 7.66 (br t, J = 8.4 Hz, 1H).
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ェ爨額
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上記の光延反応工程を行った。すなわち、 4-ヒドロキシ -3-メトキシ安息香酸メチル( 28.1 mg, 154 mol)のトルエン溶液 (200 L)にトリフエ-ルホスフィン (44.7 mg, 170 /z mol)を加え,反応溶液を 80 °Cに昇温したのち、(2S,3R,4R)- 1-ベンゾィル - 3-(tert- ブトキシカルボ二ルメチル)- 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル(50 mg, 137 mol)とァゾジカルボン酸ジイソプロピル (35.6 n 181 mol)のトルエン (800 ^ L) 溶液をゆっくり滴下し、さらに 20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後,減圧濃縮 し、残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60,へキサン/酢酸ェチル = 3/2),薄層 クロマトグラフィー (シリカゲル 60, 0.5 mm,トルエン/メタノール = 9/1) ,薄層クロマトグ ラフィー (シリカゲル 60, 0.5 mm,へキサン/酢酸ェチル = 3/2)にて順次精製して目的 化合物 (38.4 mg, 53%)を得た。以下、この化合物の TLC及び1 H NMRのデータを示す
TLC: R = 0.23 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル = 3/2)
f
XW NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.41 and 1.44 (s, 9H), 2.34 (d
3
d, J = 8.4 and 15.7 Hz) and 2.43 (dd, J = 6.9 and 15.7 Hz) and 2.51 (dd, J = 6.8 and 16.2 Hz) and 2.59 (dd, J = 6.3 and 16.2 Hz) (2H), 3.11〜3.19 and 3.22〜3.3 (compl ex, 1H), 3.68 and 3.80 and 3.86 and 3.88 and 3.90 (s, 9H), 3.78〜3.84 (complex) an d 3.86〜3.94 (complex), 4.22〜4.28 (m), 4.37 (br s), 4.72 (d, J = 5.6 Hz), 4.81〜4.8 9 (complex, 1H), 6.88 (br d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.34〜7.48 (complex, 4H), 7.52〜7.66 (complex, 3H).
2)脱保護反応
[化 27]
次に、脱保護工程として上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4S)-トベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル)- 4-(4-メトキシカルボ-ル -2-メトキシフエノキシ)
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TLC: R = ン
f 0.25 (シリカゲル,へキサ Z酢酸ェチル =2Zl)
1H NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.40 and 1.43 (s, 9H), 2.28
3
and 2.31 (s, 3H), 2.25〜2.37 (m), 2.44 (dd, J = 6.5 and 15.7 Hz) and 2.54〜2.8 (m) (2H), 3.08〜3.17 and 3.21〜3.3 (complex, IH), 3.63, 3.78, 3.87, and 3.88 (s, 3H), 3.81〜3.93 (complex), 4.29 (dd, J = 5.6 and 14.2 Hz), 4.36 (br), 4.66〜4.74 (comple x), 6.80 (d, J = 8.3 Hz) and 6.83 (d), 7.15〜7.62 (complex).
2)脱保護工程
[化 29]
次に,脱保護工程として上記の反応を行った.すなわち,(2S,3R,4S)- 1-ベンゾィル -3-tert-ブトキシカルボニルメチル- 4-(2-メトキシカルボニル -4-メチルフエノキシ)ピロ リジン- 2-カルボン酸メチル(13.1 mg, 25.6 μ mol)に 6 M塩酸(1 mL)を加え, 110 °C にて 8時間加熱還流させた.室温に冷却した反応溶液をクロ口ホルムにて洗浄し,凍 結乾燥させたのち,残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製し て目的化合物(Ie) (8.0 mg, 97%)を得た.以下に TLC及び1 H NMRのデータを示す.
TLC: R = 0.76 (逆相,ァセトニトリル 水 =
f Z 2Zl)
1H NMR (400 MHz, D O): δ (ppm) 2.09 (s, 3H), 2.27 (dd, J = 9.2 and 15.7 Hz, 1
2
H), 2.45 (dd, J = 5.7 and 15.7 Hz, IH), 2.86〜2.95 (m, IH), 3.44 (m, IH), 3.53 (br d, J = 13.2 Hz, IH), 3.82 (dd, J = 1.3 and 4.8 Hz, IH), 4.6 (IH), 6.80 (d, J = 8.3 Hz , IH), 7.04 (d, J = 8.3 Hz, IH), 7.08 (s, IH).
<置換フ ノキシピロリジン類縁体(II)の合成 >
下記反応式に従って、第 2発明のピロリジン類縁体である、置換フエノキシピロリジ ン類縁体(14) (この化合物は、前述した一般式 (II)の範疇に含まれる化合物である) を合成することができる。
[化 30]
(14) 1)光延反応工程
市販の trans-4-ヒドロキシ- L-プロリンより調整した化合物(12)とトリフエ-ルホスフィ ン,巿販もしくは文献既知の方法で合成したフエノール誘導体(6)の THFまたは DMF 溶液に室温でァゾジカルボン酸ジアルキルを数分から 1時間かけて滴下した後、室 温から 50 °Cにて反応させることでカップリングイ匕合物(13)が得られる。
また、別の合成法として、フエノール誘導体(6)とトリフエ-ルホスフィンのトルエン溶 液を 60 °Cから 90 °Cに加熱しながら化合物(12)とァゾジカルボン酸ジアルキルのトル ェンの溶液を 1から数時間かけて滴下し反応させることで(13)が得られる。フエノー ル誘導体の酸性が低 、場合は後者の方法がより望まし 、。
2)脱保護反応
上記光延反応工程で合成した化合物(13)に 6 M力ら 12 Mの塩酸をカ卩え、 100 °C 力 110 °Cにて数時間から 24時間加熱還流させることで脱保護をした化合物(14)が 得られる。(13)のベンゼン環上にアミド基など酸加水分解に弱い置換基が存在する 場合, R1が tert-ブトキシカルボ-ル基であれば、(13)をメタノールに溶解し、水酸ィ匕 リチウム水溶液または水酸ィ匕ナトリウム水溶液を加え、室温にて数時間から数日間反 応させ,メチルエステルを加水分解する。続いて,得られたィ匕合物に 0 °Cにてトリフル ォロ酢酸を加え、室温に昇温して 30分から 2時間反応させることで脱保護体が得られ る。 R1がべンジルォキシカルボ-ル基であれば,パラジウム触媒による水素化分解に
よりアミノ基の脱保護をしたのち,アルカリ加水分解によって目的の脱保護体が得ら れる.
