WO2007074619A1 - 電気コネクタ - Google Patents

Description

明 細 書

電気コネクタ

技術分野

[0001] 本発明は、電気配線等を有する平板状ケーブル (例：フィルム状フレキシブルケー ブル)を電気的に接続するコネクタに関し、より詳細には、ァクチユエータの開閉操作 によって、コンタクト部が開閉動作を伴い、それよつて、コンタクト部と平板状ケーブル とを接触又は非接触とすることができる電気コネクタに関するものである。

背景技術

[0002] 従来技術では、筐体と、平板状ケーブルを把持するコンタクト部とを備えたコネクタ は多数開示されている。その主な構造は、コンタクト部が、連接部を介して接続され た 2つの対向するビームを有して構成される。 2つのビームの一方は、連接部近傍か ら延長方向に延びる延長部を有し、ァクチユエータの開閉操作によって延長部が弾 性変形することにより、ビームの開閉動作が行われる。

当該開閉動作は、筐体内において、最小限の動作範囲で行われることが好ましぐ 2つのビームの対向間隔を必要以上に大きくすることは、ビームの開閉動作の支点 部に疲労を与える原因となりやすい。したがって、ァクチユエータの開閉操作におい て、 2つのビームの対向間隔力 ァクチユエータの閉鎖位置で最も接近し、ァクチユエ ータの開放位置で最も離隔する構造とすれば、最小限で動作範囲の設定が可能と なる。

そのような構造を有するコネクタは特許文献 1に開示されて 、る。

[0003] 当該特許文献 1では、コンタクト部力 2つのビーム及びそれを保持する基部ビーム と一体形成されている。 2つのビームの自由端は、無負荷状態の形状で平板状ケー ブルの挿入時に平板状ケーブルと接するカゝ、接する寸前となるように対向配置されて いる。基部ビームに支持されたビームの後端には、ァクチユエータの操作部との係合 部が設けられており、ァクチユエ一タの回動操作の位置に応じて、ァクチユエータの 操作部がビーム後端の係合部と係合して後端部を押上げたり、押し下げたりしてビー ムに押圧力を加えるとともに、係合部と係合せずにコンタクト部を無負荷状態にする。 このような構造によって、ァクチユエータの開放時には、ビームの自由端の対向間 隔が拡がって平板状ケーブルの挿入が可能となり、ァクチユエ一タの回動操作の中 間位置では、コンタクト部が無負荷状態となるので、ビームの自由端の対向間隔が狭 くなつて平板状ケーブルと接触することとなり、ァクチユエータの閉鎖時には、ビーム の自由端の対向間隔がさらに狭くなつて平板状ケーブルが把持される。

[0004] 特許文献 1 :特開 2004— 158206号

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 特許文献 1は、ビーム自由端の対向間隔が最小限の範囲で変化する平板状ケー ブルの把持構造を開示している。しかし、コンタクト部の形状及びァクチユエ一タの構 造が複雑であるため、製造費用の面で多少不利な面がある。そこで、特許文献 1と同 様の把持能を有し、かつ、コンタクト部の構造を容易化した電気コネクタが巿場で要 望されている。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明は、ァクチユエ一タの回動操作による開閉動作において、ァクチユエータの 位置に応じて、コンタクト部を形成する 2つのビームの間隔を最小限に変化させるコ ネクタであって、コンタクト部の構造が容易で新規的な電気コネクタを提供することを 目的とする。

[0007] (1)上述の目的を達成するために、本発明による電気コネクタは、平板状ケーブルを 把持することができ、前記平板状ケーブルを把持可能なコンタクト部と該コンタクト部 を収容する筐体とを備え、

前記コンタクト部は、

平板状ケーブルの一方の面と接触可能な第 1ビームと、

平板状ケーブルの他方の面と接触可能な第 2ビームと、

第 1ビーム力 延びて第 2ビームと連接される接続部と、

第 1ビーム及び接続部から第 1ビームの延長方向に延びる延長部とを備え、 前記筐体は、回動操作によって第 1ビームを動作させるァクチユエータを備え、 ァクチユエータは、 回動操作によって回動する回動軸部と、

