WO2007069496A1 - 着用物品の製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】装着感が良好で、かつ、製造コストの低減を図り得る着用物品の製造方法を提供する。 【解決手段】ウエブＷの長手方向Ｌに連続し、かつ、所定の波長λおよび第１の振幅α１，α２を持つ第１の波形αに沿ってレッグ用の弾性部材Ｆを搬送中のウエブＷに配置して複合シートＷｓを生成する工程と、複合シートＷｓの長手方向Ｌに連続し、かつ、前記波長λと同じ波長λおよび第１の振幅α１，α２よりも小さい第２の振幅β１，β２を持ち第１の波形αと同調する第２の波形βを持つ切断線ＣＬに沿って搬送中の複合シートＷｓを切断する。

Description

明 細 書

着用物品の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は使い捨てォムッやパンツなどの着用物品の製造方法に関する。

背景技術

[0002] 着用物品の加工工程では、連続ウェブがサインカーブ状に切断されて、一対の分 割ウェブが生成された後、前記一対の分割ウェブの位相がずらされて両ウェブの凸 部同士が互いに接着される加工方法が提案されている。この加工方法は、連続ゥェ ブのレッダホールとなる部分をくり抜いて廃棄する無駄をなくすことが可能である（たと えば、特許文献 1)。

前記従来の方法では、連続ウェブに一対の弾性部材が概ね平行にサインカーブ 状に配置され、両弹性部材の間において連続ウェブが切断される。分割された各ゥ エブには、レッダホールに沿った形状の連続した弾性部材がそれぞれ配置される。 特許文献 1 :特開平 9— 224973号（図 1,図 3)

発明の開示

[0003] しかし、前記従来の方法では、吸収体が配置されるウェブの前記凸部にも弾性部 材が配置される。そのため、弾性部材の収縮により吸収体が着用者の股間において 幅方向に収縮し、ごわつき感 (stiff feeling)が生じる。そのため、着用物品の装着感が 著しく低下する。

また、切断後の搬送工程において、弾性部材の収縮により皺が生じ易くなるため、 吸収体の配置や接着が難し ヽ。

さらに、前記凸部に無駄な弾性部材が配置されるので、弾性部材の使用量が多く なり、コストアップが生じる。

[0004] したがって、本発明の主な目的は、装着感が良好で、かつ、製造コストの低減を図 り得る着用物品の製造方法を提供することである。

[0005] 本発明のある着用物品の製造方法は、着用者の胴の一部を覆う第 1胴部と、着用 者の胴の他部を覆う第 2胴部と、着用者の股を覆うコア部とを備えた着用物品の製造 方法であって、搬送方向に連続するとともに第 1側縁部および第 2側縁部を有する帯 状のウェブを搬送する工程と、前記ウェブの長手方向に連続し、かつ、所定の波長 および第 1の振幅を持つ第 1の波形に沿ってレッダ用の弾性部材を前記搬送中の前 記ウェブに配置して複合シートを生成する工程と、前記複合シートの長手方向に連 続し、かつ、前記波長と同じ波長および前記第 1の振幅よりも小さい第 2の振幅を持 ち前記第 1の波形と同調する第 2の波形を持つ切断線に沿って前記搬送中の前記 複合シートを切断することで、前記第 1側縁部を含み前記切断線に沿った第 1凹部と 第 1凸部を交互に有する第 1分割シートと、前記第 2側縁部を含み前記切断線に沿 つた第 2凸部と第 2凹部を交互に有する第 2分割シートとに分割すると共に前記弾性 部材を切断する工程と、前記第 1凸部と前記第 2凸部とが互いに対向するように、前 記第 1分割シートと前記第 2分割シートの流れ方向の位相を互いにずらす工程と、前 記第 1凸部と前記第 2凸部とに跨がるように前記コア部を配置する工程とを備えてい る。

[0006] この方法によれば、複合シートの切断線を構成する第 2の波形の振幅力 弾性部 材を配置する第 1の波形よりも小さい振幅なので、各凸部の先端部分には弾性部材 が配置されない。そのため、後に吸収体が配置される部位には、前記レッダ用の弹 性部材が配置されないから、弾性部材の収縮による吸収体の変形が防止される。し たがって、吸収体のごわつき感が生じないので、着用物品の装着感が著しく向上す る。

[0007] また、分割シートの各凸部の先端部分に弾性部材が配置されないので、つまり、後 に吸収体が配置される部位に弾性部材が配置されないから、搬送工程において、該 凸部に皺が生じるおそれがない。したがって、吸収体の配置および接着を容易かつ 強固に行うことができる。

