明 細 書
通気部材および通気構造
技術分野
[0001] 本発明は、自動車部品、電子部品等を収容する筐体に装着される通気部材に関 する。また、通気部材を用いた通気構造に関する。
背景技術
[0002] ランプ、センサ、 ECU (electronic control unit)のような自動車の電装部品を収容す る筐体には、筐体の内部と外部との通気を確保するとともに、筐体内部への異物の 侵入を阻止する通気部材が取り付けられている。そのような通気部材の一例が特開 2 004— 47425号公報ゃ特開 2003— 336874号公報【こ開示されて!ヽる。
[0003] 例えば、特開 2004— 47425号公報に開示されている通気部材は、図 13に示すご とぐ通気膜 202が配置された支持体 203と、通気膜 202を覆うように支持体 203に 取り付けられたカバー部品 204とを備えている。このような通気部材 201を、 Oリング 2 05を介して筐体 206の開口部 207に固定する。通気膜 202を気体が透過することに より、筐体 206の内外の通気を確保できる。カバー部品 204は、外力によって通気膜 202が損傷したり、塵芥の堆積によって通気膜 202の通気性能が低下したりすること を防止する。
[0004] 図 13で説明した通気部材は、筐体の開口部に簡単に取り付けることが可能である 。また、筐体の外表面力もの突出高さが比較的小さい。このことは、一見すると、通気 部材が余分なスペースを取らないので好ましいと考えられる。しかしながら、本発明 者らが鋭意検討を行ったところ、常にそうとは限らないことが判明した。
[0005] 具体的には、通気部材を筐体の開口部に取り付けた状態で、通気部材の通気膜と 、筐体の外表面との距離が近接している場合を考える。このような場合において、筐 体の外表面に水滴や油滴が付着すると、通気膜を固定して 、る支持体の側面を伝つ て水滴等が簡単に通気膜の表面に向かって流れていく可能性があることが分力つた 。こうした現象は、通気部材と筐体との境界近傍に水滴や油滴が滞留している状態 で、筐体内の気圧が外気圧よりも急に低くなつた場合に顕著に現れると考えられる。
発明の開示
[0006] 上記問題に鑑み、本発明は、筐体の外表面に水滴等が付着した場合であっても、 通気膜に向力つて水滴等が流れていくことを防止でき、通気性能を確実に維持でき る通気部材を提供することを目的とする。また、その通気部材を用いた通気構造を提 供することを別の目的とする。
[0007] すなわち、本発明は、
換気を行うべき筐体に取り付けられる通気部材であって、
筐体の内外の通気経路としての貫通孔を有する支持体と、貫通孔を塞ぐように支持 体に固定された通気膜とを備え、
通気膜の厚さ方向を高さ方向と定義したとき、
支持体は、一方の開口端面から他方の開口端面に至るまで貫通孔が高さ方向に 延びるように形成され、一方の開口端面力 他方の開口端面までの高さが 4mm以上 に調整されている、通気部材を提供する。
[0008] また、他の側面において、本発明は、
換気を行うべき筐体に取り付けられる通気部材であって、
筐体の内外の通気経路としての貫通孔を有する支持体と、貫通孔を塞ぐように支持 体に固定された通気膜とを備え、
支持体は、筐体に接続されるべき部分であって、通気膜が配置されている側力 筐 体に接続される側に向かうにつれて、通気膜の厚さ方向と直交する横方向の断面に 現れる外形のなす面積が連続的または段階的に拡大している基体部を含む、通気 部材を提供する。
[0009] さらに、他の側面において、本発明は、
換気を行うべき筐体に取り付けられる通気部材であって、
筐体の内外の通気経路としての内部空間と、内部空間と外部とを連通する開口部 とを有する支持体と、開口部を塞ぐように支持体に固定された通気膜とを備え、 通気膜の厚さ方向を高さ方向と定義したとき、高さ方向における支持体の一方の端 面が、筐体に直接または他部材を介して固定される固定予定面とされ、固定予定面 力 開口部が形成されて 、る他方の端面までの高さが 4mm以上に調整されて 、る、
通気部材を提供する。
[0010] 他の側面において、本発明は、換気を行うべき筐体と、筐体の開口部に取り付けら れた上述の通気部材とを含む、通気構造を提供する。
[0011] 上記本発明の通気部材 (または通気構造)は、筐体の外表面から反対側の開口端 面までの高さが 4mm以上と十分に確保されている。したがって、通気部材と筐体との 接続箇所等に水滴等が滞留した場合であっても、水滴等が通気膜上に簡単に流れ ていくことを防止できる。すなわち、筐体の外表面に水滴等が付着した場合でも、通 気性能を確実に維持できる通気部材を実現できる。
[0012] また、他の側面における本発明の通気部材 (または通気構造)は、通気膜を固定す る支持体に含まれる基体部の横断面積が、筐体に近づくにつれて連続的または段 階的に拡大している。このような構造によれば、通気部材と筐体との境界付近に水滴 等が滞留しにくくなる。この結果、筐体の外表面に水滴等が付着した場合でも、水滴 等が通気膜の上に流れていくことを防止でき、ひいては通気性能を確実に維持でき る通気部材を実現できる。
図面の簡単な説明
[0013] [図 1A]図 1Aは、本発明にかかる第 1実施形態の通気部材の斜視図である。
[図 1B]図 1Bは、図 1 Aの通気部材の断面斜視図である。
[図 2A]図 2Aは、図 1 Aの通気部材の変形例の断面斜視図である。
[図 2B]図 2Bは、図 1 Aの通気部材の別の変形例の断面斜視図である。
[図 3A]図 3Aは、第 2実施形態の通気部材の斜視図である。
