明 細 書
画像生成装置、画像生成方法、情報記録媒体、ならびに、プログラム 技術分野
[0001] 本発明は、仮想空間における環境パラメータの分布を見やすく表示する画像を生 成するのに好適な画像生成装置、画像生成方法、これらをコンピュータにて実現す るプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体、ならびに、当該プロ グラムに関する。
背景技術
[0002] 従来から、ゲームにおいて、各種のパラメータをプレイヤーに提示する手法が各種 提案されており、そのような技術については、たとえば、以下の文献に開示されてい る。
特許文献 1:国際公開第 03/090887号パンフレット
[0003] ここで、 [特許文献 1]には、環境パラメータを検出した後に消費型パラメータに変換 し、変換された消費型パラメータの量をメモリに格納するとともにディスプレイ上に表 示する技術が開示されている。このほか、敵キャラクターがいる方向や、ゲーム内のミ ッシヨンをクリアするためのアイテムが存在する方向に、矢印を表示するなどの手法も 広く採用されている。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] し力 ながら、仮想空間内において環境パラメータがどのように分布'変化している のかを、プレイヤーにわかりやすく提示したレ、、との要望は大きい。
[0005] 本発明は、以上のような課題を解決するものであって、仮想空間における環境パラ メータの分布を見やすく表示する画像を生成するのに好適な画像生成装置、画像生 成方法、これらをコンピュータにて実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可 能な情報記録媒体、ならびに、当該プログラムを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006] 以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する
[0007] 本発明の第 1の観点に係る画像生成装置は、パラメータ取得部、画像生成部を備 え、以下のように構成する。
[0008] すなわち、パラメータ取得部は、仮想空間内において、所定の複数の箇所における 環境パラメータを取得する。
環境パラメータとして最も単純なものは、キャラクターや目的アイテムがいずれの位 置に存在するか、であり、存在する場所の環境パラメータの数値を高くする手法であ る。このほか、環境パラメータとして、キャラクターの存在する位置で生じている音声 の音量、熱源から発せられる熱量や温度差、地面の傾斜や高低差、歩く際の地面の 抵抗、キャラクターの緊張度、体力、攻撃力、防御力等、各種のパラメータを採用す ること力 Sできる。
[0009] 一方、画像生成部は、取得された環境パラメータに基づいて画像を生成するが、画 像生成部は、当該仮想空間内の当該所定の複数の箇所のそれぞれについて、当該 箇所に対応付けられた画像内の位置に、当該箇所における環境パラメータに対応付 けられる図形を描画した画像を生成する。
仮想空間内における複数の箇所のそれぞれと、当該箇所に対応付けられる内の位 置との対応付けは、ちょうど、現実世界の地面と地図との対応付けに相当するもので あり、仮想空間の縮小略図のような対応付けとしても良いし、たとえば地球表面を平 面地図で表示するときのように、何らかのトポロジー的な性質が維持されるような対応 付けを採用することもできる。
[0010] また、環境パラメータに対応付けられる図形としては、環境パラメータの値に応じて その大きさや色、形状を変化させた図形を採用するのが典型的であり、後述するよう に、生成される画像は動画像として、環境パラメータの値がユーザにとって直観的に 把握できるような表示手法を採用することが望ましい。
本発明によれば、仮想空間における環境パラメータの分布を見やすく表示する画 像を生成することができる。
[0011] また、本発明の画像生成装置において、当該仮想空間内の当該所定の複数の箇 所は、当該仮想空間内においてプレイヤーが操作するキャラクターの位置を基準に
分布するように定められるように構成することができる。
たとえば、仮想空間内におけるキャラクターをプレイヤー(ユーザ)が移動させるゲ ームでは、当該キャラクターを中心とする「地図」に環境パラメータに対応付けられる 図形を表示することで、環境パラメータの分布を提示する。
[0012] そして、「地図」内に表示される領域としては、所定の範囲を採用するのが一般的で あり、キャラクターが移動すると、「地図」として表示される領域も移動する。
本発明によれば、仮想空間における環境パラメータの分布を、ユーザが操作するキ ャラクタ一を中心に見やすく表示する画像を生成することができる。
[0013] また、本発明の画像生成装置において、当該仮想空間内における当該所定の複 数の箇所は、当該仮想空間内を区切る複数の区画のレ、ずれか 1つに重複なく対応 付けられ、パラメータ取得部は、当該仮想空間内における当該所定の複数の箇所の それぞれについて、当該箇所に対応付けられる区画に対して隣接する区画との間で 出入りする環境パラメータの出入りの方向を取得し、画像生成部は、当該仮想空間 内における当該所定の複数の箇所のそれぞれについて、当該箇所に対応付けられ た画像内の位置を基準に、当該箇所における環境パラメータの出入りの方向に当該 図形を振動させる動画像を、当該画像として生成するように構成することができる。
[0014] 当該複数の区画は、典型的には、仮想空間における地面を格子状に区切る桝目 であり、当該区画に対応付けられる箇所は、当該桝目の中心である。
各桝目の環境パラメータが隣接する桝目との間で出入りするような性質のものであ る場合、たとえば、キャラクタ一等が発する音声の音量、熱源から発せられる熱量や 温度差キャラクターの緊張度等の場合には、その流出 ·流出の方向や大きさを提示し たい場合も多い。
[0015] そこで、パラメータ取得部は、各区画に対して隣接する区画との間での環境パラメ ータの出入りの総量と、その方向を取得するのである。