[0062] 光延反応工程を利用した上記の置換フエノキシピロリジン類縁体 (II)の合成方法に ついて、さらに具体的に反応を行った実施例 9〜12について詳述する。
[0063] (実施例 9)
実施例 9では、以下に示す方法により、(2S,4S)-4-(4-カルボキシフエノキシ)ピロリジ ン- 2-カルボン酸(Ila)を合成した。
1)光延反応工程
[化 31]
まず、上記の光延反応工程を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、(2S,4R)-1-ベ ンゾィル- 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル(68.7 mg, 276 μ mol)の THF溶 液 (500 L)にトリフエ-ルホスフィン (181 mg, 690 mol)と 4-ヒドロキシ安息香酸メチ ル (84.0 mg, 552 μ mol)をカ卩えた。反応溶液に室温でァゾジカルボン酸ジイソプロピ ル (143 726 mol)をゆっくり滴下し、室温で 30分間撹拌した。反応液を減圧濃 縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60,へキサン/酢酸ェチル = 2/3)お よび薄層クロマトグラフィー (シリカゲル 60, 0.5 mm,トルエン/メタノール = 9/1)にて順 次精製して目的化合物 (86.4 mg, 82%)を得た。以下に TLC及び 1H NMRのデータを示 す。
TLC: R = 0.26 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル = 2/3)
f
JH NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 2.44〜2.55 (m, 1H), 2.55〜2.6
3
9 (m, 1H), 3.66 and 3.78 and 3.89 (s, 6H), 3.81〜3.99 (complex), 4.2〜4.29 (m), 4. 52 (br d, J = 8.4 Hz), 4.95〜5.11 (complex), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H) 7.35〜7.48 (m , 4H), 7.56 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.98 (br t, J = 8.4 Hz, 2H).
2)脱保護反応
[化 32]
次に、上記の脱保護反応を行った。すなわち、(2S,4S)- 1-ベンゾィル -4-[4- (メトキ シカルボ-ル)フエノキシ]ピロリジン- 2-カルボン酸メチル(36.2 mg, 94.4 μ mol)に 6 M塩酸 (2 mL)を加え、 110 °Cにて 5時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液を クロ口ホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー( Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(Ila) (23.2 mg, 98%)を得た。以下に
1 H NM Rのデータを示す。
JH NMR (400 MHz, D Ο): δ (ppm) 2.39〜2.44 (br m, 2H), 3.41 (dd, J = 4 and 13.2
2
Hz, IH), 3.59 (d, J = 13.2 Hz, IH), 4.13 (t, J = 6.2 Hz, IH), 5.1 (br, IH), 6.81 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.72 (d, J = 8.8 Hz, 2H).
(実施例 10)
実施例 10では、下記反応式に示す方法により、(2S,4S)-4-(2-カルボキシ -4-メチル フエノキシ)ピロリジン- 2-カルボン酸 (lib)を合成した。
光延反応工程
[化 33]
まず、上記の光延反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、(2S,4R)- 1-ベンゾ ィル- 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル (40.0 mg, 160 μ mol)の THF溶液 (40
0 L)にトリフエ-ルホスフィン (105 mg, 400 mol)と 2-ヒドロキシ -5-メチル安息香酸 メチル (46.1 n 320 mol)を加えた.反応溶液に室温でァゾジカルボン酸ジイソプ 口ピル (79.6 μ L, 404 μ mol)をゆっくり滴下し、室温で 40分間撹拌した。反応液を減 圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー (シリカゲル 60, 0.5 mm,へキサン/酢酸ェチ ル= 1/2, 4度展開)にて精製して目的化合物(41.1 mg, 65%)を得た。以下に TLC及び 1H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.29 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル = 1/2)
f
JH NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 2.30 (s, 3H), 2.43〜2.73 (com
3
plex, 2H), 3.66 and 3.79 and 3.88 (s, 6H), 3.78〜4.0 (complex), 4.2〜4.30 (dd, J = 5.4 and 13.4 Hz), 4.51 (br d, J = 8.8 Hz), 4.81〜4.89 (m), 4.94〜5.02 (m, IH), 6.75 (d, J = 8.3 Hz) and 6.77 (d) (IH), 7.19〜7.3 (m), 7.35〜7.48 (m), 7.55〜7.63 (m, 2 H).
2)脱保護反応
[化 34]
次に、上記の脱保護反応を行った。すなわち、(2S,4SH-ベンゾィル -4-(2-メトキシ カルボ-ル -4-メチルフエノキシ)ピロリジン- 2-カルボン酸メチル(27.1 mg, 68.2 ^ mo 1)に 6 M塩酸 (1 mL)を加え、 110 °Cにて 6時間加熱還流させた。室温に冷却した反応 溶液をクロ口ホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトダラ フィー (Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(lib) (15.4 mg, 85%)を得た。以下に TLC及び
1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.48 (逆相,水/ァセトニトリル = 2/1)
f
JH NMR (400 MHz, D O): δ (ppm) 2.08 (s, 3H), 2.24〜2.32 (complex, IH), 2.43〜2
2
.53 (ddd, J = 4.9, 10.6 and 14.9 Hz, IH), 3.31 (dd, J = 4.1 and 12.9 Hz, IH), 3.56 (
d, J = 12.9 Hz, 1H), 4.08 (dd, J = 4.6 and 10.6 Hz, 1H), 4.88 (br, 1H), 6.73 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 8.3 Ηζ,ΙΗ), 7.18 (s,lH).
