JPWO2007142028A1 - 神経因性疼痛を抑制するピロリジン類縁体及びその製造方法 - Google Patents

神経因性疼痛を抑制するピロリジン類縁体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アロディニア誘発に対して抑制作用を示すピロリジン類縁体及びその製造方法、並びに神経因性疼痛抑制剤を提供する【解決手段】下記一般式(I)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とするピロリジン類縁体(式中、HOOC−φはベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基を示す)。この化合物は、アロディニア誘発に対して強い抑制作用を示す。【選択図】なし

Description

本発明はアロディニア等の神経因性疼痛を抑制するピロリジン類縁体及びその製造方法に関する。
痛みは、皮膚を針で刺したとき等のような生理的疼痛、炎症による疼痛、及び神経因性疼痛に大きく分類される。この中でも、神経因性疼痛は、神経の損傷に起因する痛みであり、自発痛、痛覚過敏、アロディニア等の症状からなる難治性の病態である。この神経因性疼痛は、非ステロイド性鎮痛剤(NSAIDs)やモルヒネ等の麻薬も効果を奏しない。こうした神経因性疼痛の原因については未だ不明な点も多いが、神経損傷による持続的なアロディニアの研究等から、脊髄におけるグルタミン酸受容体が関与していることが明らかにされており、そのシグナル伝達の制御は神経因性疼痛の抑制に繋がるものと考えられる。
また、毒キノコであるドクササコから抽出・単離されたアクロメリン酸(置換様式の異なるアクロメリン酸A及びアクロメリン酸Bがある)は中枢神経に対して神経興奮毒性を示し、マウス髄腔内への投与により、強いアロディニアを誘発することが発見されている(非特許文献1)。
Figure 2007142028
上記アクロメリン酸は、その分子構造内にグルタミン酸構造を内包しており、その作用はグルタミン酸受容体を介して発現すると考えられている。
しかし、アクロメリン酸は下部脊髄に選択性を示し、痛覚伝達の最初の中継地である脊髄の介在ニューロンを特異的に破壊するなど、in vivoでの行動・病理学的作用において、他のグルタミン酸受容体アゴニストによるものと異なる所見が報告されており、アクロメリン酸が作用する新規受容体の存在の可能性が示唆されている。その一方、in vivoでの行動・病理学的作用に関する研究から、アクロメリン酸が作用する新規な受容体の存在を示唆する報告もなされており、その詳細は不明な部分も多い。
こうしたことから、アクロメリン酸は神経因性疼痛の原因究明や、グルタミン酸受容体等の各種神経受容体の機能解明のための、重要な実験ツールとなる有用な化合物であるといえる。しかし、アクロメリン酸をドクササコから抽出するには、非常に手間がかかる。また、得られるアクロメリン酸は極微量であり、実験ツールとして必要とされる量の確保は困難である(非特許文献2、3)。
アクロメリン酸の化学合成もなされてはいるが、アクロメリン酸が有するプロリン骨格は2位、3位及び4位に不斉炭素を有しており、立体化学を制御しながらの大量合成は困難である。特に困難なのは、プロリン骨格の4位の位置への炭素置換基の立体選択的導入である。
発明者らは、神経受容体の仕組みを研究すべく、アクロメリン酸とよく似た構造を有し、光プローブとしてアジド基を導入した下記プロリン類縁体(a)を合成し、その生理活性について研究を行った。その結果、この化合物がアクロメリン酸と同程度のアロディニア誘発活性を示すことを明らかにした(非特許文献4)。
Figure 2007142028
さらに発明者らは、アロディニア誘発活性を示すプロリン類縁体及びその製造方法について開発し、すでに特許出願を行っている(特願2005−347711)。この発明によれば、アロディニア誘発活性を示すプロリン類縁体を容易かつ多量に提供することができる。このため、神経因性疼痛の原因究明や、グルタミン酸受容体等の各種神経受容体の機能解明のため役立てることができる。
しかしながら、生体情報伝達機構の解明には、機能を担う受容体の作動薬(アゴニスト)だけでなく、機能を抑制する遮断薬(アンタゴニスト)も有用なツールとなるため、そのような機能を有する物質の開発が望まれている。また、アクロメリン酸の作用を抑制する物質の創製は、神経因性疼痛にかかわる受容体機能の解明に役立つ分子プローブとしてばかりでなく、神経因性疼痛の治療薬あるいはその開発シーズとなると期待される。それにもかかわらず、従来そのような抑制作用を示す物質は発見されていなかった。なお、特許文献1及び2には、本発明のピロリジン誘導体と似て非なる構造のプロリン誘導体について、疼痛障害治療薬としての使用できる旨の記載はあるが、疼痛障害治療薬としての薬理効果の実験データが全く記載されていない(特許文献1、2)。
British Journal of Pharmacology, 2004, 142, 679-688 Tetrahedron Letters 1983, 24, 939-942 Journal of the American Chemical Society 1988, 110, 4807-4815 Tetrahedron Letters 2004, 45, 3933-3936 WO2004/039367 特表2006−516115
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、アロディニア誘発に対して抑制作用を示すピロリジン類縁体及びその製造方法、並びに神経因性疼痛抑制剤を提供することを解決すべき課題としている。
発明者らは、アクロメリン酸とよく似た構造を有する一連の化合物を合成し、それらがアクロメリン酸のアロディニア誘発作用に及ぼす影響について調べた。その結果、それらの化合物のうち、ある一定の構造を有するものは、アロディニア誘発に対して抑制作用を示すという驚くべき事実を発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第1発明のピロリジン類縁体は、下記一般式(I)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とする(式中、HOOC−φはベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基を示す)。
Figure 2007142028
第1発明のピロリジン類縁体は、アクロメリン酸と同様ピロリジン骨格を有するが、ピロリジン環の4位の置換基が2位のカルボキシ基とシス配置になっていることが特徴である。そして、4位には酸素原子を介してベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基が結合していることが必要とされる。発明者らの試験結果によれば、このような構造を有するピロリジン類縁体は、ラットに対しアクロメリン酸と同時に投与することにより、アクロメリン酸によるアロディニア誘発に対して抑制作用を示す。このため、神経因性疼痛にかかわる受容体機能の解明に役立つ分子プローブとしてばかりでなく、神経因性疼痛の治療薬あるいはその開発シーズとなると期待される。
なお、HOOC−φは、ベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基を有することが要件とされるが、さらに置換基(例えば、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基等)が結合していてもよい。
第1発明のピロリジン類縁体は、以下のようにして製造することができる。
すなわち、下記一般式(1)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2及びCOORはエステル基を示す)と、下記一般式(2)のベンゼン誘導体(式中、Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、少なくとも一つのシアノ基がXのオルトまたはパラ位に結合している)又は下記一般式(2’)のベンゼン誘導体(式中、Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、YはXのオルト位又はパラ位に結合した電子求引基を示し、Y’はカルボキシ基に変換可能であって芳香族求核置換反応を阻害しない置換基でベンゼン環のいずれの位置にあってもよいが、Yがシアノ基の場合はY’がなくてもよい)又はそれらのベンゼン誘導体のベンゼン環にさらに芳香族求核置換反応を阻害しない他の置換基が結合した誘導体とを塩基性条件下で芳香族求核置換反応を行う求核置換工程と、該求核置換工程後にエステル基及びシアノ基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う脱保護工程とを備えることを特徴とするピロリジン類縁体の製造方法である。
Figure 2007142028
この製造方法によれば、第1発明のピロリジン類縁体を市販されているトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを出発物質として、容易かつ多量に製造することができる。
例えば、上記一般式(1)のピロリジン誘導体と、上記一般式(2)又は(2’)のベンゼン誘導体とから、下記反応式によりアロディニア誘発に対して抑制作用を示すピロリジン誘導体(4)を得ることができる。構造式中のXとしては、例えば、ニトロ基、ハロゲン等の脱離基が挙げられる。また、Yとしては、ニトロ基やシアノ基等が、Y’としてはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルバモイル基等が挙げられるが、Yがシアノ基等のようにカルボキシ基に変換できる置換基の場合には、Y’は水素,アルキル基,ハロゲン,アルカノイル基,カルボキサミド基,アルコキシ基,ニトロ基等であっても良い。反応式中の化合物(4)のZとしては、上記のYやY’,及びそれらから誘導可能な置換基,例えばカルボキシ基、カルボキサミド基、アルキルカルバモイル基、アミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルカノイル基,ニトロ基等が挙げられる。さらに、アミノ基の保護基であるRとしては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
Figure 2007142028
また、上記ベンゼン誘導体(2)やベンゼン誘導体(2’)の替わりに、それらのベンゼン誘導体のベンゼン環にさらに他の置換基が結合した誘導体を用いることもできることから、様々なバリエーションのものを合成することもできる。
第1発明のピロリジン類縁体は、以下のようにして製造することもできる。
すなわち、下記一般式(5)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2及びCOORはエステル基を示す)と、下記一般式(6)のフェノール誘導体(式中、R’はカルボキシ基に変換可能であって光延反応を阻害しない置換基を示し、例えば、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキサミド基、アルキルカルバモイル基等が挙げられる。)又は該フェノール誘導体のベンゼン環にさらに光延反応を阻害しない他の置換基Z’(置換基Z’としては、水素,アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、カルバモイル基,ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基等が挙げられる)が結合した誘導体とを光延反応させて立体反転したエーテル誘導体とする光延反応工程と、該エーテル誘導体のエステル基の加水分解と、R1の脱保護反応と、該置換基のカルボキシ基への変換とを行う脱保護工程とを備えることを特徴とする製造方法である。
Figure 2007142028
この製造方法によっても、第1発明のプロリン類縁体を市販されているトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを出発物質として、容易かつ多量に製造することができる。
この製造方法を反応式で示せば、以下のとおりである。反応式中の生成物(8)の置換基Z’’としては、上記のZ’,及びそれらから誘導可能な置換基,例えば,カルボキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基,等が挙げられる。
Figure 2007142028
第2発明のピロリジン類縁体は、下記一般式(II)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とする(式中、HOOC−φはp−カルボキシフェニル基を除く、ベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基を示す)。
Figure 2007142028
第2発明のピロリジン類縁体は、第1発明のピロリジン類縁体と似た骨格を有するが、3位の位置にカルボキシメチル基を有していないことが特徴である。そして、4位の炭素には、酸素原子を介してベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基が結合していることが必要とされる。なお、φに結合する置換基として一つのカルボキシ基以外にさらに、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基等の置換基が結合していてもよい。
発明者らの試験結果によれば、このような構造を有するピロリジン類縁体は、アロディニア誘発に対して抑制作用を示すため、神経因性疼痛抑制剤として用いることができる。また、上記一般式(II)におけるHOOC−φが4−カルボキシフェニル基であるピロリジン類縁体も、神経因性疼痛抑制剤として用いることができる。
第2発明のピロリジン類縁体は、以下のようにして製造することができる。
すなわち、下記一般式(9)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2はエステル基を示す)と、下記一般式(2)のベンゼン誘導体(式中、Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、少なくとも一つのシアノ基がXのオルトまたはパラ位に結合している)又は下記一般式(2’)のベンゼン誘導体(式中、Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、YはXのオルト位又はパラ位に結合した電子求引基を示し、Y’はカルボキシ基に変換可能であって芳香族求核置換反応を阻害しない置換基でベンゼン環のいずれの位置にあってもよいが、Yがシアノ基の場合はY’がなくてもよい)又はそれらのベンゼン誘導体のベンゼン環にさらに芳香族求核置換反応を阻害しない他の置換基が結合した誘導体とを塩基性条件下で芳香族求核置換反応を行う求核置換工程と、該求核置換工程後にエステル基及びシアノ基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う脱保護工程とを備えることを特徴とするピロリジン類縁体の製造方法である。
Figure 2007142028