[図 3B]図 3Bは、図 3Aの通気部材の断面斜視図である。
[図 4A]図 4Aは、第 3実施形態の通気部材の断面斜視図である。
[図 4B]図 4Bは、図 4Aの通気部材の変形例の断面斜視図である。
[図 5A]図 5Aは、第 4実施形態の通気部材の斜視図である。
[図 5B]図 5Bは、図 5Aの通気部材の断面斜視図である。
[図 5C]図 5Cは、図 5Aの通気部材の変形例の断面斜視図である。
[図 5D]図 5Dは、図 5Aに示す通気部材の別の変形例の断面斜視図である。
[図 6A]図 6Aは、第 5実施形態の通気部材の斜視図である。
[図 6B]図 6Bは、図 6Aの通気部材の断面斜視図である。
[図 6C]図 6Cは、図 6Aの通気部材の作用説明図である。
[図 6D]図 6Dは、従来の通気部材の作用説明図である。
[図 7A]図 7Aは、第 6実施形態の通気部材の斜視図である。
[図 7B]図 7Bは、図 7Aの通気部材の断面斜視図である。
[図 8A]図 8Aは、図 7Aに示す通気部材の変形例の斜視図である。
[図 8B]図 8Bは、図 8Aの通気部材の断面斜視図である。
[図 8C]図 8Cは、図 7Aに示す通気部材の他の変形例の斜視図である。
[図 8D]図 8Dは、図 8Cの通気部材の断面斜視図である。
[図 8E]図 8Eは、図 7Aに示す通気部材の更なる変形例の断面斜視図である。
[図 9A]図 9Aは、第 7実施形態の通気部材の斜視図である。
[図 9B]図 9Bは、図 9Aの通気部材の断面斜視図である。
[図 10A]図 10Aは、第 8実施形態の通気部材の斜視図である。
[図 10B]図 1 OBは、図 1 OAの通気部材の断面斜視図である。
[図 11]図 11は、第 9実施形態の通気部材の斜視図である。
[図 12]図 12は、通気部材を取り付けた筐体の全体図である。
[図 13]図 13は、従来の通気部材の側面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0014] (第 1実施形態)
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。 図 1Aは、本発明にかかる第 1実施形態の通気部材の斜視図であり、図 1Bは、その 断面斜視図である。図 12は、図 1 Aの通気部材を取り付けた筐体の全体図である。 図 12に示すように、図 1A, 1Bに示す通気部材 13Aは、例えば自動車の電装部品 の筐体 91の開口部 91kに取り付けられて、筐体 91の内外の換気を行うための通気 構造 100Aを構成する。なお、筐体は、図 12に示すような箱形のものに限定されるわ けではなぐ換気を必要とする空間を内部に有する部品や物品であれば、本発明の 通気部材の取り付け対象としての筐体になりうる。
[0015] 図 1A, 1Bに示すごとぐ通気部材 13Aは、筐体 91の内外の通気経路としての貫
通孔 1 lhを有する支持体 11と、貫通孔 1 lhの一方の開口を塞ぐように支持体 11上 に配置された通気膜 6とを備えている。支持体 11は、略円筒形状である。円筒形状 の支持体 11の一方の開口端面である第 1開口端面 l ip上に、円形状の通気膜 6を 配置している。通気膜 6の直径は、第 1開口端面 l ipにおける支持体 11の外径よりも 小さく内径よりも大きい。支持体 11の貫通孔 l lhと、通気膜 6と、筐体 91の開口部 91 kとが同心状の配置となるように、通気部材 13Aを筐体 91の開口部 91kに固定して いる。つまり、支持体 11に形成されている貫通孔 l lhの一方の開口が通気膜 6によ つて塞がれ、他方の開口が筐体 91内に向けて開放している。通気膜 6は、気体の透 過を許容し、筐体 91内に水滴や塵芥等の異物が侵入することを阻止する。通気膜 6 の気体透過作用により、筐体 91内の圧力は外部の圧力に等しく保たれる。
[0016] また、通気部材 13Aの支持体 11は、筐体 91の開口部 91kに取り付けられる側とは 反対側において、通気膜 6との間に隙間を形成するとともに通気膜 6を覆う屋根部 16 を含む。つまり、支持体 11の 2つの開口端面 l ip, l lqのうち、筐体 91に接する第 2 開口端面 l lqとは反対側に位置する第 1開口端面 l ipは、屋根部 16に覆われてい る。第 1開口端面 l ipと屋根部 16との間には隙間が形成されており、その隙間が、通 気膜 6の面内と平行な方向に開放する開口 16hに連通している。このような構造によ り、通気膜 6を水滴や塵芥から保護し、通気膜 6を介して筐体 91の内外の通気が確 保されている。なお、本実施形態においては、貫通孔 l lhを有する支持体 11とは別 部品として屋根部 16を作製し、第 1開口端面 l ip上に通気膜 6を固定したのちに、そ の屋根部 16を支持体 11に合体させて 、る。
[0017] 上記のような支持体 11は、射出成形、圧縮成形、切削等の一般的な成形手法によ り作製することができる。支持体 11の材料には、成型性の観点から熱可塑性榭脂を 用いることが好ましい。具体的には、 PBT (ポリブチレンテレフタレート)、 PA (ナイ口 ン)、 PET (ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性榭脂や、 EPDM (エチレンプロ ピレンジェンゴム)、シリコーンゴム等の熱可塑性エラストマ一を用いることができる。 また、支持体 11の材料は、カーボンブラック、チタンホワイト等の顔料類、ガラス粒子 、ガラス繊維等の補強用フイラ一類、撥水材等を含んでいてもよい。また、支持体 11 は、その表面に撥液処理を施すことにより、液体 (水や油)を排除しやすくなる。易接