回動操作によって前記延長部と接触可能に移動する移動部と、

ァクチユエ一タを回動させるための操作部とを備え、

ァクチユエータの閉鎖時に、移動部が延長部と接触することによって、第 1ビームが 第 2ビームに近接し、

ァクチユエータの開放時に、操作部が延長部と接触することによって、第 1ビームが 第 2ビーム力も隔離されることを特徴とする。

(2)また、本発明による電気コネクタは、ァクチユエ一タの回動操作中に、移動部が 延長部との接触を解除されることによって、第 1ビームが、ァクチユエータの開始又は 終了位置における第 1ビームの位置と、ァクチユエータの終了又は開始位置におけ る第 1ビームの位置との中間位置で原形保持されることを特徴とする。

(3)また、本発明による電気コネクタは、回動軸部を収容する収容片が、延長部と第 2ビームとの間の空間部に第 2ビームを基端として延びていることが好ましい。

(4)また、本発明による電気コネクタのコンタクト部は、移動部と回動軸部との間を通 つて収容片が延びて 、ることが好ま 、。

(5)さらに、本発明による電気コネクタのコンタクト部は、第 2ビームが筐体の一部と係 止されて!/、ることが好まし!/、。

発明の効果

(1)本発明による電気コネクタは、ァクチユエータを閉鎖する位置で、移動部が延長 部と接触することによって、第 1ビームが第 2ビームに近接し、ァクチユエータを開放 する位置で、操作部が延長部と接触することによって、第 1ビームが第 2ビームから隔 離されるので、コンタクト部が平板状ケーブルを把持するのに必要な変化範囲を最小 限に設定し、コンタクト部の疲労を軽減することができる。

(2)本発明による電気コネクタのコンタクト部において、第 1ビームが、了クチユエータ の閉鎖位置における第 1ビームの位置と、ァクチユエータの開放位置における第 1ビ ームの位置との中間位置で原形保持されるので、例えば、コンタクト部が弾性復元に よって自然形状をなす位置で平板状ケーブルと接触するか、あるいは、接触寸前で あれば、ァクチユエ一タの回動操作中に、コンタクト部を静止させて平板状ケーブル を仮止めすることができる。

(3)本発明による電気コネクタは、回動軸部を収容する収容片が、延長部と第 2ビー ムとの間の空間部に第 2ビームを基端として延びているので、回動軸の軸受けとして 機能を有する。

(4)本発明による電気コネクタにお 、て、移動部と回動軸部との間を通って収容片が 延びているので、ァクチユエータの閉鎖時に移動部が第 1ビームを押上げる力をカロえ る際に、第 1ビーム力 の応力を収容片が吸収し、第 1ビーム力 の荷重による移動 部の歪み等の変形を防止することができる。

(5)本発明による電気コネクタにお！/、て、第 2ビームが筐体の一部と係止されて 、る ので、例えば、コンタクト部に外力が加わってもコンタクト部は所定の位置に固定され 、本発明による電気コネクタは、所期の目的及び機能を発揮することができる。

図面の簡単な説明

[図 1]本発明による電気コネクタの外観斜視図であって、（a)はァクチユエータが閉鎖 している図であり、（b)は、ァクチユエータが開放している図である。

[図 2]図 1 (a)の A— A'で横断した断面図であって、ァクチユエータが開放している図 である。

[図 3]図 1 (a)の A—A'で横断した断面図であって、ァクチユエ一タが回動操作中の 図である。

[図 4]図 1 (a)の A— A'で横断した断面図であって、ァクチユエータが閉鎖している図 である。である。

符号の説明

1 · · •コネ、クタ

2 " •コンタクト部

3 · · ，筐体

4 · · '第 1ビーム

5 · · '第 2ビーム

6 · · •延長部

7 " •収容片 8 · · ·接続部

9 · · ·操作部

10 · ·ァクチユエータ

11 · ·回動軸

12 · ·移動部

発明を実施するための最良の形態

[0011] 本発明の好ましい実施形態について実施例を挙げ、図面を参照して説明する。な お、各図において、同じ構成要素には同じ符号を用い、適宜その説明を省略する場 合がある。