[0016] 本発明における処理は、位置ベクトル rに対して以下のような関係を有するベクトル 場 E(r)と、そのスカラーポテンシャル V(r)と、湧き出し p (r)と、の近似値を分析すること に相当する。
E\r) = -grad V、r);
p (r) = div E(r)
このとき、環境パラメータは V(r)に対応し、環境パラメータの出入りの総量は p (r)や I E(r)|に対応し、環境パラメータの出入りの方向は E(r)の方向に対応する。
[0017] そして、環境パラメータの出入りの方向(E(r)の方向に対応。 )に、図形を振動させる 動画像を生成する。
本発明によれば、仮想空間における環境パラメータの分布によって定まる環境パラ メータの移動の方向を見やすく表示する画像を生成することができる。
[0018] また、本発明の画像生成装置において、画像生成部は、当該仮想空間内における 当該所定の複数の箇所のそれぞれについて、当該箇所に対応付けられた画像内の 位置を基準に、当該箇所における環境パラメータに対応付けられる振幅で、所定の 方向に当該図形を振動させる動画像を、当該画像として生成するように構成すること ができる。
[0019] 本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、上記の例でいえば、振動 の振幅を環境パラメータの値 (V(r)に対応。)や出入りの総量 (r)や |E(r)|に対応。) によって定めるものである。
本発明によれば、仮想空間における環境パラメータの分布の大小の変化を、図形 が振動する振幅によって見やすく表示する画像を生成することができる。
[0020] また、本発明の画像生成装置において、画像生成部は、当該仮想空間内における 当該所定の複数の箇所のそれぞれについて、当該箇所における環境パラメータに 対応付けられる振幅および時間周期のいずれか少なくとも一方で、当該図形の明る さおよび色のいずれか少なくとも一方を変化させる動画像を、当該画像として生成す るように構成することができる。
[0021] 本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、上記の例でいえば、明滅 や色の変化の振幅や時間周期を、環境パラメータの値 (V(r)に対応。)や出入りの総 量 (r)や |E(r)|に対応。 )によって定めるものである。
本発明によれば、仮想空間における環境パラメータの分布の大小の変化を、明るさ や色の変化の振幅や時間周期によって見やすく表示する画像を生成することができ る。
[0022] 本発明のその他の観点に係る画像生成方法は、パラメータ取得部、画像生成部を 有する画像生成装置にて実行され、パラメータ取得工程、画像生成工程を備え、以 下のように構成する。
すなわち、パラメータ取得工程では、パラメータ取得部が、仮想空間内において、 所定の複数の箇所における環境パラメータを取得する。
一方、画像生成工程では、画像生成部が、取得された環境パラメータに基づいて 画像を生成する。
[0023] さらに、画像生成工程では、当該仮想空間内の当該所定の複数の箇所のそれぞ れについて、当該箇所に対応付けられた画像内の位置に、当該箇所における環境 パラメータに対応付けられる図形を描画した画像を生成する。
[0024] 本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記の画像生成装置と して機能させ、コンピュータに上記の画像生成方法を実行させるように構成する。 また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディ スク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコン ピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ 通信網を介して配布 ·販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンビユー タとは独立して配布 ·販売することができる。
発明の効果
[0025] 本発明によれば、仮想空間における環境パラメータの分布を見やすく表示する画 像を生成するのに好適な画像生成装置、画像生成方法、これらをコンピュータにて 実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体、ならびに、当 該プログラムを提供することができる。
図面の簡単な説明
[0026] [図 1]プログラムを実行することにより、本実施形態の画像生成装置として機能する典 型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
[図 2]本実施形態の画像生成装置の概要構成を示す模式図である。
[図 3]仮想世界の中において、環境パラメータの分布の情報を管理する様子を示す
説明図である。
園 4] (a)、 (b)は、ある桝目における環境パラメータの出入りの様子を示す模式図で ある。
園 5] (a)〜(e)は、ある時亥 Ijtにおけるスカラーの環境パラメータを、描画した画像を 示す説明図である。
園 6] (a)、 (b)は、ある時亥 ijtにおけるスカラーの環境パラメータを、他の手法で描画 した画像を示す説明図である。
園 7] (a)〜(e)は、ベクトルの環境パラメータを提示する画像の一部拡大図である。 園 8]本実施形態における画像生成装置において実行される処理の制御の流れを示 すフローチャートである。 符号の説明
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェイス
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD— ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 マイク
201 画像生成装置
202 パラメータ取得部