着処理、絶縁処理、半導体処理、導電処理等の他の処理を支持体 11に施してもよ い。
[0018] 一方、通気膜 6は、気体の透過を許容し、液体の透過を阻止する膜であれば、構造 や材料は特に限定されない。本実施形態では、榭脂多孔質膜に補強層を積層した 通気膜 6、より詳細には、補強層の上下に榭脂多孔質膜を積層した 3層構造の通気 膜 6 (例えば、 日東電工社より入手可能な TEMISH (登録商標) )を例示して 、る。補 強層を設けることにより、高強度の通気膜 6とすることができる。
[0019] 榭脂多孔質膜の材料には、公知の延伸法、抽出法によって製造することができるフ ッ素榭脂多孔体やポリオレフイン多孔体を用いることができる。フッ素榭脂としては、 P TFE (ポリテトラフルォロエチレン)、ポリクロ口トリフルォロエチレン、テトラフルォロェ チレン一へキサフルォロプロピレン共重合体、テトラフルォロエチレン一へキサフル ォロプロピレン共重合体、テトラフルォロエチレン エチレン共重合体等が挙げられ る。ポリオレフインを構成するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、 4ーメチルペン テン 1, 1ブテン等が挙げられ、これらのモノマーを単体で重合した、または共重合 して得たポリオレフインを使用することができる。また、ポリアクリロニトリル、ナイロン、 ポリ乳酸を用いたナノファイバーフィルム多孔体等を用いることもできる。中でも、小 面積で通気性が確保でき、筐体内部への異物の侵入を阻止する機能の高 ヽ PTFE 多孔体が好ましい。
[0020] また、通気膜 6を構成する榭脂多孔質膜には、筐体の用途に応じて撥液処理を施 してもよい。撥液処理は、表面張力の小さな物質を榭脂多孔質膜に塗布し、乾燥後 、キュアすることにより行うことができる。撥液処理に用いる撥液剤は、榭脂多孔質膜 よりも低い表面張力の被膜を形成できればよぐ例えば、パーフルォロアルキル基を 有する高分子を含む撥液剤が好適である。撥液剤の塗布は、含浸、スプレー等で行 うことができる。また、十分な防水性を確保するという観点から、榭脂多孔質膜の平均 孔径は、 0. 01 以上 10 m以下であることが望ましい。
[0021] 通気膜 6を構成する補強層の材料としては、榭脂多孔質膜よりも通気性に優れるこ とが好ましい。具体的には、榭脂または金属力もなる、織布、不織布、メッシュ、ネット 、スポンジ、フォーム、多孔体 (例えば、日東電工社より入手可能なサンマップ)等を
用いることができる。榭脂多孔質膜と補強層とを接合する方法としては、接着剤ラミネ ート、熱ラミネート、加熱溶着、レーザー溶着、超音波溶着、接着剤の使用等の方法 がある。
[0022] また、通気膜 6の厚さは、強度および支持体 11への固定のしゃすさを考慮して、例 えば、 1 /ζ πι〜5πιπιの範囲で調整するとよい。通気膜 6の通気度は、ガーレー値に て 0. l〜300secZlOOcm3であることが好ましい。なお、本実施形態では通気膜 6 を支持体 11に熱溶着して 、るが、超音波溶着法や接着剤を用いる方法等の他の方 法で通気膜 6を支持体 11に固定してもよ ヽ。
[0023] なお、支持体や通気膜に関する説明は、後述する他の実施形態に援用する。
[0024] 以下、他の実施形態を含めて、通気膜 6の厚さ方向を高さ方向と定義する。また、 通気膜 6について、筐体 91側に位置する面を下面、これと反対側を上面とする。
[0025] 図 1A, 1Bに示すごとぐ本実施形態において、通気部材 13Aを取り囲む筐体 91 の外表面 91pは、通気膜 6の主面に略平行な平坦面となっている。図 1Bに示すごと ぐ通気膜 6が固定されている第 1開口端面 l ipとは反対側の開口端面である第 2開 口端面 l lqは、筐体 91の開口部 91kに直接接合された接合面となっている。また、 貫通孔 l lhは、第 2開口端面 l lqから第 1開口端面 l ipに至るまで、高さ方向にほぼ 真っ直ぐ延びるように形成されて ヽる。
[0026] 支持体 11は、第 2開口端面 l lqから通気膜 6までの高さ H、換言すれば、通気部 材 13Aを取り囲む筐体 91の外表面 91pから通気膜 6までの高さ H力 4mm以上と なるように寸法調整がなされている。このようにすれば、筐体 91の外表面 9 lpに付着 した水滴等が通気膜 6上に流れていくことを防止する効果を十分に得ることができる 。上記高さ Hを 4mm以上とすれば、通常の条件下で筐体 91に付着する水滴等が
1
通気膜 6に到達しにくい。より確実に水滴等と通気膜 6との接触を防止するために、 上記の高さ Hは、 6mm以上に調整することが好ましぐより好ましくは 10mm以上に
1
調整することである。ただし、筐体 91の外表面 91pからの通気部材 13Aの突出量が 大きくなりすぎないように、上記の高さ Hは 30mm以下とすることが望ましい。なお、
1
これらの寸法は、後述する実施形態にも援用する。
[0027] 通気部材 13Aを筐体 91の開口部 91kに固定する方法としては、熱溶着による方法
、超音波溶着による方法、レーザー溶着による方法、粘着テープを用いる方法、接着 剤を用いる方法等を採用することができる。図 1A, 1Bに示す通気部材 13Aにおい ては、筐体 91の外表面 91pから通気膜 6の下面までの支持体 11の高さ H 1S 高さ