(実施例 11)
実施例 11では、下記反応式に示す方法により、(2S,4S)-4-(2-ブロモ -4-カルボキシ フエノキシ)ピロリジン- 2-カルボン酸 (lie)を合成した。
1)光延反応
[化 35]
まず、上記の光延反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、(2S,4R)- 1-ベンゾ ィル- 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル(42.3 mg, 170 mol)の THF溶液 (5 00 ;z L)にトリフエ-ルホスフィン (111 mg, 423 mol)と 3-ブロモ -4-ヒドロキシ安息香 酸メチル (78.6 mg, 340 μ mol)をカ卩えた.反応溶液に室温でァゾジカルボン酸ジイソ プロピル (88.0 n 447 mol)をゆっくり滴下し、室温で 30分間撹拌した。反応液を 減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60,へキサン/酢酸ェチル = 1 /3)および薄層クロマトグラフィー (シリカゲル 60, 0.5 mm,トルエン/メタノール/クロロホ ルム = 8/1/1)にて順次精製して目的化合物(77.7 mg, 99%)を得た。以下に TLC及び1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.37 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル = 1/3)
f
1H NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 2.52〜2.8 (complex, 2H), 3.73
3
and 3.82 and 3.89 (s, 6H), 3.89〜4.03 (complex), 4.31〜4.39 (br dd, J = 5.4 and 14 .2 Hz), 4.58 (d, J = 8.5 Hz), 4.96〜5.03 (complex), 5.06〜5.13 (complex), 6.75 (d, J = 9.0 Hz) and 6.81 (d, J = 8.8 Hz) (1H), 7.36〜7.49 and 7.56〜7.62 (complex, 5H), 7.9〜8.0 (m, 1H), 8.24 (d, J = 2.0 Hz, 1H).
2)脱保護反応
[化 36]
次に、上記の脱保護反応を行った。すなわち、(2S,4S)- 1-ベンゾィル -4-[2-ブロモ- 4- (メトキシカルボ-ル)フエノキシ]ピロリジン- 2-カルボン酸メチル(33.2 mg, 71.8 μ τη ol)に 6 M塩酸 (2 mL)を加え、 110 °Cにて 5時間加熱還流させた。室温に冷却した反応 溶液をクロ口ホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトダラ フィー (Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(lie) (16.7 mg, 70%)を得た。以下に TLC及び1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.71 (逆相,水/ァセトニトリル = 1/1)
f
1H NMR (400 MHz, D Ο): δ (ppm) 2.4〜2.51 (complex, 2H), 3.42 (dd, J = 3.9 and 1
2
3.2 Hz, IH), 3.61 (d, J = 13.2 Hz, IH), 4.14 (dd, J = 4.7 and 8.9 Hz, IH), 5.05 (br s, IH), 6.81 (d, J = 8.5 Hz, IH), 7.59 (dd, J = 2 and 8.5 Hz, IH), 7.85 (d, J = 2 Hz, IH).
(実施例 12)
実施例 12では、下記反応式に示す方法により、(2S,4S)-4-[3-カルボキシ -5- (メチ ルカルバモイル)フエノキシ]ピロリジン- 2-カルボン酸(lid)を合成した。
1)光延反応
[化 37]
まず、上記の光延反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、(2S,4R)-l-(tert-ブ トキシカルボ二ル)- 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル(40 mg,163 μ mol)の THF溶液 (1 mL)にトリフエ-ルホスフィン (107 mg, 408 mol)と 5-ヒドロキシ- 3- (メチル 力ルバモイル)安息香酸メチル (68.2 mg, 326 μ mol)をカ卩えた.反応溶液に室温でァ ゾジカルボン酸ジイソプロピル (84.5 μし, 429 mol)をゆっくり滴下し、室温で 10時 間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60,へ キサン/酢酸ェチル = 1/1から 1/3)および薄層クロマトグラフィー (シリカゲル 60, 0.5 m
m,トルエン/メタノール = 9/1)にて順次精製して目的化合物(46.2 mg, 65%)を得た。以 下に TLC及び
1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.15 (シリカゲル,トルエン/メタノール = 9/1)
f
JH NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.43 and 1.48 (s, 9H), 2.44〜2
3
.59 (complex, 2H), 3.01〜3.06 (m, 3H), 3.65〜3.85 (complex, 5H), 3.93 (s, 3H), 4.4 5 (dd, J = 2.7 and 8.5 Hz) and 4.57 (dd, J = 3.7 and 7.6 Hz) (1H), 4.98〜5.07 (m, 1 H), 6.27 (br s, 1H), 7.51 (br s, 1H), 7.57 (br, 1H), 7.92 (br, 1H).
2)脱保護反応
[化 38]
(lid)
次に、上記の脱保護反応を行った。すなわち、(2S,4S)-l_(tert-ブトキシカルボニル )-4-[3- (メトキシカルボ-ル)- 5- (メチルカルバモイル)フエノキシ]ピロリジン- 2-カルボ ン酸メチル (39.2 mg, 89.8 mol)をメタノール(200 L)〖こ溶解し, 1 M水酸化ナトリウ
ム (198 μ L)を加え、室温で 16時間攪拌した。さらに 1 M水酸ィ匕ナトリウム (27 μ L)をカロ え 7時間攪拌したのち,反応溶液に 5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて酸性にした 。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー (逆相,メタノール/水 = 2/1)に て精製してカルボン酸体 (27.0 mg, 74%)を得た。 TLC: R = 0.70 (逆相,メタノール/水 f
= 2/1)。
こうして得られたカルボン酸体(20 mg, 49 μ mol)に 0 °Cにてトリフルォロ酢酸(1 mL )を加え, 2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し,残渣をイオン交換クロマトグラフィー (Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(lid) (14.1 mg, 93%)を得た。以下に TLC 及び1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.63 (逆相,メタノール/水 = 2/1)
f
JH NMR (400 MHz, D O): δ (ppm) 2.4〜2.46 (m, 2H), 2.73 (s, 3H), 3.43 (dd, J = 3.
2
9 and 12.9 Hz, IH), 3.61 (d, J = 12.9 Hz, IH), 4.14 (dd, J = 6.2 and 6.8 Hz, IH), 5. 09〜5.13 (br IH), 7.18 (dd, J = 1.6 and 2.4 Hz, IH), 7.38 (dd, J = 1.2 and 2.4 Hz, 1 H), 7.62 (br, IH).