203 画像生成部
301 仮想世界の地面
302 桝目
401 桝目に対する流入ベクトル
402 隣からの流入べクトノレ
403 隣からの流入べクトノレ
404 隣からの流入べクトノレ
405 隣からの流入べクトノレ
406 隣へ -の流出べクトノレ
407 隣へ -の流出べクトノレ
408 隣へ -の流出べクトノレ
409 隣へ -の流出べクトノレ
701 円
702 円の中心
発明を実施するための最良の形態
[0028] 以下に本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明の ためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者で あればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用 することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
実施例 1
[0029] 図 1は、プログラムを実行することにより、本発明の画像生成装置の機能を果たす典 型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明 する。
[0030] 情報処理装置 100は、 CPU (Central Processing Unit) 101と、 ROM 102と、 RA M (Random Access Memory) 103と、インターフェイス 104と、コントローラ 105と、外 部メモリ 106と、画像処理部 107と、 DVD-ROM (Digital Versatile Disc ROM)ドラ イブ 108と、 NIC (Network Interface Card) 109と、音声処理部 110と、マイク 111と、 を備える。
[0031] ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶した DVD— ROMを DVD— ROMドライ ブ 108に装着して、情報処理装置 100の電源を投入することにより、当該プログラム が実行され、本実施形態の画像生成装置が実現される。
[0032] CPU 101は、情報処理装置 100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制 御信号やデータをやりとりする。また、 CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速 アクセスが可能な記憶域に対して ALU (Arithmetic Logic Unit) (図示せず)を用いて 加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビ ット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さら に、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベタ トル演算などを高速に行えるように、 CPU 101自身が構成されているものや、コプロ セッサを備えて実現するものがある。
[0033] ROM 102には、電源投入直後に実行される IPL (Initial Program Loader)が記録 され、これが実行されることにより、 DVD— ROMに記録されたプログラムを RAM 1 03に読み出して CPU 101による実行が開始される。また、 ROM 102には、情報 処理装置 100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各 種のデータが記録される。
[0034] RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、 DVD— R OMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要 なデータが保持される。また、 CPU 101は、 RAM 103に変数領域を設け、当該 変数に格納された値に対して直接 ALUを作用させて演算を行ったり、 RAM 103 に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結 果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
[0035] インターフェイス 104を介して接続されたコントローラ 105は、ユーザがゲーム実行 の際に行う操作入力を受け付ける。
[0036] インターフェイス 104を介して着脱自在に接続された外部メモリ 106には、ゲーム等 のプレイ状況 (過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネッ トワーク対戦の場合のチャット通信のログ (記録)のデータなどが書き換え可能に記憶 される。ユーザは、コントローラ 105を介して指示入力を行うことにより、これらのデー タを適宜外部メモリ 106に記録することができる。
[0037] DVD— ROMドライブ 108に装着される DVD— ROMには、ゲームを実現するた めのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。 CPU 1
01の制御によって、 DVD— ROMドライブ 108は、これに装着された DVD— ROM に対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらは R AM 103等に一時的に記憶される。
[0038] 画像処理部 107は、 DVD— ROMから読み出されたデータを CPU 101や画像処 理部 107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを 画像処理部 107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記 録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部 10 7に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能 となる。
