WO2007129377A1

WO2007129377A1 - 補強金具

Info

Publication number: WO2007129377A1
Application number: PCT/JP2006/308747
Authority: WO
Inventors: Masaru Nishigaki
Original assignee: Aiko Co., Ltd.
Priority date: 2006-04-26
Filing date: 2006-04-26
Publication date: 2007-11-15
Also published as: EP2011738A1; CN101233051A; KR101042977B1; CN100572206C; PL2011738T3; US20080210696A1; BRPI0614495A2; EP2011738B1; DE602006021074D1; EP2011738A4; US7967165B2; KR20080033426A

Abstract

運搬用容器の長期使用に耐えることのできる補強金具の提供を課題とする。本発明においては、垂直上向きに湾曲した帯板１２を備えた補強金具１０を装着することによって運搬用容器２０の底面２０ｂに上方への力を加えることが可能となる。この補強金具１０の上方に向かう力により、上記運搬用容器２０に収容される重量物によって下方へ向かう力を抑えることができる。従って、重量物を収容する前に装着すれば当該運搬用容器２０の底面２０ｂの膨出防止となり、また、既に底面２０ｂが膨出した運搬用容器２０についても、上記補強金具１０を装着することにより上記底面２０ｂの変形による不安定さを改善することが可能となる。

Description

明細書

補強金具

技術分野

[0001] 本発明は、補強金具に関し、特に、運搬用容器の補強金具に関する。

背景技術

[0002] 従来、部品の流通に欠カゝせない運搬用容器は榭脂で形成されたものがその多くを占めている。このような運搬用容器は、特開 2000— 226021号公報に開示されているように、その底面に複数のリブを設けることにより容器底面の剛性を高めている。また、これらの補強リブの幅を太くしたり、交差するよう形成することによってより底面の強度を増している。

特許文献 1 :特開 2000— 226021号

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] しかし、この榭脂製の運搬用容器は、特に収容物が熱や重量を持つものであると底部が熱で膨出し、収容物を取り出した後もその形状を保持してしまう。

このように変形した運搬用容器は、不安定であり運搬の際の転倒の原因となる。また、熱や重量によって変形した運搬用容器は、再利用できずに産業廃棄物として処理されるため、使、捨てとなって!/、る現状では環境問題が重視されて、る今の流れに逆行してしまうと、う課題がある。

[0004] 本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、運搬用容器の長期使用に耐えることのできる補強金具の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0005] 上記目的を達成するため、請求項 1にかかる発明では、榭脂で形成された運搬用容器の底面に装着される補強金具であって、上記底面側から当該運搬容器の側面形状に沿った形状で帯状に上方に向力つて延び、上記底面側の側面周縁に形成されたフランジ部に断面鉤形状の端部で係止する向かい合う一対の係止部と、上記底面を横架して上記一対の係止部と一体に形成され連結する帯板とを具備する構成としてある。

[0006] 上記のように構成した請求項 1にかかる発明においては、運搬用容器の底面に、両端に係止部を備えた帯板を装着して底面を補強する。

ここで、一般的に運搬用容器は、上方が開口した略箱形状の容器である。上記運搬用容器の上記開口側の側面にはフランジを有している。また、同種の運搬用容器をスタツキングする際に、上下に位置する上記運搬用容器の底面側と上方の開口部とが掛止するように、底面側の四方の側面力所定長さ外側に突出して周縁を囲むフランジを有している。

ここでは、当該容器の底面側の側面周縁に形成されたフランジに、上記係止部の鉤形状部分を係止する。上記係止部は、当該運搬用容器における向かい合う二辺にそれぞれ一つずつ配置して一対の係止部とする。そして、上記帯板は上記一対の係止部を上記運搬用容器の底面を横架して連結し、上記底面に装着される。

[0007] 上記運搬用容器は榭脂で形成されており、当該底面は熱を持った収容物が収容された際に樹脂の熱可塑性により軟化する。一方、上記係止部と上記帯板からなる補強金具は金属で形成されて!ヽるので、榭脂の軟化温度で軟化することなく上記底面を支持することができる。