[0067] <置換フエ-ルチオピロリジン類縁体 (III)の合成(その 1) >
下記反応式に従って、第 3発明のピロリジン類縁体である、置換フエ-ルチオピロリ ジン類縁体(17) (この化合物は一般式 (III)の範疇に含まれる化合物である)を合成 することができる。
[化 39]
[0068] (カップリング工程)
すなわち、まずカップリング工程として、 4-ヒドロキシプロリン誘導体(1)とトリブチル ホスフィン,および,巿販もしくは文献既知の方法で合成した置換ジフヱ-ルジスルフ イド(15)の THFまたは DMF溶液を加熱して反応させることでカップリングイ匕合物(16) を得る。
[0069] (脱保護工程)
次に、脱保護工程として、上記カップリング工程で合成した化合物(16)に 6 Mから 1 2 Mの塩酸をカ卩え、 100 °Cから 110 °Cにて数時間力 24時間加熱還流させることで脱 保護をしたィ匕合物(17)が得られる。化合物(16)のベンゼン環上にアミド基など酸カロ 水分解に弱い置換基が存在する場合、 R1が tert-ブトキシカルボ-ル基であれば、化 合物(16)をメタノールに溶解し、水酸化リチウム水溶液または水酸ィ匕ナトリウム水溶 液を加え、室温にて数時間から数日間反応させ,メチルエステルを加水分解する。 続いて、得られたィ匕合物に 0 °Cにてトリフルォロ酢酸をカ卩え、室温に昇温して 30分か ら 2時間反応させることで脱保護体が得られる。 R1がベンジルォキシカルボ-ル基で あれば、パラジウム触媒による水素化分解によりアミノ基の脱保護をしたのち,アル力 リ加水分解によって目的の脱保護体が得られる。
[0070] 上記の置換フエ二ルチオピロリジン類縁体 (III) (その 1)の合成方法について、さら に具体的に反応を行った実施例 13〜 16につ ヽて詳述する。
[0071] (実施例 13)
実施例 13では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)-3- (カルボキシメチル) -4-(4-メ トキシフエ-ルチオ)ピロリジン- 2-カルボン酸(Ilia)を合成した。
1)カップリング工程
[化 40]
H
3)
3
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) - 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル(57.5 mg, 158 μ mol)の THF溶液 (1 mL) に 1,2-ビス (4-メトキシフエ-ル)ジスルファン (132 mg, 474 mol)とトリブチルホスフィ ン (118 /z L, 474 mol)をカ卩え,反応溶液を 80 °Cにて 20時間撹拌した。反応液を室 温まで冷却後,水を加え,生成物を酢酸ェチルで抽出したのち減圧濃縮し、残渣を カラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60,へキサン/酢酸ェチル =2/1)にて精製して目的 化合物(64.9 mg, 85%)を得た。以下に TLC及び
1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.47 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル = 2/1)
f
JH NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.41 and 1.47 (s, 9H), 2.70 (d
3
d, J = 5.2 and 17.2 Hz, 1H) 2.86 (dd, J = 9.2 and 17.2 Hz, 1H), 2.9〜3.01 (m, 1H), 3.46 (br s), 3.55 (br d, J = 10 Hz), 3.74 and 3.80 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.83〜3.97 ( complex, 2H), 4.47 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 8.8 Hz) and 6.87 (d, J = 8.8 Hz) (2H), 7.17 (dt, J = 2 and 8.8 Hz, 2H), 7.34〜7.46 (complex, 3H), 7.55 (m, 2H).
2)脱保護工程
[化 41]
次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4R)-トベンゾィ ル- 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル)- 4-(4-メトキシフエ-ルチオ)ピロリジン- 2-カル ボン酸メチル (35.8 mg, 73.7 mol)に 6 M塩酸 (2 mL)を加え、 110 °Cにて 3時間加熱 還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロ口ホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたの ち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー (Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(III a) (19.1 mg, 83%)を得た。以下に TLC及び 1H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.72 (逆相,ァセトニトリル/水 = /1)
f
l NMR (400 MHz, D〇): δ (ppm) 2.55 (dd, J = 10.6 and 16.8 Hz, 1H), 2.72 (dd, J
= 4 and 16.8 Hz, 1H), 2.72〜2.81 (m, 1H), 3.23 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.43 (dd, J = 5.2 and 12.8 Hz, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.77 (d, J = 10 Hz, 1H), 3.98 (br, 1H), 6.80 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.8 Hz, 2H).
(実施例 14)
実施例 14では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)-3- (カルボキシメチル) -4-(4-メ チルフエ-ルチオ)ピロリジン- 2-カルボン酸(Illb)を合成した。
1)カップリング工程
[化 42]
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) - 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル (54.8 mg, 151 mol)の THF溶液 (1 mL) に 1,2-ビス (4-メチルフエ-ル)ジスルファン (109 mg, 442 mol)とトリブチルホスフィン (113 n 453 /z mol)をカ卩え,反応溶液を 80 °Cにて 48時間撹拌した。反応液を室温 まで冷却後,水を加え,生成物をジクロロメタンで抽出したのち減圧濃縮し、残渣をカ ラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60,へキサン/酢酸ェチル =2/1)にて精製して目的化 合物(43 mg, 61%)を得た。以下に TLC及び1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.27 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル =2/1)
f
1H NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.40 and 1.46 (s, 9H), 2.27 an
3
d 2.34 (s, 3H), 2.69 (dd, J = 5.6 and 17.2 Hz, 1H), 2.86 (dd, J = 9.4 and 17.2 Hz, 1 H), 2.92〜3.03 (m, 1H), 3.46 (br s), 3.58 (br d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.88 〜3.98 (complex), 4.46 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.13 (br d, J = 8.2 Hz), 7.33〜7.46 (complex), 7.52〜7.57(m).