第2発明のピロリジン類縁体の他の製造方法として、下記反応式に示すように、ピロリジン誘導体(12)と、下記一般式(6)のフェノール誘導体(式中、R’はカルボキシ基に変換可能であって光延反応を阻害しない置換基を示し、例えば、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキサミド基、アルキルカルバモイル基などが挙げられる。)又は該フェノール誘導体のベンゼン環にさらに他の置換基Z’(置換基Z’としては、水素,アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、カルバモイル基,ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基等が挙げられる)が結合した誘導体を光延反応により4位の炭素に立体反転させながらエーテル結合させた後、脱保護・加水分解及びカルボキシ基の生成によって製造することもできる。反応式中のピロリジン類縁体(14)のZ’’としては、上記のZ’及びそれらから誘導可能な置換基,例えば,カルボキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基等が挙げられる。
Figure 2007142028
第3発明のピロリジン類縁体は、下記一般式(III)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とする(式中、φはフェニル基及び2−メトキシフェニル基を除く、カルボキシ基を有さない芳香族置換基を示す)。
Figure 2007142028
第3発明のピロリジン類縁体は、第1発明のピロリジン類縁体と類似の構造を持つが、ピロリジン環の4位の炭素に結合する原子が酸素ではなくイオウであり、4位の立体配置も逆である。さらには、このイオウに結合する芳香族置換基にはカルボン酸を有していない点で第1発明のピロリジン類縁体と異なる。発明者らの試験結果によれば、このような構造を有するピロリジン類縁体も、アロディニア誘発抑制作用を示すため、神経因性疼痛抑制剤として用いることができる。ここで、φとしては、ベンゼン環にカルボキシ基を除く、水素又は水素以外の置換基(例えば、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基等)である。また、上記一般式(III)におけるφがフェニル基や2−メトキシフェニル基であるピロリジン類縁体も、神経因性疼痛抑制剤として用いることができる。
第3発明のピロリジン類縁体は、以下の方法によって製造することができる。
すなわち、下記一般式(1)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2及びCOORはエステル基を示す)と、ジフェニルジスルフィド又はジフェニルジスルフィド誘導体(15)(式中,R’’としては水素、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基,カルバモイル基,スルフォニル基,スルファニル基等が挙げられる)と、をホスフィン試薬存在下でカップリングさせて4位の炭素を立体反転させながらチオエーテル誘導体とするカップリング工程と、該チオエーテル誘導体のエステル基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う脱保護工程とを備えることを特徴とするプロリン類縁体の製造方法である。
Figure 2007142028
あるいは、下記一般式(1)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2及びCOORはエステル基を示す)と、チオフェノール又は置換チオフェノール(18)(式中,R’’としては水素、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基,カルバモイル基,スルフォニル基,スルファニル基等が挙げられる)とを光延反応により4位の炭素を立体反転させながらカップリングさせてチオエーテル誘導体とするカップリング工程を行ってから、同様の脱保護・加水分解を行ってもよい。
Figure 2007142028
この製造方法を用いても、第3発明のプロリン類縁体を市販されているトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを出発物質として、容易かつ多量に製造することができる。また、様々なジフェニルジスルフィド誘導体や置換チオフェノールを用いることにより、様々なバリエーションのものを合成することもできる。また,カップリング反応や光延反応後にベンゼン環上の置換基を変換して誘導体を合成することもできる。アミノ基の保護基であるRとしては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。また、ホスフィン試薬としては、トリアルキルホスフィン,トリフェニルホスフィン等を挙げることができる。さらに、ジフェニルジスルフィド誘導体及び置換チオフェノールとしては、カップリング反応を阻害しなければ、どのような置換基を有していてもよい。
第4発明のピロリジン類縁体は、下記一般式(IV)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とする(式中、φは芳香族置換基を示す)。
Figure 2007142028
第4発明のピロリジン類縁体は、第3発明のピロリジン類縁体と類似の構造を持つが、ピロリジン環の3位の炭素にカルボキシメチル基を有していないことが特徴である。そして、4位の炭素には、イオウ原子を介して芳香族置換基が結合していることが必要とされる。なお、φに結合する置換基として、例えば、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基,アミド基、アルカノイル基,カルバモイル基,スルフォニル基,スルファニル基等の置換基が結合していてもよい。
発明者らの試験結果によれば、このような構造を有するピロリジン類縁体は、アロディニア誘発に対して特に強力な抑制作用を示すため、神経因性疼痛抑制剤として用いることができる。
第4発明のピロリジン類縁体は、以下の方法によって製造することができる。
すなわち、下記一般式(9)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2はエステル基を示す)と、ジフェニルジスルフィド又はジフェニルジスルフィド誘導体(15)(式中,R’’としては水素、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基,カルバモイル基,スルフォニル基,スルファニル基等が挙げられる)とをホスフィン試薬存在下で4位の炭素を立体反転させながらカップリングさせてチオエーテル誘導体とするカップリング工程と、該チオエーテル誘導体のエステル基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う脱保護工程とを備えるプロリン類縁体の製造方法である。
Figure 2007142028
あるいは、下記一般式(9)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2はエステル基を示す)と、チオフェノール又は置換チオフェノール(18)(式中,R’’としては水素、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、アルカノイル基,カルバモイル基,スルフォニル基,スルファニル基等が挙げられる)とを光延反応により4位の炭素を立体反転させながらカップリングさせてチオエーテル誘導体とするカップリング工程を行ってから、同様の脱保護・加水分解を行ってもよい。
Figure 2007142028
この製造方法を用いても、第4発明のプロリン類縁体を市販されているトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを出発物質として、容易かつ多量に製造することができる。また、様々なジフェニルジスルフィド誘導体や置換チオフェノールを用いることにより、様々なバリエーションのものを合成することもできる。また,カップリング反応や光延反応後にベンゼン環上の置換基を変換して誘導体を合成することもできる。
アミノ基の保護基であるRとしては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。また、ホスフィン試薬としては、トリアルキルホスフィンやトリフェニルホスフィン等を挙げることができる。さらに、ジフェニルジスルフィド誘導体や置換チオフェノールとしては、カップリング反応を阻害しなければ、どのような置換基を有していてもよい。
本発明のピロリジン類縁体及び本発明の神経因性疼痛抑制剤において、ベンゼン環に分子プローブ機能を有する官能基が結合していることとしてもよい。こうであれば、分子プローブ機能を有する置換基を手がかりとして、標的受容体の機能解析を容易に行うことができる。また、ベンゼン環への分子プローブ機能を有する置換基の導入は容易に行うことができるため、大量合成も可能である。分子プローブ機能を有する置換基としては、蛍光を発する置換基やビオチン基,光親和性標識機能を持つ置換基の導入や、11C等のアイソトープ元素で標識化した置換基等が挙げられる。
実施例1、18におけるピロリジン類縁体の投与量とアロディニア誘発率との関係を示すグラフである。 実施例5、9、13及び比較例1〜4におけるピロリジン類縁体の投与量とアロディニア誘発率との関係を示すグラフである。 実施例8、14、19及び比較例5、6におけるピロリジン類縁体の投与量とアロディニア誘発率との関係を示すグラフである。
本発明のピロリジン類縁体は、遊離のカルボン酸や遊離のアミンとしてのみならず、それらの塩、及びエステルを含む。また、それらを構成する元素は同位体を含んでいてもよい。
このような例としては、例えば水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素の同位体として、2H、3H、13C、1 4C、1 5N、17O、18O、31P、3 2P、3 5S、1 8F及び3 6Cl等が挙げられる。これらの同位元素によって標識化された本発明のピロリジン類縁体は、薬物や基質が細胞や生体組織内においてどのように分布するのかを研究するために極めて有用である。また、同位体として陽電子放出同位体(例えば11C 、18F、15Oおよび13N)を用いた場合、陽電子放射断層撮影(PET)を行うことができるため、生体内での動態解析や基質の受容体占有率を調べる等の研究において極めて有用となる。
一般に、同位体元素によって標識化された本発明のピロリジン類縁体は、当業者に知られている慣用の技術により、あるいは実施例に記載されたものと類似の方法において、同位元素で標識化された試薬を用いて製造することができる。
本発明のピロリジン類縁体は、両性の化合物であるアミノ酸としての構造を有しているため、無機酸や有機酸や塩基の塩とすることができる。カルボン酸塩の形式としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、フマル酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、等が挙げられる。
また、塩基性塩としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルキルアミン及びアミノ酸の塩が含まれる。また、両性イオンとすることもできる。
本発明のピロリジン類縁体として好適な塩は、塩酸塩である。適切な塩の概説については、Stahl and Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts :Properties, Selection, and Use ,Wiley-VCH,Weinheim,Germany(2002)を参照されたい。
また、本発明のピロリジン類縁体を経口投与の医薬品として用いる場合には、第四級アンモニウムイオンを有する塩とすることも好ましいと考えられる。特許文献1及び特許文献2に記載されているように、薬物の経口吸収は、「軟らかい」第四級アンモニウム塩を製造することによって高められることが知られている。その第四級アンモニウム塩のなかでも、「ソフト」な第四級アンモニウム塩が好ましい。、「ソフト」な第四級アンモニウム塩は、普通の第四級アンモニウム塩(例えばR−N+(CH3)3)とは異なり、加水分解されて活性薬物を放出することができるからである。また、「ソフト」な第四級アンモニウム塩は、腸からの薬物の吸収も高いことが知られている。その理由は、おそらく「ソフト」な第四級アンモニウム塩が界面活性的性質を有し、ミセルを形成して胆汁酸等と共にイオン化されてないイオン対を形成することができ、これによってより効果的に腸上皮を貫通することができるからである。プロドラッグは、吸収後、急速に加水分解されて活性な親薬物を放出する。
本発明のピロリジン類縁体を塩の形態とするためには、酸または塩基とを一緒に混合することによって容易に製造することができる。塩は、溶液から沈殿させて濾過して集めるか、または溶媒を蒸発させることによって回収することができる。また、それらの塩は水等によって溶媒和されていてもよく、複合塩とされていてもよい。
本発明のピロリジン類縁体は、プロドラッグや同位元素的に標識化されたものも含む。ここで「プロドラッグ」とは、それ自体は薬理活性をほとんど又はまったく有しないが、身体中にまたは身体上へ投与された時に、例えば加水分解的切断または酸化的代謝によって所望の活性を有する化合物に転化されるものをいう。プロドラッグの使用についての詳細は、'Pro-drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14,ACS Symposium Series (T Higuchiand W Stella)および‘Bioreversible Carriers in Drug Design’,Pergamon Press,1987(ed.E B Roche,American Pharmaceutical Association)に記載されている。
プロドラッグの製造方法としては、官能基を“Design of ester pro-drug stoenhance oral absorption of poorly permeable compounds”,K.Beaumont et al,Current Drug Metabolism,2003 and“Design of Pro-drugs”,H.Bundgaard(Elsevier)1985に記載された「前駆部分(pro-moieties)」のような当業者に知られているある種の部分で置換する方法等が挙げられる。本発明のピロリジン類縁体の製造法におけるカップリング工程で得られた中間体,又は中間体における保護基の一部を脱保護した化合物をプロドラッグとして用いることもできる。
プロドラッグのいくつかの例としては、例えばカルボン酸官能基(−COOH)のエステル、カルボキサミド(例えば−CONH2、−CONHRまたは−CONRR'、RおよびR'、ここでRおよびR'はそれぞれ独立した(C1−C6)アルキル)が挙げられる。
また、アミノアシル−グリコール酸および乳酸エステルは、アミノ酸のプロドラッグとして知られている(Wermuth C.G.,Chemistry and Industry,1980:433-435)。アミノ酸のカルボニル基は、周知の手段によってエステル化することができる。プロドラッグは、当分野で知られている(PalominoE.,Drugs of the Future,1990;15(4):361-368)。