また、以下、上記補強金具における帯板の長さは、上記運搬用容器の長手方向および短手方向のいずれかの長さと略一致して、その長さの一致した方向を上記補強金具の装着方向とする。

[0008] 請求項 2にかかる発明は、榭脂で形成された運搬用容器の底面に装着される補強金具であって、上記運搬用容器の上方開口部の外周部分に形成されたフランジ部に断面鉤形状の端部で係止する向かい合う一対の係止部と、上記運搬用容器の側面と底面に沿って横架して上記一対の係止部と一体に形成され略コ字形状で連結する帯板とを具備する構成としてある。

[0009] 上記のように構成した請求項 2にかかる発明においては、運搬用容器の底面に、両端に係止部を備えた略コの字形状の帯板を装着して底面を補強する。

ここでは、上述の一般的な運搬用容器において、底面側の側面周辺にフランジを持たないものに対して装着する。上記係止部は、上方開口から所定長さ外側へ突出して上記開口周縁を囲むフランジに上記鉤型形状部分を係止する。

そして上記帯板は、上記開口周縁のフランジに係止した係止部を上記運搬用容器の底面と両側面の形状に沿うように略コの字形状で連結して固定する。これにより上記帯板の底面部分は、その両端部を上記係止部で同帯板の側面部分を介して支持される。

[0010] また、請求項 3にかかる発明は、榭脂で形成された運搬用容器の底面に装着される補強金具であって、上記運搬用容器の側面にねじで締結するためのねじ穴を有して向かい合う一対の係止部と、上記運搬用容器の側面と底面に沿って横架して上記一対の係止部と一体に形成され略コ字形状で連結する帯板とを具備する構成としてある。

[0011] 上記のように構成した請求項 3にかかる発明においては、運搬用容器の底面に、両端にねじ穴を設けた係止部を備えた帯板を装着して底面を補強する。

ここで、上記底面を上記帯板で横架して支持するために、上記係止部は一対で帯板の両端を側面に固定するように、上記運搬用容器の向かい合う側面に対向して配置すればよい。よって、上記係止部は上記運搬用容器の側面で上方の開口側に配置してもよいし、底面側に配置してもよい。

ただし、上記帯板は上記底面に均等に固定されなければ当該底面の補強具合に偏りが出る恐れがあるので、上記帯板の両端部を均等な力で上方に係止して保持するために、上記一対の係止部は側面で同じ高さに位置するのが好ましい。

[0012] そこで、請求項 4にかかる発明は、請求項 1から請求項 3のいずれかに記載の上記帯板は、長さ方向の中央部分で垂直方向上向きに湾曲して形成されている構成としてある。

上記のように構成した請求項 4に力かる発明においては、上記帯板は垂直方向上向きに湾曲した形状で運搬用容器の底面に当接することになる。

ここで、上記帯板はその両端に備えられた係止部によって、同帯板の両端が所定の方法で固定される。このとき、上記運搬用容器の底面に装着された上記帯板の湾曲した形状により、上記底面には当接させた上記帯板の長さ方向の中央部で垂直方向上向きの付勢力が加わる。そのため、上記運搬用容器に重量物や熱を持つもの等を収容して上記底面に下向きの力が加わった状況においても、上記上向きの力により下向きの力が打ち消されて上記底面が膨出しづらくなる。

[0013] また、請求項 5にかかる発明は、請求項 1から請求項 4のいずれかに記載の上記係止部は、屈曲した部位の折り目と交差するように、凸側面から凹側面に向けて押し出した断面山形形状のリブを形成した構成としてある。

上記のように構成した請求項 5にかかる発明にお、ては、上記係止部の屈曲部位毎に、それぞれ屈曲した部位の折り目と交差するように凸側面力凹側面に向けて押し出した断面山形形状のリブを形成して上記屈曲部位を補強する。

上記リブ形状部位は、上記屈曲部位に厚みを加えて、上記屈曲部位を構成する面に対し屈曲方向に力が加わった際に上記面同士が接触しな、ようにするための制限となる。

[0014] また、請求項 6にかかる発明は、請求項 1から請求項 5のいずれかに記載の上記帯板は、長さ方向に沿って屈曲または湾曲させて非平板として形成されて、る構成としてある。