1 方向と垂直な断面における支持体 11の外径よりも小さく調整されている。このように すれば、通気部材 13Aを筐体 91の開口部 91kに固定したときの安定性が十分に得 られ、異物等による衝撃が加わった場合に通気部材 13Aが筐体 91から脱落する可 能性を小さくできる。
[0028] また、図 2Aに示す通気部材 13Bのように、第 2開口端面 l lq側における周方向の 複数箇所に、半径方向外向きに突出するリブ 14, 14を設けるようにしてもよい。リブ 1 4, 14は、筐体 91の外表面 91pに接合されている。このような通気部材 13Bを筐体 9 1の開口部 91kに取り付けた通気構造 100Bによれば、通気部材 13Bと筐体 91との 接合強度を容易に高めることが可能である。このようなリブ 14, 14は、後述するいず れの実施形態にも適用することが可能である。
[0029] ところで、本発明の通気部材は、筐体を成形するための金型にインサートされ、筐 体を構成するべき榭脂と一体化される、 Vヽゎゆるインサート成形に供される場合があ る。そのようなインサート成形法によれば、通気部材を筐体に取り付ける工程を省略 することができるので生産性に優れる。し力しながら、工程数の減少と引き替えに、不 良品の発生率が高くなる恐れがある。なぜなら、インサート成形の実施時において、 通気部材の通気膜に高い空気圧が加わり、通気膜が支持体力 剥離したり破れたり することがある力らである。このような問題に対しては、下記のような改良が有効である
[0030] すなわち、図 2Bに示す通気構造 100Bに含まれる通気部材 13Cのごとぐ榭脂多 孔質膜を含む膜本体 6と、膜本体 6の少なくとも一方の主面を覆うように膜本体 6に取 り付けられた通気性を有する補強材 7とを含み、補強材 7によって膜本体 6が補強さ れた通気膜 8を用いることができる。このようにすれば、筐体 91の成形時における膜 本体 6の剥離'破断といった不具合の発生を防止ないし抑制することができる。膜本 体 6は、同一の参照符号を付与していることから分力るように、図 1A, 1Bで説明した 通気膜そのものである。
[0031] 補強材 7は、膜本体 6の通気性を確保できるとともに、膜本体 6よりも剥離や破断が 容易に生じにくい特性が要求される。したがって、補強材 7が、金属製または榭脂製 のメッシュを含むことが好ましい。より好ましくは、補強材 7がメッシュ力もなつているこ とである。膜本体 6と補強材 7とは、溶着や接着剤の使用によって接合され、一体化さ れていることが好ましい。また、補強材 7が、実質的に、支持体 11を構成する榭脂と 同一組成の榭脂からなっていると、熱溶着、超音波溶着、レーザー溶着等の溶着方 法によって支持体 11と補強材 7とを一層強固に接合することが可能なので好ましい。 金属製ゃ榭脂製のメッシュは、金属ゃ榭脂の線材を編み込んだものであってもよ 、し 、公知のパンチングメタルのように多数の孔が穿孔されたシートであってもよいし、金 型を用いた公知の成形法によって製造された成形体であってもよぐさらには、剛性 の高い格子のようなものであってもよい。なお、図 2Bの例では、補強材 7が膜本体 6 の片面にのみ接合されている力 膜本体 6の両面に補強材 7を配置してもよい。また 、「実質的に同一組成」とは、不可避不純物を含む場合や、特性に有意な影響を与 えな ヽ微差がある場合までも排除するものではな 、と 、う趣旨である。
[0032] なお、本実施形態ならびに他の実施形態で説明する通気部材は、屋根部以外の 部分で支持体が上下に分割可能であってもよい。また、屋根部を有さずに通気膜が 上方に露出する形態の支持体を備えた通気部材を採用してもよい。
[0033] (第 2実施形態)
図 3Aは、第 2実施形態の通気部材の斜視図であり、図 3Bは、その断面斜視図で ある。図 3A, 3Bに示す通気部材 23を筐体 91の開口部 91kに取り付けることにより、 筐体 91の内外の換気を行うための通気構造 102が構成されている。
[0034] 通気部材 23は、筐体 91の内外の通気経路としての貫通孔 2 lh, 2 liを有する支持 体 21と、貫通孔 21h, 21iを塞ぐように支持体 21に固定された通気膜 6とを備えてい る。第 2開口端面 21qが、筐体 91に直接接合された接合面となっている。支持体 21 は、通気膜 6を覆う屋根部 26を含む。通気膜 6と屋根部 26との間の隙間が、通気膜 6 の面内と平行な方向に開放する開口 26hに連通している。こうした点については、第 1実施形態の通気部材 13と共通である。
[0035] 一方、筐体 91から遠い側に位置する第 1開口端面 21pは、屋根部 26を固定してい
る端面となっている。この第 1開口端面 21pに通気膜 6は配置されていない。本実施 形態において、通気膜 6は、貫通孔 21h, 21i内に配置されている。支持体 21の貫 通孔 21h, 21iは、筐体 91の外部側となる第 1部分 21hと、筐体 91の内部側となる第 2部分 2 liとから構成され、通気膜 6によって互いに隔てられている。このように、通気 膜 6を貫通孔 21h, 21i内に配置する場合には、第 2開口端面 21q (筐体 91の外表 面 91pに一致する端面)から反対側の第 1開口端面 21pまでの支持体 21の高さ Hを
3
4mm以上に調整すればよい。そうすれば、筐体 91の外表面 91pに付着した水滴等 力 支持体 21を乗り越えて貫通孔 21hに侵入することを防止する効果を十分得られ る。