その他のプロドラッグの例として、特許文献1及び特許文献2に記載されているものも含まれる。
以下、本発明をさらに具体化した実施例について詳細に述べる。
<置換フェノキシピロリジン類縁体(I)の合成(その1)>
下記反応式に従って、第1発明のピロリジン類縁体である、置換フェノキシピロリジン類縁体(4)(この化合物は、前述した一般式(I)の範疇に含まれる化合物である)を合成した。
Figure 2007142028
(求核置換工程)
すなわち、まず求核置換工程として、文献既知の方法により合成した4-ヒドロキシプロリン誘導体(1)(Baldwin, J. E. et al. Tetrahedron, 1997, 53, 5233; Furuta, K. et al. Tetrahedron Lett., 2004, 45, 3933)をDMF中で水素化ナトリウムと反応させたのち、市販もしくは文献既知の方法で合成したベンゾニトリル誘導体のDMF溶液を加えて反応させることにより上記置換体(3)又は(3’)を得る。
(脱保護工程)
次に、脱保護工程として、上記求核置換工程で合成した置換体(3)又は(3’)に塩酸を加え、加熱還流させることにより保護基R1の脱離とエステル基及びシアノ基の加水分解反応が進行し、置換フェノキシピロリジン類縁体(4)が得られる。なお、置換基Yがシアノ基の場合には、Yもカルボキシ基へ変換される。
上記の置換フェノキシピロリジン類縁体(4)の合成方法について、さらに具体的に反応を行った実施例1〜4について詳述する。
(実施例1)
実施例1では、以下に示す方法により、(2S,3R,4S)-3-カルボキシメチル-4-(4-カルボキシフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸(Ia)を合成した。
1)求核置換工程
Figure 2007142028
まず、求核置換工程として、上記の芳香族求核置換反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、−35 ℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF, 220 μL)と水素化ナトリウム (60% dispersion, 4.4 mg, 110 μmol)の懸濁液に(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル(40 mg,110 μmol)のDMF(170 μL)溶液を滴下し,15分間攪拌した。続いて、DMF(260 μL)に溶解した4-ニトロベンゾニトリル(24.4 mg,165 μmol)を加え、反応溶液を−35 ℃にて24時間撹拌した。反応混合物を硫酸水素カリウム水溶液(5%)中に注ぎ、生成物をエーテルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、濾過、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、ヘキサン/酢酸エチル= 6/5)にて精製し、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(4-シアノフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル (41.6 mg、 81%)を得た。以下、この化合物のTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.56 (シリカゲル、 ヘキサン/酢酸エチル = 1/2)
1H NMR (400 MHz, CDCl3):(two rotamers) δ(ppm) 1.44 and 1.47 (s, 9H), 2.41 (d, J = 8 Hz) and 2.45 (dd, J = 8 and 16.4 Hz) and 2.62 (dd, J = 5.8 and 16.4 Hz) (2H), 3.07〜 3.15 (complex) and 3.15〜3.23 (br t, J = 7.6 Hz) (1H), 3.64 and 3.77 (s, 3H), 3.8 (d, J = 4 Hz), 3.90 (d, J = 14 Hz), 3.93 (dd, J = 5.6 and 12 Hz), 4.28 (dd, J = 5.6 and 14 Hz), 4.32 (br s), 4.72 (d, J = 4.4 Hz), 4.83〜4.89 (m, 1H), 6.95 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.35〜7.5 (complex, 4H), 7.55〜7.64 (complex, 3H).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、求核置換工程で得られた(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(4-シアノフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(25.0 mg, 53.8 μmol) に6 M塩酸(0.8 mL)を加え、110 ℃にて20時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(Ia)(12.4 mg, 75%) を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, D2O):δ(ppm) 2.22 (dd, J = 10 and 15.6 Hz, 1H), 2.39 (dd, J = 6 and 15.6 Hz, 1H), 2.98〜3.06 (br, 1H), 3.58 (br s, 1H), 3.85 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.89 (br s, 1H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 8.4 Hz, 2H).
(実施例2)
実施例2では、実施例1における求核置換工程で用いた4-ニトロベンゾニトリルの代わりに4-フルオロベンゾニトリルを用い、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(4-シアノフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸メチルを合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、−35℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF, 90 μL)と水素化ナトリウム (60% dispersion, 1.8 mg, 45 μmol)の懸濁液に(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (16.1 mg, 44.3 μmol)のDMF(140 μL)溶液を滴下し,15分間攪拌した。続いて、DMF(110 μL)に溶解した4-フルオロベンゾニトリル(7 mg,57.8 μmol)を加え、反応溶液を−35 ℃にて14時間撹拌した。反応混合物を硫酸水素カリウム水溶液(5%)中に注ぎ、生成物をエーテルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、濾過、減圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm,ヘキサン/酢酸エチル = 1/1,2度展開)にて精製し、目的化合物 (3.6 mg, 17%)を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): (two rotamers) δ(ppm) 1.44 and 1.47 (s, 9H), 2.41 (d, J = 8 Hz) and 2.45 (dd, J = 8 and 16.4 Hz) and 2.62 (dd, J = 6 and 16.4 Hz) (2H), 3.07〜3.15 (complex) and 3.15〜3.23 (br t, J = 7.6 Hz) (1H), 3.64 and 3.77 (s, 3H), 3.8 (d, J = 4 Hz), 3.90 (d, J = 14 Hz), 3.93 (dd, J = 5.6 and 12 Hz), 4.28 (dd, J = 5.2 and 14 Hz), 4.32 (br s), 4.72 (d, J = 4.4 Hz), 4.83〜4.89 (m), 6.95 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.35〜7.5 (complex, 4H), 7.55〜7.64 (complex, 3H).
この化合物を実施例1と同様にして脱保護工程を行えば、シアノ基及びエステル基はカルボン酸となり、窒素に結合する保護基も脱離してアミノ基となり、目的の化合物を得る。
(実施例3)
実施例3では、実施例1のピロリジン化合物の保護基が異なるものを用い、4-ニトロベンゾニトリルとの反応により(2S,3R,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(4-シアノフェノキシ)-3-(メトキシカルボニルメチル)ピロリジン-2-カルボン酸メチルを合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、−35 ℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF, 380 μL)と水素化ナトリウム (60% dispersion, 7.6 mg, 190 μmol)の懸濁液に(2S,3R,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-3-(メトキシカルボニルメチル)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(60 mg, 189 μmol)のDMF(300 μL)溶液を滴下し、30分間攪拌した。続いて、DMF(450 μL)に溶解した4-ニトロベンゾニトリル(42.1 mg, 284 μmol)を加え,反応溶液を−35 ℃にて40時間撹拌した。反応混合物を硫酸水素カリウム水溶液(5%)中に注ぎ,生成物をエーテルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち,濾過,減圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm, ヘキサン/酢酸エチル = 3/2,4度展開)にて精製し、目的化合物 (47.4 mg, 60%)を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): (two rotamers) δ(ppm) 1.43 and 1.49 (s, 9H), 2.47 (dd, J = 9.2 and 16.8 Hz) and 2.53 (dd, J = 8.4 and 16.8 Hz) (1H), 2.63 (dd, J = 6.2 and 16.8 Hz) and 2.65 (dd, J = 5.4 and 16.8 Hz) (1H), 3.06〜3.13 (m, 1H), 3.61〜3.68 (br m, 1H), 3.70 and 3.72 and 3.73 (s, 6H) 3.85 (dd, J = 5.4 and 12.6 Hz) and 3.93 (dd, J = 5.0 and 12.2 Hz) (1H), 4.14 (d, J = 3.6 Hz) and 4.27 (d, J = 2.4 Hz) (1H), 4.73〜4.79 and 4.80〜4.85 (m, 1H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz) and 6.97 (d, J = 8.8 Hz) (2H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz) and 7.60 (d, J = 8.8 Hz) (2H).
この化合物を実施例1と同様にして脱保護工程を行えば、シアノ基及びエステル基はカルボキシ基となり、窒素に結合する保護基も脱離してアミノ基となり、本発明のピロリジン類縁体となる。
(実施例4)
実施例4では、実施例1における求核置換工程で用いた4-ニトロベンゾニトリルの代わりに2-ニトロベンゾニトリルを用い、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(2-シアノフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸メチルを合成した。この化合物は、実施例1の化合物とフェノキシ基に結合するカルボキシ基の位置が異なる異性体であり、以下のようにして合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、−45 ℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF, 500 μL)と水素化ナトリウム (60% dispersion, 4.6 mg, 116 μmol)の懸濁液に(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (40 mg,110 μmol)のDMF(140 μL)溶液を滴下し,15分間攪拌した。続いて,DMF(110 μL)に溶解した2-ニトロベンゾニトリル(18.1 mg, 122 μmol)を加え,反応溶液を−45 ℃にて31時間撹拌した。反応混合物に希塩酸(1 M)を注ぎ,生成物をエーテルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち,濾過,減圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm, ヘキサン/酢酸エチル = 3/2,3度展開)にて精製し、目的化合物 (42 mg, 82%)を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): (two rotamers) δ(ppm) 1.43 and 1.47 (s, 9H), 2.41 (dd, J = 8 and 16 Hz) and 2.47 (dd, J = 8 and 16 Hz) and 2.48 (dd, J = 8 and 16 Hz) and 2.64 (dd, J = 8 and 16 Hz), 3.2 (br m) and 3.31 (br t, J = 8 Hz) (1H), 3.81 and 3.87 (s, 3H), 3.84〜3.99 (complex, 1.5 H), 4.36 (dd, J = 4 and 16 Hz, 0.5 H), 4.39 (br, 0.5H), 4.81 (d, J = 4 Hz) and 4.86 (d, J = 8 Hz) (1H), 4.91〜4.97 (br m, 0.5H), 6.98〜7.08 (complex, 2H), 7.35〜7.62(complex, 7H).