上記のように構成した請求項 6にかかる発明にお、ては、長さ方向に沿って所定の形状で曲げ部分を有する非平板とした帯板として、る。

ここで、上記帯板は長さ方向に沿って所定の曲げ部分を形成することによって、上記帯板における長さ方向の当該位置で幅方向の断面は凹凸形状となる。従って、上記帯板は断面平板ではなくなることによって曲げ剛性が大きくなる。すなわち、上記帯板は非平板となることで外力に対して変形しに《なる。

ここでは、上記帯板が非平板となるように、断面が凹凸形状となればよい。

[0015] 上記凹凸形状を備えた非平板としての一例として請求項 7にかかる発明は、請求項 6に記載の上記帯板は、幅方向の端部を屈曲させて略コの字状に形成されて!、る構成としてある。

上記のように構成した請求項 7に力かる発明においては、帯板を幅方向の両端を屈曲させて形成し非平板として、る。

[0016] また同様に上記非平板としての例として請求項 8にかかる発明は、請求項 6に記載の上記帯板は、長さ方向に延設される畝形状を有する構成としてある。上記のように構成した請求項 8にかかる発明にお、ては、帯板の長さ方向に所定幅の畝形状の延接部分を備える。上記畝形状は、上記帯板の長さ方向の中央を中心として両側方方向に所定幅の半円弧状の凹みを形成したものであり、上記帯板は非平板となる。

ここで、帯板は均等に力が分散できるように帯板内に上述の凹凸形状を備えて非平板となればよい。従って、上記畝形状の幅は幅方向中心に対して任意である。また、二本の同じ長さの畝形状を上記帯板の幅方向中心に対して左右対称となるように平行に配置してもよい。

[0017] ここで、上記帯板には上記運搬用容器に装着された際に、底面に垂直方向上向きの付勢力をカ卩えられるようにパネ性を持たせるようにするために、請求項 9にかかる発明は、請求項 1から請求項 8のいずれかに記載の上記帯板は、パネ性を有するように熱処理されて形成されて！、る構成としてある。

上記のように構成した請求項 9にかかる発明においては、上記帯板は熱処理をする事により自由に硬さを調整してパネ性を有するように形成される。

さらに、上記帯板を備える補強金具を、鉄に所定の合金を付加して強度や靭性を強化した特殊鋼で形成することができる。この場合、上記特殊鋼で形成して熱処理を行、、自由に硬さを調整することで上記帯板に強、パネ性を持たせるようにすればよい。

[0018] また、請求項 10にかかる発明は、請求項 1から請求項 9のいずれかに記載の上記補強金具は、上記運搬用容器の底面に所定間隔を開けて互いに平行に複数装着可能である構成としてある。

上記のように構成した請求項 10にかかる発明においては、複数の上記帯板が上記運搬用容器の底面で平行に並ぶように装着される。

ここで、上記帯板は上記底面の所望の位置や広範囲を任意に補強できればよぐ装着方向の同じ上記補強金具を所望の位置に装着すればよい。上記補強金具は上記底面の複数の所望の位置にそれぞれ装着してもよ!/、し、広範囲で膨らんだ位置に対して複数の補強金具で押さえるように装着してもよ!/、。

発明の効果 [0019] 以上説明したように請求項 1から請求項 3にかかる発明によれば、運搬用容器の底面を持ち上げて補強することが可能となる。

請求項 4に力かる発明によれば、帯板のパネ性で運搬用容器の底面を持ち上げ、当該帯板の周辺の膨らみを防止することが可能である。また、既に変形したものは同補強金具を装着することで形状を改善することもできる。

請求項 5にかかる発明によれば、補強金具における係止部の各屈曲部位での折れを防止することが可能となる。

請求項 6から請求項 8にかかる発明によれば、帯板の曲げ剛性を大きくすることができる。

請求項 9にかかる発明によれば、帯板が当接する運搬用容器の底面に対して、上方に持ち上げる力を付与することができる。

請求項 10にかかる発明によれば、運搬用容器の底面の膨らみに対して広範囲にわたって防止及び改善することができる。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]補強金具および運搬用容器の底面側力の概略斜視図である。