[0036] より好ましくは、第 2開口端面 21qから通気膜 6の下面までの支持体 21の高さ Hを
2
4mm以上とすることである。このようにすれば、筐体 91の内部側となる貫通孔 21iの 長さを十分に確保することができる。貫通孔 21iに適度な長さがある場合、筐体 91内 に結露が生じたときでも、水滴は貫通孔 21i内をゆっくり流れていくため、水滴が直ち に通気膜 6に付着することを防止できるという利点がある。また、筐体 91の外表面 91 p力も通気膜 6までの高さ Hを 4mm以上とすることにより、筐体 91の外表面 91pから
2
第 1開口端面 21pまでの高さ Hは、必然的に 4mm以上となるので好ましい。
3
[0037] また、支持体 21は、貫通孔 21h, 21iの周方向全域にわたって形成され、高さ方向 と直交する横方向に関する貫通孔 21h, 21iの断面積が不連続に変化する段付き部 211を含んでいる。つまり、段付き部 211は、貫通孔 21h, 21iの第 1部分 21hと第 2 部分 21iとの境界を含んでいる。そして、この段付き部 211に通気膜 6を配置している 。このような構造によれば、通気膜 6を貫通孔 21h, 21i内に簡単かつ確実に配置す ることができる。貫通孔 21h, 21i内に通気膜 6を配置することにより、横方向から飛来 する水滴や塵芥から通気膜 6を保護できる。なお、本実施形態では、筐体 91の外部 側となる貫通孔 21hの直径を通気膜 6の直径よりも大きく設定し、その貫通孔 21hか ら通気膜 6を挿入して段付き部 211に固定にしている。このようにすれば、通気膜 6を 簡単に段付き部 211に固定することができる。
[0038] なお、通気膜 6に代えて、補強された通気膜 8 (図 2B参照)を用いてもよい。その場 合、補強材 7または膜本体 6が段付き部 211の座面に接触するように、支持体 21に
通気膜 8が固定されることになる。
[0039] (第 3実施形態)
図 4Aに示す第 3実施形態の通気部材 43Aは、第 2実施形態の通気部材 23の変 形例である。通気部材 43Aを筐体 91の開口部 91kに取り付けることにより、通気構 造 106Aが構成されている。支持体 41の貫通孔 41h, 41iが通気膜 6によって上下に 隔てられている点、支持体 41が屋根部 46を含む点、筐体 91の外表面 91pから第 1 開口端面 41pまでの高さ H力 mm以上に調整されている点等は先の実施形態と共
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通である。相違する点は、通気膜 6を支持体 41とインサート成形により一体化してい る^;である。
[0040] 図 4Aに示すごとぐ通気膜 6は、貫通孔 41h, 41i内において、支持体 41を構成す る榭脂に周縁部 6kを一体ィ匕することにより、その支持体 41に固定されている。つまり 、通気膜 6の周縁部 6kが支持体 41の内部に埋め込まれている。このようにすれば、 通気膜 6を支持体 41に強固に固定することが可能である。万が一、通気部材 43Aが 強い水流に晒されたりした場合であっても、通気膜 6が支持体 41から剥がれ落ちたり しない。なお、本実施形態においても、通気部材 43Aの支持体 41は、筐体 91の外 表面 91p (第 2開口端面 41qに一致する)力 通気膜 6までの高さ H力 mm以上で
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あることがより好ましい。
[0041] また、本実施形態の通気部材 43Aにお 、て、筐体 91に接合される側の開口部 41 Lの外径力 反対側の開口部の外径よりも大きくなつている。このような開口部 41Lを 含む支持体 41によれば、接合面 41qの面積が大きくなるので、通気部材 43Aと筐体 91との接合強度が向上する。もちろん、このような開口部 41Lを、他の実施形態の通 気部材に適用してもよい。
[0042] また、図 4Bに示す通気構造 106Bに含まれる通気部材 43Bのように、膜本体 6と補 強材 7とを含む通気膜 8を用いることもできる。この場合、膜本体 6と補強材 7の双方 の周縁部が、支持体 41の内部に埋め込まれる。補強材 7による補強効果と、支持体 41の内部への埋め込み効果とが相俟って、支持体 41に通気膜 8をより強固に固定 することが可能となる。
[0043] (第 4実施形態)
図 5Aは、第 4実施形態の通気部材の斜視図であり、図 5Bは、その断面斜視図で ある。図 5A,図 5Bに示す通気部材 53Aは、第 2実施形態の変形例である。支持体 5 1の貫通孔 51h, 51i内に通気膜 6を配置している点、支持体 51が屋根部 5 laを含む 点、筐体 91の外表面 91pから第 1開口端面 51pまでの高さ Hが 4mm以上に調整さ
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れている点は、図 3A, 3Bに示す通気部材 23および通気構造 102と共通である。支 持体 51の第 2開口端面 5 lqを筐体 91に対する接合面とし、通気部材 53Aを筐体 91 の開口部 91kに取り付けることによって通気構造 108Aが構成されている点も同様で ある。