この化合物を実施例1と同様にして脱保護工程を行えば、シアノ基及びエステル基はカルボキシ基となり、窒素に結合する保護基も脱離してアミノ基となり、本発明のピロリジン類縁体となる。
<置換フェノキシピロリジン類縁体(I)の合成(その2)>
置換フェノキシピロリジン類縁体は、下記反応式に示すように、4-ヒドロキシプロリン誘導体(1)と4位の立体配置が逆の化合物(5)を用いて置換フェノール(6)と光延反応工程を行った後、脱保護工程を行うことにより合成することもできる。ここで、式中の化合物(8)は前述した一般式(I)の範疇に含まれる化合物である。
Figure 2007142028
1)光延反応工程
実施例1〜4の出発物質として用いた化合物(1)から調整した上記化合物(5)と、トリフェニルホスフィンと、市販もしくは文献既知の方法で合成したフェノール誘導体(6)とのTHFまたはDMF溶液に室温でアゾジカルボン酸ジアルキルを数分から1時間かけて滴下した後、室温から50 ℃にて反応させることで化合物(7)が得られる。あるいは、フェノール誘導体(6)とトリフェニルホスフィンのトルエン溶液を60 ℃から90 ℃に加熱しながら化合物(5)とアゾジカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液を1〜数時間かけて滴下し反応させることで化合物(7)が得られる。フェノール誘導体の酸性が低い場合は後者の方法がより望ましい。
2)脱保護工程
次に、上記光延反応で合成した化合物(7)に6 Mから12 Mの塩酸を加え、100 ℃から110 ℃にて数時間から24時間加熱還流させることで脱保護した化合物が得られる。化合物(7)のベンゼン環上にアミド基など酸加水分解に弱い置換基が存在する場合,R1がtert-ブトキシカルボニル基であれば、化合物(7)をメタノールに溶解し、水酸化リチウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて数時間から数日間反応させ,メチルエステルを加水分解する。続いて,得られた化合物に0 ℃にてトリフルオロ酢酸を加え、室温に昇温して30分から2時間反応させることで脱保護体が得られる。R1がベンジルオキシカルボニル基であれば,パラジウム触媒による水素化分解によりアミノ基の脱保護をしたのち,アルカリ加水分解によって目的の脱保護体(8)が得られる.なお,置換基Z’’はZ’であるか,または脱保護及び加水分解の工程で変換された官能基を示す。
光延反応を利用した上記の置換フェノキシピロリジン類縁体の合成方法について、さらに具体的に反応を行った実施例5〜7について詳述する。
なお、実施例5〜7において出発物質となる(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチルは以下に示す光延反応を利用した合成経路によって合成した。
Figure 2007142028
すなわち、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (20.0 mg, 55.0 μmol)のTHF溶液(250 μL)にトリフェニルホスフィン(17.3 mg, 66 μmol)および3,5-ジニトロ安息香酸(14.0 mg, 66 μmol)を加えた.この溶液に0 ℃でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(12.5 μL, 63μmol) を滴下したのち昇温し,室温にて2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm, ヘキサン/酢酸エチル = 1/1)にて精製してカップリング体を得た。
カップリング体をメタノール(900 μL)に懸濁させ、炭酸カリウム(3.8 mg, 27.5μmol)を加えて10分間攪拌した。反応溶液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて酸性としたのち生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、減圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm,ヘキサン/酢酸エチル = 1/2,2度展開)にて精製して目的の化合物(16 mg, 80%)を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)(major rotamer)δ(ppm) 1.47 (9H), 2.42 (br, 1H),2.59〜2.74 (complex, 3H), 3.61 (d, J = 11.6 Hz, 1H),3.80 (s,3H),3.91(dd, J = 3.6 and 11.6 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.47 (br q J = 3.6 Hz, 1H), 7.37〜7.47 (complex, 3H), 7.58 (br d, J = 7.2 Hz, 2H).
(実施例5)
実施例5では、以下に示す方法により、(2S,3R,4S)-3-(カルボキシメチル)-4-(2-カルボキシフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸(Ib)を合成した。
1)光延反応工程
Figure 2007142028
まず、上記の光延反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、2-ヒドロキシ安息香酸メチル(8.70 μL, 67.1 μmol)のトルエン溶液(130 μL)にトリフェニルホスフィン(19.3 mg, 73.6 μmol)を加え,反応溶液を80 ℃に昇温したのち、(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (21.6 mg, 59.4 μmol)とアゾジカルボン酸ジイソプロピル(15 μL, 76.2 μmol) のトルエン(380 μL)とTHF(150 μL)の混合溶液を3時間かけて滴下し、さらに24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後,減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル = 3/2)および薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5mm, ヘキサン/酢酸エチル = 3/2,2度展開)にて順次精製して目的化合物 (9.1 mg, 31%)を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.41 and 1.44 (s, 9H), 2.35 (dd, J = 8.6 and 16 Hz) and 2.46 (dd, J = 6.8 and 16 Hz) (1H), 2.56 (dd, J = 6.4 and 16 Hz) and 2.60 (dd, J = 6.8 and 16 Hz) (2H), 3.1〜3.2 (m) and 3.24〜3.32 (br m) (1H), 3.63 and 3.78 and 3.89 (s, 6H), 3.82〜3.96 (complex), 4.32 (dd, J = 5.8 and 13.8 Hz), 4.37 (br s), 4.71 (d J = 5.6 Hz), 4.73〜4.82 (complex), 6.91 (d, J = 8 Hz) and 6.94 (d, J = 8.4 Hz) (1H), 6.99〜7.07 (cmplex, 1H), 7.34〜7.5 (complex, 5H), 7.59 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.77 (t, J = 8 Hz, 1H).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-[2-(メトキシカルボニル)フェノキシ]ピロリジン-2-カルボン酸メチル (9.1 mg, 18.3 μmol) に6 M塩酸(0.6 mL)を加え、110 ℃にて7時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(Ib)(3.9 mg, 69%) を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.38 (dd, J = 8.6 and 16.2 Hz, 1H), 2.52 (dd, J = 5.2 and 16.2 Hz, 1H), 2.92 (br, 1H), 3.46〜3.59 (complex, 2H), 3.83 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.7 (1H), 6.89〜6.97 (br, 2H), 7.24 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 7.6 Hz, 1H).
(実施例6)
実施例6では、以下に示す方法により、(2S,3R,4S)-3-(カルボキシメチル)-4-(3-カルボキシフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸(Ic)を合成した。
1)光延反応工程
Figure 2007142028
まず、上記の光延反応工程を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、3-ヒドロキシ安息香酸メチル(18.7 mg, 123 μmol)のトルエン溶液(250 μL)にトリフェニルホスフィン(35.7 mg, 136 μmol)を加え,反応溶液を80 ℃に昇温したのち、(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (40 mg, 110 μmol)とアゾジカルボン酸ジイソプロピル(26.3 μL, 133 μmol)のトルエン(700 μL)とTHF(200 μL)の混合溶液を4時間かけて滴下し、さらに40時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後,減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル= 3/2)および薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm,ヘキサン/酢酸エチル = 3/2,3度展開)にて順次精製して目的化合物 (24.6 mg, 45%)を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.42 and 1.46 (s, 9H), 2.34 (dd, J = 8.8 and 15.8 Hz) and 2.46 (dd, J = 6.4 and 15.8 Hz) and 2.50 (dd, J = 7.6 and 16.4 Hz) and 2.59 (dd, J = 6.8 and 16.4 Hz) (2H), 3.07〜3.16 and 3.17〜3.25 (complex, 1H), 3.67 and 3.79 and 3.89 and 3.92 (s, 6H), 3.73〜3.83 (complex), 3.86〜3.95 (complex), 4.22〜4.29 (m), 4.36 (br s), 4.69 (d, J = 5.2 Hz), 4.76〜4.84 (complex, 1H), 7.01〜7.08 (m, 1H), 7.28〜7.46 (complex, 5H), 7.48 (s, 1H), 7.57 (br d, 1H), 7.66 (br t, J = 8.4 Hz, 1H).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-[3-(メトキシカルボニル)フェノキシ]ピロリジン-2-カルボン酸メチル(20.3 mg, 40.8 μmol) に6 M塩酸(0.6 mL)を加え、110 ℃にて7時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(Ic)(13 mg, 100%) を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.19 (dd, J = 10 and 15.2 Hz, 1H), 2.34 (dd, J = 6.4 and 15.2 Hz, 1H), 3.0 (br m, 1H), 3.55 (s, 2H), 3.84 (s, 1H), 4.83 (s, 1H), 6.94 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.17 (S, 1H), 7.20 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8 Hz, 1H).
(実施例7)
実施例7では、以下に示す方法により、(2S,3R,4S)-3-(カルボキシメチル)-4-(4-カルボキシ-2-メトキシフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸(Id)を合成した。
1)光延反応工程
Figure 2007142028
上記の光延反応工程を行った。すなわち、4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸メチル(28.1 mg, 154 μmol)のトルエン溶液(200 μL)にトリフェニルホスフィン(44.7 mg,170 μmol)を加え,反応溶液を80 ℃に昇温したのち、(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (50 mg, 137 μmol)とアゾジカルボン酸ジイソプロピル(35.6 μL, 181 μmol) のトルエン(800 μL)溶液をゆっくり滴下し、さらに20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後,減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60, ヘキサン/酢酸エチル = 3/2),薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm,トルエン/メタノール = 9/1),薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm,ヘキサン/酢酸エチル= 3/2)にて順次精製して目的化合物(38.4 mg, 53%)を得た。以下、この化合物のTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.23 (シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル= 3/2)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.41 and 1.44 (s, 9H), 2.34 (dd, J = 8.4 and 15.7 Hz) and 2.43 (dd, J = 6.9 and 15.7 Hz) and 2.51 (dd, J = 6.8 and 16.2 Hz) and 2.59 (dd, J = 6.3 and 16.2 Hz) (2H), 3.11〜3.19 and 3.22〜3.3 (complex, 1H), 3.68 and 3.80 and 3.86 and 3.88 and 3.90 (s, 9H), 3.78〜3.84 (complex) and 3.86〜3.94 (complex), 4.22〜4.28 (m), 4.37 (br s), 4.72 (d, J = 5.6 Hz), 4.81〜4.89 (complex, 1H), 6.88 (br d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.34〜7.48 (complex, 4H), 7.52〜7.66 (complex, 3H).
2)脱保護反応
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(4-メトキシカルボニル-2-メトキシフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(34.7 mg, 65.8 μmol) に6 M塩酸(2 mL)を加え、110 ℃にて16時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(Id)(12.9 mg, 58%) を得た。以下、この化合物の1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.27 (dd, J = 9.6 and 15.7 Hz, 1H), 2.44 (dd, J = 5.7 and 15.7 Hz, 1H), 2.93〜3.02 (br m, 1H), 3.52〜3.61 (m, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.84 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 4.88 (br, 1H), 6.92 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 1.9 and 8.1 Hz, 1H), 7.36 (br, 1H).
(実施例8)
実施例8では,以下に示す方法により,(2S,3R,4S)-3-カルボキシメチル-4-(2-カルボキシ-4-メチルフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸(Ie)を合成した.
1)カップリング工程
Figure 2007142028
まず,上記の光延反応を行った.すなわち,アルゴン雰囲気下,(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル(38.0 mg, 105 μmol)のTHF溶液(0.9 mL)にトリフェニルホスフィン(69.0 mg, 263 μmol)と2-ヒドロキシ-5-メチル安息香酸メチル(30.3 μL, 210 μmol)を加えた.反応溶液に室温でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(54.5 μL, 277 μmol)を滴下し,室温で16時間攪拌した.反応溶液を減圧濃縮し,残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 60,ヘキサン/酢酸エチル=3/2)におよび薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 60,ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて順次精製してカップリング生成物(13.1 mg, 24%)を得た.以下にTLC及び1H NMRのデータを示す.