[0039] 画像演算プロセッサは、 2次元の画像の重ね合わせ演算やひプレンディング等の 透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
[0040] また、仮想 3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情 報を、 Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想 3次元空間に配 置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速 実行も可能である。
[0041] さらに、 CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を 定義するフォント情報にしたがって、文字列を 2次元画像としてフレームメモリへ描画 したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
[0042] NIC 109は、情報処理装置 100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せ ず)に接続するためのものであり、 LAN (Local Area Network)を構成する際に用いら れる 10BASE— T/100BASE— T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインタ 一ネットに接続するためのアナログモデム、 ISDN (Integrated Services Digital Netwo rk)モデム、 ADSL (Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケープ'ノレテレヒンョ ン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらと CPU 101との仲立ちを行うインターフェイス(図示せず)により構成される。
[0043] 音声処理部 110は、 DVD— ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号 に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、 CPU 101 の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、こ
れに対応した音声をスピーカから出力させる。
[0044] 音声処理部 110では、 DVD— ROMに記録された音声データが MIDIデータであ る場合には、これが有する音源データを参照して、 MIDIデータを PCMデータに変 換する。また、 ADPCM形式や〇gg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合に は、これを展開して PCMデータに変換する。 PCMデータは、そのサンプリング周波 数に応じたタイミングで D/A (Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力するこ とにより、音声出力が可能となる。
[0045] さらに、情報処理装置 100には、インターフェイス 104を介してマイク 111を接続す ること力 Sできる。この場合、マイク 111からのアナログ信号に対しては、適当なサンプリ ング周波数で AZD変換を行レ、、 PCM形式のディジタル信号として、音声処理部 11 0でのミキシング等の処理ができるようにする。
[0046] このほか、情報処理装置 100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用い て、 ROM 102、 RAM 103、外部メモリ 106、 DVD— ROMドライブ 108に装着さ れる DVD— ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
[0047] 以上で説明した情報処理装置 100は、いわゆる「コンシユーマ向けテレビゲーム装 置」に相当するものである力 音声処理や画像処理を行うことが可能であれば、本発 明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、 一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可 能である。
[0048] たとえば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置 100と同様に、 CPU、 RA M、 R〇M、 DVD— ROMドライブ、 NIC,音声入力用マイク、音声出力用スピーカ、 を備え、情報処理装置 100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶 装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テ ープ等が利用できるようになつている。また、コントローラではなぐキーボードやマウ スなどを入力装置として利用する。
[0049] 図 2は、本発明の実施形態の一つにかかる画像生成装置の概要構成を示す模式 図である。以下、本図を参照して説明する。
[0050] 本実施形態の画像生成装置 201は、パラメータ取得部 202、画像生成部 203を備
える。
[0051] すなわち、パラメータ取得部 202は、仮想空間の所定の複数の箇所における環境 パラメータを取得する。
環境パラメータとして最も単純なものは、キャラクターや目的アイテムがいずれの位 置に存在するか、であり、存在する場所の環境パラメータの数値を高くする手法であ る。この場合、当該箇所の位置が、キャラクターや目的アイテムが存在する場所に近 ければ近いほど、当該方向の環境パラメータの数値が高くなる。