[0044] 図 5Bに示すごとぐ支持体 51は、貫通孔 51h, 51i内の周方向全域にわたって形 成され、高さ方向と直交する横方向に関する貫通孔 51h, 51iの断面積が不連続に 変化する段付き部 511を含んでいる。つまり、段付き部 511は、貫通孔 51h, 51iの 第 1部分 5 lhと第 2部分 5 liとの境界を含んでいる。そして、この段付き部 511に通気 膜 6を配置している。ただし、通気部材 53Aは、支持体 51の貫通孔 51h, 51iのうち、 筐体 91の外側に露出する貫通孔 51hが、筐体 91の内部側となる貫通孔 5 よりも小 径になっている。つまり、通気膜 6を筐体 91の開口部 91kに接続する第 2開口端面 5 lq側から貫通孔 5 li内に挿入し、これを段付き部 511に配置するようにして!/、る。
[0045] この通気部材 53Aによれば、支持体 51の段付き部 511において、横方向に関する 貫通孔 51h, 51iの断面積力 筐体 91に取り付けられる側から反対側に進むにつれ て不連続に縮小しているので、筐体 91側力も反対側に向力 方向の空気圧が加わ つたとき、通気膜 6が段付き部 511の座面に押し付けられる。したがって、通気部材 5 3A付きの筐体 91をインサート成形法によって製造する場合における、通気膜 6の剥 離や破れの発生率を低減することができる。
[0046] より好ましくは、図 5Cに示す通気構造 108Bに含まれる通気部材 53Bのごとぐ補 強材 7で補強された通気膜 8を用いることである。この場合は、補強材 7が段付き部 5 11の座面に接触するように、支持体 51に通気膜 8が固定される。この通気部材 53b によれば、筐体 91側力 反対側に向力 方向の空気圧が加わったとき、膜本体 6が 補強材 7に押し付けられる。好ましい補強材 7は、金属製または榭脂製のメッシュ、も しくは多孔体 (例えば、日東電工社より入手可能なサンマップ)を含み、膜本体 6より
も高い剛性を有する。このような補強材 7によれば、インサート成形時に加わる空気圧 によって支持体 51から剥離したり破断したりする可能性は低ぐ膜本体 6を常にしつ 力りと支える。また、先にも説明したように、補強材 7が、実質的に、支持体 51を構成 する樹脂と同一組成の榭脂からなって 、ることが好ま 、。
[0047] なお、本実施形態においても、通気部材 53A, 53Bの支持体 51は、筐体 91の外 表面 9 lpから通気膜 6までの高さ H力 mm以上であることが好ましい。
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[0048] また、本実施形態では、射出成形により、支持体 51の屋根部 51aを貫通孔 51h, 5 liが形成されている本体部と一体に作製している。ただし、通気膜 6と屋根部 5 laと の間の隙間が、通気膜 6の面内と平行な方向に開放する開口 52に連通していること には変わりない。
[0049] また、図 5Dに示す通気部材 53Dも好適である。すなわち、通気部材 53Dの支持体 51Dは、通気膜 6から筐体 91に向力 通気経路上に配置されるとともに、貫通孔 51i 内における気体または液体の高さ方向に関する直進を妨げる邪魔板 51e, 51fを含 む。このような邪魔板 51e, 51fを貫通孔 51i内に配置することにより、筐体 91内に結 露が生じた場合であっても、水滴が通気膜 6に向力つてダイレクトに流れていくことを 防止できる。そうすると、通気膜 6の通気性を常時確保でき、筐体 91内の結露をスム ーズに解消することができる。なお、このような邪魔板 5 le, 5 Ifは、他のいずれの実 施形態にも採用することが可能である。
[0050] (第 5実施形態)
図 6A, 6Bに示す通気部材 63の支持体 61は、筐体 91に接続されるべき部分であ つて、通気膜 6が配置されている側から筐体 91に接続される側に向かうにつれて、通 気膜 6の厚さ方向と直交する横方向の断面に現れる外形のなす面積が連続的また は段階的に拡大して 、る基体部 611を含む。支持体 61の基体部 611が筐体 91の開 口部 9 lkに固定されて 、る。基体部 611に隣接する上側部分 (筐体 91とは反対側) は、外径が一定の定径部 610となっている。通気膜 6を覆う屋根部 6 laは、その定径 部 610に含まれる。通気膜 6と屋根部 61aとの間の隙間力 通気膜 6の面内と平行な 方向に開放する開口 62に連通して 、る。このような通気部材 63を筐体 91の開口部 9 lkに取り付けることにより、通気構造 110が構成されている。支持体 61の基体部 611
は、筐体 91の外表面 9 lpに付着した水滴等が通気部材 63の周囲に水滴等が貯まる ことを防止する。
[0051] 図 6C, 6Dは、本実施形態の通気部材と従来の通気部材の作用説明図である。ま ず、図 6Cに示すごとぐ筐体 91に向力つて末広がりとなるように側面が傾斜面になつ ている本実施形態の通気部材 63によれば、通気部材 63と筐体 91の外表面 91pとの 間に水滴 Wが貯まろうとすると、水滴 Wは表面積を大きくせざるを得ず、安定性が悪 い。したがって、水滴 Wは、通気部材 63の周囲力 スムーズに排除される。これに対 し、図 6Dに示すごとぐ従来の通気部材 201は、側面がまっすぐ切り立った形状にな つている。このような通気部材 201と筐体 91の外表面 91pとの間に貯まる水滴 Wは、 表面積を小さくすることができるので安定する。この結果、水滴 Wは、通気部材 201 の周囲に留まり易ぐ通気膜 6の上に流れていく可能性が高まる。特に、通気膜まで の高さが不足している従来の通気部材 201 (図 13)で顕著となる。