TLC: Rf = 0.25 (シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル=2/1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): (two rotamers)δ(ppm) 1.40 and 1.43 (s, 9H), 2.28 and 2.31 (s, 3H), 2.25〜2.37 (m), 2.44 (dd, J = 6.5 and 15.7 Hz) and 2.54〜2.8 (m) (2H), 3.08〜3.17 and 3.21〜3.3 (complex, 1H), 3.63, 3.78, 3.87, and 3.88 (s, 3H), 3.81〜3.93 (complex), 4.29 (dd, J = 5.6 and 14.2 Hz), 4.36 (br), 4.66〜4.74 (complex), 6.80 (d, J = 8.3 Hz) and 6.83 (d), 7.15〜7.62 (complex).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に,脱保護工程として上記の反応を行った.すなわち,(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-tert-ブトキシカルボニルメチル-4-(2-メトキシカルボニル-4-メチルフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(13.1 mg, 25.6 μmol)に6 M塩酸(1 mL)を加え,110 ℃にて8時間加熱還流させた.室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し,凍結乾燥させたのち,残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(Ie)(8.0 mg, 97%)を得た.以下にTLC及び1H NMRのデータを示す.
TLC: Rf = 0.76 (逆相,アセトニトリル/水=2/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.09 (s, 3H), 2.27 (dd, J = 9.2 and 15.7 Hz, 1H), 2.45 (dd, J = 5.7 and 15.7 Hz, 1H), 2.86〜2.95 (m, 1H), 3.44 (m, 1H), 3.53 (br d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.82 (dd, J = 1.3 and 4.8 Hz, 1H), 4.6 (1H), 6.80 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H).
<置換フェノキシピロリジン類縁体(II)の合成>
下記反応式に従って、第2発明のピロリジン類縁体である、置換フェノキシピロリジン類縁体(14)(この化合物は、前述した一般式(II)の範疇に含まれる化合物である)を合成することができる。
Figure 2007142028
1)光延反応工程
市販のtrans-4-ヒドロキシ-L-プロリンより調整した化合物(12)とトリフェニルホスフィン,市販もしくは文献既知の方法で合成したフェノール誘導体(6)のTHFまたはDMF溶液に室温でアゾジカルボン酸ジアルキルを数分から1時間かけて滴下した後、室温から50 ℃にて反応させることでカップリング化合物(13)が得られる。
また、別の合成法として、フェノール誘導体(6)とトリフェニルホスフィンのトルエン溶液を60 ℃から90 ℃に加熱しながら化合物(12)とアゾジカルボン酸ジアルキルのトルエンの溶液を1から数時間かけて滴下し反応させることで(13)が得られる。フェノール誘導体の酸性が低い場合は後者の方法がより望ましい。
2)脱保護反応
上記光延反応工程で合成した化合物(13)に6 Mから12 Mの塩酸を加え、100 ℃から110 ℃にて数時間から24時間加熱還流させることで脱保護をした化合物(14)が得られる。(13)のベンゼン環上にアミド基など酸加水分解に弱い置換基が存在する場合,R1がtert-ブトキシカルボニル基であれば、(13)をメタノールに溶解し、水酸化リチウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて数時間から数日間反応させ,メチルエステルを加水分解する。続いて,得られた化合物に0 ℃にてトリフルオロ酢酸を加え、室温に昇温して30分から2時間反応させることで脱保護体が得られる。R1がベンジルオキシカルボニル基であれば,パラジウム触媒による水素化分解によりアミノ基の脱保護をしたのち,アルカリ加水分解によって目的の脱保護体が得られる.
光延反応工程を利用した上記の置換フェノキシピロリジン類縁体(II)の合成方法について、さらに具体的に反応を行った実施例9〜12について詳述する。
(実施例9)
実施例9では、以下に示す方法により、(2S,4S)-4-(4-カルボキシフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸(IIa)を合成した。
1)光延反応工程
Figure 2007142028
まず、上記の光延反応工程を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、(2S,4R)-1-ベンゾイル-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (68.7 mg, 276 μmol)のTHF溶液(500 μL)にトリフェニルホスフィン(181 mg, 690 μmol)と4-ヒドロキシ安息香酸メチル(84.0 mg, 552 μmol)を加えた。反応溶液に室温でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(143 μL, 726 μmol) をゆっくり滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60, ヘキサン/酢酸エチル = 2/3)および薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm, トルエン/メタノール = 9/1)にて順次精製して目的化合物(86.4 mg, 82%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.26 (シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル = 2/3)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) :(two rotamers) δ(ppm) 2.44〜2.55 (m, 1H), 2.55〜2.69 (m, 1H), 3.66 and 3.78 and 3.89 (s, 6H), 3.81〜3.99 (complex), 4.2〜4.29 (m), 4.52 (br d, J = 8.4 Hz), 4.95〜5.11 (complex), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H) 7.35〜7.48 (m, 4H), 7.56 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.98 (br t, J = 8.4 Hz, 2H).
2)脱保護反応
Figure 2007142028
次に、上記の脱保護反応を行った。すなわち、(2S,4S)-1-ベンゾイル-4-[4-(メトキシカルボニル)フェノキシ]ピロリジン-2-カルボン酸メチル (36.2 mg, 94.4 μmol) に6 M塩酸(2 mL)を加え、110 ℃にて5時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IIa)(23.2 mg, 98%) を得た。以下に1H NMRのデータを示す。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.39〜2.44 (br m, 2H), 3.41 (dd, J = 4 and 13.2 Hz, 1H), 3.59 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.13 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 5.1 (br, 1H), 6.81 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.72 (d, J = 8.8 Hz, 2H).
(実施例10)
実施例10では、下記反応式に示す方法により、(2S,4S)-4-(2-カルボキシ-4-メチルフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸(IIb)を合成した。
光延反応工程
Figure 2007142028
まず、上記の光延反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、(2S,4R)-1-ベンゾイル-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル(40.0 mg, 160 μmol)のTHF溶液(400 μL)にトリフェニルホスフィン(105 mg, 400 μmol)と2-ヒドロキシ-5-メチル安息香酸メチル(46.1 μL, 320 μmol)を加えた.反応溶液に室温でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(79.6 μL, 404 μmol) をゆっくり滴下し、室温で40分間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm,ヘキサン/酢酸エチル= 1/2,4度展開)にて精製して目的化合物 (41.1 mg, 65%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.29 (シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル= 1/2)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 2.30 (s, 3H), 2.43〜2.73 (complex, 2H), 3.66 and 3.79 and 3.88 (s, 6H), 3.78〜4.0 (complex), 4.2〜4.30 (dd, J = 5.4 and 13.4 Hz), 4.51 (br d, J = 8.8 Hz), 4.81〜4.89 (m), 4.94〜5.02 (m, 1H), 6.75 (d, J = 8.3 Hz) and 6.77 (d) (1H), 7.19〜7.3 (m), 7.35〜7.48 (m), 7.55〜7.63 (m, 2H).
2)脱保護反応
Figure 2007142028
次に、上記の脱保護反応を行った。すなわち、(2S,4S)-1-ベンゾイル-4-(2-メトキシカルボニル-4-メチルフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル (27.1 mg, 68.2 μmol)に6 M塩酸(1 mL)を加え、110 ℃にて6時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IIb)(15.4 mg, 85%) を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.48 (逆相, 水/アセトニトリル = 2/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.08 (s, 3H), 2.24〜2.32 (complex, 1H), 2.43〜2.53 (ddd, J = 4.9, 10.6 and 14.9 Hz, 1H), 3.31 (dd, J = 4.1 and 12.9 Hz, 1H), 3.56 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 4.08 (dd, J = 4.6 and 10.6 Hz, 1H), 4.88 (br, 1H), 6.73 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 8.3 Hz,1H), 7.18 (s,1H).
(実施例11)
実施例11では、下記反応式に示す方法により、(2S,4S)-4-(2-ブロモ-4-カルボキシフェノキシ)ピロリジン-2-カルボン酸(IIc)を合成した。
1)光延反応
Figure 2007142028
まず、上記の光延反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、(2S,4R)-1-ベンゾイル-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (42.3 mg, 170 μmol)のTHF溶液(500 μL)にトリフェニルホスフィン(111 mg, 423 μmol)と3-ブロモ-4-ヒドロキシ安息香酸メチル(78.6 mg, 340 μmol)を加えた.反応溶液に室温でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(88.0 μL, 447 μmol) をゆっくり滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル = 1/3)および薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm,トルエン/メタノール/クロロホルム= 8/1/1)にて順次精製して目的化合物 (77.7 mg, 99%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.37 (シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル= 1/3)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 2.52〜2.8 (complex, 2H), 3.73 and 3.82 and 3.89 (s, 6H), 3.89〜4.03 (complex), 4.31〜4.39 (br dd, J = 5.4 and 14.2 Hz), 4.58 (d, J = 8.5 Hz), 4.96〜5.03 (complex), 5.06〜5.13 (complex), 6.75 (d, J = 9.0 Hz) and 6.81 (d, J = 8.8 Hz) (1H), 7.36〜7.49 and 7.56〜7.62 (complex, 5H), 7.9〜8.0 (m, 1H), 8.24 (d, J = 2.0 Hz, 1H).
2)脱保護反応
Figure 2007142028
次に、上記の脱保護反応を行った。すなわち、(2S,4S)-1-ベンゾイル-4-[2-ブロモ-4-(メトキシカルボニル)フェノキシ]ピロリジン-2-カルボン酸メチル (33.2 mg, 71.8 μmol)に6 M塩酸(2 mL)を加え、110 ℃にて5時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IIc)(16.7 mg, 70%) を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.71 (逆相, 水/アセトニトリル = 1/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.4〜2.51 (complex, 2H), 3.42 (dd, J = 3.9 and 13.2 Hz, 1H), 3.61 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.14 (dd, J = 4.7 and 8.9 Hz, 1H), 5.05 (br s, 1H), 6.81 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 2 and 8.5 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 2 Hz, 1H).
(実施例12)
実施例12では、下記反応式に示す方法により、(2S,4S)-4-[3-カルボキシ-5-(メチルカルバモイル)フェノキシ]ピロリジン-2-カルボン酸(IId)を合成した。
1)光延反応
Figure 2007142028
まず、上記の光延反応を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、(2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (40 mg,163 μmol)のTHF溶液(1 mL)にトリフェニルホスフィン(107 mg, 408 μmol)と5-ヒドロキシ-3-(メチルカルバモイル)安息香酸メチル(68.2 mg, 326 μmol)を加えた.反応溶液に室温でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(84.5 μL, 429 μmol) をゆっくり滴下し、室温で10時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60, ヘキサン/酢酸エチル = 1/1から1/3)および薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60, 0.5 mm,トルエン/メタノール= 9/1)にて順次精製して目的化合物 (46.2 mg, 65%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.15 (シリカゲル, トルエン/メタノール= 9/1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.43 and 1.48 (s, 9H), 2.44〜2.59 (complex, 2H), 3.01〜3.06 (m, 3H), 3.65〜3.85 (complex, 5H), 3.93 (s, 3H), 4.45 (dd, J = 2.7 and 8.5 Hz) and 4.57 (dd, J = 3.7 and 7.6 Hz) (1H), 4.98〜5.07 (m, 1H), 6.27 (br s, 1H), 7.51 (br s, 1H), 7.57 (br, 1H), 7.92 (br, 1H).