[0008] さらに、着用者の股間に相当する各凸部の先端部分には弾性部材が配置されない ので、従来の各分割シートごとに弾性部材を配置する方法に比べて弾性部材の使用 量が少なくなるから、大幅なコストダウンを実現し得る。

[0009] ここで、 "着用物品"とは、使い捨てォムッやパンツなどの使い捨て着用物品の半製 品および完成品を含む概念である。 [0010] 前記製造方法の好適な実施例にぉ 、ては、前記第 1側縁部力 第 2側縁部までの 幅が広がるように前記 2つの分割シートを前記長手方向に直交する幅方向に相対移 動（拡幅）させる工程を更に備えて 、てもよ 、。

[0011] 前記製造方法の好適な実施例においては、前記第 1凸部と前記第 2凸部の一部が 互いに重なるように前記相対移動が実行されてもよい。力かる態様によれば、レッダ に沿ったレッダホールの形状が作り易 、。

図面の簡単な説明

[0012] [図 1]図 1A、図 IBおよび図 1Cは、それぞれ、本発明にかかる着用物品の製造工程 の一例の一部を示す概略平面図である。

[図 2]図 2Aおよび図 2Bは、それぞれ、同製造工程の一例の一部を示す概略平面図 である。

[図 3]図 3Aは本製造方法によって製造された着用物品の一例を示す概略断面図、 図 3Bは同概略平面図、図 3Cは同概略側面図である。

[図 4]図 4Aは本製造方法によって製造された着用物品の他の例を示す概略断面図 、図 4Bは同概略平面図、図 4Cは同概略側面図である。

符号の説明

[0013] 0；:第1の波形

l, 0；2 :第1の振幅

β：第 2の波形

β 1, j8 2 :第 2の振幅

C :コア部

CL :切断線

D:幅方向

L:長手方向

31 :第1胴部

S2 :第 2胴部

W:ウェブ

W1 :第 1分割シート W2 :第 2分割シート

Wld:第 1凹部

Wlu:第 1凸部

W2d:第 2凹部

W2u:第 2凸部

Ws :複合シート

Wis :第 1側縁部

W2s :第 2側縁部

X：搬送方向

λ：波長

発明を実施するための最良の形態

[0014] 本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理 解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のため のものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の 範囲は請求の範囲のみによって定まる。添付図面において、複数の図面における同 一の部品番号は、同一または相当部分を示す。

[0015] 実施例 1 :

以下、本発明の一実施例が図面にしたがって説明される。

図 3Α、図 3Βおよび図 3Cには、本製造方法によって製造された着用物品の一例が 示される。図 3Α、図 3Βおよび図 3Cに示すように、前記着用物品は、第 1および第 2 胴部 SI, S2およびコア部 Cを備えた、いわゆる砂時計型に形成されている。

レッダ用の弾性部材 Fは、第 1および第 2胴部 SI, S2のレッダホール部 Lhを形成 するアウトラインに沿って配置されている。このレッダ用の弾性部材 Fは着用物品にお けるレッダホール部 Lhがレッダにフィットするように設けられる。一方、レッダ用の弾性 部材 Fは、コア部 Cが配置される第 1および第 2胴部 SI, S2から中心に向力つて突出 する各第 1凸部 Wlu, W2uの先端部分 Wfには配置されて 、な 、。

[0016] 製造方法：

以下、着用物品のある製造方法の一例が説明される。 複合シート Wsの生成工程；

図 1Aに示すように、搬送方向 Xに連続する帯状のウェブ Wは、第 1および第 2側縁 部 Wis, W2sを有している。前記ウェブ Wは搬送方向 Xに搬送される。前記搬送中 のウェブ Wに、 1本または複数本のレッダ用の弾性部材 Fが波形に配置されることに より、複合シート Wsが形成される。複合シート Wsは一対のウェブ W, Wの間に弾性 部材 Fが挟まれて形成されていてもよい。弾性部材 Fは、ウェブ Wの長手方向 Lに連 続して配置される。弾性部材 Fは、所定の波長 λを持つ第 1の波形 exに沿って、ゥェ ブ Wの幅方向 Dの概ね中央部分に配置される。

[0017] 分割工程；

図 1Bに示すように、搬送中の複合シート Wsは、前記複合シート Wsの長手方向 L に連続する切断線 CLに沿って切断される。前記複合シート Wsの切断により、複合シ ート Wsは、第 1および第 2分割シート Wl , W2に分割される。