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4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル(60.3 mg, 166 μ mol)の THF溶液 (1 mL) に 1,2-ビス (2-メトキシフエ-ル)ジスルファン (139 mg, 499 mol)とトリブチルホスフィ ン (124 n 498 mol)をカ卩え,反応溶液を 80 °Cにて 20時間撹拌した。反応液を室 温まで冷却後,水を加え,生成物を酢酸ェチルで抽出したのち減圧濃縮し、残渣を カラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60,へキサン/酢酸ェチル = 2/1)にて精製して目的 化合物(70.3 mg, 87%)を得た。以下に TLC及び1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.47 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル = 2/1)
f
XW NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.38 and 1.44 (s, 9H), 2.66 (d
3
d, J = 5.6 and 16.8 Hz, 1H), 2.89〜3.05 (complex), 3.47 (br s), 3.59 (dd, J = 2.6 and 11.4 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.79 (s, 3H) 3.86〜4.03 (complex), 4.04〜4.1 (m), 4.50 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.76〜6.81 and 6.88〜6.95 (m), 7.19〜7.25 (complex), 7.33
〜7.43 (complex), 7.53 (br d, J = 7.6 Hz, 2H).
2)脱保護工程
[化 45]
次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、カップリング工程で得ら れた (2S,3R,4R)- 1-ベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル)- 4-(2-メトキシフエ -ルチオ)ピロリジン- 2-カルボン酸メチル (45.9 mg, 94.5 μ mol)に 6 M塩酸 (2 mL)を 加え、 110 °Cにて 3時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロ口ホルムに て洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー (Dowex 50WX8) にて精製して目的化合物(IIIc) (27.6 mg, 94%)を得た。以下に TLC及び
1 H NMRのデ ータを示す。
TLC: R = 0.72 (逆相,ァセトニトリル/水 = 1/1)
f
JH NMR (400 MHz, D O): δ (ppm) 2.44 (dd, J = 10.8 and 16.6 Hz, 1H), 2.57 (dd, J
= 4.4 and 16.6 Hz, 1H), 2.68〜2.78 (m, 1H),3.15 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.40 (dd, J = 5.2 and 12.8 Hz, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.77 (d, J = 10 Hz, 1H), 4.10 (br, 1H), 6.80 (t , J = 7.6 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.20 (br t, 1H), 7.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H)
(実施例 16)
実施例 16では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)-3- (カルボキシメチル) -4-(3-ブ ロモフエ-ルチオ)ピロリジン- 2-カルボン酸(Illd)を合成した。
1)カップリング工程
[化 46]
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) - 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル(52.0 mg, 143 μ mol)の THF溶液 (1 mL) に 1,2-ビス (3-ブロモフエ-ル)ジスルファン (161 mg, 428 mol)とトリブチルホスフィン (107 n 429 mol)をカ卩え,反応溶液を 80 °Cにて 21時間撹拌した。反応液を室温 まで冷却後,水を加え,生成物をジクロロメタンで抽出したのち減圧濃縮し、残渣をカ ラムクロマトグラフィー (シリカゲル 60,へキサン/酢酸ェチル = 2/1)にて精製して目的 化合物(49 mg, 64%)を得た。以下に TLC及び
1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.27 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル = 2/1)
f
1H NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.39 and 1.45 (s, 9H), 2.71 (d
3
d, J = 5.6 and 17.6 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 9.6 and 17.6 Hz, 1H), 2.97〜3.06 (compl ex, 1H), 3.49 (s), 3.58 (dd, J = 2.2 and 11.4 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.96 (dd, J = 4.6 and 11.4 Hz, 1H), 4.01〜4.07 (m), 4.46 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.06 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.16 (br dt, J = 8.4 Hz, 1H), 7.31〜7.34 (m), 7.37〜7.46 (complex), 7.52〜7.57 (m, 2H).
2)脱保護工程
[化 47]
次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4R)-トベンゾィ ル- 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) -4-(3-ブロモフエ-ルチオ)ピロリジン- 2-カル ボン酸メチル 29.6 mg, 55.4 mol)に 6 M塩酸 (2 mL)をカ卩え、 110 °Cにて 3時間加熱 還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロ口ホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたの ち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー (Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(III d) (16.7 mg, 84%)を得た。以下に TLC及び
1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.67 (逆相,ァセトニトリル/水 = 1/1)
f
JH NMR (400 MHz, D O): δ (ppm) 2.47 (dd, J = 10.8 and 17.2 Hz, IH), 2.69 (dd, J
2
= 4.2 and 17.2 Hz, IH), 2.76〜2.85 (m, IH), 3.24 (d, J = 12.8 Hz, IH), 3.51 (dd, J = 5.0 and 12.8 Hz, IH), 3.77 (d, J = 10.4 Hz, IH), 4.14 (br, IH), 7.08 (t, J = 7.8 Hz , IH), 7.25 (d, J = 7.6 Hz, IH), 7.31 (d, J = 8 Hz, IH), 7.49 (s, IH).
<置換フエ二ルチオピロリジン類縁体 (III)の合成(その 2) >
第 3発明のピロリジン類縁体である、置換フエ二ルチオピロリジン類縁体(17) (この 化合物は一般式 (III)の範疇に含まれる化合物である)は、光延反応を利用した下記 反応式に従って合成することもできる。
(17)
[0076] (光延反応)
すなわち、まず光延反応として、化合物(1)とトリフエニルホスフィン,巿販もしくは文 献既知の方法で合成したチオフヱノール誘導体(18)の THFまたは DMFまたはトルェ ン溶液に室温でァゾジカルボン酸ジアルキルエステルを数分から 1時間かけて滴下し た後、室温から 50 °Cにて反応させることでカップリングイ匕合物(16)が得られる。
[0077] (脱保護工程)
次に、脱保護工程として、実施例 13〜16と同様、酸により保護基を外して置換フエ 二ルチオピロリジン類縁体 ( 17)を得る。
[0078] 上記の置換フエ二ルチオピロリジン類縁体(17) (その 2)の合成方法について、さら に具体的に反応を行った実施例 17につ ヽて詳述する。
[0079] (実施例 17)
実施例 17では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)- 3-カルボキシメチル- 4-(4-ブ ロモフエ-ルチオ)ピロリジン- 2-カルボン酸(Ille)を合成した。
1)光延反応
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾィル - 3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル) - 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチル(56.8 mg, 156 μ mol)の THF溶液 (1 mL) にトリフエ-ルホスフィン (102 mg, 389 μ mol)および 4-ブロモチオフェノール (62.0 mg, 328 mol)を加えた.この溶液にァゾジカルボン酸ジイソプロピル (81 n 411 mo 1)をゆっくり滴下し,室温で 30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロ マトグラフィー (シリカゲル 60,へキサン/酢酸ェチル = 2/1)および薄層クロマトグラフィ 一 (2回,シリカゲル 60, 0.5 mm,トルエン/メタノール = 9/1およびへキサン/酢酸ェチ ル = 3/1)にて順次精製して目的化合物(40 mg, 48%)を得た。以下に TLC及び
1 H N MRのデータを示す。
TLC: R = 0.34 (シリカゲル,へキサン/酢酸ェチル = 2/1)
f
XW NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.39 and 1.45 (s, 9H), 2.70 (d
3
d, J = 5.6 and 17.6 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 9.2 and 17.6 Hz, 1H), 2.95〜3.05 (m, 1H) , 3.48 (br), 3.58 (br dd, J = 2 and 11.2 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.92〜4.03 (complex),
4.46 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.35〜
7.47 (m), 7.52〜7.57 (m).