2)脱保護反応
Figure 2007142028
次に、上記の脱保護反応を行った。すなわち、(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-[3-(メトキシカルボニル)-5-(メチルカルバモイル)フェノキシ]ピロリジン-2-カルボン酸メチル(39.2 mg, 89.8 μmol)をメタノール(200 μL)に溶解し,1 M水酸化ナトリウム(198 μL)を加え、室温で16時間攪拌した。さらに1 M水酸化ナトリウム(27 μL)を加え7時間攪拌したのち,反応溶液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて酸性にした。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(逆相,メタノール/水= 2/1)にて精製してカルボン酸体(27.0 mg, 74%)を得た。TLC: Rf = 0.70 (逆相, メタノール/水= 2/1)。
こうして得られたカルボン酸体(20 mg, 49 μmol)に0 ℃にてトリフルオロ酢酸(1 mL)を加え,2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し,残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IId)(14.1 mg, 93%) を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.63 (逆相,メタノール/水= 2/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.4〜2.46 (m, 2H), 2.73 (s, 3H), 3.43 (dd, J = 3.9 and 12.9 Hz, 1H), 3.61 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 4.14 (dd, J = 6.2 and 6.8 Hz, 1H), 5.09〜5.13 (br 1H), 7.18 (dd, J = 1.6 and 2.4 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 1.2 and 2.4 Hz, 1H), 7.62 (br, 1H).
<置換フェニルチオピロリジン類縁体(III)の合成(その1)>
下記反応式に従って、第3発明のピロリジン類縁体である、置換フェニルチオピロリジン類縁体(17)(この化合物は一般式(III)の範疇に含まれる化合物である)を合成することができる。
Figure 2007142028
(カップリング工程)
すなわち、まずカップリング工程として、4-ヒドロキシプロリン誘導体(1)とトリブチルホスフィン,および,市販もしくは文献既知の方法で合成した置換ジフェニルジスルフィド(15)のTHFまたはDMF溶液を加熱して反応させることでカップリング化合物(16)を得る。
(脱保護工程)
次に、脱保護工程として、上記カップリング工程で合成した化合物(16)に6 Mから12 Mの塩酸を加え、100 ℃から110 ℃にて数時間から24時間加熱還流させることで脱保護をした化合物(17)が得られる。化合物(16)のベンゼン環上にアミド基など酸加水分解に弱い置換基が存在する場合、R1がtert-ブトキシカルボニル基であれば、化合物(16)をメタノールに溶解し、水酸化リチウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて数時間から数日間反応させ,メチルエステルを加水分解する。続いて、得られた化合物に0 ℃にてトリフルオロ酢酸を加え、室温に昇温して30分から2時間反応させることで脱保護体が得られる。R1がベンジルオキシカルボニル基であれば、パラジウム触媒による水素化分解によりアミノ基の脱保護をしたのち,アルカリ加水分解によって目的の脱保護体が得られる。
上記の置換フェニルチオピロリジン類縁体(III)(その1)の合成方法について、さらに具体的に反応を行った実施例13〜16について詳述する。
(実施例13)
実施例13では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)-3-(カルボキシメチル)-4-(4-メトキシフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸(IIIa)を合成した。
1)カップリング工程
Figure 2007142028
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (57.5 mg, 158 μmol)のTHF溶液(1 mL)に1,2-ビス(4-メトキシフェニル)ジスルファン(132 mg, 474 μmol)とトリブチルホスフィン(118 μL, 474 μmol)を加え,反応溶液を80 ℃にて20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後,水を加え,生成物を酢酸エチルで抽出したのち減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製して目的化合物 (64.9 mg, 85%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.47 (シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル = 2/1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.41 and 1.47 (s, 9H), 2.70 (dd, J = 5.2 and 17.2 Hz, 1H) 2.86 (dd, J = 9.2 and 17.2 Hz, 1H), 2.9〜3.01 (m, 1H), 3.46 (br s), 3.55 (br d, J = 10 Hz), 3.74 and 3.80 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.83〜3.97 (complex, 2H), 4.47 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 8.8 Hz) and 6.87 (d, J = 8.8 Hz) (2H), 7.17 (dt, J = 2 and 8.8 Hz, 2H), 7.34〜7.46 (complex, 3H), 7.55 (m, 2H).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(4-メトキシフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(35.8 mg, 73.7 μmol) に6 M塩酸(2 mL)を加え、110 ℃にて3時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IIIa) (19.1 mg, 83%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.72 (逆相, アセトニトリル/水= /1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.55 (dd, J = 10.6 and 16.8 Hz, 1H), 2.72 (dd, J = 4 and 16.8 Hz, 1H), 2.72〜2.81 (m, 1H), 3.23 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.43 (dd, J = 5.2 and 12.8 Hz, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.77 (d, J = 10 Hz, 1H), 3.98 (br, 1H), 6.80 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.8 Hz, 2H).
(実施例14)
実施例14では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)-3-(カルボキシメチル)-4-(4-メチルフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸(IIIb)を合成した。
1)カップリング工程
Figure 2007142028
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル(54.8 mg, 151 μmol)のTHF溶液(1 mL)に1,2-ビス(4-メチルフェニル)ジスルファン(109 mg, 442 μmol)とトリブチルホスフィン(113 μL, 453 μmol)を加え,反応溶液を80 ℃にて48時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後,水を加え,生成物をジクロロメタンで抽出したのち減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製して目的化合物 (43 mg, 61%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.27 (シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル=2/1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.40 and 1.46 (s, 9H), 2.27 and 2.34 (s, 3H), 2.69 (dd, J = 5.6 and 17.2 Hz, 1H), 2.86 (dd, J = 9.4 and 17.2 Hz, 1H), 2.92〜3.03 (m, 1H), 3.46 (br s), 3.58 (br d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.88〜3.98 (complex), 4.46 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.13 (br d, J = 8.2 Hz), 7.33〜7.46 (complex), 7.52〜7.57(m).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(4-メチルフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(36.4 mg,77.5 μmol) に6 M塩酸(2 mL)を加え、110 ℃にて5時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IIIb)(23 mg, 100%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.71 (逆相, アセトニトリル/水= 1/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.13 (s, 3H), 2.57 (dd, J = 10.4 and 17.2 Hz, 1H), 2.73 (dd, J = 4.6 and 17.2 Hz, 1H), 2.76〜2.84 (m, 1H), 3.23 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 3.47 (dd, J = 5.4 and 12.4 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.06 (br, 1H), 7.05 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8 Hz, 2H).
(実施例15)
実施例15では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)-3-(カルボキシメチル)-4-(2-メトキシフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸(IIIc)を合成した。
1)カップリング工程
Figure 2007142028
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (60.3 mg, 166 μmol)のTHF溶液(1 mL)に1,2-ビス(2-メトキシフェニル)ジスルファン(139 mg, 499 μmol)とトリブチルホスフィン(124 μL, 498 μmol)を加え,反応溶液を80 ℃にて20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後,水を加え,生成物を酢酸エチルで抽出したのち減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル= 2/1)にて精製して目的化合物 (70.3 mg, 87%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.47 (シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル = 2/1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.38 and 1.44 (s, 9H), 2.66 (dd, J = 5.6 and 16.8 Hz, 1H), 2.89〜3.05 (complex), 3.47 (br s), 3.59 (dd, J = 2.6 and 11.4 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.79 (s, 3H) 3.86〜4.03 (complex), 4.04〜4.1 (m), 4.50 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.76〜6.81 and 6.88〜6.95 (m), 7.19〜7.25 (complex), 7.33〜7.43 (complex), 7.53 (br d, J = 7.6 Hz, 2H).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、カップリング工程で得られた(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(2-メトキシフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(45.9 mg, 94.5 μmol) に6 M塩酸(2 mL)を加え、110 ℃にて3時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IIIc)(27.6 mg, 94%) を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.72 (逆相,アセトニトリル/水= 1/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ (ppm) 2.44 (dd, J = 10.8 and 16.6 Hz, 1H), 2.57 (dd, J = 4.4 and 16.6 Hz, 1H), 2.68〜2.78 (m, 1H),3.15 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.40 (dd, J = 5.2 and 12.8 Hz, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.77 (d, J = 10 Hz, 1H), 4.10 (br, 1H), 6.80 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.20 (br t, 1H), 7.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H).
(実施例16)
実施例16では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)-3-(カルボキシメチル)-4-(3-ブロモフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸(IIId)を合成した。
1)カップリング工程
Figure 2007142028
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (52.0 mg, 143 μmol)のTHF溶液(1 mL)に1,2-ビス(3-ブロモフェニル)ジスルファン(161 mg, 428 μmol)とトリブチルホスフィン(107 μL, 429 μmol)を加え,反応溶液を80 ℃にて21時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後,水を加え,生成物をジクロロメタンで抽出したのち減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル= 2/1)にて精製して目的化合物 (49 mg, 64%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.27 (シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル = 2/1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.39 and 1.45 (s, 9H), 2.71 (dd, J = 5.6 and 17.6 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 9.6 and 17.6 Hz, 1H), 2.97〜3.06 (complex, 1H), 3.49 (s), 3.58 (dd, J = 2.2 and 11.4 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.96 (dd, J = 4.6 and 11.4 Hz, 1H), 4.01〜4.07 (m), 4.46 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.06 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.16 (br dt, J = 8.4 Hz, 1H), 7.31〜7.34 (m), 7.37〜7.46 (complex), 7.52〜7.57 (m, 2H).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として、上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-(3-ブロモフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル29.6 mg, 55.4 μmol) に6 M塩酸(2 mL)を加え、110 ℃にて3時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IIId)(16.7 mg, 84%) を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.67 (逆相,アセトニトリル/水= 1/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.47 (dd, J = 10.8 and 17.2 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 4.2 and 17.2 Hz, 1H), 2.76〜2.85 (m, 1H), 3.24 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.51 (dd, J = 5.0 and 12.8 Hz, 1H), 3.77 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.14 (br, 1H), 7.08 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H).
<置換フェニルチオピロリジン類縁体(III)の合成(その2)>
第3発明のピロリジン類縁体である、置換フェニルチオピロリジン類縁体(17)(この化合物は一般式(III)の範疇に含まれる化合物である)は、光延反応を利用した下記反応式に従って合成することもできる。
Figure 2007142028
(光延反応)
すなわち、まず光延反応として、化合物(1)とトリフェニルホスフィン,市販もしくは文献既知の方法で合成したチオフェノール誘導体(18)のTHFまたはDMFまたはトルエン溶液に室温でアゾジカルボン酸ジアルキルエステルを数分から1時間かけて滴下した後、室温から50 ℃にて反応させることでカップリング化合物(16)が得られる。
(脱保護工程)
次に、脱保護工程として、実施例13〜16と同様、酸により保護基を外して置換フェニルチオピロリジン類縁体(17)を得る。
上記の置換フェニルチオピロリジン類縁体(17)(その2)の合成方法について、さらに具体的に反応を行った実施例17について詳述する。
(実施例17)
実施例17では、以下に示す方法により、(2S,3R,4R)-3-カルボキシメチル-4-(4-ブロモフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸(IIIe)を合成した。
1)光延反応
Figure 2007142028
アルゴン雰囲気下、(2S,3R,4S)-1-ベンゾイル-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル (56.8 mg, 156 μmol)のTHF溶液(1 mL)にトリフェニルホスフィン(102 mg, 389 μmol)および4-ブロモチオフェノール(62.0 mg, 328 μmol)を加えた.この溶液にアゾジカルボン酸ジイソプロピル(81 μL, 411 μmol) をゆっくり滴下し,室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル = 2/1)および薄層クロマトグラフィー(2回,シリカゲル60, 0.5 mm, トルエン/メタノール = 9/1およびヘキサン/酢酸エチル = 3/1)にて順次精製して目的化合物 (40 mg, 48%)を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.34 (シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル = 2/1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : (two rotamers) δ(ppm) 1.39 and 1.45 (s, 9H), 2.70 (dd, J = 5.6 and 17.6 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 9.2 and 17.6 Hz, 1H), 2.95〜3.05 (m, 1H), 3.48 (br), 3.58 (br dd, J = 2 and 11.2 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.92〜4.03 (complex), 4.46 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.35〜7.47 (m), 7.52〜7.57 (m).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に、脱保護工程として上記の反応を行った。すなわち、(2S,3R,4R)-1-ベンゾイル-4-(4-ブロモフェニルチオ)-3-(tert-ブトキシカルボニルメチル)ピロリジン-2-カルボン酸メチル (36.2 mg, 67.7 μmol)に6 M塩酸(2 mL)を加え、110 ℃にて3時間加熱還流させた。室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し、凍結乾燥させたのち、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IIIe)(21.7 mg, 89%) を得た。以下にTLC及び1H NMRのデータを示す。
TLC: Rf = 0.72 (逆相, アセトニトリル/水= 1/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.39 (dd, J = 11.4 and 16.2 Hz, 1H), 2.62 (dd, J = 4.2 and 16.2 Hz, 1H), 2.72〜2.84 (m, 1H), 3.21 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 3.46 (dd, J = 4.8 and 12.4 Hz, 1H), 3.76 (d, J = 10 Hz, 1H), 4.09 (br, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 8.4 Hz, 2H).