このほか、環境パラメータとして、キャラクターの存在する場所で生じている音声の 音量、熱源から発せられる熱量や温度差、地面の傾斜や高低差、歩く際の地面の抵 抗、キャラクターの緊張度、体力、攻撃力、防御力等、各種のノ メータを採用するこ とができる。
[0052] (環境パラメータの 2次元分布)
図 3は、仮想世界の中において、環境パラメータの分布の情報を管理する様子を示 す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0053] 本図に示すように、仮想世界の地面 301は、 X軸方向と y軸方向に分割された 2次 元の桝目 302に区切られている。各桝目 302によって表現される区画の中心位置や いずれか定められた隅の頂点等を、当該桝目 302の代表点の位置として考える。
[0054] したがって、仮想世界における座標 (p,q)のある時刻の環境パラメータの即値 e (t) は、 2次元配列 e[]口の要素 e[p][q]、もしくは、所定の粒度幅 D (D≥l)と整数除算を用 いて、 e[p I D][q I D]に格納することとするのが典型的である。以下では、 D = 1とし て説明する。
[0055] 上記のように、本実施形態では、仮想世界の地面 301を格子状の桝目 302による 区画で区切っているが、当該区画の形状は任意である。たとえば、有限要素法で用 レ、られるように、区画の形状をできるだけ同じ形状の三角形としても良いし、戦術-戦 略ボード型シミュレーションゲームで採用されるような正六角形を採用しても良い。
[0056] さて、プレイヤーが注目してレ、るキャラクターの位置を、座標 (x,y)の桝目 302とする と、キャラクターからある座標 (p,q)への方向(X軸とのなす角 Θ )は、
Θ = arctan〔(q_yV(p_x)〕;fcoいは
cos Θ = (p-x)/ [(p-x)2 + (q-y)2] V2,
sin Θ = (q-y)/ [(p-x)2 + (q-y)2] 1/2
のように求めることができる。
[0057] このような状況下で、敵キャラクターの存在する可能性がある場所を環境パラメータ の 2次元分布とする手法を考える。
[0058] 最も単純な方法は、座標 (i,j)に敵キャラクターがいる場合は、環境パラメータの値 e
"J を 1とし、そうでない場合は環境パラメータの値 e を 0とする、という手法である。
[0059] し力、しながら、ゲームによっては、敵キャラクターの所在をある程度の誤差をもって 表現したい場合もある。たとえば、敵キャラクターの緊張感を鼓動のような振動で表現 し、しかも、その鼓動による緊張感が、雰囲気として周囲に伝搬し、波紋に伝わるよう な態様を考える。
[0060] このような態様としては、ある時亥 ijtにおける座標 (i,j)の環境パラメータの値 e (t)等か ら、次の時刻 t+1における座標 (i,j)の環境パラメータの値 e (t+ 1)を求める漸化式を採 用する手法を採用することができる。
[0061] tの時間単位は、たとえば、典型的な情報処理装置 100における画面更新の間隔 である垂直同期割り込みの間隔 (約 60分の 1秒)とする。
[0062] すなわち、時刻 t+1において座標 (i,j)に敵キャラクター kが存在しない場合は、伝搬 定数 α , (0≤ ct , i3 , a + i3 ≤1)を用いて、
e (t+1) = a e (t)
i.j i.j
+ ( i3 /4) [e (t) + e (t) + e (t) + e (t)〕
i+lj ,广 1 ij+l
と設定する。なお、 eの添字が所定の 2次元配列の範囲外となったときは、その値は 0 とする。
[0063] aは、環境パラメータのうち、外部に漏れ出てレ、かない割合、 /3は、環境パラメータ のうち、外部に漏れ出ていく割合である。 ひ〉 /3とするのが典型的である。 a + j3 = 1と すれば、一旦生じた波紋が外に出る(2次元配列の範囲外になる)まで生き残ることと なり、 α + β く 1とすれば、次第に減衰していくこととなる。
[0064] 上記の漸化式は、現在位置とその上下左右の位置の環境パラメータの値力 次の 瞬間の現在位置の環境パラメータの値を決定する、というものである。
[0065] このほか、適宜係数を変更することによって、伝搬の方向に偏りを持たせたり、斜め の桝目カもも所定の係数によって伝播がありうるような形態を採用しても良い。たとえ ば、伝搬定数ひ, i3 , y (0≤ a, i3 , y , a + i3 + y ≤1)を用いて、
e (t+1) = ひ e (t)
i.j i.j
+ (^ /4)[e (t) + e (t) + e (t) + e (t)〕
i+lj 1 ij+l
+ ( 7 /4)[e (t) + e (t) + e (t) + e (t)〕
i-l,j-l i-lj+l i+lj-l i+l,j+l
とするような態様である。ここで、 α>β >γとするのが典型的である。
[0066] 一方、時刻 t+1において座標 (i,j)に敵キャラクター kがいる場合は、当該敵キャラクタ 一 kの緊張度のパラメータ Pと、所定の周期の定数 Tとにより、
k
e (t+1) = P〔l+sin((t+l)/T)〕
i k
と設定し、人間の鼓動の周期は 1秒に約 1回であるから、 Tとして 60程度を採用すれ ば、このパラメータを、敵キャラクターの鼓動に対応させることができる。また、緊張度
Pが大きいほど、 Tを小さくすることによって、緊張の度合をさらにリアルに表現するこ k
とちできる。
[0067] このほか、上記 P〔l+sin((t+l)/T)〕を ae (t)のかわりに利用する、という態様をとるこ
k i'j
ともできる。すなわち、時刻 t+1において座標 (i,j)に敵キャラクター kがいる場合は、 e (t+1) = P〔l+sin((t+l)/T)〕
(t)〕