[図 2]補強金具上方力の概略平面図である。

[図 3]補強金具横方向からの概略平面図である。

[図 4]変形例に力かる補強金具の上方力の概略平面図である。

[図 5]変形例に力かる補強金具の横方向力の概略平面図である。

[図 6]運搬用容器底面のたわみ方向を示す底面側の概略断面図である。

[図 7]運搬用容器へ装着した状態の概略断面図である。

[図 8]複数装着した状態での運搬用容器底面側力の概略斜視図である。

[図 9]変形例にかかる運搬用容器上方側からの概略斜視図である。

[図 10]変形例に力かる運搬用容器上方側からの概略斜視図である。

符号の説明

[0021] 10, 10a, 10b, 10c…補強金具

11 · · ·係止部

11a…鉤形状 l ib…係止基部

12…帯板

12a…幅方向の両端

13a…第一屈曲部位

13b…第二屈曲部位

14a, 14b…補強部位

20· · ·運搬用容器

20a…開口部

20b…底面

20b 1, 20b2- "底面

20c…側面

21…上方側フランジ

22· · ·底面側フランジ

発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。

(1)実施例：

(2)変形例：

(3)まとめ：

[0023] (1)実施例：

図 1は本発明にかかる補強金具 10と運搬用容器 20の底面方向力もの斜視図である。

同図において、運搬用容器 20は榭脂で形成されて上方が開口した略箱形状であり、本発明にかかる補強金具 10は図 1のように上記運搬用容器 20の底面に下方から装着される。

上記運搬用容器 20の上方側の側面には、開口部 20aから連続して側面力所定長さ外側へ突出して開口部 20a周縁を囲む上方側フランジ 21を有している。また、同運搬用容器 20の底面側の側面には、上方側フランジ 21と同じ長さ外側へ突出して周縁を囲む底面側フランジを 22有している。これにより、同種の運搬用容器 20を積み重ねる際に、上に位置する運搬用容器 20の底面側フランジ 22より下方部分の側面と底面 20bが、下に位置する運搬用容器 20の上方の開口部 20aに入り込む。そして、運搬用容器 20は上記開口部 20aに連続する上方側フランジ 21の上面と、当該底面側フランジ 22の下面が当接して積み重ねられる。

[0024] 補強金具 10は熱処理を加え強いパネ性を持った特殊鋼で形成され、図 2、図 3に示すように一対の係止部 11と同係止部 11を同幅で連結する帯板 12とで構成されている。

上記帯板 12は、所定の幅で当該運搬用容器 20の短手方向の長さと略一致している。上記帯板 12の長さ方向左右の両端から上方に向力つて略垂直に延び、それぞれ第一屈曲部位 13aを形成して、上記係止部 11における係止基部 1 lbを形成するさらに、上記係止基部 l ibはその上方に向力つた左右それぞれの端部において、上記帯板 12の長さ方向における外側方向に略直角に第二屈曲部位 13bを形成する。上記係止基部 l ibは上記第二屈曲部位 13bを介して、上記帯板 12の内側方向に向かってその端部を向けた断面半円形の鉤形状 1 laと結合されて、る。

[0025] 以上により、上記補強金具 10は、上記帯板 12がその両端で第一屈曲部位 13aを介して、上記鉤形状 11aの係止側を向かい合わせて上記帯板 12の左右にそれぞれ配置された上記係止部 11を連結した形状となって、る。

上記係止部 11にお!/、ては、上記第一屈曲部位 13aと上記第二屈曲部位 13bの幅方向の左右対称の位置に、一箇所ずつ補強部位 14a, 14bを形成している。補強部位 14a, 14bは、屈曲した部位の折り目と交差するように凸側面から凹側面に向けて押し出したリブであり、断面は山形の形状となっている。

上記補強部位 14a, 14bは、上述のリブ形状で上記第一屈曲部位 13aと第二屈曲部位 13bの一部に厚みをカ卩えてそれぞれの屈曲角度を埋めることで、各屈曲部位を構成する面に対し屈曲方向に力が加わった際に上記面同士が接触しな、ようにするための制限となる。