2)脱保護工程
[化 50]
次に、脱保護工程として上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4R)-トベンゾィル -4-(4-ブロモフエ-ルチオ) -3-(tert-ブトキシカルボ-ルメチル)ピロリジン- 2-カルボ ン酸メチル (36.2 mg, 67.7 μ mol)に 6 M塩酸 (2 mL)を加え、 110 °Cにて 3時間加熱還 流させた。室温に冷却した反応溶液をクロ口ホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち 、残渣をイオン交換クロマトグラフィー (Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(Ille) (21.7 mg, 89%)を得た。以下に TLC及び1 H NMRのデータを示す。
TLC: R = 0.72 (逆相,ァセトニトリル/水 = 1/1)
H NMR (400 MHz, D O): δ (ppm) 2.39 (dd, J = 11.4 and 16.2 Hz, 1H), 2.62 (dd, J
2
= 4.2 and 16.2 Hz, 1H), 2.72〜2.84 (m, 1H), 3.21 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 3.46 (dd, J = 4.8 and 12.4 Hz, 1H), 3.76 (d, J = 10 Hz, 1H), 4.09 (br, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 8.4 Hz, 2H).
<置換フエ二ルチオピロリジン類縁体 (III)の合成(その 3) >
第 3発明のピロリジン類縁体である、置換フエ二ルチオピロリジン類縁体(17) (この 化合物は一般式 (III)の範疇に含まれる化合物である)は、下記反応式に従って合成 することちでさる。
[化 51]
HO. 、、一 COOR3 MsO. -COOR3 TsO. -COOR3
CH3S02CI or TsCI or
' *COOR2 •COOR2 "COOR2
R1 R - (1)
[0081] すなわち、まず脱離基導入工程として、ピロリジン誘導体(1)の水酸基をァ-オン 脱離容易な置換基 (例えば,メシル基,トシル基など)に変換する。次に、脱離基導入 工程において導入された置換基をフエ-ルチオラート又はフエ二ルチオラート誘導体 と置換してチォエーテル誘導体とする。さら〖こ、脱保護工程として、チォエーテル誘 導体のエステル基及びシァノ基の加水分解並びに R1の脱保護反応を行う。
[0082] (実施例 18)
実施例 18では、上記の置換フエ-ルチオピロリジン類縁体 (III) (その 3)の合成方 法に基づき、フエ-ルチオラートを用いて (2S,3R,4R)- 3-カルボキシメチル- 4-フエ- ルチオピロリジン- 2-カルボン酸 (mf) (下記構造式参照)を合成した。
(IIIり
[0083] <置換フエ-ルチオピロリジン類縁体 (IV)の合成 >
下記反応式に従って、第 4発明のピロリジン類縁体である、置換フエ-ルチオピロリ ジン類縁体(20) (この化合物は、前述した一般式 (IV)の範疇に含まれる化合物であ る)を合成することがでさる。
[化 53]
カップリング反応
(15)
(カップリング工程)
すなわち、まずカップリング工程として、 4-ヒドロキシプロリン誘導体(9)とトリブチル ホスフィン,および,巿販もしくは文献既知の方法で合成した置換ジフヱ-ルジスルフ イド(15)の THFまたは DMF溶液を加熱して反応させることでカップリングイ匕合物(19) を得る。
[0084] (脱保護工程)
次に、脱保護工程として、上記カップリング工程で合成した化合物(19)に 6 Mから 1 2 Mの塩酸をカ卩え、 100 °Cから 110 °Cにて数時間力 24時間加熱還流させることで脱 保護をした化合物(20)が得られる。化合物(19)のベンゼン環上にアミド基など酸カロ 水分解に弱い置換基が存在する場合、 R1が tert-ブトキシカルボ-ル基であれば、化
合物(19)をメタノールに溶解し、水酸化リチウム水溶液または水酸ィ匕ナトリウム水溶 液を加え、室温にて数時間から数日間反応させ,メチルエステルを加水分解する。 続いて、得られたィ匕合物に 0 °Cにてトリフルォロ酢酸をカ卩え、室温に昇温して 30分か ら 2時間反応させることで脱保護体が得られる。 R1がベンジルォキシカルボ-ル基で あれば、パラジウム触媒による水素化分解によりアミノ基の脱保護をしたのち,アル力 リ加水分解によって目的の脱保護体が得られる。
[0085] <置換フエ-ルチオピロリジン類縁体 (IV)の合成(その 2) >
第 4発明のピロリジン類縁体である、置換フエ二ルチオピロリジン類縁体(20) (20は 一般式 (IV)に含まれる類縁体)は、光延反応を利用した下記反応式に従って合成す ることちでさる。
[化 54]
(20)
[0086] (光延反応)
すなわち、まず光延反応として、化合物(9)とトリフエニルホスフィン,巿販もしくは文 献既知の方法で合成したチオフヱノール誘導体(18)の THFまたは DMFまたはトルェ ン溶液に室温でァゾジカルボン酸ジアルキルエステルを数分から 1時間かけて滴下し た後、室温から 50 °Cにて反応させることでカップリングイ匕合物(19)が得られる。
[0087] (脱保護工程)
次に、脱保護工程として、実施例 13〜16と同様、酸により保護基を外して置換フエ 二ルチオピロリジン類縁体 (20)を得る。
[0088] 上記の置換フエ二ルチオピロリジン類縁体 (IV) (その 1)の合成方法につ!、て、さら
に具体的に反応を行った実施例 19につ ヽて詳述する。
(実施例 19)
実施例 19では,以下に示す方法により, (2S,4R)-4-(4-メチルフエ-ルチオ)ピロリジ ン- 2_カルボン酸(IVa)を合成した.