あるいは
e (t+1) = P〔l+sin((t+l)/T)〕
i'j k
+ (i3 /4)[e (t) + e (t) + e (t) + e (t)〕
i+lj 1 ij+l
+ (y /4)[e (t) + e (t) + e (t) + e (t)〕
i-l,j-l i-lj+l i+lj-l i+l,j+l
とするような態様である。
[0068] このほか、振動を表現するための関数として、
P〔l+sin((t+l)/T)〕
k
以外のものを採用することもできる。すなわち、周期 τの振動関数 ·)は、任意の tにつ いて、
f(t + τ) = Kt)
を満たすから、この条件を満たすような任意の関数を、上記の関数のかわりに利用す ること力 Sできる。
[0069] また、上記の例では、振動の変位が負にならないように調整することによって、後述 するように棒グラフを描画したときに、棒グラフの高さが所定の基準高さより下になるこ とはないようにしているが、棒グラフの高さとして負の値も可能とし、負の場合には棒 グラフが負の方向に進むようにしても良レ、から、振動の変位の正負に特段の制限は ない。
[0070] なお、時刻 t = 0における初期値は、敵キャラクターがいなければ 0等、所定の定数 とすれば良い。
[0071] このような環境パラメータの伝搬は、敵キャラクターの存在以外を理由とするもので あっても良い。たとえば、「聖なるエネルギーを発するアイテム」「音を発生させる機械 」「街のにぎやかさ」「匂い」「他のキャラクターの視線や検知を遮る度合 (斥候をテー マとしたゲームにおいて「ベースライン」と呼ばれることがある。)」などのパラメータを 環境パラメータとして採用し、「波紋」の発生源として採用しても良い。
[0072] なお、上記のように、環境パラメータを数値として見た場合に「鼓動」や「波紋」等と して見ることができるようなものであっても、表示の際に、「鼓動」や「波紋」等として表 現する必要は必ずしもなぐ種々の表示手法を採用することができる。そのような表示 手法の具体例については、以下に説明する。
[0073] さて、 e (t)を「波紋」のように考える場合には、各桝目における流入 ·流出の程度を 考慮する。図 4は、ある桝目 302における環境パラメータの出入りの様子を示す模式 図である。以下、本図を参照して、上記の 4方向に環境パラメータが伝播する場合を 例として、説明する。
[0074] 本図(a)には、座標 (i,j)における環境パラメータの流入と流出の様子を示す。
[0075] 上記のように、 P 接する桝目 302からの環境パラメータの流入の量は、それぞれ、 左隣から ( /3 /4)e (t)
i-l,J
右隣から ( /3 /4)e (t)
i+l,J
上隣から ( /3 /4)e (t)
i,M
下隣から ( /3 /4)e (t)
i,]+l
である。
[0076] 一方、当該桝目 302から流出する環境パラメータの量は、
上下左右に ( i3 /4)e (t)
"J
である。
[0077] したがって、当該桝目 302における「流入の総量」 f (t)は、
f (t) = ( ^ /4)e (t)
'J ί- l,j
+ ( ^ /4)e (t)
i+l.j
+ ( ^ /4)e (t)
i.J-l
+ ( ^ /4)e (t)
i.j+l
- e (t)
である。桝目 302に対する流入を表すベクトル v (t)401は、隣接する上下左右の桝
I.J
目 302力、らの流人を表すべクトノレ 402、 403、 404、 405と、隣接する上下左右の舛 目 302への流出を表すべク卜ノレ 406、 407、 408、 409と、の総、禾ロとなる。本図 (b)に は、流入ベクトル V (t)と他のベクトルとの関係を示す。
[0078] この例では、桝目 302からの流出はすべての方向に均等であるから、ベクトル 406 、 407、 408、 409の総禾ロは 0であり、した力 Sつて、流入べクトノレ v (t)401は、隣接する 上下左右のネ舛目 302力らの流人を表すべクトノレ 402、 403、 404、 405の総禾口となる
[0079] もちろん、ネ舛目 302力らの流出を均等にしなレヽ ί列で ίま、ベタ卜ノレ 406、 407、 408、 4 09の総和は必ずしも 0とはならない。この場合は、これらについてもベクトル和の計算 に含めることとすれば、流入ベクトル V (t)401を求めることができる。
[0080] なお、仮想世界の地面 301における区画の分割には種々の手法がある。したがつ て、それに応じて、隣接する区画を適宜定め、流入'流出を表す方向のベクトルは区 画同士の境界に直交する方向とすれば、区画の形状が任意のものに対応が可能で ある。また、上述した通り、各境界にて出入りする量は、方向によって異なるものとして も良いし、等しいものとしても良レ、。異なるものとした場合には、流出を表すベクトルと 流入を表すべタトノレの総和により、流入ベクトル V (t)401を得ることができる。
[0081] 「流入の総量」(もしくは、この値に、当該桝目 302のひ e (t)や P〔l+sin(t/T)〕をカロ算
したもの)は、ベクトル Aに力かるべクトノレ場解析における div Aに相当する量であり、 ベクトル 401は、ベクトル Aに相当すると考えることができる。また、桝目 302における 値 e (t)は、ベクトル Aのスカラーポテンシャル- grad Aに相当する、と考えることができ る。
[0082] また、当該桝目 302における環境パラメータの即値 e (t)の差分
A e (t) = e (t+1)— e (t)
を表示することとしても良レ、。これもまた、ベクトル Aに力かるベクトル場解析における d iv Aに相当する量と考えることができる。
[0083] 地面 301に係る仮想世界は、現実の物理法則に必ずしもしたがう必要はないが、 プレイヤーからすれば、現実の物理法則に即して各種の環境パラメータを見ることが できた方が、その分布の理解が容易になる。上記のように、各種の環境パラメータは 、ベクトル場 (電磁場や流体力学における場等が相当する。)のアナロジーで把握す ることができるため、プレイヤーの理解度を向上させるのに役立つ。以下では、これら の環境パラメータのうち、スカラー量である