[0018] 前記切断線 CLは、複合シート Wsの長手方向 Lに連続した第 2の波形 βに沿って いる。第 2の波形 |8は、前記第 1の波形 αの波長えと同じ波長を有し、かつ、第 1の 波形 αの振幅 α ΐ , α 2よりも小さい第 2の振幅 |8 1 , j8 2を持つ。前記第 2の波形 は、長手方向に沿って移るにつれて第 1の波形 αと同調して複合シート Wsの幅方向 Dに移るような形状に形成されている。すなわち、第 1の波形 αが第 1側縁部 Wisに 近づくように変化している箇所では第 2の波形 βも第 1側縁部 Wis側に近づくように 変化しており、かつ、第 1の波形 αが第 2側縁部 W2sに近づくように変化している箇 所では第 2の波形 βも第 2側縁部 W2sに近づくように変化している。

[0019] ここで、 2つの波形 α , βは互いに同調して幅方向 Dに移る形状であるので、互い に近接している。また、弾性部材 Fは切断線 CLと、複合シート Wsの中心線 100付近 で互いに交わり、かつ、第 1分割シート W1においては切断線 CLよりも若干第 1側縁 部 Wis側に位置し、第 2分割シート W2においては、切断線 CLよりも若干第 2側縁部 W2s側に位置している。

[0020] このように切断線 CLと弾性部材 Fとの位置関係や両者の形状が設定されて 、ること で、図 3Bの弾性部材 Fは着用物品の幅方向の両端部分においてはレッダホール Lh に沿って配置され、かつ、股間の幅方向には存在しない状態となる。 [0021] 拡幅工程；

前記分割後、図 1Cに示すように、前記第 1側縁部 Wisから第 2側縁部 W2sまでの 幅 dlが広がるように、 2つの分割シート Wl , W2が幅方向 Dに相対移動（拡幅）され る。

第 1分割シート W1は、前記第 1側縁部 Wisを含み、切断線 CLに沿った第 1凸部 W luと第 1凹部 Wldとを交互に有している。

第 2分割シート W2は、前記第 2側縁部 W2sを含み、切断線 CLに沿った第 2凹部 W 2dと第 2凸部 W2uとを交互に有して 、る。

[0022] ここで、図 1Bに示すように、弾性部材 Fの第 1の波形 αの第 1の振幅 α 1 , α 2が、 切断線 CLの第 2の波形 |8の第 2の振幅 |8 1 , β 2よりも大きい。前記切断線 CLの形 状および位置は、弾性部材 F力 図 1Cの前記各凹部 Wld, W2dに含まれ、かつ、 前記各凸部 Wlu, W2uの先端部分 Wfに含まれな 、ように設定される。

[0023] したがって、複合シート Wsは、前記弾性部材 Fが前記各凹部 Wld, W2dの谷底部 分 Wbに含まれ、かつ、各凸部 Wlu, W2uの先端部分 Wfに含まれないように、前記 弾性部材 Fを切断線 CLに沿って分割される。すなわち、図 3Bのように、後に、着用 物品が生成された際に、吸収体 Cとレッダ用の弾性部材 Fとが全く重ならないか、ある いは両者が吸収体 Cの幅方向の端部にぉ 、て若干重なる程度となるように、弾性部 材 Fが切り分けられる。

[0024] なお、図 1Bの第 1および第 2の波形 a , βにおいて、山側の振幅 a l , β 1と谷側 の振幅 α 2, β 2とは必ずしも同じ振幅である必要はない。前記第 1の波形 exの第 1 の振幅 α ΐ , α 2が、第 2の波形 |8の第 2の振幅 |8 1 , j8 2よりも大きぐかつ、第 1の波 形 αと第 2の波形 |8とが同調していればよい。

[0025] また、図 1Cの分割シート Wl , W2の拡幅を行うためには、一方の分割シート W1 ( W2)の側縁部 Wis (W2s)力 他方の分割シート W2 (W1)の側縁部 W2s (Wis)ま での距離 dlを広げればよい。たとえば、図 2Aのように、両分割シート Wl , W2は、後 に、一部にお 、て互 ヽに重なるように拡幅されて 、てもよ 、。

[0026] 位相をずらす工程；

ついで、図 2Aに示すように、第 1凸部 Wluと第 2凸部 W2uとが互いに対向するよう に、第 1分割シート Wlと第 2分割シート W2の流れ方向 Xの位相がずらされる。すな わち、一方の分割シート Wl (W2)の流れ方向 Xの位相が他方の分割シート W2 (W1 )に対して半波長 λ Z2ずらされる。これにより、両分割シート Wl, W2の凸部 Wlu, W2u同士および凹部 Wld, W2d同士は、互いに対向した状態で搬送される。力か る位相の変更により、分割シート Wl, W2が搬送方向 Xに対して概ね線対称に配置 された状態で搬送され、両分割シート Wl, W2により、レッダホール Lhが形成される