[0052] 図 6A, 6Bに示すごとぐ通気部材 63の基体部 611は、上記断面に現れる外形が 略円形であり、かつ直径が連続的に拡大している。基体部 611の径大側の端面 61q 力も径小側の開口端面 61pに至るまで貫通孔 61h, 61iが高さ方向に延びるように形 成されている。通気膜 6は、その貫通孔 61h, 61i内に配置されている。円形断面の 基体部 611とすることにより、通気部材 63の周囲に水滴等が貯まることを防止する効 果がいつそう高まる。
[0053] さらに、基体部 611の径大側の端面 61q (第 2開口端面 61q ;筐体 91の外表面 91p に一致する端面)から径小側の開口端面 6 lp (第 1開口端面 6 lp)までの高さ H 力
10 mm以上に調整されていることが好ましい。より好ましくは、基体部 611の径大側の端 面 61qから通気膜 6までの高さ H 1S 先の実施形態と同様、 4mm以上に調整されて
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いることである。このようにすれば、筐体 91の外表面 91pに付着した水滴等が通気膜 6に向力つて流れていくことを防止でき、非常に防水性の高い通気構造 110を実現 することができる。
[0054] なお、図 6A, 6Bの実施形態では、筐体 91側に近づくにつれて外径が連続的に拡 大する形態の基体部 611としたが、例えば階段状に外径が拡大するような形状の基 体部を設けることが可能である。また、側面が傾斜面になっている構造を他の実施形
態に適用してもよい。例えば、屋根部 61aを取り除き、通気膜 6を開口端面 61p上に 配置すれば、非常にシンプルな構造の通気部材とすることが可能である。また、通気 膜 6に代えて、補強された通気膜 8 (図 5C参照)を好適に採用することができる。
[0055] (第 6実施形態)
図 7A, 7Bに示す通気部材 73は、箱形の支持体 71と、その箱形の支持体 71の開 口部 71kを塞ぐように支持体 71に固定された通気膜 6とを備えている。箱形の支持 体 71は、筐体 91の内外の通気経路としての内部空間 SHと、その内部空間 SHと当 該支持体 71の外部とを連通する開口部 71kとを有する。通気膜 6の厚さ方向を高さ 方向と定義したとき、高さ方向における支持体 71の一方の端面 71qは、筐体 91に直 接接合された接合面 71qとなっている。筐体 91の開口部 91kが支持体 71の内部空 間 SHに露出するように、通気部材 73を筐体 91に直接固定している。支持体 71は、 接合面 71qから開口部 71kが形成されている端面 71pまでの高さ H 力 mm以上に
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調整されている。これにより、筐体 91の外表面 91pに付着した水滴等が通気膜 6の 上に流れていくことを防ぐことができる。
[0056] 本実施形態の通気部材 73において、筐体 91の開口部 91kと通気膜 6とは、高さ方 向に垂直な面内方向(横方向)において、互い違いの位置関係になっている。具体 的には、円形の通気膜 6の中心軸 Oと、筐体 91の開口部 91k (同じく円形)の中心
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軸 Oと力 一致していない。また、高さ方向の投影図において、支持体 71の開口部
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71kと、筐体 91の開口部 91kと力 面内で重なり合わない位置関係となっている。こ のような位置関係によれば、通気部材 73の内部空間 SHが面内方向に拡大し、水滴 等が通気膜 6により到達しにくくなる。
[0057] また、図 8A, 8Bに示すごとぐ複数の開口部 76k, 76kを有する支持体 76と、それ ら開口部 76k, 76kの各々を塞ぐように支持体 76に固定された複数の通気膜 6, 6と を含む通気部材 78を採用することができる。支持体 76の隣り合う開口部 76k, 76k のほぼ中間に筐体 91の開口部 91kが位置するような配置で、通気部材 78を筐体 91 に固定することにより、通気構造 115が構成されている。通気膜 6, 6の中心軸 O , O
1 3 は、筐体 91の開口部 91kの中心軸 Oと一致していない。このような通気構造 115に
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よれば、筐体 91内の通気度合 、が極めて良好である。
[0058] 通気膜 6, 6を配置している側の端面 76pとは反対側の端面 76qは、筐体 91の外表 面 91pに接する接合面となっている。筐体 91の外表面 91pから、開口部 76k, 76kが 形成されている端面 76pまでの高さ H は、これまでに説明してきた実施形態と同様
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に、 4mm以上となっている。これにより、筐体 91の外表面 91pに付着した水滴等が 通気膜 6, 6の上に流れていくことを防止できる。