従って、上記補強部位 14a, 14bは上記第一屈曲部位 13a及び第二屈曲部位 13b に力が加わった際の各屈曲部位での折れを防止する。 [0026] 上記帯板 12は上述のように屈曲部位を介して上記一対の係止部 11を連結して、その長さ方向の中央部で垂直上向きに湾曲している。本実施例では上記中央部での高さは上記鉤形状 1 laと上記係止基部 1 lbとの第二屈曲部位 13bまで達して、る。また、上記帯板 12は幅方向の両端 12aを全幅に対して六分の一ずつを下方に向かって直角に屈曲させて略コ字形状に形成して、る。

このように、上記帯板 12の幅方向の断面に凹凸形状を形成し非平板とすることにより、上記帯板 12の曲げ剛性を大きくして外力によって変形し難、ように補強して!/、るまた、このような上記帯板 12の凹凸形状の変形として、図 4、図 5に補強金具 110示す。同図に示すように、帯板 112の長さ方向に、その中央を中心として両側方方向に全幅に対して三分の一の幅の半円弧状の凹みを形成した、畝形状の延接部分 112 aを形成することも可能である。

[0027] 次に、上記運搬用容器 20への上記補強金具 10の装着方法を説明する。

図 6に上記運搬用容器 20における短手方向での底面側概略断面を示す。まず、上記運搬用容器 20の底面 20bを図中の矢印 Cで示した開口部 20a方向に押圧する。すると、上記底面 20bの短手方向は、上記運搬用容器 20の内側方向（図中の矢印 B)に向って橈み、図中の破線で示した底面 20blのように弓形状となり、上記底面 20blの幅は、押さえる前の底面 20bよりも幅狭となる。

ここで、上記底面 20bに装着される上記補強金具 10の帯板 12の長さは、当該運搬用容器 20の短手方向の長さと略一致しており、弓形状となった上記底面 20b 1は上記帯板よりも幅狭となることになる。

[0028] そこでまず、上記補強金具 10の係止部 11を底面 20bl側に向け、一方の係止部 1 1を片側の底面側フランジ 22に係止する。このとき、上記底面 20blは上記帯板よりも幅狭であるから、上記補強金具 10は一方を係止しつつ、弓形状となった底面 20b 1 に架け渡すことができる。

上述のように補強金具 10を底面 20b 1に架け渡した状態で、上記底面 20b 1への押圧を止めると、弓形となった底面 20blは元の平衡な状態に戻り、同時に、係止して、なかったもう一方の係止部 11、係止して!/ヽな、側の底面フランジ 22が入り込む以上のように、上記補強金具 10は図 7に示すように上記底面 20bに装着される。

[0029] 図 7は運搬用容器 20の底面 20bに補強金具 10を装着した概略断面図である。

同図において、運搬用容器 20に重量物等を収容した場合の底面 20b2を破線で示す。

上記運搬用容器 20は榭脂で形成されてヽるため熱可塑性を持ち、収容物の重みや熱で軟化して簡易に変形してしまう。特に、上記重量物等の重みを一面で受けることが多!、底面 20bは、上記収容物の重みや熱により図中の矢印 Aが示すように下方へ力が加わり底面 20b2のように膨出する。

しかし、上記底面 20bに装着される上記補強金具 10は特殊鋼で形成されてヽるので、榭脂の軟ィ匕温度で軟ィ匕することなく上記底面 20bを支持することが可能である。

[0030] また、上記運搬用容器 20の側面 20cは上記収容物に重みが力かることも少なぐ当該側面 20cに形成される上記底面側フランジ 22は収容物の重みと熱の影響を受けにくい。従って、上記補強金具 10は、上記底面側フランジ 22に係止される上記係止部 11上記収容物の重みと熱により不安定になることなく上記帯板で上記底面を支持することができる。

さらに、上記底面 20bには上記帯板 12が垂直方向上向きに湾曲して当接して!/、るため、図中の矢印 Cで示すように上記底面 20bは上方へ押し上げられることになる。従って、上記補強金具 10の装着によって上記底面 20bの下方へ向かう力を抑えることが可能となる。