<置換フェニルチオピロリジン類縁体(III)の合成(その3)>
第3発明のピロリジン類縁体である、置換フェニルチオピロリジン類縁体(17)(この化合物は一般式(III)の範疇に含まれる化合物である)は、下記反応式に従って合成することもできる。
Figure 2007142028
すなわち、まず脱離基導入工程として、ピロリジン誘導体(1)の水酸基をアニオン脱離容易な置換基(例えば,メシル基,トシル基など)に変換する。次に、脱離基導入工程において導入された置換基をフェニルチオラート又はフェニルチオラート誘導体と置換してチオエーテル誘導体とする。さらに、脱保護工程として、チオエーテル誘導体のエステル基及びシアノ基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う。
(実施例18)
実施例18では、上記の置換フェニルチオピロリジン類縁体(III)(その3)の合成方法に基づき、フェニルチオラートを用いて(2S,3R,4R)-3-カルボキシメチル-4-フェニルチオピロリジン-2-カルボン酸(IIIf)(下記構造式参照)を合成した。
Figure 2007142028
<置換フェニルチオピロリジン類縁体(IV)の合成>
下記反応式に従って、第4発明のピロリジン類縁体である、置換フェニルチオピロリジン類縁体(20)(この化合物は、前述した一般式(IV)の範疇に含まれる化合物である)を合成することができる。
Figure 2007142028
(カップリング工程)
すなわち、まずカップリング工程として、4-ヒドロキシプロリン誘導体(9)とトリブチルホスフィン,および,市販もしくは文献既知の方法で合成した置換ジフェニルジスルフィド(15)のTHFまたはDMF溶液を加熱して反応させることでカップリング化合物(19)を得る。
(脱保護工程)
次に、脱保護工程として、上記カップリング工程で合成した化合物(19)に6 Mから12 Mの塩酸を加え、100 ℃から110 ℃にて数時間から24時間加熱還流させることで脱保護をした化合物(20)が得られる。化合物(19)のベンゼン環上にアミド基など酸加水分解に弱い置換基が存在する場合、R1がtert-ブトキシカルボニル基であれば、化合物(19)をメタノールに溶解し、水酸化リチウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて数時間から数日間反応させ,メチルエステルを加水分解する。続いて、得られた化合物に0 ℃にてトリフルオロ酢酸を加え、室温に昇温して30分から2時間反応させることで脱保護体が得られる。R1がベンジルオキシカルボニル基であれば、パラジウム触媒による水素化分解によりアミノ基の脱保護をしたのち,アルカリ加水分解によって目的の脱保護体が得られる。
<置換フェニルチオピロリジン類縁体(IV)の合成(その2)>
第4発明のピロリジン類縁体である、置換フェニルチオピロリジン類縁体(20)(20は一般式(IV)に含まれる類縁体)は、光延反応を利用した下記反応式に従って合成することもできる。
Figure 2007142028
(光延反応)
すなわち、まず光延反応として、化合物(9)とトリフェニルホスフィン,市販もしくは文献既知の方法で合成したチオフェノール誘導体(18)のTHFまたはDMFまたはトルエン溶液に室温でアゾジカルボン酸ジアルキルエステルを数分から1時間かけて滴下した後、室温から50 ℃にて反応させることでカップリング化合物(19)が得られる。
(脱保護工程)
次に、脱保護工程として、実施例13〜16と同様、酸により保護基を外して置換フェニルチオピロリジン類縁体(20)を得る。
上記の置換フェニルチオピロリジン類縁体(IV)(その1)の合成方法について、さらに具体的に反応を行った実施例19について詳述する。
(実施例19)
実施例19では,以下に示す方法により,(2S,4R)-4-(4-メチルフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸(IVa)を合成した.
1)カップリング工程
Figure 2007142028
アルゴン雰囲気下,(2S,4S)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチル(40.3 mg, 164 μmol)のTHF溶液(1 mL)に,ジ-p-トリル ジスルフィド(124 mg, 503 μmol)とトリブチルホスフィン(123 μL, 494 μmol)を加え,反応溶液を80 ℃にて22時間攪拌した.反応液を室温まで冷却後,水を加え,生成物を酢酸エチルで抽出したのち減圧濃縮し,残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製して上記カップリング生成物(54.0 mg, 94%)を得た.以下にTLC及び1H NMRのデータを示す.
TLC: Rf = 0.30 (シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル=4/1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): (two rotamers)δ(ppm) 1.40 and 1.45 (s, 9H), 2.15〜2.30 (m, 2H), 2.34 and 2.35 (s, 3H), 3.36 (dd, J = 6.5 and 10.8 Hz) and 3.44 (dd, J = 6.3 and 11.1 Hz) (1H), 3.68〜3.77 (complex, 1H), 3.72 and 3.72 (s, 3H), 3.83 (dd, J = 6.8 and 10.8 Hz) and 3.87 (dd, J = 6.7 and 11.1 Hz) (1H), 4.34 (t, J = 6.6 Hz) and 4.43 (dd, J = 4.6 and 8.1 Hz) (1H), 7.12 (d, J = 7.8 Hz) and 7.14 (d, J = 7.8 Hz) (2H), 7.32 (d, J = 7.8 Hz, 2H).
2)脱保護工程
Figure 2007142028
次に,脱保護工程として上記の反応を行った.すなわち,(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(4-メチルフェニルチオ)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(41.6 mg, 118 μmol)に6 M塩酸(2 mL)を加え,110 ℃にて5時間加熱還流させた.室温に冷却した反応溶液をクロロホルムにて洗浄し,凍結乾燥させたのち,残渣をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex 50WX8)にて精製して目的化合物(IVa)(21.6 mg, 77%)を得た.以下にTLC及び1H NMRのデータを示す.
TLC: Rf = 0.59 (逆相,アセトニトリル/水=1/1)
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.13 (s, 3H), 2.15〜2.26 (m, 2H), 3.1 (dd, J = 4.3 and 12.4 Hz, 1H), 3.48 (dd, J = 6.1 and 12.4 Hz, 1H), 3.8〜3.87 (m, 1H), 4.15 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.2 Hz, 2H).
(比較例1〜4)
比較例1〜4では、下記構造式の化合物を合成した。
Figure 2007142028
これらの化合物は、置換フェノキシピロリジン類縁体(I),(III)の合成と同様の方法によって合成した中間体から、以下に示す合成経路によって得た。
(比較例1)
Figure 2007142028
(比較例2)
Figure 2007142028
(比較例3)
Figure 2007142028
(比較例4)
Figure 2007142028
比較例5および6では下記構造式の化合物を合成した。以下にその詳細を述べる。
Figure 2007142028
(比較例5)
比較例5の化合物は,特許文献2に記載の方法に従い、(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(4-トルエンスルフォニルオキシ)ピロリジン-2-カルボン酸エチルとチオフェノールとから調製した(2S,4S)−1-tert-ブトキシカルボニル−4−(フェニルスルファニル)ピロリジン−2−カルボン酸エチルを水酸化ナトリウムで加水分解した後,ジオキサン中の4M塩酸中に溶解し、室温2時間攪拌して脱保護することにより合成した。
Figure 2007142028
(比較例6)
比較例6の化合物は,特許文献2に記載の方法に従い、(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸メチルと3−クロロフェノールとの光延反応により調製した(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(3−クロロフェノキシ)ピロリジン−2−カルボン酸メチルを水酸化リチウムにより加水分解した後,ジオキサン中の4M塩酸中に溶解し、0℃で2時間攪拌して脱保護することにより合成した。
Figure 2007142028
<アロディニア抑制作用の評価>
上記実施例1、5、8、9、13、14、18、19(下記構造式参照)及び上記比較例1〜6のピロリジン類縁体について、アロディニア抑制作用の評価を行った。
Figure 2007142028
評価方法は、ddY-マウス(雄、体重22±2g)を用い、無麻酔下に1×10−15グラムのアクロメリン酸と種々の用量のピロリジン誘導体の溶液5 μlをHylden & Wilcoxの方法(Hylden, J.L.K. and Wilcox, G.L., Intrathecal morphine in mice: a new technique, Eur. J. Pharmacol, 67 (1980) 313-316.) でマウス脊髄腔内に投与した。アロディニアは、一群を6匹とし対照は1×10−15グラムのアクロメリン酸5 μl投与群とした。化合物を脊髄腔内投与後、Yaksh & Harty らの方法(Yaksh, T.L. and Harty, G.J., Pharmacology of the allodynia in rats evoked by high dose intrathecal morphine, J. Pharmacol. Exp. Ther., 244 (1988) 501-507.)と同様に5分毎にアロディニアを50分間観察し0から2のスコアで評価し、対照群に対する割合をパーセントで表した。アロディニアのスコアは、0:変化なし、1:触覚刺激を加えようとする筆から逃げる、啼く、2:触覚刺激により激しく啼く、勢いよく逃げるとした。
結果を図1、図2及び図3に示す。これらの図から、以下のことが判明した。
(1)実施例1、実施例5及び実施例8のように、アクロメリン酸と比較して、4位の置換基が2位のカルボキシ基とシス配置であり、その4位に酸素原子を介してベンゼン環のいずれかの位置にカルボキシ基が結合した芳香族置換基が結合しているピロリジン類縁体は、強いアロディニア抑制作用を示す。これに対し、比較例1〜3にように、アクロメリン酸と比較して4位の置換基が2位のカルボキシ基とシス配置であり、その4位に酸素原子を介して芳香族置換基が結合していても、ベンゼン環にカルボキシ基が結合していないピロリジン類縁体は、アロディニア抑制作用を示さない。
(2)実施例9のように、アクロメリン酸と比較して4位の置換基が2位のカルボキシ基とシス配置であり,その4位に酸素原子を介してベンゼン環のいずれかの位置にカルボキシ基が結合した芳香族置換基が結合しているピロリジン類縁体は、3位の位置にカルボキシメチル基が存在していなくても、強いアロディニア抑制作用を示す。
(3)実施例13、実施例14及び実施例18のように、実施例1と比較して4位の立体配置が逆で、4位の位置に結合する元素が酸素ではなくてイオウであり、このイオウに結合する芳香族置換基にはカルボン酸を有していないピロリジン類縁体は、強いアロディニア抑制作用を示す。これに対して、比較例4のように、実施例1と比較して4位の立体配置が逆で、4位の位置に結合する元素がイオウであり、このイオウに芳香族置換基が結合していても、ベンゼン環にカルボキシ基が結合しているピロリジン類縁体は、アロディニア抑制作用を示さない。
(4)実施例19のように、実施例1と比較して4位の立体配置が逆で、4位の位置に結合する元素が酸素ではなくてイオウであり、このイオウに結合する芳香族置換基にはカルボン酸を有していないピロリジン類縁体は、3位の位置にカルボキシメチル基が存在していなくても、強いアロディニア抑制作用を示す。