実施例 1

[0012] 図 1は、本発明による電気コネクタ 1の外観斜視図を示している。 (a)は、平板状ケ 一ブルを把持可能な態様を示し、（b)は、平板状ケーブルを挿抜可能な態様を示し ている。電気コネクタ 1は、一列に配列されたコンタクト部 2と、該コンタクト部 2を収容 する筐体 3とを備えている。

筐体 3は、コンタクト部 2を内部に収容するとともに、回動操作によって第 1ビーム 4 ( 図 2及び図 3参照）を動作させるァクチユエータ 10を備えている。

[0013] 図 2ないし図 4は、いずれも電気コネクタ 1の A— A，の断面図であって、以下に共通 する構成要素の形態を説明する。

コンタクト部 2は、第 1ビーム 4と、第 2ビーム 5と、第 1ビーム 4から延びて第 2ビーム 5 と連接された接続部 8と、第 1ビーム 4及び接続部 8から第 1ビーム 4の延長方向に延 びる延長部 6とで一体形成されており、平板状ケーブル (2点鎖線で示す)を第 1ビー ム 4と第 2ビーム 5とによって把持する把持能を有する。

ァクチユエータ 10は、ァクチユエ一タを回動させるための操作部 9と、回動操作によ つて回動する回動軸部 11と、回動操作によって前記延長部 6と接触可能な移動部 1 2とを有して構成され、それらが一体的に形成されている。回動軸部 11及び移動部 1 2はコンタクト部 2の配列方向に並列に延びた棒状の形体を有する。回動軸部 11は、 筐体 3の長手方向の端部における軸受け（図示せず）内にて回動自在に軸支されて いる。 延長部 6と第 2ビーム 5との間の空間部には、回動軸部 11を収容するように、収容 片 7が延びており、該収容片 7は、第 2ビーム 5を基端として回動軸部 11と移動部 12 との間の隙間を通っている。回動軸部 11は、軸受け内で多少の空間（遊び）によって 多少の移動が生ずる場合もあるが、常に収容片 7の内部に収容されている。

第 2ビーム 5は、筐体 3内の所定の挿入孔に挿入されて摩擦係止等によって固定さ れる。これにより、移動部 12による延長部 6への負荷、回動軸部 11と収容片 7との摩 擦、操作部 9による延長部 6への負荷、及び、平板状ケーブルとビームとの接触摩擦 等に起因してぐらつきは生じない。

[0014] 図 2は、ァクチユエータ 10を開放して 、る態様を示して 、る。

ァクチユエータ 10の開放時には、回動軸 11は収容片 7の内部に位置し、移動部 1 2は延長部 6と非接触である。操作部 9は延長部 6と当接して第 2ビーム 5の方向に押 圧力を加えている。それによつて、第 1ビーム 4の自由端は、平板状ケーブルの厚み よりも広い間隔で第 2ビームと離隔する方向に移動し、平板状ケーブルの挿入を許容 している。次に、平板状ケーブルは、挿入口から挿入されて、第 2ビームに沿って所 定位置まで案内される。

[0015] 図 3は、ァクチユエータ 10が回動操作中の態様を示している。

図 2の態様カもァクチユエータ 10の回動軸 11を中心として回動操作を開始すると、 延長部 6が徐々に操作部 9との当接力も解放される。それにつれて、第 1ビーム 4が 弾性的に復元し、第 1ビーム 4の自由端が第 2ビーム 5に接近する。そして、延長部 6 と操作部 9との当接が完全に解放されると、第 1ビーム 4は、外力が加わらない無負荷 状態となって、第 2ビーム 5との間隔が平板状ケーブルの厚みと略同一となる。これに よって、平板状ケーブルは第 1ビーム 4と第 2ビーム 5の双方と当接して平板状ケープ ルの厚み方向に仮止めされた状態となる。一方、移動部 12は、回動操作によって、 延長部 6の、第 2ビーム 5と対向する下方側に徐々に近接していき、回動操作を継続 していくと徐々に延長部 6の下方部に潜り込んで延長部 6を第 2ビーム 5に対して垂 直方向に押し上げる。