1)カップリング工程
[化 55] COOCH
3
アルゴン雰囲気下,(2S,4S)-l-tert-ブトキシカルボ-ル- 4-ヒドロキシピロリジン- 2- カルボン酸メチル(40.3 mg, 164 mol)の THF溶液(1 mL)〖こ,ジ- p-トリルジスルフ イド(124 mg, 503 mol)とトリブチルホスフィン(123 し, 494 mol)を加え,反応溶 液を 80 °Cにて 22時間攪拌した.反応液を室温まで冷却後,水を加え,生成物を酢酸 ェチルで抽出したのち減圧濃縮し,残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 60,へ キサン Z酢酸ェチル =4Zl)にて精製して上記カップリング生成物(54.0 mg, 94%) を得た.以下に TLC及び
1 H NMRのデータを示す.
TLC: R = 0.30 (シリカゲル,へキサン Z酢酸ェチル
f =4Zl)
1H NMR (400 MHz, CDC1 ): (two rotamers) δ (ppm) 1.40 and 1.45 (s, 9H), 2.15
3
〜2.30 (m, 2H), 2.34 and 2.35 (s, 3H), 3.36 (dd, J = 6.5 and 10.8 Hz) and 3.44 (dd, J = 6.3 and 11.1 Hz) (1H), 3.68〜3.77 (complex, 1H), 3.72 and 3.72 (s, 3H), 3.83 (d d, J = 6.8 and 10.8 Hz) and 3.87 (dd, J = 6.7 and 11.1 Hz) (1H), 4.34 (t, J = 6.6 Hz) and 4.43 (dd, J = 4.6 and 8.1 Hz) (1H), 7.12 (d, J = 7.8 Hz) and 7.14 (d, J = 7.8 Hz ) (2H), 7.32 (d, J = 7.8 Hz, 2H).
2)脱保護工程
(IVa) 次に,脱保護工程として上記の反応を行った.すなわち,(2S,4R)-l-tert-ブトキシ カルボ-ル- 4-(4-メチルフヱ-ルチオ)ピロリジン- 2-カルボン酸メチル(41.6 mg, 118 μ mol)に 6 M塩酸(2 mL)をカ卩え, 110 °Cにて 5時間加熱還流させた.室温に冷却し た反応溶液をクロ口ホルムにて洗浄し,凍結乾燥させたのち,残渣をイオン交換クロ マトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IVa) (21.6 mg, 77%)を得た .以下に TLC及び1 H NMRのデータを示す.
TLC: R = 0.59 (逆相,ァセトニトリル Z水 =
f 1Z
JH NMR (400 MHz, D O): δ (ppm) 2.13 (s, 3H), 2.15〜2.26 (m, 2H), 3.1 (dd, J =
2
4.3 and 12.4 Hz, 1H), 3.48 (dd, J = 6.1 and 12.4 Hz, 1H), 3.8〜3.87 (m, 1H), 4.15 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.2 Hz, 2H).
[0090] (比較例 1〜4)
比較例 1〜4では、下記構造式の化合物を合成した。
比較例 1 比較例 2
比較例 3 比較例 4
[0091] これらの化合物は、置換フエノキシピロリジン類縁体 (I) , (III)の合成と同様の方法 によって合成した中間体から、以下に示す合成経路によって得た。
(比較例 1)
[化 58]
(比較例 2)
[化 59]
HO -COOCH3
COOCH,
H2, Pd/C H2N- — COOCH3 CH3COCI, Et3N
CH3OH COOCH3 CH2CI2 oc
[0095] (比較例 4)
[化 61]
H3C00C , 厂 COOC(CH3)3 aq HC|
[0096] 比較例 5および 6では下記構造式の化合物を合成した。以下にその詳細を述べる c [化 62]
(比較例 5 ) (比較例 6 )
[0097] (比較例 5)
比較例 5の化合物は,特許文献 2に記載の方法に従い、(2S,4R)-l-tert-ブトキシカ ルボニル- 4-(4-トルエンスルフォニルォキシ)ピロリジン- 2-カルボン酸ェチルとチオフ ェノールとから調製した (2S,4S)— 1-tert-ブトキシカルボ-ルー 4— (フエ-ルスルフ ァ -ル)ピロリジン— 2—カルボン酸ェチルを水酸化ナトリウムで加水分解した後,ジォ キサン中の 4M塩酸中に溶解し、室温 2時間攪拌して脱保護することにより合成した。
比較例 6の化合物は,特許文献 2に記載の方法に従い、(2S,4R)-l-tert-ブトキシカ ルポ-ル- 4-ヒドロキシピロリジン- 2-カルボン酸メチルと 3 クロ口フエノールとの光延 反応により調製した (2S,4S)— 1— (tert -ブトキシカルボニル) 4— (3 クロロフエノ キシ)ピロリジン— 2—カルボン酸メチルを水酸化リチウムにより加水分解した後,ジォ キサン中の 4M塩酸中に溶解し、 0°Cで 2時間攪拌して脱保護することにより合成した
[化 64]
<ァロディ-ァ抑制作用の評価 >
上記実施例 1、 5、 8、 9、 13、 14、 18、 19 (下記構造式参照)及び上記比較例 1' 6のピロリジン類縁体につ 、て、ァロディ-ァ抑制作用の評価を行った。
実施例 1 3 実施例 1 4
COOH