[0031] 以上説明したように、上述のような補強金具 10を装着することによって、運搬用容器 20の底面 20bに上方への力をカ卩えることが可能となる。この補強金具 10の上方に向力う力により、上記運搬用容器 20に収容される重量物によって下方へ向力う力を抑えることができる。従って、重量物を収容する前に装着すれば当該運搬用容器 20 の底面 20bの膨出防止となり、また、既に底面 20bが膨出した運搬用容器 20についても、上記補強金具 10を装着することにより上記底面 20bの変形による不安定さを改善することが可能となる。

[0032] ここで、図 8に示すように、上述の実施例で説明した補強金具 10を一つの運搬用容器 20の底面 20bに複数装着することも可能である。

同図において、補強金具 10a, 10b, 10cの長さは運搬用容器 20における短手方向の長さとほぼ一致している。上記補強金具 10aは底面 20bの長手方向の中央に長手方向に直交するように装着され、補強金具 10b, 10cは上記補強金具 10aと平行にその両側で、それぞれ上記底面 20bの長手方向の端部寄りに装着されている。

[0033] 上述のように配置して上記底面 20bを複数で補うことが可能である。ここでは、補強金具 10を 3つ装着する例を説明したが、上記運搬用容器 20に収容される収容物の形状等によって使い分けることは任意である。

例えば、底面 20bにおいて特定部位に重量が偏るような収容物であれば、底面 20 bの当該位置ごとに上記補強金具 10をそれぞれ装着すれば、当該位置の膨出を防止して上記底面 20bの平衡を保持することが可能である。

また、運搬用容器 20が大きく補強金具 10—つでは当該底面 20bの膨出を押さえきれない場合には、上記補強金具 10を複数均等に装着することで底面 20bの広い範囲で膨出を押さえることになる。

[0034] さらに、補強金具 10を運搬用容器 20の底面 20bに重ねて装着する例を説明する。

上記底面 20bの短手方向と同じ長さの図示しない第一補強金具 30と、長手方向と同じ長さの図示しない第二補強金具 40を使用する。まず、上記第一補強金具 30を上記底面 20bの短手方向に対して長手方向の中央の位置に配置する。そして、第一補強金具 30の係止部 31は底面 20bの長手方向の側面 20cに形成された底面フランジ 22に係止する。

一方、上記第二補強金具 40は上記底面 20bで、第一補強金具 30と第二補強金具 40の長さ方向の中央で互いに略直行するように帯板 32, 42部分を重ね合せた位置に配置する。そして、第二補強金具 40の係止部 41は底面 20bの短手方向に形成された底面フランジ 22に係止することで、上記二つの補強金具 30, 40の上記底面 20 bへの装着が完了する。

[0035] ここで、上記第二補強金具 30において、下方に向かって直角に屈曲させた帯板 3 2の幅方向の両端 32aを、上記帯板 32, 42が重なり合う部分で、長さ方向に上記帯板 42の幅で概略凹形状とする。すると、上記第一補強金具 30と第二補強金具 40が重なった際には、上記両端 32a の上記略凹形状に、同様に下方に向かって直角に屈曲させた帯板 42の幅方向の両端 32aが整合して第二補強金具 40の 42の幅方向への移動を制限することが可能である。

また、上記補強金具 30, 40を底面 20bに装着する順により、両端 32a及び両端 42 aのどちらに上記略凹形状を設けるかは任意であり、両方に上記略凹形状を設けてもよい。

以上のように、上記底面 20bに上記補強金具 10を略十字形状に装着して底面 20b の補強をすることで、底面 20bの膨出を押さえることが可能となる。

[0036] 同様に、補強金具 10を重ね合わせて運搬用容器 20の底面 20bに装着する変形例を説明する。

ここでは、上記底面 20bの対角線分の長さを有した同形状の第三補強金具 50と第四補強金具 60を使用する。上記第三補強金具 50の両端は、それぞれ第三補強金具 50の長さ八分の一の位置力も幅方向に同幅で二股となっている。上記二股 52b は、第三補強金具 50における長さ方向の左に 45度、右に 45の角度にそれぞれ広力ており、各先端には図 3に示した係止部 11と同形状の係止部 51を有している。上記第四補強金具 40の両端に形成される二股 62bおよび係止部 61についても同様の形状である。