即値 e (t) ;
流入総量 f (t) ;
差分 Δ e (t)
や、ベクトル量である
流入べクトノレ V (t)
等を、画像で表現する手法について、説明する。
[0084] (画像生成)
画像生成部 203は、上記のように取得された各種の環境パラメータ、たとえば、 即値 e (t) ;
流入総量 f (t);
差分 Δ Θ (t) ;
流人べクトノレ v (t)
[0085] に基づいて画像を生成する。
[0086] そして、当該画像は、仮想世界の地面 301における座標 (U)に対応する位置に、こ
れらの環境パラメータに対応付けられる図形を描画したものである。仮想世界の地面
301内における座標 (i,j)と、座標 (i,j)に対応付けられる内の位置との対応付けは、ちょ うど、現実世界の地面と地図との対応付けに相当する。
[0087] 上記のように、プレイヤーが操作するキャラクターの座標は (x,y)であるから、本実施 形態では、当該キャラクターの位置を画像の中心に配置するものとすると、所定の表 示幅 2W (W≥l)と所定の表示高 2H (H≥l)を用いて、座標 (i,j)に係る環境パラメータ は、
x-W≤i≤x+W, y-H≤j≤x+H
である場合、すなわち、キャラクターがいる区画を中心にした幅 2W+1、高さ 2H+1の長 方形領域に含まれるものを表示することとする。
[0088] このようにすれば、注目するキャラクターの近くの領域の環境パラメータの分布を表 現する手法として、最も単純である。なお、以下の説明では、理解を容易にするため 、 W = H = 2としている。ただし、中心に注目キャラクター位置を配置するのではなぐ 仮想空間内の所定の領域を表示領域として設定し、注目キャラクターの位置を表す 指示標識を、以下で生成される画像に重ねて表示する等の態様を採用しても良い。
[0089] 図 5は、ある時刻 tにおけるスカラーの環境パラメータを、描画した画像を示す説明 図である。以下、本図を参照して説明する。
[0090] 本図(a)では、座標 (U)に対応する画像内の位置を、所定の正定数 A, B, C, Dを用 いて、
(A(i-x+W) + B(j-y+H), C(i- x+W) + D (卜 y+H))
としている。これはいわゆる一次変換による座標変換で、長方形が平行四辺形に投 射されるものである。
[0091] したがって、仮想世界の地面 301の正方形の区画は、本図では平行四辺形に投射 され、ちょうど当該仮想世界の斜視図のような体裁となっている。
[0092] そこで、本図(a)では、仮想世界の地面 301において座標 (i,j)を含む区画が投射さ れた平行四辺形を上方に、当該スカラーの環境パラメータに対応する長さだけ、スィ ープさせた図形を、当該座標 (i,j)における環境パラメータを表す図形として描画して いる。
[0093] このような表現により、環境パラメータを 3次元的に棒グラフで表現した後に、当該 棒グラフを斜視図にしたような画像が得られる。
[0094] 本図では、棒グラフの棒が不透明に描かれているが、全体の様子を見たい場合に は、それぞれを半透明に描画しても良い。
[0095] また、棒グラフの棒を動画像として表示する場合には、棒グラフの奥から手前に向 かって、順次描画される棒の数を増やしていぐという手法も採用することができる。
[0096] たとえば、本図においては、本図(b)→本図(c)→本図(d)→本図(e)→本図(a)
→本図(b)→本図(c)→本図(d)→本図(e)→…の順に順次表示する動画像とする のである。この際、注目するキャラクターが存在する桝目 302に相当する棒は、他の 棒とは異なる体裁(色彩、明度等)で表示すると、プレイヤーにとって理解しやすいも のとなる。
[0097] また、本図に示す例では、これから棒グラフの棒が現われる「床」には、その旨がわ 力るように、棒グラフの天井と同じ形状の図形 (本図では点線で囲んでいる)を描いて いる。また、中央の図形は、注目するキャラクターが存在する桝目 302に相当するた め、強調表示がされている。
[0098] なおこの場合、動画像の更新時間単位(一コマ分の時間)は、環境パラメータの更 新時間単位よりも短くすることが望ましい。このほか、本表示をする場合には、棒ダラ フの棒が床から上に伸びていき、当該値に到達すると止まるようなアニメーション表示 を採用しても良い。
[0099] 図 6は、ある時刻 tにおけるスカラーの環境パラメータを、他の手法で描画した画像 を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
[0100] 本図(a)に示す例では、仮想世界の地面 301の桝目 302を上空から見たような、格 子状の領域を画像に表現することとし、各格子に囲まれた領域の明度を、第 1のスカ ラーの環境パラメータに対応付けられたものとしている。
[0101] この際に、明度を周期的に振動させることとし、当該振動の周期を第 2のスカラーの 環境パラメータに対応付けることで、 2種類の環境パラメータを同時にプレイヤーに提 示すること力 Sできる。この際、第 1のスカラーの環境パラメータは、明度の振動の振幅 に相当することになる。
[0102] 本図(b)に示す例では、仮想空間の地面 301との対応付けの配置は本図(a)と同 様であるが、図形として円を表示することとし、この円の大きさを、第 1のスカラーの環 境パラメータに対応付けている。
[0103] この場合にも、第 2の環境パラメータを同時に表示させる手法として、円の大きさを 振動するように変化させ、その周期を第 2の環境パラメータに対応付ける手法が考え られる。
[0104] また、これらの例において、振動の周期によって第 2の環境パラメータを表示するの ではなぐ振動の周期を第 1の環境パラメータにそのまま対応付けることとしても良い
。また、振動の周期を一定とすることとしても良い。