実施例 1 8 実施例 1 9 評価方法は、 ddY-マウス (雄、体重 22 ±2g)を用い、無麻酔下に 1 X 10_15グラムのァク ロメリン酸と種々の用量のピロリジン誘導体の溶液 5 μ 1を Hylden & Wilcoxの方法 (Hy lden, J.L.K. and Wilcox, u.L., Intrathecal morphine in mice: a new technique, Eur. J . Pharmacol, 67 (1980) 313-316.)でマウス脊髄腔内に投与した。ァロディ-ァは、一 群を 6匹とし対照は 1 X 10_15グラムのァクロメリン酸 5 μ 1投与群とした。化合物を脊髄 腔内投与後、 Yaksh & Hartyらの方法 (Yaksh, T.L. and Harty, G.J., Pharmacology o f the allodynia in rats evoked by high dose intrathecal morphine, J. Pharmacol. Exp. Ther., 244 (1988) 501-507.)と同様に 5分毎にァロディ-ァを 50分間観察し 0から 2の スコアで評価し、対照群に対する割合をパーセントで表した。ァロディ-ァのスコアは 、 0 :変化なし、 1 :触覚刺激を加えようとする筆力 逃げる、啼ぐ 2 :触覚刺激により激 しく啼 勢いよく逃げるとした。
[0100] 結果を図 1、図 2及び図 3に示す。これらの図から、以下のことが判明した。
(1)実施例 1、実施例 5及び実施例 8のように、ァクロメリン酸と比較して、 4位の置換 基が 2位のカルボキシ基とシス配置であり、その 4位に酸素原子を介してベンゼン環 の!、ずれかの位置にカルボキシ基が結合した芳香族置換基が結合して 、るピロリジ ン類縁体は、強いァロディ-ァ抑制作用を示す。これに対し、比較例 1〜3にょうに、 ァクロメリン酸と比較して 4位の置換基が 2位のカルボキシ基とシス配置であり、その 4 位に酸素原子を介して芳香族置換基が結合して 、ても、ベンゼン環にカルボキシ基 が結合して ヽな 、ピロリジン類縁体は、ァロディ-ァ抑制作用を示さな 、。
(2)実施例 9のように、ァクロメリン酸と比較して 4位の置換基が 2位のカルボキシ基と シス配置であり,その 4位に酸素原子を介してベンゼン環の!/、ずれかの位置にカル ボキシ基が結合した芳香族置換基が結合して 、るピロリジン類縁体は、 3位の位置に カルボキシメチル基が存在して 、なくても、強 、ァロディ-ァ抑制作用を示す。
(3)実施例 13、実施例 14及び実施例 18のように、実施例 1と比較して 4位の立体配 置が逆で、 4位の位置に結合する元素が酸素ではなくてィォゥであり、このィォゥに 結合する芳香族置換基にはカルボン酸を有して 、な 、ピロリジン類縁体は、強 、ァロ ディ-ァ抑制作用を示す。これに対して、比較例 4のように、実施例 1と比較して 4位 の立体配置が逆で、 4位の位置に結合する元素がィォゥであり、このィォゥに芳香族 置換基が結合して 、ても、ベンゼン環にカルボキシ基が結合して 、るピロリジン類縁 体は、ァロディ-ァ抑制作用を示さない。
(4)実施例 19のように、実施例 1と比較して 4位の立体配置が逆で、 4位の位置に結 合する元素が酸素ではなくてィォゥであり、このィォゥに結合する芳香族置換基には カルボン酸を有して 、な 、ピロリジン類縁体は、 3位の位置にカルボキシメチル基が 存在して!/、なくても、強 、ァロディ-ァ抑制作用を示す。
(5)また、実施例 8、実施例 14及び実施例 19のピロリジン類縁体は、特許文献 1、 2 に記載の比較例 5、 6の化合物と比較して、 1Z100程度のオーダーの投与量で、同 等のァロディ-ァ誘発率を抑制することが可能であり、極めて強力なァロディ-ァ抑 制作用を奏することが分力つた。
[0101] なお、上記実施例で使用したィ匕合物に代えて、その塩を用いた場合において同様
の効果が得られることは、従来力もの技術的常識力も当然に推定される。また、上記 実施例で使用した化合物のエステル体をプロドラッグとして用いることももちろん可能 である。
<分子プローブ官能基結合ピロリジン類縁体 >
本発明のピロリジン類縁体及び神経因性疼痛抑制剤にぉ 、て、ベンゼン環に分子 プローブ機能を有する官能基を結合させれば、分子プローブ機能を有する置換基を 手がかりとして、受容体機能解析を容易に行うことができる。分子プローブ機能を有 する置換基としては、蛍光を発する置換基の導入や、 3H, nC, 18F等のアイソトープ 元素で標識化した置換基等が挙げられる。
例えば、下記反応式に示す方法によって、ベンゼン環に紫外光反応性のフ ニル アジド基と生化学的に検出可能なピオチン基とが置換されている化合物を製造する ことができる。これを光親和性標識プローブとして、受容体の捕獲'同定等の調査を 行うことにより、神経因性疼痛の研究や創薬開発に利用することができる。
[化 66]
あるいは,下記反応式に示す方法によって、ベンゼン環にトリチウムなどの放射性 元素が置換されている化合物を製造することができる。これを放射プローブとして、薬
物や基質が細胞や生体組織内においてどのように分布するのかや、薬物の受容体 に対する結合親和性等の研究に利用することができる。
[化 67]
さらに,下記反応式に示す方法によって、ベンゼン環に
11 Cや
18 Fなどの陽電子放 出同位体が置換されている化合物を製造することができる。これを陽電子放射断層 撮影法 (PET)の PETプローブとして、生体内での動態解析や基質の受容体占有率 を調べる等の研究を行うことにより、神経因性疼痛の研究や創薬開発に利用すること ができる。
[化 68]
-COOCH3 (Bu3Sn)2, Pd(PPh3 — COOCH3
I— v
^N^**COOCH3 ^M-^-COOCH3
COR COR
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求 の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこ の発明に含まれる。
産業上の利用可能性
本発明は神経因性疼痛の研究及び創薬開発に等に利用可能である。