[0027] なお、分割シート Wl, W2の位相をずらす方法としては、一方の分割シート Wl (W 2)がダミーロールを通過することにより、一方の分割シート Wl (W2)が他方の分割シ ート W2 (W1)よりも遅れが生じる方法であってもよ！/ヽ。

[0028] その後、図 2Bに示すように、分割シート Wl, W2にコア部 Cが配置された後、分割 シート Wl, W2は下流に搬送されて、切断線 Chに沿って個々のパンツに切断される 。なお、この切断に先立って分割シート Wl, W2が互いに重なるように折り畳まれて ちょい。

[0029] 図 3A、図 3Bおよび図 3Cには、前述の製造方法によって製造された着用物品の一 例が示される。

図 3Bおよび図 3Cに示すように、分割シート Wl, W2の凸部 Wlu, W2uの先端部 分 Wfの一部は、互いに重なるように配置されて 、る。

[0030] なお、着用物品には種々の加工が施されてもよい。たとえば、図 3Aおよび図 3Cに 示すように、前記分割シート Wl, W2のウェスト部分やヒップ部分等には、レッダ用の 弾性部材 Fとは異なる複数本の別の弾性部材 Fwが配置されてもよい。また、カバー シート Scやトップシート Stなどが配置されてもよい。また、分割シート Wl, W2の側縁 部 Wis, W2sがコア部 Cの両端部に重なるように、それぞれ折り返されてもよい。

[0031] また、図 4A、図 4Bおよび図 4Cに示すように、分割シート Wl, W2が互いに重なら ないように配置されてもよい。かかる分割シート Wl, W2の配置は、前述の拡幅工程 にお 、て、一方の分割シートの側縁部から他方の分割シートの側縁部までの距離 dl (図 1C)を大きくすることにより行われる。コア部 Cは、その端部が、それぞれ一対の 分割シート Wl, W2上に配置される。 なお、前記波形 α · βは、 1波長中の隣接する凹凸形状が、非対称の凹凸形状とし て出現するような波形であってもよい。すなわち、波形 α · j8は、バック部となる部分 の凸部の幅が広ぐフロント部となる部分の凸部の幅が狭くなるような波形 α · j8であ つてもよい。これにより、臀部を覆うバック部の面積が大きくなるため、着用者に安心 感を与えることができる。

産業上の利用可能性

本発明は、吸収体を有する着用物品の製造に適用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 着用者の胴の一部を覆う第 1胴部と、着用者の胴の他部を覆う第 2胴部と、着用者 の股を覆うコア部とを備えた着用物品の製造方法であって、

搬送方向に連続するとともに第 1側縁部および第 2側縁部を有する帯状のウェブを 搬送する工程と、

前記ウェブの長手方向に連続し、かつ、所定の波長および第 1の振幅を持つ第 1 の波形に沿ってレッダ用の弾性部材を前記搬送中の前記ウェブに配置して複合シ ートを生成する工程と、

前記複合シートの長手方向に連続し、かつ、前記波長と同じ波長および前記第 1の 振幅よりも小さい第 2の振幅を持ち前記第 1の波形と同調する第 2の波形を持つ切断 線に沿って前記搬送中の前記複合シートを切断することで、前記第 1側縁部を含み 前記切断線に沿った第 1凹部と第 1凸部を交互に有する第 1分割シートと、前記第 2 側縁部を含み前記切断線に沿った第 2凸部と第 2凹部を交互に有する第 2分割シー トとに分割すると共に前記弾性部材を切断する工程と、

前記第 1凸部と前記第 2凸部とが互いに対向するように、前記第 1分割シートと前記 第 2分割シートの流れ方向の位相を互いにずらす工程と、

前記第 1凸部と前記第 2凸部とに跨がるように前記コア部を配置する工程とを備え た着用物品の製造方法。

[2] 請求項 1にお 、て、前記第 1側縁部から前記第 2側縁部までの幅が広がるように、 前記 2つの分割シートを前記長手方向に直交する幅方向に相対移動させる工程を 更に備えた着用物品の製造方法。

[3] 請求項 2において、前記第 1凸部の一部と前記第 2凸部の一部とが互いに重なるよ うに前記相対移動と前記位相をずらす工程が実行される着用物品の製造方法。

[4] 請求項 2において、前記第 1凸部と前記第 2凸部とが互いに重ならないように前記 相対移動と前記位相をずらす工程が実行される着用物品の製造方法。