[0105] 本図(b)において振動の周期を一定とすると、環境パラメータが大きいときには円 が振動する度合も大きぐ隣りの円に触れるようになる。したがって、プレイヤーには、 円が隣りの円に触れて振動が伝播するかのように見える。
[0106] この表示は、「ある区画の環境パラメータが大きいと、ここから隣の区画に伝播する 程度も大きい」という上記の環境パラメータのモデルに、よく合致するものである。
[0107] なお、スカラーの環境パラメータを表示する際には、明度や大きさのみならず、各種 の色の成分や彩度、透明度( α値)など、種々の描画可能な属性を対応付けることが 可能である。
[0108] 図 7は、ベクトルの環境パラメータを提示する画像の一部拡大図であり、図 6 (b)に 類似した手法で、整列された円を用いて環境パラメータを表示する態様に係るもので 、ある桝目 302に対応する円に注目して図示している。以下、本図を参照して説明す る。
[0109] 本図に示される円 701の大きさや色は、図 6等に示される手法で定めたり振動させ たり、定数としたりすることができる力 本図の例では、円 701の位置そのものも変化 させる。すなわち、当該円 701に対応する桝目 302におけるベクトル 401を含む方向 (図 4を参照。)に、円 701を振動させるのである。
[0110] 本図(a)では、円 701は基本位置(円の中心 702の位置がベクトル 401の始点と一 致している。)となっているが、本図(b)では、ベクトル 401の方向に少しずれており、 本図(c)では、ベクトル 401の方向にさらにずれ、以下本図(e)まで続く。
[0111] そして、本図(a)→本図(b)→本図(c)→本図(d)→本図(e)→本図(a)→本図(b) →本図(c)→本図(d)→本図(e)→…の順に動画のコマを割り当てて、円 701が非 対称に振動する動画像を生成することにより、ベクトル 401の向きを明確に表現する ことができる。もちろん、適用分野によっては、円 701の振動を対称にしても良い。
[0112] (制御の流れ)
本実施形態に係る画像生成装置 201にて実行される処理の詳細は上記の通りで あるが、以下では、処理全体の流れについて説明する。図 8は、本実施形態におけ る画像生成装置において実行される処理の制御の流れを示すフローチャートである 。以下、本図を参照して説明する。
[0113] 処理が開始されると、 CPU 101は、 RAM 103に用意された配列 e [ ]等の環境 パラメータ記憶領域を初期化する(ステップ S801)。そして、ゲームが終了するまで、 以下の処理繰り返す(ステップ S802〜ステップ S808)。
[0114] まず、 CPU 101は、次に垂直同期割り込みが発生するまで待機する(ステップ S8 03)。この待機の間には、別の処理をコルーチン的に実行しても良レ、。垂直同期割り 込みは、テレビジョン装置の画面などに表示される画像を更新する時間単位であり、 約 60分の 1秒が典型的である。したがって、本処理の繰り返しの一単位に要する時 間は、垂直同期割り込みが発生する周期に一致する。
[0115] 次に、今回の繰返しにおいて、環境パラメータの伝播をさせて値を更新するか否か を判定する(ステップ S804)。環境パラメータの伝播の処理は、上記の通りであるが、 いわゆる差分方程式を解く処理に類似するものであり、計算時間が長いこともある。 そこで、適宜間引きをおこなうのである。
[0116] 伝播を行う場合(ステップ S804 ; Yes)、 CPU 101は、上記のように、 RAM 103 に格納される環境パラメータを伝播させて更新し (ステップ S805)、ステップ S806に 進み、行わない場合(ステップ S804 ; No)、そのままステップ S806に進む。これによ り、 RAM 103に環境パラメータが得られるので、 CPU 101は、 RAM 103と共働 して、パラメータ取得部 202として機能することとなる。
[0117] 次に、 CPU 101は、 RAM 103に格納された環境パラメータを参照して画像処 理部 107に指示を出し、 RAM 103内の画像バッファに、上記のような環境パラメ一
タを表示する画像を生成させる(ステップ S806)。
[0118] 上記のような振動に基づく動画像表示を行うためには、各桝目 302ごとに、現在の 位相を保持する領域を RAM 103に確保する。 「位相」とは、振動の一周期におい て現在がどの段階にある力、、を表す量をいい、たとえば、図 7 (a)〜(e)では、位相が 少しずつ増えている、と考えることができる。
[0119] そして、当該位相に基づいてこの瞬間の画像を生成する。そして、画像が生成され た後に、その桝目 302の位相に、振動によって表示するスカラーパラメータに所定の 定数を乗じた値を加算する。
[0120] そして、生成された画像を、フレームバッファに転送して(ステップ S807)、繰返しを 続ける(ステップ S808)。
[0121] したがって、 CPU 101は、 RAM 103、画像処理部 107等と共働して、画像生成 部 203として機能することとなる。
[0122] このような処理を行うことにより、仮想世界の地面 301に分布する環境パラメータを 1 つ、もしくは、複数を同時に、桝目 302を単位として、注目すべきキャラクターがレ、る 位置を中心位置に、プレイヤーに理解しやすく提示することができるようになる。
[0123] なお、本願においては、 日本国特許出願 特願 2006— 093810号 に基づく優先 権を主張するものとし、指定国の国内法令が許す限り、当該基礎出願の内容を本願 に取り込むものとする。
産業上の利用可能性
[0124] 以上説明したように、本発明によれば、仮想空間における環境パラメータの分布を 見やすく表示する画像を生成するのに好適な画像生成装置、画像生成方法、これら をコンピュータにて実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録 媒体、ならびに、当該プログラムを提供することができる。