[0016] 図 4は、図 3の態様から回動操作をさらに継続し、最終位置でァクチユエータ 10を 閉鎖して 、る態様を示して 、る。 ァクチユエータ 10の閉鎖位置では、移動部 12は、収容片 7と延長部 6との間に位 置し、収容片 7で支持されるとともに、延長部 6を第 2ビーム 5に対して鉛直上方に力 を加えている。移動部 12は、延長部 6を押し上げた力と反対方向の鉛直下方に応力 を受けるが、その応力は、収容片 7が移動部 12を押上げる力と相殺される。それによ つて、移動部 12では、延長部 6の応力に起因する歪みが発生し難くなるとともに、最 終的には、図 4のように、延長部 6が押上げられ、第 1ビーム 4の自由端が第 2ビーム 5 の方向に近接する。その結果、第 1ビーム 4は、平板状ケーブルの一方の面上の接 点を押圧し、第 2ビーム 5と協働して平板状ケーブルを把持する。

以上のように、ァクチユエータ 10の回動操作の範囲を特定すると、第 1ビーム 4の第 2ビーム 5に対する開放位置及び閉塞位置が決定される。これによつて、第 1ビーム の移動範囲を最小限に設定することができる。また、ァクチユエ一タの回動操作中に 、第 1ビーム 4が無負荷で移動範囲の中間位置で原形保持される形態を有するので 、当該中間位置を基準にして第 1ビーム 4が開閉動作を行うこととなり、コンタクト部の 変形範囲が従来よりも少なくなる。それによつて、コンタクト部の疲労は軽減され、電 気コネクタの寿命を延ばすことができる。

さらに、本発明は、コンタクト部 2が 2本のビーム 4, 5、それらの接続部 8及び収容片 7のみで構成されているので、従来の同様な機能を有する電気コネクタに比較して製 造が容易となっているとともに、上述の目的を達成する新規的な電気コネクタの提供 に寄与している。

Claims

請求の範囲

[1] 平板状ケーブルを把持する電気コネクタであって、

電気コネクタは、前記平板状ケーブルを把持可能なコンタクト部と該コンタクト部を 収容する筐体とを備え、

前記コンタクト部は、

平板状ケーブルの一方の面と接触可能な第 1ビームと、

平板状ケーブルの他方の面と接触可能な第 2ビームと、

第 1ビーム力 延びて第 2ビームと連接される接続部と、

第 1ビーム及び接続部から第 1ビームの延長方向に延びる延長部とを備え、 前記筐体は、回動操作によって第 1ビームを動作させるァクチユエータを備え、 ァクチユエータは、

回動操作によって回動する回動軸部と、

回動操作によって前記延長部と接触可能に移動する移動部と、 ァクチユエ一タを回動させるための操作部とを備え、

ァクチユエータの閉鎖時に、移動部が延長部と接触することによって、第 1ビームが 第 2ビームに近接し、

ァクチユエータの開放時に、操作部が延長部と接触することによって、第 1ビームが 第 2ビームから隔離されることを特徴とする電気コネクタ。

[2] ァクチユエ一タの回動操作中に、移動部が延長部との接触を解除されることによつ て、第 1ビームが、ァクチユエータの開始又は終了位置における第 1ビームの位置と、 ァクチユエータの終了又は開始位置における第 1ビームの位置との中間位置で原形 保持されることを特徴とする請求項 1に記載の電気コネクタ。

[3] 回動軸部を収容する収容片が、延長部と第 2ビームとの間の空間部に第 2ビームを 基端として延びていることを特徴とする請求項 1又は 2に記載の電気コネクタ。

[4] 移動部と回動軸部との間を通って収容片が延びていることを特徴とする請求項 3に 記載の電気コネクタ。

[5] 第 2ビームが筐体の一部と係止されて 、ることを特徴とする請求項 1な 、し 4の 、ず れかに記載の電気コネクタ。