[0059] また、図 8C, 8Dに示す通気部材 78Aおよび通気構造 115Aのように、開口部 76k , 76kを塞ぐ通気膜 6, 6を箱形の支持体 76の内部空間 SH側力 配置するようにし てもよい。また、図 8Eに示す通気構造 115Bでは、通気膜 6, 6を覆う屋根部 76aを備 えた通気部材 78Bを採用している。通気部材 78Bは、筐体 91に取り付けられる側と は反対側において、通気膜 6, 6との間に隙間を形成するとともにその通気膜 6, 6を 覆う屋根部 76aを備えている。このような屋根部 76aを設けることにより、通気膜 6, 6 を強い水流や塵芥力 確実に保護できる。屋根部 76aは、通気膜 6の面内に平行な 方向に開放して ヽるので、通気膜 6の通気度合 、を低下させる心配もな!/ヽ。
[0060] (第 7実施形態)
図 9A, 9Bに示す通気構造 117は、異なる高さの上面を含む通気部材 83を採用し たものである。具体的に、通気部材 83の支持体 81は、通気膜 6を配置する筒状部 8 laと、その筒状部 81aに連通する内部空間 SHを有した箱状部 81bとから構成されて いる。筒状部 81aは、通気経路としての貫通孔 8 lhを有している。通気膜 6は筒状部 81aの開口端面 81pに配置されており、貫通孔 81hを箱状部 81bに隣接する側とは 反対側から塞いでいる。筐体 91の外表面 91pから通気膜 6までの高さ H は、先の実
13 施形態と同様、 4mm以上となっている。さらに、筒状部 81aと箱状部 81bとは階段状 になっている。このような構造とすることにより、筐体 91の外表面 9 lpに付着した水滴 等が通気膜 6に向かって流れていきに《なる。また、通気構造 117を構築するため のスペースが部分的に不足しているような場合には、本実施形態のように、位置によ つて高さが異なる通気部材 83を採用することで対応できる。つまり、スペースが十分 に取れる箇所に通気膜 6を配置した筒状部 81aを位置させる一方、スペースが十分 に取れない箇所には、低背化を図った箱状部 81bを位置させるとよい。
[0061] (第 8実施形態)
図 10A, 10Bに示す通気部材 153は、形状は相違している力 主要な特徴は図 5 Cに示す通気部材 53Bと共通である。すなわち、通気部材 153の支持体 151は、通 気経路としての貫通孔 152hの横断面が非円形 (本実施形態では方形)であり、通気 膜 8が配置される段付き部 512と、貫通孔 151hが上方に直接露出することを防ぐ屋 根部 151aとを含む。貫通孔 151hは、横方向に開放する開口 152につながっている 。また、支持体 151の段付き部 512には、通気膜 8 (具体的には補強材 7の部分)を 嵌め込むための座ぐり 512gが設けられて 、るので、支持体 151に対する通気膜 8の 位置決めを行いやすくなつている。本実施形態の通気部材 153によれば、方形状の 通気膜 8を採用することが可能であるため、材料の無駄を最小化することができる。
[0062] また、通気部材 153の支持体 151は、超音波溶着用のリブ 154を含む。通気部材 1 53を筐体に接合する際には、このリブ 154に超音波に基づく摩擦が集中して素早く 溶融するので、接合工程に費やされる時間を短縮ィ匕することができる。もちろん、この ようなリブ 154を他の実施形態の支持体に設けてもよい。
[0063] (第 9実施形態)
インサート成形時に通気膜が剥離したり破れたりする問題は、図 11に示す通気構 造 160に含まれる通気部材 163によっても防ぐことが可能である。通気部材 163は、 通気膜 6と、通気膜 6がー方の開口端面上に配置された円筒状の支持体 161と、自 身と支持体 161との間に通気膜 6を挟むように、支持体 161に周縁部 9sが固定され た補強材 9とを備えている。補強材 9の周縁部 9sは、通気膜 6が配置されている側に おける支持体 161の開口端面よりも外向きに延出している。その周縁部 9sが支持体 161の側面に回り込み、支持体 161に固定されている。このようにすれば、筐体 91側 力 強い空気圧が加わった場合でも、通気膜 6が支持体 161から剥離したり破れたり することを防止できる。
[0064] 先の実施形態で説明した補強材 7と同様に、補強材 9が多孔体やメッシュを含むこ とが好ましぐ補強材 9が金属製ゃ榭脂製のメッシュ力もなつて 、ることがより好まし ヽ 。また、補強材 9が可撓性を有していると、周縁部 9sを支持体 161の側面に容易に沿 わせることができ、ひいては補強材 9を支持体 161に確実に固定できるので好ましい 。例えば、榭脂製のメッシュは可撓性に優れ、強度にも優れるので補強材 9として好
適である。また、補強材 9と通気膜 6とは、直接接合されていてもよいし、されていなく てもよい。すなわち、補強材 9を通気膜 6に被せるだけでもよい。補強材 9の周縁部 9s を支持体 161に固定する方法は特に限定されず、溶着、接着剤の使用、接着テープ の使用等を採用することができる。
[0065] 以上、本明細書で説明したいくつかの実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範 囲内で相互に組み合わせ可能であることを言及しておく。
産業上の利用可能性
[0066] 本発明の通気部材は、ランプ、モーター、センサ、スィッチ、 ECU、ギアボックス等 の自動車部品の筐体に好適である。中でも、内部に結露が生じやす力つたり、直接 風雨に晒されたり、洗車の際に水流を受けたりする筐体に、本発明の通気部材を取り 付ける場合に高い効果を得ることができる。また、自動車部品以外にも、移動体通信 機器、カメラ、電気剃刀、電動歯ブラシ等の電気製品の筐体に本発明の通気部材を 好適に取り付けることができる。