(5)また、実施例8、実施例14及び実施例19のピロリジン類縁体は、特許文献1、2に記載の比較例5、6の化合物と比較して、1/100程度のオーダーの投与量で、同等のアロディニア誘発率を抑制することが可能であり、極めて強力なアロディニア抑制作用を奏することが分かった。
なお、上記実施例で使用した化合物に代えて、その塩を用いた場合において同様の効果が得られることは、従来からの技術的常識から当然に推定される。また、上記実施例で使用した化合物のエステル体をプロドラッグとして用いることももちろん可能である。
<分子プローブ官能基結合ピロリジン類縁体>
本発明のピロリジン類縁体及び神経因性疼痛抑制剤において、ベンゼン環に分子プローブ機能を有する官能基を結合させれば、分子プローブ機能を有する置換基を手がかりとして、受容体機能解析を容易に行うことができる。分子プローブ機能を有する置換基としては、蛍光を発する置換基の導入や、H,11C,18F等のアイソトープ元素で標識化した置換基等が挙げられる。
例えば、下記反応式に示す方法によって、ベンゼン環に紫外光反応性のフェニルアジド基と生化学的に検出可能なビオチン基とが置換されている化合物を製造することができる。これを光親和性標識プローブとして、受容体の捕獲・同定等の調査を行うことにより、神経因性疼痛の研究や創薬開発に利用することができる。
Figure 2007142028
あるいは,下記反応式に示す方法によって、ベンゼン環にトリチウムなどの放射性元素が置換されている化合物を製造することができる。これを放射プローブとして、薬物や基質が細胞や生体組織内においてどのように分布するのかや、薬物の受容体に対する結合親和性等の研究に利用することができる。
Figure 2007142028
さらに,下記反応式に示す方法によって、ベンゼン環に11C や18Fなどの陽電子放出同位体が置換されている化合物を製造することができる。これを陽電子放射断層撮影法(PET)のPETプローブとして、生体内での動態解析や基質の受容体占有率を調べる等の研究を行うことにより、神経因性疼痛の研究や創薬開発に利用することができる。
Figure 2007142028
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明は神経因性疼痛の研究及び創薬開発に等に利用可能である。

Claims (20)

  1. 下記一般式(I)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とするピロリジン類縁体(式中、HOOC−φはベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基を示す)。
    Figure 2007142028
  2. 下記一般式(I’)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とする請求項1記載のピロリジン類縁体(式中、ベンゼン環上のカルボキシ基の結合位置はいずれの位置であってもよい)。
    Figure 2007142028
  3. 下記一般式(I)のピロリジン類縁体、該ピロリジン類縁体の塩又は該ピロリジン類縁体のエステルを有効成分とすることを特徴とする神経因性疼痛抑制剤(式中、HOOC−φはベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基を示す)。
    Figure 2007142028
  4. 下記一般式(II)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とするピロリジン類縁体(式中、HOOC−φは4−カルボキシフェニル基を除く、ベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基を示す)。
    Figure 2007142028
  5. 下記一般式(II)のピロリジン類縁体、該ピロリジン類縁体の塩又は該ピロリジン類縁体のエステルを有効成分とすることを特徴とする神経因性疼痛抑制剤(式中、HOOC−φはベンゼン環に少なくとも一つのカルボキシ基が結合した芳香族置換基を示す)。
    Figure 2007142028
  6. 下記一般式(III)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とするピロリジン類縁体(式中、φはフェニル基及び2−メトキシフェニル基を除く、カルボキシ基を有さない芳香族置換基を示す)。
    Figure 2007142028
  7. 下記一般式(III)のピロリジン類縁体、該ピロリジン類縁体の塩又は該ピロリジン類縁体のエステルを有効成分とすることを特徴とする神経因性疼痛抑制剤(式中、φはカルボキシ基を有さない芳香族置換基を示す)。
    Figure 2007142028
  8. 下記一般式(III')のピロリジン類縁体、該ピロリジン類縁体の塩又は該ピロリジン類縁体のエステルを有効成分とすることを特徴とする請求項7記載の神経因性疼痛抑制剤(式中、Rはカルボキシ基を除く、水素又は水素以外の置換基を示し、Rの結合位置はいずれの位置であってもよい)。
    Figure 2007142028
  9. 下記一般式(IV)の化合物、該化合物の塩又は該化合物のエステルであることを特徴とするピロリジン類縁体(式中、φは芳香族置換基を示す)。
    Figure 2007142028
  10. 下記一般式(IV)のピロリジン類縁体、該ピロリジン類縁体の塩又は該ピロリジン類縁体のエステルを有効成分とすることを特徴とする請求項9記載の神経因性疼痛抑制剤(式中、φは芳香族置換基を示す)。
    Figure 2007142028
  11. ベンゼン環に分子プローブ機能を有する官能基が結合していることを特徴とする請求項1、2、4、6又は9のいずれか1項記載のピロリジン類縁体。
  12. ベンゼン環に分子プローブ機能を有する官能基が結合していることを特徴とする請求項5、7、8又は10のいずれか1項記載の神経因性疼痛抑制剤。
  13. 下記一般式(1)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2及びCOORはエステル基を示す)と、下記一般式(2)のベンゼン誘導体(式中、Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、少なくとも一つのシアノ基がXのオルトまたはパラ位に結合している)、下記一般式(2’)のベンゼン誘導体(式中、Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、YはXのオルト位又はパラ位に結合した電子求引基を示し,Y’はカルボキシ基に変換可能であって芳香族求核置換反応を阻害しない置換基でベンゼン環のいずれの位置にあってもよいが、Yがシアノ基の場合はY’がなくてもよい)又はそれらのベンゼン誘導体のベンゼン環にさらに芳香族求核置換反応を阻害しない他の置換基が結合した誘導体とを塩基性条件下で芳香族求核置換反応を行う求核置換工程と、
    該求核置換工程後にエステル基及びシアノ基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う脱保護工程と、
    を備えることを特徴とする請求項3記載のピロリジン類縁体の製造方法。
    Figure 2007142028
  14. 下記一般式(5)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2及びCOORはエステル基を示す)と、下記一般式(6)のフェノール誘導体(式中、R’はカルボキシ基に変換可能であって光延反応を阻害しない置換基を示し、Z’は光延反応を阻害しない置換基(水素も含む)を示す)とを光延反応させて立体反転したエーテル誘導体とする光延反応工程と、
    該エーテル誘導体のエステル基の加水分解と、R1の脱保護反応と、該置換基R’のカルボキシ基への変換とを行う脱保護工程と、
    を備えることを特徴とする請求項3記載のピロリジン類縁体の製造方法。
    Figure 2007142028
  15. 下記一般式(9)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2はエステル基を示す)と、下記一般式(2)のベンゼン誘導体(式中、Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、少なくとも一つのシアノ基がXのオルトまたはパラ位に結合している)又は下記一般式(2’)のベンゼン誘導体(式中、Xは芳香族求核置換反応により脱離可能な置換基を示し、YはXのオルト位又はパラ位に結合した電子求引基を示し、Y’はカルボキシ基に変換可能であって芳香族求核置換反応を阻害しない置換基でベンゼン環のいずれの位置にあってもよいが、Yがシアノ基の場合はY’がなくてもよい)又はそれらのベンゼン誘導体のベンゼン環にさらに芳香族求核置換反応を阻害しない他の置換基が結合した誘導体とを塩基性条件下で芳香族求核置換反応を行う求核置換工程と、
    該求核置換工程後にエステル基及びシアノ基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う脱保護工程と、
    を備えることを特徴とする請求項5記載のピロリジン類縁体の製造方法。
    Figure 2007142028
  16. 下記一般式(12)で示されるピロリジン誘導体(12)と、下記一般式(6)で示されるフェノール誘導体(式中、R’はカルボキシ基に変換可能であって光延反応を阻害しない置換基を示し、Z’は光延反応を阻害しない置換基(水素も含む)を示す)とを光延反応させて立体反転したエーテル誘導体とする光延反応工程と、
    該エーテル誘導体のエステル基の加水分解と、R1の脱保護反応と、該置換基R’のカルボキシ基への変換とを行う脱保護工程と、
    を備えることを特徴とする請求項5記載のピロリジン類縁体の製造方法。
    Figure 2007142028
  17. 下記一般式(1)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2及びCOORはエステル基を示す)と、ジフェニルジスルフィド又はジフェニルジスルフィド誘導体(15)(式中,R’’はカップリング反応を阻害しない置換基(水素を含む)を示す)と、をホスフィン試薬存在下でカップリングさせて立体反転したチオエーテル誘導体とするカップリング工程と、
    該チオエーテル誘導体のエステル基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う脱保護工程と、
    を備えることを特徴とする請求項7記載のプロリン類縁体の製造方法。
    Figure 2007142028
  18. 下記一般式(1)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2及びCOORはエステル基を示す)と、チオフェノール又は置換チオフェノール(18)(式中、R’’は光延反応を阻害しない置換基(水素を含む)を示す)とを光延反応させて立体反転したチオエーテル誘導体とする光延反応工程と、
    該チオエーテル誘導体のエステル基の加水分解と、R1の脱保護反応とを行う脱保護工程と、
    を備えることを特徴とする請求項7記載のピロリジン類縁体の製造方法。
    Figure 2007142028
  19. 下記一般式(9)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2はエステル基を示す)と、ジフェニルジスルフィド又はジフェニルジスルフィド誘導体(15)(式中,R’’はカップリング反応を阻害しない置換基(水素を含む)を示す)と、をホスフィン試薬存在下でカップリングさせて立体反転したチオエーテル誘導体とするカップリング工程と、
    該チオエーテル誘導体のエステル基の加水分解並びにR1の脱保護反応を行う脱保護工程と、
    を備えることを特徴とする請求項10記載のプロリン類縁体の製造方法。
    Figure 2007142028
  20. 下記一般式(9)のピロリジン誘導体(式中、R1はアミノ基の保護基を示し、COOR2はエステル基を示す)と、チオフェノール又は置換チオフェノール(18)((式中、R’’は光延反応を阻害しない置換基(水素を含む)を示す)とを光延反応させて立体反転したチオエーテル誘導体とする光延反応工程と、
    該チオエーテル誘導体のエステル基の加水分解と、R1の脱保護反応とを行う脱保護工程と、
    を備えることを特徴とする請求項10記載のピロリジン類縁体の製造方法。
    Figure 2007142028
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