[0037] ここで、上述の第三補強金具 50および第四補強金具 40の上記底面 20bへの装着を説明する。

まず、上記第三補強金具 50を上記底面 20bの対角線上に配置する。すると、第三補強金具 50両端の上記二股 52bは、第三補強金具 50を配置した底面 20bの対角となる角に向力つてそれぞれ 90度に開いた状態となる。

さらに、第三補強金具 50両端における二股 52bの右側は底面 20bにおける長手方向の側面 20cと略直交し、その先端に形成された係止部 51は底面側に形成された底面側フランジ 22に対して係止が可能となる。また、第三補強金具 50両端における二股 52bの左側は底面 20bにおける短手方向の側面 20cと略直交し、その先端に形成された上記係止部 51は底面 20bの短手方向の側面 20cに形成された底面フランジ 22に係止が可能となる。

このように、それぞれの上記係止部 51が底面側フランジ 22に係止され、上記第三補強金具 50は底面 20に固定される。

[0038] 一方、上記第四補強金具 60は、上記第三補強金具 50を装着した底面 20bの角とは相対する角に対して構成される対角線上に配置し、上記第三補強金具 50と同様に係止部 61を各側面 20cに形成された底面フランジ 22に係止することで固定する。以上のように、第四補強金具 60は、長さ方向の中央で第三補強金具 50と重なり、第三補強金具 50と第四補強金具 60とで上記底面 20bに略 X字形状を形成して上記底面 20bを補強することが可能となる。

この例においても、第三補強金具 50と第四補強金具 60が重なり合う帯板 52, 62の幅方向の両端 52a, 62a部分で、上述した概略凹形状を形成してもよい。

また、上記係止部 51, 61は、運搬用容器 20の略直角に連続した二側面 20cと上記底面 20bからなる角部分に係止できれば形状は任意である。

以上のように、底面 20bに補強金具 10を二つ装着し略十字形状や略 X字形状を形成して補強する説明をしたが、これらは帯板 11部分で二つの補強金具 10が結合して一体となった四つ股形状の補強金具でもよい。

[0039] (2)変形例：

図 9は変形例にかかる補強金具 210を運搬用容器 220に装着した際の概略斜視図である。

同図において、運搬用容器 220は上方側フランジ 221を備えているものの、底面側フランジを持たな、形状として、る。上記運搬用容器 220では係止部 211を底面側の側面で係止させることができな、ので、本変形例では上記補強金具 210の係止部 211を上記上方側フランジ 221に係止する。そして、上記補強金具 210における帯板 212を上記運搬用容器 220の底面 220bから両側面 220cを介して、上記係止部 2 11に結合するように形成する。

[0040] このとき上記係止部 211の鉤形状 21 laおよび係止基部 21 lbは上記上方側フランジ 221の形状に沿って形成され、上記係止基部 21 lbからは帯板 212が上記側面 2 20cに沿って形成される。上記底面 220bにおける帯板 212の形状は上述の実施例と同様に、その幅方向の端部を屈曲させて略コの字形状に形成し非平板として強度を補い、さらに、垂直方向上向きに湾曲している。そして、上記帯板 212はその両端を上記係止部 211で係止することにより、上記側面 220cに位置する帯板 212を介して、上記底面 220bでその両端を引き上げられて底面 220bに密着するように固定される。すると、上述の実施例と同様に帯板 212とその両端に位置する係止部 211によるパネ性が上記運搬用容器 220の底面側に作用する。そして、上記運搬用容器 220に収容された重量物による上記底面 220bへの下方へ向力力を抑えることができる。

以上のように、運搬用容器 220に底面側フランジがない場合にも、上記補強金具 2 10の装着が可能となり、上記底面 220bの変形を抑えることができる。

[0041] 次に、補強金具 310の装着をするために、係止が可能となるような適当な部位を持たな、運搬用容器 320にて、補強金具 310を底面側の側面 320cで係止する例を説明する。

図 10は本変形例にかかる補強金具 310を運搬用容器 320に装着した際の概略斜視図である。

同図において、運搬用容器 320は上述の変形例と同様に底面側フランジを持たない形状としている。ここでは、上記補強金具 310における係止部 311の端部にねじ穴 311cを設ける。また、上記運搬用容器 320には上記補強金具 310を装着した際に上記ねじ穴 311cが対応する位置に図示しないねじ穴を設けておき、これらを螺合して固定する。

[0042] 上記底面 320bにおける帯板 312の形状は上述の実施例と同様に、その幅方向の端部を屈曲させて略コの字形状に形成し非平板として強度を補い、さらに、垂直方向上向きに湾曲している。そして、上記帯板 312はその両端を上記係止部 311の運搬用容器 320の側面 320cへの螺合によって固定することにより、上記底面 320bでその両端を引き上げられて底面 320bに密着するように固定される。すると、上述の実施例と同様に帯板 312とその両端に位置する係止部 311によるパネ性が上記運搬用容器 320の底面側に作用する。そして、上記運搬用容器 320に収容された重量物による上記底面 320bへの下方へ向力力を抑えることができる。以上のように、係止が可能となるような適当な部位を持たない運搬用容器 320である場合にも、その側面 320cにねじ穴を設けることで上記補強金具 310の装着が可能となり、上記底面 320bの変形を抑えることができる。

(3)まとめ：

以上説明したように、垂直上向きに湾曲した帯板 12を備えた補強金具 10を装着することによって運搬用容器 20の底面 20bに上方への力をカ卩えることが可能となる。この補強金具 10の上方に向力力により、上記運搬用容器 20に収容される重量物によって下方へ向力力を抑えることができる。従って、重量物を収容する前に装着すれば当該運搬用容器 20の底面 20bの膨出防止となり、また、既に底面 20bが膨出した運搬用容器 20についても、上記補強金具 10を装着することにより上記底面 20bの変形による不安定さを改善することが可能となる。

Claims

請求の範囲

[1] 榭脂で形成された運搬用容器の底面に装着される補強金具であって、

上記底面側力当該運搬容器の側面形状に沿った形状で帯状に上方に向かって延び、上記底面側の側面周縁に形成されたフランジ部に断面鉤形状の端部で係止する向かい合う一対の係止部と、

上記底面を横架して上記一対の係止部と一体に形成され連結する帯板とを具備したことを特徴とする補強金具。

[2] 榭脂で形成された運搬用容器の底面に装着される補強金具であって、

上記運搬用容器の上方開口部の外周部分に形成されたフランジ部に断面鉤形状の端部で係止する向かい合う一対の係止部と、

上記運搬用容器の側面と底面に沿って横架して上記一対の係止部と一体に形成され略コ字形状で連結する帯板とを具備したことを特徴とする補強金具。

[3] 榭脂で形成された運搬用容器の底面に装着される補強金具であって、

上記運搬用容器の側面にねじで締結するためのねじ穴を有して向かい合う一対の係止部と、

[4] 上記帯板は、長さ方向の中央部分で垂直方向上向きに湾曲して形成されていることを特徴とする請求項 1から請求項 3のいずれかに記載の補強金具。

[5] 上記係止部は、屈曲した部位の折り目と交差するように、凸側面から凹側面に向けて押し出した断面山形形状のリブを形成したことを特徴とする請求項 1から請求項 4 の!、ずれかに記載の補強金具。

[6] 上記帯板は、長さ方向に沿って屈曲または湾曲させて非平板として形成されて!、ることを特徴とする請求項 1から請求項 5のいずれかに記載の補強金具。

[7] 上記帯板は、幅方向の端部を屈曲させて略コの字状に形成されていることを特徴とする請求項 6に記載の補強金具。

[8] 上記帯板は、長さ方向に延設される畝形状を有することを特徴とする請求項 6に記載の補強金具。

[9] 上記帯板は、パネ性を有するように熱処理されて形成されてヽることを特徴とする請求項 1から請求項 8のいずれかに記載の補強金具。

[10] 上記補強金具は、上記運搬用容器の底面に所定間隔を開けて互いに平行に複数装着可能であることを特徴とする請求項 1から請求項 9のいずれかに記載の補強金具。